JP5297744B2 - 運転計画決定システム - Google Patents

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本発明は、熱源機器の1日単位における所定時間毎の最適な運転台数および供給熱量を決定する運転計画決定システムに関する。
空調設備を構成する冷凍機、ポンプ等の機器のシミュレーションモデルを構築し、そのシミュレーションモデルに基づいて、所定の制約条件を具備するとともに評価関数を最小または最大とする最適制御目標値を決定し、その最適制御目標値によって空調設備を運転する空調設備制御システムがある(特許文献1参照)。最適制御目標値の算出は、最適計算用計算機によって行われる。最適計算用計算機は、通信ネットワークに接続された機器と通信を行う通信手段と、空調設備のシミュレーションに用いる空調機器の特性データ、配管やダクトの抵抗計数等のシミュレーションパラメータを記憶したデータベースと、データベースの各種データを用いて空調設備のシミュレーションを行う空調設備シミュレータと、空調設備シミュレータを用いて空調設備の最適制御目標値を計算する最適化手段と、温度センサや湿度センサの計測データに基づいて配管、ダクトの抵抗係数のシミュレーションパラメータを同定するパラメータ同定手段とから形成されている。
空調設備シミュレータは、温度センサや湿度センサの計測値、冷却水温度の制御目標値、冷却水流量の制御目標値、冷水温度の制御目標値、空気調和機の吹き出し温度の制御目標値が最適計算用計算機に入力されると、空調機器の特性データのデータベースとシミュレーションモデルとを用いて全体の評価関数であるランニングコストを算出する。最適化手段では、空調設備シミュレータを用いて評価関数であるランニングコストを最小とする冷却水流量の制御目標値、冷水温度の制御目標値、空気調和機の吹き出し温度の制御目標値を算出する。この空調設備制御システムでは、算出されたそれら制御目標値に基づいて空調設備の運転が行われる。
特開2004−293844号公報
前記特許文献1に開示の空調設備制御システムでは、空調設備全体のシミュレーションモデルを事前に構築する必要があるが、実際の空調設備では気象条件や空調設備の暦に従った熱需要、空調機器の配置状況、空調設備の運転条件、空調設備の累積運転時間等によって各空調機器の動作特性が異なり、シミュレーションモデルを実際の空調設備の稼動状況に近似させるため、モデルの細部にわたる調整作業が必要となり、そのために時間と労力とが費やされ、制御目標値の算出に長時間を要する。また、この空調設備制御システムは、構築したシミュレーションモデルの有効期間における各制御目標値に基づいて各空調機器の運転が行われるが、制御目標値を所定時間毎に算出することはなく、1日単位における所定時間毎の各空調機器の最適な運転台数や供給熱量を決定することはできない。
本発明の目的は、時間と労力とを要せずに各熱源機器の最適な運転台数や供給熱量を迅速に決定することができる運転計画決定システムを提供することにある。本発明の他の目的は、各熱源機器の最適な運転台数や供給熱量を1日単位における所定時間毎に決定することができ、それら熱源機器や蓄熱槽の効率的な運転を実現するための詳細な運転計画を構築することができる運転計画決定システムを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、冷熱または温熱を需要する需要構造物および需要構造物に冷熱または温熱を供給する複数の熱源機器から形成された熱源設備と、蓄熱運転によって蓄えた冷熱または温熱を前記熱源設備に放熱供給し、熱源設備の熱需要を負担する蓄熱槽と、熱源機器および蓄熱槽から供給される冷熱または温熱の供給熱量を決定するコントローラとを備えた運転計画決定システムである。
前記前提における本発明の特徴として、コントローラには、それら熱源機器の入出力データと、それら熱源機器の入出力データから求めた各熱源機器の初期特性係数と、それら熱源設備の過去から現在までの1日単位における所定時間毎の需要熱量第1データとが格納され、コントローラが、初期特性係数と需要熱量第1データとに第1の数理計画法を適用し、第1の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、熱源機器の最適運転を可能とする熱源設備の所定時間毎の需要熱量第2データを算出する需要熱量第2データ算出手段と、初期特性係数と需要熱量第1データと需要熱量第2データ算出手段によって算出した需要熱量第2データとに第2の数理計画法を適用し、第2の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、需要熱量第2データに準拠したそれら熱源機器の所定時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の最適な供給熱量を算出する運転条件算出手段と、運転条件算出手段によって算出した最適な運転台数および最適な供給熱量の熱源機器の入出力データを使用してそれらの熱源機器に対応する特性係数を算出する特性係数算出手段と、先の特性係数とその後に特性係数算出手段によって算出した特性係数とを比較し、それら特性係数間に生じた誤差が許容範囲内にあるかを判断する特性係数比較手段と、誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、先の特性係数を後特性係数に更新し、更新した特定係数を適用しつつ誤差が許容範囲に入るまで需要熱量第2データ算出手段から特性係数比較手段までを繰り返し実行する再実行手段と、誤差が許容範囲内にあると判断した場合、その誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器の所定時間毎の運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の供給熱量を出力する運転条件出力手段とを有し、再実行手段における需要熱量第2データ算出手段では、特性係数算出手段によって算出した特性係数と需要熱量第1データとに第1の数理計画法を適用し、第1の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、熱源機器の最適運転を可能とする熱源設備の所定時間毎の需要熱量第2データを算出し、再実行手段における運転条件算出手段では、特性係数算出手段によって算出した特性係数と需要熱量第1データと需要熱量第2データ算出手段によって算出した需要熱量第2データとに第2の数理計画法を適用し、第2の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、需要熱量第2データに準拠したそれら熱源機器の所定時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の最適な供給熱量を算出し、再実行手段における特性係数比較手段では、先に特性係数算出手段によって算出した特性係数とその後に特性係数算出手段によって算出した特性係数とを比較してそれら特性係数間に生じた誤差が許容範囲内にあるかを判断することにある。
本発明の一例としては、コントローラが、需要熱量第1データに基づいて該需要熱量第1データの運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量の熱量変化の推移を表す第1要求熱量推移表を作成する第1要求熱量推移表作成手段と、需要熱量第2データ算出手段によって算出した需要熱量第2データに基づいて該需要熱量第2データの運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量の熱量変化の推移を表す第2要求熱量推移表を作成する第2要求熱量推移表作成手段とを含む
本発明の他の一例としては、コントローラが、誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器の所定時間毎の運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の供給熱量に基づいてそれら熱源機器を運転する熱源機器運転手段と、前記誤差が許容範囲内にあるときに算出した需要熱量第2データに基づいて前記蓄熱槽から供給される冷熱または温熱の所定時間毎の供給熱量を調節しつつ該蓄熱槽を運転する蓄熱槽運転手段とを含み、それら熱源機器の機器本体の温度制御およびそれら熱源機器の冷温水ポンプの出力制御を行うとともに、前記蓄熱槽の温度制御および該蓄熱槽に接続された冷温水ポンプの出力制御を行う請求項1または請求項2に記載の運転計画決定システム。
本発明の他の一例として、コントローラには、運転計画決定日における気象データと、運転計画決定日における熱源設備の熱需要条件データとが入力され、コントローラが、過去から現在までの需要熱量第1データを格納する第1データ格納手段と、運転計画決定日における気象データおよび熱需要条件データと第1データ格納手段によって格納した需要熱量第1データとに基づいて熱源設備の運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量を予測した需要熱量予想データを生成する需要熱量予想データ生成手段とを含み、需要熱量第2データ算出手段では、特性係数と需要熱量予想データとに第1の数理計画法を適用し、第1の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、熱源機器の最適運転を可能とする熱源設備の所定時間毎の需要熱量第2データを算出する。
本発明の他の一例としては、コントローラが、需要熱量予想データ生成手段によって生成した需要熱量予想データに基づいて該需要熱量予想データの運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量の熱量変化の推移を表す第1要求熱量推移表を作成する第1要求熱量推移表作成手段と、需要熱量第2データ算出手段によって算出した需要熱量第2データに基づいて該需要熱量第2データの運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量の熱量変化の推移を表す第2要求熱量推移表を作成する第2要求熱量推移表作成手段とを含む
本発明の他の一例として、運転計画決定システムでは、所定時間を5分〜120分の範囲で設定可能である。
本発明の他の一例としては、第1の数理計画法における目的関数が、{(Σある時刻(t)の熱源機器への負荷÷熱源機器の特性係数)×エネルギー原単位}で表され、熱源機器の特性係数が、(熱源機器の出力÷熱源機器の入力)で算出され、その目的関数における制約条件が、(1)ある時刻(t)の熱源機器への負荷=ある時刻(t)の熱源設備の熱需要+ある時刻(t)の蓄熱槽の蓄熱量−ある時刻(t)の蓄熱槽の放熱量、ただし、蓄熱槽の蓄熱量と蓄熱槽の放熱量とのうちの少なくとも一方は0、(2)0≦ある時刻(t)の蓄熱槽の蓄熱量≦単位時間の最大蓄熱量、(3)0≦ある時刻(t)の蓄熱槽の放熱量≦単位時間の最大放熱量、(4)0≦Σ蓄熱量≦蓄熱槽の最大容量である。
本発明の他の一例としては、第2の数理計画法における目的関数が、{(Σ熱源機器の出力÷熱源機器の特性係数)×エネルギー原単位}で表され、熱源機器の特性係数が、(熱源機器の出力÷熱源機器の入力)で算出される。
本発明の他の一例としては、誤差の許容範囲が先の特性係数に対して±0.2である。
