次に、図面を参照して、本発明の第1実施形態、第2実施形態、及び、その他の実施形態を説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
[第1実施形態]
第1実施形態では、(1)無線通信システムの概要、(2)無線通信システムの詳細構成、(3)無線端末における送信指向性制御、(4)無線通信システムの動作、(5)効果について説明する。
(1)無線通信システムの概要
まず、第1実施形態に係る無線通信システムの概要について、(1.1)無線通信システムの概略構成、(1.2)無線通信システムの概略動作の順に説明する。
(1.1)無線通信システムの概略構成
図1は、第1実施形態に係る無線通信システム10Aの全体構成図である。
図1に示すように、無線通信システム10Aは、無線端末UE1(第1無線端末)、無線端末UE2、無線端末UE3、無線端末UE4(第2無線端末)、無線端末UE5、無線端末UE6、無線基地局BS1(第1無線基地局)、無線基地局BS2(第2無線基地局)、及び制御装置100Aを有する。
図1では、説明の便宜上、無線基地局BS1及び無線基地局BS2のみを図示しているが、実際には、無線基地局BS1及び無線基地局BS2それぞれに隣接して無線基地局がさらに設置されている。
無線通信システム10Aは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において標準化されているLTE(Long Term Evolution)規格に基づく構成を有している。以下においては、主に上り(以下、アップリンク)通信について説明する。
無線基地局BS1は、セルC1内に位置する無線端末UE1〜UE3の接続先であり、無線端末UE1〜UE3とアップリンク通信を実行する。無線端末UE1〜UE3は、移動可能であり、図1の例ではセルC1の端部に位置している。無線基地局BS1には、無線端末UE1〜UE3以外の無線端末がさらに接続されていてもよい。
無線基地局BS2は、セルC1に隣接するセルC2内に位置する無線端末UE4〜UE6の接続先であり、無線端末UE4〜UE6とアップリンク通信を実行する。無線端末UE4〜UE6は、移動可能であり、図1の例ではセルC2の端部に位置している。無線基地局BS2には、無線端末UE4〜UE6以外の無線端末がさらに接続されていてもよい。
制御装置100Aは、有線通信網であるバックボーンネットワーク上に設けられ、無線基地局BS1及び無線基地局BS2に有線接続される。制御装置100Aは、無線基地局BS1及び無線基地局BS2を制御する。制御装置100Aは、無線基地局BS1及び無線基地局BS2に加え、無線基地局BS1及び無線基地局BS2それぞれに隣接する無線基地局を制御してもよい。制御装置100Aは、無線基地局BS1、無線基地局BS2、及び、その他の無線基地局から定期的に情報を収集し、収集した情報を記憶及び管理する。
無線通信システム10Aには、マルチキャリア通信方式の一つである直交周波数分割多元接続(OFDMA)方式が採用されている。OFDMA方式では、複数のサブキャリアを用いてサブチャネルと呼ばれる通信チャネル(以下、チャネル)が構成され、当該チャネルが無線基地局から無線端末に割り当てられる。また、無線通信システム10Aには、複信方式として周波数分割複信(FDD)方式が採用されている。
無線基地局BS1は、図2に示すチャネルAを無線端末UE1に、チャネルBを無線端末UE2に、チャネルCを無線端末UE3にそれぞれ割り当てている。以下では、無線基地局BS1によって割り当てられたチャネルを使用して無線端末UE1〜UE3が送信する無線信号を適宜「第1無線信号」と称する。
無線基地局BS2は、図2に示すチャネルAを無線端末UE4に、チャネルBを無線端末UE5に、チャネルCを無線端末UE6にそれぞれ割り当てている。以下では、無線基地局BS2によって割り当てられたチャネルを使用して無線端末UE4〜UE6が送信する無線信号を適宜「第2無線信号」と称する。
無線基地局BS1は、チャネルAが用いられる第1無線信号を無線端末UE1から所望信号として受信するとともに、チャネルAが用いられる第2無線信号を無線端末UE4から干渉信号として受信している。チャネルAが用いられる第2無線信号は、無線端末UE4からD1方向に向けて無線基地局BS1に到来し、無線端末UE4からD4方向に向けて無線基地局BS2に到来する。
同様に、無線基地局BS1は、チャネルBが用いられる第1無線信号を無線端末UE2から所望信号として受信するとともに、チャネルBが用いられる第2無線信号を無線端末UE5から干渉信号として受信している。チャネルBが用いられる第2無線信号は、無線端末UE5からD2方向に向けて無線基地局BS1に到来し、無線端末UE5からD5方向に向けて無線基地局BS2に到来する。
無線基地局BS1は、チャネルCが用いられる第1無線信号を無線端末UE3から所望信号として受信するとともに、チャネルCが用いられる第2無線信号を無線端末UE6から干渉信号として受信している。チャネルCが用いられる第2無線信号は、無線端末UE6からD3方向に向けて無線基地局BS1に到来し、無線端末UE6からD6方向に向けて無線基地局BS2に到来する。
