JP5295561B2 - 二流体連続性粒子安定化ゲル - Google Patents

二流体連続性粒子安定化ゲル Download PDF

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Description

本発明は、ゲルの分野に関する。本発明は、ゲルを製造するための改良された方法にも関する。
ゲルは、有用な特性を有する万能な軟らかい固体(すなわち、固体と液体の間にある材料)である。それらは、例えば、パーソナルケア、食料品、掘削泥及び薬理学的使用など広い範囲の用途における多数の製品において使用されている。これらの特性の多くは、大きな応力下で流動が可能になる降伏性状に伴う有限の弾性率の存在を生かしたものである。ゲルを創出する様々な経路が存在するが、要求される製品性状の多様性は殆ど無限なので、ゲル創出のための如何なる新規な一般的技術も、新規で改良された製品に対する広い可能性を開くものである。
一部のゲルは、化学結合の所与の状態に対して所与の温度範囲で平衡な構造からなる。しかし、他のゲルは、その特性がプロセスの履歴で決まる非平衡の拘束状態である。非平衡ゲルの諸特性は、配合及び製造中に調整することができ、それにより製品設計においてゲルを有用にすることが可能である。
二流体連続ゲルは、当技術分野にとって周知である。この文脈では、「二流体連続」とは、如何なる瞬間においても、それぞれが異なる流体を含む2種の連続した相互に貫入するドメインがゲル全体に存在することを指す。粒子安定化ゲルを含めての粒子安定化材料も当技術分野にとって周知である。2種の流体は、流体の表面が相互に接触するように相互にかみ合っている。しかし、これらのゲル及び材料は共に、限界及び欠点を有しており、それらのために、それらの物理的及び化学的特性を制御して所望の基準を満たすことができる範囲が限定される。
又、二流体連続ゲルは、個別の小滴を含むゲルとは異なる物理特性を有する。例えば、個別の小滴は、低密度で流体相を形成するが、外部又は内部いずれかの(結合)力による圧縮下でゲルに変換する。これにより、界面活性剤分子により安定化された従来のエマルションからゲルを創出することが可能になる。前記の物理的特性の差異には、重力下及び/又は溶媒への暴露下での安定性の向上も含まれる。具体的には、小滴エマルションゲルは、それらの過剰な連続相に暴露されると、溶解する場合がある。さらに、二流体連続性の特性は、疎水性及び親水性分子が共に自由にその中を通ることが可能であるゲルなどある種の用途においてそれ自体が望ましいものである。しかし、以下の従来技術についての議論から明らかになるように、周知の二流体連続性ゲルは、一般に、温度変化及び/又は外部溶媒への暴露で安定性が停止する平衡構造である。
2種の溶媒の二流体連続状態は、一時的に創出できる。これらの一時的な状態は、いくつかの方法において確立できる。そうした方法の1つは、2種の溶媒がほぼ等しい容積分率及び粘度を有する系に対して高レベルの攪拌を適用することである。他の方法は、2種の不混和性の溶媒の混合物の温度をその流体が混和性になるまで上昇させ、それらが微視的に混合されることを可能にし、次いで流体が不混和性になりスピノーダル分解(単一相から2種の別個の相への転移)が行われる点である臨界温度未満まで混合物を急冷することである。流体:流体の組成比が30:70〜70:30の範囲にある場合、これにより二流体連続構造が得られる(類似の粘度の溶媒に対して)ことがよく知られており、最も確実な例としては約50:50の組成比が挙げられる。しかし、何らかの種類の安定化がないと、こうした二流体連続状態は過渡的なものである。
二流体連続性は、1種又は複数の溶媒が高粘度の高分子量ポリマーである系において一時的に持続させることができる。しかし、その構造をトラップしておくためには、ポリマーが固相になるように当該のポリマーのガラス転移温度未満にすることが必要である。そのために、得られた構造は、もはや二流体連続性ではない。このタイプの永続しない二流体連続系は一時的にしか持続可能ではなく、限られた温度においてのみ持続可能である。又、それらは、外部の溶媒の存在により変性する場合がある。
二流体連続状態は、流体2種の流体間の界面上に吸収される界面活性剤の添加によっても得ることができる。二流体連続状態はそれ自体、一般に、流動性が高く、熱力学的に安定であり、得られた材料は、通常二流体連続マイクロエマルションと呼ばれる。これはゲルではない。しかし、二流体連続ゲルは、二流体連続(立方晶系)液晶の形態において、十分高い界面活性剤濃度で得ることができる。これらは、適度な温度範囲内でのみ安定な熱力学的な相である。これらの細孔サイズ及び弾性特性は、非常に限られた範囲内でのみ変えることができる。
界面活性剤及びその混合物も、熱力学的に準安定である通常のエマルション(マイクロエマルションとは異なる)を安定化するために広く使用される。こうした準安定なエマルションは一般に、二流体連続性ではなく、1種の流体の球が他の流体中に分散したものである。分散相の容積分率が高くない限り、これらのエマルションは液体のままであり、この場合は、ゲルの1つのタイプである両液体泡が生成する。しかし、こうしたゲルは、個別のエマルション小滴を含み、したがって、二流体連続性ではない。加えて、両液体泡ゲルは、非剛性の界面活性剤単一層により安定化され、したがって、粒子安定化ではない。さらに、それらは、外部の溶媒と接触することにより変性させることができる。
ピッカリング(Pickering)エマルションと呼ばれることが多いある種の構造は、個別の、通常球状のエマルション小滴を安定化させるために近中立濡れ(NNW)粒子を利用する。この文脈では、近中立濡れ粒子は、2種の不混和性流体間の界面全体に広がる粒子であり、流体−流体−固体接触線での角度が90度から非常に大きくは離れない。NNW粒子は、部分濡れ(PW)粒子のサブセットであり、厳密に0度を超え、180度未満である接触角を有する。90度という角度は、中立濡れ(NW)角と呼ばれる。NNW粒子、NNW角及びPW粒子と呼ぶ場合、90度のNW角が含まれる。NNW粒子は、流体間の界面に対する親和性が強いことが周知である。そうした界面に接触すると、これらの粒子は、ほとんど非可逆的に付着する。具体的には、ブラウン運動によりそうした粒子が界面から離されるタイムスケールは、極めて長い。ピッカリングエマルションは、NNW粒子により安定化された個別のエマルション小滴からなるので、二流体連続性ではなく、通常ゲルでもない。
しかし、ピッカリングエマルション内の流体−流体界面上の粒子被覆が十分である場合、たとえコロイド粒子間の相互作用が反発性であっても、これらの界面は局部的に剛性になることが知られている。こうなるのは、これらの粒子は、流体−流体界面がその面積を減少させようとする傾向により一緒に詰め込まれるからである。こうした剛性は一般に、試料に対して巨視的な剛性を与えない。というのは剛性表面を有する小滴の懸濁液は一般に、剛性ではないからである。剛性界面は、実質的に粒子で覆われた界面とみなすことができ、その粒子は、移動が限定され、それによりかなりの程度の非柔軟性が界面に付与されるように密接な接触が強制されていることに留意されたい。
ピッカリングエマルション小滴の圧縮により形成されるゲルが公知であり、この場合も粒子により安定化されるが、二流体連続性ではない(欧州特許第0309054号、米国特許第2968066号及び「固体安定化エマルションベースの材料(Materials based on solid−stabilized emulsions)」F.Leal−Calderon ら、Journal of Colloid and Interfacial Science、275巻、2004年、頁659を参照されたい)。これらの安定化組成物は、小滴をプレスして接触させる場合のみに、巨視的に剛性化する。すなわち、巨視的剛性を確立するために、それら組成物は一般に、それらに作用する外力を必要とする(一部の場合では、重力の排水力又は小滴間の内部引力が十分であるけれども)。ピッカリングエマルションの圧縮により創出される粒子安定化ゲルは一般に、小滴を含み、二流体連続性ではない。さらに、それらは、外部の溶媒との接触により、変性する場合がある。具体的には、それらは、エマルションの連続流体相と同じ流体、又はその流体と混和性の他の流体を含む溶媒に溶解できる。
したがって、要約すれば、上記の従来技術材料は、それらの特性、それらの機能及びそれらの調整性の点から著しい限界がある。一部の従来技術材料は、一時的な巨視的剛性構造を提供するが、重力下の排水などの外力(又はその欠落)により影響される。大部分の従来技術材料は、外部の溶媒の存在により影響される。この材料の多くは、熱力学的な平衡状態として存在し、したがって、それらは加工中に調整できず、平衡状態にある狭い範囲の熱力学的条件の外側ではゲルとして維持できない。他のものは短期間しか存在できない。
従来技術に伴う一部の欠点を取り除く、又は少なくとも軽減することが、とりわけ本発明の実施形態の目的である。
本発明の更なる目標及び目的は、以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
本発明の第1の態様によれば、特定の温度範囲内で不混和性である第1流体及び第2流体と、
密接に接触した安定な粒子の連続層を含む安定化粒子層であって、該粒子が第1流体と第2流体の間の連続界面に位置し、第1及び第2流体が相互に貫入するドメインである層と
を含む二流体連続性粒子安定化ゲルが提供される。
安定化粒子層は、事実上、一緒に保持されている、又は強制的に一緒にされているコロイド粒子の実質的な剛性層である。粒子は、引力により一緒に保持されている、且つ/又は2種の流体間の界面張力により強制的に一緒にされているので、特別の条件下で分散するように特に設計されない限り、粒子は外力(すなわち、ゲルの外側からの力)の適用により分散しない。これは、界面の粒子を強制的に密接に接触させるので、粒子は拘束状態において一緒に詰め込まれ、したがって粒子の固体フィルムを創出する。したがって、これらの粒子を界面上に配置することは、巨視的剛性及び二流体連続性など有用な特性を与える安定化効果を有する。巨視的剛性は、二流体連続性粒子安定化ゲルが重力下でそれらの構造を維持し、重力に抗して比較的重い物体を無限に支持することを可能にする。加えて、二流体連続性は、二流体連続性粒子安定化ゲルが外部の溶媒による攻撃に対して強固であり続けることを可能にする。
好ましくは、第1流体が疎水性であり、第2流体が親水性であるか、或いはその逆である。
場合によっては、流体の一方がオイルである。
好ましくは、流体の一方が水である。
場合によっては、流体の一方がアルコールである。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは流動性の大きい非対称二流体連続状態を含む。
このことは、通常は二流体連続性を非常に困難にする、一方の流体が他方より過剰にある状況を可能にする。この場合、中立濡れ条件からずれた粒子を使用するためにそれが可能になる。
好ましくは、粒子の連続層は、部分濡れ(PW)粒子を含む。
好ましくは、PW粒子は、近中立濡れ(NNW)粒子である。
NNW粒子は、中立濡れ(NW)条件(流体−流体−固体接触角が90度に近い)に最も近いので最も有効である。NNW粒子は、2種の流体間の界面上で中心に位置する。
好ましくは、NNW粒子は、70と110度の間の接触角を有する。
より好ましくは、NNW粒子は、75と105度の間の接触角を有する。
この範囲内の濡れ角が、二流体連続性粒子安定化ゲルに適切な安定性を与えることが分かった。
さらにより好ましくは、NNW粒子は、85と95度の間の接触角を有する。
中立濡れ角90度に最も近いので、最大の安定化効果がこの範囲にあることが分かる。
好ましくは、PW粒子は、拘束状態にある。
拘束状態では、粒子は、実質的な剛性固体フィルムを形成するように、2種の流体間の界面で密接に接触する。拘束状態では、粒子は、限られた移動度を有し、実質的に静止している。
場合によっては、PW粒子は、磁気活性である。
この特性のためにゲルを比較的簡単に逆流動化させることが可能である。というのは、磁場を使用して相互に貫入するドメインがこれ以上拘束状態にないように、粒子を2種の流体間の界面から有効に離れさせることができるからである。
好ましいオプションは、磁気活性なPW粒子が超常磁性であることである。
超常磁性材料は、磁場においてのみ磁性であり、磁場を取り除くと全ての残留磁気を失う。
或いは、PW粒子は、導電性でもある。
好ましくは、PW粒子は、シリカビーズである。
場合によっては、PW粒子は、ヤヌスビーズである。
ヤヌスビーズは、鋭く画定された赤道により分離された親水性及び疎水性の半球を有する実質的に球状のコロイド粒子である。
場合によっては、PW粒子は、球状生体分子である。
場合によっては、PW粒子は、PW粒子の表面全体に拡がった2種のタイプA及びBのフレキシブル鎖を含む混合ポリマー表面を有するコロイド粒子であり、A及びBは、Aが第1流体に対する親和性を有し、Bが第2流体に対する親和性を有するか、或いはその逆であるように選ばれる。
場合によっては、PW粒子は、XZブロックコポリマーとYZブロックコポリマーの等量混合物を含む球状ミセルであり、Xが第1流体に対する親和性を有し、Yが第2流体に対する親和性を有するか、或いはその逆であり、Zが第1流体にも第2流体にも不溶性である。
場合によっては、PW粒子は、その表面上の異なるパッチでミクロ的に不均一な濡れ特性を有するコロイド粒子である。
好ましくは、界面に閉じ込められたPW粒子を操作して流体−流体−固体接触角を意図的に90度からずらすことにより自発曲面を付与する。
自発湾曲を使用して、二流体連続性の喪失をもたらすことができる、二流体連続状態が小さい相に向かって曲がろうとする傾向を相殺することができる。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲル構造は、完全秩序状態3次元周期ドメインを含む。
十分に規則正しい、3次元周期ドメインは、均一な寸法、固定された構造及び画定された形を有する3次元繰返し構造である。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲル構造は、2種の相互貫入ドメインの非晶質配置を含む。
2種の相互貫入ドメインの非晶質配置は、2種のドメインが固定された構造又は画定された形を持たない不規則な3次元構造である。
場合によっては、更なる粒子、構造又は添加剤が、第1流体及び第2流体の一方又は両方に存在する。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、引力相互作用を有する粒子を更に含む。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、第1流体及び第2流体の一方又は両方の中で流動状態又は集合状態にある粒子を含む。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、第1流体及び第2流体の一方又は両方の中で、流体状態又は集合状態にあるエマルション小滴を更に含む。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、多重連続流体又はゲル構造を含む複数の相互貫入ドメインを含み、複数の相互不混和性流体を同時に通すことが可能である。
二流体連続性粒子安定化ゲルは、2種の別々のドメインを形成する2種の非混和性の流体を含む。これらの別々のドメインは、異なる特性を有する流体を通すことが可能である。したがって、二流体連続性粒子安定化ゲルは、異なるタイプの流体を同時に輸送できる。
好ましくは、二流体連続性粒子安定化ゲルは、水及びオイルベース溶媒に対して不溶性であるが、オイルベース溶媒と水ベース溶媒の両方に対して透過性を保っている。
これは、二流体連続性粒子安定化ゲルが、分解することなく様々な条件に耐えることができることを意味する。又、それにより、二流体連続性粒子安定化ゲルが、分解することなくオイル及び水ベースの溶媒として作用可能であることを意味する。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、異なる屈折率の第1流体及び第2流体を含み、第1流体は第2流体より低い屈折率を有するか、或いはその逆である。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、配合により調整可能な熱伝導性を示す。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、実質的に流動化状態に変換するように構成されている。
好ましくは、流動化は可逆的である。
場合によっては、可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルは、二流体連続性粒子安定化ゲルが復帰する初期拘束状態(initial arrested state)及び最終再拘束状態(final re−arrested state)を含む。
場合によっては、可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルは、巨視的に変形可能である。
巨視的に変形可能な材料は、容易に曲げたり、成形することができ、実質的にフレキシブルである。これは、巨視的に剛性な材料と異なる。
場合によっては、可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルは、異なる形態を有する初期拘束状態及び最終再拘束状態を含む。
場合によっては、再拘束状態は、小滴、平行な平面層又は円筒を含み、再拘束での諸特性が初期状態と異なる。
本発明の第2の態様によれば、磁気を使用して、第1の態様の二流体連続性粒子安定化ゲルの諸特性を変える方法が提供される。
磁気を使用して二流体連続性粒子安定化ゲルの諸特性を変える方法は、
二流体連続性粒子安定化ゲルを磁場にかけるステップと、
磁場を使用して界面から粒子を除去するステップとを含み、
界面から粒子を除去することにより初期二流体連続性粒子安定化ゲルをその後完全に流動化する。
本発明の第3の態様によれば、
流体が混和性である温度において、ほぼ等容量の少なくとも2種の流体中にPW粒子を供給するステップと、
温度を流体が不混和性になる温度に変化させ、流体の相分離を引き起こし、それにより、流体間の連続界面に位置するPW粒子を伴う相互貫入流体ドメインを有するゲルを形成するステップと
を含むゲルの作製方法が提供される。
好ましくは、相分離はスピノーダル分解である。
本発明の第4の態様によれば、
混合により2種の溶媒の混合物中にPW粒子を分散させ、それにより、PW粒子全てを収容するのに必要とされるより大きな界面面積を有する二流体連続状態を創出するステップと、
PW粒子が連続した流体−流体界面で緊密に接触し、ゲル形成を促進するように混合を停止するステップと
を含む二流体連続性粒子安定化ゲルの作製方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
ほぼ等容量の少なくとも2種の流体を含む溶液中、2種の流体が混和性となる温度範囲、混合ミセルが自発的に形成されるような条件下で、X、Y及びZがポリマー鎖であるXZ及びXYブロックコポリマーを含むほぼ等量の球状ミセルを一緒に混合するステップと、
続いて、温度を流体が不混和性である温度範囲内の温度に変え、スピノーダル分解を引き起こして2相領域を形成させ、それにより流体間の界面にブロックコポリマーを閉じ込めるステップと、
温度を維持し、Zポリマー鎖をそのガラス転移温度より上に保ち、XZ及びYZブロックコポリマーをミセルの反対側に移動させるステップと、
温度を変え、Zポリマー鎖にそのガラス転移温度を通過させ、分離したミセルブロックコポリマーを安定化し、その結果、逆の濡れ特性を有する半球を備えた粒子を創出するステップと
を含むヤヌスビーズの作製方法が提供される。
本発明の第6の態様によれば、
二流体連続性粒子安定化ゲルを調製するステップと、
第1流体及び第2流体の一方又は両方に溶解した物質で、二流体連続性粒子安定化ゲル中の粒子の実質的に半分をコートするステップと
を含むヤヌスビーズを作製する方法が提供される。
本発明の第7の態様によれば、
第1流体と
第2流体と
粒子の連続層とを含み、
第1流体と第2流体が特定の温度範囲内で不混和性であり、粒子の連続層が剛体フィルムを含み、第1流体と第2流体の間の連続界面に位置する
二流体連続性粒子安定化ゲルが提供される。
場合によっては、更なる粒子を第1及び第2流体の一方又は両方の中に懸濁させる。
場合によっては、更なる構造要素又は添加剤が、第1及び第2流体の一方又は両方の中に存在する。
好ましくは、第1流体が疎水性であり、第2流体が親水性であるか、或いはその逆である。
場合によっては、流体の一方がオイルである。
好ましくは、該オイルは、脂肪族炭化水素である。
さらにより好ましくは、該オイルは、ドデカンである。
好ましくは、流体の一方が水である。
場合によっては、流体の一方がアルコールである。
好ましくは、該アルコールは、エタノールである。
好ましくは、粒子の連続層は、流体−流体−固体接触角が0〜180度である部分濡れ(PW)粒子を含む。
好ましくは、PW粒子は、近中立濡れ(NNW)粒子である。
場合によっては、NNM粒子は、60と120度の間の接触角を有する。
好ましくは、NNW粒子は、70と110度の間の接触角を有する。
より好ましくは、NNW粒子は、85と95度の間の接触角を有する。
好ましくは、NNW粒子は、拘束状態にある。
好ましくは、NNW粒子は、シリカビーズである。
場合によっては、NNW粒子は、ヤヌスビーズである。
場合によっては、NNW粒子は、NNW粒子の表面全体に拡がった2種のタイプ、A及びBからなるフレキシブルな鎖を含む混合ポリマー表面を有するコロイド粒子であり、A及びBは、Aが第1流体に対する親和性を有し、Bが第2流体に対する親和性を有するか、或いはその逆であるように選ばれる。
好ましくは、フレキシブル鎖は、NNW粒子表面全体に実質的に均一に拡がる。
好ましくは、フレキシブル鎖は、一方の端部でNNW粒子表面にグラフト化されている。
場合によっては、NNW粒子は、XZブロックコポリマーとYZブロックコポリマーの等量混合物を含む球状ミセルであり、Xが第1流体に対する親和性を有し、Yが第2流体に対する親和性を有するか、或いはその逆であり、Zが第1流体にも第2流体にも不溶性である。
場合によっては、NNW粒子は、その表面上の異なるパッチでミクロ的に不均一な濡れ特性を有するコロイド粒子である。
場合によっては、NNW粒子は、球状生体分子である。
好ましくは、NNW粒子は、球状タンパクである。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは流動性の大きい非対称二流体連続状態を含む。
