JP5271881B2 - 熱発電機 - Google Patents

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Description

本発明は、外気温の変化を利用して発電する、燃焼や原子力によらずに環境への負荷の少ない熱発電機に関するものである。
電気を発電することは社会生活にとって必須のインフラであり、火力発電、水力発電、原子力発電、風力発電、太陽光発電などの様々な発電方式が用いられる。
このような火力発電や原子力発電は、二酸化炭素の排出や放射線漏れなどの環境への影響を及ぼす可能性がある。二酸化炭素の排出は地球温暖化の問題と相まって、早急に削減することが求められている。一方、風力発電や太陽光発電は、設置場所を選ぶ上、大型化するので簡単に設置することができない。
例えば、工場や事業所といった単位で発電機を設置したいこともある。このような工場や事業所といった単位をカバーする発電においては、(1)設置場所を選ばず、(2)設置が容易で、(3)環境負荷がなく、(4)コンパクトである、といったことが求められる。上述の発電施設は、これらの要件を満足することができない。
このような状況下で、外気温の変化を利用して発電を行なう発電機に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開2008−91453号公報 特開2002−257031号公報 特開2005−23833号公報 特開2003−111459号公報 特開平10−14265号公報
特許文献1は、熱エネルギーを伝達する高温部材と低温部材とが対向し、これらの間の熱伝モジュールによって温度差を用いて熱から電気を発電する発電装置を開示する。
しかしながら、特許文献1に開示される発電装置は、熱伝モジュールを用いるので、装置が複雑でかつ高コストの部材などを必要とする問題がある。また高温部材と低温部材とを対向させて熱から電気を得る構造のためには、設置における難しさも存在し、容易に設置することができない問題がある。
特許文献2は、外周に取り付けられたユニットと太陽光によって高温側のユニットのピストンが伸長し、低温側のピストンが収縮することで、回転駆動力を生じさせる原動機を開示する。この原動機によって発電を行なわせる。
しかしながら、太陽光からのエネルギーを回転運動に変えるため、発電装置の構造や構成に制限が多くなる問題がある。太陽光からのエネルギーを直接的に回転運動にするには、太陽光からのエネルギーを多く受けなければならず、天候に左右されてしまう。このため、工場や事業所などで安定的に発電することに適しているとはいえない。
特許文献3は、温度差を水素吸蔵合金に与え、水素圧の変動によるポンプ作用で差動流体圧縮を行い、差動流体の膨張運動を器械運動に変換して電気を発電する発電装置を開示する。
しかしながら、液体の膨張・収縮によって発電を行なわせる装置では、液体が漏れたりしないように管理しなければならない問題がある。あるいは膨張・収縮する液体に対応する装置の開発や設置などに困難が伴う問題がある。
また、液体の膨張・収縮を利用するので、設置場所にも困難を伴う。
特許文献4は、熱発電モジュールの両側の温度差を利用して発電する発電装置を開示する。
しかしながら、具体的な構成が示されておらず、装置の小型化や低コスト化が図られていない問題がある。
特許文献5は、温度変化によって膨張・収縮する作動液の運動によって、器械運動を生じさせて発電する発電装置を開示する。
しかしながら、特許文献3と同じく、液体そのものの膨張・収縮を利用する発電装置は、設置の困難性や管理の困難性を生じさせる問題がある。
本発明は、このような設置の問題やコストの問題を解決すると共に工場や事業場において設置しやすく環境への影響の少ない外気温の変化を利用した熱発電機を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するための本発明による蓄電又は送電機能を有する熱発電機は、温度変化に基づいて膨張および収縮を行なう熱膨張部材と、前記熱膨張部材の膨張又は収縮に対応して内部の作動液を直線運動させる細長い管路と、前記管路中の作動液の直線運動を回転運動に変換する直線・回転運動変換手段と、直線・回転運動変換手段から供給される回転力により発電し、この発電した電力を蓄電又は送電する機能を有する発電手段と、前記管路の前記熱膨張部材側の第1端部内に配置され、前記熱膨張部材の膨張又は収縮に対応して前記第1端部内を移動して、作動液の直線運動を生じさせる、前記熱膨張部材の端部又はこれに接続された部材と、前記管路の前記直線・回転運動変換手段側の第2端部内に配置され、前記作動液の直線運動に対応して前記第2端部内を移動して、前記直線・回転運動変換手段に作動液の直線運動を伝える部材と、前記管路の第1端部内の前記熱膨張部材の端部又はこれに接続された部材より前記熱膨張部材側の部分と、前記管路の第2端部内の前記直線・回転運動変換手段に作動液の直線運動を伝える部材より前記直線・回転運動変換手段側の部分との間を、前記各部分内の作動液が一方の部分から他方の部分に移動可能なように、接続するバイパス管路と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明の熱発電機は、外気温の変化を利用するだけで発電を行なえるので、環境への負荷がなく二酸化炭素を排出することもない。
また、熱膨張性の高い金属部材の膨張・収縮を直線運動から回転運動に変換して発電機を回すので、効率的に発電を行なえる。また、温度差を利用するのは固体部材であるので設置もしやすく管理の手間も省ける。
更に、本発明の熱発電機は、工場や事業場などにおいて容易に設置でき、外気と触れる場所であればどこでも設置できる。このため、設置コストが低減し、発電コストが低下する。
