以下、遊技媒体として遊技球を用いた球投入回胴マシンの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
〔球投入回胴マシンの設置環境〕
本実施形態の球投入回胴マシンは、遊技媒体として遊技球を用いる。メダルと遊技球では価値が異なるので規定個数(例えば5個)の遊技球を1単位(1ベット)としてメダル1枚に対応させている。また、遊技球を遊技媒体として用いるためにパチンコ機島に設置される。パチンコ機島の遊技機の設置高さは、約60cmのものが最も多い。これに対して、遊技媒体としてメダルを使用する所謂スロットマシンはスロットマシン島と呼ばれる島設備に設置される。スロットマシン島の遊技機の設置高さは、約50cmのものが最も多い。つまり、パチンコ機島はスロットマシン島に対して、10cm程度設置位置が高くなっている。
〔球投入回胴マシンにおける遊技の概略〕
本発明の球投入回胴マシンでは、遊技球を貯留皿体に貯留し、ベットボタンを押すことによって遊技球取込装置が動作し、所定個数の遊技球を1単位(1ベット)として遊技球が球投入回胴マシンに取込まれる。そして、遊技球取込装置により貯留皿体から内部に取り込まれた当該単位数(ベット数)に応じて、有効ラインが決定されると共にスタートレバーが操作可能になる。遊技者の操作によってスタートレバーが操作されると3個の図柄リールの駆動モータが起動すると共に抽選が行われる。抽選結果により、大きな特典が得られるボーナスや、小役、サービス役、ハズレに振分けられる。図柄リールの回転が定回転(例えば80rpm)に達すると停止ボタンが操作可能になる。
遊技者がリール停止ボタンを押すことにより、対応する図柄リールが停止するが、この際、何らかの役に当選していると、リール停止ボタンを押すタイミングが少し早くても、球投入回胴マシンは当選役に相当する図柄を有効ラインに引き込んで停止させようとし、逆に当選していない図柄は、狙ってリール停止ボタンを押しても、有効ラインの外に押し出されてしまい入賞はできない。
全ての図柄リールが停止したら、入賞しているか否かの判定を行い、例えば小役に入賞している場合には、遊技球払出装置を駆動して、規定個数の倍数の遊技球が払出される。以上が一連の遊技の流れである。
〔球投入回胴マシンの主構成〕
球投入回胴マシン1の主構成について、図1乃至図7に基づき説明する。ここで、図1は球投入回胴マシン1の正面図であり、図2は球投入回胴マシン1を前方右上から見た斜視図であり、図3は扉形前面部材を開放した状態の球投入回胴マシン1を前方右上から見た斜視図であり、図4は球投入回胴マシン1を分解した状態を前方右上から見た斜視図であり、図5は球投入回胴マシン1の略中央縦断面図であり、図6は図5のA−A横断面図であり、図7は図5のB―B横断面図である。
図3及び図4に示すように、球投入回胴マシン1はパチンコ機の島設備に設置可能な外枠2と、外枠2内に配置され前面が開口する箱形の本体筐体3と、本体筐体3の前面を閉鎖する閉鎖位置と本体筐体3の前面を開放する開放位置との間でヒンジ機構122を介して横開きの扉状に回動可能に支持された扉形前面部材4とから構成されている。図1及び図2に示すように、扉形前面部材4を上段、中段、下段と略3分割すると、上段のドラム用窓部14の後方にはステッピングモータで個別に駆動される3組の図柄リール301a,301b,301cが臨んでいる。以降、各々の図柄リール301a,301b,301cを合わせて図柄変動表示装置13と呼ぶ。また、中段の表示装置用窓部16の後ろには、液晶表示装置等からなる演出表示装置15が配置されている。なお、扉形前面部材4においてドラム用窓部14および表示装置用窓部16を合わせた窓部を形成する領域が、当該扉形前面部材4の略上半部に形成される透明窓12である。また、扉形前面部材4の下段の一番上には、操作盤6が配置されている。ここでドラム用窓部14が本発明のドラム用小型窓部に相当し、表示装置用窓部16が本発明の表示装置用大型窓部に相当する。
また、この球投入回胴マシン1は、パチンコ機島に取付けられることから、パチンコ機島から供給される遊技球を、抽選結果または遊技状態に基づいて払出すための遊技球払出装置18(図3参照)と、遊技を行うに際し、遊技者の操作に応じた数の遊技球を本体筐体3内(パチンコ機島側)に取込むための遊技球取込装置19とが設けられている(図3参照)。つまり、遊技者は、遊技球払出装置18によって払出される遊技球を貯えるとともに、それらの遊技球を所定数ずつ遊技球取込装置19を介して投入することにより、継続的に遊技を行うことが可能になる。
〔操作盤の構成〕
図2及び図6に示すように、操作盤6は、横長略直方体形状を呈し、遊技者側に突出して形成されている。なお、表示装置用窓部16の前面に対する操作盤6の突出量は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、遊技者の手を安定した状態で載せることができるように、例えば約6cmとなっている。なお、操作盤6では、左側の側面は前面に対して略直角となっているが、右側の側面は略円弧状の曲面となっている。操作盤6の上面には、遊技者に遊技球の投入を指示させることが可能な投入操作部として、MAXベットボタン7と1ベットボタン8とが一つずつ設けられている。MAXベットボタン7は、1ベットボタン8よりも大きく、且つ1ベットボタン8よりも前寄りに配置されている。
一方、遊技者側に突出する操作盤6の前面には、遊技の進行を指示させるための遊技操作手段として、一つのスタートレバー9と三つのリール停止ボタン10(10a,10b,10c)とが一列に並んで配置されている。なお、このように配置することで、遊技者は、操作盤6の上面に載せた手をあまり動かすことなく、MAXベットボタン7と、スタートレバー9及びリール停止ボタン10とを順次操作することが可能となる。なお、1ベットボタン8が操作されると、遊技球取込装置19によって貯留皿体20から5個の遊技球が1単位(1ベット)として内部に取り込まれる。また、MAXベットボタン7が操作されると、遊技球取込装置19によって貯留皿体20から1回のゲームの実行に必要な最大単位数(MAXベット)に相当する遊技球が内部に取り込まれる。本実施形態では、1回のゲームの実行に必要な最大単位数(MAXベット数)は3単位(3ベット)であるため、MAXベットボタン7の操作によって15個の遊技球が3単位(3ベット)として内部に取り込まれる。
〔貯留皿体の構成〕
図2及び図7に示すように、扉形前面部材4の前面には、遊技球払出装置18(図3参照)によって払出された遊技球を貯留する装置として貯留皿体20が設けられている。この貯留皿体20は、扉形前面部材4の前面から遊技者側に突出して形成されており、払出された遊技球を貯留するとともに、遊技球取込装置19(図3参照)に向って遊技球を流下させることが可能になっている。
特に、本実施形態の貯留皿体20は、操作盤6とは別部材で構成され操作盤6の下方の位置から遊技者側に突出して形成されている。このため、リラックスした状態で投入操作部や遊技操作部を操作させることが可能となる。つまり、操作盤と貯留皿体とを兼用したもの、具体的には、遊技者側に突出する貯留皿体の前面に投入操作部及び遊技操作部を配置させた球投入回胴マシンでは、遊技者は遊技操作部等を操作する際に、手を貯留皿体の上に載せた状態または掛けた状態で行うことが困難となり、また、譬え、手を掛けることができたとしても、貯留皿体内で流下する遊技球が手に触れることから、遊技球が飛散しないように気を遣いながら遊技しなければならないが、本実施形態のように、貯留皿体20を操作盤6とは別部材で構成することにより、操作盤6の上面に手を載せるスペースを十分に確保するとともに、貯留皿体20の遊技球に手が触れることを防止でき、ひいてはリラックスした状態で遊技を行わせることが可能になる。特に、操作盤6の突出量は、貯留皿体20の突出量よりも大きくなっているため、操作盤6の前面に配置されたスタートレバー9やリール停止ボタン10を操作する場合にも、貯留皿体20に触れることなく操作することが可能となる。
ところで、単純に貯留皿体20を操作盤6から独立させたものでは、操作盤6の上方に設けられる演出表示装置15が、扉形前面部材4の上部寄りに配置されることとなり、視認性を低下させる虞がある。特に、前述したように、パチンコ機島は、遊技媒体としてメダルを用いたスロット島設備よりも約10cm高い位置に球投入回胴マシン1が設置されることから、遊技者は演出表示装置15を下方から見上げる形となり、著しく視認性を悪化させてしまう虞がある。これに対し、本実施形態の球投入回胴マシン1では、この種の遊技機が一般に備えている下皿を取り去り、所謂、一皿構造となっている。このため、貯留皿体20及び操作盤6の配置を全体的に低くすることができ、演出表示装置15を視認性のよい適切な位置に配置することを可能にしている。
また、操作盤6及び貯留皿体20は何れも遊技者側に突出しているが、操作盤6と貯留皿体20との間には隙間21(図1参照)が設けられており、これによれば貯留皿体20に貯留された遊技球、または貯留皿体20によって案内される遊技球を視認させることが可能になり、貯留の有無、または貯留されている遊技球の量を容易に把握させることができる。また、投入可能な遊技球の数を視覚的に把握させることにより安心して遊技を継続させることが可能となる。なお、隙間21の大きさは1.5cm以上4cm以下であることが好ましい。隙間21の大きさを略1.5cm以上とすることにより、操作盤6と貯留皿体20との隙間21から指を挿入させることが可能となる。このため、隙間21を通して遊技球を視認し難い場合であっても、指を挿入して遊技球の存在を確認させることが可能になる。また、貯留皿体20において球詰まりが生じた場合であっても、容易に対処することが可能になる。一方、隙間21の大きさを略4cm以下とすることにより、操作盤6と貯留皿体20との間に遊技者の拳が入ることを抑制でき、ひいては、貯留皿体20に連通する遊技球取込装置19等に対しての不正行為を抑制することが可能となる。なお、不正行為とは、遊技球取込装置19に向ってワイヤー等を侵入させて不正に遊技球をカウントさせる行為である。
また、本実施形態の貯留皿体20は、遊技球の払出口24に対応して配置され奥行きが広く形成された貯留部25と、貯留部25に連通するとともに遊技球取込装置19に向って遊技球を流下させる幅の狭い通路部26とから構成されており、全体の外周には遊技球の逸脱を防止するための堤部27が形成されている。このように、貯留皿体20を、貯留部25と通路部26とに分けて構成することにより、貯留部25では比較的多くの遊技球を貯留し、通路部26では遊技球取込装置19に向って遊技球を円滑に流下させることが可能になる。なお、貯留部25の略中央部には、球落とし穴22があり、通常状態では球落とし弁22aが閉じる方向に付勢されており、遊技球が抜けないようになっている。貯留部25から遊技球を抜きたい場合には、球落としボタン23を押込むことにより、図示しないリンクが作動して球落とし弁22aが開き、遊技球は、球落とし穴22を通して扉形前面部材4の下部から落下し、遊技者に返却される。
また、通路部26の下流側部分には、通路部26の上面を閉鎖する不透明の閉鎖部材28が設けられており、遊技球取込装置19に対する不正行為、すなわちワイヤー等を侵入させて不正に遊技球をカウントさせる不正操作、をより確実に防止することが可能となっている。ところで、通路部26の下流側が閉鎖部材28によって閉鎖されていると、たとえ操作盤6と貯留皿体20との間に隙間21が形成されていても、通路部26の下流側を転動する遊技球を視認することが困難となる。このため、例えば遊技を終了する際に、貯留皿体20上に遊技球が残っているか否か、すなわち全ての遊技球を使い切ったか、あるいは全て払い出したか等を確認することが困難となる。そこで、本実施形態では、貯留皿体20の前面に透明な部材からなる球視認窓29が形成されている。このため、通路部26を転動する遊技球を容易に視認させることが可能となり、特に球視認窓29が貯留皿体20の前面部分に形成されているため、隙間21から覗き込むような姿勢をとることなく、遊技を行いながら自然な形で視認させることが可能となる。
また、貯留皿体20における貯留部25の上方には、操作盤6が被さらない開放空間30が設けられている。換言すれば、操作盤6は、貯留皿体20における通路部26の上方にのみ形成されるように右側に片寄って配置されている。このため、貯留部25での貯留状態を上方または斜め上方から容易に視認させることが可能となる。つまり、通路部26で転動する遊技球を視認することが困難であっても、少なくとも遊技球の貯留状態だけは明瞭に認識させることで、払出口24から放出される遊技球(賞球)の払出しを視認することができ、遊技機本来の面白みを維持することができる。つまり、払出された遊技球を視認することができない場合には、遊技球の払出しを実感させることが困難となり、遊技の興趣を半減させる虞があるが、本実施形態のように貯留部25における貯留状態を明瞭に視認させることにより、興趣の低下を抑制することができる。
なお、開放空間30に位置する扉形前面部材4の前面には、発光によって遊技状態を表示する遊技状態ランプ31が配置されている。このため、遊技状態ランプ31の発光状態によって遊技状態を確認しつつ、遊技球の貯留状態を視認することができる。したがって、遊技状態ランプ31を一層注目させることが可能になり、遊技球の払出し状況と関連付けて遊技状態の変化を認識させることができる。なお、貯留部25の上方に遊技状態ランプ31を配置した場合でも、遊技状態ランプ31は遊技者側に大きく突出しないため、貯留部25で貯留される遊技球を遮蔽することはない。すなわち、貯留状態の視認性を維持することができる。
〔貸出精算操作部の構成〕
図1及び図5に示すように、貯留皿体20の下方には、貯留皿体20よりも遊技者側に突出して形成された横長の扁平突出部35が配置されており、その扁平突出部35の上面に、遊技者に遊技球の貸出しまたは精算を指示させることが可能な貸出精算操作部36(具体的には球貸ボタン及び返却ボタン)が設けられている。なお、遊技中に操作することの少ない貸出精算操作部36を貯留皿体20の下方、すなわち扉形前面部材4の下端近傍に配置することにより、遊技の邪魔になることなく設けることができる。また、扁平突出部35は遊技者側に突出して形成されているため、貯留皿体20の近傍に配置した場合でも、容易に操作することが可能となる。また、扁平突出部35の上面は、遊技者側に向って下り勾配となった傾斜面37からなり、この傾斜面37に貸出精算操作部36が配置されているため、貸出精算操作部36は斜め上向きとなり、扉形前面部材4の下端部分に配置された貸出精算操作部36を容易に操作させることができる。また、扁平突出部35における貸出精算操作部36の周辺には、遊技状態に基づいて発光する電飾部38が配置されているため、貸出精算操作部36の所在を遊技中において目立たせることが可能となり、精算等の際に、貸出精算操作部36の所在を確認するという手間が軽減され、使い勝手を高めることができる。さらに、図示しないが、左右の貸出精算操作部36(球貸ボタン及び返却ボタン)の間には、CR(クレジット)の残高が7セグメントLEDによって表示されるようになっている。
〔遊技球払出装置の構成〕
図3に示すように、本体筐体3の片側寄りの上下方向には、遊技球払出装置18に対応する縦長の払出装置装着部(図示しない)が形成されている。払出装置装着部は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。遊技球払出装置18は、払出装置装着部の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、遊技球払出装置18は、従来から周知の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
〔遊技球取込装置の構成〕
次に、遊技球取込装置19の構成について、図11乃至図17に基づき説明する。ここで、図11は遊技球取込装置19を分解して遊技機背面方向から見た斜視図であり、図12(a)は遊技球搬送体の正面図、図12(b)は遊技球搬送体の側面図、図12(c)は遊技球搬送体の背面図であり、図13は球抜き弁と球抜き弁が前進しているのか後退しているのかを検出する球抜き弁検出器との関係を示す斜視図であり、図14は遊技球取込装置19の取込動作状態を背面方向から示す図であり、図15は遊技者の操作により球抜き弁が後退位置に移動して球抜きを行っている状態を示す図であり、図16は遊技球取込装置19において残留している遊技球を排出するために遊技球搬送体が逆転している状態を示す図であり、図17は遊技球取込装置19において取込動作中に連続的に取込まれるべき遊技球に欠落が生じた場合を示す図である。
図11に示すように、遊技球取込装置19は、ベース51に、奥球通路部材52、手前球通路部材53、遊技球取込装置基板67が固定され、その中に遊技球搬送体54が角度検出板63とともにモータ軸62に同一軸線上に固定されて回転し得るようになっている。なおモータ本体は図示を省略している。
奥球通路部材52と手前球通路部材53に取付けられる部品の構成はほぼ同じであるので、ここでは、手前球通路部材53に取付けられる部品について説明する。
手前球通路部材53に流入する遊技球は、手前流入通路53aを転がり、球抜き弁55が前進位置にある場合(常態においては、コイルスプリング61で前進位置になるように付勢されている)、手前遊技球搬送体回転スペース53bに到達する。手前遊技球搬送体回転スペース53bでは、回転円盤にスプロケット状の歯を備えた遊技球搬送体54に接触する。
遊技球搬送体54のスプロケット状の歯の凹部はちょうど遊技球が1個のみ載るようになっており、遊技球搬送体54を反時計方向に回転させることにより、遊技球は取込方向に搬送され、最終的に、遊技球搬送体54から離れ、手前取込カウントスイッチ58で検出された後、手前遊技球排出口53eを通って返還通路(図示しない)より、パチンコ機島に返還される。
遊技球が、球抜き弁55の上を通って手前遊技球搬送体回転スペース53bに流入する際、遊技球搬送体54のスプロケット状の歯の凸部と手前球噛防止片69の間に噛み込まれる可能性がある。本実施例では、この手前球噛防止片69が弾性によって移動し、遊技球が噛み込んで動作が停止することを防いでいる。これに関しては詳細を後述する。
通常、球抜き弁55はコイルスプリング61で前進位置になるように付勢されていて、球抜き弁55の上を遊技球が転がって行く。この球抜き弁55は球抜きつまみ11と爪の弾性変形により接続されており、球抜き弁摺動部53fの中を摺動可能になっている。通常状態ではコイルスプリング61で前進位置になるように付勢されているので、球抜き弁55は閉じた状態になっているが、遊技者が球抜きつまみ11を操作することにより、球抜き弁55は開放状態になり、遊技球は下方に落下し、手前遊技球落下経路53cを通って遊技者に返却される。
手前流入通路53aの入口近くの遊技球の通路の下には手前近接スイッチ60が設けられており、近接スイッチの位置まで遊技球が満たされているときにONして、一定の球圧が確保されていることを検出する。
また、球抜き弁55には、球抜き弁遮光部55aが設けられており球抜き弁検出器56によって球抜き弁55の前進/後退を検出する。具体的には、遊技者が球抜きつまみ11を操作して、球抜き状態になったことと、手が離されて球抜き弁55が再度前進したことを検出する。
球抜き状態になった後、手が離されて球抜き弁55が再度前進したことが検出されると、遊技球搬送体54は時計方向に回転し、遊技球搬送体54に載っている遊技球は、手前球抜き経路53dを通じて遊技者に返却される。
ベース51には、遊技球取込装置基板67がネジ止めされ、遊技球取込装置基板67上には、角度検出用フォトスイッチ64が配設され、モータ軸62に遊技球搬送体54とともに固定されている角度検出板63に設けられたスリット63aを検出することで遊技球搬送体54から、遊技球が落下する排出位置を検出する。この、角度検出用フォトスイッチ64と角度検出板63と角度検出板63に設けられたスリット63aの組合せで、「遊技球落下位置検出手段」を構成する。
また、遮光部材65は遊技球取込装置基板67と共締めされており、ベース51の遮光壁51bと共に、角度検出用フォトスイッチ64に外乱光が入射しないようにして角度検出用フォトスイッチ64の誤動作を防いでいる。
球抜き弁検出器56は、球抜き弁検出器固定爪部56cによってベース51の球抜き弁検出器取付け穴51aに取付けられている。図示しないモータ本体は放熱板70と共にベース51に共締めされている。
<遊技球搬送体の形状>
図12(b)に示すように、遊技球搬送体54は、手前流入通路53aに対応する手前球受部54Aと、奥流入通路52aに対応する奥球受部54Bと、手前球受部54Aと奥球受部54Bとの間に形成された円板状の円盤部54Cとからなり、手前球受部54Aと奥球受部54Bと円盤部54Cとが同一回転軸上に一体に形成されている。
各々の球受部54A,54Bは、スプロケット状をなし、その外周に遊技球を1個のみ受入れ可能であり、かつ回転軸に沿って形成された溝状の凹部54dが周方向に等間隔に複数設けられると共に、各凹部54dの間に各凹部54dを区画するための凸部54eが複数形成されてなる(本実施形態では、各々の球受部には遊技球が1個ずつ載る凹部54dと、その凹部54dを形成するための凸部54eが各々6個設けられている)。
凹部54dには、モータ軸(回転軸)にほぼ沿う方向に形成された基端部54d1と、回転軸に沿う方向において内側から先端に向って(円盤部54Cから離れるに従って)回転軸の中心方向に傾斜する傾斜部54d2とが設けられている。同様に凸部54eにも、モータ軸にほぼ平沿う方向に形成された基端部54e1と、回転軸に沿う方向において内側から先端に向って(円盤部54Cから離れるに従って)回転軸方向に傾斜する(モータ軸の中心方向に傾斜する)傾斜部54e2とが設けられている。本実施形態では、遊技球搬送体54は樹脂成形されているので、基端部54d1、基端部54e1には抜き勾配程度の勾配はある。
遊技球搬送体54は、回転に伴って各凹部54dが受入位置で径方向から流入する遊技球を受入れ、排出位置で遊技球を落下させることにより遊技球を搬送する。図12(a)中の矢印Y3は遊技球が進入してくる方向であり、矢印Y5は遊技球が遊技球搬送体54より離れて排出される方向を示す。この進入方向Y3と排出方向Y5は、手前球通路部材53の形状と凸部54eにより規定される。同様に、図12(c)中の矢印Y4は遊技球が進入してくる方向であり、矢印Y6は遊技球が遊技球搬送体54より離れて排出される方向を示す。この進入方向Y4と排出方向Y6は、奥球通路部材52の形状と凸部54eにより規定される。本実施例の場合、排出方向Y5と排出方向Y6とは30°の角度差があり、手前球受部54Aと奥球受部54Bのモータ軸に対する位相は同じであるが、凹部54d(凸部54e)のピッチが60°であるのに対して半ピッチの30°の角度差で排出するので、遊技球搬送体54の回転中には、遊技球は手前球受部54A、奥球受部54Bから交互に排出することになる。
<球抜き弁の詳細>
図13(a)に示すように、球抜き弁55は、球抜きのための弁と遊技球の通路の一部を兼用しており、弁の閉鎖時(前進時)奥球通路弁55bは奥流入通路52aとほぼ連なる面となり奥遊技球搬送体回転スペース52bへと遊技球を導く。同時に、手前球通路弁55cは手前流入通路53aとほぼ連なる面となり手前遊技球搬送体回転スペース53bへと遊技球を導く。
球抜きつまみ取付用爪部55dは、球抜きつまみ11(図11参照)と係合するための爪である。また、コイルスプリング取付部55eは図13(b)に示すコイルスプリング61を外嵌により取付けるための突起である。
球抜き弁遮光部55aは、後退時に透過型フォトセンサである球抜き弁検出器56の球抜き弁検出器発光部56aと球抜き弁検出器受光部56bの間を遮る。また、符号56cは、球抜き弁検出器56をベース51の球抜き弁検出器取付け穴51a(図11参照)に取付けるための球抜き弁検出器固定爪部である。
常態においては、コイルスプリング61の付勢により図13(a)のように球抜き弁55は前進位置に押しつけられている。このとき、球抜き弁遮光部55aが球抜き弁検出器56を遮らないので検出されない。ここで、遊技者が球抜きつまみ11(図1参照)を操作して球抜き弁55を後退位置に移動させると、球抜き弁遮光部55aが球抜き弁検出器発光部56aと球抜き弁検出器受光部56bの間を遮るので、球抜き弁55が後退したことが検出される。また、奥球通路弁55bと手前球通路弁55cとが後退するため、遊技球は、奥流入通路52aから奥遊技球落下経路52cへ落下すると共に、手前流入通路53aから手前遊技球落下経路53cへと落下する。
<遊技球取込装置の動作>
図14では、手前流入通路53aを転動した遊技球が手前球通路弁55cの上を通り、手前遊技球搬送体回転スペース53bに流入している。そして遊技球は反時計方向に回転している遊技球搬送体54の凹部54dに1個ずつ載り、最終的に遊技球搬送体54から落下して手前取込カウントスイッチ58に検出され、手前遊技球排出口53eから排出される。遊技球取込装置19で取込球としてカウントされ排出された遊技球は、扉形前面部材4に設けられた返還傾斜通路50(図3参照)を経て、本体筐体3に設けられた返還通路(図示しない)を転動して球投入回胴マシン1の裏(つまりパチンコ機島)に排出される。
図15は、遊技者の操作により球抜き弁55が後退位置に移動して球抜きを行っている状態を示す図である。奥球通路部材52内での遊技球の挙動と手前球通路部材53での遊技球の挙動は同じであるので、本実施形態では奥球通路部材52内での遊技球の挙動を例示する。
遊技者の操作により球抜き弁55が後退位置に移動すると、球抜き弁検出器56の球抜き弁検出器発光部56aと球抜き弁検出器受光部56bの間を球抜き弁遮光部55aが遮るため、遊技者が球抜き操作を行っていることが検出される。球抜き操作が行われていることが検出された場合、たとえ取込動作中で、遊技球搬送体54が回転中であってもモータ軸62を回転させているモータは停止される。
球抜き弁55が後退すると奥球通路弁55bが後退し、奥流入通路52aから奥遊技球搬送体回転スペース52bに遊技球が新たに入ることなく後続球は奥球抜き経路52dから落下し、奥取込カウントスイッチ57にカウントされることなく排出される。この場合、遊技球は球投入回胴マシン1の前側(つまり遊技者)に返却される。この操作で、奥流入通路52aに並んでいる遊技球を返却することができる。ただし、図15に示すB1〜B5と符号を付けた遊技球は残留している。
図16は前記の残留している遊技球B1〜B5を排出するために遊技球搬送体54が逆転(時計方向に回転)している状態を示す図である。これは、図15から連続して発生する事象であるので、引き続き奥球通路部材52内での遊技球の挙動を例示する。
球抜き弁55の操作をやめると、圧縮されていたコイルスプリング61[図13(b)参照]の弾性で再び球抜き弁55は前進位置に移動する。これによって球抜き弁検出器56の球抜き弁検出器発光部56aと球抜き弁検出器受光部56bの間を球抜き弁遮光部55aが遮らなくなるため、球抜き弁55の操作をやめたことが検出される。
球抜き弁55の操作をやめたことが検出されると、遊技球搬送体54が逆転(時計方向に回転)を開始する。これにより、残留していたB1〜B5と符号を付けた遊技球は、取込時とは逆方向に搬送され、奥遊技球落下経路52cから落下し奥取込カウントスイッチ57にカウントされることなく排出される。この場合も、遊技球は球投入回胴マシン1の前側(つまり遊技者)に返却される。また、図16に示すように、まず遊技球搬送体54の凹部54dに載っている遊技球が先に返却され、その後、遊技球搬送体54の凹部54dに載っていなかった遊技球(B4、B5)が遊技球搬送体54の凹部54dに載った後に搬送され落下して返却される。
<遊技球の取込動作に欠落が生じる場合>
次に、図17を元に取込動作中に連続的に取込まれるべき遊技球に欠落が生じる場合を説明する。遊技球搬送体54の凹部54dに遊技球が載ることなく遊技球搬送体54が回転する原因は主に2種類ある。
まず、第1の原因としては、遊技球搬送体54の回転速度に対して手前流入通路53a、もしくは奥流入通路52a(以降流入通路と略す)にある遊技球の速度が遅いときが挙げられる。つまり、遊技球搬送体54が回転を始める前には、流入通路にある遊技球は初速度が零で静止している。これに対して、遊技球搬送体54が回転を始めると流入通路に並んだ遊技球の先頭が凹部54dに落ちることによって移動を開始する。
パチンコ機の払出装置の場合、遊技球搬送体54に相当する部品に至るまでの遊技球の列は、ほぼ垂直に多数個の遊技球が並んでいるため、重力加速度により、ただちに移動を開始できる。しかし本実施形態の球投入回胴マシン1は、メダルを使用するスロットマシンよりも約10cm高いパチンコ機島に設置されるため、メダルを用いたスロットマシンよりも低い位置に演出表示装置15を設置することにより、演出表示装置15の画面を遊技者から見下ろすことができるようにしている。上述の低い位置に演出表示装置15を設置する構成を実現するための方法の一つとして遊技球取込装置19は極力高低差を設けないように、言い換えれば流入通路には緩斜面を用いている。
このように緩斜面を用いているために、遊技球を進行させる重力加速度は、斜面方向の分力となるため、パチンコ機の払出装置の場合と条件が異なり、初速は同じ零でも加速の度合いが大幅に小さくなることになる。このため、遊技球搬送体54が回転を開始した際に最初に遊技球を受け取るべき凹部54dに遊技球が落ちない状態で(つまり欠落して)遊技球搬送体54が回転してしまうことがある。これが、凹部54dに遊技球が載ることなく遊技球搬送体54が回転する原因の1つ目である。
第2の原因としては、遊技球が遊技球搬送体54の凹部54dもしくは凸部54eに接触する際にはじき返され、その結果として後続遊技球とぶつかり、当該遊技球もしくは後続遊技球の凹部54dへの落下が阻害されることが考えられる。
上述のような二つの原因により、図17のように遊技球B2とB3の間に遊技球が欠落した状態が生じる。なお、この図において、遊技球B1、B2は前回の取込操作によって遊技球搬送体54の凹部54dに載っている。
<遊技球取込時のタイミングチャート>
図18を基に説明する。なお、図18は遊技球取込動作の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図18(a)は、図14のように正常な取込状態のときのタイミングチャートであり、図18(b)は、図17のように取込の際に欠落が生じた場合のタイミングチャートである。なお、図14及び図17では手前球通路部材53内での遊技球の挙動を代表として挙げているが、図18では手前球通路部材53と奥球通路部材52との両方の遊技球の挙動をタイミングチャートに示している。
図18(a)及び(b)のタイミングチャートに示されている各信号を説明する(以下に示す各種のハードウェアは図11を参照)。近接スイッチ出力とは、奥近接スイッチ59、手前近接スイッチ60の出力を示し、図18(a)及び(b)の両方とも遊技球を検出していることを示している。すなわち一定以上の球圧が確保されていることが検出されている。角度検出用フォトスイッチ64において角度検出板63のスリット63aにて検出される。カウントスイッチ出力は奥取込カウントスイッチ57、手前取込カウントスイッチ58での検出信号の両方を合わせた信号出力である。
図18(a)及び(b)では、一例としてMAXベットボタン7が押されて15個の遊技球を取込むことを想定している。まずMAXベットボタン7が押されると、近接スイッチ出力を確認する。ここで一定以上の球圧が確保されていることを確認すると、15個の遊技球を取込むために必要な角度だけ、駆動モータを取込方向(図11では反時計方向)に高速回転させる。ここで、15個の遊技球を取込むために必要な角度は1回転+1/4回転であるが、正確を期するために、角度検出用フォトスイッチ64において角度検出板63のスリット63aが15回検出されることでフィードバックしている。もちろん角度検出用フォトスイッチ64において角度検出板63のスリット63aが検出される位置は、ちょうど遊技球搬送体54から遊技球が離れて落下を開始する排出位置である。
遊技球が落下を開始する排出位置と、奥取込カウントスイッチ57、手前取込カウントスイッチ58の間には多少の落差があるため、検出するまでにある程度の時間を必要とする。図18(a)の角度検出用フォトスイッチ出力とカウントスイッチ出力に時間的な差が生じるのはそのような理由による。そして、必要な角度だけ遊技球搬送体54が回転したところで、所定のウェイト時間(所定の待ち時間)だけカウントスイッチ出力を監視し、それまでに15個の遊技球がカウントスイッチ出力によって確認された場合に取込完了となる。
前記の図18(a)に対して、図18(b)は、遊技球搬送体54の凹部54dに遊技球が載ることなく遊技球搬送体54が回転し、遊技球の欠落が生じてしまった場合を示している。基本的に遊技球取込装置19の動作は必要な角度だけ遊技球搬送体54を高速回転させるところまでは同じである。しかし、図18(b)では、奥流入通路52aもしくは手前流入通路53aでの先頭の遊技球が遊技球搬送体54の凹部54dに載ることなく遊技球搬送体54が回転してしまった例を示している。カウントスイッチ出力が始まるタイミングは図18(a)と同じであるが、これは、前回の取込動作によって遊技球搬送体54の凹部54dに既に載っていた遊技球が落下してきたことによるものであり、遊技球搬送体54の回転開始時に凹部54dに欠落を生じた場合には本実施形態の場合では6番目のカウントスイッチ出力が欠落することが多い。この結果として、遊技球搬送体54を回転させた後、所定のウェイト時間までに検出される遊技球は14個となり1個不足している。
所定のウェイト時間が経過しても必要個数の遊技球が検出されない場合はリトライ動作が行われる。本実施形態では、リトライ動作は不足個数に見合った角度だけ、遊技球搬送体54を低速回転することにより行う。図18(b)に示す例の場合は不足個数は1個であるので、1/12回転だけ(つまり次の角度検出板63のスリット63aが検出まで)回転される。その後、この場合も所定のウェイト時間までカウントスイッチ出力を見る。この例では不足個数の1個の遊技球がカウントスイッチ出力として出力されたのでこの時点で取込完了となる。図18(a)と(b)を比較すれば分かるように、1個の欠落が生じただけで遊技球搬送体54を不足分だけ低速回転させる時間と、1回のウェイト時間が余分に必要となる。
〔機内タンクの構成〕
ところで、図3に示すように、扉形前面部材4の背面側には、遊技球払出装置18と貯留皿体20(図2参照)との間に介装された機内タンク39が設けられており、遊技球払出装置18から払出された遊技球を本体筐体3の内部で貯留させることが可能となっている。これにより、貯留皿体20を一皿構造としたことによる容量不足を補うことができ、貯留皿体20から遊技球が溢れないように頻繁に抜き取ったり、あるいは遊技球の投入が断続的となったりすることを防止できる。
以下、機内タンク39の構成について、図19〜図22に基づいて説明する。ここで、図19は機内タンク39を前方右上から見た斜視図であり、図20は機内タンク39の正面図であり、図21は図20のA−A断面図であり、図22は機内タンク39における満タン検知ユニットを示す斜視図である。
払出口24(図2参照)の裏面側に固着される機内タンク39は、図19及び図20に示すように、その内部に球を貯留でき且つ球が通過できるように中空形状に形成されるものであり、概ね500個程度の球を貯留できるように構成されている。機内タンク39は、一側の側面が平面部71として平面状に、他側の側面が円弧面部72として円弧状に、上面が上面部73として平面状に、底面が第1底面部74及び第2底面部75として段差状に、その正面側が開口して開口部79として形成されている。また、開口部79の左右には、取付片77a,77bが外側に向かって突設されており、この取付片77a,77bによって機内タンク39が払出口24の裏面に対応する扉板(図示しない)にビス止め固定されている。
機内タンク39の内部は、賞球を貯留誘導するための賞球誘導空間76として形成されるが、その機内タンク39の後方寄り部分には、切欠開口78が形成され、この切欠開口78に満タン検知ユニット80が着脱可能に装着し得るようになっている。より具体的には、切欠開口78は、平面部71の後方上部と上面部73の後方部分と円弧面部72の後方部分とに亘って切り欠けられており、その切欠開口78に図22に示すように予めユニット化された満タン検知ユニット80を上方から装着し得るようになっている。
ここで、図21及び図22を基に満タン検知ユニット80について説明すると、満タン検知ユニット80は、賞球開口82と、区画壁84を含む側方誘導板83と、揺動板87と、満タン検知スイッチ89と、を1つのユニット枠体81に集約して構成されている。ユニット枠体81は、直方体状の隣り合う側面が開放されたボックス状に合成樹脂で一体的に形成されるものである。そして、賞球開口82は、本体筐体3に形成される賞球誘導通路(図示しない)の下端に臨んで賞球を機内タンク39の賞球誘導空間76内に取り入れるための取り入れ口であり、ユニット枠体81の上面に形成されている。また、側方誘導板83は、機内タンク39の一側の側方である円弧面部72に向かって下り傾斜するようにユニット枠体81と一体的に形成されるもので、賞球開口82から受け入れた球を下流側に誘導するように賞球開口82の直下に位置する主側方誘導路85と、該主側方誘導路85の一側方に形成されて賞球開口82の直下に位置しない副側方誘導路86と、がその上面に形成されると共に、主側方誘導路85と副側方誘導路86との間に球の直径とほぼ同じ高さの区画壁84を突設されている。なお、主側方誘導路85の幅は賞球開口82の幅よりも大きく、また、副側方誘導路86の幅は、球の直径の2倍程度に形成されている。なお、副側方誘導路86の側方端辺には、垂直方向に立設する側板83aが側方誘導板83と一体的に形成されている。しかして、副側方誘導路86の幅寸法を球の直径の2倍程度に形成しているので、充満時における副側方誘導路86での玉量が少ないため、副側方誘導路86での球詰まりの発生がほとんどない。
また、区画壁84よりもやや副側方誘導路86側に入った上方に揺動軸88が水平方向に突設され、その揺動軸88に揺動板87の上端部に形成される軸筒部87cが挿通されて揺動自在に設けられている。この揺動板87には、その後面側に円弧板87aが突設され、その円弧板87aの上辺から側辺上部にかけて検出部87bが突設形成されている。この検出部87bは、その側辺上部の突出部分が投受光方式の満タン検知スイッチ89の投光部と受光部との間に入ったり出たりするもので、揺動板87が球に押圧されることなくほぼ垂直状態の場合、検出部87bが投光部と受光部との間に入って満タン検知スイッチ89をOFFとし、揺動板87が球に押圧されたときの傾動状態の場合、検出部87bが投光部と受光部との間から出て満タン検知スイッチ89をONとする。そして、満タン検知スイッチ89がONすると、本実施形態の場合、遊技球払出装置18の駆動を停止して、球の払出動作を停止するようになっている。なお、揺動板87の下端は、球が区画壁84を飛び越えて副側方誘導路86に入ったときに該球によって押圧されて傾動するような位置まで垂下されていると共に、揺動板87の下端に後方に延設される案内突起87dがユニット枠体81の後方側面に形成される案内円弧(図示しない)に係合されて、その傾動範囲を規制している。
また、図19及び図20に示すように、機内タンク39の底面は、側方誘導板83の下流側の下方に位置して平面部71側へ下り傾斜する第1底面部74と、この第1底面部74の下流側の下方に位置して開口部79側へ下り傾斜する第2底面部75と、が段差状に形成されている。この段差状の高さは、球の直径よりも小さく半径よりも大きく形成されている。このように、機内タンク39は、側方誘導板83と、第1底面部74と、第2底面部75とが段差状に形成され、受入れた球を、その流下方向を変えながら且つ段差のある流下経路の上段から下段に順次導いて貯留皿体20への払出口24に誘導するようにしたので、機内タンク39内での球詰まりの発生を予防することができる。特に、主側方誘導路85から第1底面部74に球が落下する際に、主側方誘導路85から飛び出した球が円弧面部72の内周面に衝突してその円弧によって第1底面部74の前方側にスムーズに誘導されるようになっている。また、機内タンク39を扉形前面部材4の裏面に固着した状態において、賞球誘導空間76に対応する開口部79部分は、貯留皿体20への払出口24に向かって開放した状態となっている。なお、図示の実施形態の場合には、底面部74,75を段差状に形成したものを示したが、底面部74,75を連続した傾斜状底面として構成したものでも良い。
上記のように構成される機内タンク39において、機内タンク39の賞球開口82は、球の流下経路の上流側である機内タンク39の後方側に形成されているため、機内タンク39に球が貯留される際、下流側である機内タンク39の前方側から徐々に貯留されていく。このため、例えば、賞球開口82を機内タンク39の前方側に設けたときのように、球が貯留される際に機内タンク39内部の後方側に空間ができてしまい、多量の球を貯留できないということがなく、機内タンク39内部の空間を十分に使って多量の球を貯留することができる。なお、賞球開口82は、機内タンク39の上面でなくても、例えば、機内タンク39からL字状に筒状の流路筒を突出させたものでもよく、要は、賞球開口82が機内タンク39の後方上部で上を向いた開口として形成されていれば良い。
また、主側方誘導路85と副側方誘導路86との間に球の直径とほぼ同じ高さの区画壁84を突設したので、機内タンク39に球が貯留される通常の状態において、賞球開口82から受入れられる球が主側方誘導路85を流下して下流側に導かれるため、区画壁84よりもやや副側方誘導路86側に入った上方に揺動自在に設けられる揺動板87を揺動することはなく、誤って満タン検知スイッチ89がONされることを防止することができる一方、側方誘導板83の位置まで球が詰まってきたときには、区画壁84を乗り越えて主側方誘導路85から副側方誘導路86に球が誘導されて揺動板87を揺動させて満タン検知スイッチ89をONさせるので、満タンを確実に検出することができる。更に、ほぼ密閉された機内タンク39内に満タンを検知するスイッチ89を設けたので、そのスイッチ89がONしたときに、例えば、遊技球払出装置18の払い出し動作を停止することにより、密閉状の機内タンク39の内部空間が球で充満されることはなく、これによっても機内タンク39内での球詰まりの発生を予防することができる。
一方、満タン状態が解除される場合においても、球詰まりが発生し難い副側方誘導路86に詰まっていた球が副側方誘導路86にそって下流側に誘導されれば揺動板87が垂直状体に戻るため、確実に満タン状態の解除を検出することができる。
更に、上記したように、機内タンク39の一側の側面が円弧面部72として円弧状に形成されているため、側方誘導板83で誘導された球をスムーズに第1底面部74に導くことができると共に、機内タンク39が扉形前面部材4に取り付けられた状態で扉形前面部材4を本体筐体3に対して開閉した場合でも、機内タンク39における後方側の一側の側面部分が本体筐体3に干渉するということがなく、扉形前面部材4をスムーズに開放することができる。
〔扉形前面部材の構成〕
扉形前面部材4の構成を図9及び図10に基づき説明する。ここで、図9は扉形前面部材4を分解した状態を前方右上から見た斜視図であり、図10は扉形前面部材4を分解した状態を後方左上から見た斜視図である。扉形前面部材4は、額縁状で樹脂製の扉ベース部材100を有しており、扉ベース部材100の前面に、ドラム用窓部14を備えた上部飾り102(後述する)、表示装置用窓部16、操作盤6、貯留皿体20、及び下部飾り103等が組付けられている。特に、扉ベース部材100は、上下方向に三つの領域(上段、中段、下段)に区画されており、上段には図柄変動表示装置13が後方から挿入される第一開口部100a、中段には演出表示装置15が嵌め込まれる第二開口部100b、下段には遊技球取込装置19や遊技球の通路が収容される第三開口部100c、が夫々設けられている。なお、扉ベース部材100の背面には、扉ベース部材100の外周縁に沿って配置された枠状の補強金属枠101が取付けられている。
〔上部飾り等の構成〕
上部飾り102等の構成について、図23〜図26に基づいて説明する。ここで、図23は扉形前面部材4における上部飾り102を分解した状態を前方右上から見た斜視図であり、図24は上部飾り102を分解した状態を後方左上から見た斜視図であり、図25は上部飾り102におけるメッキ装飾ユニットの分解拡大斜視図であり、図26はメッキ装飾ユニットの取付状態を示す縦断面図である。
図23及び図24に示すように、上部飾り102は、扉ベース部材100の上段部分に組付けられており、扉ベース部材100の前面から遊技者側に突出する形態となっている。つまり、上部飾り102の中央部分における縦断面は略コ字形となっており、内部に図柄変動表示装置13を収容するためのリール装着部341(図32参照)(詳細は後述する)が凹設されている。上部飾り102の中央部分には、図柄変動表示装置13を視認させるための透明のドラム用窓部14が設けられ、その左右両側には、スピーカ130(図10参照)の音を通過させる音通過孔部105が形成され、さらに上部飾り102の両端側にはメッキ装飾ユニット106が設けられている。また、上部飾り102の前面上端部分には、遊技者側に向って突出する庇部104が形成されている。なお、メッキ装飾ユニット106は、扉形前面部材4の下端のコーナー部分にも下部飾り103として設けられているが、どちらのメッキ装飾ユニット106も同一の構成であるため、ここでは上部飾り102におけるメッキ装飾ユニット106についてのみ詳細に説明する。
メッキ装飾ユニット106は、図2及び図25に示すように、扉ベース部材100から遊技者側へ大きく突出し表面にメッキ皮膜が施された装飾部材107と、表面が装飾部材107の表面に連続するとともに角部において略円弧状の曲面を形成する着色樹脂部材108と、装飾部材107よりも発光基板110寄りの空間に配置され、遊技状態に応じて光を放射することが可能な電飾装置109とを具備して構成されている。なお、装飾部材107の表面及び着色樹脂部材108の表面は、遊技者が直接手で触れることが可能な露出部分であるが、電飾装置109は直接触れることができないように透明のレンズカバー116で覆われている。
電飾装置109は、LED等の発光源(図示しない)を内蔵する白色の第一レンズ体113aと、同じく発光源を内蔵する赤色の第二レンズ体113bと、第一レンズ体113a及び第二レンズ体113bを収容するとともにそれらのレンズ体113a,113bから放射された光を遊技者側に向って反射させる略円錐形の反射面115を有する反射凹部114とを具備して構成されている。第一レンズ体113aは周囲が円筒状で先端部分が球面となった形状を呈し、反射凹部114の後方に配置されたレンズ取付板112に取付けられるとともに、反射凹部114の後端部分に穿設された開口を通って反射凹部114の奥側に配置されている。また、第二レンズ体113bは、円環状の基部113cと、基部113c上に等間隔で配置されるとともに前方に向って突出する四つの流線型突出部113dとからなり、レンズ取付板112に取付けられている。つまり、流線型突出部113dが反射凹部114の外側から反射凹部114に形成された流線型孔部114aに臨んでおり、発光面が反射面115側に露出した状態で取付けられている。なお、第一レンズ体113a及び第二レンズ体113bに内蔵された発光源は、発光基板110(図23参照)に接続されており、発光基板110を介して電力が供給されるようになっている。
特に、本実施形態の装飾部材107は、電飾装置109の反射凹部114と一体で形成され、表面全体にメッキ皮膜が施されている。これにより、メッキ皮膜によって反射面115を構成することができるとともに、扉ベース部材100から大きく突出する部分(すなわち装飾部材107)と、扉ベース部材100近傍に配置される部分(すなわち反射凹部114)とを電気的に導通することが可能になる。
装飾部材107の放電について詳細に説明する。仮に、メッキ処理された装飾部材107を、樹脂製の扉ベース部材100上に配置した場合、または着色された着色樹脂部材108と組合せて構成した場合には、電気的に浮いた部分、すなわち本体筐体3に対して電気的に接続されていない部分が生じることとなり、これによれば、静電気による放電によってノイズが発生し、CPUをはじめとする電子部品が誤動作したり、電子部品を破壊したりする虞がある。
これに対し本実施形態では、図23及び図26に示すように、扉ベース部材100の後面には本体筐体3に対し電気的に導通した補強金属枠101が組つけられており、装飾部材107及び反射凹部114を一体成形した装飾部形成体は、この補強金属枠101の背面側からねじ込まれる導電性のネジ118によって補強金属枠101と接続されている。このため、扉形前面部材4の前面側に露出される装飾部材107(すなわち装飾部形成体の一部)は、導電性のネジ118及び補強金属枠101を介して本体筐体3に電気的に接続されることとなる。したがって、装飾部材107の金属皮膜部分に静電気が帯電しても、その静電気はネジ118及び補強金属枠101を介して本体筐体3側に放電される。特に、装飾部材107と反射凹部114とを一体で形成することで、装飾部形成体は、扉ベース部材100側に向って後方に延出された形状となり、補強金属枠101の背面側からねじ込まれる導電性のネジ118によって、装飾部材107と補強金属枠101とを容易に連結することが可能になる。なお、補強金属枠101及び扉ベース部材100にはネジ118が挿入可能な透孔119,120が穿設され、装飾部形成体には、ネジ118が螺合されるネジ孔121が形成されている。つまり、固定用のネジ118を用いて導通させることから、手間をかけることなく、しかも極めて簡単な構成で放電させることが可能となる。
なお、補強金属枠101は、本体筐体3に対し金属製のヒンジ機構122(図3参照)を介して電気的に導通している。このため、扉形前面部材4の開閉状態に拘らず、扉形前面部材4側に帯電する静電気を本体筐体3側へ放電することが可能になる。また、ヒンジ機構122という既存の部材を用いて導通させることから、製造コストを増加させることなく放電経路を形成することができる。
〔図柄変動表示装置の構成〕
次に、図柄変動表示装置13の構成について、図27〜図34に基づいて説明する。ここで、図27は図柄変動表示装置13を前方右上から見た斜視図であり、図28は図柄変動表示装置13を後方右上から見た斜視図であり、図29は図柄変動表示装置13を分解した状態を前方右上から見た斜視図であり、図30は図柄リールを分解した状態を前方右上から見た斜視図であり、図31は図柄リールを分解した状態を後方右上から見た斜視図であり、図32はリール装着部を背面側上方から見た斜視図であり、図33はリール装着部を背面側下方から見た斜視図であり、図34は図柄変動表示装置13が装着されたリール装着部を示す拡大断面図である。
図27に示すように、図柄変動表示装置13は、リール回転式表示装置であって、個別に回転可能な例えば3個の図柄リール301a,301b,301c(以下各図柄リール301とする)と、該各図柄リール301を組込み・収容する装置ケース302とを有し、各図柄リール301における図柄表示部300の周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行うものである。
装置ケース302は、図29に示すように、底部板304と、天部板305と、右側の右側板306と、左側の左側板307と、後面を覆う一部円弧形状の後部板308とで囲った箱形であり、図柄表示部300の円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。なお、装置ケース302は、底部板304のみが金属板で形成され、他の部分は樹脂で形成されている。
また、装置ケース302の前縁には、各図柄リール301を固定するためのネジ313a,313bが螺合される複数のネジ孔302aが所定の間隔で形成されている。なお、下側のネジ313bは通常の雄ネジであるが、上側のネジ313aは螺合対象物が樹脂成形物であることからタッピングビスが用いられる。
