JP5283391B2 - 樹脂封止装置および樹脂封止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体チップが搭載されたワークを樹脂にて封止する樹脂封止装置の技術分野に関する。
従来、図6に示す樹脂封止装置が公知である(特許文献1参照)。
この樹脂封止装置は、固定プラテン10と、当該固定プラテン10から垂設された上金型14と、固定プラテン10を支持するタイバー12と、タイバー12に沿って上下に進退動可能な可動プラテン13と、この可動プラテン13上に載置された下金型15を有している。また、可動プラテン13にはトグルリンク機構30が連結されており、載置する下金型15を上金型14に対して当接・離間(開閉)することが可能とされている。更に、当該トグルリンク機構30に対して、サーボモータ16から出力される回転運動を直線運動に変えて伝達するボールねじ20が備わっている。また、この樹脂封止装置には、減速比の異なる2系統のトルク伝達系18が設置されており、必要に応じて、サーボモータ16からボールねじ20へと伝達される動力系統を切替える(減速比を切り替える)ことが可能とされている。
また、可動プラテン13の側面には、ラック41が固定されており、当該ラック41に噛合する態様でピニオン42が設置されている。このピニオン42には、ロータリエンコーダが付設されており、制御装置50へと可動プラテン13の位置データ(パルスデータ)を伝達可能とされている。このラック41とピニオン42とで位置測定手段40が構成されている。
このように、当該特許文献1に記載される樹脂封止装置では、当該位置測定手段40によって可動プラテン13の位置、更には、下金型15の位置を検出しつつ、必要なタイミングにて2系統で構成されたトルク伝達系18を適宜切り替えている。
特開昭61−185936号公報
金型を開閉するに際しては、上金型14と下金型15とが当接する瞬間や、反対に上金型14と下金型15とが離間する瞬間においては、金型をゆっくりと開閉したいという要望がある。これは、両金型が当接する瞬間の場合には、ワークを確実且つ丁寧にクランプする等のためであり、一方、両金型が離間する瞬間の場合には、樹脂封止後のワークを損傷等させることなく丁寧に離型させる等のためである。
この目的を達成するためには、例えば、予めモータの回転速度を低く設定し、金型を開閉する速度全体を遅くすることで実現可能である。当然ながら、このような手法によれば、樹脂封止のサイクルタイムが大幅に長くなってしまい、生産効率の著しい低下に繋がってしまう。これを防止するには、例えば、型開きの場合であれば「両金型が離間した後」にモータの回転速度を上昇させたり、型閉じの場合であれば両金型が当接する直前まではモータを高速で回転させておき、「当接する直前に」モータの回転を低下させることによって、樹脂封止のサイクルタイムをある程度まで短くさせることが可能である。
しかし近年では、半導体製品の需要増大、コスト低減等の強い要請の下で、樹脂封止装置にも更なる生産性の向上が求められている。
本発明は、このような更なる生産性向上を目的としてなされたものであって、金型が開閉する(当接または離間する)瞬間の「ゆっくりとした金型の開閉」を確保すると同時に、樹脂封止装置全体としてのサイクルタイムをより短縮することをその課題としている。
本発明は、半導体チップが搭載されたワークを、相対向する第1、第2の金型にてクランプした上で、供給された樹脂を用いて封止する樹脂封止装置であって、前記第1、第2の金型を開閉させる動力源としてのモータを備え、該第1、第2の金型が型開きする場合、型開き開始から前記第1、第2の金型が離間するまでの該第1、第2の金型が当接している状態において、所定の変速点を境に前記モータの回転速度を低下させることにより、上記課題を解決するものである。あるいは、半導体チップが搭載されたワークを、相対向する第1、第2の金型にてクランプした上で、供給された樹脂を用いて封止する樹脂封止装置であって、前記第1、第2の金型を開閉させる動力源としてのモータを備え、該第1、第2の金型を型閉じする場合、前記第1、第2の金型の当接から型閉じ終了までの該第1、第2の金型が当接している状態において、所定の変速点を境に前記モータの回転速度を上昇させることにより、上記課題を解決するものである。
即ち、第1、第2の金型が非接触の状態(離間している状態)でのモータの回転速度をできるだけ向上させることによってサイクルタイムを稼ぐという発想ではなく、両金型が接触している状態(当接している状態)でのモータの回転速度を、所定の変速点を基準に積極的に変化させる(低下させるあるいは上昇させる)ことによって、金型が開閉する(当接または離間する)瞬間の「ゆっくりとした金型の開閉」を確保すると同時に、樹脂封止装置全体としてのサイクルタイムをより短縮することを実現している。ここでの回転速度の変化は、モータ自体の回転速度を直接変化させてもよいし、動力伝達経路において減速することで間接的に変化させてもよい。
