JP5279116B2 - 水害観測支援方法及び装置 - Google Patents

水害観測支援方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5279116B2
JP5279116B2 JP2008137284A JP2008137284A JP5279116B2 JP 5279116 B2 JP5279116 B2 JP 5279116B2 JP 2008137284 A JP2008137284 A JP 2008137284A JP 2008137284 A JP2008137284 A JP 2008137284A JP 5279116 B2 JP5279116 B2 JP 5279116B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
observation
cells
land use
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008137284A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009281993A (ja
Inventor
雄一郎 武井
正浩 外間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2008137284A priority Critical patent/JP5279116B2/ja
Publication of JP2009281993A publication Critical patent/JP2009281993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5279116B2 publication Critical patent/JP5279116B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/40Controlling or monitoring, e.g. of flood or hurricane; Forecasting, e.g. risk assessment or mapping

Landscapes

  • Instructional Devices (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

この発明は、例えば河川の増水や洪水等の水害を監視する業務を支援する水害観測支援方法及び装置に関する。
国や自治体等では、河川の状況を監視して増水や洪水の予測に役立てる取り組みが種々行われている。最も一般的な手法は、河川の監視対象場所に水位計を設置してその検出信号をもとに水位を監視するものである。しかし、この手法では監視対象場所にそれぞれ水位計を設置しなければならないため、多数の監視対象場所を監視しようとすると高額な設置費やメンテナンス費用がかかると云う問題がある。また、河川の監視対象区間における流量と、当該河川の監視対象区間の河床構造をもとに、上記監視対象区間における水位を計算する方法も提案されている。このような方法によれば、多数の水位計を設置することなく河川の水位を監視することができる(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2007−155488号公報
ところが、台風や集中豪雨等を想定した場合、水害の予測は限られた河川についてのみ行えばよいわけではなく、中小河川を含む多数の河川流域や低地帯等についても行う必要がある。すなわち、洪水予測のための観測対象地域はきわめて広範囲となる。しかし、このように広範囲に渡る観測対象地域を同時に観測することは、大掛かりな設備と人手を必要とする。
また、観測対象の河川流域に対しその規模に応じて優先度を付け、危険度の高い河川流域から順に観測することも考えられる。しかし、危険度は必ずしも河川流域の規模により決まるわけではなく、集水域ごとの水収支や水の貯蔵量等によっても変化する。このため、集水域の水収支等の特性を考慮したより適切な観測支援方法の確立が望まれている。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、観測対象地域が広範囲の場合に個々の集水域の特性を考慮してより適切な観測支援情報を提供できるようにした水害観測支援方法及び装置を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の一観点は、観測対象地域の標高データを記憶する標高データベースと、上記観測対象地域の土地利用種別を表す情報を記憶する土地利用種別データベースと、上記土地利用種別に対応付けて当該土地における水の流入及び流出特性をタンクにより表したタンクモデルの種類を記憶するタンクモデル対応テーブルとを用いて、観測支援装置が上記観測対象地域における水害観測支援を行う際に、上記観測対象地域を複数のセルに分割し、上記標高データベースから上記セルごとの標高データを読み出すと共に、上記土地利用種別データベースから上記セルごとの土地利用種別を表す情報を読み出す。さらに、この土地利用種別を表す情報に基づいて上記タンクモデル対応テーブルから上記セルごとの土地利用種別に対応するタンクモデルの種類を読み出し、上記セルごとに、この読み出されたタンクモデルにより表されるタンク容量の総和を算出して、この算出したタンク容量の総和を上記セルの重みとして設定する。そして、上記標高データベースから読み出された各セルの標高データをもとに、上記複数のセルを固有の集水域を構成する複数のセル群にグループ化し、上記セルごとに設定された重みに基づいて、上記複数のセル又はセル群に対し観測優先度を設定するものである。
したがって、観測対象地域を細分化したセルごとに、その土地における水の流入及び流出特性をタンクにより表したタンクモデルが設定され、このタンクモデルをもとに各セルに対し重みが設定される。そして、この設定された重みに基づいて、上記セルごと或いは固有の集水域を構成する複数のセル群ごとに観測優先度が設定される。このため、細分化されたセルごとにその土地の特性を考慮した高精度の解析が可能となり、これにより観測機関又は観測者に対し信頼性の高い観測優先度情報を提供することが可能となる。しかも、上記解析処理をタンクモデルを利用することで比較的簡単に実現できる利点がある。
この発明の一観点はさらに、以下のような特徴的構成要素を備えることを特徴とする。
第1の特徴的構成要素は、上記観測優先度を設定する際に、上記セルごとに設定された重みに基づいて、上記複数のセルに対し重みが小さい順に観測優先度を高く設定するものである。
この方法又は手段は、タンク容量が小さいセルは水の貯蓄量が少なく水が河川に流入しやすいことに着目したものであり、このようにすると降雨により急激な増水が発生しやすい地域を優先的に観測することが可能となる。
第2の特徴的構成要素は、上記観測優先度を設定する際に、上記セルごとに設定された重みに基づいて、上記複数のセル群ごとに水が流れる方向に配置されたセル間の重みの減少幅を算出し、上記複数のセル群に対し上記算出された重みの減少幅が大きい順に観測優先度を高く設定するものである。
この方法又は手段は、上流側のセルが備える貯水量に比べて下流側のセルが備える貯水量が著しく小さい場合には水が溢れやすいことに着目したもので、このようにすると水が溢れやすい地域を優先的に観測することが可能となる。
