JP5284043B2 - 流体の流量測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体の流量測定装置に関する。より詳細には、フローセンサにより流体の流量を測定する流体の流量測定装置に関する。
例えば、基板の表面に発熱抵抗体や感温抵抗体(以下、発熱抵抗体等と称する)を含んで構成されるセンサ部を有する感熱式のフローセンサが知られており、当該フローセンサは、そのセンサ部をガス等の流体の流れの中に置かれて利用され、前記発熱抵抗体等を通電によって所定温度に維持するように制御する一方で、発熱抵抗体等の温度−抵抗特性に基づいて、流体によって持ち去られる熱量による発熱抵抗体等の温度変化を計測して、流体の流速、延いては単位時間当たりの流速から演算される流量を測定する流量測定装置として利用されている。
このような流量測定装置は、例えば、特許文献1に記載されているように、例えば内燃機関のエアダクト(吸気通路)に取り付けられて、エアダクト内の空気流量を測定するためなどに用いられる。
特許文献1に記載されている流量測定装置は、被測定気体の流量測定を行うフローセンサと、被測定気体を導入してフローセンサへ流すバイパス流路と、を備え、バイパス流路内には、被測定気体の流れをフローセンサへ導くガイド機能を持った形状を有し且つ被測定気体中に含まれるパーティクルを捕獲する捕獲部としてのフィン部材が備えて構成され、これにより、センシング部を通る被測定気体の流れを安定化しつつ、パーティクルのセンシング部への衝突を防止するようにしている。
また、例えば、特許文献2には、流量測定時にはフローセンサを測定用流路に進出させ、標準状態でのフローセンサの出力を参照する場合にはフローセンサを校正用空間に退避させ、測定用流路と校正用空間とを選択的に接続することができるように構成された流量測定装置が記載されており、これにより、フローセンサを校正用空間に退避させ、測定の対象となる流体を校正用空間に入れ替え、測定用流路と校正用空間とを遮蔽して校正用空間を流量ゼロとすることができるようにして、如何なる流体の流量を測定する際にも、容易に正しい標準状態を作り出し、その標準状態でのフローセンサの出力を参照し、経時的な特性の変化を少なくすることができるようにしたものが記載されている。
特開2003−149016号公報 特開2002−162270号公報
ここにおいて、特許文献1や特許文献2に記載されているような従来の流量測定装置を用いて、内燃機関の排気通路を流れる排気の流量やEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置のEGRガス通路を流れるEGRガス(排気の一部)の流量を測定しようとした場合、以下のような現象が起きることが確認された。
すなわち、排気通路やEGRガス通路を流れる流体は、燃焼室から高温で排出される気体(排気)であり、その流量や温度は内燃機関の運転状態(回転速度や負荷など)に応じて比較的大きく変化する。
このように、被測定対象である流体(排気)の温度が比較的大きく変化すると、当該排気の温度と、フローセンサのセンサ部の温度と、に比較的大きな乖離が生じ、流量測定装置の測定に応答遅れが生じ、応答性良く流量変化に追従して精度良く流体(排気)の流量を測定することができない惧れがあることが確認された。
しかしながら、上述した特許文献1や特許文献2に記載される流量測定装置は、このような流体の温度変化に対する応答性の測定精度への悪影響に対する配慮はなされていないのが実情であった。
本発明は、かかる従来の種々の実情に鑑みなされたものであって、簡単かつ安価な構成でありながら、流体の温度変化に良好に追従して精度良く流体流量を測定することができる流体の流量測定装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る流体の流量測定装置は、
流体温度を検知するセンサ部と、
当該センサ部を支持するボディ部と、
を含んで構成され、前記センサ部が検知した流体温度に基づいて流体の流量を測定する感熱式の流体の流量測定装置であって、
外部に露出されているセンサ部の基端部分に対して、前記ボディ部の一部を構成する金属製要素がボディ部の基端側に退避され
前記金属製要素以外のボディ部であって、前記外部に露出されているセンサ部の基端部分と、前記ボディ部の基端側に退避された金属製要素の先端と、の間の接続部の外周が、金属よりも熱が伝わり難い材料で構成されていると共に、
前記接続部の外周が、前記ボディ部の基端側に退避された金属製要素の先端から、前記外部に露出されているセンサ部の基端部分へ向かって先細りに形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、簡単かつ安価な構成でありながら、流体の温度変化に良好に追従して精度良く流体流量を測定することができる流体の流量測定装置を提供することができる。