例えば、前記第1、第2の金型が型開きする場合であれば、型開き開始から前記第1、第2の金型が離間するまでの該第1、第2の金型が当接している状態において、所定の変速点を境に前記モータの回転速度を低下させることによって、変速点まではモータをより高速にて回転させることでサイクルタイムを稼ぎつつ、変速点を境にモータの回転を低下させることで、両金型が離間する瞬間には「ゆっくり」と金型を移動させることを可能としている。
同様に、前記第1、第2の金型を型閉じする場合であれば、前記第1、第2の金型の当接から型閉じ終了までの該第1、第2の金型が当接している状態において、所定の変速点を境に前記モータの回転速度を上昇させることによって、「ゆっくり」と金型を当接させた後はモータをより高速で回転させることでサイクルタイムを短縮することが可能となる。
これらは、型開き時(型開き工程)または型閉じ時(型閉じ工程)の何れかのみに採用しても相応の効果を期待することができるが、両方に採用することによって最もその効果を発揮し得る。
また更に、型閉じ圧力(クランプ圧力)を測定可能な圧力測定手段または/および前記第1の金型に対する前記第2の金型の相対的位置を測定可能な位置測定手段を備え、前記所定の変速点が、前記圧力測定手段の測定結果または/および前記位置測定手段の測定結果に基づいて決定される構成としてもよい。このような構成とすることで、第1、第2の金型が接触していること(当接していること)を正確且つ容易に検出でき、更に、適切な「変速点」を設定することが可能となる。
また、前記第1、第2の金型が型閉じされる都度、前記変速点を更新するように構成すれば、例えば封止毎に変化し得る条件(例えば熱膨張などに起因する経時的変化、クランプするワークの厚み誤差など)に応じた適切な変速点を設定することが可能となる。
また、前記モータが、トグルリンク機構を介して前記第1、第2の金型の開閉を行なっている樹脂封止装置に適用すれば、トグルリンクという構造とも相俟って、本発明の効果がより顕著に発揮される。トグルリンク機構は、その構造上、リンクが伸びた位置においてモータの回転に対して鈍感な動きとなる。即ち、金型を一定の距離だけ移動させようとすれば(金型当接後においては一定のクランプ圧力を変化させようとすれば)、比率的により多くのモータの回転を供給しなければ金型は型締め方向に移動しない(クランプ圧力は変化しない)。
つまり、トグルリンク機構が採用されている場合には、変速点を境にモータの回転を積極的に変化させることによって(変化させない場合と比較して)短縮することができる時間が非常に大きいため、本発明を適用した場合の効果がより顕著に現れるのである。
なお本発明は、見方を変えると、半導体チップを搭載したワークを、モータにより開閉する第1、第2の金型にてクランプした上で、供給された樹脂を用いて封止する樹脂封止方法であって、前記第1、第2の金型を型閉じする際の当該第1、第2の金型の当接から型閉じ終了までの間において、所定の変速点に到達するまでの前記モータの回転速度を基準として、前記変速点に到達後に前記モータの回転速度を上昇させる、ことを特徴とする樹脂封止方法、更には、半導体チップを搭載したワークを、モータにより開閉する第1、第2の金型にてクランプした上で、供給された樹脂を用いて封止する樹脂封止方法であって、前記第1、第2の金型を型開きする際の型開き開始から前記第1、第2の金型が離間するまでの間において、所定の変速点に到達するまでの前記モータの回転速度を基準として、前記変速点に到達後に前記モータの回転速度を低下させる、ことを特徴とする樹脂封止方法として捉えることも可能である。
本発明を適用することにより、高品質の樹脂封止を行いつつ、樹脂封止装置の生産効率が向上する。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例を示す樹脂封止装置100の概略構成図である。図2は、記憶部に記憶される圧力データとパルスデータのデータテーブルを概念的に示した図である。
<樹脂封止装置の構成>
樹脂封止装置100は、相対向して配置される上金型(第1の金型)114と下金型(第2の金型)115を有している。上金型114は固定プラテン110から垂設されている。一方、下金型115は可動プラテン113上に載置されている。なお、図1においては図示していないが、固定プラテン110は、例えば特許文献1に示される樹脂封止装置と同様に、タイバー等によって樹脂封止装置100の本体から支持固定されている。
