JP5238482B2 - Variable displacement vane pump - Google Patents
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Description
本発明は、自動車用の可変容量ベーンポンプに関する。 The present invention relates to a variable displacement vane pump for an automobile.
従来の自動車用の可変容量ベーンポンプとして、特許文献1に開示されるものが知られている。この特許文献1に開示される可変容量ベーンポンプは、回転軸回りに回転する略円柱状の外周面を有する回転部と、外周面に形成された複数のスリットのそれぞれに突没可能に収容された複数のベーンと、回転部を取り囲むように配置されるリングと、当該リングを取り囲むように配置されてポンプボディに形成された収容凹部に嵌挿されるアダプタリングと、を備えている。
As a conventional variable displacement vane pump for automobiles, one disclosed in
そして、回転部の外周面とリングの内周面との間に形成される環状室を、その先端を内周面に接触させた複数のベーンによって複数の容積室に区画するとともに、リングを回転軸に対して偏心して配置した状態で回転部を回転させることにより、容積室を回転軸回りに回転させつつ周期的に拡縮して、各容積室に吸入した流体を吐出するようになっている。 The annular chamber formed between the outer peripheral surface of the rotating part and the inner peripheral surface of the ring is partitioned into a plurality of volume chambers by a plurality of vanes whose tips are in contact with the inner peripheral surface, and the ring is rotated. By rotating the rotating part in a state of being eccentric with respect to the shaft, the volume chamber is periodically expanded and contracted while rotating around the rotation axis, and the fluid sucked into each volume chamber is discharged. .
さらに、ポンプボディに形成された流体通路とアダプタリングを貫通して当該流体通路に連通する連通路とを経由してアダプタリングとリングとの間に形成された加圧室内に流体を導入し、その導入した流体の圧力によって回転軸に対するリングの偏心量を変化させ、これにより流体の吐出容量(一回転あたりの吐出量)を変化させるようになっている。 Furthermore, the fluid is introduced into the pressurizing chamber formed between the adapter ring and the ring through the fluid passage formed in the pump body and the communication passage passing through the adapter ring and communicating with the fluid passage. The eccentric amount of the ring with respect to the rotating shaft is changed by the pressure of the introduced fluid, thereby changing the fluid discharge capacity (discharge amount per rotation).
このとき、加圧室内の圧力は、スプール弁として構成される制御弁によって生成される。特許文献1では、吐出側の流路に設けた差圧発生部の上流側の圧力と下流側の圧力を、スプール弁の両端部に導入して、その差圧に応じてスプール弁の位置を変化させ、これにより調圧部における流路抵抗を変化させて、加圧室の圧力を変化させるようになっている。調圧部は、吐出側の圧力(例えば差圧発生部の上流側または下流側の圧力)を流路抵抗で減圧して加圧室の圧力を生成するものとして構成される。この調圧部は、流路抵抗としては、例えば環状隙間や絞りを有しており、環状隙間の長さや絞りの開口面積を変化させることで、吐出側の圧力に対する減圧代を変化させるようになっている。
上記従来の可変容量ベーンポンプでは、スプールの外周とスプールを収容する穴との間の環状隙間の面積によっては、当該環状隙間からの流体のリークに起因して効率が低下する場合がある。 In the conventional variable displacement vane pump, the efficiency may decrease due to fluid leakage from the annular gap depending on the area of the annular gap between the outer periphery of the spool and the hole that accommodates the spool.
そこで、本発明は、スプール弁として構成される制御弁部からの流体のリークを低減することが可能な可変容量ベーンポンプを得ることを目的とする。 Therefore, an object of the present invention is to obtain a variable displacement vane pump capable of reducing fluid leakage from a control valve portion configured as a spool valve.
本発明にあっては、可変容量ベーンポンプの制御弁部に含まれるスプール弁の調圧部の直径を、受圧部の直径より小さくしたこと、及びスプール弁のスプールには膨出部が形成され、そのスプール弁のスプールの軸方向一方向側には前記膨出部より大径の受圧部が連結されたことを特徴とする。 In the present invention, the diameter of the pressure adjusting section of the spool valve included in the control valve unit of the variable displacement vane pump, it has less than the diameter of the pressure receiving portion, and a portion out Rise is formed in the spool of the spool valve, A pressure receiving portion having a larger diameter than the bulging portion is connected to one axial side of the spool of the spool valve.
