JP5243493B2 - 周期構造物の非破壊検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、周期構造物の非破壊検査方法に関するもので、より詳細には、実際に測定された光の反射率及び透過率に関する物理量と、計算によって推定された反射率及び透過率に関連する物理量とを比較して周期構造物の形態を測定する分析方法に関するものである。
一般的に、半導体素子やディスプレイ素子のような電子デバイスを製造するためには、洗浄、薄膜成長、フォトリソグラフィ及び薄膜エッチングなどの工程を何回も反復して行なわなければならない。例えば、フォトリソグラフィ工程では、マスクに光を照射してマスク上のパターンを感光性物質に転写してマスクパターンと同じパターンを形成して、転写されたパターンをエッチ・バリヤに用いて薄膜上に所望するパターンを形成する。
このように、フォトリソグラフィ工程を用いて製作される半導体またはディスプレイ素子は、工程ごとに所望するパターンが正確に形成されなければならない。すなわち、所望するパターンが感光性物質に正確に転写されて、この感光性パターンもエッチ・バリヤとしての役割を正しく果たして正確なパターンが薄膜に形成されなければならない。フォトリソグラフィ工程の正確性を確認するためには、フォトリソグラフィ工程後に形成された薄膜パターンまたは薄膜上に形成された感光性パターンなどを検査して確認する必要がある。
パターンの検査のために、一般的にパターン検査機を用いて光学的に半導体素子の形状を観察する方法が用いられているが、これはナノ水準のパターンを検査するには、その解像度が不足で正確な分析が難しい。その結果、半導体研究及び生産ラインでは、パターン検査機を用いて検査を行なった後、別個に電子顕微鏡などを用いて具体的な形状を分析する方法が用いられている。
しかし、電子顕微鏡を使用する場合、半導体素子の断面を切断してその形状を分析しなければならないので、製造された素子を再び使用することができないという短所があり、真空状態で測定をしなければならないので、測定結果を得るのに過度な時間がかかり、測定部位を多様に選択することができないという短所を有しているため、実際に生産ラインで使用するには限界がある。
この問題を補うための方法として、光学的測定法を用いた技術が開発された。その一例として、有効媒質近似(Effective Medium Approximation:EMA)という近似式を用いる方法がある。有効媒質近似を用いた計算方法は、構造の詳細形態とは関係なしに体積の比率でのみ近似することから、構造物の細密な形態を全く区別することができないという問題点がある。すなわち、周期的な構造を有する回路の各パターンの形成を具体的に区別することができず、その割合のみを区別することで実際の構造と測定された構造との間の差が大きく発生する。特に、周期構造物の場合、有効物質理論を用いた計算方法では、周期構造を明らかにすることができないので、新しい光学的測定方法が切実に求められている。
本発明が解決しようとする課題は、周期構造物の構造を早くかつ正確に把握する方法を提供することである。
本発明は、(a)光源からビームを実際の周期構造物に入射させて前記ビームの反射率または透過率に対する物理量を測定する工程と、(b)前記ビームが仮想周期構造物に入射した場合の反射率または透過率に対する物理量を計算する工程であって、一次元、二次元的、または三次元的で反復的形態を有する仮想周期構造物を設定して、前記仮想周期構造物をN個の層に水平的に分割して、前記仮想周期構造物としてゼロ次(zeroth order)周期構造物と、このゼロ次周期構造物を幾何学的または物理的に摂動させた周期構造物に設定して、前記仮想周期構造物に入射するビームがゼロ次周期構造物に入射した場合の反射率または透過率を算出して、リープマン−シュウィンガー積分方程式によって前記摂動された仮想周期構造物の反射率及び透過率を求める工程で、前記仮想周期構造物の分割された層の中で少なくとも一層に対してリープマン−シュウィンガー積分方程式をM次内挿法で離散化させて(ここで、2≦M≦N)前記仮想周期構造物に対する反射率または透過率に対する物理量を計算する工程とを含み、(c)前記(a)工程で測定された反射率及び透過率と関連した物理量と、前記(b)工程で計算された反射率及び透過率を使用して抽出された該当の物理量とを比較して、前記実際周期構造物の構造が前記仮想周期構造物と一致するかどうかを判断する工程とを含む周期構造物の非破壊検査方法を提供する。
本発明において、前記仮想周期構造物を分割したN個の層をX個の領域(ここで、1≦X≦N−1))に区画して、区画した個別領域に対してリープマン−シュウィンガー積分方程式をMi次内挿法(Mith order interpolation)で離散化させて前記仮想周期構造物に対する反射率または透過率に対する物理量を計算する工程をさらに含むことができる(ここで、Miは、1≦Mi≦N)。
前記仮想周期構造物を分割したN個の層をX個の領域に区画する時、区画された個別領域中少なくともいずれか一つは、他の領域と異なる数の層を含むことができる。
前記反射率または前記透過率は、主次数(0次)回折のみならず他の次数の回折に対する反射率または透過率を含むことができる。
前記周期構造物の外側に位置する物質は、気体、液体または固体の中のいずれか一つであることができ、前記仮想周期構造物の外側面には、少なくとも一つの表面層が形成されていて、この表面層は、酸化膜、粗表面層またはコーティング層であり得る。
前記物理量は、反射波または透過波の振幅または位相と関連する物理量であり得る。前記リープマン−シュウィンガー積分方程式を通じて前記物理量を計算する工程は、前記仮想周期構造物の分割された層で摂動誘電率関数をフーリエ級数で展開する工程、及び前記仮想周期構造物の分割された各層で、摂動反射波または透過波の層を表わす指数によってM次内挿法を分離して適用する工程を含むことができる。
前記仮想周期構造物の多数の層の中で、少なくとも一つは、異なる高さを有するように分けることができる。
本発明によると、周期構造物の構造をより早くかつ正確に把握することができる。
また、非破壊的に周期構造物の構造を把握することができ、自然に周期構造物上に形成される酸化膜やコーティング層などの微細構造も精緻に検査することができる。
その結果、半導体産業など、その他のナノ産業分野において、早く精緻な非破壊検査が可能である。
本発明の一実施例によるグリーン関数方法を用いた周期構造物分析方法を示した手順図である。 本発明の実施例による周期構造物の非破壊検査装置を概略的に示した図である。 本発明の実施例による周期構造物の非破壊検査装置を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による仮想周期構造物を示した斜視図である。 図4の仮想周期構造物の断面を複数の層に分けた断面図である。 本発明のまた他の実施例による仮想周期構造物を示した斜視図である。 図6の仮想周期構造物の断面を複数の層に分けた断面図である。 本発明の一実施例によって設定された周期構造物の断面図である。 RCWA方法と既存の非破壊検査方法による検査方法の結果を比較して示したグラフである。 RCWA方法と本発明の実施例による検査方法の結果を比較して示したグラフである。 RCWA方法と既存の非破壊検査方法による検査方法の結果を比較して示したグラフである。 RCWA方法と本発明の実施例による検査方法の結果を比較して示したグラフである。 既存の非破壊検査方法と本発明の実施例による検査方法の計算の誤差と所要時間を比較して示したグラフである。 既存の非破壊検査方法と本発明の実施例による検査方法の層の数とエラー率を比較して示したグラフである。
以下では、添付した図面を参考にして、本発明の実施例に対して、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、様々な相異した形態で具現され得るので、ここで説明する実施例に限定されない。
まず、図1ないし図3を通じて、本発明の一実施例によるグリーン関数(Green Function)方法を用いた周期構造物分析方法の進行手順を詳しくみる。
図1は、本発明の一実施例によるグリーン関数方法を用いた周期構造物分析方法を示した手順図で、図2及び図3は本発明の実施例による周期構造物の非破壊検査装置を概略的に示した図である。
本発明の実施例によるグリーン関数方法を用いた周期構造物分析方法は、周期構造物を対象に光を照射して光学的特性を測定する工程(S10)、仮想周期構造物の構造を決定する工程(S20)、決定された仮想周期構造物を対象に物理量を計算する工程(S30)及び光学的測定値と計算された物理量とを比較する工程(S40)を含む。
まず、各工程を下記で詳しく見ることにする。
まず、構造を知りたい周期構造物に光を照射して、反射率または透過率を測定して光学的特性を抽出する(S10)。周期構造物が反射特性が良好な場合には反射率を測定して、透過特性が良好な場合には透過率を測定する。S10工程は、図2または図3のような検査装置を用いて検査することができる。
まず、図2の検査装置は、光源100、検出器110、プロセッサ120及び基板130を含む。光源100は、周期構造物200に向けて光を照射する。光源は、特定波長を有する光を照射し、多様な波長の光を使用することができる。
周期構造物200に入射した光の中で一部は透過して、一部は反射する。反射した光は、検出器110で検出され、プロセッサ120では検出器110で測定された反射波の反射率が算出される。透過した光も、検出器110で検出され、プロセッサ120では検出器110で測定された透過波の透過率が算出される。
前記検査装置は、図3に示したように、偏光器140をさらに具備することができる。この場合、光源100で発生した光は、偏光器140を経てTEモードの光またはTMモードの光に偏光されて周期構造物200に入射する。
周期構造物200に光を入射させると、入射した光は反射する光と透過する光に分けられる。本発明では、光の反射及び透過において最も根本的な2つの偏光状態、すなわちTEモード及びTMモードの反射率及び透過率を算出して周期構造物の非破壊検査を遂行する。
例えば、周期構造物に光を入射して測定された反射率及び透過率と関連した物理量は、TEモード電場の入射波に対する反射波及び透過波の振幅または位相と関連した物理量と、TMモード磁場の入射波に対する反射波及び透過波の振幅または位相と関連する物理量との組み合わせで理解することができる。
以上のようなS10工程は、半導体素子の製造工程中に単純に光を照射して反射率または透過率を測定しながら進行することができる。その結果、半導体素子の製造環境を変化させなくても簡単に測定することができる。
このように、測定された反射率または透過率と一致する値が得られる比較対象を求めなければならない。一致する値が得られる該当の対象の周期構造がS10工程で測定された周期構造物200の構造だからである。これは、S20ないしS30工程を通じて計算される。
詳しくみると、まず、仮想周期構造物を決定する工程(S20)を経る。一般的に半導体素子を製造する時、目標とする構造があるが、該当の構造を基に仮想周期構造物を決定する。
図4ないし図8は、仮想周期構造物の例を示している。
図4は、本発明の一実施例による仮想周期構造物を示した斜視図で、図5は、図4の仮想周期構造物の断面を複数の層に分けた断面図であり、図6は、本発明のまた他の実施例による仮想周期構造物を示した斜視図で、図7は、図6の仮想周期構造物の断面を複数の層に分けた断面図である。
図4及び図5または図6及び図7は、それぞれ仮想周期構造物の例で、S30での計算のためには、仮想周期構造物(200a、200b)を多数の薄い層に分けて各層に対して未定係数を有する各回折次数に対する反射波と透過波関数を求めて、各層での境界条件を適用して未定係数をすべて求める過程を進行する。
図4及び図5と異なり図6及び図7は、該当の構造の表面に酸化膜などの表面層210が積層されたことを仮定した構造である。一般的に真空で半導体工程が進行されるといっても、短い時間内に薄膜が表面上に積層されることが一般的なので、図4及び図5よりは、図6及び図7のように表面層210を考慮してS30工程を遂行することが好ましいことがある。
図4及び図5の仮想周期構造物200aを例えば1次元、2次元、または3次元の周期構造の形態を有する半導体素子と仮定すると、仮想周期構造物200aは、各層ごとにシリコンなどの該当の物質からなる物質部分(nからnまで)と、空気層など入射部の物質部分(
から
まで)との二つの物質が水平的に周期的な構造を有する。
しかし、半導体工程などの実際環境では、周期構造物を完璧な真空状態で製造することができないので、実際周期構造物の表面には空気または水気との接触によって酸化膜が形成される。また、工程で周期構造物の表面に意図的なコーティング層を形成したり、周期構造物表面に粗面層(roughness layer)が存在して実際の幾何学的形態を推定するのに、図4及び図5の仮想周期構造物200aは限界がある。
図6及び図7では、仮想周期構造物200bは表面に酸化膜などの表面層210が形成され、その断面を複数の層に分割すると、図7に示したように少なくとも3個の物質が周期的に反復する構造を有するようになる。仮想周期構造物200bは、グルーブ(groove)領域に該当する第3物質を間に置いて反復的な周期で形成されたリッジ(ridge)領域を含み、このリッジ領域は第1物質で構成された中心部と第2物質で構成され、前記第2物質は中心部の外面に形成される表面層を含む。
図7で、nl(l=2,...L)、
及び
は、層lでリッジ領域(第1物質)、グルーブ領域(第3物質)、表面層領域(第2物質)をそれぞれ示す。
前記表面層(第2物質)は、酸化膜またはコーティング層であり得るし、場合によっては周期構造物表面の粗面層であり得る。前記グルーブ領域に該当する第3物質は、気相、液状、または固相であり得る。
例えば、仮想周期構造物200bを半導体素子と仮定すると、長方形断面の構造の複数層(1ないしL)で、最上部層(第1層)を除いて、中間の各層ごとにシリコンなどの物質からなる第1物質、酸化膜またはコーティング層として存在する表面の第2物質及び空気層や液状または固相形態の第3物質が水平的に周期的な反復構造を有するようになる。
このように酸化膜やコーティング層、または表面の粗面層などの表面層210を考慮して仮想周期構造物200bを設定すると、仮想構造物の反射率及び透過率を実際周期構造物とより近似的に算出することができる。したがって、ナノ水準の微細周期構造物の構造及び成分を非常に正確に測定することができる。具体的には、周期構造の幾何学的な外見形態及び内部構成成分、その下に存在する薄膜構造の厚さまで比較分析することができる。
このように決定された仮想周期構造物について、計算を通じて反射率(R)または透過率(T)を算出する(S30)。反射率と透過率の計算方法に対しては後述する。
その後、S30工程を通じて計算された反射率または透過率と、S10工程を通じて測定された反射率または透過率とを比較する(S40)。周期構造物の実際に測定された反射率または透過率またはそれと関連した物理量と、仮想周期構造物の算出された反射率及び透過率またはそれと関連した物理量とを比較して、一定誤差範囲以内で同一な場合、実際周期構造物の構造が仮想周期構造物の構造と一致すると判断することができる。
測定された反射率または透過率とそれと関連した物理量と、算出された反射率または透過率とそれと関連した物理量とを比較するにおいて、コンピューターなどの別途装置を用いることができ、測定値と算出値との比較のためのソフトウェアを用いることもできる。このような方法で、周期構造物の実際の構造を精緻に検査することができる。
また、周期的な構造を有する物質の場合に、反射または透過する光は、0次を含んだ多くの回折次数を有する。一般的には、主次数(0次)の場合のみを考慮するが、非対称の場合または周期を知りたい場合には、主次数(0次)以外の次数(1、2・・・、n及び−1、−2・・・、−n次数)を考慮する。本発明は、このような主次数以外の次数の反射または透過光にも同様に適用することができる。
比較の結果、両物理量が誤差範囲内で互いに一致したら、S10工程で測定された周期構造物200は、S20工程で設定された仮想周期構造物の構造と同じなので検査手続きは終了する。これに反して、両物理量が互いに異なる場合には、S20工程に戻ってすでに設定された仮想周期構造物の光学的及び幾何学的変数を変更して、再びS20工程及びS30工程を経て計算された物理量を得る。
以上のような方式を通じて、グリーン関数方法を用いた周期構造物分析方法が進行される。
以下では、S30工程でどのような計算を通じて計算された反射率または透過率を算出するのかを詳しくみることにする。
本発明では、仮想周期構造物の物理量を算出するために、仮想周期構造物の一形態を仮定して、ゼロ次構造物(zero−th order periodic structure)と定義して、このゼロ次構造物を摂動領域で幾何学的または物理的変化を加えた摂動された周期構造物(perturbed periodic structure)を得る。
ゼロ次構造物に対する光の反射率及び透過率、摂動領域でのゼロ次構造物のグリーン関数を計算して、リープマン−シュウィンガー積分方程式(Lippmann−Schwinger Integral Equation)を離散化して、ここで各分割された区間で被積分関数である電場または磁場未知関数に対するM次内挿法を用いてこの被積分関数を未知係数を有するM次多項式で近似して先に解析的積分した後、離散化された未知係数に対する一次連立方程式系を得てこれを解いて、これら結果から摂動された周期構造物の反射率、透過率、または反射率及び透過率に係る物理量を求める。リープマン−シュウィンガー積分方程式の数値解析的解析では、周期構造物を水平分割して層に分けて、各層で未知係数の数が層の数だけかけて得られる全体未知係数に対する1次連立方程式を解く方式で計算される。ここで、水平分割する層の数を減らせば、計算時間が短縮され得る一方、計算の精度が下がる短所がある。本発明では、周期構造物の水平分割された層の数を少なくしながらも精度が落ちることを防ぐために、M次内挿法を用いる。ここで、仮想の周期構造物を分割した各層または領域において、M次内挿をそれぞれ異なるように適用することもできる。例えば、領域(または層)aでは2次内挿を適用して、領域(または層)bでは4次内挿を適用して、領域(または層)cでは1次内挿を適用することができる。仮想周期構造物の構造によって、各領域(または層)に対して適用するM次内挿方式を多様に変化させることができる。内挿の次数が増えるにしたがって、仮想周期構造物の形態によって多少の差があり得るが、計算の正確度は、最大2次数ずつ増加することができる。その結果、本発明による分析方法によると、仮想周期構造物の分割層を減少させながらも計算の精度を維持することができ、非常に早く正確に周期構造物を分析することができる。
本発明において、仮想周期構造物をN個層に分割する時、分割された層をX個の領域(1≦X≦(N−1))に区画して、区画された個別領域に対してリープマン−シュウィンガー積分方程式をMi次内挿法で離散化させて前記仮想周期構造物に対する反射率または透過率に対する物理量を計算することができる。この場合、前記Miは1≦Mi≦Nであることが好ましい。例えば、N個の層を2個ずつ束ねてそれぞれの対に対して2次内挿法を適用したり、N個の層を4個ずつ束ねてそれぞれの対に対して4次内挿法を適用したりすることができる。一方、仮想周期構造物を分割したN個の層をX個の領域に区画する時、区画された個別領域は、互いに大きさが異なり得る。すなわち、一領域は他の領域と異なる数の層を含むように設定することができる。したがって、N個の層を互いに異なる数の領域で束ねてそれぞれの束ねた対に対して互いに異なるMi次内挿法を適用することができる。
ゼロ次構造物に対する光の反射率及び透過率は、マクスウェル方程式に周期条件を加味した計算を通じて推定することができる。そのために、図4ないし図7に示したように、仮想周期構造物(200aまたは200b)を長方形断面形態の複数の層(1からLまで)に分ける。
続いて、仮想周期構造物(200aまたは200b)の分割された層での誘電率関数をフーリエ級数で展開する。仮想周期構造物(200aまたは200b)に光が入射すると仮定する時、入射波、反射波、透過波の電磁気波を平面波の合計で置いて、各層でのマクスウェル方程式の解を固有関数モードの合計で展開してその展開係数を電場と磁場の水平成分が連続という境界値条件を使用して決定する。
前記展開係数を用いて、TEモード電場の入射波に対する反射波及び透過波の振幅または位相、及びTMモード磁場の入射波に対する反射波及び入射波の振幅または位相を算出して、ゼロ次構造物の反射率(R[0] TE及びR[0] TM)及び透過率(T[0] TE及びT[0] TM)を計算する。
ここで、仮想周期構造物(200aまたは200b)で分割された層の数とフーリエ級数展開の項の数を大きくすれば、より精緻な解を得ることができる。以下では、図6及び図7で示された仮想構造物200bを通じて詳しくみる。
摂動領域でのゼロ次構造物のグリーン関数も、前記ゼロ次構造物の反射率または透過率を計算する方法を適用して求めることができる。
リープマン−シュウィンガー積分方程式を通じて摂動領域の各層でTEモード電場とTMモード磁場の結合波展開係数を計算した後、これらを用いて摂動された構造物による反射率(RTE及びRTM)及び透過率(TTE及びTTM)をそれぞれ計算する。
本発明では、入射媒質(領域I)と基板(領域II)の間の周期構造物をL層に分けるが、一部または全体の層が均一な物質からなるものを含む。その例として、摂動領域全体の層すべてが各層ごとに均一な物質からなる場合、すべての層が一つの均一な物質からなる場合、基板上の空気層を摂動領域とする場合、各層が均一な物質ではないけれどすべての層が与えられた層一つの反復からなる場合を考慮することができる。
以下では、図6及び図7に示された仮想周期構造物200bの反射率及び透過率を計算する方法の中間過程の中で、グリーン関数に対する2次内挿法を用いてリープマン−シュウィンガー積分方程式の離散化過程と電場の離散化値[Ψ(zi)]に対する1次連立方程式系を構成する方法に対して詳しくみる。
以下では、光の偏光によってTEモードとTMモードを区分して計算し、まずTEモードの計算について詳しくみる。
周期構造物のx軸方向周期性によってマクスウェル方程式のTEモード解は、フーリエ−フロケ級数展開(Fourier−Floquet series)で示せば、下記の数式1及び数式2のようになる。
ここで、
で、kxnはフロケ(Floquet)条件によって、
で、λは真空での入射波の波長であり、nは入射領域の屈折率であり、θは入射角である。また、εは真空の誘電率であり、μは真空の透磁率である。また、x軸方向で周期Λを有する周期が1次元である周期構造の誘電率関数ε(x,z)は、フーリエ級数展開によれば、下記の数式3のように表わすことができる。
数式1のΨn(z)を成分にする列ベクトルΨ(z)は、マクスウェル方程式によっての下記の数式4を満足する。
ここで、Kは(n,n)元素がkxn/kである対角行列であり、E(z)は(n,p)元素がEnp(z)=ε(n−p)(z)で与えられる誘電率級数展開の展開係数に作られるテプリッツ(Toeplitz)行列である。
以下、フーリエ−フロケ級数展開の結合波基底(coupled−wave basis)
を表わす下付き文字nの範囲を−NからNまでに制限する。前記の周期構造物は、周期が同じゼロ次周期構造物に摂動が加えられた構造物であると考える時、摂動誘電率関数
で表わすことができる。ここで、
は、ゼロ次周期構造物の誘電率関数である。
ゼロ次周期構造物と摂動が加えられた周期構造物に対する電場のフーリエ−フロケ級数展開の展開係数列ベクトルΨ(z)とΨ[0] (z)は、次のリープマン−シュウィンガー(Lippamann−Schwinger)方程式(数式5)を満足する。
ここで、
である。数式5で摂動領域の外でV(z)=0なので、積分領域は摂動領域に(で)制限される。
以下では、数式5でのΨ[0](z)とG(z,z’)の計算に対して詳細にみる。
数式5のリープマン−シュウィンガー積分方程式を解くため、まずゼロ次周期構造物に対するΨ[0](z)とG(z,z’)を精密結合波分析法(Rigorous Coupled−Wave Analysis:RCWA)によって求める。精密結合波分析法は、多層周期構造物の非破壊検査方法(韓国特許登録第10−0892485号)及び多層周期構造物の物理量算出方法(韓国特許登録第10−0892486号)に詳細に記述されている。
酸化膜、コーティング膜または表面層があるゼロ次周期構造を共通の周期Λを有する一直線な長方形模様の層が積まれたものであると近似する。前記の層分けで一部または全体の層が均一な物質からなるものを含む。前記層分けによる近似によって、誘電率関数ε[0](x,z)のz依存性は、層を表わす指数lに転嫁される。そうすると与えられた層lでの誘電率関数はxだけの関数になって、やはり周期Λを有する周期関数なのでフーリエ級数で展開することができる。ここで、級数展開係数で作られるテプリッツ行列はE[0]lで、その大きさは(2N+1)×(2N+1)である。ゼロ次周期構造物の層lでの電場と磁場のフーリエ−フロケ級数展開係数で作られる大きさ(2N+1)である列ベクトルΨ[0]l(z)が満足しなければならない微分方程式は、マクスウェル方程式から得られる行列形態の調和震動運動方程式の形態への2次微分方程式であり、解く方法は、行列の固有ベクターと固有値の問題に転換される。その固有ベクターは、周期構造物の光学的及び幾何学的入力変数によって数値的に計算される。ここで、積分定数で入ってくる二つの種類の定数列ベクトルは、電場と磁場が水平成分が各層の境界面で連続でなければならないという境界条件を用いて求める。各層での境界条件は、先で言及した二つの定数列ベクトルに対する循環関係式を与え、領域IIである基板層(l=L+1)から入射する光がなく、領域Iである空気層(l=0)で入射波が知られているので定数列ベクトルの値は、やはり数値的に完全に求められる。
ゼロ次周期構造物に対する行列グリーン関数G(z,z’)の計算も、基本的に精密結合波分析法で計算される。正方行列G(z,z’)は、固有ベクターSと固有値Q を用いて表わされ、積分定数に入ってくるz変数と無関係な二つの種類の正方行列

は、やはり、境界条件の適用によっての下記の数式6のように計算される。
今度は、Ψ[0]l(z)の計算とは異なり、最初グリーン関数の源泉は周期構造物領域の各層になる。領域IIである周期構造物の方に入ってくるグリーン関数波がないことはもちろんで、領域Iで周期構造物の方に入射するグリーン関数波もない。その代わり、各源泉層でデルタ関数によるグリーン関数の導関数が満足しなければならない境界条件がさらにあるので、行列グリーン関数の表現に入るz変数と無関係な二種類の正方行列は、次の数式7ないし数式12で求められる。
ここで、
で与えられ、Rは、

を、


を次の数式11及び数式12のように連結される正方行列であり、uは、
で定義される。
以下では、以上のように求められた二つの量、Ψ[0](z)とG(z,z’)を用いて、リープマン−シュウィンガー積分方程式を離散化することについて詳しくみる。
以上のようにゼロ次(zeroth order)周期構造物の物理的性質及び幾何学的構造と入射波の情報によって決定された二つの量Ψ[0](z)とG(z,z’)と摂動ポテンシャルV(z)を入力変数にして、摂動された周期構造物の物理的性質、幾何学的構造、そして同一な入射波情報によって決定されなければならない電場未知関数Ψ(z)をリープマン−シュウィンガー方程式を解いて求める。
層l(l=1からLまで)内部に位置するzをzl−1に送って、層L内部に位置するzをzに送って、数式7及び数式8を用いて層jで摂動関数V(z’)が定数値Vを有すると仮定すると、数式5が下記のように離散化される。
数式13でl=1の場合、右辺の
は、いかなる項も発生させず、l=Lの場合、右辺の
は、いかなる項も発生させない。
本実施例による物理量の計算では、精密度を高めるために下記の数式15ないし数式17のような2次内挿法を用いる。しかし、一般的に任意の次数まで展開が可能である。
本実施例では、2次展開を基準に説明する。2次の場合、

まで展開することができ、その式は下記のように表わされる。
数式13に出てくるz’積分を偶数番目区間と奇数番目区間に対して分けて、それぞれ解析的に遂行すると、数式16及び数式17のように表わされる。すなわち、二つの層を一つに束ねて考慮する。これを拡張してM次にする場合には、N個の層を一つに束ねることができる。例えば、2次の場合は二つの層を、3次の場合は三つの層を一つに束ねて考慮する。すなわち、現在の形式をそのままM次まで拡張して適用することが可能である。
数式18と19は、各層での一般形態を表わしたものである。ここで、偶数層はIIで表わし、奇数層の場合はIで表わした。
ここで、
である。
以上の数式20ないし数式22の
は、下記の数式23ないし数式28のようになる。
数式18、数式19の積分公式と数式16で定義されたΨと数式17で定義されたΨを使えば、lは0からL−1までの値を有する場合、数式13は下記の数式29のようになる。
数式29は、lが偶数の場合及び奇数の場合を含み、偶数の場合と奇数の場合に
の具体的な形態が異なる。また、

の偶数列は、0で与えられるのである。これは、各層別に異なるように偶数の場合と奇数の場合が一つの場合のみ選択されるからである。
l=Lである時には、数式14が下記の数式30のようになる。
万一、Lが奇数の場合は、(L−1)個の偶数個の層と残り一つの層で考えれば良い。ここで、残った一つの層は、上記で言及した偶数番目区間の方法を適用するか、奇数番目区間の方法を適用するかに対しては、(L−1)個の層を二連続する層どうし対を作る時、残った一つの層がある一対の上に置かれたものと見るか、下に置かれたものと見るかによって決定される。しかし、普遍的には、仮想周期構造物の分割された層の数だけ展開するか、分割された全体層を多くの領域に区画して各区画された領域をM次展開することも可能である。
数式29及び数式30を集めて、次のように一つの拡張された行列形態の1次連立方程式系で表わすことができる。
ここで、XとX[0]は、L+1個の層成分Ψ(z)とΨ[0](z)を有する列ベクトルであり、各層成分Ψ(zl)とΨ[0](zl)はすべて(2N+1)個の結合波基底成分を有する列ベクトルである。G、
は、(L+1)個の層成分を有する正方行列であり、それぞれの層成分はすべて(2N+1)個の結合波基底成分を有する正方行列である。V、
は、摂動ポテンシャルV(z)で作られ、やはり(L+1)個の層成分を有する正方行列であり、それぞれの層成分は、すべて(2N+1)個の結合波基底成分を有する。
数式31は、N次内挿の場合に次のような式で一般化することができる。この場合、計算しなければならない行列の数は、2N個に増加する。
以上では、TEモードに対する物理量の計算に対して詳しくみた。以下では、TMモードに対する物理量の計算に対して詳しくみてみる。
各周期構造物のX軸方向周期性によってマクスウェル方程式のTMモードの解は、下記の数式33及び数式34で表わすことができる。
ここで、
は、誘電率関数ε(x,z)の逆数をフーリエ級数で展開する時の展開係数である。(下記の数式35参照)
数式33のΦ(z)を成分とする列ベクトルΦ(z)は、マクスウェル方程式によって下記の数式36を満足する。
ここで、P(z)は、
を(n,n’)成分で有する正方行列である。
ゼロ次周期構造物に対する磁場のy成分のフーリエ−フロケ級数展開の展開係数Φ[0](z)とΦ(z)は、下記のTMモードに対するリープマン−シュウィンガー方程式(数式37)を満足する。
ここで、KはTEモードで定義したのと同様であり、
で、
である。数式37の誘導において早い収斂(収束)化のために、Liの因子化規則を用いた。
TMモードでの磁場のy成分のフーリエ−フロケ展開係数列ベクトルΦ[0](z)とグリーン関数正方行列G(z,z’)は、基本的にTEモードと同じ方法で求めることができる。
すなわち、TEモードと同様に層l(l=1からLまで)内部に位置するzをzl−1に送って、層L内部に位置するzをzLに送って、数式7と数式8を用いて層jで摂動関数
とV(z’)が、それぞれ定数値
とVを有すると仮定すると、数式37は、l=1,...,L−1に対しては、下記の数式38に離散化される。
一方、l=Lに対しては、数式37は、下記の数式39に離散化される。
数値計算の精度を高めるために、数式15の方法で数式37の被積分関数の前部で磁場未知関数Φ(z)に対する2次内挿法を用いて、数式18及び19でV
に置換された形態の積分を得て、数式37の被積分関数の二番目の項のために生じる積分を解析的にまず遂行すると、下記の数式40及び数式41のような結果を得る。TEモードと同様に、偶数層はIIで現わし、奇数層の場合は偶数層の表現においてIIをIに変えて、

に変えれば良い。
ここで、
である。
したがって、数式38は数式29で、数式39は数式30でV
に代替された式と数式37の被積分関数の二番目の項のため生じる次の式の合計で表現される。すなわち、数式38は、l=0,...L−1である場合には、下記の数式45のように表わされる。
ここで、
の具体的な形態は、lが偶数の時と奇数の時、異なって与えられる。
一方、l=Lである時には、数式39は下記の数式46のように表わされる。
Lが奇数の場合は、TEモードの奇数の場合と同じである。
TEモードでの計算のような方法を用いて、TMモードでの磁場未知関数Φ(z)を離散化した未知係数Φ(z)に対する1次連立方程式系である数式47を求めることができる。
ここで、XとX[0]は、L+1個の層成分Φ(z)とΦ[0](z)をそれぞれ有する列ベクトルであり、各層成分Φ(z)とΦ[0](z)は、(2N+1)個の結合波基底成分を有する列ベクトルである。G、
は、TEモードで定義したように、(L+1)個の層成分を有する正方行列であり、それぞれの層成分は、TMモードでの値として(2N+1)個の結合波基底成分を有する正方行列である。H、
は、(L+1)個の層成分を有する正方行列であり、各層成分は、(2N+1)個の結合波基底成分を有する正方行列である。V、
は、やはり、(L+1)個の層成分を有する正方行列であり、TEモードで定義されたV、
の形態で、ゼロでない成分であるVがKVKに変わった形態であり、それぞれの層成分は、すべて(2N+1)個の結合波基底成分を有する。
最後に、V、
は、TEモードでの定義と同様である。
TEモードでの電場の層成分Ψ(z)と磁場の層成分Φ(z)が求められると、その値から図6及び図7に示されたような仮想構造物200bの反射率及び透過率は、先行特許(韓国特許第10−0892486号)に記述された方法によって計算される。
このようにして計算したTEモードとTMモードに対するそれぞれの反射率及び透過率を、実際に測定した反射率及び透過率と比較することで、多くの周期構造物、例えば、ホログラフィック格子、表面浮彫及び多層格子構造、平面誘電または吸収ホログラフィック格子、任意断面誘電体及び吸収表面浮彫格子、2次元表面浮き彫り格子または非等方性格子構造の非破壊的分析に適用することができる。一方、前記周期構造物は、上述した例に限定されないことは、もちろんである。
以上のような本発明の計算方法に対して、図8の構造物を対象にどの程度の正確性を有するのか詳しくみてみる。
図8は、本発明の一実施例にしたがって設定された周期構造物の断面図で、図9ないし図14は、RCWA方法、既存の非破壊検査方法及び本発明の実施例による検査方法による結果を比較して示したグラフである。
まず、図8で設定された仮想の周期構造物は、クオーツ基板にクロムで形成された構造である。周期構造物の周期は、600nmで、該当の周期構造物の中でクロムのリッジ(ridge)領域の幅は300nmで、その高さは300nmに設定されている。
図9ないし図14は、RCWA(Rigorous Coupled−Wave Analysis)方法、既存の非破壊検査方法及び本発明の実施例による検査方法による結果を比較して示したグラフである。
図9ないし図14は、本発明による物理量の計算方法の正確度を詳しくみるためのもので、図9ないし図12で比較のための基準値は、フーリエ拡張成分を大幅に増やしてRCWA方法を用いて仮想周期構造物を電算模写したものである。本実施例で比較しようとするのは、既存のグリーン関数方法と本発明の実施例による2次内挿法を用いたグリーン関数方法である。速度を高めるために層の数を減らさなければならないので、同一な層数で既存のグリーン関数方法と本発明の実施例による2次内挿法を用いたグリーン関数方法の結果を比較してその正確度を比較することで、本発明によるグリーン関数方法がさらに良い結果を得られるかどうか調べることにする。ここで、比較の対象にした誤差値は、次の数式48のように定めた。
ここで、Ψsはグリーン関数方法の電算模写によって求められた楕円偏光法でのΨとΔの値で、Ψεは高い精度のRCWAによって求められたΨとΔの値である。そして、Nは波長の個数である。
まず、図9及び図10を用いて既存のグリーン関数方法と本発明の実施例による2次内挿法を用いたグリーン関数方法の結果を詳しく比較してみる。
図9及び図10は、図8の構造を10個の層に分けて計算した結果で、図9及び図10で実線は、RCWA方式で正確度を高めて計算された各物理量に対する値である。一方、図9の点線は、既存のグリーン関数方法による波長に対するΨ及びΔのグラフで、図10の点線は、本発明の実施例による2次内挿法を用いたグリーン関数方法による波長に対するΨ及びΔのグラフである。
図9の既存のグリーン関数方法は、実際の正確度が高いRCWA方式で計算された値と差が大きいということを確認することができ、数式55による誤差は、4.7834E−3値を有していた。
これに反して、図10の本発明によるグリーン関数方法は、既存の方法より誤差が減ったことを目で確認することができ、数式55による誤差は、6.4878E−4値を有していた。
その結果、本発明によるグリーン関数計算方法は、少ない層に分けて計算しても少ない誤差で実際と近似するということを確認することができる。
一方、図11及び12を用いて、再び既存のグリーン関数方法と本発明の実施例による 2次内挿法を用いたグリーン関数方法の結果を詳しく比較してみる。
図11及び図12は、図9及び図10と異なり図8の構造を総20個の層に分けて計算した結果である。
図11及び図12での実線は、図9及び図10と同様に、RCWAによる計算値を表わす。
一方、図11の点線は、既存のグリーン関数方法による波長に対するΨ及びΔのグラフで、図12の点線は、本発明の実施例による2次内挿法を用いたグリーン関数方法による波長に対するΨ及びΔのグラフである。
既存のグリーン関数方法は、層を20個に分けることで、層を10個に分けた場合に比べて誤差が減ったことを確認することができ、数式56による誤差は、8.6168E−4値を有していた。
これに反して、図12の本発明によるグリーン関数方法は、ほとんどRCWAによる値と同一な計算結果を有していて、数式55による誤差は、5.3909E−6値を有していた。すなわち、同一な層に分けて計算したが、本発明によるグリーン関数方法が、100倍以上向上した誤差値を有することが分かる。
既存のグリーン関数方法によって計算する場合、図12と同一な誤差を有するようにする場合には、層を85個に分けると可能である。このように、同一誤差を有するようにしようとする場合には、既存のグリーン関数方法を通じて計算する時間対本発明によるグリーン関数方法を通じて計算する時間の比は、32.8:1.5だった。ゆえに、同一な誤差を有するように計算する場合、本発明によるグリーン関数計算方法がより効率が高い。
すなわち、このことに関しては、図13及び図14でより詳細に示している。
図13でx軸は誤差を現わし、y軸は所要時間を表わすグラフである。また、図14でx軸は分けた層の個数で、y軸はエラー率を表わす。また、図13及び図14で実線は既存のグリーン関数計算方法を現わし、点線は本発明によるグリーン関数計算方法を表わす。
層に分けた場合、本発明による方法は、既存のグリーン関数計算方法に比べて時間が若干多く必要とする。これは、本特許で提示した方法が2次内挿を通じた計算を含むからである。
しかし、正確度に対する検討なしに計算時間を減らすということは問題があるので、同一な誤差に対して計算時間を検討することが妥当である。図13で分かるように、本発明によるグリーン関数計算方法は、同一な誤差を有する場合、計算時間が画期的に減る長所を有する。すなわち、一般的に許容誤差が1.00E−5なら、ほとんど一致すると言えるが、この場合に既存のグリーン関数計算方法と比較して、計算時間が画期的に減少したことを確認することができる。
一方、図14では、同一なエラー率を有するようにする場合、本発明による計算方法は、より少ない層に分けても良いので、既存のグリーン関数計算方法に比べて相対的に加える項の個数が減る長所がある。
総合すると、既存のグリーン関数計算方法と比較して、本発明による計算方法は少ない層に分けて計算しても十分な正確性を有し、また、同一な誤差を有する場合、より画期的に向上した速度で計算が可能で、実際の工程でインシチューモニタリングにも使用することができる。
以上で、本発明の好ましい実施例に対して詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲に定義している本発明の基本概念を用いた当業者の多くの変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。

Claims (8)

  1. (a)実際の周期構造物を照明し、前記照明に応答して実際の周期構造物の反射率または透過率に関連する物理特性を測定する工程と、
    (b)前記照明に応答して仮想周期構造物の反射率または透過率に関連する物理特性を計算する工程であって、
    一次元、二次元的、または三次元的の反復的な形状と、水平方向に反復する周期を有する仮想周期構造物を設定して、
    前記仮想周期構造物を垂直方向に積層されたN個の層に分割して、
    前記仮想周期構造物を分割したN個の層をX個の領域(ここで、1≦X≦(N−1))に区画化し、
    前記区画化された個別領域に対してリープマン−シュウィンガー積分方程式をMi次内挿法(ここで前記M は1≦M ≦N)で離散化させて前記仮想周期構造物の反射率または透過率に関連する物理特性を計算し、
    前記仮想周期構造物から、ゼロ次周期構造物と、前記ゼロ次周期構造物を摂動領域で幾何学的または物理的に変更することで得られる摂動させた周期構造物とを定義して、
    前記仮想周期構造物に入射されるビームがゼロ次周期構造物に入射した場合のゼロ次の射波または透過を算出して、
    前記仮想周期構造物の分割された層の少なくとも一層に対してリープマン−シュウィンガー積分方程式をM次内挿法(ここで、2≦M≦N)で離散化して、
    前記離散化されたリープマン−シュウィンガー積分方程式から、前記摂動された仮想周期構造物の反射波または透過波を算出して、
    前記ゼロ次の反射波または透過波、及び前記摂動された仮想周期構造物の反射波または透過波から、前記摂動された仮想周期構造物の反射率または透過率を算出して、前記摂動された仮想周期構造物の反射率または透過率に関連する物理特性を計算する工程
    (c)前記(a)工程で測定された反射率または透過率と関連した前記物理特性を、前記(b)工程で計算された反射率または透過率に関連し、対応する、前記物理特性と比較して前記実際の周期構造物の構造が前記仮想周期構造物と一致するかどうかを判断する工程と、を含む周期構造物の非破壊分析方法。
  2. 前記仮想周期構造物を分割したN個層をX個の領域に区画する時、区画された個別領域の中で少なくともいずれか一つは、他の領域と異なる数の層を含むことを特徴とする、請求項に記載の周期構造物の非破壊分析方法。
  3. 前記反射率または前記透過率が、主次数(0次)回折だけではなく他の次数の回折に対する反射率または透過率である、請求項1に記載の周期構造物の非破壊分析方法。
  4. 前記周期構造物の外側に位置する物質が、気体、液体または固体の中のいずれかひとつである、請求項1に記載の周期構造物の非破壊分析方法。
  5. 前記仮想周期構造物の外側面には、少なくとも一つの表面層が形成されていて、この表面層は、酸化膜、表面粗面層またはコーティング層である、請求項1に記載の周期構造物の非破壊分析方法。
  6. 前記物理特性が、反射波または透過波の振幅または位相と関連する物理特性である、請求項1に記載の周期構造物の非破壊分析方法。
  7. 前記リープマン−シュウィンガー積分方程式を通じて前記物理特性を計算する工程が、前記仮想周期構造物の分割されたそれぞれの層で摂動ポテンシャルをフーリエ級数で展開する工程、及び
    前記仮想周期構造物の分割された各層摂動された反射波または透過波に対して、M次内挿法を、当該層を表わす指数にしたがって、個々に適用する工程を含む、請求項1に記載の周期構造物の非破壊分析方法。
  8. 前記仮想周期構造物の多数の層の中で少なくとも一つが、異なる高さを有することを特徴とする、請求項1に記載の周期構造物の非破壊分析方法。
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