JP5294664B2 - Ft合成油中の失活したft触媒の選択的除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一酸化炭素と水素を原料としたフィッシャー・トロプシュ合成法(以下、「FT合成法」と略す。)により得られる合成粗油と磁性を有するフィッシャー・トロプシュ触媒からなるスラリーを反応器から抜き出し、スラリー中の高活性な触媒は分離して反応器に循環させ、低活性な触媒は系外に排出するとともに合成粗油を取得するために、該スラリーを、2段階の液固分離工程により処理し、活性の低下したFT触媒を選択的に除去する方法に関する。
近年、環境負荷低減の観点から、硫黄分及び芳香族炭化水素の含有量が低く、環境にやさしいクリーンな液体燃料が求められている。そこで、石油業界においては、クリーン燃料の製造方法として、一酸化炭素と水素を原料としたFT合成法が検討されている。FT合成法によれば、パラフィン含有量に富み、かつ硫黄分を含まない液体燃料基材、例えばディーゼル燃料基材を製造することができるため、その期待は非常に大きい。例えば環境対応燃料油は特許文献1でも提案されている。
特開2004−323626号公報
一方、一酸化炭素と水素を原料としたFT合成法の触媒は、従来、鉄系の固体触媒が多いが、近年は高活性なことからコバルト系の固体触媒も開発されている。
ここで、FT合成法の反応形態は、固体触媒が生成物の炭化水素中に懸濁するスラリーの態様であることが多い。したがって、触媒を含まない合成粗油を得ることのほかにも、得られるFT合成のスラリー中の触媒を回収、再使用することが、プロセスのコスト低減から必要である。
FT合成の反応器からは触媒の懸濁したスラリーが得られるので、これから触媒を回収して再使用し、一方で触媒を含まない合成粗油を取得することが好ましい。
FT合成の反応器中では触媒は含酸素化合物により酸化されることがあり、またFT反応により触媒上にコーク析出が起こることがあり、いずれによっても触媒は低活性化し、それにより触媒効率が低下する。
従って触媒を回収再使用するとしても、低活性な触媒は廃棄し、高活性な触媒のみを回収、再使用したい。
本発明者らは、上記反応活性の低いFT触媒粒子の磁性が弱いことを見出した。たとえば、コークが析出した触媒粒子は、単位重量当たりの磁性(磁化率)が低下するものであり、また例えばコバルト金属は酸化状態では磁化率が弱いため、磁性の大小を基準にして触媒を選別するのが有効である。
すなわち、本発明の第1は、フィッシャー・トロプシュ合成の反応器からフィッシャー・トロプシュ法により得られる合成粗油と磁性を有するフィッシャー・トロプシュ触媒を含むスラリーを抜き出し、該スラリーを、2段の液固分離工程により処理することからなり、ここで、
初めの第1段は、高勾配磁気分離機により前記スラリー中から触媒を分離、回収して、これはフィッシャー・トロプシュ反応器に循環させて再使用し、前記第1の高勾配磁気分離機は、磁場強度が15000ガウス以上、前記分離機内の液温度(処理温度)が100℃以上400℃以下、滞留時間が15秒以上で運転される第1段のサブ工程、
次の第2段では、ろ過装置により、残留した磁性の小さな触媒をスラリー中から分離し、これは系外へ排出し、合成粗油を取得する第2段のサブ工程を含んでなることを特徴とする、
磁性の小さなフィッシャー・トロプシュ触媒をフィッシャー・トロプシュ反応器から選択的に除去する方法に関する。
本発明の第2は、本発明の第1において、前記第2段で、系外へ排出されるフィッシャー・トロプシュ触媒の磁性が、フィッシャー・トロプシュ反応器出口でのスラリー中のフィッシャー・トロプシュ触媒の磁性よりも小さいことを特徴とする、磁性の小さなフィッシャー・トロプシュ触媒をフィッシャー・トロプシュ反応器から選択的に除去する方法に関する。
反応活性の低い触媒粒子を選択的に分離、除去し、残りをリサイクルするので、FT合成プロセスの効率を向上させることができる。
そして、第1の磁気分離工程では、磁性が大きく、高活性な残留触媒が、その大部分が分離、取得されており、残りは低活性な触媒が大部分であるので、第2段をろ過装置による分離とすることで、残留触媒の低減されたFT合成粗油を取得するのが容易となる。