また、装置ケース302の前面側には、カバー体309が組みつけられている。カバー体309は、装置ケース302の前面縁部に沿って形成された額縁状の枠部310と、枠部310の上端及び下端の間に架設され、装置ケース302に組み込まれた各図柄リール301を仕切るように左右方向に所定の間隔で配置された区画部311とから構成されている。なお、区画部311の前面は、上下方向の中央部分が遊技者側に向って最も突出するように略円弧状に形成されている。つまり、各図柄リール301間の隙間を前方から塞ぐとともに、図柄表示部300の円周面に対し連続した面となるように円弧状に形成されている。なお、左右両側に配置された区画部311には、左右外側から両側の図柄リール301a,301c内の機構を遮蔽する遮蔽部311aが一体的に形成されている。また、枠部310における区画部311の上側及び下側には、ネジ313a,313bを挿通させることが可能な取付孔312が穿設されている。
また、図28に示すように、装置ケース302の左側板307には、基板ケース314によって覆われたリール基板315が配置されており、リール基板315によって中継された駆動信号により各図柄リール301が個別に駆動制御されるようになっている。なお、リール基板315には、基板ケース314の開口を通して突出する四種類のコネクタ316a,316b,316c,316dが設けられており、基板ケース314の左側面下側から突出するコネクタ316aを介して、各図柄リール301を駆動制御するための信号が入力されるとともに、各図柄リール301に収容されたフォトセンサ325から送られる検出信号を主制御基板400に出力するようになっている。また、基板ケース314の上面から突出する三つのコネクタ316bには、後述するバックライト322に接続され且つ後部板308に形成された透孔308aを通して配線されたコネクタ(図示しない)が連結されるようになっている。つまり、これらのコネクタ316bを介して、バックライト322に作動用電源を付与するように構成されている。なお、この作動用電源は、基板ケース314の左側面中央に設けられたコネクタ316dを介してリール基板315に供給される。また、基板ケース314の底面から突出する三つのコネクタ316cには、後述する中継板326に設けられたコネクタ317(装置ケース302の後部板308から突出する三つのコネクタ317)に対し、コネクタ付きハーネス(図示しない)を介して連結されており、各図柄リール301内に収容されたリールモータ321に対して駆動信号を供給するとともに、フォトセンサ325から検出信号を受け取ることが可能になっている。
なお、前記のコネクタ付きハーネスには、図柄リール301ごとに、被覆材の色が互いに異なる一本または複数本の電線が含まれており、また、各図柄リール301内に収容された夫々のバックライト322には、コネクタ付きハーネスに含まれる電線の色と同系色の電線が接続されている。つまり、図柄リール301ごとにハーネス及び電線の色が異なるように設定されている。これによれば、リールモータ321に電力を供給する電線及びフォトセンサ325から検出信号を受け取る電線を含むハーネスと、バックライト322に電力を供給する電線との色合わせが可能になり、ひいては、ハーネス及び電線と、各図柄リール301との照合(すなわち誤配線の有無の確認)が容易になるとともに、各図柄リール301の配置位置を電線の色に基づいて確認させることが可能になる。すなわち、球投入回胴マシン1の組付工程において、左中右の各図柄リール301の配置順は、間違ってはいけない極めて重要な項目であるが、このように電線の色を異ならせることにより、上記の配置が正しく行われたか否かを容易に視認することが可能となり、球投入回胴マシン1の品質を確保することができる。さらに、図柄リール301ごとに電線の長さも異なっており、電線の長さによって各図柄リール301の配置の間違いを視認させることも可能になっている。
また、左側板307における基板ケース314の上方には、左側板307を貫通するコ字形のスリット333が形成されており、コネクタ316bに連結される電線を、結束バンド(図示しない)を用いて左側板307とともに結束させることを可能にしている。特に、下側が開いた横転コ字形のスリット333によって下端のみが連結された掛止部333aが左側板307と一体に形成されるため、結束バンドの一部を撓ませた状態で掛止部333aの上方に挿入すれば、極めて容易に結束バンドを掛止部333aに引掛けることが可能になる。つまり、左側板307に対して結束バンドを掛止させるために、左側板307に二つの孔を穿設したものでは、結束バンドの先端を二つの孔に対して順に挿通させなければならないため、結束作業が困難になる虞があるが、コ字形のスリット333を設けるようにすれば、掛止部333aの上部側から電線を引掛けることが可能になり、作業性が向上する。また、左側板307から外方に突出するようにフックを形成することも考えられるが、これによれば、構成が複雑になり、金型費等の製造費が高くなるため好ましくない。
図30及び図31に示すように、装置ケース302に配置された各図柄リール301には、周面に図柄列が表示された円環状の図柄表示部300と、夫々の図柄表示部300を回転可能に支持するとともに回転力を付与するリールモータ321と、図柄表示部300の右側に配置されリールモータ321を固定するモータ取付板320と、モータ取付板320に固定状態で取付けられるとともに、図柄表示部300の周面内側、特に遊技者側の面に沿って配置され図柄表示部300を通して遊技者側に光を放射する略円弧状のバックライト322とが設けられている。
さらに詳しく説明すると、リールモータ321は、正転及び逆転可能な直流ステップモータであり、回転軸329の先端にフランジ323が固着されている。フランジ323は、略円板状の部材であって、周面の一部には径方向に切欠かれた嵌合部323aが形成されるとともに、周面に雄ネジ部が設けられた突起323bが形成されている。これに対応し、図柄表示部300は、右側の側面(図31では奥側の面)が全体的に開放されているが、左側の面(図31では前側の面)には、略十字形の側面部材330が設けられ、リールモータ321のフランジ323を取付けることが可能になっている。具体的には、図31に示すように、側面部材330の中心部分には、フランジ323の突起323bが挿通する貫通孔330aを有するとともに、フランジ323を内側に収容可能とする円形収容部330bが形成されており、特に、図30に示すように、円形収容部330bには、図柄表示部300の内側に向って突出するとともに、フランジ323の嵌合部323aに嵌め合わせ可能な回転防止突部330cが形成されている。そして、貫通孔330aを挿通し円形収容部330bから外部へ突出する突起323bに対して、ロックネジ324が螺合されており、これにより、リールモータ321のフランジ323が図柄表示部300の側面部材330に固定状態で取付けられる。つまり、リールモータ321の回転軸329が図柄表示部300の側面部材330に直結されている。なお、図柄表示部300は、ロックネジ324によって軸心上で固定されるため、直径方向の力が作用せず、ひいては回転軸329のブレを防止することが可能になる。
図31に示すように、モータ取付板320は金属板から形成され、リールモータ321を取付けるためのモータ取付部位320aと、バックライト322を取付けるためのライト取付部位320bとを有して構成されている。また、モータ取付板320の上端及び下端における正面側(遊技者側)の部分には、垂直方向に折り曲げられた取付片320cが形成され、取付片320cの略中央には、前後方向に貫通する透孔320dが穿設されている。特に、これらの透孔320dは、図29に示すように、カバー体309に形成された取付孔312、及び装置ケース302に形成されたネジ孔302aと前後方向で合致する位置に設けられている。つまり、カバー体309の前方から、カバー体309の取付孔312及びモータ取付板320の透孔320dを通して、ネジ313a,313bを装置ケース302のネジ孔302aに螺合させることにより、装置ケース302に対してモータ取付板320及びカバー体309が固定状態で組付けられている。すなわち、カバー体309とモータ取付板320とが装置ケース302に対して共締めされる。このため、装置ケース302に対してカバー体309とモータ取付板320とを別々に固定するものに比べ、作業工程を低減させるとともに、三つの部材、すなわちカバー体309、モータ取付板320、及び装置ケース302における相互の位置決めを正確にしかも簡単に行うことができ、ひいては各図柄リール301に対するカバー体309のクリアランスを少なくすることができ、各図柄リール301間の隙間を精度よく塞ぐことができる。すなわち、装置ケース302の内部構造を一層見え難くし、見栄えの低下を抑制することができる。
また、モータ取付板320における下部後端側には、後方に向って延出された延設下部320eが形成されており、延設下部320eとモータ取付部位320aとからなるコーナー部分に中継板326が取付けられている。この中継板326は、リールモータ321に接続された電線(図示しない)及びフォトセンサ325に接続された電線(図示しない)と、リール基板315に接続されるコネクタ付きハーネス(図示しない)とを中継するためのものであり、コネクタ317(図28参照)等を搭載している。また、モータ取付板320の上部後端側には、延設下部320eと同方向に延出された延設上部320gが形成されており、延設上部320gには、バックライト322に接続された電線(図示しない)を案内するための溝部(図示しない)と、当該溝部に配線された電線が溝部から逸脱することを防止する電線押え327とが設けられている。電線押え327は、透明で弾性変形可能な薄板状の樹脂部材からなり、一端側がネジ327aによって固定されている。このように溝部と電線押え327との協働によって電線を適宜の位置に保持することにより、中継板326のような基板を設けることなく、電線の遊動状態を防止することができ、ひいては電線が障害となって各図柄リール301の回転が制動されたり、回転の際に電線を巻き込んだりすることを回避できる。なお、電線押え327の前方には、リールモータ321に接続された電線、及びバックライト322に接続された電線を纏めた状態で保持する結束部材328がモータ取付板320に取付けられている。
また、モータ取付板320の中央後端側には、断面L字形の取付片320fが、図柄表示部300内に向って立設されており、フォトセンサ325を支持している。フォトセンサ325は、互いに対峙する発光部と受光部とを有し、発光部から発光される光が受光部に到達するか否かに応じた信号を出力するものである。そして、図30に示すように、図柄表示部300における側面部材330の内面側には、図柄表示部300が一回転するごとに、フォトセンサ325における発光部と受光部との間を通過する遮光片331が内方に向って突出している。つまり、リール301を一回転させるごとに、発光部から放射された光が遮光され、それに応じた信号が出力するようになっている。
ところで、遮光片331は発光部から放射された光を遮るものであるため、不透明な部材、例えば黒色の部材から形成されることが好ましく、一方、図柄表示部300の側面部材330は、図柄表示部300と一体に成形されることから光透過性の部材、例えば透明部材から形成されることが好ましい。このため、遮光片331と側面部材330とは一体成形することはできず、側面部材330に対して遮光片331を取付けるための手段が必要となる。しかし、ネジ等の締結部材を介して取付けるものでは、遮光片331を含む図柄表示部300全体の重心が回転軸から偏心する程度が高くなり、図柄表示部300の回転速度にムラが発生するおそれがある。また、接着剤によって遮光片331を接着するものでは、側面部材330に対する遮光片331の位置決めが困難となり、ひいては図柄表示部300の回転位置を正確に検出できなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、遮光片331をインサート成形によって成形している。つまり、予め形成された遮光片331を金型に入れ、図柄表示部300及び側面部材330を射出成形することにより、遮光片331と側面部材330とを一体的に形成している。これによれば、比較的簡単に形成することができるとともに、側面部材330に対する遮光片331の位置決め精度を高めることが可能になる。
バックライト322は、略円弧状の外観を呈しており、モータ取付板320のライト取付部位320bに当接する側には、所定の間隔で配置された二つのLED322aが、側面部材330側に向って光を放射するように配置されている。また、図柄表示部300の内面側には、夫々のLED322aから放射された光を図柄表示部300の図柄列(図示しない)側に向って反射させる白色の反射部322bが形成されている。このため、図柄表示部300の内側において面発光させることが可能になり、略均一な光によって、遊技者側に位置する図柄、特に三つの図柄を、略均一な光によって光らせることが可能になる。
ところで、本実施形態の図柄変動表示装置13は、扉形前面部材4に凹設されたリール装着部341(図32参照)に対し、後方から嵌め込まれた状態で装着されている。特に、球投入回胴マシン1の組立工数を削減するため、リール装着部341に対し図柄変動表示装置13をワンタッチで装着させるよう構成されている。具体的に説明すると、図29及び図34に示すように、装置ケース302の底部板304には、下面から垂下された二つの下側突出片352が所定の間隔で形成されており、装置ケース302の天部板305には、上面から立設した二つの上側突出片353が所定の間隔で形成されている。これに対し、図32及び図33に示すように、扉形前面部材4のリール装着部341には、図柄変動表示装置13をリール装着部341内に収容した際に下側突出片352と対向する位置に、溝部350を有する取付部351が形成されており、溝部350内に下側突出片352を挿入させることが可能となっている。また、リール装着部341の天井面には、図柄変動表示装置13をリール装着部341内に収容した際に上側突出片353に係合可能な係合部354が設けられている。係合部354は、上側突出片353に係合可能となる係合位置と、図柄変動表示装置13をリール装着部341に挿脱させる際に上側突出片353と接触しない非接触位置との間で左右方向にスライドするように、ビス355によって支持されている。このため、図柄変動表示装置13をリール装着部341に装着する際には、まず底部板304の下面から垂下された下側突出片352を、リール装着部341に形成されたスリット状の溝部350に挿入させ、その後、下側突出片352を中心として図柄変動表示装置13を回動させながら全体をリール装着部341に挿入させる。すると、装置ケース302の上側突出片353は、係合部354に接触することなく奥側まで挿入される。その後、係合部354を非接触位置から係合位置にスライドさせると、上側突出片353が係合部354の取出し側に位置し、係合状態となる。つまり、図柄変動表示装置13の逸脱が規制される。
なお、図柄変動表示装置13をリール装着部341から取出す場合には、係合部354を係合位置から非接触位置にスライドさせる。すると、上側突出片353の規制状態が解除され、下側突出片352を中心に図柄変動表示装置13を取出し側に回動させることが可能になる。なお、図柄変動表示装置13を取出し側に回動させ、図柄変動表示装置13を持ち挙げることにより、下側突出片352をリール装着部341に形成された溝部350から抜取ることが可能になる。
ところで、上記のようにワンタッチで図柄変動表示装置13を装着するためには、図柄変動表示装置13の装置ケース302及びリール装着部341の寸法精度が要求されることから、樹脂を主材料として形成されることが好ましい。これに対し、リールモータ321を固定するモータ取付板320は、リールモータ321を強固に安定して支持できるように、板金の部材、すなわち金属板が用いられている。しかしながら、絶縁部材である樹脂製のリール装着部341と、導体であるモータ取付板320との組合せによって、電気的に浮いた部分、すなわち筐体等に対して電気的に接続されていない部分が生じることとなり、これによれば、静電気による放電によってノイズが発生し、CPUをはじめとする電子部品が誤動作したり、電子部品を破壊したりする虞がある。
そこで、本実施形態では、装置ケース302の底部板304を、導電性を有する金属板とするとともに、各図柄リール301におけるモータ取付板320には、図30に示すように、底部板304に接触するケース側接触片343を備えている。つまり、底部板304及び全てのモータ取付板320が互いに導通状態となっている。また、モータ取付板320には、図柄変動表示装置13をリール装着部341に装着した際、リール装着部341の奥側に配置されたアース接片342(図33参照)に接触する扉側接触片344を備えている。ここで、アース接片342は、本体筐体3に対して電気的に導通されているため、扉側接触片344を備えるモータ取付板320は、アース接片342を介して本体筐体3に導通される。また、アース接片342と直接接触しない他のモータ取付板320も、装置ケース302の底部板304を介して導通状態となる。したがって、いずれの図柄リール301においても静電気が帯電した場合には、夫々のモータ取付板320及びアース接片342を介して本体筐体3側に放電することが可能になる。
また、リール装着部341の奥側に配置されたアース接片342は薄板状の金属板を折曲げ形成した弾性部材からなり、図柄変動表示装置13をリール装着部341に装着すると、扉側接触片344によって押圧され弾性変形する。したがって、扉側接触片344がアース接片342に圧接し、確実に接触させることが可能となる。また、アース接片342は弾性変形することから、アース接片342及び扉側接触片344の破損を防止することができる。
また、本実施形態では、ケース側接触片343として、モータ取付板320の下部側を固定するための取付片320cが兼用されており、底部板304の前縁部から上方に折り曲げらた複数の被接触片345に突き合わせられる。したがって、面接触させることが可能となり、接触面積を大きくすることができる。しかも、ケース側接触片343及び被接触片345が取付ネジ313bによって締結されることによりモータ取付板320が装置ケース302に固定されているため、ケース側接触片343と被接触片345との接触状態を保持することができるとともに、譬え、ケース側接触片343と被接触片345との間に隙間が生じた場合でも、導電性の取付ネジ313bを介して導通させることができる。
また、扉側接触片344として、モータ取付板320の上部側を固定するための取付片320cを用いているため、構成を複雑にすることなく、アース接片342に接触させるための部分を構成することができる。
なお、図33に示すように、扉形前面部材4の後面に取付けられた補強金属枠101がアース接片342に接しており、また、本体筐体3に対して扉形前面部材4を回動可能に支持するヒンジ機構122を介して、補強金属枠101と本体筐体3とが電気的に接続されているため、扉形前面部材4の開閉状態に拘らず、図柄変動表示装置13内で帯電する静電気を本体筐体3へ放電することが可能になる。また、既存の部材を用いて導通させることから、製造コストを増加させることなく放電経路を形成することができる。
〔制御基板及び設定器の構成〕
各種制御基板及び設定器の構成を、図8及び図35〜図40に基づいて説明する。ここで、図8は扉形前面部材4を背面側から見た背面図であり、図35は本体筐体3を前方左上から見た斜視図であり、図36は本体筐体3を後方左上から見た斜視図であり、図37は本体筐体3を分解した状態を前方右上から見た分解斜視図であり、図38は本体筐体3の正面図の一部を拡大したものであり、図39は設定カバーを開放させた状態を示す本体筐体3の斜視図であり、図40は設定カバー付近における要部の拡大断面図である。
図8に示すように、扉形前面部材4の背面側には、主制御基板400から送信されるコマンドを基に遊技状態に応じた演出処理を実行するサブ基板360、演出表示装置15を駆動する液晶駆動基板361、及び電飾装置109等を制御するランプ駆動基板363等、複数の基板が配置され、サブ基板360及び液晶駆動基板361は第一基板ケース362内に収容され、ランプ駆動基板363は第一基板ケース362と並設して配置された第二基板ケース364内に収容されている。なお、第二基板ケース364の上部側には、詳細は後述するが、後方(本体筐体3側)に向って突出する突設部材420が、第二基板ケース364と一体に形成されている。
一方、図35に示すように、本体筐体3内には、制御基板として、主制御基板400及び払出制御基板402が収容されている。主制御基板400は、遊技全体を統括し、操作盤6にある各種操作ボタンやレバーの操作に基づいて、遊技球取込装置19の駆動、図柄変動表示装置13の回転/停止の制御を行うとともに抽選を行う。また、払出制御基板402は、主制御基板400から送信されるコマンドに応じて遊技球払出装置18を制御する。なお、主制御基板400はメイン基板ケース401に収容され、払出制御基板402は払出基板ケース403に収容されて封止されている。また、主制御基板400に関しては、不正操作ができないように、メイン基板ケース401の開放を禁止する封印シール(図示しない)が、メイン基板ケース401の前面下端部分と本体筐体3に取付けたシール貼着板415とに亘って貼着されている。特に、シール貼着板415は、本体筐体3からメイン基板ケース401を外さなければ取外すことができないように本体筐体3の後面板内面にビス(図示しない)で固定されている。ここで、主制御基板400が本発明の遊技制御手段に相当する。
また、主制御基板400及び払出制御基板402に対しては、不正の電子部品の装着など不正行為の有無を容易に視認できるように、メイン基板ケース401及び払出基板ケース403は何れも透明の樹脂から形成されている。また、本実施形態では、主制御基板400や払出制御基板402の半田面(裏面)側においても不正行為の有無を視認できるように、本体筐体3の背面の一部が透明となっている。具体的には、図36及び図37に示すように、本体筐体3の背面部には、中央部分に大きな四角形の開口404aが形成されており、その開口404aを閉鎖するように、本体筐体3内から透明の透明板405がネジ406によって取付けられている。なお、透明板405の前面には、筋交い状に配置された補強部材407が透明板405と一体に形成されており、透明板405の強度を補強するとともに、メイン基板ケース401及び払出基板ケース403と透明板405との間隔を一定に保っている。
また、図38に示すように、主制御基板400には、出玉率(投入個数に対する払出個数の割合)を段階的に変更するために設定操作部408が設けられており、遊技場の責任者によって確率を例えば設定1〜設定6のいずれかに設定することが可能となっている。具体的には、設定操作部408は、押圧操作可能な設定変更スイッチ409と、この設定変更スイッチ409の押圧操作を電気的に無効にする施錠部410とからなり、設定変更スイッチ409を押圧する毎に設定値が切替えられ、設定1(設定値が1)で最も低い出玉率となり、設定6(設定値が6)で最も高い出玉率となるように構成されている。
ところで、設定操作部408に関しては、比較的頻繁に使用されることから、少なくとも設定変更スイッチ409の先端部分(押圧部分)をメイン基板ケース401から露出した状態で配置する必要がある。しかし、これによれば設定変更スイッチ409が不正に操作されることが懸念される。例えば、本体筐体3と扉形前面部材4との間に形成される隙間からピアノ線等を差し入れて、設定変更スイッチ409にピアノ線等を引っかけ、遊技者に有利なように設定を変更する不正行為が行われる可能性がある。
そこで、本実施形態では、設定操作部408を覆う設定カバー412が設けられている。この設定カバー412は、図39に示すように、施錠部410を覆う第一覆い部417aと、設定変更スイッチ409を覆う第二覆い部417bとを具備して構成されるとともに、上端側に形成された軸部413を中心に回動可能に支持されている。また、第一覆い部417aの上側には、設定カバー412を閉状態で固定するためのボタン形パネルファスナー418(商品名「ナイラッチ」:登録商標)が設けられている。さらに、本体筐体3の天井面には、設定カバー412の左右両側に夫々配置され、設定カバー412の軸部413を挿通された状態で支持するとともに、後方に延出された溝部を有するスライド部材414が設けられている。このため、設定変更スイッチ409を操作する際には、ボタン形パネルファスナー418を引き操作し、軸部413を中心に設定カバー412を跳ね上げれば、設定操作部408が開放され、設定変更スイッチ409を押圧操作することが可能になる。なお、スライド部材414が設けられているため、跳ね上げた設定カバー412を後方にスライドさせることにより、設定カバー412は図39に示すような前方に突出した状態で保持され、設定カバー412から手を放した状態で設定変更スイッチ409を操作することが可能になる。
ところが、このように設定操作部408を設定カバー412で覆うとともに、設定カバー412の閉鎖状態を保持するためのボタン形パネルファスナー418を設けたものにおいても、ピアノ線等の不正操作具を用いて設定カバー412を開放し、設定操作部408を不正に操作する可能性は少なからず残されている。なお、設定カバー412に施錠装置を設け、鍵による正当な操作でなければ設定カバー412を開放できないように構成することも可能であるが、これによれば、正規の設定変更操作が極めて面倒となり、責任者等の負担が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、図8及び図40に示すように、扉形前面部材4の背面側に装着された第二基板ケース364から後方に突出する突設部材420を設けており、扉形前面部材4を閉じた際、この突設部材420を設定カバー412の前面近傍に位置させることで設定カバー412の開放を阻止し、ひいては設定操作部408に対する不正操作を防止している。つまり、扉形前面部材4を閉じた際には、突設部材420を設定カバー412の近傍に配置させることでピアノ線等の不正操作具が設定操作部408まで侵入することを阻止し、一方、扉形前面部材4を開いた際には、突設部材420が扉形前面部材4とともに回動することから、設定カバー412の近傍から離れ設定操作部408への操作を可能にする。すなわち、不正行為を防止し、且つ正規の設定変更操作に対しては阻害することがなく作業者の負担を軽減できる。
なお、突設部材420の突出長さは、扉形前面部材4を閉じた際、設定カバー412と突設部材420との間に僅かな隙間が形成されるように設定されている。換言すれば、扉形前面部材4を閉じても、設定カバー412と突設部材420とは当接しないように設定されている。このため、扉形前面部材4を勢いよく閉じた場合や、突設部材420の突出長さが設計誤差等により僅かに長く形成された場合であっても、設定カバー412と突設部材420との衝突を抑制し、設定カバー412または突設部材420の破損を防止することができる。
また、扉形前面部材4の背面側には、ランプ駆動基板363を収容する第二基板ケース364が備えられているため、扉形前面部材4が閉じられた際には、第二基板ケース364とメイン基板ケース401が積層された状態となり、一方、扉形前面部材4が開かれた際には第二基板ケース364が扉形前面部材4とともに回動し、本体筐体3から飛び出した状態となる。したがって、これらの第二基板ケース364及びメイン基板ケース401を本体筐体3内に効率的に収容できるとともに、主制御基板400及びランプ駆動基板363に対する配線作業等を容易に行わせることが可能になる。また、突設部材420が第二基板ケース364の後面に形成されているため、扉形前面部材4が閉じられた際には、突設部材420によって設定操作部408に対する不正操作を抑制するとともに、第二基板ケース364の閉状態を保持することも可能になる。つまり、ランプ駆動基板363に対する不正行為を防止することも可能になる。なお、突設部材420が第二基板ケース364と一体に成形されているため、突設部材420の取付工程が不要になるとともに、設定カバー412に対する突設部材420の位置合せが容易となる。また、突設部材420を取外すことができないため、防犯効果が一層高くなる。
〔施錠装置の構成〕
次に、施錠装置123の構成について、図3、図35、図36、図41〜図49に基づき説明する。ここで、図41は施錠装置123を前方右上から見た斜視図であり、図42は施錠装置123を後方左上から見た斜視図であり、図43は施錠装置123における主要部の機構を後方左上から見た拡大斜視図であり、図44は施錠装置123を分解した状態を後方左上から見た分解斜視図であり、図45はシリンダー錠及びロック機構を示す斜視図であり、図46は施錠装置の要部の背面図であり、図47は施錠装置123におけるロック機構の作動状態を説明するための説明図であり、図48はロック機構の解除を説明するための説明図であり、図49は扉用作動杆における解錠位置での保持状態を説明するための説明図である。
図35及び図36に示すように、本体筐体3における自由端側の側枠部550には、一組の施錠装置123が設けられており、外枠2(図2参照)に対して本体筐体3を閉位置で施錠するとともに、本体筐体3に対して扉形前面部材4を閉鎖位置で施錠すること、すなわち本体筐体3及び扉形前面部材4の開放動作を防止することが可能になっている。詳細に説明すると、図41、図42、及び図44に示すように、施錠装置123は、本体筐体3の自由端側の側枠部550に固定状態で装着された長尺状の装着基部500と、この装着基部500に対して上下方向にスライド可能に支持された本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507とを具備して構成されている。本体枠用作動杆503は、外枠2に対して本体筐体3を施錠するためのものであり、外枠2に形成された係止具501に係脱可能な本体枠施錠フック502を二つ有している。一方、扉用作動杆507は、本体筐体3に対して扉形前面部材4を施錠するためのものであり、扉形前面部材4に形成された係止具505(図3参照)に係脱可能な扉施錠フック506を三つ有している。なお、本体枠用作動杆503は、下側を施錠位置、上側を解錠位置とし、一方、扉用作動杆507は上側を施錠位置、下側を解除位置とし、夫々施錠位置と解錠位置との間でスライドするように支持されている。つまり、本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507は相反方向にスライドさせることにより、本体枠施錠フック502及び扉施錠フック506を係止具501,505から外すことが可能になる。
本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507は、夫々第一弾性部材508および第二弾性部材509によって施錠方向に付勢されている。なお、本実施形態では、第一弾性部材508及び第二弾性部材509として一つのコイルバネを兼用している。つまり、コイルバネの両端を夫々、本体枠用作動杆503に形成された掛止爪508aと、扉用作動杆507に形成された掛止爪509a(掛止爪508aよりも低い位置に形成されている)とに引掛けることにより、本体枠用作動杆503を下方(すなわち施錠方向)に付勢し、扉用作動杆507を上方(すなわち施錠方向)に付勢している。つまり、第一弾性部材508および第二弾性部材509によって施錠位置に保持されるようになっている。
これに対し、鍵穴に鍵(図示しない)を挿入しその鍵を回動させることで本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507を解錠方向にスライドさせることが可能なシリンダー錠515が設けられている。つまり、シリンダー錠515は、鍵を所定方向(例えば時計方向)に回動させることで本体枠用作動杆503の係合溝516に係合可能な本体用カム片517と、鍵を逆の方向(例えば反時計方向)に回動させることで扉用作動杆507の係合溝518に係合可能な扉用カム片519とを備えており、本体用カム片517によって本体枠用作動杆503を解錠方向(上方)にスライドさせ、扉用カム片519によって扉用作動杆507を解錠方向(下方)にスライドさせることが可能となっている。
また、本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507には、スライド方向に対して垂直方向に切欠かれた凹状の本体枠用切欠523及び扉用切欠524が形成されており、本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507がともに施錠位置の際には二つの切欠523,524が互いに合致し、本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507の少なくともいずれか一方が解錠位置の際には合致しなくなる。
また、本実施形態では、本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507を施錠位置でロックするためのロック機構526が設けられている。このロック機構526は、図45及び図46に示すように、本体枠用切欠523及び扉用切欠524が合致した際に二つの切欠523,524内に挿入し本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507のスライド(解錠方向への移動)を規制するロック爪部527と、軸部528s(図43参照)を中心に回動可能に支持され本体枠用切欠523及び扉用切欠524に対しロック爪部527を挿脱可能に変位させるロック回動部材528と、ロック爪部527が二つの切欠523,524から抜け出る方向に付勢する第三弾性部材529(図43参照)と、外枠2に対して本体筐体3を閉じた際に、ロック回動部材528を押圧することで第三弾性部材529に抗してロック爪部527を挿入方向に付勢するロック操作片530とを具備して構成されている。なお、第三弾性部材529はコイルバネからなり、一端側が装着基部500に形成された掛止爪500aに掛けられ、他端側がロック操作片530の上部に形成された掛止孔530aに掛けられており、ロック回動部材528を図面上の反時計方向に付勢している。
これによれば、図47(b)に示すように、本体筐体3が外枠2に対して施錠され、且つ扉形前面部材4が本体筐体3に対して施錠されている場合には、本体枠用切欠523及び扉用切欠524が互いに合致し、しかもロック操作片530によってロック回動部材528が押圧されているため、本体枠用切欠523及び扉用切欠524の内部にロック爪部527が挿入され、本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507は施錠位置でロックされる。したがって、この状態では、本体枠施錠フック502または扉施錠フック506に対して不正操作が行われても、本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507をスライドさせることができず、施錠状態が保持される。
一方、図47(a)に示すように、外枠2に対して本体筐体3が開かれた状態では、本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507がともに施錠位置であってもロック爪部527によって本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507のスライドが規制されることはない。なぜなら、本体枠用切欠523及び扉用切欠524が互いに合致しているものの、ロック操作片530が外枠2の壁部Hに当接せず、ロック操作片530によってロック回動部材528が押圧されないことから、ロック回動部材528は第三弾性部材529の付勢力によって回動し、ロック爪部527が二つの切欠523,524から抜け出るためである。このように、外枠2に対して本体筐体3が開かれた場合にロック状態を解除することにより、本体枠用作動杆503を解錠位置にスライドさせることなく(すなわちシリンダー錠515の鍵を時計方向に回転させることなく)本体筐体3を閉じ操作した場合でも、本体枠施錠フック502やそれと係合する外枠の係止具501の破損を防止することが可能となる。つまり、仮にロックされた状態で本体筐体3が閉じられると、本体枠施錠フック502が全く変位しないことから、施錠位置の本体枠施錠フック502と外枠2の係止具501とが衝突し、本体枠施錠フック502が折れ曲がったりする等の事態が生じるが、本実施形態のようにロック状態を解除するようにすれば、本体枠施錠フック502が外枠2に当接する際に、本体枠施錠フック502を解錠側に一旦変位させることができ、本体枠施錠フック502等の破損を抑制することが可能となる。換言すれば、シリンダー錠515を操作することなく、本体筐体3を閉じることが可能となる。
また、本発明では、ロック機構526のロック状態をシリンダー錠515の操作によって解除するためのロック解除機構540が備えられている。このロック解除機構540は、図45に示すように、ロック回動部材528に形成された本体枠用摺接面542及び扉用摺接面543からなる。本体枠用摺接面542は、本体枠用作動杆503を解錠方向にスライドさせるに先立って本体用カム片517が摺接する面であり、本体用カム片517を本体枠用摺接面542に摺接させると(すなわちシリンダー錠515において鍵を時計方向に回動させると)、ロック回動部材528が回動してロック爪部527を本体枠用切欠523及び扉用切欠524から強制的に抜け出させる(図48(b)参照)。同様に、扉用摺接面543は、扉用作動杆507を解錠方向にスライドさせるに先立って扉用カム片519が摺接する面であり、扉用カム片519を扉用摺接面543に摺接させると(すなわちシリンダー錠515において鍵を反時計方向に回動させると)、ロック回動部材528が回動してロック爪部527を本体枠用切欠523及び扉用切欠524から強制的に抜け出させる。つまり、何れの作動杆503,507を解錠方向にスライドさせる場合であっても、その操作に先立ってロック爪部527が二つの切欠523,524から脱出し、作動杆503,507のスライドが可能となる。このように、正規の操作で解錠する場合には、ロック機構526が自動的に解除されることから、作業者等に負担をかけることなく、不正操作を防止することができる。
また、互いに反対方向にスライドする二つの部材、すなわち本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507を、一組のロック機構526でロック状態とし、しかもロック回動部材528への操作によってロック状態を解除することから、比較的簡単な構成で実現できるとともに、ロック機構526の小型化及び薄型化を図ることができる。
ところで、本体用カム片517は本体枠用作動杆503にのみ係合可能であり、扉用カム片519は扉用作動杆507にのみ係合可能であるため、本体用カム片517と扉用カム片519とは、前後方向に位置をずらして互いに干渉しないように配置する必要がある。また、本体用カム片517における解錠操作の方向と、扉用カム片519における解錠操作の方向とは、互いに反対の方向となるが、本体用カム片517が本体枠用摺接面542に摺接した際のロック回動部材528の回動方向と、扉用カム片519が扉用摺接面543に摺接した際のロック回動部材528の回動方向とは同一の方向、すなわちロック爪部527が脱出する方向にしなければならない。
そこで、本実施形態の施錠装置123では、ロック回動部材528に貫通孔部541を穿設するとともに、本体枠用摺接面542を貫通孔部541の内周縁に形成し、扉用摺接面543をロック回動部材528の外周縁に形成することにより、前後方向に離間して配置された本体用カム片517及び扉用カム片519を同じようにロック回動部材528に摺接させることが可能となり、しかも解錠操作の際にロック回動部材528を同じ方向に回動させることが可能になる。
また、ロック操作片530は、本体筐体3を閉じた際に外枠2の壁部Hに当接する当接部531と、ロック回動部材528に対してロック操作片530を軸支する回動軸部532とを備え、ロック爪部527及び当接部531の距離が最大となる延出位置と当該距離が最小となる押込位置との間で回動可能に支持されている。これによれば、外枠2に対して本体筐体3が閉じられると、ロック操作片530の当接部531が外枠2の壁部Hに当接し、ロック回動部材528を押圧する。すなわち、ロック爪部527が本体枠用切欠523及び扉用切欠524に挿入するようにロック回動部材528を回動させる(図47(b)参照)。一方、ロック操作片530は、ロック回動部材528に対して軸支されているため、本体筐体3が閉じられた状態でシリンダー錠515が操作され、本体用カム片517または扉用カム片519がロック回動部材528に摺接すると、ロック操作片530の当接部531を外枠2に当接させたまま、ロック回動部材528が回動する(図48(b)参照)。つまり、ロック操作片530がロック回動部材528に対して相対的に回動し、ロック爪部527及び当接部531間の距離が最大となる延出位置から、当該距離が最小となる押込位置へと変位する。このように、ロック操作片530の当接部531を外枠2に当接させたまま、ロック回動部材528を回動させることが可能になることから、ロック状態の解除操作を円滑に行わせることができる。特に、図43に示すように、ロック機構526は第四弾性部材533(本実施形態では第三弾性部材529と兼用)を備え、ロック操作片530を延出位置側に付勢している。このため、本体筐体3を開くことによりロック操作片530を自動的に延出位置に戻すことができ、その後、本体筐体3が閉じられた際は、ロック回動部材528を押圧してロック爪部527を本体枠用切欠523及び扉用切欠524に挿入させることが可能になる。なお、ロック操作片530を延出位置側に付勢する弾性力は、ロック回動部材528をロック解除側に付勢する弾性力よりも大きいため、ロック操作片530が外枠2に当接した際には、ロック操作片530のみが延出位置から押込位置に変位してしまうことを防止し、ロック回動部材528を確実に回動させる(すなわちロック爪部527を挿入させる)ことが可能となる。また、図45に示すように、当接部531は回転自在に支持されたローラ534を備えているため、ロック操作片530の当接部531を外枠2に当接させたまま、ロック回動部材528を回動させる際に、外枠2に沿って当接部531を滑らかに摺動させることが可能になり、ひいては、ロック回動部材528を解錠方向に回動させる力、すなわちシリンダー錠515における鍵の回転操作力を小さくすることが可能となる。
また、図49に示すように、扉用作動杆507の上部側には、扉用作動杆507が施錠位置から解錠位置にスライドした際(図49(a)の状態から図49(b)の状態に変化した場合)、扉用作動杆507と係合し扉用作動杆507を解錠位置に保持する保持部材545と、保持部材545を扉用作動杆507に係合する方向へ付勢する第五弾性部材546(図41参照)とが備えられている。これによれば、シリンダー錠515における鍵の操作によって扉用作動杆507を一旦解錠位置までスライドさせ、扉形前面部材4を開放させると、保持部材545の爪部545aが扉用作動杆507の係合凹部507bと係合し、その後、鍵から手を放しても、あるいは鍵穴から鍵を抜き取っても、扉用作動杆507を解錠位置に保持することが可能となる。また、保持部材545によって扉用作動杆507が保持状態になると、保持部材545の一部分は装着基部500の前面よりも扉形前面部材4側に突出して配置され、その後、扉形前面部材4が閉鎖位置になると、扉形前面部材4によって保持部材545の先端が押圧され扉用作動杆507の保持状態が解除される(図49(a)参照)。このため、扉形前面部材4を閉じる際には、鍵によって扉用作動杆507の解錠操作及び施錠操作を行わなくても、本体筐体3に対して扉形前面部材4を施錠させることが可能になる。また、扉形前面部材4を閉じる際に、扉施錠フック506が扉形前面部材4の係止具505に衝突することを回避でき、扉施錠フック506や係止具505周辺の破損を未然に防ぐことができる。なお、扉用作動杆507が解錠位置になると、ロック機構526のロック状態が解除されるため、シリンダー錠515における鍵の操作によらなくても本体枠用作動杆503をスライドさせることができる。
一方、図36及び図41に示すように、装着基部500は板金製であり、本体筐体3における自由端側の側枠部550の後面に固定される第一装着部551と、第一装着部551の左側縁から後方に向って略垂直に折り曲げられた第二装着部552と、第二装着部552の後側縁から折り返して曲げられた第三装着部553とを具備して構成されている。つまり、横断面が略L字形になるように形成され、側枠部550に対して垂直となる部分では、間に所定の隙間ができるように2重に形成されている。そして、この隙間に本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507が収容され、第一装着部551にシリンダー錠515が取付けられている。なお、装着基部500には、シリンダー錠515の本体用カム片517及び扉用カム片519と、ロック機構526の一部と、本体枠施錠フック502とを挿通させることが可能な複数の開口部及び切欠が形成されており、装着基部500の内部に収容された本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507に対して装着基部500の外側から操作することが可能になっている。そして、このように、折り返した板金製のフレームの中に本体枠用作動杆503及び扉用作動杆507やその他の機構部が収容されることにより、外部からの操作を抑制し、不正操作をより効果的に防止することが可能になる。
特に、本実施形態では、図42に示すように、第二装着部552の外側には、ロック機構526の周辺を覆う防犯カバー557が設けられており、ロック機構526に対する外部からの不正操作を阻止し防犯性をさらに高めている。
なお、装着基部500の第一装着部551が本体筐体3の側枠部550の後面に固定されるため、扉施錠フック506は、側枠部550を貫通して配設される。つまり、側枠部550には、扉施錠フック506及び保持部材545と対向する部分に開口部555が形成されている。ただし、扉施錠フック506に対向する開口部555は、扉施錠フック506よりも大きく開口しており、扉形前面部材4において係止具505として形成された突出引掛部556を挿入させることが可能となっている。つまり、図3に示すように、突出引掛部556は、扉形前面部材4の裏面周縁部分に設けられた補強金属枠101から後方に突出して形成されており、扉形前面部材4が閉鎖位置になると、側枠部550の開口部555に挿入し扉施錠フック506を係止させることが可能になる。このように、扉施錠フック506が本体筐体3の側枠部550から突出するのではなく、扉形前面部材4の係止具505が扉施錠フック506を迎えに行くように開口部555に挿入されることから、扉施錠フック506に対する外部からの不正操作、例えばピアノ線等を引掛けて操作することを一層困難にし防犯性を向上させることができる。
以上、本実施形態の球投入回胴マシン1の物理的構造について説明した。かかる構造を具備した球投入回胴マシン1によれば、貯留皿体20が操作盤6とは別部材で構成され操作盤6の下方の位置から遊技者側に突出して形成されているため、リラックスした状態で投入操作部や遊技操作部を操作させることが可能となる。また、貯留皿体20が一皿構造であることから、貯留皿体20及び操作盤6の配置位置が全体的に低くなり、演出表示装置15を視認性のよい適切な位置に配置することが可能となる。
また、貯留皿体20の上に操作盤6が配置され、その操作盤6が遊技者側に突出しているが、操作盤6と貯留皿体20との間に隙間21が設けられていることから、貯留皿体20に貯留された遊技球、または貯留皿体20によって案内される遊技球を視認させることが可能になり、貯留の有無、または貯留されている遊技球の量を容易に把握させることができる。特に、隙間21の大きさが略1.5cm以上であることから、操作盤6と貯留皿体20との隙間21から指を挿入することが可能となり、隙間21を通して遊技球を視認し難い場合であっても、指を挿入して遊技球の存在を確認することが可能になる。また、貯留皿体20において球詰まりが生じた場合であっても、容易に対処することが可能になる。しかも、隙間21の大きさは略4cm以下であることから、操作盤6と貯留皿体20との間に遊技者の拳が入ることを抑制でき、ひいては、貯留皿体20に連通する遊技球取込装置19に対しての不正行為を抑制することができる。
また、操作盤6が貯留皿体20よりも遊技者側に突出しているか、または、同等の突出量となっているため、遊技操作部等を操作盤6の前面に配置した場合であっても、貯留皿体20に触れることなく、遊技操作部等を操作することが可能となる。つまり、操作盤6と貯留皿体20とを近接して配置した場合であっても、操作性の低下を抑制することができる。
また、貯留皿体20を、貯留部25と通路部26とに分けて構成することにより、貯留部25では比較的多くの遊技球を貯留し、通路部26では遊技球取込装置19に向って遊技球を円滑に流下させることが可能になる。また、通路部26の下流側は、閉鎖部材28によって上面が閉鎖されているため、遊技球取込装置19に対する不正行為を一層確実に防止することができる。なお、貯留皿体20に球視認窓29が形成されているため、通路部26を転動する遊技球を容易に視認させることが可能となる。特に、球視認窓29が貯留皿体20の前面部分に形成されているため、隙間から覗き込むような姿勢をとることなく、遊技を行いながら自然な形で視認させることが可能となる。
また、貯留部25の上方には操作盤6が配置されないため、貯留部25での貯留状態を上方または斜め上方から容易に視認させることが可能となる。つまり、通路部26で転動する遊技球を視認することが困難であっても、少なくとも遊技球の貯留状態だけは明瞭に認識させることで、遊技球(賞球)の払出しを視認することによる遊技機本来の面白みを維持することができる。貯留部25の上方の開放空間30に遊技状態ランプ31が配設されているため、遊技状態ランプ31の発光状態によって遊技状態を確認しつつ、遊技球の貯留状態を視認することができる。したがって、遊技状態ランプ31を一層注目させることが可能になり、遊技球の払出し状況と関連付けて遊技状態の変化を認識させることができる。
また、操作盤6の上面が平面であることから手を安定した状態で載せることが可能となる。また、投入操作部と遊技操作部とが操作盤6の上面と前面とに分けて配置されることから、投入操作部と遊技操作部とを左右方向に離間しない状態で配置することが可能となり、操作盤6の上に載せた手を移動させることなく、全ての操作部を順に操作させることも可能となる。
また、遊技中に操作することの少ない貸出精算操作部36を貯留皿体20の下方、すなわち扉形前面部材4の下端近傍に配置することにより、遊技の邪魔になることなく設けることができる。また、扁平突出部35は遊技者側に突出して形成されているため、貯留皿体20の近傍に配置した場合でも、容易に操作することが可能となる。特に、遊技者側に向って下り勾配となった傾斜面37に、貸出精算操作部36が配置されているため、貸出精算操作部36は斜め上向きとなり、容易に操作することができる。
また、貸出精算操作部36の周辺に電飾部38が設けられ、遊技状態に基づいて発光させることから、貸出精算操作部36の所在を遊技中において目立たせることができ、精算等の際に、貸出精算操作部36の所在を確認するという手間が軽減され、使い勝手を高めることができる。
また、遊技球払出装置18と貯留皿体20との間に機内タンク39が介装されているため、貯留皿体20を一皿構造としたことによる容量不足を補うことができ、貯留皿体20から遊技球が溢れないように頻繁に抜き取ったり、あるいは遊技球の投入が断続的となったりすることを防止できる。
さらに、図柄変動表示装置13よりも演出態様の多様化を図ることが可能な演出表示装置15を、扉形前面部材4の略中央部分、すなわち遊技者にとって視認性のよい適切な位置に配置したことにより、扉形前面部材4を一層注目させるとともに、演出態様の変化を楽な姿勢で楽しませることができる。特に、演出表示装置15を視認させるための表示装置用窓部16が、図柄変動表示装置13を視認させるためのドラム用窓部14よりも大きいため、演出表示装置15における演出を大画面で導出させることができ、ひいては迫力があり且つ臨場感のある演出を提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、扉形前面部材4の中央部分に演出表示装置15を配置し、扉形前面部材4の上部側に小型の図柄変動表示装置13を配置するものを示したが、これとは逆に、扉形前面部材4の中央部分に比較的大型の図柄変動表示装置を配置し、扉形前面部材4の上部に演出表示装置を配置するようにしてもよい。このように構成した場合には、図柄変動表示装置を視認性のよい適切な位置に配置することが可能となる。特に、図柄変動表示装置では図柄リールを適切な位置で停止させる、所謂「目押し」操作が行われるため、視認性をよくすることにより遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、図柄変動表示装置13を扉形前面部材4に装着するものを示したが、図柄変動表示装置13を本体筐体3内に収容し、扉形前面部材4に形成された窓部を通して視認させるようにしてもよい。
[球投入回胴マシンの内部構成]
図50は、球投入回胴マシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。球投入回胴マシン1は遊技の進行を統括的に制御するための主制御基板400を有しており、この主制御基板400にはCPUをはじめROM、RAM、入出力インタフェース(入力制御回路および出力制御回路)等が実装されている。
まず、主制御基板400は、遊技球取込装置19および図柄変動表示装置13と接続されて、これらの遊技球取込装置19および図柄変動表示装置13の動作を制御する。また、前述したベットボタン7,8やスタートレバー9、リール停止ボタン10等はいずれも主制御基板400に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号を主制御基板400に出力することができる。
具体的には、主制御基板400は、遊技球取込装置19に制御信号を送信して、遊技球取込装置19に遊技者が投入した遊技球を取り込ませる。そののち、スタートレバー9が操作されると前述した図柄変動表示装置13を始動させる(各図柄リール301a,301b,301cの回転を開始させる)操作信号が主制御基板400に出力され、リール停止ボタン10a,10b,10cが操作されると、図柄リール301a,301b,301cをそれぞれ停止させる操作信号が主制御基板400に出力される。
ここで、遊技球取込装置19は、先述の駆動モータ、近接スイッチ59,60、カウントスイッチ57,58、球抜弁検出器56、角度検出用フォトスイッチなどを備えており、主制御基板400の制御によって、後述する遊技球の取込に関する各種処理が実行されるが(図70〜図74参照)、詳細は後述する。
なお、以下では必要に応じて、図柄リール301a,301b,301cをそれぞれ左リール301a,中リール301b,右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン10a,10b,10cを左リール停止ボタン10a,中リール停止ボタン10b,右リール停止ボタン10cと呼ぶ。
そして、図柄変動表示装置13は図柄リール301a,301b,301cをそれぞれ回転させるためのリールモータ321を備えている(左リールモータ321a、中リールモータ321b、右リールモータ321c)。このリールモータ321はステッピングモータからなり、それぞれの図柄リール301a,301b,301cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓14にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。
また、各図柄リール301a,301b,301cの回転に関する基準位置を検出するためのフォトセンサ(位置センサ)325を有している。すなわち、各図柄リール301a,301b,301cにはそれぞれ位置センサ325a,325b,325cがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ325a、中リール位置センサ325b、右リール位置センサ325c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)が主制御基板400に入力されることで、主制御基板400では各リールの停止位置情報を得ることができる。
一方、主制御基板400からは、図柄変動表示装置13や遊技球払出装置18に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リールモータ321a,321b,321cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号が主制御基板400から出力される。また遊技球払出装置18には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種類に応じて主制御基板400から払出制御基板402に駆動信号が送信され、これを受けて遊技球払出装置18は賞球の払い出し動作を行う。上記以外に、遊技球を払出す場合があり、これは、取込を完了した遊技球がある状態で球抜きつまみ11が操作されてゲームのキャンセル操作が行われた場合である。この場合も主制御基板400は払出制御基板402に駆動信号を送信して遊技球を遊技者に返却する。
また、払出制御基板402は、CR度数表示基板上の球貸しボタンを遊技者が操作することにより、公知のCRサンドから球貸し指令が発生し、この指令に基づいて貸し球を遊技球払出装置18から遊技者に払出す。
ところで、球投入回胴マシン1は、主制御基板400の他にサブ基板360を備えており、このサブ基板360にはCPUやROM、RAM、入出力インタフェース(入力制御回路および出力制御回路)、VDP(Video Display Processor)などが備えられるほか、AMP(オーディオアンプ)、音源IC等も実装されている。そして、サブ基板360は主制御基板400から一方向のコマンドを受信することによって、内蔵するVDPを用いて演出表示装置15で演出を行い、左右スピーカ130から効果音を発生する。また、サブ基板360はランプ駆動基板363にシリアル信号でコマンドを送信し、ランプ駆動基板363は各種ランプの電飾を制御する。
なお、主制御基板400に、球投入回胴マシン1を遊技場のホールコンピュータに接続するための外部中継端子板を設けるようにしてもよい。このときは、外部中継端子板が、主制御基板400から送信される各種信号(球投入信号や賞球払出信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータに中継する役割を担う。
以上、球投入回胴マシン1の内部構成例を説明した。かかる構成を有する球投入回胴マシン1によるゲームは、遊技者がベット数を決定した状態でスタートレバー9を操作すると各図柄リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン10a,10b,10cを操作すると、対応する各図柄リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全ての図柄リール301a,301b,301cが停止すると、後述する有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数の賞球が付与される。なお、本実施形態では、遊技者によりベット数が決定されるが、近年では、MAXベットされることがゲームの始動条件とされている場合が多い(即ち15個の遊技球が取り込まれなければゲームが始動しない)。
以下では、上記の球投入回胴マシン1によって行なわれるゲームの遊技性を、より特徴的に具現化するための構造および制御について、より詳細に説明する。
[各リールの図柄、図柄列]
各図柄リール301a,301b,301cには、図51に示すように、複数種類(この図では、合計9種類のうちいずれか)の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から14番までで示した合計14個の図柄)が表記された各リール帯(図柄帯)381a,381b,381cが付されている。図51では、各図柄リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯381a,381b,381cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各図柄リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄がドラム用窓部14(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓14として統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図52参照)。
また、図柄の種類には、図51に示すように、「赤7」図柄(以下では赤7図柄といい、リール帯381a,381b,381cそれぞれの配列番号11番の3つが該当する)、および、「白7」図柄(以下では白7図柄といい、リール帯381cの配列番号2番が該当する)があり、これらは他の図柄に比べて大きい。また、「赤7」図柄は内側が赤で塗りつぶされており、「白7」は内側が白で塗りつぶされている。このように、赤7図柄および白7図柄を他の図柄に比べて大きく且つ比較的目立ちやすい色が施されていることから、他の図柄に比べて視認しやすくなっている。
また、「キャラクタ「S男」を形どった図柄、以下ではS男図柄という」(例えば、リール帯381aの配列番号1番等)、「キャラクタ「M子」を形どった図柄、以下ではM子図柄という」(例えば、リール帯381aの配列番号3番等)、「キャラクタ「E男」を形どった図柄、以下ではE男図柄という」(例えば、リール帯381aの配列番号4番等)、「キャラクタ「H男」を形どった図柄、以下ではH男図柄という」(例えば、リール帯381aの配列番号5番等)、「キャラクタ「I男」を形どった図柄、以下ではI男図柄という」(例えば、リール帯381bの配列番号1番等)、「キャラクタ「M男」を形どった図柄、以下ではM男図柄という」(例えば、リール帯381bの配列番号2番等)、「キャラクタ「T子」を形どった図柄、以下ではT子図柄という」(例えば、リール帯381bの配列番号3番等)、がある。
以上のように各リール帯381a,381b,381cに表記される図柄の種類は合計9種類となっている。そして、リール帯381aには5種類(S男、M子、E男、H男、赤7)、リール帯381bには4種類(I男、M男、T子、赤7)、リール帯381cには6種類(S男、白7、E男、M子、H男、赤7)の図柄が表記されている。
[有効ライン]
図52は、図柄表示窓14を拡大したところを示している。図柄表示窓14からは、各図柄リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」、「中段(または中段位置)」、「下段(または下段位置)」という。
上記のことから、図柄表示窓14内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。本実施形態の球投入回胴マシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より、図柄表示窓14内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
また、先述したように、扉形前面部材4の前面における遊技状態ランプ31には、各種遊技に関する状態を報知するための各種ランプが備えられている、そして、後述する図54に示すように、遊技状態ランプ31のうちで最も上方に位置する3つのLED(図中に示す符号602a,602b,602c)が、遊技球の投入数(すなわち、ベット数)を表示するための遊技球投入数表示ランプ602である。遊技球投入数表示ランプ602の各々は、それぞれベット数(すなわち、投入した遊技球の個数に応じた掛け数)に対応しており、詳細には、遊技球投入数表示ランプ602aは1ベット(遊技球投入数は5個)、遊技球投入数表示ランプ602bは2ベット(遊技球投入数は10個)、遊技球投入数表示ランプ602cは3ベット(遊技球投入数は15個)、にそれぞれ対応している。
そして、ベット数に応じて有効となる並び(直線型)が、予め決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓14内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄が一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このような場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断される。
次に、ベット数に対応する有効ライン、および、有効ラインの数についての一般的事項を説明する。1ベットに対応する有効ラインは、各リールの中段位置を繋いだ「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)のみである。これを「1BETライン」という。
2ベットでは、前述の1BETラインのほかに、各リールの上段位置を繋いだ「上段−上段−上段」となる並びの有効ライン622a(上段ライン622a)、および、各リールの下段位置を繋いだ「下段−下段−下段」となる並びの有効ライン622b(下段ライン622b)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この上段ラインと下段ラインの2つの有効ラインのことをまとめて「2BETライン」という。従って、2ベットの場合は合計で3つ有効ラインがあることになる。
3ベットでは、前述の1BETライン、2BETラインのほかに、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623b(右下がりライン623b)、および、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623a(右上がりライン623a)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この右上がりラインと右下がりラインの2つの有効ラインのことをまとめて「3BETライン」という。従って、3ベットの場合は合計で5つ有効ラインがあることになる。
上記は一般的な回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記のような直線型の並びに限られることはない。さらに、上記のようにベット数が増えるごとに対応する有効ラインを増やす態様に限られない。以下では、本実施形態の球投入回胴マシン1の有効ラインについて、図53を用いて具体的に説明する。図53は、本実施形態の球投入回胴マシンの有効ラインを説明するための図である。
本実施形態の球投入回胴マシン1では、掛け数は3ベット(MAXベット)のみとする。そして、図53(a)に示すように、図柄表示窓14内で「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623b(右下がりライン623b)と、図53(b)に示すように、図柄表示窓14内で「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623a(右上がりライン623a)と、を有効ラインに含んでいる。従って、球投入回胴マシン1では、上記以外のライン(中段ライン621、上段ライン622a、下段ライン622b)は有効ラインに含まれない。
さらに、本実施形態の球投入回胴マシン1では、直線型の有効ラインとは異なる変則型の有効ラインをも有している。この変則型の有効ラインは、図53(c)に示すように、図柄表示窓14内で「上段−中段−上段」となるV字型の並びの有効ライン624a(V字型ライン624a)、および、図53(d)に示すように、図柄表示窓14内で「下段−中段−下段」となる逆V字型の並びの有効ライン624b(逆V字型ライン624b)、である。
このように、本実施形態の球投入回胴マシン1では、2パターンの直線型の有効ライン(右下がりライン623b,右上がりライン623a)と、2パターンの変則型の有効ライン(V字型ライン624a,逆V字型ライン624b)と、の計4パターンの有効ラインを有している。
これにより、入賞役に対応する図柄の組み合わせが所謂バラケ目(図柄組み合わせが異なる図柄で構成される目)であったとしても、遊技者が入賞役を把握することが可能となる。入賞役に対応する図柄に組み合わせが所謂バラケ目であると入賞したか否かを把握し難くなるものの、いずれか一の列については上段、中段および下段のうち一つの段に表出された図柄のみが有効化され且つ有効組み合わせも4通りなので、入賞役を把握する意思が遊技者にあれば把握することが可能である。また、全ての図柄リール301a〜301cについて図柄表示窓14内の上段、中段および下段の全ての段に図柄が一つずつ表出されるにもかかわらず一部が無効化されるので、各図柄リール301a〜301cの回動の停止制御が複雑とならず、制御負荷が徒に高められることもない。
なお、有効ラインは、上記のラインに限られない。例えば、有効ラインが、左右方向に並べて配置された三列の図柄リール301a〜301cのうちいずれか一の列については上段、中段および下段のうちいずれか一つの段に表出された図柄を必ず通過し、且つ、他の二つの列については上段、中段および下段から選ばれた二つの段のうちいずれかの段に表出された図柄を通過するようにしても良い。これによると、有効ラインは4パターンとなり、「下段−上段−下段」となる角度が相対的に小さいV字型の並びのライン(図示せず)、および、「上段−下段−上段」となる角度が相対的に小さい逆V字型の並びのライン(図示せず)も、有効ラインとなりうる。
また、有効ラインが通過する位置に表出される位置を有効位置と称すると、上記一の列については、上段、中段および下段のうちいずれか一つの段が有効位置となり(つまり、当該一の列上の有効位置は1つのみである)、当該一の列を除く他の二つの列については、上段、中段および下段のうち二つの段が有効位置となる。これにより、いずれの入賞役に対応する図柄組み合わせが導出されたとしても、上記一の列については有効位置が一つであるから、当該入賞役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は必ず当該有効位置に表出されることとなる。
このような場合であっても、入賞役に対応する図柄の組み合わせが所謂バラケ目であったとしても、入賞役を把握する意思が遊技者にあれば把握することが可能である。また、全ての図柄リール301a〜301cについて図柄表示窓14内の上段、中段および下段の全ての段に図柄が一つずつ表出されるにもかかわらず一部が無効化されるので、図柄リール301a〜301cの回動の停止制御が複雑とならず、制御負荷が徒に高められることもない。
[遊技状態表示部]
次に。先述の遊技状態ランプ31には、球投入回胴マシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類などの表示器が設けられている。そして、これらの表示器が配置された領域が、遊技者が球投入回胴マシン1に関する各種状態を把握するための遊技状態表示部を構成する。なお、遊技状態ランプ31(遊技状態表示部)における各種表示器の点灯(あるいは点滅)制御は、図示外の遊技状態表示基板によって実行される。
図54に示すように、遊技状態ランプ31には、先述の遊技球投入数表示ランプ602の他に、エラー表示ランプ604、打止表示ランプ605、サービスゲーム表示ランプ606、遊技開始表示ランプ608、遊技球投入表示ランプ610、および、遊技球払出表示ランプ612、がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでの賞球の累計払い出し個数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラー表示ランプ604は、球投入回胴マシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
打止表示ランプ605は、図示外の打止めスイッチがONにセットされており、ボーナスゲームが終了した後に遊技球の投入を受け付けない打止め状態となったときに、その打止め状態の発生を遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
サービスゲーム表示ランプ606は、ゲーム結果がサービス役(後述する)となった場合に、サービスゲームができることを遊技者に知らせる役割を持っている。なお、本実施形態のサービスゲームは、遊技球取込装置19から遊技球が取り込まれるものの、当該取り込まれる遊技球数が1ベットに満たない半端数量(具体的には、1ベットに相当する5個の遊技球よりも少ない遊技球であって、本実施形態では1個)の遊技球が取り込まれて実行できる次のゲームである。
遊技開始表示ランプ608は、ベット数がMAXベットに達して図柄変動表示装置13が作動可能な状態となったときに点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者にスタートレバー9の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
遊技球投入表示ランプ610は、遊技球の投入が受付可能な状態のときに点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベット(すなわち、遊技球の投入)を促す役割を持っている。
遊技球払出表示ランプ612は、ゲーム結果に伴う賞球の払い出しがある場合に、その賞球の払い出し中に点灯(あるいは点滅)することにより、遊技者に賞球の払い出しが行なわれていることを知らせる役割を持っている。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、球投入回胴マシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせについて、図55を用いて具体的に説明をする。図55は、球投入回胴マシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典(払い出し球数等、以下では遊技特典という)を示したものである。なお、この図55は、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明を表記したもの)として表示パネル等に表記するものとしてもよい。
前述したとおり、各図柄リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯381a,381b,381cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓14内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓14内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全ての図柄リール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓14内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓14内で前述の有効ラインのいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。すなわち、球投入回胴マシン1では有効ラインは4つ(4つのライン)ということになる(複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓14内に表示されない)。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示されることを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは、当選役図柄が揃うと称する。
球投入回胴マシン1の図柄には、「赤7図柄」、「白7図柄」、「S男図柄」、「M子図柄」、「E男図柄」、「H男図柄」、「I男図柄」、「M男図柄」、「T子図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」および「白7図柄」は、他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「赤7図柄」は、各図柄リール301a,301b,301cに1つしかなく、加えて色彩も赤と他の図柄に比べて視認しやすい。また「白7図柄」は右リール301cのみにしかなく、しかもその数は1つである。また、加えて色彩も白であることから、他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄に過ぎないものであるが(図柄1つだけでは当選役に対応しない。ただし、後述するとおり、当選役がチェリーの場合は図柄一つだけで当選役に対応する)、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。以下、図55に示された各当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
[ビッグボーナス、レギュラーボーナス]
図55に示すように、BBと示されている当選役が、ビッグボーナス(以下ではBBと呼称する)である。このBBには、対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が予め決められている。つまり、全て「赤7図柄」からなる図柄の組み合わせが1つの有効ライン上に揃うと、BB図柄が揃ったということになる。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲームは、賞球の獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、規定個数の賞球(例えば、1400個)を払い出すまで継続して実行される。払い出された賞球が規定個数分に到達すると(あるいは規定個数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、この球投入回胴マシン1では、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、賞球は付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を果たすことになる。また、BB図柄は各図柄リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図51参照)、BB図柄を図柄表示窓14内に正確に狙って(後述する引き込む制御可能な範囲で)停止操作(リール停止ボタン10a,10b,10cを押す操作)を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
よって、遊技者の「目押し」の技量が高ければ(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓14内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとなる。一方、遊技者の「目押し」の技量が低ければ(主に遊技に未熟な遊技者等、遊技の熟練度が低い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓14内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとはならない(困難であるといえる)。
さらに、BBゲームが終了すると、後述の第3サービス状態(後述の図58(d)に示される当たり値判定テーブル(ST3)に基づいて行われる遊技状態)という遊技特典が付与される(詳細は後述する)。この第3サービス状態では、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するものである(例えば、所定の当選役に一定期間当選しやすくなるなど)。すなわち、BB図柄が揃うと、BBゲームで賞球を獲得できることに加えて、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらに賞球を多く獲得できる等)が付与されるということになる。
また、RBと示されている当選役は、レギュラーボーナス(以下ではRBと呼称する)である。RB図柄が揃ったときの図柄の組み合わせ態様は「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」となっている。
RB図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RBゲームという)という遊技特典が付与される。このRBゲームは、賞球の獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、BBゲームが実行される場合よりも少ない規定個数の賞球(例えば、525個)を払い出すまで継続して実行される。払い出された賞球が規定個数分に到達すると(あるいは規定個数を超えた場合としてもよい)、RBゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RBゲームを終了させるものとしてもよいし、あるいは、規定個数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、のいずれかの条件が満たされた場合にRBゲームを終了させるものであってもよい。また、RBゲームが規定のゲーム回数(例えば12回)に到達するか、当該RBゲーム期間中に規定の入賞回数に到達するか(例えば、何れかの当選役に7回当選する等)、のいずれかの条件が満たされた場合にRBゲームを終了させるものであってもよい。
RB図柄が揃った場合も当該ゲームでは賞球の付与はされず、RBゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各図柄リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図51参照)、目押しが必要な図柄となる。
さらに、RBゲームが終了すると、後述の第4サービス状態(後述の図59(a)に示される当たり値判定テーブル(通常)に基づいて行われる遊技状態)という遊技特典が付与される(詳細は後述する)。この第4サービス状態も、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態(例えば、所定の当選役に一定期間当選しやすくなるなど)が継続するといった点において、BBゲームの終了後に付与される第3サービス状態と同様である。すなわち、RB図柄が揃うと、RBゲームで賞球を少量獲得したうえで、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらに賞球を多く獲得できる等)が付与されるということになる。
このように、球投入回胴マシン1ではBBゲーム、RBゲームという2つのボーナスゲームにより遊技者が賞球を集中して獲得できる機会が設けられている。ただし、遊技者が大量の賞球を獲得することが可能なものはBBゲームだけである。また、球投入回胴マシン1では、1回のゲームで払い出される賞球の最大個数(例えば、75個)が予め決められており、1回のゲーム結果として払い出される賞球の個数はこの最大個数を超えないものとなっている。このことから、RBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能な賞球は、1回のゲームで獲得可能な最大個数(75個)に比べれば多いものの、BBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能な賞球に比べると相当に少なくなっている(約1/3程度)。
[サービス役(サービス役1、サービス役2)]
図55に示すように、サービス役1(サービス1)と示されている当選役には、対応する図柄(サービス役1図柄)の組み合わせ態様として「H男図柄−I男図柄−H男図柄」が予め決められている。
サービス役1図柄が揃うと、サービスゲームという遊技特典が付与される。このサービスゲームでは、遊技球が取り込まれるものの1球の遊技球が取り込まれるだけで、通常ゲームと同等のゲームを次回のゲームとして実行できる。その場合の有効ライン数は、遊技者にゲームをサービスするといった観点から、常に最大有効ライン数であることが好ましい。ただし、サービス役1の図柄が揃った当該ゲームの有効ライン数と同じとしても良い。また、その他任意の有効ライン数としても良い。
また、サービス役2(サービス2)と示されている当選役には、対応する図柄(サービス役2図柄)の組み合わせ態様として「H男図柄−T子図柄−H男図柄」が予め決められている。
サービス役2図柄が揃ったときも、サービス役1図柄が揃ったときと同様に、サービスゲームという遊技特典が付与される。このサービスゲームでも、遊技球が取り込まれるものの1球の遊技球が取り込まれるだけで、、通常ゲームと同等のゲームを次回のゲームとして実行できる。その場合の有効ライン数は、常に最大有効ライン数であることが好ましい。ただし、サービス役2の図柄が揃った当該ゲームの有効ライン数と同じとしても良い。また、その他任意の有効ライン数としても良い。
ここで、サービス役1図柄が揃った場合には、サービスゲームが行なわれてもその後の遊技状態を変化させることがなく、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。一方、サービス役2図柄が揃ってサービスゲームが行なわれたのちは、当選役としてのサービス役2図柄が揃ったとき(サービス役2に当選したとき)の遊技状態によっては、第1サービス状態(後述の図58(b)に示される当たり値判定テーブル(ST1)に基づいて行われる遊技状態)に移行する場合がある(詳細は後述する)。このように、2種類のサービス役(サービス役1およびサービス役2)は、次回のゲームをサービスゲームとして実行できる点において同様であるものの、その後に第1サービス状態に移行するか否かといった点で存在意義が異なっている。
なお、本明細書において、「当選」は抽選に当選したことを意味し、当該抽選に当選したことを条件に、当該当選役図柄が有効ライン上に揃うこととなる。ただし、上述の「目押し」に失敗すると、たとえ抽選に当選したとしても当該当選役図柄が有効ライン上に揃わない場合がある。
なお、本実施形態では、上記のように当選種別としての「サービス役」に2種類(サービス役1およびサービス役2)を設けているため、以下では、単に「サービス役」と称するときは、サービス役1およびサービス役2の両方を指すものとする。
このように、サービス役図柄が揃った際にも賞球は付与されず、サービスゲームが付与される機会が増加するサービス状態へ移行する契機としての役割を持たせている。このサービスゲームの遊技特典の特徴は、遊技球取込装置19により球投入回胴マシン1の内部に遊技球が1球取り込まれるだけで次回のゲーム(当該次回のゲームがサービスゲームに相当する)を実行できる点である。すなわち、遊技球取込装置19により球投入回胴マシン1の内部に遊技球が取り込まれるものの、1ベットの遊技球が取り込まれることなく新たなゲームが実行できる。なお、サービスゲームは、1ベットの遊技球が取り込まれることなく実行できるものの、実行されるゲームは、3ベットの遊技球が取り込まれたときと同じゲーム(即ち後述する通常ゲーム)である。ここで、サービスゲームが行われるために必要な遊技球数は1球であるが、1球に限られず、1ベット未満(即ち5球未満)の遊技球数であれば良い。
また、サービス役は賞球の払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、球投入回胴マシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費する遊技球の量(サービスゲーム期間中に消費する遊技球数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、サービス役という当選役を設けることで、ゲーム進行における過剰な遊技球の消費を抑える役割を持たせることができる。
また、各図柄リール301a,301b,301cにサービス役図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、サービス役図柄からサービス役図柄までの間に配置する他の図柄(サービス役図柄とは異なる種類の図柄のこと)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、サービス役図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[ベル(ベル1、ベル2)]
図55に示すように、ベル1と示されている当選役には、対応する図柄(ベル1図柄)の組み合わせ態様として「M子図柄−T子図柄−M子図柄」が予め決められている。
ベル1図柄が揃うと、規定個数(例えば、25個)の賞球の払い出しが行われる。このときの賞球の払い出しは当該ゲームが終了したときに行われる。つまり、ベル1図柄が揃うと25個の賞球の払出しという遊技特典が付与される。
また、ベル2と示されている当選役には、対応する図柄(ベル2図柄)の組み合わせ態様として「M子図柄−I男図柄−M子図柄」が予め決められている。
ベル2図柄が揃ったときも、ベル1図柄が揃ったときと同様に、規定個数(例えば、25個)の賞球の払い出しが行われる。このときの賞球の払い出しも当該ゲームにて行われる。つまり、ベル2図柄が揃うと25個の賞球の払出しという遊技特典が付与される。
ここで、ベル1図柄が揃った場合には、25個の賞球の払出しが行なわれてもその後の遊技状態を変化させることがなく、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。一方、ベル2図柄が揃って25個の賞球の払出しが行なわれたのちは、当選役としてのベル2図柄が揃ったとき(ベル2に当選したとき)の遊技状態によっては、第2サービス状態(後述の図58(c)に示される当たり値判定テーブル(ST2)に基づいて行われる遊技状態)に移行する場合がある(詳細は後述する)。このように、2種類のベル(ベル1およびベル2)は、25個の賞球の払い出しといった遊技特典が付与される点において同様であるものの、その後に第2サービス状態に移行するか否かといった点で、存在意義が異なっている。
なお、本実施形態では、上記のように当選種別としての「ベル」に2種類(ベル1およびベル2)を設けているため、以下では、単に「ベル」と称するときは、ベル1およびベル2の両方を指すものとする。
このように、ベルはゲームを進めるうえで持ち球の増加を期待できたり、遊技球の消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、ベルに当選する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけで持ち球を増加させることが可能となってしまい(BBやRBに当選しなくとも持ち球が増加してしまう虞がある)、球投入回胴マシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度の賞球を獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。これらのことから、ベルという当選役には、ゲーム進行の中で遊技者が持ち球を大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、サービス役に比べて当選確率を低く抑えている。従って、ベル図柄についても、前述のサービス役図柄と同様、各図柄リール301a,301b,301cに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[スイカ]
図55に示すように、スイカと示されている当選役には、対応する図柄(スイカ図柄)の組み合わせ態様として「E男図柄−I男図柄−E男図柄」が予め決められている。
スイカ図柄が揃うと、ベル図柄が揃った場合よりも多い規定個数(例えば、45個)の賞球の払い出しが行われる。このときの賞球の払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、スイカ図柄が揃うと45個の賞球の払出しという遊技特典が付与される。すなわち、スイカ図柄が揃った場合には、45個の賞球の払出しが行なわれてもその後の遊技状態を変化させることがなく、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。
スイカについても、前述のベルと同様に、ゲームの進行の中で遊技者が持ち球を大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、サービス役に比べて当選確率を低く抑えている。さらに、スイカは、ベルと比べて賞球の払い出しが多く、かつ、後述するようにボーナスとの重複割合が高いことから、ベルに比べて当選確率を低く抑えている。従って、スイカ図柄についても、前述のサービス役図柄等と同様、各図柄リール301a,301b,301cに満遍なく配置する(この場合は、スイカ図柄からスイカ図柄までの間に配置する他の図柄を1個から最大4個までとする)ことにより、スイカ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[チェリー]
図55に示すように、チェリーと示されている当選役には、対応する図柄(チェリー図柄)が予め決められている。また、チェリー図柄については、「ANY−M男図柄−ANY」というように、有効ライン上にチェリー図柄が1つ停止するだけで(この例では、中リール301bの中段に停止するのみで)、チェリー図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY」とはいずれの図柄でもよいことを示す。そして、チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定個数(例えば、15個)の賞球の払い出しが行われる。
従って、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、賞球の払い出しは全てのリール停止後に行われる。なお、本実施形態の球投入回胴マシン1では、上記でいう「少なくとも1つのリール」を中リール301bとしている。
ここで、本実施形態では、先述した有効ライン(図52参照)から明らかなように、4つの有効ライン(623a,623b,624a,624b)の全てが、中リール301bにおける有効ライン判定位置を「中段」としている。そのため、チェリー図柄が揃った場合(つまり、M男図柄が中リール301bの中段に停止表示された場合)には、当該チェリー図柄は必ず4つの有効ライン上に重複して揃ったことになる。従って、このときの払い出し個数は、
[ 15個(チェリーの払い出し個数)×4(有効ライン数)=60個 ]
となる。つまり、チェリー図柄が揃うと60個の賞球の払い出しという遊技特典が付与される。
チェリーについても、前述のベルおよびスイカと同様に、ゲームの進行の中で遊技者が持ち球を大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、サービス役に比べて当選確率を低く抑えている。さらに、チェリーは、ベルやスイカなどの他の小役と比べて賞球の払い出しが最も多く、かつ、後述するようにボーナスとの重複割合が極めて高いことから、全ての小役のなかで最も当選確率を低く抑えている。
そして、本実施形態では、チェリー図柄については、前述のサービス役図柄等とは異なり、各図柄リール301a,301b,301c(特に中リール301c)に偏った配置とすることにより、目押しをしなければ確実に揃えることができない図柄としている。具体的には、図51に示すように、チェリー図柄を中リール301cのみに、しかもこの中リール301cに1つだけ配置するようにすることで、目押しをしなければ揃えることが困難となっている。なお、チェリー図柄を目押しが必要な図柄とするために、各図柄リール301a,301b,301cにおいて、チェリー図柄からチェリー図柄までの間に配置する他の図柄の個数を、後述する図柄の引き込み可能な範囲を超えた個数としてもよい。
これらのことから、チェリーは、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に当該チェリー図柄が表示されれば揃ったと判定される当選役であり、なおかつ、最大個数の払い出しのある当選役であることになる。
また、前述したベル、スイカおよびチェリーはいずれも賞球の払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「小役」と呼ぶ。
なお、本実施形態の球投入回胴マシン1では、ベル、スイカおよびチェリーを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けることもできる。例えば、ベル図柄、スイカ図柄およびチェリー図柄とは異なる種類の図柄を設けて、これに対応する賞球の払い出し個数(規定個数)を異ならせて上記の小役と区別したり、あるいは各図柄リール301a,301b,301cの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[ボーナス専用役]
さらに、図55に示すように、BBゲーム(及びRBゲーム)中のみ有効となる当選役としてボーナス専用役がある。このボーナス専用役に対応する図柄(ボーナス専用役図柄)の組み合わせ態様は「E男図柄−T子図柄−E男図柄」が予め決められている。
BBゲーム(以下ではRBゲームも含める)中にボーナス専用役図柄が揃うと、規定個数(例えば、75個)の賞球の払い出しが行われる。このときの賞球の払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ボーナス専用役図柄が揃うと75個の賞球の払出しという遊技特典が付与される。つまり、ボーナス専用役は、BBゲーム中限定の小役ともいえる。そして、BBゲーム中はこのボーナス専用役を揃いやすくすることにより、賞球の獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行することができる。従って、ボーナス専用役図柄の組み合わせを構成する各図柄(E男図柄−T子図柄−E男図柄)も前述のとおり各図柄リール301a,301b,301cに満遍なく配置されているため、ボーナス専用役図柄についても目押しの必要なく揃えることができるものとなっている。
なお、RBゲームでは、上記ボーナス専用役とは異なる当選役を設けてもよい。さらには、ボーナス専用役のようなボーナスゲーム中限定の小役を設けずに、上記ベルやチェリーなどを代わりに用いるものとしてもよい。
[ハズレ]
図55に示された当選役のいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、賞球の付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
以上が球投入回胴マシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。これらからいえることは、球投入回胴マシン1では、ボーナス図柄(BB図柄及びRB図柄)及びチェリー図柄を除く全ての当選役図柄が目押しの必要なく揃えることができるということである。つまり、遊技者は毎回のゲームに特に目押しを行うことにより絶えず緊張(集中するため)を強いられて疲労してしまうといったことが極力軽減され、スムーズなゲームの進行が可能となる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[ゲーム処理]
次に、球投入回胴マシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、主制御基板400(主に、主制御CPU)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図56は、球投入回胴マシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、遊技者により投入された遊技球(すなわち、遊技球取込装置19によって貯留部25から取り込まれる遊技球)の個数により、あるいはすでに貯留されている遊技球がある場合にはMAXベットボタン7(あるいは1ベットボタン8)の押下操作により掛け数が決定され、スタートレバー9の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、スタートレバー9の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。ただし、サービス役に当選した場合には、MAXベットボタン7および1ベットボタン8のいずれを押下操作した場合であっても、遊技球が1球のみしか取り込まれない。なお、これに限られず、サービス役に当選した場合には、MAXベットボタン7および1ベットボタン8のいずれも押下操作することなく自動的に遊技球が1球取り込まれるようにしても良い。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となったスタートレバー9の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全ての図柄リール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全ての図柄リール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全ての図柄リール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン10a,10b,10cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは、各リール停止ボタン10a,10b,10cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応する図柄リール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全ての図柄リール301a,301b,301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づく賞球の払出処理を実行する。また当選役がBBやRB、サービス役などの場合には、それぞれ遊技状態の変更やサービスゲーム等の各種遊技特典の付与を実行する。
