JP5286075B2 - 音響再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、音響再生装置に関するものである。
近年、音によるリラクゼーション・セラピィ・システムが知られている。例えば特許文献1に記載されたシステムは、事前に効果有と確認された音情報を予めデータベースに蓄積しておいた状態で被験者に対して問診を行い、当該問診の結果に基づいて適切な音を上記データベースから抽出して被験者に提供するというリラクゼーション・セラピィ・システムである。
特開平10−118185号公報
例えば特許文献1に記載された従来のシステムでは、データベースに予め蓄積した音源信号をシステムの出力信号として被験者に提供している。このため、特許文献1に記載のシステムを用いる場合には、問診の結果毎にそれぞれ異なる周波数成分を有する音源信号を予め全て蓄積しておく必要があり、これによってデータベースの容量が膨大になることが懸念される。この問題点は、システムの出力信号の周波数成分がデータベースに蓄積された音源信号の周波数成分に依存することに起因するものと思われる。
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたもので、データベースに蓄積された音源信号の周波数成分に依存しない周波数成分を有する出力信号を出力することを可能とし、更に当該出力信号により被験者の心身状態を変化させることが可能な音響再生装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の音響再生装置は、被験者の心身状態を特定する複数の心身状態特定情報と、前記複数の心身状態特定情報それぞれの相関関係を特定する複数のパラメータと、を予め格納する格納手段と、前記被験者の現在の心身状態を特定する現在状態特定情報の入力を受け付ける現在状態入力手段と、前記被験者の前記現在の心身状態を前記被験者の他の心身状態に変化させる際の目標となる目標心身状態を特定する目標状態特定情報の入力を受け付ける目標状態入力手段と、前記現在状態入力手段が受け付けた現在状態特定情報と前記目標状態入力手段が受け付けた目標状態特定情報との間の相関関係を特定するパラメータを、前記格納手段を参照して読み出すパラメータ読出手段と、任意の音源信号の入力を受け付ける音源入力手段と、前記被験者の前記現在の心身状態を前記被験者の前記目標心身状態に変化させるために前記被験者に聴かせる非可聴音を、前記パラメータ読出手段が読み出したパラメータに基づいて生成し、当該生成した非可聴音を前記音源入力手段が受け付けた前記音源信号に付加することにより出力信号を生成する非可聴音付加手段と、前記非可聴音付加手段が生成した出力信号を前記被験者に出力する出力手段と、を備える。ここで、前記非可聴音付加手段は、当該生成した非可聴音と、前記音源入力手段より入力した音源信号とを加算することにより、前記出力信号を生成しても良い。
このような本発明の音響再生装置によれば、被験者に提供する出力信号は、任意の音源信号に非可聴音が付加されて成るものである。つまり、出力信号の周波数成分は、音源信号の周波数成分とは関係がなく、付加される非可聴音の周波数成分に依存して変化するものである。したがって、本発明によれば、音源信号の周波数成分に依存しない周波数成分を有する出力信号を出力することが可能となる。更に、出力信号が音源信号に依存しないことから、格納手段は例えば被験者の心身状態毎に異なる音源信号をいちいち蓄積する必要がなくなる。このため、格納手段を構成するために必要な記憶容量が大きくなることを防止することができる。
また、非可聴音は格納手段に格納されたパラメータに基づいて生成されるものである。このパラメータは被験者の複数の心身状態間の相関関係を表すものであるため、パラメータ読出手段が被験者の現在の心身状態と目標心身状態との間の相関関係に対応するパラメータを適切に選択して非可聴音付加手段に出力することにより、非可聴音付加手段は被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音を生成することができる。そして、この非可聴音を音源信号とあわせて被験者に提供することにより、被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切なリラクゼーション・セラピィを被験者に提供することができる。
また、本発明においては、前記パラメータは、非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つであっても良い。
この発明によれば、非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つのパラメータを用いることより、非可聴音付加手段は被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音を生成することができる。
また、本発明においては、前記非可聴音付加手段は、前記パラメータ読出手段が読み出したパラメータが前記非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相を指している場合に、下記数式(1)
X(t)=a{1+sin(2πft―θ)}…(1)
により、前記非可聴音X(t)を生成し、下記数式(2)
Y(t)=X(t)s(t)…(2)
(式中、fは前記周波数を表し、aは該周波数fでの振幅を表し、θは該周波数fでの位相を表し、s(t)は前記音源信号を表し、tは時間を表す。)
により、前記非可聴音X(t)と前記音源信号s(t)とを乗算して前記出力信号Y(t)を生成しても良い。
また、本発明においては、前記非可聴音付加手段は、前記パラメータ読出手段が読み出したパラメータがn個の複数の周波数、振幅、および位相を指している場合に、下記数式(3)
Figure 0005286075

(式中、fは前記複数の周波数のうちの一つを表し、aは該周波数fでの振幅を表し、θは該周波数fでの位相を表す。)
により、前記非可聴音X(t)を生成しても良い。
これらの発明によれば、非可聴音付加手段は、非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相を上記の式(1)〜式(3)におけるパラメータとして用いることにより、被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音X(t)および出力信号Y(t)を生成することができる。
また、本発明においては、前記パラメータには、可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つが更に含まれていても良い。
この発明によれば、可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つのパラメータを更に用いることより、非可聴音付加手段は被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音を生成することができる。非可聴音の生成時に可聴音に関連するパラメータを用いることにより、非可聴音付加手段は周波数上のゆらぎを反映して非可聴音を生成することができる。
また、本発明においては、前記パラメータには、前記出力手段が前記出力信号を前記被験者に出力してから経過した時間が更に含まれていても良い。
この発明によれば、出力手段が出力信号を被験者に出力してから経過した時間を更なるパラメータとして用いることにより、非可聴音付加手段は被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音を生成することができる。非可聴音の生成時に既に出力した出力信号に関連するパラメータを用いることにより、非可聴音付加手段は時間上のゆらぎを反映して非可聴音を生成することができる。
また、本発明においては、前記出力手段は、前記出力信号の周波数成分のうちで前記非可聴領域における周波数成分を増幅してから、前記出力信号を前記被験者に出力しても良い。
この発明によれば、出力手段は、出力信号の周波数成分のうちで非可聴領域における周波数成分を増幅することにより、出力信号の全体において非可聴領域における周波数成分の割合を高めることができる。
また、本発明においては、前記出力手段は、所定の出力頻度、出力時間、または出力時刻に、前記出力信号を前記被験者に出力しても良い。
この発明によれば、出力手段は、所定の出力頻度、出力時間、または出力時刻にあわせて出力信号を被験者に出力することにより、被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための最適な出力信号を被験者に提供することができる。
本発明によれば、データベースに蓄積された音源信号の周波数成分に依存しない周波数成分を有する出力信号を出力することを可能とし、更に当該出力信号により被験者の心身状態を変化させることが可能な音響再生装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明にかかる音響再生装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(心身状態変化システム1の全体構成)
