JP5239840B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は、車両の後突時に、シートに着座した乗員の頭部を受け止めるヘッドレストの支承部をシートバックに対して相対移動させることのできるヘッドレスト移動機構を備えた車両用シートに関する。
従来から、自動車の車両用シートには、車両の後面衝突(以下、後突と称する)時に、ヘッドレストの支承部をシートバックに対して瞬時に前方かつ上方へ相対移動させて乗員の頭部をサポートし、ムチ打ち症を軽減することのできる、いわゆるアクティブヘッドレストが採用されているものがある。この種の車両用シートとして、例えば特許文献1がある。特許文献1では、シートバック内に配設され、乗員の体重を受けて左右方向に配設された回動軸周りに回動可能な受圧板と、該受圧板の動きをヘッドレスト移動機構に伝える伝達機構とを有する。伝達機構は、受圧板の回動に伴って揺動可能な腕部材と、該腕部材とヘッドレスト移動機構とを連結し、受圧板の回動を受けて腕部材が揺動することで牽引されるケーブル部材とを有する。これにより、車両後突時には、加圧板が後方側に押し動かされる動作に連動させて移動機構を作動させることができるため、ヘッドレストをシートバックに対して瞬時に上前方向へ相対移動させることができる。そのうえで、特許文献1では、受圧板の回動は、内部に粘性流体が充填されたロータリーダンパを介して腕部材へ伝達される構成となっている。このロータリーダンパによって、車両後突時には受圧板の回動が腕部材に伝えられてケーブル部材が牽引されるが、通常の乗員着座時には受圧板は回動するが腕部材は揺動せずケーブル部材も牽引されない特性となっている。詳しくは、ロータリーダンパは、加圧板に車両後突に伴う衝撃的な背凭れ荷重がかかった場合には、ケーブル部材が操作される操作力を移動機構に伝達する。一方、通常運転時等において加圧板に徐々に増大していく背凭れ荷重がかかった場合には、ケーブル部材が操作される操作力が移動機構に伝達されないようにこれを遮断する。したがって、通常の着座使用時において、例えば体格の大きい乗員によって加圧板に大きな背凭れ荷重が掛かっても、誤ってヘッドレストが相対移動する事態を防止できる。
特開2008−6911号公報
特許文献1では、加圧板に車両後突に伴う衝撃的な背凭れ荷重がかかった場合にのみ、ロータリーダンパを介して腕部材が揺動するよう操作力が伝達される。しかし、衝突の大きさや乗員の体格等によっては、ケーブル部材がそれ以上牽引されない揺動限界位置に腕部材が至っても、それ以上の角度へ受圧板が回動する方向に荷重が作用することがある。この場合、腕部材やケーブル部材はそれ以上揺動ないし牽引されないが、さらに受圧板を介して操作力が伝達されるので、無理な荷重が作用する。これでは、腕部材、ケーブル部材、又はヘッドレスト移動機構が破損するおそれがある。
そこで、本発明は上記問題を解決するものであって、腕部材が揺動限界位置に至ったとき、腕部材等にそれ以上揺動する方向への無理な荷重が作用し難い車両用シートを提供することを目的とする。
本発明は、車両の後突時に、シートに着座した乗員の頭部を受け止めるヘッドレストの支承部をシートバックに対して相対移動させることのできるヘッドレスト移動機構を備えた車両用シートに関する。当該車両用シートは、前記シートバック内に配設され、乗員の体重を受けて回動可能な受圧部材と、該受圧部材の動きを前記ヘッドレスト移動機構に伝える伝達機構とを有する。前記伝達機構は、前記受圧部材の回動に伴って揺動可能な腕部材と、該腕部材と前記ヘッドレスト移動機構とを連結し、前記受圧部材の回動を受けて前記腕部材が揺動することで牽引される伝達部材とを有する。これにより、伝達機構は、車両後突時における加圧部材の動きをヘッドレスト移動機構に伝えて支承部を通常時の初期位置から後突対応位置に向けて移動させられるようになっている。その上で、前記腕部材が前記受圧部材の回動を受けて前記伝達部材がそれ以上牽引されない揺動限界位置に至っても、前記受圧部材はさらに回動可能であることを特徴とする。
