JP5308706B2 - 視覚情報と融合した嗅覚情報提示装置 - Google Patents
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Description
香り強度を任意に変化させることができなかった。従って、視覚情報、聴覚情報に嗅覚情報を融合させる際に、画像情報にあわせて香り強度を変化させることができず、臨場感あふれる情報伝達という観点からは、嗅覚情報の提示に大きな欠点があった。
W(t、T)=f1(t)・f2(T)・・・(1)
ここで、tは時間、Tは温度を表す。まず、香り成分の発生量を表す関数f1(t)について考察する。香りカプセルからの香りの発生は、バルブが開状態になって香りの拡散が開始され、バルブが閉状態になって香りの拡散が停止するという過程を経る。このとき、バルブが開状態になっている時間が十分に長ければ、香りの発生源が存在する条件下では、香りの強さがほぼ一定になる時間t(t1<t<t2)が存在すると考えられる。また、単純な気体の拡散は時間と拡散の方向を関数とする指数関数で表現され、テーラー展開により、例えば6次の多項式で近似することができると考えられる。そこで、本香り発生装置の出口において香りの発生強度の時間変化を測定する場合を想定すると、バルブを開閉した直後での気体の拡散を考慮して、f1(t)は以下のように場合分けをすることができると考えられる。
t≦t1のとき
f1(t)=∫(A1・t6+A2・t5+A3・t4+A4・t3+A5・t2+A6・t+A7)dt・・・(2)
t1<t<t2のとき
f1(t)=∫A0dt・・・(3)
t≧t2のとき
f1(t)=∫(A8・t6+A9・t5+A10・t4+A11・t3+A12・t2+A13・t+A14)dt・・・(4)
このとき、A0、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14は定数である。ただし、バルブの開状態が短く、香りの発生が一定になる時間がない場合には、(3)の状態が省略される。
一方、香りの発生量と同様に制御すべきパラメータは、ある時間における香り強度I(t、T)であり、以下の式で表される。
I(t、T)=dW(t、T)/dt・・・(4)
本香り発生装置においては、香り強度を変化させうるパラメータとして、バルブに用いている人工筋肉の駆動電圧、香りカプセル温度、バルブ開閉の切り替えの3つが存在する。以下、3パラメータの結果について述べる。
P=exp(A−B/(T+C))・・・(5)
ここで、A、B、Cは成分特有の定数である。従って、ある温度における香りカプセルからの香りの発生量は飽和蒸気圧に比例し、せまい温度範囲(30〜70℃)では2次の多項式で近似できると仮定すると、f2(T)は以下のように簡単に表すことができる。
f2(T)=B1・T2+B2・T+B3・・・(6)
このとき、B1、B2、B3は定数である。図12に、ペパーミント香りカプセルを例に、香り発生量の温度変化を測定し、香りプロファイルと、香り強度(41〜45秒の平均値)と温度の関係をそれぞれ図10(a)、(b)に示した。これから、f2(T)は
f2(T)=0.59T2+27T+340・・・(7)
と近似でき、しかもそのときの相関係数は0.99と非常に高い値であり、30から70℃というせまい温度範囲では、f2(T)における上記の近似の妥当性が確認される。この温度変化を30〜70℃の範囲で活用すると、約10倍の香りの強度差をつけることができることになる。
最後に、バルブのシーケンスである。まず、香り強度が一定となる時間が存在しない香りプロファイルを生成する条件を求める。例えば、そのひとつは、香りカプセル温度が70℃のときに、バルブを3秒間開状態にして、その後閉状態にした場合の香りプロファイルである。その香りプロファイルを図13に示した。これを、ピークの最大値を示す時間(t=13秒)の前後で切り分け、式(2)(4)に示すように、それぞれを6次の多項式で近似すると、このときのIB(t、T)は以下のように記述することができる(図13参照)。
・t<13秒のとき、
IB(t、T)=6×10-5t6−0.0017t5+0.011t4+0.087t3−0.94t2+2.4t
−1.6・・・(8)
(相関係数0.99)
・t≧13秒のとき
IB(t、T)=5×10-11t6−2×10-8t5+5×10-6t4+0.0005t3−0.028t2
-0.93t+17・・・(9)
(相関係数0.99)
これを基本香りプロファイルとして、バルブを3秒間開状態にした後のバルブの閉状態の時間を変化させることによって、中間的強度を出すことが可能となる。例えば、図14に示すようなバルブシーケンスに基づいて、バルブ閉状態の時間1、2、3、6、9秒としたときの香りのプロファイルの計算曲線と実測曲線を比較した結果を図15に示した。これは、3秒間開状態、N秒間閉状態(N=1、2、3、6、9)を8回繰り返した場合の結果であり、計算曲線は基本香りプロファイルの単純な足し合わせとして計算している。すなわち、
計算曲線=Σ(IB(t、T)+IB(t+N、T)+IB(t+2N、T)・・・・+IB(t+8N、T))
・・・(10)
である。図15の結果からもわかるように、閉状態の時間を伸長させることによって、完全に開状態のときの香りの中間的強度を発生させていることがわかる。このとき、例えば、31〜40秒における強度の平均値IAとNの関係をプロットすると、図14のような関係にある。これは、近似的にIA=1.16N2−19.4N+99.2(相関係数0.99)と表されることを示しており、香りの強度に変化を設ける際のひとつの指標になる。以上のように、バルブシーケンスの工夫によって、約4倍の香りの強度差を設けることができることが確認された。なお、N=1秒のときに、計算曲線と実測曲線の差が大きくなっているのは、人工筋肉を用いたバルブでは開閉にはタイムラグがあり、N=1秒のように閉状態時間を短くすると、実際のバルブの開閉が追随できなくなっているためである。
こうすることで、利用者の利用形態に応じた最適な香りの提供が可能となる。
Claims (9)
- 高分子の膜で覆われ、該膜の表面あるいは内部に液状の香り成分を有する香り源と、
前記香り源から放出された香り成分を外部に放出する放出口と、
前記香り源から放出される前記香りの流路を開閉させるように制御するバルブと、
前記香り源を加熱する加熱手段と、
前記香り成分を外部に送り出すための送風機構と、
前記バルブの開閉を少なくとも制御する制御部と、
該香り源を複数保持し、該香り源を各々取り出しできるカートリッジと、
所定の画像情報を記憶する記憶手段と
当該画像情報を表示可能な表示部と、
当該画像情報を当該表示部に映像として表示させる画像処理部とを備え、
前記記憶手段は、当該映像の表示時間におけるシーン変化点の時間情報を少なくとも記憶し、
前記制御部は、前記時間情報に応じて前記香り成分が前記放出口から放出される香り成分の放出量を制御し、
前記香り源は、前記高分子の膜中に前記液状の香り成分を封入し、且つ、内部に封入された香り成分の気化を促進するために、香り成分の通気孔を単一、あるいは複数設けた香りカプセルであることを特徴とする嗅覚情報提示装置。 - 高分子の膜で覆われ、該膜の表面あるいは内部に液状の香り成分を有する香り源と、
前記香り源から放出された香り成分を外部に放出する放出口と、
前記香り源から放出される前記香りの流路を開閉させるように制御するバルブと、
前記香り源を加熱する加熱手段と、
前記香り成分を外部に送り出すための送風機構と、
前記バルブの開閉を少なくとも制御する制御部と、
該香り源を複数保持し、該香り源を各々取り出しできるカートリッジと、
所定の画像情報を記憶する記憶手段と
当該画像情報を表示可能な表示部と、
当該画像情報を当該表示部に映像として表示させる画像処理部とを備え、
前記画像処理部は、当該映像のシーン変化点を検出し、当該シーン変化点における時間情報を前記記憶手段に少なくとも記憶させ、
前記制御部は、前記時間情報に応じて前記香り成分が前記放出口から放出される香り成分の放出量を制御し、
前記香り源は、前記高分子の膜中に前記液状の香り成分を封入し、且つ、内部に封入された香り成分の気化を促進するために、香り成分の通気孔を単一、あるいは複数設けた香りカプセルであることを特徴とする嗅覚情報提示装置。 - 請求項1に記載の嗅覚情報提示装置において、
前記制御部は、前記時間情報に応じて前記香り成分の放出量を制御するときに、前記バルブの開閉動作、加熱手段の少なくともいずれかを制御することを特徴とする
嗅覚情報提示装置。 - 請求項1に記載の嗅覚情報提示装置において、
前記制御部は、前記バルブの駆動スピード、前記香り源の温度、前記バルブのシーケンス制御のいずれかにより、香りの強度、あるいは香り発生量を、前記画像情報に同期して変化させることを特徴とする嗅覚情報提示装置。 - 請求項1に記載の嗅覚情報提示装置において、
前記香り源は香り成分を覆う高分子の膜を有し、前記高分子がアルギン酸から生成されていることを特徴とする嗅覚情報提示装置。 - 請求項1に記載の嗅覚情報提示装置において、
前記香り源からの香り成分の出口の角度が可変であることを特徴とする嗅覚情報提示装置。 - 請求項1に記載の嗅覚情報提示装置において、
前記香り源を複数保持する香りカプセルカートリッジにより、前記香り源の取り出しを行うことを特徴とする嗅覚情報提示装置。 - 請求項7に記載の嗅覚情報提示装置において、
前記加熱手段は、前記香りカプセルカートリッジに複数保持された前記香り源の各々の温度を独立して制御する加熱素子を有することを特徴とする嗅覚情報提示装置。 - 請求項1に記載の嗅覚情報提示装置において、
前記表示部に対向する利用者との相対的な距離を計測する手段と、
当該計測した結果を基に、
前記制御部は前記香り成分の放出量を制御することを特徴とする嗅覚情報提示装置。
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