JP5229115B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置、照明器具、ディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト光源などに利用可能な発光装置に関し、特に、薄型/小型タイプで光の取り出し効率に優れ、歩留まり良く得られる発光装置に関する。
近年、電子機器の小型化・軽量化に伴い、それらに搭載される発光装置(LED)等の光源も小型化されたものが種々開発されている。これらの発光装置は、例えば、絶縁基板の両面にそれぞれ形成された一対の金属導体パターンが形成された両面スルーホールプリント基板上に発光素子を載置し、ワイヤなどを用いて金属導体パターンと発光素子とを電気的に導通させるような構造を有している。
しかしながら、このような発光装置は、両面スルーホールプリント基板を使用することが必須条件であり、この両面スルーホールプリント基板が少なくとも0.1mm程度以上の厚みがあるため、表面実装型の発光装置の徹底した薄型化を阻害する要因となっている。そのため、このようなプリント基板を使用しない構造の発光装置が開発されている(例えば特許文献1)。
特開2005−79329号公報
特許文献1に開示されている発光装置は、基板に蒸着などによって薄い金属膜を形成し、これを電極とし、発光素子とともに透光性樹脂で封止することで、従来の表面実装型の発光装置に比べて薄型化が可能となっている。
しかしながら、このような薄い膜厚で形成される金属膜は、面積を広くすると平坦性が低下し易い。そのため、発光素子が傾いて載置される場合があり、そうなると配向特性が安定しにくく、光取り出し効率が低下する可能性がある。
以上の目的を達成するため、発光素子と、発光素子が載置される導電部材と、導電部材の外縁と接する基体と、を有する発光装置であって、導電部材の上面は、外縁から中央領域に向かって傾斜する傾斜面を有し、傾斜面の上に、発光素子が載置された平板状の台座部材の上面が水平となるようその底面が接合されてなることを特徴とする。これによって、発光素子を水平に載置することができるため、配向特性が安定し、光取り出し効率が低下しにくい発光装置とすることができる。
本発明の請求項2に記載の発光装置は、導電部材の上面は、中央領域よりも外縁の方が高い位置にあることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の発光装置は、導電部材の上面は、外縁よりも中央領域の方が高い位置にあることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の発光装置は、台座部材は、上面視における中心が、発光素子の中心と異なる位置に配されており、発光素子の中心は、発光装置の中心に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の発光装置は、導電部材は、鍍金であることを特徴とする。
本発明により、薄型の発光装置を、歩留まり良く容易に形成させることができる。
図1Aは、本発明に係る発光装置の全体及び内部を示す斜視図である。 図1Bは、図1Aに係る発光装置のA−A’断面における断面図である。
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。
また、本明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。尚、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
<実施の形態1>
本実施の形態の発光装置100を図1A、図1Bに示す。図1Aは発光装置100の斜視図であり、図1Bは図1AのA−A’断面における断面図である。
本実施の形態において、発光装置100は、発光素子102と、発光素子102が載置される台座部材104と、台座部材が載置される導電部材101と、導電部材101、101’の外縁と接する基体103とを有している。基体103は底面と側壁からなる凹部Sを有しており、凹部Sの底面において、導電部材101、101の上面の一部が露出している。発光素子102は、導電部材101、101’と、導電性ワイヤ105を介して電気的に接続されており、封止部材106がこれらの電子部品を被覆するよう、凹部S内に設けられている。そして、本発明において、導電部材101の上面は、外縁101aから中央領域101bに向かって傾斜する傾斜面を有し、この傾斜面の上に、台座部材104の上面が水平となるようにその底面が接続されていることを特徴とする。このようにすることで、発光装置の実装面に対して発光素子を水平に載置することができるため、安定した配向特性を有する発光装置とすることができる。
(導電部材)