これの具体的構成は種々考えられるが、例えば、前記受圧部材の回動が、内部に粘性流体が充填されたロータリーダンパを介して前記腕部材へ伝達されるように構成することが好ましい。該ロータリーダンパによれば、車両後突時には前記受圧部材の回動が腕部材に伝えられて前記伝達部材が牽引されるが、通常の乗員着座時には前記受圧部材は回動するが腕部材は揺動せず前記伝達部材も牽引されない特性となる。この場合、前記腕部材は複数ピースに分割され、それぞれのピースがヒンジを介して連結されていることで屈曲可能とする。且つ、先端側のピースと基端側のピースとの間に、該先端側のピースと基端側のピースとを互いに引き寄せ前記腕部材が屈曲しない方向へ常時付勢する弾性体を設ける。これにより、前記腕部材は、前記揺動限界位置に至るまでは屈曲せずに揺動するが、前記揺動限界以上の方向へ力が作用すると前記ヒンジにおいて屈曲することで、前記受圧部材がさらに回動可能となる。このとき、前記弾性体の張力は前記伝達部材の引っ張り荷重よりも大きくしておく。
本発明によれば、腕部材が受圧部材の回動を受けて牽引部材がそれ以上牽引されない揺動限界位置に至っても、受圧部材はさらに回動可能なので、腕部材や伝達部材等へ無理な荷重が作用することが避けられる。延いては、腕部材、伝達部材、又はヘッドレスト移動機構等が破損する危険性が低減する。
腕部材をヒンジを介して屈曲可能に複数のピースに分割したうえで、腕部材が屈曲しない方向へ常時付勢する弾性体を設けていれば、腕部材は揺動限界位置に至るまでは屈曲しないので、車両後突時には伝達部材が確実に牽引される。すなわち、アクティブヘッドレストの本体的機能を失うことが無く、ヘッドレストをシートバックに対して確実に相対移動させられる。一方、腕部材へ揺動限界以上の方向への力が作用すると、弾性体の付勢力に抗して腕部材が屈曲することで受圧部材がさらに回動可能であり、腕部材や伝達部材等へ無理な荷重が作用することが避けられる。弾性体の張力が伝達部材の引っ張り荷重よりも大きければ、上記作用効果がさらに確実となる。
以下に、本発明の実施例について適宜図面を参照しながら説明するが、これに限られず本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることはいうまでもない。特に、図示したヘッドレスト移動機構は一例であって、車両の後突時にヘッドレストの支承部をシートバックに対して相対移動させられる機構であれば、公知の種々の機構を採用することができる。
(実施例)
まず、本発明の車両用シート1の基本構成について説明する。図1に示されるように、車両用シート1は、乗員の背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭部を受け止めるヘッドレスト4とを有する。ヘッドレスト4は、その下部に立設された2本の棒状のステー4B,4Bをシートバック2の上面部に設けられた筒状のサポート2S,2Sの挿込口Sa内にそれぞれ挿し込むことにより、シートバック2の上面部に装着されている。これらサポート2S,2Sは、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2Fの上腕部分であるアッパフレームFuに一体的に固定されている。ここで、アッパフレームFuは、両サイドフレームFs,Fsの上端部同士を繋ぐかたちで両サイドフレームFs,Fsに一体的に剛結合されている。
ヘッドレスト4は、乗員の頭部をその後方側の位置で受け止められるように、常時はその設置された位置状態(図2の仮想線)で保持されている。一方、車両後突時には、乗員の頭部を受け止める前面側の支承部4Aが、瞬時に上前方向へシートバック2に対して相対的に移動して頭部に近接するようになっている(図2の実線)。すなわち、車両後突時にシートバック2やヘッドレスト4から体を前に浮かした姿勢状態となっている乗員に対し、支承部4Aだけが後頭部の直ぐ後ろまで接近移動するようになっている。これにより、車両後突時における頭部の後傾を早期に食い止めることができ、頚部にかかる負荷を軽減して鞭打ち症を防止することができる。
車両後突時に支承部4Aをシートバック2に対して相対的に上前方向へ移動させる作動は、ヘッドレスト4の内部に組み込まれたヘッドレスト移動機構10によって行われる。ヘッドレスト移動機構10は、常時は支承部4Aの相対移動を規制した状態として、図2の仮想線で示す初期位置の姿勢状態に保持している。一方車両後突時には、ヘッドレスト移動機構10は支承部4Aの移動規制状態を解除して、支承部4Aを図2の実線で示すようにシートバック2に対して相対移動させる。本実施例のヘッドレスト移動機構10には、上記特許文献1と同様の移動機構を採用しているのでその詳細な説明は省略するが、4節リンク機構11を有する。また、支承部4Aは、ステー4B,4Bと一体的構成となっているヘッドレスト基部4Cとの間に設けられた引張ばね4Dによって、常に、頭部に向けて近接する上前方向に付勢されている。したがって、常時は、支承部4Aは引張ばね4Dの付勢力に抗して初期位置の姿勢状態に保持されているが、車両後突時には、4節リンク機構11が引張ばね4Dの付勢力によって回動することで、支承部4Aが相対移動する。4節リンク機構11は、支承部4Aとヘッドレスト4の支柱であるステー4B,4Bとの間に設けられている。ここで、ヘッドレスト移動機構10は、支承部4Aを後頭部の直ぐ後ろまで接近移動させた衝突対応位置の状態では、後突発生時に頭部の後傾によって荷重を受けても、後方側には押し戻されないようになっている。これにより、乗員の頭部が、衝突対応位置に保持されている支承部4Aによって安定して受け止められるようになっている。
支承部4Aの移動規制状態を解除する操作、すなわちヘッドレスト移動機構10の規制を解除する操作は、ヘッドレスト4の一方側のステー4Bの管内に挿通されたプッシュロッド15によって行われる。プッシュロッド15は、その上端部がヘッドレスト移動機構10の作動操作部材12に連結されている。プッシュロッド15の下端部は、ステー4B内においてシートバック2の内部に配索された操作ケーブル16の上端部と連結されている。図1、3に示されるように、操作ケーブル16の下端部は、シートバック2内に配設された車両後突時の受圧装置と連結されており、車両後突時に下方に牽引操作されるようになっている。操作ケーブル16が牽引されることで、ヘッドレスト移動機構10の保持状態が解除される。なお。プッシュロッド15及び操作ケーブル16が、本発明の伝達部材に相当する。
車両後突時に操作ケーブル16が牽引操作される構成について説明する。図3に示されるように、シートバック2の内部中腹部には、幅方向に延びる折れ曲がり棒状の受圧部材20が配設されている。この受圧部材20は、図示右側の一端部がシートバック2のサイドフレームFsに回動可能に軸支されている。そして、受圧部材20の図示左側の他端部は、ロータリー式のダンパ21を介してサイドフレームFsに回動可能に軸支されている。受圧部材20は、その幅方向の中程の部位が乗員の背凭れ荷重を受ける受圧部位として形成されている。この受圧部位は、図示右側の一端部から下方に折り曲げられて形成されており、その回動中心から偏芯した形状に形成されている。これにより、受圧部材20は、乗員の背凭れ荷重を受けて後方側に回動される動きを、両端側の回動中心のまわりに押し回される動きとして受けられるようになっている(図3の仮想線)。受圧部材20の一端部とサイドフレームFsとの間には、捩りばね20Sが掛着されている。この捩りばね20Sは、予め捩り込まれた状態で設けられており、受圧部位を前方に移動させる方向で受圧部材20を回動付勢している。これにより、受圧部材20はシートバック2の背凭れ面に設けられた図示しないクッションパッドに押し当てた姿勢状態に常時保持されている。
ロータリーダンパ21は、回動軸22が円筒形状のケース23の内部に挿通されており、回動軸22とケース23とが互いに相対回動可能な状態に組み付けられた構成となっている。回動軸22の一端は、連結腕20Aを介して受圧部材20と一体的に連結されている。これにより、回動軸22、連結腕20A、及び受圧部材20は一体的に回動する。回動軸22の他端は、サイドフレームFsに回動可能に軸支されている。これにより、ケース23が、回動軸22によって、サイドフレームFsに対して回動可能に軸支された状態となっている。なお、受圧部材20の他端部も、これの一端部と同様に下方に折り曲げ、当該受圧部材20の他端部を直接ロータリーダンパ21へ挿通してもよい。この場合、回動軸22及び連結腕20Aは不要となる。また、ケース23には上下方向へ揺動する操作腕24が一体形成されており、当該操作腕24の先端部に、操作ケーブル16のインナー部材16Aが掛着されている。操作腕24は、サイドフレームFsに設けられた取付ブラケット17のストッパ18に当接していることで、上方揺動限界が規制されている。当該操作腕24が、本発明の腕部材に相当する。
ロータリーダンパ21のケース23内には、シリコンオイル等の粘性流体が密閉状態で充填されている。詳しくは、図4に示されるように、ロータリーダンパ21は、筒状のケース23の中心軸線上にロータ51が軸回動可能に収納されており、ケース23の筒内部のロータ51との間隙に粘性流体が密閉状態で充填された構成となっている。これにより、ロータリーダンパ21は、粘性流体の粘性特性により、ケース23に対するロータ51の相対回動速度の高低によって、ロータ51の回動力をケース23に伝達したり遮断したりする切換えが行えるようになっている。ケース23の内周面部には、ロータ51の外周面と当接する半径方向の内方に突出した壁形状の区画壁52wが形成されている。一方、ロータ51の外周面部には、ケース23の内周面と当接する半径方向の外方に突出した壁形状の区画壁51wが形成されている。これにより、ケース23の筒内部の空間が、両区画壁51w,52wによって円周方向に区画されている。そして、ケース23の筒内部の空間53には、粘性流体としてのシリコンオイルが充填されている。ここで、ロータ51の区画壁51wには、その円周方向(壁厚方向)に貫通したオリフィス51bが形成されている。そして、この区画壁51wの側面、詳しくは同図の紙面内右側の側面には、オリフィス51bの開口部分を閉鎖することのできる弁体51aが固着されている。この弁体51aは、板バネにより形成されており、常時はその弾性によりオリフィス51bを開口させた姿勢状態に保持されている。
弁体51aは、ロータ51がケース23に対して相対的に紙面内反時計回り方向に回動することにより、オリフィス51b内に流れ込もうとするシリコンオイル53の流動圧を受けてオリフィス51bを閉鎖する方向に撓み変形する。しかし、弁体51aは、ロータ51が比較的緩やかな速度で回動する場合には、流動圧の影響を受け難いため、この場合にはオリフィス51bを閉鎖しない姿勢状態のままで保持されるようになっている。本実施例では、受圧部材20に通常の着座時に生じる徐々に増大していく背凭れ荷重がかかった場合には、オリフィス51bが弁体51aによって閉鎖されないように設定されている。すなわち、この場合には、ロータ51の相対回動に伴ってシリコンオイル53がオリフィス51b内に流れ込むことができる。したがって、このシリコンオイル53の流動運動によって、ロータ51に入力された回動力が吸収され、ケース23への回動力の伝達が行われなくなる(遮断される)。
一方、弁体51aは、ロータ51が衝撃的な速度を伴って反時計回り方向に回動する場合には、流動圧の影響を受けてオリフィス51bの開口部分を閉鎖する。本実施例では、受圧部材20に車両後突に伴う衝撃的な背凭れ荷重がかかった場合に、弁体51aによってオリフィス51bの開口部分が閉鎖されるように設定されている。すなわち、この場合には、ロータ51の相対回動に伴ってシリコンオイル53がオリフィス51b内に流れ込もうとし、その粘性抵抗に関係した流動圧によりオリフィス51bの開口部分を閉鎖する。したがって、オリフィス51bの開口部分が閉鎖されると、シリコンオイル53の非圧縮特性により、ロータ51とケース23とが回動方向に一体的な状態となる。これにより、ロータ51に入力された回動力がケース23に伝達され、ケース23が回動して操作腕24が揺動操作される。
図5に示すように、操作腕24は、先端ピース24Aと基端ピース24Bとに2分割され、それぞれのピース24A・24Bがヒンジ25を介して連結されていることで屈曲可能となっている。先端ピース24Aと基端ピース24Bとの間には、両ピース24A・24B同士を互いに引き寄せ操作腕24が屈曲しない方向へ常時付勢する引張ばね26が掛着されている。当該引張ばね26が本発明の弾性体に相当する。なお、引張ばね26の張力は、操作ケーブル16(のインナー部材16A)の引張荷重(牽引力)よりも大きく設定されている。
次に、本車両用シート1の作用について説明する。通常運転時に乗員がシートバック2に凭れ掛かった場合には、受圧部材20は乗員の体重を受けて、図3の実線で示す初期姿勢から、比較的緩やかな速度で図3の仮想線で示すように後方側に押し回される。したがって、この場合には、受圧部材20が比較的緩やかな速度でロータリーダンパ21に対して相対回動するため、受圧部材20の回動力は伝達されず、受圧部材20の回動軸22はロータリーダンパ21の内部で空転する。これにより、図6に示すように、操作腕24は初期姿勢のままで受圧部材20のみが回動する。この場合、操作ケーブル16のインナー部材16Aは牽引されないので、ヘッドレスト4がシートバック2に対して相対移動することもない。これにより、通常運転時には、ヘッドレスト移動機構10を作動させずに乗員は車両用シート1へ着座できる。なお、図6の仮想線は、初期位置を示す。
一方、車両後突時には、乗員がその勢いでシートバック2に勢い余って衝突するため、受圧部材20はその弾みのついた動きを受けて急激的な速度で後方側に押し回される。この場合、受圧部材20が高い速度でロータリーダンパ21に対して相対回動するため、ロータリーダンパ21のケース23は、受圧部材20からの回動力の伝達を受けて、図7に示すように、一体的に回動する。なお、図7の仮想線は、初期位置を示す。これにより、ケース23に一体形成されている操作腕24も一体的に下方へ揺動し、当該操作腕24に掛着されている操作ケーブル16のインナー部材16Aの下端部を下方に引張り込むかたちで牽引操作する。このとき、先端ピース24Aと基端ピース24Bとは、張力がインナー部材16Aの牽引力よりも大きい引張ばね26によって付勢されていることで、屈曲することなく揺動する。すると、下方への牽引操作力がインナー部材16Aを介してプッシュロッド15に伝達され、ヘッドレスト移動機構10の保持規制が解除される。これにより、ヘッドレスト4の支承部4Aが瞬時に上前方向へ相対移動し、乗員の頭部を素早く支承することになる。
しかし、車両後突の衝撃の大きさ等によっては、インナー部材16Aがそれ以上牽引されない揺動限界位置(図7に示す位置)に操作腕24が至っても、受圧部材20にはそれ以上の荷重がかかり、図7に示す状態からさらに回動する方向へ荷重が作用することがある。これは、乗員の体重が重いほど生じ易い。この場合、操作腕24には引張ばね26の付勢力よりも大きな荷重が作用することになる。そうすると、図8に示すように、操作腕24は、引張ばね26の付勢力に抗してヒンジ25部分で屈曲する。なお、図8の仮想線は、揺動限界位置を示す。これにより、インナー部材16Aが掛着された先端ピース24Aは揺動限界位置にあるが、ロータリーダンパ21のケース23に一体形成された基端ピース24Bのみがさらに回動することで、受圧部材20もさらに回動可能となっている。これにより、乗員からの揺動限界位置以上の荷重が吸収緩和されることで、インナー部材16A、操作腕24、ロータリーダンパ21などへ無理な荷重が作用することなく、これらの破損が有効に回避される。
(変形例)
上記実施例では、操作腕24を2分割したが、これに限らず3つ以上のピースに分割してもよい。この場合も、それぞれのピースをヒンジを介して連結しておく。同時に、操作腕を屈曲しない方向へ常時付勢する弾性体は、少なくとも最先端ピースと最基端ピースとの間に掛着しておく。各ピース間それぞれに弾性体を掛着してもよい。弾性体としては、引張ばねに限らず、例えば弾性ゴムなどの伸縮性を有する高分子化合物を使用することもできる。弾性ゴムを使用する場合は、輪ゴムでもよいし、両端を掛着可能な糸ゴムでもよい。
また、図9〜図11に伝達機構の変形例を示す。上記実施例では操作腕を複数個に分割したが、他にも、操作腕自体は従来と同様に屈曲しないよう一体成形したうえで、受圧部材とロータリーダンパとの間に別部材を介在させることもできる。具体的には、図9に示すように、受圧部材20(の連結腕20A)とロータリーダンパ31との間に、受圧部材20と一体的に回動する回動片30を設けている。操作ケーブル16(のインナー部材16A)が掛着される操作腕34は、ロータリーダンパ31から一体形成されており、屈曲することはない。そのうえで、操作腕24と回動片30との間に、弾性体たる引張ばね26が掛着されている。
この変形例によれば、車両後突時に乗員がシートバックに勢いよく衝突し、受圧部材20が急激的な速度で後方側に回動すると、受圧部材20からの回動力の伝達を受けて、図10に示すように、操作腕34も一体的に回動する。なお、図10の仮想線は、初期位置を示す。そして、インナー部材16Aがそれ以上牽引されない揺動限界位置に操作腕34が至っても、車両後突の衝撃の大きさ等によって受圧部材20にそれ以上の荷重がかかると、図11に示すように、受圧部材20及び回動片30は、引張ばね26の付勢力に抗して図10に示す状態からさらに一体的に回動する。このように、操作腕34は揺動限界位置にあるが、受圧部材20及び回動片30はさらに回動可能となっている。これにより、乗員からの揺動限界位置以上の荷重が吸収緩和されることで、インナー部材16A、操作腕34、ロータリーダンパ31などへ無理な荷重が作用することなく、これらの破損が有効に回避される。
また、伝達機構にはロータリーダンパを設けず、例えば図12に示すように、操作腕40をロータリーダンパを介さずに直接連結腕20Aと連結することもできる。この場合、受圧部材20の初期位置を、上記実施例や変形例の初期位置(図12の破線で示す位置)よりも後方側へ設定しておくことで、上記作用を担保できる。
車両用シートの斜視図である。 ヘッドレスト移動機構の側面図である。 伝達機構の要部拡大斜視図である。 ロータリーダンパの内部構造を示す要部拡大図である。 実施例1のロータリーダンパの斜視図である。 実施例1において通常運転時の受圧部材の位置関係を示す概略側面図である。 実施例1においてケーブルが牽引された状態の位置関係を示す概略側面図である。 実施例1において操作腕の揺動限界位置以上の荷重が作用した場合の位置関係を示す概略側面図である。 変形例のロータリーダンパの斜視図である。 変形例においてケーブルが牽引された状態の位置関係を示す概略側面図である。 変形例において操作腕の揺動限界位置以上の荷重が作用した場合の位置関係を示す概略側面図である。 ロータリーダンパを使用しない変形例の概略側面図である。
符号の説明
1 車両用シート
2 シートバック
3 シートクッション
4 ヘッドレスト
4A 支承部
4B ステー
10 ヘッドレスト移動機構
11 節リンク機構
16 操作ケーブル
16A インナー部材
17 取付ブラケット
20 受圧部材
20A 連結腕
21・31 ロータリーダンパ
22 回動軸
23 ケース
24・34・40 操作腕
24A 先端ピース
24B 基端ピース
25 ヒンジ
30 回動片

Claims (3)

  1. 車両の後突時に、シートに着座した乗員の頭部を受け止めるヘッドレストの支承部をシートバックに対して相対移動させることのできるヘッドレスト移動機構を備えた車両用シートであって、
    前記シートバック内に配設され、乗員の体重を受けて回動可能な受圧部材と、
    該受圧部材の動きを前記ヘッドレスト移動機構に伝える伝達機構とを有し、
    前記伝達機構は、前記受圧部材の回動に伴って揺動可能な腕部材と、該腕部材と前記ヘッドレスト移動機構とを連結し、前記受圧部材の回動を受けて前記腕部材が揺動することで牽引される伝達部材とを有し、
    前記腕部材が前記受圧部材の回動を受けて前記伝達部材がそれ以上牽引されない揺動限界位置に至っても、前記受圧部材はさらに回動可能であることを特徴とする、車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートであって、
    前記受圧部材の回動は、内部に粘性流体が充填されたロータリーダンパを介して前記腕部材へ伝達され、該ロータリーダンパによって、車両後突時には前記受圧部材の回動が腕部材に伝えられて前記伝達部材が牽引されるが、通常の乗員着座時には前記受圧部材は回動するが腕部材は揺動せず前記伝達部材も牽引されない特性となっており、
    前記腕部材は複数ピースに分割され、それぞれのピースがヒンジを介して連結されていることで屈曲可能となっており、
    先端側のピースと基端側のピースとの間には、該先端側のピースと基端側のピースとを互いに引き寄せ前記腕部材が屈曲しない方向へ常時付勢する弾性体が設けられており、
    前記腕部材は、前記揺動限界位置に至るまでは屈曲せずに揺動するが、前記揺動限界以上の方向へ力が作用すると前記ヒンジにおいて屈曲することで、前記受圧部材がさらに回動可能となっている車両用シート。
  3. 請求項2に記載の車両用シートであって、
    前記弾性体の張力は前記伝達部材の引っ張り荷重よりも大きい、車両用シート。
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