本発明の実施の形態1における熱発電機のブロック図である。 本発明の実施の形態1における熱発電機の変形例のブロック図である。 本発明の実施の形態2の熱発電機のブロック図である。 本発明の実施の形態3における熱発電機の詳細図である。 本発明の実施の形態3における熱発電機のブロック図である。 本発明の実施の形態3における伸縮ロッド複数型温度差変換部の詳細図である。 本発明の実施の形態3における伸縮ロッドの側面図である。 本発明の実施の形態3における伸縮ロッドの側面図である。 本発明の実施の形態3における伸縮ロッドの側面図である。 本発明の実施の形態3におけるスクリューナット回転型直線回転変換部の側面図である。
本発明の第1の発明に係る熱発電機は、温度変化に基づいて発電を行なう熱発電機であって、温度変化に基づいて膨張および収縮を行なう熱膨張部材と、熱膨張部材の膨張および収縮を受けて封入されている作動液を直線運動させる管路と、作動液の直線運動を回転運動に変換する直線・回転運動変換手段と、直線・回転運動変換手段により得られる回転力により動作される発電手段を備え、管路は、熱膨張部材と接する第1端部と直線・回転運動変換手段と接する第2端部を有し、第1端部の断面積は、第2端部の断面積よりも大きく、第1端部と第2端部とは、管路内をピストン上に移動する。
この構成により、外気温及び周囲温度の変化のみを要因として、熱発電機は発電を行える。この結果、二酸化炭素を排出することなく発電を行える。加えて、固体である熱膨張部材の膨張を基礎とした発電を行えるので、設置や操作の安定性が高く、様々な場所に容易に設置できる。
本発明の第2の発明に係る熱発電機では、第1の発明に加えて、管路は、開口部が第1端部および第2端部によって閉鎖されており、閉鎖された空間に作動液が充填され、第1端部が管路に挿入されることで、作動液が第2端部を押し出す。
この構成により、熱膨張部材の膨張や収縮による直線運動を増加させた上で、回転運動に変えることができる。
本発明の第3の発明に係る熱発電機では、第1又は第2の発明に加えて、熱膨張部材は、並列に第1端部に接する複数の突出部を更に備える。
この構成により、直線運動を増加させることができる。
本発明の第4の発明に係る熱発電機では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、熱膨張部材は、凹部および凸部の少なくとも一方を備え、外界と接触する表面積を拡大する。
この構成により、熱膨張部材の熱膨張や熱収縮を増加させることができる。
本発明の第5の発明に係る熱発電機では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、熱膨張部材が接する外界の温度を計測する温度計測部を更に備え、温度計測部の測定結果に基づいて、発電手段で発電される発電量を予測して通知する通知手段を更に備える。
この構成により、ユーザーは、熱発電機の予測発電量を把握でき、熱発電機の利用における便利性が高まる。
本発明の第6の発明に係る熱発電機では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、直線・回転運動変換部は、スクリューロッドとスクリューロッドと螺合するスクリューナットを備え、スクリューロッドとスクリューナットの螺合によって直線運動を回転運動に変換する。
この構成により、熱発電機は、直線運動を回転運動に容易に変換できる。
本発明の第7の発明に係る熱発電機では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、熱膨張部材は、熱膨張係数の高い金属、樹脂、合金の少なくとも一つから形成される。
この構成により、熱膨張部材は、大きな膨張や収縮を得ることができる。
本発明の第8の発明に係る熱発電機では、第1から第7の発明に加えて、直線・回転運動変換部による回転速度を増加させて発電手段を回転させる増速機を更に備える。
この構成により、回転運動を増加させて、発電効率を増加できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱発電機のブロック図である。まず、図1を用いて熱発電機の概要を説明する。
(全体概略)
熱発電機1は、温度変化による熱膨張部材2の膨張、収縮によって発電を行なう。すなわち、熱発電機1は、外気の温度差や温度変化に基づいて発電を行なう。
熱発電機1は、温度変化に基づいて膨張および収縮を行なう熱膨張部材2と、熱膨張部材2の膨張及び収縮を受けて作動液10を直線運動させる管路3と、作動液10の直線運動を回転運動に変換する直線・回転運動変換手段4と、直線・回転運動変換手段4により得られる回転力により動作させる発電手段5を備える。
管路3は、熱膨張部材2と接する第1端部7と、直線・回転運動変換手段4と接する第2端部8とを有し、第1端部7の断面積は第2端部8の断面積よりも大きい。第1端部7と第2端部8とは、管路3内部を直線運動によって移動する。第1端部7と第2端部8の断面積の比によって、熱膨張部材2による押し出しを、より大きく変えて直線・回転運動変換手段4に伝達する。
すなわち、管路3は、一方の開口部が第1端部7で閉鎖され、他方の開口部が第2端部8で閉鎖され、第1端部7と第2端部8とによって閉鎖された空間に作動液10が充填されている。作動液10は、第1端部7と第2端部8の直線運動に合わせて直線運動を行なう。言い換えると、作動液10は、第1端部7の直線運動に併せて直線運動を行い、作動液10の直線運動を第2端部8に伝達する。
熱発電機1は、概略として次のような動作によって発電を行なう。
熱膨張部材2は、熱膨張係数の高い金属や合金で形成されている。熱膨張係数の高い金属や合金で形成されていることで、膨張したり収縮したりする。熱膨張部材2は、棒状の形状を有しているので膨張によって第1端部7を押し出す。熱膨張部材2の先端は、第1端部7に接しているからである。第1端部7が、熱膨張部材2によって押し出されると、管路3内部に充填されている作動液10が、管路3内部を直線運動する。すなわち、作動液10が管路3内部を第1端部7から第2端部8に向けて移動する。
第1端部7の押し出しによって移動した作動液10によって第2端部8も押し出される。このとき、第1端部7の断面積は、第2端部8の断面積よりも大きいので、第1端部7の移動量に比べて、第2端部8の移動量は大きくなる。第1端部7の移動量と第2端部8の移動量との比は、第1端部7の断面積と第2端部8の断面積の比に基づく。管路3が作動液10で充填されていることで、第1端部7の移動が第2端部8の移動につながる。
管路3は、作動液10の直線運動によって、熱膨張部材2の膨張・収縮を第2端部8に伝達する。
第2端部8は、直線・回転運動変換手段4に接する。
直線・回転運動変換手段4は、第2端部8から伝達される直線運動を回転運動に変換する。例えば、複数の歯車と軸とが組み合わされることで直線運動を回転運動に変換してもよい。あるいは、スクリューロッドとスクリューナットの螺合によって直線運動を回転運動に変換してもよい。
直線・回転運動変換手段4によって生じた回転力は、発電手段5に伝わる。発電手段5は、発電機6を備えており、回転力はこの発電機6を回転させる。発電機6が回転することで発電される。
熱膨張部材2は、膨張の次には収縮が生じる。熱膨張部材2が収縮すると、第1端部7は熱膨張部材2側に引き戻され、これに伴って第2端部8も引き戻される。第1端部7と第2端部8との動きによって、逆向きの直線運動が生じる。
この逆向きの直線運動は、再び直線・回転運動変換手段4に伝達されて、回転運動が生じる。この回転運動は、再び発電機6を回転させる。
また、第2端部8から第1端部7に作動液10が逆流するバイパス管路12が存在することで、熱膨張部材2の収縮時に、第1端部7と第2端部8とが熱膨張部材2側に移動する動きを確実なものとする。この移動は直線運動であって、この直線運動が回転運動を生じさせて発電機6を回転させる。
以上のように、熱膨張部材2の膨張・収縮によって生じる直線運動が、管路3で増加され、増加された直線運動が回転運動に変換されて、回転運動は発電機6を回転させて、熱発電機1は、発電を行なう。
熱発電機1は、外気温及び周囲温度の温度差や温度変化を基礎として発電を行なうので、化石燃料を燃焼させることもなく二酸化炭素排出も行なわない。加えて、温度変化をつかまえることさえできればよいので、設置箇所も選ばず、事業場や工場などの必要な場所において容易に熱発電機1を設置できる。
次に、各部の詳細について説明する。
(熱膨張部材)
熱膨張部材2は、外気温及び周囲温度の変化によって膨張や収縮を行なう部材である。特に、熱膨張係数の高い金属や合金によって形成されることが好適である。
熱膨張係数の高い金属や合金であるので、アルミニウム、銅などの金属が用いられることが好適である。もちろん、熱膨張係数と耐久性とのバランスが確保できれば、金属や合金のみならず、樹脂であっても良い。
熱膨張部材2は、第1端部7を押し出したり引き戻したりする役割を有するので、第1端部7と接する。このため、熱膨張部材2は、棒状の形状を有していることが適当である。もちろん、これ以外の形状を有していてもよい。
また、熱膨張部材2は、熱発電機1の一要素であるので、劣化などに応じて簡単に交換ができ、熱発電機1のメンテナンス性を高めることができる。
なお、熱膨張部材2は、外界の気温変化をよりつかまえやすい位置に配置されることが好ましい。
また、熱膨張部材2を透明なフードで囲うことにより太陽光熱等による周囲温度の変化量を増加させることも可能となる。
(管路)
管路3は、両端に開口部を有する通路であり、内部に作動液10を封入している。管路3の両端の開口部の一方は、第1端部7で閉鎖され、他方は第2端部8で閉鎖される。第1端部7は、熱膨張部材2に接し、第2端部8は、直線・回転運動変換手段4に接する。また、第1端部7および第2端部8は、管路3内部を移動可能であり、第1端部7および第2端部8の移動に合わせて管路3に封入されている作動液10が直線運動を行なう。
ここで、作動液10は、液体やゲルであり、第1端部7および第2端部8の前後移動に伴って直線運動できるものであればなんでもよい。但し、直線運動をスムーズに行なうことができる素材で構成されることが好ましい。例えば、油や不凍液などが用いられる。
管路3は、第1端部7と第2端部8の移動によって、作動液10に直線運動を行なわせ、第2端部8を介して直線運動を直線・回転運動変換手段4に伝達させる。すなわち、管路3は、作動液10を直線運動させることで熱膨張部材2の膨張・収縮を直線運動につなげることができる。
なお、管路3は、第1端部7から第2端部8に至るまで直線でもよいし、図1に示されるように屈曲していても良い。屈曲していたとしても、第1端部7が管路3内部に入り込む移動が第2端部8の移動につながればよく、作動液10が途中で曲がるとしても直線運動であるとみなす。つまり、管路3内部の作動液10の直線運動とは、物理的な直線のみを含むものではなく、屈曲を経由しつつ作動液10がある移動量をもって移動することを含むものである。
管路3は、樹脂、金属、合金など様々な素材で構成されれば良いが、耐久性を考慮しておく必要がある。
第1端部7と第2端部8とは、金属、樹脂、合金などで形成されれば良い。また、バイパス管路12を備えることで、熱膨張部材2の収縮時における第1端部7の管路3内での移動が確実に行なえる。
ここで、作動液10の直線運動量を増加させるために、第1端部7の断面積は、第2端部8の断面積よりも大きい。熱膨張部材2が第1端部7を管路3内部に押し込む量は、熱膨張によるものだけであって最終的な回転運動を生じさせるのに不十分である。一方で、第1端部7の移動量ではなく第2端部8の移動量が、直線・回転運動変換手段4が受ける移動量になる。このため、第1端部7が熱膨張部材2から受け取る移動量を増加させて第2端部8に伝えればよいことになる。
第1端部7の断面積が第2端部8の断面積より大きいことで、第1端部7の移動量に比較して、第2端部8は長い距離を移動する。第1端部7の移動量と第2端部8の移動量は、第1端部7の断面積と第2端部8の断面積との比率で定まる。これは、第1端部7と第2端部8とが作動液10で充填されており、作動液10の移動体積が、第2端部8の移動距離として現れてくるからである。
以上のように、管路3は、断面積の大きい第1端部7と断面積の小さい第2端部8とで両端を閉鎖して、作動液10で充填されていることで膨張部材2の膨張・収縮量よりも大きな量を直線運動として生じさせることができる。
(直線・回転運動変換手段)
次に、直線・回転運動変換手段4について説明する。
熱発電機1は、最終的に発電機6を回転させることで発電を行なう。
このため、管路3が生じさせる直線運動を回転運動に変換する必要がある。直線・回転運動変換手段4は、管路3の直線運動を回転運動に変換する。
直線・回転運動変換手段4は、例えば、スクリューロッドとこれと螺合するスクリューナットとを備えた機構であり、管路3からの直線運動を受けたスクリューナットがスクリューロッドを回転させることで、直線運動を回転運動に変換する。このとき、管路3の出口である第2端部8と直線・回転運動変換手段4とは、接続シャフト13で接続されている。この接続シャフト13が、管路3の直線運動を直線・回転運動変換手段4に伝達する。例えば、スクリューナットが接続シャフト13の運動を受けてスクリューロッドを回転させる。
このとき、直線・回転運動変換手段4は、回転量を増加させるために、複数の歯車を組み合わせて回転数を増加させることも好適である。例えば増速機を用いて回転数を増加させる。増速機は、直線・回転運動変換手段4内部に備えられても良いし、直線・回転運動変換手段4と発電手段5との間に設けられても良い。
(発電手段)
発電手段5は、回転運動を受けて回転する発電機6を備え、発電機6の回転によって発電を行なう。
発電機6は、発電を行なう公知の部材や装置が用いられればよく、設置する場所で必要となる電力や熱膨張部材2の膨張・収縮に見合う電力を発生させる性能を有しておればよい。
発電手段5は、発電機6のみならず、発電された電力を蓄電したり送電したりする機能を備えていても良い。このように蓄電や送電の機能も備えていることで、熱発電機1の利用性が更に高まる。
実施の形態1の熱発電機1は、以上説明した各要素を備えて、熱膨張部材2の膨張・収縮に基づいて発電を行なう。また、作動液10そのものが熱膨張や熱収縮を受ける従来技術と異なり、熱発電機1は、液体よりも管理しやすく安定性の高い個体部材である熱膨張部材2の熱膨張や熱収縮を受けた作動液10が直線運動を行なう。このため、熱発電機1の設置が容易であるし、発電も安定しやすくなる。
(変形例)
次に、熱発電機1の変形例について図2を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における熱発電機の変形例のブロック図である。
図2より明らかな通り、変形例の熱発電機1は、熱膨張部材2が、並列に第1端部7に接する複数の突出部20を備える構成を有している。
熱膨張部材2は、外気温の変化によって膨張や収縮を行なう。この膨張や収縮が第1端部7に伝達されて作動液10の直線運動を生じさせる。しかし、熱膨張部材2の熱膨張や熱収縮だけでは作動液10の直線運動が不十分となりうる。
図2に示す変形例の熱発電機1は、熱膨張部材2が複数の突出部20を備えることで、熱膨張部材2の表面積を拡大でき、熱吸収および熱放散を促進させることができる。加えて第1端部7への加圧を増加させる。これらが相まって、熱膨張部材2が第1端部7を管路3に押し引きする量を増加させることができる。熱膨張部材2が、第1端部7をより多く管路3に押し引きすることができると、管路3に封入された作動液10の直線運動の量が増加する。この増加によって、熱発電機1の発電量が増加する。
突出部20のそれぞれは、熱膨張部材2の一部をなすものであるから、熱膨張部材2と同様に熱膨張係数の高い金属、合金などで形成されることが好適である。また、複数の突出部20が並列に第1端部7を押すことで、加圧力が高まる。
以上の変形例のように、熱膨張部材2が、複数の突出部20を備えることで作動液10の直線運動が増加するメリットがある。
また、熱膨張部材2は、凹部および凸部の少なくとも一つを備え、外界と接触する面積を増加させることもよい。熱膨張部材2の表面にエンボス加工が施されたり、ディンプルが形成されたりすることで、熱膨張部材2の表面積が増加する。表面積が増加することで、熱膨張部材2の外界接触面積が増加する。外界接触面積が増加することで、熱膨張部材2は外気温の影響を更に受けやすくなって、より大きな熱膨張や熱収縮を行なうことができる。熱膨張や熱収縮が増加することで、管路3に封入される作動液10の直線運動の移動量が増加し、最終的な回転運動の回転量も増加する。これらの結果、熱発電機1の発電能力が高まるものである。
実施の形態1の熱発電機1は、設置や管理の容易である固体部材である熱膨張部材2の熱膨張・熱収縮が、直線運動を生じさせつつ回転運動に変換されて、発電機6を回転させて発電を行なう。
このため、化石燃料の燃焼などに伴う二酸化炭素の排出もなく環境にやさしい発電が実現できる。加えて、設置場所を選ぶことなく、管理も容易である。結果として、工場や事業場などの様々な場所に、熱発電機1は設置される。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
図3は、本発明の実施の形態2の熱発電機のブロック図である。
実施の形態2における熱発電機1は、熱膨張部材2が接する外界の温度を計測する温度計測部30を更に備え、温度計測部30での測定結果に基づいて、発電手段5での発電量を予測してユーザーに通知する通知手段31を備える。
実施の形態2における熱発電機1は、実施の形態1で説明した熱発電機と、発電にかかわる構成では同一である。
ここで、熱発電機1は、熱膨張部材2の熱膨張および熱収縮によって発電を行なう。このため、外気温や外気温の変化に基づいて発電量が推定される。
熱発電機1のユーザーは、事業用や家庭用で熱発電機1を使用するので、熱発電機1が発電可能な発電量を予め推定したい場合がある。太陽光発電であれば、日射量や気温によって、発電量が推定される。これと同様に、実施の形態2の熱発電機1は、温度計測部30が測定する外気温や外気温の変化に基づいて、発電量を推定する。
外気温や外気温の変化に基づく発電量は、経験則的に推定される。気温や気温変化と発電量との関係は、発電機の性能や直線・回転運動の量などから推定される。これらは、予め実験により得られるマトリクスに基づいて推定される。
例えば、外気温の平均値が20度であり、外気温の変化量が10度であるときには、発電機の最大性能の60%の発電量が見込まれるとの実験結果がある場合には、熱発電機1は、発電機の最大性能60%の発電量を推定値として予測する。
通知手段31は、この予測された発電量をユーザーに通知する。この通知を受けたユーザーは、当該状況下での発電量を把握することができ、例えば工場や事業場での自家発電への依存量を決定することができる。また、これらの予測値の年間平均に基づき、エネルギー計画を立てることも可能となる。
このように、実施の形態2における熱発電機1は、外気温や外気温の変化を計測する温度計測部30によって発電量を予測し、予測された発電量をユーザーに通知することで、ユーザーへの便宜を高めることができる。
なお、温度計測部30は、熱電対や照度温度計などを用いればよい。また、温度計測部30は、外気温、外気温の変化、外気温の平均値など、外気温に関する様々な情報を計測することができる。これらの情報に基づいて、温度計測部30は、発電量を予測する。
通知手段31は、予測された発電量をユーザーに通知するが、通知に際しては、データ表示、電子メール、音声通知、画像通知など種々の手段の組み合わせで、ユーザーに通知すればよい。
なお、温度計測部30が、計測された気温情報から発電量を予測しても良いし、通知手段31が予測しても良い。これらは図3においては異なる要素として表されているが、特段の区別がされるものではない。また、温度計測部30や通知手段31は、ハードウェアで構成されても良いし、ソフトウェアで構成されても良い。
以上、実施の形態2における熱発電機1は、外気温に関する情報を計測することで、予測される発電量をユーザーに通知して、ユーザの利便性を高めることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
実施の形態3は、熱発電機を実現するより詳細な構成について説明する。
図4は、本発明の実施の形態3における熱発電機の詳細図である。図4に示される熱発電機は、直線・回転運動変換手段を、スクリューロッド回転型直線回転変換部174として表している。また、図4の熱発電機は、熱膨張部材を、伸縮ロッド単体型温度差伸縮変換部171、又は伸縮ロッド複数型温度差伸縮変換部172とし、双方を総称し伸縮ロッド温度差伸縮部170として表している。また、管路、第1端部および第2端部を含む構成を伸縮増幅部173として表している。また、発電手段を発電部176として表している。
まず、各ブロックのそれぞれについて説明する。
(伸縮ロッド温度差伸縮部)
まず、熱膨張部材に対応する伸縮ロッド温度差伸縮部170について説明する。図4は、単体の伸縮ロッドを備える場合を示し、図6は、複数の伸縮ロッドを備える場合を示す。図6は、本発明の実施の形態3における伸縮ロッド複数型温度差変換部172の詳細図である。
伸縮ロッドは、熱膨張係数の高い金属、合金、樹脂などで形成される。この伸縮ロッドは、外気温及び周囲温度の変化を受けて膨張・収縮してピストン(a)106を押し出して直線運動を生じさせる。
伸縮ロッド単体型温度差伸縮変換部171は、単体の伸縮ロッド101を有している。伸縮ロッド101を伸縮ロッド固定サポート102及び伸縮ロッド移動側サポート103にて保持し接続ピン(a)104にて伸縮増幅部173のピストン(a)106へ接続する。
次に、伸縮ロッド複数型伸縮変換部172について説明する。図7〜図9は、本発明の実施の形態3における伸縮ロッドの側面図である。
伸縮ロッド複数型伸縮変換部172は、複数の伸縮ロッドを備える。
伸縮ロッド141の一方端を伸縮ロッド固定サポート151の両外側へ接続ピン143にて接続する。
次に伸縮ロッド141の他端を表面に断熱材を施したハット形をした伸縮ロッドホルダー(a)148の開放部外側へ接続ピン146にて接続する。
次に伸縮ロッド142の一方端を伸縮ロッドホルダー(a)148の反開放側内側へ接続ピン144にて接続する。
次に伸縮ロッド142の他端を表面に断熱材を施したハット形をした伸縮ロッドホルダー(b)149の開放部外側へ接続ピン147にて接続する。
次に伸縮ロッド150の一方端を伸縮ロッドホルダー(b)149の反開放側内側へ接続ピン145にて接続する。
次に伸縮ロッド150を接続ピン(a)104と伸縮ロッドホルダー(b)149の開放部側の間に伸縮ロッド150の温度差による伸縮(長手)方向を拘束しない伸縮ロッド移動側サポート152を取付け、先に接続した伸縮ロッド固定サポート151にて伸縮ロッド複数型温度差伸縮変換部172を保持する。
次に接続ピン(a)104にて伸縮増幅部173のピストン(a)106へ接続する。
以上の構成により、複数の伸縮ロッドが段階的に伸びその伸縮量が累積され、伸縮増幅部173のピストン(a)106へ伝わる移動量が大きくなる。また、伸縮ロッドホルダー(a)148、伸縮ロッドホルダー(b)149の材質は、伸縮ロッドよりも熱膨張係数の小さい金属や合金等を用いる。
伸縮ロッド単体型温度差伸縮変換部171若しくは、伸縮ロッド複数型温度差伸縮変換部172のいずれかが、環境や設置状況を考慮して採用される。
(伸縮増幅部)
次に、伸縮増幅部173の形態を説明する。
ピストン(a)106が内蔵されたシリンダー(a)105とピストン(b)109が内蔵されたシリンダー(b)108を連通管(a)107と連通管(b)110にてシリンダー内へ液体を入れ接続する。液体は、直線運動を生じさせつつ直線運動を増加させる作動液となる。
次に、伸縮ロッド単体型温度差伸縮変換部171の伸縮ロッド101若しくは伸縮ロッド複数型温度差伸縮変換部172の伸縮ロッド150へピストン(a)106を接続ピン(a)104にて接続する。
シリンダー(b)108のピストン(b)109をスクリューロッド回転型直線回転変換部174へ接続する為の接続ロッド112の一方端へ、接続ピン(b)111にて接続する。
ピストン(a)106が移動することで、液体が移動してピストン(b)109を押し出す。このとき、ピストン(a)106とピストン(b)109との断面積の比によって伸縮ロッド温度差伸縮部170の伸縮ロッドにより生じる直線運動が増幅される。
(スクリューロッド回転型直線回転変換部)
スクリューロッド回転型直線回転変換部174は、スクリューナット118とスクリューロッド121の組み合わせを備えて、直線運動を回転運動に変換する。ガイドロッド116の長手方向に自由に動け又スクリューナット118との取付部がワニ口状になりスクリューナット118の回転を拘束する形状のスクリューナットホルダー117を取付けたガイドロッド116の一方端(接続ピン(c)113側)をガイドロッド116の長手方向の動きを拘束したガイドロッドサポート(a)114及び他方(反接続ピン(c)113側)をガイドロッドサポート(b)115に取付けガイドロッド116を保持する。
次に、スクリューナットホルダー117の長手方向移動時、スクリューナットホルダー117と共に動く様に拘束され、かつスクリューナットの回転を拘束する凹形状の溝を持つスクリューナット118をスクリューナットホルダー117へ取付ける。更に、スクリューナット118の長手方向移動部分表面へねじを施したスクリューロッド121をスクリューナット118へ挿入し、その一方端をスクリューロッド121の長手方向移動を拘束するスクリューロッドサポート(a)119及び他端をスクリューロッドサポート(b)120へ取付け保持する。
次に、伸縮増幅部のピストン(b)109に接続された接続ロッド112の他端を接続ピン(c)113にてスクリューナットホルダー117に接続する。また、スクリューロッド121の一方端へスクリューロッド121と共に回転するスプロケット(a)122を取付ける。
以上の構成によって、スクリューロッド回転型直線回転変換部174は、伸縮増幅部173より得られる直線運動を回転運動に変換する。
(スクリューナット回転型直線回転変換部)
次に図10にてスクリューナット回転型直線回転変換部175の詳細を説明する。図10は、本発明の実施の形態3におけるスクリューナット回転型直線回転変換部の側面図である。
スクリューナット165取付部の表面にねじを施したスクリューロッド163へスプロケット(a)166を取付けたスクリューロッド163の長手移動方向への動きと共に長手方向に動くのを拘束する為に外周面が凹状にくびれているスクリューナット165を取付ける。
次に、スクリューロッド163の長手方向移動を拘束しないスクリューロッドサポート(a)161をスクリューロッド163の接続ピン(b)111側のスクリューロッド163表面に施されたねじ端部と接続ピン(b)111との間に取付け又他端のスクリューロッド163表面へねじが施されていない部分へスクリューロッド163の長手方向移動を拘束しないスクリューロッドサポート(b)162を取付け、スクリューロッド163を保持する。
次にスクリューナットサポート164にてスクリューナット165を保持しスクリューナット165がスクリューロッドの長手方向へ動くのを拘束する。
次に伸縮増幅部のピストン(b)109に接続ピン(b)111にてスクリューロッド163を接続する。
また、スクリューロッド回転型直線回転変換部174、スクリューナット回転型直線回転変換部175のスクリューナット及びスクリューロッドのねじ部はボールねじを使用するとより滑らかな動きとなる。
以上、スクリューロッド回転型直線回転変換部174若しくはスクリューナット回転型直線回転変換部175のいずれかを、設置場所の諸環境等を考慮して採用する。
(発電部)
発電部176は、回転運動を受けて発電機131を回転させることで、発電を行なう。発電効率を上げるために、発電部176は、回転力を増速させる機構も有する。
スプロケット(b)123を取付けた回転軸127を、その長手方向移動を拘束する回転軸軸受(a)125と回転軸軸受(b)126をスプロケット(b)123の両側へそれぞれ取付け回転軸127を保持する。回転軸127と増速機129を回転軸127の回転を伝達できる軸継手(a)128にて接続する。
次に増速機129と発電機131を増速機129の回転を伝達できる軸継手(b)130にて接続する。回転軸127に取付けたスプロケット(b)123とスクリューロッド回転型直線回転変換部のスクリューロッド121に取付けられたスプロケット(a)122若しくはスクリューナット回転型直線回転変換部のスクリューナット165に取付けられたスプロケット(a)166をチェーン124にて接続する。回転直線変換部からの回転伝達は他にベルト、ギアー等を用いてもよい。
実施の形態3における熱発電機は、以上のような構成を有している。
次に、実施の形態3における熱発電機の動作について説明する。
(動作説明その1)
まず、伸縮ロッド単体型温度差伸縮変換部171によって熱発電機が動作する場合を説明する。
図4、図5は、伸縮ロッド単体型温度差伸縮変換部171を用いた場合を示している。図5は、本発明の実施の形態3における熱発電機のブロック図である。
この伸縮ロッド単体型温度差伸縮変換部171の伸縮ロッド101が周囲温度差により伸縮しその差の分ピストン(a)106側が動く。その動きにて伸縮増幅部173のシリンダー(a)105のピストン(a)106を動かし、シリンダー室(a)内の液体を押し出し連通管(a)107を介しシリンダー室(b)内に入りシリンダー(b)108のピストン(b)109を動かす。
この時、ピストン(a)106のA面とピストン(b)109のB面の面積比によりピストン(b)109の動き量を増幅させる。連通管(a)107内部が液体で充填されているので、ピストンの断面積比によって、動き量が増幅されるからである。
この増幅させた動き量が、接続ロッド112を介してスクリューロッド回転型直線回転変換部174のガイドロッド116にて保持されたスクリューナット118を取付けたスクリューナットホルダー117に伝達され、ガイドロッド116の長手方向へスクリューナットホルダー117とスクリューナット118が共に動く。
同時にスクリューナット118はガイドロッド116に平行に配置されているスクリューロッド121の上を動く。
スクリューナット118が動く直線運動をスクリューナット118とスクリューロッド121の表面に施されたねじ部の噛み合わせによりスクリューロッド121がその一方端へ取付けられたスプロケット(a)122と共に回転する回転運動に変換する。
この回転運動に変換された回転を、チェーン124を介し発電部176のスプロケット(b)123を取付けた回転軸127へ伝達する。回転軸127へ伝達された回転を軸継手(a)128を介して増速機129へ伝達し回転が増幅され軸継手(b)130を介して発電機131に伝達され発電機131を回転させ発電を行う。
以上のように、単体の伸縮ロッド101が外気温及び周囲温度の変化によって生じさせた膨張や収縮が、直線運動から回転運動を生み出して、最終的に発電を行なう。このとき、発電の起因となるのは外気温の変化および周囲温度のみであるから、熱発電機は二酸化炭素を排出することもない。また、固体である伸縮ロッドの膨張・収縮を用いるので、設置場所を選ぶことも無く、事業場や工場など、様々な場所に容易に設置ができるものである。
また、直線回転変換は、スクリューナット回転型直線回転変換部175を用いて発電を行なっても良い。
スクリューナット回転型直線回転変換部175の使用においては、伸縮ロッドの膨張によって生じた直線運動を伸縮増幅部173にて増幅させ、スクリューナット型回転直線回転変換部175に伝達する。
この増幅させた動きをスクリューナット回転型直線回転変換部175のスクリューロッド163へ伝え、スクリューロッド163を長手方向へ動かす。
この長手方向の直線運動をスクリューロッド163とスクリューロッド163に取付けられたスクリューナット165のねじ部の噛み合わせによりスクリューナット165に取付けられたスプロケット(a)166とスクリューナット165が共に回転する回転運動へ変換する。
この回転運動に変換された回転を、チェーン124を介し発電部のスプロケット(b)123を取付けた回転軸127へ伝達する。
回転軸127へ伝達された回転を軸継手(a)128を介して増速機129へ伝達し、回転が増幅され軸継手(b)130を介して発電機131に伝達され発電機131を回転させ発電を行う。
このように、スクリューナット回転型直線変換部175を用いて発電を行なっても良い。
(動作説明その2)
伸縮ロッド複数型温度差伸縮変換部172使用時の熱発電機の動作について説明する。
伸縮ロッド複数型温度差伸縮変換部172の伸縮ロッド141、142、150の周囲温度差により伸縮ロッド固定サポート151に取付けられた伸縮ロッド141が伸縮しその差の分伸縮ロッド141に取付けられた伸縮ロッド150、伸縮ロッドホルダー(b)149、伸縮ロッド142と共に伸縮ロッドホルダー(a)148が動く。
同様に伸縮ロッドホルダー(a)148に取付けられた伸縮ロッド142が伸縮しその差分伸縮ロッド142に取付けられた伸縮ロッド150と共に伸縮ロッドホルダー(b)149が動く。更に、伸縮ロッド150が伸縮しその差分動く。
このとき、全体の動きは、各伸縮ロッドの伸縮時の差が加算された分の動きとなる。この点では、伸縮ロッド単体型温度差伸縮変換部171を用いる場合よりもピストン(a)106を大きく動作させる。
伸縮ロッド150によって、伸縮増幅部173のシリンダー(a)105のピストン(a)106を動かし、シリンダー室(a)内の液体を、押し出し連通管(a)107を介してシリンダー室(b)内に入りシリンダー(b)108のピストン(b)109を動かす。
この時、ピストン(a)106のA面とピストン(b)109のB面の面積比によりピストン(b)109の動き量を増幅させる。
この増幅された動き量は、接続ロッド112を介してスクリューロッド回転型直線回転変換部174のガイドロッド116にて保持されたスクリューナット118を取付けたスクリューナットホルダー117に伝達されガイドロッド116の長手方向へスクリューナットホルダー117とスクリューナット118が共に動く。
同時にスクリューナット118はガイドロッド116に平行に配置されているスクリューロッド121の上を動く。スクリューナット118が動く直線運動をスクリューナット118とスクリューロッド121の表面に施されたねじ部の噛み合わせによりスクリューロッド121が一方端へ取付けられたスプロケット(a)122と共に回転する回転運動に変換する。
この回転運動に変換された回転を、チェーン124を介し発電部176のスプロケット(b)123を取付けた回転軸127へ伝達する。回転軸127へ伝達された回転を、軸継手(a)128を介して増速機129へ伝達し、回転が増幅され軸継手(b)130を介して発電機131に伝達され発電機131を回転させ発電を行う。
また、伸縮ロッド複数型温度差伸縮変換部172を使用することによって、熱発電機は、より効率的に発電を行なうことができる。
また、スクリューナット回転型直線回転変換部175を用いて発電を行なっても良い。
スクリューナット回転型直線回転変換部175の使用においては、伸縮ロッドの膨張によって生じた直線運動を、伸縮増幅部173にて増幅させスクリューナット回転型直線回転変換部175に伝達する。この増幅させた動きを、スクリューナット回転型直線回転変換部175のスクリューロッド163へ伝え、スクリューロッド163を長手方向へ動かす。
この長手方向の直線運動をスクリューロッド163とスクリューロッド163に取付けられたスクリューナット165のねじ部の噛み合わせによりスクリューナット165に取付けられたスプロケット(a)166がスクリューナット165と共に回転する回転運動へ変換する。
この回転運動に変換された回転を、チェーン124を介し発電部のスプロケット(b)123を取付けた回転軸127へ伝達する
回転軸127へ伝達された回転を、軸継手(a)128を介して増速機129へ伝達し回転が増幅され軸継手(b)130を介して発電機131に伝達され発電機を回転させ発電を行う。
以上のように、実施の形態3における熱発電機は、伸縮ロッド温度差伸縮部170の伸縮ロッドの膨張・収縮による直線運動を伸縮増幅部173により増幅し、直線運動をスクリューロッド回転型直線回転変換部174やスクリューナット回転型直線回転変換部175によって回転運動に変換し、この回転運動によって発電部176の発電機131を回して発電を行なう。
なお、実施の形態1〜3で説明された熱発電機は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 熱発電機
2 熱膨張部材
3 管路
4 直線・回転運動変換手段
5 発電手段
6 発電機
7 第1端部
8 第2端部
10 作動液
12 バイパス管路
13 接続シャフト
101 伸縮ロッド
102 伸縮ロッド固定サポート
103 伸縮ロッド移動側サポート
104 接続ピン(a)
105 シリンダー(a)
106 ピストン(a)
107 連通管(a)
108 シリンダー(b)
109 ピストン(b)
110 連通管(b)
111 接続ピン(b)
112 接続ロッド
113 接続ピン(c)
114 ガイドロッドサポート(a)
115 ガイドロッドサポート(b)
116 ガイドロッド
117 スクリューナットホルダー
118 スクリューナット
119 スクリューロッドサポート(a)
120 スクリューロッドサポート(b)
121 スクリューロッド
122 スプロケット(a)
123 スプロケット(b)
124 チェーン
125 回転軸軸受(a)
126 回転軸軸受(b)
127 回転軸
128 軸継手(a)
129 増速機
130 軸継手(b)
131 発電機
141 伸縮ロッド
142 伸縮ロッド
143 接続ピン
144 接続ピン
145 接続ピン
146 接続ピン
147 接続ピン
148 伸縮ロッドホルダー(a)
149 伸縮ロッドホルダー(b)
150 伸縮ロッド
151 伸縮ロッド固定サポート
152 伸縮ロッド移動側サポート
161 スクリューロッドサポート(a)
162 スクリューロッドサポート(b)
163 スクリューロッド
164 スクリューナットサポート
165 スクリューナット
166 スプロケット(a)
170 伸縮ロッド温度差伸縮部
171 伸縮ロッド単体型温度差伸縮変換部
172 伸縮ロッド複数型温度差伸縮変換部
173 伸縮増幅部
174 スクリューロッド回転型直線回転変換部
175 スクリューナット回転型直線回転変換部
176 発電部

Claims (2)

  1. 温度変化に基づいて発電を行ない発電した電力を蓄電又は送電する機能を有する熱発電機であって、
    温度変化に基づいて膨張および収縮を行なう熱膨張部材と、
    前記熱膨張部材の膨張又は収縮に対応して内部の作動液を直線運動させる細長い管路と、
    前記管路中の作動液の直線運動を回転運動に変換する直線・回転運動変換手段と、
    直線・回転運動変換手段から供給される回転力により発電し、この発電した電力を蓄電又は送電する機能を有する発電手段と、
    前記管路の前記熱膨張部材側の第1端部内に配置され、前記熱膨張部材の膨張又は収縮に対応して前記第1端部内を移動して、作動液の直線運動を生じさせる、前記熱膨張部材の端部又はこれに接続された部材と、
    前記管路の前記直線・回転運動変換手段側の第2端部内に配置され、前記作動液の直線運動に対応して前記第2端部内を移動して、前記直線・回転運動変換手段に作動液の直線運動を伝える部材と、
    前記管路の第1端部の前記熱膨張部材の端部又はこれに接続された部材より前記熱膨張部材側の部分と、前記管路の第2端部の前記直線・回転運動変換手段に作動液の直線運動を伝える部材より前記直線・回転運動変換手段側の部分との間を、前記各部分内の作動液が一方の部分から他方の部分に移動可能なように、接続するバイパス管路と、
    を備えたことを特徴とする、蓄電又は送電機能を有する熱発電機。
  2. 前記管路は、前記第1端部の前記作動液の直線運動の方向と直交する断面の面積が前記第2端部の前記作動液の直線運動の方向と直交する断面の面積よりも大きくなるように形成されている請求項1記載の熱発電機。
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