JP5279453B2 - 画像振れ補正装置、撮像装置及び画像振れ補正方法 - Google Patents

画像振れ補正装置、撮像装置及び画像振れ補正方法 Download PDF

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本発明は、撮像装置により取得された動画像中の不要な振れを低減する画像防振技術に関する。
動画像を取得可能なビデオカメラ等の撮像装置には、手振れ等に起因する動画像中の振れを低減する画像防振装置が搭載されているものが多い。従来の画像防振装置は、撮影者が立ち止まって手持ち撮像を行い、かつ撮像光学系が望遠側に設定されている場合に、手振れによる撮像装置の動き(姿勢変化)が顕著に動画像中に現れることを抑えることを主目的とするものである。
撮像装置の姿勢変化を検出する方式には、撮像装置に角速度センサや加速度センサ等の振れ検出センサを搭載し、撮像装置の回転を検出する方式がある。また、振れ検出センサを用いず、動画像を構成する2つの画像(フレーム画像)から動きベクトルを算出し、撮像装置の姿勢変化を推定する方式もある(特許文献1参照)。これらいずれの方式も、手振れのような微小な回転運動による撮像装置の姿勢変化に起因して動画像中に現れる振れを低減する場合に好適である。
画像防振処理では、撮像光学系が望遠側に設定されているために撮像装置の回転運動による動画像の振れを上下左右の動きに近似できることを利用して、姿勢変化の検出結果に応じて撮像素子からの読み出し領域を変更することで動画像中の振れを低減する
上記のよう姿勢変化の検出方式を用いる場合、一般に、振れ検出センサの出力や動きベクトルの算出値に上限を設け、姿勢変化の検出結果に対して例外処理を設けることで、画像防振処理のエラーを削減する。
一方、撮像装置を持って歩行しながら撮像を行う場合も多い。この場合、撮像光学系は広角側に設定されることが多いため、手振れに起因して動画像に現れる振れはそれほど大きくはない。
ただし、歩行に伴う撮像装置の姿勢変化(着地時の振動や体の揺れに起因する姿勢変化)は、手振れに比べて大きく、かつ複雑である。そして、歩行に伴って発生する動画像中の振れは手振れに起因する動画像中の振れとは振れの種類が異なり、また、撮像光学系も広角側に設定されているため、手振れを想定した防振方法では、歩行に伴って発生する動画像中の振れを良好に低減することはできない。
歩行に伴って発生する動画像中の振れを低減する方法としては、非特許文献1にて開示されたものがある。この方法では、動画像中の隣接するフレーム画像間で算出した動きベクトルから、撮像装置のパン、チルト及び光軸周り回転の3軸の回転情報を推定し、その回転情報を利用して画像防振処理を行う。
特許第2586686号公報 M.Irani, et al,"Recovery of Ego-Motion Using Image Stabilization",IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognition,1994
しかしながら、上述のように動きベクトルを用いて、撮像装置の複雑な姿勢変化を推定して動画像中の振れを低減するためには、シーンや被写体の配置や動き、動きベクトルの推定誤差等によって誤った推定値を算出する場合が多くなる。例えば、撮像装置又は被写体の運動速度が想定した速さより速い場合やシーンに特徴のない場合等では、動きベクトルが正しく算出されないことが多い。
また、動きベクトルが正しく算出されている場合でも、シーン中の被写体の配置や複数の被写体の動き等により、撮像装置の姿勢変化が誤って推定される。
この例を図7(a)及び図7(b)に示す。これらの図において、横軸は時刻を、縦軸は推定した撮像装置の姿勢変化に関連する要素1〜8の時間変化を示している。図7(a)は、姿勢変化の推定結果を表している。図7(b)は、図7(a)に示した姿勢変化による動画像の振れを抑制するための補正量である。
要素1〜要素4において、701で誤った推定値が算出されている。このため、これらの誤った推定結果に基づいて補正量を算出すると、702に示すように、誤推定値がそれ以降の時刻での補正量に影響してしまう。そして、誤推定結果の影響により不適切な画像防振処理が行われた動画像が出力されてしまう。
本発明は、撮像装置の複雑な姿勢変化をも良好に推定し、適切な像振れ補正処理を行えるようにした画像振れ補正装置、撮像装置及び画像振れ補正方法を提供する。