以下に詳細に本発明を説明する。
以下、図1を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。図1に示すように、ライン1から一酸化炭素ガスと水素ガスを含む合成ガスを供給し、FT合成反応器10におけるFT合成反応により液体炭化水素が生成される。合成ガスは、たとえば適宜に炭化水素の改質等により得ることができる。代表的な炭化水素としては、メタンや天然ガス、LNG(液化天然ガス)等を挙げる事ができる。たとえば、酸素を用いた部分酸化改質法(POX)、部分酸化改質法と水蒸気改質法の組合せである自己熱改質法(ATR)、炭酸ガス改質法などを利用することもできる。
次に図1につきFT合成についてさらに説明する。
FT合成はFT合成反応器10を備える。反応器10は、たとえば気泡塔型反応器とすることができ、これは合成ガスを合成して液体炭化水素とする反応器の一例であり、 FT合成反応により合成ガスから液体炭化水素を合成するFT合成用反応器として機能する。
反応器10本体は、略円筒型の金属製の容器であって、その直径は1〜20m程度、好ましくは2〜10m程度である。反応器本体の高さは10〜50m程度、好ましくは15〜45m程度である。反応器本体の内部には、液体炭化水素(FT合成反応の生成物)中に固体の触媒粒子を懸濁させたスラリーが収容される。
この反応器の途中からライン3を経てスラリーの一部を分離機20に流出させる。反応器10の塔頂からは、ライン2により未反応の合成ガス等を排出させ、適宜に一部はライン1に戻して反応器10に循環させる。
外部から合成ガス供給管1を通じて供給された合成ガスは、合成ガス供給口(図示せず)から、反応器10内部のスラリー中に噴射される。合成ガスは触媒粒子と接触する接触反応により、液体炭化水素の合成反応(FT合成反応)が行われる。具体的には、下記化学反応式(1)に示すように水素ガスと一酸化炭素ガスとが合成反応を起こす。
2nH十nCO→(−CH−)n+nH0 ....(1)
具体的には、合成ガスをライン1から反応器10の底部に導入し、反応器10内に貯留されたスラリー内を上昇させる。この際、反応器内では、上述したFT合成反応により、当該合成ガスに含まれる一酸化炭素と水素ガスとが反応して、炭化水素が生成される。この合成反応時には発熱するが、適宜の冷却手段で除熱する。
FT金属触媒は担持型や沈積型等あるが、いずれにしろ、鉄族金属を含む固体粒子である。固体粒子中に、金属は適宜の量が含まれるが、100%金属でも良い。鉄族金属としては鉄が例示されるほか、高活性な点から、コバルトが好ましい。
上記FT合成反応器10に供給される合成ガスの組成比は、FT合成反応に適した組成比(例えば、H:CO=2:1(モル比))に調整されている。なお、反応器10に供給される合成ガスは、適宜の圧縮機(図示せず)により、FT合成反応に適切な圧力(例えば3.6MPaG)まで昇圧される。ただし、上記圧縮機は、設ける必要がない場合もある。
かくして反応器10で合成された液体炭化水素は、反応器10の途中のライン3から触媒粒子の懸濁するスラリーとして取り出されて、触媒の分離、回収工程に供される。
触媒分離、回収工程では、図に示すようにそれぞれ液固分離器からなる2つの分離工程20、30が直列に配列されている。
本発明では、第1の分離工程20は、高勾配磁気分離機による磁気分離工程であり、第2の分離工程30は、ろ過器による分離工程である。
すなわち、第1の高勾配磁気分離機20では、磁性のより強い触媒粒子を分離し、磁性の強い触媒粒子は反応活性の依然として高い粒子であるので、これはライン21からFT反応器10にリサイクルすることとする。分離する磁性の程度は、任意に予め設定することができる。
例えば、FT反応器から抜き出した第1の高勾配磁気分離機20に導入される前のスラリー中の触媒粒子群の磁性を基準にし、これよりも高い磁性の粒子を捕捉、分離し、リサイクルするようにすれば良い。
磁性の強い粒子が分離除去された残りのスラリーは、ついで次のろ過による分離工程30へライン22により送液される。
以下に高勾配磁気分離器機20による分離操作を説明する。この工程は、抜き出されたFT合成粗油中に含まれる磁性粒子を、高勾配磁気分離機20により分離除去するものである。以下に当該磁気分離工程を説明する。
すなわち、FT合成粗油を高勾配磁気分離機20により処理して磁性粒子を分離除去する。FT合成用触媒としての鉄族金属の態様は、鉄にしろコバルトにしろ、一定の磁化率を有し、常磁性を示すこともわかった。したがって、磁気分離による除去が相当程度有効である。
本発明で用いる高勾配磁気分離機20とは、外部の電磁コイルにより発生する均一な高磁場空間内に強磁性の充填物を配置し、充填物の周囲に生じる通常1〜20kガウス/cmの高い磁場勾配により、充填物の表面に強磁性あるいは常磁性の微粒子物質を付着させてそれらを分離し、さらに付着した粒子を洗浄するように設計された磁気分離機である。たとえば、高勾配磁気分離機としては登録商標”FEROSEP”等で知られる市販機を使用することができる。
上記強磁性充填物としては、通常1〜1000μmの径をもつスチールウールあるいはスチールネットのような強磁性細線の集合体、エキスパンドメタル、貝殻状金属細片が用いられる。金属としては耐食、耐熱性、強度に優れるステンレススチールが好ましい。
そのほか、特開平7−70568号公報で提案されているような、強磁性金属片が二つの面を有する板状体であって、その二つの面うち面積が広い方の面の面積が、直径R=0.5〜4mmの円の面積と等しく、かつその板状体の最大厚さdに対するRの比、R/dが5〜20の範囲にあり、しかもその板状体がFeを主成分とし、Crを5〜25wt%、Siを0.5〜2wt%、Cを2wt%以下の量で含有するFe−Cr系合金からなる強磁性金属片もまた好ましく利用できる。
高勾配磁気分離機20でスラリー中の磁性微粒子を分離する工程は、該留分を高勾配磁気分離機20の磁場空間内に導入し、磁場空間内に置かれた強磁性充填物に磁性微粒子を付着させてスラリーから除去する。次に充填物に付着した磁性微粒子を洗浄除去する工程は、一定面積の充填物に捕捉できる磁性微粒子の量には限界があり、捕捉量が一定量又は限界量に達したならば捕捉した磁性微粒子を充填物から洗浄除去する。この洗浄除去工程は、磁場を断って磁性微粒子を脱離させ、これを洗浄液によって磁気分離機外に排出することによって行われる。スラリー中に含有される磁性微粒子の磁気分離条件ならびに充填物に捕捉され付着した磁性微粒子の洗浄除去条件を以下に述べる。
高勾配磁気分離機20の分離条件としては、磁場強度は15000ガウス以上が必須であり、30000ガウス以上が好ましい。分離機内の液温度(処理温度)は100℃400℃が必須であり、100℃300℃以下が好ましく、さらに100℃200℃好ましい。液滞留時間(滞留時間)は、15秒以上が必須であり、50秒以上が好ましい。
本発明では、高勾配磁気分離機20は、上記分離条件を適宜に設定することにより磁性による粒子の分離が可能である。
次に、磁性微粒子の分離操作を継続すると、充填物に付着した磁性微粒子の量の増加につれて除去率が低下する。従って除去率を維持するためには、一定時間通油した後、捕捉した磁性粒子を磁気分離機外へ排出する洗浄除去工程が必要となる。工業上の実際運転では、この洗浄除去工程中、磁性微粒子含有液体分は磁気分離機をバイパスしてもよいが、洗浄必要時間が長いと磁性微粒子の次の工程への流入量が多くなり、除去率が低下することになるので、必要に応じ切替用の予備分離機を設けてもよい。
洗浄除去においては、本発明においては磁気分離後に得られた液体分を洗浄液として利用することができる。
洗浄除去工程は、充填物周囲の磁場を消失(磁気分離機用電磁コイルの通電を止める)させ、上記洗浄液を分離機塔底からライン24を介して導入し、充填物に単に付着している磁性微粒子を流し去る操作である。洗浄液はライン25から排出される。洗浄条件としては、洗浄液線速度が1〜10cm/sec、好ましくは2〜6cm/secである。
以下に図2を参照して磁気分離工程を説明する。