また、下金型115が載置される可動プラテン113には、トグルリンク機構(トグルリンク式のプレス機構)130が連結している。更に当該トグルリンク機構130を介してボールねじ120が連結している。このボールねじ120は、タイミングベルト118を介してサーボモータ116と連結されている。即ち、駆動源としてのサーボモータ116の回転がタイミングベルト118を介してボールねじ120へと伝達され、更に、当該ボールねじ120によってサーボモータ116の回転運動が直線運動へと変換された上で、トグルリンク機構130を介して可動プラテン113へと伝達可能な構成とされている。また、サーボモータ116には当該サーボモータ116の回転数を検出することが可能なエンコーダ(回転数検出手段)116Aが付設されている。
また、可動プラテン113には、下金型115のクランプ圧力(上金型114に対するクランプ圧力)を検出可能なロードセル(圧力測定手段:図示していない)が備わっている。即ち、当該ロードセルによって、上金型114と下金型115との当接の有無や、どの程度のクランプ圧力が発生しているのかを測定することが可能とされている。また、樹脂封止装置100には、ロードセルから出力される圧力データ(測定結果)を取得すると共に、当該圧力データに対応するパルスデータ(エンコーダ116Aから出力されるパルスデータ)を取得することが可能な制御部150が設けられている。また、この制御部150は記憶部160と連結されており、当該取得した圧力データおよびパルスデータを記憶させることが可能である。この記憶部160によって記憶される圧力データおよびパルスデータは、それぞれ対応付けが行なわれた上で「テーブル」として記憶可能とされている。具体的には図2に示したように、ロードセルの圧力データが1の時に対応するエンコーダ116Aのパルスデータ1、ロードセルの圧力データが2の時に対応するエンコーダ116Aのパルスデータ2、ロードセルの圧力データが3の時に対応するエンコーダ116Aのパルスデータ3、・・・(以下同様に)・・ロードセルの圧力データがnの時に対応するエンコーダ116Aのパルスデータnといった形式にて記憶される。また制御部150には、外部からパラメータ設定(入力)をすることが可能なパラメータ設定部170が設けられている。更に、制御部150は、モータ116の回転速度を制御することが可能とされている。
<樹脂封止装置の作用>
続いて、図3乃至図5を参照しつつ樹脂封止装置100の作用について説明する。
図3は、型閉じ工程(型締め工程)を示したフローチャートである。図4は、型開き工程を示したフローチャートである。図5は、型開き時におけるモータの回転速度の経時的変化を示したグラフである。
上金型114と下金型115とが所定の間隔に離間している状態で、図示せぬ搬送機構によって、当該上金型114および下金型115の間に、樹脂封止されるワークおよび封止材料としての樹脂が投入される。投入された樹脂は、図示せぬヒータの作用によって溶融される。当該ワークおよび樹脂が投入された後、サーボモータ116の作用によってボールねじ120、トグルリンク機構130および可動プラテン113を介して下金型115が上金型114側へと移動する(型閉じ工程:詳細は後述する。)。
上金型114と下金型115とが当接し、ワークがクランプされると、溶融樹脂がプランジャ(図示していない)によって押し出され、ランナを通じてキャビティへと流入する。キャビティ内に溶融樹脂が充填されるとプランジャによる押し出しは終了し、そのままの状態で樹脂が硬化するのを待つ。
その後、樹脂がある程度硬化した状態を見計らって、上金型114と下金型115とが離間(型開き)される(型開き工程:詳細は後述する。)。
型開き後、別途設けられている搬送機構によって、樹脂封止後のワークが金型表面から搬出され、次の樹脂封止サイクルへと移行する。搬出されたワークは、例えば冷却された後、不要部分が取り除かれ(ゲートブレーク)、収容される。
当該樹脂封止装置100は、このようなサイクルを繰り返すことで、順次ワークに対する樹脂封止を行っている。
<型閉じ工程について>
次に、型閉じ工程について図3に示すフローチャートに従ってより詳細に説明する。なおこの型閉じ工程には、閉じた金型に対して圧力(クランプ圧力)が加えられる工程も含まれている。
最初のステップとして、何らかのトリガーによって「型閉じ工程」がスタートする(ステップ301)。トリガーとしては種々のものが考えられ、ワーク等の金型への搬入が完了した信号等を利用してもよいし、ある一定の時間的な周期をトリガーとしてもよい。