導電部材は、発光素子に直接又は間接的に電気的に接続して外部から供給される電気を通電させるための一対の電極として機能させるものであり、少なくとも一方の導電部材は上面に台座部材が載置可能な大きさを有しており、絶縁部材(基体)を介して設けられる他方の導電部材は導電性ワイヤが接続可能な大きさを有している。導電部材の下面は、発光装置の外面を構成するよう露出されており、これによって外部と導通させることができる。
本形態において、導電部材101の上面は、図1Bに示すように、外縁101aから中央領域101bに向かって傾斜する傾斜面を有している。尚、本明細書において外縁及び中央領域とは、連続する一部材として設けられている一つの導電部材中の異なる領域を指すものであり、外縁は導電部材の端部近傍領域を指し、また、中央領域とはその端部から連続するとともにある程度の距離をおいた領域を指すものである。
図1Bでは、導電部材101は、中央領域101bよりも、外縁101aの方が高い位置にあるよう、すなわち、外縁101a側から中央領域101bに向かって徐々に導電部材101の厚みが薄くなるような傾斜面を有している。このような厚みの異なる導電部材は、支持基板に開口部を有するレジストを形成し、その開口部内に電解鍍金によって金属膜を形成させる方法で得られるものであり、その厚みを厚くするほど、また、面積が大きいほど、高低差が大きくなりやすい。そのため、放熱性等を考慮して厚くしようとするほど、外縁と中央領域との差が大きくなりやすく、傾斜面の角度も大きくなりやすい。本発明のように、台座部材を用いることで、導電部材の一部を比較的厚く形成することができるとともに、その傾斜面を利用して台座部材を載置することで、発光素子が傾斜するのを抑制することができる。また、図1Bでは、外縁の方が中央領域よりも高くなっているが、これとは逆に、中央領域の方が外縁領域よりも高くなるようにしてもよい。膜厚は電解鍍金の処理時間や電流密度を調整することで制御することができる。
導電部材の膜厚については、外縁で40μm〜100μm程度が好ましく、中央領域で10μm〜95μm以下程度が好ましい。また、高低差については5μm〜30μm程度とするのが好ましく、最大傾斜角は0.1度〜45度程度とするのが好ましい。また、凹部を有する基体の場合、その底面部に設けられる基体と同程度とするのが好ましい。
本形態において、導電部材は、発光装置の裏面において外表面を形成するよう、すなわち、封止部材等で被覆されず外部(裏面)に露出されるように設けられている。導電部材とも上面視における形状、大きさ等については、発光装置の大きさや載置する発光素子等の数や大きさ等に応じて任意に選択することができる。
導電部材の側面は、平坦な面でもよいが基体との密着性等を考慮すると、図1Bに示すような突起部を有するようにするのが好ましい。この突起部は、導電部材101の下面から離間した位置に設けるのが好ましく、これにより導電部材101が基体103から脱落するなどの問題が生じにくくなる。このような突起部は、導電部材の周囲の任意の位置に設けることができ、例えば、上面視四角形の導電部材の対向する2つの側面にのみ設けるなど、部分的に設けることができる。より確実に脱落を防ぐためには、導電部材の周囲全体に渡って形成するのが好ましい。
導電部材として用いることができる具体的な材料としては、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト等の金属又は鉄−ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅、モリブデン、Au−Snなどの共晶はんだ、SnAgCu、SnAgCuInなどのはんだ、ITO等が挙げられる。
これらは単体又は合金として用いることができ、更には積層するなど複数層設けることもできる。例えば、最表面には、発光素子や波長変換部材からの光を反射可能な材料が好ましく、具体的には金、銀、銅、Pt、Pd、Al、W、Mo、Ru、Rh等が好ましい。更に最表面の導電部材は高反射率、高光沢である事が好ましい。具体的には可視域の反射率は70%以上である事が好ましく、その際はAu、Al、Ag、Ru、Rh、Pt、Pdなどが好的に用いられる。また、導電部材の表面光沢も高いほうが好ましい。具体的に光沢度は好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上である。ここで示される光沢度は日本電色製 微小面色差計VSR 300Aを用い、45°照射、垂直受光で得られる数字である。また、支持基板側は回路基板等への実装に有利なAu、Sn、Sn合金、AuSnなどの共晶はんだ鍍金等が好ましい。
(台座部材)
台座部材は、傾斜面を有する導電部材上に接合されるものであり、その上に載置させる発光素子が水平になるようにするものである。