本発明の実施形態に係る心身状態変化システム1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、心身状態変化システム1の構成概要図である。図1に示すように、心身状態変化システム1は、心身状態計測装置10、外部入力装置20、音源入力装置30、および音響再生装置40から構成される。心身状態計測装置10、外部入力装置20、および音源入力装置30は、それぞれ、音響再生装置40と通信可能に例えば通信インターフェース(I/F、図示せず)を介して接続されている。以下、心身状態変化システム1の各構成要素について詳細に説明する。
(心身状態計測装置10)
心身状態計測装置10は、被験者の現在の心身状態を計測する装置である。図2は、心身状態計測装置10が被験者の現在の心身状態を計測する際に用いる指標の一例と、当該指標の計測方法の一例とを示している。図2に示すように、被験者の「気分」に対する指標としては、「POMS等による心理テストの結果」が用いられ、この指標は「自己筆記式」手法により得ることができる。また、被験者の「認知症の程度」に対する指標としては、「神経心理テストの結果等」が用いられ、この指標は「対面問診式」手法により得ることができる。また、被験者の「脳」に対する指標としては、「脳波、脳血流等を測定した結果」が用いられ、この指標は「脳波計、MRA等」によりリアルタイムで測定することができる。また、被験者の「眼」に対する指標としては、「瞳孔、虹彩、眼球運動、固視微動等の測定結果」が用いられ、この指標は「頭部装着型計測装置等」によりリアルタイムで測定することができる。また、被験者の「身体」に対する指標としては、「体温、脈拍等の測定結果」が用いられ、この指標は「指手首腕等装着型計測装置等」によりリアルタイムで測定することができる。また、被験者の「体液」に対する指標としては、「血液、唾液、発汗等の測定結果」が用いられ、この指標は「血液検査装置、装着型計測装置(唾液、発汗)等」によりリアルタイムで測定することができる。また、被験者の「個体情報」に対する指標としては、「性別、年齢等」が用いられ、この指標は「自己筆記式」手法により得ることができる。
心身状態計測装置10は、被験者の現在の心身状態を上記指標に基づいて総合的に判断する。被験者の現在の心身状態としては、例えば、「元気がない」、「イライラする」、「集中できない」、「怒りっぽい」、「軽度認知症」、「忘れっぽい」、「気持ちの整理がつかない」、「言葉が出てこない」などがあげられる(後述する図4を参照)。現在の心身状態の判断後に、心身状態計測装置10は、被験者の当該心身状態を特定する情報(以下、「現在状態特定情報」という。)を音響再生装置40に出力する。
(外部入力装置20)
図1に戻り、外部入力装置20は、被験者の現在の心身状態を他の心身状態に変化させる際の目標となる目標心身状態を入力する装置である。外部入力装置20は、例えばキーボード等の入力装置により構成されることができる。心身状態変化システム1を使用する被験者またはセラピストは、外部入力装置20を利用して、目標心身状態を入力することができる。被験者の目標心身状態としては、例えば、「元気がでる」、「さわやかな気分」、「集中力向上」、「穏やかな気分」、「ぼけ防止」、「記憶力向上」、「判断力向上」、「流暢な話しぶり」などがあげられる(後述する図4を参照)。目標心身状態の入力後に、外部入力装置20は、当該目標心身状態を特定する情報(以下、「目標状態特定情報」という。)を音響再生装置40に出力する。なお、外部入力装置20は、後述する音響再生装置40の入力部420として構成されていてもかまわない。
(音源入力装置30)
音源入力装置30は、格納していた任意の音源信号を音響再生装置40に入力する装置である。音源入力装置30は、例えばCDやSACD(スーパーオーディオCD)により構成されることができ、音源入力装置30に格納された音源信号には人間にとって可聴音のみならず非可聴音も含まれている。なお、本実施形態においては、例えば、20Hz以下の音、または15kHz以上の音を「非可聴音」という。
(音響再生装置40)
音響再生装置40は、被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための非可聴音を生成して被験者に聴かせるための装置である。図3は音響再生装置40のハードウェア構成図である。図3に示すように、音響再生装置40は、物理的には、CPU41、ROM42及びRAM43等の主記憶装置、キーボード及びマウス等の入力デバイス44、ディスプレイ等の出力デバイス45、心身状態計測装置10、外部入力装置20、および音源入力装置30との間でデータの送受信を行うためのネットワークカード等の通信モジュール46、ハードディスク等の補助記憶装置47などを含む通常のコンピュータシステムとして構成される。後述する音響再生装置40の各機能は、CPU41、ROM42、RAM43等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU41の制御の元で入力デバイス44、出力デバイス45、通信モジュール46を動作させると共に、主記憶装置42,43や補助記憶装置47におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
図1に戻り、音響再生装置40は、機能的には、パラメータ格納部410(格納手段)、入力部420(現在状態入力手段、目標状態入力手段)、パラメータ読出部430(パラメータ読出手段)、非可聴音制御部440(音源入力手段、非可聴音付加手段)、および出力部450(出力手段)を備えて構成される。以下、音響再生装置40の各構成要素について詳細に説明する。
(パラメータ格納部410)
パラメータ格納部410は、被験者の心身状態を特定する複数の心身状態特定情報と、当該複数の心身状態特定情報それぞれの相関関係を特定する複数のパラメータと、を予め格納するものである。図4は、パラメータ格納部410が格納する心身状態特定情報およびパラメータの一例をイメージしている。図4に示すように、パラメータ格納部410は、「元気がない」との被験者の心身状態を特定する心身状態特定情報、および「元気がでる」との被験者の心身状態を特定する心身状態特定情報を格納する。更に、パラメータ格納部410は、「元気がない」との心身状態と「元気がでる」との心身状態との間の相関関係を特定するパラメータとして、パラメータ名が「FM−f−012998」であるパラメータを格納している。
また、パラメータ格納部410は、「イライラする」との被験者の心身状態を特定する心身状態特定情報、「さわやかな気分」との被験者の心身状態を特定する心身状態特定情報、および「イライラする」との心身状態と「さわやかな気分」との心身状態との間の相関関係を特定するパラメータとしてパラメータ名が「FM−f−012999」であるパラメータを格納する。説明を省略するが、「集中できない」、「集中力向上」、「FM−f−013000」など、被験者のその他の心身状態においても上記と同様のことがいえる。なお、パラメータ格納部410は、被験者毎に、上記情報を格納しても良い。
パラメータ格納部410が格納するパラメータは、非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つである。これに加え、可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つが、上記パラメータに更に含まれていても良い。更に、後述する出力部450が出力信号を被験者に出力してから経過した時間が、上記パラメータに更に含まれていても良い。
すなわち、図4に示したパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが例えば非可聴領域における特定の周波数を指す場合があり、パラメータ名「FM−f−012999」のパラメータが例えば非可聴領域における特定の周波数および該周波数での振幅を指す場合がある。また、パラメータ名「FM−f−013000」のパラメータが非可聴領域における周波数、該周波数での位相、可聴領域における周波数、および該周波数での振幅を指す場合がある。また、パラメータ名「FM−f−013001」のパラメータが非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および出力部450が出力信号を被験者に出力してから経過した時間を指す場合がある。何れのパラメータが、可聴領域または非可聴領域での周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相、出力後の経過時間のうちで何れを表しているかは、被験者毎に、被験者の現在の心身状態毎に、および被験者の目標心身状態毎に、異なる。これらのパラメータに基づいて後述するように生成された出力信号により、被験者の心身状態を実際に変化させることができる。なお、出力信号を用いて実際に被験者の心身状態を変化させた例については、後述する。
(入力部420)
