JP5268943B2 - ファスナー、ファスナーへの色柄転写方法及びファスナー付き物品 - Google Patents

ファスナー、ファスナーへの色柄転写方法及びファスナー付き物品 Download PDF

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Description

本発明は、基布部に務歯列を備えてなると共に、基布部に色柄が施されているファスナー、ファスナーへの色柄転写方法及びファスナー付き物品に関し、特に、予め昇華性染料インクによって色柄が印刷された転写部材を用いて基布部に色柄が転写されているファスナー、ファスナーへの色柄転写方法及びファスナー付き物品に関する。なお、本明細書中、「ファスナー」とは、基布部(テープ)に、左右一対の複数の務歯(エレメント)からなる列(務歯列)が設けられ、スライダーと呼ばれる器具を一方向に動かすことで、左右の務歯列が順に噛み合って閉じ、他方向に動かすことで務歯列の噛み合いが解除されて開く、いわゆるスライドファスナーを指す。
ファスナー(スライドファスナー)は、大きく分けて、務歯が金属からなる金属ファスナー、ポリエステル等のモノフィラメントをコイル状に成形して務歯にしたコイルファスナー(樹脂ファスナー)、基布部(テープ)上にポリエステル等の樹脂を射出成形して付けて務歯にしたファスナーに分類される。いずれにしても、基布部(テープ)は布地からなり、例えば衣服やバック或いは財布等に数多く利用されている。このようなファスナーにおける基布部は、白色の無地のものが多く、白色以外に着色されている場合であっても無地のものが大部分である。また、基布部の色についても、そのファスナーが使用される衣服や小物類の彩色に適応するほどの種類がないのが現状である。このため、例えば、衣服の彩色とファスナーの基布部の色とがアンバランスな場合には、見た目が悪くなり、またファスナー部分が浮きたってしまったりする。
上述のような衣服の彩色とファスナーの基布部の色が不釣り合いになる状態を防止するためには、衣服等の彩色に合わせてファスナーの基布部に彩色を施すことができるようにすることが望ましい。しかしながら、現状では衣服等の彩色に合わせてファスナーの基布部に自在に彩色を行うことは困難である。そのため現状では、衣服の前布によりファスナー部分を隠すことでその問題を解消している。
このようなことから、ファッション業界やバック・財布等を製造する小物業界では、製品の多様な彩色に適応可能なファスナーの開発が要望されている。この要望に応えるためには、衣服等の布地の彩色に合わせたファスナーを製造すれば良いが、衣服等の布地の彩色ごとにファスナーを製造すると、結果的に、過剰の在庫を持つことになり、コストアップの要因になってしまう。
一方、ファスナーの基布部に彩色や模様を施す手法としては、例えば、先染め糸を用いた柄織り法により彩色や模様を施すようにすることができる。しかしながら、この柄織り法の場合は、柄組織の設計と製織に時間を要するとともに、特定の織機によって織成しなければならないため、大量に生産しないと採算が取れず、少ロットの生産には不向きである。
そこで、衣服等の多様な色柄に適用することができ、少ロット生産に適する手法として、特許文献1に開示されるようなファスナーの製造方法が提案されている。この特許文献1に提案されているファスナーの製造方法によれば、務歯列が噛み合わされた状態のファスナー素材の務歯表面と布テープ部(基布部)とをほぼ同じ平面に位置させ、その状態で布テープ部に直接インクを噴射することにより、当該布テープ部の表面に色柄を形成するようになされている。このように、当該特許文献1に記載のファスナー製造方法によれば、インク噴射により色柄を形成させることができるため、少ロット生産が容易となっている。
また、特許文献2では、昇華性染料パターンをファスナーの基布部に転写する技術も開示されている。
特開2001−145506号公報 特開2007−63697号公報
しかしながら、特許文献1に提案されているファスナーの製造方法の場合、以下のような問題がある。第一に、務歯列に対してわずかな間隔(務歯列の配列方向に直交する方向の間隔)をおいて、基布部(テープ)の表面に色柄を形成するようになされているため、務歯列に隣接する上記の間隔部分に色柄が形成されず、その間隔部分では、基布部がそのまま所定の色柄が施されずに見えてしまい、見栄えが良くないという問題がある。務歯列に隣接する上記の間隔部分に色柄が形成されていないということは、務歯列を形成する各務歯間に位置する部位(左右一対の務歯列が相互に噛み合った状態における務歯列の全幅の範囲内(図8において「A」で示した幅の範囲内)で、各務歯の配列方向に沿った務歯間の隙間(図8において「B」で示された各領域))にも当然に色柄が形成されていないということであり、その部分においても基布部自体がそのまま見えてしまう。第二に、基布部に直接インクを噴射することで色柄を形成しているため、インクの直接噴射によって基布部の裏面にもインクが浸透して汚れが発生してしまい、ファスナー自体の品質を落とすことになる。
これに対し、特許文献2の場合、転写によって色柄を施すため、特許文献1の技術と異なり、務歯近傍まで色柄を施すことができると共に、インクによる汚れが発生しない等の利点がある。しかしながら、基布部に施される色柄は、より鮮明で精密なものであることが常に求められている。
また、ファスナーを使用する衣服や鞄類などのファスナー付き物品のデザイン性をさらに向上させるため、特許文献2では基布部における務歯近傍まで色柄を施すことを可能としているが、さらにデザイン性を高めるためには、上記のように基布部に対してより鮮明で精密な色柄を付する工夫だけでなく、色柄を施す範囲が基布部に限定されないようにすることも考えられる。すなわち、基布部に加えて務歯自体にも色柄を施すことができれば、務歯と基布部とのデザイン上の差異が小さくなり、上記ファスナー付き物品のデザイン性をさらに向上させることができる。そして、基布部における務歯間や務歯自体に色柄を施す場合、それらの部位に色柄が付着していればよいというだけでなく、務歯間以外の基布部の色柄とそれらの部位の色柄との連続性を確保することが望まれるが、特許文献1,2には、その連続性を確保するために必要な構成や条件は示されていない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材を用いて転写する技術を用い、務歯列を形成する各務歯間に位置する部位をも含んだ基布部に、連続性の保たれた色柄が施されたファスナー、さらには、基布部に加えて務歯にも色柄が施されたファスナー、このような色柄を施すためのファスナーへの色柄転写方法、並びに、該ファスナーを備えたファスナー付き物品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のファスナーは、基布部に務歯列を備えたファスナーであって、
昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材から前記基布部に転写された色柄が、前記基布部における、前記務歯列が設けられている場所以外の部位に加えて、前記務歯列の各務歯間に位置する部位にも施されており、
