本発明による符号化装置及び復号装置では、コンポーネント信号間の相関を活用し、第1のコンポーネント信号で第2のコンポーネント信号を表現して符号化することにより、更なる画像圧縮を図る。入力する元の色空間は、カメラ出力などのRGBや、伝送や表示等に利用するYCaCb,YUV, Luv,Lab,XYZなどで表現された信号など、いずれの色空間のものでもよい。尚、YCaCb,YUV,Luvなどでは、コンポーネント信号間のサンプル数が多いY又はLのコンポーネント信号(輝度信号)を基準にして第2のコンポーネント信号を推定パラメータで表現するのが好適である。また、元の色空間は、3種類のコンポーネント信号で構成されるもの以外に、4種類以上のコンポーネント信号(例えば、RGBYMC等)を扱うマルチスペクトルの色空間の場合にも同様に適用することができる。従って、例えば4種類のコンポーネント信号に対して、第1のコンポーネント信号で第2のコンポーネント信号を表現することは、第1のコンポーネント信号で、第2のコンポーネント信号以外の、第3及び第4のコンポーネント信号に対して処理を行うことも包含するものとする。
例えば、Y又はLのコンポーネント信号(輝度信号)を基準にして第2のコンポーネント信号を推定パラメータで表現するにあたり、元のコンポーネント信号が4:2:2や4:2:0のフォーマット形式の場合、1フレームあたりのコンポーネント信号間のサンプル数が異なるため、推定パラメータを生成する際には、予めサンプル数を揃えておくようにする。サンプル数の変換は、サンプル数の多い方のコンポーネント信号の信号要素を平均処理して、サンプル数の少ない方のコンポーネント信号の信号要素と同数にすることができるが、この場合、元の信号の解像度を再現できなくなるため、サンプル数の少ない方のコンポーネント信号の信号要素を補間して、サンプル数の多い方のコンポーネント信号と同数にするのが好適である。
より具体的には、本発明による符号化装置は、複数の色信号のうち、例えばYCbCrの色空間の場合には、輝度信号(Y信号)をMPEG等の通常の符号化を行う。一方で、色差信号(Cb信号及びCr信号を、総括して、「C信号」と称する)については、輝度信号(Y信号)の局部復号(ローカルデコード)信号又は残差信号を基にした所定の推定モデルに従う推定パラメータを決定して色差信号を推定する。例えば、所定の推定モデルが一次関数とする場合、Cb=a*Y+b又はCr=a*Y+bに従う推定パラメータa,bを決定して、輝度信号(Y信号)の局部復号信号の信号要素から推定パラメータa,bによって色差信号の信号要素(ブロック内の画素値)を推定する。尚、この推定モデルは、一次関数に限ったものではない。
尚、第1のコンポーネント信号(例えば、Y信号)から第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)を推定する際に、所定の推定モデルに従う推定パラメータによって推定したコンポーネント信号の信号要素と、推定対象のコンポーネント信号の信号要素との間で推定誤差が生じる場合に、この誤差も推定誤差情報として符号化するのが好適である。これにより、単にC信号を符号化するよりも、推定パラメータa,b及び推定誤差情報として符号化することで更なる圧縮を行うことができる。
図1に本発明に係る符号化装置におけるコンポーネント信号推定処理装置のブロック図を示す。コンポーネント信号推定処理装置1は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)を入力して、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)である第2コンポーネント信号(Cb信号又はCr信号)を推定するにあたり、タイミング調整を図るためのコンポーネント信号格納部11と、コンポーネント信号格納部11から読み出される第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の信号要素と、別途入力される第2コンポーネント信号(Cb信号又はCr信号)の信号要素(対応画素位置の信号要素)とを比較して、上記所定の推定モデル(例えば、一次関数)に基づいて第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)から第2コンポーネント信号(Cb信号又はCr信号)を推定し、この推定モデルに基づく推定パラメータを生成するとともに、好適には推定パラメータによる推定値が第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)に対して誤差を有する場合には、その誤差量を推定誤差情報として外部に送出する推定処理部12とを備える。
尚、推定処理部12は、4:2:2や4:2:0のフォーマット形式のコンポーネント信号を比較して推定パラメータを生成する場合のために、コンポーネント信号格納部11から読み出される第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)のサンプリングレートを第2コンポーネント信号のサンプリングレートに変換してサンプル数を揃えるサンプリングレート変換部13と、サンプリングレート変換部13から供給される同一サンプル数の第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の信号要素と、別途入力される第2コンポーネント信号(Cb信号又はCr信号)の信号要素(対応画素位置の信号要素)とを比較して、上記所定の推定モデル(例えば、一次関数)に基づいて第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)から第2コンポーネント信号(Cb信号又はCr信号)を推定し、この推定モデルに基づく推定パラメータを生成するとともに、好適には推定パラメータによる推定値が第2コンポーネント信号(例えば、C信号)に対して誤差を有する場合には、その誤差量を推定誤差情報として外部に送出する比較部14とを有するように構成することができる。
以下、このコンポーネント信号推定処理装置1を符号化装置及び復号装置に適用した実施例について説明する。代表的に、Y信号からC信号の推定パラメータを生成する例について説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
図2は、本発明による実施例1の符号化装置を示すブロック図である。本実施例の符号化装置10は、従来からのMPEG等と同様にコンポーネント信号ごとに符号化を行う圧縮符号化部101と、図1に示すコンポーネント信号推定処理装置1と同様に動作するC信号推定部102とを備える。
圧縮符号化部101は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)を従来からのMPEG等と同様に符号化する。より具体的には、圧縮符号化部101は、減算部111と、符号化部112と、局部復号部113と、加算部114と、画像メモリ115と、画面内予測/画面間予測部116とを備える。
減算部111は、入力される第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)と、画面内予測/画面間予測部116から得られる第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の予測信号とを差分した残差信号(Y予測残差信号)を生成し、符号化部112に送出する。
符号化部112は、減算部111から得られる残差信号(Y予測残差信号)を所定の符号化手順に従って符号化し、符号化信号(Y予測残差信号のビットストリーム)を生成して局部復号部113及び外部に送出する。符号化部112は、例えば、MPEG等と同様に、直交変換処理及び量子化処理として構成することができ、更に可変長符号化を施すように構成することができる。
局部復号部113は、符号化部112から得られる符号化信号を復号してY予測残差信号の復号信号を生成して加算部114に送出する。符号化部112が、MPEG等と同様に直交変換処理及び量子化処理として構成される場合、局部復号部113は、その逆変換(逆直交変換処理及び逆量子化処理)を施す。
加算部114は、画面内予測/画面間予測部116から得られる第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の予測信号と、局部復号部113から得られる復号信号とを加算して第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の復元信号(Y’信号)を生成し、画像メモリ115に格納する。
画面内予測/画面間予測部116は、従来のMPEG等と同様に、画像メモリ115から参照信号を読み出して画面内予測又は画面間予測処理を施し、今回符号化する際の第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の予測信号を生成し、減算部111に送出するとともに、画面内予測又は画面間予測処理に用いた各パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)を外部に送出する。
C信号推定部102は、図1に示すコンポーネント信号推定処理装置1と同様の機能を有し、画面内予測/画面間予測部116で読み出された第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の復元信号(Y’信号)を入力するとともに、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)である第2コンポーネント信号(Cb信号又はCr信号)を入力し、この色差信号については、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の復元信号(Y’信号)を基にした所定の推定モデルに従う推定パラメータを決定して色差信号を推定する。例えば、所定の推定モデルが一次関数とする場合、各C信号、即ちCb=a*Y’+b又はCr=a*Y’+bに従う推定パラメータa,bを決定して第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の局部復号信号の信号要素から推定パラメータa,bによって第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)の信号要素(ブロック内の画素値)を推定し、この推定パラメータa,bを外部に送出する。推定パラメータによる推定値が第2コンポーネント信号(例えば、C信号)に対して誤差を有する場合には、その誤差量を推定誤差情報として外部に送出するように構成することができる。
即ち、本実施例の符号化装置10は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施すが、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施すことなく、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の復号信号を基に生成した推定パラメータ(及び推定誤差情報)を生成して外部に送出する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、更なる画像圧縮を図ることができる。
次に、実施例1の符号化装置10によって符号化したビットストリームを受信して復号する復号装置20を説明する。
図3は、本発明による実施例1の復号装置のブロック図である。本実施例の復号装置20は、復号部201と、復号変換部202と、C信号推定部203とを備える。
復号部201は、符号化部112(図2)によって符号化された残差信号(Y予測残差信号)を復号して、復号変換部202に送出する。
復号変換部202は、MPEG等の(従来からの)既存の復号装置と同様に動作し、加算部211、画像メモリ212及び画面内予測/画面間予測部213を備える。
即ち、加算部211は、画面内予測/画面間予測部213から得られる予測信号と、復号部201から得られる復号した残差信号とを加算して元のコンポーネント信号(Y信号)を復元する。
尚、画面内予測/画面間予測部213は、復元した元のコンポーネント信号(Y信号)を格納する画像メモリ212から参照信号を読み出し、符号化装置10から得られるY信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルを用いて予測信号を生成し、加算部211に送出する。
また、C信号推定部203は、符号化装置10から得られるC信号の推定に用いた推定パラメータ(及び推定誤差情報)と、画面内予測/画面間予測部213で画像メモリ212から読み出された第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の復元信号(Y’信号)とを入力して、符号化装置10と同じ推定モデル(例えば、一次関数)を用いて、C信号を推定して復元する。例えば、C信号推定部203は、Cb=a*Y’+b又はCr=a*Y’+bに従う推定値を演算するために、入力された推定パラメータa,bを用いて第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の局部復号信号の信号要素から第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)の信号要素(ブロック内の画素値)を推定し、C信号を復元する。
このようにして、復号装置20は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の復号処理を施すが、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の復号処理を施すことなく、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の復号信号を基に生成した推定パラメータ(及び推定誤差情報)を用いて復元する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、更なる画像圧縮を図った信号を復元することができる。
次に、このコンポーネント信号推定処理装置1を符号化装置及び復号装置に適用した別の実施例について説明する。
図4は、本発明による実施例2の符号化装置を示すブロック図である。本実施例の符号化装置30は、従来からのMPEG等と同様にコンポーネント信号ごとに符号化を行うY信号用の圧縮符号化部301及びC信号用の圧縮符号化部302と、圧縮符号化部301,302の各々から得られるY信号及びC信号の各残差信号を入力として図1に示すコンポーネント信号推定処理装置1と同様に動作するC残差信号推定部303とを備える。
圧縮符号化部301は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)を従来からのMPEG等と同様に符号化する。より具体的には、圧縮符号化部301は、減算部311と、符号化部312と、局部復号部313と、加算部314と、画像メモリ315と、画面内予測/画面間予測部316とを備える。圧縮符号化部301における加算部311、符号化部312、局部復号部313、加算部314、画像メモリ315、及び画面内予測/画面間予測部316の動作は、実施例1の圧縮符号化部101における加算部111、符号化部112、局部復号部113、加算部114、画像メモリ115、及び画面内予測/画面間予測部116の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
また、圧縮符号化部302は、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)を従来からのMPEG等と同様に符号化する。より具体的には、圧縮符号化部302は、減算部317と、符号化部318と、局部復号部319と、加算部320と、画像メモリ321と、画面内予測/画面間予測部322とを備える。圧縮符号化部302における減算部317、符号化部318、局部復号部319、加算部320、画像メモリ321、画面内予測/画面間予測部322の動作は、実施例1の圧縮符号化部101における加算部111、符号化部112、局部復号部113、加算部114、画像メモリ115、及び画面内予測/画面間予測部116の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
即ち、本実施例の符号化装置30は、従来からのMPEG等と同様に、コンポーネント信号ごとに符号化を行うY信号用の圧縮符号化部301及びC信号用の圧縮符号化部302を備えるが、従来からのMPEG等とはC残差信号推定部303を更に備える点で相違しており、且つ第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施して外部に伝送可能にするが、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては圧縮符号化部301,302から得られる予測残差信号から生成した推定パラメータ(及び推定誤差情報)と、圧縮符号化部301,302の各々で用いた画面内予測パラメータ又は動きベクトルも外部に送出するように構成される。
C残差信号推定部303は、図1に示すコンポーネント信号推定処理装置1と同様の機能を有し、画面内予測/画面間予測部316の参照信号に用いられる第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の残差信号(ΔY’信号)を入力するとともに、画面内予測/画面間予測部322の参照信号に用いられる第2のコンポーネント信号(色差信号)の残差信号(例えば、ΔC’信号)、即ち第2コンポーネント信号の残差信号(ΔCb’信号又はΔCr’信号)を入力し、第2のコンポーネント信号(C信号)の残差信号(例えば、ΔC’信号)については、第1コンポーネント信号の残差信号(ΔY’信号)を基にした所定の推定モデルに従う推定パラメータを決定して第2のコンポーネント信号(ΔC’信号)の残差信号を推定する。例えば、所定の推定モデルが一次関数とする場合、ΔCb’=a*ΔY’+b又はΔCr’=a*ΔY’+bに従う推定パラメータa,bを決定して第1コンポーネント信号の残差信号(ΔY’信号)の信号要素から推定パラメータa,bによって第2のコンポーネント信号(色差信号)の残差信号(例えば、ΔC’信号)の信号要素(ブロック内の画素値)を推定し、この推定パラメータa,bを外部に送出する。推定パラメータによる推定値が第2コンポーネント信号の残差信号(ΔC’信号)に対して誤差を有する場合には、その誤差量を推定誤差情報として外部に送出するように構成することができる。