本発明の他の一例として、コントローラは、再実行手段における繰り返し回数が10回を超過した場合、再実行手段を停止し、運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器の所定時間毎の運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の供給熱量を出力する運転条件出力手段を実行する。
本発明の他の一例としては、エネルギー原単位が熱源機器運転コスト、一次エネルギー換算量、供給熱量、CO排出量のうちのいずれかである。
本発明の他の一例としては、熱源機器の特性係数がその熱源機器の製品仕様とその熱源機器の過去の運転実績とのうちのいずれか一方に基づいて求められる。
本発明にかかる運転計画決定システムによれば、最初に第1の数理計画法を利用して各熱源機器の最適運転を可能とする熱源設備の1日単位における所定時間毎の需要熱量第2データを算出する需要熱量第2データ算出手段を実行するとともに、次に熱源機器の1日単位における所定時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器の1日単位における所定時間毎の最適な供給熱量を算出する運転条件算出手段を実行するから、熱源設備の運転計画と各熱源機器の運転計画とを別個独立に行うことができ、調整作業を必要とせず時間と労力とをかけずに各熱源機器の最適な運転台数や供給熱量を迅速に算出することができる。運転計画決定システムは、需要熱量第2データ算出手段を介して1日単位における所定時間毎の熱源設備の運転計画が決定され、運転条件算出手段を介して各空調機器の所定時間毎の最適な運転台数や供給熱量が決定されるから、決定された運転台数や供給熱量に従って所定時間毎に各熱源機器の運転台数や供給熱量を調節することができ、熱源機器や蓄熱槽の効率的な運転を実現するための詳細な運転計画を構築することができる。運転計画決定システムは、それら熱源機器の所定時間毎における最適な運転台数や最適な供給熱量を決定することで、蓄熱槽を利用した熱源設備の目的に合致した運用を図ることができる。この運転計画決定システムは、運転条件算出手段によって算出した最適な運転台数および最適な供給熱量の熱源機器に対応する特性係数を算出し、先の特性係数とその後に算出した特性係数とを比較して誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、先の特性係数を後に算出した特性係数に更新し、更新した特定係数を適用しつつ誤差が許容範囲に入るまで需要熱量第2データ算出手段から特性係数比較手段までを繰り返し実行するから、熱源機器の実体に即した特係数を使用してそれら熱源機器の所定時間毎における最適な運転台数や最適な供給熱量を決定することができ、熱源機器や蓄熱槽の効率的な運転を実現するための運転計画を熱源機器の現実の態様に合致させた状態で構築することができる。
運転計画決定システムは、誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器の運転台数およびそれら熱源機器の供給熱量に基づいてコントローラがそれら熱源機器を運転するとともに、誤差が許容範囲内にあるときに算出した需要熱量第2データに基づいてコントローラが蓄熱槽から供給される冷熱または温熱の供給熱量を調節しつつ蓄熱槽を運転するから、人手による熱源機器や蓄熱槽のコントロールに頼ることなく、システムを形成するコントローラによって運転計画に正確に合致した熱源機器や蓄熱槽の運転を行うことができ、人手が介在することによる熱源機器や蓄熱槽のコントロールミスを防止することができる。運転計画決定システムは、熱源機器の運転台数のコントロールや供給熱量のコントロール、蓄熱槽の供給熱量のコントロールに人手が介在することがないから、大幅な労力の軽減を図ることができる。この運転計画決定システムは、熱源機器の実体に即した特定係数を使用して算出されたそれら熱源機器の運転台数や供給熱量に基づいて熱源機器が運転され、熱源機器の実体に即した特定係数を使用して算出された需要熱量第2データに基づいて蓄熱槽が運転されるから、熱源機器の現実の態様に合致させた状態で熱源機器や蓄熱層の効率的な運転を実現することができる。
運転計画決定システムは、過去から現在までの需要熱量第1データを格納する第1データ格納手段と、運転計画決定日における気象データや熱需要条件データ、第1データ格納手段によって格納された需要熱量第1データに基づいて熱源設備の運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量を予測した需要熱量予想データを生成する需要熱量予想データ生成手段とを含み、気象データや熱需要条件データ、需要熱量第1データに基づいて熱源設備の所定時間毎における需要熱量予想データが生成され、実際の需要熱量に近似させた需要熱量予想データを使用して各熱源機器の所定時間毎における最適な運転台数や供給熱量を迅速に算出することができる。この運転計画決定システムは、特性係数と需要熱量予想データとを使用し、熱源機器の最適運転を可能とする熱源設備の需要熱量第2データを算出するから、需要熱量データを入力する手間を省きつつ、熱源機器や蓄熱槽の効率的な運転を実現するための詳細な運転計画を構築することができる。
運転計画決定システムは、所定時間を5分〜120分の範囲で設定可能であり、所定時間毎にそれら熱源機器の最適な運転台数およびそれら熱源機器の最適な供給熱量が算出されるから、熱源機器や蓄熱槽の効率的な運転を実現するための詳細な運転計画を確実に構築することができる。この運転計画決定システムは、所定時間を5分〜120分から選択することができるから、熱源設備の暦に従った熱需要や各熱源機器の運転条件、各熱源機器の過去の運転時間、熱源機器や蓄熱槽の種類等の各種条件を考慮して所定時間を自由に選択することができ、適切な時間を設定することで熱源機器や蓄熱槽における無駄な熱量消費を防止することができる。
運転計画決定システムは、誤差の許容範囲が先の特性係数に対して±0.2であるから、特定係数を熱源機器の実体に即したそれに限りなく近づけることができ、その特定係数を使用してそれら熱源機器の所定時間毎における最適な運転台数や最適な供給熱量を決定することができるとともに、熱源機器や蓄熱槽の効率的な運転を実現するための運転計画を熱源機器の現実の態様に合致させた状態で構築することができる。
運転計画決定システムは、再実行手段における繰り返し回数が10回を超過した場合、再実行手段を停止し、運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器の所定時間毎の運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の供給熱量を出力する運転条件出力手段を行うことで、繰り返し回数が10回を超過した場合、誤差が限りなく許容範囲に近づいたものとみなし、運転条件算出手段によって算出した熱源機器の1日単位における所定時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器の1日単位における所定時間毎の最適な供給熱量を出力するから、各熱源機器の最適な運転台数や供給熱量を迅速に算出することができ、熱源機器や蓄熱槽の効率的な運転を実現するための詳細な運転計画を早期に構築することができる。
運転計画決定システムは、エネルギー原単位として熱源機器運転コスト、一次エネルギー換算量、供給熱量、CO 排出量のうちのいずれかを採用するから、熱源設備の暦に従った熱需要や各熱源機器の運転条件、各熱源機器の過去の運転時間、熱源機器や蓄熱槽の種類等を考慮してエネルギー原単位の種類を選択することができる。この運転計画決定システムは、各種条件に応じて最適なエネルギー原単位を選択することで、各熱源機器の最適運転を可能とする熱源設備の1日単位における所定時間毎の需要熱量第2データを決定することができ、それら熱源機器の所定時間毎における最適な運転台数や最適な供給熱量を決定することができるとともに、蓄熱槽を利用した熱源設備の目的に合致した運用を図ることができる。
運転計画決定システムは、熱源機器の特性係数がその熱源機器の製品仕様とその熱源機器の過去の運転実績とのうちのいずれか一方に基づいて求められるから、熱源機器の特性係数を正確に求めることができ、その特性係数を使用し、各熱源機器の最適運転を可能とする熱源設備の1日単位における所定時間毎の需要熱量第2データを決定するとともに、それら熱源機器の所定時間毎における最適な運転台数や最適な供給熱量を決定することで、各機器の実体に合致した運転計画を立案することができる。
添付の図面を参照し、本発明に係る運転計画決定システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、一例として示す運転計画決定システム10Aの構成図である。この運転計画決定システム10Aは、熱源設備11と蓄熱槽12とコントローラ13とから構成され、熱源機器15,16,17,18,19の1日単位における所定時間毎の最適な運転台数および供給熱量を決定する。なお、運転台数および供給熱量の決定時間間隔は、5〜120分の範囲で自由に設定することができる。
熱源設備11は、冷熱または温熱を需要する需要施設14(需要構造物)と複数の熱源機器15,16,17,18,19とから形成されている。需要施設14には、オフィスビルや工場、事務所、作業所、一般家屋、ホール、体育館、室内競技場、音楽堂等のあらゆる建造物が含まれる。需要施設14では、夏期に冷熱を需要して施設の冷房を行い、冬期に温熱を需要して施設の暖房を行う。このシステム10Aでは、各種複数の熱源機器15〜19を運転し、それら熱源機器15〜19から冷熱または温熱を需要施設14に供給するとともに、蓄熱槽12を運転し、蓄熱槽12から冷熱または温熱を需要施設14に供給する。
それら熱源機器15〜19は、機器本体15A,16A,17A,18A,19Aと冷温水ポンプ15B,16B,17B,18B,19Bとから形成されている。機器本体15A〜19Aには、温度センサ(図示せず)が設置されている。機器本体15A〜19Aの温度調整装置(図示せず)を調節することで、熱源機器15〜19における冷水または温水の温度を変えることができる。また、ポンプ15B〜19Bの出力を調節することで、それら熱源機器15〜19から供給される冷水または温水の供給量(冷熱または温熱の供給熱量)を変えることができる。図1には5台の熱源機器15〜19が図示されているが、機器の台数に特に限定はなく、機器が5台未満または6台以上であってもよい。それら熱源機器15〜19には、冷熱源機器と温熱源機器とのいずれか一方を使用することができるのみならず、それらを効果的に組み合わせた複合熱源系を採用することができる。
冷熱源機器には、チリングユニット、ターボ冷凍機、スクリュー冷凍機、蒸気圧縮冷凍機、吸収式冷凍機、吸着式冷凍機等を使用することができる。温熱源機器には、電気温水器、ガス瞬間湯沸器、丸形ボイラ、鋳鉄製セクショナルボイラ、炉筒煙管ボイラ、水管ボイラ、冷温水発生機、ヒートポンプ、エア・コンディショナー等を使用することができる。なお、前記冷熱源機器や前記温熱源機器は例示に過ぎず、このシステム10Aでは、現在使用されているあらゆる種類の熱源機器のみならず、将来使用されるあらゆる種類の熱源機器を使用することができる。
