JP5280763B2 - パンタグラフの接触力測定方法及び装置 - Google Patents
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Description
図1(A)に示すように、この例の舟体1には、摺り板体10が、複数の微動バネ3によって上下方向に弾性支持されている。舟体1は、車両の左右方向に長く延びた、上面が開口した箱状のものである。図1(B)に示すように、舟体1の前後側壁の内周面には、樹脂製のスライダ5が取り付けられている。さらに、舟体1の内部のほぼ中央高さ位置には、左右方向に延びるストッパ7が架け渡されている。このストッパ7は、後述するように摺り板体10の上方向の移動を規制するものである。ストッパ7の各摺り板13の下方の部分には、微動バネ3が通される孔が開けられている。
本発明によれば、ガイド部がストッパに接触したときのひずみを計測することにより、2−3−1)ガイド部がストッパに接触したときにガイド部に発生する反力と、2−3−2)ガイド部とスライド部との摺動により発生する反力、を求めることができる。
FGBセンサは、詳しくは後述するが、所定の物質がドープされた光ファイバに紫外線を照射することによって周期的な屈折率変化を持たせた光ファイバである。そして、屈折力変調の周期に比例したブラッグ波長のみを反射するという特性を有する。FGBの長さ方向にひずみが加わるとブラッグ波長が変化し、その変化量はひずみの量に線形に変化するため、反射光の波長を読み取ることにより、ひずみセンサとして利用できる。つまり、異なるブラッグ波長を持った複数のFGBを1本の光ファイバに直列に並べることにより、同時に複数の点のひずみを検知することができる。したがって、各ガイド部にひずみセンサを取り付けるのではなく、1本の光ファイバ型のセンサを使用することができるので、測定装置を簡易化できる。
-
前述のように、摺り板体に作用する鉛直方向の力のうちの主要なものは、
1)トロリ線とパンタグラフとの間の接触力、
2)摺り板に作用する反力、
3)摺り板体の慣性力
4)揚力、
であり、これらの力が常に釣り合っている。
本発明においては、このうちの、2)摺り板に作用する反力、を従来よりも正確に求める。
2)摺り板に作用する反力は、
2−1)微動バネによる反力、
2−2)ゴム板や銅板の曲げによる反力、
2−3)ガイドに生じる反力、
がある。
さらに、2−3)ガイドに生じる反力は、
2−3−1)ガイドがストッパに接触したときに発生する反力、と、
2−3−2)ガイドとスライダが摺動接触したときに発生する反力、
とに分けられる。
図2は、微動バネによる反力を計測する方法を説明する模式的な側面図である。なお、図中でガイドの図示は省略されている。
舟体1の底面の前後端付近に支柱21を立設し、支柱21間にバネ鋼製の板バネ23を架け渡す。そして、微動バネ3の上端を摺り板体10の底面に固定し、下端を板バネ23の中央部に固定する。また、板バネ23の、微動バネ3の下端が固定されている部分Pの前後側に、各々ひずみゲージ25を取り付ける。同ひずみゲージ25により、微動バネ3の伸縮により板バネ23に生じるひずみを測定して反力を測定する。摺り板13が傾くと、微動バネ3と板バネ23との固定点Pにおいて曲げモーメントが発生するので、その影響をキャンセルするために、固定点Pの両側にひずみゲージ25を取り付けている。
図3は、ガイドがストッパに接触したときに発生する反力を求める方法の原理を説明する図であり、図3(A)は正面図、図3(B)は側面図である。
まず、ガイド15の前後の側壁の外面に、各々二軸のひずみゲージ31を取り付ける。ひずみゲージ31は、直交する2個の検知部31a、31bを有する。ガイド15の底面に圧縮荷重あるいは引っ張り荷重を作用させ、これらのゲージ31でひずみを計測した。
グラフからわかるように、圧縮荷重と引っ張り荷重のいずれの場合も、ひずみ量はほぼ線形となる。つまり、ガイド15の前後壁に生じるひずみを計測すれば、ストッパに接触したことによって生じるガイドの反力を求めることが可能になることが確認された。