以上が、本実施形態に係る球投入回胴マシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図57は、上記の始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にて遊技球の投入またはMAXベットボタン7(あるいは1ベットボタン8)の操作が待ち受けられる。MAXベット操作または遊技球投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当する遊技球の投入(つまり、15個以上の遊技球の投入)やMAXベットとなる1ベットボタン8、MAXベットボタン7の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、スタートレバー9の操作を有効化する。スタートレバー9の操作が有効化されると、このスタートレバー9の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、スタートレバー9の操作が有効化されているか、またその場合はスタートレバー9の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にてスタートレバー9の操作が有効化されている場合、遊技者によるスタートレバー9の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作または遊技球投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、サービスゲームでは、1ベットに相当する数量(5球)の遊技球が取り込まれることを必要とせず、1球の遊技球が取り込まれるだけで、ステップS103におけるスタートレバー9の操作を有効化する。具体的には、後述するサービスゲーム処理にてMAXベットコマンドが主制御基板400(詳細には、RAM)に格納されている場合、1球の遊技球が取り込まれるだけで自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。ただし、サービスゲームでは、1球の遊技球が取り込まれるだけで自動的にMAXベット状態にすることに限られず、1球の遊技球が取り込まれるだけでMAXベット状態にならなくともステップS103におけるスタートレバー9の操作を有効化するようにしても良い。
ステップS105では、ステップS104でのスタートレバー9の操作を受けて、スタートレバー9の操作を無効化する。
次にステップS106では、スタートレバー9の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、スタートレバー9の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、図58および図59に示される当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグのほか、RBゲーム中フラグ、第1サービス状態中フラグ、第2サービス状態中フラグ、第3サービス状態中フラグ、第4サービス状態中フラグ、第5サービス状態中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常状態中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107は球投入回胴マシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図56のステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全ての図柄リール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全ての図柄リール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン10a,10b,10cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、球投入回胴マシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、球投入回胴マシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
球投入回胴マシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、本実施形態では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BBに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BBに当選した」ということになり、BBの内部抽選フラグ(成立フラグ、この場合は前述の当選フラグともいう)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBBに対応する乱数値から、BBの当選確率(BBが内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(BB)でいえば、
〔 BBに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、BBの当選確率は1/16384であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており(設定されており)、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(BB)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBBに対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BBの当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BBの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「BBに当選した」ということになる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
図58および図59は、球投入回胴マシン1の全ての当選役についての当たり値と内部抽選確率を具体的に示している。なお、これらはそれぞれ、当たり値判定テーブルとして予め主制御基板400(詳細には、ROM)に記憶されているものである。この当たり値判定テーブルは、通常状態および第1〜5サービス状態の全てについて、それぞれ、内部抽選確率が異なる複数の当たり値判定テーブルが記憶されている(一般的に設定値と称され、例えば設定1〜6の6段階の設定値のなかからいずれか一つの設定値に設定することができる)。図58および図59は、この複数の設定値のうち例えば設定1の場合の当たり値判定テーブルである。
図58(a)は、通常状態に制御されているときのゲーム(通常ゲームという)における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示す当たり値判定テーブルである(通常状態判定テーブルという)。ここで、BB及びRBについては、それぞれBBのみ、あるいはRBのみとなる当たり値の範囲(単独当選当たり値という)と、「BB+その他の当選役(サービス役、ベル、スイカ、チェリー)」、「RB+その他の当選役(サービス役、ベル、スイカ、チェリー)」、「一の小役(チェリー)+当該一の小役とは異なる他の小役(スイカ)」となる当たり値の範囲(共有当選当たり値)に分けられている。なお、「サービス役+小役の当選役(ベル、スイカ、チェリー)」となる当たり値がさらに含まれていてもよい。
なお、BBまたはRBに当選したときは、BB(RB)フラグのON状態が次ゲーム以降まで持ち越されるため、BBまたはRBに当選した当該ゲームにおいてBB図柄またはRB図柄が揃わなかったとしても、次ゲーム以降においてBB図柄(RB図柄)を揃えることが可能となる。一方、その他の当選役(サービス役、ベル、スイカ、チェリー)に当選したときは、これらの当選フラグが次ゲーム以降に持ち越されることがないので、当選した当該ゲームにおいてのみ当選役図柄を揃えることが可能となる。したがって、抽出乱数値が「BB(またはRB)+その他の当選役」の共有当選当たり値であったとき、BB図柄(またはRB図柄)が当該ゲームにて揃わなかったとしても次ゲーム以降にて揃えることが可能となる一方で、その他の当選役(サービス役、ベル、スイカ、チェリー)図柄については、当選した当該ゲームにて揃わなかった場合には、次ゲーム以降にて揃えることが不可能となる。ただし、その他の当選役のうちサービス役、ベルおよびスイカについては、後述の引き込み制御により目押しすることなく揃えることができる。
上記のBB及びRBの単独当選当たり値は、ベルやサービス役等の単独当選当たり値と同様に、その該当する当選役1つのみに対応している。すなわち、この図58(a)では、例えば、
抽出乱数値が「0」の場合は、ベル1の単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「3000」の場合は、ベル2の単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「3500」の場合は、サービス役1の単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5200」の場合は、サービス役2の単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「2700」の場合は、スイカの単独当選当たり値に該当する。
といったことになり、同様に、
抽出乱数値が「5718」の場合は、BBの単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5837」の場合は、RBの単独当選当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、1つの当選役のみが対応するものである。
一方、BB及びRBの共有当選当たり値は、図58(a)では、例えば、
抽出乱数値が「5700」の場合は、ベル1+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5701」の場合は、スイカ+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5705」の場合は、チェリー+スイカ+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5715」の場合は、ベル2+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5716」の場合は、サービス役1+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5717」の場合は、サービス役2+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5719」の場合は、ベル1+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5720」の場合は、スイカ+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5760」の場合は、チェリー+スイカ+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5815」の場合は、ベル2+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5835」の場合は、サービス役1+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5836」の場合は、サービス役2+RBの共有当選当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、複数の当選役が対応するものである。このように、抽出乱数値が共有当選当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。これは、前述したフラグ処理(図57のステップS107参照)にて、BB及びその他の当選役(ベルまたはチェリー)の2つの当選フラグを、あるいはRB及びその他の当選役(ベルまたはチェリー)の2つの当選フラグ(内部抽選フラグ)を同時にONにするということである。
そして、BB及びRBについては、単独当選当たり値及び共有当選当たり値を合計(合算)した当たり値の範囲がBB全体及びRB全体の当たり値ということになり、このことからBB全体及びRB全体の当選確率を算出することができる。
すなわち、
BB(全体) 19/16384(1/886.00)
RB(全体) 119/16384(1/137.68)
というように、BB全体の当選確率、RB全体の当選確率が算出される。
さらに、上記のBB全体の当選確率とRB全体の当選確率とを合算することで、
ボーナス(全体) 138/16384(1/118.72)
というように、ボーナス(BBおよびRBを含む)全体の当選確率が算出される。つまり、本実施形態の球投入回胴マシン1は、1回のボーナスゲームでの賞球の払い出し数が多いBBよりも、1回のボーナスゲームでの賞球の払い出し数が少ないRBをボーナス役の主体とする(すなわち、BBよりRBの方に当選しやすい)構成を採用している。そして、概ね1/100という遊技者に有利なボーナス当選確率を実現して、遊技者が比較的低予算で手軽に遊ぶことができる。つまり、この球投入回胴マシン1は、遊技者が短期間で大量の賞球を獲得することを目的とするのではなく、比較的長期間に亘って遊技を行うことに伴ってRBに連続的に当選することで持ち球を漸増させるといった遊技性を有するものである。
ところで、図58(a)に示すように、本実施形態では、チェリーの単独当選当たり値は存在せず、チェリーについては常に他の当選役との共有当選当たり値が設定されている。具体的には、チェリーと他の小役の共有当選当たり値は、図58(a)では、
抽出乱数値が「2950」の場合は、チェリー+スイカの当たり値に該当する。
というように、チェリーに当選する抽出乱数値に対して、スイカが重複して当選するようになっている。また、チェリーがボーナス(BB、RB)と重複当選する共有当選当たり値についても、必ず他の小役(ここでは、スイカ)も重複当選するようになっている。すなわち、チェリーとボーナスとの重複当選役として、「チェリー+スイカ+BB(RB)」のみが設定されている。
一方、図59(c)は、ボーナスゲーム(BBゲームおよびRBゲーム)における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示す当たり値判定テーブルである(ボーナスゲーム判定テーブルという)。
これによれば、ボーナスゲーム(BBゲームおよびRBゲーム)中は、BB及びRB、さらにサービス役(サービス役1およびサービス役2)の抽選も行われないことになる。ボーナスゲーム中は、このときのみ有効となる(当たり値が存在することになる)ボーナス専用役の当たり値が抽出範囲の大半以上を占めている(当たり値の総数12553個)。従って、ボーナスゲーム中は、約4回に3回程度はボーナス専用役に当選することが多くなるといえる。また、ボーナス専用役の当たり値が増加した代わりに、ハズレに該当する当たり値は大幅に減少(当たり値の総数1個)している。このため、ボーナスゲーム中は、通常状態に比べて極めてハズレとなる可能性が低くなるということもいえる。
これによれば、ボーナスゲーム中は、賞球の払い出しがあって取りこぼしのない当選役(ベル1,スイカ,チェリー+スイカ,ベル2,ボーナス専用役)のみにほとんど当選することになる。そのため、遊技者は、ボーナスゲーム中はほぼ毎回目押しを行なうことなく容易に賞球を獲得することができる。
また、球投入回胴マシン1では、所定条件が成立したことに応じてサービス状態が開始される。本実施形態では、第1サービス状態、第2サービス状態、第3サービス状態、第4サービス状態および第5サービス状態、の計5つのサービス状態を有している。
ここで、サービス状態とは、サービス役の当選確率を通常状態に比べて当選しやすくした状態を、所定のゲーム回数(ゲーム期間)にわたって継続させる遊技状態である(ただし、第1サービス状態を除く)。本実施形態の球投入回胴マシン1には、サービス状態としてサービス役等の当選確率がそれぞれ異なる第1サービス状態〜第5サービス状態があり、それぞれ、突入条件および終了条件が異なっている。なお、以下では特に説明のないかぎり、サービス状態と呼ぶ場合は第1サービス状態〜第5サービス状態の全てを含むものとする。
以下では、図58および図59を参照して各サービス状態における内部抽選に用いられる判定テーブルの特徴を説明する。
図58(b)は、第1サービス状態における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示す当たり値判定テーブルである(第1サービス状態判定テーブル(ST1)という)。図58(b)に示すように、第1サービス状態判定テーブルでは、サービス役2の単独当たり値が存在しないため、サービス役2は単独では当選し得ない。そして、図58(a)に示す通常状態判定テーブルと比較すると、サービス役2の単独当たり値の乱数幅がサービス役1の単独当たり値の乱数幅に含まれるように設定されているため、第1サービス状態は、通常状態においてサービス役に当選する確率と等しい。これらの点以外は、第1サービス状態判定テーブルと通常状態判定テーブルとが各当選役の乱数幅が同一のものとして設定されている。この第1サービス状態では、遊技の進行に伴って遊技者が保有する遊技球が減少する。なお、この第1サービス状態は、ボーナスゲーム(BBゲームまたはRBゲーム)中でなく且つBBおよびRBのいずれにも当選していないときに行われうる第1サービス状態〜第4サービス状態のなかでは、遊技者が保有する遊技球の減少が早いことから遊技者にとって最も不利なサービス状態である。
図58(c)は、第2サービス状態における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示す当たり値判定テーブルである(第2サービス状態判定テーブル(ST2)という)。図58(c)に示すように、第2サービス状態判定テーブルでは、サービス役2の単独当たり値が存在しないため、サービス役2は単独では当選し得ない。そして、先述の第1サービス状態判定テーブルと比較すると、サービス役1の単独当たり値の乱数幅が極めて大きく設定され、且つ、ハズレの当たり値の乱数幅が極めて狭く設定されている。なお、サービス役およびハズレ以外については、第2サービス状態判定テーブルと通常状態判定テーブルとは各当選役の乱数幅が同一のものとして設定されている。この第2サービス状態では、サービス役1の単独当たり値の乱数幅が極めて大きく設定されていると共にハズレの当たり値の乱数幅が極めて狭く設定されており、BB中またはRB中ほどではないものの遊技者が保有する遊技球が増加しながら遊技を行うことができる。つまり、この第2サービス状態では、所定ゲームを行うために消費する遊技球数よりも、当該所定ゲームの間に小役に当選することにより払い出される賞球数の方が多くなるように確率が設定されていることから、遊技の進行に伴って遊技者保有の持ち球が増加しえるのである。例えば10ゲームを行うために消費する遊技球数は150個であるが、この10ゲームの間に小役に当選することによって払いだされる賞球数が150個を超えるように、ハズレの確率および小役への当選確率が設定されている。なお、この第2サービス状態は、詳細は後述するが、ボーナスゲーム(BBゲームまたはRBゲーム)中でなく且つBBおよびRBのいずれにも当選していないときに行われうる第1サービス状態〜第4サービス状態のなかでは、遊技者が保有する持ち球が増加することから遊技者にとって最も有利なサービス状態である。
図58(d)は、第3サービス状態における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示す当たり値判定テーブルである(第3サービス状態判定テーブル(ST3)という)。図58(d)に示すように、第3サービス状態判定テーブルでは、サービス役2の単独当たり値が存在しないため、サービス役2は単独では当選し得ない。そして、先述の第1サービス状態判定テーブルと比較すると、サービス役1の単独当たり値の乱数幅が比較的大きく設定され、且つ、ハズレの当たり値の乱数幅が比較的狭く設定されている。なお、サービス役およびハズレ以外については、第3サービス状態判定テーブルと通常状態判定テーブルとは各当選役の乱数幅が同一のものとして設定されている。この第3サービス状態では、遊技者が保有する遊技球が若干減少するものの、当該遊技球の減少を抑制しつつ遊技を行うことができる。したがって、遊技者は、保有する遊技球を大きく減らすことなく遊技を行うことができる。なお、この第3サービス状態は、詳細は後述するが、ボーナスゲーム(BBゲームまたはRBゲーム)中でなく且つBBおよびRBのいずれにも当選していないときに行われうる第1サービス状態〜第4サービス状態のなかでは、遊技者にとって3番目に有利なサービス状態であるが、第1サービス状態に転落するおそれがない遊技状態でもある。
図59(a)は、第4サービス状態における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示す当たり値判定テーブルである(第4サービス状態判定テーブル(ST4)という)。図59(a)に示すように、第4サービス状態判定テーブルでは、通常状態判定テーブルと同様にサービス役1およびサービス役2の単独当たり値が存在するが、先述の第1サービス状態判定テーブルと比較すると、サービス役1の単独当たり値の乱数幅が大きく設定され、且つ、ハズレの当たり値の乱数幅が狭く設定されている。なお、サービス役およびハズレ以外については、第4サービス状態判定テーブルと通常状態判定テーブルとが各当選役の乱数幅が同一のものとして設定されている。この第4サービス状態では、遊技者が保有する遊技球の量をほぼ維持しつつ遊技を行うことができる。なお、この第4サービス状態は、詳細は後述するが、ボーナスゲーム(BBゲームまたはRBゲーム)中でなく且つBBおよびRBのいずれにも当選していないときに行われうる第1サービス状態〜第4サービス状態のなかでは、遊技者にとって2番目に有利なサービス状態であるが、第1サービス状態に転落するおそれがある遊技状態でもある。
図59(b)は、第5サービス状態における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示す当たり値判定テーブルである(第5サービス状態判定テーブル(ST5)という)。図59(b)に示すように、第5サービス状態判定テーブルでは、先述の通常状態判定テーブルと比較すると、ハズレの当たり値の乱数幅はほぼ同じである一方、ボーナスの単独当たり値およびボーナスとの重複当たり値が存在しないため、ボーナスには当選し得ない。なお、その他の小役(ベル、スイカ、サービス役等)の乱数幅は、通常状態判定テーブルとほぼ等しくなっている。この第5サービス状態では、詳細は後述するが、遊技の進行に伴って遊技者が保有する遊技球が減少する。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作)待ちの状態となる。図60では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板400(詳細には、ROM)に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン10a,10b,10cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン10aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン10cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン10bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン10aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン10aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、球投入回胴マシン1の有効ラインは右下がりライン623b、右上がりライン623a、V字型ライン624a、逆V字型ライン624bの4ラインであるため、この時点でまだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓14内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち、特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。これにより、ボーナス図柄およびチェリー図柄以外の当選役図柄については目押しの必要なく揃えることができることになる(詳細はリール停止制御にて説明する)。
この点を具体的に説明すると、例えば、図柄表示窓14内で第1停止リール(この場合は左リール301a)の上段位置に、当選役図柄となる可能性のある図柄が停止したとする。この場合は、右下がりライン623上およびV字型ライン624aのいずれにも残りのリール301b、301cの該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルのいずれかを選択することとなる。同様に、左リール301aの下段位置に当選役図柄となる可能性のある図柄が停止した場合は、右上がりライン623aおよび逆V字型ライン624bのいずれにも残りのリール301b、301cの該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルのいずれかを選択することとなる。
すなわち、「順押し」の停止操作手順では、左リール301aのみが停止状態となり、上段位置および下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS206の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全ての図柄リール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン10bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン10bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン10cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全ての図柄リール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「逆押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができる。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作の待ち受け状態から「逆押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に右リール停止ボタン10cが押下されたとすると、ステップS202、S210の判定が満たされず、ステップS217に移る。そして、ステップS217以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に右リール停止ボタン10cが押下されているので、ステップS217,S218の判定は満たされ、右リール301cについて第1リール停止処理が行われる(ステップS219)。そして、残りの左リール301a、中リール301bのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS221)、第1リール停止フラグおよび右リール停止フラグRFがONにセットされる(ステップS222,S223)。
その後は、ステップS221で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および中リール停止処理(ステップS213)が、左リール停止ボタン10aおよび中リール停止ボタン10bの押下操作順に従って実行される。なお、「逆押し」の停止操作手順では、「順押し」の停止操作手順のときと同様に、右リール301cのみが停止状態となり、上段位置および下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
ところで、「中押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン10a,10b,10cの押下操作の待ち受け状態から「中押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に中リール停止ボタン10bが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされず、ステップS210に移る。そして、ステップS210以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に中リール停止ボタン10bが押下されているので、ステップS210,S211の判定は満たされ、中リール301bについて第1リール停止処理が行われる(ステップS212)。そして、残りの左リール301a、右リール301cのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS214)、第1リール停止フラグおよび中リール停止フラグMFがONにセットされる(ステップS215,S216)。
その後は、ステップS216で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および右リール停止処理(ステップS220)が、左リール停止ボタン10aおよび右リール停止ボタン10cの押下操作順に従って実行される。ここで、「中押し」の場合は、「順押し」におけるステップS206(あるいは、「逆押し」におけるステップS221)とは異なり、この時点でまだ4つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。つまり、第1停止リール(この場合は中リール301b)の停止目のうちで中段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(左リール301a、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
この点を具体的に説明すると、例えば、図柄表示窓14内で第1停止リール(この場合は中リール301b)の中段位置に、当選役図柄となる可能性のある図柄が停止したとする。この場合は、右下がりライン623b、右上がりライン623a、V字型ライン624a、逆V字型ライン624bの全てが、中リール301bの中段位置を有効停止位置としていることから、全ての有効ラインにおいて残りのリール301a、301cの該当当選役図柄を揃えることができることなる。そのため、「中押し」の場合には、右下がりライン623b、V字型ライン624a、右上がりライン623aおよび逆V字型ライン624bのいずれにも残りのリール301b、301cの該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルのいずれかを選択することとなる。
すなわち、「中押し」の停止操作手順では、中リール301bのみが停止状態となり、中段位置に当選役図柄があった場合、まだ4つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS216の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓14内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれ、所定のコマ数を上限として図柄の引き込みを行う)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓14内に停止させることが可能な範囲(以下、引き込み制御可能範囲と称する)として例えば3コマを予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓14内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込み制御可能範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向に移動が可能な最大コマ数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で3コマとすれば、所定の位置(例えば中段)には、当該リールの停止操作が受け付けられたときの位置からリール回転方向に3個目の図柄まで表示可能となる。つまり、最大で3コマ未満の範囲(より詳しくは、3コマから1ステップ差し引いた範囲)で図柄の引き込みが可能となる。なお、一の図柄からリールの回転方向に隣接する他の図柄までが1コマである。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓14内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓14内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓14内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
球投入回胴マシン1では、ボーナス(BB、RB)およびチェリー以外の当選役が成立フラグとなる場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる。これは、ベル、スイカ、サービス役については、対応するそれぞれの当選役図柄が、引き込み制御可能範囲内に少なくとも1個配置されているからである。なお、ボーナス専用役についても同様に目押しを必要とせずに揃えることができる。
ここで、各リール停止ボタン10a,10b,10cを操作したときの各図柄リール301a,301b,301cのリール停止制御について説明する。なお、本実施形態の球投入回胴マシン1では、各リール帯381a,381b,381cに14個の図柄が表記されており、3コマを上限として図柄の引き込み制御が行われる。
上述のとおり、リール帯381aには5種類の図柄が表記されており、左リール301aにおける有効ライン上の位置は、上述のとおり、図柄表示窓14に表示される上段、中段、下段のうち、上段および下段である。ここで、上段と下段との間は2コマであるから、任意の5コマの範囲内に表記されている図柄については、いかなる目押し操作を行ったとしても引き込み制御が可能となる。つまり、リール帯381aに5コマ毎に表記されている図柄については常に引き込み制御が可能となる。そこで図51を見てみると、S男、M子、E男およびH男は、任意の5コマの範囲内に表記されている(つまり、いかなる5コマを見ても、S男、M子、E男およびH男が表記されている)。これにより、遊技者がいかなる目押し操作を行ったとしても、S男、M子、E男およびH男については、引き込み制御により有効ライン上の位置(上段または下段)に停止する。なお、赤7については、配列番号11〜14の図柄が有効ライン上に位置するときに目押し操作した場合に、当該有効ライン上の位置に停止する(ただし、配列番号1または2が下段に位置するときに目押し操作した場合には、赤7が上段に停止しうる)。
また、リール帯381bには4種類の図柄が表記されており、中リール301bにおける有効ライン上の位置は、上述のとおり、図柄表示窓14に表示される上段、中段、下段のうち、中段のみである。したがって、任意の3コマの範囲内に表記されている図柄については、いかなる目押し操作を行ったとしても引き込み制御が可能となる。つまり、リール帯381bに3コマ毎に表記されている図柄については常に引き込み制御が可能となる。そこで図51を見てみると、I男およびT子は、任意の3コマの範囲内に表記されている(つまり、いかなる3コマを見ても、I男およびT子が表記されている)。これにより、遊技者がいかなる目押し操作を行ったとしても、I男およびT子については、引き込み制御により有効ライン上の位置(中段)に停止する。なお、赤7については、配列番号11〜14の図柄が中段に位置するときに目押し操作した場合にのみ中段に停止する。また、M男については、配列番号12〜14および配列番号1の図柄が中段に位置するときに目押し操作した場合には、中段に停止することがない。したがって、たとえチェリーに当選していたとしても、配列番号12〜14および配列番号1の図柄が中段に位置するときに遊技者が目押し操作した場合にはチェリー図柄が揃うことなく(所謂「取りこぼし」となり)、チェリー図柄が揃っていれば払い出されるはずの60個の賞球払い出しが行われない。
また、リール帯381cには6種類の図柄が表記されており、右リール301cにおける有効ライン上の位置は、上述のとおり、図柄表示窓14に表示される上段、中段、下段のうち、上段および下段である。ここで、上段と下段との間は2コマであるから、任意の5コマの範囲内に表記されている図柄については、いかなる目押し操作を行ったとしても引き込み制御が可能となる。つまり、リール帯381cに5コマ毎に表記されている図柄については常に引き込み制御が可能となる。そこで図51を見てみると、E男、M子およびH男は、任意の5コマの範囲内に表記されている(つまり、いかなる5コマを見ても、E男、M子およびH男が表記されている)。これにより、遊技者がいかなる目押し操作を行ったとしても、E男、M子およびH男については、引き込み制御により有効ライン上の位置(上段または下段)に停止する。一方、赤7については、配列番号11〜14の図柄が有効ライン上に位置するときに目押し操作した場合に、当該有効ライン上の位置に停止する(ただし、配列番号1または2が下段に位置するときに目押し操作した場合には、赤7が上段に停止しうる)。また、白7については、配列番号2〜5の図柄が有効ライン上に位置するときに目押し操作した場合に、当該有効ライン上の位置に停止する(ただし、配列番号6または7が下段に位置するときに目押し操作した場合には、白7が上段に停止しうる)。さらに、S男については、配列番号11および12の図柄が上段に位置するときに目押し操作した場合には、有効ライン上の位置に停止することがない。ただし、上述のとおり、S男は、いずれかの小役に当選した場合であっても、当選役としての小役を構成する組み合わせ図柄に該当せず、また、当選役がサービス役であるときの組み合わせにも該当しない。したがって、任意の5コマの範囲内に必ずしもS男が表記されていなかったとしても、当選したサービス役または当選した小役を取りこぼすことがない。
このように、サービス役および小役のうち、当選しているにもかかわらず取りこぼす可能性があるのはチェリーのみである。そこで、本実施形態の球投入回胴マシン1では、当該取りこぼす可能性があるチェリーの単独当選当たり値を排除し、常に、他の役と重複して当選するようになっている。例えば、図58(a)を見ると、抽出乱数値2950〜2999はチェリーとスイカとの共有当選当たり値であり、抽出乱数値5705〜5714はチェリーとスイカとBBとの共有当選当たり値であり、抽出乱数値5760〜5814はチェリーとスイカとRBとの共有当選当たり値である。これにより、チェリーに当選し、且つ目押し操作を失敗してチェリーを取りこぼしてしまった場合であっても、重複して当選した他の役が有効ライン上に停止し、当該他の当選役図柄が揃うこととなる。
ここで、各リール帯381a,381b,381cに表記されている図柄のうち引き込み可能となる図柄は、以下のとおりである。
図柄表示窓14に表示される有効ライン上の位置が複数あるとき、当該有効ライン上の一の位置と他の位置との間の最大コマ数をMとし(有効ライン上の位置が一つのときはM=0)、引き込み制御可能なコマ数をNとすると、停止操作したときのリール帯381a,381b,381cの位置から(N+M)コマを上限として図柄の引き込みが可能となる。ここで、「最大コマ数」とは、上段および下段の両方が有効ライン上に位置する場合には2コマ(中段が有効ライン上に位置したとしても2コマ)であり、上段および中段が有効ライン上に位置する場合には1コマとなる。同様に、中段および下段が有効ライン上に位置する場合にも1コマとなる。
なお、リール帯上に表示される図柄の種類が引き込み制御可能なコマ数Nよりも多いとき、全ての図柄を引き込み可能とすることは不可能であり、取りこぼしうる図柄は少なくとも2種類となる。例えば、本実施形態の球投入回胴マシン1の中リール帯381bでいえば、I男およびT子が常に引き込み可能な図柄である限り、少なくとも赤7が表記される3コマ(配列番号9〜11、10〜12または11〜13)内にM男が表記されることはあり得ず、同様に、少なくともM男が表記される3コマ(例えば、配列番号6〜8、7〜9、8〜10)内に赤7が表記されることはあり得ないからである。
ところで、本実施形態の球投入回胴マシン1では、最も払い出しが多い小役(チェリー)が、
当選したとしても常に引き込み制御されるとは限らない小役(取りこぼす可能性がある小役)とされている。つまり、最も払い出しが多い小役(チェリー)に対応する図柄(M男)が、任意の3コマ(引き込み制御可能なコマ数)の範囲内に表記されない個所(配列番号9〜11、10〜12または11〜13)がある。換言すれば、最も払い出しが多い小役(チェリー)に対応する図柄(M男)が、引き込み制御可能なコマ数の範囲を超えて中リール帯381bに表記されている。
このように、取りこぼしうる小役(チェリー)と、常に引き込み制御可能なサービス役や小役(ベル、スイカ)との共有当選当たり値とすることによって、万人から支持される遊技機を提供することが可能となる。つまり、チェリーに当選したとき、常に取りこぼすことなく目押しできる技量を持った遊技者であれば、チェリー図柄を揃えることによって小役のなかでは最も多くの賞球払い出しを享受でき、優越感に浸ることが可能となる。また、常にチェリーを目押しすることができない遊技者であったとしても、チェリーは、常に取りこぼされ得ない他の小役と重複当選しているので、従来であれば賞球が払い出されないところ、当該他の小役図柄が揃うことによって賞球の払い出しを享受でき、遊技者に与える損失感を軽減できる。これにより、目押しの技量が高い遊技者、および、目押しの技量が低い遊技者のいずれからも支持される遊技機を提供することが可能となる。さらに、チェリーに当選したときに遊技者がチェリーを取りこぼしたとしても、チェリー図柄が揃ったときに払い出される賞球数(60個)よりも少ない賞球が払い出されるので、ホールにとっても過剰な損失とはならない。これにより、遊技者とホールとの均衡を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、サービス役および全ての小役とBBまたはRBとの共有当選当たり値が設定されているので、サービス役図柄またはいずれかの小役図柄が揃った場合であってもBBゲームまたはRBゲームが行われる可能性がある。これにより、遊技者は、小役図柄が揃うたびにBBまたはRBと重複当選しているのではないかといった期待感を抱くこととなり、遊技が単調となることを軽減できる。また、全ての小役とBBまたはRBとの共有当選当たり値が設定されているので、抽出乱数値がBBまたはRBとの共有当選当たり値であれば、目押しを失敗してBB図柄またはRB図柄を揃えることができなかったとしても重複して当選した小役図柄が揃うこととなり、無駄に遊技球を消費してしまうといった事態も回避できる。
さらに、本実施形態では、小役が揃ったときの賞球払い出し個数(獲得個数)が多いほど、BBまたはRBと重複当選している確率が高くなっているが、これについて、図58(a)を参照して説明する。
サービス役(サービス役1およびサービス役2)の単独当選当たり値の数は2200、BBおよびRBと重複せず且つ他の小役と重複する共有当選当たりの数は0、BBまたはRBとの共有当選当たり値の数は4である。したがって、サービス役に当選したとき、概ね551分の1の確率でBBまたはRBの当選となる。
ベル(ベル1およびベル2)の単独当選当たり値の数は3200、BBおよびRBと重複せず且つ他の小役と重複する共有当選当たりの数は0、BBまたはRBとの共有当選当たり値の数は23である。したがって、ベルに当選したとき、概ね140分の1の確率でBBまたはRBの当選となる。なお、ベルは、出現率が最も高いメイン小役であり、ベル図柄が揃ったとき、25個の賞球が払い出される。ここで「出現率」とは、有効ライン上に揃う頻度である(本明細書において以下同様)。
スイカの単独当選当たり値の数は250、BBおよびRBと重複せず且つ他の小役(チェリー)と重複する共有当選当たりの数は50、BBまたはRBとの共有当選当たり値の数(BBまたはRBとチェリーとの重複役も含む)は109である。したがって、スイカに当選したとき、概ね3〜4分の1の確率でBBまたはRBの当選となる。なお、スイカの出現率はベルの出現率よりも極めて低くなっており、本実施形態におけるスイカの出現率はベルの出現率の概ね8分の1となっている。また、スイカ図柄が揃ったとき、45個の賞球が払い出される。
チェリーの単独当選当たり値の数はゼロ、BBおよびRBと重複せず且つ他の小役(スイカ)と重複する共有当選当たりの数は50、BBまたはRBとの共有当選当たり値の数は65である。したがって、チェリーに当選したとき、概ね2分の1の確率でBBまたはRBの当選となる。なお、チェリーは、出現率が最も低いレア小役である。しかも、上述のとおり、チェリーに当選したとしても取りこぼすことがあるので、チェリーの出現率はチェリーの当選確率よりも低くなる。また、チェリー図柄が揃ったとき、60個の賞球が払い出される。
このように、小役に当選したとき、当該当選小役が出現率の低い小役ほどBBまたはRBに重複して当選している期待感が高くなる一方で、出現率の高い小役であったとしてもBBまたはRBとの重複当選を排除していない。これにより、小役図柄が揃うことにより常に遊技者に期待感を与えると共に、揃った小役図柄に応じて期待感を異ならせているので、揃った小役図柄を遊技者が確認することで一喜一憂することとなる。しかも、BBまたはRBと重複当選している確率が最も高いレア小役(チェリー)は取りこぼすことがあり、仮にとりこぼしたとしても他の当選役(小役であればスイカ)図柄が揃いうる。これにより、BBまたはRBと重複当選している確率が最も高いレア小役図柄が揃わなかったとしても、遊技者は、「レア小役図柄を取りこぼしたのでは?」と考えながら遊技を行うこととなり、ひいては「実はBBまたはRBと重複当選しているのでは?」という期待感を持って遊技を行うこととなる。これにより、遊技者に期待感を与えることが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
さらに、サービス役図柄または小役図柄が揃ったとき、賞球の払い出し個数が多いほどBBまたはRBに重複して当選している期待感が高いので、多くの賞球を獲得した喜びと相俟って、さらに多くの賞球を獲得できるBBゲームまたはRBゲームの期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
また、BB図柄(またはRB図柄)と小役との共有当選当たり値の当選役の場合は、BB図柄(またはRB図柄)を優先的に引き込むものとしている。ただし、BB図柄(またはRB図柄)は目押しが必要な図柄であるため、BB図柄(またはRB図柄)が引き込み不可能なとき(引き込み制御可能範囲外であるとき)には他方の当選役図柄を引き込むものとする。そして、既に説明したとおり、このとき他方の当選役図柄は取りこぼすことなく揃えることが可能となる。従って、共有当選当たり値の当選役に該当する場合には、BB図柄または他方の当選役(小役)図柄のいずれかを必ず揃えることができる。なお、優先的に引き込まれる図柄の優先順位は、サービス役図柄、BB図柄(またはRB図柄)、小役図柄の順である。なお、共有当選当たり値の引き込み制御については、別途詳細に説明する。
以上のことから、球投入回胴マシン1では、ボーナス図柄(BB図柄、RB図柄)およびチェリー図柄以外の当選役図柄については、目押しを必要とせずに揃えることができる。つまり、ボーナス(BB、RB)およびチェリー以外の当選役については「取りこぼし」を生じることがないということになる。従って、目押しの技量の差により、遊技者ごとに利益の差が大きくなる(賞球の獲得個数に大幅な差が生じることなど)ことを極力解消することができる。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓14内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図61では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全ての図柄リール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓14内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S303では、それぞれ、RBゲーム中であるか、BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS380に移る。また、BBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS303の判定が満たされ、ステップS370に移る。
RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S303の判定がいずれも満たされず、ステップS310に移る。
ステップS310で、サービス状態終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS320,S330,S340,S350,S360のいずれかに移る。
ステップS320では、BB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、賞球の獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、RB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にRB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。
次のステップS332では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じた賞球の獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
次のステップS340では、サービス役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にサービス役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。本実施形態では、ステップS340において、サービス役1図柄(「H男図柄−I男図柄−H男図柄」)およびサービス役2図柄(「H男図柄−T子図柄−H男図柄」)のいずれかが揃った場合に、サービス役図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS342では、サービスゲーム処理を実行する。このサービスゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドを主制御基板400(詳細には、RAM)に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームをサービスゲームとして開始させることができる。
そして、ステップS344で、サービス状態降格判定処理(詳細は後述する)を実行した後、ステップS346では、サービス役当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。詳細には、単独当選役として、サービス役1に当選していた場合にはサービス役1当選フラグをOFF(=0)にし、サービス役2に当選していた場合にはサービス役2当選フラグをOFF(=0)にする。