図2は本発明に使用する高勾配磁気分離機20の模式簡略図である。高勾配磁気分離機20の分離部は縦型充填塔をなし、強磁性充填物が充填されている。充填物が充填されている充填層22は、塔外部の電磁コイル23により発生する磁力線により磁化されて高勾配の磁気分離部を形成する。この部分が、前記の外部の電磁コイルにより発生する均一な高磁場空間である。操作適温に加熱された液体分は所定の流速、好ましくは液滞留時間が15秒以上となる流速でライン3からこの分離部を下方から上方へ通過し、この間に磁性微粒子が充填物表面に付着して除かれる。
FT合成粗油が磁気分離機20を通過中は、洗浄液は洗浄油バイパスライン(図示せず)を通ってバイパスし、洗浄液が磁気分離機20を洗浄中は、スラリーはスラリーバイパスライン(図示せず)を通ってバイパスさせ、直接、後段の分離器30に送液することもできる。このようにして除去運転、洗浄運転の切替、繰返し連続運転が可能となる。上記洗浄除去工程は、特開平6−200260号公報記載の方法を参考にして行なうことができる。
第1段目の分離工程である高勾配磁気分離機により磁性粒子が分離された残りの液体分は、第2段目の分離工程である、ろ過器30による分離工程にライン22により送液される。
第2段の分離工程30は、焼結金属フィルター等の適宜のフィルター等を用いるろ過器による分離工程である。いずれも常法のものを使用することができる。たとえば、焼結金属フィルターによるろ過、またはスラリーを満たし、その中の固体粒子を自然沈降させるべく一定時間放置する沈降槽(重力沈降分離器・自然沈降方式)における、ろ過等を利用することができる。これらは、連続式またはバッチ式のいずれも使用することができる。
上記第2分離工程の分離器30では、捕捉した粒子は、すでに磁性の大きな活性の高い粒子は捕捉されており、結果的に磁性の小さい粒子、つまり活性の低い触媒となっているので、可能な限り目開きの細かいろ過器で分離する。そして、分離した触媒はリサイクルすることなく、系外へ排出し、好ましくは廃棄する。すなわち、当該第2段の分離工程で系外へ排出されるFT触媒は、その磁性がFT反応器出口でのスラリー中のFT触媒の磁性よりも小さいものである。従って、これはライン31を経て分離され、系外へ排出される。
ここでいう磁性の測定法については特に限定は無いが、たとえばSQUID(超伝導量子干渉素子)装置等で測定される磁化率(emu/g)を好ましく挙げることができる。また、廃棄されるFT触媒の磁性は、FT反応器出口でのスラリー中のFT触媒の磁性よりも小さければ、特に限定されるものではないが、磁化率でみた場合、FT反応器出口におけるスラリー中のFT触媒の磁化率を基準として2.0%以上、あるいは3.0%以上小さくなることが好ましい。
上記のように常法のろ過操作により触媒残渣の低減された清浄なFT合成粗油が得られ、磁性が小さく活性の低いFT触媒を選択的に除去することができる。
ろ過器30で粒子を分離除去した残りの液については、ライン32から、ついで精留塔40に送油されて、精留され、次いで水素化処理など各種の精製処理を施されて、製品となる。
すなわち、分離工程20、30で得られた液体分は精留塔40に張り込まれて、分留され、たとえばナフサ留分(沸点が150℃未満)にライン41から、中間留分(沸点が150〜350℃)にライン42から、またワックス留分(沸点が350℃以上)にライン43から分留される。図では3留分に分留するが、2留分でもまた3留分以上であっても良い。また特に蒸留されずに次の適宜の精製工程に供することもできる。
本発明は、一酸化炭素と水素を原料としたFT合成法により得られるFT合成粗油を、磁気分離機を含む液固分離工程により処理し、高活性な触媒は有効に回収、再使用し、低活性な触媒粒子は、選択的に系外へ排出し、触媒残渣の低減された、清浄なFT合成粗油を取得する方法に利用することができる。
以下に実施例により本発明を詳述する。
(実施例1)
天然ガスを改質して得られた一酸化炭素と水素ガスとを主成分として含む合成ガスを気泡塔型炭化水素合成反応器(FT合成反応器)10に送気し、FT触媒粒子(平均粒径100μm、活性金属としてコバルトを30重量%担持)を懸濁させたスラリー内で反応させて液体炭化水素を合成する。
FT合成反応器10で合成された液体炭化水素はFT触媒粒子を含むスラリーとしてライン3から取り出され、取り出されたスラリーをFT合成反応器10の後段に配置した高分配磁気分離機(電磁石型高勾配磁気分離機(FEROSEP(登録商標)))20に導き、表1記載の処理条件で触媒粒子の一部と高勾配磁気分離機20で捕捉できなかった触媒粒子を含む液体分(液体A)とに分離する。
高勾配磁気分離機20にて分離された触媒粒子は、ライン21でFT合成反応器10に戻し、液体分(液体A)は、ライン22でろ過装置(目開きが10μmの焼結金属フィルター)30に導き、さらに固形分である触媒粒子と液体分(液体B)とに分離する。
ろ過装置30で分離された触媒粒子はライン31から系外へ排出し、液体分(液体B)はライン32から精留塔40へと導かれて分留され、ライン41からナフサ留分(沸点が150℃未満)、ライン42から中間留分(沸点が150〜350℃)とボトムラインであるライン43からワックス留分(沸点が350℃以上)とに分留した。さらに、中間留分は水素化異性化装置(図示せず)で、ワックス留分は水素化分解装置(図示せず)で処理した後、ラインブレンドして第2の精留塔(図示せず)へ張り込んで分留し、ディーゼル燃料基材とした。
このとき、FT反応器出口のスラリー中に含まれるFT触媒粒子の磁化率は7.30emu/gであり、系外に排出し廃棄されたFT触媒粒子の磁化率は7.13emu/gとなった。
ここで、磁化率とは、SQUID(超伝導量子干渉素子)磁束計(カンタム・デザイン社製 MPMS−5)を用いて測定した値である。
(実施例2〜4)
高勾配磁気分離機20の処理条件を変更した以外は実施例1と同様の処理を行った。廃棄されたFT触媒粒子の平均磁化率を表1に記す。
(比較例1)
スラリーからFT触媒粒子を分離するのに、高勾配磁気分離機を用いないこと以外は実施例1と同様の処理を行った。廃棄されたFT触媒粒子の磁化率を表1に記す。
(結果)
高勾配磁気分離機20およびフィルター30による分離工程を経て、系外へ排出されたFT触媒粒子は、いずれもFT反応器出口スラリー中のFT触媒粒子より磁性が低く、活性が低下した触媒が廃棄されていることが分かる。一方、フィルターのみでFT触媒粒子を除去して廃棄した場合は、磁性が比較的大きな触媒も廃棄されてしまっている。
Figure 0005294664
FT合成反応器10、FT合成粗油中の磁性微粒子を磁気分離する磁気分離機20、ろ過器30を備える燃料製造プラント。 本発明に使用する高勾配磁気分離機20の模式簡略図である。
符号の説明
10 FT合成反応器
20 高勾配磁気分離機
30 ろ過分離器
40 FT合成粗油を分留する精留塔

Claims (2)

  1. フィッシャー・トロプシュ合成の反応器からフィッシャー・トロプシュ法により得られる合成粗油と磁性を有するフィッシャー・トロプシュ触媒を含むスラリーを抜き出し、該スラリーを、2段の液固分離工程により処理することからなり、ここで、
    初めの第1段は、高勾配磁気分離機により前記スラリー中から触媒を分離、回収して、これはフィッシャー・トロプシュ反応器に循環させて再使用し、前記第1の高勾配磁気分離機は、磁場強度が15000ガウス以上、前記分離機内の液温度(処理温度)が100℃以上400℃以下、滞留時間が15秒以上で運転される第1段のサブ工程、
    次の第2段では、ろ過装置により、残留した磁性の小さな触媒をスラリー中から分離し、これは系外へ排出し、合成粗油を取得する第2段のサブ工程を含んでなることを特徴とする、
    磁性の小さなフィッシャー・トロプシュ触媒をフィッシャー・トロプシュ反応器から選択的に除去する方法。
  2. 前記第2段で、系外へ排出されるフィッシャー・トロプシュ触媒の磁性が、フィッシャー・トロプシュ反応器出口でのスラリー中のフィッシャー・トロプシュ触媒の磁性よりも小さいことを特徴とする、請求項1記載の磁性の小さなフィッシャー・トロプシュ触媒をフィッシャー・トロプシュ反応器から選択的に除去する方法。
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