続いてサーボモータ116が駆動され、下金型115が型閉じ方向(即ち上金型114側)に移動する(ステップ302)。本発明とは直接関係しないが、このときのサーボモータ116の回転速度は、差し支えのない範囲でできるだけ高速で回転させるのが好ましい。それにより、型閉じ工程全体の所要時間を短縮することができる。また、その場合には、金型が当接するまでの間に、望ましい程度(V1)にまで減速しておく必要がある。両金型をゆっくりと(丁寧に)当接させることによって、クランプしようとするワークの損傷を防止したり、正確なクランプを実現することができる。
続いて、型タッチが検出される(ステップ303)。この型タッチ検出は、本実施形態においてはロードセルによって行われている。ここで言う「型タッチ」とは、文字通り上金型114と下金型115とが接触した(当接した)ことを意味することは勿論であるが、接触した(当接した)瞬間のみを意味するのではなく、例えば、両金型が物理的に接触した(当接した)後に一定のクランプ圧力(型締め圧力、例えば10kN)が発生した時点を含み得る概念である。どのような条件を満たせば「型タッチ」とするかに関しては、パラメータ設定部170から予め設定しておく。型タッチが検出されない場合はステップ302へと戻り、型タッチが検出された場合は続くステップ304へと移動する。
ステップ304においては、型タッチ位置Ptが記憶される。当該記憶は制御部150を介して記憶部160にて記憶される。即ち、ロードセルでの測定値が、予め設定した値となった時点のパルスデータ(エンコーダ116Aから出力されるパルスデータ)を「型タッチ位置Pt」として記憶する。
その後もさらにサーボモータ116は回転し、ロードセルでの測定値が最終設定圧力(即ち最終的なクランプ圧力)となった時点で停止する(ステップ305)。このときのサーボモータ116の回転速度は、「型タッチ」を検出した時点の回転速度(V2)よりも速い速度(V1)で回転する。即ち、型タッチ位置Ptを変速点としてサーボモータ116の回転速度が上昇する。その結果、型タッチの瞬間までは金型をゆっくりと移動させることで、ワークの損傷を防止し正確なワークのクランプを実現すると同時に、型タッチ位置Pt以降は速やかに最終設定圧力が発生するまでサーボモータ116を回転させることで、型閉じ工程に要する時間を短縮している。
なおサーボモータ116の回転速度の変速態様(例えば、どの程度の回転速度まで上昇させるか、また、変速を完了させるまでの時間の程度等)は、金型の重量やサーボモータの容量、トグルリンク機構の構造等を総合的に考慮して、不要な振動や装置への負担が不必要に増大しない範囲に設定される。このような変速態様の設定はパラメータ設定部170を用いて行われる。
これにより型閉じ工程が終了する(ステップ306)。
<型開き工程について>
続いて、型開き工程について図4に示すフローチャートおよび図5に示すグラフに従って説明する。
この型開きの工程は、上金型114と下金型115との間に発生しているクランプ圧力を解除した(抜いた)上で、上金型114と下金型115とを物理的に離間するという二つの段階から構成される。
最初のステップとして、何らかのトリガーによって「型開き工程」がスタートする(ステップ401)。トリガーとしては種々のものが考えられ、例えばプランジャが下降して樹脂に対して加えられている圧力が抜かれることをもってトリガーとしたり、更には、ある一定の時間的な周期をトリガーとしてもよい。
次に、型閉じ工程(前述)において取得され、記憶部160に記憶されている型タッチ位置Ptのデータを利用して、型開き工程における変速点が算出される。即ち、型タッチ位置Ptを通過する瞬間までに速度V2まで減速できると共に、速度V1(VI>V2)での回転時間を最大化できる減速開始位置Pd(=型開き工程における変速点)を計算する(図5参照:ステップ402)。この減速開始位置Pdは、例えば、記憶部160に記憶されているパルスデータを基準に算出するような構成を採用してもよいし、ロードセルの測定値を基準に算出してもよい。要するに、特定のパラメータを基準としてサーボモータ116の回転速度を変化させるポイント(変速点)を確定することができるように算出すればよい。
次に、型開き方向に速度V1でサーボモータ116を回転させる(ステップ403)。この速度V1は、金型の重量やサーボモータの容量、トグルリンク機構の構造等を総合的に考慮して、不要な振動や装置への負担が不必要に増大しない範囲内で最大となる速度に設定しておくのが望ましい。
続いて金型が減速開始位置Pdに到達したか否かが判断される。到達していない場合にはステップ403へと戻り、速度V1でのサーボモータ116の回転が維持される。到達している場合には続くステップ405へと進む。