図1に戻り、入力部420は、被験者の現在の心身状態を特定する現在状態特定情報の入力を心身状態計測装置10より受け付け、且つ被験者の現在の心身状態を他の心身状態に変化させる際の目標となる目標心身状態を特定する目標状態特定情報の入力を外部入力装置20より受け付けるものである。入力部420は、受け付けた現在状態特定情報および目標状態特定情報をパラメータ読出部430に出力する。
(パラメータ読出部430)
パラメータ読出部430は、入力部420より現在状態特定情報および目標状態特定情報を入力すると、当該現在状態特定情報および目標状態特定情報間の相関関係を特定するパラメータを、パラメータ格納部410を参照して読み出すものである。例えば、パラメータ読出部430が「元気がない」との被験者の心身状態を特定する心身状態特定情報を現在状態特定情報として入力し、且つ「元気がでる」との被験者の心身状態を特定する心身状態特定情報を目標状態特定情報として入力したとする。この場合に、パラメータ読出部430は、パラメータ格納部410を参照して、パラメータ名が「FM−f−012998」であるパラメータを読み出す(図4を参照)。パラメータ読出部430は、当該読み出したパラメータを非可聴音制御部440に出力する。
(非可聴音制御部440)
非可聴音制御部440は、パラメータ読出部430より入力したパラメータに基づいて、被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるために被験者に聴かせる非可聴音を生成するものである。非可聴音制御部440は、非可聴領域における周波数成分を有する非可聴音を生成した後に、音源入力装置30より入力した音源信号に当該非可聴音を付加して出力信号を生成する。非可聴音制御部440は、生成した当該出力信号を出力部450に出力する。
図5は、非可聴音制御部440の機能的な構成を示す機能構成図である。図5に示すように、非可聴音制御部440は、非可聴音生成部441および非可聴音付加部442を備える。以下、非可聴音制御部440の各構成要素について詳細に説明する。
(非可聴音生成部441)
非可聴音生成部441は、パラメータ読出部430より入力したパラメータに基づいて、被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させることを目的で被験者に聴かせる非可聴音X(t)を生成するものである。非可聴音生成部441は、後述する方法により生成した非可聴音X(t)を非可聴音付加部442に出力する。以下、非可聴音生成部441が非可聴音X(t)を生成する様々な方法について詳細に説明する。
(非可聴音生成方法、その1:周波数、振幅、位相)
まず、非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相に基づいて、非可聴音を生成する一つの方法について説明する。非可聴音生成部441は、下記数式(1)
X(t)=a{1+sin(2πft―θ)}…(1)
により、非可聴領域における周波数fの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成することができる。ただし、数式(1)において、fは、パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが指す周波数である。また、aは、該パラメータが指す振幅であって、上記周波数fでの振幅を表す。振幅としては、例えば音圧、音の強さ、パワー、エネルギー等が用いられる。また、θは、該パラメータが指す位相であって、上記周波数fでの位相を表す。また、tは時間を表す。なお、0≦θ<2πであり、f≦20Hzおよびf≧15kHzである。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータがn個の複数の周波数、振幅、および位相を指している場合には、非可聴音生成部441は、下記数式(3)
Figure 0005286075

により、非可聴領域における複数の周波数(f、…、f、…、f)の周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成することができる。ただし、数式(3)において、fは、パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが指す複数の周波数のうちの一つである。また、aは、該パラメータが指す複数の振幅のうちの一つであって、上記周波数fでの振幅を表す。また、θは、該パラメータが指す複数の位相のうちの一つであって、上記周波数fでの位相を表す。なお、0≦θ<2πであり、f≦20Hzおよびf≧15kHzである。
(非可聴音生成方法、その2:周波数)
次に、非可聴領域における周波数のみに基づいて非可聴音X(t)を生成する方法について、図6を参照しながら説明する。パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが例えば「非可聴領域における任意の周波数」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、非可聴領域における任意の周波数aの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図6(a)は非可聴領域における任意の周波数aを示している。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータが例えば「非可聴領域における任意の複数の周波数」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、非可聴領域における任意の複数の周波数a、b、cの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図6(b)は非可聴領域における任意の複数の周波数a、b、cを示している。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータが例えば「非可聴領域における特定の周波数A」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、非可聴領域における特定の周波数Aの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図6(c)は非可聴領域における特定の周波数Aを示している。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータが例えば「非可聴領域における特定の複数の周波数A、B、C」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、非可聴領域における特定の複数の周波数A、B、Cの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図6(d)は非可聴領域における特定の複数の周波数A、B、Cを示している。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータが例えば「非可聴領域における特定の周波数A、および当該特定の周波数Aに特定値αを加算した周波数」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、非可聴領域における特定の周波数A、および当該特定の周波数Aに特定値αを加算した周波数A+αやA+2αの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図6(e)は非可聴領域における特定の周波数A、および当該特定の周波数Aに特定値αを加算した周波数A+αやA+2αを示している。
(非可聴音生成方法、その3:振幅)
次に、振幅に基づいて非可聴音を生成する方法について、図7を参照しながら説明する。パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが例えば「任意の振幅」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、任意の振幅dを有する非可聴音X(t)を生成する。図7(a)は、任意の振幅d、および任意の非可聴周波数aを示している。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータが例えば「特定の振幅D」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、特定の振幅Dを有する非可聴音X(t)を生成する。図7(b)は、特定の振幅D、および任意の非可聴周波数aを示している。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータが例えば「特定値E以上の振幅」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、特定値E以上の振幅Dを有する非可聴音X(t)を生成する。図7(c)は、特定値E以上の振幅D、および任意の非可聴周波数aを示している。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータが例えば「特定値F以下の振幅」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、特定値F以下の振幅Dを有する非可聴音X(t)を生成する。図7(d)は、特定値F以下の振幅D、および任意の非可聴周波数aを示している。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータが例えば「特定値Eと他の特定値Fとの間の振幅」との旨を表している場合に、非可聴音生成部441は、特定値Eと他の特定値Fとの間の振幅Dを有する非可聴音X(t)を生成する。図7(e)は特定値Eと他の特定値Fとの間の振幅D、および任意の非可聴周波数aを示している。
(非可聴音生成方法、その4:位相)
次に、位相に基づいて非可聴音を生成する方法について、図8および図9を参照しながら説明する。パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが例えば「非可聴領域における特定の周波数A、および当該特定の周波数Aからの位相差がRとなる非可聴領域における特定の周波数B」との旨を表しているとする。この場合に、非可聴音生成部441は、非可聴領域における特定の周波数A、および当該特定の周波数Aから位相差Rとなる非可聴領域における特定の周波数Bの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図8(a)および(b)は、非可聴領域における特定の周波数A、および当該特定の周波数Aから位相差Rとなる非可聴領域における特定の周波数Bを示している。
また、パラメータ読出部430より入力したパラメータが例えば「可聴領域における特定の周波数A、および当該特定の周波数Aからの位相差がRとなる非可聴領域における特定の周波数B」との旨を表しているとする。この場合に、非可聴音生成部441は、可聴領域における特定の周波数A、および当該特定の周波数Aから位相差Rとなる非可聴領域における特定の周波数Bの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図9(a)および(b)は、可聴領域における特定の周波数A、および当該特定の周波数Aから位相差Rとなる非可聴領域における特定の周波数Bを示している。
(非可聴音生成方法、その5:周波数上のゆらぎ)
次に、周波数上のゆらぎに基づいて非可聴音を生成する方法について、図10を参照しながら説明する。パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが例えば「G=func(H)を満足させる非可聴領域における周波数および振幅、ただし、Gは非可聴領域における周波数対振幅の面積、Hは可聴領域における周波数対振幅の面積、funcは所定の関数」との旨を表しているとする。この場合に、非可聴音生成部441は、まず、「G=func(H)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内での各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。そして、非可聴音生成部441は、当該計算の結果である特定の周波数範囲Aの周波数成分を有し、且つ周波数範囲A内の各周波数に対応するそれぞれの振幅を有する非可聴音X(t)を生成する。図10は、非可聴領域における周波数対振幅の面積G、可聴領域における周波数対振幅の面積H、および計算の結果である特定の周波数範囲Aを示している。なお、この場合の可聴領域における周波数対振幅の面積Hは、音源入力装置30より入力した音源信号の可聴領域における周波数対振幅の面積であっても良い。
以下では、周波数上のゆらぎに基づいて非可聴音を生成する他のバリエーションについて、図11〜図15を参照しながら更に説明する。ただし、可聴領域における周波数対振幅の関係と非可聴領域における周波数対振幅の関係とを比較することにより、非可聴領域での特定の周波数および振幅を計算してから非可聴音X(t)を生成することについては共通するため、特に図11および図12を参照した説明では、図10の例と比べて異なる点についてのみ説明する。
図11(a)は、図10に比べると、可聴領域における周波数対振幅の面積が複数の部分的な面積H、…、Hに分かれている場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(H、…、H)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内での各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図11(b)は、図10に比べると、非可聴領域における周波数対振幅の面積が複数の部分的な面積G、…、Gに分かれている場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(H)、…、G=func(H)」をそれぞれ満足させる非可聴領域における特定の複数の周波数範囲A、…、A、および当該複数の周波数範囲A、…、A内での各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図11(c)は、図10に比べると、可聴領域および非可聴領域における周波数対振幅の面積の両方が複数の部分的な面積H、…、HおよびG、…、Gに分かれている場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(H、…、H)、…、G=func(H、…、H)」をそれぞれ満足させる非可聴領域における特定の複数の周波数範囲A、…、A、および当該複数の周波数範囲A、…、A内での各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図11(d)は、図10に比べると、可聴領域における周波数対振幅の面積が一つの部分的な面積Hである場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(H)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内での各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図12(a)は、図10に比べると、非可聴領域における周波数対振幅の面積が一つの部分的な面積Gである場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(H)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内での各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図12(b)は、図10に比べると、可聴領域および非可聴領域における周波数対振幅の面積の両方が一つの部分的な面積HおよびGである場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(H)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内での各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図12(c)は、図10に比べると、可聴領域における周波数対振幅の面積が一つの部分的な面積Hであり、且つ非可聴領域における周波数対振幅の面積が複数の部分的な面積G、…、Gに分かれている場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(H)、…、G=func(H)」をそれぞれ満足させる非可聴領域における特定の複数の周波数範囲A、…、A、および当該複数の周波数範囲A、…、A内での各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図12(d)は、図10に比べると、可聴領域における周波数対振幅の面積が複数の部分的な面積H、…、Hに分かれており、且つ非可聴領域における周波数対振幅の面積が一つの部分的な面積Gである場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(H、…、H)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内での各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
以上では、図10〜図12を参照しながら、可聴領域および非可聴領域の両方において周波数対振幅の面積を考慮した方法について説明した。以下では、図13を参照しながら、可聴領域では周波数対振幅の面積を考慮するが、非可聴領域では周波数対振幅の面積を考慮しない方法について説明する。パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが例えば「D=func(H)により定まる振幅、および当該振幅に対応する非可聴領域における周波数、ただし、Hは可聴領域における周波数対振幅の面積、funcは所定の関数」との旨を表しているとする。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(H)」を満足させる特定の振幅D、および当該振幅Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aを計算する。そして、非可聴音生成部441は、当該計算の結果である特定の振幅Dを有し、且つ当該振幅Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図13(a)は、可聴領域における周波数対振幅の面積H、D=func(H)を満足させる特定の振幅D、および当該振幅Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aを示している。
図13(b)は、図13(a)に比べると、可聴領域における周波数対振幅の面積が複数の部分的な面積H、…、Hに分かれている場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(H、…、H)」を満足させる特定の振幅D、および当該振幅Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aを計算する。
図13(c)は、図13(a)に比べると、「振幅=func(H)」を満足させる特定の振幅を複数求める場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(H)、…、D=func(H)」を満足させる特定の複数の振幅D、…、D、および当該複数の振幅D、…、Dのそれぞれに対応する非可聴領域における特定の周波数A、…、Aを計算する。
図13(d)は、図13(a)に比べると、図13(b)の場合と図13(c)の場合とが重なった場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(H、…、H)、…、D=func(H、…、H)」を満足させる特定の複数の振幅D、…、D、および当該複数の振幅D、…、Dのそれぞれに対応する非可聴領域における特定の周波数A、…、Aを計算する。
図13(e)は、図13(a)に比べると、可聴領域における周波数対振幅の面積が一つの部分的な面積Hである場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(H)」を満足させる特定の振幅D、および当該振幅Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aを計算する。
図13(f)は、図13(a)に比べると、図13(c)の場合と図13(e)の場合とが重なった場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(H)、…、D=func(H)」を満足させる特定の複数の振幅D、…、D、および当該複数の振幅D、…、Dのそれぞれに対応する非可聴領域における特定の周波数A、…、Aを計算する。
以下では、図14を参照しながら、非可聴領域では周波数対振幅の面積を考慮するが、可聴領域では周波数対振幅の面積を考慮しない方法について説明する。パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが例えば「G=func(E)を満足させる非可聴領域における周波数および振幅、ただし、Gは非可聴領域における周波数対振幅の面積、Eは可聴領域における特定の周波数aに対応する特定の振幅、funcは所定の関数」との旨を表しているとする。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(E)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内の各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。そして、非可聴音生成部441は、当該計算の結果である特定の周波数範囲A内の各周波数成分を有し、且つ周波数範囲A内の各周波数に対応するそれぞれの振幅を有する非可聴音X(t)を生成する。図14(a)は、可聴領域における特定の振幅E、非可聴領域における周波数対振幅の面積G、および計算結果である特定の周波数範囲Aを示している。
以下では、非可聴領域では周波数対振幅の面積を考慮するが、可聴領域では周波数対振幅の面積を考慮しない方法の他のバリエーションについて、図14(b)〜図14(f)を参照しながら更に説明する。ただし、図14(a)の例と比べて異なる点についてのみ説明する。図14(b)は、図14(a)に比べると、考慮すべき可聴領域における特定の周波数および振幅が複数存在する場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(E、…、E)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内の各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図14(c)は、図14(a)に比べると、非可聴領域における周波数対振幅の面積が複数の部分的な面積G、…、Gに分かれている場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(E)、…、G=func(E)」を満足させる非可聴領域における特定の複数の周波数範囲A、…、A、および当該複数の周波数範囲A、…、A内の各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図14(d)は、図14(a)に比べると、図14(b)の場合と図14(c)の場合とが重なった場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(E、…、E)、…、G=func(E、…、E)」を満足させる非可聴領域における特定の複数の周波数範囲A、…、A、および当該複数の周波数範囲A、…、A内の各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図14(e)は、図14(a)に比べると、非可聴領域における周波数対振幅の面積が一つの部分的な面積Gである場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(E)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内の各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
図14(f)は、図14(a)に比べると、図14(b)の場合と図14(e)の場合とが重なった場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「G=func(E、…、E)」を満足させる非可聴領域における特定の周波数範囲A、および当該周波数範囲A内の各周波数に対応するそれぞれの振幅を計算する。
以下では、図15を参照しながら、可聴領域における周波数対振幅の面積、および非可聴領域における周波数対振幅の面積の両方とも考慮しない方法について説明する。パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが例えば「D=func(E)を満足させる特定の振幅D、および当該特定の振幅Dに対応する非可聴領域における特定の周波数A、ただし、Eは可聴領域における特定の周波数aに対応する特定の振幅、funcは所定の関数」との旨を表しているとする。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(E)」を満足させる特定の振幅D、および当該特定の振幅Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aを計算する。そして、非可聴音生成部441は、当該計算の結果である特定の振幅Dを有し、且つ当該特定の振幅Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図15(a)は、可聴領域における特定の周波数aに対応する特定の振幅E、および計算結果である特定の振幅Dと特定の周波数Aを示している。
以下では、可聴領域における周波数対振幅の面積、および非可聴領域における周波数対振幅の面積の両方とも考慮しない方法の他のバリエーションについて、図15(b)〜図15(d)を参照しながら更に説明する。ただし、図15(a)の例と比べて異なる点についてのみ説明する。図15(b)は、図15(a)に比べると、考慮すべき可聴領域における特定の周波数および振幅が複数存在する場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(E、…、E)」を満足させる特定の振幅D、および当該特定の振幅Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aを計算する。