本発明の一側面としての画像振れ補正装置は、動画像を構成する2つの画像間での動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、前記動きベクトルを用いて、撮像装置の姿勢変化の結果として画像中に現れる複数の変形の要素に基づいて前記2つの画像間での画像変化量を推定する推定手段と、前記画像変化量の複数の要素のそれぞれについて、前記撮像装置の特定の姿勢変化に対応する条件を満足するか否かを判定し、当該判定結果によって、前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果及び前記推定された画像変化量に基づいて前記動画像中の振れを低減するための像振れ補正パラメータを算出する像振れ補正パラメータ算出手段と、前記像振れ補正パラメータを用いて像振れ補正処理を行う処理手段とを有することを特徴とする
なお、光学系を用いて被写体像を撮像する撮像部と、上記画像振れ補正装置とを有する撮像装置も本発明の他の一側面を構成する。
本発明の他の一側面としての画像振れ補正方法は、撮像装置によって取得された動画像中の振れを低減する像振れ補正処理を行う画像振れ補正方法であって、前記動画像を構成する2つの画像間での動きベクトルを算出する動きベクトル算出ステップと、前記動きベクトルを用いて、撮像装置の姿勢変化の結果として画像中に現れる複数の変形の要素に基づいて前記2つの画像間での画像変化量を推定する推定ステップと、前記画像変化量の複数の要素のそれぞれについて、前記撮像装置の特定の姿勢変化に対応する条件を満足するか否かを判定し、当該判定結果によって、前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果及び前記推定された画像変化量に基づいて前記動画像中の振れを低減するための像振れ補正パラメータを算出する像振れ補正パラメータ算出ステップと、前記像振れ補正パラメータを用いて像振れ補正処理を行う処理ステップとを有することを特徴とする
本発明によれば、推定された画像変化量の特定の姿勢変化に対する妥当性を判定するので、撮像装置の複雑な姿勢変化をも良好に推定することができ、適切な像振れ補正処理を行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である画像防振装置を搭載した撮像装置の構成を示している。
100は撮像光学系であり、被写体からの光を撮像素子102上に結像させる。101は絞りやシャッタ等を含む露光制御部材であり、撮像素子102の露光量を制御する。
102は被写体像(光学像)を電気信号に変換して出力する撮像素子であり、CCDセンサやCMOSセンサ等のイメージセンサにより構成される。
103は画像形成回路であり、撮像素子102からのアナログ出力信号をデジタル信号に変換し、該デジタル信号に各種処理を行って所定の周期で画像(フレーム画像)を順次生成する。画像形成回路103は、不図示のA/D変換回路、オートゲイン制御回路、オートホワイトバランス回路、画素補間処理回路、色変換処理等回路等を含む。撮像素子102及び画像形成回路103により撮像部が構成される。
104は露光制御部材101を制御する露光制御部であり、105は撮像光学系100のフォーカシングを制御するフォーカス制御部である。露光制御部104及びフォーカス制御部105は、TTL方式等を用いて制御される。
106は撮像装置1の全体の動作の制御を司るシステム制御回路である。107はシステム制御回路106での動作制御用のデータ及び処理プログラム等を記憶したFLASH ROM等を用いたメモリである。
108は各種調整値等の情報を記憶する電気的に消去及び記録が可能なEEPROM等の不揮発性メモリである。
109は画像防振装置としての防振処理回路であり、画像形成回路103にて所定の周期で連続して生成される複数のフレーム画像により構成される動画像中の振れを低減するための画像防振処理を行う。
110は画像形成回路103で生成されたフレーム画像を数フレーム分、記憶保持する第1のフレームメモリである。111は防振処理回路109で画像防振処理されたフレーム画像(以下、防振フレーム画像という)を一時的に記憶保持する第2のフレームメモリである。
112は第1及び第2のフレームメモリ110,111に対するフレーム画像の入出力を制御するメモリ制御回路である。113は防振処理回路109から出力される防振フレーム画像(つまりは振れが低減された動画像)を、不図示の画像出力装置に表示又は記録する画像出力部である。
