JP5262050B2 - 研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法 - Google Patents

研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5262050B2
JP5262050B2 JP2007255945A JP2007255945A JP5262050B2 JP 5262050 B2 JP5262050 B2 JP 5262050B2 JP 2007255945 A JP2007255945 A JP 2007255945A JP 2007255945 A JP2007255945 A JP 2007255945A JP 5262050 B2 JP5262050 B2 JP 5262050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grinding
workpiece
grindstone
depth
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007255945A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009083049A (ja
Inventor
徹 小野▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2007255945A priority Critical patent/JP5262050B2/ja
Publication of JP2009083049A publication Critical patent/JP2009083049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5262050B2 publication Critical patent/JP5262050B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Description

本発明は、研削加工において研削加工条件を決定する研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法に関するものである。
研削加工は、例えば、高速に回転する砥石と、回転する工作物とを接触させて行われる。このような研削加工おいては、砥石と工作物の摩擦等により熱エネルギーが発生する。そして、この熱エネルギーによって工作物の温度は上昇する。この結果、工作物に研削焼けが生じ、研削加工後の工作物(製品)に研削焼けが残ってしまう虞があった。
そこで、特開2003−326443号公報(特許文献1)では、粗研削をダウンカットで行い仕上げ研削をアップカットで行う研削装置が開示されている。これにより、研削焼けを抑えることができる。
一方、特開2004−114195号公報(特許文献2)では、研削焼けが生じない範囲で研削加工条件の好適な値を設定でき、研削加工条件の値の設定作業を標準化できる研削方法が記載されている。これにより、作業者の経験に基づかなくても、研削焼けが生じない範囲で研削加工条件の好適な値を設定することができる。
特開2003−326443号公報 特開2004−114195号公報
研削加工では、上記のように、研削加工後の工作物に研削焼けが残らないようにするために、様々な工夫が為されている。ここで、研削加工条件を決定するにあたり、研削加工時間を短縮したいという要望がある。つまり、研削加工時間を短縮することで、生産効率が向上する。
しかし、研削加工時間を短縮すると、工作物に研削焼けまたは研削焼けの残りが生じやすくなる。つまり、研削加工時間を短縮する研削加工条件と、研削焼けが生じないまたは研削焼けが残らない研削加工条件とは相反している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、研削加工時間および研削焼けを考慮した最適な研削加工条件を自動的に決定できる新たな研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法を提供することを目的とする。
削加工条件決定装置は、回転駆動される工作物の周面に、回転駆動される砥石の周面を接触させて、工作物の周面を研削する研削加工において、研削加工条件を決定する研削加工条件決定装置であって、シミュレーション部と、研削加工条件算出部とを備えることを特徴とする。シミュレーション部は、工作物の回転数、砥石の回転数、および、砥石と工作物との相対移動速度に基づいて、工作物の研削焼け深さを算出する。研削加工条件算出部は、シミュレーション部で算出される工作物の研削焼け深さが所定値以下であることを制約条件とし、研削加工における工作物の単位深さ当たりの研削加工時間を目的関数として、目的関数が最小となる工作物の回転数、砥石の回転数、および、相対移動速度を算出する。
なお、本明細書における移動速度とは、砥石の回転軸心と工作物の回転軸心とを含む平面上において、工作物の回転軸心に直交する方向への速度成分を意味する。つまり、相対移動速度は、砥石の送り速度と工作物の送り速度との相対速度を意味し、例えば、一方の回転軸心が固定である場合、他方の送り速度に相当する。相対移動速度は、例えば、工作物の回転軸心が固定されている場合、砥石の送り速度を意味し、砥石の回転軸心が固定されている場合、工作物の送り速度を意味する。
この研削加工条件決定装置によれば、研削加工条件は、研削加工後の研削焼け深さが所定値以下となり、且つ、単位深さ当たりの研削加工時間(以下、「単位研削加工時間」とも称する)が最小となるように自動的に決定される。つまり、最適な研削加工条件を自動的に決定することができる。所定値は、研削加工後の工作物に許容される研削焼け深さを意味し、作業者等が自由に設定できる値である。
例えば、所定値を0に設定した場合、本発明の研削加工条件決定装置により決定される研削加工条件は、工作物に研削焼けが生じず、且つ、単位研削加工時間が最小となる研削加工条件(工作物の回転数、砥石の回転数、および、相対移動速度)となる。換言すると、決定される研削加工条件は、研削焼けを生じさせない最速の研削加工条件といえる。
この決定された研削加工条件(所定値が0)で研削加工を行えば、工作物に研削焼けは発生せず、さらに、単位研削加工時間は最小となる。所定値を0にすることで、決定される研削加工条件を、例えば、研削加工における仕上げ研削加工の研削加工条件として用いることができる。
また、例えば、所定値を10(μm)に設定した場合、研削焼け深さが10μm以下となる単位研削加工時間が最小の研削加工条件が決定される。一般に、単位研削加工時間が短くなると、研削焼け深さが大きくなる。従って、決定された研削加工条件で研削加工を行うと、研削焼け深さは、所定値(ここでは10μm)に近似する深さとなる(ただし、所定値以下)。つまり、研削焼け深さ(所定値)が分かっているため、研削加工後に工作物に残る研削焼けを仕上げ研削加工等により取り除くこともできる。
ところで、一般に、研削加工では、まず、粗研削加工(荒研削、粗研ともいわれる)を行い、その後、仕上げ研削加工(精研ともいわれる)を行う。つまり、粗研削加工と仕上げ研削加工と行う研削加工において、研削加工条件を決定できることが好ましい。そこで、まず、粗研削加工および仕上げ研削加工における各種名称を定義する。
すなわち、粗研削加工前の工作物の径を初期径、粗研削加工後で仕上げ研削加工前の工作物の径を中間径、および、仕上げ研削加工後の工作物の径を最終径とする。また、粗研削加工における工作物の回転数を工作物の第一回転数、砥石の回転数を砥石の第一回転数、および、相対移動速度を第一相対移動速度とする。また、仕上げ研削加工における工作物の回転数を工作物の第二回転数、砥石の回転数を砥石の第二回転数、および、相対移動速度を第二相対移動速度とする。
