JP5309228B2 - 空間的シフトキー(ssk)変調シグネチャーを使用して姿勢を決定するシステム及び方法 - Google Patents

空間的シフトキー(ssk)変調シグネチャーを使用して姿勢を決定するシステム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、移動装置に対して正確な姿勢決定を生じさせるシステム及び方法に係る。より詳細には、本発明は、空間的に変調された信号の相関を使用して絶対的姿勢決定を許す空間的変調システムに適用される。
姿勢とは、三次元空間内で基準フレームに対するユーザプラットホームの傾斜として定義することができる。姿勢決定に慣習的に使用されている技術は、2つのグループに分類することができる。その第1グループは、基準に対する絶対的姿勢測定を与える。この種の技術は、例えば、磁界センサ、光学的追跡装置及び星センサである。第2グループは、姿勢の変化の測定しか与えることができない。例えば、ジャイロスコープ(機械的、MEMS、リングレーザ及び光ファイバ)や、角加速度計である。集合的に、この第2グループの装置は、慣性装置として知られている。慣性装置を使用する用途では、初期姿勢を知ることが必要である。これは、通常、第1グループからの技術を使用して達成される。その用途にとって初期姿勢が得られるときだけ、その後に第2グループにより行われる測定から絶対的姿勢を決定することができる。
不都合なことに、各グループからの装置を使用する場合に多数の問題が生じる。慣性装置から導出される計算された姿勢は、角度的割合の測定エラーが蓄積するために時間と共に連続的にドリフトすることで悩まされており、それ故、慣性システムは、それを有効とすべき場合には、基準に対して頻繁に再整列させねばならない。光学的追跡装置の動作は、正常な動作のために遮られてはならないセンサの視野により制限される。星のパターン認識を伴う星センサは、地球をベースとするシステムに対して雲のない夜にしか動作できないという制約が付加される。磁界センサを使用して向きを決定することは、基準磁界の完全性に依存する。この磁界は、例えば、大きな鉄の物体が磁界センサ付近にあることでしばしば歪まされ、広い工業地帯、工場及び倉庫のような環境ではその性能を不満足なものにする。
上述した姿勢決定の慣習的方法とは別に、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信器により使用される搬送波位相ポジショニング技術の拡張がある。搬送波位相ポジショニングは、ユーザの受信器が移動(揺動、位置変動)しているときに、受信したポジショニング信号に誘起されるドップラーを決定することにより位置を決定する。ユーザ受信器は、これらのドップラー測定値を時間と共に累積し、それにより、累積ドップラーとしてこの技術で知られている非常に正確なレンジ切り換え測定値又は積分搬送波位相(ICP)測定値を発生する。この積分搬送波位相(ICP)測定値は、ユーザ受信器により処理されて、既知の位置にある複数の衛星から正確なレンジ切り換え測定値を導出し、次いで、これを使用して、既知の初期位置に対する正確な位置を決定することができる。この初期位置は、一般に、各衛星から送信される搬送波信号上に変調されるコードベースの擬似レンジ測定値から導出される。コードベースの擬似レンジは本来精度がないので、この初期スタート位置を決定するときにはサイクルのあいまいさが残る。このサイクルのあいまいさは、高精度のポジショニングを実行できる以前に、良く知られた技術を使用して解決しなければならない。搬送波位相ポジショニングシステムは、正確な位置決定に充分作用するが、姿勢を決定するための固有の手段を有していない。
従来のシステムは、この制約を克服するよう試みている。特に、コーエン氏の米国特許第5,548,293号は、移動プラットホームに複数のGPS受信器を空間的に分布させ、そして視野内の全てのGPS衛星から搬送波位相レンジ測定値を同時に収集することにより姿勢を決定するような搬送波位相ベースのポジショニングシステムを開示している。その後、搬送波位相レンジ差がGPS受信器間で計算されて、ユーザプラットホームの姿勢を決定する。コーエン氏の方法は、多数の搬送波位相GPS受信器を必要とするために複雑で且つコストがかかるだけでなく、姿勢を決定できる前に整数サイクルのあいまいさを解決することも必要である。更に、GPS信号の使用は、複数のGPS受信器が常時衛星のクリアな視野内にあることを必要とし、従って、屋内のような衛星をさえぎる環境で動作するシステムの能力を排除する。更に、多経路として知られているポジショニング信号の反射は、各衛星からのレンジ測定の精度を低下させ、ひいては、コーエン氏の方法を使用するときに姿勢の決定を悪化させる。
従って、(a)基準磁界の完全性、(b)遮られずに星が見えること、(c)光学的測定のための視線、(d)連続的な再初期化、(e)グローバルナビゲーションサテライトシステム(GNSS)の遮られない視野、(f)ユーザプラットホームにわたって分布された多数のポジショニング受信器、又は(g)搬送波サイクル整数あいまいさ解決の必要性、を要求しない健全な絶対的姿勢決定システムが明らかに要望される。これらの制約を伴わずに動作するシステムが非常に望ましい。本発明は、三次元空間的シグネチャーで変調された信号を送信し、相補的な三次元空間的シグネチャーで受信手段を変調し、そして受信信号を解釈して姿勢を決定することにより、この望ましい目標を達成する。このシステム及び方法は、以下、空間的シフトキー(SSK)変調と称され、以下に詳細に説明する。
本発明の目的は、三次元ドップラーシグネチャーで変調された信号を送信し、相補的な三次元ドップラーシグネチャーで受信手段を変調し、そして受信信号を解釈して姿勢を決定することによる姿勢決定システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、三次元ドップラーシグネチャーで変調された送信信号と、相補的な三次元ドップラーシグネチャーで変調された受信手段との空間的な相関を利用して姿勢決定システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、送信される空間的に変調されたドップラーシグネチャーと、複写の空間的に変調されたドップラーシグネチャーで変調された受信手段との空間的な相関を利用した姿勢決定システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、三次元ドップラーシグネチャーで変調される受信アンテナで構成されたユーザ受信器のための姿勢決定システムであって、前記ユーザ受信器が、更に、早い及び遅い追跡アーム、或いは早い、迅速な及び遅い追跡アームの組み合せを使用して、三次元ドップラーシグネチャーで変調された送信信号との空間的コヒレンス性を維持するような姿勢決定システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、ドップラーパターン認識アルゴリズムを使用して、三次元ドップラーシグネチャーで変調された受信アンテナの姿勢を、三次元ドップラーシグネチャーで変調された送信信号に対して検出する姿勢決定システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、多経路により乱された信号の悪影響を識別しそしてその後に軽減することのできる姿勢決定システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、送信信号又は受信信号のいずれかに三次元位相中心の移動を生じさせるアンテナアレーを提供することである。
本発明の更に別の目的は、三次元ドップラーシグネチャーで変調された信号の正確な発生を与え、しかも、最小限の物理的アンテナ素子しか必要としない空間的変調のための電子手段を提供することである。
本発明の更に別の目的は、ユーザ受信器が姿勢の決定に搬送波追跡ループの使用を必要としない姿勢決定システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、ユーザ移動及びユーザ受信器のクロックドリフトをドップラー測定から除去する姿勢決定システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、搬送波サイクル整数あいまいさの解決を実行する必要のない姿勢決定システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、姿勢を決定するのに単一のユーザ受信器しか必要としない姿勢決定システムを提供することである。
本発明の前記目的は、三次元空間を通して予め決定されたように移動する放射手段を経て信号を送信して、サイクリックなドップラーが送信信号に重畳されるようにし、三次元空間を通して予め決定されたように移動する受信手段を経てこの送信信号を受信して、サイクリックなドップラーが受信信号に重畳されるようにし、三次元空間における受信手段の移動を調整して、前記重畳されるサイクリックなドップラーが受信信号において最小となるようにし、そして前記受信手段及び放射手段を整列状態にさせるに必要な調整に基づいて姿勢を決定することにより達成される。
或いは又、本発明の前記目的は、三次元空間を通して予め決定されたように移動する放射手段を経て信号を送信して、サイクリックなドップラーが送信信号に重畳されるようにし、三次元空間を通して予め決定されたように移動する受信手段を経てこの送信信号を受信して、サイクリックなドップラーが受信信号に重畳されるようにし、受信したサイクリックなドップラーを解釈することで放射手段に対する受信手段の移動を分析し、そしてその解釈したドップラーに基づいて姿勢を決定することにより達成される。
本発明は、いわゆる空間的シフトキー送信(SSK−T)変調シグネチャーを、いわゆる空間的シフトキー受信(SSK−R)変調シグネチャーと相関させることにより姿勢を決定するシステム及び方法を開示する。空間的シフトキー送信(SSK−T)変調シグネチャーは、三次元空間における放射手段の移動により発生され、所定のドップラーシグネチャーがオリジナルの送信信号に重畳されるようにする。空間的シフトキー受信(SSK−R)変調シグネチャーは、三次元空間における受信手段の移動により達成され、所定のドップラーシグネチャーが受信信号に重畳されるようにする。本明細書において「ドップラー」及び「ドップラーシグネチャー」という語は、送信ソース及び受信器の相対的移動から生じる波における見掛け上の周波数変化の良く理解された概念を包含する。しかしながら、本明細書で使用する「ドップラー」及び「ドップラーシグネチャー」という語は、更に、送信手段と受信手段の相対的移動により生じる受信位相、周波数又は積分搬送波位相(ICP)の見かけ上の変化も含む。空間的シフトキー送信(SSK−T)変調シグネチャーと空間的シフトキー受信(SSK−R)変調シグネチャーとの相関の結果、放射手段と受信手段が空間的に整列される。この整列は、以下、「空間的相関」又は「空間的同期」と称される。これらの新規な用語、即ち「ドップラーシグネチャー」、「空間的相関」、及び「空間的同期」の特徴、特性及び適用は、以下に詳細に述べる。
本発明を使用することにより、放射手段の姿勢が前もって知られた状態で、受信手段の姿勢を正確に決定することができる。
空間的に変調された信号を空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナへ送信する空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナを組み込んだ本発明による空間的シフトキー(SSK)変調システムの簡単な機械的実施形態を示す図である。 空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ素子が空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ素子(1Hz)よりも若干高い周波数(1.1Hz)で回転されて、受信アンテナ素子が送信アンテナ素子と整列したり整列ずれしたりするよう回される図1に示す本発明の簡単な機械的実施形態のドップラー対時間グラフである。 測定されたドップラーが各回転(シグネチャー)周期にわたって合成されそしてドップラー電力値へ変換されるような図2に示すプロセスのドップラー電力対時間のグラフ。 空間的に変調された信号を空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナへ送信する空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナを組み込んだ本発明による空間的シフトキー(SSK)変調システムの簡単な電子的に切り換えられる実施形態を示す図である。 信号強度測定に著しい多経路フェードが現われる図2及び3に示す簡単な機械的実施形態の信号強度対時間グラフであると共にシグネチャー基準信号強度(SRSS)対時間グラフである。 空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナを追跡する空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナのドップラー自己相関応答関数(ドップラー電力対角度オフセット)グラフである。 空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナが、互いに角度的にオフセットした早い、迅速な及び遅い追跡アームを組み込むような本発明による次々のいわゆる空間的ロックループ(SLL)を示す図である。 一対の受信アンテナ素子を組み込んだ空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナへ一対の空間的に変調された信号を送信する空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナを組み込んだ本発明による空間的シフトキー(SSK)変調システムの簡単な差動の機械的実施形態を示す図である。 2つの空間的に分布されたアンテナ素子、送信ソース、2つの可変利得手段、及び制御手段を組み込んだ本発明による電子的パン型アレーを示す図である。 本発明による三次元パン型空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ及びそれに一致する三次元パン型空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナを示す図で、各空間的シフトキー(SSK)アンテナが、互いに1/4波長内に空間的に分布されて四面体形状に配置された4つのアンテナ素子を組み込むところを示す図である。
概要
空間的シフトキー送信(SSK−T)シグネチャーを、局部的に発生された空間的シフトキー受信(SSK−R)シグネチャーと空間的に相関することにより受信器の姿勢を決定するシステム及び方法が開示される。送信器は、空間を通して予め定められた動きでその位相中心を移動させる空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナを通してポジショニング信号を発生するように構成される。この予め定められた動きは、所定のインターバルで繰り返され、送信ポジショニング信号に所定のサイクリックなドップラーパターンを誘起させる。この所定のインターバルは、「シグネチャー周期」と称され、所定のサイクリックなドップラーパターンは、「ドップラーシグネチャー」と称される。ユーザの受信器は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナを通してドップラー変更ポジショニング信号を受信するように構成され、このアンテナも、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナと同じ予め定められた動きで空間を通してその位相の中心を移動させ、同じ所定のインターバルで移動を繰り返す。それ故、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、既にドップラー変更された送信ポジショニング信号に第2のサイクリックなドップラー成分を誘起させる。ユーザ受信器内のアンテナ同期制御手段は、受信ポジショニング信号の測定されたドップラーをゼロに向かって押しやることにより送信ドップラーシグネチャーに一致するように空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの予め定められた動きの周波数及び位相を連続的に調整する。受信ドップラーが最小にされると、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ及び空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナが一緒に移動し、それらは、ユーザ受信器により空間的に相関されたと宣言される。これで、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの姿勢は、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナの姿勢に対して、それらのアンテナを空間的に相関させるに必要なアンテナ同期制御手段のオフセットを測定することで、正確に決定することができる。
空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナがその位相中心を予め定められた動きで空間を通して移動させ、そして空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナが同一の予め定められた動きを同じ所定のインターバルで生じるときには、周期性についてのこの同一の動きを、空間的同期又は空間的相関と称する。本明細書において、同期という語は、時間的な一致の概念を単に指すだけではないことを理解するのが重要である。本明細書で使用する空間的同期は、時間及び空間の両方におけるアンテナ移動の同一周期を包含する。
空間的シフトキー(SSK)変調シグネチャーは、多数の異なる媒体を使用して発生することができる。例えば、人間の可聴スペクトルの音波、超音波、赤外線及び無線波の全部を使用することができる。本発明の好ましい実施形態では、高周波(RF)が好ましい媒体である。それ故、本発明の好ましい実施形態では、送信アンテナの位相中心を三次元空間において移動して、所定の位相、周波数、積分搬送波位相、又はドップラーシグネチャーがオリジナルの送信高周波(RF)信号に重畳されるようにすることで、空間的シフトキー送信(SSK−T)変調が達成される。又、受信アンテナの位相中心を三次元空間において移動して、所定の位相、周波数、積分搬送波位相、又はドップラーシグネチャーが受信高周波(RF)信号に重畳されるようにすることで、空間的シフトキー受信(SSK−R)変調が達成される。
システム及び方法
図1には、本発明の簡単な平面的な機械的実施形態が示されている。ポジショニング信号送信器101は、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ102と共に構成される。空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ102は、回転アーム104の一端に装着された送信アンテナ素子103を備え、そして回転アーム104の他端は、サーボモータのような回転手段105に接続される。回転アーム104は、固定長さを有し、シグネチャー周期と称する所定の周期中、所定の割合で回転する。シグネチャー周期は、送信アンテナ素子103がその所定の空間的パターンの1回転を完了するのに要する時間巾である。ここに示す実施形態では、説明を容易にするために、送信アンテナ素子103が1Hzの割合(1秒当たり1つの完全回転)で時計方向に回転するが、この割合は、ユーザ受信器の搬送波追跡ループ帯域巾内に入る任意の割合へと変更されてもよい。又、送信器の回転アーム104は、送信アンテナ素子103が各秒の始めに最も北寄りのポイント106を横断するように構成される。それ故、ここに示す例では、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ102は、北である主要方向をその基準フレームの主軸として使用するように構成される。
ユーザ受信器107は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108と共に構成され、このアンテナは、ユーザプラットホーム109に装着され、そして空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ102と同じ平面に配置される。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108は、固定の向きでユーザプラットホーム109に取り付けられ、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108の主軸110が好ましくはユーザプラットホーム109の本体フレームの主軸111と整列するようにされる。或いは又、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108の主軸110及びユーザプラットホーム109の主軸111が互いに整列しない場合には、2つの主軸110及び111の相対的向きを測定して互いに数学的に整列させてもよい。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108は、受信器の回転アーム113の一端に装着された受信アンテナ素子112を備え、この受信器の回転アーム113の他端は、サーボモータのような回転手段114に接続される。受信器の回転アーム113は、送信器の回転アーム104と同じ長さを有し、可変の割合で回転することができる。ユーザ受信器107は、送信アンテナ素子103から受信アンテナ素子112を経て送信ポジショニング信号115を受信し、そして受信信号のドップラー値を測定するように構成される。説明を容易にするために、送信器101及びユーザ受信器107のクロックは、時間順に同期され、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ102及び空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108は、固定であり、そして送信アンテナ素子103及び受信アンテナ素子112は、時計方向に回転する。回転する受信アンテナ素子112に対する回転する送信アンテナ素子103の相対的移動に基づいて、変化するサイクリックなドップラーがユーザ受信器107により観察される。送信アンテナ素子103及び受信アンテナ素子112が一緒に回転するときには、両アンテナが、それらの各回転の最も北寄りのポイントを同時に横断する。ここに示すケースでは、送信アンテナ素子103は、受信アンテナ素子112がその最も北寄りのポイント116を横断するのと同時に、その最も北寄りのポイント106を横断する。アンテナ素子103及び112は、空間的に相関されると言うことができ、そしてユーザ受信器107により測定されたドップラーは、最小である。
アンテナ素子の回転が空間的相関状態からずれると、ドップラーが増加することになり、やがて、アンテナ素子が互いに180度位相ずれして回転し、測定されるドップラーが最大となる。送信アンテナ素子103及び受信アンテナ素子112が互いに180度位相ずれして回転すると、送信アンテナ素子103は、その回転の最も北寄りのポイント106を横断し、一方、受信アンテナ素子112は、その回転の最も北寄りのポイント117を横断する。これらのアンテナ素子は、空間的に非相関と言うことができ、そしてユーザ受信器107により測定されたドップラーは、最大となる。アンテナ同期制御手段118は、ユーザ受信器107により測定される受信ドップラーが最小になるまで、回転手段114の速度を調整するように構成される。アンテナ同期制御手段118は、回転手段114の速度を増加又は減少し、受信アンテナ素子112が送信アンテナ素子103の回転と整列するように回される(slew)。測定されたドップラーが最小になると、受信アンテナ素子112の回転速度は、送信アンテナ素子103の回転速度(この例では、1Hz)に安定化され、そして送信アンテナ素子103及び受信アンテナ素子112は、ここで、空間的に相関したと宣言する。アンテナ同期制御手段118は、回転手段114に修正を加え続け、空間的相関状態が維持されるようにする。
送信アンテナ素子及び受信アンテナ素子が異なる一定速度で回転するときには、それらがサイクリックなドップラーを発生する。受信アンテナ素子112が、送信アンテナ素子103(1Hz)より若干高い周波数(1.1Hz)で回転するように構成される場合には、受信アンテナ素子112が、2つの周波数の差の割合(0.1Hz)で、送信アンテナ素子103と整列したり整列ずれしたりするように回される。図2には、この構成から測定されたドップラーのドップラー対時間のグラフが示されている。ドップラーは、縦軸においてヘルツで目盛られ、そして時間は、横軸において秒で目盛られている。グラフの最小ドップラーポイント201及び202は、2つのアンテナ素子が空間的に一致するポイントであり、一方、グラフの最大ドップラーポイント203、204及び205は、2つのアンテナ素子が互いに180度位相ずれするポイントである。
図3には、図2に示された測定値のドップラー電力対時間のグラフが示されている。各1秒のシグネチャー周期にわたって合成されたドップラー測定値が縦軸にドップラー電力値として表わされている。横軸は、図2に示された同じ時間で、秒で目盛られている。グラフの最小ドップラー電力ポイント301及び302は、2つのアンテナ素子が空間的に一致するポイントであり、一方、グラフの最大ドップラー電力ポイント303、304及び305は、2つのアンテナ素子が互いに180度位相ずれするポイントである。図2と図3を比較すると、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心と空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナの位相中心との空間的相関は、最小ドップラー電力のポイント301及び302で達成されることが明らかである。それ故、本発明の一実施形態では、シグネチャー周期にわたり測定されるドップラー電力値を最小値へ至らせるようにアンテナ同期制御手段を調整することによりアンテナの空間的相関が達成される。
再び図1を参照すれば、送信アンテナ素子103は、各秒の始めにその回転の最も北寄りのポイント106を横断するように構成される。それ故、受信アンテナ素子112が送信アンテナ素子103と空間的に相関されたときには、各秒の始めにおける受信アンテナ素子112の位置がその回転の最も北寄りのポイント116を表わす。更に、この情報から、北116に対するユーザプラットホーム109の向きを正確に決定することができる。これは、受信アンテナ素子112が空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108の主軸110を横断するときの時間(モジュロ1秒)を測定し、そして同期された受信アンテナ素子112の既知の回転率に基づいて角度的オフセットを計算することにより達成される。この簡単な機械的実施形態では、回転する受信アーム113が横断する場所の下で、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108の主軸110にスイッチ119が配置される。このスイッチ119は、回転する受信アーム113が頭上を通過するときにトリガーされ、モジュロ1秒のタイムスタンプがユーザ受信器107により記録される。このモジュロ1秒のタイムスタンプから、決定された移動時間(このケースでは、モジュロ1秒のタイムスタンプ)を、同期された受信アンテナ素子112の既知の回転率で除算することにより、北116に対する空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108の向きを計算することができる。ここに示す例では、同期された受信アンテナ素子112が空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108の主軸110を横断し、スイッチ119がトリガーされ、そして0.8257秒のモジュロ1秒のタイムスタンプがユーザ受信器107により記録される。1Hzでは、1度の弧が受信アンテナ素子112により約2.78ミリ秒で横断される。それ故、ユーザの向きは、0.8257秒を0.00278秒で除算したものであり、これは、北116に対して297度の時計方向に等しい。
別の実施形態では、北116に対する空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108の向きは、各シグネチャー周期の始めに、空間的に同期された受信アンテナ回転アーム113の角度的オフセットを測定することにより計算できる。角度測定手段は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108の主軸110に対して角度的オフセットを測定できる受信器回転アームアッセンブリで構成されてもよい。空間的に同期された受信アンテナ回転アーム113の角度的オフセットは、各シグネチャー周期の始めに、即ちこの1Hzの例では、各秒の始めに、角度測定手段から読み取られる。この測定値は、空間的に同期された受信アンテナ回転アーム113がその回転の最も北寄りのポイント116を横断するときの時間に対応し、従って、北116に対する空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ108の正確な角度的オフセットを与える。
アンテナ位相中心の電子的移動
アンテナ素子の物理的な動きは、本発明の実施形態で簡単に説明されるが、このようなシステムは、工学的な複雑さ、製造費用及び機械的問題の潜在性のために不可能と考えられる。それ故、本発明の好ましい実施形態は、ドップラーシグネチャーを電子的に生成する方法を示す。アンテナ位相中心の電子的な移動は、アンテナ素子を所定の構成で空間的に分布させ、そしてアンテナ素子を次々に切り換えて、同期された位相中心の移動を生成することで達成できる。