蓄熱槽12は、深夜電力等の廉価な料金のエネルギーを使用し、蓄熱運転によって蓄えた冷熱または温熱を熱源設備に放熱供給することで、熱源設備11の熱需要を負担する。蓄熱槽12は、1日(24時間)のうちのピーク時の処理に対応し、熱源機器15〜19の機器容量の省エネルギー化を図る目的で利用される。また、熱源機器15〜19の軽負荷運転が長時間予想される場合にその熱源機器15〜19の経済的な運転を図る目的で利用される。さらに、電力需要のピーク時間帯に熱源機器15〜19を運転しなくて済むように、その代わりとして冷熱または温熱を熱源設備11に放熱供給する代替機として利用される。図1には1つの蓄熱槽12が図示されているが、蓄熱槽の数に特に限定はなく、2つ以上の蓄熱槽を設置することもできる。
蓄熱槽12には、冷温水ポンプ20,21が接続され、温度センサ(図示せず)と温度調整装置(図示せず)とが設置されている。蓄熱槽12の温度調整装置を調整することで、蓄熱槽12における冷水または温水の温度を変えることができる。また、ポンプ20,21の出力を調節することで、蓄熱槽12から供給される冷水または温水の供給量(冷熱または温熱の供給熱量)を変えることができる。蓄熱槽12には、温度成層型蓄熱槽、開放式蓄熱槽、多用式蓄熱槽、単独型蓄熱槽、単用式蓄熱槽、複用式蓄熱槽、密閉式蓄熱槽、連結型蓄熱槽、連結完全混合型蓄熱槽等を使用することができる。なお、前記蓄熱槽は例示に過ぎず、このシステム10Aでは、現在使用されているあらゆる種類の蓄熱槽のみならず、将来使用されるあらゆる種類の蓄熱槽を使用することができる。
コントローラ13は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(大容量ハードディスク)とを有するコンピュータであり、大容量ハードディスクが内蔵されている。コントローラ13には、図示はしていないが、マウスやキーボード等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置がインターフェイスを介して接続されている。コントローラ13のメモリには、所定の手段をコントローラ13に実行させるための運転計画決定アプリケーションが格納されている。コントローラ13の中央処理部は、メモリに格納されたオペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリから運転計画決定アプリケーションを起動し、そのアプリケーションに従って、以下の各手段を実行する。
コントローラ13の中央処理部は、後記する需要熱量第1データに基づいて1日における所定時間毎の熱量変化の推移を表す第1要求熱量推移表を作成する第1要求熱量推移表作成手段を実行し、数理計画法(第1の数理計画法)を利用し、それら熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の所定時間毎の需要熱量を示す需要熱量第2データを算出する需要熱量第2データ算出手段を実行する。中央処理部は、需要熱量第2データに基づいて1日における所定時間毎の熱量変化の推移を表す第2要求熱量推移表を作成する第2要求熱量推移表作成手段を実行し、数理計画法(第2の数理計画法)を利用し、需要熱量第2データに準拠した所定時間毎のそれら熱源機器15〜19の最適な運転台数およびそれら熱源機器15〜19の所定時間毎の最適な供給熱量を算出する運転条件算出手段を実行する。
コントローラ13の中央処理部は、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19に対応する特性係数を算出する特性係数算出手段を実行し、先の特性係数とその後に算出した特性係数とを比較してそれら特性係数間に生じた誤差が許容範囲内にあるかを判断する特性係数比較手段を実行する。中央処理部は、誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、先の特性係数を後に算出した特性係数に更新し、更新した特定係数を適用しつつ誤差が許容範囲に入るまで需要熱量第2データ算出手段から特性係数比較手段(需要熱量第2データ算出手段、第2要求熱量推移表作成手段、運転条件算出手段、特性係数算出手段、特性係数比較手段)までを繰り返して行う再実行手段を実行する。中央処理部は、誤差が許容範囲内にあると判断した場合、誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器15〜19の所定時間毎の運転台数およびそれら熱源機器15〜19の所定時間毎の供給熱量を出力する運転条件出力手段を実行する。誤差の許容範囲は、先の特性係数に対して±0.2である。許容範囲は、±0.2以内において任意に設定することができる。
熱源機器15〜19のみが稼動している場合は、ポンプ15B〜19Bを介してそれら機器15〜19から冷熱または温熱が管路を通ってヘッダー配管22に流入し、冷熱または温熱がヘッダー配管22から需要施設14に流入する。需要施設14において需要された冷熱または温熱は、ヘッダー配管23に流入した後、再び熱源機器15〜19に流入する。蓄熱槽12のみが稼動している場合は、ポンプ20,21を介して蓄熱槽12から冷熱または温熱が管路を通ってヘッダー配管22に流入し、冷熱または温熱がヘッダー配管22から需要施設14に流入する。需要施設14において需要された冷熱または温熱は、ヘッダー配管23に流入した後、再び蓄熱槽12に流入する。
熱源機器15〜19と蓄熱槽12とが稼動している場合は、ポンプ15B〜19B,20,21を介してそれら機器15〜19や蓄熱槽12から冷熱または温熱が管路を通ってヘッダー配管22に流入し、冷熱または温熱がヘッダー配管22から需要施設14に流入する。需要施設14において需要された冷熱または温熱は、ヘッダー配管23に流入した後、再び熱源機器15〜19や蓄熱槽12に流入する。蓄熱槽12のみまたは熱源機器15〜19と蓄熱槽12とが稼動することで、需要施設14で需要される熱需要の全部または一部を蓄熱槽12に負担させることができ、熱源機器15〜19の機器容量の省エネルギー化を図ることができる。
図2は、コントローラ13における処理の一例を示す図であり、図3は、コントローラ13の各手段の実行手順の一例を示すフローチャートである。図4は、需要熱量第1データの時系列的な推移を表す第1要求熱量推移表の図であり、図5は、需要熱量第2データの時系列的な推移を表す第2要求熱量推移表の図である。図6は、コントローラ13によって算出された各熱源機器15〜19の運転台数および供給熱量の一例を表す図である。図4,5では、縦軸に供給熱量(kWh)が表示され、横軸に時間(h)が表示されている。図5では、需要熱量第1データの1日における1時間毎の熱量変化の推移を点線で示し、需要熱量第2データの1日における1時間毎の熱量変化の推移を実線で示す。
コントローラ13のスイッチをONにすると、運転計画決定アプリケーションが起動し、コントローラ13に接続されたディスプレイに初期画面(図示せず)が表示される。初期画面には、運転計画算出ボタン、運転条件設定ボタン、閉じるボタンが表示される。運転条件設定ボタンをクリックすると、ディスプレイには、日付入力エリア、時間間隔入力エリア、各熱源機器15〜19の特性係数入力エリア、特性係数算出ボタン、需要熱量第1データ入力エリア、許容範囲入力エリア、入力実行ボタン、キャンセルボタン、クリアボタンが表示される。
マウスやキーボードを介して日付入力エリアに運転計画決定日(通常は翌日)を入力し、時間間隔入力エリアに時間間隔(5〜120分の範囲)を入力する。さらに、特性係数入力エリアにそれら熱源機器15〜19の特性係数を入力し、需要熱量第1データ入力エリアに熱源設備11の1日単位における1時間毎の需要熱量第1データを入力するとともに、許容範囲入力エリアに許容範囲を入力する。このシステム10Aでは、時間間隔として1時間(60分)が入力されたものとし、許容範囲として±0.2が入力されたものとする。
それらを入力した後、入力実行ボタンをクリックすると、コントローラ13は、各熱源機器15〜19のシリアル番号と運転計画決定日とを関連付け、その運転計画決定日をハードディスクの運転計画格納ファイルに格納し、シリアル番号および運転計画決定日と時間間隔とを関連付け、その時間間隔をハードディスクの時間間隔格納ファイルに格納する。さらに、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と特性係数とを関連付け、それら特性係数をハードディスクの特性係数格納ファイルに格納し、シリアル番号および運転計画決定日と需要熱量第1データとを関連付け、その需要熱量第1データをハードディスクの需要熱量第1データ格納ファイルに格納するとともに、シリアル番号および運転計画決定日と許容範囲とを関連付け、その許容範囲をハードディスクの許容範囲格納ファイルに格納する(S−1)。それら運転条件がコントローラ13に格納されると、初期画面に戻る。なお、クリアボタンをクリックすると、入力された各データがクリアされ、それら運転条件の入力をやり直す。キャンセルボタンをクリックすると、運転条件設定がキャンセルされ、初期画面に戻る。
それら熱源機器15〜19の特性係数は、熱源機器15〜19の製品仕様または熱源機器15〜19の過去の運転実績に基づいて求めることができる。製品仕様によって特性係数を設定する場合は、各機器15〜19の製造販売者が発行するカタログや製品仕様書、使用説明書等に記載された機器特性データを利用して特性係数を求める。その一例としては、機器特性データから各機器15〜19の適切な入出力を解析した後、解析した入出力を使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。また、過去の運転実績によって特性係数を設定する場合は、各機器15〜19の過去の入力および出力の実績(入出力データ)を採用し、それら入出力データの関係から特性係数を求める。その一例としては、過去から現在までの各機器15〜19の入出力データを抽出し、統計的回帰法を利用して入力データおよび出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。
なお、それら熱源機器15〜19の特性係数の算出をコントローラ13に行わせることもできる。この場合の条件として、各機器15〜19の製造販売者が発行するカタログや製品仕様書、使用説明書等に記載された機器15〜19毎の機器特性データがコントローラ13のハードディスクの機器特性格納ファイルに格納され、各機器15〜19毎の過去の入力および出力の実績(入出力データ)がハードディスクの過去実績格納ファイルに格納されている必要がある。特性係数算出ボタンをクリックすると、コントローラ13は、ハードディスクの機器特性格納ファイルから機器特性データを抽出し、抽出した機器特性データから各機器15〜19の適切な入出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。また、コントローラ13は、過去から現在までの各機器15〜19の入出力データをハードディスクの過去実績格納ファイルから抽出し、統計的回帰法を利用して入力データおよび出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。コントローラ13は、各熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と特性係数とを関連付け、それら特性係数をハードディスクの特性係数ファイルに格納する。
