JP5283649B2 - 弓を用いて矢を射る動作を解析する装置および方法 - Google Patents

弓を用いて矢を射る動作を解析する装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、弓を用いて矢を射る動作を解析する装置および方法に関するものである。
特許文献1には、体を動かして行うスポーツ、演技又は行為等の基本的な体の動かし方を指導するための指導装置が開示されている。この指導装置を用いた望ましい方法の1つとして、指導をうける受講者が行うスポーツ、演技又は行為等をビデオ・カメラで撮影し、そのビデオ画像を解析しながら時間を置かずに二分割された画面上で対比をしながら指導することが記載されている。
特開2007−313362号公報
弓道において、弓を用いて矢を射る動作の基本を8つの節(射法八節(弓道八節))に分けて説明・指導することが多い。射法八節の基本的内容は次の通りである。
1.足踏み(あしぶみ)
射位(しゃい:弓を射る位置)で的に向かって両足を踏み開く動作。
2.胴造り(どうづくり)
足踏みを基礎として、両脚の上に上体を安静におく動作・構え。
3.弓構え(ゆがまえ)
矢を番えて弓を引く前に行う準備動作。
4.打起し(うちおこし)
弓矢を持った両拳を上に持ち上げる動作。
5.引分け(ひきわけ)
打起こした位置から弓を押し弦を引いて、両拳を左右に開きながら引き下ろす動作。
6.会(かい)
引分けが完成(弓を引き切った状態)され、矢は的を狙っている状態。
7.離れ(はなれ)
矢を放つ、或は放たれること。
8.残心(ざんしん:残身とも書く)
矢が放たれた後の姿勢。
アーチェリーにおいても、弓を用いて矢を射る動作を上記と同様に以下のように説明することが多い。
1.スタンス(Stance、足踏み)
2.セット(Set、胴造り)
3.ノッキング(Nocking、矢つがえ)
4.セットアップ(Set up、打ちおこし)
5.ドローイング(Drawing、引き分け)
6.フルドロー(Full Draw、会)
7.リリース(Release、離れ)
8.フォロースルー(Follow Through、残心(残身))
これらの動作はいずれも重要であるが、特に、「会」、「離れ」、および「残身」の動作は重要であり、この過程において、「離れ」から矢は1ミリ秒以下で一方の手、たとえば右手(勝手)の中を離れ、弓は加速されながら、的に向かって前進し、弓のバネの力のほぼ0になる点付近で、矢と弦とが分離する(矢の別れ)。この間の時間は、平均測定値では27ミリ秒程度である。的に的中することとは、離れの直前に狙った矢所から、矢の飛翔特性の方向が変化しないように空中の慣性運動に変えてやるかということである。そのためには、左手(押手)は銃身のように的にまっすぐに、右手は矢の方向を崩さないように、弦の矢を押す状態に移行することが重要である。さらに、矢の速度が器具の持つ力学的能力以上であることはこの間の操作者の筋肉運動で決定される。すなわち、弓道・アーチェリーは的を狙った矢を、如何にまっすぐに、早く空中に出してやるかということである。この古い歴史のある弓道・アーチェリーでは、技量の良し悪しは、人間の目ではほとんど見えないような変化が重要である。
さらに、弓道は、的中のみを追いかける競技ではなく、矢の速度をあげて、身体の力が無駄なく矢に凝縮されるようにすること、また、そのための修練を通じて人間性の向上、例えば集中力の向上を目指すことも、弓道の目標の1つである。
しかしながら、ビデオ画像を見て比較するような方法では、弓道・アーチェリーの技量の良し悪しの要因となる肉体能力を解析し、理解させることは容易ではない。さらに、鍛練した結果を自己評価することも難しい。
本発明の一態様は、弓を用いて矢を射る動作を解析する装置である。この装置は、離れの前後の動作、たとえば、会から残心に至る動作を、1秒間に少なくとも100フレームの割合で高速ビデオ撮像された第1の画像データを解析し、第1の画像データに含まれるコマ間の差分が最大の画像を基準の静止画像として設定する機能と、第1の画像データに含まれる基準の静止画像の所定のコマ数後またはコマ数前の画像を比較する静止画像とし、基準の静止画像と比較する静止画像との差分を取り出し、所定の着色を施してクロマキー合成する機能とを有する。
「会」から「残心」に至る画像、特に、「離れ」の前後の画像の中で、「離れ」のときの弓の動きの変化が最も大きい。この装置においては、基準の静止画像を設定する機能が、コマ間の差分が最大の画像を基準に静止画像に設定することにより、「離れ」あるいはその直後のユーザの状態(姿勢、動き)を基準の静止画像に固定できる。
さらに、クロマキー合成する機能により、基準の静止画像に、基準の静止画像と比較する静止画像との差分が所定の色ではめ込まれた画像を生成できる。したがって、1つの静止画像上の色の異なる表示により、「離れ」以降の動作(姿勢、動き)を、10ミリ秒あるいはそれ以下の短い時間単位で明瞭に把握できる。このため、複数の画像を比較して相違を探したり、補助線を引いて相違を検討したりする手間をかけずに、迅速に、また、短時間に、ユーザ自身の姿勢や筋肉の動きなどの問題点を直視できる。したがって、短期間で技能を向上できる。
弓道において、弦と矢の分離する位置「矢の別れ」を、「弦の別れ」、「弓の別れ」および「四寸の別れ」の三段階で説明することがある。この装置においては、基準の静止画像として「離れ」に近いコマの画像を設定できる。したがって、比較する静止画像の1つの典型的なものは「矢の別れ」の画像であり、平均的には、基準の静止画像から、27ミリ秒後に相当する所定のコマ数後の画像を比較する静止画像に設定する
クロマキー合成する機能は、基準の静止画像の後の複数の所定のコマ数後の画像を複数の比較する静止画像とし、基準の静止画像と複数の比較する静止画像との複数の差分を取り出し、複数の差分のそれぞれに異なる着色を施してクロマキー合成することが望ましい。たとえば、基準の静止画像として「離れ」に対応する画像を設定し、基準の静止画像から3コマ程度後の画像を「矢の別れ」に対応する画像として設定することが可能である。ユーザが適宜選択したコマの画像を、1または複数の比較する静止画像として設定してもよい。
この装置の他の形態は、さらに、第1の画像データに含まれる画像から、「矢の別れ」に対応する静止画像に含まれる矢の画像と、その後の静止画像に含まれる矢の画像との変位に基づき、射られた矢の速度を求める機能を有する。矢の射速は、技量を判断するための1つの重要な要素である。
また、この装置は、さらに、高速ビデオ撮影された第1の画像を、通常のフレームレートの動画、たとえば、30Hz(fps)で再生する機能を備えていてもよい。第1の画像を用いて、「離れ」の前後、たとえば、「会」から「残心」に至る動作をスローモーションで再生できる。
本発明の他の態様の1つは、クロマキー合成する機能を有する装置を用いて弓を用いて矢を射る動作を解析する方法であって、以下のステップを有する。
1.装置が、離れの前後の動作が1秒間に少なくとも100フレームの割合で高速ビデオ撮像された第1の画像データを解析し、第1の画像データに含まれるコマ間の差分が最大の画像を基準の静止画像として設定すること。
2.第1の画像データに含まれる基準の静止画像の所定のコマ数後の画像を比較する静止画像とし、基準の静止画像と比較する静止画像との差分を取り出し、所定の着色を施してクロマキー合成すること。
ステップ2のクロマキー合成することは、比較する静止画像として、「矢の別れ」に対応する静止画像を設定する
さらに、ステップ2のクロマキー合成することは、基準の静止画像の後の複数の所定のコマ数後の画像を複数の比較する静止画像とし、基準の静止画像と複数の比較する静止画像との複数の差分を取り出し、複数の差分のそれぞれに異なる着色を施してクロマキー合成することを含むことが望ましい。
矢を射る動作を解析する方法の他の形態は、さらに、以下のステップ3を含む
3.第1の画像データに含まれる画像から、「矢の別れ」に対応する静止画像に含まれる矢の画像と、その前後の静止画像に含まれる矢の画像との変位に基づき、射られた矢の速度を求めること。
本発明の異なる他の態様の1つは、クロマキー合成する機能を有する装置により弓を用いて矢を射る動作を解析することを含むプログラムである。このプログラムは、上述した方法の各ステップを装置に実行させる命令を有する。このプログラムは、CD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供できる。また、インターネットなどのコンピュータ通信を用いて提供することも可能である。
画像解析システムの概要を示す図。 「離れ」の前を示す画像。 「離れ」の直後の状態のコマ画像を示す図。 「矢の別れ」の近傍の状態のコマ画像を示す図。 「矢の別れ」の次のコマ画像を示す図。 合成画像を示す図。 画像解析装置の動作の概要を示すフローチャート。
図1に弓を用いて矢を射る動作を解析するシステムの概要を示している。このシステム1は、射手9の動きを高速ビデオ撮影するビデオカメラ8と、ビデオ画像を解析する解析装置10と、ディスプレイ5と、適当なマンマシンインターフェイス6とを含む。解析装置10は、典型的にはパーソナルコンピュータであり、以下に説明する機能を備えた画像解析用のソフトウェアをパーソナルコンピュータにインストールすることにより解析装置10として使用することができる。
解析装置10は、画像データを格納するメモリ11と、スロー再生用の機能12と、画像解析・合成機能20とを含む。メモリ11には、ビデオカメラ8により高速度で撮影された画像データ30がロード(格納)されている。画像データ30は、100fps(毎秒100フレーム)以上のフレームレートで撮像されたものが好ましく、以下では120fpsで撮像された画像データを例に説明する。画像データ(第1の画像データ)30には、矢を射る動作のうち、「離れ」の前後の動作、たとえば、「会」から「残心」までの動作を高速度で撮影された画像データが含まれる。画像データ30はフレーム間(コマ間)が約8.3ms(ミリ秒)の多数のフレーム(コマ画像)を含んでいる。
画像解析・合成機能(画像解析・合成手段、画像解析・合成機能ユニット)20は、上記の画像データ(第1の画像データ)30を解析し、画像データ30に含まれるコマ間の差分が最大の画像を基準の静止画像(以降では基準画像)31として設定する機能(基準画像設定手段、基準画像設定機能、基準画像設定機能ユニット)21と、基準画像31に差分をクロマキー合成した画像(以降では合成画像)39を生成する画像合成機能(画像合成手段、画像合成機能ユニット)22とを有する。画像合成機能22は、画像データ30に含まれる基準画像31の所定のコマ数後またはコマ数前の画像を、比較する静止画像(以降では比較画像)32として選択する機能23と、基準画像31と比較画像32との差分を取り出し、所定の着色を施してクロマキー合成する機能24とを含む。さらに、画像解析・合成機能20は、画像データ30を解析して矢速を計算する機能(矢速計算機能ユニット)25を有する。
図2は、画像データ30に含まれるコマ(フレーム)画像のうち、「離れ」の前の「会」の状態を示す画像35の一例を示している。射手9は、弓91を構え、弦92に矢93を番えた状態で弦92を引いている。矢93の先端(矢じり)93aは的を向き、射手9の右手(勝手)95は、右手95にはめた「ゆがけ」94の弦枕に矢93の筈93bを保持している。また、射手9の左手96は弓91を保持している。
図3は、画像データ30に含まれるコマ画像のうち、「離れ」の直後の状態を示す画像31の一例を示している。「離れ」において、射手9の「ゆがけ」94の弦枕から矢93の筈93bが滑り出る。このため、弓91が図3に破線で示す状態から実線に示す状態に大きく動く。そして、弦92が矢93の筈93bとともに、射手9の「ゆがけ」94の弦枕から離れる。このときの弓91の動きが、「離れ」の前後において最も高速であり、単位時間当たりの動きの幅が大きい。
したがって、この画像31は、画像データ30に含まれるコマ画像の中で、コマ間の差分が最も大きな画像となる。このため、画像解析・合成機能20の基準画像設定機能21は、画像データ30に含まれるコマ間の差分を判断し、最も差分が大きなコマ画像31を「離れ」の直後の状態を示す基準画像として設定する。たとえば、基準画像設定機能21は、画像データ30をMPEG標準の画像データに変換し、フレーム間予測などの技術を用いてフレーム間の差分の最も大きな画像を選択できる。
図4は、画像データ30に含まれるコマ画像のうち、「矢の別れ」の状態を示す画像32の一例を示している。図3に示した「離れ」の直後から図4に示した「矢の別れ」までは平均で27ms程度であることが本願発明者らにより求められている。この画像データ30はコマ間が約8.3msである。したがって、図4は、基準画像31から3コマ目のコマ画像を示している。
このため、画像解析・合成機能20の画像合成機能22に含まれている選択機能23は、比較画像32として、基準画像31から3コマ目の画像を選択する。さらに、クロマキー合成する機能24は、比較画像32と、図4に破線で示した基準画像31との差分をクリップアートとして取り出す。さらに、クロマキー合成する機能24は、差分のクリップアートに基準画像31とは異なる色を付けて、基準画像31をベースにクロマキー貼り付け(クロマキー合成)し、図6に示す合成画像39を生成する。
図5は、画像データ30に含まれるコマ画像のうち、「矢の別れ」の静止画像32の次のコマ画像33の一例を示している。画像解析・合成機能20の矢速計算機能25は、このコマ画像33に示された矢93の特定の部分、たとえば、筈93bの位置と、前のコマ画像32の同じ筈93bの位置とを比較することにより、「矢の別れ」の直後の矢93の速度(矢速)vを計算する。「矢の別れ」の直後の矢93の矢速vは、空気の抵抗あるいは風の影響をそれほど受けず、各々の射手9から放たれた矢93の状態を比較するために最も適したパラメータの1つであると考えられる。
図6は、画像合成機能22により生成された合成画像39の一例を示す。たとえば、合成画像39には、基準画像31がモノクロで表示され、基準画像31と比較画像32との差分が赤色などの色つき(図6では、太い黒線で示す)で表示されている。したがって、ユーザは、合成画像39を見ることにより、基準画像31、すなわち「離れ」のときの射手9の姿勢(動作)と、比較画像32、すなわち「矢の別れ」のときの射手9の姿勢(動作)との差を、色つきの画像により明確に理解できる。
図7に、画像解析・合成機能20の処理の概要をフローチャートにより示している。まず、ステップ51において、高速ビデオ撮影された画像データ(第1の画像データ)30をメモリ11にロードする。ステップ52において、ロードされた画像データ30を再生するか否かを選択する。画像データ30を再生することが選択されると、ステップ53において、スロー再生機能(スロー再生機能ユニット)12が画像データ30を、通常の動画のフレームレートである30Hzで再生する。したがって、ディスプレイ5に、画像データ30に含まれる「離れ」の前後の動作が、4倍のスローモーションで再生される。
この画像解析・合成機能20は、マニュアル設定機能26を含んでおり、ユーザは、スローモーション再生された画像を見ながら、基準画像31および比較画像32を設定することが可能である。スロー再生中に、ステップ54においてマニュアル設定が選択されると、ステップ55において、マニュアル設定機能26がマンマシンインターフェイス6を介したマニュアル設定を受け付ける。
ステップ52において、再生不要が選択されると画像解析を開始し、ステップ56において、基準画像設定機能21が、画像データ30に含まれるコマ画像の中から、差分が最大の画像を基準画像31として選択する。マニュアル設定機能26により基準画像31が設定されている場合は、そちらが優先される。
ステップ57において、画像合成機能22の画像選択機能23が、基準画像31から所定のコマ数後、本例では3コマ目の画像を比較画像32として選択する。マニュアル設定機能26により比較画像32が設定されている場合は、そちらが優先される。
ステップ58において、画像合成機能22のクロマキー合成機能24が、基準画像31と比較画像32との差分をクリップアートとして抽出する。ステップ59において、さらに、クロマキー合成機能24が、差分のクリップアートに色を付け、基準画像31にクロマキー合成し、合成画像39を生成する。
ステップ60において、比較画像32として選択する画像が他にあれば、ステップ57に戻って、新たな比較画像32を選択し、ステップ59において、差分のクリップアートに先の比較画像32との差分とは異なる色を付けて(着色し)クロマキー合成する。新たな比較画像32としては、「矢の別れ」の前のコマ画像を選択することができる。「離れ」から「矢の別れ」に至る数10msの短時間のユーザの姿勢および動作をさらに詳しく色別で表示することができる。
また、新たな比較画像32としては、「矢の別れ」の後の、弓返りの状態の画像などを選択することができる。新たな比較画像32は、1つに限られず、複数であってもよい。また、画像合成機能22の画像選択機能23により、基準画像31から適当なコマ数後の複数の画像が比較画像32として選択されてもよい。また、マニュアル設定機能26により、ユーザが適当な複数のコマ画像を比較画像32として選択してもよい。さらに、「会」から「離れ」を経て「矢の別れ」およびその後に至るユーザの姿勢および動作を各コマに色分けして表示することも可能である。
ステップ60において、比較画像32が他になければ、ステップ61において、合成画像39をメモリ11に出力し、合成画像39をディスプレイ5に表示する。
さらに、ステップ62において、矢速計算機能25により、「矢の別れ」直後の矢速vを計算する。「矢の別れ」のコマ画像32と、その次のコマ画像33とに含まれる矢93の特定部分、たとえば筈93bの位置を画像解析し、コマ間隔(この例では、約8.33ms)で割ることにより矢速(発射時の最高飛翔速度)vを得ることができる。この画像解析・合成機能20においては、測定された矢速vを合成画像39に加えて出力することが可能である。また、「矢の別れ」のコマ画像32の前の静止画像、たとえば「離れ」のコマ画像31の矢93の特定部分の位置との差を画像解析により比較し、加速度を求めることも可能である。
このようにして製造された合成画像39を参照することにより、矢93が右手95の「ゆがけ」94の弦枕から離れた道程と、左手96が弓91を押し、弦92が矢93を押し出す道程とを1枚の静止画として表現することができる。この画像は、和弓を用いた弓道、および洋弓を用いたアーチェリーを行う射手が、自己反省したり、射手に指導方針を与えるため重要である。したがって、この画像解析・合成機能20を含む解析装置10は、弓道およびアーチェリーなどの、弓を用いて矢を射る動作を含むスポーツの修練の器具に好適である。
また、画像データ30に含まれる何枚ものコマ数のずれた複数の画面を比較画像32として採用し、それぞれ差分を取り、順次色を変えて、基準画像31にクロマキー合成し、1枚の静止した合成画像39にすることにより、離れてから矢が飛び去るまでの、肉体の動きの経過を一目で辿ることができる。したがって、複数の画像を見比べたり、補助線を入れたりするような手間をかけずに、短時間に、たとえば、矢を射る都度、射手が自ら動作を検証したり、指導者に射手の動作を検証してもらうことが可能となる。
さらに、矢速vを知ることができるので、弓91のばね定数(弓の強さ)、矢93の有効長さ、矢93の重さなどのファクターより運動方程式を組み立て、矢93を加速する力を計算することができる。矢速vの差は、射手の技量に大きく影響する。典型的には、矢速vには、射手の前鋸筋の発生する押手(左手)96のエネルギーが反映されると考えられている。合成画像39により、「離れ」から「矢の別れ」に至る左手96の動きが明瞭に判るので、矢速vと、合成画像39とにより、射手9は自らの技量を明瞭に把握できる。「離れ」の動機が左手(押手)にあるという大事なことがらや、押手は銃身であると同時に、発射の加速のエネルギーであるということがらが、たとえば、数mm程度の2つの画像のずれで示され、その差が色分けされた画像として合成画像39に含まれる。弓道を行う人々の間では、このような動きは「押手離れ」、「鸚鵡の離れ」と称されており修練における重要な項目である。そして、この動きを習得することにより矢の速度を数%増大させることができることが知られている。
弓道およびアーチェリー等において、矢93は1ミリ秒以下で右手(勝手、右利きを例にすると)95の中を離れ、弓91に加速されながら、的に向かって前進する。弓91のバネの力のほぼ0になる点付近で、矢93が弦92から分離される。この間、平均測定値は27ms(ミリ秒)程度である。「的に的中すること」とは、「離れ」の直前に狙った矢所から、矢93の飛翔特性の方向が変化しないように空中の慣性運動に変えてやるかということである。左手96は、銃身のように的にまっすぐに、右手95は矢93の方向を崩さないように、弦92の矢93を押す状態に移行することである。さらに、矢93の速度vが器具の持つ力学的能力以上であることは、この時間の間の操作者(射手)9の筋肉運動で決定される。すなわち、弓道およびアーチェリーは、的を狙った矢93を、いかにまっすぐに、早く空中に出してやるかということである。この古い歴史のある弓道およびアーチェリーといった矢93を射ることは、人間の目で見えにくい(把握されにくい)速さの変化により、良し悪しが決まっていた。
近年、画像を取得できる技術の進展により、人間の目には把握されにくい速度の変化をスローモーションで示す技術が進歩した。しかしながら、テレビ標準(人間の目の能力に適合させた)の規格により、簡単には、弓道およびアーチェリー等において矢93を射る技術に関わる肉体的な能力(技能)を解析できなかった。すなわち、高速ビデオが利用できるようになっても、弓道家が、スローモーション画面を見ながら、自己の技能や、他人の技能を修正することは難しかった。
この明細書に含まれる解析装置10および方法においては、高速ビデオのウルトラスロー録画を利用し、「離れ」から「矢の別れ」までを取り出し、この間の右手95および左手96の動きを1コマ落とし、さらにクロマキー技術により合成することで、コマ落としされた画像を見比べて、身体の筋肉運動の不具合を見出すような時間を省略でき、弓道人が自己反省および指導を迅速に行わせることを可能とする。
この明細書に含まれる解析装置10および方法においては、撮影と同時に動画から「離れ」の瞬間の静止画(基準画像)31を取り出し、この画像31から27ms程度後の静止画(比較画像)32を選出し、それらの画像の差分を取り出し、分離着色して、クロマキー技術により基準画像31にはめ込み合成画像39を生成する。この合成画像39により、射手9の動作の方向、矢93の加速力などの数値を求める基礎とするほか、合成画像39を見ることにより修練の反省、指導に当たることが可能となる。この出力画像(合成画像)39は、解析装置10として機能するパーソナルコンピュータの画面(ディスプレイ)5で見ることができる。また、合成画像39をプリントアウトすることも可能である。合成画像39をみることにより、短時間で、たとえば、数秒後には射手9の姿勢や筋肉の動きなどの問題点を直視することが可能となる。このため、次の矢93を離すまでに、前回の動作や姿勢を反省したり、修正することができる。
従来、弓道などの師範は、「離れ」から「矢の別れ」に至る右手95および左手96の運動の継続の終点を見て、その経過を推察して、修正箇所を指導されることが多い。「離れ」から「矢の別れ」に至る目には見えない速度で動く状態を想像して、その経路を推察することは、指導の達人であり、経験豊富であり、困難な仕事である。この解析装置10および方法を利用することにより、「師範の目」を、さらに確かなものとし、射手9の技量を迅速に向上させることができる。
弓道、アーチェリーは日常の市民の運動であって、その修練には数年、数10年を要する奥の深いスポーツである。何故ならば人間の目の能力以上で変化する物を扱うからである。この解析装置10および方法により、その修練を補助することが可能であり、弓道およびアーチェリーなどの矢を射ることを含むスポーツの普及を促進させることができる。
10 解析装置
20 画像解析・合成機能

Claims (9)

  1. 弓を用いて矢を射る動作を解析する装置であって、
    離れの前後の動作を1秒間に少なくとも100フレームの割合で高速ビデオ撮影された第1の画像データを解析し、前記第1の画像データに含まれるコマ間の差分が最大の画像を基準の静止画像として設定する機能と、
    前記第1の画像データに含まれる前記基準の静止画像の所定のコマ数後またはコマ数前の画像を比較する静止画像とし、前記基準の静止画像と前記比較する静止画像との差分を取り出し、所定の着色を施してクロマキー合成する機能とを有し、
    前記クロマキー合成する機能は、前記比較する静止画像として、矢の別れに対応する静止画像を設定する、装置。
  2. 弓を用いて矢を射る動作を解析する装置であって、
    離れの前後の動作を1秒間に少なくとも100フレームの割合で高速ビデオ撮影された第1の画像データを解析し、前記第1の画像データに含まれるコマ間の差分が最大の画像を基準の静止画像として設定する機能と、
    前記第1の画像データに含まれる前記基準の静止画像の所定のコマ数後またはコマ数前の画像を比較する静止画像とし、前記基準の静止画像と前記比較する静止画像との差分を取り出し、所定の着色を施してクロマキー合成する機能と、
    前記第1の画像データに含まれる画像から、矢の別れに対応する静止画像に含まれる矢の画像と、その前後の静止画像に含まれる矢の画像との変位に基づき、射られた矢の速度を求める機能とを有する装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記クロマキー合成する機能は、前記基準の静止画像の後の複数の前記所定のコマ数後の画像を複数の前記比較する静止画像とし、前記基準の静止画像と前記複数の比較する静止画像との複数の差分を取り出し、前記複数の差分のそれぞれに異なる着色を施してクロマキー合成する、装置。
  4. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    さらに、前記第1の画像データを通常のフレームレートの動画として再生する機能を有する、装置。
  5. クロマキー合成する機能を有する装置を用いて弓を用いて矢を射る動作を解析する方法であって、
    前記装置が、離れの前後の動作が1秒間に少なくとも100フレームの割合で高速ビデオ撮影された第1の画像データを解析し、前記第1の画像データに含まれるコマ間の差分が最大の画像を基準の静止画像として設定することと、
    前記第1の画像データに含まれる前記基準の静止画像の所定のコマ数後またはコマ数前の画像を比較する静止画像とし、前記基準の静止画像と前記比較する静止画像との差分を取り出し、所定の着色を施してクロマキー合成することとを有し、
    前記クロマキー合成することは、前記比較する静止画像として、矢の別れに対応する静止画像を設定することを含む、方法。
  6. クロマキー合成する機能を有する装置を用いて弓を用いて矢を射る動作を解析する方法であって、
    前記装置が、離れの前後の動作が1秒間に少なくとも100フレームの割合で高速ビデオ撮影された第1の画像データを解析し、前記第1の画像データに含まれるコマ間の差分が最大の画像を基準の静止画像として設定することと、
    前記第1の画像データに含まれる前記基準の静止画像の所定のコマ数後またはコマ数前の画像を比較する静止画像とし、前記基準の静止画像と前記比較する静止画像との差分を取り出し、所定の着色を施してクロマキー合成することと、
    前記第1の画像データに含まれる画像から、矢の別れに対応する静止画像に含まれる矢の画像と、その前後の静止画像に含まれる矢の画像との変位に基づき、射られた矢の速度を求めることとを有する方法。
  7. 請求項5または6において、
    前記クロマキー合成することは、前記基準の静止画像の後の複数の前記所定のコマ数後の画像を複数の前記比較する静止画像とし、前記基準の静止画像と前記複数の比較する静止画像との複数の差分を取り出し、前記複数の差分のそれぞれに異なる着色を施してクロマキー合成することを含む、方法。
  8. クロマキー合成する機能を有する装置により弓を用いて矢を射る動作を解析することを含むプログラムであって、
    前記装置に、離れの前後の動作が1秒間に少なくとも100フレームの割合で高速ビデオ撮影された第1の画像データを解析し、前記第1の画像データに含まれるコマ間の差分が最大の画像を基準の静止画像として設定することと、
    前記第1の画像データに含まれる前記基準の静止画像の所定のコマ数後またはコマ数前の画像を比較する静止画像とし、前記基準の静止画像と前記比較する静止画像との差分を取り出し、所定の着色を施してクロマキー合成することとを実行させる命令を有し、
    前記クロマキー合成することは、前記比較する静止画像として、矢の別れに対応する静止画像を設定することを含むプログラム。
  9. クロマキー合成する機能を有する装置により弓を用いて矢を射る動作を解析することを含むプログラムであって、
    前記装置に、離れの前後の動作が1秒間に少なくとも100フレームの割合で高速ビデオ撮影された第1の画像データを解析し、前記第1の画像データに含まれるコマ間の差分が最大の画像を基準の静止画像として設定することと、
    前記第1の画像データに含まれる前記基準の静止画像の所定のコマ数後またはコマ数前の画像を比較する静止画像とし、前記基準の静止画像と前記比較する静止画像との差分を取り出し、所定の着色を施してクロマキー合成することと、
    前記第1の画像データに含まれる画像から、矢の別れに対応する静止画像に含まれる矢の画像と、その前後の静止画像に含まれる矢の画像との変位に基づき、射られた矢の速度を求めることとを実行させる命令を有するプログラム。
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