JP5255350B2 - 弾性不織布及び繊維製品 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた弾性回復性を有すると共に、べたつきがなく、肌触りが良好な弾性不織布及びこの弾性不織布を用いた繊維製品に関する。
近年、弾性繊維及び弾性不織布は、例えば使い捨ておむつ、生理用品、衛生製品、衣料素材、包帯、包装材等の各種用途に供せられている。特に使い捨ておむつや生理用品等は、直接身体に接触させて使用されるため、身体への良好な装着感や装着後の身体の動きやすさなどの観点から、適度な伸縮性、及び弾性回復性が要求されている。
弾性回復性が付与された弾性繊維として、特許文献1には、オレフィン共重合体やスチレンブロック共重合体のようなエラストマーと他の樹脂成分とをブレンドした弾性繊維が開示されている。しかしながら、これらのエラストマーはポリプロピレンとの相溶性に劣り、かつ非結晶性であるため、これらのエラストマーとポリプロピレンとを混合して弾性繊維を形成した場合、上記エラストマーが繊維表面にブリードしてくる。そのため、この弾性繊維からなる弾性不織布にはべたつき感があり、また、この弾性不織布を用いた繊維製品は肌触りが悪いという問題があった。
特許文献2には、不織布を構成するプロピレンポリマーをフリーラジカル開始剤で処理することが開示されている。このような処理によってプロピレンポリマーの流動性は向上するが、プロピレンポリマーの熱安定性は低下する。
特許文献3には、プロピレンとエチレンからなるプロピレン組成物で繊維を形成すること、および、プロピレンとエチレンからなるプロピレン組成物を鞘成分とし、高密度ポリエチレンを芯成分とする鞘芯型複合繊維を形成することが開示されている。しかしながら、プロピレンとエチレンからなるプロピレン組成物は、結晶性アイソタクチックプロピレンホモポリマーとの相溶性が必ずしも十分ではなく、このため、混練性の低下や、繊維表面へのブリードによる物性低下が懸念される。
特開2003−129330号公報 特表2007−511680号公報 特開2007−277755号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、優れた弾性回復性を有すると共に、べたつきがなく、肌触りが良好な弾性不織布及びこの弾性不織布を用いた繊維製品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の低結晶性ポリプロピレンを含有する芯鞘型複合繊維からなる弾性不織布により上記目的が達成されることを見出した。すなわち、特定の立体規則性を有する低結晶性ポリプロピレンを含有する芯鞘型複合繊維は、弾性回復性に優れ、べたつきが低減化され、弾性不織布の形成材料として好適であることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、以下の弾性不織布、および当該弾性不織布を用いた繊維製品を提供するものである。
(1) 以下の(a)〜(f)を満たす低結晶性ポリプロピレンを含有する芯鞘型複合繊維からなることを特徴とする弾性不織布、
(a)[mmmm]=20〜60モル%
(b)[rrrr]/(1−[mmmm])≦0.1
(c)[rmrm]>2.5モル%
(d)[mm]×[rr]/[mr]2≦2.0
(e)重量平均分子量(Mw)=10,000〜200,000
(f)分子量分布(Mw/Mn)<4
(2) 鞘成分が、50〜99質量%の低結晶性ポリプロピレンと1〜50質量%の高結晶性ポリプロピレンを含有し、芯成分が、90〜100質量%の低結晶性ポリプロピレンと0〜10質量%の高結晶性ポリプロピレンを含有し、かつ、芯成分が鞘成分よりも高い含有量の低結晶性ポリプロピレンを含む芯鞘型複合繊維からなることを特徴とする上記(1)に記載の弾性不織布、
(3) 以下の式により算出される総低結晶性ポリプロピレン含量が、90質量%以上、99質量%以下である芯鞘型複合繊維からなることを特徴とする上記(1)に記載の弾性不織布、
総低結晶性ポリプロピレン含量=(Ws×Xs+Wc×Xc)/100
Ws:鞘成分の質量分率
Wc:芯成分の質量分率
Xs:鞘成分中の、低結晶性ポリプロピレンの質量分率
Xc:芯成分中の、低結晶性ポリプロピレンの質量分率
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の弾性不織布を用いた繊維製品。
本発明によれば、優れた弾性回復性を有すると共に、べたつきがなく、肌触りが良好な弾性不織布を提供することができる。さらに、当該弾性不織布は、巻き取りロールからのリリース性が良好で二次加工性に優れる、耐熱性に優れる、HMA(ホットメルト接着剤)を塗布しても収縮が起こらない等の優れた性能を有する。
本発明の弾性不織布は、特定の性状を有する低結晶性ポリプロピレンを含有する芯鞘型複合繊維からなる。
本明細書において、芯鞘型複合繊維とはその断面が中心部の「芯」と外層部の「鞘」から成る繊維をいう。また、結晶性ポリプロピレンとは、下記の示差走査型熱量計(DSC)を用いた測定により融点が観測されるポリプロピレンをいい、高結晶性ポリプロピレンとは、該融点が155℃以上の結晶性ポリプロピレンをいい、低結晶性ポリプロピレンとは、該融点が0〜120℃の結晶性ポリプロピレンをいう。
なお、融点(Tm−D)は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される。
[低結晶性ポリプロピレン]
本発明において用いられる低結晶性ポリプロピレンは、以下の(a)〜(f)に示す性質を有するものであり、これらは低結晶性ポリプロピレンを製造する際の触媒の選択や反応条件により調整することができる。
(a)メソペンタッド分率[mmmm]=20〜60モル%
メソペンタッド分率[mmmm]が20モル%より小さいと、固化が非常に遅いため、不織布がカレンダーロールやベルトに付着したり、引き込まれたりして連続成形ができない。また、メソペンタッド分率[mmmm]が60モル%より大きいと、結晶化度が高すぎるため、弾性回復性が悪い。このメソペンタッド分率[mmmm]は、好ましくは30〜50モル%、より好ましくは40〜50モル%である。
(b)[rrrr]/[1−mmmm]≦0.1
[rrrr]/[1−mmmm]の値は、低結晶性ポリプロピレンの規則性分布の均一さを示す指標である。この値が大きくなると、マグネシウム担持型チタン触媒を用いて製造される従来のポリプロピレンのように高規則性ポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合物となり、べたつきの原因となる。
上記低結晶性ポリプロピレンにおいて、[rrrr]/[1−mmmm]が0.1より大きいと、規則性分布が広がり、アタクチックポリプロピレンの混合物となり、べたつきの原因となる。このような観点から、[rrrr]/(1−[mmmm])は、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.04以下である。
(c)[rmrm]>2.5モル%
上記低結晶性ポリプロピレンのラセミメソラセミメソ分率[rmrm]が2.5モル%以下であると、低結晶性ポリプロピレンのランダム性が減少し、結晶化度が高くなり、弾性回復性が低下する。[rmrm]は、好ましくは2.6モル%以上、より好ましくは2.7モル%以上である。その上限は、通常10モル%程度である。
(d)[mm]×[rr]/[mr]2≦2.0
[mm]×[rr]/[mr]2は、重合体のランダム性の指標を示し、0.25に近いほどランダム性が高くなり、弾性回復性に優れる。この値が2.0以下であると、紡糸により得られた繊維において十分な弾性回復性が得られ、かつべたつきも抑制される。
上記十分な弾性回復性を得る観点から、[mm]×[rr]/[mr]2は、好ましくは0.25〜1.8、より好ましくは0.25〜1.5である。
(e)重量平均分子量(Mw)=10,000〜200,000
上記低結晶性ポリプロピレンにおいて重量平均分子量が10,000以上であると、該低結晶性ポリプロピレンの粘度が低すぎず適度のものとなるため、紡糸の際の糸切れが抑制される。また、重量平均分子量が200,000以下であると、上記低結晶性ポリプロピレンの粘度が高すぎず、紡糸性が向上する。この重量平均分子量は、好ましくは30,000〜150,000であり、より好ましくは50,000〜150,000である。
(f)分子量分布(Mw/Mn)<4
上記低結晶性ポリプロピレンにおいて、分子量分布(Mw/Mn)が4未満であると、紡糸により得られた繊維におけるべたつきの発生が抑制される。この分子量分布は、好ましくは3以下である。
上記(a)〜(d)の立体規則性はNMRにより求められる。
本発明において、メソペンタッド分率[mmmm]、ラセミペンタッド分率[rrrr]及びラセミメソラセミメソペンダッド分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠し、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率、ラセミ分率、及びラセミメソラセミメソ分率である。メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。また、トリアッド分率[mm]、[rr]及び[mr]も上記方法により算出した。
なお、13C−NMRスペクトルの測定は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案されたピークの帰属に従い、下記の装置及び条件にて行うことができる。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
<計算式>
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
上記(e)重量平均分子量(Mw)および(f)分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)測定により求められる。本発明の重量平均分子量は、下記の装置および条件で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量であり、分子量分布は、同様にして測定した数平均分子量(Mn)および上記重量平均分子量より算出した値である。
<GPC測定装置>
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
上記低結晶性ポリプロピレンは、例えば、WO2003/087172号公報に記載されているようなメタロセン系触媒を使用して製造することができる。特に、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物を用いたものが好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン系触媒が好ましい。
具体的に例示すれば、
(A)一般式(I)
Figure 0005255350
〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E1及びE2はそれぞれ置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、ヘテロシクロペンタジエニル基、置換ヘテロシクロペンタジエニル基、アミド基、ホスフィド基、炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A1及びA2を介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX、E1、E2又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E1、E2又はXと架橋していてもよく、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。〕
で表される遷移金属化合物、及び(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B−2)アルミノキサンから選ばれる成分を含有する重合用触媒が挙げられる。
上記(A)成分の遷移金属化合物としては、配位子が(1,2’)(2,1’)二重架橋型の遷移金属化合物が好ましく、例えば(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドが挙げられる。
上記(B−1)成分の化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム、テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム、テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム、テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラフェニル硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル、テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テオラフェニルポルフィリンマンガン、テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀、ヘキサフルオロ砒素酸銀、過塩素酸銀、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等を挙げることができる。
上記(B−2)成分のアルミノキサンとしては、公知の鎖状アルミノキサンや環状アルミノキサンが挙げられる。
また、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等の有機アルミニウム化合物を併用して、低結晶性ポリプロピレンを製造してもよい。
[高結晶性ポリプロピレン]
本発明において用いられる高結晶性ポリプロピレンとしては、Y2000GP(商品名、プライムポリマー社製)などを用いることができるが、融点が155℃以上の結晶性ポリプロピレンであればいずれのものでもよく、特に限定されない。例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体などが挙げられる。高結晶性ポリプロピレンの分子量については、いずれの場合にも成形性の観点から選択され、メルトブロー法による成形の場合には、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定したメルトフローレート(MFR)が100〜2000g/10分程度のものが好ましく、スパンボンド法による成形の場合には10〜100g/10分程度のものが好ましい。これらの範囲から、繊維や不織布の目的とする用途により選択して用いることができる。具体的には、成形性が重視される用途には、結晶化温度が高く、かつ結晶性の高いポリプロピレンが好ましく、結晶化温度(Tc)が100℃以上であるものがより好ましい。
[芯鞘型複合繊維]
1.鞘成分
芯鞘型複合繊維の鞘成分は、低結晶性ポリプロピレンと高結晶性ポリプロピレンを含有することが好ましく、その好ましい成分量は、低結晶性ポリプロピレン50〜99質量%と高結晶性ポリプロピレン1〜50質量%であり、より好ましくは低結晶性ポリプロピレン60〜95質量%と高結晶性ポリプロピレン5〜40質量%であり、さらに好ましくは低結晶性ポリプロピレン60〜90質量%と高結晶性ポリプロピレン10〜40質量%である。低結晶性ポリプロピレンが50質量%以上であることで、十分な弾性回復性が得られ、99質量%以下であることで、カレンダーロールへの付着が抑えられ、連続成形性が向上する。
本発明の鞘成分においては、内部離型剤を添加してもよい。内部離型剤とは樹脂原料に添加して不織布の剥離性を向上させるための添加剤をいい、具体的には、高融点ポリマー、有機カルボン酸もしくはその金属塩、芳香族スルホン酸もしくはその金属塩、有機リン酸化合物もしくはその金属塩、ジベンジリデンソルビトールもしくはその誘導体、ロジン酸部分金属塩、無機微粒子、イミド類、アミド類、キナクリドン類、キノン類又はこれらの混合物等が挙げられる。
高融点ポリマーとしては、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、オクチル酸、パルチミン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノシール酸等の脂肪酸や安息香酸、p−t−ブチル−安息香酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。有機カルボン酸の金属塩としては、上記有機カルボン酸のLi、Ca、Ba、Zu、Mg、Al、Pb等の塩やカルボン酸の金属塩である金属石鹸が挙げられ、具体的には安息香酸アルミニウム塩、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム、チオフェネカルボン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。
芳香族スルホン酸としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、分岐アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられ、芳香族スルホン酸の金属塩としては、上記芳香族スルホン酸のLi、Ca、Ba、Zu、Mg、Al、Pb等の塩が挙げられる。
有機リン酸化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、ブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジー2,6−キシレニルホスフェート、レゾルシノールジフェノールホスフェート、各種芳香族縮合リン酸エステル、2−クロロエチルホスフェート、クロロプロピルホスフェート、ジクロロプロピルホスフェート、トリブロモネオペンチルホスフェート、含ハロゲン縮合リン酸、ビス−2−エチルヘキシルホスフェート、ジイソデシルホスフェート、2−メタクリロイルオキシルエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−ブチルヘキシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジブチルハイドロジェンホスフェート、ジブチルハイドロジェンホスフェート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸等が挙げられ、有機リン酸化合物の金属塩としては、上記有機リン酸化合物のLi、Ca、Ba、Zu、Mg、Al、Pb等の塩が挙げられる。これらの市販品としては、(株)ADEKA製のアデカスタブNA−11及びアデカスタブNA−21等が挙げられる。
ジベンジリデンソルビトール又はその誘導体としては、ジベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−4−クロロベンジリデン)ソルビトール及び1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール等が挙げられ、市販品としては、新日本理化(株)製のゲルオールMDやゲルオールMD−R等が挙げられる。
ロジン酸部分金属塩としては、荒川化学工業(株)製のパインクリスタルKM1600及びパインクリスタルKM1500、パインクリスタルKM1300等が挙げられる。
無機微粒子としては、タルク、クレイ、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉末、アルミナ、シリカ、ケイ藻土、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉末、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム及び硫化モリブデン等が挙げられる。これらの市販品としては、富士シリシア(株)製のサイリシアや水澤化学工業(株)製のミズカシル等が挙げられる。
これらの内部離型剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、これらの内部離型剤のうち、ジベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−4−クロロベンジリデン)ソルビトール及び1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトールが好ましい。
内部離型剤の含有量は、鞘成分樹脂の組成物基準で10〜10000質量ppmであることが好ましく、100〜5000質量ppmがより好ましい。内部離型剤の含有量が10質量ppm以上であると、離型剤としての機能が発現され、10000質量ppm以下であると、離型剤としての機能と経済性のバランスが良好となる。
2.芯成分
芯鞘型複合繊維の芯成分は、低結晶性ポリプロピレンを含むことが好ましく、その好ましい成分量は、低結晶性ポリプロピレン90〜100質量%と高結晶性ポリプロピレン0〜10質量%である。低結晶性ポリプロピレンが90質量%以上であることで、十分な弾性回復性が得られ、最も高い弾性回復性を得るには低結晶性ポリプロピレンが100質量%であることが好ましい。
3.複合繊維
本発明の芯鞘型複合繊維は以下の規定を満たすことが好ましい。なお、下記の説明において、以下のように省略して表す。
Ws:鞘成分の質量分率
Wc:芯成分の質量分率
Xs:鞘成分中の、低結晶性ポリプロピレンの質量分率
Xc:芯成分中の、低結晶性ポリプロピレンの質量分率
本発明の芯鞘型複合繊維においては、鞘成分と芯成分の比率(Ws/Wc)が、50/50〜10/90の範囲であることが好ましい。当該規定を満たすことで、良好な弾性回復性を示す。
本発明の芯鞘型複合繊維においては、芯成分が鞘成分よりも高い含有量の低結晶性ポリプロピレンを含むことが好ましい。すなわち、Wc×XcがWs×Xsより大きくなることが好ましい。このような芯鞘型複合繊維であることで、高い弾性回復性と良好な連続成形性を両立することができる。
本発明の芯鞘型複合繊維においては、下記の式によって計算される総低結晶性ポリプロピレン含量は、90〜99質量%であることが好ましい。90質量%以上であることで十分な弾性回復性が得られ、99質量%以下であることで、カレンダーロールに付着することによる成形性を悪化や、不織布のべたつきを回避することができる。
総低結晶性ポリプロピレン含量=(Ws×Xs+Wc×Xc)/100
なお、鞘成分の質量分率、芯成分の質量分率は不織布成形に用いる芯鞘複合ノズルにおける、芯部と鞘部の樹脂吐出量を調整することによって制御することができる。
本発明の芯鞘型複合繊維の製造に用いる鞘成分および芯成分の樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤及び帯電防止剤等が挙げられる。これらの添加剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤及びびイオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これらは、鞘成分および芯成分の樹脂組成物の調製の際に加えてもよく、低結晶性ポリプロピレンの製造の際に加えてもよい。
[弾性不織布および繊維製品]
本発明の弾性不織布は、メルトブロー法、スパンボンド法などの方法により製造することができ、弾性不織布の用途に応じて製造方法を適宜選定することができる。
メルトブロー法では、樹脂の溶融物をノズルより押し出した後に高速の加熱気体流と接触させて微細繊維とし、この微細繊維を移動捕集面に捕集して不織布化することによって、弾性不織布を製造することができる。メルトブロー法によって製造した不織布は、該不織布を構成する繊維の平均径が小さいため、良好な風合を有する。
スパンボンド法では、溶融混練した樹脂を紡糸し、延伸、開繊することによって連続長繊維を形成し、引き続き連続した工程で連続長繊維を移動捕集面上に堆積させ、絡合することによって弾性不織布を製造する。スパンボンド法では、弾性不織布を連続的に製造することができ、スパンボンド法によって製造した弾性不織布は、該不織布を構成する繊維が延伸された連続の長繊維であるため、強度が大きい。
本発明の弾性不織布を用いた繊維製品としては、特に限定されるものではないが、例えば以下の繊維製品を挙げることができる。すなわち、使い捨ておむつ用部材、おむつカバー用伸縮性部材、生理用品用伸縮性部材、衛生製品用伸縮性部材、伸縮性テープ、絆創膏、衣料用伸縮性部材、衣料用絶縁材、衣料用保温材、防護服、帽子、マスク、手袋、サポーター、伸縮性包帯、湿布剤の基布、スベリ止め基布、振動吸収材、指サック、クリーンルーム用エアフィルター、エレクトレット加工を施したエレクトレットフィルター、セパレーター、断熱材、コーヒーバッグ、食品包装材料、自動車用天井表皮材、防音材、クッション材、スピーカー防塵材、エアクリーナー材、インシュレーター表皮、バッッキング材、接着不織布シート、ドアトリム等の各種自動車用部材、複写機のクリーニング材等の各種クリーニング材、カーペットの表材や裏材、農業捲布、木材ドレーン、スポーツシューズ表皮等の靴用部材、かばん用部材、工業用シール材、ワイピング材及びシーツなどを挙げることができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
(1)低結晶性ポリプロピレンの製造
攪拌機付きの内容積20Lのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを20L/h、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/h、さらに、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートと(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドとトリイソブチルアルミニウムとプロピレンとを質量比1:2:20で、事前に接触させて得られた触媒成分を、ジルコニウム換算で6μmol/hで連続供給した。
重合温度を67℃に設定し、反応器の気相部の水素濃度が2モル%、反応器内の全圧が0.8MPa・Gに保たれるように、プロピレンと水素を連続供給し、重合反応を行った。
得られた重合溶液に、安定剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)をその含有割合が500質量ppmになるように添加し、次いで溶媒であるn−ヘプタンを除去することにより、低結晶性ポリプロピレンを得た。
得られた低結晶性ポリプロピレンについて、上述した方法により、融点(Tm−D)、立体規則性指数([mm])、メソペンタッド分率[mmmm]、ラセミメソラセミメソ分率[rmrm]、[rrrr]/(1−[mmmm])、[mm]×[rr]/[mr]2、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。結果を第1表に示す。
Figure 0005255350
(2)弾性不織布の成形
鞘成分としては、上記(1)で得られた低結晶性ポリプロピレン60質量%、JISK7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定したメルトフローレート(MFR)が20g/10分の高結晶性ポリプロピレン(プライムポリマー社製、Y2000GP)40質量%の配合比でペレット状態に混合したものを用い、芯成分としては、低結晶性ポリプロピレンのみを用いた。
不織布の成形はスパンボンド装置(Reicofil社製Reicofil4)を用いて行った。鞘成分樹脂と芯成分樹脂を別々の単軸押出機を用いて樹脂温度220℃で原料を溶融押出し、ノズル径0.6mmの芯鞘複合ノズル(孔数7377ホール)より、単孔当たり0.5g/minの速度で、溶融樹脂を鞘成分:芯成分の比率が10:90となるように吐出させて紡糸した。
紡糸により得られた繊維を温度16℃、キャビン圧4000Paで60m/minのライン速度で移動しているネット面に繊維を積層した。ネット面に積層された繊維束を70℃に加熱したエンボスロールで線圧20N/mmでエンボス加工し、引取りロールに巻き取った。
得られた弾性不織布について、下記の測定及び評価を行った。結果を第2表に示す。
〔測定および評価〕
(1)連続成形性
1時間の成形中に、カレンダーロールに巻き付く回数で評価した。
A:巻き付きがない。
B:巻き付きが1〜2回である。
C:巻き付きが3回以上である。
(2)巻取りロールからのリリース性
ロールに巻き取った不織布を2週間室温にて放置した後、ロールから引き剥がした。その際に固着して剥がせない場合を×、固着していない場合を○と判定した。
(3)弾性回復率の測定
得られた弾性不織布から、長さ200mm×幅25mmの試験片を、機械方向(MD)と機械方向に対して垂直方向(TD)についてサンプリングした。引張試験機((株)島津製作所製、オートグラフAG−I)を用いて、初期長L0を100mmに設定し、引張速度300mm/分で100%伸長した後、直ちに300mm/分で戻し、応力が0となったときの長さL(mm)を測定した。下記式により弾性回復率(%)を算出した。
弾性回復率(%)=(2−L/L0)×100
(4)弾性不織布のべたつきの評価
パネラー10名により手触りの評価を行った。べたつきが無いと感じる場合を2点、少しべたつきを感じる場合を1点、べたつきを感じる場合を0点として採点し、パネラー10名の合計点が14点以上を評価A、10〜13点を評価B、9点以下を評価Cと判定した。
(5)HMA(ホットメルト接着剤)塗布時の収縮
ノードソン社製スプレー塗布機を用い、高さ35mmに設置した直径0.5mmのノズルからSBS系ホットメルト接着剤を、ノズル空気圧0.03MPa、塗布温度160℃、塗布量0.6g/m、ライン速度10m/分で、弾性不織布に塗布した。塗布面の外観を観察し、収縮による表面荒れの有無を判定した。
実施例2
実施例1において、鞘成分の低結晶性ポリプロピレン含量を90質量%とし、鞘成分:芯成分の比率を50:50とした以外は、実施例1と同様にして弾性不織布を成形し、同様の測定及び評価を行った。結果を第2表に示す。
実施例3
実施例1において、鞘成分の低結晶性ポリプロピレン含量を80質量%とし、鞘成分:芯成分の比率を20:80とした以外は、実施例1と同様にして弾性不織布を成形し、同様の測定及び評価を行った。結果を第2表に示す。
実施例4
実施例1において、鞘成分の低結晶性ポリプロピレン含量を90質量%とし、鞘成分:芯成分の比率を10:90とした以外は、実施例1と同様にして弾性不織布を成形し、同様の測定及び評価を行った。結果を第2表に示す。
実施例5
実施例1において、鞘成分の低結晶性ポリプロピレン含量を40質量%とし、鞘成分:芯成分の比率を20:80とした以外は、実施例1と同様にして弾性不織布を成形し、同様の測定及び評価を行った。結果を第2表に示す。
比較例1
実施例1において、鞘成分の低結晶性ポリプロピレン含量を95質量%、高結晶性ポリプロピレン含量を5質量%とし、芯成分を鞘成分と同じ樹脂とした以外は、実施例1と同様にして弾性不織布を成形し、同様の測定及び評価を行った。結果を第2表に示す。
比較例2
実施例1において、鞘成分と芯成分をともに低結晶性ポリプロピレンとした以外は、実施例1と同様にして弾性不織布を成形し、同様の測定及び評価を行った。結果を第2表に示す。
Figure 0005255350
本発明の弾性不織布は、例えば使い捨ておむつ、生理用品、衛生製品、衣料素材、包帯、包装材等の各種繊維製品に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 以下の(a)〜(f)を満たす低結晶性ポリプロピレンを含有する芯鞘型複合繊維からなることを特徴とする弾性不織布であって、該芯鞘型複合繊維が、鞘成分が、50〜99質量%の低結晶性ポリプロピレンと1〜50質量%の高結晶性ポリプロピレンを含有し、芯成分が、90〜100質量%の低結晶性ポリプロピレンと0〜10質量%の高結晶性ポリプロピレンを含有し、かつ、芯成分が鞘成分よりも高い含有量の低結晶性ポリプロピレンを含む、弾性不織布
    (a)[mmmm]=20〜60モル%
    (b)[rrrr]/(1−[mmmm])≦0.1
    (c)[rmrm]>2.5モル%
    (d)[mm]×[rr]/[mr]2≦2.0
    (e)重量平均分子量(Mw)=10,000〜200,000
    (f)分子量分布(Mw/Mn)<4
  2. 以下の式により算出される総低結晶性ポリプロピレン含量が、90質量%以上、99質量%以下である芯鞘型複合繊維からなることを特徴とする請求項1に記載の弾性不織布。
    総低結晶性ポリプロピレン含量=(Ws×Xs+Wc×Xc)/100
    Ws:鞘成分の質量分率
    Wc:芯成分の質量分率
    Xs:鞘成分中の、低結晶性ポリプロピレンの質量分率
    Xc:芯成分中の、低結晶性ポリプロピレンの質量分率
  3. 請求項1又は2に記載の弾性不織布を用いた繊維製品。
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