図4には、本発明の簡単な電子的切り換え実施形態が示されている。ポジショニング信号送信器401は、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ402と共に構成される。この空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ402は、円形パターンで装着された8個の送信アンテナ素子403−1乃至403−8のアレーで構成される。各送信アンテナ素子は、高周波(RF)スイッチ404のバンクに接続され、これは、次いで、ポジショニング信号送信器401に接続される。又、RFスイッチバンク404は、マイクロプロセッサのような制御手段405にも接続され、これは、RFスイッチバンク404の各RFスイッチを必要に応じて個々にアクチベート及びデアクチベートすることができる。制御手段405は、RFスイッチバンク404の当該スイッチをアクチベート及びデアクチベートするように構成され、各アンテナ素子403−1乃至403−8が次々に切り換えられ、送信位相中心がアレー403−1乃至403−8をめぐって進むようにする。この位相中心の移動は、送信ポジショニング信号406に所定のサイクリックなドップラーを誘起する。ここに示す例では8個のアンテナ素子が使用されるが、いかなる数のアンテナ素子も本発明の広い範囲に入ると考えられる。
ユーザ受信器407は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ408と共に構成され、このアンテナは、送信アンテナ素子403−1乃至403−8のアレーと同じ半径の円形パターンで装着された受信アンテナ素子409−1乃至409−8のアレーで構成される。各受信アンテナ素子409−1乃至409−8は、高周波(RF)スイッチ410のバンクに接続され、これは、次いで、ユーザ受信器407に接続される。又、RFスイッチバンク410は、マイクロプロセッサのようなアンテナ同期制御手段411にも接続され、これは、RFスイッチバンク410内の各RFスイッチを必要に応じて個々にアクチベート及びデアクチベートすることができる。アンテナ同期制御手段411は、RFスイッチバンク410の当該スイッチをアクチベート及びデアクチベートするように構成され、各受信アンテナ素子409−1乃至409−8が次々に切り換えられて、位相中心、ひいては、受信信号がアレー409−1乃至409−8をめぐって進むようにする。この動きは、受信ポジショニング信号にサイクリックなドップラーを誘起する。アンテナ同期制御手段411は、測定される受信ドップラーが最小になるまで受信アンテナRFスイッチングバンク410の時間を調整するように構成される。アンテナ同期制御手段411は、受信アンテナ素子スイッチングバンク410の速度を増加又は減少して、受信アンテナの位相中心が送信アンテナの位相中心の回転と整列するように回させる。測定されたドップラーが最小になると、受信アンテナの切り換え速度は、送信アンテナの切り換え速度に安定化し、そして送信アンテナアレー403−1乃至403−8及び受信アンテナアレー409−1乃至409−8は、空間的に相関したと宣言される。アンテナ同期制御手段411は、受信アンテナRF切り換えバンク410の速度に調整を加え続け、空間的相関状態が維持されるようにする。ここに示す例では8個のアンテナ素子を使用するが、いかなる数のアンテナ素子も本発明の範囲内に入ると考えられる。
空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ402は、各秒の始めに、その最も北寄りのアンテナ素子403−1をアクチベートするように構成される。それ故、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ408が空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ402と空間的に同期されたときには、各秒の始めに、現在アクティブな受信アンテナ素子の位置は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ408の位相中心回転の最も北寄りのポイントを表わす。更に、この情報から、北412に対する空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ408の向きは、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ408の主軸413に位置された受信アンテナ素子409−2がアクチベートされたときに時間(モジュロ1秒)を測定することにより決定できる。このモジュロ1秒のタイムスタンプから、北412に対する空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ408向きは、決定された位相中心の移動時間(この場合は、モジュロ1秒のタイムスタンプ)を、受信アンテナ素子409−1乃至409−8の同期された位相中心の既知の回転率で除算することで、計算できる。
時間順の同期
ユーザ受信器の時間と送信器の時間との時間順の同期は、(1)単一ポイント位置解、又は(2)少なくとも1つの送信ポジショニング信号に変調された時間、のいずれかを使用することにより達成できる。
ユーザ受信器は、位置速度時間(PVT)解としても知られた単一ポイント位置解を、既知の位置における送信器の時間順同期ネットワークから計算することができる。送信器の時間順同期ネットワークは、空間的シフトキー(SSK)変調信号を組み込むことができ、それ故、複数の空間的シフトキー(SSK)送信ポジショニング信号から単一ポイント位置解を導出することが許される。或いは又、グローバルナビゲーションサテライトシステム(GNSS)のような外部ソースから単一ポイント位置解を導出してもよい。単一ポイント位置解は、ユーザ受信器がナノ秒程度の精度でネットワーク時間を決定するのを許す。時間順の同期ネットワーク及び単一ポイント位置解は、この技術で良く知られており、本発明の要旨ではない。
或いは又、ユーザ受信器が、少なくとも1つの送信ポジショニング信号に変調された時間を受信することで、送信器の時間を決定してもよい。この変調された時間は、無線波が送信器から受信器へ進むのに要する時間、信号伝播遅延として知られている、だけ遅延される。それ故、ユーザ受信器の数キロメーター以内にある送信ポジショニング信号に変調された時間は、マイクロ秒程度の時間精度を生じる。
ドップラーシグネチャーに対する多経路の影響
固定の空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、その空間的パターンにおいて同じ位置を横断するたびに、その位相中心が同じ多経路フェードを押し分けて進むときに、サイクリックなドップラー及び信号強度変動を経験することがある。これは、ユーザ受信器搬送波追跡ループの繰り返しの不安定化を引き起こすことがあり、これは、ユーザ受信器にとってサイクリックなドップラーのように見える。アンテナ同期制御手段は、このドップラーを空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心において空間的インコヒレンシーと誤解し、そしてアンテナ同期を修正するように誤って試みる。それ故、多経路によるサイクリックなドップラーは、これを識別してアンテナ同期制御手段から排除し、ドップラーシグネチャーの一貫した空間的同期を維持しなければならない。本発明の好ましい実施形態は、信号強度測定値を使用して、多経路フェードを識別し、次いで、測定された信号強度フェードに関連したドップラー測定値を排除することで、これを達成する。好ましい実施形態では、アンテナ同期制御手段は、受け容れられる信号強度レベルに関連したドップラー測定値のみを使用し、この場合に、搬送波追跡ループがドップラーを正しく測定する。これらの受け容れられる信号強度レベルは、受信信号強度をシグネチャー周期にわたって平均化し、これはシグネチャー基準信号強度(SRSS)として知られている、そしてドップラー測定値が受け容れられないと思われるこのシグネチャー基準信号強度(SRSS)より低い信号強度スレッシュホールドを決定することにより、決定されるのが好ましい。スレッシュホールドより低い信号強度に関連したドップラー測定値は、アンテナ同期制御手段により受け容れられない。或いは又、シグネチャー基準信号強度(SRSS)は、他の数学的技術を使用して決定されてもよく、例えば、受信信号強度の中間、標準偏差、バリアンス、スキュー、ケルトシス(kertosis)、又は同様の統計学的尺度を使用して決定されてもよい。
時々、信号強度の再開後に追跡ループの安定性に影響が及ぶことがある。それ故、アンテナ同期制御手段によるドップラー使用の再開に対して第2のスレッシュホールドが設定されてもよい。ここに示す例では、アンテナ同期制御手段は、信号強度がシグネチャー基準信号強度(SRSS)より3dB低く下降したときにドップラー測定値を無視し、そして信号強度がシグネチャー基準信号強度(SRSS)より1dB高く増加したときにドップラー測定値の使用を再開することができる。
図5には、信号強度対時間のグラフ501が示され、そしてこれには、シグネチャー基準信号強度(SRSS)対時間のグラフ502が重畳され、ここでは、固定の空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナが、その位相中心をサイクリックなパターンで連続的に移動し、且つ多経路フェードを横断している。位相中心の各完全な回転で生じることであるが、位相中心が多経路フェードを横断するたびに、信号強度測定値501にサイクリックな電力フェードが明確に現われる。シグネチャー基準信号強度(SRSS)測定値502は、信号強度測定値より一貫したものであり、従って、比較的安定した信号強度基準を与える。
ドップラーシグネチャーの追跡
空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナに関連したアンテナ同期制御手段は、送信空間的シフトキー(SSK)ドップラーシグネチャーとの空間的相関を維持するために受信ドップラーを維持しなければならない。本発明の好ましい実施形態では、これは、空間的ロックループ(SLL)として知られた特殊な追跡ループを使用して達成される。この空間的ロックループ(SLL)は、早い及び遅い追跡アームを含むか、或いは早い、迅速な及び遅い追跡アームを含むのが好ましい。追跡アームは、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの所定のサイクリックなパターン内にドップラーシグネチャーを空間的に分布させ、そして各々の空間的に分離したドップラーシグネチャー追跡アームに対するドップラー電力値を計算することにより形成される。平面の空間的シフトキー(SSK)アンテナでは、追跡アームは、空間的に互いにオフセットしていると記述されるドップラーシグネチャーを発生し、ここで、早い追跡アームは、遅い追跡アームのドップラーシグネチャーより角度的に進んだドップラーシグネチャーを生成する。好ましい実施形態では、各追跡アームからの受信ドップラー値は、シグネチャー周期にわたって合成されて、早い追跡アームのドップラー電力値及び遅い追跡アームのドップラー電力値を形成する。これらの早い及び遅い追跡アームのドップラー電力値は、その後に比較されて、修正値を形成し、これは、同期制御手段に通され、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心の動きに対して必要な調整がなされる。
空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナを、送信空間的シフトキー(SSK)ドップラーシグネチャーとの空間的相関へともっていくのに必要な修正値を決定するために、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナのドップラー自己相関応答関数が分からねばならない。この関数を決定するために、既知のスタート位置の空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ位相中心が、固定の角速度でそのシグネチャーパターンの完全なサイクルを通して移動される。同時に、既知の相対的スタート位置の空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ位相中心も、同じ固定の角速度でそのシグネチャーパターンの完全なサイクルを通して移動される。ドップラー自己相関応答関数は、この記述された構成から、(a)空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ位相中心に対する空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ位相中心の角度的オフセットを決定し、(b)シグネチャー周期にわたって受信ドップラーを測定し、(c)その測定された受信ドップラーを合成して、シグネチャー周期に対するドップラー電力値を決定し、(d)その決定されたドップラー電力値をドップラー電力値角度オフセットグラフに表示し、(e)空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ位相中心のスタート位置(角度オフセット)を僅かな量(例えば、1度)だけ増加し、そして(f)上記ステップを繰り返す、ことにより発生される。
図6には、図1乃至図4を参照して述べたように、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ信号を受信する空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナに対するドップラー自己相関応答関数(ドップラー電力対角度オフセット)の一例が示されている。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ位相中心は、円運動において既知の姿勢及び固定の角速度で回転し、そして空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナの変調信号を受信し、これも、その位相中心を円運動において固定の姿勢及び同じ固定の角速度で回転する。両空間的シフトキー(SSK)アンテナは、シグネチャー周期を構成する360度の回転で同じ平面上に位置される。ゼロ度の角度オフセット601では、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、シグネチャー周期にわたり最小のドップラー電力値を発生し、それ故、送信ドップラーシグネチャーと空間的に相関される。これは、ドップラー電力最小値(DPM)601と称される。±180度602−1及び602−2では、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、シグネチャー周期にわたり最大のドップラー電力値を発生し、それ故、送信ドップラーシグネチャーとは空間的に非相関である。ゼロ度601から外方へほぼ+100度603−1及び−100度603−2までにおいてドップラー電力最小値(DPN)からの空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの角度的オフセットは、ドップラー電力の実質的に直線的な増加を生じ、それに対応して空間的相関が減少する。他のドップラーシグネチャーに対応するドップラー自己相関応答関数も、本発明の広い範囲内に包含される。