本発明によれば、調圧部の直径を受圧部の直径より小さくすることにより環状隙間の面積を小さくして流体のリークを低減することができる。また、本発明によれば、受圧部とスプールが直に連結されているため、スプールの推力を大きく確保することができる。 According to the present invention, by making the diameter of the pressure adjusting portion smaller than the diameter of the pressure receiving portion, it is possible to reduce the area of the annular gap and reduce fluid leakage. Further, according to the present invention, since the pressure receiving portion and the spool are directly connected, a large thrust of the spool can be ensured .
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態ならびに変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。 DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of the invention will be described in detail with reference to the drawings. Note that similar components are included in the following embodiments and modifications. Therefore, common reference numerals are given to those similar components, and redundant description is omitted.
(第1実施形態)図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示している。これらのうち、図1は、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプが用いられるシステムの一例を示すブロック図、図2は、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプの内部構成を回転軸方向から見た側面図(一部断面図)、図3は、制御弁部を示す側面図であって、(a)は作動中、(b)は作動前の状態を示す図、図4は、受圧部の貼り付きを抑制する溝を示す平面図であって、(a)は受圧部を収容する収容孔の底面に形成した溝を示す当該底面の平面図、(b)は受圧部の端面に形成した溝を示す当該端面の平面図、図5は、制御弁部の調圧部の断面図を従来構成と比較して示す図であって、(a)は本実施形態にかかる調圧部を示す図、(b)は従来の調圧部を示す図である。なお、図2において、一部の流体通路等は模式化して示してある。 (First Embodiment) FIGS. 1 to 5 show a first embodiment of the present invention. Among these, FIG. 1 is a block diagram illustrating an example of a system in which the variable displacement vane pump according to the present embodiment is used, and FIG. 2 is a side view of the internal configuration of the variable displacement vane pump according to the present embodiment as viewed from the rotation axis direction. FIG. 3 (partial cross-sectional view) and FIG. 3 are side views showing the control valve part, where (a) is in operation, (b) is a state before operation, and FIG. It is a top view which shows the groove | channel which suppresses sticking, Comprising: (a) is a top view of the said bottom face which shows the groove | channel formed in the bottom face of the accommodating hole which accommodates a pressure receiving part, (b) is the groove | channel formed in the end surface of a pressure receiving part FIG. 5 is a diagram showing a cross-sectional view of the pressure regulating unit of the control valve unit in comparison with the conventional configuration, and FIG. 5A is a diagram showing the pressure regulating unit according to the present embodiment. (B) is a figure which shows the conventional pressure regulation part. In FIG. 2, some of the fluid passages and the like are schematically shown.
図1に示すように、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプ1は、ベルト駆動の連続可変トランスミッションシステム(ベルトCVTシステム100)の油圧供給源として使用することができる。可変容量ベーンポンプ1から吐出された作動油は、コントロールバルブ200を介して、ベルトCVTシステム100の各部(プライマリープーリー101や、セカンダリープーリー102、フォワードクラッチ103、リバースブレーキ104、トルクコンバーター105、潤滑・冷却系106等)に供給される。
As shown in FIG. 1, the variable
コントロールバルブ200内には、電動式、手動式、油圧式の各種バルブ(シフトコントロールバルブ201や、セカンダリーバルブ202、セカンダリー圧ソレノイドバルブ203、ライン圧ソレノイドバルブ204、プレッシャーレギュレーターバルブ205、マニュアルバルブ206、ロックアップ/セレクト切替ソレノイドバルブ207、クラッチレギュレーターバルブ208、セレクトコントロールバルブ209、ロックアップソレノイドバルブ210、トルクコンバーターレギュレーターバルブ211、ロックアップコントロールバルブ212、セレクトSWバルブ213等)が設けられている。
In the control valve 200, there are various electric, manual and hydraulic valves (
なお、コントロールバルブ200に含まれる電動式のバルブは、ベルトCVTシステム100用のコントロールユニット300によって制御される。
The electric valve included in the control valve 200 is controlled by the
図2に示すように、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプ1は、ポンプ部2と制御弁部3とを備えており、これらポンプ部2および制御弁部3は、いずれもポンプボディ4内に形成されている。ポンプ部2は、可変容量型のベーンポンプとして構成され、制御弁部3はスプール弁として構成されている。
As shown in FIG. 2, the variable
ポンプ部2は、ポンプボディ4に形成された略円筒状の収容凹部4a内に収容されており、回転軸Ax回りに回転する略円柱状の外周面5aを有する回転部5と、外周面5aに形成された複数のスリット5bのそれぞれに突没可能に収容された複数のベーン6と、回転部5を取り囲むように配置されるリング7と、当該リング7を取り囲むように配置されて収容凹部4aに嵌挿されるアダプタリング8と、を備えている。なお、アダプタリング8は図示しない係止手段によって、収容凹部4a内で回転しないようにしてある。
The
そして、回転部5の外周面5aとリング7の内周面7aとの間に形成される環状室Rを、その先端をリング7の内周面7aに摺接させた複数のベーン6によって複数の容積室Vに区画してある。
Then, a plurality of annular chambers R formed between the outer
さらに、本実施形態では、リング7を回転軸Axに対して図2の左側に偏心して配置した状態で回転部5を回転させることで、容積室Vを回転軸Ax回りに回転させつつ周期的に拡縮して、各容積室Vに吸入した流体を吐出するように構成されている。
Further, in the present embodiment, by rotating the rotating
回転部5は、シャフト9と例えばスプライン結合されており、シャフト9とともに回転する。回転軸Axはシャフト9の回転軸でもある。本実施形態では、回転部5およびシャフト9の回転方向は、図2の反時計回り方向となっている。
The rotating
スリット5bは、本実施形態では、回転軸Axの径方向に沿って放射状に形成されており、回転部5を周方向に11箇所等分割する位置に形成されている。スリット5bの奥側(回転軸Ax側)には、略筒状の与圧室5cが形成されており、ここに導入した流体の圧力によって、ベーン6が径方向外側に向けて押されるようにしてある。なお、ベーン6には回転による遠心力が作用するため、与圧は必須では無い。また、スプリング等の付勢機構によってベーン6を径方向外側に付勢してもよい。
In the present embodiment, the
ベーン6は、略矩形板状の部材として構成されており、本実施形態では、その先端部は、リング7の内周面7aに対応して曲面状に形成されている。
The
リング7は、半径一定の円環状に形成されており、その内周面7aに回転するベーン6の先端部が摺接することになる。
The ring 7 is formed in an annular shape with a constant radius, and the tip of the rotating
アダプタリング8の外周面8aはほぼ円柱面状に形成される一方、内周面8bは図2の左右方向に長いやや扁平な略円筒面状に形成されている。内周面8bは、より詳しくは、図2の下方、左方、および上方に三つの平面状の対向面8c,8d,8eを有し、対向面間に凹曲面8f,8g,8hを有して形成されている。そして、図2に示すように、内周面8b内でリング7が最も左側に位置する状態では、凹曲面8f,8gとリング7の外周面7bとの間に隙間が形成されるようになっており、これらの隙間が加圧室10となる。
The outer
図2で下側に位置する対向面8cには半円筒状の凹溝8iが形成されるとともに、この凹溝8iに対向するリング7の外周面7bにはやや浅い凹溝7cが形成され、これら凹溝8i,7cで挟み込むように、ピン11がそれら凹溝8i,7c内に収容されている。リング7は、アダプタリング8の内周面8bの内側で、このピン11を支点として図2の左右方向に揺動するようになっている。
A
回転軸Axに対して加圧室10の反対側(図2では右側)には、リング7を図2の左方向に付勢する付勢機構としてのコイルスプリング12が介装されており、加圧室10からの加圧に対向する圧縮反力をリング7に与えるようになっている。なお、本実施形態では、アダプタリング8には、コイルスプリング12を貫通させる貫通孔8jが形成されており、コイルスプリング12の一端部(図2では左側の端部)はリング7の外周面7bに当接される一方、他端部(図2では右側の端部)は、ポンプボディ4に形成された収容凹部4aと外部とを連通する貫通孔4bを塞ぐプラグ13に支持されている。
A
さらに、回転軸Axに対してピン11の反対側(図2では上側)に位置する対向面8eには、略矩形断面の凹溝8kが形成されており、この凹溝8k内に、略棒状のシール部材14が挿入されている。シール部材14の突出側(図2では下側)の端面は、リング7の外周面7bに当接されており、リング7が揺動する際には、リング7の外周面7bにシール部材14が摺接するようになっている。本実施形態では、このシール部材14とピン11とによって、加圧室10とコイルスプリング12が配置される側の側面視で三日月状の対向室15とがシールされるようになっている。
Further, a
そして、本実施形態では、図2に示すように、加圧室10および対向室15には、ポンプボディ4に形成された流体通路4cおよびアダプタリング8に形成された連通路8mを介して、制御弁部3から流体が導入されるようになっている。
In the present embodiment, as shown in FIG. 2, the pressurizing
以上の構成を備えるポンプ部2では、回転部5が回転するのに伴って容積室Vも回転する。このとき、環状室Rは、リング7が回転軸Axに対して図2の左方に偏心しているため、図2の左側では広く、右側では狭くなっている。したがって、各容積室Vは、回転部5およびベーン6とともに、図2の反時計回り方向に回転するのに伴って、図2の右端では最も狭く、図2の上側を経て左端に移動するにつれて広くなる。さらに、図2の左端では最も広く、図2の下側を経て右端に移動するにつれて狭くなる。したがって、本実施形態にかかるポンプ部2では、図2において、回転軸Axを含む左右線L(回転軸Axと垂直で、回転軸Axとリング7の中心Cとを含む直線)より上側では容積室Vの容積が拡大し、下側では容積室Vの容積が縮小することになる。そして、ポンプボディ4の収容凹部4aの側面4e(ベーン6の移動方向に対して側方となる面)には、容積室Vが拡大する区間に対応して当該容積室Vに臨む吐出開口4fが形成され、容積室Vが縮小する区間に対応して当該容積室Vに臨む吸入開口4gが形成されている。したがって、容積室Vは回転するのに伴って周期的に容積が拡縮して、回転軸Axを含む図2の左右線Lより上側を右から左へ移動する吸入ストローク区間Iで吸入開口4gを介して流体を吸入し、当該左右線Lより下側を左から右へ移動する吐出ストローク区間Oで吐出開口4fを介して流体を吐出することになる。
In the
そして、上記構成では、加圧室10の流体の圧力が高くなると、当該流体の圧力によって押されたリング7は図2の右側へ移動する。すると、リング7の中心Cと回転軸Axとの偏心量δが小さくなって、容積室Vの縮小時と拡大時の容積の差が小さくなるから、ポンプ部2からの吐出容量(一回転あたりの吐出量)が減ることになる。逆に、加圧室10の流体の圧力が小さくなると、流体の圧力によってリング7が図2の右側へ押圧される力が小さくなって、リング7はコイルスプリング12によって左側に押し戻されて左側へ移動する。すると、リングの中心Cと回転軸Axとの偏心量δが大きくなって、容積室Vの縮小時と拡大時の容積の差が大きくなるから、ポンプ部2からの吐出容量が増えることになる。したがって、本実施形態では、加圧室10に導入される流体の圧力を適宜に変化させることで、ポンプ部2の吐出容量を変化させることができる。なお、本実施形態では、対向室15にも流体を導入し、加圧室10および対向室15の流体の圧力と、付勢手段としてのコイルスプリング12の付勢力(圧縮反力)によって、ポンプ部2の吐出容量が変化することになる。
And in the said structure, if the pressure of the fluid of the
ここで、本実施形態では、加圧室10および対向室15の流体の圧力を制御弁部3を用いて調整している。制御弁部3は、スプール弁として構成されており、本実施形態では、図3(a)に示すように、ポンプボディ4に形成された有底円筒状の収容孔16内に収容された断面略円形の棒状のスプール17を備えている。スプール17には、二箇所の膨出部17aとそれらの間となる狭窄部17bとが形成されており、各膨出部17aに対応して、収容孔16の内周面16aには、流体通路4cに連通する開口16bが形成されている。
Here, in the present embodiment, the pressure of the fluid in the pressurizing
また、スプール17の軸方向一方側(本実施形態では図3(a)の右側)には、膨出部17aと同心でこれより大径の略円板状の受圧部24が連結されている。受圧部24は、収容孔16と同心でこれより大径の有底円筒状の収容孔25内に収容されている。なお、受圧部24の外周と収容孔25の内周面との環状隙間の径差は比較的小さく設定してある。
In addition, on one side in the axial direction of the spool 17 (right side in FIG. 3A in the present embodiment), a
また、図2に示すように、吐出ライン18には、流量に応じて差圧を生じさせる差圧発生部(例えばオリフィスやチョーク絞り等)19を設けてある。そして、差圧発生部19の上流側と受圧部24に対して図3(a)の左側となる内室24aとを、通路20a、スプール17に対して図3(a)の左側となる内室3a、およびスプール17内に形成した通路17dを介して連通する一方、差圧発生部19の下流側と受圧部24に対して図3(a)の右側となる内室24bとを通路20bを介して連通してある。差圧発生部19の上流側は下流側より圧力が高く、しかも流量が多くなるほど差圧が大きくなるから、吐出ライン18の流量が多くなるほど、左側の内室24aの圧力が右側の内室24bの圧力よりも高くなり、スプール17は、図3(a)の右側に向かう力を受けることになる。このとき、受圧部24の図3(a)の右側の端面24cは、付勢手段としてのコイルスプリング21によって図3(a)の左側に向けて押圧されている。よって、スプール17は、収容孔16内で、内室24a,24bの差圧(すなわち差圧発生部19の差圧)と、コイルスプリング21による圧縮反力とがバランスするところに位置することになる。なお、本実施形態では、図3(a)の左側の膨出部17aに対してさらに左側となる内室3aと、図3(a)の右側の膨出部17aに対してさらに右側となる内室24aとを、スプール17内を軸方向(長手方向)に貫通する通路17dを介して連通することで、二つの膨出部17a,17aに図3(a)の左右から作用する流体の圧力のバランスがとれるようにしてある。
As shown in FIG. 2, the
そして、スプール17の膨出部17aと、収容孔16の内周面16aに形成された開口16bとによって、調圧部22が構成されている。具体的には、各開口16bが、対応する膨出部17aの外周面17cによって少なくとも一部が塞がれるように構成し、各調圧部22において、開口16bの開口面積、あるいは開口16bより高圧側で外周面17cと内周面16aとが重なり合う長さ(オーバラップ長)に応じて、流体通路4c側の圧力が変化するようにしてある。なお、二つの膨出部17a,17a間の狭窄部17bによって収容孔16内に形成される内室3cは通路20cを介してリザーバタンク23に連通してある。
And the
図3(a)の左側の調圧部22は、加圧室10内の圧力を調整するものであり、この調圧部22では、スプール17が図3(a)の左側に位置するほど、開口16bの開口面積が小さくなるか、あるいは開口16bとその左側の内室3aとの間で外周面17cと内周面16aとが対向する(重なり合う)長さ(オーバラップ長)が長くなって、内室3a内の圧力(≒差圧発生部19の上流側の圧力)に対する減圧代が大きくなり、加圧室10の圧力が低くなる。逆に、スプール17が図3(a)の右側に位置するほど、開口16bの開口面積が大きくなるか、あるいはオーバラップ長が短くなって、減圧代が小さくなり、加圧室10の圧力が高くなる。
The
図3(a)の右側の調圧部22は、対向室15内の圧力を調整するものであり、この調圧部22では、スプール17が図3(a)の左側に位置するほど、開口16bの開口面積が大きくなるか、あるいは開口16bとその右側の内室24aとの間で外周面17cと内周面16aとが対向する(重なり合う)長さ(オーバラップ長)が短くなって、内室24a内の圧力(≒差圧発生部19の上流側の圧力)に対する減圧代が小さくなり、対向室15の圧力が高くなる。逆に、スプール17が図3(a)の右側に位置するほど、開口16bの開口面積が小さくなるか、あるいはオーバラップ長が長くなって、減圧代が大きくなり、対向室15の圧力が低くなる。なお、本実施形態では、二つの膨出部17aの位置関係等を適宜に調整することで、加圧室10の圧力が対向室15の圧力より高くなるようにしてある。
The
したがって、本実施形態では、吐出ライン18における流量(=ポンプ部2の吐出流量)が増えて、差圧発生部19での差圧が大きくなると、スプール17が図3(a)の右側に移動し、二箇所の調圧部22での減圧代が変化して、加圧室10の圧力が高くなるとともに、対向室15の圧力が低くなる。よって、リング7が図2の右側に押圧されて、ポンプ部2の一回転あたりの吐出量(吐出容量)が減るように調整される。逆に、吐出ライン18における吐出流量が減って、差圧発生部19での差圧が小さくなると、スプール17が図3(a)の左側に移動し、二箇所の調圧部22での減圧代が変化して、加圧室10の圧力が低くなるとともに、対向室15の圧力が高くなる。よって、リング7が図2の左側に押圧されて、ポンプ部2の一回転あたりの吐出量(吐出容量)が増えるように調整される。
Therefore, in this embodiment, when the flow rate in the discharge line 18 (= discharge flow rate of the pump unit 2) increases and the differential pressure in the differential
すなわち、本実施形態では、制御弁部3は、吐出ライン18の流量(=ポンプ部2からの単位時間あたりの吐出流量)に応じて圧力を調整することにより当該ポンプ部2の吐出容量を変化させて当該吐出ライン18の流量(=ポンプ部2からの単位時間あたりの吐出流量)を制御する流量感応型フィードバック制御弁(定流量制御弁)として構成されている。
That is, in the present embodiment, the
つまり、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプ1は、吐出流量が略一定(あるいは一定幅)となるように、回転数に応じて一回転あたりの吐出量(吐出容量)を変化させることができる。したがって、この可変容量ベーンポンプ1は、シャフト9がエンジン等の回転数が変化する駆動源で回転駆動される場合において、当該回転数の変化に拘わらず一定範囲内の流量を得ることで、ポンプの仕事の無駄を少なくしたい場合に有用となる。具体的には、ベルトCVTシステムやパワーステアリングシステムに用いられるオイルポンプに適用することができる。
That is, the variable
以上説明したように、本実施形態では、スプール17の調圧部22の直径(すなわち膨出部17aの外周面17cおよび収容孔16の内周面16aの直径)を、受圧部24の直径より小さくした。環状隙間における流体のリークは、環状隙間の面積が大きいほど、したがって環状隙間の直径(内径または外径)が大きいほど、大きくなる。本実施形態では、図5の(a)に示すように、調圧部22の直径D1、すなわち調圧部22における環状隙間の直径を、図5の(b)に示す従来の直径D2に比べて小さくすることで、リークを減らしている。特に、ベルトCVTシステム100に用いる場合には、比較的サイズの大きなコンタミ(異物)が進入する場合があり、環状隙間のクリアランス(内径と外径との差)δ1を狭くすると、コンタミによってスプール17の固着が生じる虞もある。この点、本実施形態では、環状隙間のクリアランスδ1をある程度確保して固着を抑制しながら、直径D1を小さくしてリークを減らすことができる。さらに、本実施形態では、受圧部24を調圧部22より大きく形成することで、スプール17の推力をより大きく確保してある。したがって、本実施形態によれば、スプール17の推力の確保と制御弁部3からのリークの低減とを両立しやすくなり、ひいては、ポンプ効率の低下を抑制しつつ、スプール17の固着を抑制することが可能な可変容量ベーンポンプを得ることができる。そして、かかる構成のスプール弁(制御弁部3)を有する可変容量ベーンポンプ1をベルトCVTシステム200に組み込んだ場合、リークが少ない分、圧力の変化に対する応答が早くなり、早い変速要求が生じたときに、変速用の制御ラインをより迅速に高圧かつ高流量な状態に変化させることができ、変速応答速度を向上することができる。また、流体のリークが減る分、ポンプ効率が向上して、車両の燃費を向上することができる。
As described above, in the present embodiment, the diameter of the
また、本実施形態では、スプール17を一方側に付勢するコイルスプリング21の端部を、受圧部24に当接させるようにした。このため、調圧部22をなす膨出部17aに当接させた場合に比べて、コイルスプリング21の直径を大きくしやすくなって、推力を確保しやすくなるとともに、コイルスプリング21の応力をより低くしやすくなる分、耐久性を向上させやすくなる。
Further, in this embodiment, the end portion of the
また、エンジン始動前には、可変容量ベーンポンプ1が動作していないから、図3(b)に示すように、吐出ライン18には油圧が作用せず、スプール17に結合された受圧部24は、コイルスプリング21の付勢力によって、収容孔25の底面25aに当接している。ここで、本実施形態では、図4(a)に示すように、底面25aに、収容孔16の開口部に連通する溝部25bを形成している。なお、溝部25bは、十字状や放射状に複数設けてもよいし、収容孔16に連通する切欠や傾斜面として構成してもよい。
Since the variable
かかる構成では、エンジンが始動し、可変容量ベーンポンプ1が動作を開始すると、可変容量ベーンポンプ1の吐出流量の少ない状態からでも、流体を収容孔16の開口部を介して受圧部24と底面25aとの間の隙間に導入して、受圧部24の全体に行きわたらせやすくなる。したがって、エンジン始動後に、コイルスプリング21の付勢力への対抗力を可及的に速やかに得ることができるようになるため、スプール17の良好な動作を確保して、CVTの変速応答速度を高めることができる。
In such a configuration, when the engine is started and the variable
なお、底面25aに溝部25bを形成するのに替えて、図4(b)に示すように、受圧部24の端面24dに溝部24eを形成してもよいし、溝部に替えて凸条を形成してもよい。
Instead of forming the
(第1実施形態の第1変形例)図6は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる可変容量ベーンポンプの制御弁部の調圧部と受圧部の断面図であって、(a)は調圧部の断面図、(b)は受圧部の断面図である。 (First Modification of First Embodiment) FIG. 6 is a sectional view of a pressure regulating section and a pressure receiving section of a control valve section of a variable displacement vane pump according to a first modification of the first embodiment of the present invention. (A) is sectional drawing of a pressure regulation part, (b) is sectional drawing of a pressure receiving part.
図6に示すように、この変形例では、調圧部22Vの環状隙間のクリアランスδ11を、受圧部24の環状隙間のクリアランスδ2より狭く(小さく)形成してある(δ11<δ2)。
As shown in FIG. 6, in this modification, the clearance δ11 of the annular gap of the
かかる構成によれば、収容孔16内でのスプール17の径方向の位置を、調圧部22の環状隙間のクリアランスδ11によって規定することができる。仮に、受圧部24の環状隙間のクリアランスδ2によって収容孔16内でのスプール17の径方向の位置が規定された場合、調圧部22ではスプール17が収容孔16内で径方向の一方向側に偏って、当該調圧部22におけるリークが増大してしまう虞がある他、組み付け難くなってしまう虞もある。この点、本変形例では、調圧部22におけるスプール17の径方向の偏りを抑制して、これらの不具合が生じるのを抑制することができる。また、クリアランスδ11自体が狭くなる分も、調圧部22Vにおけるリークを減らすことに寄与している。
According to such a configuration, the radial position of the
(第1実施形態の第2変形例)図7は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる可変容量ベーンポンプの制御弁部を示す側面図である。 (Second Modification of First Embodiment) FIG. 7 is a side view showing a control valve portion of a variable displacement vane pump according to a second modification of the first embodiment of the present invention.
本変形例にかかる可変容量ベーンポンプ1Vでは、スプール17内に通路17dを形成するのではなく、これとほぼ同等の連通機能を奏する通路17dを、制御弁部3Vのボディ(本実施形態ではポンプボディ4V)に形成したものである。かかる構成によれば、スプール17の製造コストを低減することが可能となる。また、通路17dをより広い通路として形成しやすくなる分、圧力損失が減り、吐出量変化の応答性を高めやすくなるとともに、吐出量をより精度良く調整しやすくなる。
In the variable
(第2実施形態)図8は、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプの制御弁部を示す側面図、図9は、制御弁部の図8とは別の動作状態を示す側面図である。なお、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプ1Aのポンプ部は、上記第1実施形態と全く同じとすることができる。したがって、以下ではその説明を省略する。
(Second Embodiment) FIG. 8 is a side view showing a control valve portion of a variable displacement vane pump according to this embodiment, and FIG. 9 is a side view showing an operation state of the control valve portion different from FIG. Note that the pump section of the variable
本実施形態では、制御弁部3Aについて、調圧部22Aの直径を受圧部24Aの直径より小さくしている点では上記第1実施形態と同じである。
In the present embodiment, the
しかし、本実施形態では、受圧部24Aを、スプール17Aの付勢手段としてのコイルスプリング21とは反対側(図8および図9では左側)に設けるとともに、コイルスプリング21の座板26を、受圧部24Aとは別個に設けてある。
However, in the present embodiment, the
かかる構成では、受圧部24Aに対して図8および図9の左側となる内室24aは、差圧発生部19(図2)の上流側と通路20a(図2)を介して連通する一方、受圧部24Aに対して図8および図9の右側となる内室24bは、差圧発生部19の下流側と、スプール17Aに対して図8および図9の右側となる内室3b、およびスプール17A内の通路17dを介して、連通する構成となっており、差圧発生部19の差圧が大きくなるほど、スプール17Aが図8および図9の右側に押圧され、コイルスプリング21の圧縮反力と釣り合う位置で留まるようになっている。よって、調圧部22Aによる加圧室10および対向室15の圧力調整作用は上記第1実施形態と同様である。したがって、以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
In such a configuration, the
また、本実施形態では、ポンプ部からの吐出流量が少ない状態、すなわち差圧発生部19における流量が少ない状態では、図9に示すように、スプール17Aが左側に位置して、加圧室10に連通する流体通路4cの開口3d(図9の左側の開口3d)が、リザーバタンク23からの通路20c(図2)の開口3eと連通する内室3c(狭窄部17bによって形成される内室3c)に連通するとともに、図8および図9の左側の調圧部22に対して高圧側となる内室24b側にあっては、膨出部17aの外周面17cと収容孔16の内周面16aとのオーバラップにおける流路抵抗が最大となって、加圧室10の圧力が高くなるのを抑制し、以て、可変容量ベーンポンプ1Aの吐出容量が大きくなるようにしている。差圧発生部19の流量が少ない場合には、圧力の変動が大きくなりがちであるとともに、各部からのリークによって対向室15の圧力が低下するなどして、リング7が流量を少なくする側に押されて、吐出容量が所期の量より小さくなってしまう虞がある。この点、本実施形態では、流量が少ない状態では、加圧室10の圧力を下げて、吐出容量を増大させることができ、可変容量ベーンポンプ1A(ポンプ部2)の吐出流量の過剰な低下を抑制することができる。
Further, in the present embodiment, when the discharge flow rate from the pump unit is small, that is, in the state where the flow rate at the differential
(第3実施形態)図10は、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプの制御弁部を示す側面図である。なお、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプ1Bのポンプ部は、上記第1実施形態と全く同じとすることができる。したがって、以下ではその説明を省略する。
(Third Embodiment) FIG. 10 is a side view showing a control valve portion of a variable displacement vane pump according to this embodiment. In addition, the pump part of the variable
本実施形態でも、制御弁部3Bについて、調圧部22Bの直径を受圧部24Bの直径より小さくしている点では上記第1および第2実施形態と同じである。
Also in this embodiment, the
しかし、本実施形態では、スプール17Bの調圧部22Bが形成される部分を、スリーブ27の筒内に収容している点が、上記第1実施形態と相違している。スリーブ27を用いることで、スプール17Bを収容する収容孔16をポンプボディ4に形成する場合に比べて、収容孔16の寸法精度を向上しやすくなり、リークをより一層減らして、効率を高めやすくなる。
However, the present embodiment is different from the first embodiment in that the portion where the
また、本実施形態では、スプール17Bと受圧部24Bとを、ポンプボディ4に形成した一定径の円筒状の収容孔4iに収容した。このため、これら収容孔を別個に形成した場合に比べて、穴加工の手間を減らして、製造コストを低減することができる。
In the present embodiment, the
さらに、本実施形態では、スリーブ27と収容孔4iのプラグ部28とを一体化して構成した。このため、これらを別個に構成した場合に比べて、部品点数を減らして、製造コストを低減することができる。
Furthermore, in the present embodiment, the
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、制御弁部の構成に加えてポンプ部の構成についても、上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。 The preferred embodiments of the present invention have been described above. However, the present invention is not limited to the above embodiments, and various modifications can be made. For example, the configuration of the pump unit in addition to the configuration of the control valve unit is not limited to the above embodiment, and various modifications can be made.
1,1A,1B,1V 可変容量ベーンポンプ
2 ポンプ部
3,3A,3B,3V 制御弁部
17,17A,17B,17V スプール
19 差圧発生部
21 コイルスプリング
22,22A,22B,22V 調圧部
24,24A,24B 受圧部
1, 1A, 1B, 1V Variable
Claims (4)
前記スプール弁のスプールには膨出部が形成され、前記スプール弁のスプールの軸方向一方向側には前記膨出部より大径の受圧部が連結され、
前記調圧部の直径を、前記受圧部の直径より小さくしたことを特徴とする可変容量ベーンポンプ。 A pump unit configured as a vane pump capable of changing the discharge capacity, a pressure receiving unit that receives a differential pressure before and after a differential pressure generating unit provided in the discharge side flow path, and a pressure on the discharge side flow path to reduce the pressure In a variable capacity vane pump comprising a control valve portion configured as a spool valve having a pressure regulating portion that generates a control pressure for changing the discharge capacity of the portion,
Wherein the spool of the spool valve part out Rise is formed, the large-diameter pressure bearing portion than the swollen portion in the axial direction one direction side of the spool of the spool valve is connected,
A variable displacement vane pump characterized in that a diameter of the pressure adjusting portion is smaller than a diameter of the pressure receiving portion.
前記調圧部の直径を、前記受圧部の直径より小さくし、また、前記調圧部の環状隙間のクリアランスを、前記受圧部の環状隙間のクリアランスより狭くしたことを特徴とする可変容量ベーンポンプ。 A pump unit configured as a vane pump capable of changing the discharge capacity, a pressure receiving unit that receives a differential pressure before and after a differential pressure generating unit provided in the discharge side flow path, and a pressure on the discharge side flow path to reduce the pressure In a variable capacity vane pump comprising a control valve portion configured as a spool valve having a pressure regulating portion that generates a control pressure for changing the discharge capacity of the portion ,
A variable displacement vane pump characterized in that a diameter of the pressure adjusting portion is smaller than a diameter of the pressure receiving portion, and a clearance of the annular gap of the pressure adjusting portion is narrower than a clearance of the annular gap of the pressure receiving portion.
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