第3の特徴的構成要素は、上記観測優先度を設定する際に、上記セルごとに設定された重みに基づいて、上記複数のセル群ごとに当該セル群を構成する複数のセルの重みの総和を算出し、上記複数のセル群に対し上記算出された重みの総和が小さい順に観測優先度を高く設定するものである。
この方法又は手段は、貯蓄可能な水の総量が小さい集水域ほど河川の増水又は浸水が発生しやすいことに着目したもので、このようにすると河川の増水又は浸水が発生しやすい地域を優先的に観測することが可能となる。
すなわちこの発明によれば、観測対象地域が広範囲の場合に個々の集水域の特性を考慮してより適切な観測支援情報を提供できるようにした水害観測支援方法及び装置を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わる水害観測支援方法を実施するシステムの概略構成図である。このシステムは、観測支援装置SVを例えば自治体のサーバ装置GVに対し通信ネットワークNWを介して接続したものである。
自治体サーバ装置GV2には、土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルDB1と、複合タンクモデルデータベースDB2と、標高データベースDB3と、土地利用種別データベースDB4と、観測支援情報データベースDB5が設けられている。
標高データベースDB3には、観測対象地域の標高データが記憶されている。この標高データは、例えば国土地理院の地図データベース又は測量データベースから読み込むことにより得られる。
土地利用種別データベースDB4には、上記観測対象地域の土地利用種別データが記憶されている。この土地利用種別データは、自治体が衛星写真や航空写真等をもとに作成したもので、「水田」、「山地」、「市街地」、「畑地」からなる。
土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルDB1には、上記土地利用種別データベースDB4に記憶された土地利用種別に対応する複合タンクモデルの番号が記憶される。
複合タンクモデルデータベースDB2には、上記複合タンクモデルの番号に対応付けて複合タンクモデルの構造を表す情報が記憶される。複合タンクモデルは、水収支解析のために開発された基本モデルであり、水質に関する種々の情報をもとにシステム管理者により経験的に構築される。例えば、土地利用種別が「畑地」の場合、日本や世界のすべての場所でタンクモデルは同一ではない。土質(粘土、火山灰土等)によりタンクモデルは異なるからである。このように設定した複合タンクモデルを用いることで、流域内の水循環構造を正確に表現することが可能となる。
図3に複合タンクモデルの一例を示す。水系全体は、用水の反復利用などの水循環特性を考慮していくつかのブロックに分割することが可能である。それぞれのブロックは、図3に示すように「山地」、「水田」、「畑地」、「市街地」の土地利用種別により細分され、それぞれの土地利用種別ごとの水流出特性は独立した2〜4段の直列タンクモデルで表される。
タンクモデルのパラメータは山地に関しては最適化手法によって決定され、また他のタンクはそれぞれの土地利用の流入流出特性及び水利用特性を考慮して決定される。タンクの例を図4に示す。図4に示したタンクTは3個のオリフィスA,B,Cを備えたものである。土地利用の水収支、流入流出の遅延時間に適するように、タンクTの容量、底面積、オリフィスA,B,Cの直径、オリフィスA,Bのタンク底面からの高さを調節する。オリフィスの数、設置する位置に制限はない。複合タンクモデルとは複数のタンクを組み合わせたものである。
タンクTの底面積は水が貯蓄される速度に関係し、底面積が小さければタンクTの水位の上昇する速度は大きくなる。タンク底面積の小さいモデルに相当する土地は水の流出が多いとみなすことができる。複合タンクモデルデータベースDB2には、タンクTごとにその底面積又は容量を表すデータが記憶されている。
なお、復号タンクモデルについては、「河川汚濁モデル解析」、pp.179〜180、國松孝男、村岡浩爾 編著 技法堂出版に詳しく記載されている。
観測支援情報データベースDB5は、後述する観測支援装置SVから送られる観測支援情報を保存するために使用される。
通信ネットワークNWは、例えばインターネットに代表されるIP(Internet Protocol)網と、このIP網にアクセスするためのアクセス網とから構成される。アクセス網としては、例えば有線公衆網、LAN(Local Area Network)、移動通信網、CATV(Cable Television)網が用いられる。
観測支援装置SVは、例えばWebサーバからなる。図2はそのハードウエア及びソフトウエアの構成を示すブロック図である。
すなわち、観測支援装置SVは、中央制御ユニット(Central Control Unit;CPU)11を備え、このCPU11に対しバス12を介してプログラムメモリ13、データメモリ14、通信インタフェース(通信I/F)15及び入出力インタフェース(入出力I/F)16を接続したものである。
通信I/F15は、CPU11の制御の下で、通信ネットワークNWにより規定される通信プロトコルに従い、自治体サーバ装置GVとの間でデータ通信を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用される。
入出力I/F16には、入力デバイス17及び表示デバイス18が接続される。入力デバイス17は、例えばキーボード及びマウスにより構成される。表示デバイス18は液晶ディスプレイからなる。入出力I/F16は、上記入力デバイス17による操作情報をCPU11に伝えると共に、CPU11からの表示指示に従い表示情報を上記表示デバイス18に表示させる。
プログラムメモリ13には、この発明を実施するために必要なアプリケーション・プログラムとして、セル分割処理プログラム131と、標高及び土地利用種別の設定処理プログラム132と、タンクモデル設定処理プログラム133と、セル重み設定処理プログラム134と、集水域設定処理プログラム135と、観測支援情報生成プログラム136が格納されている。
なお、データメモリ14は、上記各プログラム131〜136の実行過程又は実行処理後に生成されるデータや、通信I/F15により送受信されるデータ等を保存するために用いられる。
セル分割処理プログラム131は、観測対象地域を表す地図データを複数のセルに細分化する処理を、上記CPU11に実行させる。各セルは矩形セルからなり、例えば100メートル四方の正方形に設定される。なお、矩形セルの一辺の長さは100メートルに限定されるものではなく、要求される観測精度に応じて任意に設定可能である。
標高及び土地利用種別の設定処理プログラム132は、通信I/F15を介して自治体サーバ装置GVに対しアクセスし、上記設定された各矩形セルの位置データ(緯度経度データ)をもとに標高データベースDB3から各矩形セルの標高データを取得して、矩形セルごとの標高平均値を設定する。またそれと共に、土地利用種別データベースDB4から各矩形セルの土地利用種別を表すデータを取得して、矩形セルごとの土地利用種別を設定する処理を、上記CPU11にそれぞれ実行させる。