又、図6には、正しい追跡の空間的ロックループ(SLL)も示されており、従って、早い追跡アーム604−1は、ドップラー電力最小値(DPM)601より45度進んで位置され、そして遅い追跡アーム604−2は、ドップラー電力最小値(DPM)601より45度遅れて位置される。この構成では、早い追跡アーム604−1及び遅い追跡アーム604−2は、シグネチャー周期にわたり実質的に等しいドップラー電力値を示す。早い追跡アーム604−1のドップラー電力値を、遅い追跡アーム604−2のドップラー電力値から差し引き、これは「早い・マイナス・遅い」プロセスと称される、修正の大きさ及び符号値を決定する。これらの修正の大きさ及び符号値は、その後にアンテナ同期制御手段へ通され、そして空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心の動きに対して必要な調整が行なわれる。即ち、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナの位相中心と空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心を空間的整列状態にもっていくために、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心の回転が必要量だけ進められるか又は遅らされる。このプロセスは、「早い・マイナス・遅い」値をできるだけゼロに近づけて整列維持するように閉ループ式に更新され続ける。「早い・マイナス・遅い」値が所定のスレッシュホールドより下に押しやられると、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナと空間的に相関したと宣言される。
空間的ロックループ(SLL)が取得モードにあるとき又は突然のユーザ移動があるときには、早い及び遅い追跡アームがドップラー電力最小値(DPM)601を「またがない」ことがある。又、図6には、取得モードにある空間的ロックループ(SLL)の例も示されており、従って、早い追跡アーム605−1は、ドップラー電力最小値(DPM)601より120度進んで位置され、そして遅い追跡アーム605−2は、ドップラー電力最小値(DPM)601より30度進んで位置される。この構成では、早い追跡アーム605−1及び遅い追跡アーム605−2は、ドップラー電力最小値(DPM)601をまたがず、そして等しくないドップラー電力値を示す。早い追跡アーム605−1のドップラー電力値を、遅い追跡アーム605−2のドップラー電力値から差し引いて(「早い・マイナス・遅い」)、修正の大きさ及び符合を決定する。符号は、正しく、そして同期制御手段は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナを適当な方向に回転移動させる。しかしながら、大きさは、一般に、ドップラー電力最小値(DPM)601を横切って早い及び遅い追跡アーム605−1及び605−2を配置するに充分なものではない。それ故、追跡アームを正しく位置するまでに修正プロセスを数回繰り返すことが必要であろう。
又、早い追跡アーム606−1及び遅い追跡アーム606−2が、602−1のような180度ドップラーピークに整列し、そして実質的に等しいドップラー電力値を示すことも考えられる。しかしながら、この状況では、「早い・マイナス・遅い」追跡値は、追跡を維持するのに誤った符号を示し、そして追跡アーム606−1及び606−2は、ドップラー電力ピーク602−1を「滑り落ちる」。追跡アームが正しく位置されるまで、この修正プロセスを何回も繰り返すことができる。
本発明の更に別の実施形態では、空間的ロックループ(SLL)の取得及び追跡プロセスを促進するために、早い追跡アームと遅い追跡アームとの間に迅速な追跡アームを付加的に配置することができる。図6には、正しい追跡の空間的ロックループ(SLL)も示されており、従って、早い追跡アーム604−1は、ドップラー電力最小値(DPM)601から45度進んで位置され、迅速な追跡アーム604−3は、ドップラー電力最小値(DPM)601に位置され、そして遅い追跡アーム604−2は、ドップラー電力最小値(DPM)601より45度遅れて位置される。早い追跡アーム604−1の値を迅速な追跡アーム604−3の値から差し引き(「早い・マイナス・迅速」)、そして遅い追跡アーム604−2の値を迅速な追跡アーム604−3の値から差し引き(「遅い・マイナス・迅速」)、付加的な追跡情報を生成する。正しい追跡の空間的ロックループ(SLL)は、ほぼゼロの「早い・マイナス・遅い」追跡アーム値を与え、「早い・マイナス・迅速」及び「遅い・マイナス・迅速」値は、実質的に等しい大きさ及び正の符号を与える。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、若干ピークずれしてシフトするが、早い及び遅い追跡アームは、ドップラー電力最小値(DPM)601に「またがり」続け、次いで、空間的ロックループ(SLL)は、非ゼロの「早い・マイナス・遅い」追跡アーム値を与え、「早い・マイナス・迅速」及び「遅い・マイナス・迅速」値は、等しくない大きさ及び正の符号を与える。ドップラー電力最小値(DPM)601に「またがらない」誤った追跡の空間的ロックループ(SLL)は、非ゼロの「早い・マイナス・遅い」追跡アーム値を与え、「早い・マイナス・迅速」及び「遅い・マイナス・迅速」値は、等しくない大きさ及び逆の符号を与える。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心の追跡が180度602−1又は602−2である場合には、空間的ロックループ(SLL)は、実質的にゼロの「早い・マイナス・遅い」追跡アーム値を与え、「早い・マイナス・迅速」及び「遅い・マイナス・迅速」値は、実質的に等しい大きさ及び負の符号を与える。それ故、空間的ロックループ(SLL)が正しい構成で動作するためには、「早い・マイナス・迅速」値及び「遅い・マイナス・迅速」値が正の符号を与えねばならない。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ同期制御手段は、「早い・マイナス・迅速」及び「遅い・マイナス・迅速」の追跡アーム値に正の符号が測定されるまで受信アンテナの位相中心を回させる。正の符号が指示されると、「早い・マイナス・遅い」追跡アーム値を使用して、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心を、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナの位相中心との空間的相関状態にもっていく。
追跡アーム技術
空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナに追跡アームを形成することは、2つの仕方で行うことができる。
(1)空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、互いに空間的にオフセットした複数の同一のドップラーシグネチャーを同時に発生するように構成できる。各ドップラーシグネチャーは、ユーザ受信器のそれ自身の個別の高周波(RF)フロントエンドに個々に出力される。それ故、全ての追跡アームドップラー値が同時に発生される。或いは、 (2)空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、互いに空間的にオフセットした複数の同一のドップラーシグネチャーを連続的に発生するように構成されてもよい。各ドップラーシグネチャーは、ユーザ受信器の単一の高周波(RF)フロントエンドに連続的に出力される。それ故、全ての追跡アームドップラー値が順次に発生される。
本発明の好ましい実施形態では、連続的に発生されるドップラーシグネチャーは、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナに追跡アームを形成するのに使用される。図7には、円形パターンに装着された8個の受信アンテナ素子703−1乃至703−8のアレーを備えた空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ702と共に構成されたユーザ受信器701が示されている。高周波(RF)スイッチバンク704も、マイクロプロセッサのようなアンテナ同期制御手段705に接続され、これは、高周波(RF)スイッチバンク704内の各高周波(RF)スイッチを必要に応じて個々にアクチベート及びデアクチベートする。アンテナ同期制御手段705は、高周波(RF)スイッチバンク704の当該スイッチをアクチベート及びデアクチベートするように構成され、各受信アンテナ素子703−1乃至703−8が順次に切り換えられ、そして位相中心、ひいては、受信信号がアレー703−1乃至703−8をめぐって進むようにする。
位相中心の回転シーケンスを示す3つの円706、707及び708も示されている。各円は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ701の第1の位相中心回転(早いドップラーシグネチャー)706、第2の位相中心回転(迅速なドップラーシグネチャー)707、及び第3の位相中心回転(遅いドップラーシグネチャー)708に対応する周期に関係している。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ702の第1の位相中心回転706は、この第1の位相中心回転706の完全な回転に対するスタートポイント709として第1の受信アンテナ素子703−1において開始される。第1の位相中心回転706に対して測定されたドップラー電力値は、ユーザ受信器701内の早い追跡アームメモリ710に早い追跡アーム値として記憶される。第1の位相中心回転706の完了直後に、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ702の第2の位相中心回転707が、第1の位相中心回転706のスタートポイントから所定の角度オフセットでスタートして開始される。ここに示す例では、この角度オフセットは、アンテナ素子703−2により表わされる。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ702の第2の位相中心回転は、第2の位相中心回転707の完全な回転に対するスタートポイント711として第2の受信アンテナ素子703−2において開始される。この第2の位相中心回転707に対して測定されたドップラー電力値は、ユーザ受信器701内の迅速な追跡アームメモリ712内に迅速な追跡アーム値として記憶される。第2の位相中心回転707の完了直後に、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ702の第3の位相中心回転708が、第2の位相中心回転707のスタートポイント711から所定角度のオフセットでスタートして開始される。ここに示す例では、この角度オフセットは、アンテナ素子703−3により表わされる。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ702の第3の位相中心回転708は、第3の位相中心回転708の完全な回転に対するスタートポイント713として第3の受信アンテナ素子703−3において開始される。この第3の位相中心回転708に対して測定されたドップラー電力値は、ユーザ受信器701内の遅い追跡アームメモリ714に遅い追跡アーム値として記憶される。早い追跡アームメモリ710、迅速な追跡アームメモリ712及び遅い追跡アームメモリ714の記憶されたドップラー電力値は、その後に、ユーザ受信器701により比較され、そして空間的ロックループ(SLL)の大きさ及び符号修正値が計算される。これらの計算された値は、その後に、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ同期制御手段705へ通され、従って、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ702の位相中心の回転に対して必要な調整を行うことができる。
本発明のここに示す実施形態では、各アンテナ素子702−1乃至702−8の間に45度の角度オフセットがあり、早い追跡アームを遅い追跡アームより90度進ませている。しかしながら、いかなる数のアンテナ素子、及び追跡アーム角度オフセット値も、本発明の広い範囲内に包含される。
ユーザの移動で誘起されるドップラー
空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナのユーザ移動は、受信したドップラーシグネチャーに付加的なドップラー成分を誘起する。ユーザ移動により誘起されるドップラーは、空間的シフトキー(SSK)アンテナの空間的同期を乱さないようにアンテナ同期制御手段から排除されねばならない。これは、次の方法の1つ又は組み合せを使用して達成することができる。
方法1.本発明の空間的ロックループ(SLL)方法は、早い追跡アームドップラー電力値を遅い追跡アームドップラー電力値から差し引き、これは、「早い・マイナス・遅い」プロセスとして知られている。単一の送信ドップラーシグネチャーから受け取った同時の早い及び遅い追跡アームドップラー電力値の差をとるプロセスは、ユーザの移動により誘起される全てのドップラーを排除する。本発明の実施形態は、追跡アーム値を同時に捕獲できるが、空間的ロックループ(SLL)の好ましい実施形態では、追跡アーム値が連続的に捕獲される。これは、2つの連続する測定の各々の間にユーザ移動がおそらく異なるために「早い・マイナス・遅い」値に潜在的なエラーを招くことになる。このエラー源は、ドップラーシグネチャーの割合を高め、従って、早い追跡アーム測定エポックと遅い追跡アームエポックとの間の周期を減少し、ひいては、測定と測定との間の潜在的なユーザ移動を最小にすることにより軽減される。
方法2.ユニークな静的なポジショニング信号を構成して、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナに付近に送信し、その静的なポジショニング信号と空間的シフトキー(SSK)ポジショニング信号との両方が時間順に同期され、且つ動き回るユーザ受信器に対して実質的に同じレンジ及びユニットベクトルをもつようにする。実質的に同じレンジ及びユニットベクトルで受信されたポジショニング信号は、動き回るユーザ受信器におけるユーザ移動のために実質的に同じドップラー測定値を示す。好ましい実施形態では、ユーザ受信器は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナと、この空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナに接近して配置された単一の固定基準アンテナと共に構成される。この単一の固定基準アンテナは、受信ドップラーシグネチャーを生成しない。空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナのドップラーシグネチャーは、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナを経て受信され、そして静的な(非シグネチャーの)送信ポジショニング信号は、固定の基準受信アンテナを経て受信される。アンテナ同期制御手段には、受信した固定基準信号と空間的シフトキー(SSK)信号との間の差を表わす差信号が供給され、これにより、ユーザ移動を排除する。