図15(c)は、図15(a)に比べると、計算すべき特定の振幅および周波数が複数存在する場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(E)、…、D=func(E)」を満足させる特定の複数の振幅D、…、D、および当該特定の複数の振幅D、…、Dそれぞれに対応する非可聴領域における特定の複数の周波数A、…、Aを計算する。
図15(d)は、図15(a)に比べると、図15(b)の場合と図15(c)の場合とが重なった場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=func(E、…、E)、…、D=func(E、…、E)」を満足させる特定の複数の振幅D、…、D、および当該特定の複数の振幅D、…、Dそれぞれに対応する非可聴領域における特定の複数の周波数A、…、Aを計算する。
(非可聴音生成方法、その6:時間上のゆらぎ)
次に、時間上のゆらぎに基づいて非可聴音を生成する方法について、図16を参照しながら説明する。パラメータ読出部430より入力した例えばパラメータ名「FM−f−012998」のパラメータが例えば「D=func(t)、…、D=func(t)を満足させる特定の複数の振幅D、…、D、および当該特定の複数の振幅D、…、Dに対応する非可聴領域における特定の周波数A、ただし、t、…、tは出力部450が出力信号を被験者に出力してから経過した時間、funcは所定の関数」との旨を表しているとする。この場合に、非可聴音生成部441は、まず、「D=func(t)、…、D=func(t)」を満足させる特定の複数の振幅D、…、D、および当該特定の複数の振幅D、…、Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aを計算する。そして、非可聴音生成部441は、当該計算の結果である特定の複数の振幅D、…、Dを有し、且つ当該特定の複数の振幅D、…、Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aの周波数成分を有する非可聴音X(t)を生成する。図16(a)は、時間t、…、tでの振幅D、…、D、複数の振幅D、…、Dに対応する非可聴領域における特定の周波数Aを示している。なお、非可聴音生成部441は、経過時間tに関する情報を出力部450よりフィードバックして入力する。
以下では、時間上のゆらぎに基づいて非可聴音を生成する他のバリエーションについて、図16(b)および図16(c)を参照しながら更に説明する。ただし、経過時間tによって変動する非可聴領域での周波数および振幅を計算してから非可聴音X(t)を生成することについては共通するため、図16(a)の例と比べて異なる点についてのみ説明する。
図16(b)は、図16(a)に比べると、経過時間tによって変動するのが振幅ではなく周波数である場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「A=func(t)、…、A=func(t)」を満足させる特定の複数の周波数A、…、A、および当該特定の複数の周波数A、…、Aに対応する特定の振幅Dを計算する。
図16(c)は、図16(a)の場合と図16(b)の場合とが重なった場合を示す。この場合に、非可聴音生成部441は、「D=funcD(t)、…、D=funcD(t)」を満足させる特定の複数の振幅D、…、D、および「A=funcA(t)、…、A=funcA(t)」を満足させる特定の複数の周波数A、…、Aを計算する。なお、funcDおよびfuncAは所定の関数である。
以上、非可聴音生成部441が非可聴音X(t)を生成する様々な方法について説明した。非可聴音生成部441は、上記の方法により生成した非可聴音X(t)を非可聴音付加部442に出力する。
(非可聴音付加部442)
引き続き、図5を参照しながら、非可聴音付加部442について説明する。非可聴音付加部442は、音源入力装置30より入力した音源信号に、非可聴音生成部441から入力した非可聴音X(t)を付加することにより、出力信号Y(t)を生成するものである。非可聴音付加部442は、当該生成した出力信号Y(t)を出力部450に出力する。以下、非可聴音付加部442の動作について詳細に説明する。
(非可聴音付加部442の動作、その1)
上述した「非可聴音生成方法、その1」により非可聴音生成部441が非可聴音X(t)を生成した場合に、非可聴音付加部442は、下記数式(2)
Y(t)=X(t)s(t)…(2)
により、出力信号Y(t)を生成する。数式(2)において、s(t)は音源入力装置30より入力された音源信号をオーバサンプリングした信号(以下、「オーバサンプリング信号」という。)を表す。非可聴音付加部442は、このように生成した出力信号Y(t)を出力部450に出力する。
なお、上記動作を行うために、非可聴音付加部442は例えばオーバサンプリング部(図示せず)を更に備えていても良い。オーバサンプリング部は、非可聴音生成部441が生成した非可聴音X(t)のうち高周波成分における周波数の少なくとも2倍以上の周波数で、音源入力装置30からの音源信号をオーバサンプリングする。
(非可聴音付加部442の動作、その2)
上述した「非可聴音生成方法、その2」〜「非可聴音生成方法、その6」により非可聴音生成部441が非可聴音X(t)を生成した場合に、非可聴音付加部442は、後述する「加算方法」または「逆フーリエ変換方法」により、出力信号Y(t)を生成する。
加算方法は、下記数式(4)または数式(5)
Y(t)=A(t)+s(t)…(4)
Y(t)=A(t)+B(t)…(5)
により、出力信号Y(t)を生成する方法である。ただし、上記数式(4)および数式(5)において、A(t)は、上述した図6〜図16の何れかの周波数スペクトルにおける非可聴領域のみを逆フーリエ変換して得られた非可聴音である。なお、A(t)が、図6〜図16の何れかの周波数スペクトルにおける全周波数領域を逆フーリエ変換して得られた信号から、ハイパスフィルターやローパスフィルターを用いて非可聴音だけを取り出して得た非可聴音であってもよい。この非可聴音A(t)は、フィルタリングにより、可聴音を除去する方法で得られるものである。また、s(t)は上記のオーバサンプリング信号である。また、B(t)は、s(t)の可聴領域における周波数成分(20Hz超過および15kHz未満)である。
逆フーリエ変換方法は、上述した図6〜図16の何れかの周波数スペクトルにおける全周波数領域を逆フーリエ変換して例えばY(Δt)を得ると、これらY(Δt)をつなぎあわせることにより、出力信号Y(t)を得る方法である。この逆フーリエ変換方法においては、全周波数帯域を逆フーリエ変換するので、上記の加算方法における非可聴音A(t)の生成を経由せずに、一度に出力信号Y(t)を得ることができる。
以上、非可聴音制御部440の各構成要素について説明した。図17は、非可聴音制御部440における各信号をイメージした図である。図17(a)は、非可聴音制御部440が音源入力装置30より入力した音源信号をイメージしている。図17(b)は、非可聴音生成部441が生成した非可聴音X(t)をイメージしている。図17(c)は、非可聴音付加部442が生成した出力信号Y(t)をイメージしている。図17に示されるように、出力信号Y(t)の周波数成分は、音源信号の周波数成分とは関係がなく、付加される非可聴音X(t)の周波数成分に依存して変化するものである。
(出力部450)
図1に戻り、出力部450は、非可聴音制御部440により入力した出力信号Y(t)を被験者に音響として提供するものである。出力部450は、出力信号Y(t)の出力をスタートした後に経過した時間tを表す情報を非可聴音制御部440にフィードバックする。
出力信号Y(t)の出力時に、出力部450は、出力信号Y(t)の周波数成分のうちで非可聴領域における周波数成分を所定倍数増幅してから、当該出力信号Y(t)を被験者に出力する。具体的に、出力部450は、まず、非可聴音制御部440により入力した出力信号Y(t)を可聴領域における周波数成分(20Hz超過および15kHz未満)L(t)と、非可聴領域における周波数成分(20Hz以下、または15kHz以上)H(t)とに区分する。次に、出力部450は、L(t)+eH(t)、またはs(t)+gH(t)を出力信号Y(t)として被験者に出力する。ここで、eやgは所定倍数を表し、s(t)は上記のオーバサンプリング信号である。
なお、出力信号Y(t)の周波数成分のうちで非可聴領域における周波数成分を所定倍数増幅してから当該出力信号Y(t)を被験者に出力する方法は、周波数を分離する装置(チャンネルデバイダー等)により非可聴領域を分離し、増幅装置(アンプ等)により非可聴領域の出力のみを増幅させる方法を採用しても良い。
また、出力部450は、所定の曝露頻度、曝露時間、または曝露時刻(曝露時間帯)にあわせて、出力信号Y(t)を被験者に出力する。ここで、「所定の曝露頻度」とは、例えば、「1日に2回」、「2日間で合計5回以下」、「5日間で合計6回以上10回以下」等をいう。また、「所定の曝露時間」とは、例えば、「1回につき3分」、「1回につき3分以上」、「1回につき3分以上10分以下」、「3回で10分」、「3回で10分以上」、「3回で10分以上20分以下」、「2日間で10分」、「2日間で10分以上」、「2日間で10分以上20分以下」等をいう。また、「所定の曝露時刻(曝露時間帯)」とは、例えば、「一つのまとまった時間帯である、例えば14時50分〜15時20分」、
「複数の時間帯である、例えば10時20分〜10時30分、14時50分〜15時00分、18時00分〜18時10分」等をいう。
(実施例)
以下では、図4に示したようなパラメータ(例えば「FM−f−012999」など)に基づいて上述した方法により生成した出力信号を用いて、被験者の心身状態を実際に変化させた実施例について説明する。本実施例では、同一の音源信号から高周波成分の強度を変えたものを出力信号として7名の被験者に呈示した後に、それぞれの被験者の脳波を測定した。そして当該脳波におけるアルファ波の比率を測ることにより、被験者の心身状態が「イライラする(緊張状態)」から「さわやかな気分(リラックス状態)」に変化されることを確認した。なお、下記の参考文献1や2にも記載されているように、アルファ波はリラックス時に出現するものである。言い換えれば、緊張状態にはアルファ波の出現率(強度)が低下し、リラックス状態にはアルファ波の出現率(強度)が増大される。また、本実施例では、実験の便宜上、可聴域を0〜22kHzとし、非可聴域を22kHz〜96kHzとした。以下、本実施例における具体的な条件等について詳細に説明する。
<参考文献1> ジョン・ピネル(著)、佐藤敬、泉井亮、若林孝一、飛鳥井望(訳)、ピネル バイオサイコロジー―脳、心と行動の神経科学、西村書店、2005
<参考文献2> 井上令一、赤沢滋(著)、臨床脳波:判読の手びき、南山堂、1986
被験者へ呈示した刺激としては、オーケストラの音楽(「シンフォニックパラダイス」、呈示期間:120s)を以下の3条件(条件1〜3)で、1条件につき4回ずつ、呈示した。なお、可聴域については3条件で同一であり、その音圧レベルは80〜90dB(A)程度になるよう調整してある。一方、以下での22kHz以上の周波数成分が占める割合とは、パワースペクトルの0〜96kHz上で22kHz〜96kHzの周波数成分が占める割合をさす。
(1)条件1
非可聴音なしの条件:元の刺激(オーケストラの音楽)から22kHz以上の周波数成分を除外し、CDやテレビの音に相当する音として被験者に呈示した。
(2)条件2
非可聴音中の条件:22kHz以上の周波数成分が占める割合が0.03%となるように元の刺激(オーケストラの音楽)を調整した後に、被験者に呈示した。なお、この調整は、機材の特性、および可聴域と非可聴域のバランスを考慮して適宜行うものである。
(3)条件3
非可聴音大の条件:22kHz以上の周波数成分が占める割合が0.76%となるように元の刺激(オーケストラの音楽)を増幅した後に、被験者に呈示した。なお、この増幅により、上記条件2に比べ、非可聴音の強度が約25倍大きくなる(振幅では約4〜5倍)。
図18は、本実施例において被験者へ呈示した刺激(曲)を示す図である。図18において、グラフG1は条件1の非可聴音なしの条件における呈示刺激のパワースペクトルを示し、グラフG2は条件2の非可聴音中の条件における呈示刺激のパワースペクトルを示し、グラフG3は条件3の非可聴音大の条件における呈示刺激のパワースペクトルを示し、グラフG4は比較のための暗騒音のパワースペクトルを示す。なお、ここでのdBとは音源の録音時に録音できる最大値を0dBとしたときの相対値である。ちなみに録音時の条件は各刺激揃えてある。
以上の条件下で7名の被験者に刺激(曲)を呈示し、各被験者の脳波を解析した。その解析区間としては、被験者に呈示した曲の後半(60〜120s)を解析の対象とした。これは、非可聴音による影響には時間差があるとの報告によるものである(下記の参考文献3を参照)。また、脳波については、8〜30Hzに占めるアルファ波(8〜13Hz)の比率に注目し、被験者ごとの平均値を各条件で比較した。具体的には非可聴音なしと非可聴音中、非可聴音なしと非可聴音大、非可聴音中と非可聴音大との間で対応のあるt検定を実施し、そこでの確率値がボンフェローニの方法で補正した5%の有意水準(1.67%)以下であれば、有意な差がある、つまり両者に違いがあると判断することとした。
<参考文献3> Oohashi T, Nishina E, Honda M,Yonekura Y, Fuwamoto Y, Kawai N, Maekawa T, Nakamura S, Fukuyama H, ShibasakiH. Inaudible high-frequency sounds affect brain activity: hypersonic effect, JNeurophysiol, 2000 Jun, 83(6), 3548-3558
図19は、本実験の結果を示す。図19において、横軸は非可聴音の呈示条件を示し、「なし」とあるのは上記条件1に相当し、「中」とあるのは上記条件2に相当し、「大」とあるのは上記条件3に相当する。また、縦軸は、アルファ波の平均比率を示す。図19において、7名の被験者のアルファ波の平均比率を、条件1については7つの三角(△)で表示し、条件2については7つの丸(○)で表示し、条件3については7つの四角(□)で表示している。ただし、各三角、丸、四角の表示はそれぞれ4回測定分の平均値を示す。
本実施例における実験の結果として、図19に示すように、非可聴音中の条件と非可聴音なしの条件との間では、アルファ波の平均比率において有意な差を確認できた。つまり、条件2と条件1を比較する限り、条件2の方が被験者の心身状態を「イライラする(緊張状態)」という現在の心身状態から「さわやかな気分(リラックス状態)」という目標心身状態にうまく変化させることができたことが言える。或いは、非可聴音なしの条件では被験者の心身状態の変化が起こらないことを仮定すると、非可聴音中の条件2では被験者の心身状態を「イライラする(緊張状態)」という現在の心身状態から「さわやかな気分(リラックス状態)」という目標心身状態に変化させることができたことが言える。
また、本実施例における実験の結果として、図19に示すように、非可聴音大の条件と非可聴音なしの条件との間では、有意な差を確認できなかった。なお、図19においては、有意な差が無いことを「n.s.」で表示している。すなわち、このことからは、非可聴音を単に付与するだけで被験者の心身状態が変化される訳ではなく、被験者の現在の心身状態がどのような状態であり、且つ目標とする心身状態がどのような状態かによって、適切なパラメータを用いるべきであることが分かる。例えば、本実施例の結果で分かるように、「イライラする(緊張状態)」という現在の心身状態から「さわやかな気分(リラックス状態)」という目標心身状態に変化させる場合には、本実施例における条件2のように、22kHz以上の周波数成分が占める割合が0.03%となるように非可聴音の強度を調整することが望ましい。
(心身状態変化システム1の作用及び効果)
続いて、本実施形態にかかる心身状態変化システム1の作用及び効果について説明する。本実施形態の心身状態変化システム1によれば、被験者に提供する出力信号Y(t)は、任意の音源信号に非可聴音X(t)が付加されて成るものである。つまり、出力信号Y(t)の周波数成分は、音源信号の周波数成分とは関係がなく、付加される非可聴音X(t)の周波数成分に依存して変化するものである。したがって、本実施形態によれば、音源信号の周波数成分に依存しない周波数成分を有する出力信号Y(t)を出力することが可能となる。更に、出力信号Y(t)が音源信号に依存しないことから、パラメータ格納部410は例えば被験者の心身状態毎に異なる音源信号をいちいち蓄積する必要がなくなる。このため、パラメータ格納部410を構成するために必要な記憶容量が大きくなることを防止することができる。
また、非可聴音X(t)はパラメータ格納部410に格納されたパラメータに基づいて生成されるものである。このパラメータは被験者の複数の心身状態間の相関関係を表すものであるため、パラメータ読出部430が被験者の現在の心身状態と目標心身状態との間の相関関係に対応するパラメータを適切に選択して非可聴音制御部440に出力することにより、非可聴音制御部440は被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音X(t)を生成することができる。そして、この非可聴音X(t)を音源信号とあわせて被験者に提供することにより、被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切なリラクゼーション・セラピィを被験者に提供することができる。なお、被験者に提供した出力信号を用いて実際に被験者の心身状態を変化させた例については、上記の(実施例)で述べた通りである。
また、本実施形態においては、非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つのパラメータを用いることより、非可聴音制御部440は被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音X(t)を生成することができる。