そして、本発明の研削加工条件決定装置は、研削加工において研削加工条件を決定する研削加工条件決定装置であって、工作物の第一回転数、砥石の第一回転数、および、第一相対移動速度に基づいて、粗研削加工における工作物の研削焼け深さを算出する第一のシミュレーション部と、「少なくとも第一のシミュレーション部で算出される粗研削焼け深さに相当する仕上げ取代」と「第二相対移動速度」とに基づいて算出される仕上げ研削加工時間と、「予め決定された初期径および最終径」と「仕上げ取代」と「第一相対移動速度」とに基づいて算出される粗研削加工時間と、の合計である総研削加工時間を第一の目的関数として、第一の目的関数が最小となる工作物の第一回転数、砥石の第一回転数、第一相対移動速度、および、中間径を算出する第一の研削加工条件算出部とを備えることを特徴とする。
なお、「第一のシミュレーション部で算出される粗研削焼け深さ以上に設定される仕上げ取代」とは、仕上げ研削加工で研削される工作物の深さである「仕上げ取代」が、第一のシミュレーション部で算出される粗研削加工によって生じる研削焼け深さである「粗研削焼け深さ」以上に設定されることを意味する(仕上げ取代≧粗研削焼け深さ)。
この研削加工条件決定装置によれば、粗研削加工時間(粗研削加工に要する時間)と仕上げ研削加工時間(仕上げ研削加工に要する時間)の合計である総研削加工時間が最小となる工作物の第一回転数、砥石の第一回転数、第一相対移動速度、および、中間径が自動的に決定される。つまり、最適な粗研削加工条件を自動的に決定することができる。
この決定された研削加工条件で研削加工を行うと、総研削加工時間が最小となると共に、粗研削加工で生じる研削焼けを仕上げ研削加工で除去することができる。ここで、仕上げ研削加工の研削加工条件は、予め設定されたものでもよく、または、演算によって算出されるものでもよい。
仕上げ研削加工条件を演算によって算出する場合、本発明の研削加工条件決定装置は、さらに、工作物の第二回転数、砥石の第二回転数、および、第二相対移動速度に基づいて、仕上げ研削加工における工作物の研削焼け深さを算出する第二のシミュレーション部と、第二のシミュレーション部で算出される工作物の研削焼け深さが所定値以下であることを制約条件とし、仕上げ研削加工における工作物の単位深さ当たりの研削加工時間を第二の目的関数として、第二の目的関数が最小となる工作物の第二回転数、砥石の第二回転数、および、第二相対移動速度を算出する第二の研削加工条件算出部とを備えることが好ましい。
これにより、仕上げ研削加工で生じる研削焼け深さが所定値以下で、且つ、仕上げ研削加工の単位研削加工時間が最小となる仕上げ研削加工の研削加工条件(工作物の第二回転数、砥石の第二回転数、および、第二相対移動速度)を算出することができる。つまり、第二の研削加工条件算出部で仕上げ研削加工条件を算出し、その仕上げ研削加工条件を用いて第一の研削加工条件算出部が粗研削加工条件を算出する。
例えば、所定値を0に設定すれば、仕上げ研削加工において、研削焼けは発生せず、且つ、単位研削加工時間は最小となる。つまり、粗研削加工の研削焼け深さに相当する仕上げ取代を除去する仕上げ研削加工では、研削焼けが発生しない。
この仕上げ研削加工条件に基づいて、第一の研削加工条件算出部で粗研削加工条件(工作物の第一回転数、砥石の第一回転数、第一相対移動速度、および、中間径)を算出すれば、研削加工後(最終径)の工作物には研削焼けが残らず、且つ、総研削加工時間が最小となる粗研削加工条件が決定される。つまり、最適な粗研削加工条件および仕上げ研削加工条件が自動的に決定される。
なお、仕上げ研削加工条件が作業者等により予め設定されている場合、第一の研削加工条件算出部は、当然、その設定された仕上げ研削加工条件に基づいて、仕上げ取代が粗研削焼け深さ以上で、且つ、総研削加工時間が最小となる粗研削加工条件を算出する。
ここで、本発明の研削加工条件決定装置において、シミュレーション部(第一のシミュレーション部および第二のシミュレーション部を含む)は、工作物の回転数、砥石の回転数、および、相対移動速度に基づいて、工作物の研削焼け深さを算出するものであればよい。つまり、当該算出は、工作物の回転数、砥石の回転数、および、相対移動速度に基づいて、演算によって行われても、データベースを用いて行われてもよい。
以下、シミュレーション部が演算によって研削焼け深さを算出する場合について説明する。すなわち、この場合、シミュレーション部は、研削点における工作物に対する砥石の相対速度と研削抵抗とに基づいて、せん断面における研削熱エネルギー、すくい面における研削熱エネルギー、および、逃げ面における研削熱エネルギーの合計である全研削熱エネルギーを算出する熱エネルギー算出部と、全研削熱エネルギーにおける工作物が受ける熱エネルギーの分配割合Rを算出する分配割合算出部と、全研削熱エネルギーおよび分配割合Rに基づいて、工作物の研削焼け深さを算出する研削焼け深さ算出部とを備えることが好ましい。
このシミュレーション部によれば、研削加工におけるせん断面、すくい面、および、逃げ面を考慮して工作物の研削焼け深さを算出するため、より正確な研削焼け深さを算出することができる。
ここで、分配割合算出部は、分配割合Rを、せん断面における研削熱エネルギーのうち工作物が受ける熱エネルギーの分配割合Rw1、および、逃げ面における研削熱エネルギーのうち工作物が受ける熱エネルギーの分配割合Rw2に基づいて算出するようにしてもよい。
研削加工を微視的に見ると、研削加工により発生する研削熱エネルギーは、せん断面における塑性変形、すくい面における砥石(砥粒)と切粉の摩擦、および、逃げ面における砥石(砥粒)と工作物の摩擦により生じるといえる。なお、砥石は、大量の砥粒からなっている。
つまり、せん断面で発生する研削熱エネルギーは工作物と切粉に分配され、すくい面で発生する研削熱エネルギーは砥石と切粉に分配され、逃げ面で発生する研削熱エネルギーは工作物と砥石に分配される。従って、工作物は、せん断面および逃げ面から熱エネルギーを分配される。つまり、分配割合Rは、分配割合Rw1および分配割合Rw2に基づいて算出されることでより正確な値となる。
このシミュレーション部によれば、研削熱エネルギーの発生源を上記3箇所とした上で、工作物が受ける熱エネルギーの分配割合Rを算出する。つまり、研削加工により発生する全研削熱エネルギーの一部であり且つ工作物と熱エネルギーの授受を行わないすくい面をも考慮しており、より正確な研削焼け深さを算出することができる。
なお、熱エネルギー算出部において、研削抵抗は、作業者等が入力(設定)する値であってもよく、または、予め入力(設定)された指令値(工作物の径、工作物の回転数、砥石の回転数、および、相対移動速度)から演算により算出される値であってもよい。
研削抵抗を演算によって算出する場合、熱エネルギー算出部は、研削能率と研削特性とに基づいて研削抵抗を算出する。研削能率とは、単位時間に単位砥石幅当たりに砥石により研削される工作物の体積である「例えば、mm/(mm・s)」。また、研削特性とは、工作物の材料および砥石の周面の状態に基づいて決定される値である。なお、予め指令値から演算された研削抵抗をデータベースとして準備し、入力された指令値からデータベースにより研削抵抗を算出(決定)してもよい。
ここで、このシミュレーション部において、研削焼け深さ算出部は、全研削熱エネルギーおよび分配割合Rwに基づいて、工作物の各深さにおける最高温度を算出し、予め設定された温度しきい値より大きい最高温度を示す工作物の深さのうち、最も深い工作物の深さを算出することで、工作物の研削焼け深さを算出するようにしてもよい。
つまり、研削焼け深さ算出部は、まず、工作物の深さZにおける最高温度θw,max(Z)を算出する。そして、予め設定された温度しきい値θより大きい最高温度θw,max(Z)を示す工作物の深さZのうち、最も深い工作物の深さZ1を算出する。つまり、ここで求められる深さZ1は、θw,max(Z)>θを満たす最大のZである。