無線基地局BS1及び無線端末UE1〜UE3は、閉ループMIMOに基づくアップリンク通信を実行する。無線基地局BS2及び無線端末UE4〜UE6は、閉ループMIMOに基づくアップリンク通信を実行する。
具体的には、無線端末UE1〜UE3それぞれは、複数のアンテナ(送信アンテナ)を介して、第1無線信号を無線基地局BS1に送信する。無線基地局BS1は、複数のアンテナ(受信アンテナ)を介して各第1無線信号を受信する。
無線端末UE4〜UE6それぞれは、複数のアンテナ(送信アンテナ)を介して、第2無線信号を無線基地局BS2に送信する。無線基地局BS2は、複数のアンテナ(受信アンテナ)を介して各第2無線信号を受信する。
図1では、アップリンク通信において、送信アンテナが2つであり、受信アンテナが4つであるMIMO(いわゆる、2×4MIMO)を例示している。
無線基地局BS1は、無線端末UE1〜UE3から受信した第1無線信号を分析し、無線端末UE1〜UE3におけるマルチアンテナ送信を適応的に制御するためのフィードバック情報を周期的に無線端末UE1〜UE3に送信する。
LTE規格において、フィードバック情報は、“RI(Rank Indicator)”、“PMI(Precoding Matrix Indicator)”、“CQI(Channel Quality Indicator)”を含む。RIは、信号系列であるストリーム(LTE規格ではレイヤと称される)の数を制御するための情報である。PMIは、送信アンテナ重み(LTE規格ではプリコーディングマトリクスと称される)を制御するための情報である。CQIは、送信電力および変調方式を制御するための情報である。
無線基地局BS1は、無線端末UE1〜UE3それぞれについて、レイヤ数を決定し、決定したレイヤ数に対応するRIをフィードバック情報として送信する。無線基地局BS1は、無線端末UE1〜UE3それぞれについて、受信品質(例えばSNR)が最大となるプリコーディングマトリクスをレイヤ数に応じて算出し、算出結果に応じたPMIをフィードバック情報として送信する。また、無線基地局BS1は、無線端末UE1〜UE3それぞれについて、受信品質に対応するCQIを求め、当該CQIをフィードバック情報として送信する。無線端末UE1〜UE3それぞれは、無線基地局BS1からフィードバックされるフィードバック情報に従って、レイヤ数、指向性ビーム、送信電力および変調方式などを制御する。
同様に、無線基地局BS2は、無線端末UE4〜UE6から受信した第2無線信号を分析し、無線端末UE4〜UE6におけるマルチアンテナ送信を適応的に制御するためのフィードバック情報(RI,PMI,CQI)を周期的に無線端末UE4〜UE6に送信する。無線端末UE4〜UE6それぞれは、無線基地局BS2からフィードバックされるフィードバック情報に従って、レイヤ数、指向性ビーム、送信電力および変調方式などを制御する。
(1.2)無線通信システムの概略動作
次に、図1、図3、及び図4を用いて、無線通信システム10Aの概略動作について説明する。
無線基地局BS1は、チャネルAが用いられる第2無線信号を無線端末UE4から干渉信号として受信した場合、無線基地局BS1への当該第2無線信号の到来方向D1を推定する。図3に示すように、無線基地局BS1は、到来方向D1に基づく干渉情報を生成し、生成した干渉情報を制御装置100Aに送信する。
また、無線基地局BS1は、チャネルBが用いられる第2無線信号を無線端末UE5から干渉信号として受信した場合、無線基地局BS1への当該第2無線信号の到来方向D2を推定する。無線基地局BS1は、到来方向D2に基づく干渉情報を生成し、生成した干渉情報を制御装置100Aに送信する。
無線基地局BS1は、チャネルCが用いられる第2無線信号を無線端末UE6から干渉信号として受信した場合、無線基地局BS1への当該第2無線信号の到来方向D3を推定する。無線基地局BS1は、到来方向D3に基づく干渉情報を生成し、生成した干渉情報を制御装置100Aに送信する。
制御装置100Aは、無線基地局BS2を含む複数の無線基地局の中から、第2無線信号に関する情報に基づいて無線基地局BS2を特定し、特定した無線基地局BS2に対して干渉情報を送信する。第2無線信号に関する情報とは、第2無線信号に含まれる情報、又は、第2無線信号に用いられるチャネルを識別する情報である。
無線基地局BS2は、干渉情報を受信した場合、受信した干渉情報に基づいて、無線端末UE4〜UE6に制御情報を送信する。具体的には、無線基地局BS2は、無線端末UE4が形成する指向性ビームのヌル点(不感点)を無線基地局BS1の方向D1に向けるための制御情報を無線端末UE4に送信する。無線基地局BS2は、無線端末UE5が形成する指向性ビームのヌル点を無線基地局BS1の方向D2に向けるための制御情報を無線端末UE5に送信する。無線基地局BS2は、無線端末UE6が形成する指向性ビームのヌル点を無線基地局BS1の方向D3に向けるための制御情報を無線端末UE6に送信する。
