JP5256252B2 - ガス処理方法およびガス処理設備 - Google Patents

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本発明は、複数の吸着塔を使用した圧力スイング吸着法(PSA法)を用いて、例えば揮発性有機化合物(VOC)を含有する原ガスからVOCを除去、回収するためのガス処理方法、およびこれに用いるガス処理設備に関するものである。
大気中のVOCのような原ガス中の成分を回収して除去する方法として、例えば特許文献1、2に記載されているように、塔内に活性炭やゼオライト、シリカゲル等の吸着剤が充填された吸着部を有する通常少なくとも2つの吸着塔を用いて、そのうち一部の吸着塔では原ガスを導入して昇圧下または常圧下で上記成分の吸着を行う一方で、他の吸着塔では脱着ガスを導入して常圧下または減圧下で先に吸着した成分を脱着し、これらの吸着塔間でこのような吸着・脱着操作を交互に切り替えて繰り返すPSA法が知られている。
そして、さらにこのようなPSA法においては、例えば特許文献3や非特許文献1に記載されているように、上記吸着塔内の一端部側と他端部側とに吸着剤を充填した吸着部を設け、原ガスをこの吸着塔の両端部の間の中間部に供給する圧力スイング式吸着法が知られており、このような圧力スイング式吸着法では、原ガス中のVOC濃度が低い場合でも高倍率で濃縮して、後処理を要しない凝縮液として回収することが可能となり、効率的である。
特開2007−240967号公報 特開2009−050378号公報 特開2009−078257号公報
若杉、二元環流型圧力スイング吸着による揮発性有機溶剤の回収「Adsorption News vol.20 No.2(June 2006)」p.10−14
ところで、上記PSA法では、VOC等の成分を脱着した脱着ガスは凝縮器において所定の設定温度にまで冷却されることによりVOC成分および水分が凝縮されて上記凝縮液として分離され、残りの脱着ガスはこの凝縮器の設定温度での飽和蒸気圧に相当する濃度で排出される。そして、こうして排出された残りの脱着ガスは、特許文献1、2に記載されたPSA法では、原ガスに戻されることによりその湿度が低下させられることになる。
ところが、上記特許文献3や非特許文献1に記載された原ガスを吸着塔の中間部に供給する圧力スイング式吸着法では、こうして排出された残りの脱着ガスは、上記一部の吸着塔にその一端部側から供給されて、この一端部側の吸着部により上記VOC成分等の吸着が行われることになる。そして、このVOC成分の吸着と同時に、上記残りの脱着ガスに含まれている水分も飽和状態のまま吸着部に吸着されてしまう。
しかるに、こうして飽和状態の水分が吸着部に吸着されてしまうと、水分の再凝縮により水滴が吸着剤に付着してその細孔を塞ぎ、吸着性能が著しく低下してしまう。従って、吸着剤を交換する頻度が多くなって、これに伴いガス処理設備の運転停止頻度も増加してしまうとともに交換する吸着剤のコストも増大し、非効率的かつ非経済的な結果となる。また、このような水分の吸着を防ぐのに、例えば水分除去塔を設けることなども考えられるが、そのような高価な装置を付設したのでは、やはり設備がコスト高となって経済性が損なわれることが避けられない。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のような原ガスを吸着塔の中間部に供給する圧力スイング式吸着法における吸着部への水分の吸着を、比較的低コストでありながら確実に防ぐことにより吸着剤の吸着性能低下を防いで、安定したVOC成分等の吸着によるガス処理を長期に亙って連続して行うことが可能なガス処理方法、およびそのためのガス処理設備を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のガス処理方法は、塔内の一端部側と他端部側とに吸着部が形成された少なくとも2塔の吸着塔を用いて、このうち一部の吸着塔においては、その一端部と他端部との間の中間部から原ガスを供給して上記一端部側から排出することにより、この一端部側の上記吸着部によって上記原ガス中の成分を吸着する一方、他の吸着塔においては、上記一端部側から供給した脱着ガスにより上記吸着部に吸着された上記成分を脱着して上記他端部側から排出するとともに、この排出された脱着ガスを冷却することにより該脱着ガス中の上記成分の一部を分離して、残りの脱着ガスを上記一部の吸着塔にその上記他端部側から供給することにより、この他端部側の上記吸着部によって上記残りの脱着ガス中の上記成分を吸着し、これら一部の吸着塔と他の吸着塔との吸着・脱着操作を交互に切り替えて上記原ガス中の成分を回収するガス処理方法であって、上記成分の一部を分離した上記残りの脱着ガスを加熱して上記一部の吸着塔に上記他端部側から供給することを特徴とする。
また、本発明のガス処理設備は、このようなガス処理方法に用いるガス処理設備であって、塔内の一端部側と他端部側とに吸着部が形成された少なくとも2塔の上記吸着塔を備え、これらの吸着塔の一端部と他端部との間の中間部には上記原ガスの供給路が接続されるとともに、該吸着塔の一端部側には、上記成分が吸着された原ガスの排出路と上記脱着ガスの供給路とが接続される一方、該吸着塔の他端部側には、上記脱着ガスの排出路と、排出された脱着ガスを冷却することにより該脱着ガス中の上記成分の一部を分離する冷却手段を備えて上記成分の一部が分離した残りの脱着ガスを供給する供給路とが接続されていて、この残りの脱着ガスを供給する供給路には、該残りの脱着ガスを加熱する加熱手段が備えられていることを特徴とする。
このようなガス処理設備においては、冷却手段によってVOC等の上記成分の一部が分離した残りの脱着ガスを吸着塔の他端部側に供給する供給路に、この残りのガスを加熱する加熱手段が備えられており、このような設備を用いた本発明のガス処理方法では、かかる加熱手段により上記残りの脱着ガスが加熱されて上記一部の吸着塔に上記他端部側から供給される。従って、この吸着塔に供給される残りの脱着ガスは飽和蒸気圧が上昇して相対湿度は低減されることになる。
例えば、冷却されて上記成分の一部が分離された残りの脱着ガスの温度が10℃であったとすると、飽和水蒸気圧は1.2kPa(9mmHg)となり、結露寸前の状態であるが、これを30℃まで加熱すれば飽和水蒸気圧4.2kPa(31.7mmHg)となって相対湿度は28%まで低減され、吸着部において結露すなわち再凝縮することはない。このため、該残りの脱着ガス中の水分が再凝縮して吸着剤に付着するのを防ぐことができ、この残りの脱着ガス中のVOC等の成分だけを効率的に吸着させることが可能となる。
その一方で、この残りの脱着ガスを加熱する上記加熱手段は、上述のように10℃の脱着ガスを30℃程度にまで加熱することが可能なものであればよく、例えば多管式やジャケット式の熱交換器を用いたり、供給路の配管に電気ヒーター(電熱線)を巻いたりスチームトレースを施したりすればよいので、水分除去塔のような高価な設備を要することがない。このため、比較的低コストで、しかしながら確実に吸着剤の性能低下を防止することが可能となる。
また、特許文献3記載のように残りの脱着ガスの加熱手段が備えられていないガス処理設備では、冷却手段(凝集器)により冷却された残りの脱着ガスが他の吸着塔の他端部側にそのまま供給されるため、設備内の熱バランスが不均衡となり、この他の吸着塔の他端部側の吸着剤への供給温度が時間経過とともに低下して、吸着剤を過剰に冷却することになる。一般的には、吸着は温度が低い方が好ましいとされているが、過度に温度が低い場合は脱着操作が困難になるため、本発明のように残りの脱着ガスを加熱した後に一部の吸着塔の他端部側に供給することは、過度の冷却防止の観点からも効果的な手段となる。
ここで、こうして残りの脱着ガスを加熱する際の加熱温度については、例えば上記他の吸着塔において上記成分を脱着して上記他端部側から排出された脱着ガスを20℃以下に冷却して上記成分の一部を分離する場合には、該成分の一部を分離した上記残りの脱着ガスを冷却後の温度に対して15℃〜40℃の範囲で高い温度となるように加熱して上記一部の吸着塔に上記他端部側から供給するのが望ましい。加熱温度がこれよりも低いと水分の再凝縮による吸着剤への付着を確実に防ぐことができなくなるおそれがある一方、これよりも加熱温度を高くしても再凝縮防止効果はそれほど変わることがない。
なお、本発明の発明者らの知見によれば、脱着工程開始直後の脱着ガスには水分があまり含まれず、工程が進むとともにガス中の水分量が増加する傾向にある。そこで、上記ガス処理設備においては、上記加熱手段に、上記残りの脱着ガスの加熱温度を制御する制御手段を備えるなどして、上記ガス処理方法において、上記一部の吸着塔と他の吸着塔との吸着・脱着操作の切り替え後、例えば一定時間経過後に上記成分の一部を分離した上記残りの脱着ガスの加熱量を増大させて加熱温度を上昇させるとともに、次の上記吸着・脱着操作の切替前には上記残りの脱着ガスの加熱を終了するのが、加熱手段に要する加熱エネルギーを低減して省エネルギー化を図るためにも望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、原ガスを吸着塔の中間部に供給する圧力スイング式吸着法において、VOC等の成分を分離した残りの脱着ガスを吸着塔に供給する際に、この吸着塔の吸着部における吸着剤への水分の付着による吸着性能の低下を、比較的低コストながら確実に防ぐことができる。これにより長期に亙って吸着剤を交換したりすることなく安定したガス処理を図ることが可能となる。
本発明のガス処理設備の一実施形態を示す概略図である。 脱着ガスの湿度とVOC成分の吸着量の温度依存性を示す図である。
図1は、本発明のガス処理設備の一実施形態を示すものである。本実施形態のガス処理設備は、2つの吸着塔1、2で交互に原ガス(空気)中のVOC成分の吸着・脱着操作を行うものであり、図1は図中左側の一方の吸着塔(一部の吸着塔)1で原ガス中のVOC成分の吸着を、右側の他方の吸着塔(他の吸着塔)2で吸着済みの成分の脱着を行う場合を示している。
吸着塔1、2には、それぞれその塔内の一端部側(図1において上側)と他端部側(図1において下側)とに活性炭やゼオライト、シリカゲル等の吸着剤が充填された吸着部1a、1b、2a、2bが形成されるとともに、これらの吸着部1a、1b、2a、2bの中間部には、それぞれ切替弁3a、3bを介して原ガスの供給路3が接続されている。また、各吸着塔1、2の一端部側には、切替弁4a、4bを備えて上記成分が吸着された原ガスが排ガスとして排出される排出路4と、やはり切替弁5a、5bを備えた脱着ガスの供給路5とが接続されている。
さらに、吸着塔1、2の他端部側には、切替弁6a、6bを備えて真空ポンプ7に連結された脱着ガスの排出路6が接続されていて、この排出路6は真空ポンプ7から凝縮器8に接続されており、この凝縮器8によって上記脱着ガスは冷却されてVOC成分の一部が凝縮されて分離させられ、回収タンク9に回収される。一方、分離しきれなかったVOC成分を含んだ残りの脱着ガスは、切替弁10a、10bを備えてそれぞれ吸着塔1、2の他端部側に接続された返送路10を介して該吸着塔1、2内に返送可能とされ、循環させられる。
そして、本実施形態のガス処理設備では、この返送路10に加熱手段11が備えられており、凝縮器8によって冷却された上記残りの脱着ガスは、この加熱手段11によって加熱されて吸着塔1、2の他端部側に供給可能とされている。ここで、この加熱手段11は本実施形態では多管式またはジャケット式の熱交換器であり、これら管やジャケットの内外で上記残りの脱着ガスとこれよりも高温の熱媒とが熱交換を行うことにより、残りの脱着ガスを加熱する。なお、加熱手段11は上記熱交換器のほかに電気ヒーター(電熱線)を用いた加熱手段なども適用できる。
