JP5300271B2 - スルホン酸エステル基とアミド基を有する重合体の製造方法 - Google Patents
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で示すユニットを含む重合体の製造方法であって、
下記化学式(2)
で示すスルホン酸基を含有するアミン化合物の少なくとも1種とを、縮合剤として亜リン酸エステル化合物を用いて、ジメチルアセトアミド存在下で反応させてアミド結合を形成し、下記化学式(4)
で示すユニットを含む重合体を製造する工程(A)と;
上記化学式(4)で示すユニットを含む重合体に対して、エステル化剤としてオルトギ酸エステル化合物を用いてエステル化を行い、化学式(1)で示すユニットを含む重合体を製造する工程(B)と;
を含む重合体の製造方法に関するものである。
本発明の重合体の製造方法において、前記化学式(2)で示すユニットを含む重合体とスルホン酸基を含有するアミン化合物を用いて、亜リン酸エステル化合物を用い、ジメチルアセトアミド存在下で反応させることで、下記化学式(4)
で示すユニットを含む重合体が製造される。
で示す化合物が適用できる。具体的には、2−アミノエタンスルホン酸(別称としてタウリンと呼ばれることがある)、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸やp−アミノベンゼンスルホン酸(別称としてスルファニル酸と呼ばれることがある)、m−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−トルイジン−4−スルホン酸、p−トルイジン−2−スルホン酸、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸、o−アニシジン−5−スルホン酸、p−アニシジン−3−スルホン酸、2,4−ジメチルアニリン−6−スルホン酸、3,4−ジメチルアニリン−5−スルホン酸、4−イソプロピルアニリン−6−スルホン酸のアミノベンゼンスルホン酸誘導体、1−ナフチルアミン−4−スルホン酸、1−ナフチルアミン−5−スルホン酸、1−ナフチルアミン−6−スルホン酸、1−ナフチルアミン−7−スルホン酸、1−ナフチルアミン−8−スルホン酸、2−ナフチルアミン−1−スルホン酸、2−ナフチルアミン−5−スルホン酸等のナフチルアミンスルホン酸誘導体が挙げられる。これらアミン化合物は単独で使用しても、また複数使用してもよい。アミン化合物の使用量は、所望する化学式(1)のユニット量にもよるが、化学式(2)に示すユニットに対して、0.1乃至5.0倍モル量の範囲である。より好ましくは0.1乃至2.0倍モル量の範囲である。更に好ましくは0.1乃至1.2倍モル量の範囲である。縮合反応において反応に消費されず残存したアミン化合物は、エステル化反応においてエステル化剤を消費する。そのため、残存するアミン化合物の量が増加すると過剰のエステル化剤を使用しなければならなくなる。以上より、化学式(2)に示すユニットに対して過剰量のアミン化合物を使用することは、経済的に得策ではない。
上記方法により製造された、化学式(4)で示すユニットを含む重合体を含む反応混合物は、引き続いて、エステル化剤を用い、スルホン酸をエステル化せしめる工程に移行できる。
本発明により製造された重合体の分子量及び分子量分布はゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算で算出され求めることができる。
装置 : 高速GPC HLC8120 GPC(東ソー社製)
カラム: Shodex KF−801、802、803、804、
805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液: テトラヒドロフラン
流速 : 1.0ml/min
オーブン温度: 40.0℃
試料注入量 : 0.10ml
本発明により製造された重合体の酸価は以下の方法により求められる。
2)300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150mlを加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う(たとえば、京都電子株式会社の電位差滴定測定装置AT−400(winworkstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。)。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
本発明により製造された重合体の構造決定は以下の核磁気共鳴装置(NMR)を用いて行った。
日本電子製FT−NMR JNM−EX400(使用溶媒 重クロロホルム)
調製例1
ビニル系重合体であるスチレンアクリル酸共重合体(樹脂A)の製造:
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、メタノール50部、テトラヒドロフラン200部を仕込み、窒素気流下で還流した。
・スチレン 95部
・アクリル酸 5部
このモノマー混合液に、さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を3部混合し、前記反応容器に撹拌しながら滴下し、10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下、50℃で乾燥した。得られた固形物を粉砕し、ビニル系重合体であるスチレンアクリル酸共重合体(樹脂A)を得た。
ビニル系重合体であるスチレンアクリル酸共重合体(樹脂B)の製造:
・スチレン 93部
・アクリル酸 7部
ビニル系重合体であるスチレンアクリル酸ブチルアクリル酸共重合体(樹脂C)の製造:
・スチレン 75部
・アクリル酸ブチル 20部
・アクリル酸 5部
ビニル系重合体であるスチレンメタクリル酸共重合体(樹脂D)の製造:
・スチレン 93部
・メタクリル酸 7部
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例1で得られたスチレンアクリル酸共重合体(スチレンユニット:93mol%、アクリル酸ユニット:7mol%)100部を加えた。次に、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸18部を入れ、ジメチルアセトアミド100部を加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル27部を加え、120℃で6時間加熱した。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例2で得られたスチレンアクリル酸共重合体(スチレンユニット:90mol%、アクリル酸ユニット:10mol%)100部を加えた。次に、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸21部を入れ、ジメチルアセトアミド100部を加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル32部を加え、120℃で6時間加熱した。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例1で得られたスチレンアクリル酸共重合体(スチレンユニット:93mol%、アクリル酸ユニット:7mol%)100部を加えた。次に、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸18部を入れ、ジメチルアセトアミド100部を加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル27部を加え、120℃で6時間加熱した。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例1で得られたスチレンアクリル酸共重合体(スチレンユニット:93mol%、アクリル酸ユニット:7mol%)100部を加えた。次に、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸18部を入れ、ジメチルアセトアミド50部及びトルエン100部を加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル27部を加え、120℃で6時間加熱した。
実施例1において、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸18部を2−アミノベンゼンスルホン酸15部に変更する以外は実施例1と同様の方法を行うことで、重合体5を得た。
実施例1において、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸18部をp−トルイジン−2−スルホン酸16部に変更する以外は実施例1と同様の方法を行うことで、重合体6を得た。得られた重合体6を調製例1と同様の方法で分子量測定を行い、数平均分子量は4400であり、重量平均分子量は16000であった。また、得られた重合体6の組成分析は、1H−NMR、13C−NMRを用い、前記記載の方法で測定を行った。その結果、化学式(9)で示されるスルホン酸メチルユニット2mol%、化学式(10)で示されるスルホン酸ユニット5mol%、を含むビニル共重合体であることを確認した。
実施例1において、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸18部を2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸13部に変更する以外は実施例1と同様の方法を行うことで、重合体7を得た。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例3で得られたスチレンアクリル酸ブチルアクリル酸共重合体(スチレンユニット:74mol%、アクリル酸ブチルユニット:19mol%、アクリル酸ユニット:7mol%)100部を加えた。次に、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸18部を入れ、ジメチルアセトアミド100部を加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル25部を加え、120℃で6時間加熱した。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例3で得られたスチレンアクリル酸ブチルアクリル酸共重合体(スチレンユニット:74mol%、アクリル酸ブチルユニット:19mol%、アクリル酸ユニット:7mol%)100部を加えた。次に、2−アミノベンゼンスルホン酸14部を入れ、ジメチルアセトアミド100部を加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル25部を加え、120℃で6時間加熱した。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例4で得られたスチレンメタクリル酸共重合体(スチレンユニット:93mol%、メタクリル酸ユニット:7mol%)100部を加えた。次に、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸17部を入れ、ジメチルアセトアミド100部を加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル26部を加え、120℃で6時間加熱した。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物70.0部、テレフタル酸25部、無水トリメリット酸5.0部および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5乃至20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂2を得た。このポリエステル樹脂2はTHF不溶解分9.0%、酸価25.0、水酸基価33.0、Mnは4700、Mwは6300であった。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例1で得られたスチレンアクリル酸共重合体(スチレンユニット:93mol%、アクリル酸ユニット:7mol%)100部を加えた。次に、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸18部を入れ、ピリジン375部を加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル27部を加え、120℃で6時間加熱した。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例1で得られたスチレンアクリル酸共重合体(スチレンユニット:93mol%、アクリル酸ユニット:7mol%)100部を加えた。次に、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸18部を入れ、ジメチルアセトアミドを用いず、トルエン100部のみを加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル27部を加え、120℃で加熱した。反応開始2時間程度でゲル化が起こり、反応困難となった。そのことから、縮合反応時に溶媒としてジメチルアセトアミドを用いずにトルエンのみを用いた場合には、縮合反応中にゲル化を起こし、反応が困難となった。
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、調製例1で得られたスチレンアクリル酸共重合体(スチレンユニット:93mol%、アクリル酸ユニット:7mol%)100部を加えた。次に、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸18部を入れ、ピリジン375部を加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル27部を加え、120℃で6時間加熱した。
Claims (4)
- 下記化学式(1)
で示すユニットを含む重合体の製造方法であって、
下記化学式(2)
で示すスルホン酸基を含有するアミン化合物の少なくとも1種とを、縮合剤として亜リン酸エステル化合物を用いて、ジメチルアセトアミド存在下で反応させてアミド結合を形成し、下記化学式(4)
で示すユニットを含む重合体を製造する工程(A)と;
上記化学式(4)で示すユニットを含む重合体に対して、エステル化剤としてオルトギ酸エステル化合物を用いてエステル化を行い、化学式(1)で示すユニットを含む重合体を製造する工程(B)と;
を含むことを特徴とする重合体の製造方法。 - 前記製造方法における重合体がビニル系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記縮合剤が、亜リン酸トリフェニルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記エステル化剤が、オルトギ酸トリメチルであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造方法。
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