なお、指向性ビームを形成しつつMIMO通信を行う通信形態は、一般的にビームフォーミングMIMOと称される。
無線端末UE4は、無線基地局BS2から受信した制御情報と、無線基地局BS2からフィードバックされるPMIとに基づいて、無線基地局BS1の方向D1にヌル点を向け、且つ、無線基地局BS2の方向D4に指向性ビームを向けて、チャネルAが用いられる第2無線信号を送信する。無線端末UE4が無線基地局BS1の方向D1にヌル点を向けることによって、図4に示すように、無線基地局BS1が無線端末UE4から第2無線信号を受信することを回避できる。
無線端末UE5は、無線基地局BS2から受信した制御情報と、無線基地局BS2からフィードバックされるPMIとに基づいて、無線基地局BS1の方向D2にヌル点を向け、且つ、無線基地局BS2の方向D5に指向性ビームを向けて、チャネルBが用いられる第2無線信号を送信する。無線端末UE5が無線基地局BS1の方向D2にヌル点を向けることによって、図4に示すように、無線基地局BS1が無線端末UE5から第2無線信号を受信することを回避できる。
無線端末UE6は、無線基地局BS2から受信した制御情報と、無線基地局BS2からフィードバックされるPMIとに基づいて、無線基地局BS1の方向D3にヌル点を向け、且つ、無線基地局BS2の方向D6に指向性ビームを向けて、チャネルCが用いられる第2無線信号を送信する。無線端末UE6が無線基地局BS1の方向D3にヌル点を向けることによって、図4に示すように、無線基地局BS1が無線端末UE6から第2無線信号を受信することを回避できる。
なお、干渉情報は、例えば、干渉信号の到来方向を示す係数又は角度の情報である。到来方向の推定には、既存の到来方向推定技術が利用できる。干渉情報の情報量を低減するためには、到来方向を示す係数又は角度の情報をPMIに変換し、変換して得られたPMIを干渉情報として使用してもよい。この場合、無線基地局BS1又は制御装置100Aは、方向D1にヌル点を向けるプリコーディングマトリクスに対応するPMIと、方向D2にヌル点を向けるプリコーディングマトリクスに対応するPMIと、方向D3にヌル点を向けるプリコーディングマトリクスに対応するPMIとを干渉情報として無線基地局BS2に送信する。
到来方向を示す係数又は角度の情報が干渉情報として使用される場合、無線基地局BS2が送信する制御情報としては、到来方向を示す係数又は角度の情報をそのまま使用する、又は、当該情報をPMIに変換して使用することができる。PMIが干渉情報として使用される場合、制御情報としては、当該PMIをそのまま使用することができる。
干渉情報および制御情報としてPMIを用いることで、干渉情報および制御情報の情報量を低減でき、無線通信システム10Aにおける実装を容易にすることができる。
なお、無線端末UE4〜UE6の状態の変化に対応するために、無線端末UE4〜UE6それぞれにGPS又は方位センサなどの絶対的な方向(方位)を検出する手段を設け、検出される絶対的な方向と、制御情報とを組み合わせて使用してもよい。
(2)無線通信システムの詳細構成
次に、無線通信システム10Aの詳細構成について、(2.1)無線基地局BS1の構成、(2.2)制御装置100Aの構成、(2.3)無線基地局BS2の構成、(2.4)無線端末UE4の構成の順に説明する。なお、以下においては、本発明に関連する構成について主に説明する。
(2.1)無線基地局BS1の構成
図5は、無線基地局BS1の構成を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、無線基地局BS1は、アンテナ201〜204、無線通信部210、制御部220、記憶部230、及び有線通信部240を有する。
無線通信部210は、アンテナ201〜204を介して無線信号を受信する受信部211と、アンテナ201〜204を介して無線信号を送信する送信部212とを有する。受信部211は、無線端末UE1〜UE3それぞれについて、受信した無線信号に含まれる既知信号であるパイロット信号に基づいてチャネル推定を実行し、チャネル推定の結果を用いてフィードバック情報(RI,PMI,CQI)を生成する。送信部212は、無線端末UE1〜UE3それぞれに対し、フィードバック情報を送信する。
制御部220は、例えばCPUによって構成され、無線基地局BS1が具備する各種機能を制御する。記憶部230は、例えばメモリによって構成され、無線基地局BS1における制御などに用いられる各種情報を記憶する。有線通信部240は、有線通信網を介して制御装置100Aに接続される。
制御部220は、到来方向推定部221、干渉情報生成部222、及び特定用情報取得部223を有する。
到来方向推定部221は、受信部211が第2無線信号(干渉信号)を受信した場合に、到来方向推定技術を用いて、無線基地局BS1への第2無線信号の到来方向を推定する。
干渉情報生成部222は、到来方向推定部221によって推定された到来方向に基づく干渉情報を生成する。上記のように干渉情報としてPMIが用いられる場合には、記憶部230が到来方向とPMIとの対応付けを予め保持し、干渉情報生成部222は、当該対応付けからPMIを生成(取得)する。