前記務歯列の各務歯間に位置する前記基布部に施された色柄が、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された前記色柄と連続する色柄として施され、
連続する前記務歯列の各務歯間に位置する前記基布部に施された色柄と、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された色柄との位置ずれが、1.0mm以下であり、
長手方向に形成された凹部内に、前記務歯列の各務歯間に対応して、前記凹部の長手方向に対して交差する方向に突起し、前記各務歯間に位置する部位に接する突起部の列が一面に形成された一対の転写台間に、昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材と共に前記ファスナーを位置させて挟み込み、転写温度130℃〜250℃及び転写時間0.5〜2分間であって、前記基布部における前記務歯列が設けられている場所以外の部位においては転写圧力0.98〜9.8N/cm で、前記基布部における前記務歯列の各務歯間に位置する部位においては、前記務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力の2〜5倍の転写圧力で加熱加圧することにより、前記色柄が前記基布部に施されたものであることを特徴とする。連続する前記務歯列の各務歯間に位置する前記基布部に施された色柄と、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された色柄との位置ずれが、0.5mm以下であることが好ましい。
また、上記ファスナーは、昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材から前記基布部に転写された色柄が、前記基布部の両面において、前記務歯列が設けられている場所以外の部位に加えて、前記務歯列の各務歯間に位置する部位にも施されており、前記基布部の両面に施された色柄は、前記基布部の一方の表面側及び他方の表面側のそれぞれから該基布部の厚さ方向に、該基布部の全体の厚さの10〜40%の深さまで前記昇華性染料インクが浸透して形成され、かつ、前記基布部の厚さ方向中央付近において前記昇華性染料インクの浸透していない層を有することを特徴とする。
また、上記ファスナーは、前記転写温度160℃〜210℃、前記転写時間0.6〜1分間、前記基布部における前記務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力1.96〜2.94N/cm で加熱加圧することにより、前記色柄が前記基布部に施されたものであることが好ましい。前記転写台として、前記突起部の表面が柔軟な被覆材で被覆されたものを用いて加熱加圧され、前記色柄が前記基布部に施されたものであることが好ましい。前記務歯列の各務歯が樹脂から形成され、前記各務歯の少なくとも片面にも色柄が転写されている構成とすることもできる。
本発明のファスナーへの色柄転写方法は、務歯列を有するファスナーの基布部に色柄を転写するファスナーへの色柄転写方法であって、長手方向に形成された凹部内に、前記務歯列の各務歯間に対応して、前記凹部の長手方向に対して交差する方向に突起し、前記各務歯間に位置する部位に接する突起部の列が一面に形成された一対の転写台間に、昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材と共に前記ファスナーを位置させて挟み込み、転写温度130℃〜250℃及び転写時間0.5〜2分間であって、前記基布部における前記務歯列が設けられている場所以外の部位においては転写圧力0.98〜9.8N/cm で、前記基布部における前記務歯列の各務歯間に位置する部位においては、前記務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力の2〜5倍の転写圧力で加熱加圧し、前記基布部に、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された色柄と連続する色柄を、前記務歯列の各務歯間に位置する部位にも施すことを特徴とする。
前記転写温度160℃〜210℃、前記転写時間0.6〜1分間、前記基布部における前記務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力1.96〜2.94N/cm で加熱加圧し、前記色柄を前記基布部に施すことが好ましい。また、前記転写台として、前記突起部の表面が柔軟な被覆材で被覆されたものを用いて加熱加圧することが好ましい。
本発明のファスナー付き物品は、上記したファスナーが取り付けられている衣服又は服飾品であることを特徴とする。
本発明のファスナーは、昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材から基布部に転写された色柄が、該基布部における、務歯列が設けられている場所以外の部位に加えて、務歯列の各務歯間に位置する部位にも色柄が施され、しかも、前記務歯列の各務歯間に位置する前記基布部に施された色柄が、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された前記色柄と連続する色柄として施されており、連続する前記務歯列の各務歯間に位置する前記基布部に施された色柄と、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された色柄との位置ずれが、1.0mm以下である。従って、基布部に色柄が施されない状態で残っている部位がなく、見栄えの点で優れていると共に、務歯間とそれ以外の部分との位置ずれが1.0mm以下であるため、務歯間に色柄を施したものでありながら、色柄の連続性が途切れることがなく、転写部材の色柄が精密に転写される。また、両面から転写する場合の昇華性染料インクの浸透深さを所定の範囲に設定することにより、一方側の色柄が他方側の色柄に影響することがなくなる。また、本発明のファスナーへの色柄転写方法に係る所定の転写条件で転写すると、上記の連続性のある色柄を基布部に施すのに適している。また、本発明のファスナー付き物品は、鞄などの服飾品や衣服との統一のとれた色柄がファスナーの基布部にも施されているため、衣服等において前布でファスナーを隠す必要がなくなり、衣服等のデザインの自由度が増す。また、本発明によれば、務歯にも色柄を施すことができ、しかも、基布部に施された色柄と務歯に施された色柄との位置ずれが2.0mm以内である。従って、基布部と務歯における色柄の見た目の連続性が確保でき、衣服や鞄類等のファスナー付き物品の色柄との統一性をより高めることができる。