ところで、上記原ガスの供給路3には、図示はしないが凝縮器を設けることが好ましい。原ガス中の水分を予めこの凝縮器によって冷却することで凝縮させ、分離することで吸着効率を向上させることができる。さらに好ましくは、この原ガスの供給路3の凝縮器の下流側に加熱器を設けることにより相対湿度を低減させ、冷却した原ガスの結露を防止することができる。
ここで、この加熱器として、返送路10における上記加熱手段11と同様の熱交換器を用いた場合には、この加熱器と上記返送路10の加熱手段11とを接続して、該加熱器において原ガスを加熱した熱媒を加熱手段11に供給し、その廃熱により上記残りの脱着ガスを加熱可能とするのがより好ましい。
このような構成のガス処理設備を用いた本発明のガス処理方法の一実施形態について説明すると、図1の状態では原ガス供給路3の一方の吸着塔1側の切替弁3aが開、他方の吸着塔2側の切替弁3bが閉とされ、以下同様に、排ガスの排出路4の切替弁4aが開、切替弁4bは閉、脱着ガス供給路5の切替弁5aは閉、切替弁5bは開、脱着ガス排出路6の切替弁6aは閉、切替弁6bが開、濃縮ガス返送路10の切替弁10aが開、切替弁10bは閉とされている。
従って、供給路3から供給された原ガスは、上記一方の吸着塔1の中間部から塔内に導入されて一端部側に流れるうちにこの一端部側の吸着部1aにより加圧下もしくは常圧下でVOC等の成分が吸着され、浄化された排ガスとして一部が排出される。一方、残りの排ガスは切換弁5bを経て他方の吸着塔2の一端部側に供給され、吸着部2a、2bに吸着されていた上記成分を真空ポンプ11による減圧下で脱着して該成分を伴い吸着塔2の他端部側の脱着ガス排出路6から排出される。
なお、原ガス中に酸素が含まれている場合には、VOCの濃縮による爆発等の危険性を回避するため、上記他方の吸着塔2の一端部側に供給する脱着ガスに、窒素などの不活性ガスを用いることが好適である。
次いで、こうして上記成分を伴った脱着ガスは、真空ポンプ7を経て凝縮器8に供給されて例えば20℃以下、望ましくは0℃〜20℃、さらに望ましくは5℃〜15℃に冷却されることにより、上記成分の一部が凝縮するとともに原ガスに残存していた水分も凝縮して分離され、こうして分離した上記成分と水分は凝縮液として回収タンク9に回収される。なお、冷却温度が0℃を下回ると水分が凍結するおそれがある。一方、こうして凝集液が分離した残りの脱着ガスは、凝縮しなかった残りの成分と水分とともに返送路7を介して上記一方の吸着塔1にその他端部側から供給されて、この他端部側の塔内の吸着部1bにおいて上記残りの成分が吸着される。
そして、この残りの脱着ガスが返送されて一方の吸着塔1の他端側から供給される返送路10には上記加熱手段11が備えられていて、こうして吸着塔1に供給される残りの脱着ガスを加熱することにより、その飽和蒸気圧を増大させて相対湿度は低減することができる。このため、凝縮器8によって冷却されることにより結露寸前の状態となった残りの脱着ガス中の水分が、上記一方の吸着塔1の吸着部1b、1aにおいて凝縮して水滴となって吸着剤に付着し、これによりこの一方の吸着塔1における吸着性能が低下するのを防ぐことができる。
具体的には、図2に示すように、凝縮器8において冷却された残りの脱着ガスの温度が10℃の場合には、飽和水蒸気圧は1.2kPa(9mmHg)となり、上述のように結露寸前の状態であるが、これを例えば30℃まで加熱すれば飽和水蒸気圧は4.2kPa(31.7mmHg)となって相対湿度は28%まで低減され、全般的に凝縮温度から25℃加熱すると相対湿度は20%程度まで低減する。一方、VOC成分(図2ではトルエン)の飽和吸着量は、10℃から30℃まで加熱しても約10%しか低下せず、たとえ50℃まで加熱しても20%程度しか低下しない。このため、吸着塔1の吸着部1b、1aにおいてこの残りの脱着ガスの水分が再凝縮することはなく、こうして再凝縮した水分の水滴が上述のように吸着剤に付着するのを防ぐことができて、残りの脱着ガス中のVOC等の上記成分だけを効率的に一方の吸着塔1によって吸着することが可能となる。
しかも、この加熱手段11は、後述するように残りの脱着ガスを25℃〜60℃程度にまで加熱するものであればよいので、本実施形態のような熱交換器や電気ヒーター、あるいはスチームトレースなどのような比較的低コストの手段でよい。また、加熱手段11を熱交換器としたときの熱媒も、温水や温風、水蒸気など比較的低廉でガス処理設備で供給し易い熱媒体を利用することができるので、効率的かつ経済的に吸着塔1における吸着剤への水分の付着を防ぐことができる。
ここで、本発明の発明者らは、このようなガス処理設備を用いたガス処理方法についてさらに鋭意研究を重ねた結果、脱着工程開始直後の製品ガス(排ガス)には水分があまり含まれず、工程が進むとともにガス中の水分量が増加する傾向にあるとの知見を得るに至った。そこで、上記加熱手段11では、脱着工程開始時には交換熱量(加熱量)を少なくし、一定時間経過後に交換熱量を増加させることが好適である。このような制御を行うことで、加熱手段11に必要な加熱エネルギーを低減することができ、省エネルギー化に繋がる。
具体的には、加熱手段11が本実施形態のように熱交換器である場合、脱着当初は熱媒供給量を少なくし、一定時間経過後に熱媒供給量を増加させればよい。熱媒供給量の調整は、例えばタイマーなどにより時間制御を行うことで実施可能である。また、図1に示すように、返送路10の加熱手段11のガス出口側に温度制御機構12を設けて、返送される上記残りの脱着ガスの温度により加熱手段11への熱媒(図1においては不足分蒸気)の供給量を制御するようにしてもよい。さらに、加熱手段が電気ヒーターである場合には、発熱量(加熱量)をコントロールすることで温度制御を行うことができる。
なお、この加熱手段11による上記残りの脱着ガスの加熱温度は、上述のように他方の吸着塔2において上記成分を脱着して排出された脱着ガスを凝縮器8において20℃以下に冷却して上記成分の一部を分離した場合には、冷却後の温度に対して15℃〜40℃の範囲で高い温度となるように加熱するのが望ましい。すなわち、この加熱された残りの脱着ガスの温度が上記範囲を下回る程度であると冷却後の脱着ガスの温度と差が殆どなくて図2に示すように湿度の低減が十分ではなく、吸着塔1における水分の再凝縮を防ぐことができなるなるおそれがある一方、加熱温度が上記範囲を上回るほど高くしても、やはり図2に示すように再凝縮防止効果はそれほど変わることが無く、却って高温の熱源を要することから非効率的である。なお、冷却、加熱される脱着ガスの温度変化の範囲は0℃〜60℃とされるのが望ましく、より確実に水分の再凝縮を防ぐには、冷却温度と加熱温度との差が上記範囲内であって、加熱後の脱着ガスの温度が25℃〜60℃の範囲、より望ましくは30℃〜45℃の範囲とされるのが望ましい。
また、本実施形態のガス処理設備では、この残りの脱着ガスを加熱する加熱手段11が熱交換器とされていて、上述のように原ガスの供給路3に加熱器として同様の熱交換器を用いた場合に、この加熱器としての熱交換器と上記加熱手段11としての熱交換器を接続することにより、供給路3において原ガスを加熱した熱媒を加熱手段14に供給して残りの脱着ガスを加熱することができる。すなわち、原ガスの加熱器の廃熱を利用して残りの脱着ガスを加熱することができるので、より効率的かつ経済的に吸着塔1における吸着性能の低下を防止することが可能となる。
なお、図1に示した状態において一方の吸着塔1における原ガス中の上記成分の吸着と他方の吸着塔2における成分の脱着とが終了したなら、上記切替弁3a〜6a、10a、3b〜6b、10bの開閉を逆に切り替えて、一方の吸着塔1で脱着を、他方の吸着塔2で吸着を行う。そして、このときにも、凝縮器8から切替弁10bを経て他方の吸着塔2の他端部側に接続されることになる上記返送路10には加熱手段11が備えられていて、この他方の吸着塔2に供給される残りの脱着ガスを加熱することができるので、当該他方の吸着塔2における吸着剤への水分の付着を防止し、また、吸着剤を過度に冷却させることなく、効率的なガス処理を経済的に行うことが可能となる。
1、2 吸着塔
1a、1b、2a、2b 吸着部
3 原ガスの供給路
4 排ガスの排出路
5 脱着ガスの供給路
6 脱着ガスの排出路
7 真空ポンプ
8 凝縮器(冷却手段)
9 回収タンク
10 残りの脱着ガスの返送路
11 加熱手段
3a〜6a、10a、3b〜6b、10b 切替弁

Claims (5)

  1. 塔内の一端部側と他端部側とに吸着部が形成された少なくとも2塔の吸着塔を用いて、 このうち一部の吸着塔においては、その一端部と他端部との間の中間部から原ガスを供給して上記一端部側から排出することにより、この一端部側の上記吸着部によって上記原ガス中の成分を吸着する一方、
    他の吸着塔においては、上記一端部側から供給した脱着ガスにより上記吸着部に吸着された上記成分を脱着して上記他端部側から排出するとともに、
    この排出された脱着ガスを冷却することにより該脱着ガス中の上記成分の一部を分離して、残りの脱着ガスを上記一部の吸着塔にその上記他端部側から供給することにより、この他端部側の上記吸着部によって上記残りの脱着ガス中の上記成分を吸着し、
    これら一部の吸着塔と他の吸着塔との吸着・脱着操作を交互に切り替えて上記原ガス中の成分を回収するガス処理方法であって、
    上記成分の一部を分離した上記残りの脱着ガスを加熱して上記一部の吸着塔に上記他端部側から供給することを特徴とするガス処理方法。
  2. 上記他の吸着塔において上記成分を脱着して上記他端部側から排出された脱着ガスを20℃以下に冷却して上記成分の一部を分離するとともに、該成分の一部を分離した上記残りの脱着ガスを冷却後の温度に対して15℃〜40℃の範囲で高い温度となるように加熱して上記一部の吸着塔に上記他端部側から供給することを特徴とする請求項1に記載のガス処理方法。
  3. 上記一部の吸着塔と他の吸着塔との吸着・脱着操作の切り替え後に、上記成分の一部を分離した上記残りの脱着ガスの加熱量を増大させるとともに、次の上記吸着・脱着操作の切替前に上記残りの脱着ガスの加熱を終了することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス処理方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガス処理方法に用いるガス処理設備であって、塔内の一端部側と他端部側とに吸着部が形成された少なくとも2塔の上記吸着塔を備え、これらの吸着塔の一端部と他端部との間の中間部には上記原ガスの供給路が接続されるとともに、該吸着塔の一端部側には、上記成分が吸着された原ガスの排出路と上記脱着ガスの供給路とが接続される一方、該吸着塔の他端部側には、上記脱着ガスの排出路と、排出されたこの脱着ガスを冷却することにより該脱着ガス中の上記成分の一部を分離する冷却手段を備えて上記成分の一部が分離した残りの脱着ガスを供給する供給路とが接続されていて、この残りの脱着ガスを供給する供給路に、該残りの脱着ガスを加熱する加熱手段が備えられていることを特徴とするガス処理設備。
  5. 上記加熱手段は、上記残りの脱着ガスの加熱温度を制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載のガス処理設備。
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