特定用情報取得部223は、受信部211が受信した第2無線信号に関する情報を特定用情報として取得する。特定用情報とは、干渉源の無線端末(以下、干渉源端末)と、当該干渉源端末の接続先の無線基地局とを特定するための情報である。特定用情報取得部223は、次の(a1)〜(c1)の何れかの方法、あるいは各方法の組み合わせを用いて特定用情報を取得する。
方法(a1):特定用情報取得部223は、受信部211が受信した第2無線信号に含まれる端末識別情報(端末ID)を特定用情報として取得する。端末識別情報は、第2無線信号の送信元の無線端末を識別する情報である。
方法(b1):特定用情報取得部223は、受信部211が受信した第2無線信号に用いられているチャネルを識別するチャネル識別情報を特定用情報として取得する。
方法(c1):特定用情報取得部223は、受信部211が受信した第2無線信号に含まれるパイロット信号から特定用情報を取得する。具体的には、パイロット信号はセル固有の直交系列を含み、特定用情報取得部223は、当該直交系列を特定用情報として取得する。
有線通信部240は、干渉情報生成部222によって生成された干渉情報と、特定用情報取得部223によって取得された特定用情報とを制御装置100Aに送信する。第1実施形態において有線通信部240は、干渉情報を送信する干渉情報送信部を構成する。
(2.2)制御装置100Aの構成
図6は、制御装置100Aの構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、制御装置100Aは、有線通信部110、制御部120、及び記憶部130を有する。
有線通信部110は、有線通信網を介して無線基地局BS1及びBS2に接続される。有線通信部110は、信号を受信する受信部111と、信号を送信する送信部112とを有する。受信部111は、干渉情報及び特定用情報を無線基地局BS1から受信する。
制御部120は、例えばCPUによって構成され、制御装置100Aが具備する各種機能を制御する。記憶部130は、例えばメモリによって構成され、制御装置100Aにおける制御などに用いられる各種情報を記憶する。
制御部120は、基地局特定部121を有する。基地局特定部121は、有線通信部110が受信した特定用情報に基づいて、複数の無線基地局の中から、干渉源端末の接続先の無線基地局を特定する。基地局特定部121は、次の(a2)〜(c2)の何れかの方法、あるいは各方法の組み合わせを用いて、干渉源端末の接続先の無線基地局を特定する。
方法(a2):端末識別情報が特定用情報として用いられる場合、基地局特定部121は、記憶部130に記憶されている接続情報を用いて、干渉源端末の接続先の無線基地局を特定する。接続情報とは、無線基地局BS2及び他の無線基地局の何れかに接続中の無線端末の端末識別情報と、当該無線端末の接続先の無線基地局とを対応付けた情報である。基地局特定部121は、受信部111が受信した端末識別情報に対応する無線基地局を、干渉源端末の接続先の無線基地局として特定する。
方法(b2):チャネル識別情報が特定用情報として用いられる場合、基地局特定部121は、記憶部130に記憶されているチャネル情報を用いて、干渉源端末の接続先の無線基地局を特定する。チャネル情報とは、無線基地局BS2及び他の無線基地局の何れかに接続中の無線端末が上り通信に使用しているチャネルのチャネル識別情報と、当該無線端末の接続先の無線基地局とを対応付けた情報である。基地局特定部121は、受信部111が受信したチャネル識別情報に対応する無線基地局を、干渉源端末の接続先の無線基地局として特定する。
方法(c2):セル固有の直交系列が特定用情報として用いられる場合、基地局特定部121は、当該直交系列に対応する無線基地局を、干渉源端末の接続先の無線基地局を特定する。
送信部112は、基地局特定部121によって特定された無線基地局(第1実施形態では、無線基地局BS2)に対し、干渉情報及び特定用情報を送信する。
(2.3)無線基地局BS2の構成
図7は、無線基地局BS2の構成を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、無線基地局BS2は、アンテナ301〜304、無線通信部310、制御部320、記憶部330、及び有線通信部340を有する。
無線通信部310は、アンテナ301〜304を介して無線端末UE4〜UE6から無線信号を受信する受信部311と、アンテナ301〜304を介して無線端末UE4〜UE6に無線信号を送信する送信部312とを有する。受信部311は、無線端末UE4〜UE6それぞれについて、受信した無線信号に含まれるパイロット信号に基づいてチャネル推定を実行し、チャネル推定の結果を用いてフィードバック情報(RI,PMI,CQI)を生成する。送信部312は、無線端末UE4〜UE6それぞれに対し、フィードバック情報を送信する。
制御部320は、例えばCPUによって構成され、無線基地局BS1が具備する各種機能を制御する。記憶部330は、例えばメモリによって構成され、無線基地局BS1における制御などに用いられる各種情報を記憶する。有線通信部340は、有線通信網を介して制御装置100Aに接続される。有線通信部340は、干渉情報及び特定用情報を制御装置100Aから受信する。
制御部320は、干渉情報取得部321、及び端末特定部322を有する。
干渉情報取得部321は、有線通信部340が制御装置100Aから受信した干渉情報を取得する。端末特定部322は、有線通信部340が制御装置100Aから受信した特定用情報を用いて、無線基地局BS2に接続中の複数の無線端末の中から、干渉源端末を特定する。端末特定部322は、次の(a3)又は(b3)の何れかの方法、あるいは各方法の組み合わせを用いて干渉源端末を特定する。
方法(a3):端末識別情報が特定用情報として用いられる場合、端末特定部322は、無線基地局BS2に接続中の複数の無線端末の中から、当該端末識別情報が示す無線端末を干渉源端末として特定する。
方法(b3):チャネル識別情報が特定用情報として用いられる場合、端末特定部322は、無線基地局BS2に接続中の複数の無線端末の中から、当該チャネル識別情報が示すチャネルを上り通信に使用している無線端末を干渉源端末として特定する。
送信部312は、端末特定部322によって特定された干渉源端末(第1実施形態では、無線端末UE4〜UE6)に対し、上述した制御情報を送信する。
(2.4)無線端末UE4の構成
図8は、無線端末UE4の構成を示す機能ブロック図である。他の無線端末(無線端末UE1〜UE3,UE5,UE6)は無線端末UE4と同様に構成されるため、ここでは、各無線端末を代表して無線端末UE4について説明する。
図8に示すように、無線端末UE4は、アンテナ401,402、無線通信部410、制御部420、及び記憶部430を有する。
無線通信部410は、アンテナ401,402を介して無線基地局BS2から無線信号を受信する受信部411と、アンテナ401,402を介して無線信号を無線基地局BS2に送信する送信部412とを有する。受信部411が無線基地局BS2から受信した無線信号は、フィードバック情報及び制御情報を含む。
送信部412は、受信部411が受信したフィードバック情報に基づいてマルチアンテナ送信を制御する。具体的には、送信部412は、送信信号をRIに従って複数のレイヤに分配し、各レイヤの送信信号を重み付け(以下、プリコーディング)し、プリコーディング後の送信信号に対してCQIに従った適応変調及び送信電力制御を行う。
制御部420は、例えばCPUによって構成され、無線端末UE4が具備する各種機能を制御する。記憶部430は、例えばメモリによって構成され、無線端末UE4における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
制御部420は、制御情報取得部421、及び送信指向性制御部422を有する。制御情報取得部421は、送信部412が送信する第2無線信号を干渉信号として受信する無線基地局BS1の方向D1に対して、指向性ビームのヌル点を向けるための制御情報を取得する取得部を構成する。
送信指向性制御部422は、フィードバック情報のうちのPMIに基づいて、アンテナ401,402が形成する指向性ビームを制御する制御部を構成する。具体的には、無線基地局BS2からフィードバックされたPMIに対応するプリコーディングマトリクスを用いたプリコーディングによって、アンテナ401,402が形成する指向性ビームを無線基地局BS2の方向D4に向けることができる。
さらに、送信指向性制御部422は、フィードバック情報と、制御情報取得部421が取得した制御情報とに基づいて、無線基地局BS2の方向D4に指向性ビームを向け、且つ、無線基地局BS1の方向D1にヌル点を向ける。
(3)無線端末における送信指向性制御
次に、図9及び図10を用いて、送信指向性制御部422によって実行される送信指向性制御の詳細について説明する。ここでは、無線基地局BS1の方向D1にヌル点を向ける場合を例に説明する。
送信指向性制御部422は、制御情報に基づいて、無線基地局BS1の方向D1にヌル点を向けるプリコーディングマトリクスグループを選択する。プリコーディングマトリクスグループとは、図9に示すように、同一方向にヌル点を有する複数のプリコーディングマトリクスからなるグループであり、無線端末UE4の記憶部430に予め記憶されている。図9の例では、それぞれ異なる方向にヌル点を有するプリコーディングマトリクスグループ1〜8を図示している。
プリコーディングマトリクスグループは、図10に示すように、それぞれ異なる方向に指向性ビームを有する複数のプリコーディングマトリクスを含む。図10の例では、プリコーディングマトリクスグループ1に含まれるプリコーディングマトリクス1〜6それぞれは、指向性ビームを6方向に有している。プリコーディングマトリクス1〜6それぞれの指向性ビームのパターンは異なっている。
送信指向性制御部422は、無線基地局BS1の方向D1にヌル点を有するプリコーディングマトリクスグループの中から、無線基地局BS2からフィードバックされたPMIに基づいて、無線基地局BS2の方向D4に指向性ビームを有するプリコーディングマトリクスを選択する。選択されたプリコーディングマトリクスは、無線端末UE4の送信部412におけるプリコーディングに適用される。