ガイド15がストッパ7に接触したときに発生する反力は、前述のように、ガイド15の前後側板にひずみゲージ55を取り付けることによって計測できるが、この例においては、図5(B)に示すように、ガイド15の底板の上面及び下面の中央に、先端が尖った突起51、52を設ける。この突起51を設けることにより、ガイド15は常に突起51でストッパ5に当たるので、測定ゲインを一定にできる。なお、底板の下面に設けられた突起52は、下方向のストッパとしての舟体1の底部1bに当たる部分である。
5 スライダ 7 ストッパ
10 摺り板体 11 銅板
12 ゴム板 13 摺り板
15 ガイド 16 摺動部
21 支柱 23 板バネ
25、31、55 ひずみセンサ 51、52 突起
Claims (9)
- トロリ線に接触する多分割摺り板体と、 該摺り板体を前記トロリ線方向に付勢する微動バネと、 該微動バネが固定されているとともに、前記摺り板体を上下スライド可能に保持する舟体と、 を備えるパンタグラフにおける、 前記摺り板体の前記トロリ線に対する接触力を測定する方法であって、
前記微動バネのバネ反力を測定し、
前記摺り板体と前記舟体との間の摩擦力及び当接力の上下方向成分を測定し、
前記バネ反力に前記摩擦力及び当接力の上下方向成分を加味して前記接触力を求めることを特徴とするパンタグラフの接触力測定方法。 - さらに前記摺り板体の前記舟体に対する相対加速度を求め、
前記相対加速度に基いて前記摺り板体の慣性力を求め、
前記反力及び前記慣性力を加算したものに前記摩擦力及び当接力の上下方向成分を加味して前記接触力を求めることを特徴とする請求項1記載のパンタグラフの接触力測定方法。 - 前記摺り板体の摺り板の各々には下方に突出するガイド部が形成されており、
前記舟体には、前記ガイド部の摺動するスライド部、及び、前記ガイド部の当接するストッパ部が形成されており、
前記ガイド部にひずみゲージを貼り付け、前記ガイド部が前記ストッパに接触したときのひずみを計測することにより、前記ガイド部が前記ストッパに接触したときに該ガイド部に発生する反力と前記スライド部との摺動により発生する反力とを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載のパンタグラフの接触力測定方法。 - 前記ガイド部の高さ方向におけるほぼ中央部に、該ガイド部の側縁から内方向にくびれた切り欠きを設け、該ガイド部の幅が狭くなったくびれ部を形成し、
該くびれ部に前記ひずみゲージを貼り付けて、同部のひずみを計測することにより、前記ガイド部と前記スライド部との摺動により発生する反力を計測することを特徴とする請求項3に記載のパンタグラフの接触力測定方法。 - 前記ガイド部に、前記ストッパ部又は前記舟体底面に向いた突起を形成することを特徴とする請求項3又は4に記載のパンタグラフの接触力測定方法。
- 前記舟体底面に板バネを架け渡し、前記微動バネの下端を該板バネに固定し、
該板バネのひずみを計測することにより前記微動バネの反力を求めることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンタグラフの接触力測定方法。 - 前記ひずみゲージとしてFBG光ファイバセンサを用いることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のパンタグラフの接触力測定方法。
- トロリ線に接触する多分割摺り板体と、 該摺り板体を前記トロリ線方向に付勢する微動バネと、 該微動バネが固定されているとともに、前記摺り板体を上下スライド可能に保持する舟体と、 を備えるパンタグラフにおける、 前記摺り板体の前記トロリ線に対する接触力を測定する装置であって、
前記微動バネのバネ反力を測定する手段と、
前記摺り板体と前記舟体との間の摩擦力及び当接力の上下方向成分を測定する手段と、
を備えることを特徴とするパンタグラフの接触力測定装置。 - 前記摺り板体の摺り板の各々には下方に突出するガイド部が形成されており、
前記舟体には、前記ガイド部の摺動するスライド部、及び、前記ガイド部の当接するストッパ部が形成されており、
前記ガイド部のひずみを計測するひずみゲージを有し、該ひずみゲージで、前記ガイド部が前記ストッパに接触したときのひずみを計測し、前記ガイド部が前記ストッパに接触したときに該ガイド部に発生する反力と前記スライド部との摺動により発生する反力とを検出することを特徴とする請求項8に記載のパンタグラフの接触力測定装置。
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