なお、サービス役とボーナスとの共有当選役(サービス役1,2+BB,RB)に当選し、且つ、ステップS340でサービス役図柄の方が揃ったと判定された場合は、ステップS356において、サービス役当選フラグはOFF(=0)にするが、ボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)はOFF(=0)とせずにON(=1)のまま次ゲーム以降に持ち越される。
ステップS350では、小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。本実施形態では、ステップS350において、ベル1図柄(「M子図柄−T子図柄−M子図柄」)、ベル2図柄(「M子図柄−I男図柄−M子図柄」)、スイカ図柄(「E男図柄−I男図柄−E男図柄」)およびチェリー図柄(「ANY−M男図柄−ANY」)のいずれかが揃った場合に、小役図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS352では、揃っている小役図柄に応じた規定個数の賞球の払い出しを実行する(遊技球払出装置18より規定個数の賞球を払い出す)。なお、賞球の払出個数を、図示外の払出個数表示LED(例えば、7セグメントLED)に表示してもよい。これにより、当該小役に対応した規定個数の賞球が払い出されたことを、遊技者に対して報知(告知、表示)することができる。
そして、ステップS354で、サービス状態昇格判定処理(詳細は後述する)を実行した後、ステップS356では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。詳細には、単独当選役として、ベル1に当選していた場合にはベル1当選フラグをOFF(=0)にし、ベル2に当選していた場合にはベル2当選フラグをOFF(=0)にし、スイカに当選していた場合にはスイカ当選フラグをOFF(=0)にし、チェリーに当選していた場合にはチェリー当選フラグをOFF(=0)にする。
なお、小役同士の単独当選役(チェリー+スイカ)に当選していた場合は、ステップS350において、チェリー図柄およびスイカ図柄のうちで一方の図柄のみが揃ったものと判定されるが、ステップS356においては、いずれの図柄が揃ったかに拘らずチェリー当選フラグおよびスイカ当選フラグの両方がOFF(=0)とされる。
一方、小役とボーナスとの共有当選役(小役+BB,RB)に当選し、且つ、ステップS350で小役図柄の方が揃ったと判定された場合は、ステップS366において、小役の当選フラグはOFF(=0)にするが、ボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)はOFF(=0)とせずにON(=1)のまま次ゲーム以降に持ち越される。
次に、有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS320,S330,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
従って、当該当選フラグが、BBフラグ、RBフラグ、のいずれにも該当しない場合、この時点で「取りこぼし」が確定することになる。なお、「取りこぼし」が生じる可能性があるのは単独当選役としてのチェリーのみであるが、本実施形態の球投入回胴マシン1では、単独当選役としてのチェリーは存在せず、チェリーは全て他の小役(スイカ)との共有当選役となっている。つまり、先述したように、チェリーに当選する場合は、必ず「取りこぼし」のない小役であるスイカと重複当選する。そのため、本実施形態では、チェリーを取りこぼした場合であっても必ずスイカが揃うため、「取りこぼし」が生じる当選役は存在しないこととなる。
また、当該当選フラグがBBフラグ及びRBフラグのいずれかに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、RBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、RBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(あるいはRB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記のステップS310からステップS360までの処理は、通常状態、サービス状態の場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム及びRBゲームの場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、ベル、スイカ、チェリーに加えてボーナスゲーム専用役を含めたBBゲーム中に賞球の払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定個数の賞球の払い出しを実行する(遊技球払出装置18より規定個数の賞球を払い出す)。なお、賞球の払出個数を、図示外の払出個数表示LED(例えば、7セグメントLED)に表示してもよい。これにより、当該BBゲーム時払出役に対応した規定個数の賞球が払い出されたことを、遊技者に対して報知(告知、表示)することができる。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS376に移り、サービス状態開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。本実施形態では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称である(この場合は、ベル、スイカ、チェリー、ボーナスゲーム専用役が該当する)。そして、いずれかの有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた所定個数の賞球の払い出しを実行する(遊技球払出装置18より規定個数の賞球を払い出す)。なお、賞球の払出個数を、図示外の払出個数表示LED(例えば、7セグメントLED)に表示してもよい。これにより、当該RBゲーム時払出役に対応した規定個数の賞球が払い出されたことを、遊技者に対して報知(告知、表示)することができる。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、サービス状態開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図61のステップS320の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図62を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出個数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出個数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(15個掛け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいは球投入回胴マシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラー表示ランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図61のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図63を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図61のステップS372にて賞球の払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出個数に当該ゲームの払出個数を加算する。
次にステップS452では、累計払出個数が1400個を超えたかを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出個数を表示する(図示外の払出個数表示LED等に表示する。なお、累計払出個数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS462にて第3サービス状態開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図61のステップS330の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図64を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出個数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出個数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(15個掛け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいは球投入回胴マシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラー表示ランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図61のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図65を用いて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図61のステップS382にて賞球の払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出個数に当該ゲームの払出個数を加算する。
次にステップS552では、累計払出個数が525個を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム中の累計払出個数を表示する(図示外の払出個数表示LED等に表示する。なお、累計払出個数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS558にて第4サービス状態開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[サービス状態降格判定処理]
前述の図61のステップS344のサービス状態降格判定処理について図66を用いて説明する。
まず、ステップS601では、BBフラグおよびRBフラグのいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該ゲームにて、
・ボーナス(BB、RB)およびサービス役(サービス役1、サービス役2)の共有当選役に当選して、ボーナス図柄(BB図柄、RB図柄)ではなくサービス役図柄(サービス役1図柄、サービス役2図柄)が揃った場合
・ボーナスフラグ(BB、RB)がON(=1)のまま持ち越された状態で、サービス役(サービス役1、サービス役2)の単独当選役に当選してサービス役図柄(サービス役1図柄、サービス役2図柄)が揃った場合
のいずれかが該当する。
そして、ステップS601の判定が満たされると、ステップS603に移る。ステップS603では、第5サービス状態開始フラグをON(=1)にする。その後、ステップS615に移り、サービス状態開始処理(詳細は後述する)を実行する。
一方、ステップS601の判定が満たされない場合、ステップS605に移り、サービス役2図柄が揃っているかを判定する。すなわち、先述のステップS340でサービス役図柄が揃っていると判定したところ、当該サービス役図柄がサービス役2図柄(「H男図柄−T子図柄−H男図柄」)であるかを判定する。そして、いずれかの有効ライン上にサービス役2図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS607に移る。
そして、ステップS607にて、通常状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が通常状態に制御されているか否かを判定する。ステップS607の判定が満たされない場合は、ステップS609にて、第3サービス状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が第3サービス状態に制御されているか否かを判定する。ステップS609の判定が満たされない場合は、ステップS611にて、第4サービス状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が第4サービス状態に制御されているか否かを判定する。ステップS611の判定が満たされない場合、つまり遊技状態が通常状態、第3サービス状態および第4サービス状態のいずれでもない場合は、処理を終了する。
一方、ステップS607,S609,S611のいずれかで判定が満たされる場合、つまり遊技状態が通常状態、第3サービス状態および第4サービス状態のいずれに制御されていれば、ステップS613に移る。ステップS613では、第1サービス状態開始フラグをON(=1)にする。その後、ステップS615に移り、サービス状態開始処理(詳細は後述する)を実行する。
なお、本実施形態では、第3サービス状態ではサービス役2の単独当選当たり値が存在しないため(図58(d)を参照)、S605でYESかつS609でYESとなることは実際にはあり得ない。つまり、S605では常にNOと判定されることとなるため、第1サービス状態開始フラグがONとされることはない。また、第3サービス状態においても、サービス役2とボーナス役(BBまたはRB)との共有当選当たり値が存在するため、サービス役2がボーナス役と重複当選してサービス役図柄が揃うことはありうるが、この場合は常にS601でYESと判定されるため第1サービス状態開始フラグがONとされることはない。このように、本実施形態では第3サービス状態にてサービス役2の単独当選当たり値が存在しないが、極めて低い確率でサービス役2に単独当選しうる構成にしても良い。
[サービス状態昇格判定処理]
前述の図61のステップS354のサービス状態昇格判定処理について図67を用いて説明する。
まず、ステップS701では、BBフラグおよびRBフラグのいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該ゲームにて、
・ボーナス(BB、RB)および小役(ベル1,ベル2,スイカ,チェリー)の共有当選役に当選して、ボーナス図柄(BB図柄、RB図柄)ではなく小役図柄(ベル1図柄,ベル2図柄,スイカ図柄,チェリー図柄)が揃った場合
・ボーナスフラグ(BB、RB)がON(=1)のまま持ち越された状態で、小役(ベル1,ベル2,スイカ,チェリー)の単独当選役または小役同士の共有当選役(スイカ+チェリー)に当選して、小役図柄(ベル1図柄,ベル2図柄,スイカ図柄,チェリー図柄)が揃った場合
のいずれかが該当する。
そして、ステップS701の判定が満たされると、ステップS703に移る。ステップS703では、第5サービス状態開始フラグをON(=1)にする。その後、ステップS715に移り、サービス状態開始処理(詳細は後述する)を実行する。
一方、ステップS701の判定が満たされない場合、ステップS705に移り、ベル2図柄が揃っているかを判定する。すなわち、先述のステップS350で小役図柄が揃っていると判定したところ、当該小役図柄がベル2図柄(「M子図柄−I男図柄−M子図柄」)であるかを判定する。そして、いずれかの有効ライン上にベル2図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS707に移る。
そして、ステップS707にて、通常状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が通常状態に制御されているか否かを判定する。ステップS707の判定が満たされない場合は、ステップS709にて、第3サービス状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が第3サービス状態に制御されているか否かを判定する。ステップS709の判定が満たされない場合は、ステップS711にて、第4サービス状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が第4サービス状態に制御されているか否かを判定する。ステップS711の判定が満たされない場合、つまり遊技状態が通常状態、第3サービス状態および第4サービス状態のいずれでもない場合は、処理を終了する。
一方、ステップS707,S709,S711のいずれかで判定が満たされる場合、つまり遊技状態が通常状態、第3サービス状態および第4サービス状態のいずれかに制御されていれば、ステップS713に移る。ステップS713では、第2サービス状態開始フラグをON(=1)にする。その後、ステップS715に移り、サービス状態開始処理(詳細は後述する)を実行する。
[サービス状態開始処理]
サービス状態開始処理について、図68を用いて詳細に説明する。このサービス状態開始処理は、図61の判定処理におけるステップS376,S386、図66のサービス状態降格判定処理におけるステップS615、および、図67のサービス状態昇格判定処理におけるステップS715、において実行される。なお、このサービス状態開始処理は、上記ステップS376,S386,S615,S715のいずれにおいても同じ内容の処理が実行されるものとする。
まず、ステップS801では、第1サービス状態開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS803では、第1サービス状態におけるゲーム回数を「250回」にセットする。そして、次のステップS805では、第1サービス状態中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第1サービス状態開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第1サービス状態が開始される。
ステップS801の判定が満たされない場合、ステップS807に移り、第2サービス状態開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS809では、第2サービス状態としてゲームが実行される回数を「50回」にセットする。そして、次のステップS811では、第2サービス状態中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第2サービス状態開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第2サービス状態が開始される。
ステップS807の判定が満たされない場合、ステップS813に移り、第3サービス状態開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS815では、第3サービス状態としてゲームが実行される回数を「50回」にセットする。そして、次のステップS817では、第3サービス状態中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第3サービス状態開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第3サービス状態が開始される。
ステップS813の判定が満たされない場合、ステップS819に移り、第4サービス状態開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS821では、第4サービス状態としてゲームが実行される回数を「6000回」にセットする。そして、次のステップS821では、第4サービス状態中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第4サービス状態開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第4サービス状態が開始される。
ステップS819の判定が満たされない場合、ステップS825に移り、第5サービス状態開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、次のステップS827では、第5サービス状態中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第5サービス状態開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第5サービス状態が開始される。なお、第5サービス状態については、他のサービス状態とは異なり第5サービス状態として実行されるゲームの回数は設定されない。そのため、第5サービス状態は、内部的にボーナスフラグ(BBフラグ,RBフラグ)が持ち越されている限りは、ゲーム回数に関係なく継続して実行される。
なお、上記のステップS801,S807,S813,S819,S825の判定がいずれも満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。
[サービス状態終了判定処理]
次にサービス状態終了判定処理について、図69を用いて詳細に説明する。前述の図61の判定処理において、ステップS301,S303のいずれの判定も満たされない場合、このサービス状態終了判定処理が実行される。
まず、ステップS901では、第1サービス状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS901の判定が満たされると、次のステップS903では、第1サービス状態として実行されるゲームの回数を「1」だけ減算して、ステップS905に移る。
ステップS905では、残りの第1サービス状態として実行されるゲームの回数が「0」であるかを判定する。第1サービス状態として実行されるゲームの回数が「0」であれば、S905の判定が満たされる。そして、ステップS909に移り、第1サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第1サービス状態が終了する。
一方、ステップS905の判定が満たされない場合、ステップS907に移り、BBフラグおよびRBフラグ(すなわち、ボーナスフラグ)のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第1サービス状態にて、BBおよびRBのいずれかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS907の判定が満たされると、ステップS909に移り、第1サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第1サービス状態が終了する。ここでの処理は、第1サービス状態がBBおよびRB(すなわち、ボーナス)のいずれかの当選によって終了となることを示している。
なお、ステップS905,S907の判定が満たされない場合は、第1サービス状態の終了条件が成立していないことになるから、本処理はそのまま終了して第1サービス状態が継続する。
次に、ステップS901の判定が満たされない場合、ステップS911に移り、第2サービス状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS911の判定が満たされると、次のステップS913では、第2サービス状態として実行されるゲームの回数を「1」だけ減算して、ステップS915に移る。
ステップS915では、残りの第2サービス状態として実行されるゲームの回数が「0」であるかを判定する。第2サービス状態として実行されるゲームの回数が「0」であれば、S915の判定が満たされる。そして、ステップS919に移り、第2サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第2サービス状態が終了する。
一方、ステップS915の判定が満たされない場合、ステップS917に移り、BBフラグおよびRBフラグ(すなわち、ボーナスフラグ)のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第2サービス状態にて、BBおよびRBのいずれかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS917の判定が満たされると、ステップS919に移り、第2サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第2サービス状態が終了する。ここでの処理は、第2サービス状態がBBおよびRB(すなわち、ボーナス)のいずれかの当選によって終了となることを示している。
なお、ステップS915,S917の判定が満たされない場合は、第2サービス状態の終了条件が成立していないことになるから、本処理はそのまま終了して第2サービス状態が継続する。
次に、ステップS911の判定が満たされない場合、ステップS921に移り、第3サービス状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS921の判定が満たされると、次のステップS923では、第3サービス状態として実行されるゲームの回数を「1」だけ減算して、ステップS925に移る。
ステップS925では、残りの第3サービス状態として実行されるゲームの回数が「0」であるかを判定する。第3サービス状態として実行されるゲームの回数が「0」であれば、S925の判定が満たされる。そして、ステップS931に移り、第3サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第3サービス状態が終了する。
一方、ステップS925の判定が満たされない場合、ステップS927に移り、BBフラグおよびRBフラグ(すなわち、ボーナスフラグ)のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第3サービス状態にて、BBおよびRBのいずれかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS927の判定が満たされると、ステップS931に移り、第3サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第3サービス状態が終了する。ここでの処理は、第3サービス状態がBBおよびRB(すなわち、ボーナス)のいずれかの当選によって終了となることを示している。
さらに、ステップS927の判定が満たされない場合、ステップS929に移り、ベル2図柄およびサービス役2図柄のいずれかが揃っているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第3サービス状態にて、ベル2およびサービス役2のいずれかに当選して、図柄表示窓14にベル2図柄およびサービス役2図柄のいずれかが揃った場合が該当する。
そして、ステップS929の判定が満たされると、ステップS931に移り、第3サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第3サービス状態が終了する。ここでの処理は、ベル2図柄およびサービス役2図柄が揃ったことによって、第3サービス状態が他のサービス状態状態に移行(ST2への昇格あるいはST1への降格)して終了となることを示している。
なお、ステップS925,S927,S929の判定が満たされない場合は、第3サービス状態の終了条件が成立していないことになるから、本処理はそのまま終了して第3サービス状態が継続して実行される。
次に、ステップS921の判定が満たされない場合、ステップS933に移り、第4サービス状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS933の判定が満たされると、次のステップS935では、第4サービス状態におけるゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS937に移る。
ステップS937では、残りの第4サービス状態として実行されるゲームの回数が「0」であるかを判定する。第4サービス状態として実行されるゲームの回数が「0」であれば、S937の判定が満たされる。そして、ステップS943に移り、第4サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第4サービス状態が終了する。
一方、ステップS937の判定が満たされない場合、ステップS939に移り、BBフラグおよびRBフラグ(すなわち、ボーナスフラグ)のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第4サービス状態にて、BBおよびRBのいずれかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS939の判定が満たされると、ステップS943に移り、第4サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第4サービス状態が終了する。ここでの処理は、第4サービス状態がBBおよびRB(すなわち、ボーナス)のいずれかの当選によって終了となることを示している。
さらに、ステップS939の判定が満たされない場合、ステップS941に移り、ベル2図柄およびサービス役2図柄のいずれかが揃っているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第4サービス状態にて、ベル2およびサービス役2のいずれかに当選して、図柄表示窓14にベル2図柄およびサービス役2図柄のいずれかが揃った場合が該当する。
そして、ステップS941の判定が満たされると、ステップS943に移り、第4サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第4サービス状態が終了する。ここでの処理は、ベル2図柄およびサービス役2図柄が揃ったことによって、遊技状態が他のサービス状態に移行(ST2への昇格あるいはST1への降格)して第4サービス状態が終了となることを示している。
なお、ステップS937,S939,S941の判定が満たされない場合は、第4サービス状態の終了条件が成立していないことになるから、本処理はそのまま終了して第4サービス状態が継続する。
次に、ステップS933の判定が満たされない場合、ステップS945に移り、第5サービス状態中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS945の判定が満たされると、次のステップS947では、BB図柄およびRB図柄(すなわち、ボーナス図柄)のいずれかが揃っているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第5サービス状態にて、内部的に持ち越されているボーナスフラグ(BBフラグ,RBフラグ)に基づいて、図柄表示窓14にBB図柄およびRB図柄のいずれかが揃った場合が該当する。
そして、ステップS947の判定が満たされると、ステップS949に移り、第5サービス状態中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第5サービス状態が終了する。ここでの処理は、遊技者の目押し等によってBB図柄およびRB図柄が揃ったことによって、遊技状態がボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)に移行して第5サービス状態が終了となることを示している。
なお、上記のステップS901,S911,S921,S933,S945の判定がいずれも満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。具体的には、遊技状態が通常状態に制御されているときは、通常状態中フラグがON(=1)であるとともに第1〜第5サービス状態中フラグがOFF(=0)であるから、上記のステップS901,S911,S921,S933,S945の判定がいずれも満たされず、そのまま処理が終了して通常状態が継続する。
[遊技球取込処理〕
次に、遊技球取込処理の流れを、図70〜図74に基づき説明する。ここで、図70は、遊技球取込装置19の制御に関するタイマ割込処理を示すフローチャートである。図71乃至図73は、遊技球取込装置19において実行される遊技球取込処理を示すフローチャートである。図74は、遊技球取込装置19において実行される精算処理を示すフローチャートである。
予め理解を助けるために変数について説明しておく。1ステップ時間カウンタ:ステッピングモータの励磁のパルス幅を決める変数であり、初期値として何割込周期のパルス幅にするかが代入され、タイマ割込毎にデクリメントされる。
取込指令数:指令された取込個数。
取込目標個数:初期値は取込指令数となり、取込んだ遊技球が検出されるたびにデクリメントされる。
インデックス検出フラグ:角度検出用フォトスイッチ64がスリット63aを検出したときにONされる。
インデックスカウント数:初期値は取込指令数となり、インデックス検出フラグがONされる度にデクリメントされる。
取込動作モード:A、B、Cと3種類あり、一定以上の球圧があると判断されたときはモードA、一定以上の球圧がないと判断されたときはモードB、リトライ動作の必要が生じた場合はモードCと切替えられる。
本実施形態では、図70に示すタイマ割込処理は1.5msec毎に起動される。タイマ割込処理での主な処理はセンサ類の読込み、遊技球取込装置19の駆動モータであるステッピングモータの励磁(駆動)パルスを出力する処理などである。
図70に示すように、タイマ割込処理では、まず本割込処理の開始に伴いステップS1102において1ステップ時間カウンタをデクリメントする。この際、元の1ステップ時間カウンタの値は問わない。次に、カウントスイッチの検出があるか否かを判定する(ステップS1104)。このカウントスイッチは、奥取込カウントスイッチ57と手前取込カウントスイッチ58(図11参照)の両方を示す。ステップS1104においてカウントスイッチの検出があった場合は、次のステップS1106にて取込目標個数をデクリメントする。ステップS1104においてカウントスイッチの検出がなかった場合は、ステップS1106の処理をスキップしてステップS1108に進む。
そして、ステップS1108では、インデックスの検出があるか否かを判定する。ここで、インデックスの検出とは、角度検出用フォトスイッチ64にて、角度検出板63のスリット63aを検出することを意味する。インデックスが検出されたとき、遊技球搬送体54は遊技球を落下させる排出位置にある。ステップS1108でインデックスの検出が確認できた場合、次のステップS1110にてインデックス検出フラグをONする。ステップS1108でインデックスの検出が確認できなかった場合は、ステップS1110の処理はスキップする。
その後、ステップS1112において励磁処理を行う。これは、遊技球取込装置19の駆動源であるステッピングモータの正転/逆転/停止のためのパルスを出力/停止する処理である。この処理の詳細は公知技術を用いればよいので説明を省略する。ステップS1112の処理が完了すると、本タイマ割込処理から通常の処理に復帰する。
次に、図71〜図73を参照して、遊技制御の流れの中で呼び出されることを契機として実行される遊技球取込処理について説明する。図71〜図73に示すように、遊技球取込処理では、まずステップS1201において、球抜き操作がONされているか否かを確認する。具体的には、球抜き弁検出器56が球抜き弁55の移動を検出したか否かを判定する。遊技者が球抜きつまみ11を操作すると球抜き弁55が移動し、球抜き弁検出器56がONにセットされる。球抜き弁検出器56がONである場合(ステップS1201におけるYes)は、後述する精算処理に進む(ステップS1300)。そして、ステップS1300の精算処理が終了すると、再びステップS1201に戻る。
一方、球抜き操作がONされていない場合(ステップS1201におけるNo)、ステップS1202においてベットボタンがONされたか否か判定する。ベットボタンがONされていない場合は(ステップS1202におけるNo)、ベットボタンがONされるか球抜き操作がONされるまでループする。ベットボタンがONされた場合は(ステップS1202におけるYes)、ステップS1203に進み、リトライ待機中の報知(後述)を終了する。次いで、ステップS1204の処理に進み、ベットボタンによって決まる取込指令数を取込目標個数に代入する。同様に、次のステップS1206で取込指令数をインデックスカウント数に代入する。
次に、ステップS1208ではリトライ回数をクリアする。ここにリトライ回数は、遊技球の取込に欠落が生じた場合のリトライ動作が行われた回数であり、このリトライ回数があらかじめ決められた上限数を超えたときには、遊技球が不足しているものと判断し、再度のベットボタンの操作待ちになる(詳細後述)。次に、ステップS1210において球圧検出スイッチがONであるかを確認する。ここに球圧検出スイッチとは、図11における奥近接スイッチ59、手前近接スイッチ60を意味し、奥近接スイッチ59、手前近接スイッチ60の両方の位置まで遊技球が満たされていればONにセットされる。本実施形態では、奥近接スイッチ59、手前近接スイッチ60の位置まで遊技球が満たされていれば、一定以上の球圧が確保されていると判断する。球圧検出スイッチがONである場合は(ステップS1210におけるYes)、ステップS1212へ処理が移行する。
本実施形態では、取込動作の開始時に球圧検出スイッチがONであれば取込動作モードをAに設定し、球圧検出スイッチがOFFであれば取込動作モードをBに設定し、取込動作において遊技球の欠落が生じてリトライ動作するときは取込動作モードをCに設定して動作する。なお、取込動作モードAは、最初中速で駆動モータを回転し、その後に回転速度を切替えて高速で駆動モータを回転することによって取込動作を行う。取込動作モードをBは最初から最後まで中速で駆動モータを回転することによって取込動作を行う。取込動作モードCはリトライ動作用で駆動モータを低速で回転することによって取込動作を行う。取込動作モードAは、最初中速で駆動モータを回転し、その後に高速で駆動モータを回転することによって取込動作を行うため、取込動作の最初で遊技球の初速が不足していても充分に取込動作を行うことができ、また、遊技球の加速に合わせて高速で取込むのでトータルの取込速度も確保できるという利点がある。つまり遊技球の欠落防止と高速取込動作を両立している。
そして、球圧検出スイッチがONであることが確認された場合(ステップS1210におけるYes)、ステップS1212にて取込動作モードとしてAを設定する。その後、ステップS1214にて1ステップ時間カウンタに0をセットする。ここで0をセットするのは後述するステップS1228以降でステップ数時間切替えカウンタに従って1ステップ時間カウンタ、つまり回転速度を変更するためである。次のステップS1216でステップ数時間切替えカウンタを0に初期化し、ステップS1224に進む。
一方、球圧検出スイッチがONでなかった場合(ステップS1210におけるNo)、ステップS1218にて取込動作モードとしてBを設定する。その後、ステップS1220にて1ステップ時間カウンタに中速をセットする。1ステップ時間カウンタは具体的にはステッピングモータ1ステップのパルス幅を何回の割込分にするかという値が代入されるが(例えば高速=3、中速=6、低速=9)ここでは、理解を助けるために、あえて高速、中速、低速という言葉を用いる。次に、ステップS1222においてステップ数時間切替えカウンタを0に初期化し、ステップS1224に進む(なお、本実施形態では、取込動作モードがAのときのみステップ数時間切替えカウンタを参照するので、ステップS1222は無くても支障ない)。
ステップS1224においては、取込目標個数が0になっているか否かをチェックする。ここで、取込目標個数が0になっていれば取込が完了しているので(ステップS1224におけるYes)、本遊技球取込処理を終了する。この取込目標個数は、先述のタイマ割込処理のステップS1106でカウントスイッチの検出がある毎にデクリメントされているものである。また、ステップS1224においては、取込目標個数が0になっていなければ(ステップS1224におけるNo)、次のステップS1226に進む。
ステップS1226では、1ステップ時間カウンタが0以下であるか否かを確認する。1ステップ時間カウンタが0になっていると言うことはステッピングモータの1ステップのパルス幅分の割込が完了していることを意味する。1ステップ時間カウンタが正の値である間は、ステップS1224とステップS1226の間でループする。つまり、1ステップ分の時間が経過するのを待つことになる。前述のステップS1214で、1ステップ時間カウンタに0をセットしている場合は、ステップS1224とステップS1226の間でループせず、次のステップS1228に制御が移ることとなる。
一方、1ステップ時間カウンタが0以下であると判断された場合は(ステップS1226におけるNo)、ステップS1228に制御が移り、取込動作モードが判断される。ステップS1228では取込動作モードがAであるか否かを判断する。取込動作モードがAの場合(ステップS1228におけるYes)、ステップS1230に進む。取込動作モードがAでない時(ステップS1228におけるNo)、ステップS1236に進み、取込動作モードがBであるか否かを判断する。取込動作モードがBの場合(ステップS1236におけるYes)、ステップS1238に進む。取込動作モードがBでない時(ステップS1236におけるNo)、ステップS1240に進む。ここでステップS1240に進む場合は、取込動作モードがCのときに限られる。
ステップS1240では、1ステップ時間カウンタを低速にセットし、ステップS1242進む。また、取込動作モードがBのときに処理されるステップS1238では、1ステップ時間カウンタを中速にセットし、ステップS1242進む。
そして、取込動作モードがAと判断された場合(ステップS1228におけるYes)、ステップS1230に制御が移り、ステップ数時間切替えカウンタをインクリメントする。次にステップS1232に進み、ステップ数時間切替えカウンタの値が規定のカウント以上になったか否かを判断する。規定のカウント数に達していない場合は(ステップS1232におけるNo)、ステップS1238に移行して1ステップ時間カウンタを中速にセットし、ステップS1242に進む。また、ステップ数時間切替えカウンタの値が規程のカウント以上になったと判断された場合(ステップS1232でYes)、ステップS1234に移行して1ステップ時間カウンタを高速にセットし、ステップS1242に進む。つまり、この部分で、ステップ数時間切替えカウンタが規程カウント未満の場合は1ステップ時間カウンタが中速にセットされ、その結果として駆動モータは中速回転する。また、ステップ数時間切替えカウンタが規程カウント以上の場合は1ステップ時間カウンタが高速にセットされ、その結果として駆動モータは高速回転する。
次に、ステップS1242では、先述のタイマ割込処理においてインデックスの検出が行われた結果として、インデックス検出フラグがONされたか否かを判定する。未だインデックス検出フラグがONされていない場合は(ステップS1242におけるNo)このステッピングモータの1ステップにおいてインデックスが検出されなかったと言うことで、ステップS1244においてインデックス未検出カウンタをインクリメントする。そして、ステップS1246においてインデックス未検出カウンタが規定値に達したか否かを判断する。ここで規定値は、インデックス間のステップ数(つまりステッピングモータの1回転するステップ数を1回転当たりのインデックス数で除した数)よりも少し余裕(数ステップ)を取った数が選ばれる。インデックス未検出カウンタが規定値に達してしまった場合(ステップS1246におけるYes)は、球ガミが発生している可能性があるので、ステップS1248において球ガミ処理を行う。球ガミ処理は公知の技術で、ステッピングモータを正転→逆転→正転と小刻みに動作させることにより行う。ステップS1248の球ガミ処理が終わったら、ステップS1264に処理が進む。また、インデックス未検出カウンタが規定値に達していない場合も(ステップS1246におけるNo)、ステップS1264に処理が進む。
一方、ステップS1242においてインデックス検出フラグがONされたことが確認された場合は(ステップS1242におけるYes)、まずステップS1250で次の検出に備えてインデックス検出フラグをクリアし、ステップS1252においてインデックス未検出カウンタもクリアする。そして、ステップS1254にてインデックスカウント数をデクリメントする。
次に、ステップS1256で球抜き操作がONか確認する。具体的には、球抜き弁検出器56が球抜き弁55の移動を検出したか否かをチェックする。遊技者が球抜きつまみ11を操作すると球抜き弁55が移動して、球抜き弁検出器56がONにセットされる。球抜き弁検出器56がONである場合は球抜き操作がONであるため(ステップS1256におけるYes)は、ステップS1300の精算処理に進む(後述)。球抜き弁検出器56がONでない場合は球抜き操作がONでないため(ステップS1256におけるNo)、次のステップS1258に進む。
ステップS1258では、インデックスカウント数が0となっているか否かを判断する。インデックスカウント数が0であれば、取込指令数分のインデックスを検出したのであるから、正常ならば遊技球も取込指令数分だけ取込まれているはずである。そこで、インデックスカウント数が0になっていた場合(ステップS1258におけるYes)、ステップS1260に進み、球検出時間ウェイトを行う。このウェイト時間は、遊技球が奥取込カウントスイッチ57と手前取込カウントスイッチ58(図11参照)まで落下し検出されるであろう時間に少し余裕時間を加えている。
ステップS1260で球検出時間のウェイトを行うと、ステップS1262において取込目標個数が0になっているか否かを判断する。取込目標個数が0になっていれば今回の取込動作は終了したので、本遊技球取込処理を抜けるためにリターンする(ステップS1262におけるYes)。また、取込目標個数が0になっていない場合(ステップS1262におけるNo)、遊技球の欠落が生じていたことになるので、ステップS1266以降のリトライ動作に処理が移る。
一方、ステップS1258にてインデックスカウント数が0になっていないと判断された場合には(ステップS1258におけるNo)、取込動作の途中であるので、ステップS1264にてステッピングモータの次のステップの励磁パルスを出力するために励磁のパターンを更新する。なお、ステップS1248の処理を終えた直後、ステップS1246でNoの場合も同様である。ここで更新した励磁パターンは、先述したタイマ割込処理(図70参照)における励磁出力処理(ステップS1112)で参照される。ステップS1264で励磁パターンを更新した後は、次のステップに処理が進むため、再度ステップS1224に処理が移り、1ステップ分の時間を待つことになる。以下は、これまでに説明した内容と同じである。
ステップS1262でNoであった場合は、取込指令数分の回数のインデックスが検出されたにも拘らず、取込指令数分の個数の遊技球が検出されていないので、遊技球の欠落が生じていたことを意味する。ステップS1266以降は欠落が生じた場合のリトライ処理となる。
ステップS1266ではリトライ回数をインクリメントする。リトライ回数は、本遊技球取込処理の初期設定として、ステップS1208でクリアして初期化している。次に、現在の取込目標個数が遊技球の不足個数であるので、取込目標個数を新たなインデックスカウント数として代入する(ステップS1268)。次にリトライ動作をさせるので、ステップS1270にて1ステップ時間カウンタを低速にする。そして、取込動作モードをCとする(ステップS1272)。
ステップS1274ではリトライ回数が規定値に達したかが判断される。リトライ回数が規定値とは、すなわちリトライ動作の上限回数である。リトライ回数が規定値に達していなければ(ステップS1274におけるNo)、低速で取込動作を再開すべく再度ステップS1224に処理が移り、1ステップ分の時間を待つことになる。以下は、これまでに説明した内容と同じである。
もし、リトライ回数が規定値に達していれば(ステップS1274におけるYes)、リトライ待機中のランプ(図示せず)を点灯させる等によりリトライ待機中を報知する(ステップS1276)。そして、次のステップS1278に進む。ステップS1278では、現在の取込目標個数が遊技球の不足個数であるので、取込目標個数を新たな取込指令数として代入し、本遊技球取込処理の最初の処理であるステップS1201に移行して、球抜き操作もしくはベットボタンが操作されるのを待つ。遊技者は、ここで球抜き操作を行い精算して遊技を終了するか、もしくは遊技球を補充して再度ベットボタンを押して遊技を続行するかを選択できる。
次に、図74を参照して、遊技球取込処理の中で遊技者が球抜き操作を行うことを契機として実行される精算処理について説明する。図74に示すように、精算処理では、最初に励磁停止を指示し(ステップS1302)、遊技球取込装置の駆動モータを停止する。その後、ステップS1304にて球抜き操作がOFFされたか否かを確認する。具体的には、球抜き弁検出器56が移動されていた球抜き弁55の戻りを検出したかチェックする。遊技者が球抜きつまみ11から手を離すと、コイルスプリング61が元に戻ろうとする力によって球抜き弁55が前進し、球抜き弁検出器56がOFFにセットされる(図11参照)。この球抜き操作がOFFである限り(ステップS304におけるNo)、ステップS1304をループし、遊技者の球抜き操作の終了を待つ。
そして、ステップS1304で球抜き操作がONとされると(ステップS1304におけるYes)、次はステップS1306で、球圧検出スイッチがONか確認する。ここに球圧検出スイッチとは、図11における奥近接スイッチ59、手前近接スイッチ60を意味し、奥近接スイッチ59、手前近接スイッチ60の両方の位置まで遊技球が満たされていれば、ONしていると判断する。本実施形態では、奥近接スイッチ59、手前近接スイッチ60の位置まで遊技球が満たされていれば、一定以上の球圧が確保されていると判断する。ここで球圧検出スイッチがONであると言うことは、取込装置内に相応の残留球がある。つまり、この場合は、遊技者には、遊技継続の意思があり、単に貯留皿体20の遊技球を減らしたいだけと判断し(ステップS1306におけるYes)、そのまま精算処理を抜ける。
一方、ステップS1306で球圧検出スイッチがONでなければ(ステップS1306でNo)、次にステップS1308において取込済みの遊技球があるか否かを判断する。取込済みの遊技球とは、カウントスイッチ(奥取込カウントスイッチ57又は手前取込カウントスイッチ58)によって検出された遊技球のことであり、取込済みの遊技球がある場合には、取込指令数から取込目標個数を差し引いた数だけ取込済みの遊技球があることになる。既に取込んだ遊技球があれば(ステップS1308におけるYes)、ステップS1310において取込済み個数分の遊技球を遊技球払出装置18から払出すべく払出コマンドを出力する。また、取込済みの遊技球がない場合(ステップS1308でNo)、次にステップS1314において規定時間として0.5秒をセットする。また、ステップS1310において取込済み個数分の遊技球を払出す払出コマンドを出力した場合は、ステップS1312において規定時間として6秒をセットする。
次に、ステップS1316において、前のステップでセットした規定時間だけ待機する。この待機は、遊技球払出装置18から遊技球が払出された場合に、払出された遊技球が貯留皿体20から遊技球通路を転動し、遊技球取込装置19に至るまでの必要時間である。このように、遊技球払出装置18を通じて返却される場合は、遊技球の転動時間を考慮して遊技球取込装置19が動作するので、遊技者に対する返却漏れがなくなる。
さらに、ステップS1318で励磁パターンを逆転方向(つまり返却方向)に変更する。これにより、先述のタイマ割込処理(図70参照)において、励磁出力処理(ステップS1112)が駆動モータを逆転させる。ステップS1318で励磁パターンの逆転を指示したら、ステップS1320で規程回転数回転したかを確認する。ここで規程回転数は、遊技球取込装置19に残留している遊技球と、既に取込完了していた遊技球が払出装置から払出されて返却された数を加算した分が返却できるだけでよい。ただし、本実施形態の場合は、遊技球取込装置19は2列の遊技球を扱うようになっているが、万一、返却すべき遊技球が片方の列に片寄っている可能性もあるので、規程回数は上記の計算の2倍にしておくことが望ましい。
