JP5244658B2 - メタン濃縮方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メタン濃縮方法に関し、詳しくは、家畜糞尿、下水処理場、食品廃棄物などの嫌気性醗酵で得られる消化ガス(バイオガス)中のメタンを圧力変動吸着分離法によって濃縮する方法に関する。
混合ガス中の特定の成分を濃縮する方法として、吸着剤を充填した吸着塔を相対的に高い圧力の吸着工程と相対的に低い圧力の再生工程とに切り替えて混合ガス中の特定の成分を濃縮して製品ガスを製造する圧力変動吸着分離法(PSA法)が知られている。このPSA法において、原料ガスとなる混合ガスの組成や流量が変化しても製品ガスの品質を一定に保つため、吸着塔の出口で少なくとも1種類のガスの濃度をガス濃度検出器により検出し、該ガス濃度検出器をPLCに連結してPLCにより吸着塔の切替周期を自動的に変化させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−19415号公報
しかしながら、バイオガスのように組成が変動する混合ガスを原料ガスとする場合には、組成の変動で吸着工程時の圧力(吸着圧力)が十分に上昇しないことがあり、製品ガスの純度が変動してしまうことがあった。また、前記ガス濃度検出器は一般に高価であり、圧力計や流量計に比べて応答性が劣っていたり、信頼性が低かったりするという問題があり、設備コストや保守コストが上昇し、製品ガスの価格にも影響を与えていた。
そこで本発明は、バイオガスに含まれるメタンをPSA法により濃縮して製品ガスとするメタン濃縮方法において、安価で応答性や信頼性にも優れた圧力計を用いることによって安定した品質の製品ガス(濃縮メタン)を低コストで製造することができるメタン濃縮方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のメタン濃縮方法は、吸着剤を充填した吸着塔の圧力を相対的に高い圧力とした吸着工程と相対的に低い圧力とした再生工程とに交互に切り換えてガス分離を行う圧力変動吸着分離法によってバイオガスに含まれるメタンを濃縮し、濃縮したメタンを前記吸着塔から導出して製品槽に貯留し、該製品槽から使用先に濃縮メタンを供給するメタン濃縮方法において、バイオガス中のメタン濃度の変動に応じて変化する前記吸着塔又は前記製品槽の圧力を測定して最大圧力を求め、求めた最大圧力に基づいて前記吸着塔に導入するバイオガス量を調整することを特徴としている。
また、本発明のメタン濃縮方法は、吸着剤を充填した吸着塔の圧力を相対的に高い圧力とした吸着工程と相対的に低い圧力とした再生工程とに交互に切り換えてガス分離を行う圧力変動吸着分離法によってバイオガスに含まれるメタンを濃縮し、濃縮したメタンを前記吸着塔から導出して製品槽に貯留し、該製品槽から使用先に濃縮メタンを供給するメタン濃縮方法において、バイオガス中のメタン濃度の変動に応じて変化する前記吸着塔又は前記製品槽の圧力を測定して最大圧力を求め、求めた最大圧力とあらかじめ設定した目標最大圧力とを比較し、前記最大圧力が前記目標最大圧力より低いときには吸着塔に導入するバイオガス量が増加するように調整し、前記最大圧力が前記目標最大圧力より高いときには、吸着塔に導入するバイオガス量が減少するように調整することを特徴としている。
さらに、本発明のメタン濃縮方法は、前記吸着塔に導入するバイオガス量の調整を、吸着塔に導入するバイオガスを圧縮する圧縮機の回転数を制御して行うことを特徴としている。また、前記吸着塔又は前記製品槽の圧力をあらかじめ設定した時間間隔で測定し、測定した現時点の測定圧力(P0)と、一つ前の測定圧力(P1)及び二つ前の測定圧力(P2)とを比較し、(P0)<(P1)かつ(P0)<(P2)を満たしたときに、一つ前の測定圧力(P1)を前記最大圧力とすることを特徴としている。さらに、前記最大圧力を、前記製品槽の圧力を測定して求めることを特徴としている。
本発明のメタン濃縮方法によれば、原料となるバイオガスの組成が変動しても製品ガスとなる濃縮メタン中のメタン濃度の変動を抑えることができる。また、バイオガス中のメタン濃度が上昇したときには、バイオガス導入量を減少させるので、圧縮機の消費電力量を削減することができ、必要以上に濃縮メタンのメタン濃度を上げないことで回収率の低下を防止できる。
本発明のメタン濃縮方法を適用した圧力変動吸着分離装置の一例を示す系統図である。 圧力変動吸着分離装置の各工程を示す説明図である。 吸着塔内の圧力変化を示す図である。 メタン濃度と圧力変化との関係を示す図である。 最大圧力を判断する手順の説明図である。 実施例1で使用した圧力変動吸着分離装置の系統図である。 実施例2における原料メタン濃度、インバータ回転数及び製品純度の変化を示す図である。
図1に示す圧力変動吸着分離装置(PSA装置)は、原料ガスであるバイオガス中のメタンを濃縮して使用先に供給するためのものであって、吸着剤として分子篩炭素を充填した2つの吸着塔A,Bと、原料ガスであるバイオガスを圧縮する圧縮機11と、圧縮熱により高温となったバイオガスを冷却して含有水分を除去する冷却器12と、製品ガスである濃縮メタンを貯留する製品槽13と、PLC等により開閉のタイミングをプログラムされた入口弁14a,14b(以下、吸着塔A側の弁には「a」を、吸着塔B側の弁には「b」を付す。),排気弁15a,15b,均圧弁16,17,パージ弁18a,18b,出口弁19a,19bと、パージガスの流量を所定流量に調整する流量調整弁20と、製品ガス流量を調整する圧力調整器21及び流量調整器22とを備えるとともに、前記製品槽13の圧力を測定する圧力計23と、該圧力計23で測定した圧力の変化から最大圧力を求めるPLC24と、該PLC24で求めた最大圧力に基づいてインバータ周波数をPID制御するデジタル指示調整計25と、該デジタル指示調整計25の指示により前記圧縮機11の回転数を制御するインバータ26とを備えている。なお、前記圧縮機11には、圧縮機吐出圧力があらかじめ設定された圧力を超えないように調整する背圧調整弁27が設けられている。
このPSA装置は、図2に示す各工程を繰り返すことによってバイオガス中のメタンと二酸化炭素とを分離してメタンを濃縮し、メタンを主成分とする製品ガスを採取して使用先に供給する。なお、図2では、各工程においてガスが流れている経路のみを図示している。以下、工程順に各工程をそれぞれ説明する。
図2(A)は、吸着塔Aが加圧工程、吸着塔Bが再生工程の前半を行っている状態であり、吸着塔Aの入口弁14aが開き、吸着塔A内に圧縮機11で所定圧力に圧縮されたバイオガスが導入されて塔内が加圧されている状態である。このとき、吸着塔Bのパージ弁18bと排気弁15bとが開となり、製品槽13内の製品ガスの一部が流量調整弁20で流量調整されてパージ弁18bから吸着塔Bの出口側に導入され、吸着塔B内のガスがパージされて入口側から排気弁15bを経て系外に排出される。
図2(B)は、吸着塔Aが吸着(製品取出)工程、吸着塔Bが再生工程の後半を行っている状態であり、出口弁19aが開いて吸着塔Aの出口ガスが出口弁19aを通って製品槽13に送られるとともに、出口ガスの一部は流量調整弁20側に分かれて吸着塔Bのパージガスとして用いられる。吸着塔Aの出口ガスは、塔内に充填された分子篩炭素によってバイオガス中の二酸化炭素が吸着され、バイオガス中のメタンが所定濃度に濃縮されたガスとなっている。
図2(C)は、吸着塔Aが吸着工程から減圧均圧工程に切り替わり、吸着塔Bが再生工程から加圧均圧工程に切り替わった状態であり、吸着塔Aの入口弁14a及び出口弁19aと、吸着塔Bの排気弁15b及びパージ弁18bとがそれぞれ閉じ、上下の均圧弁16,17がそれぞれ開く。この均圧工程では、吸着工程が終了して塔内圧力が相対的に高い吸着塔A内のメタンに富むガスが、再生工程が終了して塔内圧力が相対的に低い吸着塔Bに回収され、結果的に吸着塔Aは減圧され、吸着塔Bは加圧されることになる。
図2(D)は、吸着塔Aが再生工程に切り替わり、吸着塔Bが加圧工程に切り替わった状態であり、吸着塔Aの排気弁15aが開き、塔内のガスが大気に放出されて塔内の圧力が低くなることにより、分子篩炭素に吸着した二酸化炭素が脱着して塔外に排出される。また、パージ弁18aが開き、製品槽13内の製品ガスの一部が流量調整弁20で流量調整されて吸着塔Aの出口に導入され、塔内に残留する二酸化炭素をパージする。吸着塔Bでは入口弁14bが開いて塔内に所定圧力のバイオガスが導入されて加圧される。
図2(E)は、出口弁19bが開き、吸着塔Aが再生工程を継続しながら吸着塔Bが加圧工程から吸着工程に切り替わった状態であり、吸着塔Aの出口側には、吸着塔Bの出口ガスの一部がパージガスとして導入され、吸着塔Aの入口側からは、排気弁15aを通って塔内ガスが継続して排出されている。また、吸着塔Bの出口ガスは、その大部分が製品ガスとして製品槽13に送られる。
図2(F)は、吸着塔Aが再生工程から加圧均圧工程に切り替わり、吸着塔Bが吸着工程から減圧均圧工程に切り替わった状態であり、吸着塔Aの排気弁15a及びパージ弁18aと、吸着塔Bの入口弁14b及び出口弁19bとがそれぞれ閉じるとともに、均圧弁16,17がそれぞれ開き、吸着工程が終了した吸着塔B内のメタンに富むガスが、再生工程が終了した吸着塔Aに回収される。
このような加圧、吸着、減圧均圧、再生、加圧均圧を1サイクルとして両塔A,Bで交互に繰り返すことにより、バイオガスから二酸化炭素を分離しメタンを濃縮した製品ガスが得られる。なお、出口弁19a,19bに代えて逆止弁を用いたり、流量調整弁22に代えてオリフィスを用いたりすることもできる。また、吸着塔を3塔以上設けた多塔式PSA装置とすることもでき、1塔式のPSA装置を使用することもできる。さらに、再生工程では、必要に応じて真空ポンプで塔内を減圧排気するようにしてもよい。また、吸着剤は、分子篩炭素が最適であるが、ゼオライトや活性炭等を用いることも可能である。
1サイクルにおける両塔A,B及び製品槽13の圧力変化を図3に示す。均圧工程は、両塔A,Bの圧力を略均等にする工程であり、一方の塔が減圧状態、他方の塔が加圧状態になる。この均圧工程では、両塔A,Bの圧力に比べて製品槽13の圧力が高いため、製品槽13への製品ガスの流入はなく、製品槽13内の製品ガスが一定流量で使用先へ供給されることから、製品槽13の圧力は次第に低下する。このとき、圧縮機11で圧縮されたバイオガスは、背圧調整弁27を通って圧縮機11の吸入側に循環しており、両塔A,Bへのバイオガスの導入は中断している。
均圧工程が終了して吸着工程に移行しても、吸着塔の圧力が製品槽13の圧力より高くなるまでの間は加圧段階であり、この加圧段階の間も、製品槽13の圧力は次第に低下している。吸着工程にある吸着塔の圧力が製品槽13の圧力より高くなると、該吸着塔の出口ガスが製品ガスとして製品槽13に流入するので、製品槽13の圧力は、吸着工程を行っている吸着塔の圧力とともに上昇する。
一方、発酵槽で家畜糞尿を処理して得られるバイオガスの組成は、一般的にメタン約60%(体積%、以下同じ)で、残部のほとんどが二酸化炭素であるが、発酵槽への糞尿以外の廃棄物の投入、発酵槽の温度管理のトラブル、糞尿の投入頻度、季節による廃棄物の温度の違いなどにより、発酵槽から得られるバイオガスの組成が変動し、これらの要因によってバイオガス中のメタン濃度が変動する。
原料となるバイオガス中のメタン濃度が低下すると、相対的に吸着剤に吸着される二酸化炭素の量が増加し、製品槽13に流入する濃縮メタン(製品ガス)の量が減少するため、バイオガスの吸着塔導入量と製品槽13からの製品ガス供給量とが一定の場合、原料となるバイオガスのメタン濃度が低下した場合は、図4に示すように、製品槽13の圧力は、メタン濃度の低下に伴って低下する。さらに、吸着剤に吸着される二酸化炭素の量が増加することから、吸着剤が短時間で破過してしまい、吸着塔の圧力も十分に上昇しないので、バイオガス中の二酸化炭素を十分に吸着できなくなり、製品槽13に流入する製品ガスのメタン濃度が低下し、所定純度の製品ガスを供給できなくなってしまう。
PSA装置の性能にかかわる最大の要因は吸着圧力であることから、バイオガス中のメタン濃度が低下した場合には、吸着塔の圧力を所定の吸着圧力まで十分に上昇させて吸着剤の吸着容量を増大させ、バイオガス中の二酸化炭素を吸着剤に十分に吸着させることにより、吸着塔から製品槽に向かう濃縮メタンの濃度低下を抑えることが可能となる。
吸着塔の圧力を上昇させるためには、吸着塔への原料ガス導入量を増加させればよいことから、原料ガスとなるバイオガス中のメタン濃度の変動に応じて原料ガス導入量を変化させればよいが、バイオガス中のメタン濃度を測定するためにはガス濃度検出器を用いなければならず、ガス濃度検出器は、前述のように高価で、応答性や信頼性に問題があることから、安価で、応答性や信頼性に優れた圧力計を使用し、バイオガス中のメタン濃度の変動に応じて変化する吸着塔圧力や製品槽圧力を測定して最大圧力を求め、求めた最大圧力に基づいて吸着塔に導入するバイオガス量を調整することにより、製品ガスのメタン濃度の変動を最小限に抑制することができる。
最大圧力を求めるための圧力計を設置する位置は、バイオガス中のメタン濃度の変動に応じて圧力が変化する位置ならば任意に選定することができるが、吸着塔に比べて圧力変動幅が狭い製品槽を選定することがこのましい。また、最大圧力を求める手順も適宜選択することができるが、図5に示すように、吸着塔又は製品槽の圧力をあらかじめ設定した時間間隔で測定し、測定した現時点の測定圧力(P0)と、一つ前の測定圧力(P1)及び二つ前の測定圧力(P2)とを比較し、(P0)<(P1)かつ(P0)<(P2)を満たしたときに、一つ前の測定圧力(P1)を前記最大圧力(Pmax)と判断することにより、測定ノイズの影響を回避して最大圧力を確実に求めることができる。
例えば、本形態例に示すように、製品槽13の圧力を圧力計23で連続的に測定し、測定した圧力をPLC24で1秒間隔で読み込み、読み込んだ時点の圧力(P0)と、1秒前に読み込んだ圧力(P1)と、2秒前に読み込んだ圧力(P2)とを常に比較し、(P0)<(P1)かつ(P0)<(P2)を満たしたときに、1秒前に読み込んだ圧力(P1)を最大圧力(Pmax)と判断する。
求めた最大圧力(Pmax)は、PLC24からデジタル指示調整計25に送られ、最大圧力(Pmax)に基づいてインバータ周波数をPID制御し、デジタル指示調整計25からの指示によってインバータ26が前記圧縮機11の回転数を制御する。すなわち、製品槽13の最大圧力が低下したときには、バイオガス中のメタン濃度が低下したと判定して圧縮機11の回転数を上昇させ、吸着塔に導入するバイオガス量を増加させる。また、製品槽13の最大圧力が上昇したときには、バイオガス中のメタン濃度が上昇(復帰)したと判定して圧縮機11の回転数を下降させ、吸着塔に導入するバイオガス量を減少させる。これにより、バイオガス中のメタン濃度に応じて吸着塔に導入するバイオガス量を最適な量に調整することができ、吸着塔から製品槽13に流入する濃縮メタン、すなわち原料ガス中のメタン濃度が変動しても、製品ガス中のメタン濃度の変動を最小限に抑制でき、比較的安定したメタン濃度の製品ガスを使用先に供給することができる。
例えば、原料となるバイオガスの基準組成をあらかじめ設定し、例えば基準組成をメタン濃度60%に設定したときのPSA装置の性能や構成、製品ガス仕様等に応じた製品槽13の目標最大圧力(Ps)をあらかじめ設定し、例えば0.6MPa(ゲージ圧、以下同じ)に設定し、測定した製品槽13の最大圧力(Pmax)と目標最大圧力(Ps)とを比較し、最大圧力(Pmax)が目標最大圧力(Ps)より低いときには吸着塔に導入するバイオガス量が増加するようにインバータ周波数を高く、また、前記最大圧力が前記目標最大圧力より高いときには、吸着塔に導入するバイオガス量が減少するようにインバータ周波数を低く調整することにより、安定した純度(メタン濃度)の製品ガスを連続的に供給することができる。
しかしながら、バイオガス中のメタン濃度が低下した場合、つまり二酸化炭素濃度が増えた場合には、バイオガス導入量を増加させることで圧力が上がり、二酸化炭素の吸着量が上がる反面、吸着剤の二酸化炭素の吸着容量には限界があるため、二酸化炭素が破過してしまうので、製品ガスの純度を一定に保つことは困難であるが、純度の変動幅を数%の範囲内にすることができる。
なお、PLC24からデジタル指示調整計25に送るデータは、求めた最大圧力(Pmax)に対応するデータであってもよく、目標最大圧力(Ps)と最大圧力(Pmax)との差(Ps−Pmax又はPmax−Ps)に対応するデータであってもよい。また、吸着塔に導入するバイオガス量の調整は、圧縮機のインバータ制御がコストや精度の面から最適であるが、圧縮機の構成などに応じて他の周知の方法で行うことも可能である。
図6に示す実験装置を用いて実験を行った。なお、図1に示したPSA装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この実験装置では、メタンガスと二酸化炭素とをそれぞれのボンベ51,52から混合槽53に所定量で導入し、混合槽53にて所定の組成のバイオガスを模擬した混合ガスとし、この混合ガスを、圧力調整弁54にて所定の圧力に調整し、原料ガス流量調節器55にて所定の流量に調整して原料ガスとした。各吸着塔A,B内には、吸着剤として分子篩炭素を各2リットル充填し、圧力計23a,23bを設けて圧力を監視した。
原料ガスの圧力は0.6MPa、再生時の圧力は大気圧、均圧時間は2秒、吸着時間は98秒に設定し、原料ガス流量調節器55で原料ガスの導入量を、製品ガス流量調節器56で製品槽13からの製品ガス導出量をそれぞれ一定とした状態で、各ボンベ51,52からのガス量を調整することによって原料ガスのメタン濃度を60%、55%、50%に変化させ、各メタン濃度における吸着塔A,Bの最大吸着圧力を測定するとともに、二酸化炭素濃度計57で測定した二酸化炭素濃度から製品ガスのメタン濃度(製品純度)を算出した。原料メタン濃度に対する吸着圧力及び製品純度の関係を表1に示す。
Figure 0005244658
次に、吸着圧力が同じになるように、原料ガスの導入量を原料ガス流量調節器55で調整した。メタン濃度60%のときの原料ガス導入量を1としたときのメタン濃度55%及びメタン濃度50%におけるそれぞれの原料ガス導入量、吸着圧力及び製品純度の関係を表2に示す。
Figure 0005244658
表1に示すように、原料メタン濃度が50%にまで低下した場合、本発明を適用しない場合には、製品純度が92.5%まで低下すが、本発明を適用することにより、表2に示すように、原料メタン濃度が50%になっても、製品純度は97%にまでしか低下していないことがわかる。
図1に示したPSA装置を使用し、実際の嫌気性発酵槽から得たバイオガスを原料ガスとした。各吸着塔A,B内には、吸着剤として分子篩炭素を各33リットル充填し、均圧時間を5秒、吸着時間を150秒、再生圧力を大気圧、製品ガス供給量を5.2m/hr(大気圧、0℃換算値)、製品槽13の目標最大圧力(Ps)を0.6MPaにそれぞれ設定し、前述のように、製品槽13の最大圧力(Pmax)の変動に基づいて圧縮機11の回転数をインバータ制御し、最大圧力(Pmax)が目標最大圧力(Ps)の0.6MPaになるようにバイオガスの導入量を自動的に調整できるようにした。実験中、メタン濃度は62〜53%の範囲で変動し、インバータ周波数は、製品槽圧力に応じてインバータ周波数が自動的に変化し、メタン濃度60%以上のときには50Hz、メタン濃度53%のときには60Hzとなった。
12日間連続運転したときのバイオガス中のメタン濃度(原料メタン濃度A)と、インバータ周波数Bと、製品純度Cとの状態を図7に示す。図7から明らかなように、バイオガスの組成(メタン濃度)が変動しても、製品槽13の最大圧力に基づいて圧縮機11の回転数をインバータ制御し、吸着塔へのバイオガスの導入量を調整することにより、製品純度Cを97.5〜98.5%の範囲に制御できたことがわかる。
11…圧縮機、12…冷却器、13…製品槽、14a,14b…入口弁、15a,15b…排気弁、16,17…均圧弁、18a,18b…パージ弁、19a,19b…出口弁、20…流量調整弁、21…圧力調整器、22…流量調整器、23…圧力計、24…PLC、25…デジタル指示調整計、26…インバータ、27…背圧調整弁、51,52…ボンベ、53…混合槽、54…圧力調整弁、55…原料ガス流量調節器、56…製品ガス流量調節器、57…二酸化炭素濃度計、A,B…吸着塔

Claims (5)

  1. 吸着剤を充填した吸着塔の圧力を相対的に高い圧力とした吸着工程と相対的に低い圧力とした再生工程とに交互に切り換えてガス分離を行う圧力変動吸着分離法によってバイオガスに含まれるメタンを濃縮し、濃縮したメタンを前記吸着塔から導出して製品槽に貯留し、該製品槽から使用先に濃縮メタンを供給するメタン濃縮方法において、バイオガス中のメタン濃度の変動に応じて変化する前記吸着塔又は前記製品槽の圧力を測定して最大圧力を求め、求めた最大圧力に基づいて前記吸着塔に導入するバイオガス量を調整することを特徴とするメタン濃縮方法。
  2. 吸着剤を充填した吸着塔の圧力を相対的に高い圧力とした吸着工程と相対的に低い圧力とした再生工程とに交互に切り換えてガス分離を行う圧力変動吸着分離法によってバイオガスに含まれるメタンを濃縮し、濃縮したメタンを前記吸着塔から導出して製品槽に貯留し、該製品槽から使用先に濃縮メタンを供給するメタン濃縮方法において、バイオガス中のメタン濃度の変動に応じて変化する前記吸着塔又は前記製品槽の圧力を測定して最大圧力を求め、求めた最大圧力とあらかじめ設定した目標最大圧力とを比較し、前記最大圧力が前記目標最大圧力より低いときには吸着塔に導入するバイオガス量が増加するように調整し、前記最大圧力が前記目標最大圧力より高いときには、吸着塔に導入するバイオガス量が減少するように調整することを特徴とするメタン濃縮方法。
  3. 前記吸着塔に導入するバイオガス量の調整は、吸着塔に導入するバイオガスを圧縮する圧縮機の回転数を制御して行うことを特徴とする請求項1又は2記載のメタン濃縮方法。
  4. 前記吸着塔又は前記製品槽の圧力をあらかじめ設定した時間間隔で測定し、測定した現時点の測定圧力(P0)と、一つ前の測定圧力(P1)及び二つ前の測定圧力(P2)とを比較し、(P0)<(P1)かつ(P0)<(P2)を満たしたときに、一つ前の測定圧力(P1)を前記最大圧力とすることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のメタン濃縮方法。
  5. 前記最大圧力は、前記製品槽の圧力を測定して求めることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のメタン濃縮方法。
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