図1Bに示すように、外縁101aが中央領域101bより高くなって上面に傾斜面を有する導電部材101の上に、平板状の台座部材104が接合されている。ここでは、導電部材101の中央領域101bが、基体103の凹部の中心からずれた位置に形成されており、発光装置100の中心近傍に傾斜面が形成されている。台座部材を用いずに発光素子を載置させる場合、発光装置の中心に載置すると傾斜してしまい、また、傾斜しないよう導電部材101の中央領域101bに載置すると発光装置の中心からずれてしまう。本発明では、中央領域101bを中心にして左右に形成される傾斜面に台座部材104を載置し、その中心と異なる位置に発光素子102の中心が位置するように載置することで、発光装置100の中心に位置するように配することができる。このように、導電部材の傾斜面が、発光装置の中心付近に形成されている場合であっても、本発明のような台座部材を用いることで、発光素子を発光装置の中心に配することができる。
台座部材大きさは、発光素子の面積よりも広い面積を有し、且つ、導電部材よりも小さい面積を有するものが好ましい。更に、図1Aに示すように基体に凹部を有する場合は、この凹部の底面に載置可能な程度とするのが好ましい。また、発光素子が水平に載置できるよう、上面は平坦な平面が好ましく、下面についても平坦な平面が好ましい。
台座部材の材料としては、発光素子からの光に対して耐光性を有するものが好ましく、また熱伝導率が10W/m・K以上のものが好ましい。絶縁性、導電性、半導体のいずれが、及びそれらを組み合わせたものを用いてもよく、具体的な材料としては、Al、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InN、SiC、ZnO、ZnSe、GaAs、GaP、AlInGaP、C、ZrO、Cu、Al、Si、Ni、Fe、Co―Cu−W合金、
Cu−W合金などを挙げることができる。
また、これらの台座部材の上面に、発光素子からの光を反射しやすい反射部材を設けてもよい。反射部材としては、Ta、Ti、TiO、Ti、MgO、Mg、Al、AlN、Al、SiO、Ti、Cr、Ni、Nb、CeO、ZnS、MgF、Ag、Au、Pt、ZrO、Ta、SiOを挙げることができる。
(基体)
基体は、導電部材の外縁と接し、一対の導電部材を一体的に保持するものである。本実施の形態では、図1A、図1Bに示すように、基体103は、底面及び側壁からなる凹部Sを有しており、この凹部Sの底面に導電部材101、101’の上面の一部が露出しており、基体103の裏面においても導電部材101、101’の下面が露出している。ここでは、基体103は、導電部材101、101’の外縁の全てと接するように設けているが、正負一対の電極として機能する導電部材101、101’が、それぞれ電気的に絶縁となるようにそれらの間に形成させればよく、例えば、発光装置の側面から導電部材が露出するよう、すなわち、導電部材の外縁の一部が露出して、基体と接していなくてもよい。
基体は、発光素子からの光が遮光可能なものであればよく、また、製造時に使用する支持基板との線膨張係数の差が小さいものが好ましい。さらに、絶縁性部材を用いるのが好ましい。好ましい材料としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの樹脂を用いることができ、具体的にはエポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物などをあげることができる。そして、これら樹脂中に充填材(フィラー)としてTiO、SiO、Al、MgO、MgCO、CaCO、Mg(OH)、Ca(OH)などの微粒子などを混入させることで光の透過率を調整し、発光素子からの光の約60%以上を遮光するよう、より好ましくは約90%を遮光するようにするのが好ましい。尚、ここでは基体によって光を反射するか、又は吸収するかどちらでもよいが、発光装置を照明などの用途に用いる場合は、より好ましくは反射させることによって遮光するのが好ましい。そのため、発光素子からの光に対する反射率が60%以上であるものが好ましく、より好ましくは90%以上反射するものが好ましい。例えば、TiOを用いる場合は、好ましくは10〜30wt%、より好ましくは15〜25wt%配合させるのがよい。また、ディスプレイなどに用いる場合であって、コントラストを向上させたい場合は、発光素子からの光の吸収率が60%以上、より好ましくは90%以上吸収するものが好ましい。このような場合、充填材としては、アセチレンブラック、活性炭、黒鉛などのカーボンや、酸化鉄、二酸化マンガン、酸化コバルト、酸化モリブデンなどの遷移金属酸化物、もしくは有色有機顔料などを目的に応じて利用する事ができる。
上記のような各種充填材は、1種類のみ、或いは2種類以上を組み合わせて用いることができ、例えば、反射率を調整するための充填材と、後述のように線膨張係数を調整するための充填材とを併用するなどの用い方ができる。