各種運転条件をコントローラ13に入力(コントローラ13が特性係数を算出した場合を含む)した後、初期画面の運転計画算出ボタンをクリックすると、ディスプレイには、運転計画算出日付入力エリア、計画算出実行ボタン、キャンセルボタンが表示される。運転計画算出日付入力エリアに運転計画算出日付(運転計画決定日)を入力した後、計画算出実行ボタンをクリックすると、コントローラ13は、運転計画算出日付における需要熱量第1データをハードディスクの需要熱量第1データ格納ファイルから抽出し、図4に示すように、その需要熱量第1データに基づいて需要熱量第1データの1日における1時間毎の熱量変化の推移を表す第1要求熱量推移表を作成し(第1要求熱量推移表作成手段)(S−2)、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と作成した第1要求熱量推移表とを関連付け、その第1要求熱量推移表をハードディスクの第1要求熱量推移表格納ファイルに格納する(第1要求熱量推移表格納手段)。
次に、コントローラ13は、特性係数をハードディスクの特定係数格納ファイルから抽出し、その特性係数と需要熱量第1データとに第1の数理計画法を適用し、その数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の1時間毎の需要熱量第2データを算出する(需要熱量第2データ算出手段)(S−3)。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と算出した需要熱量第2データとを関連付け、その需要熱量第2データをハードディスクの需要熱量第2データ格納ファイルに格納する(需要熱量第2データ格納手段)。
コントローラ13は、需要熱量第2データを算出した後、図5に示すように、その需要熱量第2データに基づいて需要熱量第2データの1日における1時間毎の熱量変化の推移を表す第2要求熱量推移表を作成し(第2要求熱量推移表作成手段)(S−4)、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と作成した第2要求熱量推移表とを関連付け、その第2要求熱量推移表をハードディスクの第2要求熱量推移表格納ファイルに格納する(第2要求熱推移表格納手段)。
第1の数理計画法における目的関数は、{(Σある時刻(t)の熱源機器への負荷÷熱源機器の特性係数)×エネルギー原単位}で表される。なお、その目的関数における制約条件は、(1)ある時刻(t)の熱源機器への負荷=ある時刻(t)の熱源設備の熱需要+ある時刻(t)の蓄熱槽の蓄熱量−ある時刻(t)の蓄熱槽の放熱量、ただし、蓄熱槽の蓄熱量と蓄熱槽の放熱量とのうちの少なくとも一方は0、(2)0≦ある時刻(t)の蓄熱槽の蓄熱量≦単位時間の最大蓄熱量、(3)0≦ある時刻(t)の蓄熱槽の放熱量≦単位時間の最大放熱量、(4)0≦Σ蓄熱量≦蓄熱槽の最大容量である。
目的関数におけるエネルギー原単位は熱源機器15〜19の運転コストを採用している。エネルギー原単位には、運転コストの他に、一次エネルギー換算量や供給熱量、CO排出量のうちのいずれかを採用することができる。このシステム10Aは、熱源設備11の暦に従った熱需要や各熱源機器15〜19の運転条件、各熱源機器15〜19の過去の運転時間、熱源機器15〜19や蓄熱槽12の種類等を考慮してエネルギー原単位の種類を自由に選択することができる。
コントローラ13は、特性係数と需要熱量第1データと算出した需要熱量第2データとに第2の数理計画法を適用し、第2の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、需要熱量第2データに準拠したそれら熱源機器15〜19の1時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器15〜19の1時間毎の最適な供給熱量を算出する(運転条件算出手段)(S−5)。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と算出した運転台数および供給熱量とを関連付け、その運転台数および供給熱量をハードディスクの運転条件格納ファイルに格納する(運転条件格納手段)。第2の数理計画法における目的関数は、{(Σ熱源機器の出力÷熱源機器の特性係数)×エネルギー原単位}で表される。エネルギー原単位は、第1の数理計画法における目的関数のそれと同一である。
コントローラ13は、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19に対応する特性係数を算出する(特性係数算出手段)(S−6)。コントローラ13は、ハードディスクの機器特性格納ファイルから機器特性データを抽出し、抽出した機器特性データから運転条件算出手段によって算出した最適な運転台数および最適な供給熱量の熱源機器15〜19の適切な入出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。また、コントローラ13は、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19の過去から現在までの入出力データをハードディスクの過去実績格納ファイルから抽出し、統計的回帰法を利用して入力データおよび出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。コントローラ13は、先の特性係数(入力された初期特性係数)とその後に算出した特性係数(特性係数算出手段によって算出した特性係数)とを比較し、それら特性係数間に生じた誤差(先の特性係数と後に算出した特性係数との差)が許容範囲(±0.2)内にあるかを判断する(特性係数比較手段)(S−7)。
なお、コントローラ13が特性係数を算出しない場合、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19に対応する特性係数を機器特性データや過去の運転実績(入出力データ)に基づいて求めた後、求めた特性係数をコントローラ13に入力する。コントローラ13は、先の特性係数(先に入力された初期特性係数)とその後に算出した特性係数(後に入力された特性係数)とを比較し、それら特性係数間に生じた誤差(先の特性係数と後の特性係数との差)が許容範囲(±0.2)内にあるかを判断する(特性係数比較手段)(S−7)。
誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、コントローラ13は、原則としてステップ3(S−3)からの手順を繰り返す(再実行手段)。誤差が許容範囲を超えていると判断した後、コントローラ13は、再実行手段における繰り返し回数が10回を超過したかを判断する(S−8)。コントローラ13は、繰り返し回数が0回であるから、再実行手段における繰り返し回数が10回以下と判断し、先の特性係数(入力された特定係数)を後に算出した特性係数(特性係数算出手段によって算出した特性係数または後に入力された特性係数)に書き換え、書き換えた特性係数をハードディスクの特性係数ファイルに格納(更新)する(S−9)。
特性係数を更新した後、コントローラ13は、ステップ3(S−3)に戻り、更新した特定係数と需要熱量第1データとに第1の数理計画法を適用し、その数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の1時間毎の需要熱量第2データを算出する(需要熱量第2データ算出手段)(S−3)。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と算出した需要熱量第2データとを関連付け、その需要熱量第2データをハードディスクの需要熱量第2データ格納ファイルに格納する(需要熱量第2データ格納手段)。第1の数理計画法における目的関数は、上述したとおりである。
コントローラ13は、需要熱量第2データを算出した後、その第2データに基づいて需要熱量第2データの1日における1時間毎の熱量変化の推移を表す第2要求熱量推移表を作成し(第2要求熱量推移表作成手段)(S−4)、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と作成した第2要求熱量推移表とを関連付け、その第2要求熱量推移表をハードディスクの第2要求熱量推移表格納ファイルに格納する(第2要求熱推移表格納手段)。
コントローラ13は、更新した特性係数と需要熱量第1データと算出した需要熱量第2データとに第2の数理計画法を適用し、第2の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、需要熱量第2データに準拠したそれら熱源機器15〜19の1時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器15〜19の1時間毎の最適な供給熱量を算出する(運転条件算出手段)(S−5)。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と算出した運転台数および供給熱量とを関連付け、その運転台数および供給熱量をハードディスクの運転条件格納ファイルに格納する(運転条件格納手段)。第2の数理計画法における目的関数は、上述したとおりである。
コントローラ13は、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19に対応する特性係数を算出する(特性係数算出手段)(S−6)。コントローラ13は、先の特性係数(先に入力された初期特性係数または特性係数算出手段によって先に算出した特性係数)とその後に算出した特性係数(特性係数算出手段によって後に算出した特性係数)とを比較し、それら特性係数間に生じた誤差が許容範囲(±0.2)内にあるかを判断する(特性係数比較手段)(S−7)。
誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、コントローラ13は、再実行手段における繰り返し回数が10回を超過したかを判断する(S−8)。コントローラ13は、繰り返し回数が1回であるから、再実行手段における繰り返し回数が10回以下と判断し、先の特性係数(先に入力された初期特性係数または特性係数算出手段によって先に算出した特性係数)を後に算出した特性係数(特性係数算出手段によって後に算出した特性係数)に書き換え(S−9)、書き換えた特性係数をハードディスクの特性係数格納ファイルに格納(更新)する。特性係数を更新した後、コントローラ13は、ステップ3(S−3)からの手順を繰り返す。コントローラ13は、先の特性係数と後の特性係数との誤差が許容範囲に入るまで需要熱量第2データ算出手段から特性係数比較手段までを繰り返し実行する(再実行手段)。
コントローラ13は、再実行手段における繰り返し回数が10回を超過したと判断すると、再実行手段を停止し、その直前の運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器15〜19の各時間毎の運転台数およびそれら熱源機器15〜19の各時間毎の供給熱量をハードディスクの運転条件格納ファイルに格納する。キーボードを介して運転計画算出日付におけるそれら熱源機器15〜19の運転台数および供給熱量の出力を要求すると、コントローラ13は、ハードディスクの運転条件格納ファイルから各時間毎の運転台数および各時間毎の供給熱量を抽出し、運転計画決定日におけるそれら熱源機器15〜19の各時間毎の運転台数および各時間毎の供給熱量をディスプレイに表示するとともに、プリンタを介して出力する(運転条件出力手段)(S−10)。
誤差が許容範囲内にあると判断した場合、コントローラ13は、誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器15〜19の各時間毎の運転台数およびそれら熱源機器15〜19の各時間毎の供給熱量をハードディスクの運転条件格納ファイルに格納する。キーボードを介して運転計画算出日付におけるそれら熱源機器15〜19の運転台数および供給熱量の出力を要求すると、コントローラ13は、ハードディスクの運転条件格納ファイルから各時間毎の運転台数および各時間毎の供給熱量を抽出し、運転計画決定日におけるそれら熱源機器15〜19の各時間毎の運転台数および各時間毎の供給熱量をディスプレイに表示するとともに、プリンタを介して出力する(運転条件出力手段)(S−10)。プリンタから出力された運転条件一覧には、図6に示すように、1日24時間を1時間毎に区分し、それら熱源機器15〜19の運転台数と運転対象の熱源機器15〜19の1時間毎における供給熱量とが表示されている。
このシステム10Aの操作者は、出力された熱源機器15〜19の運転台数および供給熱量に従い、各熱源機器15〜19のうちの運転対象の熱源機器15〜19を稼動させるとともに、その運転対象の熱源機器15〜19の温度を調節し、さらに、運転対象の熱源機器15〜19のポンプ15B〜19Bを調節して機器15〜19の供給熱量を出力された熱量に合わせる。さらに、蓄熱槽12の温度を調節し、さらに、蓄熱槽12のポンプ20,21を調整して蓄熱槽12から熱源設備11に供給する供給熱量を調節する。なお、この作業は、設定された時間間隔(1時間毎)で行われる。
たとえば、0時では、熱源機器15〜19のうち、機器15,16を稼動させ、機器17,18,19の稼動は行わない。さらに、機器15の供給熱量を8.7(kWh)に調節し、機器16の供給熱量を8.8(kWh)に調節する。1時間経過後の1時では、機器15の供給熱量を6.1(kWh)に調節し、機器16の供給熱量を8.0(kWh)に調節する。また、7時では、機器15,16の他に機器17を稼動させ、機器17の供給熱量を4.7(kWh)、機器16の供給熱量を11.1(kWh)、機器15の供給熱量を10.6(kWh)に調節する。10時では、機器15〜19すべてを稼動させ、機器15の供給熱量を7.1(kWh)、機器16の供給熱量を7.4(kWh)、機器17の供給熱量を3.9(kWh)、機器18の供給熱量を4.2(kWh)、機器19の供給熱量を7.1(kWh)に調節する。
この運転計画決定システム10Aは、最初に第1の数理計画法を利用して各熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の1日単位における1時間毎の需要熱量第2データを算出する需要熱量第2データ算出手段を実行するとともに、次にそれら熱源機器15〜19の1日単位における1時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器15〜19の1日単位における1時間毎の最適な供給熱量を算出する運転条件算出手段を実行するから、熱源設備11の運転計画と各熱源機器15〜19の運転計画とを別個独立に行うことができ、コントローラ13を介して各熱源機器15〜19の最適な運転台数や供給熱量を迅速に算出することができる。
運転計画決定システム10Aは、需要熱量第2データ算出手段を介して1日単位における1時間毎の熱源設備11の運転計画が決定され、運転条件算出手段を介して1時間毎の各熱源機器15〜19の最適な運転台数や供給熱量が決定されるから、決定された運転台数や供給熱量に従って1時間毎に各熱源機器15〜19の運転台数や供給熱量を調節することができ、熱源機器15〜19や蓄熱槽12の効率的な運転を実現するための詳細な運転計画を構築することができる。このシステム10Aは、それら熱源機器15〜19の1時間毎における最適な運転台数や最適な供給熱量を決定することで、蓄熱槽12を利用した熱源設備11の目的に合致した運用を図ることができる。
運転計画決定システム10Aは、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19に対応する特性係数を算出し、先の特性係数とその後に算出した特性係数とを比較して誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、先の特性係数を後に算出した特性係数に更新し、更新した特定係数を適用しつつ誤差が許容範囲に入るまで需要熱量第2データ算出手段から特性係数比較手段までを繰り返し実行するから、熱源機器15〜19の実体に即した特定係数を使用してそれら熱源機器15〜19の所定時間毎における最適な運転台数や最適な供給熱量を決定することができ、熱源機器15〜19や蓄熱槽12の効率的な運転を実現するための運転計画を熱源機器15〜19の現実の態様に合致させた状態で構築することができる。
運転計画決定システムは、再実行手段における繰り返し回数が10回を超過した場合、誤差が限りなく許容範囲に近づいたものとみなし、直前の運転条件算出手段によって算出した熱源機器の1日単位における所定時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器の1日単位における所定時間毎の最適な供給熱量を出力するから、各熱源機器の最適な運転台数や供給熱量を迅速に算出することができ、熱源機器や蓄熱槽の効率的な運転を実現するための詳細な運転計画を早期に構築することができる。
図7は、他の一例として示す運転計画決定システム10Bの構成図であり、図8は、コントローラ13における処理の他の一例を示す図である。図9は、コントローラ13の各手段の実行手順の他の一例を示すフローチャートである。この運転計画決定システム10Bが図1のそれと異なるところは、各熱源機器15〜19の温度調節装置やポンプ15B〜19B、温度センサがインターフェイス24を介してコントローラ13に接続され、蓄熱槽12の温度調節装置やポンプ20,21、温度センサがインターフェイス24を介してコントローラ13に接続されている点にある。
このシステム10Bでは、熱源機器15〜19の温度制御やポンプ15B〜19Bの出力制御、蓄熱槽12の温度制御やポンプ20,21の出力制御がコントローラ13によって行われ、人手を介することなくコントローラ13によってシステム10Bが自動的に運転される。なお、このシステム10Bにおけるその他の構成は図1のそれらと同一であるから、図1のシステム10Aと同一の符号を付すことで、このシステム10Bにおけるその他の構成の説明は省略する。
コントローラ13は、機器本体15A〜19Aの温度調整装置を調節し、熱源機器15〜19における冷水または温水の温度を調節する。また、ポンプ15B〜19Bの出力を調節し、それら熱源機器15〜19から供給される冷水または温水の供給量(冷熱または温熱の供給熱量)を調節する。コントローラ13は、蓄熱槽12の温度調整装置を調節し、蓄熱槽12における冷水または温水の温度を調節する。さらに、ポンプ20,21の出力を調節し、蓄熱槽12から供給される冷水または温水の供給量(冷熱または温熱の供給熱量)を調節する。
コントローラ13の中央処理部は、第1要求熱量推移表作成手段、需要熱量第2データ算出手段、第2要求熱量推移表作成手段、運転条件算出手段、特性係数算出手段、特性係数比較手段、再実行手段、運転条件出力手段を実行するのみならず、以下の各手段を実行する。中央処理部は、過去から現在までの需要熱量第1データを記憶する需要熱量第1データ記憶手段を実行し、熱源設備11の運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量を予測した需要熱量予測データを生成する需要熱量予測データ生成手段を実行する。
コントローラ13の中央処理部は、誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段(再実行手段における繰り返し回数が10回を超過したと判断した直前の運転条件算出手段を含む)によって算出したそれら熱源機器15〜19の所定時間毎の運転台数およびそれら熱源機器15〜19の所定時間毎の供給熱量に基づいてそれら熱源機器15〜19を運転する熱源機器運転手段を実行する。コントローラ13は、誤差が許容範囲内にあるときに算出した需要熱量第2データ(再実行手段における繰り返し回数が10回を超過したと判断した直前の算出した需要熱量第2データを含む)に基づいて蓄熱槽12から供給される冷熱または温熱の所定時間毎の供給熱量を調節しつつ蓄熱槽12を運転する蓄熱槽運転手段を実行する。
システム10Bを起動すると、コントローラ13が稼動するとともに、熱源機器15〜19や蓄熱槽12が稼動する。コントローラ13に接続されたディスプレイには、初期画面(図示せず)が表示させる。初期画面には、運転計画算出ボタン、運転条件設定ボタン、閉じるボタンが表示される。運転条件設定ボタンをクリックすると、ディスプレイには、日付入力エリア、時間間隔入力エリア、各熱源機器15〜19の特性係数入力エリア、気象データ入力エリア、熱需要条件データ入力エリア、特性係数算出ボタン、需要熱量第1データ入力エリア、許容範囲入力エリア、入力実行ボタン、キャンセルボタン、クリアボタンが表示される。
なお、過去から現在までの需要熱量第1データは、需要熱量第1データ入力エリアからコントローラ13に入力され、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日に関連付けた状態でハードディスクの需要熱量第1データ格納ファイルにすでに格納されている(需要熱量第1データ記憶手段)(S−10)。マウスやキーボードを介して日付入力エリアに運転計画決定日(通常は翌日)を入力し、時間間隔入力エリアに時間間隔(5〜120分の範囲)を入力する。特性係数入力エリアにそれら熱源機器15〜19の特性係数を入力し、気象データ入力エリアに運転計画決定日における温度、湿度等の気象データを入力する。さらに、熱需要条件データ入力エリアに暦による熱需要量または過去の熱需要実績あるいは熱需要設定値等の熱需要条件データ等を入力し、許容範囲入力エリアに許容範囲を入力する。このシステム10Bでは、図1のそれと同様に、時間間隔として1時間(60分)が入力されたものとし、許容範囲として±0.2が入力されたものとする。
それら熱源機器15〜19の特性係数は、図1のシステム10Aのそれと同様に、熱源機器15〜19の製品仕様または熱源機器15〜19の過去の運転実績に基づいて求めることができる。製品仕様によって特性係数を設定する場合は、各機器15〜19の製造販売者が発行するカタログや製品仕様書、使用説明書等に記載された機器特性データから各機器15〜19の適切な入出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。また、過去の運転実績によって特性係数を設定する場合は、過去から現在までの各機器15〜19の入出力データを抽出し、統計的回帰法を利用して入力データおよび出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。
このシステム10Bでは、図1のシステム10Aのそれと同様に、それら熱源機器15〜19の特性係数の算出をコントローラ13に行わせることもできる。特性係数算出ボタンをクリックすると、コントローラ13は、ハードディスクの機器特性格納ファイルから機器特性データを抽出し、抽出した機器特性データから各機器15〜19の適切な入出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。また、コントローラ13は、過去から現在までの各機器15〜19の入出力データをハードディスクの過去実績格納ファイルから抽出し、統計的回帰法を利用して入力データおよび出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。コントローラ13は、各熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と特性係数とを関連付け、それら特性係数をハードディスクの特性係数ファイルに格納する。
それらを入力した後、入力実行ボタンをクリックすると、コントローラ13は、各熱源機器15〜19のシリアル番号と運転計画決定日とを関連付け、その運転計画決定日をハードディスクの運転計画格納ファイルに格納し、シリアル番号および運転計画決定日と時間間隔とを関連付け、その時間間隔をハードディスクの時間間隔格納ファイルに格納する。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と特性係数とを関連付け、それら特性係数をハードディスクの特性係数格納ファイルに格納し、シリアル番号および運転計画決定日と気象データとを関連付け、その気象データをハードディスクの気象データ格納ファイルに格納する。
さらに、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と熱需要条件データとを関連付け、その熱需要条件データをハードディスクの熱需要条件データ格納ファイルに格納し、シリアル番号および運転計画決定日と許容範囲とを関連付け、その許容範囲をハードディスクの許容範囲格納ファイルに格納する(S−11)。それら運転条件がコントローラ13に格納されると、初期画面に戻る。なお、クリアボタンをクリックすると、入力された各データがクリアされ、それら運転条件の入力をやり直す。キャンセルボタンをクリックすると、運転条件設定がキャンセルされ、初期画面に戻る。
各種運転条件をコントローラ13に入力(コントローラ13が特性係数を算出した場合を含む)した後、初期画面の運転計画算出ボタンをクリックすると、ディスプレイには、運転計画算出日付入力エリア、計画算出実行ボタン、キャンセルボタンが表示される。運転計画算出日付入力エリアに運転計画算出日付(運転計画決定日)を入力した後、計画算出実行ボタンをクリックすると、コントローラ13は、運転計画算出日付における需要熱量第1データや気象データ、熱需要条件データをハードディスクから抽出し、需要熱量第1データや気象データ、熱需要条件データに基づいて熱源設備11の運転計画算出日付(運転計画決定日)における1時間毎の需要熱量を予測した需要熱量予想データを生成する(需要熱量予想データ生成手段)(S−12)。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と生成した需要熱量予想データとを関連付け、その需要熱量予想データをハードディスクの需要熱量予想データ格納ファイルに格納する。(需要熱量予想データ格納手段)。
コントローラ13は、需要熱量予想データをハードディスクの需要熱量予想データ格納ファイルから抽出し、その予想データに基づいて需要熱量予想データの1日における1時間毎の熱量変化の推移を表す第1要求熱量推移表を作成し(第1要求熱量推移表作成手段)(S−13)、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と作成した第1要求熱量推移表とを関連付け、その第1要求熱量推移表をハードディスクの第1要求熱量推移表格納ファイルに格納する(第1要求熱量推移表格納手段)。なお、このシステム10Bにおいて作成された第1要求熱量推移表は図4を援用し、その図示は省略する。
次に、コントローラ13は、特性係数データをハードディスクの特定係数格納ファイルから抽出し、その特性係数と需要熱量予想データとに第1の数理計画法を適用し、その数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の1時間毎の需要熱量第2データを算出する(需要熱量第2データ算出手段)(S−14)。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と算出した需要熱量第2データとを関連付け、その需要熱量第2データをハードディスクの需要熱量第2データ格納ファイルに格納する(需要熱量第2データ格納手段)。
コントローラ13は、需要熱量第2データを算出した後、その需要熱量第2データに基づいて需要熱量第2データの1日における1時間毎の熱量変化の推移を表す第2要求熱量推移表を作成し(第2要求熱量推移表作成手段)(S−15)、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と作成した第2要求熱量推移表とを関連付け、その第2要求熱量推移表をハードディスクの第2要求熱量推移表格納ファイルに格納する(第2要求熱推移表格納手段)。
なお、このシステム10Bにおいて作成された第2要求熱量推移表は図5を援用し、その図示は省略する。また、第1の数理計画法における目的関数は、図1のシステム10Aのそれと同一である。エネルギー原単位には、運転コストの他に、一次エネルギー換算量や供給熱量、CO排出量のうちのいずれかを採用する。このシステム10Bは、熱源設備11の暦に従った熱需要や各熱源機器15〜19の運転条件、各熱源機器15〜19の過去の運転時間、熱源機器15〜19や蓄熱槽12の種類等を考慮してエネルギー原単位の種類を自由に選択することができる。
コントローラ13は、特性係数と需要熱量予想データと算出した需要熱量第2データとに第2の数理計画法を適用し、第2の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、需要熱量第2データに準拠したそれら熱源機器15〜19の1時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器15〜19の1時間毎の最適な供給熱量を算出する(運転条件算出手段)(S−16)。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と算出した運転台数および供給熱量とを関連付け、その運転台数および供給熱量をハードディスクの運転条件格納ファイルに格納する(運転条件格納手段)。エネルギー原単位は、第1の数理計画法における目的関数のそれと同一である。第2の数理計画法における目的関数は、図1のシステム10Aのそれと同一である。
コントローラ13は、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19に対応する特性係数を算出する(特性係数算出手段)(S−17)。コントローラ13は、ハードディスクの機器特性格納ファイルから機器特性データを抽出し、抽出した機器特性データから運転条件算出手段によって算出した最適な運転台数および最適な供給熱量の熱源機器15〜19の適切な入出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。また、コントローラ13は、運転条件算出手段によって算出した最適な運転台数および最適な供給熱量の熱源機器15〜19の過去から現在までの入出力データをハードディスクの過去実績格納ファイルから抽出し、統計的回帰法を利用して入力データおよび出力データを解析した後、解析した入出力データを使用して特性係数を(熱源機器15〜19の出力÷熱源機器15〜19の入力)によって算出する。コントローラ13は、先の特性係数(入力された初期特定係数)とその後に算出した特性係数(特性係数算出手段によって算出した特性係数)とを比較し、それら特性係数間に生じた誤差(先の初期特性係数と後に算出した特性係数との差)が許容範囲(±0.2)内にあるかを判断する(特性係数比較手段)(S−18)。
なお、コントローラ13が特性係数を算出しない場合、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19に対応する特性係数を機器特性データや過去の運転実績(入出力データ)に基づいて求めた後、求めた特性係数をコントローラ13に入力する。コントローラ13は、先の特性係数(先に入力された初期特定係数)とその後に算出した特性係数(後に入力された特性係数)とを比較し、それら特性係数間に生じた誤差(先の特性係数と後の特性係数との差)が許容範囲(±0.2)内にあるかを判断する(特性係数比較手段)(S−18)。
誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、コントローラ13は、原則としてステップ14(S−14)からの手順を繰り返す(再実行手段)。誤差が許容範囲を超えていると判断した後、コントローラ13は、再実行手段における繰り返し回数が10回を超過したかを判断する(S−19)。コントローラ13は、繰り返し回数が0回であるから、再実行手段における繰り返し回数が10回以下と判断し、先の特性係数(入力された初期特定係数)を後に算出した特性係数(特性係数算出手段によって算出した特性係数)に書き換え、書き換えた特性係数をハードディスクの特性係数ファイルに格納(更新)する(S−20)。
特性係数を更新した後、コントローラ13は、ステップ14(S−14)に戻り、更新した特性係数と需要熱量予想データとに第1の数理計画法を適用し、その数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の1時間毎の需要熱量第2データを算出する(需要熱量第2データ算出手段)(S−14)。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と算出した需要熱量第2データとを関連付け、その需要熱量第2データをハードディスクの需要熱量第2データ格納ファイルに格納する(需要熱量第2データ格納手段)。
コントローラ13は、需要熱量第2データを算出した後、その第2データに基づいて需要熱量第2データの1日における1時間毎の熱量変化の推移を表す第2要求熱量推移表を作成し(第2要求熱量推移表作成手段)(S−15)、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と作成した第2要求熱量推移表とを関連付け、その第2要求熱量推移表をハードディスクの第2要求熱量推移表格納ファイルに格納する(第2要求熱推移表格納手段)。
コントローラ13は、更新した特性係数と需要熱量予想データと算出した需要熱量第2データとに第2の数理計画法を適用し、第2の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、需要熱量第2データに準拠したそれら熱源機器15〜19の1時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器15〜19の1時間毎の最適な供給熱量を算出する(運転条件算出手段)(S−16)。コントローラ13は、熱源機器15〜19のシリアル番号および運転計画決定日と算出した運転台数および供給熱量とを関連付け、その運転台数および供給熱量をハードディスクの運転条件格納ファイルに格納する(運転条件格納手段)。
コントローラ13は、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19に対応する特性係数を算出する(特性係数算出手段)(S−17)。コントローラ13は、先の特性係数(特性係数算出手段によって先に算出した特性係数)とその後に算出した特性係数(特性係数算出手段によって後に算出した特性係数)とを比較し、それら特性係数間に生じた誤差が許容範囲(±0.2)内にあるかを判断する(特性係数比較手段)(S−18)。
誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、コントローラ13は、再実行手段における繰り返し回数が10回を超過したかを判断する(S−19)。コントローラ13は、繰り返し回数が1回であるから、再実行手段における繰り返し回数が10回以下と判断し、先の特性係数(特性係数算出手段によって先に算出した特性係数)を後に算出した特性係数(特性係数算出手段によって後に算出した特性係数)に書き換え、書き換えた特性係数をハードディスクの特性係数格納ファイルに格納(更新)する(S−20)。特性係数を更新した後、コントローラ13は、ステップ14(S−14)からの手順を繰り返す。コントローラ13は、先の特性係数と後の特性係数との誤差が許容範囲に入るまで需要熱量第2データ算出手段から特性係数比較手段までを繰り返し実行する(再実行手段)。
コントローラ13は、再実行手段における繰り返し回数が10回を超過したと判断すると、再実行手段を停止し、その直前の運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器15〜19の各時間毎の運転台数およびそれら熱源機器15〜19の各時間毎の供給熱量をハードディスクの運転条件格納ファイルに格納する。キーボードを介して運転計画算出日付におけるそれら熱源機器15〜19の運転台数および供給熱量の出力を要求すると、コントローラ13は、ハードディスクの運転条件格納ファイルから各時間毎の運転台数および各時間毎の供給熱量を抽出し、運転計画決定日におけるそれら熱源機器15〜19の各時間毎の運転台数および各時間毎の供給熱量をディスプレイに表示するとともに、プリンタを介して出力する(運転条件出力手段)(S−21)。
コントローラ13は、繰り返し回数が10回を超過したと判断した直前の運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器15〜19の1時間毎の運転台数およびそれら熱源機器15〜19の1時間毎の供給熱量に基づいて熱源機器15〜19を運転し(熱源機器運転手段)(S−22)、繰り返し回数が10回を超過したと判断した直前に算出した需要熱量第2データに基づいて蓄熱槽12から供給される冷熱または温熱の供給熱量を調節しつつ蓄熱槽12を運転する(蓄熱槽運転手段)(S−22)。
誤差が許容範囲内にあると判断した場合、コントローラ13は、誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器15〜19の各時間毎の運転台数およびそれら熱源機器15〜19の各時間毎の供給熱量をハードディスクの運転条件格納ファイルに格納する。キーボードを介して運転計画算出日付におけるそれら熱源機器15〜19の運転台数および供給熱量の出力を要求すると、コントローラ13は、ハードディスクの運転条件格納ファイルから各時間毎の運転台数および各時間毎の供給熱量を抽出し、運転計画決定日におけるそれら熱源機器15〜19の各時間毎の運転台数および各時間毎の供給熱量をディスプレイに表示するとともに、プリンタを介して出力する(運転条件出力手段)(S−21)。プリンタから出力された運転条件は図6を援用し、その図示は省略する。
コントローラ13は、誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器15〜19の1時間毎の運転台数およびそれら熱源機器15〜19の1時間毎の供給熱量に基づいて熱源機器15〜19を運転し(熱源機器運転手段)(S−22)、誤差が許容範囲内にあるときに算出した需要熱量第2データに基づいて蓄熱槽12から供給される冷熱または温熱の供給熱量を調節しつつ蓄熱槽12を運転する(蓄熱槽運転手段)(S−22)。具体的にコントローラ13は、各熱源機器15〜19のうちの運転対象の熱源機器15〜19を稼動させるとともに、その運転対象の熱源機器15〜19の温度調節装置を調節しつつ、運転対象の熱源機器15〜19のポンプ15B〜19Bを調節して機器15〜19の供給熱量を出力された熱量に合わせる。さらに、蓄熱槽12の温度調節装置を調節しつつ、蓄熱槽12のポンプ20,21を調節して蓄熱槽12から熱源設備11に供給する熱量を調節する。
コントローラ13は、1時間毎に熱源機器15〜19の温度調節装置を調節して温度を変えるとともに、1時間毎に熱源機器15〜19のポンプ15B〜19Bを調節してポンプ15B〜19Bの出力を変える。また、1時間毎に蓄熱槽12の温度調節装置を調節して温度を変えるとともに、1時間毎に蓄熱槽12のポンプ20,21を調節してポンプ20,21の出力を変える。なお、運転台数および供給熱量の決定時間間隔を10分に設定した場合は、10分毎に熱源機器15〜19の温度調節装置を調節して温度を変えるとともに、10分毎に熱源機器15〜19のポンプ15B〜19Bを調節してポンプ15B〜19Bの出力を変える。また、10分毎に蓄熱槽12の温度調節装置を調節して温度を変えるとともに、10分毎に蓄熱槽12のポンプ20,21を調節してポンプ20,21の出力を変える。
たとえば、図6に示すように、0時の場合、コントローラ13は、熱源機器15〜19のうち、機器15,16を稼動させ、機器17,18,19の稼動は行わない。さらに、機器15の供給熱量を8.7(kWh)に調節し、機器16の供給熱量を8.8(kWh)に調節する。1時間経過した1時の場合、コントローラ13は、機器15の供給熱量を6.1(kWh)に調節し、機器16の供給熱量を8.0(kWh)に調節する。また、7時の場合、コントローラ13は、機器15,16の他に機器17を稼動させ、機器17の供給熱量を4.7(kWh)、機器16の供給熱量を11.1(kWh)、機器15の供給熱量を10.6(kWh)に調節する。10時の場合、コントローラ13は、機器15〜19すべてを稼動させ、機器15の供給熱量を7.1(kWh)、機器16の供給熱量を7.4(kWh)、機器17の供給熱量を3.9(kWh)、機器18の供給熱量を4.2(kWh)、機器19の供給熱量を7.1(kWh)に調節する。
この運転計画決定システム10Bは、図1のそれが有する効果に加え、以下の効果を有する。システム10Bは、気象データや熱需要条件データ、過去から現在までの需要熱量第1データに基づいて熱源設備11の所定時間毎における需要熱量予想データが生成され、実際の需要熱量に近似させた需要熱量予想データを使用して各熱源機器15〜19の所定時間毎における最適な運転台数や供給熱量を迅速に算出することができる。このシステム10Bは、特性係数データと需要熱量予想データとを使用し、熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の需要熱量第2データを算出するから、需要熱量データを入力する手間を省きつつ、熱源機器15〜19や蓄熱槽12の効率的な運転を実現するための詳細な運転計画を構築することができる。
運転計画決定システム10Bは、熱源機器15〜19の温度制御やポンプ15B〜19Bの出力制御、蓄熱槽12の温度制御やポンプ20,21の出力制御がコントローラ13によって行われ、システム10Bがコントローラ13によって自動的に運転されるから、人手による熱源機器15〜19や蓄熱槽12のコントロールに頼ることなく、システム10Bを形成するコントローラ13によって運転計画に正確に合致した熱源機器15〜19や蓄熱槽12の運転を行うことができ、人手が介在することによる熱源機器15〜19や蓄熱槽12のコントロールミスを防止することができる。このシステム10Bは、熱源機器15〜19の運転台数のコントロールや供給熱量のコントロール、蓄熱槽12の供給熱量のコントロールに人手が介在することがないから、大幅な労力の軽減を図ることができる。このシステム10Bは、コントローラ13によって運転計画に正確に合致した熱源機器15〜19や蓄熱槽12の運転を行うことにより、蓄熱槽12を利用した熱源設備11の目的に合致した運用を確実に図ることができる。
運転計画決定システム10Bは、運転条件算出手段によって算出した運転台数および供給熱量の熱源機器15〜19に対応する特性係数を算出し、先の特性係数とその後に算出した特性係数とを比較して誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、先の特性係数を後に算出した特性係数に更新し、更新した特定係数を適用しつつ誤差が許容範囲に入るまで需要熱量第2データ算出手段から特性係数比較手段までを繰り返し実行するから、熱源機器15〜19の実体に即した特定係数を使用してそれら熱源機器15〜19の所定時間毎における最適な運転台数や最適な供給熱量を決定することができ、熱源機器15〜19や蓄熱槽12の効率的な運転を実現するための運転計画を熱源機器15〜19の現実の態様に合致させた状態で構築することができる。
図1のシステム10Aにおいて、コントローラ13は特性係数と需要熱量第1データとに第1の数理計画法を適用し、熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の1時間毎の需要熱量第2データを算出しているが、図7のシステム10Bと同様に、コントローラ13が需要熱量第1データや気象データ、熱需要条件データに基づいて熱源設備11の運転計画決定日における1時間毎の需要熱量を予測した需要熱量予想データを生成し、特性係数と需要熱量予想データとに第1の数理計画法を適用して熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の1時間毎の需要熱量第2データを算出してもよい。この場合、コントローラ13には、過去から現在までの需要熱量第1データが格納され、気象データや熱需要条件データがコントローラ13に入力される。また、図1のシステム10Aでは、コントローラ13から出力された熱源機器15〜19の運転台数および供給熱量に従って操作者が熱源機器15〜19や蓄熱槽12の運転を行うが、図7のシステム10Bと同様に、コントローラ13に熱源機器15〜19や蓄熱槽12の運転を行わせることもできる。
図7のシステム10Bでは、コントローラ13が需要熱量第1データや気象データ、熱需要条件データに基づいて熱源設備11の運転計画決定日における1時間毎の需要熱量を予測した需要熱量予想データを生成し、特性係数と需要熱量予想データとに第1の数理計画法を適用して熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の1時間毎の需要熱量第2データを算出しているが、図1のシステム10Aと同様に、コントローラ13は特性係数と需要熱量第1データとに第1の数理計画法を適用し、熱源機器15〜19の最適運転を可能とする熱源設備11の1時間毎の需要熱量第2データを算出してもよい。また、図7のシステム10Bでは、コントローラ13によって熱源機器15〜19や蓄熱槽12の運転が行われるが、図1のシステム10Aと同様に、コントローラ13から出力された熱源機器15〜19の運転台数および供給熱量に従って操作者が熱源機器15〜19や蓄熱槽12の運転を行うこともできる。
一例として示す運転計画決定システムの構成図。 コントローラにおける処理の一例を示す図。 コントローラの各手段の実行手順の一例を示すフローチャート。 需要熱量第1データの時系列的な推移を表す第1要求熱量推移表の図。 需要熱量第2データの時系列的な推移を表す第2要求熱量推移表の図。 コントローラによって算出された各熱源機器の運転台数および供給熱量の一例を表す図。 他の一例として示す運転計画決定システムの構成図。 コントローラにおける処理の他の一例を示す図。 コントローラの各手段の実行手順の他の一例を示すフローチャート。
10A 運転計画決定システム
10B 運転計画決定システム
11 熱源設備
12 蓄熱槽
13 コントローラ
14 需要施設
15 熱源機器
15A 機器本体
15B 冷温水ポンプ
16 熱源機器
16A 機器本体
16B 冷温水ポンプ
17 熱源機器
17A 機器本体
17B 冷温水ポンプ
18 熱源機器
18A 機器本体
18B 冷温水ポンプ
19 熱源機器
19A 機器本体
19 冷温水ポンプ
20 冷温水ポンプ
21 冷温水ポンプ

Claims (12)

  1. 冷熱または温熱を需要する需要構造物および前記需要構造物に冷熱または温熱を供給する複数の熱源機器から形成された熱源設備と、蓄熱運転によって蓄えた冷熱または温熱を前記熱源設備に放熱供給し、前記熱源設備の熱需要を負担する蓄熱槽と、前記熱源機器および前記蓄熱槽から供給される冷熱または温熱の供給熱量を決定するコントローラとを備えた運転計画決定システムにおいて、
    前記コントローラには、それら熱源機器の入出力データと、それら熱源機器の入出力データから求めた各熱源機器の初期特性係数と、それら熱源設備の過去から現在までの1日単位における所定時間毎の需要熱量第1データとが格納され、
    前記コントローラが、前記初期特性係数と前記需要熱量第1データとに第1の数理計画法を適用し、前記第1の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、前記熱源機器の最適運転を可能とする前記熱源設備の所定時間毎の需要熱量第2データを算出する需要熱量第2データ算出手段と、
    前記初期特性係数と前記需要熱量第1データと前記需要熱量第2データ算出手段によって算出した需要熱量第2データとに第2の数理計画法を適用し、前記第2の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、前記需要熱量第2データに準拠したそれら熱源機器の所定時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の最適な供給熱量を算出する運転条件算出手段と、
    前記運転条件算出手段によって算出した最適な運転台数および最適な供給熱量の熱源機器の入出力データを使用してそれらの熱源機器に対応する特性係数を算出する特性係数算出手段と、
    先の特性係数とその後に前記特性係数算出手段によって算出した特性係数とを比較し、それら特性係数間に生じた誤差が許容範囲内にあるかを判断する特性係数比較手段と、
    前記誤差が許容範囲を超えていると判断した場合、先の特性係数を後特性係数に更新し、更新した特定係数を適用しつつ前記誤差が許容範囲に入るまで前記需要熱量第2データ算出手段から前記特性係数比較手段までを繰り返し実行する再実行手段と、
    前記誤差が許容範囲内にあると判断した場合、その誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器の所定時間毎の運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の供給熱量を出力する運転条件出力手段とを有し、
    前記再実行手段における需要熱量第2データ算出手段では、前記特性係数算出手段によって算出した特性係数と前記需要熱量第1データとに第1の数理計画法を適用し、前記第1の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、前記熱源機器の最適運転を可能とする前記熱源設備の所定時間毎の需要熱量第2データを算出し、
    前記再実行手段における運転条件算出手段では、前記特性係数算出手段によって算出した特性係数と前記需要熱量第1データと前記需要熱量第2データ算出手段によって算出した需要熱量第2データとに第2の数理計画法を適用し、前記第2の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、前記需要熱量第2データに準拠したそれら熱源機器の所定時間毎の最適な運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の最適な供給熱量を算出し、
    前記再実行手段における特性係数比較手段では、先に前記特性係数算出手段によって算出した特性係数とその後に前記特性係数算出手段によって算出した特性係数とを比較してそれら特性係数間に生じた誤差が許容範囲内にあるかを判断することを特徴とする運転計画決定システム。
  2. 前記コントローラが、前記需要熱量第1データに基づいて該需要熱量第1データの運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量の熱量変化の推移を表す第1要求熱量推移表を作成する第1要求熱量推移表作成手段と、前記需要熱量第2データ算出手段によって算出した前記需要熱量第2データに基づいて該需要熱量第2データの運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量の熱量変化の推移を表す第2要求熱量推移表を作成する第2要求熱量推移表作成手段とを含む請求項1記載の運転計画決定システム。
  3. 前記コントローラが、前記誤差が許容範囲内にあるときの運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器の所定時間毎の運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の供給熱量に基づいてそれら熱源機器を運転する熱源機器運転手段と、前記誤差が許容範囲内にあるときに算出した需要熱量第2データに基づいて前記蓄熱槽から供給される冷熱または温熱の所定時間毎の供給熱量を調節しつつ該蓄熱槽を運転する蓄熱槽運転手段とを含み、それら熱源機器の機器本体の温度制御およびそれら熱源機器の冷温水ポンプの出力制御を行うとともに、前記蓄熱槽の温度制御および該蓄熱槽に接続された冷温水ポンプの出力制御を行う請求項1または請求項2に記載の運転計画決定システム。
  4. 前記コントローラには、運転計画決定日における気象データと、前記運転計画決定日における前記熱源設備の熱需要条件データとが入力され、前記コントローラが、過去から現在までの前記需要熱量第1データを格納する第1データ格納手段と、前記運転計画決定日における前記気象データおよび前記熱需要条件データと前記第1データ格納手段によって格納した需要熱量第1データとに基づいて前記熱源設備の運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量を予測した需要熱量予想データを生成する需要熱量予想データ生成手段とを含み、前記需要熱量第2データ算出手段では、前記特性係数と前記需要熱量予想データとに前記第1の数理計画法を適用し、該第1の数理計画法における所定の目的関数を最小とする解を導出することで、前記熱源機器の最適運転を可能とする前記熱源設備の所定時間毎の需要熱量第2データを算出する請求項1ないし請求項3いずれかに記載の運転計画決定システム。
  5. 前記コントローラが、前記需要熱量予想データ生成手段によって生成した前記需要熱量予想データに基づいて該需要熱量予想データの運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量の熱量変化の推移を表す第1要求熱量推移表を作成する第1要求熱量推移表作成手段と、前記需要熱量第2データ算出手段によって算出した前記需要熱量第2データに基づいて該需要熱量第2データの運転計画決定日における所定時間毎の需要熱量の熱量変化の推移を表す第2要求熱量推移表を作成する第2要求熱量推移表作成手段とを含む請求項4記載の運転計画決定システム。
  6. 前記運転計画決定システムでは、前記所定時間を5分〜120分の範囲で設定可能である請求項1ないし請求項5いずれかに記載の運転計画決定システム。
  7. 前記第1の数理計画法における目的関数が、
    {(Σある時刻(t)の熱源機器への負荷÷熱源機器の特性係数)×エネルギー原単位}で表され、
    それら熱源機器の特性係数が、
    (熱源機器の出力÷熱源機器の入力)で算出され、
    その目的関数における制約条件が、
    (1)ある時刻(t)の熱源機器への負荷=ある時刻(t)の熱源設備の熱需要+ある時刻(t)の蓄熱槽の蓄熱量−ある時刻(t)の蓄熱槽の放熱量、ただし、蓄熱槽の蓄熱量と蓄熱槽の放熱量とのうちの少なくとも一方は0
    (2)0≦ある時刻(t)の蓄熱槽の蓄熱量≦単位時間の最大蓄熱量
    (3)0≦ある時刻(t)の蓄熱槽の放熱量≦単位時間の最大放熱量
    (4)0≦Σ蓄熱量≦蓄熱槽の最大容量である請求項1ないし請求項6いずれかに記載の運転計画決定システム。
  8. 前記第2の数理計画法における目的関数が、
    {(Σ熱源機器の出力÷熱源機器の特性係数)×エネルギー原単位}で表され、
    それら熱源機器の特性係数が、
    (熱源機器の出力÷熱源機器の入力)で算出される請求項1ないし請求項7いずれかに記載の運転計画決定システム。
  9. 前記誤差の許容範囲が、先の特性係数に対して±0.2である請求項1ないし請求項8いずれかに記載の運転計画決定システム。
  10. 前記コントローラは、前記再実行手段における繰り返し回数が10回を超過した場合、該再実行手段を停止し、前記運転条件算出手段によって算出したそれら熱源機器の所定時間毎の運転台数およびそれら熱源機器の所定時間毎の供給熱量を出力する前記運転条件出力手段を実行する請求項1ないし請求項9いずれかに記載の運転計画決定システム。
  11. 前記エネルギー原単位が、前記熱源機器運転コスト、一次エネルギー換算量、供給熱量、CO 排出量のうちのいずれかである請求項7ないし請求項10いずれかに記載の運転計画決定システム。
  12. 前記熱源機器の特性係数が、該熱源機器の製品仕様と該熱源機器の過去の運転実績とのうちのいずれか一方に基づいて求められる請求項7ないし請求項11いずれかに記載の運転計画決定システム。
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