場合によっては、自発曲面は、第1と第2流体の間の界面に付与する。
好ましくは、流体−流体−固体接触角を意図的に90度からずらすように、界面に閉じ込められたNNW粒子を操作することにより自発曲面を付与する。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲル構造は、完全秩序状態3次元周期ドメインを含む。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲル構造は、2種の相互貫入ドメインの非晶質配置を含む。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、引力相互作用を有するコロイド粒子を更に含む。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、第1流体及び第2流体の一方又は両方の中で流動状態又は集合状態にあるコロイド粒子を含む。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、第1流体及び第2流体の一方又は両方の中で、流体状態又は集合状態にあるエマルション小滴を含む。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、多重連続流体又はゲル構造を含む複数の相互貫入ドメインを含み、複数の相互不混和性流体を同時に通すことが可能である。
場合によっては、多重連続流体又はゲル構造は、二流体連続性粒子安定化ゲルを含む。
好ましくは、二流体連続性粒子安定化ゲルは、水及びオイルベース溶媒に対して不溶性であるが、オイルベース溶媒と水ベース溶媒の両方に対して透過性を保っている。
好ましくは、二流体連続性粒子安定化ゲルは、配合により調整可能である降伏応力を有する。
好ましくは、二流体連続性粒子安定化ゲルは、配合により調整可能であるせん断率を有する。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、配合により調整可能である細孔サイズを画定する特徴的な長さスケールを有する流体ドメインを含む。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、異なる屈折率の第1流体及び第2流体を含み、第1流体は第2流体より低い屈折率を有するか、或いはその逆である。
好ましくは、異なる屈折率の第1流体及び第2流体は、2を超える屈折率の比を有する。
より好ましくは、異なる屈折率の第1流体及び第2流体は、2.5を超える屈折率の比を有する。
好ましくは、二流体連続性粒子安定化ゲルは、調合により調整可能な光学特性を有する。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、調合により調整可能な熱伝導度を示す。
場合によっては、NNW粒子は、磁気特性を有する。
場合によっては、NNW粒子は、導電性を有する。
場合によっては、二流体連続性粒子安定化ゲルは、流動化が可逆的である実質的な流動化状態に転移できる。
場合によっては、可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルは、二流体連続性粒子安定化ゲルが復帰する初期拘束状態及び最終再拘束状態を含む。
場合によっては、可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルは、巨視的に変形可能である。
好ましくは、可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルは、第1流体と第2流体の間の連続界面において可動化された粒子層を含む。
場合によっては、可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルは、異方性である初期拘束状態及び最終再拘束状態を含む。
場合によっては、再拘束状態は、二流体連続性粒子安定化ゲルであることを停止する。
場合によっては、再拘束状態は、再拘束における特性が初期状態と異なる小滴、平行な平面層又は円筒を含む。
本発明の第8の態様によれば、
NNW粒子を、所定の温度範囲においては不混和性であるほぼ等容積の少なくとも2種の溶媒を含む溶液に、2種の溶媒が混和性となる第2の温度範囲で、溶解するステップと、
溶媒が不混和性である2相領域まで温度を変え、相分離を引き起こし、それにより溶媒間の界面にNNW粒子を閉じ込めるステップと
を含むゲル作製の一般的方法が提供される。
好ましくは、相分離はスピノーダル分解である。
本発明の第9の態様によれば、
混合により2種の溶媒の混合物中にNNW粒子を分散させ、それにより、NNW粒子全てを収容するのに必要とされるより大きな界面面積を有する二流体連続状態を創出するステップと、
NNW粒子が連続した流体−流体界面で緊密に接触し、ゲル形成を促進するように混合を停止するステップ
とを含む二流体連続性粒子安定化ゲルを作製する一般的方法が提供される。
本発明の相互に関連する第10の態様によれば、
所定の温度範囲で不混和であるほぼ等容量の少なくとも2種の流体を含む溶液中、2種の流体が混和性となる温度範囲、混合ミセルが自発的に形成されるような条件下で、X、Y及びZがポリマー鎖であるXZ及びXYブロックコポリマーを含むほぼ等量の球状ミセルを一緒に混合するステップと、
続いて、溶媒が不混和性である2相領域に温度を変え、スピノーダル分解を引き起こして、それにより溶媒間の界面にブロックコポリマーを閉じ込めるステップと、
温度を維持し、Zポリマー鎖をそのガラス転移温度より上に保ち、XZ及びYZブロックコポリマーをミセルの反対側に移動させるステップと、
温度を下げ、Zポリマー鎖にそのガラス転移温度を通過させ、分離したミセルブロックコポリマーを安定化し、その結果、逆の濡れ特性を有する半球を備えた粒子を創出するステップと
を含むヤヌスビーズの作製方法が提供される。
本発明の相互に関連する第11の態様によれば、
二流体連続性粒子安定化ゲルを調製するステップと、第1流体及び第2流体の一方又は両方に溶解した物質で、二流体連続性粒子安定化ゲル中の粒子の実質的に半分をコートするステップと
を含むヤヌスビーズを作製する方法が提供される。
次に、以下の図面を参照して、本発明の様々な実施形態を、単なる例示を目的としてのみ説明するものである。
図1を参照すると、第1の連続流体2と、第2の連続流体3と、安定化粒子層4とを含む二流体連続性粒子安定化ゲル1が示されている。第1の連続流体2と第2の連続流体3は、特定の温度範囲内で不混和性である。安定化粒子層4は第1の連続流体2と第2の連続流体3の間の界面に位置する。本実施形態では、二流体連続性粒子安定化ゲル1は、それが巨視的な剛性を保持し、安定化粒子層4が粒子の拘束した剛性フィルム(以後、「固体フィルム」と呼ぶ)であるような非平衡拘束状態にある。また、この特定の実施形態では、第1の連続流体2はドデカンであり、第2の連続流体3はエタノールであり、安定化粒子層4はシリカビーズ(図示せず)を含む。固体フィルムは、粒子(又はコロイド)(図示せず)間の結合相互作用、或いは反発性粒子(図示せず)の詰込みにより剛性化され、後者は流体−流体界面6がその面積を最小化しようとする傾向により引き起こされる。
安定化粒子層4が固体フィルムである非平衡拘束状態は、二流体連続性粒子安定化ゲル1に対してある種の特徴的な特性を与える。具体的には、安定化粒子層4が固体フィルムとして存在するために、その特性は外部の溶媒の存在により影響されない。すなわち、安定化粒子層4により第1の連続流体2及び第2の連続流体3は相互貫入ドメイン中に「トラップ」されているので、二流体連続性粒子安定化ゲル1はオイル又は水ベースの溶媒により変性又は崩壊されない。
圧縮小滴に基づく調合物(例えば、ピッカリングエマルション小滴)と異なり、第1の連続流体2又は第2の連続流体3の容積増加は第1の連続流体2と第2の連続流体3の間の界面面積の増加をもたらす。これは、外部の溶媒が、第1の連続流体2及び/又は第2の連続流体3中に存在する流体と同一の流体を含む場合でさえ、外部の溶媒(図示せず)による二流体連続性粒子安定化ゲル1の膨張又は溶解を妨げるのに十分大きいエネルギーコストを与える。しかし、それは、二流体連続性粒子安定化ゲル1を破壊することなく、純粋な形の、又は溶質を含む(図示せず)第1の連続流体2及び/又は第2の連続流体3が、同じ又は異なる方向から、連続的又は同時に、二流体連続性粒子安定化ゲル1の中を通過する浸透流を妨げることはない。こうした流れにより、二流体連続性粒子安定化ゲル1内の流体−流体界面(図示せず)において第1の連続流体2又は第2の連続流体3にそれぞれが溶解可能な2種の溶質(図示せず)の密接な接触が可能になる。
次に図1を参照すると、拘束状態にある安定化粒子層4は、密接に接触したNNW粒子を含む。本文脈では、密接な接触とは、NNW粒子が、反発力により離れて保持されながら物理的に接触しているか、又は互いに引き合いながら分子間力により一緒に保持されていることを意味する。
前記の成分を組み合わせて二流体連続性粒子安定化ゲル1を生成することができるが、第1の連続流体2は任意の疎水性種でよく、第2の連続流体3は任意の親水性種でよい、或いはその逆であることに留意されたい。さらに、二流体連続性粒子安定化ゲル1は、任意の第1の連続流体2と任意の第2の連続流体3の組合せを含むことができ、該第1の連続流体2及び該第2の連続流体3は不混和性である。同様に、安定化粒子層4は、2種の流体間の界面において安定な連続層を形成する任意の適切な粒子を含むことができる。
図2に示すように、二流体連続性粒子安定化ゲル1は、第1の連続流体2と、第2の連続流体3と、近中立濡れ粒子5とを含む。近中立濡れ粒子5は、第1の連続流体2と第2の連続流体3の間の界面6に位置する。本実施形態では、近中立濡れ粒子5は、流体−流体−固体界面6における接触角85〜95度を創出する実質的に均一な表面処理を含む球状ユニットである。
NNW粒子5に加えて、流体−流体−固体界面の接触角0〜180度である部分濡れ(PW)粒子(図示せず)も使用できる。これらは、通常、調製中のPW粒子の処理を変えることにより得られる。しかし、NNW粒子5は中立濡れ(NW)条件に最も近接している(流体−流体−固体界面の接触角が90度に近接する)ので、最も有効である。このNNW粒子5は、界面6の中心に位置する。しかし、類似の効果はヤヌスビーズ(図示せず)を使用することによっても実現できる。ヤヌスビーズは、鋭く画定された赤道により隔てられた親水性及び疎水性半球を備える実質的に球状のコロイド粒子である。ヤヌスビーズを使用する場合、濡れ特性はいずれの半球においても中立ではないが、メニスカスがそれらの接合部でトラップされる。さらに、反対の濡れ特性の等しくない面積を有するヤヌスビーズが使用できる。これらは中心を外れて位置し、界面6に位置する2つの面積の間の分割線を有する。
最大の安定化効果は、接触角85〜95度において見出される。というのは、これが、中立濡れ角90度に最も近いからである。しかし、接触角75〜105度が、二流体連続性粒子安定化ゲルに適切な安定性を与えることも分かっている。しかし、NNW粒子は、接触角70〜110度又は60〜120度を有することもできることを理解されたい。