タンクモデル設定処理プログラム133は、通信I/F15を介して自治体サーバ装置GVに対しアクセスし、上記標高及び土地利用種別の設定処理プログラム132により矩形セルごとに設定された土地利用種別をもとに、土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルDB1から対応する複合タンクモデルの番号を取得し、この取得した複合タンクモデルの番号を矩形セルに対し設定する処理を、上記CPU11に実行させる。
セル重み設定処理プログラム134は、矩形セルごとに、上記タンクモデル設定処理プログラム133により設定された複合タンクモデルの番号をもとに複合タンクモデルデータベースDB2から該当する複合タンクモデルの構造データを読み出す。そして、この読み出した構造データに含まれるタンク底面積をもとにその総和を算出し、この算出したタンク底面積の総和を重みCell[i].weightとして矩形セルに対し設定する処理を、上記CPU11に実行させる。
集水域設定処理プログラム135は、上記標高及び土地利用種別の設定処理プログラム132により矩形セルごとに設定された標高平均値をもとに、当該複数のセルを固有の集水域を構成する複数のセル群にグループ化し、さらにこのグループ化されたセル群ごとに当該セル群を構成する複数のセル間に水の流れに従い上流から下流に向かう有向枝を設定する処理を、上記CPU11に実行させる。
観測支援情報生成プログラム136は、上記セル重み設定処理プログラム134により矩形セルごとに設定された重みCell[i].weightに基づいて上記複数の矩形セル又はセル群に対し降水量の観測優先度を設定し、その設定結果を観測支援情報として通信I/F15から自治体サーバ装置GVへ送信する処理を、上記CPU11に実行させる。
観測優先度の設定プログラムとしては、(1)矩形セルに対しその重みCell[i].weightが小さい順に優先度を高く設定する第1の優先度設定プログラムと、(2)複数のセル群ごとにその上流セルと下流セルとの間の重みCell[i].weightの減少幅を算出し、上記複数のセル群に対し上記算出された重みCell[i].weightの減少幅が大きい順に観測優先度を高く設定する第2の優先度設定プログラムと、(3)上記複数のセル群ごとに当該セル群を構成する複数のセルの重みの総和を算出し、上記複数のセル群に対し上記算出された重みの総和が小さい順に観測優先度を高く設定する第3の優先度設定プログラムがあり、自治体の要求又は観測支援オペレータの指示に応じてこれらのプログラムが選択的に使用される。
次に、以上のように構成された観測支援装置SVによる観測支援処理動作を説明する。図7はその全体の処理の流れを示すフローチャート(メインルーチン)、図6は処理内容の説明に用いるデータの構造を示す図である。
すなわち、CPU11は、先ずステップS11においてセル分割処理プログラム131を起動して観測対象地域を複数の矩形セルに分割する処理を行い、続いてステップS12において標高及び土地利用種別の設定処理プログラム132を起動して上記矩形セルごとに標高平均値及び土地利用種別を設定する。次にステップS13においてタンクモデル設定処理プログラム133を起動して、上記矩形セルごとに上記設定された土地利用種別に対応するタンクモデルを土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルDB1から読み出し、続いてステップS14によりセル重み設定処理プログラム134を起動して、矩形セルごとに上記タンクモデルにより表されるタンク底面積の総和を算出してこの算出したタンク容量の総和を上記セルの重みとして設定する。そして、ステップS15により集水域設定処理プログラム135を起動して、上記矩形セルごとの標高平均値データをもとに複数のセルを固有の集水域を構成する複数のセル群にグループ化すると共に、セル群ごとに当該セル群を構成する複数のセル間に水の流れに従い上流から下流に向かう有向枝を設定し、最後にステップS16により観測支援情報生成プログラム136を起動して、上記矩形セルの重み及びセル間の有向枝をもとに上記複数のセル又はセル群に対し観測優先度を設定する。
以下、上記各処理を詳しく説明する。
(1)セル分割処理
図8は、セル分割処理の手順と内容を示すフローチャートである。
すなわちCPU11は、先ずステップS21により矩形セルの大きさを決定する。一例としては100メートル四方の正方形を適用するのが好ましいが、大きさは任意に設定可能である。次にステップS22において、上記大きさが設定された矩形セルのテンプレートを用いて観測対象地域を複数の矩形セルに分割する。そして、各矩形セルに対応付けてその位置データをデータメモリ14に記憶する。位置データは例えば緯度経度により表される。最後にステップS23において、上記分割処理により生成された矩形セルの総数Total_Cell_Numをデータメモリ14に記憶する。
図17は上記矩形分割処理により生成された各矩形セルの一例を示すものであり、この例では矩形セルの総数Total_Cell_Numとして「144」がデータメモリ14に記憶される。
(2)標高、土地利用種別、タンクモデル及びセル重みの設定
図9は、標高、土地利用種別、タンクモデル及びセル重みの設定処理の手順と内容を示すフローチャートである。
すなわちCPU11は、初期設定処理として、先ずステップS31によりTotal_Cell_Numに矩形セルの総数を設定し、さらにステップS32により矩形セルの個数回を繰り返すループのインデクスiを初期化(i=1)する。
次にCPU11は、ステップS33により上記インデクスiが矩形セルの総数Total_Cell_Numを超えたか否かを判定する。この判定の結果、インデクスiが矩形セルの総数Total_Cell_Numを超えれば処理を終了するが、超えていなければステップS34〜ステップS43による処理を実行する。
すなわち、CPU11は先ずステップS34においてi番目の矩形セルから流出する水が流れ込む下流セルの個数を代入するための変数を初期化する。つまり、Cell[i]. child_cell_counterに0を代入する。またそれと共にステップS35において、i番目の矩形セルに水が流れ込む上流セルの個数を代入するための変数を初期化する。つまり、Cell[i]. parent_cell_counterに0を代入する。
CPU11は、次にステップS36により通信I/F15を介して自治体サーバ装置GVに対しアクセスし、標高データベースDB3から上記i番目の矩形セルに対応する標高データを読み込む。そして、ステップS37において、上記読み込んだ標高データの中で矩形セル内の最低標高と最高標高の平均を計算して、この標高平均値を当該矩形セルの番号Cell[i].Altitudeに対応付けてデータメモリ14に記憶させる。すなわち、ステップS37においてCPU11は、Cell[i].Altitudeに(i番目の矩形セル内の最低標高+最高標高)/2を代入する。
次にCPU11は、ステップS38により自治体サーバ装置GVの土地利用種別データベースDB4から上記i番目の矩形セルに対応する土地利用種別データを読み込む。そして、この読み込んだ土地利用種別データを、ステップS39により当該矩形セルの番号Cell[i].categoryに対応付けてデータメモリ14に記憶させる。土地利用種別は、先に述べたように「水田」、「山地」、「市街地」、「畑地」の4種類からなる。