本発明の第1の実施形態に係るファスナーの構成を示した平面図である。 ファスナーに対して色柄を形成するために用いられる転写紙を製造するための装置(パターン作成部)の構成を示した概念図である。 転写紙に描画された色柄を基布部へ転写してファスナーに色柄を形成するための色柄転写装置の構成を示す図である。 図3に示した転写台の一部分を示す斜視図である。 ファスナーへの色柄の転写方法を示す図である。 密着した状態のファスナーと転写紙が一対の熱加圧ローラの転写台により挟み込まれる直前の状態を示した図である。 密着した状態のファスナーと転写紙が一対の熱加圧ローラの転写台により挟み込まれて熱加圧が行われる状態を示す図である。 ファスナーの務歯列の各務歯間に押し込まれた転写紙と基布部に対して加えられる第1の圧力と、ファスナーの務歯列が設けられている場所以外の基布部と転写紙に対して加えられる第2の圧力との比の説明に用いる図である。 ファスナーの基布部に転写された線柄の位置ずれの関係を説明するための図である。 基布部の両面側から色柄を転写した時の昇華性染料インクの浸透深さの関係を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る転写台の概略構成の一部分を示した斜視図である。
符号の説明
10 ファスナー 11 基布部
12 スライダー 13 務歯列
13a 務歯
14 上止金具 15 下止金具
30 転写紙
100 パターン作成装置 101 画像読取装置
102 画像作成装置 103 記憶部
104 染料パターン作成部
200 色柄転写装置
201,204 熱加圧ローラ
201a,204a 回転軸
202,205 ヒータ
203,206 転写台
203a,206a 凹部
203b,206b 突起部
(第1の実施形態)
以下、添付図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るファスナーについて詳細に説明する。図1には、本実施形態に係るファスナーの構成を示した平面図を示す。
図1に示すように、ファスナー(スライドファスナー)10は、基布部11と、スライダー12と、務歯列13と、上止金具14と、下止金具15とから構成されている。この図1に示す構成において、基布部11は、ポリエステル等の樹脂繊維を織成して形成されている。また、スライダー12と務歯列13と上止金具14と下止金具15は、金属または合成樹脂で形成されている。この図1のような構成のファスナー10では、スライダー12を上止金具14から下止金具15の間で往復移動させることによって、一対の基布部11に設けられている務歯列13が噛み合ったり開いたりして開閉するようになっている。
そして、工場出荷時のファスナーは、通常、基布部11に務歯列13が設けられた状態のものが反物状に巻回されており、それを実際にファスナーとして例えば衣服やバック等の製品に使用する場合には、上記工場出荷時の状態のファスナーが所望の長さに切断され、さらにスライダー12と上止金具14および下止金具15とが取り付けられて使用される。
図2には、上記ファスナー10の基布部に色柄を形成するために用いられる転写部材としての転写紙を製造するための装置(パターン作成装置)の概略構成を示す。
図2に示すように、パターン作成装置100は、画像読取装置101と、画像作成装置102と、記憶部103と、染料パターン作成部104とから構成されている。
画像読取装置101は、白黒画像やカラー画像からなる原画像を画像データとして読み取る。ここで、画像読取装置101としては、例えば市販のパーソナルコンピュータを使用することができる。当該パーソナルコンピュータに取り込む原画像データは、種々の媒体に保存された種々の保存形式の画像データとすることができる。これら種々の保存形式の画像データとしては、例えば、デジタルカメラで撮影した画像のデータ、作者がグラフィックデザインした画像のデータ、或いは、写真プリントや紙に描かれた絵などのアナログ画像をデジタル信号に変換して取り込んだ画像データなどを挙げることができる。
なお、原画像がアナログ画像である場合、画像読取装置101としては、光学素子を備えた撮像部で得た光学画像をデジタル信号に変換し、所定の信号処理を行って画像データに変換して出力するような装置、すなわち例えば、フィルムスキャナ、イメージスキャナ、コピー機、あるいはこれらの複合機などを挙げることができる。また、原画像としては上記のものの他にも、例えば、電気通信回線、光ファイバー通信などの通信ネットワークを通じ、例えばコンピュータ、携帯電話などの通信装置を介して受信した画像データを使用することもできる。
以後、画像読取装置101によりデジタル信号として取り込まれた画像をデジタル画像と称する。当該画像読取装置101によって読み込まれるデジタル画像のファイル形式としては、例えばいわゆるJPEG、JTIF、TIF等を挙げることができ、これらのファイル形式は必要に応じて相互に変換可能である。そして、この画像読取装置101が読み取った画像データは画像作成装置102へ送られる。
画像作成装置102は、画像読取装置101が読み取ったデジタル画像に対して、転写紙上に転写できるような昇華性染料パターンを形成するために必要な適切な画像処理を行う。すなわち例えば、画像作成装置102は、デジタル画像が例えば暗すぎる画像や明るすぎる画像、コントラストの強すぎる画像、弱すぎる画像等である場合には、それらに対して適当な階調を有して最低濃度と最高濃度が適当である所期の目的にかなった画像になるように画像調整を施す。
また、昇華性染料パターンを転写紙上に転写する際に例えば市販のインクジェットプリンタが使用されるような場合には、当該インクジェットプリンタにて使用される昇華性染料インクに適したカラープロファイルとなるようにデジタル画像を修正するように色調整する。また、デジタル画像に対して必要に応じて結合される周辺画像についても適当な画像処理を行う。
当該画像作成装置102は、表示部(ディスプレイ装置)を備えていることが好ましい。当該表示部を備えている場合には、その表示部にデジタル画像および周辺画像を表示することにより、それらデジタル画像および周辺画像の内容を確認しながら、画像の選択、画像の加工結合、修正等を行うことができる。
なお、画像の加工修正としては、不要部分を削除して必要部分のみを切り出すトリミングや、画像拡大縮小、背景画像の付加、氏名・年月日、その他の文字データの付加などを例示することができる。
記憶部103は、画像作成装置102が作成したデジタル画像のデータおよび当該デジタル画像に必要に応じて結合される周辺画像のデータを記憶する。当該記憶部103は、例えば内部記憶装置や外部記憶装置等からなる。また、当該記憶部103に記憶されるファイル形式としては、JPEG、JTIF、TIF等を挙げることができ、これらのファイル形式は必要に応じて相互に変換可能である。
染料パターン作成部104は、記憶部103から読み出されたデジタル画像やその周辺画像或いは画像作成装置102から直接転送されたデジタル画像やその周辺画像を用いて、転写紙上に昇華性染料パターン(ネガパターン)を作成する。この昇華性染料パターンは、原画像から見ると、左右が反転した画像とすることが好ましい。当該染料パターン作成部104としては、昇華性染料インクを備えたインクジェットプリンタや昇華性染料インクのインクリボンを備えた感熱転写式プリンタを例示することができる。なお、染料パターン作成部104自体が、画像作成装置102と記憶部103の両方の機能を備えている構成としてもよい。
ここで、染料パターン作成部104が転写紙上に昇華性染料パターンを形成する際の形成方式としては、例えば非接触のインクジェット方式を用いることが好ましい。以下、インクジェット方式を用いた場合の昇華性染料パターンの形成方式について説明する。
この方式では、デジタル画像の画像情報に基づいて、インクジェットヘッドをXY座標平面内で移動させると共に、そのヘッド移動中に、画像情報の色データに基づいてインクジェット吐出ノズルからC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)のインクを適宜吐出させることにより、昇華性インクのパターンが転写紙上に形成される。なお、本実施形態においてインクジェット方式としては、オンデマンドインクジェット方式を示し、特にピエゾオンデマンドインクジェット方式を用いることが好ましい。
上記昇華性染料インクは、水溶性溶媒中に微細な昇華性染料を分散させたインクである。なお、分散された染料微粒子の凝集を防止するために、界面活性剤等の分散安定剤を使用している。また、インクは、減色法の3原色(C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)を組み合わせて使用することが好ましく、必要に応じてK(ブラック)を併用しても良い。また、Y(イエロー)を一色とし、M(マゼンタ)およびC(シアン)を濃淡二色として使用されても良く、ブラックの色はCMY3色を混合することで形成されてもよいし、別途、K(ブラック)1色が用意されても良い。
昇華性染料としては、多くの分散染料、一部の油溶性染料および一部の塩基性染料を使用することができる。本実施形態で用いる染料は、蒸気圧が高く、且つ熱安定性の良いことが求められるため、非イオン性の分散染料が好ましい。具体的にはカラーインデックスNo.による表示で、CIDisperse Yellow−7、42、64、71、Orange−13、Red−4、50、60、146、364、Violet−28、Blue−56などが挙げられる。このほか、アミノアントラキノン系、インドアニリン系、キノフタロン系、ジシアノイミダゾール系、ジシアノメチン系、ジアミノアントラキノン系、ジヒドロキシアントラキノン系、ジアミノジヒドロキシアントラキノン系の染料が有効である。
以下にYMCの昇華性染料について詳しく説明する。
Y(イエロー)の昇華性染料としては、Kayacet Yellow AG、KayakutYellow TDN(以上日本化薬(株)製)、PTY52 、Dianix Yellow 5R−E、DianixYellow F3G−E 、DianixBrilliant Yellow 5G−E(以上三菱化成(株))、プラストYellow 8040、DY108(以上有本化学(株)製)、Sumikaron Yellow EFG、Sumikaron YellowE−4GL(以上住友化学(株)製)、FORON Brilliant YellowS6GLPI(Sand 社製)等が例示できる。
マゼンタの昇華性染料としては、例えば Kayacet Red 026、KayacetRed 130、Kayacet Red B(以上日本化薬(株)製)、OilRed DR−99 、OilRed DK−99(以上有本化学(株)製)、Diacelliton Pink B(三菱化成(株)製)、Srmikaron Red E−FBL(住友化学(株)製)、LatylRed B(Du Pont 社製)、Sudan Red7B(BASF社製) 、Resolin Red FB、Ceres Red7B(以上Bayer社製)等が例示できる。
シアンの昇華性染料としては、例えば、Kayalon Fast Blue FG、KayacetBlue FR 、Kayacet Blue 136、Kayacet Blue 906(以上日本化薬(株)製)、Oil Blue 63(有本化学(株)製)、HSB9(三菱化成(株)製)、DisperseBlue #1(住友化学(株)製)、MS Blue 50(三井東圧(株)製)、Ceres Blue GN(Bayer社製)、Duranol Brilliant Blue 2G(ICI社製)等が例示できる。
次に、転写部材である転写紙としては、昇華性染料インクを適度に含浸するものであることが好ましい。すなわち、染料インクが転写紙の表面から深く紙中に入りすぎると熱転写の段階で昇華しにくくなる傾向があり、逆に染料微粒子が適度に紙中に含浸されないとインクの滲みを生じるからである。転写紙は、セルロースパルプからなる紙に適当な防水加工を施したものを使用する。
なお、転写紙はロール状でもシート状でも良い。シート状の転写紙の場合は、転写画像の大きさに合わせて適宜選択可能となる。また、転写紙の替わりに、昇華性染料インクの適度な含浸性を有する布帛、不織布またはフィルムなどを転写部材として用いても良い。
詳細については後述するが、上述のようにデジタル画像に基づく昇華性染料パターンにて昇華性染料が含浸された状態の転写紙は、務歯列が転写台に嵌め合わされている状態のファスナーに密着するように置かれ、その状態で熱転写を行うために、加圧および高温雰囲気下におかれる。これにより、転写紙の昇華性染料は、被転写物であるファスナーの基布部に昇華移行して当該基布部を染色し、これにより前記デジタル画像が基布部上に描画されることになる。
図3には、転写紙30に描画された色柄(デジタル画像に基づいて形成された昇華性染料パターンの色柄)を基布部11へ転写することで、ファスナーに色柄を形成するための色柄転写装置の構成例を示す。
図3に示すように、この色柄転写装置200は、上下に並列に配置された一対の熱加圧ローラ201,204と、それら熱加圧ローラ201,204の外周表面に取り付けられて固定された一対の転写台203,206と、上記転写台203が取り付け固定された熱加圧ローラ201を回転させる回転軸201aと、同様に転写台206が取り付け固定された熱加圧ローラ204を回転させる回転軸204aとから構成されている。また、この構成において、熱加圧ローラ201の内部には、当該熱加圧ローラ201を加熱させるための熱源となるヒータ202が備えられており、同様に、熱加圧ローラ204の内部には、当該熱加圧ローラ204を加熱させるための熱源となるヒータ205が備えられている。
なお、ヒータ202,205が発生させる熱に安定性を持たせるために、熱加圧ローラ201,204の内部には油が注入されていても良い。また、回転軸201a,204aは、互いに同期して回転するように構成されており、その場合、回転軸201aが時計回りに回転すると、回転軸204aは反時計回りに回転するようになされている。
図3の場合、一対の熱加圧ローラ201,204には、一対の転写台203,206のみが取り付けられているが、複数対の転写台が取り付けられていても良い。また、ファスナーの務歯は、製品によってサイズや形状が変わる場合があるので、それらサイズや形状に合わせた務歯列用の転写台を複数用意しておいて、それらを必要に応じて適宜取り替えるようにしても良い。
図4は、図3に示した転写台203,206の一部分を示す斜視図である。図4に示すように、転写台203,206には、長手方向に向かって凹部203a,206aが形成されている。そして、この凹部203a,206a内には、ファスナー10における務歯列13の各務歯の間隙幅と略同じ幅か若しくは若干狭い幅を有し且つ、凹部203a,206aの長手方向に対して交差する方向に突起した複数の突起部203b,206bが、当該凹部203a,206bの長手方向に連続して設けられている。また、それら各突起部203b,206bは、凹部203a,206a内で互いに対向し且つ、互い違いになるように設けられている。また凹部の深さや、突起部の形状、幅、深さなどは、良好な印刷を得るために任意に変更することが可能であり、突起部の形状は、図4に示されている以外にも、務歯に合わせて例えば弧状にしたり、段差をつけたりもできる。
また、凹部203a,206aおよび突起部203b,206bの表面は、所定の弾性を備えて柔軟性があり、かつ熱伝導性、耐熱性等の高い被覆材で被覆することが好ましい。このような被覆材を構成する素材としては、シート状のカーボングラファイトやシリコンゴム等を挙げることができ、さらには、シリコンカーボングラファイトを用いることもできる。シリコンゴムは、高熱伝導性シリコンゴムがより好適に用いることができる。シリコンカーボングラファイトはシリコンとカーボングラファイトを任意の配合において、マシーンミル等を用いて粉砕することにより作成できる。例えばシリコンとカーボンを10:90〜90:10の配合において作成できる。シリコンを50%〜80%の配合において作成することでより効果のあるシリコンカーボングラファイトを作成することが出来る。高熱伝導性シリコンゴムとは熱伝導性の極めて優れた性質を有するシリコンゴムである。本発明に用いる高熱伝導性シリコンゴムは特に限定はされないが、例えば高伝熱性粉体を分散したシリコンゴムなどが用いられ、製品としてはシリコンカーボン合金や微結晶シリコンカーボンなどが挙げられる。これらの被覆材は、柔軟性を有することで、突起部203b,206bと務歯列13とが接触する時の摩耗を低減すると同時に、熱伝導性が高いことから、凹部203a,206aおよび突起部203b,206bの表面に圧着されていても熱伝導を妨げることがなく、転写紙30から基布部11への正確な色柄の転写に役立つ。また、務歯13a,13a間には、上記の突起部203b,206bが接するため、務歯列13に相当する部分以外の基布部11との間で転写時においては若干の段差が生じるが、上記のような柔軟性のある被覆材を設けることにより、かかる段差を吸収し、務歯13a,13a間に位置する部位に施される色柄(図9の符号「Q」で示した部分の色柄)とそれ以外の基布部11に施される色柄(図9の符号「P」で示した部分の色柄)との間での位置ずれを小さくできる。例えば、図9のような直線であれば、「P」部分と「Q」部分との間で大きなさがなく本来の一直線にほぼ沿った色柄が施される。「P」部分と「Q」部分の色柄の位置ずれ把持、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.5mm以下、最も好ましくは0.2mm以下である。
図5は、図4に示した転写台が設けられた熱加圧ローラを備えた色柄転写装置により、ファスナー10の基布部11に色柄を転写する際の様子を示す。なお、この例の場合、ファスナー10には、上止金具14、下止金具15が取り付けられており、務歯列13は噛み合わされた状態となされている。
図5に示すように、この色柄転写装置によりファスナー10の基布部11へ色柄を転写する場合、先ず、ファスナー10の両面に転写紙30を密着させ、その状態のファスナー10および転写紙30を転写ロール200に挟み込んだ状態で、図5の例えば右側から左側へ向かって送り込む。この時、ファスナー10の務歯列13が転写台203,206の凹部203a,206aに嵌め合わされるようにすることで、熱加圧ローラ201,204が回転してもファスナー10と転写紙30との密着状態は保持される。
図6は、密着した状態のファスナー10と転写紙30が、熱加圧ローラ201,204の転写台203,206により挟み込まれる直前の状態を模式的に示し、図7は、それらファスナー10と転写紙30が、熱加圧ローラ201,204の転写台203,206により挟み込まれて熱加圧が行われる状態を模式的に示している。
これら図6および図7のように、熱加圧ローラ201,204の転写台203,206により挟み込まれる前の時、転写紙30は、ファスナー10の務歯列13の各務歯13a,13a間の間隙には未だ入り込んでいない状態であるが、熱加圧ローラ201,204の転写台203,206により挟み込まれた時、転写紙30は、カーボングラファイトやシリコンゴム等の被覆材を介して転写台203,206の凹部203a,206aと突起部203b,206bの形状に沿って挟み込まれると同時に、ファスナー10の務歯列13の各務歯13a,13a間に押し込まれ、各務歯13a,13a間に位置する基布部11の部位と密着する状態となる。勿論、熱加圧ローラ201,204の転写台203,206により挟み込まれた時、ファスナー10の務歯列13が設けられている場所以外の基布部11の部位についても、転写台203,206の平坦部分(凹部203a,206aと突起部203b,206b以外の部分)により、転写紙30が密着する状態となされる。
そして、図7のように、熱加圧ローラ201,204の転写台203,206により挟み込まれることで、ファスナー10と転写紙30が密着し且つ或る程度の圧力(転写圧力)が加えられた状態の時、それらファスナー10と転写紙30には、熱加圧ローラ201,204のヒータ202,205からの熱(転写熱)が加えられる。その後、上記密着状態が保持された転写紙30とファスナー10は、熱加圧ローラ201,204の回転によって、図5の手前側へ送り出される。
以下、転写熱および転写圧力を転写紙30とファスナー10へ加えることで転写紙30の色柄をファスナー10の基布部11へ転写する際の、転写条件について説明する。
転写温度(加熱温度)は、昇華性染料の種類により適宜選択することが可能であるが、130℃〜250℃の範囲が好ましく、より好ましくは160℃〜210℃の範囲である。
転写時間(加熱時間)は、0.5〜2分が好ましいが、より好ましくは0.6〜1分である。転写時間は昇華性染料の熱特性によって異なり、一般に、転写後に高い堅牢度が要求される場合は、高い転写温度と長い転写時間を要する熱特性の昇華性染料が選択される。
転写圧力は、低すぎる場合には、基布部11に転写された昇華性染料による色柄の輪郭がぼやけ、転写紙30の色柄の転写精度に劣ることになり、逆に高すぎる場合には、染料分子が飛散してしまい、輪郭がぼけたり、染着する染料が少なくなって色が薄くなったりする。そこで、基布部11において務歯列13が設けられている場所以外の部位への転写圧力は、0.1〜1.0kg重/cm(0.98〜9.8N/cm)が好ましく、0.2〜0.3kg重/cm(1.96〜2.94N/cm)がより好ましい。
また、本実施形態では、図8に示すように、ファスナー10の務歯列13の各務歯13a,13a間に転写紙30が押し込まれて転写されるため、基布部11において務歯13a,13a間に位置する部位に対して加えられる第2の圧力Pbは、ファスナー10の務歯列13が設けられている場所以外の基布部11に対して加えられる第1の圧力Paよりも高い圧力になる。基布部11において、務歯列13が設けられている場所以外の部位と務歯13a,13a間に位置する部位との両方に、色柄を鮮明に、精密にあるいはシャープに転写するためには、第1の圧力Paに対し、第2の圧力Pbは2〜5倍高くなっていることが好ましく、さらには、3〜5倍高くなっていることがより好ましい。従って、第1の圧力Paが、例えば、0.2kg重/cm(1.96N/cm)の場合、第2の圧力Pbは、好ましくは、その2〜5倍の0.4〜1.0kg重/cm(3.92〜9.8N/cm)、より好ましくは3〜5倍の0.6〜1.0kg重/cm(5.88〜9.8N/cm)の転写圧力をかけることが好ましい。さらに圧力をより適正にするために凹部の深さや、突起部の形状、幅、深さなどを務歯に合わせて任意に変更できる。そのようにしてローラからかかる圧力の差を調整して、より圧力が適正にかかるようすることが好ましい。