また、基体の線膨張係数は、個片化する前に除去(剥離)される支持基板の線膨張係数との差が小さくなるように制御するのが好ましい。好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下の差とするのがよい。支持基板としてSUS板を用いる場合、線膨張係数の差は20ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましい。この場合、充填材を70wt%以上、好ましくは85wt%以上配合させるのが好ましい。これにより、支持基板と基体との残留応力を制御(緩和)することができるため、個片化する前の発光装置の集合体の反りを少なくすることができる。反りを少なくすることで、導電性ワイヤの切断など内部損傷を低減し、また、個片化する際の位置ズレを抑制して歩留まりよく製造することができる。
また、別の観点から、基体の線膨張係数は、導電部材の線膨張係数との差が小さくなるように制御するのが好ましい。好ましくは40%以下、より好ましくは20%以下の差とするのがよい。これにより、個片化後の発光装置において、導電部材と基体とが剥離するのを抑制し、信頼性に優れた発光装置とすることができる。
(封止部材)
封止部材は、発光素子、受光素子、保護素子、更には導電性ワイヤなどの電子部品を、塵芥や水分、更には外力などから保護する部材であり、本実施の形態においては、図1A、図1Bに示すように、基体103の凹部S内に充填されている。
封止部材の材料としては、発光素子からの光を透過可能な透光性を有し、且つ、それらによって劣化しにくい耐光性を有するものが好ましい。具体的な材料としては、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物等発光素子からの光を透過可能な透光性を有する絶縁樹脂組成物を挙げることができる。更に、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂及びこれらの樹脂を少なくとも1種以上含むハイブリッド樹脂等も用いることができる。さらにまた、これらの有機物に限られず、ガラス、シリカゾル等の無機物も用いることができる。このような材料に加え、所望に応じて着色剤、光拡散剤、光反射材、各種フィラー、波長変換部材(蛍光部材)などを含有させることもできる。封止部材の充填量は、上記電子部品が被覆される量であればよい。
封止樹部材の外表面の形状については配光特性などに応じて種々選択することができる。例えば、上面を凸状レンズ形状、凹状レンズ形状、フレネルレンズ形状などとすることで、指向特性を調整することができる。また、封止部材に加え別に、レンズ部材を設けてもよい。さらに、蛍光体入り成形体、例えば蛍光体入り板状成形体、ドーム状成形体等を用いる場合には、封止部材としては密着性に優れた材料を選択することが好ましい。蛍光体入り成形体は樹脂組成物の他、ガラス等の無機物を用いることが出来る。
尚、主として発光装置について上述のように説明したが、受光装置についてもほぼ上記と同様であり、用いる封止部材として、光の入射効率を高めるたり、受光装置内部での2次反射を避ける目的で白色もしくは黒色などの有色フィラーを用いても良い。特に赤外線発光装置や赤外線検知装置には可視光の影響を避けるために黒色の有色フィラー含有の封止部材を用いるのが好ましい。
また、上述の遮光性樹脂からなる基体の代わりに、上記封止部材として用いられる樹脂で、導電部材とその上に載置される各電子部品とを一体的に保持するようにしてもよい。
(接合部材)
接合部材は、導電部材上に台座部材を接合する部材であり、他にも発光素子や保護素子などを台座部材などに接合させる部材としても用いられる。尚、ここでは、主として台座部材と導電部材との接合に用いる接合部材について説明する。
図1に示すように、台座部材101の上面は、外縁101aから中央領域101bに向かって傾斜する傾斜面を有しており、ここでは中央領域101bよりも外縁101aの方が高い位置となる形状である。この上に平板状の台座部材104の上面が水平となるように載置する場合、導電部材101の上面と台座部材104の下面との間に隙間が生じる。特に、高さが最も低くなる中央領域101bにおける隙間の距離が大きくなる。このような場合、接合部材としては、導電部材101と台座部材104とが最も近接する領域に設けられていれば、台座部材の上面を水平になるように安定して接合することができる。すなわち、台座部材104の下面全体に接合部材を設ける必要はなく、水平に安定して接合できるのであれば部分的に設けられていてもよい。ここでは、台座部材104の下面の外周近傍に設けられていればよい。