続いてCPU11は、ステップS40において自治体サーバ装置GVから土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルDB1を読み込み、ステップS41により、この読み込んだ対応テーブルDB1から上記土地利用種別に対応する複合タンクモデルの番号を検索してtank_model_numに入れる。例えば、いま土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルDB1が図10に示すように構成されていて、i番目の矩形セルの土地利用種別が「水田」だったとすれば、複合タンクモデルの番号として「3」が検索され、tank_model_numに入れられる。
次にCPU11は、ステップS42において、上記複合タンクモデルの番号をキーとして自治体サーバ装置GVの複合タンクモデルデータベースDB2から対応する複合タンクモデルの構造データを読み出す。例えば、いま複合タンクモデルデータベースDB2に図11に示すような構造データが記憶されていて、複合タンクモデルの番号が「3」だったとすると、この番号「3」に対応する構造データtank_\model[3] が読み出される。
そしてCPU11は、この読み出した構造データをもとに、i番目の矩形セルの複合タンクモデルを構成する各タンクの底面積の総和を算出し、この算出したタンクの底面積の総和をCell[i].weightとして設定する。つまり、Cell[i].weightにtank_model[Cell[i].tank_model_No].bottom_areaを設定する。例えば、図5に示すようにi番目の矩形セルの複合タンクモデルを構成する各タンクの底面積がそれぞれ「2」、「3」であれば、その総和は「5」となり、この「5」が重みCell[i].weightとして設定される。
最後に、CPU11はステップS43によりインデクスiをインクリメントして、上記ステップS33に戻る。そして、以後インデクスiが矩形セルの総数Total_Cell_Numを超えるまで、つまり全矩形セルに対する処理が終了するまで、ステップS34〜S43による標高、土地利用種別、タンクモデル及びセル重みの設定処理を繰り返し実行する。
図18は、上記標高設定処理の結果、各矩形セルに対応付けて記憶された標高平均値の一例を示すものである。また図25は、上記重みの設定処理の結果、各矩形セルに設定された重みの一例を示すものである。
(3)集水域の設定
図12及び図13は、集水域の設定処理の手順と内容を示すフローチャートである。
すなわちCPU11は、先ずステップS51により集水域識別番号Cell[i].basin_Noを0に初期設定する。続いてCPU11は、ステップS52において、集水域識別番号Cell[i].basin_Noが定義されていない矩形セルが存在する(true)か否か(false)を判定する。この判定の結果、存在する(true)場合にはステップS53に移行し、これに対し存在しない(false)場合にはステップS57に移行する。
ステップS53〜ステップS56による処理は、ステップS57〜ステップS67による処理で発見できる集水域の識別番号をセルに付与する処理であり、CPU11はこの処理を以下のように実行する。すなわち、先ずステップS53により、集水域識別番号Cell[i].basin_Noが定義されていない矩形セルの中で最低標高の矩形セルを選択する。次にステップS54により、新たな集水域を探索するために集水域識別番号Cell[i].basin_Noをインクリメント(+1)し、続いてステップS55において、集水域の探索をスタートする矩形セルの識別番号を記憶する。つまり、start_cell_of_basin[集水域識別番号]に、上記ステップS53により選択した最低標高の矩形セルの識別番号を代入する。次にステップS56において、上記ステップS53により選択した矩形セルCell[最低標高の矩形番号].basin.Noに集水域識別番号を代入する。
一方、ステップS58〜ステップS67による処理は、集水域を探索中のセルとその上下左右の4個の隣接セルが同じ集水域に属するか否かを調査する処理であり、CPU11はこの処理を以下のように実行する。すなわち、先ずステップS58において、隣接セルを探索していないセルでCell[i].basin_Noが一時的な変数である集水域識別番号に等しいセルが存在する(true)か否か(false)を判定する。この判定の結果、存在する(true)場合には、ステップS59に移行する。これに対し存在しない(false)場合には、ステップS52に戻る。
ステップS59に移行するとCPU11は、上記ステップS58の判定において存在すると判定された当該矩形セルの識別番号を記憶する。つまり、一時的な変数kernelに当該矩形セルの識別番号を代入する。続いてステップS60において隣接矩形セルを選択し、一時的な変数irにこの選択した隣接矩形セルの識別番号を代入する。次にステップS61において、上記一時的変数kernelに番号が記憶された矩形セルの標高平均値と、隣接矩形セルの標高平均値とを比較する。この比較の結果、隣接矩形セルの標高平均値Cell[ir].Altitudeがkernelに番号が記憶された矩形セルの標高平均値Cell[kernel].Altitudeよりも高ければ(true)ステップS62に移行し、そうでなければ(false)ステップS58に戻る。
ステップS62においてCPU11は、隣接セルがkernelに番号が記憶された矩形セルと同じ集水域であるとみなし、Cell[ir].basin_Noに一時的な変数である集水域識別番号を入力する。次にステップS63により隣接セルから水が流れる方向、つまり下流側に存在するセルの数を隣接セルに代入する。すなわち、Cell[ir].child_cell_counterをインクリメント(+1)する。続いてステップS64において、隣接セルから水が流れる方向に存在する下流側の矩形セルの識別番号を隣接セルに代入する。つまり、Cell[ir].child_Cell_No[child_cell_counter]にkernelに記憶された矩形セルの識別番号を代入する。
次にステップS65においてCPU11は、kernelに番号が記憶された矩形セルに水を流し込む上流側に存在する隣接セルの数をkernelに代入する。すなわち、Cell[ir].parent_cell_counterをインクリメント(+1)する。続いてステップS66において、kernelに番号が記憶された矩形セルに水を流し込む上流側の隣接セルの識別番号をkernelに代入する。つまり、Cell[kernel].parent_Cell_No[parent_cell_counter]に隣接セルの識別番号を代入する。
次にステップS67においてCPU11は、Kernelに番号が記憶された矩形セルの中に、irに番号が記憶された隣接矩形セル以外の隣接セルが存在する(true)か否か(false)を判定する。この判定の結果、存在する(true)場合にはステップS60に戻り、一方存在しない(false)場合にはステップS58に戻る。
ステップS57においてCPU11は、集水域の総数を記憶する。すなわち、データ項目Total_Basin_Numに一時的な変数である集水域識別番号を代入する。そして、この処理が終了するとCPU11は集水域の設定処理を終了する。
以上述べた集水域の設定処理結果の一例を以下に示す。いま例えば、図18に示すように標高平均値が設定された各矩形セルについて集水域を設定しようとしたとする。この場合、標高平均値が0に設定された矩形セル「8」,「20」,「32」,…,「99」,「100」については、図19に示すように河川域Kに設定される。これに対し、矩形セル群「9」,「10」,「11」,「12」、矩形セル群「109」,「110」,「111」,…,「133」,「134」及び矩形セル群「61」,「62」,「63」,…,「87」,「88」については、それぞれ図20の(a),(b),(c)に示すように集水域E1,E4,E5に設定される。また、矩形セル群「1」,「2」,「3」,…,「54」,「55」、矩形セル群「21」,「22」,「23」,…,「96」,「108」及び矩形セル群「78」,「79」,「80」,…,「143」,「144」については、それぞれ図21、図22及び図23に示すように集水域E6,E2,E3に設定される。
また、上記集水域の設定処理過程において、各集水域E1〜E6を構成する矩形セル間には、図20、図21、図22及び図23に示すように水が流れる方向を表す有向枝が設定される。さらに、上記集水域E1〜E6と河川域Kとの間には、図24に示すように水が流れる方向を表す有向枝が設定される。
(5)セル又は集水域に対する観測優先度の設定
(5−1)矩形セルに対しその重みCell[i].weightが小さい順に優先度を高く設定する場合
図14は、観測支援装置SVのCPU11によるその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
観測支援装置SVのCPU11は、先ずステップS71において全矩形セルをその重みの値が小さい順に並べ替える。つまり、1≦i≦Total_Cell_NumをCell[i].weightの値が小さい順に並べ替える。次にステップS72において、上記ステップS71により並べ替えられた順番に従いセル識別番号を並べ替える。そして、このCell[i].weightの値が小さい順に並べ替えられた矩形セルの情報、つまりCell[i].weightの値が小さい順に優先度が高くなるように設定された矩形セルの情報を、観測支援情報として通信I/F15から自治体サーバ装置GVへ送信させ、観測支援情報データベースDB5に記憶させる。
自治体は、台風や集中豪雨の場合に、観測支援情報として提供された上記矩形セルの観測優先度に従い、Cell[i].weightの値が小さい矩形セルから順に雨量を観測する。したがって、土地の貯水量が小さく水が溢れやすい矩形セル地区から優先的に雨量の観測を行うことが可能となる。
(5−2)連続する上下流のセル間の容量の減少幅に応じて集水域に観測優先度を設定する場合
図15は、観測支援装置SVのCPU11によるその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
観測支援装置SVのCPU11は、先ずステップS81において連続する上下流の矩形セル間の容量差が最大となるときの当該上流側の矩形セルの識別番号を表すkeepiに初期値として1を設定し、またkeepkernelにも1を初期設定する。続いてステップS82により、連続する上下流の矩形セル間の容量の差を表すkeepvalueに初期値として0を設定する。さらにステップS83において、上下流の矩形セル間の容量の差が最大になる集水域の識別番号を表すKeepbasin_Noに初期値としてCell[1].basin_Noを設定する。
次にCPU11は、ステップS84によりループ処理のインデクス変数iに初期値として1を設定する。そしてステップS85において、下流に位置する矩形セルについてステップS86〜ステップS95による処理が終了(false)か、否(true)かを判定する。この判定の結果、i≦Total_Cell_Numが成立(true)したならば、下流に位置する矩形セルについてまだ処理が終了していないと判断してステップS86に移行する。これに対しi≦Total_Cell_Numが成立(false)した場合には、下流に位置する矩形セルに対する処理が終了したと判断してステップS96に移行する。
CPU11は、ステップS86〜ステップS95において以下のような処理を実行する。すなわち、先ずステップS86により下流側に位置するセルの重みを記憶する。つまり、weight_kernelにCell[i].weightを設定する。続いてステップS87において、ステップS88〜ステップS94によるループ処理のインデクス変数jに初期値として1を設定する。次にステップS88により、上流側に位置するセルについてステップS89〜ステップS94による処理が終了(false)したか、否(true)かを判定する。この判定の結果、処理が終了したならば、つまりj≦Cell[i]. parent_cell_counterが成立しなければステップS95に移行する。このステップS95では下流側の矩形セルについて調べるため、iをインクリメント(+1)する。これに対し処理が終了していれば、つまりj≦Cell[i]. parent_cell_counterが成立した場合にはステップS89に移行する。
CPU11は、ステップS89〜ステップS94において以下のような処理を実行する。すなわち、先ずステップS89により上流側に位置する矩形セルの重みを記録する。つまり、weight_parentにCell[Cell[i].parent_cell_No[j]].weightを代入する。続いてステップS90において、1回前のループ処理で記憶されたkeepvalueとweight_parent-weight_kernelの値の大きさを比較する。この比較の結果、weight_parent-weight_kernelのほうが大きい場合(True)にはステップS91に移行し、そうでない場合(False)にはステップS94に移行する。
ステップS91においてCPU11は、上下流の矩形セルの容量の差をkeepvalueに記憶する。つまり、Keepvalueにweight_parent-weight_kernelを代入する。続いてステップS92において、上流側の矩形セルの識別番号を記憶する。つまり、Keepiに Cell[i]. parent_cell_No[j]を代入する。次にステップS93により集水域番号を記録する。つまり、Keepvasin_NoにCell[i].basin_Noを記録する。続いてステップS94により、上流側の矩形セルを調べるため、インデクスjをインクリメント(+1)する。
一方、ステップS96に移行するとCPU11はkeepvalueを雨量を最初に観測するセルの面積に設定し、続いてステップS97によりkeepiを雨量を最初に観測する上流側に位置する矩形セルの番号に設定すると共に、keepkernelを下流側に位置する矩形セルの番号に設定する。次にステップS98において、Keepbasin_Noを雨量を最初に観測する集水域識別番号に設定する。
最後にCPU11は、上記ステップS96〜S98により設定された値、つまり雨量を最初に観測するセルの面積と、雨量を最初に観測する上流側及び下流側の矩形セルの番号と、雨量を最初に観測する集水域識別番号を、観測支援情報として通信I/F15から自治体サーバ装置GVに向け送信させ、この送信処理を終了すると集水域に対する観測優先度の設定処理とその処理結果の送信処理を終了する。
自治体は、台風や集中豪雨の場合に、観測支援情報として提供された上記観測優先度に従い、連続する上下流のセル間の容量の減少幅が最大となる矩形セルを含む集水域から優先的に雨量を観測する。したがって、下流側の矩形セルの貯水量がその上流側のセルの貯水量に比べて小さく、上流からの大規模の出水を吸収しにくい集水域から優先的に雨量の観測を行うことが可能となる。