(4)無線通信システムの動作
図11は、無線通信システム10Aの動作を示す動作シーケンス図である。図11においては、LTE規格に従ったフィードバック情報(RI,PMI,CQI)のうち、PMIのみを図示して説明する。図11に示す動作シーケンスは、所定の時間間隔(例えば、通信フレーム単位)で繰り返し実行される。
ステップS101において、無線端末UE4は、チャネルAが用いられる第2無線信号を送信する。ステップS104において、無線端末UE1は、チャネルAが用いられる第1無線信号を送信する。無線基地局BS1の受信部211は、チャネルAが用いられる第1無線信号を所望信号として受信し、チャネルAが用いられる第2無線信号を当該所望信号と干渉する干渉信号として受信する。
ステップS102において、無線端末UE5は、チャネルBが用いられる第2無線信号を送信する。ステップS105において、無線端末UE2は、チャネルBが用いられる第1無線信号を送信する。無線基地局BS1の受信部211は、チャネルBが用いられる第1無線信号を所望信号として受信し、チャネルBが用いられる第2無線信号を当該所望信号と干渉する干渉信号として受信する。
ステップS103において、無線端末UE6は、チャネルCが用いられる第2無線信号を送信する。ステップS106において、無線端末UE3は、チャネルCが用いられる第1無線信号を送信する。無線基地局BS1の受信部211は、チャネルCが用いられる第1無線信号を所望信号として受信し、チャネルCが用いられる第2無線信号を当該所望信号の干渉信号として受信する。
ステップS107において、無線基地局BS1の受信部211は、無線端末UE1〜UE3それぞれについて、第1無線信号に含まれるパイロット信号に基づき、無線伝搬路のチャネル応答を推定するチャネル推定を実行する。
無線基地局BS1の特定用情報取得部223は、無線端末UE1〜UE3それぞれから受信部211が受信した第2無線信号から、上記(a1)〜(c1)の方法に従い、特定用情報を取得する。
ステップS108において、無線基地局BS1の受信部211は、推定されたチャネル応答に基づいて、プリコーディングマトリクスを計算し、計算したプリコーディングマトリクスに対応するPMIを取得する。
ステップS109において、無線基地局BS1の到来方向推定部221は、無線基地局BS1への第2無線信号の到来方向D1を推定する。無線基地局BS1の干渉情報生成部222は、到来方向D1に基づく干渉情報を生成する。同様にして、到来方向推定部221は、無線基地局BS1への第2無線信号の到来方向D2及びD3を推定する。干渉情報生成部222は、到来方向D2及びD3に基づく干渉情報を生成する。
ステップS110において、無線基地局BS1の受信部211は、推定されたチャネル応答に基づいて、受信信号を等化(チャネル等化)し、等化した受信信号を復号する。復号された受信信号は、無線基地局BS1の制御部220に入力される。
ステップS111において、無線基地局BS1の送信部212は、フィードバック情報としてのPMIを無線端末UE1に送信する。同様にして、送信部212は、PMIを無線端末UE2に送信し(ステップS112)、PMIを無線端末UE3に送信する(ステップS113)。
ステップS115aにおいて、無線端末UE1は、無線基地局BS1から受信したPMIに対応するプリコーディングマトリクスを選択する。無線端末UE1は、チャネルAが用いられる第1無線信号を無線基地局BS1に次回送信する際に、選択したプリコーディングマトリクスを用いたプリコーディングを行う。
ステップS115bにおいて、無線端末UE2は、無線基地局BS1から受信したPMIに対応するプリコーディングマトリクスを選択する。無線端末UE2は、チャネルBが用いられる第1無線信号を無線基地局BS1に次回送信する際に、選択したプリコーディングマトリクスを用いたプリコーディングを行う。
ステップS115cにおいて、無線端末UE3は、無線基地局BS1から受信したPMIに対応するプリコーディングマトリクスを選択する。無線端末UE3は、チャネルCが用いられる第1無線信号を無線基地局BS1に次回送信する際に、選択したプリコーディングマトリクスを用いたプリコーディングを行う。
ステップS114において、無線基地局BS1の有線通信部240は、干渉情報生成部222によって生成された干渉情報と、特定用情報取得部223によって取得された特定用情報とを制御装置100Aに送信する。制御装置100Aの受信部111は、干渉情報及び特定用情報を受信する。
ステップS116において、制御装置100Aの基地局特定部121は、受信部111が受信した特定用情報を用いて、上記(a2)〜(c2)の方法に従い、干渉源端末の接続先の無線基地局BS2を特定する。制御装置100Aの送信部112は、基地局特定部121によって特定された無線基地局BS2に対し、干渉情報及び特定用情報を送信する。無線基地局BS2の有線通信部340は、干渉情報及び特定用情報を受信する。
一方で、無線基地局BS2の受信部311は、無線基地局BS2を接続先とする無線端末UE4〜UE6それぞれについて、プリコーディングマトリクスを計算し、計算したプリコーディングマトリクスに対応するPMIを取得する。
また、無線基地局BS2の干渉情報取得部321は、有線通信部340が制御装置100Aから受信した干渉情報を取得する。無線基地局BS2の端末特定部322は、有線通信部340が制御装置100Aから受信した特定用情報を用いて、上記(a3)、(b3)の方法に従い、無線基地局BS2に接続中の複数の無線端末の中から、干渉源端末を特定する。ここでは、無線端末UE4〜UE6が干渉源端末として特定されたものとする。
ステップS119aにおいて、無線基地局BS2の送信部312は、フィードバック情報としてのPMIと、制御情報とを無線端末UE4に送信する。ステップS119bにおいて、送信部312は、フィードバック情報としてのPMIと、制御情報とを無線端末UE5に送信する。ステップS119cにおいて、送信部312は、フィードバック情報としてのPMIと、制御情報とを無線端末UE6に送信する。無線端末UE4〜UE6それぞれの受信部411は、PMI及び制御情報を受信する。
ステップS120aにおいて、無線端末UE4の送信指向性制御部422は、受信部411が受信したPMI及び制御情報に基づいて、無線基地局BS2の方向D4に指向性ビームを向け、且つ、無線基地局BS1の方向D1にヌル点を向けるように送信部412を制御する。具体的には、無線端末UE4の送信指向性制御部422は、無線基地局BS1の方向D1にヌル点を向けるプリコーディングマトリクスグループの中から、無線基地局BS2の方向D4に指向性ビームを向けるプリコーディングマトリクスを選択する。無線端末UE4の送信部412は、チャネルAが用いられる第2無線信号を次回送信する際に、選択したプリコーディングマトリクスを用いたプリコーディングを行う。
同様にして、ステップS120bにおいて、無線端末UE5の送信指向性制御部422は、受信部411が受信したPMI及び制御情報に基づいて、無線基地局BS1の方向D2にヌル点を向けるプリコーディングマトリクスグループの中から、無線基地局BS2の方向D5に指向性ビームを向けるプリコーディングマトリクスを選択する。無線端末UE5の送信部412は、チャネルBが用いられる第2無線信号を次回送信する際に、選択したプリコーディングマトリクスを用いたプリコーディングを行う。
ステップS120bにおいて、無線端末UE6の送信指向性制御部422は、受信部411が受信したPMI及び制御情報に基づいて、無線基地局BS1の方向D3にヌル点を向けるプリコーディングマトリクスグループの中から、無線基地局BS2の方向D6に指向性ビームを向けるプリコーディングマトリクスを選択する。無線端末UE6の送信部412は、チャネルCが用いられる第2無線信号を次回送信する際に、選択したプリコーディングマトリクスを用いたプリコーディングを行う。
(5)効果
第1実施形態に係る無線通信システム10Aによれば、無線基地局BS1が無線端末UE4〜UE6から第2無線信号を干渉信号として受信する場合に、無線端末UE4〜UE6において、無線基地局BS1の方向D1〜D3にヌル点を向ける。このため、無線基地局BS1が第2無線信号(干渉信号)を受信することを回避でき、無線基地局BS1における通信品質を十分に改善することができる。このように、干渉信号の発生を元から防ぐことで、セルスループットが増大するとともに各無線端末に高速なアップリンク通信を提供できる。
第1実施形態では、無線端末UE4〜UE6の送信指向性制御部422は、無線基地局BS2から受信したPMI及び制御情報に基づいて、無線基地局BS1の方向D1〜D3にヌル点を向け、且つ、無線基地局BS2の方向D4〜D6に指向性ビームを向ける。したがって、無線基地局BS1における通信品質を十分に改善しつつ、無線基地局BS2における通信品質も良好に保つことができる。
第1実施形態では、制御装置100Aの基地局特定部121は、上記(a2)〜(c2)の方法に従い、干渉源端末の接続先の無線基地局BS2を特定する。これにより、干渉源端末の接続先無線基地局の候補が複数存在する場合であっても、干渉源端末の接続先無線基地局を容易に特定でき、干渉情報を適切な無線基地局に対して送信できる。
第1実施形態では、無線基地局BS2の端末特定部322は、上記(a3)、(b3)の方法に従い、干渉源端末を特定する。これにより、干渉源端末の候補が複数存在する場合であっても、干渉源端末を容易に特定でき、制御情報を適切な無線端末に対して送信できる。
[第1実施形態の変更例1]
上述した第1実施形態では、無線端末UE4〜UE6の制御情報取得部421は、干渉情報及び制御情報として、到来方向を示す係数又は角度の情報、又は、PMIを無線基地局BS2から取得していた。
しかしながら、無線基地局BS1の位置から無線基地局BS1の大まかな方向が特定できるため、干渉情報及び制御情報としては、無線基地局BS1の位置を示す情報を使用してもよい。無線基地局BS1の設置位置は固定であるため、無線基地局BS1の位置情報を予め無線基地局BS1又は制御装置100Aに保持させておくことができる。