ステップS1320における規程回転数回転の判断が満たされない間は(ステップS1320におけるNo)、ステップS1318に戻る。そして、この規程回転数回転の判断が満たされると(ステップS1320におけるYes)、本精算処理は終了したとしてリターンする。
いずれの場合も、本精算処理が終了した場合は、先述の遊技球取込処理(図71〜図73参照)の最初の処理(ステップS1201)に処理が移行し、球抜き操作もしくはベットボタンが操作されるのを待つ。遊技者は、ここで遊技球を補充して再度ベットボタンを押して遊技を続行することを選択できる。
[各サービス状態への移行条件・終了条件]
以上、本実施形態の球投入回胴マシン1において実行されるゲーム処理について説明した。ここで、上記のゲーム処理に基づいて実行される遊技状態の移行制御に関し、各サービス状態への移行条件および各サービス状態の終了条件について説明する。サービス状態には、上述のとおり、第1サービス状態、第2サービス状態、第3サービス状態、第4サービス状態および第5サービス状態がある。そして、通常状態中やボーナスゲーム(BB、RB)中でない限り、この第1サービス状態〜第5サービス状態のうちいずれかのサービス状態にてゲームが行われる。
第1サービス状態への移行条件は、通常状態であるときにサービス役2に当選すること(サービス役2図柄が揃うこと)、または、第3サービス状態においてサービス役2に当選すること(サービス役2図柄が揃うこと)、である。また、第1サービス状態の終了条件は、当該第1サービス状態において250ゲーム行われること、または、BB若しくはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。この第1サービス状態においてBBおよびRBのいずれにも当選することなく250ゲーム行われたのちは、通常状態となる。
第2サービス状態への移行条件は、通常状態であるときにベル2に当選すること(ベル2図柄が揃うこと)、または、第3サービス状態若しくは第4サービス状態においてベル2に当選すること(ベル2図柄が揃うこと)、である。また、第2サービス状態の終了条件は、当該第2サービス状態において50ゲーム行われること、または、BB若しくはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。この第2サービス状態においてBBおよびRBのいずれにも当選することなく50ゲーム行われたのちは、通常状態となる。
第3サービス状態への移行条件は、BBゲームが終了することである。つまり、上述したとおり、BBゲームが終了したのちは、常にこの第3サービス状態に移行する。また、第3サービス状態の終了条件は、当該第3サービス状態において50ゲーム行われること、第1サービス状態への移行条件が成立すること(サービス役2に当選すること)、第2サービス状態への移行条件が成立すること(ベル2に当選すること)、BB若しくはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。この第3サービス状態において、BBおよびRBのいずれにも当選することなく、さらに、第1サービス状態への移行条件および第2サービス状態への移行条件のいずれも成立することなく50ゲーム行われたのちは、通常状態となる。
第4サービス状態への移行条件は、RBゲームが終了することである。つまり、上述したとおり、RBゲームが終了したのちは、常にこの第4サービス状態に移行する。また、第4サービス状態の終了条件は、当該第4サービス状態において6000ゲーム行われること、第1サービス状態への移行条件が成立すること(サービス役2に当選すること)、第2サービス状態への移行条件が成立すること(ベル2に当選すること)、BB若しくはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。この第4サービス状態において、BBおよびRBのいずれにも当選することなく、さらに、第1サービス状態への移行条件および第2サービス状態への移行条件のいずれも成立することなく6000ゲーム行われたのちは、通常状態となる。
第5サービス状態への移行条件は、通常状態であるか否かに拘らず、さらにはサービス状態であれば第1サービス状態〜第4サービス状態のうちいずれのサービス状態に制御されているかに拘らず、BBまたはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。また、第5サービス状態の終了条件は、BBまたはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。つまり、第5サービス状態は、BBまたはRBに当選してから(BBフラグまたはRBフラグがONしてから)BB図柄またはRB図柄が揃うまでの間に付与される特典である。
ただし、サービス役2図柄が揃って第1サービス状態に移行したとき、当該第1サービス状態においてベル2図柄が揃ったとしても第2サービス状態に移行することはない。同様に、ベル2図柄が揃って第2サービス状態に移行したとき、当該第2サービス状態においてサービス役2が揃ったとしても第1サービス状態に移行することはない。
[各サービス状態・通常状態]
次いで、各サービス状態および通常状態について説明する。ただし、RBゲームが終了したのちは第4サービス状態に制御され、BBゲームが終了したのちは第3サービス状態に制御されるので、遊技の流れを説明する便宜上、第4サービス状態、第3サービス状態、通常状態、第1サービス状態、第2サービス状態、第5サービス状態、の順に説明する。
[第4サービス状態]
第4サービス状態は、上述のとおり、RBゲームの終了後に行われる。
この第4サービス状態では、サービス役2の当選確率は概ね32分の1、ベル2の当選確率は概ね32分の1である。つまり、第2サービス状態に移行する確率と第1サービス状態に移行する確率とが等しくなっている。
また、この第4サービス状態では、サービス役1の当選確率は概ね1.8分の1であり、ベル1の当選確率は概ね6分の1である。ただし、このサービス役1への当選は第4サービス状態の終了条件ではない(つまり他のサービス状態に移行しない)ので、たとえサービス役1に当選したとしても当該第4サービス状態に引き続き制御される。同様に、ベル1への当選も第4サービス状態の終了条件ではないので、たとえベル1に当選したとしても当該第4サービス状態に引き続き制御される。
なお、ベル1またはベル2に当選し且つベル1図柄またはベル2図柄が有効ライン上に揃ったとき、演出表示装置15には、ベル1とベル2とを区別することなく単なるベルを想起させる絵柄が表示される。これにより、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、演出表示装置15の表示から把握することは困難である。また、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選した場合であっても賞球の払い出し個数が25個と同じであるから、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、賞球の払い出し個数からも把握することはできない。これにより、第4サービス状態に制御されているときにベルに当選した場合には、遊技者は、第2サービス状態に移行するのではないかといった期待感を抱くこととなる。また、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第2サービス状態に移行するベルであるのか否かを予測するといった面白みもある。
また、同様に、サービス役1またはサービス役2に当選し且つサービス役1図柄またはサービス役2図柄が有効ライン上に揃ったとき、演出表示装置15には、サービス役1とサービス役2とを区別することなく単なるサービス役を想起させる絵柄が表示される。これにより、サービス役1およびサービス役2のうちいずれのサービス役に当選したかについては、演出表示装置15の表示から把握することは困難である。さらに、サービス役1およびサービス役2のうちいずれのサービス役に当選した場合であってもサービスゲームを実行できる点において同じであるから、サービス役1およびサービス役2のうちいずれのサービス役に当選したかについて、より一層把握することが困難となっている。これにより、第4サービス状態に制御されているときにサービス役に当選した場合には、遊技者は、第1サービス状態に移行しないで欲しいといった願望を抱くこととなる。また、サービス役1またはサービス役2に当選したとき、サービス役1およびサービス役2のうちいずれのサービス役に当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第1サービス状態に移行するサービス役であるのか否かを予測するといった面白みもある。
ところで、サービス役1およびサービス役2の合成確率は概ね1.7分の1であり、ベル1およびベル2の合成確率は概ね5分の1である。つまり、第4サービス状態では、サービス役2の当選確率がベル2の当選確率と等しいにも拘らず(第1サービス状態への移行確率と第2サービス状態への移行確率とが等しいにも拘らず)、サービス役図柄が有効ライン上に揃う頻度は、ベル図柄が有効ライン上に揃う頻度の概ね3倍となっている。
本実施形態では、第4サービス状態においてサービス役に当選する確率は、通常状態においてサービス役に当選する確率よりも有利者に有利であることはもちろん、複数のサービス状態のなかでも第2サービス状態に次いで高い。言い換えると、第4サービス状態は、第2サービス状態に次いでハズレに当選し難く、複数のサービス状態のなかでも第2サービス状態に次いで持ち球の減少率が低い。
なお、サービス役2およびベル2のいずれに当選することなく6000ゲーム行われると通常状態となるが、サービス役2およびベル2のいずれにも当選することなく6000ゲーム行われることは極めて稀である。
このように、RBゲームが終了した後、遊技者が保有する遊技球の減少が大幅に抑制される第4サービス状態に制御される一方で、当選役によっては、第4サービス状態よりもさらに遊技者に有利な第2サービス状態、または、第4サービス状態よりも遊技者に不利な第1サービス状態に移行しうる。したがって、単に第4サービス状態の終了を待つ(所定ゲームを単に消化するだけ)といったことがなくなり、遊技が単調となることを回避でき、興趣の低下を抑制できる。
特に、第4サービス状態は、サービス役2に当選して第1サービス状態に移行しない限り、ベル2に当選してさらに有利な第2サービス状態に移行するか、ボーナス(RBまたはBB)に当選してボーナスゲームを獲得するか、のいずれかに該当するまで継続されることとなる。つまり、第4サービス状態は、サービス役2に当選しない限り、遊技者が持ち球を減らすことなく第2サービス状態への昇格またはボーナスへの当選を期待することができるという有利な状態であるため、必然と遊技の興趣が向上する。
ところで、一般的に遊技者は、BBに当選すると喜ぶ一方で、RBに当選すると、抽選に当選しているにも拘らず当選種別がBBでないことによって落胆する(RBゲームではBBゲームよりも獲得できる賞球が少ないので落胆する)。しかし、本実施形態の球投入回胴マシン1では、BBの当選確率をRBの当選確率よりも極めて低くすることでボーナス当選確率を遊技者にとって有利なもの(概ね1/100)とし、遊技開始から比較的早い段階でボーナス(特にRB)に当選しうるとともに、さらには連続的にRBに当選して遊技者の持ち球を漸増させることが可能とすることで、極力、遊技者に落胆を与えないようにされている。しかも、RBに当選したときは、その後、遊技者にとって有利な第4サービス状態に制御されるため、たとえRBに当選したとしても、遊技者に与える落胆は軽微なものとなり、むしろ持ち球を減らさず次回のボーナスを期待しうることで興趣が向上する。また、当選役は、全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
また、従来の球投入回胴マシンでは、当選役を一見して把握できるように、当選役に対応する図柄として、当該当選当該を想起させる絵が各リール帯に付されていた。例えば、リプレイと書かれた図柄、ベル、あるいはスイカといったものが各リール帯に描かれていた。つまり、全てのリールが停止したときの有効ライン上に例えばベルが揃っていれば、ベルに当選したと把握することができた。
これに対し、本実施形態の球投入回胴マシン1では、各リール帯381a,381b,381cに付されている図柄は、単独では当選役を想起させる絵ではない。つまり、一つのリールまたは二つのリールが停止されただけでは当選役を把握することができず、全てのリールが停止してはじめて当選役を把握できるようになっている。
上述したように、サービス役1に当選したときは、図柄変動表示装置13の全ての図柄リール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「H男図柄−I男図柄−H男図柄」となる。
また、サービス役2に当選したときは、図柄変動表示装置13の全ての図柄リール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「H男図柄−T子図柄−H男図柄」となる。
また、ベル1に当選したとき、図柄変動表示装置13の全ての図柄リール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「M子図柄−T子図柄−M子図柄」となる。
さらに、ベル2に当選したとき、図柄変動表示装置13の全てのリール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「M子図柄−I男図柄−M子図柄」となる。
したがって、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば中リール停止ボタン10bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、サービス役1またはベル2に当選している可能性がある。第4サービス状態に制御されているとき、当選役がサービス役1であれば他のサービス状態に移行することなく第4サービス状態が継続する一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有する遊技球が増加する点で遊技者にとって有利な第2サービス状態に移行する。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば中リール停止ボタン10bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、サービス役2またはベル1に当選している可能性がある。第4サービス状態に制御されているとき、当選役がベル1であれば他のサービス状態に移行することなく第4サービス状態が継続する一方で、当選役がサービス役2であれば、遊技者が保有する遊技球の減少が早い点で遊技者にとって不利な第1サービス状態に移行する。なお、第1サービス状態は、250ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常状態や当該第1サービス状態よりも有利なサービス状態に移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
このように、第4サービス状態に制御されているとき、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち中リール停止ボタン10bを最初に操作すると、当該中リール301bの中段に停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち中リール停止ボタン10bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、第2サービス状態に移行する期待感を抱く一方で、当該ゲームを契機として第1サービス状態に移行しないことが確定し、安心する。また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち中リール停止ボタン10bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、当該ゲームを契機として第2サービス状態に移行しないことが確定する一方で第1サービス状態に移行する可能性が残されているので、第1サービス状態に移行しないで欲しいと願望する。つまり、中リール301bに描かれている図柄「I男図柄」は、第2サービス状態に移行する可能性はあるものの第1サービス状態に移行することがないセーフ図柄として機能し、中リール301bに描かれている図柄「T子図柄」は、第2サービス状態に移行する可能性がないにも拘らず第1サービス状態に移行する可能性があるアウト図柄として機能する。また、当選役は、全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、サービス役1またはサービス役2に当選している可能性がある。第4サービス状態に制御されているとき、当選役がサービス役1であれば他のサービス状態に移行することなく第4サービス状態が継続する一方で、当選役がサービス役2であれば、遊技者が保有する遊技球の減少が早い点で遊技者にとって不利な第1サービス状態に移行する。なお、第1サービス状態は、250ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常状態や当該第1サービス状態よりも有利なサービス状態に移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「M子図柄」が停止すると、ベル1またはベル2に当選している可能性がある。第4サービス状態に制御されているとき、当選役がベル1であれば他のサービス状態に移行することなく第4サービス状態が継続する一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有する遊技球が増加する点で遊技者にとって有利な第2サービス状態に移行する。
このように、第4サービス状態に制御されているとき、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作した場合にも、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作して、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、当該ゲームを契機として第2サービス状態に移行しないことが確定する一方で第1サービス状態に移行する可能性が残されているので、第1サービス状態に移行しないで欲しいと願望する。つまり、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに描かれている「H男図柄」は、第2サービス状態に移行する可能性がないにも拘らず第1サービス状態に移行する可能性があるアウト図柄として機能し、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに描かれている図柄「M子図柄」は、第2サービス状態に移行する可能性はあるものの第1サービス状態に移行することがないセーフ図柄として機能する。また、当選しうる役は、左リール301aおよび右リール301cが停止した時点で把握できるものの、他のサービス状態に移行するか否かについては全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
以上説明したように、第4サービス状態に制御されているとき、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば中リール停止ボタン10bを最初に操作した場合、および、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し次いで右リール停止ボタン10cを操作した場合、のうちいずれの場合であっても、各リール停止ボタン10a,10b,10cを操作する毎に期待感と失望感とが入り混ざることとなり、これまでにない斬新な遊技機を提供することができる。
なお、第4サービス状態においてサービス役2に当選すると第1サービス状態に移行することが殆どではあるものの、常に第1サービス状態に移行するわけではない。図59(a)を見ても分かるように、抽出乱数値が13017である場合にはサービス役2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値13136である場合にはサービス役2とRBとが重複して当選する。
このように、第4サービス状態においてサービス役2に当選することは第1サービス状態への移行条件の一つであるにも拘らず、第4サービス状態においてサービス役2に当選したときに、当該サービス役2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第1サービス状態に移行しない)。これにより、第4サービス状態においてサービス役2に当選した場合であっても、稀に、第1サービス状態に移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。したがって、第4サービス状態においてサービス役2に当選したときは、僅かながらもBBまたはRBに当選している期待感を遊技者に与えることによって、興趣の低下を抑制できる。
同様に、第4サービス状態においてベル2に当選すると第2サービス状態に移行することが殆どであるものの、常に第2サービス状態に移行するわけではない。図59(a)を見ても分かるように、抽出乱数値が13015である場合にはベル2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が13115〜13134のなかのいずれかである場合にはベル2とRBとが重複して当選する。
このように、第4サービス状態においてベル2に当選することは第2サービス状態への移行条件の一つであるにも拘らず、第4サービス状態においてベル2に当選したときに、当該ベル2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第2サービス状態に移行しない)。これにより、第4サービス状態においてベル2に当選した場合であっても、稀に、第2サービス状態に移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。ここで、BBゲームおよびRBゲームでは、第2サービス状態に制御される場合よりも多くの賞球を短期間で獲得できるので、第4サービス状態においてベル2に当選したとしても遊技者に失望を与えることにはならず、むしろ第2サービス状態よりも遊技者により有利なBBゲームやRBゲームが行われることとなる。これにより、興趣の低下を抑制できる。
[第3サービス状態]
第3サービス状態は、上述のとおり、BBゲームの終了後に行われる。
この第3サービス状態では、サービス役2の単独当選当たりの確率はゼロ(BBまたはRBと重複して当選する可能性はある)、ベル2の当選確率は概ね32分の1である。したがって、第1サービス状態に移行する確率は皆無であることから、遊技者は、第2サービス状態に移行する期待感を抱くこととなる。とくに、この第3サービス状態では、遊技者が保有する遊技球の量をほぼ維持しつつ遊技を行うことができるにも拘らず第1サービス状態に移行する確率が皆無であって且つ第2サービス状態のみに移行しうるものであるから、遊技者は第2サービス状態にさらにステップアップする期待感を抱いて遊技を行うこととなり、興趣の低下を抑制できる。
また、この第3サービス状態では、サービス役1の当選確率は概ね3分の1であり、ベル1の当選確率は概ね6分の1である。ただし、このサービス役1への当選は第3サービス状態の終了条件ではない(つまり他のサービス状態に移行しない)ので、たとえサービス役1に当選したとしても当該第3サービス状態に引き続き制御される。同様に、ベル1への当選も第3サービス状態の終了条件ではないので、たとえベル1に当選したとしても当該第3サービス状態に引き続き制御される。
なお、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、演出表示装置15の表示から把握することはできない。また、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選した場合であっても賞球の払い出し個数が25個と同じであるから、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、賞球の払い出し個数からも把握することはできない。これにより、第3サービス状態に制御されているときにベルに当選した場合には、遊技者は、第2サービス状態に移行するのではないかといった期待感を抱くこととなる。また、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第2サービス状態に移行するベルであるのか否かを予測するといった面白みもある。
一方、サービス役1およびサービス役2のいずれが当選したとしても第1サービス状態に移行することはなく、他の終了条件が成立していない限り当該第3サービス状態に引き続き制御される。これにより、演出表示装置15にサービス役を想起させる絵が表示されたとしても第1サービス状態に移行する心配をすることなく、遊技球が1球取り込まれるだけで次ゲームを行うことができる。つまり、第3サービス状態に制御されているときにサービス役1図柄またはサービス役2図柄が揃ったとしても、第4サービス状態に制御されているときにサービス役1図柄またはサービス役2図柄が揃ったときのように、第1サービス状態に移行するのではないかといった心配をする必要がない。このように、サービス役2図柄が揃ったときは、第3サービス状態に制御されているか第4サービス状態に制御されているかによって、同じ図柄(サービス役2)であるにも拘らず、遊技者に与える利益が異なることとなる。
ところで、本実施形態では、第4サービス状態においてサービス役に当選する確率は、通常状態においてサービス役に当選する確率よりも遊技者に有利であるが、複数のサービス状態のうちで第4サービス状態よりは不利である。言い換えると、第4サービス状態中におけるゲームは、通常ゲームよりはハズレに当選し難いが、複数のサービス状態のなかで第4サービス状態よりはハズレに当選しやすく持ち球の減少率が高い。
なお、サービス役2およびベル2のいずれに当選することなく50ゲーム行われると、通常状態となる。
このように、BBが終了したのちに行われる第3サービス状態では、第1サービス状態に移行する可能性が皆無であって、第2サービス状態に移行する期待感を抱きつつ遊技を行うことができる。言い換えると、本実施形態の球投入回胴マシン1ではBBの当選確率がRBの当選確率よりも低いところ、レアなボーナスであるBBに当選した場合には、BBゲームの終了後に先述の第4サービス状態と異なる遊技性を有する第3サービス状態が行なわれるようにしている。そして、この第3サービス状態では、遊技者の持ち球の減少を比較的抑制しつつ、第1サービス状態への転落がない状態で安心して遊技を行ないつつ、第2サービス状態への昇格やボーナスへの当選を期待できるため、興趣の低下を抑制できる。
さらに、第4サービス状態に制御されているときと同様に、サービス役1に当選したときは、図柄変動表示装置13の全ての図柄リール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「H男図柄−I男図柄−H男図柄」となる。
また、サービス役2に当選したときは、図柄変動表示装置13の全ての図柄リール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「H男図柄−T子図柄−H男図柄」となる。
また、ベル1に当選したとき、図柄変動表示装置13の全ての図柄リール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「M子図柄−T子図柄−M子図柄」となる。
さらに、ベル2に当選したとき、図柄変動表示装置13の全ての図柄リール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「M子図柄−I男図柄−M子図柄」となる。
したがって、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば中リール停止ボタン10bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、サービス役1またはベル2に当選している可能性がある。第3サービス状態に制御されているとき、当選役がサービス役1であれば他のサービス状態に移行することなく第3サービス状態が継続する一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有する遊技球が増加する点で遊技者にとって有利な第2サービス状態に移行する。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば中リール停止ボタン10bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、サービス役2またはベル1に当選している可能性がある。このときは、他の終了条件が成立していない限り他のサービス状態に移行することなく、第3サービス状態が継続する。
このように、第3サービス状態に制御されているとき、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち中リール停止ボタン10bを最初に操作すると、当該中リール301bの中段に停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち中リール停止ボタン10bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、第2サービス状態に移行する期待感を抱くこととなる。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、サービス役1またはサービス役2に当選している可能性がある。第3サービス状態に制御されているとき、当選役がサービス役1およびサービス役2のいずれであっても他のサービス状態に移行することなく第3サービス状態に継続して制御される。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、ベル1またはベル2に当選している可能性がある。第3サービス状態に制御されているとき、当選役がベル1であれば他のサービス状態に移行することなく第3サービス状態に継続して制御される一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有する遊技球が増加する点で遊技者にとって有利な第2サービス状態に移行する。
このように、第3サービス状態に制御されているとき、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作した場合にも、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作して、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「M子図柄」が停止すると、第2サービス状態に移行する期待感を抱くこととなる。また、当選しうる役は、左リール301aおよび右リール301cが停止した時点で把握できるものの、他のサービス状態に移行するか否かについては全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
以上説明したように、第3サービス状態に制御されているとき、遊技者が、各リール停止ボタン10a,10b,10cのうち例えば中リール停止ボタン10bを最初に操作した場合、および、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し次いで右リール停止ボタン10cを操作した場合、のうちいずれの場合であっても、各リール停止ボタン10a,10b,10cを操作する毎に期待感が与えられる可能性があり、これまでにない斬新な遊技機を提供することができる。
なお、第3サービス状態においてサービス役2に当選すると、図58(d)を見ても分かるように、抽出乱数値が9517である場合にはサービス役2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が9636である場合にはサービス役2とRBとが重複して当選する。一方、サービス役2の単独当選当たりの確率はゼロである。
このように、第3サービス状態では、サービス役2の単独当選当たりの確率がゼロであり、しかもサービス役2はBBまたはRBと重複して当選するのみであることからサービス役2図柄が揃う確率は極めて低い。しかし、第3サービス状態においてサービス役2図柄が揃った場合には、それがBBまたはRBへの当選となるため、遊技者は、揃うはずがないと思っているサービス役2図柄が揃ったときは、遊技者にサプライズを与えることができるだけでなく大きな喜びを与えることとなり、興趣の低下を抑制できる。
一方に、第3サービス状態においてベル2に当選すると第2サービス状態に移行することが殆どであるものの、常に第2サービス状態に移行するわけではない。図58(d)を見ても分かるように、抽出乱数値が9515である場合にはベル2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が9615〜9634のなかのいずれかである場合にはベル2とRBとが重複して当選する。
このように、第3サービス状態においてベル2に当選することは第2サービス状態への移行条件の一つであるにも拘らず、第3サービス状態においてベル2に当選したときに、当該ベル2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第2サービス状態に移行しない)。これにより、第3サービス状態においてベル2に当選した場合であっても、稀に、第2サービス状態に移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。ここで、BBゲームおよびRBゲームでは、第2サービス状態に制御されている場合よりも多くの賞球を短期間で獲得できるので、第3サービス状態においてベル2に当選したとしても遊技者に失望を与えることにはならず、むしろ第2サービス状態よりも遊技者により有利なBBゲームやRBゲームが行われることとなる。これにより、興趣の低下を抑制できる。
また、BBおよびRBのいずれに当選した場合であっても、BBゲームの終了後およびRBの終了後に、遊技者に有利な第2サービス状態に移行しうるサービス状態に制御される。これにより、BBゲームやRBゲームが終了したのちすぐに遊技を辞めてしまうといったことを回避でき、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、BBゲームの終了後に制御される第3サービス状態と、RBゲームの終了後に制御される第4サービス状態と、では、遊技者が保有する遊技球の減少速度が異なる点で遊技者にとっての有利度が異なっている。このように、ボーナスゲームの種別によって遊技者にとっても有利度合いが異なるサービス状態に制御することで、ボーナスゲーム後の遊技が多様化し、遊技者が飽きにくい遊技機を提供することが可能となる。
[通常ゲーム]
通常ゲームは、BBゲームおよびRBゲームが行われておらず且ついずれのサービス状態にも制御されていない通常状態中に行われるゲームである。
この通常ゲームでは、サービス役2の当選確率は概ね32分の1、ベル2の当選確率は概ね32分の1である。つまり、第2サービス状態に移行する確率と第1サービス状態に移行する確率とが等しくなっている。
この通常ゲームでは、サービス役1の当選確率は概ね3分の1であり、ベル1の当選確率は概ね6分の1である。ただし、このサービス役1への当選は他のサービス状態への移行条件ではないので、たとえサービス役1に当選したとしても引き続き通常ゲームが継続する。同様に、ベル1への当選も他のサービス状態への移行条件ではないので、たとえベル1に当選したとしても引き続き通常ゲームが継続する。
なお、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、演出表示装置15の表示から把握することはできない。また、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選した場合であっても賞球の払い出し個数が25個と同じであるから、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、賞球の払い出し個数からも把握することはできない。これにより、通常ゲームにおいてベルに当選した場合には、遊技者は、第2サービス状態に移行するのではないかといった期待感を抱くこととなる。また、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第2サービス状態に移行するベルであるのか否かを予測するといった面白みもある。
また、同様に、サービス役1またはサービス役2に当選したとき、サービス役1およびサービス役2のうちいずれのサービス役に当選したかについては、演出表示装置15の表示から把握することはできない。さらに、サービス役1およびサービス役2のうちいずれのサービス役に当選した場合であってもサービスゲームを実行できる点において同じであるから、サービス役1およびサービス役2のうちいずれのサービス役に当選したかについて、より一層把握することが困難となっている。これにより、通常ゲームにおいてサービス役に当選した場合には、遊技者は、第1サービス状態に移行しないで欲しいといった願望を抱くこととなる。また、サービス役1またはサービス役2に当選したとき、サービス役1およびサービス役2のうちいずれのサービス役に当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第1サービス状態に移行するサービス役であるのか否かを予測するといった面白みもある。
なお、サービス役2およびベル2のいずれに当選することなくBBまたはRBに当選すると、BBゲームまたはRBゲームが行われるまで第5サービス状態に移行する。
このように、通常における当選役によっては、遊技者が保有する遊技球が増加する点で通常状態よりも遊技者に有利な第2サービス状態、または、遊技者が保有する遊技球が減少する点で遊技者に不利な第1サービス状態に移行しうる。なお、第1サービス状態は、250ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常状態や当該第1サービス状態よりも有利なサービス状態に移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば中リール停止ボタン10bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、サービス役1またはベル2に当選している可能性がある。通常状態中であるとき、当選役がサービス役1であればいずれのサービス状態に移行することなく通常状態が継続する一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有する遊技球が増加する点で遊技者にとって有利な第2サービス状態に移行する。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば中リール停止ボタン10bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、サービス役2またはベル1に当選している可能性がある。通常状態中であるとき、当選役がベル1であればいずれのサービス状態に移行することなく通常状態が継続する一方で、当選役がサービス役2であれば、遊技者が保有する遊技球の減少が早い点で遊技者にとって不利な第1サービス状態に移行する。なお、第1サービス状態は、250ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常状態や当該第1サービス状態よりも有利なサービス状態に移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
このように、通常状態では、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち中リール停止ボタン10bを最初に操作すると、当該中リール301bの中段に停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち中リール停止ボタン10bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、第2サービス状態に移行する期待感を抱く一方で、当該ゲームを契機として第1サービス状態に移行しないことが確定し、安心する。また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち中リール停止ボタン10bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、第1サービス状態に移行しないで欲しいと願望する一方で、当該ゲームを契機として第2サービス状態に移行しないことが確定し、安心する。つまり、中リール301bに描かれている図柄「I男図柄」は、第2サービス状態に移行する可能性はあるものの第1サービス状態に移行することがないセーフ図柄として機能し、中リール301bに描かれている図柄「T子図柄」は、第2サービス状態に移行する可能性がないにも拘らず第1サービス状態に移行する可能性があるアウト図柄として機能する。また、当選役は、全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、サービス役1またはサービス役2に当選している可能性がある。通常状態中であるとき、当選役がサービス役1であればいずれのサービス状態に移行することなく通常状態が継続する一方で、当選役がサービス役2であれば、遊技者が保有する遊技球の減少が早い点で遊技者にとって不利な第1サービス状態に移行する。なお、第1サービス状態は、250ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常状態や当該第1サービス状態よりも有利なサービス状態に移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、ベル1またはベル2に当選している可能性がある。通常状態中であるとき、当選役がベル1であればいずれのサービス状態に移行することなく通常状態が継続する一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有する遊技球が増加する点で遊技者にとって有利な第2サービス状態に移行する。
このように、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作した場合にも、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作して、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、当該ゲームを契機として第2サービス状態に移行しないことが確定する一方で第1サービス状態に移行する可能性が残されているので、第1サービス状態に移行しないで欲しいと願望する。また、遊技者が、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン10cを操作して、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「M子図柄」が停止すると、第2サービス状態に移行する期待感を抱く一方で、当該ゲームを契機として第1サービス状態に移行しないことが確定し、安心する。つまり、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに描かれている図柄「H男図柄」は、第2サービス状態に移行する可能性がないにも拘らず第1サービス状態に移行する可能性があるアウト図柄として機能し、中リール301bに描かれている図柄「M子図柄」は、第2サービス状態に移行する可能性はあるものの第1サービス状態に移行することがないセーフ図柄として機能する。また、当選しうる役は、左リール301aおよび右リール301cが停止した時点で把握できるものの、他のサービス状態に移行するか否かについては全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
以上説明したように、通常状態中であるとき、遊技者が、各リール停止ボタン10a,10b,10cのうち例えば中リール停止ボタン10bを最初に操作した場合、および、各リール停止ボタン10のうち例えば左リール停止ボタン10aを最初に操作し次いで右リール停止ボタン10cを操作した場合、のうちいずれの場合であっても、各リール停止ボタン10a,10b,c0を操作する毎に期待感と失望感とが入り混ざることとなり、これまでにない斬新な遊技機を提供することができる。
なお、通常ゲームおいてサービス役2に当選すると第1サービス状態に移行することが殆どではあるものの、常に第1サービス状態に移行するわけではない。図58(a)を見ても分かるように、抽出乱数値が5717である場合にはサービス役2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が5836である場合にはサービス役2とRBとが重複して当選する。
このように、通常ゲームにおいてサービス役2に当選することは第1サービス状態への移行条件の一つであるにも拘らず、通常ゲームにおいてサービス役2に当選したときに、当該サービス役2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第1サービス状態に移行しない)。これにより、通常ゲームにおいてサービス役2に当選した場合であっても、稀に、第1サービス状態に移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。したがって、通常ゲームにおいてサービス役2に当選したときは、僅かながらもBBまたはRBに当選している期待感を遊技者に与えることによって、興趣の低下を抑制できる。
同様に、通常ゲームにおいてベル2に当選すると第2サービス状態に移行することが殆どであるものの、常に第2サービス状態に移行するわけではない。図58(a)を見ても分かるように、抽出乱数値が5715である場合にはベル2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が5815〜5834のなかのいずれかである場合にはベル2とRBとが重複して当選する。
このように、通常ゲームにおいてベル2に当選することは第2サービス状態への移行条件の一つであるにも拘らず、通常ゲームにおいてベル2に当選したときに、当該ベル2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第2サービス状態に移行しない)。これにより、通常ゲームにおいてベル2に当選した場合であっても、稀に、第2サービス状態に移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。ここで、BBゲームおよびRBゲームでは、通常状態に制御されている場合よりも多くの賞球を短期間で獲得できるので、遊技者に喜びを与えることとなり、興趣の低下を抑制できる。
[第1サービス状態]
第1サービス状態は、上述のとおり、通常状態中であるときにサービス役2に当選したとき(サービス役2図柄が揃ったとき)、または、第3サービス状態に制御されているときにサービス役2に当選したときに行われる。
この第1サービス状態では、サービス役2の単独当選当たりの確率はゼロである(BBまたはRBと重複して当選する可能性はある)。また、この第1サービス状態に一旦移行すると、上述のとおり、当該第1サービス状態において250ゲーム行われるか、または、BB若しくはRBに当選しない限り、第1サービス状態が終了することはない。また、この第1サービス状態は、全てのサービス状態の中では最も遊技者が保有する遊技球の減少が早く(通常状態とほぼ同じ)、250ゲーム行われるかBB若しくはRBに当選しない限り、通常状態や他のより有利なサービス状態に移行しないので、遊技者は、早い段階でBBまたはRBに当選して欲しいと願望することとなる。
ところで、この第1サービス状態は、当該第1サービス状態に移行する前(即ち通常状態または第3サービス状態)においてサービス役2に当選したことによって行われていることから、遊技者は、サービス役2に良いイメージを抱いていない。つまり、遊技者には、サービス役2に当選すると遊技者にとって不利な状態になると印象付けられている。しかし、第1サービス状態では、サービス役2に当選すると常にBBまたはRBと重複当選しているので、実際には、サービス役2に当選するとBBゲームまたはRBゲームが行われることとなる。
このように、通常状態または第4サービス状態では遊技者にとって印象の悪いサービス役2といった当選役が、第1サービス状態ではBBまたはRBに重複当選する役となり、遊技者にとって極めて有利な当選役となる(つまり、サービス役2がバッド役からグッド役に昇格した印象を遊技者が受ける)。これにより、サービス役2といった同じ当選役でありながらもサービス状態の種別如何でその後の帰趨が変わるので、遊技の単調さを軽減でき、興趣の低下を抑制できる。
また、通常状態や第4サービス状態に制御されているときであっても、サービス役2とBBまたはRBとが重複当選当たりしうる一方でサービス役2に当選したときはその殆どが単独当選当たりであるため、遊技者は、サービス役2に当選したときにBBゲームまたはRBゲームが行われるといった印象を受ける可能性は低い。これに対し第1サービス状態では、サービス役2とBBまたはRBとの重複当選当たりの確率は低いものの、サービス役2に当選したときは常にBBゲームまたはRBゲームが行われるので、本来BBまたはRBに当選し得ないサービス役2がBBまたはRBの当選を確定付ける役となる。つまり、遊技者は、第1サービス状態において、通常状態や第3サービス状態ではBBやRBに当選しえないサービス役2に当選した場合にもBBゲームまたはRBゲームが行われるといった印象を受け、僅かではあるもののBBゲームやRBゲームが行われる頻度が高められる印象を持つようになり、興趣の低下を抑制できる。
また、この第1サービス状態に移行する前の通常状態、第3サービス状態および第4サービス状態では、ベル2に当選すると第2サービス状態に移行することから、遊技者は、ベル2に良いイメージを抱くこととなる。しかし、第1サービス状態では、ベル2に当選したとしても第2サービス状態に制御されることはないため、ベル1と当選した場合と同様に遊技球の払い出しが行なわれるだけである。しかし、先述した第3サービス状態および第4サービス状態と同様に、第1サービス状態においても、ベル2がBBまたはRBと重複当選当たりしうることがある。すなわち、第1サービス状態においても、ベル2に当選するとBBゲームまたはRBゲームが行われることがある。
このように、遊技者にとって印象の良いベル2といった当選役は、第1サービス状態においてもBBまたはRBに重複当選しうる役となり、遊技者にとって最も有利な当選役となりうる(つまり、ベル2がグッド役から最良役に昇格した印象を遊技者が受ける)。これにより、第1サービス状態においては、ベル2に当選したとしても第2サービス状態に制御されることはないものの、第2サービス状態よりも遊技者に有利な役(すなわち、最も遊技者に有利な役であるボーナス役)に重複当選しうることにより、遊技者の落胆を防止するのみならず寧ろボーナスゲームへの期待感を向上させて、遊技の単調さを軽減して興趣の低下を抑制できる。