(5−3)容量の総和に応じて集水域に観測優先度を設定する場合
図16は、観測支援装置SVのCPU11によるその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
観測支援装置SVのCPU11は、先ずステップS101において、ステップS102〜S104によるループ処理のインデクス変数jに初期値として1を設定する。続いてステップS102において、ステップS103〜S104による処理が集水域の総数Tota_basin_Num回実行されたか(false)、否か(true)を判定する。この判定の結果、j≦Total_basin_Numが成立するならば(true)、つまりまだ処理が行われていない集水域が残っていれば、ステップS103に移行してTotal_Basin_weight[j]に初期値0を設定する。そして、ステップS104により上記インデクス変数jをインクリメント(+1)したのち、ステップS102に戻る。これに対し、j≦Total_basin_Numが成立しなければ(false)、つまり処理対象の集水域が残っていなければ、ステップS105に移行しインデクス変数iに初期値として1を設定したのち、ステップS106〜ステップS112による処理に移行する。
ステップS106〜ステップS112は集水域のセルの重さの総合計を計算するステップであり、CPU11はその処理を以下のように実行する。すなわち、CPU11は先ずステップS106において、全ての矩形セルの重みの調査を実行したか(false)、否か(true)を判定する。この判定の結果、i≦Total_Cell_Numが成立する(true)ならばステップS107に移行し、成立しない(false)ならばステップS113に移行する。
ステップS107においてCPU11は、ステップS108〜S111によるループ処理のインデクス変数j、つまり集水域の識別番号に初期値として1を設定する。続いてステップS108により、すべての集水域の調査を実行したか(false)、否か(true)を判定する。この判定の結果、j≦Total_basin_Numが成立する(true)ならばステップS109に移行し、Cell[i].basin_No が集水域識別番号jと等しいか(true)否か(false)を判定する。この判定の結果、等しい場合(true)にはステップS110に移行し、等しくない場合(false)にはステップS111に移行する。
ステップS110においてCPU11は、集水域のセルの重みの和を計算する。すなわち、Total_Basin_weight[j]にTotal_Basin_weight[j ]+Cell[i].weightを代入する。そしてこの計算を終了すると、ステップS111により集水域の識別番号jをインクリメント(+1)すると共に、ステップS112によりセルの識別番号iをインクリメント(+1)する。
ステップS113においてCPU11は、集水域のセルの重みTotal_Basin_weight[j]、1≦j≦Total_basinl_Numを値の小さな順番にソートする。そして、ステップS114において集水域のセルの重みTotal_Basin_weight[j]の小さな順に集水域の識別番号を格納する。最後に、CPU11は、上記ソートされた集水域の番号と、最初に観測すべきセルのタンク底面積を表す情報を、観測支援情報として通信I/F15から自治体サーバ装置GVに向け送信させ、観測支援情報データベースDB5に記憶させる。
自治体は、台風や集中豪雨の場合に、観測支援情報として提供された上記観測優先度に従い、容量の総和が最大となる集水域から優先的に雨量を観測する。したがって、貯水量が小さく、大雨が降った場合にその雨量を吸収しきれずに浸水や洪水を起こしやすい集水域から優先的に雨量の観測を行うことが可能となる。
以上述べたようにこの実施形態では、先ずセル分割処理プログラム131に従い観測対象地域を複数の矩形セルに分割し、続いて標高及び土地利用種別の設定処理プログラム132を起動して上記矩形セルごとに標高平均値及び土地利用種別を設定すると共に、タンクモデル設定処理プログラム133により上記矩形セルごとに上記設定された土地利用種別に対応するタンクモデルを土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルDB1から読み出し、セル重み設定処理プログラム134により矩形セルごとに上記タンクモデルにより表されるタンク底面積の総和を算出してこの算出したタンク容量の総和を上記セルの重みとして設定する。そして、水域設定処理プログラム135を起動して、上記矩形セルごとの標高平均値データをもとに複数のセルを固有の集水域を構成する複数のセル群にグループ化すると共に、セル群ごとに当該セル群を構成する複数のセル間に水の流れに従い上流から下流に向かう有向枝を設定し、最後に観測支援情報生成プログラム136を起動して、上記矩形セルの重み及びセル間の有向枝をもとに上記複数のセル又はセル群に対し観測優先度を設定するようにしている。
したがって、細分化されたセルごとにその土地の特性を考慮した高精度の解析が可能となり、これにより観測機関又は観測者に対し信頼性の高い観測優先度情報を提供することが可能となる。しかも、上記解析処理をタンクモデルを利用することで比較的簡単に実現することができる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルDB1と、複合タンクモデルデータベースDB2と、標高データベースDB3と、土地利用種別データベースDB4と、観測支援情報データベースDB5を何れも自治体のサーバ装置GVに設け、観測支援装置SVはこれらのデータベースから必要な情報を通信ネットワークNWを介して取得して観測支援のための処理を実行するようにしたが、上記土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルDB1と、複合タンクモデルデータベースDB2と、標高データベースDB3と、土地利用種別データベースDB4と、観測支援情報データベースDB5のうちの少なくとも1つは観測支援装置SVに設けるようにしてもよい。
その他、観測支援装置の構成や観測支援のための処理手順及び処理内容、矩形セルの大きさや数、通信ネットワークの種類などについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
この発明の一実施形態に係わる水害観測支援方法を実施するシステムの概略構成図である。 この発明の一実施形態に係わる観測支援装置のハードウエア及びソフトウエアの構成を示すブロック図である。 複合タンクモデルの一例を示す図である。 タンクの構成の一例を示す図である。 セルに対する重みの設定例を示す図である。 図2に示した観測支援装置による観測支援処理内容の説明に用いるデータ構造を示す図である。 図2に示した観測支援装置による観測支援処理手順を示すフローチャート(メインルーチン)である。 図2に示した観測支援装置によるセル分割処理の手順と内容を示すフローチャートである。 図2に示した観測支援装置による標高、土地利用種別、タンクモデル及びセル重みの設定処理の手順と内容を示すフローチャートである。 土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブルの一例を示す図である。 複合タンクモデルデータベースの一例を示す図である。 図2に示した観測支援装置による集水域の設定処理の手順と内容の前半部分を示すフローチャートである。 図2に示した観測支援装置による集水域の設定処理の手順と内容の後半部分を示すフローチャートである。 図2に示した観測支援装置による容量最小セルの探索処理手順と処理内容を示すフローチャートである。 図2に示した観測支援装置による、連続した上下流セルの容量差が最大となる集水域の探索処理手順と処理内容を示すフローチャートである。 図2に示した観測支援装置による、容量の総和が最小となる集水域の探索処理手順と処理内容を示すフローチャートである。 図8に示したセル分割処理により分割された矩形セルの一例を示す図である。 分割された矩形セルに対する標高値の設定結果の一例を示す図である。 図12及び図13に示した集水域設定処理の一例を説明するための図である。 図12及び図13に示した集水域設定処理の一例を説明するための図である。 図12及び図13に示した集水域設定処理の一例を説明するための図である。 図12及び図13に示した集水域設定処理の一例を説明するための図である。 図12及び図13に示した集水域設定処理の一例を説明するための図である。 図12及び図13に示した集水域設定処理による、有向枝の設定結果の一例を示す図である。 各矩形セルに設定された重みの一例を示す図である。
符号の説明
SV…観測支援装置、GV…自治体サーバ装置、NW…通信ネットワーク、DB1…土地利用種別・複合タンクモデル番号対応テーブル、DB2…複合タンクモデルデータベース、DB3…標高データベース、DB4…土地利用種別データベース、DB5…観測支援情報データベース、11…CPU、12…バス、13…プログラムメモリ、14…データメモリ、15…通信インタフェース(通信I/F)、16…入出力インタフェース(入出力I/F)、17…入力デバイス、18…表示デバイス、131…セル分割処理プログラム、132…標高及び土地利用種別の設定処理プログラム、133…タンクモデル設定処理プログラム、134…セル重み設定処理プログラム、135…集水域設定処理プログラム、136…観測支援情報生成プログラム。

Claims (8)

  1. 観測対象地域の標高データを記憶する標高データベースと、前記観測対象地域の土地利用種別を表す情報を記憶する土地利用種別データベースと、前記土地利用種別に対応付けて当該土地における水の流入及び流出特性をタンクにより表したタンクモデルの種類を記憶するタンクモデル対応テーブルとを用いて、観測支援装置が前記観測対象地域における水害観測支援を行う際に、
    前記観測対象地域を複数のセルに分割する過程と、
    前記標高データベースから前記セルごとの標高データを読み出す過程と、
    前記土地利用種別データベースから前記セルごとの土地利用種別を表す情報を読み出す過程と、
    前記土地利用種別データベースから読み出された土地利用種別を表す情報に基づいて、前記タンクモデル対応テーブルから前記セルごとの土地利用種別に対応するタンクモデルの種類を読み出す過程と、
    前記セルごとに、前記読み出されたタンクモデルにより表されるタンク容量の総和を算出して、この算出したタンク容量の総和を前記セルの重みとして設定する過程と、
    前記標高データベースから読み出された各セルの標高データをもとに、前記複数のセルを固有の集水域を構成する複数のセル群にグループ化する過程と、
    前記セルごとに設定された重みに基づいて、前記複数のセル又はセル群に対し観測優先度を設定する過程と
    を具備することを特徴とする水害観測支援方法。
  2. 前記観測優先度を設定する過程は、前記セルごとに設定された重みに基づいて、前記複数のセルに対し重みが小さい順に観測優先度を高く設定することを特徴とする請求項1記載の水害観測支援方法。
  3. 前記観測優先度を設定する過程は、前記セルごとに設定された重みに基づいて、前記複数のセル群ごとに水が流れる方向に配置されたセル間の重みの減少幅を算出し、前記複数のセル群に対し前記算出された重みの減少幅が大きい順に観測優先度を高く設定することを特徴とする請求項1記載の水害観測支援方法。
  4. 前記観測優先度を設定する過程は、前記セルごとに設定された重みに基づいて、前記複数のセル群ごとに当該セル群を構成する複数のセルの重みの総和を算出し、前記複数のセル群に対し前記算出された重みの総和が小さい順に観測優先度を高く設定することを特徴とする請求項1記載の水害観測支援方法。
  5. 観測対象地域の標高データを記憶する標高データベースと、前記観測対象地域の土地利用種別を表す情報を記憶する土地利用種別データベースと、前記土地利用種別に対応付けて当該土地における水の流入及び流出特性をタンクにより表したタンクモデルの種類を記憶するタンクモデル対応テーブルに対し接続可能で、前記観測対象地域における水害観測を支援するための処理を行う水害観測支援装置であって、
    前記観測対象地域を複数のセルに分割する手段と、
    前記標高データベースから前記セルごとの標高データを読み出す手段と、
    前記土地利用種別データベースから前記セルごとの土地利用種別を表す情報を読み出す手段と、
    前記土地利用種別データベースから読み出された土地利用種別を表す情報に基づいて、前記タンクモデル対応テーブルから前記セルごとの土地利用種別に対応するタンクモデルの種類を読み出す手段と、
    前記セルごとに、前記読み出されたタンクモデルにより表されるタンク容量の総和を算出して、この算出したタンク容量の総和を前記セルの重みとして設定する手段と、
    前記標高データベースから読み出された各セルの標高データをもとに、前記複数のセルを固有の集水域を構成する複数のセル群にグループ化する手段と、
    前記セルごとに設定された重みに基づいて、前記複数のセル又はセル群に対し観測優先度を設定する手段と
    を具備することを特徴とする水害観測支援装置。
  6. 前記観測優先度を設定する手段は、前記セルごとに設定された重みに基づいて、前記複数のセルに対し重みが小さい順に観測優先度を高く設定することを特徴とする請求項5記載の水害観測支援装置。
  7. 前記観測優先度を設定する手段は、前記セルごとに設定された重みに基づいて、前記複数のセル群ごとに水が流れる方向に配置されたセル間の重みの減少幅を算出し、前記複数のセル群に対し前記算出された重みの減少幅が大きい順に観測優先度を高く設定することを特徴とする請求項5記載の水害観測支援装置。
  8. 前記観測優先度を設定する手段は、前記セルごとに設定された重みに基づいて、前記複数のセル群ごとに当該セル群を構成する複数のセルの重みの総和を算出し、前記複数のセル群に対し前記算出された重みの総和が小さい順に観測優先度を高く設定することを特徴とする請求項5記載の水害観測支援装置。
JP2008137284A 2008-05-26 2008-05-26 水害観測支援方法及び装置 Expired - Fee Related JP5279116B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008137284A JP5279116B2 (ja) 2008-05-26 2008-05-26 水害観測支援方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008137284A JP5279116B2 (ja) 2008-05-26 2008-05-26 水害観測支援方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009281993A JP2009281993A (ja) 2009-12-03