減速開始位置Pdに到達した場合には、サーボモータ116の回転速度の減速が開始される。最終的な減速目標は速度V2である。この回転速度V2は、上金型114と下金型115とが離間する際に、ワークに損傷を引き起こさないように両金型の「ゆっくりした移動」を維持できる回転速度である。この回転速度V1からV2への減速は、型タッチ位置Ptを通過するまでに完了される。
次にサーボモータ116の回転速度がV2の状態ままで、型タッチ位置Ptを通過する(ステップ406)。その後も暫くの間、サーボモータ116の回転速度はV2に維持される(ステップ407)。
その後、所定の位置Poに到達したか否かが確認される(ステップ408)。この所定の位置Poとは、金型をゆっくりと移動させたい領域αの終点に存在するポイントである。この位置Poは予めパラメータ設定部170を介して任意に設定しておく。なお、本実施形態においては、型タッチ位置Ptと所定の位置Poとの間において、両金型が物理的に離間する。勿論型タッチ位置Ptと金型が物理的に離間するポイントとが一致していてもよい。
位置Poに到達していない場合はステップ407へと戻り、速度V2での回転が維持される。位置Poに到達している場合は、サーボモータ116の回転速度を任意のレベルまで(図5においては速度V1まで)向上させて、迅速に型開き動作が行われる(ステップ409)。
所定の位置にまで上金型114と下金型115とが離間すれば、型開き工程が終了する(ステップ410)。
このように、樹脂封止装置100においては、型閉じ工程においても型開き工程においても、両金型が接触している状態(金型が物理的に当接している領域β)でのサーボモータ116の回転速度を、所定の変速点(PtやPd)を基準に積極的に変化させることによって、金型が開閉する(物理的に当接または離間する)瞬間の「ゆっくりとした金型の開閉」を確保すると同時に、型開き工程や型閉じ工程に要する時間を積極的に短縮している。その結果、樹脂封止装置全体としてのサイクルタイムをより高めることを実現している。
なお、上記実施形態においては、「型閉じ工程」および「型開き工程」のいずれの工程においても、変速点を境にサーボモータの回転速度を積極的に変化させていたが、いずれか一方のみに適用しても相応の効果を得ることが可能である。
また、上述した樹脂封止装置100においては、トグルリンク機構130を介して金型の開閉が実現されていたが、これに限られるものではない。例えば、ボールねじ120が直接可動プラテン113を駆動するような構成であってもよい。但し、トグルリンク機構を採用している場合には、その構造とも相俟って、本発明の効果がより顕著に発揮される。トグルリンク機構は、その構造上、リンクが伸びた位置においてモータの回転に対して鈍感な動きとなる。即ち、金型を一定の距離だけ移動させようとすれば(金型当接後においては一定のクランプ圧力を変化させようとすれば)、比率的により多くのモータの回転を供給しなければ金型は型締め方向に移動しない(クランプ圧力は変化しない)。
つまり、トグルリンク機構が採用されている場合には、変速点を境にモータの回転を積極的に変化させることによって(変化させない場合と比較して)短縮することができる時間が非常に大きいため、本発明を適用した場合の効果がより顕著に現れるのである。
また、樹脂封止装置においては、上述した「型閉じ工程」および「型開き工程」が繰り返されるように運転される。その場合、型閉じ工程の都度、型タッチ位置を検出して更新するように構成すれば、運転時における各部材の経時的な熱膨張等による変化にも柔軟に追従・対応することが可能となる。加えて、ワークの厚み誤差等の封止毎に変化し得る要因に柔軟に対応することが可能となる。
また、樹脂封止装置100では、型タッチ位置Ptを検出するためにロードセル(圧力測定手段)が用いられていた。しかしこのような構成以外にも、例えば、タイバーの伸び率(歪み)を測ることで両金型間に発生している圧力(クランプ圧力)を測定してもよい。具体的には、タイバーに歪ゲージを取り付けたり、「タイバーセンサ」と呼ばれる歪ゲージを利用したセンサを取り付けることによって測定可能である。その他にも、上金型と下金型との相対的な位置を測定可能な位置測定手段(直接上金型と下金型との距離を計測してもよいし、トグルリンクなどの他の可動部材の位置を計測することで間接的に計測してもよい)を用いて、同様の効果を発揮させことも可能である。即ち、両金型間に発生する圧力を基準に判断するのではなく、相対的な位置を基準に型タッチ位置を検出することで同様の効果を発揮させることが可能である。
なお、上記実施形態においては、サーボモータ116の回転数検出手段としてエンコーダを例に説明しているが、駆動源としてのモータの回転数を検出できる限りにおいて、種々の構成を採用することが可能である。例えば、レゾルバのようにアナログ信号として出力される手段を採用することも可能である。
また、上記実施形態においては、モータの回転速度の変化は全てモータ自体の回転数を直接的に変化させることで実現している。しかしながらその他にも、例えば動力伝達経路において減速することで間接的に変化させてもよい。
本発明は、半導体チップを搭載した基板等のワークを樹脂にて封止する樹脂封止装置にたいして広く適用することができる。
本発明の実施形態の一例を示す樹脂封止装置の概略構成図 記憶部に記憶される圧力データとパルスデータのデータテーブルを概念的に示した図 型閉じ工程(型閉じ工程)を示したフローチャート 型開き工程を示したフローチャート 型開き時におけるモータの回転速度の変化を示したグラフ 特許文献1に記載される樹脂封止装置
符号の説明
100…樹脂封止装置
110…固定プラテン
113…可動プラテン
114…上金型
115…下金型
116…サーボモータ
116A…エンコーダ
118…タイミングベルト
120…ボールねじ
130…トグルリンク機構(トグルリンク式プレス)
150…制御部
160…記憶部
170…パラメータ設定部(入力部)

Claims (8)

  1. 半導体チップが搭載されたワークを、相対向する第1、第2の金型にてクランプした上で、供給された樹脂を用いて封止する樹脂封止装置であって、
    前記第1、第2の金型を開閉させる動力源としてのモータを備え、
    該第1、第2の金型が型開きする場合、
    型開き開始から前記第1、第2の金型が離間するまでの該第1、第2の金型が当接している状態において、所定の変速点を境に前記モータの回転速度が低下する
    ことを特徴とする樹脂封止装置。
  2. 半導体チップが搭載されたワークを、相対向する第1、第2の金型にてクランプした上で、供給された樹脂を用いて封止する樹脂封止装置であって、
    前記第1、第2の金型を開閉させる動力源としてのモータを備え、
    第1、第2の金型を型閉じする場合、
    前記第1、第2の金型の当接から型閉じ終了までの該第1、第2の金型が当接している状態において、所定の変速点を境に前記モータの回転速度が上昇する
    ことを特徴とする樹脂封止装置。
  3. 請求項において、
    前記第1、第2の金型が型開きする場合、
    型開き開始から前記第1、第2の金型が離間するまでの該第1、第2の金型が当接している状態において、前記変速点を境に前記モータの回転速度が低下する
    ことを特徴とする樹脂封止装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    更に、型閉じ圧力を測定可能な圧力測定手段または/および前記第1の金型に対する前記第2の金型の相対的位置を測定可能な位置測定手段を備え、
    前記所定の変速点が、前記圧力測定手段の測定結果または/および前記位置測定手段の測定結果に基づいて決定される
    ことを特徴とする樹脂封止装置。
  5. 請求項乃至4のいずれかにおいて、
    前記第1、第2の金型が型閉じされる都度、前記変速点を更新する
    ことを特徴とする樹脂封止装置。
  6. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記モータが、トグルリンク機構を介して前記第1、第2の金型の開閉を行なっている
    ことを特徴とする樹脂封止装置。
  7. 半導体チップを搭載したワークを、モータにより開閉する第1、第2の金型にてクランプした上で、供給された樹脂を用いて封止する樹脂封止方法であって、
    前記第1、第2の金型を型閉じする際の当該第1、第2の金型の当接から型閉じ終了までの間において、
    所定の変速点に到達するまでの前記モータの回転速度を基準として、前記変速点に到達後に前記モータの回転速度を上昇させる、
    ことを特徴とする樹脂封止方法。
  8. 半導体チップを搭載したワークを、モータにより開閉する第1、第2の金型にてクランプした上で、供給された樹脂を用いて封止する樹脂封止方法であって、
    前記第1、第2の金型を型開きする際の型開き開始から前記第1、第2の金型が離間するまでの間において、
    所定の変速点に到達するまでの前記モータの回転速度を基準として、前記変速点に到達後に前記モータの回転速度を低下させる、
    ことを特徴とする樹脂封止方法。
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