無線基地局BS1の位置情報を干渉情報及び制御情報として使用する場合、無線端末UE4〜UE6の送信指向性制御部422は、無線基地局BS1の位置から、無線基地局BS1の方向を特定すればよい。
無線基地局BS1の方向をより正確に特定するためには、制御情報取得部421は、無線端末UE4〜UE6それぞれに設けられたGPS等を利用して、無線端末UE4〜UE6それぞれの位置情報をさらに取得してもよい。無線端末UE4〜UE6それぞれの位置と、無線基地局BS1の位置とから、無線基地局BS1の詳細な方向が特定できる。
[第1実施形態の変更例2]
上述した第1実施形態では、無線端末UE4〜UE6の制御情報取得部421は、干渉情報及び制御情報として、到来方向を示す係数又は角度の情報、又は、PMIを無線基地局BS2から取得していたが、他の方法で制御情報を取得してもよい。
具体的には、無線基地局BS1からの下り無線信号を無線端末UE4〜UE6が受信する場合に、制御情報取得部421は、当該下り無線信号の到来方向を推定し、推定した到来方向を示す情報を制御情報として取得してもよい。この場合、無線端末UE4〜UE6の送信指向性制御部422は、当該下り無線信号の到来方向から、無線基地局BS1の方向を特定すればよい。
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、制御装置100Aが、無線基地局BS1と無線基地局BS2とは個別に設けられていた。第2実施形態では、制御装置100Aが無線基地局BS1に含まれる形態について説明する。
なお、第2実施形態においては、(1)無線通信システムの構成、(2)無線通信システムの動作、(3)効果について説明する。
(1)無線通信システムの構成
図12は、第2実施形態に係る無線通信システム10Bの全体構成図である。
図12に示すように、無線通信システム10Bにおいて、無線基地局BS1’は、制御装置100Bの機能を有している。具体的には、図13に示すように、無線基地局BS1’の制御部220は、干渉源端末の接続先の無線基地局を特定する基地局特定部224を有する。基地局特定部224の機能は、第1実施形態で説明した基地局特定部121の機能と同様である。
(2)無線通信システムの動作
図14は、無線通信システム10Bの動作を示す動作シーケンス図である。図14において、ステップS213までの各処理、及び、ステップS218以降の各処理は第1実施形態と同様であるため、ステップS214,S217の処理について説明する。
ステップS214において、無線基地局BS1’の基地局特定部224は、特定用情報を用いて、上記(a2)〜(c2)の方法に従い、干渉源端末の接続先の無線基地局BS2を特定する。
ステップS217において、無線基地局BS1’の有線通信部240は、基地局特定部224によって特定された無線基地局BS2に対し、干渉情報及び特定用情報を送信する。無線基地局BS2の有線通信部340は、干渉情報及び特定用情報を受信する。
(3)効果
第2実施形態に係る無線通信システム10Bによれば、第1実施形態の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、制御装置100Bを別途設ける必要がないため、制御装置100Bの設置コストを削減できる。
[その他の実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、第1実施形態の変更例1,2は、第1実施形態に限らず、第2実施形態に対しても適用可能である。
上述した第1及び第2実施形態では、無線基地局BS1が、第2無線信号を受信した場合に当該第2無線信号を干渉信号とみなしていたが、所定の受信レベル未満の第2無線信号を許容してもよい。この場合、無線基地局BS1は、第2無線信号を受信し、且つ、当該第2無線信号の受信レベルが所定の受信レベル以上である場合に、当該第2無線信号を干渉信号とみなすことになる。
第1及び第2実施形態では、複信方式としてFDD方式が採用されていたが、FDD方式に代えて時分割複信(TDD)方式が採用されてもよい。
第1及び第2実施形態では、アップリンク通信において、送信アンテナが2つであり、受信アンテナが4つである場合(2×4MIMO)について説明した。しかしながら、アップリンク通信において、受信アンテナが1つである場合、すなわち、複数入力一出力(MISO)のマルチアンテナ送信が実施される形態でもよい。
第1及び第2実施形態では、無線基地局BS1及びBS2それぞれに複数の無線端末が接続されていたが、無線基地局BS1及びBS2それぞれに1つの無線端末が接続される形態でもよい。
第1及び第2実施形態では、LTE規格に基づく無線通信システム10A及び10Bについて説明したが、LTE規格に限らず、WiMAX規格(IEEE 802.16)に基づく無線通信システムや、3GPP2において標準化されているUMB(Ultra Mobile Broadband)規格など対しても本発明を適用可能である。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。