上述の条件により、転写紙30とファスナー10の双方に熱と圧力が与えられると、転写紙30に印刷された昇華性染料インクが昇華し始めると同時に、基布部11を形成する繊維内の高分子セグメントの熱運動が活発になり、自由体積が増加することにより基布部11を形成する繊維内部に染料分子が拡散され、繊維を構成する高分子のエステル基と染料分子内の水酸基やアミノ基などの極性基との間に有機結合が生じる。疎水部に関してはファンデルワールス力で染料分子は染着される。これにより、ファスナー10の基布部11の染色が完了する。
このように、本実施形態によれば、転写台203,206の凹部203a,206aと突起部203b,206bにより、ファスナー10の務歯列13の各務歯間に転写紙30が押し込まれると共に、それら各務歯間に押し込まれた転写紙30を基布部11に密着するように加圧し、務歯13a,13a間部分とそれ以外の部分への転写圧力を調整することにより、務歯列13が位置していない部位はもちろんのこと、各務歯13a,13aの間隙内の微細な部分についても色柄を精密に転写することができる。
ポリエステル繊維からなる厚さ500μmの基布部11に、転写温度180℃、基布部11における務歯列13が設けられている場所以外の部位の転写圧力1.96N/cm、務歯13a,13a間の部位への転写圧力5.88N/cm、転写時間0.6分間で加熱加圧して、転写紙30上に2本の細線により相互の間隔Mで挟まれて形成された線柄(図9参照)を転写する転写試験を行った。その結果、図9に示した間隔Mの2本の直線において、務歯13a,13a間に位置する部位に施される色柄(図9の符号「Q」で示した部分の色柄)とそれ以外の基布部11に施される色柄(図9の符号「P」で示した部分の色柄)との間の位置ずれは0.2mmであり、この位置ずれは、観察者からはほぼ一直線上に連続する線に見える範囲であった。「P」部分と「Q」部分との間の色柄の位置ずれは、ほぼ連続した図柄で見える範囲であればよいが、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.5mm以下、最も好ましくは0.2mm以下である。なお、務歯13a,13a間には、上記の突起部203b,206bが接するため、務歯列13に相当する部分以外の基布部11との間で転写時においては若干の段差が生じる。それにも拘わらず、このように色柄の連続性が確保できるのは、上記した所定の転写条件で転写することによるものであるが、これに加えて、凹部203a,206aおよび突起部203b,206bの表面に設けた柔軟性のある被覆材が転写時において上記段差を吸収する作用を果たしていることも大きな理由である。
また、図9に示した基布部11上の線柄の輪郭である2本の細線間の間隔Mは、転写紙30上の線柄の輪郭である2本の細線間の間隔Mに対してプラスマイナス0.2mm以下の誤差で転写されていた。また、この誤差範囲は、ファスナー10の務歯列13の各務歯13a,13a間に位置する基布部11の部位(図8のBで示した領域)においても同様であった。なお、この「誤差」の値は、基布部11の表面粗さの大小に多少影響される。しかし、上記した転写条件に従えば、基布部11の表面粗さが0.2mm以上であっても、上記の誤差はプラスマイナス0.2mm以下とすることが可能である。但し、表面粗さが小さければ、より誤差を小さく、例えば、0.15mm以下とすることも可能である。また、転写紙30上の細線と基布部11に転写された細線との線自体の太さを比較したところ、基布部11に転写された細線は若干太くなっていたものの、転写紙30上の細線と比較して平均で0.05mm太くなっている程度であった。従って、本実施形態によれば、例えば、0.2mm幅以下の極めて細い線を基布部11の色柄に含めることも可能である。なお、ここでいう「基布部に施された色柄の輪郭が、転写部材に印刷された色柄の輪郭と比較して誤差0.2mm以下である」とは、色柄を構成する中に、近接せずかつ重なり合っていない2本の線柄の細線を任意に選択し、その2本の細線間の間隔と、それに対応する転写部材上の線柄の2本の細線間の間隔とを比較したときに、その差が0.2mm以下であることを意味する。
更に、本実施形態では、図5〜図7に示したように、ファスナー10の基布部11の両面に転写紙30を位置させて挟み込むことにより、ファスナー10の務歯列13における各務歯13a,13a間に位置する部位も含め、基布部11の両面に同時に色柄(両面の色柄は同じであっても異なっていても良い)を転写することができる。このとき、上記した転写条件で行うことにより、図10に示した基布部11の一方の表面側からの昇華性染料インクの浸透深さ「ta」と他方の表面側からの昇華性染料の浸透深さ「tb」を、該基布部11の全体の厚さ「T」の10〜40%の範囲の深さとすることができる。なお、転写温度、転写時間、転写圧力を上記の条件の範囲で調整することにより、浸透深さ「ta」及び「tb」を全体の厚さ「T」の20〜40%の範囲の深さとすることがより好ましい。浸透深さの範囲をこのように限定することにより、基布部11の厚さ方向中央付近において昇華性染料インクの浸透していない層11aが形成される。この層11aを有することにより、インクの直接噴射によって基布部に直接印刷する場合と異なり、両面に色柄を施しても、一方の色柄が他方の色柄に影響することを防止できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、一回の転写工程によって簡単に染色することができ、また、昇華性染料インクを用いることで色落ち加工などの前処理、後処理の必要がないので、少ない工数で廉価に彩色、模様付けが可能であり、更に、ファスナーの務歯間の基布部にも精密な色柄が形成されたファスナーを製造することができる。また、本実施形態によれば、半透明のポリエステル繊維などに染料を染色させて彩色、模様付けを行うことができるため、品質の高い仕上がりとなる。
また、本実施形態の場合、通常の印刷や染色と異なり、染料が繊維内のエステル基などの結合し、またファンデルワールス力で染料分子は染着されるため、繊維間の通気性、通風性を損なうことなく、ファスナーのスライダーの動作に不具合が起きることもない。例えば、スクリーン印刷のように色毎に版を作成する必要がなく、市販のインクジェットプリンタで印刷するだけなので、作業面、コスト面であり、有利で廉価になる。
その他、務歯列をポリエステル樹脂とし基布部をポリエステル繊維としてできたファスナーを用いた場合、染料の浸透が全体に均一で色ムラなどが無く、高品質なファスナーを得ることができる。
本実施形態では、ローラを用いた転写方式について説明したが、本発明のファスナーはこの方式により製作されるものに限られるものではなく、例えば、務歯列の各務歯の形状に合わせた凹凸部が設けられた二つの平板状の転写台に、基布部と転写紙を重ね、これら二つの平板状転写台に熱源からの熱を加えると共に加圧する方式などで製作することができる。また、本発明は、手動または自動の熱圧着機を用いて製作することも可能であり、自動式の場合には、転写温度、転写時間、転写圧力を適当な範囲に自動的に設定することができる。また、ファスナーの基布部に施される色柄は、上記実施形態では直線状の細線からなるものを示しているが、これに限らず、曲線であってもよいし、種々の模様、着色で施すことができることはもちろんである。また、務歯列が設けられている場所以外の部位に加えて、務歯列の各務歯間に位置する部位にも色柄が施されるため、特に、鞄などの服飾品や衣服のようにファスナーが用いられることの多い物品(ファスナー付き物品)において、衣服等の彩色に合わせた彩色をファスナーの基布部の片面又は両面に施すことができ、従来のようにファスナー部分を前布などで隠すことなく、衣服等のデザインの一部として用いることができる。
なお、上記したように、ファスナー(スライドファスナー)は、スライダーや務歯列を構成する務歯の材料や取り付け方等により、金属ファスナー、コイルファスナー(樹脂ファスナー)、樹脂を射出成形して務歯としたファスナー等に分類されるが、上記した基布部における務歯間に位置する部位にも精密に色柄を転写する技術は、これらのいずれに対しても適用可能である。但し、コイルファスナーや務歯を射出成形したファスナーのように務歯が樹脂からなる場合には、使用した樹脂の融点が低いものの場合、転写時に変形等することがあるため、樹脂としてポリエステルを用いたものに適用することが好ましい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、金属ファスナーを除く、樹脂をコイル状の務歯に成形したものを用いるコイルファスナー、及び、樹脂を射出成形して務歯としたファスナーに適用される実施形態である。つまり、樹脂をコイル状の務歯に成形したものを用いるコイルファスナー、及び、樹脂を射出成形して務歯としたファスナーは、金属ファスナーと異なり、コイル状に形成された務歯間、あるいは、射出成形した務歯間にほとんど隙間がないもの(隙間が0.5mm未満程度のもの)が多い。すなわち、樹脂からなる務歯(なお、以後、単に「樹脂からなる務歯」という場合には、コイル状のもの及び射出成形したものの両方を含む。)の場合には、隣接する務歯同士が密接しており、務歯間に基布部がほとんど露出していないものがある。このような場合、上記実施形態のように、務歯を避けて、務歯と務歯との隙間の基布部のみに色柄を転写するには、転写台203,206に形成する複数の突起部203b,206bとして極めて幅の狭いものを製作する必要がある。そこで、このような樹脂からなる務歯の場合には、図11に示したように、転写台203,206として、噛み合った務歯列13に対応する幅の凹部203a,206aを備える一方、図4に示したような突起部203b,206bが形成されていないものを用いる。
務歯列13を凹部203a,206aに位置させる際、両面に転写紙30,30を介在させて加圧することは上記第1の実施形態と同様である(図5参照)。このようにして転写することにより、転写紙30,30に印刷された色柄は、基布部11に加えて務歯13aにも転写されることになる。但し、務歯13a,13a間に基布部11がほとんど露出していないといっても、各務歯13aは基布部11の縁部と一部が重なり合うようにして該縁部に支持されている。従って、転写時において凹部203a,206a内に位置するのは、務歯列13の各務歯13aだけでなく、各務歯13aを支持している基布部11の縁部も含まれるが、転写台203,206に突起部203b,206bがなくても、各務歯13aと基布部11が共に樹脂からなるため、所定の圧力をかけることにより、務歯13aと、該務歯13aを支持している基布部11の縁部付近のいずれにも色柄が転写される。なお、転写台203,206には、上記第1の実施形態と同様に、シート状のカーボングラファイトやシリコンゴム等の柔軟性のある被覆材で被覆することが好ましい。
なお、樹脂からなる務歯に色柄を転写する際には、樹脂の融点が低い場合、転写時に変形等することから、基布部11をポリエステル樹脂から形成すると共に、務歯を形成する樹脂もポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
このようにポリエステル樹脂からなる務歯に色柄を転写する際の好ましい転写条件、すなわち、転写温度、転写時間、転写圧力は上記した第1の実施形態と全く同じでよい。なお、転写圧力について、上記実施形態では、図8に示したように、ファスナー10の務歯列13が設けられている場所以外の基布部11に対して加えられる第1の圧力Paと、基布部11において務歯13a,13a間に位置する部位に対して加えられる第2の圧力Pbとを異ならせ、第2の圧力Pbが第1の圧力Paよりも高くなるように設定している。第2の実施形態においても、転写台203,206の凹部203a,206a内に位置する務歯列13に相当する部分では、第1の実施形態における第2の圧力Pbと同様に設定し、それ以外の基布部11については、第1の圧力Paと同様に設定する。
すなわち、本実施形態の転写条件としては、転写温度130℃〜250℃、転写時間0.5〜2分間、基布部における務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力0.98〜9.8N/cm、務歯列に相当する部位においては務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力の2〜5倍の転写圧力で加熱加圧することが好ましい。また、転写温度160℃〜210℃、転写時間0.6〜1分間、基布部における務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力1.96〜2.94/cm、務歯列に相当する部位においては務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力の2〜5倍の転写圧力で加熱加圧することがより好ましい。
このようにして色柄を転写した場合、務歯13aは転写台203,206の凹部203a,206aの底面が接することで色柄が転写される。このため、務歯13aの表面に転写される色柄と基布部11に転写される色柄との間の位置ずれは、上記第1の実施形態における基布部11中の務歯13a,13a間とそれ以外の部分との位置ずれよりも若干大きくなる範囲まで許容される。これは、完成品のファスナー10においては、務歯13aと基布部11との間では段差があるため、務歯13aの表面に施された色柄と基布部11に施された色柄との間の位置ずれが多少大きめでも、外観上は、両者の色柄の連続性が確保されて見えることによる。つまり、例えば、直線であれば、上記第1の実施形態よりも多少大きめの位置ずれがあっても直線と認識される。観察者により連続性が確保されている認識される範囲において許容される、務歯13aの表面に転写される色柄と基布部11に転写される色柄との間の位置ずれは、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下、最も好ましくは0.5mm以下である。
本実施形態によれば、基布部11はもとより、務歯13aの表面自体にも色柄が施されるため、衣服や鞄類等のファスナー付き物品の色柄との統一性をより高めることができる。本実施形態においても、転写によって色柄を施すため、通常の印刷や染色と異なり、染料が務歯を構成する樹脂内のエステル基などの結合し、またファンデルワールス力で染料分子が染着される。このため、務歯の部分においても色柄が確実に施され、色落ちしにくい。また、本実施形態においても、上記した転写台203,206を用いると共に、2枚の転写紙30,30を用いることにより、務歯列13の両面から色柄を転写することができる。つまり、務歯13aに転写される色柄は表面だけでなく、裏面にも施すことができる。このため、リバーシブル式の衣服などにおいて、表面、裏面のいずれにおいても務歯列も含めて色柄の統一性を図ることができる。
なお、第2の実施形態のように樹脂からなる務歯を用いたファスナーであっても、務歯間に所定の隙間が確保されている場合もある。この場合には、第1の実施形態と同様に、図4に示した突起部203b,206bを有する転写台203,206を用いて転写するが、転写紙30としては、務歯列13の外側に位置する基布部11と務歯13a,13a間の基布部11のほかに、各務歯13aに対応する部分にも色柄が施されているものを用いて転写する。これにより、務歯13a,13a間に位置する基布部11に加えて、各務歯13aにも色柄が施され、基布部11と務歯列13との全体(すなわちファスナー全体)の片面又は両面に色柄を施すことができる。

Claims (10)

  1. 基布部に務歯列を備えたファスナーであって、
    昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材から前記基布部に転写された色柄が、前記基布部における、前記務歯列が設けられている場所以外の部位に加えて、前記務歯列の各務歯間に位置する部位にも施されており、
    前記務歯列の各務歯間に位置する前記基布部に施された色柄が、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された前記色柄と連続する色柄として施され、
    連続する前記務歯列の各務歯間に位置する前記基布部に施された色柄と、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された色柄との位置ずれが、1.0mm以下であり、
    長手方向に形成された凹部内に、前記務歯列の各務歯間に対応して、前記凹部の長手方向に対して交差する方向に突起し、前記各務歯間に位置する部位に接する突起部の列が一面に形成された一対の転写台間に、昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材と共に前記ファスナーを位置させて挟み込み、転写温度130℃〜250℃及び転写時間0.5〜2分間であって、前記基布部における前記務歯列が設けられている場所以外の部位においては転写圧力0.98〜9.8N/cm で、前記基布部における前記務歯列の各務歯間に位置する部位においては、前記務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力の2〜5倍の転写圧力で加熱加圧することにより、前記色柄が前記基布部に施されたものであることを特徴とするファスナー。
  2. 連続する前記務歯列の各務歯間に位置する前記基布部に施された色柄と、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された色柄との位置ずれが、0.5mm以下であることを特徴とする請求項1記載のファスナー。
  3. 昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材から前記基布部に転写された色柄が、前記基布部の両面において、前記務歯列が設けられている場所以外の部位に加えて、前記務歯列の各務歯間に位置する部位にも施されており、
    前記基布部の両面に施された色柄は、前記基布部の一方の表面側及び他方の表面側のそれぞれから該基布部の厚さ方向に、該基布部の全体の厚さの10〜40%の深さまで前記昇華性染料インクが浸透して形成され、かつ、前記基布部の厚さ方向中央付近において前記昇華性染料インクの浸透していない層を有することを特徴とする請求項1又は2記載のファスナー。
  4. 前記転写温度160℃〜210℃、前記転写時間0.6〜1分間、前記基布部における前記務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力1.96〜2.94/cmで加熱加圧することにより、前記色柄が前記基布部に施されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のファスナー。
  5. 前記転写台として、前記突起部の表面が柔軟な被覆材で被覆されたものを用いて加熱加圧され、前記色柄が前記基布部に施されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のファスナー。
  6. 前記務歯列の各務歯が樹脂から形成され、前記各務歯の少なくとも片面にも色柄が転写されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のファスナー。
  7. 務歯列を有するファスナーの基布部に色柄を転写するファスナーへの色柄転写方法であって、
    長手方向に形成された凹部内に、前記務歯列の各務歯間に対応して、前記凹部の長手方向に対して交差する方向に突起し、前記各務歯間に位置する部位に接する突起部の列が一面に形成された一対の転写台間に、昇華性染料インクにより予め色柄が印刷された転写部材と共に前記ファスナーを位置させて挟み込み、転写温度130℃〜250℃及び転写時間0.5〜2分間であって、前記基布部における前記務歯列が設けられている場所以外の部位においては転写圧力0.98〜9.8N/cm、前記基布部における前記務歯列の各務歯間に位置する部位においては、前記務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力の2〜5倍の転写圧力で加熱加圧し
    前記基布部に、前記務歯列が施されている場所以外の部位の基布部に印刷された色柄と連続する色柄を、前記務歯列の各務歯間に位置する部位にも施すことを特徴とするファスナーへの色柄転写方法。
  8. 前記転写温度160℃〜210℃、前記転写時間0.6〜1分間、前記基布部における前記務歯列が設けられている場所以外の部位の転写圧力1.96〜2.94N/cmで加熱加圧、前記色柄を前記基布部に施すことを特徴とする請求項記載のファスナーへの色柄転写方法。
  9. 前記転写台として、前記突起部の表面が柔軟な被覆材で被覆されたものを用いて加熱加圧する請求項7又は8記載のファスナーへの色柄転写方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか1に記載のファスナーが取り付けられている衣服又は服飾品であることを特徴とするファスナー付き物品。
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