JP5279116B2 true JP5279116B2 (ja) 2013-09-04

Family

ID=41452576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008137284A Expired - Fee Related JP5279116B2 (ja) 2008-05-26 2008-05-26 水害観測支援方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5279116B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6207889B2 (ja) * 2013-06-21 2017-10-04 株式会社東芝 浸水予測システム、浸水予測方法およびプログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57184919A (en) * 1981-05-08 1982-11-13 Tohoku Electric Power Co Inc Prediction of flow rate of river water
JP2003346268A (ja) * 2002-05-24 2003-12-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 災害対策設備
JP2006127156A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Japan Weather Association 水害リスク評価方法及びシステム、流域データーベースとその作成プログラム、水害シミュレーション方法及びプログラム
JP2008050903A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 洪水予測方法および洪水予測システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009281993A (ja) 2009-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2020356806A1 (en) Historical city protection and development cooperative control scheme aided design system
CN109657841B (zh) 一种城市暴雨内涝积水深度提取方法
JP6960168B2 (ja) リアルタイム浸水ハザードマッピングのための現地情報同化装置及び方法並びにプログラム
CN1898672A (zh) 用于水流分析的方法和系统
CN112117700B (zh) 水下电缆路线规划工具
Zambrano et al. Influence of solid waste and topography on urban floods: The case of Mexico City
Liu et al. A comprehensive risk analysis of transportation networks affected by rainfall‐induced multihazards
Xu et al. Impact of cascade reservoirs on continuity of river water temperature: A temperature trend hypothesis in river
Cleveland et al. Synthesis of unit hydrographs from a digital elevation model
JP5279116B2 (ja) 水害観測支援方法及び装置
Tarboton TARDEM, a suite of programs for the analysis of digital elevation data
Zhao et al. Spatial characteristics of local floods in Beijing urban area
CN117332291A (zh) 一种面向分布式光伏的区域资源监测布局方法及系统
Engida Hydrological and suspended sediment modeling in the Lake Tana Basin, Ethiopia
Minářová et al. Comparison of extreme precipitation characteristics between the Ore Mountains and the Vosges Mountains (Europe)
WO2022264422A1 (ja) 雨天時浸入水率推定装置、雨天時浸入水率推定方法、及びプログラム
CN116484468A (zh) 一种水库大坝的风险评估方法、装置、设备及存储介质
Zhao et al. Comparison of two different methods for determining flow direction in catchment hydrological modeling
KR102518134B1 (ko) 기후 예보 및 분석을 위한 구역 설정 방법 및 그 시스템
KR102219233B1 (ko) 적설위험 정보 데이터의 수집, 분석, 재난예보를 지원하는 기상위험정보 시스템
Wang et al. Optimizing multidam releases in large river basins by combining distributed hydrological inflow predictions with rolling-horizon decision making
Wang et al. Life loss estimation based on dam-break flood uncertainties and lack of information in mountainous regions of Western China
Prat Bayarri Coastal flooding and erosion at Dniester's barrier beach (Ukraine)
Saganeiti et al. The shape of settlement fabric and geomorphology: the case studies of Pisticci and Corleto Perticara (Basilicata, Italy)
CN111369102A (zh) 内涝风险点的提取方法及装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100805

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20130515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees