JP5247656B2 - 非対称的調整 - Google Patents

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Description

本明細書は、補聴器、特に、第1の補聴器と第2の補聴器を有する両耳用の補聴器システムにおいて、処理パラメータを調整する方法に関し、第1の補聴器と第2の補聴器の各々は、マイクロフォンと、音声環境において夫々のマイクロフォンで受信した音声信号に応答して、デジタル入力信号を与えるためのA/Dコンバーターと、所定の信号処理アルゴリズムに従って、デジタル入力信号を処理するように適応されており、処理された出力信号を発生するプロセッサ(processor)と、及び、夫々の処理された音声信号を音響的出力信号に変換するためのD/Aコンバーターと出力トランスデユーサーとから構成されている。
補聴器は、典型的には、ユーザーの補聴損失を補償するための、補聴器により受信された音声を処理するデジタル信号プロセッサー(DSP)を備えている。この分野で周知のように、デジタル信号プロセッサー(DSP)の処理は、実行される実際の信号処理を調整するための、種々のパラメーターを有する信号処理アルゴリズムによって制御される。多チャンネルの補聴器の周波数チャンネルの各々のゲインが、そのようなパラメーターの例である。
DSPの柔軟性は、複数の異なるアルゴリズム、及び/又は、特定のアルゴリズムの複数のセットのパラメーターを与えるように使用してもよいことである。例えば、種々のアルゴリズムは、雑音抑圧、すなわち、所望でない信号の減衰、かつ、所望の信号の増幅のために与えられてもよい。所望の信号とは、通常、話し声(speach)や音楽であり、所望でない信号とは、背景の話し声、レストランでのざわめき、音楽(話し声が所望の信号である場合)、交通の雑音等であることがある。
異なるアルゴリズムやパラメーターのセットは、話し声、不明瞭な声、レストランでのざわめき、音楽、交通の雑音等のような、異なる音声環境においても、快適で理解できる再生音声の品質を提供する。異なる音声環境から得られたオーデイオ信号は、非常に相違した特性、例えば、平均、及び、最大音圧レベル(sound pressure level)(SPL)、及び/又は、周波数内容(content)を、保有することがある。補聴器においては、音声環境の各々のタイプが、特別なプログラムに関係することがあり、この場合、信号処理アルゴリズムのアルゴリズムパラメーターの特別な設定が、特定の音声環境における最適な信号品質の処理された音声を与える。典型的には、そのようなパラメーターのセットが、周波数選択のフィルターアルゴリズムの、広帯域のゲイン、コーナー周波数(corner frequency)又は傾斜、に関するパラメーターと、例えば、自動利得制御回路(AGC)アルゴリズムのニーポイント(knee-point)と圧縮比とを制御するパラメーターとを含むことがある。
補聴器は、各々のプログラムが、特別な音声環境カテゴリー、及び/又は、特別なユーザーの好みに適応されている、多数の異なるプログラムを供給されることができる。信号処理パラメーターは、当初は、調整師(デイスペンサー)のオフィスでの適合期間(fitting session)に決定することができ、対応するアルゴリズムとアルゴリズムパラメーターを、補聴器の不揮発性メモリー領域で起動させるか、及び/又は、対応するアルゴリズムとアルゴリズムパラメーターを、補聴器の不揮発性メモリー領域に転送することによって、装置にプログラムすることができる。
聴覚に障害のあるユーザーが、左と右の補聴器を装着した場合、両方の補聴器が幾らか同期したように動作することが、しばしば望まれる。問題は、どの程度の同期を望むか、どのようなタイプの同期を望むか、及び、どのような状況において、どのようなタイプの同期が必要であるかである。複雑な問題としては、適合期間の後では、望まれた同期を予め決定しておくことが困難であることである。何故なら、両耳用補聴器システムの対称性に関する好みは、環境に依存しており、この好みは使用期間に亘って変化することであり、又は、端的に言えば、それは、研究室での適合手続に基づいて予め決定しておくことは、困難であることである。
アレキサンダー・イプマ(Alexander Ypma)氏、ジョブ・ゲーツ(Job Geurts)氏、サーカン・オエツアー(Serkan Oezer)氏、エリック・ファン・デアー・ウエルフ(Erik van der Werf)氏、及び、バート・デ・ベリス(Bert de Vries)氏による、オーデイオ、音声、及び、音楽処理に関する、EURASIPジャーナル、2008巻、文献ID183456、14頁、2008年、デジタルオブジェクト識別子(DOI)10.1155/2008/183456の「オンラインによる、聴覚機器の個人化」として公表された最近の研究では、10人の聴覚に障害のあるユーザーのグループに、両方の機器に雑音低減パラメーターを個人化することをたずねたところ、その内の幾人かの参加者が、両耳用補聴器システムに非対称性に対する好みを有していることが判明した。
現在のところ、両耳用補聴器システムを構成するためには、ユーザーは、左と右の補聴器を別個に調整する必要がある。補聴器システムに関する、この両面的なユーザーの相互作用は、ユーザーにとって負担になっていると考えられる。
左と右の補聴器は、相互に、例えば、補聴器の間の無線リンクによって通信することが可能である。そのような構成では、人は、補聴器を非対称な方法で同期すること、即ち、同期の容易さでは便利であるが、同時に対称的な好みも可能にすることによって、対称的な左−右の好みと、非対称的な左―右の好みに関する、組み合わされた知識を利用することができる。
付加的には、非対称的な聴覚損失、及び/又は、好みのためのモデルは、非対称的なパラメーター変更を予測するために利用することができる。更に、ユーザーが補聴器の片方を調整することは、両耳用の補聴器システムにおける他方の装置に対する調整も推測するように利用することができ、あるいは、部分的な(左、又は、右の装置の)入力のみに基づいて、両耳用の補聴器システムの設定を更新さえするように利用することができる。
本発明の第1の観点は、ユーザーに装着される、両耳用の補聴器システムの一部を構成する第1と第2の補聴器のための信号処理パラメーターを調整する方法であって、両耳用の補聴器システムは、ユーザーの第1の耳と第2の耳との間の所望の非対称性を表すそのユーザー特有のモデルから構成されるものであり、その方法は、
第1の補聴器における処理パラメーターの変更のための要求を検出するステップと;
その要求に応答して第1の補聴器における信号処理パラメーターを調整するステップと;
その要求に応答し、かつ、ユーザーに特有のモデルに基づいて、第2の補聴器のための処理パラメーターを調整するステップと、
から構成される。
この方法は、両耳用の補聴器システムを使用中に、所望の非対称性に関して、上記モデルを適合させるステップを、さらに備えてもよい。
モデルを適合させるステップは、第2の補聴器のための処理パラメーターを調整するステップの後であって、かつ、第2の補聴器におけるパラメーター変更を処理するための、第2の要求に応答して実行されてもよい。例えば、ユーザーは、第2の補聴器のための処理パラメーターの新規な調整値に満足しないことがあり、第2の要求によって、第2の補聴器をマニュアルで調整しようと反応する。好ましくは、このマニュアル調整は、それが、第2の補聴器のための処理パラメーターを調整するステップの後の所定の短期間内に実行される場合のみ、即ち、第2の要求が、第2の補聴器のための処理パラメーターの調整の後の所定の期間内に実行される場合のみ、モデルに組み入れられる。
モデルを適合させるステップは、観察された音声環境への非対称的な振る舞いを修正することを含んでもよい。例えば、モデルを適応させるステップは、統計的に処理された環境データに基づいてもよい。例えば、第1と第2の補聴器のための処理パラメーターの所定の設定は、ユーザーが、典型的に、統計的に処理された環境データにより指示された時間を消費する音声環境のタイプに依存することができるという所定の妥協を、表示してもよい。
検出するステップは、例えば、ハードウエア割込みか、又は、他の信号手段を介して、パラメーターを変更するための信号、又は、要求を記録することを含んでもよい。
人が、補聴器の片方を、何らかの制御装置、例えば、補聴器を制御するための、制御ホイール(control wheel)(例えば、音量ホイール)、プッシュボタン、トグルスイッチ、又は、リモートデバイスのような、アクチュエーターを介して操作する時、本発明の方法は、他方の補聴器を、第1の補聴器と同期させるが、好ましくは、同一の調整を他方の補聴器に単にコピーするのではない。本発明の方法は、好みにおける相違点と二つの耳における聴覚損失があることを考慮に入れることを、確実に実行する。このモデルは、例えば、聴力図(audiogram)、又は、PTAのような、それらの何らかの派生物による測定に、基礎を置いてもよい。PTAとは、ピュア・トーン・アベレージ(pure tone average)のことであり、即ち、例えば、500、1000、及び、2000Hzにおける純音(ピュア・トーン)聴力閾値の平均値である。
第1と第2の補聴器の役割は、両耳用の補聴器システムにおける左と右の補聴器によって、交互に交替して動作するようにしてもよい。
本発明の第1の観点による方法において使用されるモデルは、周波数に依存するモデルであってもよい。聴覚損失は、全周波数スペクトルにおいて、あるいは、与えられた周波数区間に亘って同一ではないかもしれないので、このことは、有利であることがある。
聴覚損失(hearing loss)という語句は、第1、及び/又は、第2の耳における聴覚損失を意味すると解釈することができると理解すべきである。他の実施例においては、聴覚損失という語句は、第1、及び、第2の耳の間での聴覚損失の相違を意味すると解釈することができ、また、例えば、所望のいかなる非対称性を反映するような、他のタイプのデータをも、おそらく、含むことができる。
本発明による方法において、処理パラメーターを変更する要求が検出される。この要求は、幾つかのイベントの一つ、又は、イベントの組み合わせから、発することができ、それらのイベントは、次のものには限定されないが、次のものを含む。即ち、補聴器の片方にあるホイール(wheel)の操作、補聴器の片方にあるプッシュボタンの操作と、補聴器の片方あるいは両方を制御し、又は、これらの片方あるいは両方と通信するリモートコントローラの操作と、周囲の音声あるいはそれらのあらゆる組み合わせをモニターしているデバイスや回路の操作とを含む。
例えば、両耳用の補聴器システムは、ユーザーの音声環境を、話し声、不明瞭な声、レストランでのざわめき、音楽、交通の雑音等のような、多数の関連する、又は、典型的な毎日の音声環境カテゴリーの1つに、自動的に、分類することができる。
得られた分類結果は、補聴器の信号処理特性を、自動的に、選択するために、例えば、問題の環境のための最も適当なアルゴリズムに、自動的に、切りかえるために、夫々の補聴器において利用されてもよい。そのような補聴器は、種々の音声環境における、個々の補聴器ユーザーのための、最適な音声品質と、及び/又は、最適な話し声の明瞭さを維持することができるものである。
一例によれば、背景雑音のレベルのみならず、この背景雑音の信号特性に更に依存して、無指向性と指向性のマイクロフォン・プリセット・プログラムの間を切りかえることが望ましいことがある。補聴器のユーザーが、背景雑音のあるところで、別の個人と話をするような状況においては、背景雑音のタイプを特定し、分類できることが、有益なこともありうる。無指向性の操作は、交通雑音である雑音が、到着する方向に依存せず、ユーザーが、接近する交通を明確に聴くことが可能であるような場合においては、選択できる可能性がある。他方、もし、背景雑音が、不明瞭な声と分類された場合、ユーザーが、会話の間に改善された信号対雑音比(SNR)で目的の話し声の信号を聴くことができるように、指向性の聴取プログラムが、選択される可能性がある。
音声特性は、ユーザーの両方の耳で著しく相違することがあり、また、ユーザーの両方の耳における音声環境の決定が、相違することが起こるものであり、このことは、ユーザーの両方の耳の各々のために、所望の異なる音声信号処理に導くことがある。
要求が処理され、そして、対応する1又は複数のパラメーターが、第1の補聴器において調整される。第2の補聴器での対応する調整は、その要求に基づいて、かつ、第2の耳の聴覚損失、及び/又は、好みを表すモデル、又は、ルールを利用することによって、計算され、予測され、又は、決定される。第2の補聴器のための処理パラメーターが、その後、調整される。
本発明による方法は、非対称的な様式で同期した調整を実行するときに、各々の耳における聴覚損失における従来の知識と、他の聴覚学的または精神物理学的な従来の知識と、環境的な情報とを利用する。
第1の補聴器における信号処理パラメーターは、処理パラメーターの変更のための要求に基づいて、かつ、更に、装着者の第1の耳の聴覚損失を表す更に特有のモデルを利用することによって、調整してもよいことは、本発明の有利な点である。このことは、第1の補聴器の補聴器処理パラメーターが、第2の耳におけるものと同様に、第1の耳における聴覚損失を表すモデル、又は、ルールを利用して、調整されることを可能にする。操縦パラメーターのレベルを同期する際に、本発明の有利な点は、同一の操縦パラメーターを、補聴器システムの両側に無理に用いることが、依然として、非対称的な同期として見なすことができることである。これは、左と右の補聴器パラメーターの間の非対称性は、2つの耳における音響フィールドの相違によって生じることがあるからである。操縦パラメーターとは、音声の特徴点、又は、音声分類出力値のように、環境記述子から補聴器処理パラメーターの計算を支配するパラメーターである。また、操縦パラメーターとは、補聴器処理パラメーターに対する音声環境に関係するパラメーターでもある。これらのパラメーターは、ある所定の値に固定されなくてもよい。操縦パラメーターは、更に、ある環境における、1、又は、複数の補聴器パラメーターの値が、ユーザーの好みをできるだけ良好に反映するように、修正できるようにしてもよい。
更に、ユーザーは、補聴器の片方だけを操作しなければならないけれども、両方の補聴器が、左と右の聴覚損失に適合されるように、調整される。
上記したように、処理パラメーター変更のための要求は、装着者の初期的な、アクチュエーターの操作から生じてもよく、あるいは、信号特性における変更に応答して生成してもよい。補聴器は、現在の音声環境状態、例えば、風の雑音、又は、周囲の話し声や他の周囲の雑音音源に起因する雑音による騒々しい状態のような、周囲の音声環境を検出するための回路を含んでいてもよい。
幾つかの実施例においては、処理パラメーターは、音量レベルであってもよいが、等価パラメーター、音声分類パラメーター、雑音低減パラメーター、雑音低減、圧縮比、時定数、分類モジュールのパラメーター、ビーム成形(指向性処理)パラメーター、フィードバック抑圧パラメーター、ダイナミックレンジ圧縮パラメーター等のような他のパラメーターを使用してもよい。更に、ハイパーパラメーターが、制御され、又は、変更されてもよい。ハイパーパラメーターは、そのままでは、補聴器の処理パラメーターではない。それは、処理アルゴリズムの働きを支配するパラメーターであり、かつ、典型的には、ある所定の値に固定されている。
処理パラメーターの変更のための要求に応答して、モデルが適応できることは、本発明の格別に有利な点である。もし、ユーザーや装着者が、特定の環境状況に置かれていて、それに応じて、補聴器を調整するとすれば、そのモデルまたはルールも、その変更要求に応答して調整、又は、修正されてもよい。このことは、装着者が補聴器を調整する必要がある回数を減少させることを意図しており、その結果、補聴器に対して装着者の満足度をおそらく増加させることになる。
本発明による方法は、処理パラメーターの変更のための要求が、変更すべき1、又は、複数の処理パラメーターと、及び、変更量を表すパラメーターとに関する情報とから構成してもよいことは、更に有利な点である。この要求は、例えば、音量の増加量あるいは減少量というように、1又は複数のパラメーターの変更量に加えてどの1又は複数のパラメーターを変更するかということに関する情報から、構成してもよい。
本発明の一実施例によれば、第1の補聴器は、マスターデバイスであり、第2の補聴器は、スレーブデバイスであってもよい。このことは、ユーザーが、第1のマスター補聴器だけで変更することを可能にし、その後その変更は第2のスレーブ補聴器に、転送されるか、又は、強制的に与えられる。両方の補聴器が、マスター補聴器の役割を引き受けることも可能ではあるが、両方の補聴器が、変更要求を受信することができて、その後、他の補聴器にその変更を転送、又は、印加できるという意味において、これは同時であってはならない。
本発明の有利な一実施例によれば、このモデルは、その各々が、ユーザーの第1の耳と第2の耳における聴覚損失に関係する2つの分離した操縦ベクトルを備えてもよく、この場合、その操縦ベクトルは、組み合わされた両耳用システムを表す確率性モデルによって結合されている。
第1の観点による方法の有利な一実施例によれば、すべての非対称性の程度は、更に、第1と第2の補聴器における、マイクロフォン記録の間の差異に依存してもよい。
本発明によれば、ユーザーの聴覚損失を表すモデルは、ユーザーの第1の耳、及び/又は、第2の耳において、測定された聴覚損失、又は、推定された聴覚損失から構成していてもよい。このことは、聴覚損失が両耳で同一ではない場合に、有利であることがある。
本発明の更なる有利な一実施例によれば、処理パラメーターの変更のための要求は、アクチュエーターへの装着者の初期的な操作から生じてもよく、又は、信号特性における変更に応答して生成される。この要求は、例えば、ユーザーによって操作された音量ホイール(wheel)あるいは他の相互作用手段から、生じてもよい。
本発明の第1の観点による方法は、適合状況では実行されないのが、現在では、好ましい。適合状況は、通常、専門家によって、例えば、研究室かクリニックで実行される。本発明の方法は、誰か他の人物がいる状況、例えば、仕事をしている状況や、レストランでの食事のような寛いでいる状況や、更に、より多くの人々が集まっている状況に装着者がいる場合に、使用されることが好ましい。
その方法は、聴覚障害者が、補聴器が無ければ、不快に感じるような、何らかの雑音の状況に置かれた装着者により、使用される補聴器において、実行されることが好ましい。
その要求は、パラメーターのベクトルに基づいてもよい。第1と第2の補聴器のモデルは、分担されたパラメータあるいは共通のパラメーター、又は、パラメーターのセットか、あるいはパラメーターのベクトルであってもよい。
本発明の第2の観点は、信号プロセッサを備えた補聴器に関し、この場合、補聴器は、使用中は、両耳用の補聴器システムの一部を構成するように適応しており、かつ、使用中は、両耳用の補聴器システムの一部を構成するように適応している他方の補聴器からの情報を受信するように、適応している。更に、信号プロセッサは、他方の補聴器における処理パラメーターの変更のための要求と、ユーザーの第1の耳と第2の耳との間の所望の非対称性を表すユーザーにとって特有のモデルとに基づいて、補聴器における信号処理パラメーターを、調整するように構成されている。
更に、信号プロセッサは、要求に応答して、ユーザーに特有のモデルを調整するように構成されていてもよい。
更に、第2の観点による補聴器は、本発明の第1の観点による方法に関連して、記載したステップのいずれかを実行するように、構成され、又は、適応していてもよい。
モデルは、第1の補聴器に配置されていてもよく、又は、これは、第2の補聴器に配置されていてもよい。しかし、他の実施例によれば、そのモデルは、リモート制御機器や、身体に装着する装置、あるいはパーソナルデータアシスト(PDA)、携帯電話(mobile/cellular phone)等のような携帯型パーソナル装置である第3の装置に配置されていてもよい。
本発明の一実施例によれば、このモデルは、第1と第2の補聴器の間において、モデルの幾つかのパーツが第1の補聴器に配置されて、かつ、幾つかのパーツが第2の補聴器に配置されるような方法で、分担されていてもよい。例えば、一実施例によれば、第1の補聴器で補償されるべき、耳の聴覚損失に関係するモデルのパーツが、第1の補聴器に配置されており、一方、第2の補聴器により補償されるべき、耳の聴覚損失に関係するモデルのパーツが、第2の補聴器に配置される。
他の一実施例によれば、モデルのパーツは、重複していてもよく、そして、幾つかの実施例によれば、全体として、重複していてもよい、即ち、第1と第2の補聴器は、共に、極端に重複している場合には、同一のモデルを備えていてもよい。
以下に、本発明は、図面に示された複数の実施例を参照して、詳細に説明される。
両耳用の補聴器システムの単純化された概略図面である。 本発明の第1の実施例のステップを示すフローの概略図面である。 本発明の第1の実施例の他の図面である。 本発明による方法の修正された第1の実施例の概略図面である。 本発明の第2の実施例を示す概略図面である。 図1に示したものと本質的に、同一の構成を示す図面である。 2つの補聴器のいずれか片方が、マスターデバイスの役割を引き受ける場合の、本発明の一実施例の図面である。 本発明の第2の実施例のシミュレーションの概略図面である。 本発明の第2の実施例のシミュレーションの概略図面である。 本発明の第2の実施例のシミュレーションの概略図面である。 本発明の第3の実施例の概略図面である。 第3の実施例の変更版の概略図面である。 本発明の第4の実施例の概略図面である。 第6の実施例の概略図面である。 人間の聴覚損失の概略図面である。 人間の聴覚損失の概略図面である。
本発明の典型的な実施例が示された添付図面を参照して、本発明は、以下に、更に十分に説明される。しかし、本発明は、異なる形式でも具体化することができ、ここに示された実施例に限定して解釈すべきではない。むしろ、これらの実施例は、この開示が十分で完全なものであることを示していて、当業者にとって発明の範囲を十分に伝えるものである。図面は、簡明さのために略図で単純化されており、そして、発明を理解するために本質的である詳細を単に示しているにすぎず、他方、その他の詳細は省略している。全体を通じて、同一の参照番号は、同一、又は、対応する部分のために使用した。
図1は、両耳用の補聴器2の単純化されたブロック図である。両耳用の補聴器2は、相互に通信できるように適応、又は、構成された、2つの分離した補聴器4と6を備えている。補聴器4と6の各々は、入力トランスデューサー8、10、即ち、電気的入力信号を与えるための、例えば、マイクロフォン、及び/又は、テレコイル(telecoil)(図示せず)を備えている。補聴器4と6は、更に、圧縮器(compressor)12,14のような、音声信号プロセッサと、音量制御装置16,18と、レシーバーのような出力トランスデューサー20,22とを備える。図1に示した両耳用の補聴器2は、マスタースレーブ構造で示している。ここで、マスター補聴器4における音量制御装置16の調整は(処理ブロック24により示される)、ユーザーの聴覚損失のモデルに依存して、第2の補聴器6における音量の自動的な調整を伴う。この例においては、マスター補聴器の補聴器処理パラメーターの調整は、音量の調整であるが、しかし、これは、いかなる他の補聴器処理パラメーターであってもよいことと、マスター補聴器4における、1種類の処理パラメーターの調整は、スレーブ補聴器6における、同一種類の補聴器パラメーター(この例では、スレーブ補聴器6における音量調整でもある)の調整によって、必ずしも、伴われるものではないことを理解すべきである。更に、マスター補聴器4における処理パラメーター(この例では、音量)の調整は、例えば、マスター補聴器におけるプログラムの自動的な変更によって、自動的に、トリガーされてもよいことを理解すべきである。プログラムのこの自動的な変更は、例えば、両耳用の補聴器2の周囲の音響的な環境における変化により、トリガーされてもよい。モデル処理ブロック24は、2つの補聴器4あるいは6のいずれか片方に組み込んでもよい。この実施例においては、スレーブ補聴器6における音量制御装置18は、オプショナルであることを理解すべきである。
図2は、本発明の第1の実施例のステップを示すフロー図の概略図面である。
本発明の方法は、両耳用の補聴器システムにおける信号パラメーターを適合し、調整し、又は、変更することに関する。両耳用の補聴器システムは、2つの補聴器、即ち、装着者あるいはユーザーの左の耳のために1つの補聴器と、その右の耳のために1つの補聴器から構成される。本明細書において、2つの補聴器は、第1の補聴器と、第2の補聴器と言及される。左と右の補聴器は、相違する状況においては、第1の補聴器と第2の補聴器の役割を引き受けることができる。補聴器の一方が、動作している時、すなわち、処理パラメーターを変更する要求を受信した時には、この補聴器は、第1の補聴器と称され、他方の補聴器は、その後、非対称的な方法で同期される。このとき、他方の補聴器は、第2の補聴器と称される。
処理パラメーターを変更するための要求は、ステップ26で受信される。その要求は、どの処理パラメーターを変更すべきかの表示から構成される。ある実施例においては、その要求は、複数のパラメーターの表示を含んでいてもよい。パラメーターの識別に加えて、この要求は、パラメーターの変更量の表示を含んでいてもよい。
処理パラメーターを変更する要求は、幾つかのデバイスあるいはいくつかのユニットの一つによって生成されてもよい。通常は、両耳用の補聴器システムにおける、片方、又は、両方の補聴器は、音量ホイールを備える。この音量ホイールは、処理パラメータの変更のための要求を生成することができる。この要求に、処理パラメーターを変更すべき量の表示を加えてもよい。
この方法は、更に、第1の補聴器における信号処理パラメーターを調整するステップ28を備える。本発明の一実施例によれば、処理パラメーターは、第1の補聴器において、ただちに、即ち、第1の耳における聴覚損失を考慮せずに、変更、又は、修正される。
この方法は、更に、処理パラメーターを変更する要求に基づいて、第2の補聴器のための処理パラメーターの変更を決定するステップ30と、ユーザーの第2の耳の聴覚損失と、及び/又は、夫々のユーザーの好みとに応じて、第1と第2の耳における好ましい非対称性を表す特有のモデル32とを備える。
第1の耳における音声のユーザーの感知に基づいて、ユーザーが、第1の耳における処理パラメーターを変更することを望み、それ故、第1の耳における、例えば、音量ホイールを操作すると仮定されるので、上記のことは、有利であると考えられる。
一実施例によれば、本発明による方法は、第1の耳のためのパラメーター変更のための要求と、第2の耳のための聴覚損失のためのモデルとに基づいて、第2の耳のための処理パラメーターを自動的に変更すること、又は、適合させることを提供する。本発明の具体的な実施例によれば、その方法は、第1の耳のためのパラメーター変更のための要求と、第2の耳のための聴覚損失のためのモデルとに基づいて、第2の耳のための同一の処理パラメーターを自動的に変更することか、又は、適合させることを提供する。第2の耳のためのモデルとは、好ましくは、周波数に依存するモデルである。
非対称的な聴覚損失の例としては、異なる音の大きさの知覚を含む。即ち、健康回復量、又は、L−R(L−Rとは、左―右を表す)の聴覚過敏量の相違を含み、これらの相違は、結果として、相違する閾値レベル、相違する最も快適なレベル[most comfortable level(MCLレベル)]、相違する不快なレベル[uncomfortable level(UCLレベル)]、のうち1又は複数のものを含み、又は、適合中では、L−Rレベルのマッピングが選択されるかあるいは測定される可能性がある。
更に、非対称的なSNR損失は、例えば、快適性か明瞭さの好みに関し、L−Rのマッピング曲線に影響を与えるかもしれない。これは、適合中に、実験あるいは測定を予測し、かつ傾向を示すことが困難になると思われる。
この方法は、また、第2の補聴器における1あるいは複数の信号処理パラメーターを変更、又は、適合させるためのステップを備える。第1、及び/又は、第2の補聴器のための信号処理パラメーターの変更の計算、又は、決定は、どちらかの補聴器において実行されてもよい。両耳用の補聴器の幾つかの実施例において、両方の補聴器は、信号処理ユニットを備える。信号処理パラメーターは、片方の補聴器においてセットされて、その後、他方の補聴器に転送されてもよい。この1つの例は、2つの補聴器が、ブルートゥース(Blue Tooth)、又は、他の適当なプロトコルの無線接続を介して、通信している両耳用の補聴器システムである。その他には、2つの補聴器が、導電体によって接続されていてもよい。
図3は、両耳用の補聴器システムの一実施例を示している。ここで、システムは、左と右の補聴器パラメーターの非対称的な同期を利用する。
有利な一実施例によれば、両耳用の補聴器システムの2つの補聴器の間のモデル、又は、転送機能は、片方の補聴器においてなされる他方の補聴器に対する変更についての、非線形的なあるいは非対称的な転送機能を提供することができる。
有利にも、もし、ユーザーが第1の補聴器のみを制御する場合、第2の補聴器は、非対称な様式で、第1の補聴器と同期させることができる。聴覚状況の多くのためには、このことは、完全に、ユーザーにとって許容できるものである。
例えば、たとえ、ユーザーが、両耳用の補聴器システムにおける補聴器の片方の音量ホイールを操作して、左耳と右耳にとって相違する聞き取れる範囲を有する場合でも、第2の補聴器のための音量変更は、両方の耳のための音の大きさが同一と感知されるような増大あるいは減少に導かれるので、第1の補聴器における音量変更とは相違してもよい。そのような場合には、本明細書にて説明したシステムの実施例では、音量ホイールにて実行される操作と、ユーザーにとって聞き取れる範囲における相違を表すモデルとに基づいて、第2の補聴器の自動的な調整を可能にする。したがって、ユーザーは、2つの補聴器の各々を、別個に調整する必要はない。
幾つかの実施例において、このシステムは、音量調整により、第1の耳における聞き取れる範囲に関連した第1の耳における、全ての利得(gain)の変更の大きさを計算して、その後、第2の耳における聞き取れる範囲に関連した、同一の大きさを持つ第2の耳における利得の変更を発するために、構成されてもよい。
図3から図12を通じて、添え字Lと Rは、それぞれ、左と右を示している。図3において、xを伴って表示された、左の入力音声と右の入力音声は、処理された音声yを出力する補聴器HAによって、処理される。
この出力音声yは、左と右の耳Eに入力され、左と右の聴覚神経信号nに変換され、脳の中で結合され(combine)、観測され(observe)、統合され(integrate)、及び、評価(evaluate)される。処理された左と右の音声についての両耳用のそのような統合と評価に基づき、ユーザーは、左、及び/又は、右の補聴器を調整するという決定dを行うことができる。
このことは、1、又は、複数の補聴器に対して何らかの方法で出力するであろう、修正値rを構成する調整に、導くものである。
学習モジュールLは、所定のルールを介してユーザーの修正値rからマッピング(mapping)を学習し、かつ、適用する。修正値、又は、調整値rが両耳用の補聴器システムにおける器具の片方のみにおいて、発せられた場合には、このルールは、調整された器具において、最善の補聴器処理パラメーターθを計算し、かつ、他方の器具には、両耳用の有用性モデル(utility model)を与える。最も簡単な場合には、そのような有用性モデルは、患者の左と右の聴覚損失HLLとHLRについての情報を、そのモデルまたはルールに渡す(pass)。一般的には、有用性モデルは、左、及び/又は、右の聴覚損失に関する情報を含む聴覚のプロフィールαを含んでもよく、ユーザーの聴覚損失、音声理解、及び/又は、ライフスタイルの観点を反映している他のパラメーターをも含んでいてもよい。有用性モデルは、有用性パラメーターωをも含んでいてもよい。学習モジュールは、調整値からパラメーターへのマッピングを支配するパラメーターβを含んでいてもよい。この第1の実施例において、ルールから学習モジュールへの矢印によって示されたように、ルールは学習モジュールにおける左と右の処理パラメーターの計算を支配する。固定されたマッピングf(.)の選択は、このルールによって支配される、パラメーターβのある設定によって表現される。他の実施例においては、そのマッピングは、固定されなくてもよく、可変でもよい。
その動作(behaviour)は、次の更新方程式を用いて、この例のためにモデル化されてもよい。
Figure 0005247656
ここで、出力θL kとθR kは、同意時間(consent time)kにおける、左と右の補聴器のパラメーター(行[column])ベクトルであり、θL k-1とθR k-1は、左と右の補聴器のパラメーターベクトルの以前の値であり、rL kは、時間kにおける、左の補聴器に対するユーザー修正ベクトルである。更に、f(rL k;HLL,HLR)は、右耳に与えられる、左の補聴器のユーザー修正ベクトルの、ある(非線形の可能性のある)スケール化(scaling)であり、これは、両耳における聴覚損失を考慮に入れる。実際上、典型的には、補聴器パラメーターベクトルは1次元であり、1次元以上を持った適当なユーザー修正ベクトルrL kが、ユーザーにより供給されることができた場合には、多次元のパラメーターベクトルを、更に、非対称的に同期させることもできる。
この実施例においては、タイムスタンプ(time stamp)tは、例えば、サンプリング期間1/Fsの倍数において測定される、進行中の時間として定義される。この場合、Fsは、デジタル補聴器プロセッサ(processor)のサンプリング周波数である。
更に、同意時間kは、明確な同意が、ある調整に対してユーザーにより与えられた、タイムスタンプtkとして定義される。ユーザーは、補聴器の音声処理機能に影響を与えるために、制御機能(ホイール、プッシュボタン、リモート制御、又は、何か他のユーザー制御インターフェース)を、操作する。ユーザーが、ユーザー制御を離す(そして、ある所定の時間の間、変更させないままにしておく)時間は、同意の時期(consent moment)と称される。同意の時期kは、この制御が離された(そして、変更させないまま)ところのk回目の時間と呼ぶ。幾つかの実施例においては、制御に対するユーザー調整の非対称的な同期を実行する時に、このシステムは、同意の時期に、働くように構成されている。方程式(1)から同意時間kにおける左と右の補聴器パラメーターベクトルが、新しい処理パラメーターとして、現在の同意時期kと次の同意時期k+1の間のいつの時間においても、即ち、更新されたθL kとθR kが、tkとtk+1の間のタイムスタンプにおいて、θR tとθR tとして使用されるいつの時間においても、補聴器システムの内部に、印加される。次に入って来る音声のオンライン処理の間の任意のタイムスタンプに、同様のルールが、同意時間における更新された操縦パラメーターを、変換するために使用される。
一実施例によれば、人は、非線形のスケール化機能を、以下のものとして選択してもよい。
f(rL k;HLL,HLR)=scaleback(scale(rL k;HLL);HLR)
ここで、scale(.)機能は、左の聴覚損失に従って左の補聴器における調整を増減させ、scaleback(.)機能は、この「感知できるようにスケール化された調整」を利用して、右の聴覚損失に従って調整を計算する。右の補聴器パラメーターは、このようにして、左と同期させられるが、左補聴器の変更された修正値を利用して、補聴器の間の非対称性が許される。更に、左補聴器に対して発せられた一つの修正値だけが、両方の補聴器を訂正するために利用され、このことは、2つの制御装置を操作することを避け、ユーザーにとって有益と考えられる。
代替的な実施方法、又は、一実施例は、更新方程式を利用することができる。
Figure 0005247656
非線形スケール化は、左補聴器における感知された変更が、右補聴器における感知された変更と類似するように、左補聴器の修正を、再度、適用する。しかし、両方の耳における聴覚損失とは別に、現在、この機能は、右補聴器のパラメーターベクトルの以前の値も考慮する。右補聴器におけるユーザーの付加的な修正値rR tは、通常は、零であるが、ユーザーは、もし必要であれば、右補聴器における付加的な微調整を実行することが可能である。幾つかの実施例においては、ユーザーの付加的な修正値は、耳における聴覚損失を表すモデルよって学習されるか、あるいはそのモデルに併合されてもよく、それにより、モデルに基づいた更なる調整を改善する。
上記した複数の実施例においては、左補聴器は、第1の補聴器の役割を果たしているが、役割は交換してもよいことに留意されたい。例えば、他の複数の実施例においては、右補聴器が、第1の補聴器の役割を果たしてもよい。
他の複数の実施例においては、第1の耳における調整と、両方の耳における聴覚損失とから、他方の耳における最良の修正された変更を計算するように、パラメーター調整値と相違するモデルとを表現するための、相違する制御装置が、更に、考えられる。
図2と3により示されたフロー図が、上記複数の実施例に関係する。
図4は、本発明による方法の、修正された第1の実施例の概略図面である。図4は、図2におけると同様なステップから構成されており、同様なステップは、同一の参照番号を付されている。
図2におけるステップに追加して、図4に示した方法は、ボックス36を含む。これは、第1の補聴器のための、1又は複数の処理パラメーターの調整を実行するか、計算する際に、第1の耳の聴覚損失モデルを利用することを表すためである。
本発明の第2の実施例では、非対称的なユーザーのフィードバック、及び、非対称的な音響的特徴を利用して、左と右の操縦パラメーター(steering parameter)の同期を与える。この第2の実施例は、図5に示されている。
非対称的な同期というアイデアは、左と右の補聴器の音声特徴(列[row])ベクトルSL tとSR tを導入することにより、拡張することができる。これらのベクトルは、例えば、マッピングを利用して、両方の補聴器の間で分担する、重み付け定数(weighting coefficient)、又は、操縦パラメーターβtのセットを介して、両方の補聴器のパラメーターを操縦する(steer)ものである。
Figure 0005247656
方程式のこのシステムは、左と右の(スカラー量(scalar)の)補聴器処理パラメーターが、分担された操縦ベクトルφを利用して、(左と右の補聴器の音声特徴ベクトルSL tとSR tにより表されるように)音響的な環境とともに変更されつつあるということを表している。
更に、ユーザーの調整値rL tとrR tが、環境的に操縦されたパーツSL tφとSR tφに追加される。この実施例においては、我々は、スカラー補聴器パラメーターベクトルθL kとθR kを考える。しかし、このことは、1次元の場合に対するこの実施例の背後にある、アイデアの適用を制限するものではない。何故ならば、本発明の代替的な実施例においては、多次元のパラメーターベクトルの非対称的な同期が、同様に利用される可能性があるからである。
我々は、ユーザーの調整値rL tとrR tが、時間とともにどのように変化するのかを特定していないことに留意されたい。例えば、同意時間k,における左の補聴器に対する調整を基礎とした学習ステップΔL kの結果として、この学習ステップが適用されるタイムスタンプτにおいて、調整値を、rLτ−ΔL kとして減少させてもよい。さもなければ、この調整値を変更しないままにしておいてもよい(従って、この調整値が変更される唯一の方法は、ユーザーの相互作用によってである)。
音声特徴ベクトルの各々における一つの構成要素(component)は、1にセットされてもよく、これによって、環境に依存しないバイアス(bias)が与えられる。ユーザーは、補聴器のいずれか片方か、または両方を操作することが可能となり、この結果、左のユーザーの修正値rL t、右のユーザーの修正値rR t、又は、左と右のユーザーの修正値の組み合わせのいずれかが生じる。分担された操縦ベクトルβは、例えば、聴覚損失についての以前の知識や、ユーザーの好み等を利用して、予め定義されてもよい。
付加的には、ユーザー修正値を組み入れて、共通の重み付けベクトルを更新するという、オンライン学習方法を、企画してもよい。本明細書においては、オンラインという用語は、オフラインとは反対であり、補聴器具の使用中との意味であって、即ち、調整士(デイスペンサー)のオフィス等での適合期間(fitting session)の間の意味と解釈される。従って、この両耳用補聴器システムは、操縦パラメーターのレベルにおいて同期するが、この操縦から生じる実際の補聴器パラメーターは、その特徴が両耳の間で相違するか、及び/又は、ユーザーの修正値が、両耳の間で相違する場合には、両耳の間で相違してもよい。更に具体的には、「出力モデル」とも呼ばれる、次式のような補聴器パラメーターのための、線形ガウスモデルを利用することが、提案される。
Figure 0005247656
ここで、εL kとεR kは、同意時間kでのユーザー調整値における雑音を表す、零平均ガウス雑音音源値(zero mean Gaussian noise source)で、その音源値は、それぞれ、変動値(variance) ΣL kとΣR kを有する。このモデルにおいて、期間φk (term)は、現在の操縦ベクトルを表す確率変数であり、補聴器の処理に適用される、分担された操縦ベクトルφを予測/更新するために、利用されることに留意されたい。
我々は、非対称的な調整誤差とユーザー固有の不整合を、おそらくは相違した平均と分散行列(covariance matrix)とを有するガウス確率変数である雑音音源値(source)を用いて、モデル化する。更に、θL k、θR kとφkは、時間で可変する確率変数であり、この場合、我々は、θL kとθR kをスカラー量として、及び、φkをベクトルとして、取り込む。上記に記載したように、多次元的なθL k、θR kを含む拡張を、本発明の代替的な実施例によって実施することができる。
明白な同意kの両耳の時期は、タイムスタンプtkのときに開始する、所定の「同期の時間窓(synchronization time window)」と呼ばれる。ここで、ユーザーは、補聴器パラメーターを修正するために、補聴器のいずれか片方あるいは両方の制御を離して、その後、所定の時間の間、離された1又は複数の制御値に触れないままにしておく。そのような両耳の同意時期(consent moment)(以後、単に「同意時期」と称される)の間、所望の補聴器パラメーター値は、少なくとも、一部は知られており、音響的な特徴は、常に、補聴器システムの両方の補聴器において検索することができる。ユーザーの好みを変更することをモデル化するためには、例えば、このパラメーターの進化、即ち、その「状態モデル(state model)」が、例えば次の方程式でモデル化することができることを、我々は仮定する。
φk=φk-1+ξk (5)
ここで、ξkは、状態(即ち、操縦)変数φkの進化のおける不確定性を表す、分散行列Γkを有した零平均ガウス雑音(zero-mean Gaussian noise)である。各々の同意時期において、今、我々は、例えば、カルマン(Kalman)フィルター更新方程式(update formulas)を利用して、次の状態変数の平均を計算することによって、操縦パラメーターを更新することができる。他の適当な方程式も、利用してもよい。例えば、このモデルの特別な場合は、帰納的な最小2乗法(least-squares)、又は、正規化された最小2乗平均法(least-mean-squares)で得られる更新である。両方の補聴器に対する修正値が、同期の時間窓の間に発せられた場合には、「両耳の出力ベクトル」
Figure 0005247656
は、「両耳の音響的特徴ベクトル」
Figure 0005247656
に沿って十分に観測され、そして、標準的な更新方程式を利用することができる。例えば、ベイズのフレームワーク(Bayesian framework)により、我々は次のものを得ることができる。
我々は、零平均(zero mean)と、分散行列(covariance matrix)
Figure 0005247656
とを有する、正規分布(normal distribution)に従って分布された、両耳の雑音ベクトル(noise vector)
Figure 0005247656
を定める。両方の補聴器において出力ベクトルと音響的な特徴が、十分に観測された時には、出力モデル方程式(4)は、次式で書き直すことができる。
θ k kφk+εk (6)
これは、状態モデル方程式(5)と組み合わされて、次のカルマンフィルター更新方程式を生成する。
Figure 0005247656
ここで、我々は、効率的に、(分担された)両耳の操縦ベクトルの次の確率について帰納的な予測をする。
Figure 0005247656
我々は、正規分布を、N(μ,Σ)を用いて、平均μと分散行列Σとで、表記している。
修正値の一つだけが存在する場合には、出力ベクトルは、部分的に観測されているだけであり、即ち、他方の補聴器の所望のパラメーターに対応する事項(entry)は、観測されていない。我々は、出力ベクトルの隠された部分を統合することによって、そのような「部分的な証拠(evidence)」から学習することができる。更新された方程式は、カルマンフィルター更新方程式に従うが、我々が、部分的な証拠を有している時には、少し相違した更新方程式を導くように、出力ベクトルの隠された部分を、統合してもよい。例えば、我々が、両耳用補聴器システムの右の器具に対する、ユーザーのアクションθR kだけを観察しているときは、右の器具だけのユーザーのアクションを利用して、次の式p(φk|θ 1,...,θ k)を、帰納的に予測する。
Figure 0005247656
左の器具だけのユーザーのアクションだけが観測されるときは、同一の方程式が、保持されるが、上部の記号Rは、上部の記号Lにおきかえられる。
右の器具における同意時期kにおける音響的特徴ベクトルの転置式、即ち、SR kの転置式を、SRT kと表記する。
我々が、左と右のユーザーのアクションのために、相違した変動項(term)ΣL kとΣR k を得たので、これらの項をオンラインで追跡(tracking)することが、左と右のユーザーのアクションにおける一致のための異なる予測を、導くことができる。以前の予想(例えば、対象者が、左利きである場合、彼が、左のアクションにおいてより少ない不一致を経験したかもしれない)に基づいて、左と右の一致における非対称性は、例えば、初期値ΣL OとΣR Oにおける非対称性として、入力することができる。
このモデルの特別な場合は、本開示に基づき当業者によって容易に実施される帰納的な最小2乗法(least-squares)か、又は、正規化された最小2乗平均法(least-mean-squares)で得られる、更新である。
上記したように、所定の同意時期における、左か、右か、又は、左と右の結合調整のいずれかに基づいて、操縦パラメーターに亘る後続のものを、帰納的に予測することができることに、注目すべきである。従って、分担された操縦パラメーターの水準で、両耳用補聴器システムの左と右の器具を、我々は、同期させる。しかし、調整値における非対称性、又は、調整値の非対称的な整合性を認める。
この更なる実施例のフロー図を、図5に示す。
図2に追加して、可能なかぎり、ノイズ調整を、補聴器システムに対する左と右の結合調整として考慮し、そして、左、及び/又は、右の調整値の中にノイズを考慮することによって、両耳の補聴器に、適用する。更に、学習と操縦のモジュールLは、音声特徴ベクトルsから補聴器パラメーターθに対するマッピングを、学習し適用する。音声特徴(sound feature)の特定の種類は、同一性特徴(identity feature)であり、この場合には、パラメーターの学習かつ操縦は、補聴器パラメーターベクトルのための、個人化された値を、効率良く訓練して、適用する。環境的な音声特徴は、片耳の環境的な知識に基づいて、補聴器ごとに、特徴抽出ユニット(feature extraction unit)FEによって、抽出される。これらの特徴は、両耳の特徴抽出ユニットFELRにおける両耳の環境的な知識を利用して、各々の補聴器のために、組み合わされて、適合される。そして、この両耳の環境的な知識は、その後、「両耳として最適な」片耳の特徴ベクトル('binaurally optimized' monaural feature vector)σを導く。関連する音響的な特徴の例は、入力のRMS値、話し声の確率、信号対雑音比、話し声のためにバンド重視機能(band-importance function)により重み付けられた信号対雑音比、環境分類器の出力などである。
補聴器システムにおけるユーザーの1又は複数の調整値を組み入れることは、調整ボックスADからの調整値rを含む2つの矢印として、図5に可視化している。当初の非対称性は、両耳の有用性モデルを利用して、左と右のユーザー調整値Σ0における以前の不一致の予測によって、システムに入力される。これは、進行している情報の流れというよりは、むしろ、以前の情報であるので、有用性モデルから学習モジュールへの矢印は、点線で示した。しかし、これらの当初の予測値は、パラメーター学習かつ操縦モジュールLを介して、共通の(同期された)操縦ベクトルβを分担している、処理パラメーターに対する調整値のマッピングに、影響を与える。
以下は、本発明の第2の実施例のシミュレーションに関し、図8A、8B、及び、8Cに図示する。
このシミュレーションにおいて、音楽の一部がデジタル化され、疑似的な補聴器により処理され、疑似ユーザーに対して演奏される。所望の操縦定数のためのモデルに基づき、かつ、疑似ユーザーが、疑似的な補聴器と同一の音声特徴へのアクセスを有していると仮定すると、もし、対応する耳に対する不快感の閾値が、超えた場合は、そのユーザーは、左か、右か、又は、両方の補聴器のいずれかに対する修正値を発するものである。
不快感の閾値は、各々の耳のために予め決定され、各々の耳で相違していてもよい。不快感の現在の量は、どちらかの耳における所望された操縦定数と、現在得られた操縦定数との間の相違に基づいて、決定される。更に、ユーザーの不一致の量、即ち、修正値が発せられた時、理想的な1又は複数の修正値に追加された雑音は、各々の耳で相違していてもよく、従って、非対称的な巧妙さをシミュレートすることになる。最終的には、音響的な特徴値は、各々の耳で(非常に)相違していてもよく、従って、両方の耳で、相違する音響フィールド(field)をシミュレートしており、相違した左と右の特徴値を生成することになる。
図8A、8B、及び、8Cは、非対称的なユーザー入力値、及び、非対称的な音響的な特徴から、学習している共通の操縦定数を概略的に図示している。
図8Aから8Cに示された列番号を有する、図8A、8B、及び、8Cの各々を参照することにより、シミュレーション結果を、これから、議論する。参照番号42の列は、第1のサブ図面であり、参照番号52の列は、最後のサブ図面である。全ての列において、横軸は、サンプル数、換言すれば、時間を示す。
各々のサンプルは、疑似ユーザーのために演奏される音楽信号の一つのサンプルに対応する。演奏の間、所望の(共通の)操縦パラメーターatは、スカラーである。補聴器の各々のための1次元の特徴ベクトルが、簡略化のために仮定される。図8Aにおいては、このパラメーターは、線54に従って変化する。予測値βt(シータとして、サブ図面の説明において言及される)は、少しの更新だけで、十分良好に、所望のパラメーターatを、「追跡」(track)していることが分かる。
各々のプロットされた丸56Aから56Jは、一つの更新ステップを示し、これらは、各々の遷移におけるほとんど重複した少数の丸で示された、少数の更新であるatのそれぞれの遷移の後に、新しい所望の値に、十分に適合している。
第2の列44においては、ユーザーの修正値におけるノイズが、時間と共に変化していることを示しており、ノイズは耳ごとに非常に異なっている。高い値は高い修正雑音かあるいは不一致を示している。実線58は左耳であり、点線60は右耳である。中間の2つの列46、48においては、両耳のための不快感の閾値が示されており、高い値は高い閾値を示している。
音楽を演奏する場合、我々は、左耳における低い不快感の閾値を有するセグメント、即ち、所望の操縦パラメーター値から既に少しの偏差を持つ不快感の閾値を有するセグメント(segment)から開始する。右耳における不快感の閾値は非常に高く、従って、右の補聴器に対するユーザー修正値は、操縦パラメーターの非常に大きな偏差値、又は、その変動値で発するだけであろう。その後、不快感の閾値は、第2のセグメントにおいて、逆転される。したがって、右補聴器に対する修正値は、左補聴器に対する修正値よりも、容易に発せられる。第3のセグメントでは両耳に対して低くなり、第4のセグメントでは両耳に対して高くなり、最終的には、第1のセグメントに、再び等しくなる。
さて、我々は、どのユーザー修正値が、第1列で示された追跡行動(tracking behavior)を与えるかということを、理解することができる。所望の操縦パラメーターatにおける第1の遷移は、列50での小さいピーク62(これは左補聴器に対して発せられたノイズの修正値のセットを示す)で示された時間サンプル130の近傍で、左補聴器において発せられた、少しのユーザー修正値から、学習される。サンプル130の近傍の時間サンプルの間、右補聴器に対して発せられた修正値は、存在しない。これは、これらの時間サンプルの間、零にフラットである右のユーザー修正値のグラフから理解することができる。
他方、列52における時間サンプル1300の近傍での遷移は、右補聴器に対して発せられたユーザー修正値から追跡記録(track)されている。このセクションにおける右耳のための不快感の閾値は、低く、そのため、右補聴器に対する修正値は、左補聴器に対する修正値よりも、容易に発せられるものであることを、思い出されたい。同様のことは、時間サンプル1800の近傍での遷移に対しても、真実である。
第3のセグメントの間、時間サンプル2400の近傍での遷移が、両方の補聴器におけるユーザー修正値によって、追跡記録されている。その後の3つの遷移が、非常に大きいので、その全てが、両方の耳の閾値を超えており、修正値が、同様に、両方の耳に発せられる。最終的には、第5セグメントにおける更にわずかな遷移が、左耳における不快感だけを生じさせ、そして、追跡(tracking)が左のユーザー修正値に基づいて、実行される。
この図面から分からないことは、補聴器の特徴どうしの間の非対称性である。言いかえれば、同一の特徴抽出手続きが、両方の補聴器のための音楽信号に適用されたが、左補聴器における特徴値は、完全に雑音で歪められて、右補聴器の特徴値として扱われた。
上記に記載したシミュレーションから、相違した不一致を有する左と右のユーザー修正値から、完全なあるいは部分的な証拠(evidence)を利用して、かつ、両方の耳における相違する特徴値を利用して、共通の操縦パラメーターベクトルが、追跡することができることが、明らかになる。従って、ユーザーフィードバックを、補聴器において非対称的に発することができ、補聴器パラメーターの操縦における対称性は、耳の音響的フィールドにおける対称性に依存する。更に、それは、抽出された音響的特徴における対称性に依存する。両方の補聴器は、共通の操縦ベクトルを分担するので、類似した音響的なフィールドが、類似する操縦された補聴器パラメーターベクトルを生じさせ、また、その逆の場合も同じである。
学習手続は、完全な、及び/又は、部分的な証拠を取り扱うことができる。そして、ユーザーの不一致は、各々の補聴器において追跡することができ、学習ルールのステップサイズ(step size)は、予測されたユーザー不一致に逆比例するので、「より一致した耳(more consistent ear)」からのフィードバックは、好ましい「より騒々しい耳(more noisy ear)」からのフィードバックよりも、トラッキングにより大きな貢献を与えるものである。従って、上記に記載した実施例は、補聴器の同期のために、真に、非対称的なメカニズムである。
以下では、補聴器パラメーターθL tとθR tのレベルというよりは、操縦パラメーターβL tとβR tのレベルにおける同期というアイデアを使用する、第3の実施例を説明する。第3の実施例は、図9に示されている。
しかし、この第3の実施例において、同様に、非対称的な操縦パラメーターを認めるために、同期は、操縦パラメーターのハイパーパラメーターのレベルで起こる。換言すれば、操縦パラメーターそれ自身を同期させるよりは、左と右の操縦パラメーターの分布を制御するパラメーターを同期させることができるものである。
左と右の操縦パラメーターは、左と右の聴覚損失を含むが、おそらくは、ユーザーの好みの機能をも含む、共通の確率モデル(common probability model)を介して、結合されている。根本的理由は、もし、全補聴器システムにおける「自然の非対称性(natural asymmetry)」を考慮に入れた後に、補聴器パラメーターの設定を同期させた場合、ユーザーは、その設定をより好ましいと理解するであろうからである。このことは、部分的には、聴覚損失における非対称性に依存するものであるが、左と右の補聴器出力の更に中心的な(知的な)処理を可能にするために、補聴器の非対称的な適合化のような考慮の対象にもなることができる。
従って、この実施例は、聴覚損失における非対称性と、非対称的な適合化へのアプローチからの経験則(heuristics)を利用することにより、操縦パラメーターについての以前の非対称的な分布の知識を利用する方法を提供する。付加的なユーザー修正値がなくても、この以前の分布は、両耳の操縦を決定し;付加的で、できる限り非対称的なユーザー修正値が、ベイズのフレームワーク(Bayesian framework)を利用した、操縦パラメーターの共通の確率モデルを更新するために利用され、その結果、操縦パラメーターβL tとβR tについて、オンライン更新された後続の手段に導く。
更に具体的には、以下の因数分解された(factorized)出力モデルが仮定される。
Figure 0005247656
ここで、音響特徴ベクトルが、左バイアス、及び/又は、右バイアスを考慮するために、「一定の」特徴コンポーネントを含んでもよく、また、補聴器パラメーターθL tとθR t、及び、操縦パラメーターβL tとβR tは、また同様に、確率変数である。ユーザーの不一致をモデル化した左と右の出力雑音εL tとεR tは、相違する可能性のある平均と分散行列を有するガウス確率変数として、また同様に、モデル化される。
このモデルの左と右のブランチ(branch)は、両耳の非対称性のモデルを、例えば、操縦パラメーターに押しつけることによって、結合される。例えば、確率変数であると再度考えられる左と右の補聴器についての操縦パラメーターが、次の分布の式で表現される、「以前の非対称性の知識(prior asymmetry knowledge)」に条件的に依存していることを、我々は提案できる。
Figure 0005247656
以前の非対称性の知識は、左と右の有用性パラメーターω、及び/又は、「ユーザーの非対称性パラメーター(user asymmetry parameter)」αにより表現される、好ましい非対称性のモデル(ユーザーの好みのモデル)により表現される、非対称的な適合化方法論を組み入れた「両耳の有用性関数(binaural utility function)」(ω,α)で表現される。左と右の聴覚損失は、ユーザー非対称性パラメーターの一部であることに留意されたい。
ベイズの技術(Bayesian techniques)を利用すれば、例えば、ユーザーの聴覚損失、ライフスタイル、更なる聴覚プロフィール等についての、そのような両耳の非対称性モデルと「観測値(observations)」 αを与える、後続の操縦パラメーターの最も可能性のある又は最大値を計算することが、可能になる。更に、ベイズの技術は、(非対称性の可能性のある)ユーザー調整値が、両耳の補聴器システムに適用された場合に、以前の両耳の非対称性モデルを更新することを可能にし、そして、操縦パラメーターの修正された後続手段が、オンラインによる環境操縦のために利用されてもよい。
両耳の補聴器システムにおける両方の補聴器のための共通の有用性モデルを利用することによって、左と右の操縦パラメーターφL tとφR tは、自由に移動するのではなく、ソフトな方法で、ある程度、類似するように制限されることに留意されたい。限定した場合として、左と右の操縦パラメーターにおいて許された相違に対して、直接の(ハードな)制限を加えることさえもできる。一層「限定された」両耳の有用性モデルは、一層同期した操縦パラメーターを促すものであり、また、その逆の場合も同じである。学習行動は、片方、又は、両方の補聴器に与えられる調整値の結果として起こる。これらの調整値の結果としての有用性モデルにおける更新(学習行動の)を介して、及び/又は、左と右の操縦パラメーターに対して制限を適合させることを介して、このことは、更新された左と右の操縦パラメーターに導くことができ、したがって、両方の補聴器におけるパラメーターに、導くことができる。
上記に説明した実施例のフロー図は、図9に示している。図5と比較した一つの相違点は、有用性モデルから学習モジュールへ実線の矢印となっていることにある。これらの矢印は、経験した音声yの現在の(左と右の)有用性について、情報の進行中の流れを表している。別の相違点は、ユーザー調整値rの進行中の流れを表すADユニットからの実線の矢印が、今回は、学習モジュールに対するよりは、両耳の有用性モデルに対して、供給されることである。ここで、学習モジュールは、左と右の調整値よりは、左と右の有用性に基づいて、更新されることを理解することができる。
例えば、もし、調整rが、補聴器の片方に対して成される場合は、両耳の有用性モデルにおける好ましい非対称性の量が、新しい観測に基づいて、更新されてもよい。更新された有用性の値uから、左と右の操縦パラメーターが、同様に、修正される。
本発明は、左と右の操縦パラメーター、即ち、ベクトルξにより順にパラメータ化された両耳のパラメーターモデルを制限する方法を利用して、有用性uが、組み合わされた第3実施例の変形例も含む。第3実施例のこの変形例のフロー図は、現在、図10に提示し図示する。
ここで、図9に追加して、両耳のパラメーターモデルを介して、左と右の操縦パラメーターに対する直接の制限を、我々は加える。(相当な非対称性、又は、たぶん、十分に同期した操縦パラメーターを可能にする)制限の性質は、(修正された)有用性u(両耳の有用性モデルから両耳のパラメーターモデルへの実線)の影響の下で、修正される。更に、両耳のパラメーターに起因する制限は、学習モジュールから両耳のパラメーターモデルへの両方向の(点線)矢印で示される、両方の学習モジュールLに対し影響を与えることができる。
本発明の第4実施例では、マスタースレーブ構造を説明する。
図6は、本質的には、図1と同一の構成を示している。しかし、この実施例においては、第1の補聴器における信号処理パラメーターの変更が、第2の補聴器における信号処理パラメーターの自動的な更新を生じた後に、モデル24は、第2の補聴器における信号処理パラメーターの変更に起因して、更新される。
以前と同じように、補聴器4がマスターであり、補聴器6がスレーブである。以前のように、音量制御装置16の調整のあとに、モデル24に従って、補聴器6の音量の調整が行われる。しかし、もし、ユーザーが、この調整に満足しないで、音量制御装置18のその後の調整によって、その調整を訂正する場合、このモデル24によって提案された調整に不同意のこの積極的な表明を、モデル24を更新するのに利用してもよい。このことが、鎖線の矢印38で示されている。もし、音量制御装置16の調整の後一定の短い時間間隔で、音量制御装置18の調整が実行されたならば、好ましくは、音量制御装置18の調整が、モデル24に組み込まれるだけである。何故なら、もしそうでなければ、音量制御装置16の最初の調整によって、実行される可能性はないが、音響的な環境の変化によって、実行される可能性がもっとあるからである。
図7は、両耳用補聴器システムにおける2つの補聴器のいずれか片方が、マスターとして機能できる構成の概略図を示している。
図6と7に図示されたモデルの更新または修正は、周囲の音声環境によって影響されるかもしれない。両耳用補聴器システムは、いつでも、ユーザーが居る周囲の音声環境がどのタイプであるかを、検出することができる。もし、例えば、騒々しい状況が検出されたならば、信号処理パラメーターを変更したいというユーザーの欲求は、周囲の音声環境によって、影響を受ける可能性がある。モデル、及び/又は、信号処理パラメーターは、周囲の音声環境における変化に応答して、自動的に、変更されてもよい。
ユーザー、又は、装着者が、信号処理パラメーターを変更する場合にはいつでも、いずれかの耳のためのモデルは、適合化され、又は、修正されてもよい。このことが、図7において、鎖線の矢印38と40によって示されている。
第5実施例は、第1から第4実施例に追加して、相違する同期モードの間の切りかえ(switching)に関する。
第1から第4実施例の上記に議論した特徴に追加して、実施例では、両耳用補聴器システムにおける「非対称性の全体の量」を制御する離散的(discrete)な「同期モード」変数を、備えることもできる。
一例として、同期モード変数の「高(high)」値は、操縦パラメーターを非常に類似したものに制限し、「中間(medium)」と「低(low)」値は、より偏差のあるものを許可し、最後に、「オフ(off)」は、耳の間での調整を同期させない。後者は、例えば、電話をしている時(この場合は、両耳用補聴器システムは、例えば、非同期モードで振舞うべきである)には、有利であるかもしれない。同期モード変数の値は、ユーザーによって入力することができる(例えば、プッシュボタンを押すことにより)が、オンラインで追跡(track)することもできる。このとき、上記の学習メカニズムは、デイスクリート・モード・スイッチング変数を組み入れるように、拡張すべきであり、このことは、例えば、モード変数と操縦変数を同時にトラックするためのカルマン(Kalman)フィルターを切りかえるようにすることを採用することによって、得られる。図12において、同期モードスイッチは、「両耳として最適化された」片耳特徴ベクトルσに作用する非対称性モードスイッチ変数Sとして、示されている。しかし、ユーザーは、モードスイッチに直接(例えば、プッシュボタンやリモート制御装置を利用して)、影響を与えることができることにも留意されたい。両耳の統合ユニットからモードスイッチユニットまでの矢印は、図面の読み易さを増すために、省略している。
代替的な実施例においては、このスイッチ変数Sの値は、「小」にセットされており、それは、左と右の操縦パラメーターを、ある距離測定によって、小さい量だけ相違させることによって、実行され得る。許容できる量は、両耳の有用性の値μに依存することはない。
本発明の第6実施例は、本発明の第1から第5までの実施例の全ての特徴を備えており、そして、更に、任意のメタ・パラメーター(meta-parameter)ベクトルの非対称的な同期を備える。メタ・パラメーターとは、音声を処理するために使用される補聴器パラメーターに影響を与える何らかのパラメーターである。例えば、「学習の積極性(aggressiveness of learning)」パラメーターは、左と右の補聴器において、操縦パラメーターの学習が、どのように実行されるかを、制御する。これは、以前のカテゴリーの一部ではないメタ・パラメーターの例である。ユーザーが制御ホイールを動作させる際に、どの程度一致しているかについての進行中の予測に基づいて、トラックしてもよい。例えば、右補聴器における積極性をトラックしている際に、左補聴器のトラックされた積極性の知識を利用することは、有益であると分かるであろう。
第6実施例は、操縦パラメーターに関係する、第1から第5までの実施例のいずれかの、又は、全ての特徴を含んでいる。しかし、いずれかの補聴器処理モジュールの機能を決定する何らかのメタ・パラメーターを、捕捉(capture)すべきである。これは、処理を適合するように、左と右の補聴器において利用されている、左と右の音声フィールド(sounds field)における対称性の量を決定するスイッチ変数でありうる。更に、操縦されない状況も、同様に含めるべきである。即ち、環境とともに変化せずに、固定であるが、個人化を介して変更しうるメタ・パラメーターが、同様に、この実施例に含まれるべきである。
図13には、右(R)と左(L)の耳における人間の聴覚損失をそれぞれ周波数の関数として、プロットしたものを、示している。そのプロットには、与えられた周波数f_0に対する聴覚閾値T(R)とT(L)とが、図示されている。与えられた周波数f_0に対して、右と左の耳のための感知された大きさは、図14の2つのプロットに、入力音声圧力レベル(input sound pressure level)(SPL)の関数として、示している。
図13と14のプロットを見ると、周波数f_0での音声の感知された大きさと同一の大きさを達成するために、右耳に比較して、左耳においてより高い入力SPLが、必要であることが、明らかである。人間が、左と右の耳において、同一の音の大きさを感知するためには、個々の聴覚損失のモデルを、モデル24に組み込むことが必要である。
以下は、本発明による非対称的な同期のための方法を利用して同期することができる、補聴器パラメーターθL tとθR tの例の、網羅的ではないリストである。適切なパラメーターのリストは、左と右の分類器の出力値、音量値、雑音減少パラメーター、ビーム形成パラメーター、フィードバック抑圧パラメーター等を含む。もちろん、これらのパラメーターの幾つかは、同時に同期されてもよい。
本発明の方法の上記の実施例の特徴は、いかなる所望の方法で、組み合わさっていてもよい。
一実施例においては、人は、同期したフィードバック抑制を思いつくかもしれない。ここで、我々は、印加されるべきフィードバック抑制を決定するフィードバック抑制パラメーターを、それぞれが含む左と右の補聴器を想像する。このフィードバック抑圧パラメーターは、例えば、純音(pure tone)の存在のような強力な周期性の場合におけるスイッチ変数(switch variable)の形式で、両方の音声フィールドにおいては存在し、もしそうでなければ、零である。2つの周期性特徴抽出手続FELとFERが、左と右の補聴器(図2参照)に適用することができ、結合ユニット(combination unit) FELRが、両補聴器に、両耳の周期性のためには1であり、さもなければ零であるスイッチ変数を出力することができる。その後、各々の補聴器は、両補聴器の片方の内部にある周期的な音声が、内部的なフィードバックか、又は、外部的な音色の入力に起因するかを決定するために、両耳の周期性の量のこの予測を、利用することができる。
他の実施例においては、補聴器システムは、補聴器の近くの電話機を検出するための方法を、提供することができる。この検出は、例えば、耳の近くの電話機を握ることにより生じる、典型的なフィードバック経路をモデル化し、かつ、検出することによって実行でき、又は、補聴器に対するあるインターフェースを介して、「電話状況(phone situation)」を、ユーザーにマニュアルで特定させることによって実行できる。左の補聴器のための電話検出変数が1であるとき、それは、特徴抽出ユニットFELの出力として見なすことができ、一方、右の補聴器のための電話検出変数が零であるとき、補聴器システムにおける同期モードは、特別な「片方の耳に電話ありモード(phone-in-one-ear mode)」に一時的に切りかえることができる。
概念的には、このことは、補聴器システムが、非対称的なモードに切りかえられることを意味し、この場合、操縦パラメーターβL tのための設定が、高増幅で、高フィードバック低減、及び、高指向性モードを与え、設定βR tが、低増幅、無指向性モードを与える。片方の耳に電話ありモード(phone-in-one-ear mode)が終了した時には、その後、補聴器システムは、「デフォルト非対称性(default asymmetry mode)」モードに戻ることができる。
第3実施例においては、人は、学習制御の同期したシステムを思いつくことができる。この場合、各々の耳における学習制御は、操縦パラメーターのレベルで同期する。例えば、ユーザーは、個人化された操縦定数βL tによって決定され、右LVCのための設定βR tと同一である左の補聴器の学習音量制御設定[Learning Volume Control (LVC)setting]を望むことができる。このことは、補聴器システムの出力ベクトル
Figure 0005247656
が、左と右の音量を夫々含む場合の第2実施例によって、実行される。従って、ユーザーは、音声フィールドが、左と右の補聴器で相違する場合、ゲインの相違を経験するだけである。得られた音声処理は、ユーザーの好ましい処理をより反映することができる。更に、補聴器システムの一つの音量ホイールを操作することは、システムの両方の操縦パラメーターにおける学習に通じるものであり、従って、同様に、(操作されていない)補聴器における音量の調整にも通じるものである。
更に別の実施例においては、両耳用のソフトスイッチングの指向性という当初の極端な場合として、両方の補聴器における指向性パラメータの当初の非対称的な適合化(fit)を、考慮することができる。ここでは、片方の補聴器(例えば、左)は、切りかえることが可能であり、他方この例では右の補聴器は、切りかえられる可能性はないが、常に、無指向性モードのままである。このことは、概念的には、ある左指向性スイッチング閾値と、操縦パラメーターβL tを、ある合理的な値に設定することと、他の補聴器の閾値βR tを無限に設定することと等価である。このとき、ユーザーは、この当初の十分に非対称性な補聴器の設定を、操作により調整してもよい。それによって、左と右の操縦パラメーターを、その現在の閾値に、個人化することができる。従って、ユーザーは、指向性のあるスイッチング動作で、非対称性を特別化(customize)でき、それを、音響的な環境に依存させることができる。更に、指向性のある入力を得る、即ち、低いスイッチング閾値を持つ「良い耳」と、無指向性の入力、即ち、無限のスイッチング閾値を得る、「悪い耳」の当初の選択は、例えば、関心のある音源が、悪い耳の側だけから来るという特定の状況では、ユーザーによって、修正することができる。
2 両耳用の補聴器
4、6補聴器
8、10 入力トランスデューサー
12、14 圧縮器
16、18 音量制御装置
20、22 出力トランスデューサー
24 モデル処理ブロック

Claims (12)

  1. ユーザーにより装着される両耳用補聴器システムの一部を構成する第1と第2の補聴器のための信号処理パラメーターを調整する方法であって、
    前記両耳用補聴器システムは、前記ユーザーの第1と第2の耳の間の所望の非対称性を表すそのユーザーに特有のモデルから構成され、前記方法は、
    前記第1の補聴器における処理パラメーターの変更のための要求を検出するステップと;
    前記要求に応答して、前記第1の補聴器における信号処理パラメーターを調整するステップと;
    前記要求に応答して、かつ、前記ユーザーに特有のモデルに基づいて、前記第2の補聴器のための処理パラメーターを調整するステップと;
    前記第2の補聴器のための処理パラメーターを調整した後に、前記第2の補聴器のための処理パラメーターを変更するための処理に応答して、前記両耳用補聴器システムを使用している間に、前記所望の非対称性に関する前記モデルを適合させるステップ、
    から構成されていることを特徴とする信号処理パラメーターを調整する方法。
  2. 前記第2の補聴器の処理パラメーターを変更するための処理は、マニュアル調整であり、そのマニュアル調整は、前記第2の補聴器のための前記処理パラメーターを調整するステップの後の所定の時間間隔内に、実行される、請求項に記載の方法。
  3. 前記モデルを適合させるステップは、統計的に処理された環境的なデータに基づくものである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記所望の非対称性を表す前記モデルは、前記ユーザーの前記第1、及び/又は、第2の耳において、測定された、及び/又は、推定された聴覚損失から構成されている、先行する請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  5. 前記モデルは、周波数に依存する聴覚損失のモデルである、先行する請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  6. 前記処理パラメーターは、音量レベル、雑音低減、圧縮比、時定数、分類モジュールのパラメーター、又は、これらのいずれかの組み合わせであり、前記分類モジュールのパラメーターは、分類モジュールが、ユーザーの音声環境を、少なくとも、話し声、不明瞭な声、およびレストランでのざわめきを含む音声環境カテゴリーの1つに分類するためのパラメーターである先行する請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  7. 処理パラメーターの変更のための前記要求は、変更されるべき、1、又は、複数の処理パラメーターに関する情報と、及び、前記パラメーターが変更される変更量あるいは値を表す、パラメーター及び/又は値とから構成される、先行する請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  8. 前記第1の補聴器は、マスターデバイスであり、前記第2の補聴器はスレーブデバイスである、先行する請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  9. 前記ユーザーの第1と第2の耳の間の所望の非対称性を表すそのユーザーに特有のモデルは、前記ユーザーの前記第1と第2の耳における聴覚損失に、各々関連する、2つの分離した操縦ベクトルを備え、前記操縦ベクトルは、組み合わされた両耳用システムを表す確率モデルによって結合されている、先行する請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  10. 全ての非対称性の程度は、更に、前記第1と前記第2の補聴器におけるマイクロフォン記録の間の差異に依存する、先行する請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  11. 信号プロセッサを備えた補聴器であって、前記補聴器は、使用中は両耳用補聴器システムの一部を構成するように適し、かつ、使用中は、両耳用補聴器システムの一部を構成するように適している他の補聴器からの情報を受信するように適しており、前記信号プロセッサは、前記他の補聴器における処理パラメーター変更のための要求と、ユーザーの第1の耳と第2の耳の間の所望の非対称性を表すユーザーにとって特有のモデルとに基づいて、前記補聴器における信号処理パラメーターを調整するように、構成されており、前記信号プロセッサは、更に、前記補聴器の信号処理パラメーターを調整した後に、前記補聴器の処理パラメーターを変更するための処理に応答して、前記両耳用補聴器システムを使用している間、前記所望の非対称性に関する前記モデルを適するように、構成されていることを特徴とする補聴器。
  12. 前記請求項2から10に定義した方法のいずれかを実行するように構成されている信号プロセッサを備えた補聴器であって、
    前記補聴器は、使用中は両耳用補聴器システムの一部を構成するように適し、かつ、使用中は、両耳用補聴器システムの一部を構成するように適している他の補聴器からの情報を受信するように適しており、前記信号プロセッサは、前記他の補聴器における処理パラメーター変更のための要求と、ユーザーの第1の耳と第2の耳の間の所望の非対称性を表すユーザーにとって特有のモデルとに基づいて、前記補聴器における信号処理パラメーターを調整するように、構成されており、前記信号プロセッサは、更に、前記補聴器の信号処理パラメーターを調整した後に、前記補聴器の処理パラメーターを変更するための処理に応答して、前記両耳用補聴器システムを使用している間、前記所望の非対称性に関する前記モデルを適するように、構成されていることを特徴とする補聴器。
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