この温度しきい値θを研削焼けと判定する温度に設定することで、算出されたZ1が研削焼け深さとして算出される。研削焼けは研削加工(熱)に起因する工作物の金属組織変化とみなせるため、温度しきい値θを工作物の金属組織特性に基づいて決定してもよい。
研削焼けの具体例として、焼入れ、再焼入れ、および、焼き戻し等が挙げられる。例えば、再焼入れ層や焼き戻し層は、焼入れ鋼を研削加工した際に、工作物表面近傍に現れることがある。また、焼入れ層は、生材を研削加工した際に現れることがある。
ここで、温度しきい値θを焼入れ(再焼入れ)を判定する温度に設定することで、算出された深さZ1を、工作物の焼入れまたは再焼入れ深さとして判定させることができる。つまり、温度しきい値は、工作物における焼入れまたは再焼入れの深さを判定する温度に設定されてもよい。
また同様に、温度しきい値θを焼き戻しを判定する温度に設定することで、算出された深さZ1を、工作物の焼き戻し深さとして判定させることができる。つまり、温度しきい値は、工作物における焼き戻しの深さを判定する温度に設定されてもよい。なお、温度しきい値θを複数設定することも可能である。例えば、焼入れまたは再焼入れを判定する温度しきい値θ1と共に、焼き戻しを判定する温度しきい値θ2を設定してもよい。
ここで、このシミュレーション部において、研削焼け深さ算出部は、研削加工において研削点周辺が冷却される場合、さらに、冷却により低下する工作物の各深さにおける低下温度を算出し、全研削熱エネルギー、分配割合R、および、当該低下温度に基づいて、工作物の各深さにおける最高温度を算出することが好ましい。
研削加工において、例えばクーラント等により、研削点周辺を冷却しながら研削加工する場合がある。この場合、研削焼け深さを算出するにあたり、クーラント等による冷却効果を考慮することで、より正確な研削焼け深さが算出できる。つまり、このシミュレーション部によれば、より一層正確な研削焼け深さを算出することができる。
以上、本発明の研削加工条件決定装置において、シミュレーション部が上記演算によってより正確な研削焼け深さを算出することができるため、目的により適合した研削加工条件を決定できる。
一方、シミュレーション部がデータベースを用いて研削焼け深さを算出する場合、シミュレーション部は、予め上記演算または試作評価等で集計したデータベースを備える。このデータベースに、研削加工条件(工作物の回転数、砥石の回転数、および、相対移動速度)を入力して参照すると、当該研削加工条件における研削焼け深さが算出される。つまり、この場合、シミュレーション部は、「研削加工条件と研削焼け深さの関係」を予めデータベースとして備えている。この場合であっても、シミュレーション部は、工作物の回転数、砥石の回転数、および、相対移動速度に基づいて、工作物の研削焼け深さを算出する。
ところで、本発明の研削加工条件決定装置は、以下の研削加工条件決定方法を行っているともいえる
なわち、本発明の研削加工条件決定方法は、研削加工において研削加工条件を決定する研削加工条件決定方法であって、工作物の第一回転数、砥石の第一回転数、および、第一相対移動速度に基づいて、粗研削加工における工作物の研削焼け深さを算出する第一のシミュレーション工程と、少なくとも第一のシミュレーション工程で算出される粗研削焼け深さに相当する仕上げ取代と第二相対移動速度とに基づいて算出される仕上げ研削加工時間と、予め決定された初期径および最終径と仕上げ取代と第一相対移動速度とに基づいて算出される粗研削加工時間と、の合計である総研削加工時間を第一の目的関数として、第一の目的関数が最小となる工作物の第一回転数、砥石の第一回転数、第一相対移動速度、および、中間径を算出する第一研削加工条件算出工程とを備えることを特徴とする。
また、上記方法の第一のシミュレーション工程の前に、さらに、工作物の第二回転数、砥石の第二回転数、および、第二相対移動速度に基づいて、仕上げ研削加工における工作物の研削焼け深さを算出する第二のシミュレーション工程と、第二のシミュレーション工程で算出される工作物の研削焼け深さが所定値以下であることを制約条件とし、仕上げ研削加工における工作物の単位深さ当たりの研削加工時間を第二の目的関数として、第二の目的関数が最小となる工作物の第二回転数、砥石の第二回転数、および、第二相対移動速度を算出する第二研削加工条件算出工程とを備えてもよい。
つまり、第一研削加工条件算出工程では、第二研削加工条件算出工程で算出された「工作物の第二回転数、砥石の第二回転数、および、第二相対移動速度」を用いて「工作物の第一回転数、砥石の第一回転数、第一相対移動速度、および、中間径」を算出される。
なお、本発明の研削加工条件決定装置において、第一のシミュレーション部と第二のシミュレーション部とは、1つのシミュレーション部であってもよい。つまり、シミュレーション部は、工作物の回転数、砥石の回転数、および、相対移動速度に基づいて、工作物の研削焼け深さを算出するため、1つのシミュレーション部で第一および第二のシミュレーション部の機能を満たす。また、第一の研削加工条件算出部と第二の研削加工条件算出部とが、1つの研削加工算出部で行われるようにしてもよい。この場合、1つの研削加工算出部が、第二研削加工条件算出工程から第一研削加工条件算出工程へと連続的に行うようにすればよい。
本発明の研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法によれば、研削加工時間および研削焼けを考慮した最適な研削加工条件を自動的に決定できる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、研削装置2と研削加工条件決定装置1を示す模式図である。
まず、研削装置2の概略について説明する。図1に示すように、研削装置2は、砥石21と、砥石台22と、主軸台23と、制御盤24とを備えている。砥石21は、大量の砥粒により円盤状に形成され、砥石台22に砥石軸回りに回転可能に軸支されている。砥石台22は、制御盤24からの指令により、砥石21を砥石軸回りに回転させる。砥石台22は、制御盤24からの指令により、砥石21をその砥石軸方向、および、図1の左右方向(送り方向)に移動させる。
主軸台23は、工作物3を主軸回りに回転可能に軸支し、制御盤24からの指令により工作物3を主軸回りに回転させる。制御盤24は、砥石台22および主軸台23に指令し、砥石21と工作物3との相対位置、および、砥石21および工作物3それぞれの回転速度を制御する。なお、工作物3がカム形状や偏心形状の場合には、制御盤24は、工作物3の回転角制御も行う。
つまり、研削装置2は、主軸台23により回転駆動される工作物3の周面に、砥石台22により回転駆動される砥石21の周面を接触させて、工作物3の周面を研削する研削加工を行う装置である。なお、図示しないが、研削装置2には、研削点P周辺をクーラントにより冷却する冷却装置が備えられている。
また、本実施形態においては、主軸台23の位置が固定されており、砥石台22を移動させて「送り」としている。つまり、ここでは、砥石21の送り速度(切り込み速度)が、砥石21と工作物3との相対移動速度(砥石21の回転軸心と工作物3の回転軸心との相対移動速度ともいえる)となる。ただし、本発明は上記に限られず、例えば、砥石21の回転軸心を固定し、工作物3を移動させ「送り」としたものであってもよい。この場合、相対移動速度は、工作物3の送り速度となる。また、両回転軸心が移動するものであってもよく、この場合、相対移動速度は、砥石21の送り速度と工作物3の送り速度との相対速度となる。
次に、研削加工条件決定装置1について説明する。図1に示すように、研削加工条件決定装置1は、シミュレーション部11と、研削加工条件算出部12とを備えている。
<シミュレーション部11について>