接合部材の材料としては、台座部材や発光素子の組成等に応じて、導電性接合部材又は絶縁性接合部材のいずれかを選択することができる。絶縁性接合部材としては、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物やその変性樹脂、ハイブリッド樹脂等を用いることができる。また、導電性接合部材としては、銀、金、パラジウムなどの導電性ペーストや、Au−Sn共晶などのはんだ、低融点金属等のろう材を用いることができる。
(導電性ワイヤ)
発光素子の電極と、直接又は間接的に導電部材や台座部材とを接続する導電性ワイヤは、金、銅、白金、アルミニウム等の金属及びそれらの合金を用いた導電性ワイヤが挙げられる。特に、熱抵抗などに優れた金を用いるのが好ましい。
(波長変換部材)
上記封止部材中に、波長変換部材として発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光部材を含有させることもできる。
蛍光部材としては、発光素子からの光を、それより長波長に変換させるものの方が効率がよい。しかしながら、これに限らず、発光素子からの光を、短波長に変換させるもの、或いは、他の蛍光部材によって変換された光を更に変換させるものなど、種々の蛍光部材を用いることができる。このような波長変換部材は、1種の蛍光部材を単層で形成してもよいし、2種以上の蛍光部材が混合された単層を形成してもよいし、1種の蛍光部材を含有する単層を2層以上積層させてもよいし、2種以上の蛍光部材がそれぞれ混合された単層を2層以上積層させてもよい。
蛍光部材としては、例えば、発光素子として窒化物系半導体を発光層とする半導体発光素子を用いる場合、その発光素子からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換するものであればよい。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、より具体的には、Eu賦活されたα若しくはβサイアロン型蛍光体、各種アルカリ土類金属窒化シリケート蛍光体、Eu等のランタノイド系の元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類のハロシリケート蛍光体、アルカリ土類金属シリケート蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属硫化物、アルカリ土類金属チオガレート、アルカリ土類金属窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、または、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩またはEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。好ましくは、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体である、YAl12:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12の組成式で表されるYAG系蛍光体である。また、Yの一部もしくは全部をTb、Lu等で置換したTbAl12:Ce、LuAl12:Ceなどもある。さらに、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、作用、効果を有する蛍光体も使用することができる。
また、蛍光体をガラス、樹脂組成物等他の成形体に塗布したものも用いることが出来る。さらに、蛍光体入り成形体も用いることが出来る。具体的には、蛍光体入りガラスや、YAG焼結体、YAGとAl、SiO、Bなどの焼結体、無機融液中でYAGを析出させた結晶化無機バルク体などを用いたり、蛍光体をエポキシ、シリコーン、ハイブリッド樹脂等で一体成形したものも用いたりすることが出来る。
(発光素子)
本発明においては、発光素子として、同一面側に正負電極が形成された構造、或いは異なる面に正負電極が形成された構造、成長基板とは異なる基板を貼り合わせた構造等、種々の構造の半導体素子を用いることができる。
半導体発光素子は、任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、ZnSeや窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaPを用いたものを用いることができる。また、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどを用いることができる。さらに、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。用いる発光素子の組成や発光色、大きさや、個数などは目的に応じて適宜選択することができる。