図2は、単一の濡れ角のみを有するNNW粒子5の存在を示す。しかし、様々な濡れ角を有する粒子を同じ二流体連続性粒子安定化ゲル1内に組み込むことができることも理解されたい。
様々なNNW粒子5が使用できる。例えば、NNW粒子5は、NNW粒子5の表面全体に実質的に均一に広がり、表面に一方の端でグラフト化された2種のタイプ、A及びB(図示せず)のフレキシブル鎖を含む混合ポリマー表面を備えるコロイド粒子であり得る。第1の連続流体2がAに対する親和性を有し、第2の連続流体3がBに対する親和性を有する、或いはその逆であるようにA及びBを選択する。所与の溶媒に対して、中立に近い濡れになるようにA及びBの割合を調整できる。さらに、フレキシブルな鎖A及びBを比較的長くすることにより、より好ましくない鎖がそれぞれの溶媒中に分散して、NNW粒子5が界面6の両方の側で異なる表面を示すようになる。これにより、両方の固体−流体界面張力が減少し、NNW粒子5が、二流体連続性粒子安定化ゲル1内の流体−流体界面6において近中立濡れ位置をとることが可能になる。
NNW粒子5の更なる選択は、XZ及びYZブロックコポリマー(図示せず)の等しい混合物を含む球状ミセルであり、X、Y及びZは、ポリマー鎖であり、Zは、両方の溶媒(例えば、フルオロカーボン)に溶解しない。ある条件下では、そうした混合ミセルは、混合エントロピーにより駆動されて、自発的に形成される。そうしたミセルを、溶媒が混和性である温度において、溶媒混合物中で調製し、続いて溶媒が不混和性である2相領域に急冷されると、次いでミセルは、NNW粒子5として界面6に閉じ込められる。さらに、Z鎖が、そのガラス転移温度より上に留まる限り、XZ及びYZブロックはミセルの反対側に移動する。これにより、接触角がX及びYの相対量により直接制御されるNNW粒子5がもたらされる。したがって、ミセル内の分離後、ほぼ等しい面積のX及びY鎖が存在する場合常に、NNW条件が効果的に実現される。Z鎖がガラス転移温度を通過する場合、分離したNNW粒子5は安定化される。こうしたNNW粒子5は逆の濡れ特性を有する2つの異なる半球を永久的に示し、したがってヤヌスビーズになる。
ヤヌスビーズを生成させる代替の方法は、二流体連続性粒子安定化ゲルを調製し、次いで第1流体2及び第2流体3の一方又は両方に溶解する物質によりNNW粒子5の半分を実質的にコートすることである。これは、金属(限定はされないが)などの物質をNNW粒子5表面上に沈殿させることにより実施できる。しかし、いくつかの他の物質が、NNW粒子5上に沈殿させるため、及びこの方法を使用してヤヌスビーズを作製するために適切であることを理解されたい。
NNW粒子5は、その表面上の異なるパッチにミクロに不均一な濡れ特性を有するコロイド粒子でもよい。NNW粒子5は、球状生体分子又はより具体的には球状タンパクでもよい。コロイド粒子は、引力性(結合性)相互作用を所有することができ、流体−流体界面6における安定化粒子層4に対して追加の安定性を提供する。
二流体連続性粒子安定化ゲル1は、第1の連続流体2及び第2の連続流体3の一方又は両方内に、流動又は集合状態でエマルション小滴をも含むことができる。
二流体連続性粒子安定化ゲル1は、多連続流体又はゲル構造を含む複数の相互貫入ドメイン(図示せず)をも含むことができ、二流体連続性粒子安定化ゲル1は、複数の相互に不混和の流体を同時に通すことが可能である。多連続流体又はゲル構造は、二流体連続性粒子安定化ゲル1を含むことができる。
図1及び2に示すように、二流体連続性粒子安定化ゲル1は、拘束状態にある粒子安定化連続単一層4により界面6において密接に接触した第1の連続流体2及び第2の連続流体3を有し、界面6全体に及ぶ近中立濡れ粒子5を含む。このタイプの二流体連続性粒子安定化ゲル1は、高度に調節可能であり、特有の用途のために調製できる。具体的には、せん断率、細孔サイズ及び降伏応力(したがって巨視的な剛性)は、第1の連続流体2と第2の連続流体3の容積比を変えることにより、且つ、組み込まれる近中立濡れ粒子5の相対量及びサイズを変えることにより変えることができる。加えて、二流体連続性粒子安定化ゲル1の諸特性は、調製方法(又はプロセスの履歴)を変えること、及びコロイド粒子間の結合相互作用の存在又は欠如によっても変えることができる。
二流体連続性粒子安定化ゲル1は、外部の溶媒による攻撃に対して強固であり、その一方でそうした外部の溶媒(限定されないが、第1の連続流体2及び第2の連続流体3と同一の溶媒を含めて)に同時に通す性質を維持している。二流体連続性粒子安定化ゲル1は、第1の連続流体2及び第2の連続流体3に溶解可能である流体を通すことが可能である。したがって、二流体連続性粒子安定化ゲル1は、2種の不混和性液体(図示せず)間の密接な接触のための手段を提供し、2種の液体中の溶質が、例えば、化学反応のために接触することを可能にする。
さらに、二流体連続性粒子安定化ゲル1は、配合により容易に調整可能な特徴的な長さスケール(又は細孔サイズ)を有する流体ドメインを含むことができ、これについて以下により詳細に説明する。
二流体連続性粒子安定化ゲル1の調整性が大きいために、それらは様々な用途で使用することが可能である。具体的には、界面面積が大きく、細孔サイズが調整可能であることのために、二流体連続性粒子安定化ゲル1は不均一触媒及び/又は化学反応用の優れた媒体になることが可能であり、その場合、一方がそれぞれの流体に可溶である2つの種がゲルに入り、粒子によりカバーされていない流体−流体界面6の部分で(具体的には、固体フィルムを構成する粒子間の間隙において)相互に出会うことができる。また、流体は、二流体連続性粒子安定化ゲルを通って反対方向にポンプ輸送されて反応媒体又は触媒担体を創出することもできる。
さらに、第1の連続流体2又は第2の連続流体3が高い熱伝導度の流体(水などの)である二流体連続性粒子安定化ゲル1はそれ自体が、具体的に流体が非連続である如何なるゲルと比較しても、高い熱伝導度を示す。熱伝導度は、水又は任意のより熱伝導性である溶媒の熱伝導度の概略30〜40%である。
調整性のために、二流体連続性粒子安定化ゲル1は特に、限定されないが、パーソナルケア製剤、食料品、掘穿泥及び薬理学的使用などの用途のために調製することも可能である。
第1の連続流体2、第2の連続流体3又は近中立濡れ粒子5を変えることにより、他の特性を二流体連続性粒子安定化ゲル1に組み込むこともできる。二流体連続性粒子安定化ゲル1の成分部分及びプロセス履歴を変えることにより巨視的な構造に影響を及ぼすこともできる。二流体連続性粒子安定化ゲル1を十分に規則正しく(3次元的に周期性のある)できる場合もあり、2種の相互貫入ドメインの非晶質配置が存在する場合もある。非常に異なる屈折率を有する2種の溶媒を含むこのようにして創出された規則正しい且つ/又は非晶質構造は、限定されないが、ホトニックバンドギャップを含めての非常に有用な光学特性を有する。これらの機能的及び光学的特性は、NNW粒子5の屈折率を変えることにより且つ/又は磁性のある又は電気伝導性を有するNNW粒子5を使用することによりさらに可変である。具体的には、以下の実施形態において記載されているように、粒子は超常磁性になり得る。光学特性は、二流体連続性粒子安定化ゲル1の配合を調整することにより変えることができる。
1つの具体的な実施形態では、二流体連続性粒子安定化ゲルの諸特性は、磁力を使用して変えることができる。この実施形態では、近中立濡れ粒子は、超常磁性化される。こうした粒子は、磁場のない場合は普通に挙動するが、磁場のある場合強力な磁気モーメントを示す。適切な条件下で、これらの粒子は、磁場により界面から除去できる。このために、磁場をオンにすることにより固体ゲル相を完全に流体にすることが可能になる。
二流体連続性粒子安定化ゲル1は、異なる屈折率を有する第1流体2及び第2流体3を含むことができ、第1流体及び第2流体は、2を超える屈折率の比を有し、第1流体2が第2流体3より低い屈折率を有するか、或いはその逆である。異なる屈折率を有する第1流体2及び第2流体3が可能な限り高い屈折率の比を有する場合、光学特性が最もよく実現される。したがって、3を超える屈折率の比を有する第1流体2及び第2流体3を含む二流体連続性粒子安定化ゲル1は有用な光学特性をも有することを理解されたい。好ましい実施形態は2を超える比を有するが、2未満の比を有する許容できるゲルも形成できる。
第1の連続流体2又は第2の連続流体3のいずれか一方を蒸発させ、それにより元の流体より屈折率の低い空気又は蒸気で置換することにより光学特性はさらに改変又は改良できる。空気の代わりにケイ素又は他の屈折率の高い材料を堆積させることにより且つ/又は一方の流体に加えてエッチングによりコロイド粒子を除去することにより光学特性はさらに改変又は改良することもできる。これらの鋳型作用は、二流体連続性粒子安定化ゲルを凍結してエッチング及び/又は蒸発の前に固体−二流体連続構造を創出することによっても可能である。
二流体連続性粒子安定化ゲル1の諸特性は、第1の連続流体2及び第2の連続流体3の一方又は両方を、元の構造の機械的な統一性及び形態を保持しながら、固体、蒸気又は気体に置換又は転換することにより変えることもできる。
図2に示すように、界面6に閉じ込められたNNW粒子5は、流体−流体−固体間接触角がNNW角から意図的にずれるように操作できる。NNW粒子5が、XZ及びYZブロックコポリマー(図示せず)を含み、Zが両方の溶媒に対して不溶性である球状ミセル(例えば、フルオロカーボン)である場合、この操作は、例えば、X及びYの相対量及びサイズを変えることにより行われる。同じ効果は、所要の接触角を実現するためにシリカ球などのコロイドに均一表面処理することにより実現される。
中立濡れ条件から意図的にずらすことにより、界面6に自発曲面が付与される。この自発湾曲を使用して、2種の溶媒の相容積が非常に非対称的である場合に二流体連続性の喪失をもたらす、二流体連続状態が小さい相に向かって曲がろうとする傾向を相殺することができる。したがって、流体が非常に非対称的であるにも拘らず二流体連続状態を創出できる。この文脈では「流体が非対称的」とは、一方の流体が他方に対して過剰であることを意味すると理解されたい。近中立濡れ粒子5が界面6に対して偏心して配置されるために、このタイプの二流体連続性粒子安定化ゲル1は、流体−流体界面6において単位容積当りより大きい表面積を有する。この特徴のために、不均一触媒担体又は不均一触媒担体の前駆体としての二流体連続性粒子安定化ゲル1の性能が改良される。又、2種の異なる濡れ角が混合している粒子を意図的に使用すると、それぞれのタイプの粒子の局部的な濃縮を介した粒子積層表面において湾曲を誘導できる。
二流体連続性粒子安定化ゲル1に対して静的弾性率及び降伏応力を与える浸透安定化粒子層4を含む二流体連続性粒子安定化ゲル1を図1及び2に示す。本発明の一実施形態では、NNW粒子5の全てが界面6上に存在する。静的弾性率及び降伏応力は、それぞれ概略1000Pa及び100Paである。この二流体連続性粒子安定化ゲル1は、密度のずれが約10%までの第1の連続流体2及び第2の連続流体3に対する重力下で、10cmを超える高さまで自立を維持している。
降伏応力が約10000Paである二流体連続性粒子安定化ゲル1の更なる実施形態は、比較的重い物体を重力に抗して無限に支持する能力を有する。例えば、それは、掘削からの差し渡しサイズが数センチメートルである切断された岩を浮かせることができる。