シミュレーション部11は、図1に示すように、熱エネルギー算出部111と、分配割合算出部112と、研削焼け深さ算出部113とを備えている。換言すると、シミュレーション部11は、熱エネルギー算出部111による熱エネルギー算出工程、分配割合算出部112による分配割合算出工程、研削焼け深さ算出部113による研削焼け深さ算出工程の順に各工程を実行している。
シミュレーション部11は、入力等された指令値(工作物3の径D、工作物3の回転数Sw、砥石21の回転数Ss、および、相対移動速度Vf(砥石21の送り速度))に基づいて、工作物3の研削焼け深さを算出する。
以下、シミュレーション部11の各部について図2および図3を参照して説明する。図2は、研削加工における研削点Pの微視的模式図である。図3は、シミュレーション部11の実行フローチャートを示す図である。
熱エネルギー算出部111は、式(1)に示すように、研削点Pにおける工作物3に対する砥石21の相対速度と、研削抵抗Fの接線方向成分F(以下、研削抵抗Fと称する)とを乗算し、研削加工による全研削熱エネルギーQを算出する。ここで、Vは研削点Pにおける砥石21の周速度であり、vは研削点Pにおける工作物3の周速度である。周速度は、径と回転数に基づいて算出できる。なお、式(1)は、アップカットの場合であり、ダウンカットの場合、相対速度は(V−v)となる。
研削抵抗Fは、作業者等が入力(設定)する値であってもよく、または演算により算出される値であってもよい。研削抵抗Fを演算によって算出する場合、熱エネルギー算出部111は、研削能率と研削特性とに基づいて研削抵抗Fを算出する。研削能率は、1秒間に砥石幅1mm当たりに砥石21により研削される工作物3の体積である「mm/(mm・s)」。また、研削特性とは、工作物3の材料および砥石21の周面の状態に基づいて決定される値である。研削能率と研削抵抗Fは比例関係にあり、比例係数が研削特性となる。
具体的には、研削能率に研削特性を乗算した値が研削抵抗Fとなり、この研削抵抗の研削点Pにおける接線方向成分を求めることにより研削抵抗Fが算出される。本実施形態では、指令値(工作物の径D、工作物の回転数Sw、砥石の回転数Ss、および、相対移動速度Vf(砥石の送り速度))から予め演算された研削抵抗Ftをデータベースとして備えている。そして、図3に示すように、S501で入力された指令値から、データベースを用いて研削抵抗Fを算出している(S502)。
ここで、図2に示すように、研削加工を微視的に見ると、研削加工により発生する研削熱エネルギーは、せん断面41における塑性変形、すくい面42における砥粒21aと切粉3aの摩擦、および、逃げ面43における砥粒21aと工作物3の摩擦により生じるといえる。つまり、熱エネルギー算出部111は、せん断面41、すくい面42、および、逃げ面43で発生する研削熱エネルギーの合計である全研削熱エネルギーQを算出している(S503)。
分配割合算出部112は、全研削熱エネルギーQのうち、工作物3が受ける熱エネルギーの分配割合Rを算出する。図2に示すように、せん断面41で発生する研削熱エネルギーは工作物3と切粉3aに分配され、すくい面42で発生する研削熱エネルギーは砥粒21aと切粉3aに分配され、逃げ面43で発生する研削熱エネルギーは工作物3と砥粒21aに分配される。従って、工作物3は、すくい面42を除いて、せん断面41および逃げ面43から、熱エネルギーを分配される。
そこで、工作物3が受ける熱エネルギーの分配割合Rは、式(2)に示すように、せん断面41における研削熱エネルギーのうち工作物3が受ける熱エネルギーの分配割合Rw1と、逃げ面43における研削熱エネルギーのうち工作物3が受ける熱エネルギーの分配割合Rw2とを用いて表すことができる。
ここで、αは砥粒すくい角であり、φはせん断角であり、Ftcは切粉における接線抵抗であり、Fncは切粉における法線抵抗であり、Ftslは逃げ面における接線抵抗である。
(Ftc,Fnc,α,φ)は、せん断面41において生じる、相対速度(V+v)に対する抵抗成分を表す関数である。つまり、f(Ftc,Fnc,α,φ)は、せん断面41における研削熱エネルギー(せん断速度×せん断抵抗)を、相対速度(V+v)と抵抗成分との乗算で表したときの当該抵抗成分を表す関数である。せん断抵抗およびせん断速度は、切粉における接線抵抗Ftc、切粉における法線抵抗Fnc、砥粒すくい角α、および、せん断角φを用いて表すことができる。分配割合算出部112は、式(2)により、分配割合Rを算出する(S504)。
なお、分配割合Rw1およびRw2は、Jaegerの移動熱源の理論(J.C.Jaeger:Proceedings of Royal Society of New South Wales,vol.76,(1942)203)を用いて式(3)、(4)で表すことができる。式(3)は、本願発明者が、上記移動熱源の理論を用いて見出した式である。なお、式(4)も、上記移動熱源の理論を用いて見出された式である(高沢孝哉:精密機械,vol.30,no.12,(1964)914)。
は逃げ面の長さであり、gは最大砥粒切り込み深さであり、Kは工作物の温度伝達率である。また、kは工作物の熱伝導率であり、kは砥粒の熱伝導率である。f(α,φ)は、「せん断速度」に対する「相対速度(V+v)のせん断面41法線方向成分」の割合を表す関数である。なお、砥粒すくい角α、せん断角φ、および、逃げ面の長さlなどは、砥石21表面の観測結果等に基づいて見積もられた値を用いている。
研削焼け深さ算出部113は、まず、算出された全研削熱エネルギーQおよび分配割合Rに基づいて、工作物3の温度を算出する。すなわち、全研削熱エネルギーQと分配割合Rとを乗算することにより、研削加工により工作物3が受ける全熱エネルギーを求めることができる(S505)。
そして、式(5)に示すように、この全熱エネルギー(R×Q)から、工作物3に対する熱流束q(単位接触面積当たりの熱エネルギー)が求まる。lは接触弧長であり、bは工作物3の幅(主軸方向の長さ)である。
ここで、上記移動熱源の理論を用いると、式(6)に示すように、工作物3の位置(X,Z)における温度θ(X,Z)を求めることができる。なお、座標Xは、工作物3の研削点Pの接線上の位置を示している。また、座標Zは、工作物3の研削点Pと、工作物3の中心点とを通る直線上の位置を示している。つまり、座標Zは、工作物3の深さを示している。

は第2種0次の修正ベッセル関数であり、erfは誤差関数であり、erfcは補誤差関数である。式(6)の第一項では、工作物3が受ける全熱エネルギーによる工作物3の各位置における上昇温度を算出している。式(6)の第二項では、クーラントの冷却効果により低下する工作物3の各位置における低下温度を算出している。式(6)の第三項、すなわち、θw0(X,Z)は、工作物3の各位置における初期温度である。
なお、工作物温度の理論設定においては、高温、微小である研削点温度が瞬時に周囲に伝導されて巨視的温度分布を形成すると考え、接触弧内の温度分布として検討している。また、X、Z、接触弧長L、および、対流熱伝達係数Hは、式(7)に示すように、無次元量である。hは、クーラントの対流熱伝達係数である。
このように、研削焼け深さ算出部113は、式(6)により、まず、工作物3の各位置(X,Z)における温度θ(X,Z)を算出する(S506)。これにより、工作物3の温度分布が算出される。
そして、研削焼け深さ算出部113は、算出した温度θ(X,Z)に基づいて、工作物3の各深さにおける最高温度θw,max(Z)を算出する(S507)。工作物3の深さZにおける温度θ(Z)は、工作物3の周方向において均一とは限らない。そこで、各深さにおける最高温度θw,max(Z)を求める。
ここで、上記最高温度算出結果は、一例として、図4に示すようになる。図4は、研削焼け深さ算出部113において算出された工作物3の最高温度と深さの関係を示す図である。縦軸が最高温度(℃)であり、横軸が工作物表面からの深さ(μm)である。図4に示す算出結果は、研削能率が20(mm/(mm・s))、砥石21の周速度が120(m/s)、工作物3の径が68(mm)、クーラント流量が30(L/min)、工作物3の周速度が0.53(m/s)と1.77(m/s)の場合における算出結果である。
図4に示すように、研削焼け深さ算出部113によれば、工作物3の各深さにおける最高温度が算出される。工作物3の周速度が1.77(m/s)である方が、0.53(m/s)よりも、各深さにおける最高温度が小さくなっている。研削能率が一定の下では、工作物3の周速度が大きい方が、相対移動速度(砥石21の送り速度)Vfが小さくてすむ。つまり、工作物3の周速度が1.77(m/s)の方が、速く薄く研削加工されている。これは、研削加工の一般的な知見として、「同体積を同時間で研削加工する場合は、速く薄く研削すると焼けにくい」という経験則と定性的に一致している。
そして、研削焼け深さ算出部113は、予め設定された温度しきい値θ1より大きい最高温度θw,max(Z)を示す工作物3の深さZのうち、最も深い工作物3の深さZ1を算出する(S508)。つまり、ここで求められる深さZ1は、式(8)に示す条件を満たす最大のZである。

この温度しきい値θ1は研削焼けを判定する温度に設定されており、研削焼け深さ算出部113は、深さZ1を研削焼け深さとして算出する(S509)。温度しきい値θ1は、工作物3の金属組織特性に基づいて決定されている。本実施形態において、温度しきい値θ1は、研削焼けのうち「焼き戻し」を判定する温度に設定されている。このように、研削焼け深さ算出部113は、工作物3の研削焼け深さZ1を算出する。
なお、本実施形態では、別の温度しきい値θ2も設定されている。この温度しきい値θ2は、温度しきい値θ1より大きい値であり(θ2>θ1)、研削焼けのうち「焼入れ」または「再焼入れ」を判定する温度に設定されている。つまり、本実施形態では、温度しきい値θ1より大きい温度を研削焼けと判定した上で、θ1<θ<θ2となる温度θを「焼き戻し」、θ2≦θとなる温度θを「焼入れ」または「再焼入れ」と判定することもできる。これにより、研削焼け深さ算出部113は、式(9)に示す条件を満たす最大のZを、工作物3の焼入れ(再焼入れ)深さとして算出することもできる。
以上、シミュレーション部11は、熱エネルギー算出部111が全研削熱エネルギーQを算出し、分配割合算出部112が分配割合Rwを算出し、研削焼け深さ算出部113が全研削熱エネルギーQおよび分配割合Rに基づいて研削焼け深さZ1を算出することで、工作物3の研削焼け深さを算出する。シミュレーション部11によれば、せん断面41、すくい面42、逃げ面43、および、クーラントを考慮しており、より正確な研削焼け深さを算出することができる。
なお、図3に示すS505〜S509は、あらゆる組合せ(Q,R)に対して予め上記各式により演算された値をデータベースとして備え、そのデータベースから算出するようにしてもよい。例えば、S503で算出された全研削熱エネルギーQとS504で算出された分配割合Rとから、(Q,R)に適合するデータベースの値を研削焼け深さとしてもよい。
また、S505およびS506を温度算出部が行うこととして、S501〜S506までのシミュレーション装置ともできる。この場合、シミュレーション装置は、工作物3の温度を算出する。
<研削加工条件算出部12について>
研削加工条件算出部12について、図1、図5、および、図6を参照して説明する。図5は、仕上げ研削加工条件算出部121の実行フローチャートを示す図である。図6は、粗研削加工条件算出部122の実行フローチャートを示す図である。研削加工条件算出部12は、図1に示すように、仕上げ研削加工条件算出部121(本発明における「第二の研削加工条件算出部」に相当する)と、粗研削加工条件算出部122(本発明における「第一の研削加工条件算出部」に相当する)とを備えている。
まず、仕上げ研削加工条件算出部121について説明する。なお、粗研削加工前の工作物3の径を初期径D1、粗研削加工後で仕上げ研削加工前の工作物3の径を中間径D1e、および、仕上げ研削加工後の工作物3の径を最終径D2とする。また、粗研削加工における工作物3の回転数を工作物の第一回転数Sw1、砥石21の回転数を砥石の第一回転数Ss1、および、砥石21の回転軸心と工作物3の回転軸心との相対移動速度を第一相対移動速度Vf1とする。また、仕上げ研削加工における工作物3の回転数を工作物の第二回転数Sw2、砥石21の回転数を砥石の第二回転数Ss2、および、上記相対移動速度を第二相対移動速度Vf2とする。なお、本実施形態において、第一相対移動速度Vf1は、粗研削加工における砥石21の送り速度に相当し、第二相対移動速度Vf2は、仕上げ研削加工における砥石21の送り速度に相当する。
図5に示すように、仕上げ研削加工条件算出部121では、まず、作業者等により工作物3の最終径D2、第二回転数Sw2、Ss2、および、第二相対移動速度Vf2が入力される(S601)。
そして、入力情報(D2、Sw2、Ss2、および、Vf2)がシミュレーション部11に送信される。シミュレーション部11は、送信された情報に基づいて研削焼け深さδ2(D2,Sw2,Ss2,Vf2)(以下、δ2と略称する)を算出する。つまり、研削焼け深さδ2は、シミュレーション部11が算出する値であり、仕上げ研削加工で生じると推定される研削焼けの深さである。
ここで、目的関数をF2=1/Vf2とし、変数をSw2、Ss2、および、Vf2とし、制約条件をδ2=0、Sw2a<Sw2<Sw2b、Ss2a<Ss2<Ss2b、および、Vf2a<Vf2<Vf2bとした演算を実行する(S602)。目的関数F2は、単位深さ当たりの研削加工時間に相当する。
Sw2aは工作物の第二回転数の最小値であり、Sw2bは工作物の第二回転数の最大値である。Ss2aは砥石の第二回転数の最小値であり、Ss2bは砥石の第二回転数の最大値である。Vf2aは仕上げ研削加工における砥石の送り速度の最小値であり、Vf2bは仕上げ研削加工における砥石の送り速度の最大値である。
S602では、入力情報のうち変数(Sw2、Ss2、および、Vf2)を更新し、変数に応じてシミュレーション部11が研削焼け深さδ2を算出する。つまり、変数が更新される毎に、シミュレーション部11で研削焼け深さδ2が算出される。そして、研削焼け深さδ2が0となるSw2、Ss2、および、Vf2を算出する。そして、算出されたVf2を用いて、目的関数F2を算出する。
続いて、算出された目的関数F2が例えば最小自乗法を用いて最小であるか否かを判定する(S603)。目的関数F2が最小でない場合(S603:No)、Sw2、Ss2、および、Vf2を更新し(S604)、再度S602を行う。これは、目的関数F2が最小となるまで繰り返される。
目的関数F2が最小の場合(S603:Yes)、算出されたVf2に安全率β2を乗算し、その値をVf2とする(S605)。安全率β2は、0より大きく1以下(0<β2≦1)の値である。安全率は、工作物3の材質が均一でない場合等を考慮して、相対移動速度(砥石の送り速度)を小さくするために用いられる。
そして、算出されたSw2、Ss2、および、Vf2(=β2×Vf2)を仕上げ研削加工条件として確定する(S606)。仕上げ研削加工条件算出部121で確定された仕上げ研削加工条件(Sw2、Ss2、および、Vf2)は、粗研削加工条件算出部122に送信される(A)。
すなわち、仕上げ研削加工条件算出部121は、シミュレーション部11で算出される工作物3の研削焼け深さδ2が0であることを制約条件とし、研削加工における工作物3の単位深さ当たりの研削加工時間を目的関数F2として、その目的関数F2が最小となる工作物の第二回転数Sw2、砥石の第二回転数Ss2、および、第二相対移動速度Vf2を算出する。この仕上げ研削加工条件算出部121で算出された仕上げ研削加工条件によれば、工作物3に研削焼けを生じさせず、且つ、単位研削加工時間を最小とする。
次に、粗研削加工条件算出部122について説明する。図6に示すように、まず、作業者等により工作物3の初期径D1、第一回転数Sw1、Ss1、および、第一相対移動速度Vf1が入力される(S701)。なお、これらの入力情報は、仕上げ研削加工条件算出部121(図5のS601)で入力されていてもよい。
そして、入力情報(D1、Sw1、Ss1、および、Vf1)がシミュレーション部11に送信される。シミュレーション部11は、送信された情報に基づいて研削焼け深さδ1(D1,Sw1,Ss1,Vf1)(以下、δ1と略称する)を算出する。つまり、研削焼け深さδ1は、シミュレーション部11が算出する値であり、粗研削加工で生じると推定される研削焼けの深さである。
ここで、目的関数を式(10)とし、変数をSw1、Ss1、および、Vf1とし、制約条件をSw1a<Sw1<Sw1b、Ss1a<Ss1<Ss1b、および、Vf1a<Vf1<Vf1bとした演算を実行する(S702)。
Sw1aは工作物の第一回転数の最小値であり、Sw1bは工作物の第一回転数の最大値である。Ss1aは砥石の第一回転数の最小値であり、Ss1bは砥石の第一回転数の最大値である。Vf1aは粗研削加工における砥石の送り速度の最小値であり、Vf1bは粗研削加工における砥石の送り速度の最大値である。
式(10)の第1項において、分子は研削焼け深さδ1であり、分母は仕上げ研削加工条件算出部121で算出された第二相対移動速度Vf2である。つまり、式(10)の第1項は、粗研削加工で生じる研削焼けを仕上げ研削加工で除去するのに要する時間を表している。換言すると、式(10)の第1項では、仕上げ研削加工で除去する取代(工作物3の深さ量)(以下、「仕上げ取代」とも称する)が研削焼け深さδ1に相当するとし、当該時間を仕上げ研削加工に要する時間(仕上げ研削加工時間)としている。
式(10)の第2項は、分子が粗研削加工で除去される取代であり、分母が第一相対移動速度Vf1である。つまり、式(10)の第2項は、粗研削加工に要する時間(粗研削加工時間)を表している。すなわち、目的関数F1である式(10)は、仕上げ研削加工時間と粗研削加工時間の合計である総研削加工時間を表している。S702では、目的関数F1が算出され、その目的関数F1となる変数が算出される。
続いて、図6に示すように、S702で算出された目的関数F1が例えば最小自乗法を用いて最小であるか否かが判定される(S703)。目的関数F1が最小でない場合(S703:No)、Sw1、Ss1、および、Vf1を更新し(S704)、再度S702を行う。これは、目的関数F1が最小となるまで繰り返される。
目的関数F1が最小の場合(S703:Yes)、その目的関数F1となる変数に基づいて工作物3の中間径D1eを決定する(S705)。つまり、中間径D1eは、最終径D2に、2倍の研削焼け深さ2δ1(直径計算)を加えた値となる(D1e=D2×2δ1)。
そして、算出されたVf1に安全率β1を乗算し、その値をVf1とする(S705)。安全率β1は、0より大きく1以下(0<β1≦1)の値である。そして、算出されたSw1、Ss1、および、Vf1(=β1×Vf1)を粗研削加工条件として確定する(S706)。粗研削加工条件算出部122は、工作物の第一回転数Sw1、砥石の第一回転数Ss1、第一相対移動速度Vf1、および、中間径D1eを算出する。
すなわち、粗研削加工条件算出部122は、シミュレーション部11で算出される研削焼け深さδ1に相当する仕上げ取代と第二相対移動速度Vf2とに基づいて算出される仕上げ研削加工時間と、予め決定された初期径D1および最終径D2と仕上げ取代と第一相対移動速度Vf1とに基づいて算出される粗研削加工時間と、の合計である総研削加工時間を目的関数F1として、目的関数F1が最小となる工作物の第一回転数Sw1、砥石の第一回転数Ss1、第一相対移動速度Vf1、および、中間径D1eを算出する。
研削加工条件算出部12は、入力情報から、仕上げ研削加工条件算出部121で仕上げ研削加工条件を自動的に算出し、粗研削加工条件算出部122で粗研削加工条件を自動的に算出する。ここで算出された研削加工条件によれば、総研削加工時間が最小となると共に、粗研削加工で生じる研削焼けを仕上げ研削加工で除去することができる。さらに、仕上げ研削加工は、研削焼けが生じず、且つ、単位研削加工時間が最小となる研削加工条件で行われる。つまり、研削加工後(最終径D2)の工作物3には、研削焼けが残らない。すなわち、最適な研削加工条件が自動的に決定される。
研削加工条件決定装置1は、算出された研削加工条件(仕上げ研削加工条件および粗研削加工条件)を制御盤24に送信する。制御盤24は、送信された研削加工条件に基づいて、砥石台22および主軸台23に指令を出す。つまり、研削装置2は、研削加工条件決定装置1で決定された研削加工条件に基づいて、粗研削加工および仕上げ研削加工を行う。これにより、作業者の経験や勘に頼ることなく、工作物3に研削焼けを残さず、且つ、研削加工時間の短縮が可能となる。つまり、製品精度および生産効率を向上させることができる。
なお、研削加工条件決定装置1は、研削加工前でも、研削加工中でも実行可能である。研削加工中に行った場合、研削加工の途中で研削加工条件を変更したり、研削装置2における研削加工を停止させることもできる。
また、研削加工条件決定装置1は、制御盤24内に組み込まれていてもよい。また、研削加工条件決定装置1の機能をパーソナルコンピュータ(PC)で実現し、研削装置2とネットワーク接続してもよい。当然、研削装置2に接続せず、研削加工条件を算出する装置とすることもできる。
また、シミュレーション部11は、入力情報に対する研削焼け深さを予めデータベースとして備えるものでもよい。つまり、シミュレーション部11は、工作物の回転数、砥石の回転数、および、相対移動速度に基づいて、研削焼け深さを算出するものであればよい。例えば、データベースは、上記算出方法により予め演算されたものや、試作評価(実測)によるものでもよい。
研削装置2と研削加工条件決定装置1を示す模式図である。 研削加工における研削点Pの微視的模式図である。 シミュレーション部11の実行フローチャートを示す図である。 研削焼け深さ算出部113において算出された工作物3の最高温度と深さの関係を示す図である。 仕上げ研削加工条件算出部121の実行フローチャートを示す図である。 粗研削加工条件算出部122の実行フローチャートを示す図である。
符号の説明
1:研削加工条件決定装置、
11:シミュレーション部、
111:熱エネルギー算出部、112:分配割合算出部、113:研削焼け深さ算出部、
12:研削加工条件算出部、
121:仕上げ研削加工条件算出部、122:粗研削加工条件算出部、
2:研削装置、21:砥石、22:砥石台、23:主軸台、24:制御盤、
21a:砥粒、
3:工作物、3a:切粉、
41:せん断面、42:すくい面、43:逃げ面、P:研削点

Claims (11)

  1. 回転駆動される工作物の周面に、回転駆動される砥石の周面を接触させて、前記工作物の周面を研削する研削加工において、研削加工条件を決定する研削加工条件決定装置であって、
    前記研削加工として粗研削加工および仕上げ研削加工を行う場合において、前記粗研削加工前の前記工作物の径を初期径、前記粗研削加工後で前記仕上げ研削加工前の前記工作物の径を中間径、および、前記仕上げ研削加工後の前記工作物の径を最終径とし、前記粗研削加工における前記工作物の回転数を前記工作物の第一回転数、前記砥石の回転数を前記砥石の第一回転数、および、前記砥石と前記工作物との相対移動速度を第一相対移動速度とし、前記仕上げ研削加工における前記工作物の回転数を前記工作物の第二回転数、前記砥石の回転数を前記砥石の第二回転数、および、前記相対移動速度を第二相対移動速度とし、
    前記工作物の第一回転数、前記砥石の第一回転数、および、前記第一相対移動速度に基づいて、前記粗研削加工における前記工作物の研削焼け深さを算出する第一のシミュレーション部と、
    前記第一のシミュレーション部で算出される粗研削焼け深さ以上に設定される仕上げ取代と前記第二相対移動速度とに基づいて算出される仕上げ研削加工時間と、予め決定された前記初期径および前記最終径と前記仕上げ取代と前記第一相対移動速度とに基づいて算出される粗研削加工時間と、の合計である総研削加工時間を第一の目的関数として、前記第一の目的関数が最小となる前記工作物の第一回転数、前記砥石の第一回転数、前記第一相対移動速度、および、前記中間径を算出する第一の研削加工条件算出部と、
    を備えることを特徴とする研削加工条件決定装置。
  2. 前記工作物の第二回転数、前記砥石の第二回転数、および、前記第二相対移動速度に基づいて、前記仕上げ研削加工における前記工作物の研削焼け深さを算出する第二のシミュレーション部と、
    前記第二のシミュレーション部で算出される前記工作物の研削焼け深さが所定値以下であることを制約条件とし、前記仕上げ研削加工における前記工作物の単位深さ当たりの研削加工時間を第二の目的関数として、前記第二の目的関数が最小となる前記工作物の第二回転数、前記砥石の第二回転数、および、前記第二相対移動速度を算出する第二の研削加工条件算出部と、
    を備える請求項に記載の研削加工条件決定装置。
  3. 前記シミュレーション部は、
    研削点における前記工作物に対する前記砥石の相対速度と研削抵抗とに基づいて、せん断面における研削熱エネルギー、すくい面における研削熱エネルギー、および、逃げ面における研削熱エネルギーの合計である全研削熱エネルギーを算出する熱エネルギー算出部と、
    前記全研削熱エネルギーにおける前記工作物が受ける熱エネルギーの分配割合Rを算出する分配割合算出部と、
    前記全研削熱エネルギーおよび前記分配割合Rに基づいて、前記工作物の研削焼け深さを算出する研削焼け深さ算出部と、
    を備える請求項1または2に記載の研削加工条件決定装置。
  4. 前記分配割合算出部は、前記分配割合Rを、前記せん断面における研削熱エネルギーのうち前記工作物が受ける熱エネルギーの分配割合Rw1、および、前記逃げ面における研削熱エネルギーのうち前記工作物が受ける熱エネルギーの分配割合Rw2に基づいて算出する請求項に記載の研削加工条件決定装置。
  5. 前記熱エネルギー算出部は、前記研削抵抗を、研削能率と、前記工作物の材料および前記砥石の周面の状態に基づいて決定される研削特性と、に基づいて算出する請求項3または4に記載の研削加工条件決定装置。
  6. 前記研削焼け深さ算出部は、前記全研削熱エネルギーおよび前記分配割合Rに基づいて、前記工作物の各深さにおける最高温度を算出し、
    予め設定された温度しきい値より大きい前記最高温度を示す前記工作物の深さのうち、最も深い前記工作物の深さを算出することで、前記工作物の研削焼け深さを算出する請求項3〜5の何れか一項に記載の研削加工条件決定装置。
  7. 前記温度しきい値は、前記工作物における焼入れまたは再焼入れの深さを判定する温度に設定される請求項に記載の研削加工条件決定装置。
  8. 前記温度しきい値は、前記工作物における焼き戻しの深さを判定する温度に設定される請求項に記載の研削加工条件決定装置。
  9. 前記研削焼け深さ算出部は、前記研削加工において前記研削点周辺が冷却される場合、さらに、冷却により低下する前記工作物の各深さにおける低下温度を算出し、
    前記全研削熱エネルギー、前記分配割合R、および、前記低下温度に基づいて、前記工作物の各深さにおける最高温度を算出する請求項6〜8の何れか一項に記載の研削加工条件決定装置。
  10. 回転駆動される工作物の周面に、回転駆動される砥石の周面を接触させて、前記工作物の周面を研削する研削加工において、研削加工条件を決定する研削加工条件決定方法であって、
    前記研削加工として粗研削加工および仕上げ研削加工を行う場合において、前記粗研削加工前の前記工作物の径を初期径、前記粗研削加工後で前記仕上げ研削加工前の前記工作物の径を中間径、および、前記仕上げ研削加工後の前記工作物の径を最終径とし、前記粗研削加工における前記工作物の回転数を前記工作物の第一回転数、前記砥石の回転数を前記砥石の第一回転数、および、前記砥石と前記工作物との相対移動速度を第一相対移動速度とし、前記仕上げ研削加工における前記工作物の回転数を前記工作物の第二回転数、前記砥石の回転数を前記砥石の第二回転数、および、前記相対移動速度を第二相対移動速度とし、
    前記工作物の第一回転数、前記砥石の第一回転数、および、前記第一相対移動速度に基づいて、前記粗研削加工における前記工作物の研削焼け深さを算出する第一のシミュレーション工程と、
    前記第一のシミュレーション工程で算出される粗研削焼け深さ以上に設定される仕上げ取代と前記第二相対移動速度とに基づいて算出される仕上げ研削加工時間と、予め決定された前記初期径および前記最終径と前記仕上げ取代と前記第一相対移動速度とに基づいて算出される粗研削加工時間と、の合計である総研削加工時間を第一の目的関数として、前記第一の目的関数が最小となる前記工作物の第一回転数、前記砥石の第一回転数、前記第一相対移動速度、および、前記中間径を算出する第一研削加工条件算出工程と、
    を備えることを特徴とする研削加工条件決定方法。
  11. 前記第一のシミュレーション工程の前に、さらに、
    前記工作物の第二回転数、前記砥石の第二回転数、および、前記第二相対移動速度に基づいて、前記仕上げ研削加工における前記工作物の研削焼け深さを算出する第二のシミュレーション工程と、
    前記第二のシミュレーション工程で算出される前記工作物の研削焼け深さが所定値以下であることを制約条件とし、前記仕上げ研削加工における前記工作物の単位深さ当たりの研削加工時間を第二の目的関数として、前記第二の目的関数が最小となる前記工作物の第二回転数、前記砥石の第二回転数、および、前記第二相対移動速度を算出する第二研削加工条件算出工程と、
    を備える請求項10に記載の研削加工条件決定方法。
JP2007255945A 2007-09-28 2007-09-28 研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法 Expired - Fee Related JP5262050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007255945A JP5262050B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007255945A JP5262050B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009083049A JP2009083049A (ja) 2009-04-23
JP5262050B2 true JP5262050B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=40657182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007255945A Expired - Fee Related JP5262050B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5262050B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106363488A (zh) * 2016-11-10 2017-02-01 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 主轴的复合运动参数选取方法、控制装置和复合运动系统
CN106457503A (zh) * 2014-05-23 2017-02-22 斯堪尼亚商用车有限公司 研磨工件的方法以及用于确定过程参数的方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5589717B2 (ja) * 2010-09-24 2014-09-17 株式会社ジェイテクト 研削方法および研削盤
JP5821613B2 (ja) * 2011-12-22 2015-11-24 株式会社ジェイテクト 研削異常監視方法および研削異常監視装置
CN106914796B (zh) * 2017-04-14 2019-01-08 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 主轴复合运动控制方法和主轴复合运动控制系统

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03104561A (ja) * 1989-09-19 1991-05-01 Komatsu Ltd 研削条件制御方法
JP2004114195A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Toyoda Mach Works Ltd 研削方法及び円筒研削盤

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106457503A (zh) * 2014-05-23 2017-02-22 斯堪尼亚商用车有限公司 研磨工件的方法以及用于确定过程参数的方法
CN106457503B (zh) * 2014-05-23 2020-05-19 斯堪尼亚商用车有限公司 研磨工件的方法以及用于确定过程参数的方法
CN106363488A (zh) * 2016-11-10 2017-02-01 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 主轴的复合运动参数选取方法、控制装置和复合运动系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009083049A (ja) 2009-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Savas et al. Analysis of the surface roughness of tangential turn-milling for machining with end milling cutter
JP5262050B2 (ja) 研削加工条件決定装置および研削加工条件決定方法
Zhang et al. Surface roughness optimization in an end-milling operation using the Taguchi design method
Sharma et al. Force evaluation and machining parameter optimization in milling of aluminium burr composite based on response surface method
Choudhury et al. Investigation of orthogonal turn-milling for the machining of rotationally symmetrical work pieces
da Silva et al. Particle swarm optimization for achieving the minimum profile error in honing process
JP2018153907A (ja) 研削加工シミュレーション装置及び方法
Ortega et al. Thermal analysis of creep feed grinding
Arruda et al. Integrated optimization using mixture design to confirm the finishing of AISI P20 using different cutting strategies and ball nose end mills
Jamshidi et al. Grinding temperature modeling based on a time dependent heat source
Cao et al. A study on the laser-assisted milling of 13-8 stainless steel for optimal machining
Huang et al. Effect of cutting conditions on tool performance in CBN hard turning
Stavropoulos et al. Hybrid manufacturing processes: an experimental machinability investigation of DED produced parts
Chen et al. A unified analytical cutting force model for variable helix end mills
Akhtar et al. A novel analytical algorithm for prediction of workpiece temperature in end milling
JP5262049B2 (ja) シミュレーション装置および研削焼け深さ算出方法
Yue et al. 3D FEM simulation of milling force in corner machining process
Sonawane et al. Modeling of chip geometry in ball-end milling of superalloy using strains in deformed chip (SDC) approach
Ding et al. Improving machinability of high chromium wear-resistant materials via laser–assisted machining
Jamshidi et al. A digital twin-based framework for selection of grinding conditions towards improved productivity and part quality
Pytlak Multicriteria optimization of hard turning operation of the hardened 18HGT steel
Schumann et al. Determination of the thermal load distribution in internal traverse grinding using a geometric-kinematic simulation
Zhao et al. Experiment and Modeling of Milling Force Based on Tool Edge Preparation
Conradie et al. Effect of milling strategy and tool geometry on machining cost when cutting titanium alloys
Mgwatu Integrated approach for optimising machining parameters, tool wear and surface quality in multi-pass turning operations.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5262050

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees