以下、本発明の実施形態について、プレイアイテムとしてカードフォルダのスリーブにカードが収納されたアイテムを用いるゲーム装置を例にして説明する。図1は、本発明の一実施形態であるカードゲーム装置の全体構成を示す斜視図、図2はこのカードゲーム装置において各プレイヤが操作する端末装置を示す斜視図である。なお、以下の説明においては、カードゲーム装置を戦闘ゲームに適用した場合について説明する。
図1及び図2に示すように、カードゲーム装置1は、1台または2台の大型パネルディスプレイ2と、この大型パネルディスプレイ2の表示制御を行なうメイン制御部3と、メイン制御部3と通信可能に接続された複数の端末装置4a〜4hとから構成される。端末装置4a〜4hの各1台は、本発明のゲーム装置になる。
大型パネルディスプレイ2には、ゲームのタイトル名称、ゲーム開始前に予め複数用意されている戦場を選択するための戦場マップ、戦闘結果の表示、等が表示される。
初めてゲームに参加するプレイヤPは、最初にゲームを行なうために必要なスターターパックを購入して端末装置4a〜4hの座席に着席する。このスターターパックには、ICカード5と、ゲームを実行するときのゲーム媒体、すなわちプレイアイテム6となる複数枚のカード50及びカードフォルダ60等が予めセットされている。以下の説明では、プレイアイテム6はカード50をカードフォルダ60のスリーブに収納したもの示す。カード50の材質は、プラスチックまたは硬質の紙製にすることが望ましい。
ICカード5は、プレイヤPの名前または愛称の記憶と、さらに、ゲーム実施の結果である戦績データ等を記録する記録媒体として使用される。さらに、ICカード5には、プレイヤPが1ゲームに使用することができるコストが予め記憶されている。そして、プレイヤPがゲームで勝利を獲得する等、一定の条件を満たすことで、この1ゲームに使用することができるコストの値に所定の値が加算されたコストがICカード5に記録されるようになっている。
また、ICカード5は、プレイヤPがゲームに参加する資格を有していることを確認する手段として用いられる。従って、プレイヤPは購入したICカード5を使用して初めてゲームを行なうときには、自分の名前または愛称を登録する操作を行なう。
端末装置4a〜4hは、それぞれ同一の構成からなっているので、図2に示す端末装置4aについて説明する。端末装置4aは、プレイヤPが所有するプレイアイテム6を載置するためのプレイフィールド7と、戦闘の演出画像等を表示する手段となる表示装置8と、ICカード5が挿入されるICカードリードライト装置9と、コイン投入装置9aと、1ゲームの実施に対応して、プレイヤPに新たなカード50を払い出すカード払出装置10とを備えている。なお、図2においては、ICカードリードライト装置9とコイン投入装置9aとを一体化したICカードリードライト装置9を示しているが、それぞれ別体の構造にしてもよい。コイン投入装置9aは、コイン投入口と投入されたコインを検出するセンサを有し、プレイヤPがゲームを開始するときにゲーム料金を徴収する手段となる。
本発明のゲーム装置は、これら端末装置4a〜4hを操作するプレイヤ同士間で、互いに相手を対戦者(プレイヤT)としてゲームを実施することが可能である。さらに、プレイヤPは自分が操作する端末装置4a等を対戦者としてゲームを実施することもできる。
プレイフィールド7の左側には、プレイヤPの名前入力や、大型パネルディスプレイ2あるいは表示装置8に表示されたメニューの選択時にカーソルを動かすために用いる複数種のセレクトボタン11が設けられている。また、プレイフィールド7の右側には、「攻撃実行」等を行なう際に押圧するアクションボタン、3種類の戦術ボタン等の各種のボタン(ボタンスイッチ)12が設けられている。この3種類の戦術ボタンは、ゲームの制御が戦闘モードに設定されたときに、プレイヤPに戦闘の戦術を「攻撃重視」、「機動重視」、「防御重視」のいずれか一つを選択させるためのボタンである。
図3は、カードゲーム装置1の作動を制御する制御システムのブロック図の一例を示す。メイン制御部3は、LAN(Local Area Network)13のハブ14を介して大型パネルディスプレイ2に各種の画像等を表示する制御を行なうための大型パネル制御部15と、各端末装置4a〜4hと、外部の通信ネットワーク(図示せず)と接続されている。
大型パネル制御部15は、CPU16、記憶手段(メモリ)であるRAM17、入出力インタフェース18、サウンド回路19、グラフィック表示回路20等を有する制御基板から構成されている。RAM17には、大型パネルディスプレイ2に表示される各種の画像データ、表示装置8に表示させる画像データの一部あるいは全てのデータ、及びこれらの画像データを選択して優先順位を決めて順次表示させる制御を行なう画像出力制御プログラムが格納されている。
入出力インタフェース18は、ハブ14を介してメイン制御部3に接続されると共に、大型パネルディスプレイ2を操作するためのスイッチ類21、及び補助(外部)記憶装置としてのハードディスク装置45等が接続されている。サウンド回路19は、大型パネルディスプレイ2に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ(スピーカ)22に接続されている。なお、音声データ及びこの音声データをスピーカ22に出力するための音声出力制御プログラムもRAM17に記憶されている。グラフィック表示回路20は、CPU16からの制御信号により選択された画像を大型パネルディスプレイ2に表示させる回路等から構成されている。
端末装置4a〜4hは、CPU23、記憶手段(メモリ)であるRAM24、入出力インタフェース25、サウンド回路26、グラフィック表示回路27等を有する制御基板から構成されている。RAM24には、カードゲーム装置1によりゲームを実施するとき、ゲームの進行を制御するためのゲーム進行制御プログラム、及びプレイヤPがゲームを実施するときに使用可能なプレイアイテム6ごとに予め設定されている属性情報(パラメータ等)が記憶されている。
入出力インタフェース25は、メイン制御部3の他に、ICカードリードライト装置9、コイン投入装置9aのコイン検出センサ(図示せず)、タイマー9b、カード払出装置10、セレクトボタン11や各種のボタン12及び表示装置8を操作するためのスイッチ類、カード50及びカードフォルダ60の裏面に記憶されたカード情報及びカードフォルダ情報を読み取るためのイメージセンサ40、及び外部記憶装置としてのハードディスク装置46等が接続されている。なお、タイマー9bは経過時間をカウントする手段として用いるが、プログラムにより経過時間をカウントするソフトウエアタイマーを採用してもよい。
サウンド回路26は、表示装置8に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ(スピーカ)30に接続されている。なお、音声データ及びこの音声データをスピーカ30に出力するための音声出力制御プログラムもRAM24に記憶される。グラフィック表示回路27は、CPU23からの制御信号により選択された画像を表示装置8に表示させる。
図3に示す外部記憶装置としてのハードディスク装置45には、大型パネル制御部15の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、メイン制御部3の電源をオンすると、このプログラムがRAM17に読み込まれる。同様に、ハードディスク装置46には、端末装置4aの動作を制御するためのプログラム(ゲーム進行制御プログラム)が記憶されており、端末装置4aの電源をオンすると、このプログラムがRAM24に読み込まれる。なお、これらハードディスク装置45、46以外に、例えばCD−ROM等の外部記憶装置を使用して、メイン制御部3及び端末装置4aの電源をオンしたときに、CD−ROM等に記憶した上記プログラムをそれぞれRAM17、RAM24に読み込んで記憶(ロード)するようにしてもよい。
図4はプレイフィールド7を上方からみた平面図、図5はプレイフィールド7が取り付けられた筐体31の縦断面図である。図4、図5に示すように、プレイフィールド7は、筐体31の上面開口32を塞ぐように取り付けられた透明なガラス板33と、ガラス板33の上面に積層された薄いプレイフィールド用シート34とから構成されている。プレイフィールド用シート34は、例えば、ポリカーボネイト製、またはアクリル樹脂製のシートを使用することができる。
ゲームを行なう際には、このプレイフィールド用シート34の上面にプレイアイテム6が載置される。プレイヤPが、例えば、他の端末装置4bを操作する他のプレイヤTと対戦する場合には、それぞれの端末装置のプレイフィールド7(プレイフィールド用シート34)上に自分のプレイアイテム6を載置する。
筐体31の内部には、プレイフィールド7に載置されたプレイアイテム6の裏面に赤外線(不可視光)を照射する光源35と、光源35から発光された光から可視光を除去する第1フィルタ36と、プレイアイテム6のカード50及びカードフォルダ60の裏面で反射した反射光を上方へ反射させる第1反射板37と、第1反射板37で反射した反射光(不可視光)を下方へ反射させる第2反射板38と、第2反射板38で反射した反射光に含まれる外乱光(可視光)を除去する第2フィルタ39と、第2フィルタ39を通過した反射光からプレイフィールド7上に載置されたカード50及びカードフォルダ60の裏面に記録されたコードパターンを撮像して読み取るためのイメージセンサ40が取り付けられている。なお、光源35は、赤外線あるいは紫外線のような肉眼で見えない不可視光を発光する発光ダイオード(LED)等から構成される。光源35から可視光が発光されないときには第1フィルタ36を設ける必要はない。
第1反射板37は、水平に設けられたプレイフィールド7に対して所定の傾斜角度αで傾斜するように筐体31の下側傾斜部41に支持されている。また、第2反射板38は、第1反射板37の取付角度に応じた傾斜角度で取り付けられている。
筐体31は、下側傾斜部41を有するため、プレイヤPが着席したとき、プレイヤPの足を下側傾斜部41の下方に挿入させることができる。これにより、プレイヤPは、プレイフィールド7上にプレイアイテム6を並べる際にプレイフィールド7の奥の位置まで手を伸ばすことが可能になり、プレイフィールド7の全面のどこでもプレイアイテム6の載置と移動を行なうことができる。また、密閉された筐体31の内部からは、光源35から可視光をカットされた赤外線(不可視光)がプレイフィールド7に照射されているため、プレイフィールド7を上から見ても筐体31の内部を覗くことはできないようになっている。
本実施形態のカードゲーム装置1に使用するカード50は、図6に示すような複数のカテゴリに分類された複数種のカテゴリ名称を持つカードから構成される。この複数のカテゴリとしては、例えば、図6に示すように、メカカード、武器カード、カスタムカードの3種類から構成される。各カード50の表面には、カテゴリの名称、カード名称(メカ、武器、カスタムを表す名称等)、このカード名称に対応するイラスト、例えば、メカカードには戦闘に使用するメカ(ロボット、戦闘機等)のイラスト、武器カードには手持ち武器(ビームライフル、盾等)等のイラスト、カスタムカードには手持ち武器以外の特殊な効果のイラストが印刷されている。
図6において、カテゴリの名称を示すメカカードは、後述するユニットを編成する場合のメインプレイアイテムを構成するカード50になる。また、カテゴリの名称を示す武器カード及びカスタムカードは、サブプレイアイテムを構成するカード50になる。そして、例えば、戦闘ゲームを実行するときの準備ステップとして、プレイヤPは、まず、メインプレイアイテム単独又はメインプレイアイテムとサブプレイアイテムとを含む複数のカード50群から構成されるユニットを編成する。続いて、プレイヤPはこのメインプレイアイテム単独(プレイアイテム6)又はユニットを編成した複数のカード50群(プレイアイテム6)をプレイフィールド7上に載置して、これら編成したプレイアイテム6の裏面に記録されている固有の情報(カード情報とカードフォルダ情報の組み合わせ情報)を、記憶手段となるRAM24に登録(記憶)する操作を行なうことになる。なお、このユニットとは、戦闘ゲームにおいては、プレイヤPが編成したメカ、メカが装備する武器、カスタム効果等を一括りに纏めて表したものである。また、敵側部隊もユニットを編成することができる。なお、プレイヤPは、必ずしもプレイアイテム6としてユニットを編成する必要はなく、メカカード単独(1枚)でプレイアイテム6を構成しても良い。ただし、メカカードに装備させるカードである武器カード及びカスタムカードは、単独でプレイアイテム6を構成することはできない。
続いて、後記するユニットデータ作成手段は、RAM24に登録されたカード識別コードとカードフォルダ識別コードの組み合わせコードに基づいて、組み合わせコードに対応してRAM24に予め登録されている属性情報を検索し、これら組み合わせコードと属性情報とがメカカード単独又はユニットとして関連付けされたデータテーブルを作成して、RAM24に記憶する処理を行なう。
なお、プレイヤPが保有しているカード6から上記したユニットを編成するときには、例えば、メインプレイアイテムであるメカカードは必ず1枚含まれ、武器カードとカスタムカードの編成は任意とするが、一つのユニットを編成するカード50の合計枚数には上限、例えば、5枚以内とするようなユニット編成のルールを設定する。また、メカ単独及び編成して登録するユニットの数も、ユニット編成のルールにより、例えば、メカ単独を含めて最大5ユニットまでという上限を設定する。
そして、ゲームの実行、例えば、戦闘場面等においては、このユニットを構成するメインプレイアイテムであるメカカードがユニットを代表する操作用プレイアイテムとなる。すなわち、プレイヤPは、プレイフィールド7に載置されたユニットを構成するメインプレイアイテムであるメカカードを移動させると、そのメカカードに代表されるユニットが敵側のユニットと戦闘を行なうようにゲーム進行制御プログラムはゲームの進行を制御する。
さらに、図6に示すメカカード、武器カード及びカスタムカードは、それぞれのカテゴリごとに異なる数種のカード50が予め製作されて、ゲームに使用することが可能になっている。例えば、メカカードには、戦闘機、ロボット等、メカごとにカード50が製作されている。さらに、武器カードには、ビームライフル、盾等の複数種の武器カードが製作されている。また、複数種の武器カードのなかには、右手用、左手用、左右両手用等、武器使用時の条件を備えたカードも含まれている。また、図6に示すように、これらの各カテゴリに区分されたカード6には、予めカテゴリの種類を表すためのカテゴリコードが設定されている。
カテゴリごとに製作された複数種のカード50には、図7(a)に示すように、種別コードが付与されている。これらカテゴリコードと種別コードとで表されるカード識別コードが、カード50に予め記録されるカード情報になる。このカード50に予め記録されるカード情報(カード識別コード)は、ゲームで使用可能な全カード50の種類を識別するための情報となるものであり、後記するように、例えば、所定の桁数を有する2進数で表現できるようなコードパターンとしてカード50の裏面に印刷されている。そして、このコードパターンは、人間の目では認識できなくて、赤外線等の不可視光を照射すると認識できる顔料インクで印刷されている。なお、図7(a)に示すカード識別コードは、8ビットから構成される2進数で示している。
さらに、各カード50には、カードごとの特性、性能等を示す属性情報(パラメータ等)が予め設定されている。これらの属性情報は、該当するカード50のカード識別コードと共に端末装置4a〜4hのRAM24に予め数値、あるいはコード情報として記憶されている。この各カード50に設定されている属性情報のデータ項目について、その一例を図7(a)に示している。また、各カードに設定されたこれらの属性情報の全てあるいは一部は、該当するカード50の表面あるいは裏面に印刷されて、プレイヤPは認識することができるようになっている。
図7(a)に示す属性情報に関するデータ項目のうち、コストとは、プレイヤPが一つまたは複数のユニットを編成したときに、このユニットの編成に幾らのコストがかかったかを集計するための数値であり、カード50ごとに所定のコストの値が設定されている。このように、各カード50にコストの値を設定することにより、プレイヤPが他のプレイヤTと対戦ゲームを行なうときに、編成する全ユニットについてコストの合計値に上限を設定してゲームを行なうことが可能になる。これにより、プレイヤが編成した全ユニットについてコスト面から均衡がとれたゲームを行なうことができるようになる。
本実施形態のカードゲーム装置1に使用するカードフォルダ60は、図7(b)に示すようなノーマルフォルダとレアフォルダの2つのカテゴリ名称を持つカードフォルダから構成される。このカードフォルダ60は、製作時にカテゴリコードと識別コードが付与されている。これらカテゴリコードと識別コードが、カードフォルダ60に予め記録されるカードフォルダ情報になる。このカードフォルダ60に予め記録されるカードフォルダ情報(フォルダ識別コード)は、上記したカード情報(カード識別コード)と組み合わされてゲームで使用されるプレイアイテム6を個々に識別するための固有の情報となるものであり、後記するように、例えば、所定の桁数を有する2進数で表現できるようなコードパターンとして、カードフォルダ60に収納されるカード50の裏面が視認できる面に印刷されている。そして、このコードパターンは、カード50に印刷されるコードパターンと同様に、人間の目では認識できなくて、赤外線等の不可視光を照射すると認識できる顔料インクで印刷されている。なお、図7(b)に示すフォルダ識別コードは、4ビットから構成される2進数で示している。
図7(b)に示すように、カテゴリがノーマルフォルダのカードフォルダ60は、これに収納されるカード50の属性情報には何ら影響を及ぼすことはなく、同一種類のメカカードを複数枚使用する場合に、識別コードの異なるカードフォルダ60を用いてプレイアイテム6を構成して、ゲーム装置1に個々のプレイアイテム6を個別に認識させるものである。
カテゴリがレアフォルダのカードフォルダ60は、これに収納されるカード50属性情報を変更するものであり、例えば、メカカード50に設定されている本来の攻撃力や守備力を上昇させてゲームで使用可能にするものである。
続いて、カード50の裏面に記録しているカード情報であるコードパタ−ンについて説明する。図8は、カード50に記録されたコードパターンの一例を示す。カード50の裏面には、半径が異なる複数のパターンからなるコードパターン170が印刷されている。このコードパターン170は、カード位置検出円172と、カード位置検出円172の外周に形成された位置角度検出パターン領域174と、位置角度検出パターン領域174の外側に形成されたIDデータ領域176と、カード位置検出円172の内側に形成された環状白色領域178と、環状白色領域178の内側に形成されたデータ領域180と、データ領域180の内側に形成された中心点182とを有している。コードパターン170は黒色部分170aと白色部分170bとの濃度差によって認識される。
また、コードパターン170には、赤外線を透過するインクを使用した印刷が施されており、プレイヤが直接視認することができないようになっている。そのため、プレイヤあるいはその他の者がコードパターン170に細工してコードパターン170を改造したり、あるいはコードパターン170を似せたカードの偽造が防止されるようになっている。
さらに、コードパターン170には、カード位置検出円172と、位置角度検出パターン領域174と、IDデータ領域176と、環状白色領域178と、データ領域180とが、中心点182を中心とした同心円状に形成されており、カード50の短辺よりも大きい半径となるIDデータ領域176は円弧状に湾曲した形状に形成されている。すなわち、IDデータ領域176では、長方形のカード面に対し、短辺部分よりも大径な半径に位置する最外周の円形パターンのうち、一部が円弧状に記録されているため、カード面の全面積を有効に使用することができる。
図9は、カード50の裏面をイメージセンサ40で撮像したときの画像例を示す図である。図9に示すように、コードパターン170をイメージセンサ40で撮像すると、黒白部分が「1」と認識され、白黒部分が「0」として認識される。IDデータ領域176及びデータ領域180の白色部分は、ハッチングで示す部分であるが、空白ではなく、黒色部分との組み合せで所定の情報を表示している。すなわち、上記黒色部分と白色部分との1ビットの信号として抽出するように構成されており、予め決められた情報の内容に応じて黒色部分と白色部分との配置パターンが異なり、この黒色部分と白色部分との配置パターンがコードパターンとして機能する。なお、この例では、各半ビット(一つの黒色部分または白色部分を示す)がイメージセンサ40で撮像された画像データの撮像した画面上で6ドットになるように大きさが決められている。
なお、カード50のコードパターン170とコード中心点182の検出は、カード位置検出円172の内側と外側との輝度差により行なう。そのため、カード位置検出円172の内側と外側には白色領域が環状に形成されており、これによりカード位置検出円172内周及び外周との輝度差が明確化されている。カード位置検出円172は、円であるため、カード50の向き(位置角度)に関係なく位置を検出することが可能になる。
また、コードパターン170の位置角度(カード50の向き)の検出は、カード位置検出円172の外周より外側に放射状に突出する位置角度検出パターン領域174の突部174a〜174dの円周方向間隔を検出して判別する。そのため、各突部174a〜174dの円周方向の間隔は、等間隔とせず、各間隔が異なるようにして、その間隔を検出することにより当該カード50の位置角度を判別する。
また、各ビットの値は、隣り合った2つの半ビット領域の輝度差で判定する。なお、各領域の輝度を求める際には、ピンぼけや位置・角度検出時の誤差の影響を少なくするために、境界ぎりぎりの部分の領域は使用せず、各領域の中心部の輝度を抽出するようにする。
図10に示すように、IDデータ領域176及びデータ領域180のビットの開始位置S1〜S4は、各カード50により異なるようにしている。また、図11に示しているように、IDデータ領域176及びデータ領域180には、パターンデータ0〜15からなる16ビットの情報が得られる。さらに、各パターンデータ0〜15は、上記したように黒色部分と白色部分とからなり、イメージセンサ40で撮像された画像データの中から識別し易くするために、黒色部分及び白色部分の一つの面積が大きく設定されており、データの誤認識が防止されている。なお、IDデータ領域176及びデータ領域180に、上記した各カード50に付与されているカード情報であるカード識別コードが表されている。
次に、図12ないし図16を参照して本発明に係るカードフォルダ60の幾つかの実施形態について説明する。
図12は、本発明の第1実施例に係るカードフォルダ60にカード50を収納し、プレイアイテム6a、6bを構成したときの概念図である。図12において、カード情報のコードパターン170が記録されたカード50は、カードフォルダ60のスリーブ61に収納されてプレイアイテム6a又は6bを構成する。カードフォルダ60は、耐摩耗性に優れたポリプロピレン等の透明な合成樹脂製の2枚のシートを長方形状に切断し、これらの左辺、右辺及び下辺を熱溶着により接合して上辺が開口した袋状に形成されたスリーブ61を備えている。この袋状に形成されたスリーブ61内に1枚のカード50が収納されてプレイアイテム6a、6bを構成する。
カードフォルダ60の、カード50がスリーブ61に収納されたときにカード50に記録されたコードパターン170が記録された面を視認可能な面には、カード50がスリーブ61に収納されたときにカード50に記録されたコードパターン170と重ならない位置にカードフォルダ情報となるコードパターン190が記録されている。そして、このコードパターン190は、カード50に印刷されるコードパターン170と同様に、人間の目では認識できない赤外線等の不可視光を照射すると認識できる顔料インクで印刷されており、191aないし191dの記録領域により、図7(b)で説明したように4ビットから構成される2進数で表現できるコードパターン190として記録されている。
図12において、図12(a)に示すカード50と図12(b)に示すカード50は同一種類のカードであり、これらに記録されているコードパターン170は同一のカード情報を表している。しかし、図12(a)に示すカードフォルダ60と図12(b)に示すカードフォルダ60とには、それぞれ異なるコードパターン190が記録されている。具体的にはコードパターン190を構成する4つの記録領域191aないし191dの内、191dの記録コードが異なっている。従って、同一種類のカード50ではあるが、異なるコードパターン190が記録されたカードフォルダ60に収納されることで、異なるプレイアイテム6a及び6bとしてカードゲーム装置1に識別させることができる。なお、本実施例におけるカードフォルダ60には、カードフォルダ60のコードパターン190に対応してプレイヤPが視認可能な識別符号192が付されているので、プレイヤPもプレイアイテム6aと6bとを異なるプレイアイテムとして容易に識別することができる。また、本実施例においては、プレイアイテム読取手段を複雑化させることなく、カード情報のみを読み取っている従来装置同様に構成することができる。
図13は、本発明の第2実施例に係るカードフォルダ60にカード50を収納し、プレイアイテム6c、6dを構成したときの概念図である。図13において、図13(a)に示すカード50と図13(b)に示すカード50は同一種類のカードであり、同一のカード情報を示すコードパターン170及び177が記録されている。このうちコードパターン177には、カード50の識別に関するコードが4つの記憶領域178aないし178bに記録されている。
一方、本実施例に係るカードフォルダ60には、カード50がカードフォルダ60のスリーブ61に収納されたときに、カード50に記録されているコードパターン177の一部又は全部に重なる位置に、カード50のコードパターン177と重なることにより、カード50のコードパターン177をプレイアイテム読取手段であるイメージセンサ40が読み取り不能になる顔料インクにてコードパターン193が印刷されて記録されている。図13(a)に示すカードフォルダ60には、カード50に記録されたコードパターン177の4つの記録領域178aないし178dの全てに重なる位置に、4つの記憶領域194aないし194dから構成されるコードパターン193が記録されており、図13(b)に示すカードフォルダ60には、カード50に記録されたコードパターン177の4つの記録領域178aないし178dのうち178a、178b及び178cの3つの領域に重なる位置に、記録領域194a、194b及び194cから構成されるコードパターン193が記録されている。
例えば、図13(a)に示すプレイアイテム6cにおいては、カード50に記録されたコードパターン177の全領域にカードフォルダ60に記録されたコードパターン193が重ねられているので、イメージセンサ40が読み取る情報のうちカード50に記録されているコードパターン177は無効化されて読み取られない。
図13(b)に示すプレイアイテム6dにおいては、カード50に記録されたコードパターン177のうち178a、178b及び178cの領域にカードフォルダ60に記録されたコードパターン193の194a、194b及び194cが重ねられているので、カード50の記録領域178a、178b及び178cに記録されているコードはイメージセンサ40による読取が無効化され、記録領域178dに記録されているコードのみが読み取られる。これにより、カードゲーム装置1は、プレイアイテム6cとプレイアイテム6dとを個別のプレイアイテムとして個々に識別することができる。また、本実施例においても、上記した第1実施例と同様に、プレイアイテム読取手段を複雑化させることなく、カード情報のみを読み取っている従来装置同様に構成することができる。
図14は、本発明の第3実施例に係るカードフォルダ60にカード50を収納し、プレイアイテム6e、6fを構成したときの概念図である。図14において、図14(a)に示すカード50と図14(b)に示すカード50は同一種類のカードであり、同一のカード情報を示すコードパターン170が記録されている。図において、図14(a)に示すカードフォルダ60は図12(a)に示したカードフォルダ60と同一の機能を果たすものであるが、図14(b)に示すカードフォルダ60は、図7(b)で説明したカードフォルダ60のカテゴリがレアフォルダに属するものである。従って、図14(a)に示すカードフォルダ60には、同一種類のカード50が収納されて構成された複数のプレイアイテム6e等を個々に識別するためのコードパターン195だけが記録されているので、プレイアイテム6eのカードフォルダ60に記録されたコードパターン195以外の属性情報は、収納されたカード50の属性情報と同一である。
図14(b)に示すカードフォルダ60は、コードパターン195の左端の記録領域196aに2進数で表したときに「1」と認識されるコードが記録されており、レアフォルダのカテゴリに属するカードフォルダ60である。従って、プレイアイテム6fの固有の情報に対応して記憶されるプレイアイテム6fの属性情報がカード50のコードパターン170のみに対応して記憶される属性情報から変更され(例えば、攻撃力や守備力が上昇する等)、ゲームに対する興趣を高めることができる。
なお、本実施例におけるカードフォルダ60には、カードフォルダ60のコードパターン195に対応してプレイヤPが視認可能な識別符号192aが付されると共に、カードフォルダ60のカテゴリを示す識別符号192bがプレイヤPに視認可能に付されているので、プレイヤPもプレイアイテム6eと6fとを異なる属性情報に関連付けられたプレイアイテムとして容易に識別することができる。
図15は、本発明の第4実施例に係るカードフォルダ60にカード50を収納し、プレイアイテム6g、6hを構成したときの概念図である。図15において、図15(a)に示すカード50と図15(b)に示すカード50は同一種類のカードであり、同一のカード情報を示すコードパターン170が、カード50のほぼ全面に記録されている。
一方、カードフォルダ60には、カードフォルダ60のスリーブ61にカード50を収納したときに、カード50に記録されているコードパターン170と一部が重なる位置にコードパターン197が記録されている。
本実施例においては、カード50に記録されるコードパターン170とカードフォルダ60に記録されるコードパターン197とを、それぞれ異なる波長の光を反射する塗料又はそれぞれ残光時間の異なる蛍光体により記録して構成している。このように構成することにより、カード50のコードパターン170がカード50のほぼ全面に記録されている場合でも、プレイアイテム6g、6hの固有の情報としてのカード50のコードパターン170とカードフォルダ60のコードパターン197とを個別に読み取り、カード情報とカードフォルダ情報の組み合わせ情報を個々に識別可能に読み取ることができる。
図16は、本発明の第5実施例に係るカードフォルダ60にカード50a、50b、50c、50d及び50eを収納し、プレイアイテム6kを構成したときの概念図である。本実施例において、カードフォルダ60は、図16(b)に示すように、5枚のカード50aないし50eがそれぞれ収納されるスリーブ61a、61b、61c、61d及び61eを備えた5つのフォルダ60a、60b、60c、60d及び60eが連接されて構成されている。各カード50aないし50eにはそれぞれ異なるコードパターン170A、170B、170C、170D及び170Eが記録されており、各フォルダ60aないし60eには同一の識別コードを表すコードパターン199が記録されている。
本実施例においては、図16(c)に示すように、カードフォルダ60の左端のフォルダ60aのスリーブ61aにメインプレイカードとなるメカカード50aが収納され、残りのフォルダ60bないし60eにはサブプレイカードとなる武器カード50b、50c又はカスタムカード50d、50eが収納されて1つのプレイアイテム6kのユニットを編成している。本実施例において、メインプレイカードであるメカカード50aは必ず1枚使用されるが、サブカードである武器カード50b、50c及びカスタムカード50d、50eの枚数は4枚を上限に任意である。
このように構成されたプレイアイテム6kは、図16(d)に示すようにフォルダ60aと60bのように隣接するフォルダの連接部で交互に折り畳まれて、図5(e)に示すように、メカカード50aが収納されたスリーブ61aが最下層になるようにプレイフィールド7上に載置されて、ゲームに使用される。そして、このように構成されたプレイアイテム6kによれば、1枚のメインプレイカード(メカカード50a)とこのメインプレイカードと協働して作用する1又は複数のサブプレイカード(武器カード50b、50c及びカスタムカード50d、50e)によりカード群のユニットによるプレイアイテム6kを構成することができ、ゲームの戦略や戦術の幅が広がり、ゲームに対する興趣をさらに高めることができる。
また、同一種類のメカカード50aをメインプレイカードとして構成した複数のユニットを使用する場合、それぞれ異なるフォルダ識別コードが記録されたカードフォルダ60を用いるので、個々のプレイアイテム6kを個別に識別させることができ、個別に成長させることもできる。
続いて、図1〜図3に示した端末装置4a〜4hのRAM24に記憶され、カードゲーム装置1のゲームの進行を制御するソフトウエアの構成について説明する。図17は、カードゲーム装置1のゲーム進行を制御するゲーム制御手段となるゲーム進行制御プログラムPについてそのプログラム構成の一例を示す図である。
図17に示すように、ゲーム進行制御プログラムPは、メイン制御プログラム部P1、入出力制御プログラム部P2、ユニット編成プログラム部P3、戦闘制御プログラム部P4、画像制御プログラム部P5、音声出力制御プログラム部P6から構成される。
メイン制御プログラム部P1は、カードゲーム装置1の動作を統括して制御するためのプログラムと、この統括制御に必要とされるサブプログラムから構成されている。メイン制御プログラム部P1は、メイン制御プログラムP1a、入力信号解析プログラムP1b、ゲーム実施許可プログラムP1c、通信制御プログラムP1d、等のサブプログラムを備えている。
メイン制御プログラムP1aは、カードゲーム装置1(例えば、メイン制御部3または端末装置4a)の電源をオンした後に実行され、ゲーム進行の全体の流れを制御するためのプログラムである。メイン制御プログラムP1aには、カードゲーム装置1の電源をオンしたときに、プログラムの計算処理等で使用するRAM24内のワークエリアを初期化するプログラム、電源をオンしたときに表示手段となる表示装置8に初期化画面、例えば、ゲームのタイトル名等を表示するための初期画面表示プログラム、表示装置8に表示させるための画像データであってメイン制御部3のRAM17に記憶している画像データの送信要求を行なって、受信したこの画像データを端末装置4aのRAM24に記憶する処理を行なうプログラム等も含まれている。
入力信号解析プログラムP1bは、ICカードリードライト装置9、コイン投入装置9a、セレクトボタン11、各種のボタン12等からの入力信号が入力されたときに、その入力信号(割込み信号等)の解析処理と、この入力信号に対応した処理を行なうサブプログラムに制御を移管させる処理を行なうプログラムである。例えば、プレイヤPが敵側のユニットを攻撃エリア内に捉えて攻撃実行ボタン12を押圧してその信号が入力されると、入力信号解析プログラムP1bはその信号の種類を解析する。そして、メイン制御プログラムP1aは戦闘のアニメーション画像(オブジェクト画像)を表示するプログラムを作動させて、表示装置8に戦闘状況を示すアニメーション画像(動画像)が所定の時間表示されるように制御する。
ゲーム実施許可プログラムP1cは、プレイヤPがコイン投入装置9aに投入したコインの数(個数)をカウントして投入コイン数を記憶する処理、すなわち、投入コイン数をゲーム料金として引き当てるためのコイン貯留個数を把握する処理と、このコイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金(クレジット)を満たしているか否かを判定する処理等を行なうプログラムである。そして、この判定により、コイン貯留個数(投入コイン個数)が1ゲームのゲーム料金を満たしているとときには、ゲームの実施を許可する処理を行なう。また、満たしていない場合には、表示装置8にコイン投入必要数を表示装置8に表示させる処理を行なう。
通信制御プログラムP1dは、メイン制御部3とのデータ通信、及びプレイヤPが他の端末装置4b等の1台を操作するプレイヤTと対戦するために、他の端末装置4b等とデータ通信を行なうためのプログラムである。
入出力制御プログラム部P2は、入出力インタフェース25に接続されている上記した各種ボタン11、12、ICカードリードライト装置9やセンサからの入力信号に基づいて所定の処理を行なうプログラムと、ICカードリードライト装置9、カード払出装置10等の作動を制御するためのプログラムから構成されている。図17に示すように、入出力制御プログラム部P2は、ICカードリードライトプログラムP2a、プレイアイテム情報読み込みプログラムP2b、プレイアイテム情報解析処理(位置・角度)プログラムP2c、カード払出装置制御プログラムP2d、等のサブプログラムを備えている。
ICカードリードライトプログラムP2aは、ICカードリードライト装置9の作動を制御するためのプログラムである。このプログラムP2aは、ゲームを実施するときにプレイヤPが所有しているICカード5をICカードリードライト装置9に挿入したときに、ICカード5に記憶されているプレイヤPの名前または愛称データを読み込んでプレイヤPを認証するための処理、及び1ゲームが終了したときにゲーム結果である戦闘実績等に関するデータをICカード5に書き込む処理等を行なうプログラムである。
プレイアイテム情報読み込みプログラムP2bは、ゲームを行なう際にプレイヤPがプレイフィールド7上にプレイアイテム6を載置したときに、イメージセンサ40によりこのプレイアイテム6のカード50の裏面に記録(印刷)されているコードパターン170とカードフォルダ60に記録されているコードパターン190、193、195、197、199等を撮像した画像データをRAM24に読み込む処理と、このRAM24に記憶した画像データに基づいて、コードパターン170とコードパターン190、・・・との組み合わせが表す情報を解読して上記したカード識別コード及びフォルダ識別コードを求める処理と、この求めたカード識別コード及びフォルダ識別コードをRAM24に記憶する処理を行なうためのプログラムである。
プレイアイテム情報解析処理(位置・角度)プログラムP2cは、上記したプレイアイテム情報読み込みプログラムP2bによりRAM24に記憶した画像データから、プレイフィールド7上に載置されたプレイアイテム6について、プレイフィールド7の上面の座標系における位置、角度(向き)、等を検出してその検出データをRAM24に記憶する処理を行なうプログラムである。この処理のうち、プレイフィールド7上におけるプレイアイテム6の位置の検出は、撮像してRAM24に読み込んだ2次元の画像データからカード位置検出円172の位置の座標を算出し、この座標をプレイフィールド7の座標系に変換することにより求めることができる。なお、プレイフィールド7の4隅にイメージセンサ40により検出可能なマークを印刷しておくことにより、RAM24に読み込んだ2次元の画像データにプレイフィールド7の座標を設定することができる。
また、プレイアイテム情報解析処理(位置・角度)プログラムP2cにより、プレイフィールド7上のプレイアイテム6の角度(向き)は、次のような処理により求めることができる。まず、予め標準となる向きで撮像した位置角度検出パターン領域174の画像データを標準向きパターンとして予めRAM24に登録しておく。そして、プレイヤPがプレイフィールド7上に載置してRAM24に読み込んだ上記画像データの中から位置角度検出パターン領域174に含まれている突部174a〜174dのパターンとこの標準向きパターンとをパターンマッチングにより比較することにより、プレイフィールド7の座標系に対するプレイアイテム6の角度(向き)を求めることができる。
上記したプレイアイテム情報読み込みプログラムP2bとプレイアイテム情報解析処理(位置・角度)プログラムP2cは、プレイヤPがゲームを実行する前の準備ステップとして、プレイヤPが編成したユニットを構成する複数のカード50群をプレイフィールド7上に載置して、ユニットの登録操作を行なうとき、及び、プレイヤPが敵側と戦闘を行なうときにユニットを構成するメカカードを、プレイフィールド7上を擦りながら移動(出撃)させるときに、メイン制御プログラムP1aの制御に従って作動する。
カード払出装置制御プログラムP2dは、メイン制御プログラムP1の制御に基づいて、例えば、1ゲームが終了するごとに、プレイヤPに対して新たなカード50を1枚払い出す制御を行なうためのプログラムである。この1ゲームが終了したときに払い出される新たなカード50は、上記したメカカード、武器カード、及びカスタムカードの中から1枚のカード50がランダムに払い出される。そして、この新たに払い出されたカード50はプレイヤPが所有するカードとして、次のゲームから使用することが可能になる。
ユニット編成プログラム部P3は、戦闘ゲームを実行するための準備ステップとして、プレイヤPが編成したユニットを構成する複数のカード50群をプレイフィールド7上に載置して、ユニットを構成する各カード50に記録されているカード情報及びカードフォルダ情報を、端末装置4aに登録する操作を行なうときに作動するプログラムから構成されている。ユニット編成プログラム部P3は、編成可否判定プログラムP3a、ユニットデータ作成プログラムP3b、属性情報補正プログラムP3c、等のサブプログラムを備えている。
前記したように本発明においては、予めプレイヤPがユニットを編成するためのユニット編成のルールを設定している。編成可否判定プログラムP3aは、プレイヤPが編成したユニットについて、このユニットに含まれているカード50群の組合せが、ユニット編成のルールに合致したユニットを編成したか否かをチェックする処理を行なうためのプログラムである。
プレイヤPがユニットを編成するときには、プレイヤPが編成した複数のプレイアイテム6をプレイフィールド7上に載置する。そして、これらカード50に記録されているコードパターン170及びカードフォルダ60に記録されているコードパターン190、・・・を上記したプレイアイテム情報読み込みプログラムP2bにより読み込んでRAM24に記憶し、続いて、各プレイアイテム6のコードパターンを解析してカード識別コードを求めてRAM24に記憶する処理を行なう。編成可否判定プログラムP3aは、このRAM24に記憶したユニットを編成している各カード50のカード識別コードのカテゴリコードとRAM24に予め記憶している編成可否判定データに基づいて、プレイヤPが編成したユニットは、ユニット編成のルールに合致しているか否かを判定する処理を行なう。
ユニットデータ作成プログラムP3bは、プレイヤPがユニット編成のルールに合致したユニットを編成して登録したときに、予めRAM24に記憶しているプレイアイテム6の上記した固有の情報に対応した属性情報から構成されているプレイアイテム属性情報データテーブルを参照して、ユニットを構成する各プレイアイテム6の属性情報を、プレイアイテム6の固有の情報(カード識別コードとカードフォルダ識別コードとの組み合わせ情報)と関連付けして一つの情報のユニットとなるデータ(ユニットデータテーブル)を作成して、このユニットデータテーブルをRAM24に記憶する処理を行なうためのプログラムである。
本実施形態においては、プレイヤPが上記のようにユニットを編成して、そのユニットデータテーブルをRAM24に登録する操作を行なった後に、ユニットを構成するカード50の組合せ状況によっては、ユニットデータテーブルに含まれている属性情報を補正する処理を行なうようにしている。この処理は、予め設定された属性情報補正ルールに基づいて、属性情報補正プログラムP3cが行なう。例えば、ユニットにメカカードと武器カードが編成されているときには、属性情報補正ルールに基づいて、ユニットデータテーブルに記憶しているこれらメカカードの特定の属性情報と武器カードの特定の属性情報とを照合して、この武器カードの特定の属性情報についてその値を増減する処理を行なうようにしている。なお、上記した属性情報補正ルールは、ゲームで使用するカード50について、ユニットを構成する特定のカードが、他の1枚(あるいは他の2枚等)のカードと組み合わせられるとそれらの特定の属性情報を補正するための情報と補正のパラメータ等を示すデータテーブルであって、属性情報補正プログラムP3c内に登録しておくようにする。
このように、一つ一つのユニットを編成するカード50の組合せ状況によっては、そのユニットを構成するカード50の属性情報の値を、予めプレイアイテム属性情報データテーブルに登録されている値より増減させる処理を行なうと、プレイヤPは、自分が指揮するユニットに、より高い属性情報(攻撃力、等)を備えたユニットを編成することができるという、ゲームの面白みが増大することになる。
戦闘制御プログラム部P4は、プレイヤPが選択した複数のカード50群から編成されたユニットに関する登録操作が終了して、メイン制御プログラムP1aが端末装置4aのゲームの制御モードを「実戦(戦闘)モード」に設定したときに、ユニットのメインプレイカードとなるメカカード50のプレイフィールド7上における移動と位置や角度の検出処理と、攻撃実行ボタンの操作に応じた戦闘の制御と、戦闘結果の判定と、戦闘ゲームが終了したときの結果の表示等を行なうプログラムから構成されている。戦闘制御プログラム部P4は、図17に示すように、ユニット操作プログラムP4a、戦術・戦闘制御プログラムP4b、戦闘結果判定処理プログラムP4c、等のサブプログラムを備えている。これらユニット操作プログラムP4aと戦術・戦闘制御プログラムP4b等は、戦闘ゲーム等のゲームの実行を制御する手段になる。
ゲームを実行するときは、プレイヤPは、プレイヤPが編成したユニットを操作する操作用プレイアイテムとなるメカカード(メインプレイカード)を最下層にしてプレイアイテム6をプレイフィールド7上に載置する。そして、プレイヤPは、敵側のユニットに攻撃を仕掛けるためにこのプレイアイテム6を、プレイフィールド7上を擦りながら移動させる操作を行う。
ユニット操作プログラムP4aは、このプレイアイテム6のプレイフィールド7上の移動を、プレイアイテム情報読み込みプログラムP2bとプレイアイテム情報解析処理(位置・角度)プログラムP2cを作動させて、プレイアイテム6のプレイフィールド7上における位置や角度(向き)の検出処理を行う。続いて、ユニット操作プログラムP4aは、この検出したデータに基づいて、プレイフィールド7の座標系におけるプレイアイテム6の位置情報を、表示装置8に表示する戦場場面の座標系の位置情報に変換して、プレイアイテム6に対応するユニットの位置(メカカード、武器カード等のユニットを構成するカード群のそれぞれのカード識別コードに対応した3次元モデルデータ等)を表示装置8に表示させる制御を行なう。
戦術・戦闘制御プログラムP4bは、プレイヤPが戦闘開始に先立って、前記した「攻撃重視」、「機動重視」、「防御重視」の三つの戦術ボタンの何れか一つのボタンを押圧して戦術を選択したときに、選択した戦術に対応して、ユニットが敵側に攻撃を行なったときに敵側に与えるダメージ、敵側から攻撃を受けたときの防御力等を算出するための計算式のパラメータ等を補正する処理を行なう。この敵側に与えるダメージと防御力の補正とは、例えば、プレイヤPが「攻撃重視」を選択した場合には、攻撃に関係する属性情報の値を増加させ、防御に関する属性情報の値が減少するように補正する。
さらに、戦術・戦闘制御プログラムP4bは、プレイヤPが攻撃実行ボタンを押圧すると、RAM24に記憶している仮想空間内に配置された3次元のオブジェクト戦闘アニメーション画像データを、2次元データに変換して表示手段である表示装置8に表示させる制御も行なう。
戦闘結果判定処理プログラムP4cは、戦闘結果の勝敗を判定するためのプログラムである。プレイヤPとプレイヤTとが戦闘したときにこの戦闘結果の勝敗の判定は、この戦闘結果判定処理プログラムP4cにより、例えば、次のような処理を行なって判定することができる。
(1)プレイヤP、またはプレイヤTのユニットを構成するメカカードの属性情報である「HP」の値が相手側の攻撃により減少して「0」になると、そのユニットは破壊される。そして、戦闘ゲームによりどちらかの全ユニットが全滅(破壊)すると、その時点で、全滅させた側のプレイヤが勝利と判定する。
(2)予め設定した時間、例えば、3分間、戦闘ゲームを行なってもどちらかのプレイヤの全ユニットが全滅しなかった場合、すなわち、タイムアップ時の勝敗の判定は、プレイヤPとプレイヤTのコストの残存比率の大きいプレイヤが勝利と判定する。このコストの残存比率とは、プレイヤPがゲーム開始時に登録した全プレイアイテム6(全カード50のコスト合計)がKp、プレイヤTがゲーム開始時に登録した全ユニットのコスト合計がKtとし、タイムアップ時に残存していたコストがプレイヤPはSKp、プレイヤTはSKtとすると、プレイヤPのコストの残存比率はSKp/Kp、プレイヤTのコストの残存比率はSKt/Ktとして算出する。
画像制御プログラム部P5は、メイン制御プログラム部P1、入出力プログラム部P2、ユニット編成プログラム部3、及び戦闘制御プログラム部P4の各プログラムの制御に基づいて、表示装置8に各種の演出画像を出力するためのプログラムから構成される。この画像制御プログラム部P5は、初期画面制御プログラムP5a、準備画面制御プログラムP5b、ユニット登録画面制御プログラムP5c、戦闘準備画面制御プログラムP5d、戦闘画面制御プログラムP5e、戦闘結果発表画面制御プログラムP5f、ゲーム終了時の画面制御プログラムP5g、等のサブプログラムを備えている。
音声出力制御プログラム部P6は、メイン制御プログラム部P1、入出力制御プログラムP2、ユニット編成プログラム部P3、及び戦闘制御プログラム部P4等の各プログラムの制御に基づいて、スピーカ30から音声を出力するためのプログラムである。
上記したプログラムは、C言語等のプログラム開発言語を用いて開発することができる。そして、C言語等により開発したソースプログラムを、CPU23で実行できるオブジェクト(機械語)プログラムに翻訳したプログラムが、ハードディスク装置46、あるいは端末装置4aのCD−ROM、DVD−ROM等の外部記憶装置に記憶される。また、各種の画像データ及び音声データもこれらのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶する。そして、端末装置4aの電源がオンされると、ハードディスク装置46等の外部記憶装置に記憶されているこれらのプログラムと画像データ及び音声データは、RAM24に読み込まれる。そして、このプログラムが立ち上がると、カードゲーム装置1は、ゲームを実施することが可能な状態になる。
なお、上記したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として、電気的に記録したデータを読み取るマスクROMを使用することもできる。このマスクROMを用いる場合には、図3に示す端末装置4aの制御基板にこのマスクROMを搭載した制御回路を形成し、このマスクROMに上記したオブジェクトプログラムを格納する。
続いて、本発明の実施形態であるカードゲーム装置1のゲームの実行方法と、このゲームの進行を制御するゲーム進行制御プログラムPの制御内容について説明する。なお、プレイヤPがカードゲーム装置1で初めてゲームを実施する場合には、前記したように、スターターパックをゲームセンター等に設置されている自動販売機等を利用して購入する必要がある。スターターパックには、ICチップを内蔵したICカード5、ゲームで使用するカテゴリごとにそれぞれ複数枚のカード50、2枚のカードフォルダ60、等が含まれている。
まず、端末装置4aの電源をオンして、ゲーム進行制御プログラムPが記憶されているハードディスク装置46からこのゲーム進行制御プログラムPをRAM24に読み込む操作を行なう。続いて、RAM24に読み込んだゲーム進行制御プログラムPを立ち上げると、RAM24のワークエリアの初期化処理、表示装置8に表示する画像データのうち大型パネル制御部15のRAM17等に記憶されている画像データを端末装置4aのRAM24に転送する処理等が実行される。
続いて、ゲーム進行制御プログラムPは、図18に示すフローチャートに従ってゲームの進行を制御する。以下、ゲームの実行方法とその制御について図18に示すフローチャートのステップ順に説明する。
(ステップS1)
メイン制御プログラムP1aは、初期画面制御プログラムP5aを作動させて、表示装置8に戦闘ゲームのタイトル、ゲームの手順等を表示するアドバタイズの処理を行なう。これにより、カードゲーム装置1は、プレイヤPがゲームを実施するための料金となるコイン等の投入待ちの状態になる。
(ステップS2)
プレイヤPがコインをコイン投入装置9aに投入すると、コイン投入装置9a内に設置されているコイン検出センサは投入されたコインを検出し、この検出信号は入出力インタフェース25を介して端末装置4aに入力される。すると、端末装置4aの入力信号解析プログラムP1bはこの入力信号の種類を解析し、コイン投入信号であると判定すると、ゲーム実施許可プログラムP1cを作動させる。
ゲーム実施許可プログラムP1cは、プレイヤPがコイン投入装置9aに投入したコインの数(個数)をカウントして投入コイン数としてRAM24に設定した記憶領域にコイン貯留個数として記憶する処理と、この投入されたコイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金であるクレジット(例えば、コイン3枚)を満たしているか否かを判定する処理を行なう。そして、1ゲームの実施を行なうことができるコイン数が投入されると、ゲームの実施を許可する処理を行なって、準備画面制御プログラムP5bを作動させてプレイヤPに次の操作手順を表示装置8に表示する処理を行なう。一方、コイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金を満たしていない場合には、表示装置8に不足しているコインの投入を促す表示を行なうようにする。
なお、ゲーム実施許可プログラムP1cは、コイン貯留個数が1ゲームのクレジットを満たしていると判定した場合には、RAM24に記憶しているコイン貯留個数から今から実施する1ゲーム分のクレジットとなるコイン数を減算し、減算して得たコイン貯留個数をRAM24に記憶する処理を行なう。このコイン貯留個数の更新処理は、プレイヤPが1ゲームのゲーム料金に対して余分なコインを投入したときに、余ったコインを次のゲームのゲーム料金として引き当てるために行なう処理である。
(ステップS3)
続いて、プレイヤPは、ICカード5をICカードリードライト(R/W)装置9に挿入する操作を行なう。ICカード5の挿入信号が入力されると、メイン制御プログラムP1aはICカードリードライトプログラムP2aを作動させて、ICカード5に記憶されている情報を読み取ってRAM24に記憶する処理を行なう。なお、ICカード5には、プレイヤPの名前あるいは愛称、プレイヤPが戦闘ゲームを行なうためのプレイアイテム6を編成するときにそのコストの上限値、戦闘ゲームを行なった結果である戦績等が記憶される。
(ステップS4)(ステップS5)
ステップS4では、メイン制御プログラムP1aにより、ステップS3で読み込んだICカード5は、初めて使用されたICカード5か否かを判定し、プレイヤPが初めて使用したICカード5であると判定した場合にはステップS5に進んで、プレイヤPの名前または愛称を表示装置8と対話方式により入力させる処理を行なう。
(ステップS6)
ステップS6とステップS7は、戦闘ゲームを実施するための準備を行なうためのステップである。ステップS6では、メイン制御プログラムP1aは戦闘準備画面制御プログラムP5bを作動させて、プレイヤPと対戦するプレイヤTの設定、ゲームを実施するステージを大型パネルディスプレイ2と対話方式により選択させる処理等のマッチング処理を行なう。なお、このゲームを実施するステージとは、戦闘ゲームを行なう戦闘場面を示し、例えば、宇宙、地上、海中等が予め設定されている。プレイヤPが選択したステージのコードはRAM24に記憶する。
(ステップS7)
ステップS7においては、プレイヤPは前記したユニットの登録操作を行なう。このステップにおいてプレイヤPが行なう操作の内容と、この操作に伴うゲーム進行制御プログラムの処理内容は次のようになる。
(1)まず、プレイヤPは自分が保有するカード50から、前記したユニットを編成するために複数のカード50を選択する。このユニットの編成については、例えば、メカカードを必ず1枚含み、他の武器カードとカスタムカードの編成は任意とし、かつ、一つのユニットを構成するカード50の合計枚数は5枚以内というユニット編成のルールが設定されている。
(2)プレイヤPは、ユニットを編成するために選択した複数のカード50を、カードフォルダ60のスリーブ61a、61b、・・・、等に1枚ずつ挿入する。このとき、カードスフォルダ60のスリーブ61a、61b、・・・に挿入した全てのカードの表面(または裏面)は、同一方向を向くようにする。
(3)続いて、プレイヤPは、一つのユニットを構成するカード50を挿入したカードフォルダ60を平面状に広げて、プレイフィールド7上に載置する。このとき、カードフォルダ60のスリーブ61a、61b、・・・に挿入した全カード50の裏面、すなわち、コードパターン170が記録されている面がプレイフィールド7の上面と対向(相対)するようにカードフォルダ60をプレイフィールド7上に載置する。
(4)プレイヤPが編成した各ユニットを構成するカード50を挿入したカードフォルダ60をプレイフィールド7上に載置し、ボタン12を押圧すると、メイン制御プログラムP1aは、プレイアイテム情報読み込みプログラムP2bを作動させて、イメージセンサ40が撮像した画像データをRAM24に読み込む処理を行なう。このとき、カード50の裏面に記録されたコードパターン170は、カードフォルダ60を介して読み取られることになる。
なお、プレイヤPがユニットを二つ以上編成した場合には、使用したカードフォルダ60とは別の複数用意した他のカードフォルダ60に、他のユニットを構成するカード50を挿入し、これらカード50を挿入した全てのカードフォルダ60をプレイフィールド7上に載置する。このとき、複数のカードフォルダ60は、プレイフィールド7上に重ならないように、例えば、横方向に載置する。このようにすることにより、プレイアイテム情報読み込みプログラムP2bは、複数のユニットを構成する複数のカード50の裏面に記録されているコードパターン170及びカードフォルダ60に記録されているコードパターン199等に関する画像データを一度に読み取ってその撮像データをRAM24に記憶させることが可能になる。このとき、同一種類のカード50を用いたユニットを複数使用する場合は、それぞれ異なるフォルダ識別コードが記録されたカードフォルダ60が用いられるので、カード50に記録されているコードパターン170及びカードフォルダ60に記録されているコードパターン199等の組み合わせ情報による各ユニットの固有の情報により個別のユニットとして識別されて対応する属性情報と共に個別にRAM24に記憶される。
(5)続いて、メイン制御プログラムP1aはプレイアイテム情報解析処理(位置・角度)プログラムP2cを作動させて、各カード50の裏面に記録されているコードパターン170及びカードフォルダ60に記録されているコードパターン199等に関する情報、すなわち、カード識別コード、フォルダ識別コード、プレイアイテム6のプレイフィールド7の座標系における位置とその向きに関する情報を解析し、解析して得たデータをRAM24に記憶する。このとき、一つのユニットを構成するカード50群はカードフォルダ60のスリーブ61a、61b、・・・に挿入されて直線状に配列されているので、プレイアイテム情報解析処理(位置・角度)プログラムP2cは、画像解析処理により、ユニットごとにこのユニットを編成しているカード50のカード識別コード及びカードフォルダ60のフォルダ識別コードを求めることが可能になる。
(6)プレイヤPがユニット編成のルールに合致したユニットの登録操作が終了すると、ユニットデータ作成プログラムP3bは、プレイアイテムデータテーブルを作成してRAM24に記憶する。続いて、属性情報補正プログラムP3cが作動して、プレイアイテム6を構成する各カード50の特定の属性情報に関する内容をチェックして、その属性情報の値を補正する処理を行なう。この属性情報の値を補正する処理は、前記したように属性情報補正ルールに従って、ユニットにメカカードと武器カードが編成されているときには、RAM24に予め記憶されているカード属性情報データテーブル(または、プレイアイテムデータテーブル)のこれらメカカードの特定の属性情報と武器カードの特定の属性情報とを照合して、この武器カードの属性情報の値を増減する処理を行なう。以上の処理が終了するとステップS7の処理は終了する。
(ステップS8)
続いて、プレイヤPは、ユニットを編成した複数のカード6を挿入したカードフォルダ60を、図16(e)に示すようにスリーブ61a、・・・61eが上下方向に重なり合うように折り畳んでプレイフィールド7上に載置する。このとき、メカカード50aが挿入されたスリーブ61aが最下層になるようにカードフォルダ60を折り畳むと共に、このメカカード50aの裏面、すなわち、このカード50aの識別コードに関するコードパターン170が記録されている面がプレイフィールド7の上面と対向するように載置する。続いて、プレイヤPがアクションボタン12を押圧すると、メイン制御プログラムP1はゲームの制御を出撃モードに設定する。
ゲームの制御が出撃モードになると、メイン制御プログラムP1は、ユニット操作プログラムP4aを作動させる。ユニット操作プログラムP4aは、プレイアイテム情報読み込みプログラムP2bとプレイアイテム情報解析処理(位置・角度)プログラムP2cを作動させて、プレイフィールド7上に載置された操作用プレイアイテム6について、プレイフィールド7の座標系における位置、向き及び移動の検出処理と、戦闘準備画面制御プログラムP5dを作動させて、戦場の状況を示す画面をリアルタイムに表示装置8に表示する処理を行なう。
このように、ゲームの制御モードが出撃モードになると、プレイヤPがプレイアイテム6をプレイフィールド7上を擦りながら移動させると、プレイアイテム6のメカカード50aの3次元オブジェクトモデルが、この戦場の状況を示す表示装置8の画面の座標系に変換されて、プレイアイテム6の移動と同期して移動するように表示される。このとき、プレイヤPと対戦するプレイヤTが編成したユニットに含まれているメカカード50のイラスト及び3次元オブジェクトモデルも、敵側のプレイヤTが操作する端末装置からのデータ通信により、プレイヤPの表示装置8に表示される。これにより、プレイヤPと敵となるプレイヤTとのリアルタイムの戦闘シミュレーションゲームを行なうことができるようになる。
戦闘準備画面制御プログラムP5dは、プレイアイテム6を構成するカード50に武器カードが編成されていると、戦場の状況を示す画面に、このメカカード50aや武器カード50bの属性情報である攻撃範囲の値に基づいて、その攻撃範囲を図形で表示する処理等を行なう。この攻撃範囲は、武器カードの属性情報である「攻撃範囲」に関するデータに基づいて表示することができる。また、プレイヤPがプレイアイテム6をプレイフィールド7上を擦りながら移動させる(移動方向の変更、回転も含む)と、このプレイアイテム6に関連付けられたユニットに対応する3次元オブジェクトモデルも、攻撃範囲と共にリアルタイムに戦場の画面上を移動して表示される。
そして、戦術・戦闘制御プログラムP4bは、この攻撃範囲内に敵側のユニットに対応する3次元オブジェクトモデルを所定の時間ほど捉えると、敵側のメカを攻撃するための円形等の照準が、プレイヤPが操作するユニットの3次元オブジェクトモデルから対戦者であるプレイヤTの操作するユニットの3次元オブジェクトモデルへと近づいて行くように表示する。そして、戦術・戦闘制御プログラムP4bは、この照準が対戦者の3次元オブジェクトモデルに完全に合致したと判定すると、攻撃が可能な状態になったことを表示装置8に表示し、さらに、スピーカ30から音声も出力する。これにより、プレイヤPは、攻撃実行ボタン12を押圧して敵側のメカを攻撃することが可能になる。
(ステップS9)
プレイヤPは、この攻撃範囲の先端部に表示された照準が敵側のユニットを捉えたと判断すると、攻撃実行ボタン12を押圧して敵側のユニットに攻撃を仕掛ける。メイン制御プログラムP1aは、この攻撃実行ボタン12の押圧信号を検出すると、ゲームの制御を戦闘モードに設定する。ゲームが戦闘モードに設定されると、メイン制御プログラムP1aは、戦闘画面制御プログラムP5eを作動させて、RAM24に記憶している3次元の戦闘アニメーション(3次元オブジェクト)画像データを2次元画像データに変換して、戦闘アニメーション画面を表示装置8に所定の時間表示する。このようにして、プレイヤPのユニットと敵側のユニットとの戦闘アニメーションが表示される。なお、戦場の画面に表示される攻撃範囲の先端部に設定される照準の座標と、敵側のメカの座標位置とが一致したときに、攻撃実行ボタンを押圧すると、戦術・戦闘制御プログラムP4bは敵側のメカの属性情報である「HP」を所定の計算式に基づいて減算し、この「HP」が「0」になると敵側のユニットを破壊したと判定して、敵側のこのユニットのコスト値を「0」にする処理を行なう。
(ステップS10)
戦闘結果判定プログラムP4cは、戦闘ステップS9で実行されたプレイヤPとプレイヤTとの戦闘について、下記の(1)または(2)の処理を行なってゲームの勝敗を決定する。そして、この戦闘ゲームの結果を、戦闘結果発表画面表示プログラムP5fを作動させて大型パネルディスプレイ2、表示装置8に表示する処理を行なう。
(1)それぞれプレイヤPとプレイヤTが編成したユニットの総コストについて、その残存するコストを算出する。そして、プレイヤPまたはプレイヤTの全ユニットのどちらかが全滅(破壊)、すなわち、残存するコストが「0」になっていると、その時点で、全滅させた側のプレイヤが勝利と判定する。
(2)予め設定した時間、例えば、3分間ほど戦闘ゲームを行なっても、どちらかのプレイヤの全ユニットが全滅しなかった場合、すなわち、タイムアップ時の勝敗の判定は、前記したように、プレイヤPとプレイヤTのコストの残存比率が大きい方のプレイヤが、勝利したと判定する。
(ステップS11)
1ゲームが終了したので、メイン制御プログラムP1aは、ICカードリードライトプログラムP2aを作動させて、プレイヤPのICカード5に今回の戦闘ゲームの戦績データを書き込む処理を行なう。また、プレイヤPが予め設定された条件を満たす戦績データを記録した場合には、階級アップや戦功に対する勲章授与の演出を行ない、プレイヤPのICカード5に記憶されている1ゲームに使用できるコストの上限値を増加させて記憶する処理も行なう。続いて、メイン制御プログラムP1aは、カード払出装置制御プログラムP2dを作動させて、プレイヤPに新たなカード50を払い出す処理を行なう。
(ステップS12)
メイン制御プログラムP1aは、ゲーム終了時の画面制御プログラムP5gを作動させて、プレイヤPに、次の1ゲームを継続して行なうか否かを問い合わせる画面を表示装置8に表示させる。プレイヤPはセレクトボタン11及びアクションボタン12を操作してこの画面表示と対話方式により、次の1ゲームを継続して行なうか否かを入力する操作を行なう。
(ステップS13)(ステップS14)
メイン制御プログラムP1aは、プレイヤPが上記ステップS12で次の1ゲームを継続して行なうか否かを入力した情報を判定する。そして、プレイヤPは、継続してゲームを行なうことを入力したときには、メイン制御プログラムP1aはゲーム進行の制御を前記したステップS6に戻す処理を行なって、次のゲームの進行を制御する。一方、プレイヤPは、次のゲームを行なわないことを入力した場合には、メイン制御プログラムP1aはゲーム進行の制御を前記したステップS2に戻す処理を行なう。
上記した本発明の実施形態においては、ゲームを行なうためのプレイアイテムとして、カードを用いた例について説明したが、本発明は、コード情報を印刷したシール等を人形などの造形物(フィギュア)のついた台の裏面に貼り付けてゲームを進行させるようなプレイアイテムを使用するゲームにも適用することができる。このような造形物を使用したゲームにおいては、図2に示すカード払出装置10に替えて、この造形物を払い出す装置を設置するようにする。
また、上記した本発明の実施形態において、個々のプレイアイテムを識別するための固有の情報は、上記した赤外光で読み取るコードパターンの他に、バーコード、QRコード(登録商標)等の2次元コード、磁気により記録した情報等を採用することができる。