これは、有用には、可逆的流動化特性と組み合わせることができる。可逆的流動化では、流体−流体間の界面面積を約30%を超えるまで拡げると、二流体連続性粒子安定化ゲル1の巨視的剛性が失われる。この状況になると、安定化粒子層4の剛性が失われ、安定化粒子層4が流動できる。これは、反発性コロイドに対しておこる。それは、引力性コロイドが十分に強く結合していない場合に、安定化粒子層4内の引力性コロイドに対しても起こる。二流体連続性粒子安定化ゲル1は歪軟化性であるために界面拡張は、バルク応力下でもおこる。降伏応力を超えると、二流体連続性粒子安定化ゲル1は実質的に流動化するが、この流動化は可逆的である(再拘束状態まで)。これは、可逆的流動化が必要とされる、掘削泥及びパーソナルケア製品を含めてのいくつかの用途を有する。
本発明の更なる実施形態では、得られた再拘束状態は異方性を保持する。この場合、せん断は、全ての場合において粒子により安定化された小滴、平行な平面層又は円筒からなる状態を生成することができ、再拘束におけるそれらの特性は元の状態と著しく異なる。このために、二流体連続性粒子安定化ゲル1は特別の特性を有する「流動から構造体までの」ゲルとして使用することが可能である。再拘束状態は、初期状態と異なる形態を有することができる。
二流体連続性粒子安定化ゲルの流体経路、広範な界面及び新規な弾性特性は全て、個別に又は組合せで使用できる。例えば、更なる代替の実施形態では、二流体連続性粒子安定化ゲル構造は、コロイドを架橋することにより、全ての温度において永久化される。これは、ポリマーベースのコロイドにおいて容易に実現できる。
より更なる代替では、粒子は、触媒反応での用途のためにさらに機能化される。可能な用途には、流体間の界面を横切って移動する対象物又は化学薬品を含めることができる。こうしたプロセスは、蛍光トレーサ及び共焦点顕微鏡法を使用して追跡できる。
図3を参照すると、第1の連続流体2と第2の連続流体3の間の界面6のイメージが示されている。
図4を参照すると、第1の連続流体2と第2の連続流体3の間の界面6上に存在する状態の、拘束状態の連続安定化粒子層4のイメージが示されている。又、界面6に閉じ込められたNNW粒子5も示されている。
次に図1〜4の二流体連続性粒子安定化ゲルの調製方法を記載する。その方法は、2種の溶媒が混和性になる温度範囲において2成分溶液(ほぼ等しい容量の2種の不混和性溶媒を含む)にNNW粒子を溶解するステップを含む。次いで、温度を2相領域内まで急冷し、スピノーダル分解を引き起こす(単一相から2相への移行)。このプロセスの初期で、移動性の界面6は、NNW粒子5を「一掃し」、界面6上にNNW粒子5の一部又は全部を含む二流体連続構造を創出する。すなわち、流体が分離し始めるにつれて、NNW粒子6は2種の流体間の界面6に向かって移動する。流体は、界面6が完全にNNW粒子5によりコートされるまで、分離し続ける。急冷後、界面6上のNNW粒子5は、相手に向かって進み、或る期間後に密接に接触し(拘束状態を創出しながら)、その結果二流体連続性粒子安定化ゲル1を形成する。
次に図5A及び5Bを参照すると、二流体連続性粒子安定化ゲル100が以下に要約する手順に従って調製される更なる実施形態が示されている。この場合メタノール200及びヘキサン300である、2種の不混和性の流体を、十分混合できるように加熱する。次いで、特別に改変された表面化学性を有し、直径0.5μmであるシリカコロイド粒子500をこの高温で分散させ、この温度で流体が単一相を形成する(図示せず)。メタノール200及びヘキサン300により概略90度の近中立濡れ角度を得るために表面の化学性を改変する。次いで、混合物をドライアイス浴(図示せず)を使用して非常に速やかに冷却する。冷却は様々な方法により行うことができることを理解されたい。急速に冷却すると、スピノーダル分解として公知の大きなスケールでの不安定性を介して流体が分離する。この分離の進行中に界面600は粒子により固定される。図5Aは、分離を開始した流体を示す。コロイド粒子500は、2種の流体間の界面600上に静止することにより系のエネルギーを低減させる。図5Bにある様に、界面600がコロイド粒子500により完全にコートされるまで流体は分離を続ける(したがって、それらが共有する界面を減少させる)。図5Bでは、メタノール200及びヘキサン300は、連続した流体であり、2種の流体間の界面(図示せず)にわたって広がるコロイドシリカ粒子500を含む安定化粒子層400により分離されている。
所与の実施例では、流体はメタノール及びヘキサンであるが、溶媒の任意の適切な組合せを使用できることを理解されたい。例えば、類似の結果を実現するためにエタノール及びドデカンを使用できることも分かっている。又、所与の実施例では、使用した粒子は直径0.5μmのコロイドシリカ粒子であるが、任意の適切な粒子を使用できることを理解されたい。
溶媒と粒子の他の組合せを使用することもできる。例えば、2種の流体は、部分的にフッ素化されたポリマーコロイド粒子により安定化された界面を有する炭化水素及びフルオロカーボンであり得る。
次に図6を参照すると、2種の流体が、上記の方法において必要とされる熱依存性の混合特性を有することを示すメタノール及びヘキサンに関する相図が示されている。具体的には、この相図は、適切な容積分率及び温度において温度を急冷させるとスピノーダル分解が生成することを示す。
調製の代替法は、高せん断速度で2種の溶媒の混合物中にNNW粒子を激しく分散させることである。十分に強力な流動では、2種の溶媒は密接に混合し、存在するNNW粒子の全てを収容するのに必要とされるよりも大きい界面を有する二流体連続状態を創出する。次いで、流動を停止し、NNW粒子が界面上で密接に接触するようになるにつれて二流体連続性粒子安定化ゲルが形成される。
原理のコンピュータによる証明
上記のメタノール、ヘキサン、シリカコロイド二流体連続性粒子安定化ゲルなど特定の実施例は、現実の材料であり、実験室で調製された。しかし、これらの実験室で分かったことを拡張するために、二流体連続性粒子安定化ゲルを如何にして形成し、存在させることができるかを説明するコンピュータによる証明を以下に示す。
ここでは、新しいクラスの非晶質の軟らかい固体材料、すなわち二流体連続性粒子安定化ゲルの創出を可能ならしめるこれまで未踏の動力学的経路をコンピュータシミュレーションにより確立する。既に暗に示したように、これらの材料では、流体−流体界面において密に詰め込まれた単層のコロイド粒子により、一対の相互に貫入する二流体連続流体ドメインが永久的な配列に凍結される。以下に検討するように、1つの可能な用途は、クロスフロー式マイクロ反応用の媒体としてである。その媒体中では、2種の不混和性の流体が静止した二流体連続性粒子安定化ゲル中を反対方向にポンプ輸送されることにより連続的に密接に接触させられる。
粒子安定化界面の安定性を最大にするために、2種の該液体に対する親和性がほぼ等しいコロイド粒子を選択すべきである。これにより、2種の流体−固体界面張力の値が似たものになり、したがって、流体−流体−固体間の接触角が90度に近く(中立濡れ)なる。次いで、球状粒子は、流体−流体界面において赤道で安定な平衡になる。実際において、この平衡は非常に安定であるため、熱運動のみでこうした粒子を離すことはできない。事実、中立濡れに対しては、粒子の位置に無関係に、流体−固体界面は同じ全エネルギーを有するが、粒子が界面を横断してその中間に存在する場合、流体−流体界面面積は、半径aの円板分だけ減少する。分離エネルギーεは、σを流体−流体界面張力として、この円板の界面エネルギーε=πaである。したがって、ε/kT=(a/aである。ここでa =kT/πσである。T=300°Kで、代表的なσとして0.01Nm−1のオーダー以上である場合、aは0.4nm未満である。したがって、半径1nmに対してでさえ、ε/kT≧10であり、例えばa≧3nmに対しては熱による活性化による分離は、十分無視できる。
次に、流体が十分混和性であり(一般に高温である)、容積分率がほぼ等しい条件下で、近中立濡れ粒子が2成分系溶媒中に懸濁していると仮定する。それらの粒子間の強い引力がない場合、粒子は自由に拡散する。しかし、ここで温度を2相領域まで深く急冷すると、上記のように溶媒はスピノーダル分解により分離する。2種の流体の鋭い界面が急速に発達し、粗大化(coarsening)が起きる。界面がその面積を減少させようとする傾向により駆動されるこの粗大化の間、特徴的な長さスケールL(t)は最初、よく知られた仕方で時間と共に増加し、界面上の隆起が平滑にされ、同じ流体の隣接ドメイン間のネックが摘み取られる。
格子−ボルツマン(LB)シミュレーションを使用して、次に起こることを検討した。粗大化の進行と共に、界面は流体相を掃引し、コロイド粒子を効率的に収集し、次いでそれら粒子が界面上に閉じ込められることが分かった。最初は、付着粒子は、界面の運動にほとんど影響を及ぼさないが、どんどん収集され、界面面積が収縮するにつれて、粒子は間もなく密に充填された単一層に近づく。この時点では、流体は、(i)ある長さスケールL(t)=Lで粗大化を停止するか、或いは(ii)その後収縮を続ける界面から着実に粒子を排斥するかしなければならない。これらのシミュレーションでは、粗大化の大幅な削減及びかなり少ない粒子の排斥が証明された。これにより、密なコロイドフィルムの自由エネルギー景観は、粒子の排斥ではなく粒子のトラップをするものであることが示唆される。
これらのランに対して選択されたパラメータ値は、T=300Kでσ=6×10−2Nm−1である、それぞれが粘度η=10−3Pa、質量密度ρ=10kgm−3を有する対称な一対の流体中の半径a=5nmの粒子である。こうした値は、短鎖炭化水素/水又はアルコール/水混合物の代表的なものである。粒子は、その固い球(水力学的)の半径をいくらか超えて延在する範囲での純粋な斥力的相互作用を有するので、密な単一層においてさえ分離しているように見える。パラメータのマッピングは、無次元コントロール群ε/kT及びaρσ/ηをマッチングさせることにより作成される。コロイド粒子のブラウン運動も含まれるが、かなり小さな影響しかなく、より大きな粒子ではさらに小さな影響しかない。狭い範囲の熱的に可逆なコロイド間の結合の役割についてもチェックしたが、これも殆ど影響しない。両方の観測結果により、ブラウンエネルギースケールと界面エネルギースケールの間の乖離は大であることが確認される。
これらのシミュレーションは、第1種のものであり、現在の資源で実現可能な、最大で最も正確なものである。しかし、いくつかの数字的な妥協が不可欠である(2次元ではより大きなランが実現可能であるが、その場合、二流体連続性の物理は、極度に妥協的である)。第1に、依然としてRe≪1ではあるが、レイノルズ数Re=(dL/dt)ρa/ηは、現実の系の値よりはるかに大きい。より重要には、粒子半径aと流体−流体界面厚さξとの間のスケール乖離は、中程度であるが(ファクタとして2〜3)、格子間隔はξと同程度である。これらのシミュレーションでは、したがって、狭いネック内の粒子は、非常に密に充填されているので、流体−流体界面の間隙面積が不適切に離散化されており、短いスケールの再配列に対するエネルギー障壁を低く表している。最後に、上記の物理パラメータに対して、最大のシミュレーションの有効ラン時間は約300nsに過ぎず、材料を巨視的な拘束ゲルとして確実に認定するのに必要とされる時間スケールからははるかに短い(より大きな粒子、例えば、a=3μmに対しては、等価なラン時間は約5msである)。
したがって、これらの直接的なシミュレーションは、粒子積載界面を有する二流体連続状態を創出するための提案された動力学的経路を認定するものではあるが、この状態が実験室の時間スケールでの十分に拘束化された二流体連続性粒子安定化ゲルであるか否かを教示するものではない。しかし、特に共分散粒子に対するこれらの観測結果は、図7のL(t)曲線内に見られる残留遅延時間動力学にも拘らず、拘束は最終的に行われるという考えと一致する。図7は、単分散(ライン11)及び共分散(ライン10)粒子のラン(格子単位で測定)に対する構造長さスケールL(t)の時間変化を示すグラフである。粒子がなければ、粗大化はライン9の示す傾斜と共に進行する。拘束が近くなると目に見えるようになり、特にライン10である共分散のケースにおける有限の漸近的ドメインサイズLを示唆する。このLは、シミュレーションボックスサイズの1/4未満であり、有限サイズ効果により限定されない。選択されたパラメータ値(5nm粒子に対応)に対して、示されたデータは、L70nmについて実時間約6ns〜300nsのランである。(6ns未満の時間では、流体は拡散的に分離中であるので鋭い界面はまだこれから形成される)。残りのライン11は、単分散のケースに対応する。
ガラスなど他の状態と同様に、二流体連続性粒子安定化ゲルは、飽和のL(∞)=Lに接近するとゆっくりした時効挙動を示すことがある。時効に平行して、ゆっくりした残留粗大化が、上記のLBにおける長さスケールの不完全な分離のために、或いは単分散のケースでは、界面層がゆっくりと局部的な結晶秩序を獲得しようとする傾向のために可能である。(こうした秩序化は、実際の構造拘束を排除するものではなく、むしろ増強する)。遅れた時間での個別の粒子移動を測定することにより、界面フィルム内の粒子移動度も評価された。これは、フィルム内の拡散ではなく、構造の残留時効により支配されることが分かった。これにより、粒子拡散が抑制された2次元のガラスに類似しているという見方が支持される。
この見方に対する更なるサポートが、二流体連続構造に特徴的な2種の特定の構造モチーフの動力学を検証する追加の高分解度のLBランにより得られた。これらの内の1つは、長い円筒(流体のネックを表す)である。粒子がないと、レーリープラトー不安定性により、円筒が小滴に分解することが可能になる。単分散粒子の無秩序な表面コーティングは不安定性を抑制できることは既に分かっていた。界面を有限な振幅で摂動させると、表面層を成長はさせないが、その代わりに表面層を再構成して高度に秩序化された固体フィルムにする。円筒界面上の密な共分散コロイドパッキングに対して高分解度LBを行わせた。摂動させると、これは、秩序化のサインも破壊のサインも示さず、最初の摂動の成長ではなく壊変が見える。壊変が完成する前に、構造が拘束する。保護されない円筒の破壊時間τrより少なくとも4倍長い時間持続する。t≧τrでは、大きなスケールの運動は観察されない。
第2の構造モチーフは、二流体連続表面構造のネックではないセクションの特徴に近い、周期的に波打つ表面である。粒子なしの場合、これは、界面張力により速やかに引っ張られる。このプロセスは、界面の詰込みにより中断される。隆起は粒子なしの場合の少なくとも100倍長く持続し、その際、詰込み状態への初期の遷移導入後に見える無視可能な巨視的な運動を伴う。
これらの高分解度の結果により、十分な界面被覆では、吸着されたコロイド層をガラス類似状態へ詰め込むことにより、ネックも隆起も共に拘束できることが分かる。これらの2種の構造要素(不安定な成長モードを有する円筒及び安定な壊変モードを有するリップル)が組み合わされて、二流体連続性粗大化の駆動フィーチャーであるので、いずれかの拘束が、粗大化を防止するのに十分である。したがって、これらの研究により、流体−流体張力により提供される閉じ込め応力のために固化が可能になるコロイド単一層の詰込み転移により引き起こされる二流体連続性構造の実際の構造拘束に対する非常に強力な支持証拠が提供される。
界面フィルムが実際に拘束すると、3次元において浸透するので、全体の材料は、Lを超えるスケールで固体弾性を獲得する。得られたゲルの静的弾性率Gは、界面エネルギー密度σ/Lに従って増減すべきである。ほとんど全ての粒子が界面上に集まる限り、Φを粒子の容積分率としてL〜a/Φである。σ=0.01Nm−1、0.01≦Φ≦0.1及び5nm≦a≦5μmに対して、20≦G≦2×10Paと見積もられる。これは材料設計に対して非常に広い「可変」範囲である。非線形応力下では、界面面積は、著しく拡張する。中程度(約10%)の拡張のみでも、粒子層の融解及び強力な流動化を引き起こすのに十分である。これは、およそ降伏応力Y≒0.1Gを超える流動と粗大化の両方を引き起こす。応力がY以下にもどると、おそらくは残留性の異方性(ヒステリシス)を伴って再固化が起こる。したがって、これらのゲルの非線形流動挙動は、おそらくはコロイドガラスに類似するが、ブラウンではない界面力によるはるかに高い応力による顕著な歪融解を示すことができる。ゲルの材料特性に対する上記の見積もりは、界面力によるコロイドの詰込みに由来し、純粋な斥力粒子に対しても適用される。如何なる追加の結合引力も、十分な強度がある場合、界面層の合成を増強するが、単一層が形成される前にバルク相内のコロイドの集合化を起こすリスクもある。ゲル形成後のコロイドの融解(例えば、照射による)は、構造を完全に安定化させ、流動挙動を大きく変える。
バルクの弾性率と並んで、二流体連続性粒子安定化ゲルは、更なるいくつかの興味ある物理特性を有することが期待されている。第1に、いずれかの溶媒に暴露された場合、二流体連続状態は等しくその不溶性を維持すべきである。これは、圧縮により形成される粒子安定化エマルションゲルと異なる。というのは、このゲルでは、過剰の連続相により、小滴が分離することが可能になり、巨視的な剛性が失われるからである。(二流体連続性粒子安定化ゲルでは、これは起きない。というのは、2種の相互貫入流体のいずれもが、全体の界面面積を増加させることなしには、その容積を変えることができないからである)。したがって、二流体連続性粒子安定化ゲルは、両方の流体のバルク相と同時に共存することを準安定的に支援する。これは、中間相マイクロエマルションの平衡特性に類似しているが、このマイクロエマルションは、二流体連続性粒子安定化ゲルと異なり、ゲル相ではなく、それらの大きな界面移動度の結果としての非粘性流体である。
第2に、二流体連続性のために、成分溶媒及びそれらに溶解した任意の試薬のゲルに対する大きな浸透性がもたらされる。したがって、二流体連続性粒子安定化ゲルは、連続プロセスマイクロ反応用の媒体としての潜在能力を有する。具体的には、静的ゲルは、両方の流体が同時に反対方向に定常的に浸透して流れることを支援する。これにより、相互に不混和な流体中にのみ溶解可能な2種の分子試薬が、コロイド間の間隙領域にある流体−流体界面で密接に接触するようになる。いずれかの相に溶解可能な生成物は、連続的に掃引される。この概念を試験するために、2種の流体が構造中を反対方向に移動するLBシミュレーションを行った。このシミュレーションの時間スケールでは、ゲルは、破壊されることなく、このクロスフローを維持するのに十分な機械的統一性を有することは容易である。これまでに行われた物理パラメータ上でのマッピング内では、選択されたクロスフローの流体速度ν=0.01σ/ηは、10cms−1のオーダーである:細孔スケールLが70nmのオーダーに過ぎない場合、これは極めて大きな値である。ローカルなせん断速度は、10−1のオーダーである。
要約すれば、界面に閉じ込められた粒子を有する自己組織化二流体連続構造の形成を示すシミュレーションデータが示されている。これは、温度の急冷を受ける、当初は混和性の2成分系溶媒中のコロイド懸濁液に関連する新規な動力学的経路に従ったものである。このシミュレーションにより、構造を究極的に完全に拘束させることと一致する、粗大化の大きな削減が分かる。適切な構造モチーフ(隆起及びネック)の高分解度によりさらに支援される筋書きである。これにより、潜在的に注目すべき物理特性を有する、新規なクラスのゲル、すなわち二流体連続性粒子安定化ゲルの創出への経路が示唆される。
中立濡れ角からのずれにより、二流体連続性状態ではなく個別の小滴を形成しようとする傾向がもたらされるが、これは、急冷の速度を変えることにより部分的には克服でき、予備検討では、80〜100度の接触角は全て同様な挙動を示すことが示唆されている。シミュレーションに関する更なる情報は以下に含まれる。
本明細書に記載のシミュレーションでは、簡単のために、等しい密度ρ及び粘度ηを有する完全に対称的な一対の流体を選択した。分離を制御する相図も対称的であり、以下の自由エネルギー関数
F[ψ]=Aψ/2+Bψ/4+K(∇ψ)/4 (1)
により記述され、(1)式中オーダーパラメータψは、流体組成を表し、パラメータA、B及びKの選択により流体−流体の界面張力σ及び厚さξが決まる。
2つの固体−流体界面張力は、厳密に等しく、J.Stat.Phys.中で(総説として)K.Stratford、R.Adhikari、I.Pagonabarraga及びJ.−C.Desplatが報告しているのと同様な界面の熱力学が適用されている。流体−流体界面がコロイドのスケールにおいて鋭くなり(下記を参照されたい)、界面の熱励起(熱毛細管波)が無視できる深い急冷を選択した。しかし、熱ノイズは、流体の運動量の記述中に十分に含めた−これによりコロイドに対してブラウン運動が与えられる。次いで、物理学的に関連するパラメータは、粘度η、粒子半径a、流体−流体界面張力σ及び熱エネルギーkTである。(流体密度ρはスケールアウトできる)。
2成分系流体に対して、球状の固体粒子を組み込む格子ボルツマン法を使用した。コードは、共用のメモリパラレルマシン上でオープンMP下で現実に動くが、MPI(メッセージパッシングインターフェース)バージョンは、より大きい分散型メモリーマシン上で使用するために現在開発中である。2成分系流体のみに対しては、スピノーダル分解はこのコードを使用して広範に検討され、その文脈ではこの方法は十分に有効である。コロイドに対しては、2成分系溶媒にも可能であるように改変された標準的な「バウンスバックオンリンク」法を使用した。ブラウン運動は、J.Fluid Mech.271巻、285(1994)及びJ.Fluid Mech.271巻、311(1994)のLaddの方法とは異なるが、非常に関連のある変動流体法により実現される。
粗大化の物理学に関連する特徴的な長さ及び時間スケールは、L=η/(ρσ)及びt=η/(ρσ)であり、本文中で選択された物理パラメータに対してL≒14nm、t=0.22nsである。LBの「格子単位」での同じ量をコンピュータ計算すると、原理的には、長さ及び時間のスケールを実験にマッチさせることが可能になる。しかし、実際には、必ずしも無次元のコントロールパラメータ全てを完全にマッチさせることはできない。例えば、流体の粘度に対する慣性力の相対的重要度を特徴付けるレイノルズ数、Re=(dL/dt)ρa/ηを1に比較して小さくすることはできるが、物理的な値まで小さくすることはできない。ε/kT及びa/Lは、前記したように十分マッチできる。次いで、継続時間300nsのような最長のランの確認が、tの定義から続く。流体−流体−固体の濡れ挙動を忠実に表すために、格子単位において1≪ξ≪aであることが必要とされるが、これはぎりぎりでしか実現できない(値については以下を参照されたい)。