[第2サービス状態]
第2サービス状態は、上述のとおり、通常状態中であるときにベル2に当選したとき(ベル2図柄が揃ったとき)、第3サービス状態に制御されているときにベル2に当選したとき、または、第4サービス状態に制御されているときにベル2に当選したときに行われる。
この第2サービス状態でも、サービス役2の単独当選当たりの確率はゼロである(BBまたはRBと重複して当選する可能性はある)。また、この第2サービス状態に一旦移行すると、上述のとおり、当該第2サービス状態においてBBまたはRBに当選しない限り、この第2サービス状態が50ゲーム行われるまで継続することとなる。また、この第2サービス状態では、遊技者が保有する遊技球が増加することから、この第2サービス状態よりも遊技者に不利な他のサービス状態に移行する前にBBまたはRBに当選して欲しいと願望することとなる。
ところで、この第2サービス状態に移行する前の通常状態または第4サービス状態では、サービス役2に当選すると第1サービス状態に移行することから、遊技者は、サービス役2に良いイメージを抱いていない。つまり、遊技者は、通常状態または第4サービス状態において、たまたまベル2がサービス役2よりも先に当選したために運良く第2サービス状態に移行しただけであると認識しており、サービス役2に当選すると遊技者にとって不利な状態になるといった印象を依然として持っている可能性が高い。しかし、第2サービス状態では、サービス役2に当選すると常にBBまたはRBと重複当選しているので、実際には、サービス役2に当選するとBBゲームまたはRBゲームが行われることとなる。
このように、通常状態または第4サービス状態では遊技者にとって印象の悪いサービス役2といった当選役が、第2サービス状態ではBBまたはRBに重複当選する役となり、遊技者にとって極めて有利な当選役となる(つまり、サービス役2がバッド役からグッド役に昇格した印象を遊技者が受ける)。これにより、サービス役2といった同じ当選役でありながらもサービス状態の種別如何でその後の帰趨が変わるので、遊技の単調さを軽減でき、興趣の低下を抑制できる。
また、通常状態や第4サービス状態に制御されているときであっても、サービス役2とBBまたはRBとが重複当選当たりしうる一方でサービス役2に当選したときはその殆どが単独当選当たりであるため、遊技者は、サービス役2に当選したときにBBゲームまたはRBゲームが行われるといった印象を受ける可能性は低い。これに対し第2サービス状態では、サービス役2とBBまたはRBとの重複当選当たりの確率は低いものの、サービス役2に当選したときは常にBBゲームまたはRBゲームが行われるので、本来BBまたはRBに当選し得ないサービス役2がBBまたはRBの当選を確定付ける役となる。つまり、遊技者は、第2サービス状態において、通常状態や第4サービス状態ではBBやRBに当選しえないサービス役2に当選した場合にもBBゲームまたはRBゲームが行われるといった印象を受け、僅かではあるもののBBゲームやRBゲームが行われる頻度が高められる印象を持つようになり、興趣の低下を抑制できる。
また、この第2サービス状態に移行する前の通常状態、第3サービス状態および第4サービス状態では、ベル2に当選すると第2サービス状態に移行することから、遊技者は、ベル2に良いイメージを抱くこととなる。しかし、第2サービス状態では、ベル2に当選したとしても、第2サービス状態が重複して付与されることはないため、ベル1と当選した場合と同様に遊技球の払い出しが行なわれるだけである。しかし、先述した第3サービス状態および第4サービス状態と同様に、第2サービス状態においてもベル2がBBまたはRBと重複当選当たりしうることがある。すなわち、第2サービス状態においても、ベル2に当選するとBBゲームまたはRBゲームが行われることがある。
このように、遊技者にとって印象の良いベル2といった当選役は、第2サービス状態においてもBBまたはRBに重複当選しうる役となり、遊技者にとって最も有利な当選役となりうる(つまり、ベル2がグッド役から最良役に昇格した印象を遊技者が受ける)。これにより、第2サービス状態においては、ベル2に当選したとしても第2サービス状態が重ねて付与されることはないものの、第2サービス状態に制御されることよりも遊技者に有利な役(すなわち、最も遊技者に有利な役であるボーナス役)に重複当選しうることにより、遊技者の落胆を防止するのみならず寧ろボーナスゲームへの期待感を向上させて、遊技の単調さを軽減して興趣の低下を抑制できる。
なお、この第2サービス状態においてBBまたはRBに当選することなく50ゲームが行われると、その後は通常状態に制御される。また、この通常状態における通常ゲームにおいてベル2に当選すると再び第2サービス状態に移行する。したがって、第2サービス状態としてのゲームが50ゲーム行われて通常状態に移行したとしても遊技者は落胆することがないので、第2サービス状態が終了したからといって遊技を終了する可能性が低い。これにより、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
[第5サービス状態]
第5サービス状態は、上述のとおり、BBまたはRBに当選してからBB図柄またはRB図柄が揃うまでの間に行われる。
この第5サービス状態では、BBまたはRBに当選する確率がゼロとなる。つまり、BBフラグまたはRBフラグが一旦ONになると、BBゲームまたはRBゲームが行われない限り、BBまたはRBに当選することがない。
また、サービス役や小役への当選確率は通常状態における通常ゲームと大きな差はなく、ハズレとなる確率も通常ゲームと大きな差はない。
また、複数の当選役が重複しているときのリール停止処理は、上述のとおり、サービス役図柄、BB図柄(またはRB図柄)、小役図柄の優先順位で、リール引き込み制御が行われる。したがって、この第5サービス状態に制御されているときにサービス役に当選すると、BBフラグまたはRBフラグがONであるにも拘らず当該ゲームを契機としてBBゲームまたはRBゲームが開始することはないので、その間、演出表示装置15にて興趣を高める演出を行うことが可能となる。さらに、この第5サービス状態に制御されているときに小役に当選すると、BB図柄またはRB図柄を揃えることは可能ではあるものの、目押し操作に失敗し、BB図柄またはRB図柄を揃えることができないとき、当選した小役図柄が揃うこととなる。これにより、小役に当選したゲームにおいては、目押し操作に失敗してBB図柄またはRB図柄を揃えることができなかったとしても他の当選小役図柄が揃うので、遊技者が保有する遊技球を減少させることなく、次ゲームを行うことが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
[球投入回胴マシン1の基本的な遊技性について]
ここで、遊技媒体として遊技球を用いる構成を有するとともに、上記のように遊技が進行される球投入回胴マシン1の基本的な遊技性について説明する。
まず、本球投入回胴マシン1では、複数のボーナス役のうちで相対的に当選頻度が高いRBに当選してRB図柄が導出された場合、ボーナスゲームとして遊技者が相対的に少ない賞球(例えば、525個)を獲得しうるRBゲームが付与される。また、複数のボーナス役のうちで相対的に当選頻度が低いBBに当選してBB図柄が導出された場合、ボーナスゲームとして遊技者が相対的に多くの賞球(例えば、1400個)を獲得しうるBBゲームが実行される。つまり、RBおよびBBはともにボーナス役であるもののボーナスゲームで獲得可能な賞球数が異なっており、BBゲームのほうがRBゲームよりも獲得可能な賞球数が多いため遊技者に有利である。
さらに、RBおよびBBは、ともにボーナスゲームが行なわれたのちの遊技状態がともに遊技者に有利なサービス状態に制御されるものの、BBゲームが行なわれたのちに制御される第3サービス状態のほうが、RBゲームが行なわれたのちに制御される第4サービス状態よりも、以下の点で有利である。
すなわち、RBゲームが付与されたのちの第4サービス状態では、サービス役2図柄が導出されると、原則として遊技状態が第1サービス状態に制御されることになる。これは、サービス役2図柄が導出されたことで、遊技者に有利な状態(第4サービス状態)から不利な状態(第1サービス状態)に、遊技状態が降格することを意味する。
一方、BBゲームが付与されたのちの第3サービス状態では、サービス役2図柄が導出されても遊技状態が第1サービス状態に制御されることなく、ボーナスゲームを付与可能な第5サービス状態に制御される。つまり、サービス役2図柄が導出されても、遊技状態を第1サービス状態に移行すべきと判断されないため、遊技状態が第1サービス状態に降格することがない。それどころか、サービス役2図柄が導出されるとボーナスゲームが付与されることとなるため、遊技者にとっても最も有利となることを意味する。
この点を詳述すると、第3サービス状態に制御されているときは、第4サービス状態に制御されているときと異なり、サービス役2図柄が導出されるときには必ず内部抽選でボーナス役が選び出されるようにしている。より具体的には、本実施形態の第3サービス状態では、サービス役2が選び出されるときは当該サービス役2に重複して必ずボーナス役(BB、RB)に当選するようにしている。そのため、第3サービス状態に制御されているときは、サービス役2図柄が導出されても第1サービス状態に降格することなくボーナスゲームが付与される。
このように、球投入回胴マシン1では、賞球の払出が相対的に少ないRBを主たるボーナス役(メインボーナス役)とすることで、全体的なボーナス役への当選確率を比較的高確率に設定することができ、遊技者が遊技開始から比較的早い段階でボーナス役への当選を獲得することができる。そして、RBゲームが付与されたのちは、特典として第1の特典(ボーナスゲーム)および第2の特典(第2サービス状態)の何れもが選択的に付与されうる弟4サービス状態に制御することで、さらなるボーナスゲームあるいは第2サービス状態に制御されることをより早い段階で獲得可能とすることによって、遊技を継続すればするほど持ち球を漸増させることが可能な遊技性を具備する。
ところで、一般的なスロットマシンは遊技媒体としてメダルを用いているが、本球投入回胴マシン1は遊技媒体として遊技球を用いている。ここで、一般には、遊技媒体一つ当たりの遊技価値としては、遊技球よりもメダルの方が数倍大きい(例えば、1ベットに必要な遊技媒体数として、メダルは1枚であるのに対し遊技球は5個)。そのため、同じような遊技性を有する回胴式遊技機であれば、遊技媒体としてメダルを用いるよりも遊技球を用いたほうが、遊技の進行に伴う遊技媒体の投入量および払出量が大きくなる。つまり、遊技媒体として遊技球を用いる回胴式遊技機では、メダルを用いるスロットマシンよりも、賞球の払出が乏しい状態では持ち球の減少が早く感じられる一方、1回のボーナスゲームで払いだされる賞球数を多く感じるという特徴を有している。
このような特徴を鑑みて、球投入回胴マシン1では、賞球の払出が相対的に少ないRBを主たるボーナス役とすることで、賞球の払出が少なくても遊技者に十分な出球感と獲得感を与えることができるとともに、全体的なボーナス役への当選確率を高く設定して比較的早い段階でボーナス役に当選し易くすることで、遊技者の持ち球の減少が早く感じられるというデメリットを解消することができる。このような本球投入回胴マシン1は、遊技媒体として遊技球を用いる回胴式遊技機の特徴を活かした最適な遊技性を実現するものであり、遊技者が飽きることなく継続的に遊技を楽しむことができるとともに、従来の回胴式遊技機にない興趣を奏するものである。
さらに、遊技媒体として遊技球を用いる回胴式遊技機では、メダルを用いるスロットマシンとは異なり、遊技球取込装置によって貯留皿から遊技球を取り込む処理が1ゲームごとに必要となる。ところで、従来のスロットマシンでは、遊技の興趣を向上させるため、全体的なボーナス当選確率を抑制することで一回のボーナスゲームで多量の遊技媒体を払いだすような遊技性を採用するものが一般的である。しかし、メダルよりも遊技価値が小さい遊技球を遊技媒体として用いる回胴式遊技機にかかる遊技性を採用したとすると、遊技球の払い出しが抑制される通常状態では持ち球の減少が早いため、遊技者が貯留皿に遊技球を補給する頻度が多くなって負担が大きくなるという問題があった。さらに、一回のボーナスゲームで多量の遊技媒体を払いだすようにすると、すぐに貯留皿が払い出された賞球で満タンとなってしまい、遊技者が貯留皿から溢れた賞球を移し変える作業に忙殺されてしまって遊技操作を行なう余裕がなくなってしまうという問題があった。
その点でも、球投入回胴マシン1では、賞球の払出が相対的に少ないRBを主たるボーナス役とすることで、通常状態においてボーナス役に適度な頻度で当選しうるので持ち球の減少を抑制することができ、遊技者が貯留皿体20に遊技球を補給する作業負担を軽減することができる。また、RBに当選した場合には、適度な数量の賞球が払い出されるようにして、遊技者が貯留皿体20から溢れた賞球を移し変える作業負担を適切に軽減することができる。
さらに、球投入回胴マシン1では、稀ながら賞球の払出が相対的に多いレアなボーナス役(サブボーナス役)であるBBに当選しうることとした。このレアなBBに当選すると、RBゲームよりも多くの賞球を獲得可能なBBゲームが実行される。さらに、BBゲームが実行されたのちは、RBゲームが実行されたのちの第4サービス状態と同様に、特典として第1の特典(ボーナスゲーム)および第2の特典(第2サービス状態)の何れもが選択的に付与されうる第3サービス状態に制御される。しかしながら、この第3サービス状態は、サービス役2図柄が導出されても第1サービス状態に降格することなくボーナスゲームが付与されるという点で、サービス役2図柄が導出されると第1サービス状態に降格する第4サービス状態よりも極めて有利である。
つまり、レアなボーナス役であるBBに当選すると、主たるボーナス役であるRBに当選した場合よりも多くの賞球を獲得できるということのみならず、ボーナスゲームが実行されたのちのサービス状態でも有利となる。そのため、RBではなくBBに当選すると、単にボーナスゲームでの賞球が多いということ以上の獲得感と期待感を得ることができ、遊技の興趣が最高潮に達成することとなる。これにより、主たるボーナス役として賞球の払出が相対的に少ないRBを採用したことによる遊技の単調さを防止することができるとともに、1回のボーナスゲームで多量の賞球を獲得したいという遊技者の欲求をも満たすことができ、興趣の低下を抑制できる。
また、球投入回胴マシン1では、遊技状態がボーナスゲーム後のサービス状態(第3サービス状態または第4サービス状態)に制御されているときにベル2図柄が導出されると、当該サービス状態が第3サービス状態または第4サービス状態の何れであるかに拘らず、遊技状態が最も有利なサービス状態(第2サービス状態)に制御される。その結果、第4サービス状態では、遊技状態が第2サービス状態に昇格しうる一方で、遊技状態が第1サービス状態に降格するおそれがある。また、第3サービス状態では、遊技状態が第2サービス状態に昇格しうるが、遊技状態が第1サービス状態に降格することはない。
このように、ボーナスゲームと第2サービス状態におけるゲームという2つの特典ゲームが選択的に付与されうるサービス状態(第3サービス状態または第4サービス状態)であっても、第4サービス状態では第1サービス状態に降格するのではないかという緊張感を抱きながら遊技を行なうこととなる一方、第3サービス状態では第1サービス状態に降格するおそれがないという安心感を抱きながら遊技を行なうこととなる。そして、同じボーナスゲーム後のサービス状態であっても、遊技者にとっての有利度合いや遊技内容が異なる複数のサービス状態(第3サービス状態および第4サービス状態)を設けることで、ボーナスゲームが終了した後の遊技状態に多様性を持たせて、興趣の低下が抑制された飽きにくい遊技性を実現している。
ところで、球投入回胴マシン1では、主たるボーナス役であるRBおよびレアなボーナス役であるBBのいずれかに当選すると、先述のようボーナスゲームが行なわれたのちの遊技状態がともに遊技者に有利なサービス状態(第3サービス状態および第4サービス状態)に制御されるところ、これらのサービス状態では内部抽選におけるサービス役への当選確率が少なくとも第1サービス状態よりも遊技者に有利な確率に設定される。つまり、ボーナスゲーム後のサービス状態では、第3サービス状態および第4サービス状態の何れであるかに拘らず、第1サービス状態よりもサービス役への当選確率が高くなる。そのため、持ち球を減らさずにボーナスゲームあるいは第2サービス状態が付与されることを期待することができ、ボーナスゲームが終了しても遊技の興趣が維持されるようになっている。
しかしながら、第4サービス状態では、第3サービス状態よりも内部抽選におけるサービス役への当選確率がさらに遊技者に有利な確率に設定される。つまり、第4サービス状態におけるサービス役への当選確率が、第3サービス状態におけるサービス役への当選確率よりも高くなるという点で、第4サービス状態の方が第3サービス状態よりも有利となっている。
つまり、主たるボーナス役であるRBに当選した場合には、レアなボーナス役であるBBに当選した場合と比較して、ボーナスゲームでの賞球獲得数が少なくなるものの、ボーナスゲーム後のサービス状態でのサービス役への当選確率が優遇される。そのため、第4サービス状態では、サービス役への当選確率が第3サービス状態よりも高いため、第3サービス状態よりも持ち球の減少が極力抑制された態様で更なるボーナスゲームあるいは第2サービス状態の付与を期待することができる。これにより、賞球獲得数の多いBBではなく賞球獲得数の少ないRBに当選した場合の遊技者の落胆が抑制される。
また、第3サービス状態のほうが第1サービス状態に転落しない点で第4サービス状態よりも有利な状態とする一方、第4サービス状態のほうがサービス役への当選確率が高いという点で第4サービス状態よりも有利な状態とすることで、ボーナス後のサービス状態(第3サービス状態および第4サービス状態)を遊技者にとって有利な遊技状態としながらも、ボーナス役の当選種別によって各々異なるメリットを有するサービス状態に制御されるようにした。このように、ボーナス役の当選種別に応じてボーナスゲーム後の遊技状態に多様性をもたらして、飽きのこない遊技性を実現している。
そして、この球投入回胴マシン1では、先述のように、賞球の払出が少ないRBを主たるボーナス役とすることで全体的なボーナス当選確率を比較的高確率に設定することができ、遊技者が遊技開始から比較的早い段階でボーナス役への当選を獲得することができる。さらに、RBゲームが付与されたのちはサービス役への当選確率が非常に優遇された第4サービス状態に制御することで、さらなるボーナスゲームおよび第2サービス状態をより早い段階で獲得可能とするなっている。言い換えると、相対的に当選頻度が高いRBへの当選(すなわち、RBゲーム)と、サービス役への当選確率が高い第4サービス状態と、が繰り返されることによって、遊技を継続すればするほど遊技者の持ち球を漸増させることが可能な遊技性を具備する。
ところで、相対的に当選頻度が高いRBへの当選(すなわち、RBゲーム)と、サービス役への当選確率が高い第4サービス状態とが過剰に繰り返されると、遊技者の持ち球を減らす機会がなくホールとの均衡が図れないという問題が生じうる。そこで、球投入回胴マシン1では、先述のように、第4サービス状態でサービス役2図柄が導出されると、遊技状態を第1サービス状態に制御することとした。すなわち、第4サービス状態でサービス役2図柄が導出されると、遊技者に有利な状態(第4サービス状態)から不利な状態(第1サービス状態)に遊技状態が降格することを意味する。そのため、RBへの当選(RBゲーム)と第4サービス状態との連続によって遊技の興趣を高めつつ、第1サービス状態への移行という転落契機によって遊技者をハラハラさせて第4サービス状態の緊張感を高めることができ、且つ、ホールと遊技者との均衡を図ることができる。
[演出動作の基本制御]
以上は、主制御基板400(主に、主制御CPU)による制御の例であるが、球投入回胴マシン1では、ゲームの進行にあわせてサブ基板360(主に、周辺制御CPU)により各種演出動作の制御を実行する。これは主制御基板400から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、サブ基板360にて実行するものである。前述の通り主制御基板400から出力された各種コマンドは、一旦、サブ基板360(詳細には、RAM)に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてサブ基板360(詳細には、ROM)内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、賞球の払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し個数までを知らせる態様でもよい)などがある。
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくくすることができる。
告知演出は、例えば、当該当選フラグがBBであった場合、「ボーナス確定!」等、遊技者が当該ゲームでいずれの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。この演出は、特にBBやRBなど遊技者にとって喜ばしい当選役(賞球を大量に獲得できるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がBB等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
また、連続演出態様としては、通常状態、BBゲーム、RBゲーム、サービス状態等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が通常状態中であるのか、BBゲーム中であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
そして、サービス状態として実行されるゲームの回数が少ないサービス状態中は、開始から終了まで、その旨を遊技者が認識できるよう連続演出を実行させる。例えば、サービス状態として実行されるゲームの回数をカウントする表示や、規定回数に近づくにつれて危機感迫る効果音を発生させることなどである。このようにすると、遊技者はサービス状態として実行できるゲームの残り回数がどれほどあるのか確認しながらゲームを進めていくことができる。
また、サービス状態として実行できるゲームの回数が多いサービス状態では、連続演出は実行させるが、サービス状態として実行できるゲームの回数のカウント表示は特に行わないものであってもよい。これは、サービス状態として実行できるゲームの回数が遊技者から見て相当に長いゲーム期間であると、規定回数の終わりをほとんど気にする必要が無いからである。そして、上記回数のカウント表示を行わないことは、例えば、遊技者がサービス状態として実行できるゲームの規定回数を知り得ていない場合、いつまでサービス状態が続くのか分からずハラハラしながらサービス状態に制御された遊技を続けられるという効果を奏することができる。
以上の演出態様は、演出表示装置15による画像の表示や、スピーカ130等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、演出表示装置15、スピーカ130、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、演出表示装置15に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
[ステージ演出およびステージ移行制御]
次に、演出表示装置15の略全面に表示されるメイン画像(動画を含む。)を少なくとも用いたステージ演出およびステージ移行制御について、図75および図76を参照して説明する。図75は、各ステージにおける演出画像の一例を示す図であり、(a)が第1ステージの演出画像の一例を示す図、(b)が第2ステージの演出画像の一例を示す図、(c)が第3ステージの演出画像の一例を示す図、(d)が第4ステージの演出画像の一例を示す図、である。図76は、特別ステージの演出画像の一例を示す図である。なお、以下のステージ演出およびステージ移行制御は、サブ基板360(詳細には、周辺制御CPUおよびVDP)によって実行される。
本実施形態の球投入回胴マシン1では、あらかじめ複数の「ステージ」が設けられており、ステージ移行条件の成立を契機として何れか一の「ステージ」に移行して、当該「ステージ」に固有のステージ演出が実行される。そして、各「ステージ」では、固有のステージ演出として、当該「ステージ」に特有のモチーフを表したメイン画像(動画を含む。)が表示制御されるとともに、併せて演出内容に対応した所定の音声あるいは効果音が出力される。
詳細には、図75に示すように、球投入回胴マシン1の演出表示装置15では、第1ステージ,第2ステージ,第3ステージ,第4ステージ,特別ステージの計5ステージが用意されている。そして、ボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)を除く遊技状態時(すなわち、通常状態およびサービス状態)には、第1〜第4ステージおよび特別ステージのうちいずれかの「ステージ」に移行する。そして、図75(a)〜(d)および図76に示すように、演出表示装置15では当該「ステージ」に対応するステージ演出に固有の演出画像が表示される。
また、各「ステージ」で実行されるステージ演出では、当該「ステージ」に固有のモチーフによってキャラクタの動作や背景などが様々に異なっている。例えば、図75(a)に示す「第1ステージ」では、キャラクタが店舗内で着座している状態が表された演出画像が表示される。図75(b)に示す「第2ステージ」では、キャラクタが昼間に歩道を歩いている状態が表された演出画像が表示される。図75(c)に示す「第3ステージ」では、キャラクタが昼間にバイクを低速で走らせる状態が表された演出画像が表示される。図75(d)に示す「第4ステージ」では、キャラクタが夜間にバイクを高速で走らせる状態が表された演出画像が表示される。図76に示す「特別ステージ」では、キャラクタが朝方にバイクを最高速で走らせる状態が表された演出画像が表示される。
ここで、特別ステージは、内部的に第2サービス状態に制御されていることが確定するステージである。つまり、演出表示装置15にて特別ステージの演出が行われると、ゲームの進行に応じて遊技者が保有する遊技球が増加するので、ボーナスゲームほどではないものの遊技者にとって利益度が高いゲームが行われることとなる。このように、特別ステージでは、保有する遊技球を増やしながらゲームを行うことができるので、遊技者は、特別ステージにステージ移行することを願望しながら遊技を行うこととなる。
そして、上記の計5つの「ステージ」は、球投入回胴マシン1の内部的な遊技状態(通常状態および各サービス状態)に依存するように、ステージ移行条件の成立を契機に移行制御される。すなわち、内部的な遊技状態が特別ステージに移行する期待度が、各「ステージ」に応じて異なるように、所定条件の成立を契機に「ステージ」が移行制御される。具体的には、内部的な遊技状態が特別ステージに移行する期待度が、第1ステージが最も小さく、第1ステージよりも第2ステージが大きく、第2ステージよりも第3ステージが大きく、第3ステージよりも第4ステージが大きくなるように「ステージ」が移行制御される。つまり、キャラクタの動作が激しくバイクの速度が速いことを示す「ステージ」であるほど、内部的な遊技状態が特別ステージに移行する期待度が大きくなっている。また、特別ステージに移行する期待度を遊技者が容易に把握できるように、演出表示装置15に表示される★の数により期待度が表わされている(図75(a)〜(d)参照)。なお、図75では、便宜上、演出表示装置15の外側に表示されている。
以下では、本実施形態に係る球投入回胴マシン1で行われるステージ移行制御を、より具体的かつ詳細に説明する。
まず、ボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)を除いて、遊技者に最も有利な遊技状態は、先述したように、ハズレとなる確率が最も低く且つ第1サービス状態に移行することのない第2サービス状態である。所定期間(50G)の間に遊技球を増加させながら次のボーナスへの当選を狙うことができるからである。そこで、内部的な遊技状態が第2サービス状態に移行するに際して演出画像も特別ステージに移行し、図76に示すような演出画像が表示される。
詳細には、第2サービス状態への移行条件は、内部的にボーナスが成立している場合を除き、所定遊技状態(通常状態,第3サービス状態,第4サービス状態)でベル2に当選することである。そのため、原則として上記所定遊技状態でベル2に当選したのちは、第2サービス状態が終了するまで「特別ステージ」のステージ演出が継続して実行される。この「特別ステージ」のステージ演出によって、遊技者は第2サービス状態に移行したことを明確に把握できるとともに、第2サービス状態という遊技者に極めて有利な状態で遊技を楽しむことができる。
また、ボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)を除く遊技状態のうちで、第2サービス状態へ移行する可能性がある遊技状態(言い換えれば、第2サービス状態へ移行する期待度が高い遊技状態)は、第3サービス状態および第4サービス状態である。内部的な遊技状態が第3サービス状態および第4サービス状態のいずれかに制御されているときは、ステージ状態が「第4ステージ」に制御されて、図75(d)に示すような演出画像が表示される。
詳細には、第3サービス状態への移行条件はBBゲームの終了であるため、BBゲームが終了したのちは第3サービス状態が終了するまで「第4ステージ」のステージ演出が継続して実行される。同様に、第4サービス状態への移行条件はRBゲームの終了であるため、RBゲームが終了したのちは、第4サービス状態が終了するまで「第4ステージ」のステージ演出が継続して実行される。
この「第4ステージ」のステージ演出によって、第2サービス状態に移行する期待度が高い遊技状態に移行することを明確に把握できるとともに、第3サービス状態または第4サービス状態いう遊技者に比較的有利な状態で遊技を楽しむことができる。さらに、遊技者は、ボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)の終了後にも、第2サービス状態に移行する期待度が高いことを了知して、興趣が低下しがちなボーナスゲーム終了後も期待感を維持しながら遊技を楽しむことができる。これにより、ボーナスゲームが終了したとしても、遊技を続行する意欲が失われる虞を軽減することができ、興趣の低下を抑制できる。
ところで、通常状態も、第3サービス状態および第4サービス状態と同様に、第2サービス状態へ移行する可能性がある遊技状態である。そこで、内部的な遊技状態が通常状態に制御されているときも、ステージ状態が「第4ステージ」に制御されうる。例えば、第2サービス状態の終了後は通常状態に移行するため、第2サービス状態が終了したのちは通常状態が終了するまで「第4ステージ」のステージ演出が継続して実行される。この「第4ステージ」のステージ演出によって、遊技者は第2サービス状態に移行する期待度が高いことを了知して、第2サービス状態が終了しても再度第2サービス状態に戻るのではないかという期待感を維持しながら遊技を楽しむことができる。
すなわち、図75(a)〜(d)に示す各「ステージ」のうちで、遊技状態が所定の遊技状態(通常状態,第3サービス状態,第4サービス状態)に制御されているときは、ベル2図柄が揃うと第2サービス状態に必ず制御されることを示す「第4ステージ」(図75(d)参照)を表示可能である。言い換えると、「第4ステージ」が表示されているときは、ベル2図柄が揃うと第2サービス状態に必ず制御されるため、内部的な遊技状態が所定の遊技状態に制御されていることが確定する。なお、この「第4ステージ」には、他のステージとは異なり所謂ガセ表示は存在せず、ベル2図柄が揃うと第2サービス状態に必ず制御される特別な確定演出として機能する。
そして、ステージ状態が「第4ステージ」に制御されているときに、先述のようにベル2図柄が揃うと「特別ステージ」に移行する一方で、以下の条件成立に応じて第1〜第3ステージへの移行(ステージ降格)が実行される。詳細には、ステージ状態が「第4ステージ」に制御され、且つ、遊技状態が通常状態または第4サービス状態に制御されているとき、すなわち、
・第2サービス状態が終了して通常状態に移行し、当該通常状態で「第4ステージ」のステージ演出がおこなわれているとき
・第3サービス状態または第4サービス状態で所定のサービス状態として規定回数のゲームが実行されて当該サービス状態が終了し、その後に移行した通常状態で「第4ステージ」のステージ演出がそのまま行なわれているとき
・RBゲームが終了して第4サービス状態に制御されているとき
に、サービス役2図柄が揃って内部的な遊技状態が第1サービス状態に制御されると、「第1ステージ」〜「第3ステージ」のいずれかへのステージ移行制御(ステージ降格)が行なわれる。なお、複数ある下位ステージのうちのいずれに降格するかは、後述するステージ移行抽選の結果に応じて決定される。ただし、上述したとおり、サービス役2が揃ったとしても、稀にBBまたはRBに当選している場合がある。
なお、本実施形態の球投入回胴マシン1は、遊技者の顔の略正面となる位置に演出表示装置15が配置されており、この演出表示装置15の上方に図柄変動表示装置13が配置されている。しかも、演出表示装置15の表示領域は図柄変動表示装置13よりも大きいため、遊技者が無理のない姿勢で遊技を行うとき、遊技者は、演出表示装置15に表示される画像を容易に見ることができる。一方、遊技者が無理のない姿勢で遊技を行うとき、遊技者は、図柄変動表示装置13に表示される画像を見ることが、演出表示装置15に表示される画像を見ることよりも困難となる。これにより、遊技者は、図柄変動表示装置13を視ながら遊技を行うといった意識がない限り、遊技中、演出表示装置15に表示される演出画像を注視することとなる。これは、演出表示装置15が遊技中における遊技者の注視領域内に配置されている一方で、図柄変動表示装置13が遊技中における遊技者の注視領域外に配置されていることを意味する。
これにより、目押しに自信を持っている上級者は、図柄変動表示装置13を見ながら遊技を行うことが多くなる一方で、目押しよりも演出に面白みを見出している遊技者は、演出表示装置15に表示される演出画像を見ながら遊技を行うことが多くなる。
ところで、本球投入回胴マシン1では、当選役としてボーナスと重複しない全ての小役およびハズレのいずれかに当選したときに、演出表示装置15において複数のゲームにわたって行われる連続演出態様を行なうか否かを抽選している(連続演出抽選)。そして、連続演出抽選に当選したときは、演出表示装置15に連続演出態様を表示する。この連続演出態様では、複数のゲームにわたって行われる一連の演出であるにも拘らず、当該一連の演出の結果としてボーナスに当選しなかったことが導出される(いわゆる、連続演出失敗)。ただし、このとき、連続演出に失敗したとしても、特別ステージに移行する可能性があり、一度の連続演出でダブルの期待感を遊技者に与えるようにされている。また、連続演出失敗により一旦は遊技者を落胆させたにも拘らずその後に特別ステージに移行させることで、その際に遊技者に与える喜びが大きなものとなり、興趣の低下を抑制できる。
また、連続演出抽選に当選しなかったときは、1回のゲームのみで完結する単発演出態様を表示する。一方、ボーナス(単独当選役および共有当選役を含む)に当選した場合は、連続演出抽選に拘らず、常に複数のゲームにわたって行われる一連の演出の結果としてボーナスに当選したことが導出される連続演出態様を表示する(いわゆる、連続演出成功)。
なお、当選役として小役に当選したときのほうが、当選役としてハズレに当選したときよりも、連続演出抽選に当選しやすい(すなわち、連続演出態様が実行されやすい)ことが望ましい。これにより、ハズレよりも小役のほうに、連続演出態様の結果としてボーナス当選が告知されるという遊技者の期待度を大きくすることができる。また、小役間においても、ボーナスとの重複割合が高い小役ほど連続演出抽選に当選しやすいことが望ましい。これにより、ボーナス重複割合が低い小役(例えば、ベル)よりもボーナス重複割合が低い小役(例えば、チェリー)のほうに、連続演出態様の結果としてボーナス当選が告知されるという遊技者の期待度を大きくすることができる。
また、本球投入回胴マシン1では、当選役としてボーナスと重複しない全ての小役およびハズレのいずれかに当選したときに、演出表示装置15において連続演出態様を行なった場合に、当該連続演出態様を行なったのちに移行する「ステージ」を決定するための抽選を行なっている(ステージ移行抽選)。つまり、先述の連続演出態様は、ステージ移行制御を行なう契機となっており、連続演出態様が行なわれたのちにいずれの「ステージ」に移行するかは、ステージ移行抽選によって決定される。
ところで、先述したようにサービス役2図柄が揃って内部的な遊技状態が第1サービス状態に降格した場合は、連続演出抽選に拘らず常に連続演出態様を表示する。そして、「第4ステージ」から「第1ステージ」〜「第3ステージ」のいずれに移行するかは、ステージ移行抽選によって決定されることになる。そして、内部的な遊技状態が第1サービス状態に制御されている間は、連続演出態様が実行されることを契機として「第1ステージ」〜「第3ステージ」のいずれかにその都度移行制御されることとなる(もちろん、連続演出態様が行なわれたのちも同一ステージがそのまま維持される場合も有りうる)。
なお、内部的な遊技状態が第1サービス状態に制御されているとき、サービス状態として実行されるゲームの回数が当該サービス状態の終了条件となる所定回数(250回)に近づくほど、連続演出抽選に当選しやすい(すなわち、連続演出態様が実行されやすい)。さらに、ステージ移行抽選でより上位のステージが移行先として選択されやすい。具体的には、「第1ステージ」よりも上位の「第2ステージ」が選択されやすく、且つ、「第2ステージ」よりも上位の「第3ステージ」が選択されやすい。
これに加えて、第1サービス状態として実行されるゲームの回数が所定回数(250回)に達したことに基づいて、当該第1サービス状態が終了して通常状態に移行すると、連続演出抽選にさらに当選しやすくなるとともに、ステージ移行抽選でさらに上位のステージが移行先として選択されやすくなる。具体的には、「第1ステージ」〜「第3ステージ」よりもさらに上位の「第4ステージ」が選択されやすい。
これにより、「第4ステージ」から下位ステージに降格したのちに、連続演出態様が比較的に頻繁に実行されたり、連続演出態様が実行されたのちに比較的上位の「ステージ」に移行する割合が高くなったりすると、遊技者に不利な第1サービス状態の終了が近いことや第1サービス状態が終了していることを察知可能とすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、途中から遊技をはじめた遊技者に、内部的な遊技状態を推測する手がかりを与えることができ、複数の球投入回胴マシン1から遊技する台を選ぶ楽しみを増大させることができる。
なお、先述したボーナスゲーム後の「第4ステージ」および第2サービス状態後の「第4ステージ」では、原則としてサービス役2図柄が揃わない限りは、ステージ移行抽選では「第4ステージ」のみが選択される。そのため、サービス役2図柄が揃わない限りは、連続演出態様が実行されたのちは「第4ステージ」によるステージ演出が継続して実行されることとなる。なお、当該「第4ステージ」では、ステージ移行抽選を行なわないようにすることで、連続演出態様が実行されたのちは常に「第4ステージ」が維持されるようにしてもよい。
以上説明したように、本球投入回胴マシン1で実行されるステージ演出およびステージ移行制御によれば、複数の「ステージ」ごとに内部的な遊技状態が遊技者に有利なものである期待度(具体的には、遊技者に最も有利な第2サービス状態へ突入する期待度)が大きくなっており、所定条件の成立に応じて各「ステージ」が移行制御される。そのため、各「ステージ」ごとにステージ演出および期待度を異ならせて遊技性に変化をもたらせるとともに、上位の「ステージ」の昇格や下位の「ステージ」への降格に遊技者を一喜一憂させて、ボーナスゲーム以外の遊技状態における遊技の単調さを解消することができる。
また、上記のステージ移行制御は、連続演出失敗時に行なわれるようにしたため、連続演出態様の結果としてボーナス当選が導出されなかった場合も、当該連続演出態様ののちに移行する「ステージ」に期待することができ、連続演出態様に対する遊技者の関心を集中させて興趣の低下を抑制することができる。
ところで、従来のスロットマシンでは、ボーナスゲームの終了後、または、特定条件が成立すると(例えば、リールの有効ライン上に特定の図柄組み合わせ(出目)が停止表示されると)、再遊技役に当選しやすい遊技者に有利な遊技状態(いわゆる、RT状態)が所定のゲーム回数(例えば、50回)付与されることが知られている。しかし、これは、あくまでボーナスへの当選を前提とした付加的な特典として付与されるものであり、ゲームの進行の妨げを防止するものではない。即ち、従来のスロットマシンでは、1ゲームを実行するために必要なメダル枚数は最大でも3枚であるため、メダル投入に起因するゲームの進行が妨げられるといった虞は少ない。一方、本実施形態の球投入回胴マシン1では、多量の遊技球(最大で15球)が遊技球取込装置19から取り込まれるため、多量の遊技球の取り込みに時間を要してしまい、その結果、ゲームの進行が遅延するのである。
また、本球投入回胴マシン1では、遊技状態の基本的な流れとして、少なくとも第1サービス状態にて遊技の進行に応じて所定回数のゲームが行なわれると、遊技状態が通常状態に制御される。そして、遊技状態が通常状態に制御されているときに特定条件が成立すると(具体的には、ベル2図柄が揃うと)、遊技状態が第2サービス状態に制御される(言い換えると、第2サービス状態に制御される)。その結果、遊技状態が遊技者に不利な第1サービス状態に移行したとしても、遊技の進行に応じて第1サービス状態から第2サービス状態に遊技状態が移行する度合いが高まることとなる。さらに、ボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)が付与されるまでは、第1サービス状態と通常状態とが繰り返される態様で遊技の進行が制御されることとなり、ほぼ周期的に通常状態から第2サービス状態に制御されうることとなる。
つまり、本球投入回胴マシン1は、内部抽選の結果に応じて付与される特別特典として第1の特典(ボーナスゲーム)および第2の特典(第2サービス状態)を有している。そして、所定の遊技状態(通常状態,第3サービス状態,第4サービス状態)では、第1の特典および第2の特典のいずれかを選択的に付与可能であるため、常に両特典への期待感を維持しつつ遊技を行うことができる。一方、特定の遊技状態(第1サービス状態,第2サービス状態)では、第1の特典のみを付与可能であるため、第2の特典への期待感をもてずに遊技者の興趣が低下しがちとなるおそれがあるところ、周期的に第2の特典が付与されうる通常状態に制御されるため、全ての遊技状態において興趣を維持できる遊技性を有している。
なお、第2の特典(第2サービス状態)が、第1の特典(ボーナスゲーム)と同様に、複数ゲームに亘って遊技者に極めて有利な特別特典の一種であることを遊技者に認識させるべく、これらの特別特典の付与が開始されると演出表示装置15に通常の「ステージ」とは異なる演出が表示される。具体的には、ボーナスゲームが開始されると、演出表示装置15にボーナスゲームが付与される遊技者を祝福する第1特典演出(従来のボーナス演出と同様)を表示し、第2サービス状態が開始されると、演出表示装置15に第2サービス状態に制御される遊技者を祝福する第2特典演出(図76に示す「特別ステージ」)を表示する。
そして、演出表示装置15に表示される「ステージ」によって、第2の特典(第2サービス状態)が付与される期待度を遊技者が把握できるようにするとともに、第2サービス状態に制御される期待度が最も高い「第4ステージ」(図75(d)参照)に移行する可能性が前兆予告される。これにより、遊技の進行に応じて適宜移行する「ステージ」を楽しめるのみならず、「ステージ」の移行態様によって「第4ステージ」に移行するタイミング(ひいては、第2サービス状態に制御される「特別ステージ」に移行するタイミング)を測る楽しみが生じる。特に、「第4ステージ」に移行すると、ベル2図柄が揃えば必ず第2サービス状態に制御されることを遊技者は察知することから、第2サービス状態に対する期待が増大し興趣が著しく増加する。
特に、演出表示装置15に期待度が低い「第1〜第3ステージ」(図75(a)〜(c)参照)が表示されているうちは、ベル2図柄が揃っても第2サービス状態に制御されない、あるいは、ベル2図柄が揃っても第2サービス状態に制御されるとは限らないが、「第1〜第3ステージ」から第2サービス状態への期待度が段階的にステップアップして最終的に「第4ステージ」に移行すると、ベル2図柄が揃えば第2サービス状態に制御されることを遊技者は察知することから、第2サービス状態に対する期待が増大し興趣が著しく増加する。
このように、演出表示装置15に「ステージ」が表示されているときは、常に第1の特典(ボーナスゲーム)への期待感を抱けるとともに、第2の特典(第2サービス状態)が周期的に付与されうるようにし、さらに「ステージ」が第2サービス状態に制御される期待度が高いものへの適宜変化していくことで、遊技の進行に応じて遊技者の興趣が徐々に向上することとなる。さらに、演出表示装置15に「第4ステージ」が表示されるに至ると、ベル2図柄が揃えば第2サービス状態の付与が確実となるため、遊技者の興趣が一気に高まるとともに、「もしかしたら単なるガセ演出かもしれない」という遊技者の不安を排除して、遊技者が安心して遊技を楽しむことができる。
さらには、「特別ステージ」(図76参照)が表示されているときは、第2サービス状態に制御されることによって遊技球を漸増させながらゲームを楽しむことができることに加え、「特別ステージ」が終了したのちも「第4ステージ」(図75(d)参照)が表示されるため、遊技者はベル2図柄が揃うと再度第2サービス状態に確実に制御されることを把握できる。そして、「第4ステージ」と「特別ステージ」とが交互に表示されることで、遊技者の興趣や興奮が途切れることなく遊技が進行することとなる。ひいては、「第4ステージ」および「特別ステージ」のループ表示の実行回数(つまり、通常状態と第2サービス状態のループ回数)によっては、ボーナス役に当選しない状態が長引いたとしても、1回のボーナスゲームよりも多量の遊技球を獲得することが可能もなり、1回のボーナスゲーム以上の価値を奏することがあるため、遊技者の興趣を一層向上させることができる。
[特別ステージにおける残りゲーム回数表示]
次に、図76を参照して、特別ステージにおける残りゲーム回数表示について説明する。先述したように、図76は特別ステージの演出画像の一例を示す図であって、(a)が特別ステージの開始直後の演出画像を示す図であり、(b)が特別ステージの開始から所定数ゲーム行なわれたのちの演出画像を示す図である。本実施形態では、複数のサービス状態のうちで遊技者に最も有利な「第2サービス状態」では、図76に示す「特別ステージ」のステージにおいてサービス状態として実行される残りのゲーム回数を表示する。
より詳細には、先述したように、第2サービス状態への移行条件が成立して内部的な遊技状態が第2サービス状態に移行した場合は、連続演出態様が実行されたのちにステージ状態が「特別ステージ」に移行する。そして、ステージ状態が「特別ステージ」に移行したのち所定ゲーム数が実行されるまでは、演出表示装置15に「残り??ゲーム」のように、第2サービス状態として実行される残りのゲーム回数が不明である旨が表示される(図76(a)参照)。つまり、演出表示装置15に、サービス状態として実行される残りのゲーム回数を表示するための表示領域は設けられるものの、サービス状態として実行される具体的な残りのゲーム回数は明示しない状態となる。
そして、第2サービス状態に移行したのち、当該サービス状態において所定ゲーム数(ここでは、20ゲーム)だけ実行されると、演出表示装置15に「残り30ゲーム」のように、第2サービス状態として実行される残りのゲーム回数が表示される(図76(b)参照)。その後は、1ゲームが実行されるごとに、第2サービス状態として実行される残りのゲーム回数が「1」減算されて表示される。例えば、第2サービス状態として実行される残りのゲーム回数として「残り30ゲーム」が表示された状態で1ゲームが実行されると、第2サービス状態として実行される残りのゲーム回数としての表示が「残り29ゲーム」に減算表示される。
これにより、遊技者は、「特別ステージ」(すなわち、第2サービス状態)が残り何ゲームの間継続されるかを明確に把握することができ、「特別ステージ」が突然終了することなく安心して遊技を楽しむことができる。さらに、残りゲーム回数が減算表示されることで、残りゲーム回数が少なくなるほど、早くボーナスに当選して欲しいという遊技者の欲求をかき立てることができ、「特別ステージ」におけるゲーム中の遊技の興趣を一層向上させることができる。
ところで、「特別ステージ」(すなわち、第2サービス状態)は、ボーナスを除いて遊技者に最も有利な遊技状態であるため、かかる状態への移行に際しては連続演出抽選において特別な連続演出態様(以下、特別ステージ移行演出と呼ぶ)が選択される。すなわち、この特別ステージ移行演出は「特別ステージ」へ移行する期待度が極めて高いことを示唆する演出であるため、かかる特別ステージ移行演出を実行することで遊技者を歓喜させて興趣を一層向上させている。
具体的には、この特別ステージ移行演出では、数ゲーム間に亘る一連の演出において、まず最初のゲームで特定のキャラクタが「XXが見えるよ」と発言する演出を行なう。そして、後続するゲーム(次ゲームのほか、数回後のゲームでもよい)で、「XX」という対象物が表示されると第2サービス状態への昇格が確定し、さらに次ゲームから「特別ステージ」が開始される。一方、後続するゲームで「XX」という対象物が表示されない場合は第2サービス状態へ昇格せず、次ゲームからステージ移行抽選で選択された他のステージが開始される。
なお、実際には、特別ステージ移行演出が開始された時点でベル2図柄が揃っていれば、次ゲームから第2サービス状態が開始されるため、特別ステージ移行演出中も内部的には第2サービス状態が既に実行されることになり、当該特別ステージ移行演出では必ず「XX」という対象物が表示されて「特別ステージ」に移行する。逆に言えば、特別ステージ移行演出が開始された時点でベル2図柄が揃っていなければ、内部的な遊技状態に変化が生じることなく、特別ステージ移行演出では「XX」という対象物が表示されず「特別ステージ」に移行することもない。つまり、遊技者は特別ステージ移行演出を参照しなくても、図柄表示窓14でベル2図柄が揃っているか否かで「特別ステージ」に移行するか否かを判別可能となる。
この点、本実施形態の球投入回胴マシン1は、上述したとおり、図柄変動表示装置13が遊技者によって注視され難い構成、および、図柄表示窓14に表示される当選役図柄を把握しがたい構成、などを具備している。そのため、遊技者の関心は専ら演出表示装置15に表示される演出画像に集中し、ベル2図柄が揃ったか否かで「特別ステージ」に移行するか否かを判別することが困難となっている。その分、演出表示装置15で実行される特別ステージ移行演出によって、ベル2図柄が揃うという単なる出目以上にインパクトがある態様で、「特別ステージ」に移行するか否かを導出することができ、遊技者を一層ハラハラドキドキさせることができる。
このように、「特別ステージ」に移行すると即座に残りのゲーム回数を明示するのではなく、所定ゲーム数の実行後に残りのゲーム回数を明示するようにしたのは、以下の理由による。
すなわち、先述したように、所定遊技状態で第2ベル図柄が揃うと次ゲームから第2サービス状態が開始されるところ、「特別ステージ」へは数ゲーム(例えば3ゲーム)に亘って実行される連続演出態様を経由したのちに移行するため、第2サービス状態が開始されるタイミングと「特別ステージ」が開始されるタイミングとには若干のズレ(タイムラグ)が生じる。そのため、「特別ステージ」が開始されると同時に残りのゲーム回数を表示すると、第2サービス状態の終了条件であるゲーム回数「50回」ではなく、連続演出態様において実行される第2サービス状態としてのゲーム回数(すなわち3ゲーム)を除いた「47回」となる。
一方、遊技者からすれば、「特別ステージ」に移行すると同時に第2サービス状態が開始されると認識するのが通常である。その結果、「特別ステージ」が開始されると同時に表示される残りゲーム回数が、本来の残りゲーム回数「50回」よりも少ない「47回」として表示されると、第2サービス状態として実行されるゲームを3回分逸失したように感じて多大な損失感を抱くとともに興趣が低下する問題がある。また、「47回」といった中途半端な残りゲーム回数が表示されると、球投入回胴マシン1において不正な処理がなされているのではないかという疑念を遊技者に抱かしえない。さらに、連続演出抽選の結果に応じて連続演出態様に要するゲーム数が毎回変化する場合は、「特別ステージ」に移行するごとに毎回異なる残りゲーム回数が初期値として表示されることになり、上記の遊技者の損失感や疑念をさらに増長してしまう。
そこで、本実施形態の球投入回胴マシン1では、「特別ステージ」に移行するタイミングに拘らず(言い換えれば、連続演出態様に要するゲーム数に拘らず)、第2サービス状態に移行したのち所定ゲーム数が実行されてから残りゲーム回数を明示するようにした。これにより、「特別ステージ」に移行するタイミングが可変的であっても(言い換えれば、連続演出態様に要するゲーム数がその都度変化しても)、それらに影響されることなく「特別ステージ」に移行するごとに、同一の残りゲーム回数(ここでは、30回)を初期値として表示することができる。しかも、計数単位として自然な数値(具体的には、5の倍数や10の倍数など)である「30回」を、残りゲーム回数として表示することができる。
これにより、遊技者が残りゲーム回数に対して上記のような損失感や疑念を抱くことなく、安心して遊技を楽しむことができる。むしろ、「特別ステージ」に移行したのちに、当初は明示していなかった残りゲーム回数を所定ゲーム数が消化されてから明示することで、「特別ステージ」(残りゲーム回数)があたかも所定回数分(ここでは、30回分)延長されたかのような印象を与えることができ、遊技者を喜ばせて興趣の低下を抑制することができる。
さらに、最大ゲーム数が予め設定されている第2サービス状態において最大残りゲーム数が表示可能である場合に、当該第2サービス状態の最大ゲーム数が予め設定されているにも拘らず、第2サービス状態に移行した際に第2サービス状態として実行される残りゲームの回数を表示することなく、残りゲームの回数が不明である旨を表示することによって、上述の効果の他、残りゲーム数が予め設定されているのではなくいかにも可変であるといった印象を与える効果もある。
なお、第2サービス状態中にBBおよびRBのいずれにも当選することなく50ゲームが行われたとき、当該第2サービス状態が終了して通常状態となり、演出表示装置15では第4ステージの演出画像が表示される。そして、この通常状態における通常ゲームにおいて、サービス役2よりも先にベル2に当選すると、再び内部的に第2サービス状態に移行すると共に、演出ステージも、連続演出態様を経由して再び特別ステージに移行する。
このように、第2サービス状態中にBBおよびRBのいずれにも当選することなく50ゲームが行われて当該第2サービス状態が終了したとしても、第1サービス状態のような遊技者に不利なサービス状態に移行するのではなく、再び第2サービス状態に移行しうる通常状態に移行するので、遊技を続行する意欲が失われる虞が軽減され、興趣の低下を抑制できる。
[ベット数表示メータおよびボーナス期待度表示メータ]
次に、各ステージにて演出表示装置15の略前面に表示されるベット数表示メータおよびボーナス期待度表示メータについて、図77および図78を参照して説明する。図77は、ベット数表示メータを示す図であり、図78は、ボーナス期待度表示メータを示す図である。なお、ベット数表示メータおよびボーナス期待度表示メータは、いずれも、演出表示装置15の全領域に表示されることなく、一部の領域(左下領域)にのみ表示される(図76(a),(b)参照)。
図77(a)に示されるように、ゲーム終了後等のベット数がゼロであるとき、ベット数表示メータでは針がゼロを指している。そして、1ベットボタン8を1回操作したとき、または、遊技球を5個投入すると、図77(b)に示されるように、ベット数表示メータの針が1を指す。さらに1ベットボタン8を1回操作したり遊技球を5個投入したりすると、図77(c)に示されるように、ベット数表示メータの針が2を指す。同様にさらに1ベットボタン8を1回操作したり遊技球を5個投入したりすると、図77(d)に示されるように、ベット数表示メータの針が3を指す。そして、ベット数表示メータの針が3を指すと、「READY」の文字が表示される。これにより、遊技者は、ゲームを開始することができる状態となったことを把握できる。そして、スタートレバー9を操作すると、図77(e)に示されるように、「GO」の文字が表示される。これにより、遊技者は、実際にゲームが開始されたことを把握できる。
なお、ベット数がゼロであるときに遊技者がMAXベットボタン7を操作すると、図77(b)および図77(c)の過程を経ることなく、ベット数がゼロであることを示す態様(図77(a))からベット数が3であることを示す態様(図77(d))に変化する。また、先述のサービス役に当選した場合にも、遊技球取込装置19により遊技球が1個取り込まれるだけで、図77(b)および図77(c)の過程を経ることなく、ベット数がゼロであることを示す態様(図77(a))からベット数が3であることを示す態様(図77(d))に自動的に変化する。
ところで、本実施形態では、上述したとおり、サービス役図柄または小役図柄が揃ったとき、賞球の払い出し個数が多いほどBBまたはRBに重複して当選している期待感が高い。そこで、本実施形態の球投入回胴マシン1では、サービス役図柄または小役図柄が揃ったときに、賞球の払い出し個数を表示することで、ボーナスに当選している期待度を遊技者の視覚に訴えている。
具体的には、図78に示されるように、当選役図柄が有効ライン上に揃うと、当該当選役図柄に対応する賞球が払い出されると共に、当該払い出された賞球個数がボーナス期待度表示メータに表示される。このボーナス期待度表示メータの目盛りには、「再(サービスゲームとして、1個の遊技球が取り込まれるだけで次ゲームを再び実行できることを意味する)」、「25(ベルの払い出し個数に相当)」、「45(スイカの払い出し個数に相当)」、「60(チェリーの払い出し個数に相当)」および「V」、の順で期待度小から期待度大に向けて表示されている。
そして、サービス役(サービス役1、サービス役2)に当選してサービス役図柄が揃うと、図78(a)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が「再」の近傍を示すと共に、「再」の文字が表示される。これにより、サービス役1およびサービス役2のいずれ揃ったとしても、サービスゲームを示すシンボルとしての「再」の文字が表示されるので、遊技者は、サービス役1が揃ったのかサービス役2が揃ったのか把握することが困難となる。同様に、ベル(ベル1、ベル2)に当選してベル図柄が揃うと、図78(b)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が「25」の近傍を示すと共に、賞球払い出し個数に相当する「25」およびベルの絵が表示される。これにより、ベル1およびベル2のいずれ揃ったとしても、ベルを示すシンボルとしてのベルの絵が表示されるので遊技者は、ベル1が揃ったのかベル2が揃ったのか把握することが困難となる。また、スイカに当選してスイカ図柄が揃うと、図78(c)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が「45」の近傍を示すと共に、賞球払い出し個数に相当する「45」およびスイカの絵が表示される。さらに、チェリーに当選してチェリー図柄が揃うと、図78(d)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が「60」の近傍を示すと共に、賞球払い出し個数に相当する「60」およびチェリーの絵が表示される。また、BBまたはRBに当選してBB図柄またはRB図柄が揃うと、図78(e)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が振り切れるように「V」を示し、BBゲームまたはRBゲームが開始される。なお、BB図柄またはRB図柄が揃ったとしても賞球の払い出し個数はゼロであるものの、その後に遊技者に付与されるゲームの価値が大きいことから、ボーナス期待度表示メータの針が振り切れるように「V」を示すようにしている。
このように、サービス役図柄または小役図柄が揃ったときに、賞として払い出される遊技球の個数(サービス役図柄が揃ったときは賞としての賞球の払い出しがないのでゼロ個と解する)に比例してボーナス期待度表示メータの針を表示することで、BBまたはRBに重複当選している期待度を、遊技者に定量的に教唆することが可能となる。
また、複数の小役とBBまたはRBとが重複して当選する場合もあるので(本実施形態でいえば、スイカとチェリーとBB(RB)とが重複当選している可能性がある)、目押しの技量によっては(つまり揃う小役図柄によっては)、相対的に期待度が高い小役図柄(チェリー)が揃うこともあれば、相対的に期待度が低い小役図柄(スイカ)が揃うこともある。これにより、同じ当選役でありながらもボーナス期待度表示メータに表示される期待度が遊技者操作如何で異なるため、相対的に期待度が高い小役図柄(チェリー)を揃えることができた場合には、遊技者がいかにも自らの力でBBまたはRBに当選させることができたような感覚を受けることとなり、興趣の低下を抑制できる。
ところで、上述した本実施形態の遊技機からは、以下の技術思想を把握できる。なお、以下の各技術思想は単独で、若しくは、適宜組み合わされて備えられている。また、以下の各技術思想は、本実施形態を技術思想として表現しているため、本実施形態に記載の用語を上位概念化された用語で表現している。この上位概念化された用語については後述する。
[技術思想1]
技術思想1に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機は、
遊技媒体としてパチンコ球が供給される島設備に設置されるパチンコ球取込式回胴遊技機であって、
前記島設備から供給されるパチンコ球、および、遊技者により補充されるパチンコ球を、少なくとも1回のゲームを実行可能な数量は貯留可能な貯留部と、
複数の図柄が付されると共に回動表示可能な回動表示列が回動方向と交差する方向に複数並んで配置される回動表示装置と、
前記貯留部に貯留されるパチンコ球を内部に取り込み可能なパチンコ球取込装置と、
遊技者によるゲームの始動操作が受け付けられる始動操作部と、
所定個数のパチンコ球を1単位とし、当該1単位の整数倍の規定単位数分のパチンコ球が前記パチンコ球取込装置により前記貯留部から内部に取り込まれたことに応じて、前記始動操作の受け付けを許容しうる始動受付許容手段と、
特典役、および、当該特典役以外の複数種の一般役、を少なくとも含む複数の当選役の何れかに当選しうる内部抽選を、前記始動操作部における始動操作に基づいて1回のゲームごとに行いうる内部抽選手段と、
前記始動操作部において始動操作が受け付けられると、前記複数の回動表示列を回動させる回動表示制御手段と、
前記回動表示制御手段により回動される前記複数の回動表示列を列毎に停止させるべく、当該複数の回動表示列毎に停止操作を受け付けることが可能な停止操作部と、
前記停止操作部において停止操作が受け付けられた前記回動表示列毎に、前記内部抽選の結果に応じて当該回動表示列の回動停止を各々制御する回動表示停止制御手段と、
所定の図柄表示部にて前記複数の回動表示列の全てに跨って形成される図柄の組み合わせが、前記複数の当選役に対応する図柄の組み合わせの何れかに該当するか否かを判定する表示図柄判定手段と、
前記表示図柄判定手段により前記一般役に対応する図柄の組み合わせが表示されたと判定されたときに、当該一般役の種別に対応する遊技価値を、1回のゲーム毎に賞として付与する遊技価値付与手段と、
前記賞としてパチンコ球が付与される場合、当該付与される数のパチンコ球を前記貯留部に払い出すパチンコ球払出装置と、
前記表示図柄判定手段により前記特典役に対応する図柄の組み合わせが表示されたと判定されると、前記遊技価値としてのパチンコ球が賞として前記パチンコ球払出装置により前記貯留部に多量に払い出されうる大当り遊技を、特典として付与する大当り遊技付与手段と、
前記パチンコ球取込装置により前記規定単位数分のパチンコ球が前記貯留部から内部に取り込まれたことに応じて、前記始動受付許容手段により前記始動操作の受け付けが許容されて通常ゲームが実行される通常遊技状態に制御する通常遊技状態制御手段を有する遊技状態制御手段と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記大当り遊技が付与されたのちの所定期間に限り、前記パチンコ球取込装置によりパチンコ球が取り込まれるものの前記1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が前記貯留部から内部に取り込まれたことに応じて、前記始動受付許容手段により前記始動操作の受け付けが許容されてゲームが実行される機会が増加するサービス遊技状態に制御するサービス遊技状態制御手段を、さらに有すると共に、
前記サービス遊技状態制御手段は、
前記パチンコ球取込装置により前記貯留部から内部に取り込まれるパチンコ球の数量が前記半端数量であるにも拘らず前記通常ゲームを実行可能とする
ことを特徴とする。
本技術思想のパチンコ球取込式回胴遊技機は、遊技媒体としてパチンコ球が供給される島設備に取り付けられる。この島設備は、一般的にパチンコ機島と呼ばれ、遊技媒体としてのパチンコ球を用いるパチンコ機を設置させることが可能な遊技場の設備である。なお、パチンコ機島における遊技機の設置高さは、約60cmのものが最も多い。
このパチンコ球取込式回胴遊技機(球投入回胴マシン1)は、複数の図柄が付されると共に回動(回転)可能な回動表示列(図柄リール301、具体的には、図柄が表示されたリール帯381a,381b,381cが付された図柄リール301a,301b,301c)が回動方向と交差する方向に複数並んで配置される回動表示装置(図柄変動表示装置13)と、内部抽選を行う内部抽選手段(主制御基板400にてS3で実行される内部抽選処理)と、を備えている。
また、パチンコ球の掛け指示に応じて、所定の貯留部(貯留皿体20)に貯留されるパチンコ球を内部に取り込み可能なパチンコ球取込装置(遊技球取込装置19)を備えている。パチンコ球の掛け指示は、例えば、遊技者がベット数(掛け数)としてパチンコ球の取り込みを指示するための取込操作部(ベットボタン7,8)を操作することにより行なわれる。始動受付許容手段(主制御基板400にてS2で実行される始動処理)は、所定個数のパチンコ球を1単位とし、当該1単位の整数倍の規定単位数分のパチンコ球がパチンコ球取込装置により貯留部から内部に取り込まれたことに応じて、始動操作の受け付けを許容しうる。なお、パチンコ球取込装置により貯留部から取り込まれたパチンコ球は、島設備側に導き出される。
ここで、「1単位」とは所謂1ベット(1BET)に相当し、この1ベットを成立させるために所定個数(ここでは、5個)の遊技球の取り込みを必要とする。一般的に遊技者は、1BET、2BETおよび3BETのうちいずれか1つを選択的に掛けることができるが(3BETのみしか掛けることができない場合もある)、3BETを掛けてゲームを行うのが一般的である。したがって、「1単位の整数倍の規定単位数」とは1ベットの3倍数にあたる所謂MAXベット(3BET)に相当し、この3ベットを成立させるため15個の遊技球の取り込みを必要とする。そして、パチンコ球取込装置により規定単位数分のパチンコ球が貯留部から内部に取り込まれると、始動操作の受け付けが可能となる。このように、本パチンコ球取込式回胴遊技機では、遊技者がゲームを行うとき、相当の数量(すなわち、遊技の進行に遅延が生じる虞がある10球以上)のパチンコ球がその都度貯留部から内部に取り込まれることとなる。
回動表示列には複数種類の図柄が付されており、この回動表示列は上下方向に回動する。また、この回動表示列は、回動方向と略直交する方向に複数(例えば、三列)並んで配置されている。回動表示列の回動方向は上下方向なので、回動表示列は、左右方向に複数(例えば、三列)並んで配置されることとなる。なお、図柄は、回動表示列に直接描かれることよりも、図柄が描かれた図柄帯が回動表示列に付されることの方が一般的である。したがって、「複数の図柄が付される・・・回動表示列」には、図柄が描かれた図柄帯が付される回動表示列も含まれる。
内部抽選手段は、規定単位数分のパチンコ球が取り込まれて行われる1回のゲーム毎に、複数種の特典役、複数の一般役およびハズレ役のなかからいずれか一つ以上の役を選び出す内部抽選を行う。特典役は、実施形態のボーナス役に相当する。また、一般役とは、ボーナス役およびハズレ役を除く全ての役であり、本実施形態では、ベル1、ベル2、スイカ、チェリー、サービス役1、サービス役2およびボーナス専用の役が相当し、当該一般役の種別に応じて選び出される確率が異なっている。また、特典役および一般役は、通常、当選役と称される。なお、掛け数として取り込まれるパチンコ球には、パチンコ球取込装置から取り込まれるパチンコ球のほか、一般的にクレジットと称される電子データも含んでもよい。
なお、「規定単位数分のパチンコ球が取り込まれて行われる1回のゲーム」とは、パチンコ球の取り込みによって所定の掛け数(ベット数)を設定して行われるゲームであり、所定量(15個)のパチンコ球がパチンコ球取込装置により取り込まれて行われる1回のゲーム、および、後述するサービス役に入賞したことによって自動的に所定の掛け数(ベット数)が設定されて行われる1回のゲーム、のいずれも含まれる。
また、内部抽選手段は、複数の特典役、複数の一般役およびハズレ役のなかから選び出される役が必ずしも一つである必要はなく、複数の特典役、複数の一般役およびハズレ役のなかから少なくとも一つの役を選び出す態様であれば良い。したがって、複数の特典役、複数の一般役およびハズレ役のなかから二つの役を選び出す態様も含まれる。
パチンコ球取込装置により規定単位数分のパチンコ球が取り込まれると、始動操作部(スタートレバー9)において遊技者の始動操作を受け付けることが可能となる。そして、この始動操作部において遊技者の始動操作が受け付けられると、回動表示制御手段(主制御基板400にてS4で実行されるリール回転処理)によって全ての回動表示列の回動が開始する。そして、停止操作部(リール停止ボタン10a〜10c)において回動する回動表示列の停止操作が受け付けられると、回動表示停止制御手段(主制御基板400にてS5で実行されるリール停止処理)によって停止操作が受け付けられた回動表示列が内部抽選の結果に基づいて停止制御される。全ての回動表示列が停止すると、各回動表示列に付された図柄の組み合わせにより内部抽選の結果が、所定の図柄表示部(図柄表示窓14)に導出されうる。「導出されうる」としたのは、内部抽選に当選したとしても例えば目押しに失敗すると、内部抽選の結果が表示部に導出されるとは限らないからである。
つまり、図柄表示部に表出される図柄のなかから回動表示列毎に一つずつの図柄が選び出されて構成される内部抽選の結果としての図柄組み合わせが導出されるラインを有効ラインとすると、内部抽選の結果は上述の回動表示停止制御手段によって有効ラインに位置する図柄組み合わせとして所定の図柄表示部に導出される。全ての回動表示列が停止状態になると、表示図柄判定手段(主制御基板400にてS6で実行される判定処理)によって、図柄表示部にて複数の回動表示列の全てに跨って形成される図柄の組み合わせが、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせの何れに該当するか否か(言い換えると、複数の特典役および複数の一般役のうちいずれかの役に入賞したか否か)が判定される。
なお、表示図柄判定手段によって判定される入賞役は、複数の特典役および複数の一般役のうちいずれか一つの役である必要はない。つまり、複数の役が重複して選び出されている場合には当該複数の役が同時に入賞する態様、および、複数の役が重複して選び出されていたとしても当該複数の役のうちいずれか一つの役のみが入賞しうる態様のいずれも含まれる。
また、表示図柄判定手段によって複数の一般役のうちいずれかの一般役に入賞したと判定されると、当該入賞したと判定された一般役の種別に対応する遊技価値が、1回のゲーム毎に、遊技価値付与手段(主制御基板400にてS7で実行される払出処理)によって賞として付与される。ここで「遊技価値」とは、例えば遊技を行うことが可能なパチンコ球、先述の1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれたことに応じて次ゲームを行うことができるサービス役の権利等が相当する。
このように、1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれるだけで次ゲームを行うことができるサービス役を設けることで、パチンコ球を遊技領域に向けて打ち込むことが必須のパチンコ機とは異なるパチンコ球取込式回胴遊技機に特有の面白みを享受でき、これまでにない新たな遊技機を提供することが可能となり、興趣の低下を抑制できる。また、遊技媒体としてメダルが用いられるスロットマシンでは、1ベットを成立させるために必要なメダル数は1枚である。したがって、1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれたことに応じて次ゲームを行うことができるのは、遊技媒体として遊技球が用いられる本パチンコ球取込式回胴遊技機に特有のものである。
なお、賞としてパチンコ球が付与される場合は、当該付与される数のパチンコ球がパチンコ球払出装置(遊技球払出装置18)によって貯留部に払い出される。なお、パチンコ球払出装置は、島設備からパチンコ球の供給を受けており、賞球付与時などに払出指示を受けると当該払出指示に応じた数のパチンコ球を島設備側から貯留部に払い出す。
このパチンコ球取込式回胴遊技機では、内部抽選にて特典役が選び出されると、遊技価値としてのパチンコ球が賞として付与される機会が増加する大当り遊技(いわゆる、ボーナスゲーム)が、大当り遊技付与手段(主制御基板400にてS322またはS332で実行される制御プログラム上の処理)によって実行される。
さらに、大当り遊技が付与されているときを除いて、遊技状態制御手段が有する通常遊技状態制御手段(主制御基板400にてS6で実行される判定処理等)により、遊技状態が常には通常遊技状態(本実施形態の通常状態に相当)に制御される。通常遊技状態は、パチンコ球取込装置により規定単位数分のパチンコ球が貯留部から内部に取り込まれたことに応じて、始動受付許容手段により始動操作の受け付けが許容されて通常ゲームが実行される遊技状態である。なお、「通常ゲーム」は、通常状態に制御されているときのゲームであり、大当り遊技が行なわれているときのゲームとは異なり、当選役にボーナス役を含めた内部抽選が行なわれる。
そして、この通常遊技状態では、通常ゲームが進行するにつれてパチンコ球取込装置により取り込まれるパチンコ球の総量が、パチンコ球払出装置により賞として払い出されるパチンコ球の総量よりも多くなる。「ゲームが進行するにつれてパチンコ球取込装置により取り込まれるパチンコ球の総量」とは、通常遊技状態に制御されているときに、所定回数のゲームを実行するために必要なパチンコ球としてのパチンコ球取込装置により取り込まれるパチンコ球の総量のことである。また、「パチンコ球払出装置により賞として払い出されるパチンコ球の総量」とは、上記所定回数のゲームが実行されたときに、パチンコ球払出装置により賞として払い出されうるパチンコ球の総量(確率的に賞として払い出されうるパチンコ球の総量)のことである。したがって、遊技状態が通常遊技状態に制御されているときは、ゲームが進行するにつれて貯留部に貯留されるパチンコ球が漸減する。そのため、通常遊技状態では、遊技者がゲームの進行を継続するために貯留部に多量のパチンコ球を補充することが必要とされる。なお、1回のゲームを実行するに際してパチンコ球取込装置により相当の数量のパチンコ球が貯留部から内部に取り込まれるので、ゲームが進行するにつれて貯留部に貯留されるパチンコ球の量が激減する。
ところが、少なくとも大当り遊技が付与されたときは、当該大当り遊技によって多量のパチンコ球が賞として貯留部に払い出される。それとともに、遊技状態制御手段が有するサービス遊技状態制御手段(主制御基板400にてS6で実行される判定処理等)により、サービス遊技状態に制御される。このサービス遊技状態(本実施形態の第3サービス状態および第4サービス状態に相当)は、大当り遊技が付与されたのちの所定期間に限り、パチンコ球取込装置によりパチンコ球が取り込まれるものの1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が貯留部から内部に取り込まれたことに応じて、始動受付許容手段により始動操作の受け付けが許容されてゲームが実行される機会が増加する遊技状態である。
なお、本実施形態では、パチンコ球取込装置により1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が貯留部から内部に取り込まれたことに応じて、始動受付許容手段により始動操作の受け付けが許容されて実行される次ゲームが、サービス状態において実行されうるゲームである「サービスゲーム」に相当する。
このサービス遊技状態は、所定の終了条件が成立するまで(例えば、所定のゲーム回数が実行されたり、所定目が導出される等)、パチンコ球取込装置により1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれるだけで、自動的に掛け(ベット)が成立して始動操作部が有効となる。すなわち、貯留部に貯留されるパチンコ球を減らすことなく、遊技者がゲームを継続することができる。言い換えると、通常遊技状態では1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取りこまれても1ベットすら成立しないところ、サービス遊技状態では1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取りこまれるだけでMAXベット(3ベット)が成立して遊技を実行可能となる。
なお、「1単位に満たない半端数量分のパチンコ球」とは、パチンコ球取込装置からパチンコ球が取り込まれるものの、当該取り込まれるパチンコ球数が1単位(1ベット)に満たない数量(具体的には、1ベットに相当する5個のパチンコ球よりも少ない数量)のパチンコ球を意味する。本実施形態では、「1単位に満たない半端数量分のパチンコ球」は1個としているが、これに限定されず2〜4個であってもよい。ただし、上記技術思想によると「1単位に満たない半端数量分のパチンコ球」としているが、遊技の遅延が生じない範囲で、規定単位に満たない数量分のパチンコ球が取り込まれたことに応じて、規定単位数量分のパチンコ球が取り込まれたものとしてサービスゲームが行われるようにすることも考えられる。
このサービス遊技状態では、パチンコ球取込装置により貯留部から内部に取り込まれるパチンコ球の数量が半端数量であるにも拘らず、通常状態にて実行されるゲーム(通常ゲーム)を実行可能とすることによって、貯留部に貯留されるパチンコ球の漸減が抑制される。つまり、サービス遊技状態におけるゲームでも、サービス役への当選確率は異なるもののサービス役を除く役(特典役、一般役)への当選確率が通常状態における通常ゲームと略同じ確率のゲームが実行される。つまり、大当り遊技が行なわれているときのゲームとは異なり、サービス遊技状態におけるゲームにおいて、当選役にボーナス役を含めると共に当該ボーナス役への当選確率が通常ゲームと同じ内部抽選が行なわれる。
ここで、サービス遊技状態は、本実施形態のようにサービス役への当選確率が高まるサービス状態に限定されず、1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれて無条件に(リール出目に拘らず)遊技が進行する遊技状態を含む。具体的には、内部抽選の結果に拘らず1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれるだけで遊技を行なえる利益が無条件に付与される遊技状態、あるいは、全ての当選役およびハズレ役がサービス役と必ずあるいは高確率で重複する遊技状態であってもよい。また、サービス遊技状態は、パチンコ球取込装置により1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれるだけで自動的に掛け(ベット)が成立して始動操作部が有効となる機会が増加する遊技状態のみならず、自動的に掛け(ベット)が成立すると共に始動操作部における始動操作がなくても次ゲームが自動的に開始される機会が増加する遊技状態であってもよい。
ところで、本パチンコ球取込式回胴遊技機は遊技媒体としてパチンコ球を用いているため、1回のゲームを行うためには相当の数量のパチンコ球が内部に取り込まれる必要がある(例えば、3ベットに必要な遊技媒体としてのパチンコ球の数は15球である)。
また、従来より回胴式遊技機では、払出装置によって遊技媒体が払い出されているときは、始動レバーが受付不可となってゲームを開始することができないように制御される。よって、遊技媒体としてパチンコ球を用いるパチンコ球取込式回胴遊技機では賞球払出数が多くなりがちであるため、大量のパチンコ球が払い出されると遊技を開始することができない期間が長くなってしまい、遊技の進行が遅延するおそれがあった。特に、かかる現象は、短期間に集中して賞球が払い出される大当り遊技で生じる可能性が高い。
このような特徴を鑑みて、遊技媒体としてパチンコ球を用いる本パチンコ球取込式回胴遊技機では、通常遊技状態では貯留部のパチンコ球が漸減するので遊技者がパチンコ球を補充しなければならないが、大当り遊技後は1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれるだけで次ゲームが可能となる機会が増加するサービス遊技状態に制御される。そのため、サービス遊技状態では、遊技者がパチンコ球を補充することを要せずに、大当り遊技で獲得した賞球のみで遊技を進行可能となる。
ところで、一般にパチンコ球取込式回胴遊技機では、貯留部に貯留可能なパチンコ球の量に制限があるため、大当り遊技が行なわれると賞球が貯留部から溢れ出すしまい、貯留部から下皿や賞球箱などにパチンコ球を移す作業を行う必要がある。一方で、先述のように、1回のゲームに実行するのに必要なパチンコ球の取り込み量が多いため、パチンコ球を1球ずつ打ち出して遊技する弾球遊技機等と比べて、遊技者の持ち球の減りが速い(つまり、貯留部におけるパチンコ球が無くなりやすい)ように感じられるおそれがある。特に、大当り遊技によって大量の賞球を獲得したにも拘らず、その後の遊技において貯留部から早々にパチンコ球がなくなってしまうと、大当り遊技によって向上した遊技の興趣が一気に低下してしまうおそれがある。
その点、本パチンコ球取込式回胴遊技機では、大当り遊技後は1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれるだけで次ゲームが可能となる機会が増加するサービス遊技状態に制御されるため、遊技者が貯留皿にパチンコ球を補充する必要がなく、遊技者の手間を軽減して遊技の進行をスムーズにすることができる。また、サービス遊技状態は遊技者に対して直接多量の賞球を付与するものではないため、ホールと遊技者の利益均衡を図りつつ大当り遊技後の興趣の低下を抑制できる。さらに、サービス遊技状態では、貯留部が多量の賞球によって満たされた状態が維持されながら遊技を行うことができるため、大当り遊技によって向上した遊技の興趣を低下することが抑制される。
[技術思想2]
技術思想2に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機は、
技術思想1に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機において、
前記特典役は、前記大当り遊技として前記貯留部において貯留可能な範囲を超えるパチンコ球が払い出される特別大当り遊技が付与される特別特典役と、前記大当り遊技として前記貯留部において貯留可能な略範囲内で収まるようにパチンコ球が払い出される通常大当り遊技が付与される通常特典役と、を含み、
前記遊技状態制御手段は、
遊技者が最も多くのパチンコ球を獲得可能な前記特別大当り遊技が付与されたときは、当該特別大当り遊技が付与されたのちの遊技状態を、前記通常遊技状態よりも前記パチンコ球取込装置によりパチンコ球が取り込まれる頻度が抑制される第1サービス遊技状態に制御する一方、
当該特別大当り遊技よりもパチンコ球の払出数が少ない前記通常大当り遊技が付与されたときは、当該通常大当り遊技が付与されたのちの遊技状態を、前記第1サービス遊技状態よりもさらに前記パチンコ球取込装置によりパチンコ球が取り込まれる頻度が抑制される第2サービス遊技状態に制御する
ことを特徴とする。
本技術思想によれば、特典役として、大当り遊技として貯留部において貯留可能な範囲を超えるパチンコ球が払い出される特別大当り遊技が付与される特別特典役(本実施形態のBBに相当)と、大当り遊技として貯留部において貯留可能な略範囲内で収まるようにパチンコ球が払い出される通常大当り遊技が付与される通常特典役(本実施形態のRBに相当)と、を含んでいる。つまり、通常特典役および特別特典役は、ともに特典役であるものの大当り遊技で獲得可能な賞球数が異なっており、特別特典役に基づく特別大当り遊技のほうが通常特典役に基づく通常大当り遊技よりも獲得可能な賞球数が多いため遊技者に有利である。
この特別大当り遊技では、貯留部の最大貯留可能数を超える数量の賞球が払い出されるため、遊技者が貯留部を溢れる賞球を他に移し変える必要がある。一方、通常大当り遊技では、貯留部の最大貯留可能数を超えない数量の賞球が払い出されるため、遊技者が貯留部から賞球を他に移し変える必要がない。なお、「貯留部」は、従来の上皿のみならず、上皿および下皿の両方を含めたものであってもよい。
そして、遊技状態制御手段は、遊技者が最も多くのパチンコ球を獲得可能な特別大当り遊技が付与されたときは、当該特別大当り遊技が付与されたのちの遊技状態を、通常遊技状態よりもパチンコ球取込装置によりパチンコ球が取り込まれる頻度が抑制される第1サービス遊技状態(本実施形態の第3サービス状態に相当)に制御する。一方、当該特別大当り遊技よりもパチンコ球の払出数が少ない通常大当り遊技が付与されたときは、当該通常大当り遊技が付与されたのちの遊技状態を、第1サービス遊技状態よりもさらにパチンコ球取込装置によりパチンコ球が取り込まれる頻度が抑制される第2サービス遊技状態(本実施形態の第4サービス状態に相当)に制御する。つまり、第1サービス遊技状態および第2サービス遊技状態は、ともにサービス遊技状態であるもののパチンコ球の取り込み頻度が異なっており、通常大当り遊技後の第2サービス遊技状態のほうが特別大当り遊技に基づく第1サービス遊技状態よりもパチンコ球の取り込み頻度が低いため遊技者に有利である。
なお、「パチンコ球が取り込まれる頻度」は、本実施形態ではサービス役への当選確率に相当するものであり、第2サービス遊技状態のほうが第1サービス遊技状態よりもサービス役への当選確率が高いことを意味する。ただし、これに限定されず、第2サービス遊技状態のほうが第1サービス遊技状態よりも、パチンコ球取込装置により1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれるだけでゲームが実行可能となるときに取り込まれるパチンコ球が少なくなるようにしてもよい。具体的には、第2サービス遊技状態では1個のパチンコ球が取り込まれるだけで次ゲームが実行可能となる一方、第1サービス遊技状態では3個のパチンコ球が取り込まれるだけで次ゲームが実行可能となる等である。
ここで、従来の回胴式遊技機では、ボーナスの種類として賞球払出数の多いビックボーナスと賞球払出数の少ないレギュラーボーナスとを有するのが一般的であるが、先述のように遊技媒体としてパチンコ球を用いると賞球払出量が多くなりがちであるため、いずれのボーナスに当選しても賞球が貯留部から溢れ出てしまっていた。そのため、いずれのボーナスに当選しても、遊技者が貯留部から溢れ出た賞球を他に移し変える手間が生じていた。
このような特徴を鑑みて、賞球払出数の異なる複数の特典役が設けられており、特別特典役に基づく特別大当り遊技のときだけは貯留部から溢れる程度に賞球が払い出されるようにした。その一方で、通常特典役に基づく通常大当り遊技では、貯留部に収まる程度の賞球が払い出されるようにした。そして、通常大当り遊技が終了したときは特別大当り遊技が終了したときよりもパチンコ球の取り込みなく遊技を行なえる度合いが大きくなるような遊技状態にした。このように、通常大当り遊技は特別大当り遊技よりも獲得賞球が少ないものの、大当り遊技後はこの少ない賞球だけで遊技者がパチンコ球を補充することなく遊技を進行可能となる。
このように、賞球払出数が多い特別特典役に当選したときだけ、貯留部から溢れる程度に賞球が払い出させる一方、賞球払出数が少ない通常特典役に当選したときだけ、貯留部に収まる程度に賞球が払い出されることで、大当り遊技時に貯留部から賞球が溢れる事態の発生を抑制することができる。そして、特別大当り遊技では、貯留部から賞球が溢れることで優越感と獲得感を与える一方、通常大当り遊技では、遊技者が貯留部から溢れる賞球を処理する手間を生じることなく、遊技の進行をスムーズにすることができる。また、一般には、賞球払出数が少ない通常特典役に当選すると遊技者が落胆するところ、通常大当り遊技の終了後は第1サービス状態よりの有利な態様で1単位に満たない半端数量分のパチンコ球が取り込まれるだけでゲームが実行可能となる第2サービス遊技状態に制御されるため、通常特典役に当選したことによる落胆を抑制するのみならず、次の大当りへの期待感を維持して遊技を継続させることができる。
[技術思想3]
技術思想3に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機は、
技術思想1または2に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機において、
特別の付与条件が満たされると、前記サービス遊技状態とは異なる態様で、前記パチンコ球取込装置によるパチンコ球の取り込みが抑制されると共に遊技の始動が可能となる機会が増加する中当り遊技を、特典として付与可能な中当り遊技付与手段、を備え、
前記中当り遊技付与手段によって前記中当り遊技が付与されると、前記大当り遊技よりも前記パチンコ球払出装置によるパチンコ球の払出頻度が抑制されるにも拘らず、前記パチンコ球取込装置による前記貯留部からのパチンコ球の取込が制限されることにより、ゲームが進行するにつれて当該貯留部に貯留されるパチンコ球が漸増する
ことを特徴とする。
本技術思想によれば、特別の付与条件(例えば、リール出目により特別目が導出されるなど)が満たされると、パチンコ球取込装置によるパチンコ球の取り込みが抑制されると共に遊技の始動が可能となる機会が増加する中当り遊技(本実施形態の第2サービス状態に相当)が、中当り遊技付与手段(主制御基板400にてS6で実行される判定処理等)によって実行される。本実施形態における「特別の付与条件」は、内部抽選にて一般役のうちの特別一般役(ベル2)が選び出され、かつ、当該特別一般役に対応する図柄組み合わせが図柄表示部に導出された場合に満たされる。なお、この特別一般役に対応する図柄組み合わせは、本実施形態の「M子図柄−I男図柄−M子図柄」(ベル2図柄)に相当する。
そして、中当り遊技が付与されると、大当り遊技よりもパチンコ球払出装置によるパチンコ球の払出頻度が抑制されるにも拘らず、パチンコ球取込装置による貯留部からのパチンコ球の取込が制限されることにより、ゲームが進行するにつれて貯留部に貯留されるパチンコ球が漸増する。つまり、この中当り遊技は、所定の終了条件が成立するまで(例えば、所定のゲーム回数が実行されたり、所定目が導出される等)、パチンコ球取込装置によるパチンコ球の取り込みが抑制されると共に自動的に掛け(ベット)が成立して始動操作部が有効となる。すなわち、貯留部に貯留されるパチンコ球を減らすことなく、遊技者がゲームを継続することができる。一方で、中当り遊技に賞球払出のある小役に当選するとそれに相当する賞球が払い出されるため、結果的にはゲームが進行するにつれて貯留部に貯留されるパチンコ球が漸増する。
なお、中当り遊技は、本実施形態のようにサービス役への当選確率が高まるサービス状態に限定されず、パチンコ球の取り込みが抑制されると共に無条件に(リール出目に拘らず)遊技が進行する遊技態様を含む。具体的には内部抽選の結果に拘らずパチンコ球の取り込みが抑制されると共に遊技を行なえる利益が無条件に付与される遊技態様、あるいは、全ての当選役およびハズレ役がサービス役と必ずあるいは高確率で重複する遊技態様であってもよい。
このように、本パチンコ球取込式回胴遊技機では、大当り遊技以外とは別の特典として、パチンコ球の取り込みが抑制されつつ遊技が進行するとともに持ち球が漸増する中当り遊技を有する。この中当り遊技は、大当り遊技よりも賞球払い出しが少ないがパチンコ球の取り込みが抑制されつつ遊技を行なえるため、この少ない賞球だけで遊技者がパチンコ球を補充することなく遊技を継続でき、遊技者の手間を軽減して遊技の進行をスムーズにすることができる。そして、従来の特典(ボーナスゲーム)のように多量の賞球の払出に時間を要したり、貯留部から溢れる賞球の処理に手間取ったりすることがなく、遊技の進行が遅延することによるイライラ感を軽減できる。
また、大当り遊技とは別に中当り遊技という異なる利益を遊技者に付与可能とすることで、大当り遊技が付与されなくても興趣を向上できる。さらに、中当り遊技は大当り遊技と比べて遊技者に対して直接多量の賞球を付与するものではないため、中当り遊技に制御してもホールの利益を損なうものではなく、ホールと遊技者の利益均衡を図りつつ興趣の低下を抑制できる。さらに、中当り遊技では、さらには、特典として大当り遊技の一部に代えて、パチンコ球の取り込みが抑制されつつゲームを実行可能な中当り遊技を設けることで、一定の出玉率を維持しつつも遊技の進行が遅延することによるイライラ感を軽減できる。
[技術思想4]
技術思想4に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機は、
技術思想3に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、特典として前記大当り遊技および前記中当り遊技の何れもが選択的に付与されうる前記通常遊技状態に代えて、特典として前記大当り遊技のみが付与されうる特典制限状態に、遊技状態を制御可能である
ことを特徴とする。
本技術思想によれば、遊技状態制御手段は、特典として大当り遊技および中当り遊技の何れもが選択的に付与されうる通常遊技状態に代えて、特典として大当り遊技のみが付与されうる特典制限状態(本実施形態の第1サービス状態に相当)に、遊技状態を制御可能である。「通常遊技状態」は、大当り遊技および中当り遊技という何れの特典も付与されうることから、遊技者にとって相対的に有利な遊技状態である。「特典制限状態」は、特典として大当り遊技は付与されうるものの中当り遊技が付与されることがないことから、遊技者にとって相対的に不利な遊技状態である。
このように、本パチンコ球取込式回胴遊技機では、常には通常遊技状態に制御することで、大当り遊技および中当り遊技のいずれに対しても期待が持てるダブルチャンスの状態とすることで遊技の興趣を向上させることができる一方、所定の契機(例えば、リール出目で特定目が導出されるなど)に遊技状態を特典制限状態とすることで、全体的な出球率を抑制してホールとの均衡を図ることができる。
さらに、遊技者に不利な特典制限状態を設けることで、逆に全体的な大当りへの当選確率を高く維持することができる共に、通常遊技状態における中当りへの当選確率も高くすることができる。その結果、通常遊技状態では大当りまたは中当りへの期待度を一層向上させることができ、かつ、遊技の単調さを解消することができる。
[技術思想5]
技術思想5に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機は、
技術思想1〜4のいずれか一つに記載のパチンコ球取込式回胴遊技機において、
所定の演出画像が表示される演出画像表示装置と、
前記演出画像表示装置における前記演出画像の表示制御を行なう演出画像表示制御手段と、
前記島設備に取り付けられる外枠内に配置されるとともに縦長矩形状の前面遊技部を有する筺体と、を備えており、
前記筺体は、前記前面遊技部の略上半部に形成される情報表示領域を有し、
前記情報表示領域の上端領域には、前記回動表示列毎に一以上の図柄が表出される前記図柄表示部としての小窓部が形成されるとともに、当該情報表示領域の上端領域を除く略全域にて前記演出画像が表示されるように前記演出画像表示装置が配置される
ことを特徴する。
本技術思想によれば、所定の演出画像が表示される演出画像表示装置(演出表示装置15)と、演出画像表示装置における演出画像の表示制御を行なう演出画像表示制御手段(サブ基板360)と、島設備に取り付けられる外枠(外枠2)内に配置されるとともに縦長矩形状の前面遊技部(扉形前面部材4)を有する筺体(本体筐体3)と、を備えている。
筐体の有する情報表示領域(透明窓12)の上端領域には、上記図柄表示部としての小窓部(ドラム用窓部14)が形成されている。また、この小窓部は、1回のゲーム結果が導出される図柄表示部として機能し、開口されているものに限定されるものではなく、当該小窓部を介して図柄を視認できるようになっていればよい。また、小窓部には、各回動表示列に付された複数の図柄のうち三つの図柄が回動表示列毎に表出される。この三つの図柄は、回動方向に沿う上段、中段および下段にそれぞれ一つずつ表出される。
なお、「上段」は本実施形態の上段ライン622a上の位置であり、「中段」は本実施形態の中段ライン621上の位置であり、「下段」は本実施形態の下段ライン622b上の位置である。つまり、全ての回動表示列の回動が停止したときには、小窓部内の上段、中段および下段の全ての段に一つの図柄が回動表示列毎に表出される。換言すれば、一つの回動表示列を1列と呼ぶとすると、「3段×3列」の合計9個の図柄が表出されることとなる。
また、情報表示領域のうち上端領域を除く略全域(表示装置用窓部16)にて所定の演出画像が表示されるように、先述の演出画像表示装置が配置されている。この演出画像表示装置は、筐体に収容されて配置されるので(筐体内部にて載置されるので)、筐体の前面遊技部側に取り付けられる場合のように、演出画像表示装置の周縁に取付部を必要としない。これにより、情報表示領域のうち上端領域を除く略全域にて演出画像が表示されることが可能となる。つまり、このパチンコ球取込式回胴遊技機は、遊技者と正対する位置に、相対的に平面領域が大きい演出画像表示装置を配置し、当該演出画像表示装置の上方に、相対的に平面領域が小さい小窓部を形成し、当該小窓部に図柄組み合わせが導出される構成とすることで、演出画像表示装置を主体とした遊技機とされている。
ところで、従来、導出される図柄の組み合わせ(以下、「リール出目」と称する場合がある)は、一直線の有効ラインに沿って導出されていた。しかも、当選役に対応する図柄組み合わせは全て同じ図柄となるように導出されていたため、遊技者がリール出目を一見するだけで入賞役を把握することができた。それ故、演出画像を見なくとも、リール出目を見るだけで、実際に遊技を行うことができた。また、相対的に平面領域が大きい演出画像表示装置の上方に図柄組み合わせを導出する回動表示装置を配置する構成にしたとしても、何らかの演出画像が表示されたときには、遊技者心理としてどうしてもリール出目に視線がいきがちとなる。さらに、遊技者がリール出目を見ようとする意識がなかったとしても、当選役に対応する図柄組み合わせが全て同じ図柄で一直線上に導出されると、自然と目に入ってしまうことが多々ある。このため、たとえ演出画像表示装置を設けたとしても、演出画像表示装置に表示される演出効果が半減してしまう虞がある。
なお、遊技者の目を演出画像表示装置に向かせる方策としては、入賞役に対応する図柄組み合わせを所謂バラケ目(有効ラインに沿って導出される図柄組み合わせが複数の回動表示列全て異なる図柄となる目)にしたり、有効ラインを複雑化することによって、リール出目に基づいて入賞役を判断することをほぼ不可能な程度に困難とすることが考えられる。しかし、このような方策では、全面的に演出画像に頼らざるを得ず、遊技者にとって有利な状態となる期待感が高いような演出画像が表示されたにもかかわらず実際には遊技者に有利な状態とならなかった場合等には、演出画像表示装置に表示される演出画像に対する信頼度が低くなってしまう。その結果、遊技者は現状の遊技状態を全く把握できないまま遊技を行うこととなり、遊技者に不安を生じさせる結果となってしまう。
これに対し、本パチンコ球取込式回胴遊技機では、小窓部に導出されるリール出目を把握可能ではあるものの、小窓部は相対的に平面領域が小さく遊技者の視野に入り難い情報表示領域のうち上端領域に配置されているため、遊技者が意識的に小窓部を注視しなければリール出目で示される入賞役を即座に把握することが困難な構成となっている。一方、遊技者と正対する位置に、相対的に平面領域が大きい演出画像表示装置を配置しているため、遊技者の視野には必然的に演出画像表示装置に表示される演出画像が入りやすくなる。このように、遊技者の意識が回動表示装置よりも演出画像表示装置に向きやすい構成を採用することで、遊技者がリール出目のみに関心を寄せてしまい演出画像による演出効果が妨げられることを軽減することができる。
[技術思想6]
技術思想6に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機は、
技術思想5に記載のパチンコ球取込式回胴遊技機において、
前記筐体は、
前記前面遊技部の前面から遊技者側に突出して形成され、前記情報表示領域の下方にて少なくとも前記始動操作部および前記停止操作部が配設された横長の操作盤と、
を備えるとともに、
前記貯留部は、
前記操作盤とは別部材で構成され、前記前面遊技部の前面における当該操作盤の下方から遊技者側に突出した一皿構造の皿状部材であって、
前記パチンコ球払出装置から払い出されたパチンコ球を貯留するとともに、前記パチンコ球取込装置に向かってパチンコ球を流下させる
ことを特徴とする。
本技術思想によれば、前面遊技部の前面から遊技者側に突出して形成され、情報表示領域の下方にて少なくとも始動操作部および停止操作部が配設された横長の操作盤(操作盤6)を、筐体に備えている。また、貯留部は、操作盤とは別部材で構成され、前面遊技部の前面における当該操作盤の下方から遊技者側に突出した一皿構造の皿状部材であって、パチンコ球払出装置から払い出されたパチンコ球を貯留するとともに、パチンコ球取込装置に向かってパチンコ球を流下させる。
このように、貯留部を操作盤とは別部材で構成して操作盤の下方に形成することで、遊技者はリラックスした状態で始動操作部や停止操作部などを操作することが可能となっている。さらに、貯留部が一皿構造(すなわち、この種の遊技機が一般的に備えている下皿を取り去った構造)を採用したことから、貯留部および操作盤の配置位置を全体的に低くすることができる。そして、情報表示領域を視認性のよい適切な位置に配置することが可能となり、遊技者に快適な状況で遊技を行なわせることができる。
以上は、本発明の球投入回胴マシン1の一形態であるが、これに限定されることはない。