また、本実施形態においては、非可聴音制御部440は、非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相を上記の式(1)〜式(3)におけるパラメータとして用いることにより、被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音X(t)および出力信号Y(t)を生成することができる。
また、本実施形態においては、可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つのパラメータを更に用いることより、非可聴音制御部440は被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音X(t)を生成することができる。非可聴音X(t)の生成時に可聴音に関連するパラメータを用いることにより、非可聴音制御部440は周波数上のゆらぎを反映して非可聴音X(t)を生成することができる。
また、本実施形態においては、出力部450が出力信号Y(t)を被験者に出力してから経過した時間tを更なるパラメータとして用いることにより、非可聴音制御部440は被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための適切な非可聴音X(t)を生成することができる。非可聴音X(t)の生成時に既に出力した出力信号Y(t)に関連するパラメータを用いることにより、非可聴音制御部440は時間上のゆらぎを反映して非可聴音X(t)を生成することができる。
また、本実施形態においては、出力部450は、出力信号Y(t)の周波数成分のうちで非可聴領域における周波数成分を増幅することにより、出力信号Y(t)の全体において非可聴領域における周波数成分の割合を高めることができる。
また、本実施形態においては、出力部450は、所定の曝露頻度、曝露時間、または曝露時刻にあわせて出力信号Y(t)を被験者に出力することにより、被験者の現在の心身状態を目標心身状態に変化させるための最適な出力信号Y(t)を被験者に提供することができる。
心身状態変化システム1の構成概要図である。 心身状態計測装置10が被験者の現在の心身状態を計測する際に用いる指標の一例と、当該指標の計測方法の一例とを示す図である。 音響再生装置40のハードウェア構成図である。 パラメータ格納部410が格納する心身状態特定情報およびパラメータの一例をイメージしている。 非可聴音制御部440の機能的な構成を示す機能構成図である。 非可聴音生成部441が非可聴領域における周波数のみに基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が振幅に基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が位相に基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が位相に基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が周波数上のゆらぎに基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が周波数上のゆらぎに基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が周波数上のゆらぎに基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が周波数上のゆらぎに基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が周波数上のゆらぎに基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が周波数上のゆらぎに基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音生成部441が時間上のゆらぎに基づいて非可聴音X(t)を生成する方法を説明するための図である。 非可聴音制御部440における各信号をイメージした図である。 実施例において被験者へ呈示した刺激(曲)を示す図である。 実施例における実験の結果を示す図である。
符号の説明
1…心身状態変化システム、10…心身状態計測装置、20…外部入力装置、30…音源入力装置、40…音響再生装置、410…パラメータ格納部、420…入力部、430…パラメータ読出部、440…非可聴音制御部、441…非可聴音生成部、442…非可聴音付加部、443…乗算部、450…出力部。

Claims (6)

  1. 被験者の心身状態を特定する複数の心身状態特定情報と、前記複数の心身状態特定情報それぞれの相関関係を特定する複数のパラメータと、を予め格納する格納手段と、
    前記被験者の前記心身状態を計測する際に用いられる指標が心身状態計測装置により計測され、前記指標に基づいて前記被験者の現在の心身状態が前記心身状態計測装置により特定され、前記被験者の前記現在の心身状態を特定する現在状態特定情報の入力を前記心身状態計測装置より受け付ける現在状態入力手段と、
    前記被験者の前記現在の心身状態を前記被験者の他の心身状態に変化させる際の目標となる目標心身状態を特定する目標状態特定情報の入力を受け付ける目標状態入力手段と、
    前記現在状態入力手段が受け付けた現在状態特定情報と前記目標状態入力手段が受け付けた目標状態特定情報との間の相関関係を特定するパラメータを、前記格納手段を参照して読み出すパラメータ読出手段と、
    任意の音源信号の入力を受け付ける音源入力手段と、
    前記被験者の前記現在の心身状態を前記被験者の前記目標心身状態に変化させるために前記被験者に聴かせる非可聴音を、前記パラメータ読出手段が読み出したパラメータに基づいて生成し、当該生成した非可聴音を前記音源入力手段が受け付けた前記音源信号に付加することにより出力信号を生成する非可聴音付加手段と、
    前記非可聴音付加手段が生成した出力信号を前記被験者に出力する出力手段と、
    を備え、
    前記パラメータは、非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つであり、
    前記非可聴音付加手段は、
    前記パラメータ読出手段が読み出したパラメータが前記非可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相を指している場合に、下記数式(1)
    X(t)=a{1+sin(2πft―θ)}…(1)
    により、前記非可聴音X(t)を生成し、
    下記数式(2)
    Y(t)=X(t)s(t)…(2)
    (式中、fは前記周波数を表し、aは該周波数fでの振幅を表し、θは該周波数fでの位相を表し、s(t)は前記音源信号を表し、tは時間を表す。)
    により、前記非可聴音X(t)と前記音源信号s(t)とを乗算して前記出力信号Y(t)を生成し、
    前記非可聴音付加手段は、
    前記パラメータ読出手段が読み出したパラメータがn個の複数の周波数、振幅、および位相を指している場合に、下記数式(3)
    Figure 0005286075
    (式中、fiは前記複数の周波数のうちの一つを表し、aiは該周波数fiでの振幅を表し、θiは該周波数fiでの位相を表す。)
    により、前記非可聴音X(t)を生成することを特徴とする音響再生装置。
  2. 前記パラメータには、可聴領域における周波数、該周波数での振幅、および該周波数での位相のうち、少なくとも一つが更に含まれることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
  3. 前記パラメータには、前記出力手段が前記出力信号を前記被験者に出力してから経過した時間が更に含まれることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
  4. 前記非可聴音付加手段は、当該生成した非可聴音と、前記音源入力手段より入力した音源信号とを加算することにより、前記出力信号を生成することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の音響再生装置。
  5. 前記出力手段は、前記出力信号の周波数成分のうちで前記非可聴領域における周波数成分を増幅してから、前記出力信号を前記被験者に出力することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の音響再生装置。
  6. 前記出力手段は、所定の出力頻度、出力時間、または出力時刻に、前記出力信号を前記被験者に出力することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の音響再生装置。
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