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施の形態に係る流体の流量測定装置の全体構成を概略的に示す全体構成図(流体の流れ方向に略直交する方向から見た図)であり、図2は図1の側面図(流体の流れ方向に沿った方向から見た図)である。図3は、本実施の形態に係る流体の流量測定装置の検出応答性と、従来の流体の流量測定装置の検出応答性と、を比較して示したタイムチャートである。図4及び図5は、従来の流体の流量測定装置の全体構成図である。
本発明の一実施の形態に係る流体の流量測定装置1は、図1、図2に示すように、例えば内燃機関のEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置におけるEGRガス通路5内に臨んで配設される。EGRガス通路5は、図示しない内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続する通路で、例えば、介装されるEGRバルブ(図示せず)が開弁されたときに、排気通路を流れる排気の一部を当該EGRガス通路5を介して吸気通路に導き(還流させ)、図示しない燃焼室にEGRガスを導入することで燃焼温度を低下させて排気中に含まれるNOx排出量を低減するためのEGR装置の一部として機能するものである。但し、流量測定装置1が配設される部位は、EGRガス通路5に限定されるものではなく、例えば、吸気通路、排気通路、流体が流れるその他の通路(内燃機関の通路に限定されるものでもない)とすることができる。
前記流量測定装置1は、感温抵抗体等を含んで構成されるセンサ部2を備えて構成される感熱式のフローセンサとすることができ、従来同様、センサ部2の表面近傍に埋め込まれている発熱抵抗体等を通電によって所定温度に維持するように制御する一方で、発熱抵抗体等の温度−抵抗特性に基づいて、流体によって持ち去られる熱量による発熱抵抗体等の温度変化を計測して、流体の流速、延いては単位時間当たりの流速から演算される流量を測定することができるようになっている。
すなわち、センサ部2は被測定対象である流体から流量に関連する情報を取得(或いは検知)し、当該センサ部2で取得(或いは検知)された情報に基づいて流量が測定されることになる。
ここにおいて、本発明者等は、被測定対象である流体(例えば、排気延いてはEGRガス)の温度が比較的大きく変化すると、当該流体の温度と、フローセンサのセンサ部の温度と、の間に比較的大きな乖離が生じ、センサ部の検知に応答遅れが生じ、応答性良く流量変化に追従して精度良く流体(排気)の流量を測定することができず、以って流体の流量の測定精度に悪影響があることを確認した。
なお、従来の流量測定装置の一例を示す流量測定装置10は、図4、図5に示すように、薄肉で細長い略直方体の相対的に大きなサイズのボディ部3の下端部に、当該ボディ部3より相対的に小さなサイズの薄肉で細長い略直方体のセンサ部2が突き出すように配設されている。
前記ボディ部3は、ステンレス(SUS)等の金属製の外筒部材(或いは鞘)3aの中に、セラミックス等からなる絶縁体である内側部材3bが支持されており、当該内側部材3bにセンサ部2の基端側は包囲されるように支持され、当該センサ部2の先端部分が外部に露出されて、前記内側部材3bの下端から所定に突き出した構成となっている。
ここで、前記外筒部材3aは金属製であり比較的熱容量が大きいため、被測定対象である流体(例えば、排気延いてはEGRガス)の温度が低温側から高温側へ変化した場合には、前記外筒部材3aが周囲の流体温度と略均等な温度になるまで、記外筒部材3aが流体の持つ熱を奪おうとするため、その影響により、前記センサ部2が流体の温度変化に追従して応答性良く流体温度を検知することができず、流量測定に悪影響を及ぼすことになる。
これに対して、被測定対象である流体(例えば、排気延いてはEGRガス)の温度が高温側から低温側へ変化した場合には、前記外筒部材3aが周囲の流体温度と略均等な温度になるまで、前記外筒部材3aから流体側へ熱が放出されることになるため、その影響により、前記センサ部2が流体の温度変化に追従して応答性良く流体温度を検知することができず、流量測定に悪影響を及ぼすことになる。
このような現象を確認した本発明者等は、金属製の外筒部材3aが流体測定の応答性に悪影響を及ぼさないように、本実施の形態に係る流体の流量測定措置1においては、図1、図2に示したように、外部に露出されているセンサ部2の基端部分Aに対して、外筒部材3Aの下端をボディ部3の基端側に向けて退避(或いは後退)させるようにして、センサ部2の近傍において、熱容量が小さく周囲の流体温度に影響を与え難いセラミックス製の内側部材3Bを露出させるようにした。ここにおいて、前記外筒部材3Aが本発明に係る金属製要素に相当する。
これにより、被測定対象である流体(例えば、排気延いてはEGRガス)の温度が変化した場合でも、従来の流体の流量測定装置10における外筒部材3a(図4、図5参照)へ流体の持つ熱が伝達されたり、外筒部材3aから流体へ熱が伝達されることを抑制することができるため、当該外筒部材3aが近傍の流体に与える悪影響を抑制することができ、以って本実施の形態に係るセンサ部2は流体の温度変化に良好に追従して応答性良く正確に流体温度を検知することができることになり、延いては流体の温度変化に良く追従した高精度な流量測定が行なえるようになる。
なお、本実施の形態では、図1、図2に示したように、外筒部材3Aの下端から、外部に露出されているセンサ部2の基端部分Aまでの内側部材3Bの延在部分であってセラミックスが露出されている接続部4を、例えば、図1平面及び図2平面に略直交する方向から見たときに略円錐形状となる略四角錘台形状とし、当該接続部4を、前記ボディ部3の基端側に退避された外筒部材3Aの先端から前記外部に露出されているセンサ部2の基端部分Aへ向かって先細りとなるように形成した。
これにより、金属製の外筒部材3Aをセンサ部2から遠ざけることができると共に、通路抵抗を低減でき、従来の内側部材3aのような略矩形形状に対してより一層熱容量を低減することができ、更には、従来の内側部材3aのような略矩形形状の場合に角部に衝突した流体の流れに乱れ等が生じることによってセンサ部2の検出に悪影響が及ぼされることなどを効果的に抑制することができる。
図3に、本実施の形態に係る流量測定装置1(外筒部材3Aの下端から、センサ部2の外部に露出されているセンサ部2の基端部分Aまでを、内側部材3Bの延在部分であってセラミックスが露出されている接続部4により接続するような構成とした場合)の検出応答性(センサ出力)と、図4、図5に示した従来の流体の流量測定装置10の検出応答性(センサ出力)と、を比較したタイムチャートを示しておく。
この図3に示した実験結果からも、本発明の当該実施の形態に係る流体の流量測定装置1の検出応答性が、従来の流体の流量測定装置10の検出応答性に対して改善されていることが理解される。
このように、本実施の形態に係る流体の流量測定装置1によれば、被測定対象である流体がセンサ部2の近傍における部材の熱容量に起因するセンサ部2の検出応答遅れを抑制することができるので、以ってセンサ部2は流体の温度変化に良好に追従して応答性良く正確に流体温度を検知することができることになり、延いては流体の温度変化に良く追従した高精度な流量測定を行うことができる。
なお、接続部4の形状は、略四角錘台形状に限定されるものではなく、従来の内側部材3aのような略矩形形状とすることができ、または、従来の内側部材3aのような略矩形形状の下端の角部を所定に面取りしたり、或いはR取り(丸めたり)したような形状とすることもできる。
ところで、外筒部材3Bは、電気絶縁体である内側部材3Aを保護しつつ支持するためなどに設けられ、流量測定装置1を比較的高温となるEGRガス通路5に取り付けるためのフランジ部等が形成される場合が多く、比較的延性が高く熱に強い金属製とすることが好ましいものである。
また、センサ部2やボディ部3は、図1、図2に示したように、その断面積が小さい側を流体の流れ方向と対向するように配設することが、通気抵抗(流路抵抗)を抑制することができ、かつ、測定精度に悪影響を及ぼすような乱れがセンサ部2近傍に生じることなどを抑制することができる点で好ましい。
以上で説明した一実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
本発明の一実施の形態に係るフローセンサを利用した流体流量測定装置を流体の流れに略直交する方向から見た全体構成を部分的に断面で示した全体構成断面図である。 同上実施の形態に係るフローセンサを利用した流体流量測定装置を流体の流れに略平行な方向(沿った方向)から見た全体構成を部分的に断面で示した全体構成断面図である。 本発明に係るフローセンサを利用した流体流量測定装置の検出応答性と、従来のフローセンサを利用した流体流量測定装置の検出応答性と、を比較したタイムチャートである。 従来のフローセンサを利用した流体流量測定装置の一例を流体の流れに略直交する方向から見た全体構成を部分的に断面で示した全体構成断面図である。 従来のフローセンサを利用した流体流量測定装置の一例を流体の流れに略平行な方向(沿った方向)から見た全体構成を部分的に断面で示した全体構成断面図である。
符号の説明
1 流量測定装置(フローセンサ)
2 センサ部
3 ボディ部
3A 外筒部材(本発明に係る金属製要素に相当)
3B 内側部材
4 接続部
5 EGRガス通路(流体通路)

Claims (1)

  1. 流体温度を検知するセンサ部と、
    当該センサ部を支持するボディ部と、
    を含んで構成され、前記センサ部が検知した流体温度に基づいて流体の流量を測定する感熱式の流体の流量測定装置であって、
    外部に露出されているセンサ部の基端部分に対して、前記ボディ部の一部を構成する金属製要素がボディ部の基端側に退避され
    前記金属製要素以外のボディ部であって、前記外部に露出されているセンサ部の基端部分と、前記ボディ部の基端側に退避された金属製要素の先端と、の間の接続部の外周が、金属よりも熱が伝わり難い材料で構成されていると共に、
    前記接続部の外周が、前記ボディ部の基端側に退避された金属製要素の先端から、前記外部に露出されているセンサ部の基端部分へ向かって先細りに形成されていることを特徴とする流体の流量測定装置。
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