方法3.ユーザ受信器を伴う慣性ナビゲーションシステム(INS)を構成し、そしてINS信号と空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ信号との差をとってユーザ移動を排除する。差の信号をアンテナ同期制御手段へ供給する。慣性ナビゲーションシステムは、この技術で良く知られており、本発明の要旨ではない。
方法4.比較的高い周波数のドップラーシグネチャーから低い周波数のユーザ移動をフィルタリングしそしてハイパスフィルタされた信号をアンテナ同期制御手段に供給する。
方法5.以下に詳細に説明するように、いわゆる差動ドップラーシグネチャーを適用する。
差動ドップラーシグネチャー
本発明は、更に、複数の送信ドップラーシグネチャーと複数の局部的に発生される受信器ドップラーシグネチャーとの差をとることにより、ユーザの移動や受信器のクロックドリフトで妨げられずに、受信器の姿勢を決定するためのシステム及び方法を開示する。送信器は、複数のユニークなポジショニング信号を発生するように構成され、これら信号は、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナの複数のアンテナ位相中心を経て送信され、各アンテナ位相中心は、ユニークな予め定められた動きを示す。各ユニークな予め定められた動きは、ユニークな所定のインターバルで繰り返され、これにより、各送信ポジショニング信号にユニークな所定のドップラーシグネチャーを誘起する。受信器は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの複数のアンテナ位相中心を経て複数のユニークなドップラー変更ポジショニング信号を受信するように構成され、各受信アンテナ位相中心は、ユニークなポジショニング信号を受信する。各受信アンテナ位相中心は、その各々の送信アンテナ位相中心と同じユニークな予め定められた動きで運動しそしてそれと同じユニークな所定のインターバルで繰り返すように構成される。ユーザ受信器内のアンテナ同期制御手段は、受信したポジショニング信号の差のドップラー電力測定値をゼロに向かって押しやることで複数のユニークな空間的シフトキー送信(SSK−T)ドップラーシグネチャーに一致させるように空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの複数のアンテナ位相中心を連続的に調整する。受信したドップラー電力の差が最小になると、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナの位相中心と空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心が一緒に移動し、そして空間的に相関したと宣言される。これで、両アンテナを空間的相関状態へもっていくに必要なアンテナ同期制御手段のオフセットを測定することにより、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの姿勢を空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナの姿勢に対して正確に決定することができる。ユーザの移動又は受信器クロックのドリフトによる無関係のドップラー測定値は、差をとるプロセスにおいて排除される。
図8には、本発明の差動ドップラーシグネチャー方法の簡単な平面機械的実施形態が示されている。ポジショニング信号送信器801は、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ802と共に構成される。この空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ802は、回転アーム804の一端に装着されて第1のユニークなポジショニング信号805を送信する第1の送信アンテナ素子803と、回転アーム804の反対端に装着されて第2のユニークなポジショニング信号807を送信する第2の送信アンテナ素子806とを備え、回転アーム804の中心は、サーボモータのような回転手段808に接続される。回転アーム804は、固定の長さを有し、そして所定の割合で回転する。ここに示す実施形態では、説明を容易にするために、送信アンテナ803及び806が1Hzの割合(1秒当たり1つの完全な回転)で時計方向に回転するが、この割合は、受信器の追跡ループ帯域巾内に入るいかなる割合に変化されてもよい。又、送信回転アーム804は、各秒の始めに、第1の送信アンテナ素子803がその最も北寄りのポイント809を横断し、そして第2の送信アンテナ素子806がその最も北寄りのポイント810を横断するように構成される。
ユーザ受信器811は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ812と共に構成され、これは、ユーザプラットホーム813に装着されると共に、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ802と同じ平面に位置される。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ812は、ユーザプラットホーム813に固定の向きで取り付けられ、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ812の主軸814がユーザプラットホーム813の本体フレームの主軸815と整列されるのが好ましい。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ812は、回転アーム817の一端に装着され且つ第1の送信アンテナ素子803から送信される第1のユニークなポジショニング信号805を受信する第1の受信アンテナ素子816と、回転アーム817の反対端に装着され且つ第2の送信アンテナ素子806から送信される第2のユニークなポジショニング信号807を受信する第2の受信アンテナ素子818とを備え、回転アーム817の中心は、サーボモータのような回転手段819に接続される。回転アーム817は、送信回転アーム804と同一の長さであり、可変の割合で回転することができる。ユーザ受信器811は、第1の送信アンテナ素子803から第1の受信アンテナ素子816を経て第1の送信ポジショニング信号805を受信し、そしてその受信した第1のポジショニング信号805のドップラー値を測定するように構成される。同時に、ユーザ受信器811は、第2の送信アンテナ素子806から第2の受信アンテナ素子818を経て第2の送信ポジショニング信号807を受信し、そしてその受信した第2のポジショニング信号807のドップラー値を測定するように構成される。受信アンテナ素子816及び818に対する送信アンテナ素子803及び806の相対的移動に基づいて、変化するサイクリックなドップラーがユーザ受信器811により観察される。第1の送信アンテナ素子803及び第1の受信アンテナ素子816が一緒に回転すると、両アンテナ素子は、それらの各回転の最も北寄りのポイント(ポイント809及びポイント820)を同時に横断する。同時に、第2の送信アンテナ素子806及び第2の受信アンテナ素子818がそれらの各回転の最も南よりのポイント(ポイント810及びポイント821)を横断する。これらのアンテナは、空間的に同期されたと言うことができ、第1の送信アンテナ素子803と第1の受信アンテナ素子816との間の測定されたドップラーは最小であり、そして第2の送信アンテナ素子806と第2の受信アンテナ素子818との間の測定されたドップラーも最小である。第1の受信されたドップラー観察値が、第2の受信されたドップラー観察値から差し引かれ、この場合は、実質的にゼロのドップラー差を生じる。この実質的にゼロのドップラー差は、ユーザ移動によって動揺を受けないものである。というのは、第1ポジショニング信号805と第2ポジショニング信号807との差をとるプロセスにおいてユーザ誘起ドップラーが全て除去されるからである。
アンテナ素子の回転がこの空間的相関状態からそれる場合には、アンテナ素子が互いに180度位相ずれして回転しそして測定されたドップラー差が最大になるまで、ドップラー差が増大する。第1の送信アンテナ素子803及び第1の受信アンテナ素子816が互いに180度位相ずれして回転するときには、第1の送信アンテナ素子803がその回転の最も北寄りのポイント809を横断し、一方、第1の受信アンテナ素子816がその回転の最も南寄りのポイント821を横断する。同時に、第2の送信アンテナ素子806がその回転の最も南寄りのポイント810を横断し、一方、第2の受信アンテナ素子818がその回転の最も北寄りのポイント820を横断する。アンテナは、空間的に非同期状態であると言うことができ、第1の送信アンテナ素子803と第1の受信アンテナ素子816との間の測定されたドップラーは最大であり、そして第2の送信アンテナ素子806と第2の受信アンテナ素子818との間の測定されたドップラーも最大である。重要なことに、これらのドップラー観察は、ユーザ受信器811により測定されるときに互いに180度位相ずれしている。次いで、第1の受信ドップラー観察値を、第2の受信ドップラー観察値から差し引き、2つの観察の位相ずれの性質により、最大測定ドップラー振幅の倍増を生じる。重要なことに、この倍増されたドップラー差は、ユーザの動きにより動揺を受けないものである。というのは、差をとるプロセスにおいて全てのユーザ誘起ドップラーが除去されるからである。更に、倍増されたドップラー差は、アンテナ同期制御手段822に、高い分解能の制御信号を供給し、従って、ドップラーシグネチャーの改良された空間的相関を与える。アンテナ同期制御手段822は、測定された受信ドップラー差が最小になるまで受信回転手段819の速度を調整するように構成される。アンテナ同期制御手段822は、受信回転手段819の速度を増加又は減少し、これは、次いで、回転する受信アンテナ素子816及び818の速度を増加又は減少し、受信アンテナ素子816及び818が送信アンテナ素子803及び806の回転との整列状態へ回される。測定されたドップラー差が最小になると、受信アンテナ素子の回転速度は、送信アンテナ素子の回転速度(この場合は1Hz)へと安定化され、送信アンテナ素子及び受信アンテナ素子は、空間的に相関したと宣言される。アンテナ同期制御手段822は、送信アンテナ素子との空間的同期を維持するように受信アンテナ回転手段819の回転速度に修正を加え続け、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナプラットホーム813がユーザ移動により向きが直されたときに、空間的相関が維持されるようにする。次いで、上述したように、ユーザプラットホームの姿勢が決定される。
差動ドップラーシグネチャーは、複数の高周波(RF)フロントエンドを組み込んだユーザ受信器を通して受信することもできるし、或いは時分割多重アクセス(TDMA)機構でマルチプレクスされる単一高周波(RF)フロントエンドを組み込んだユーザ受信器により受信することもできる。複数の高周波(RF)フロントエンドは、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナからユニークなドップラーシグネチャーを追跡して、各送信シグネチャーから完全な相関電力が受け取られるように、各々指定することができる。2つ以上のRFフロントエンドを通してドップラーシグネチャーを同時に受信することで、大きな受信デューティサイクルにより、各ドップラーシグネチャーに対して大きな受信相関電力を許すが、異なる高周波RFフロントエンド間に変化するグループ遅延及びラインバイアスの潜在性を生み出す。或いは又、各シグネチャーの受信は、単一の高周波(RF)フロントエンドを通して時分割されて、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナからの各ドップラーシグネチャーにユニークな受信タイムスロットを割り当てることができる。この実施形態では、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、ドップラーシグネチャー間を連続的に切り換えるスイッチング手段を組み込んでいる。このスイッチングは、ユーザ受信器の搬送波追跡ループの積分周期内に行って、シグネチャーとシグネチャーとの間の測定更新が同時に更新されるようにするのが好ましい。時分割多重アクセス(TDMA)機構におけるドップラーシグネチャーのマルチプレクス受信は、デューティサイクルの減少により各ドップラーシグネチャーに対する受信相関電力を減少するが、変化するグループ遅延及びラインバイアスの潜在性を排除する。
差動ドップラーシグネチャーは、電子的に生成されたドップラーシグネチャー、及び上述した空間的ロックループ(SLL)方法にも適用することができる。
差動ドップラーシグネチャーを使用する多経路の軽減
差動ドップラーシグネチャーは、異なる位置から同時に送信されて受信される複数のポジショニング信号より成る。それ故、送信されたポジショニング信号を受信するように構成されたユーザ受信器は、所与の時間に各ポジショニング信号において異なる多経路作用を経験する。複数のシグネチャーの受信信号強度電力は、送信アンテナから受信アンテナまでの距離が実質的に同じであるときには、多経路のない環境において実質的に同じである。各ポジショニング信号に対する健全なシグネチャー基準信号強度(SRSS)測定値は、シグネチャー周期にわたり各ポジショニング信号に対する受信信号強度電力レベルを平均化することにより決定できる。シグネチャー基準信号強度(SRSS)より所定量だけ下がるポジショニング信号の受信信号強度電力レベルは、多経路により悪影響を受けると考えられ、そしてそれらのドップラー電力測定値は、アンテナ同期制御手段の測定値から排除されるか、又はアンテナ同期制御手段へ適用される前に修正される。
複数のドップラーシグネチャーを受信するように構成された空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナが、複数のドップラーシグネチャーを送信する空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナと空間的に同期されたときには、各送信/受信対の個々の追跡値が実質的に同じになる。第1の受信アンテナが多経路フェードに入ると、それに関連した受信器の追跡ループドップラー値がフェードの激しさに基づいて乱される。しかしながら、同時に多経路フェードに存在しない第2の受信アンテナは、それに関連した受信器の追跡ループドップラー値を有し、これは正確なものである。この正確な追跡ループドップラー値は、第1受信器の追跡ループにより使用できるが、それ自身の値は乱れたものである。多経路フェードが第1の受信アンテナにより横断され、そして受信信号強度が回復すると、第1受信チャンネル追跡ループにより追跡ループ制御が再開される。それ故、本発明は、正確な追跡ループ値を、多経路の歪んだ追跡ループ値に置き換えて、多経路環境において高い追跡性能が達成されるのを許す。実際に、この方法は、各受信アンテナが多経路フェードに入ったり出たりするときに追跡ループ間で追跡値を取引するようなシステムを提供する。
更に、正しく追跡すると思われる個々の追跡ループから得られたドップラー値は、ユーザ受信器により累積されて、いわゆる複合積分搬送波位相(ICP)測定値を生じさせることができる。この複合積分搬送波位相(ICP)測定値は、激しい多経路の有害な影響がない「良好」なドップラー値のみを固有に累積し、それ故、本発明を使用しないシステムと比較したときに多経路環境においてより健全なレンジ決め方法を提供する。
単一の空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナから決定される姿勢
差動ドップラーシグネチャーを受信するように構成されたユーザ受信器は、少なくとも1つの送信差動ドップラーシグネチャーを使用して姿勢を決定することができる。第1のドップラーシグネチャーと第2のドップラーシグネチャーとの差をとるプロセスは、ユーザ移動ドップラー及びユーザ受信器のクロックドリフトの両方を排除する。それ故、差の信号を使用して、正確な時間が得られなくてもアンテナの空間的同期を決定することができる。差動ドップラーポジショニング信号に変調されたタイムスタンプは、時間をマイクロ秒レベルで決定するのに充分であり、これは、1Hzの回転率では、数千分の1度程度の向きエラーしか生じない。又、この方法は、空間的シフトキー(SSK)及び静的ポジショニング信号の対に適用できると共に、上述した「早い・マイナス・遅い」追跡構成にも適用できる。同時の早い及び遅い追跡アームドップラー電力値の差をとるプロセスは、ユーザ移動及びユーザ受信器のクロックドリフトにより誘起される全てのドップラーを排除する。
複数の空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナから決定される姿勢
本発明の先に開示した実施形態では、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナが単一の空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナから姿勢を決定することができる。しかしながら、ある環境では、多経路及び不充分な受信信号強度により生じるエラーのために姿勢の決定が質低下し得る。それ故、本発明は、更に、受信したドップラーシグネチャーを、複数の空間的に分布された同一送信ドップラーシグネチャーと空間的に相関させることで受信器の姿勢を決定するシステム及び方法も開示する。複数の空間的に分布された送信器は、少なくとも1つのユニークなポジショニング信号を各々発生するように構成され、この信号は、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナを経て送信される。各空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナは、全ての送信アンテナの位相中心が一緒に移動するように、同一の姿勢及び同一の予め定められた動きで構成される。ユニークな予め定められた動きが所定のインターバルで繰り返され、各送信ポジショニング信号に同一の所定のドップラーシグネチャーを誘起させる。受信器は、送信されたドップラー変更ポジショニング信号を、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナを経て受信するように構成され、このアンテナは、その位相中心を、全ての送信アンテナの位相中心と同じ予め定められた動きで移動させ且つ同じ所定のインターバルで繰り返す。それ故、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、既にドップラー変更されたポジショニング信号に第2のドップラー成分を誘起する。受信器内のアンテナ同期制御手段は、受信したポジショニング信号の測定ドップラーをゼロに向けて押しやることで空間的シフトキー送信(SSK−T)ドップラーシグネチャーに一致させるように空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの予め定められた動きを連続的に調整する。受信したドップラーが最小になると、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ及び空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、一緒に移動して、空間的に移動される。これで、両アンテナを空間的相関へともっていくに必要なアンテナ同期制御手段のオフセットを測定することにより、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの姿勢を、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナの姿勢に対して正確に決定することができる。
この方法を使用すると、アンテナ同期制御手段が、複数の同一の送信ドップラーシグネチャーを選択するので、多経路による姿勢エラーが著しく減少される。1つの受信ドップラーシグネチャーが多経路により悪影響を受けるときに、多経路により悪影響を受けない他の同一のドップラーシグネチャーがアンテナ同期制御手段に得られる。受信信号強度をシグネチャー基準信号強度(SRSS)と比較して、シグネチャーがフェード内にあるときを決定することができる。それ故、本発明は、本発明を使用しないシステムに比して、多経路の悪影響に対して健全な姿勢決定手段を提供する。
迅速な姿勢更新割合
本発明の先に開示した実施形態では、空間的シフトキー(SSK)ドップラーシグネチャー繰返し周期は、ユーザ受信器に使用される搬送波追跡ループ帯域により制約を受ける。それ故、本発明の更に別の実施形態では、高速更新割合で受信器の姿勢を決定するシステム及び方法が開示される。このシステム及び方法は、受信器の搬送波追跡ループを使用してドップラーシグネチャー追跡を実行する必要なく作用する。
空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナを経て送信されるポジショニング信号を発生するように構成された送信器は、その位相中心を、予め定められた迅速な動きで移動させ、好ましくは、このシグネチャー移動は、送信信号波長の1/4の半径内の体積に含まれる。この予め定められた動きは、所定のインターバルで繰り返され、従って、送信ポジショニング信号に所定の高い割合のドップラーシグネチャーを誘起する。送信ドップラーシグネチャーは、ユーザ受信器の位相測定周期より低速であるがユーザ受信器の搬送波追跡ループの更新割合より高速である周波数において変調される。
空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナを経てドップラー変更ポジショニング信号を受信するように構成されたユーザ受信器は、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナと同じ所定のインターバルで繰り返される同じ迅速の予め定められた動きで移動する。それ故、この空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、既にドップラー変更された送信ポジショニング信号に第2の高い割合のドップラー成分を誘起する。ユーザ受信器は、受信したポジショニング信号の搬送波位相測定値、好ましくは、同相及び直角位相(I&Q)測定値を、各相関積分周期に一度、測定し、そして搬送波追跡ループを、各シグネチャー周期に一回以下で更新するように構成される。シグネチャー周期にわたり測定された位相値が比較され、そしてシグネチャー周期に対するドップラー電力値が計算される。シグネチャー周期に対するこの計算されたドップラー電力は、次いで、上述したように、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの姿勢を追跡するための測定値として使用される。同相及び直角位相(I&Q)測定技術、ユーザ受信器の相関積分技術は、この分野で良く知られたもので、本発明の要旨ではない。
ここに示す例として、再び図4を参照すれば、円形構成で装着された送信アンテナ素子403−1乃至403−8のアレーを備えた空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ402が示されている。各アンテナ素子は、各々、1ミリ秒の周期で次々にアクチベートされ、位相中心が8ミリ秒ごとにアレーをめぐって進むようにする。それ故、この位相中心の移動は、125Hzの周波数の送信ポジショニング信号にドップラーシグネチャーを誘起する。ユーザ受信器407は、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ408と共に構成され、このアンテナは、送信アンテナ素子403−1乃至403−8のアレーと同じ半径の円形パターンで装着された受信アンテナ素子409−1乃至409−8のアレーで構成される。各アンテナ素子409−1乃至409−8は、各々、1ミリ秒の周期で次々にアクチベートされ、位相中心が8ミリ秒ごとにアレーをめぐって進むようにする。それ故、この位相中心の移動は、125Hzのドップラーシグネチャー周波数の受信ポジショニング信号に更に別のドップラーシグネチャーを誘起する。ユーザ受信器搬送波追跡ループの積分周期は、1ミリ秒にセットされ、従って、同相及び直角位相(I&Q)の位相値がミリ秒ごとに発生される。追跡ループは、各ドップラーシグネチャー周期の完了後に(8ミリ秒ごとに)更新するように構成され、従って、搬送波追跡ループデジタル制御発振器(DCO)の値は、シグネチャー周期中に実質的に一定に保たれる。8個の同相及び直角位相(I&Q)の位相値が、一定の搬送波追跡ループデジタル制御発振器(DCO)の値に対して測定され、これは、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ408の各受信アンテナ素子409−1乃至409−8から受け取られた位相に対応する。これら8個の同相及び直角位相(I&Q)の位相値がその後に互いに比較されて、8個のドップラー測定値を導出する。これら8個のドップラー測定値を総計して、シグネチャー周期に対する合成ドップラー電力値を計算する。これは、8個のドップラー測定に対する次に計算のいずれかにより数学的に表わすことができる。(a)平方の加算、(b)二乗平均(RMS)、(c)絶対値の平均、(d)絶対値の和、又は同様の数学的演算。次いで、シグネチャー周期にわたり決定された合成ドップラー電力を使用して、上述したように、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ408の姿勢を追跡する。このプロセスは、シグネチャー周期ごとに更新され続ける。
シグネチャー周期ドップラー電力は、測定された同相及び直角位相(I&Q)の位相値から多数の仕方で計算することができる。ドップラー電力を決定するための最も簡単で且つ最新のプロセッサ集中解決策は、隣接する受信アンテナ素子の対からの位相測定値の差をとってスイッチング周期で分割し、個々のドップラー測定値を決定することである。これらのドップラー測定値は、次いで、シグネチャー周期にわたる複合ドップラー電力を決定するように合成される。隣接する受信アンテナ素子の同相及び直角位相(I&Q)の位相値の差をとって、アンテナ素子間の位相変化を決定する。これらの位相差は、既知の時間周期(アンテナスイッチング周期)にわたるレンジ変化を表わし、それ故、ドップラーの尺度を与える。シグネチャー周期にわたって収集された個々の測定されたドップラー値は、RMSドップラー電力値等の複合値に変換されるのが好ましく、これは、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの姿勢の決定に使用される。
瞬間的な同相及び直角位相(I&Q)の位相値は、本来、ノイズ性の測定値である。それ故、本発明の更に別の実施形態では、各受信アンテナ素子からの同相及び直角位相(I&Q)の位相値が複数のシグネチャー周期にわたりコヒレントに積分され、その後、高精度のドップラー測定値を決定するのに使用される。再び図4を参照すれば、各8ミリ秒のシグネチャー周期の始めに、第1の受信アンテナ素子409−1が1ミリ秒間アクチベートされる。第1のシグネチャー周期の第1の同相及び直角位相(I&Q)サンプルは、第2のシグネチャー周期からの第1の同相及び直角位相(I&Q)サンプルと共に累積され、これは、第3のシグネチャー周期の第1の同相及び直角位相(I&Q)サンプルと共に累積され、等々となる。これらの累積は、各々の受信アンテナ素子409−1乃至409−8について実行され、従って、所定数のシグネチャー周期の終わりに、改善された低ノイズの同相及び直角位相(I&Q)の位相値が正確なドップラー決定のために得られる。ユーザ受信器407内の搬送波追跡ループデジタル制御発振器(DCO)が各シグネチャー周期の後に更新された場合には、以前のシグネチャー周期からの同相及び直角位相(I&Q)の値と共に累積される前に各同相及び直角位相(I&Q)の値に修正値を適用することが必要となる。この修正値は、シグネチャー周期とシグネチャー周期との間にデジタル制御発振器(DCO)の変化する周波数により生じる位相変化を考慮するものである。又、コヒレントな積分周期中に生じるデータビットも考慮する必要がある。
本発明の更に別の実施形態では、隣接するアンテナ素子間で測定される位相差は、複数のシグネチャー周期にわたりコヒレントに積分され、デジタル制御発振器(DCO)の周波数の変化、又はデータビットの変化が、累積測定値に悪影響を及ぼさないようにする。再び図4を参照すれば、第1の受信アンテナ素子409−1が1ミリ秒間アクチベートされ、そして第1の同相及び直角位相(I&Q)の位相値がメモリに記憶される。その後、第2の受信アンテナ素子409−2が1ミリ秒間アクチベートされ、そして第2の同相及び直角位相(I&Q)の位相値がメモリに記憶される。第1の記憶された同相及び直角位相(I&Q)の位相値と第2の記憶された同相及び直角位相(I&Q)の位相値との差がとられ、第1と第2のアンテナ素子409−1と409−2との間の位相変化が決定される。この差の測定値がメモリに記憶されて、その後のシグネチャー周期の同じ2つのアンテナ素子409−1及び409−2からの差の測定値と共に累積される。この手順がアレー内の他の全ての隣接素子にも適用される。例えば、第2のアンテナ素子409−2と第3のアンテナ素子409−3との差がとられ、第3のアンテナ素子409−3と第4のアンテナ素子409−4との差がとられ、等々となる。差の測定値を累積することで、デジタル制御発振器(DCO)の周波数変化又はデータビットの位相変化のために累積した同相及び直角位相(I&Q)の位相値に修正を加える必要性が排除される。しかしながら、デジタル制御発振器(DCO)の各周波数更新ポイント及び各データビット遷移における境界条件を考慮するのが好ましい。
又、上述した迅速なドップラーシグネチャー方法は、ユーザの環境に基づいて姿勢更新割合を動的に指定する能力をユーザに与える。例えば、ユーザが高速姿勢更新を要求し、そして低い測定精度を許容できる場合には、ユーザ受信器407は、単一シグネチャー姿勢更新を与えるように構成することができる。ユーザが高い精度の姿勢を要求し、そして低い姿勢更新割合を許容できる場合には、ユーザ受信器407は、複数のシグネチャー周期にわたって姿勢更新を与えるように構成することができる。
それ故、本発明は、空間的シフトキー(SSK)シグネチャーが従来の搬送波追跡ループ技術により追跡もされないし制約も受けず、むしろ、各ドップラーシグネチャー周期にわたりユーザ受信器により測定された瞬時位相値からそれを導出するような方法を開示する。
ドップラーシグネチャーのパターン認識を使用した姿勢の決定
本発明の更に別の実施形態では、上述したアンテナ同期制御手段が、姿勢を決定するためのパターン認識アルゴリズムに置き換えられる。ドップラーシグネチャーが発生されて、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナを経て送信され、そして受信器は、上述したように、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナと共に構成される。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナは、その所定のドップラーシグネチャーを固定の向きで発生する。即ち、空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの位相中心は、各エポックの頂部でその主軸を横断し、そして送信ドップラーシグネチャーと空間的に相関するように試みない。空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの異なる向きがシグネチャー周期にわたり異なるドップラーパターンを発生する。これらのドップラーパターンは、特定の空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナの向きに関連した所定のドップラーパターンと比較され、一致される。これら所定のドップラーパターンは、好ましくは、ユーザ受信器のメモリに記憶され、従って、識別されたドップラーパターンから向きが直接決定される。ユーザ移動ドップラーは、上述した技術の1つを使用して除去することができる。それ故、本発明は、空間的シフトキー(SSK)変調信号のパターン認識を使用して姿勢を決定することを開示する。
三次元ドップラーシグネチャー
又、本発明は、三次元ドップラーシグネチャーを使用して三次元姿勢決定を行うシステム及び方法も開示する。三次元ドップラーシグネチャーは、三次元空間において放射手段を移動させる空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナを使用して発生される。三次元移動は、空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナにおいて、球や四面体のような三次元形状にアンテナ素子を分布させ、そしてそれら素子間を次々に切り換えて三次元ドップラーシグネチャーを発生することにより、達成することができる。好ましい実施形態では、4つのアンテナ素子を使用して三次元ドップラーシグネチャーを発生するが、いかなる数のアンテナ素子を使用して三次元ドップラーシグネチャーを発生することも、本発明の広い範囲内に包含される。
位相中心のパン
アンテナの位相中心の電子的な移動は、上述したように、アンテナ素子を所定の構成で空間的に分布させ、そしてそれら素子を次々に切り換えて、同期された位相中心の移動を形成することにより達成できる。しかしながら、この方法の分解能は、使用できるアンテナ素子の数により制限され、付加的なアンテナ素子を使用すると、複雑さ及びコストが増すことになる。更に、アンテナ素子の分離を減少したときに相互結合の増加により生じる潜在的な性能低下も顕著である。
本発明は、著しい数のアンテナ素子を必要とせずに、高分解能の合成位相中心の移動を発生する方法及び装置を開示する。互いに1/4波長以内に空間的に分布された複数のアンテナ素子は、高周波(RF)デジタル減衰器のような個々の可変利得区分に各々接続される。マイクロプロセッサのような制御手段は、各可変利得区分からの利得のレベルを制御して、各アンテナ素子の利得を個々に変更できるように構成される。アンテナアレーのアンテナ素子間の利得分布を変更すると、アレーの位相中心をシフトするという作用を及ぼす。従って、アンテナ素子間に利得が再分布されると、アレーの位相中心が変位され、そして同期したドップラーが信号に誘起される。従って、位相中心のシフトの分解能は、可変利得区分の分解能により決定され、アンテナ素子の物理的変位に対する要求により制約されない。
それ故、本発明は、最少のアンテナ素子で高分解能の合成位相中心の移動を形成する方法及び装置を開示する。この技術は、位相中心の「パン(panning)」と称される。位相中心のパンは、可逆であり、即ち送信アレー又は受信アレーにおいてアンテナ素子間の利得分布を変えると、同じ合成ドップラー効果が信号に誘起される。連続した所定のやり方でアンテナ素子間の利得分布を変えることにより、連続的な所定の位相中心の移動が発生され、これは、観察する搬送波−位相ユーザ受信器によりサイクリックなドップラーシフトとして測定される。従って、この技術は、本発明の空間的シフトキー(SSK)変調のシステム及び方法に適用することができる。
図9には、放送信号周波数の1/4波長903で分離された2つの同じ長さの空間的に分布されたアンテナ素子901及び902を組み込んだ電子的位相中心パンアレーが示されている。各被駆動アンテナ素子901及び902は、デジタル減衰器又は可変利得増幅器のような可変利得手段904及び905と共に構成される。各可変利得手段904及び905は、マイクロプロセッサのような制御手段906と共に構成され、これは、個々の可変利得手段904及び905を利得調整し、そしてその後に個々のアンテナ素子901及び902を利得調整するのを許す。
各アンテナ素子901及び902は、その各々の可変利得手段904及び905を経て共通の送信ソース907に接続される。送信ソース907と第1の被駆動アンテナ素子901との間、及び送信ソース907と第2の被駆動アンテナ素子902との間の送信ラインは、両方とも、2つの送信回路内に位相関係を維持するために等しい長さである。マイクロプロセッサ906が同一利得コマンドをデジタル減衰器904及び905に発生すると、両アンテナ素子901及び902が共通の送信ソース907からの等しいエネルギーを放射する。アンテナ素子間の相互結合を無視すると、位相中心のパンアレーを構成する被駆動素子901及び902の放射パターンは、楕円形となり、そのエンドファイア(end-fire)電力は、これらの方向における90度の信号位相打消しのために約3dB減少される。両アンテナ素子901及び902からの等しい放射は、アンテナアレーの位相中心を、2つの素子901及び902の受信信号強度電力間の中間908に配する。受信信号強度電力制御手段906が第1デジタル減衰器904に最大利得コマンドを、そして第2デジタル減衰器905に最小利得コマンドを発生すると、第1アンテナ素子901が最大エネルギーを放射し、そして第2アンテナ素子902が最小エネルギーを放射する。これで、アンテナアレーの位相中心909は、第1アンテナ位置901に実質的に位置され、全方向パターンで放射する。逆に、制御手段906が第2デジタル減衰器905に最大利得コマンドを、そして第1デジタル減衰器904に最小利得コマンドを発生すると、第2アンテナ素子902が最大エネルギーを放射し、そして第1アンテナ素子901が最小エネルギーを放射する。これで、アンテナアレーの位相中心910は、第2アンテナ位置902に実質的に位置され、全方向パターンで放射する。それ故、利得がアンテナ素子に増分的に逆に適用されるときには、アレーの有効な位相中心が素子と素子との間に移動され、即ち「パン」される。例えば、制御手段906が第1デジタル減衰器904に1/4減衰コマンドを、そして第2デジタル減衰器905に3/4減衰コマンドを発生すると、第1アンテナ素子901がその最大エネルギーの3/4を放射し、そして第2アンテナ素子902がその最大エネルギーの1/4を放射する。これで、アンテナアレー911の位相中心は、アンテナ素子とアンテナ素子との間で第1アンテナ位置901から放送周波数波長の1/16離れたところに位置され、実質的に全方向パターンで放射する。このように、1/4波長分布のアンテナ素子間に逆に適用される増分利得は、アンテナ素子とアンテナ素子との間に実質的に直線的な位相中心の移動を与え、本発明の電子的位相中心パンアレーの基礎をなす。
電子的位相中心パンアレーの好ましい実施形態では、アンテナ素子が四面体のような三次元形状に配置され、三次元の空間的シフトキー(SSK)変調を発生することができる。電子的位相中心パンアレーは、固定のドップラーパターンしか発生できない固定アンテナ素子により課せられる制約を除去する。それ故、本発明の好ましい実施形態は、三次元の幾何学的形状を空間的シフトキー(SSK)シグネチャーとして発生するのを許す。
図10には、互いに1/4波長以内に空間的に分布されそして四面体形状に配置された4つの送信アンテナ素子1002、1003、1004及び1005を組み込んだ三次元パン型空間的シフトキー送信(SSK−T)アンテナ1001が示されている。各送信アンテナ素子1002、1003、1004及び1005は、全方向利得パターンで送信するように構成される。ここに示す例では、直角位相で供給される交差ダイポールアンテナ素子は、実質的に全方向性の利得パターンを発生する。各送信アンテナ素子1002、1003、1004及び1005は、デジタル減衰器1006、1007、1008及び1009のような可変利得手段に接続され、これは、共通の送信ソース1010に接続される。又、各可変利得手段1006、1007、1008及び1009は、マイクロプロセッサ1011のような制御手段にも接続され、各送信アンテナ素子1002、1003、1004及び1005の利得を個々に調整することができる。送信ソース1010からのエネルギーが、可変利得手段1006、1007、1008及び1009を調整する制御手段1011により、送信アンテナ素子1002、1003、1004及び1005間に再分布されたときに、アレーの位相中心が変位され、そして合成された三次元ドップラーシグネチャー1012が送信信号1013に誘起される。この三次元位相中心の移動は、アンテナ素子1002、1003、1004及び1005の位置により描かれる四面体内のいかなるパターンに構成することもできる。それ故、無限数の空間的シフトキー(SSK)シグネチャーが考えられる。ここに示す例では、制御手段1011は、3つの相互に垂直な平面内で円運動を描く位相中心の移動を生じさせ、ひいては、x、y及びzの3つの軸においてドップラーシグネチャー1012を生じさせるように構成できる。しかしながら、アンテナ位相中心の他の移動パターンも、本発明の広い範囲内に包含される。
又、互いに1/4波長以内に空間的に分布されそして四面体形状に配置された4つの受信アンテナ素子1015、1016、1017及び1018を組み込んだ三次元パン型空間的シフトキー受信(SSK−R)アンテナ1014が示されている。各アンテナ素子1015、1016、1017及び1018は、全方向利得パターンで送信するように構成される。各受信アンテナ素子1015、1016、1017及び1018は、ユーザ受信器1023に接続されたデジタル減衰器1019、1020、1021及び1022のような可変利得手段に接続される。各可変利得手段1019、1020、1021及び1022は、マイクロプロセッサ1024のような制御手段にも接続され、各受信アンテナ素子1015、1016、1017及び1018の利得を個々に調整できるようにする。送信信号1013からのエネルギーが、可変利得手段1019、1020、1021及び1022を調整する制御手段1024により受信アンテナ素子1015、1016、1017及び1018間に再分布されたときに、アレーの位相中心が変位され、そして合成三次元ドップラーシグネチャー1025が受信信号に誘起される。制御手段1024は、送信ドップラーシグネチャー1012の三次元位相中心の移動を複写し、その後、受信ドップラーを最小値へ押しやる。ここに示す例では、制御手段1024は、送信ドップラーシグネチャー1012と同様に、3つの相互に垂直な平面内の円運動を描く位相中心の移動を生じさせ、ひいては、x、y及びzの3つの軸におけるドップラーシグネチャー1025を生じさせるように構成される。各軸に対してドップラー電力が測定され、そしてここに述べる方法を使用して三次元姿勢が決定される。
本発明の更に別の実施形態では、パン型空間的シフトキー(SSK)送信及び受信アレーを、1/4波長より大きな全体的寸法で構成することができる。アンテナ素子制御手段は、互いに1/4波長以内に空間的に分布されたアンテナ素子間のみで位相中心のパンが行われるように構成される。1/4波長より更に離れて空間的に分布されたアンテナ素子は、パンプロセスから除外される。ここに示す例では、アンテナ素子は、次々のアンテナ素子間に1/4波長間隔をもつ円構成で位置される。次々のアンテナ素子の対間でパンを行うことにより高分解能の空間的変調が達成される。
ユニークなポジショニング信号
本発明の好ましい実施形態では、各送信器は、搬送波成分、擬似ランダムコード成分及びナビゲーションデータ成分より成るユニークなポジショニング信号を送信する。搬送波成分は、好ましくは2.4GHzのISM帯域で送信される正弦波の高周波波形であるが、本発明の方法は、他の周波数帯域にも等しく適用できる。擬似ランダム番号(PRN)コード成分は、搬送波成分に変調され、そして他の装置により同じ搬送波周波数で送信される他の擬似ランダムコードシーケンスの中で区別できるユニークなコードシーケンスで構成される。この技術は、コード分割多重アクセス(CDMA)として知られ、この分野で良く知られている。ナビゲーションデータ成分は、擬似ランダムコード成分に変調された独占的情報であり、ユーザ受信器に時間及び他の送信器又はネットワーク特有の情報を転送するための通信リンクを与える。
以上、本発明の実施形態を一例として説明したが、当業者に明らかとなるこのような及び他の変更や修正は、全て、本発明の広い範囲内に包含されることが明らかであろう。

Claims (29)

  1. 移動装置の姿勢を決定するシステムにおいて、
    a)放射手段を通してポジショニング信号を送信する手段と、
    b)前記放射手段の位相中心を、所定の期間で規定の動きを伴って電子的に移動させ、第1のサイクリックなドップラーが前記ポジショニング信号に重畳されるようにする送信手段と、
    c)前記ポジショニング信号を受信するための、前記移動装置に関連する受信手段と、
    d)前記受信手段の前記位相中心を、所定の期間で規定の動きを伴って電子的に移動させ、第2のサイクリックなドップラーが前記ポジショニング信号に重畳されるようにする受信手段と、
    e)前記受信手段により観察された合成サイクリックドップラーを測定する手段であって、この合成サイクリックドップラーは、前記第1のサイクリックなドップラー及び前記第2のサイクリックなドップラーを含むものである測定手段と、
    f)前記合成サイクリックドップラーが最小になるように前記受信手段の位相中心の前記規定の動き前記放射手段の位相中心の前記規定の動きと空間的に同期するように調整し、前記受信手段の前記位相中心及び前記放射手段の前記位相中心が整合するように調節する同期手段と、
    g)必要な前記調整に基づいて前記移動装置の姿勢を決定する手段と、
    を備えたシステム。
  2. 前記放射手段の位相中心を移動させる前記手段は、前記放射手段の複数のアンテナ素子の利得を変化させ又は連続的に切り替え制御手段を含み、
    前記受信手段の位相中心を移動させる前記手段は、前記受信手段の複数のアンテナ素子の利得を変化させ又は連続的に切り替え制御手段を含む請求項1に記載のシステム。
  3. 前記前記受信手段の位相中心の前記規定の動きは前記放射手段の位相中心の前記規定の動きと空間的に同じであり、前記同期手段は前記受信手段の位相中心の前記規定の動きの前記所定期間を調節する手段を含む請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記放射手段には、基準フレーム内の主軸が与えられ、
    前記移動装置には、その本体フレーム内の主軸が与えられ、
    前記受信手段には、前記移動装置の主軸に対する主軸が与えられ、
    前記システムは、更に、
    h)前記受信手段の位相中心が前記基準フレームの主軸を横断するときから、前記受信手段の位相中心が前記受信手段の主軸を横断するときまでの時間を測定する手段と、
    i)前記測定された時間、及び前記受信手段の主軸と前記移動装置の主軸との間の前記関係に基づいて、前記移動装置の主軸の姿勢を計算する手段と、
    を備える請求項1又は2に記載のシステム。
  5. 前記放射手段には、基準フレーム内の主軸が与えられ、
    前記移動装置には、その本体フレーム内の主軸が与えられ、
    前記受信手段には、前記移動装置の主軸に対する主軸が与えられ、
    前記システムは、更に、
    h)前記受信手段の位相中心の前記所定期間の始めに前記基準フレームの主軸に対する前記受信手段の主軸の角度的オフセットを測定する手段と、
    i)前記測定された角度的オフセット、及び前記受信手段の主軸と前記移動装置の主軸との間の前記関係に基づいて、前記移動装置の主軸の姿勢を計算する手段と、
    を備える請求項1又は2に記載のシステム。
  6. 前記受信手段は、
    a)デジタル制御発振器を組み込んだ搬送波追跡ループと、
    b)受信器搬送波位相測定レートで前記ポジショニング信号の前記搬送波位相を測定する手段であって、前記受信器搬送波位相測定レートは、前記放射手段の位相中心の前記所定期間より高速であるような手段と、
    c)受信器搬送波追跡ループ更新レートで前記搬送波追跡ループを更新する手段であって、前記受信器搬送波追跡ループ更新レートは、前記放射手段の位相中心の前記所定期間に等しいか又はそれより低速であるような手段と、
    を備え、合成サイクリックドップラーを測定する前記手段は、
    d)前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値を前記搬送波追跡ループデジタル制御発振器と比較する手段と、
    e)前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値を集計して、合成サイクリックドップラー値を決定する手段と、
    を備えた請求項1又は2に記載のシステム。
  7. 前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値は、同相及び直角位相(I及びQ)の測定値である、請求項に記載のシステム。
  8. 前記放射手段の前記位相中心の前記規定の動きは、前記ポジショニング信号の波長の1/4の半径内の体積内に含まれる、請求項に記載のシステム。
  9. 移動装置の姿勢を決定する方法において、
    a)放射手段を通してポジショニング信号を送信するステップであって、前記放射手段が、所定の期間で規定の動きを伴ってその位相中心を電子的に移動して、第1のサイクリックなドップラーが前記ポジショニング信号に重畳されるようにするステップと、
    b)前記移動装置に関連する受信手段を通して前記ポジショニング信号を受信するステップであって、前記受信手段は、所定の期間で規定の動きを伴ってその位相中心を電子的に移動して、第2のサイクリックなドップラーが前記ポジショニング信号に重畳されるようにするステップと、
    c)前記受信手段で観察された合成サイクリックドップラーを測定するステップであって、この合成サイクリックドップラーは、前記第1のサイクリックなドップラー及び前記第2のサイクリックなドップラーを含むものであるステップと、
    d)前記合成サイクリックドップラーが最小になるように前記受信手段の位相中心の前記規定の動き前記放射手段の位相中心の前記規定の動きと空間的に同期するように調整し、前記受信手段の前記位相中心及び前記放射手段の前記位相中心が整合するように調節するステップと、
    e)必要な前記調整に基づいて前記移動装置の姿勢を決定するステップと、
    を備えた方法。
  10. 前記放射手段の位相中心の前記移動は、前記放射手段の複数のアンテナ素子の利得を変化させ又は連続的に切り替えことによって合成され、
    前記受信手段の位相中心の前記移動は、前記受信手段の複数のアンテナ素子の利得を変化させ又は連続的に切り替えことによって合成される請求項に記載の方法。
  11. 前記前記受信手段の位相中心の前記規定の動きは前記放射手段の位相中心の前記規定の動きと空間的に同じであり、前記ステップd)は前記受信手段の位相中心の前記規定の動きの前記所定期間を調節するステップを含む請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記方法は、更に、
    f)前記放射手段に基準フレーム内の主軸を与えるステップと、
    g)前記移動装置にその本体フレーム内の主軸を与えるステップと、
    h)前記受信手段に前記移動装置の主軸に対する主軸を与えるステップと、
    i)前記受信手段の位相中心が前記基準フレームの主軸を横断するときから、前記受信手段の位相中心が前記受信手段の主軸を横断するときまでの時間を測定するステップと、 j)前記測定された時間、及び前記受信手段の主軸と前記移動装置の主軸との間の前記関係に基づいて、前記移動装置の主軸の姿勢を計算するステップと、
    を備える請求項又は10に記載の方法。
  13. 前記方法は、更に、
    f)前記放射手段に基準フレーム内で主軸を与えるステップと、
    g)前記移動装置にその本体フレーム内で主軸を与えるステップと、
    h)前記受信手段に前記移動装置の主軸に対する主軸を与えるステップと、
    i)前記受信手段の位相中心の前記所定期間の始めに前記基準フレームの主軸に対する前記受信手段の主軸の角度的オフセットを測定するステップと、
    j)前記測定された角度的オフセット、及び前記受信手段の主軸と前記移動装置の主軸との間の前記関係に基づいて、前記移動装置の主軸の姿勢を計算するステップと、
    を備える請求項又は10に記載の方法。
  14. 前記方法は、更に、
    k)受信器搬送波位相測定レートで前記ポジショニング信号の前記搬送波位相を測定するステップであって、前記受信器搬送波位相測定レートは、前記放射手段の位相中心の前記所定期間より高速であるようなステップと、
    l)受信器追跡ループ更新レートで前記受信手段内の搬送波追跡ループを更新するステップであって、前記受信器搬送波追跡ループ更新レートは、前記放射手段の位相中心の前記所定期間に等しいか又はそれより低速であるようなステップと、
    m)前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値を前記搬送波追跡ループ内のデジタル制御発振器と比較するステップと、
    n)前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値を集計して、合成サイクリックドップラー値を決定するステップと、
    を備えた請求項又は10に記載の方法。
  15. 前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値は、同相及び直角位相(I及びQ)の測定値である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記放射手段の前記位相中心の前記規定の動きは、前記ポジショニング信号の波長の1/4の半径内の体積内に含まれる、請求項14に記載の方法。
  17. 前記方法は、更に、
    前記放射手段は、ユニークな規定の移動を示す複数の放射手段の位相中心を通して複数のユニークなポジショニング信号を送信し、ユニークなドップラーシグネチャーがそれぞれの前記ユニークなポジショニング信号の上で誘起されるようにし、
    前記受信手段は、それぞれがユニークな規定の動きを示すほぼ複数の受信手段の位相中心を通して前記複数のユニークなポジショニング信号を受信する請求項又は10に記載の方法。
  18. 移動装置の姿勢を決定するシステムにおいて、
    a)放射手段を通してポジショニング信号を送信する手段と、
    b)前記放射手段の位相中心を、所定の期間で規定の動きを伴って電子的に移動させ、第1のサイクリックなドップラーが前記ポジショニング信号に重畳されるようにする送信手段と、
    c)前記ポジショニング信号を受信するための、前記移動装置に関連する受信手段と、
    d)前記受信手段の前記位相中心を、所定の期間で規定の動きを伴って電子的に移動させ、第2のサイクリックなドップラーが前記ポジショニング信号に重畳されるようにする受信手段と、
    e)前記受信手段により観察された合成サイクリックドップラーを連続的に測定する手段であって、この合成サイクリックドップラーは、前記第1のサイクリックなドップラー及び前記第2のサイクリックなドップラーを含むものである測定手段と、
    f)前記合成サイクリックドップラーを、前記受信手段に関連付けられた所定のドップラーパターンと連続的にマッチングさせる手段と、
    g)前記マッチングされたドップラーパターンに基づいて前記移動装置の姿勢を決定するための手段と、
    を備えたシステム。
  19. 前記放射手段の位相中心を移動させる前記手段は、前記放射手段の複数のアンテナ素子の利得を変化させ又は連続的に切り替え制御手段を含み、
    前記受信手段の位相中心を移動させる前記手段は、前記受信手段の複数のアンテナ素子の利得を変化させ又は連続的に切り替え制御手段を含む請求項18に記載のシステム。
  20. 前記受信手段は、前記所定のドップラーパターンを記憶するためのメモリ手段を含む、請求項18又は19に記載のシステム。
  21. 前記受信手段は、更に、
    a)デジタル制御発振器を組み込んだ搬送波追跡ループと、
    b)受信器搬送波位相測定レートで前記ポジショニング信号の前記搬送波位相を測定する手段であって、前記受信器搬送波位相測定レートは、前記放射手段の位相中心の前記所定期間より高速であるような手段と、
    c)受信器搬送波追跡ループ更新レートで前記搬送波追跡ループを更新する手段であって、前記受信器搬送波追跡ループ更新レートは、前記放射手段の位相中心の前記所定期間に等しいか又はそれより低速であるような手段と、
    を備え、合成サイクリックドップラーを連続的に測定する前記手段は、
    d)前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値を前記搬送波追跡ループデジタル制御発振器と比較する手段と、
    e)前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値を集計して、合成サイクリックドップラー値を決定する手段と、
    を備えた請求項18又は19に記載の移動装置の姿勢を決定するシステム。
  22. 前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値は、同相及び直角位相(I及びQ)の測定値である、請求項21に記載の移動装置の姿勢を決定するシステム。
  23. 前記放射手段の前記位相中心の前記規定の動きは、前記ポジショニング信号の波長の1/4の半径内の体積内に含まれる、請求項21に記載の移動装置の姿勢を決定するシステム。
  24. 移動装置の姿勢を決定する方法において、
    a)放射手段を通してポジショニング信号を送信するステップであって、前記放射手段が、所定の期間で規定の動きを伴ってその位相中心を電子的に移動して、第1のサイクリックなドップラーが前記ポジショニング信号に重畳されるようにするステップと、
    b)前記移動装置に関連する受信手段を通して前記ポジショニング信号を受信するステップであって、前記受信手段は、所定の期間で規定の動きを伴ってその位相中心を電子的に移動して、第2のサイクリックなドップラーが前記ポジショニング信号に重畳されるようにするステップと、
    c)前記受信手段で観察された合成サイクリックドップラーを連続的に測定するステップであって、この合成サイクリックドップラーは、前記第1のサイクリックなドップラー及び前記第2のサイクリックなドップラーを含むものであるステップと、
    d)前記合成サイクリックドップラーを、前記受信手段に関連付けられた規定のドップラーパターンと連続的にマッチングさせるステップと、
    e)前記マッチングされたドップラーパターンに基づいて前記移動装置の姿勢を決定するステップと、
    を備えた方法。
  25. 前記放射手段の位相中心の前記移動は、前記放射手段の複数のアンテナ素子の利得を変化させ又は連続的に切り替えことによって合成され、
    前記受信手段の位相中心の前記移動は、前記受信手段の複数のアンテナ素子の利得を変化させ又は連続的に切り替えことによって合成される請求項24に記載の方法。
  26. 前記所定のドップラーパターンは、前記受信手段のメモリ手段に記憶される、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 前記方法は、更に、
    f)受信器搬送波位相測定レートで前記ポジショニング信号の搬送波位相を測定するステップであって、前記受信器搬送波位相測定レートは、前記放射手段の位相中心の前記所定期間より高速であるようなステップと、
    g)受信器追跡ループ更新レートで前記受信手段内の搬送波追跡ループを更新するステップであって、前記受信器搬送波追跡ループ更新レートは、前記放射手段の位相中心の前記所定期間に等しいか又はそれより低速であるようなステップと、
    h)前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値を前記搬送波追跡ループ内のデジタル制御発振器と比較するステップと、
    i)前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値を集計して、合成サイクリックドップラー値を決定するステップと、
    を備えた請求項24又は25に記載の方法。
  28. 前記ポジショニング信号の搬送波位相測定値は、同相及び直角位相(I及びQ)の測定値である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記放射手段の位相中心の前記規定の動きは、前記ポジショニング信号の波長の1/4の半径内の体積内に含まれる、請求項27に記載の方法。
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