周期的境界条件を与えて128×128×128サイトの格子を使用して2種のシミュレーションを行った。主たる成果のためのランには、32−プロセッサIBM p696+システムで約1週間、48−プロセッサSun E15Kシステムで約2〜3週間を要した。物理的な傾向が予想通りであることをチェックするために、これらに、同じスケールでの更なるラン及び多数のより小さい64及び32ランを加えた。系が小さすぎる場合、流体運動は、Lがボックスサイズに近くなると(この場合、3次元での平均0の曲率状態をもたらす界面を有する)、粒子の単一層がなくても人工的に拘束化される。この状態には、より小さい系のサイズではよく到達した。しかし、ドメインの長さスケールを時間の関数として示す図7は、128回のランでは、Lは、系のサイズより著しく小さく留まることを裏付ける。粗大化の劇的なスローダウンは有限サイズ効果ではない。自由エネルギーパラメータは、A=−0.002、B=0.002、k=0.0014であり、界面厚さξ=1.14、張力σ=0.0016、流体密度ρ=1、及び粘度η=0.1(全て格子単位で)が得られた。流体は、十分混合され、静止するように初期化された。スピノーダル分解を誘導するために、ψ場に対して小振幅のランダムノイズを加えた。同時に、コロイドを系全体にランダムに静置させた。300Kに相当する熱変動を含ませた。第1のシミュレーションは、固体の容積分率20%を提供する半径a=2.3格子単位(物理的単位では5.4nmに対応)の8229個の粒子を有する単分散懸濁液である。共分散シミュレーションは、半径a=2.3格子単位の4114個のコロイド及び半径a=2.7格子単位の2407個のより大きい粒子を有する。両方のシミュレーションは、最初、物理時間で275nsである520000時間ステップで行われた。次いで、クロスフローを検証するために、両分散のランをさらに行った(以下を参照されたい)。
ナノコロイドではなくミクロンスケールのコロイドをモデル化するためのパラメータを選択する場合、より長い物理時間スケール(ミリ秒のオーダー)で行われることを留意されたい。しかし、粗大化問題に対して必要とされるようなL及びtに対する実際の値を維持しながら、自由コロイド(任意のサイズの)のブラウン緩和時間に比較して非常に長い時間スケールに対するランは現在実際できていない。
格子上では、コロイドは個別のブロック状の物体である。これを考慮して、適切な水力学的な半径aを計算するために補正を行う。これは、格子上の個別のコロイドと同じストークスの平均抵抗因子6πηaを示す球の半径である。本明細書で使用される粘度(η=0.1)に対して、より小さいコロイドの実際の水力学的半径は、同じであり、a=a=2.3であることが分かっているが、より大きい粒子に対しては水力学的半径がやや大きい(a=2.74、a=2.75)。粒子間の流体媒介の相互作用は、コロイドが格子上で分離している場合、LB内でよく表されるが、コロイド−コロイド間の分離hが格子スケールより小さい場合、これが成り立たない。これは、人為的に潤滑力を加えると、標準的な手順で修正できる。これらのランでは、対をなす潤滑相互作用の正規(h−1)成分は、粒子間分離h<h=0.7格子単位で修正される。潤滑力のはるかに弱い横断成分は無視する。
潤滑力自体のコンピュータ計算は、同時の相互潤滑接触におけるコロイド粒子の数Nの正しくない(N)スケーリングの場合の主たる数値練習になる。流体−流体界面での閉込めは、非常に大きなNをもたらすので、これに対する回避法は不可欠である。それは、粒子が約0.3格子単位より近くに接近するのを有効に防止する追加の対の熱力学ポテンシャル(∝h−2)を加えることにより実現する。これは、界面単一層内の粒子間の目に見える残留スペーシングをもたらす。こうした狭い範囲の斥力は、物理的に極めて普通であり、我々のシミュレーションの真実性を著しく損なうものではない。
潤滑力のこの処理と異なり、熱力学部分では、粒子間力に対する同等の補正は何ら行われない。したがって、密な粒子層に対しては、間隙内に比較的わずかしか流体−流体ノードが残っていない。このために、界面エネルギーが低く見積もられ、粒子が界面上で密に充填された後の連続したゆっくりの粗大化及び分離が説明できる。具体的に、1又は2個の粒子の幅しかない狭いネックは、封入された溶媒を含む流体ノードを持たない内部的に「乾燥した」状態になることができる。この問題は、構造モチーフに対する高分解度のランに対しては緩和される。これらは、いくらか大きい粒子サイズを有するが、界面構造(ネック、隆起)自体に対してはかなり大きい長さスケールを有する。
クロスフローシミュレーションに対しては、Ψ依存性のボディ力が、異なる相を反対方向に駆動する流体に適用された。ポンプ流(圧力勾配により駆動される)は、著しく異なるとは予想されていない。拘束に近い状態が520Kで完成した後、ボディ力にスイッチを入れ、定常に近い流れを確立することが可能になるように600Kステップまでシミュレーションを行った。速度の平均を最後の20Kステップにわたって記録し、ストリームラインリボンを発生させるために使用した。小数の自由粒子(界面に付着していない)は、この時間中明らかに移動している;界面の運動自体は無視できる。別のランでは、強制力を増加させて構造の復元力を試験した。前記の例より20倍大きい過渡的な(〜0.5ns)強制力は、界面構造の著しい変形をもたらしたが、強制力を取り除くと弾性的に一部が回復した。しかし、この強制力を維持すれば構造のメルトダウンがもたらされることは明らかである。
ブラウン運動の役割をチェックするために、最初のパラメータが既に述べたのと同様であるランの途中でこの強制力のスイッチを切った。界面における粒子の目に見える揺動が減少したが、巨視的な運動には殆ど影響しなかった。熱的なノイズレベルを減少させることは、粒子の半径を増加させることと等価である。ランの冒頭からノイズがない場合でも、上記に非常に類似した結果であることが分かった。拘束の物理学はブラウン運動と、したがって粒子サイズとほとんど無関係である。コロイド間の引力的な結合の相互作用の役割についても同様なチェックを行った。非常に大きい引力(界面力と互角に競合するのに必要とされるのと同様な)であれば大きな影響を与えることも可能であるが、最高でもkTの数倍の結合エネルギーでは、上記の純粋に斥力的なランとのはっきりした相違は分からなかった。
前記と同じ流体パラメータであるが、平均の粒子サイズがやや大である系を使用して、より高い分解度の検討を行った(円筒では、2.7及び4.1格子単位、波状の表面では、2.1及び3.2)。これらの粒子サイズは、水/炭化水素混合物モデル(300Kでη=10−3Pas、ρ=10kgm−3及びσ=6×10−2Nm−2)に対する5nm〜9nmの物理半径に対応する。これらの検討では、充填フィルム内のノンゼロの表面−表面接触距離hを維持するために使用される熱力学的な相互作用ポテンシャルには、h=0.4格子単位以上で消滅するように補正で切り捨てられる、デバイ長さλ=0.2格子単位を有する遮蔽されたクーロン相互作用が含まれていた。相互作用力(有効には、表面電荷)の大きさは、この格子の単位セルの全エネルギーを最小化することにより見積もられた調和平均サイズの粒子の正三角形格子に対する平衡値がh=1.0格子単位になるように選択される。これにより、オーダーが1格子間隔における密な層内の粒子の表面−表面間隔が維持され、このために、選択された粒子サイズに対して、粒子間の間隙内の流体−流体界面の熱力学が個別化によりうまく説明できるのである。
利点と概要
二流体連続性粒子安定化ゲルは、ある温度範囲及び様々な条件において巨視的な剛性及び微視的な流動性が実現されるように調整が可能である新規なジャンルの材料を表すものである。これらのゲルは、外部の溶媒による攻撃に対して強固であり、巨視的に剛性である場合、外力下でさえそれらの巨視的な剛性を無限に保持する。さらに、二流体連続性粒子安定化ゲルは、極めて融通性が大であり、可変性が大であり、光学的な特性、大きな熱伝導性、大きな界面面積及び調整可能な細孔サイズなど更なる巨視的な諸特性を示すことができる。
二流体連続性粒子安定化ゲルは、いくつかの注目すべき特性を有しており、その多くは、その材料の非平衡の拘束性から直接に由来するものであり、それは、他の類似の平衡相である二流体連続性マイクロエマルション(これは、広い意味で類似の構造であるが、コロイドの拘束した単一層ではなく界面活性剤の平衡な流体単一層により安定化されている)とは大きく異なる。既に議論したように、二流体連続性粒子安定化ゲルは、容積分率及び固体粒子の半径を介して弾性及び細孔サイズを大きく調整することが可能である。半径は、本明細書に記載の経路による構造形成の物理に抵触することなく、ミクロンからナノメートルまで変えることができる。
本発明は、コロイド粒子を使用して別の液体中の1つの液体の球状エマルション小滴を安定化させる従来のワークとは異なる。圧縮下で、こうしたエマルションは、興味ある機械特性を有する強固なゲル相を形成できるが、二流体連続性は、それらの中には存在しない。粒子安定化エマルションへの現在の好ましい経路は、不混和性の流体の攪拌を含むものであるが、二流体連続性に好ましくないように見える。他の関連した従来技術には、2種の液体の内の1種に対する好みが大きいので、界面ではなく選択された液体内に粒子のネットワークを創出する粒子が含まれる。
二流体連続性粒子安定化ゲルは、巨視的に永久に剛性になるように、或いは可逆的に流動化可能であるように配合することができる。第1の場合は、流体−流体界面上粒子間に結合相互作用が存在する場合に起こる。第2の場合は、粒子が相互に反発する場合に起こる。次いで界面が剛性になるのは、粒子が一緒に詰め込まれるからであり、界面面積を拡げることにより移動ができるようになる。
二流体連続性粒子安定化ゲルでは、流体は、両方が試料全体に拡がり、巨大な相互界面を有するように配置される。この界面は、コロイド粒子のみで安定化される。2種の浸透する液体ドメイン、大きな界面及び有望な粘弾性特性のために、これらの構造が様々な用途に対して魅力的になることができる。
二流体連続性粒子安定化ゲルは、様々な技術におけるいくつかの用途を有することができるが、その内の一部については本明細書で明確に述べなかったことに留意されたい。具体的には、二流体連続性粒子安定化ゲルは、パーソナルケア配合物、食料品、掘削泥及び薬品の分野において有用である。
図に示した配置は、例示のみであり、二流体連続性粒子安定化ゲルの他の配置が存在できることは明らかである。例えば、二流体連続性粒子安定化ゲルは、任意の粒子が界面で合体する場合、二流体連続性状態を形成できる複数の非混和性の流体を使用して、二流体連続性又は多重連続性粒子安定化ゲルを形成できる。
更なる改変及び改良は、本明細書で意図した発明の範囲を逸脱することなく組み込むことができる。
本発明の実施形態に従って第1及び第2流体及び固体状フィルムの局所配置を示す二流体連続性粒子安定化ゲルの2次元概略図である。 本発明の実施形態に従って二流体連続性粒子安定化ゲルの2種の流体成分間の界面における連続単一層の近中立濡れ粒子の2次元概略図である。 本発明の実施形態に従って2種の二流体連続流体間の界面のコンピュータにより求められた3次元像である。 本発明の実施形態に従って拘束状態における安定化連続粒子の全体的なトポロジーを示すコンピュータにより求められた3次元像である。 第1及び第2流体、並びに二流体連続性粒子安定化ゲル形成時に第1及び第2流体間の界面上に寄せ集まった粒子を示す図である。 第1及び第2流体、並びに二流体連続性粒子安定化ゲル形成時に第1及び第2流体間の界面上に寄せ集まった粒子を示す図である。 温度による2種の化合物の混合状態を示す、メタノール及びヘキサンの相図である。 ゲル形成中の構造長さの時間変化を示すグラフである。