次に、防振処理回路109の構成について説明する。1091は、画像形成回路103で順次生成される2つのフレーム画像から動きベクトルを検出する動きベクトル検出回路(動きベクトル算出手段)である。
1092は、動きベクトル検出回路1091で検出された動きベクトルから、撮像装置1の姿勢変化(動き)に関連した画像変化量を推定する画像変化量推定回路(推定手段)である。
1093は妥当性判定回路(判定手段)である。妥当性判定回路1093は、画像変化量推定回路1092で推定された画像変化量の時間的な変化(時間変化)から、推定された画像変化量が撮像装置1の特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定する。言い換えれば、推定された画像変化量が撮像装置1の特定の姿勢変化による値として「妥当性」を有するか否かを判定する。
ここにいう「特定の姿勢変化」とは、速度が所定の低速範囲内である撮像装置1の動きや、シーン中の被写体の配置や複数の被写体の動き等の影響によらない純粋な撮像装置の動きを意味し、基本的には、時間的に滑らか(緩やか)な動きに相当する。
1094は妥当性判定回路1093での判定結果及び画像変化量推定回路1092で推定された画像変化量に基づいて、画像防振処理のための防振パラメータを算出する防振パラメータ算出回路(防振パラメータ算出手段)である。
1095は防振パラメータ算出回路1094で算出された防振パラメータを用いてフレーム画像に対して幾何変換処理を行い、防振フレーム画像を生成する防振映像生成回路(幾何変換手段)である。
1096は一時記憶用メモリ回路であり、1097は電気的に消去及び記録可能なEEPROM等の不揮発性メモリである。1098は防振処理回路109内の各回路を制御する防振制御回路であり、MPU等で構成されている。
次に、撮像装置1の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。図2は、撮像装置1により動画像を取得し、該動画像中の振れを低減する画像防振処理(画像防振方法)を実行し、画像出力装置に表示又は記録するまでの処理を示す。これらの処理は、システム制御回路106及び防振処理回路109が、メモリ107及び防振制御回路1098内に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。
ステップS201では、システム制御回路106は、不図示の撮像開始スイッチが投入されると、露光制御部104やフォーカス制御部105に、露光条件の決定や撮像光学系100のフォーカス制御を行わせる。そして、撮像素子102は、撮像光学系100により形成された被写体像を光電変換し、被写体輝度に応じたアナログ信号を出力する。
ステップS202では、システム制御回路106は、画像形成回路103に、撮像素子102からの出力信号からフレーム画像を順次生成させ、フレームメモリ110に記録保持させる。
ステップS203では、システム制御回路106は、動画像に対して画像防振処理を行う防振モードが設定されているか否かを判定する。防振モードが設定されていない場合は、システム制御回路106は、ステップS206にて、画像形成回路103で生成された画像防振処理されていないフレーム画像を画像出力装置に送る。防振モードが設定されている場合は、ステップS204に進む。
ステップS204では、システム制御回路106は、1時刻前のフレーム画像(以下、前フレーム画像という)が第1のフレームメモリ110に保持されているか否かを確認する。前フレーム画像が保持されていない場合は、システム制御回路106は、ステップS206にて、その前フレーム画像を画像出力装置に送る。前フレーム画像が保持されている場合は、ステップS205に進む。
ステップS205では、防振処理回路109は画像防振処理を行う。画像防振処理を図3のフローチャートを用いて説明する。
ステップS301において、防振制御回路1098は、動きベクトル検出回路1091に、前フレーム画像と前フレーム画像よりも1時刻後のフレーム画像(以下、現フレーム画像という)の2つのフレーム画像間での動きベクトルを算出させる。本実施例にいう「2つのフレーム画像」は、時間的に連続した2つのフレーム画像であるが、本発明にいう「2つのフレーム画像」は必ずしも時間的に連続している必要はない。
動きベクトルの算出には、テンプレートマッチングや勾配法等によるマッチング方法を用いる。また、動きベクトルは、フレーム画像を複数の領域に分割して得られる分割領域ごとに算出してもよいし、動きベクトルを算出しやすい特徴的な領域を事前に抽出しておき、その領域で算出してもよい。ただし、動きベクトルの算出方法はこれらに限られない。
次に、ステップS302では、防振制御回路1098は、防振パラメータの算出処理を行う。このステップでの処理を、図4のフローチャートを用いて説明する。
まずステップS401では、防振制御回路1098は、画像変化量推定回路1092に、ステップS301で算出された動きベクトルから画像変化量を推定(算出)させる。
ここでは、画像変化量として射影ホモグラフィを用いる。前フレーム画像における座標を(u,v)とし、現フレーム画像における座標を(u′,v′)とする(i=1,2,…,m:mは動きベクトルを算出する前フレーム画像と現フレーム画像での対応点の数を表す)。この場合、式1のような線形式が得られる。
(式1)
式1の線形式は、対応点数mが8つあれば算出可能であり、8つ以上ある場合は、最小二乗式として解くことにより、h1,…h9が求められる。
これを3x3の行列式に整形することにより、式2に示すような行列Hを得る。この行列Hが画像変化量を表す射影ホモグラフィである。
(式2)

射影ホモグラフィHは、撮像装置1の投影中心(光軸と撮像面との交点)から3次元空間中の基準となる平面(以下、基準面という)までの距離dと撮像装置1の回転行列Rと並進ベクトル
の情報から構成され、式3のようにも表現できる。
(式3)
は基準面の法線ベクトルであり、λは任意の定数である。
ただし、射影ホモグラフィは式1のように時刻ごとに算出された動きベクトルから算出されるため、基準面の法線ベクトル
は時刻ごとに異なる。このため、各時刻に求まる射影ホモグラフィをそのまま用いても良好な画像防振処理を行うことができない。
そこで、画像変化量推定回路1092は、各時刻において求められる射影ホモグラフィの基準面を、撮像装置1(撮像光学系100)の光軸に対して直交するように再計算する。具体的には、射影ホモグラフィを撮像装置1の回転行列Rと、基準面の法線ベクトル
と、並進ベクトル
及び深度dの積
に分解する。そして、画像変化量を分解して得られた
のうち、基準面の法線ベクトル
を光軸に直交する法線
に置き換え、式4のように画像変化量を再計算する。
(式4)
これにより、基準面を撮像装置1の光軸に直交する方向に整列し直した射影ホモグラフィH′を得る。
次に、ステップS402において、防振制御回路1098は、妥当性判定回路1093に、連続する2つのフレーム画像間において再計算した射影ホモグラフィH′が撮像装置1の特定の姿勢変化による値として妥当か否か(妥当性を有するか否か)を判定させる。
式2に示したように、射影ホモグラフィは9つの要素からなる行列式である。また、式3に示したように、撮像装置の姿勢変化の結果として画像中に現れる全ての変形を表す行列である。
これらの関係から、式2に表される行列(射影ホモグラフィ)Hの要素として、h,h,h,hは画像の回転および拡大縮小が混合している要素、h,hは画像の上下左右の並進を表す要素である。h,hは上下左右のあおりを表している要素であることが分かる。
これらの値を、時間的に滑らかであるという「特定の姿勢変化」に対応する制約条件を満足するか否かを判定することで、射影ホモグラフィ(画像変化量)の推定結果が妥当性を有するか否かを判定する。すなわち、ここでは、画像変化量を表す各要素の時間変化量を用いて上記判定を行う。
今、時刻tにおいて推定した射影ホモグラフィをH(t)とし、その時刻における妥当性をV(t)(∈[0,1])とすると、V(t)は式5のように表される。
(式5)
ただし、ΔH={Δh}(i=1,…,9)であり、ΔHは射影ホモグラフィの各要素の滑らかさを表す値である。ΔHが所定の閾値より小さい場合は「妥当性」を有すると判定し、ΔHが所定の閾値より大きい場合は「妥当性」がないと判定する。
このように、射影ホモグラフィの妥当性を検証することで、例えば図7(a)に示すように、突発的に要素の値が大きく変化する場合を検出することが可能となる。
なお、ここでは射影ホモグラフィの全ての要素の時間変化量に基づいて「妥当性」を判定する場合について説明したが、「妥当性」の判定は少なくとも1つの要素の時間変化量に基づいて行うことが可能である。また、「妥当性」の判定手法として、各要素の所定時間での累積変化量が所定の閾値より小さいか否かにより判定したり、値が所定の閾値を超えた要素の数と超えない要素の数との多数決によって判定したりしてもよい。
さらに、「妥当性」の判定に、撮像装置1の姿勢変化の時間的滑らかさとは別の判定基準を用いることも可能である。例えば、射影ホモグラフィにおける特定の要素のみに着目し、その時間変化が単調増加又は単調減少であるかをカウントし、そのカウント値が所定の閾値以上か否かで「妥当性」を判定してもよい。
このような基準を付加することで、例えば、あおり成分を表すh,hが時間的に単調に増加/減少しているような、現実の撮像装置の姿勢変化としてはあり得ない画像変化量を「妥当性」がないと判断することが可能となる。
また、回転やあおり等の複数の要素間の関係から「妥当性」を判定するようにしてもよい。例えば、回転運動がないのにあおり成分が出現するような場合等は、「妥当性」がない又は低いと考えられる。
以上のような1つ又は複数のルールを用いて、画像変化量の「妥当性」を判定する。
次にステップS403では、防振制御回路1098は、ステップS402で画像変化量の「妥当性」Vがない(低い)と判定した場合(V=0)は、ステップS404に進む。一方、ステップS402で画像変化量の「妥当性」Vがあると判定された場合(V=1)は、ステップS405に進む。
ステップS404では、防振制御回路1098は、現時刻までの間に推定された画像変化量を用いて現在の画像変化量を修正する。ここでは、単純に、1時刻前の画像変化量を用いる。
なお、1時刻前の画像変化量を用いる以外に、画像変化をしない(すなわち、単位行列を画像変化量とする)としたり、現時刻より前の複数の時刻での画像変化量から公知の時系列線形予測方法を用いて予測する等したりして、画像変化量を修正可能である。
次に、ステップS405では、防振制御回路1098は、防振パラメータ算出回路1094に、ステップS402で推定された画像変化量又はステップS404で修正された画像変化量を用いて、画像補正量としての防振パラメータを算出させる。ここでは、防振パラメータ算出回路1094に入力される画像変化量をH′と表現する。
防振パラメータ算出回路1094は、式(6)を用いて、2つのフレーム画像間の画像変化量H′を、撮像装置1の姿勢変化に直接対応するように、
並進(上下左右):
拡大縮小:s
回転:
あおり(上下左右):
せん断:
に分解する。
(式6)
ただし、
である。
ここでは、まず
なる関係からRKを求め、上三角行列であるKの性質を利用して、QR分解によりRとKを分離する。
以上のように分解した8つのパラメータ(t,t,s,θ,ν,ν,α,φ)に対してフィルタリングを行う。ただし、せん断成分α,φは、ステップS401において射影ホモグラフィの基準面を撮像装置1の光軸に直交するよう補正しているためフィルタリングする必要はない。
このため、
(i=1,…,k)の各成分に対してフィルタリングを行う。ただし、拡大縮小成分sについては、変化を線形とするため、式7のように対数変換をした後にデジタルフィルタリングを適用する。
(式7)
また、あおり成分
については、撮像装置1の姿勢変化に対応するよう分解する際の演算順から、拡大縮小成分の影響が含まれた値となる。この影響を除去するため、画像上の見えを改善するためにデジタルフィルタリングを適用する。このため、式8のように、あおり成分を拡大縮小成分sを乗じた画像の見えに変換してフィルタリングを適用する。

(式8)
以上のように、拡大縮小及びあおりのフィルタリング結果は、それぞれ式7及び式8の逆変換を施すことでフィルタリング結果とする。
フィルタリング結果をそれぞれ「′」で表現すると、防振パラメータは、式9のように射影ホモグラフィの形式に復元される。
(式9)
ただし、



である。
以上のようにして、防振パラメータ算出回路1094は、振れを低減するための防振パラメータとしての射影ホモグラフィHfilを算出する。次に、図3のフローチャートのステップS303に進む。
ステップS303では、防振制御回路1098は、防振映像生成回路1095に、ステップS302で算出された防振パラメータである射影ホモグラフィHfilを用いて、現フレーム画像に対して幾何変換処理を行い、防振フレーム画像を生成する。
以上説明したように、本実施例では、画像変化量として算出した射影ホモグラフィの妥当性を判定することで、動きベクトル又は画像変化量を誤推定した場合でも、適切に対処することが可能となる。つまり、撮像装置の複雑な姿勢変化をも良好に推定することができ、適切な画像防振処理を行うことができる。
また、この妥当性の判定を行うことで、動きベクトルの検出結果に対して複雑な規則を適用して画像変化量の誤推定を削減するような処理を行わなくてもよく、処理全体の並列化やハードウェア規模を削減することができる。
なお、本実施例では、ステップS402において、妥当性Vを0と1の2値表現としたが、必ずしもそのようにする必要はない。例えば、0,1の間で連続値をとるようにし、その値に応じて、ステップS404で前時刻の画像変化量と現時刻の推定値の結合比率を変えて画像変化量を修正するといった手法も採用可能である。
また、本実施例では、画像変化量として射影ホモグラフィを用いた場合について説明したが、必ずしもこれに限定される必要はなく、アフィン変換やヘルマート変換等、自由度を削減した2次元の画像変化量を用いることも可能である。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例では、画像変化量として、時間的に連続する2つのフレーム画像間から推定される撮像装置の姿勢変化そのものを利用する。本実施例は、時間的に連続する2つのフレーム画像間の変化が少ない場合に適用可能であり、撮像装置の動作速度が遅い場合、被写体の動きが少ない場合、及び高速度撮像を行う場合等に利用できる。撮像装置の姿勢変化を直接推定することで、抑制したい振れやその例外値の判定がより行いやすい。
図5には、本実施例の撮像装置2の構成を示す。撮像装置2において、実施例1(図1)の撮像装置1と同じ又は同様の機能を有する構成要素には実施例1と同符号を付して説明に代える。
防振処理回路509のうち姿勢変化推定回路(推定手段)5092は、動きベクトル検出回路1091で算出された動きベクトルを用いて、撮像装置2の回転及び並進からなる姿勢変化を推定(算出)する。
妥当性判定回路5093は、姿勢変化推定回路5092で推定された姿勢変化の時間変動から、該推定結果が撮像装置2の特定の姿勢変化に相当するか否か、つまりは特定の姿勢変化を表す推定結果として「妥当性」を有するか否かを判定する。「特定の姿勢変化」の意味は、実施例1と同じである。
防振パラメータ算出回路5094は、姿勢変化妥当性判定回路5093での判定結果及び姿勢変化推定回路5092で推定された姿勢変化に基づいて、防振パラメータを算出する。
次に、撮像装置2の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。図6は、防振処理回路509での防振パラメータの算出処理を示している。この処理は、防振制御回路1098内に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。防振パラメータの算出処理以外の撮像装置2の動作は、実施例1(図2及び図3)で説明した動作と同様である。
ステップS601において、防振制御回路1098は、姿勢変化推定回路5092に、図3のステップ301で算出された動きベクトルから撮像装置2の姿勢変化、すなわちx,y,z軸回りでの回転量
とx,y,z軸方向での並進量
とを算出させる。この算出には、「金谷健一、“画像理解−3次元認識の数理−”、pp.129−135、森北出版(1990)」に記載された手法を用いる。
次にステップS602では、防振制御回路1098は、姿勢変化妥当性判定回路5093に、ステップS601で推定された撮像装置2の姿勢変化が、特定の姿勢変化を表す推定結果として「妥当性」を有するか否かを判定する。ここでは、姿勢変化の時間変化量が所定の閾値より小さいか否か、各要素の累積変化量が所定の閾値より小さいか否か、複数の要素間の関係等、実施例1と同様の判定基準を用いることができる。
次に、ステップS603では、防振制御回路1098は、ステップS602で「妥当性」がないと判定された場合はステップS604にて、実施例1と同様の手法により姿勢変化量を修正する。
一方、「妥当性」があると判定された場合は、ステップS605にて、防振制御回路1098は、防振パラメータ算出回路5094に防振パラメータを算出させる。防振パラメータ算出回路5094は、推定された撮像装置2の姿勢変化を用いて、防振パラメータとしての射影ホモグラフィを式11のように算出する。
(式11)
ただし、
であり、
は、
の微小回転を表す。また、
とする。
このように、本実施例では、撮像装置2の姿勢変化の推定結果の妥当性を判定するので、動きベクトル又は撮像装置の姿勢変化を誤って推定した場合でも、適切に対処することが可能となる。このため、撮像装置の複雑な姿勢変化をも良好に推定することができ、適切な画像防振処理を行うことができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明の実施例1である撮像装置の構成を示すブロック図。 実施例1の撮像装置の動作を示すフローチャート。 実施例1の撮像装置における画像防振処理を示すフローチャート。 実施例1の撮像装置における防振パラメータ算出処理を示すフローチャート。 本発明の実施例2である撮像装置の構成を示すブロック図。 実施例2の撮像装置における防振パラメータ算出処理を示すフローチャート。 推定した画像変化量の時間変化の例を表したグラフ。
符号の説明
1,2 撮像装置
100 撮像光学系
101 露光制御部材
102 撮像素子
103 画像形成回路
104 露光制御部
105 フォーカス制御部
106 システム制御回路
107 メモリ
108 不揮発メモリ
109 防振処理回路
110,111 フレームメモリ
112 メモリ制御回路
113 画像出力部

Claims (9)

  1. 画像を構成する2つの画像間での動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、
    前記動きベクトルを用いて、撮像装置の姿勢変化の結果として画像中に現れる複数の変形の要素に基づいて前記2つの画像間での画像変化量を推定する推定手段と、
    前記画像変化量の複数の要素のそれぞれについて、前記撮像装置の特定の姿勢変化に対応する条件を満足するか否かを判定し、当該判定結果によって、前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果及び前記推定された画像変化量に基づいて前記動画像中の振れを低減するための像振れ補正パラメータを算出する像振れ補正パラメータ算出手段と、
    前記像振れ補正パラメータを用いて像振れ補正処理を行う処理手段とを有することを特徴とする画像振れ補正装置。
  2. 前記判定手段は、前記複数の要素のうち少なくとも1つの要素の時間変化量又は累積変化量を用いて、前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像振れ補正装置。
  3. 前記判定手段は、前記判定結果の多数決によって、前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像振れ補正装置。
  4. 前記判定手段は、前記画像変化量の複数の要素間の関係に基づいて前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像振れ補正装置。
  5. 光学系を用いて被写体像を撮像する撮像部と、
    請求項1からのいずれか1つに記載の画像振れ補正装置とを有することを特徴とする撮像装置。
  6. 撮像装置によって取得された動画像中の振れを低減する像振れ補正処理を行う画像振れ補正方法であって、
    前記動画像を構成する2つの画像間での動きベクトルを算出する動きベクトル算出ステップと、
    前記動きベクトルを用いて、撮像装置の姿勢変化の結果として画像中に現れる複数の変形の要素に基づいて前記2つの画像間での画像変化量を推定する推定ステップと、
    前記画像変化量の複数の要素のそれぞれについて、前記撮像装置の特定の姿勢変化に対応する条件を満足するか否かを判定し、当該判定結果によって、前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップによる判定結果及び前記推定された画像変化量に基づいて前記動画像中の振れを低減するための像振れ補正パラメータを算出する像振れ補正パラメータ算出ステップと、
    前記像振れ補正パラメータを用いて像振れ補正処理を行う処理ステップとを有することを特徴とする画像振れ補正方法。
  7. 前記判定ステップは、前記複数の要素のうち少なくとも1つの要素の時間変化量又は累積変化量を用いて、前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の画像振れ補正方法。
  8. 前記判定ステップは、前記判定結果の多数決によって、前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の画像振れ補正方法。
  9. 前記判定ステップは、前記画像変化量の複数の要素間の関係に基づいて前記推定された画像変化量が前記特定の姿勢変化による画像変化量か否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の画像振れ補正方法。
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