波長変換部材を有する発光装置とする場合には、その波長変換部材を効率良く励起できる短波長が発光可能な窒化物半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が好適に挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。
また、可視光領域の光だけでなく、紫外線や赤外線を出力する発光素子とすることができる。さらには、発光素子とともにもしくは単独で、受光素子などを搭載することができる。
<製造方法>
以上のような発光装置は、以下のようにして得ることができる。
まず、金属板などからなる支持基板を用意する。この支持基板は、導電部材を形成するために用いる板状又はシート状部材であり、個片化する前に除去するため、発光装置には具備されていない部材である。支持基板としては、SUS板などの導電性を有する金属板の他、ポリイミドなど絶縁性板にスパッタ法や蒸着法によって導電膜を形成したものを用いることができる。或いは、金属薄膜などを貼り付け可能な絶縁性の板状部材を用いることもできる。いずれにしても、工程の最終段階において除去する、すなわち、導電部材や基体から剥がすため、折り曲げ可能な部材を用いる必要があり、材料にもよるが膜厚10μm〜300μm程度の板状部材を用いるのが好ましい。具体的な材料としては、上記のSUS板の他、鉄、銅、銀、コバール、ニッケルなどの金属板や、金属薄膜などを貼り付け可能なポリイミドからなる樹脂シートなどが好ましい。
この支持基板の表面に保護膜としてレジストを塗布する。このレジストの厚みによって後に形成される導電部材の厚みを調整することができる。尚、用いる保護膜(レジスト)はフォトリソグラフィによって形成されるレジストの場合、ポジ型、ネガ型のいずれを用いてもよい。
塗布したレジストを乾燥させた後、その上部に開口部を有するマスクを直接又は間接的に配置させて、紫外線を照射して露光する。その後、エッチング剤で処理することで開口部を有する保護膜が形成される。ここで、必要であれば酸活性処理などを行ってもよい。
次いで、金属を用いて鍍金することで保護膜の開口部内に導電部材を形成させる。このとき、保護膜と接して形成される導電部材の外縁が保護膜の厚みが厚くなるように形成させる。中央領域の厚みは、特に制御しなくても外縁よりも薄くなる。厚み分布の調整に関しては、電流密度を調整することで制御可能である。電流密度が高いところでは、積極的に鍍金されることで、膜厚が厚くなる。一方、電流密度が低いところでは、積極的に鍍金されないため、膜厚が薄い。
次いで、導電部材の外縁に接するように基体を形成する。形成方法としては、樹脂を射出成形、トランスファモールド、圧縮成型等の方法を用いる事ができる。硬化後金型から取り出し、成型品を得ることができる。
次いで、台座部材上に発光素子を載置したものを、導電部材上に載置し、さらに発光素子と導電部材とを導電性ワイヤを用いて接続する。
その後、発光素子、導電性ワイヤを被覆するように封止部材をトランスファモールド、ポッティング、印刷等の方法によって形成する。
封止部材を硬化後に、支持基板を剥がして除去した後、個片化することで本発明の発光装置を得ることができる。
本発明に係る発光装置は、小型で軽量であって、且つ、光取り出し効率の発光装置を得ることができ、各種表示装置、照明器具、ディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト光源などにも利用することができる。
100・・・発光装置
101、101’・・・導電部材
101a・・・導電部材の外縁
101b・・・導電部材の中央領域
102・・・発光素子
103・・・基体
104・・・台座部材
105・・・導電性ワイヤ
106・・・封止部材

Claims (5)

  1. 発光素子と、
    該発光素子が載置される導電部材と、
    該導電部材の外縁と接する基体と、
    を有する発光装置であって、
    前記導電部材の上面は、外縁から中央領域に向かって傾斜する傾斜面を有し、
    該傾斜面の上に、前記発光素子が載置された平板状の台座部材の上面が水平となるようその底面が接合されてなることを特徴とする発光装置。
  2. 前記導電部材の上面は、前記中央領域よりも前記外縁の方が高い位置にある請求項1記載の発光装置。
  3. 前記導電部材の上面は、前記外縁よりも前記中央領域の方が高い位置にある請求項1記載の発光装置。
  4. 前記台座部材は、上面視における中心が、前記発光素子の中心と異なる位置に配されており、該発光素子の中心は、発光装置の中心に配されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記導電部材は、鍍金である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発光装置。
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