Claims (46)

  1. 特定の温度範囲内で不混和性である第1流体及び第2流体と、
    密接に接触した安定な粒子の連続層を含む安定化粒子層であって、前記粒子が第1流体と第2流体の間の連続界面に位置し、第1及び第2流体が相互に貫入するドメインである層と
    を含む二流体連続性粒子安定化ゲル。
  2. 第1流体が疎水性であり、第2流体が親水性であるか、或いはその逆である、請求項1に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  3. 流体の一方がオイルである、請求項1又は請求項2に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  4. 流体の一方が水である、請求項1又は請求項2に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  5. 粒子の連続層が部分濡れ(partially wetting,PW)粒子を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  6. PW粒子が近中立濡れ(near−neutral wetting,NNW)粒子である、請求項5に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  7. NNW粒子が70と110度の間の接触角を有する、請求項6に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  8. NNW粒子が75と105度の間の接触角を有する、請求項6に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  9. NNW粒子が85と95度の間の接触角を有する、請求項6に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  10. PW粒子が拘束状態にある、請求項5から9までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  11. PW粒子が磁気活性である、請求項5から10までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  12. 磁気活性なPW粒子が超常磁性である、請求項11に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  13. PW粒子が導電性である、請求項5から12までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  14. PW粒子がシリカビーズである、請求項5から10までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  15. PW粒子がヤヌス(Janus)ビーズである、請求項5から13までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  16. PW粒子が球状生体分子である、請求項5から13までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  17. PW粒子が、PW粒子の表面全体に拡がった2種のタイプA及びBのフレキシブル鎖を含む混合ポリマー表面を有するコロイド粒子であり、A及びBは、Aが第1流体に対する親和性を有し、Bが第2流体に対する親和性を有するか、或いはその逆であるように選ばれる、請求項5から13までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  18. PW粒子が、XZブロックコポリマーとYZブロックコポリマーの等量混合物を含む球状ミセルであり、Xは第1流体に対する親和性を有し、Yは第2流体に対する親和性を有するか、或いはその逆であり、Zは第1流体にも第2流体にも不溶性である、請求項5から13までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  19. PW粒子が、その表面上の異なるパッチでミクロ的に不均一な濡れ特性を有するコロイド粒子である、請求項5から13までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  20. 二流体連続性粒子安定化ゲル構造が、2つの相互貫入ドメインの非晶質配置を含む、請求項1から19までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  21. 更なる粒子、構造又は添加剤が、第1流体及び第2流体の一方又は両方に存在する、請求項1から20までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  22. 引力相互作用を有する粒子を含む、請求項1から21までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  23. 粒子が、第1流体及び第2流体の一方又は両方の中で流動状態又は集合状態にある、請求項22に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  24. 第1流体及び第2流体の一方又は両方の中で、流動状態又は集合状態にあるエマルション小滴を更に含む、請求項1から23までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  25. 二流体連続性粒子安定化ゲルが、多重連続流体又はゲル構造を含む複数の相互貫入ドメインを含み、複数の相互不混和性流体を同時に通すことが可能である、請求項1から24までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  26. 二流体連続性粒子安定化ゲルが、水及びオイルベース溶媒に対して不溶性であるが、オイル及び水ベース溶媒の両方に対して透過性を保っている、請求項1から25までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  27. 二流体連続性粒子安定化ゲルが、異なる屈折率の第1流体及び第2流体を含み、第1流体は第2流体より低い屈折率を有するか、或いはその逆である、請求項1から26までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  28. 二流体連続性粒子安定化ゲルが、配合により調整可能な熱伝導性を示す、請求項1から27までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  29. 二流体連続性粒子安定化ゲルが、実質的に流動化状態に変換するように構成されている、請求項1から28までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  30. 流動化が可逆的である、請求項29に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  31. 可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルが、二流体連続性粒子安定化ゲルが復帰する初期拘束状態及び最終再拘束状態を含む、請求項30に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  32. 可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルが、巨視的に変形可能である、請求項30から31までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  33. 可逆的流動化状態にある二流体連続性粒子安定化ゲルが、異なる形態を有する初期拘束状態及び最終再拘束状態を含む、請求項30から32までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  34. 再拘束状態が小滴、平行な平面層又は円筒を含み、再拘束での諸特性が初期状態と異なる、請求項33に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  35. 磁気を使用して、請求項1から34までのいずれか一項に記載の二流体連続性粒子安定化ゲルの諸特性を変える方法。
  36. 二流体連続性粒子安定化ゲルを磁場にかけるステップと、
    磁場を使用して界面から粒子を除去するステップと
    を含み、界面から粒子を除去することにより初期二流体連続性粒子安定化ゲルをその後完全に流動化する、請求項35に記載の二流体連続性粒子安定化ゲルの諸特性を変える方法。
  37. 流体が混和性である温度において、ほぼ等容量の少なくとも2種の流体中にPW粒子を供給するステップと、
    温度を流体が不混和性になる温度に変化させ、流体の相分離を引き起こし、それにより、流体間の連続界面に位置するPW粒子を伴う相互貫入流体ドメインを有するゲルを形成するステップと
    を含むゲルの作製方法。
  38. 相分離がスピノーダル分解である、請求項37に記載のゲルの作製方法。
  39. 混合により2種の溶媒の混合物中にPW粒子を分散させ、それにより、PW粒子全てを収容するのに必要とされるより大きな界面面積を有する二流体連続状態を創出するステップと、
    混合を停止して、PW粒子を連続した流体−流体界面上で密接に接触させ、ゲル形成を促進するステップと
    を含む二流体連続性粒子安定化ゲルの作製方法。
  40. NNW粒子を、所定の温度範囲においては不混和性であるほぼ等容積の少なくとも2種の溶媒を含む溶液に、2種の溶媒が混和性となる第2の温度範囲で、溶解するステップと、
    溶媒が不混和性である2相領域に温度を変え、相分離を引き起こし、それにより溶媒間の界面にNNW粒子を閉じ込めるステップと
    を含むゲル作製の方法。
  41. 混合により2種の溶媒の混合物中にNNW粒子を分散させ、それにより、NNW粒子全てを収容するのに必要とされるより大きな界面面積を有する二流体連続状態を創出するステップと、
    混合を停止して、NNW粒子が連続した流体−流体界面で密接に接触し、ゲル形成を促進するステップと
    を含む二流体連続性粒子安定化ゲル作製の方法。
  42. 第1及び第2流体がそれぞれメタノール及びヘキサン、又はエタノール及びドデカンである、請求項16に記載の二流体連続性粒子安定化ゲル。
  43. PW粒子がシリカビーズである、請求項40に記載の方法。
  44. 2種の流体がそれぞれメタノール及びヘキサン、又はエタノール及びドデカンである、請求項43に記載の方法。
  45. PW粒子がシリカビーズである、請求項39に記載の方法。
  46. 2種の溶媒がそれぞれメタノール及びヘキサン、又はエタノール及びドデカンである、請求項45に記載の方法。
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