即ち、本実施例の符号化装置30は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)に対して、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施すが、従来のMPEG等とは相違して、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施した信号を外部に送出することなく、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の残差信号を基に生成した推定パラメータ(及び推定誤差情報)を生成して外部に送出する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、更なる画像圧縮を図ることができる。
次に、実施例2の符号化装置30によって符号化したビットストリームを受信して復号する復号装置40を説明する。
図5は、本発明による実施例2の復号装置のブロック図である。本実施例の復号装置40は、復号部401と、復号変換部402,404と、C残差信号推定部403とを備える。
復号部401は、符号化部312(図4)によって符号化された残差信号(Y予測残差信号)を復号して、復号変換部402に送出する。
また、C残差信号推定部403は、符号化装置30から得られる第2コンポーネント信号(例えば、C信号)の残差信号の推定に用いた推定パラメータ(及び推定誤差情報)と、復号部401から得られる第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の残差信号とを入力して、符号化装置30と同じ推定モデル(例えば、一次関数)を用いて、第2コンポーネント信号(例えば、C信号)の残差信号を推定して復元し、加算部414に送出する。例えば、C残差信号推定部403は、ΔCb’=a*ΔY’+b又はΔCr’=a*ΔY’+bに従う推定値を演算するために、入力された推定パラメータa,bを用いて、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の残差信号の信号要素から第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)の残差信号の信号要素(ブロック内の画素値)を推定し、第2コンポーネント信号の残差信号(ΔC’信号)を復元し、加算部414に送出する。
復号変換部402,404は、それぞれMPEG等の(従来からの)既存の復号装置と同様に動作し、それぞれ加算部411,414、画像メモリ412,415及び画面内予測/画面間予測部413,416を備える。
例えば、加算部411(414)は、画面内予測/画面間予測部413(416)から得られる予測信号と、復号部401(C残差信号推定部403)から得られる復号した残差信号とを加算して元のコンポーネント信号を復元し、画像メモリ412(415)に格納する。
尚、画面内予測/画面間予測部413(416)は、復元した元のコンポーネント信号を格納する画像メモリ412(415)から参照信号を読み出し、符号化装置30から得られる画面内予測パラメータ/動きベクトルを用いて予測信号を生成し、加算部411(414)に送出する。
このようにして、復号装置40は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)に対して、従来のMPEG等と同様の復号処理を施すが、従来のMPEG等とは相違して、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の復号処理を施すことなく、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の残差信号を基に生成した推定パラメータ(及び推定誤差情報)を用いて復元する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、更なる画像圧縮を図った信号を復元することができる。
次に、このコンポーネント信号推定処理装置1を符号化装置及び復号装置に適用した別の実施例について説明する。
図6は、本発明による実施例3の符号化装置を示すブロック図である。本実施例の符号化装置50は、従来からのMPEG等と同様にコンポーネント信号ごとに符号化を行うY信号用の圧縮符号化部501及びC信号用の圧縮符号化部502と、圧縮符号化部501,502の各々から得られるY信号の局部復号信号及びC信号を入力として図1に示すコンポーネント信号推定処理装置1と同様に動作するC信号推定部503と、C信号選択部504とを備える。
圧縮符号化部501は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)を従来からのMPEG等と同様に符号化する。より具体的には、圧縮符号化部501は、減算部511と、符号化部512と、局部復号部513と、加算部514と、画像メモリ515と、画面内予測/画面間予測部516とを備える。圧縮符号化部501における加算部511、符号化部512、局部復号部513、加算部514、画像メモリ515、及び画面内予測/画面間予測部516の動作は、それぞれ実施例2の圧縮符号化部301(図4)における加算部311、符号化部312、局部復号部313、加算部314、画像メモリ315、及び画面内予測/画面間予測部316の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
また、圧縮符号化部502は、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)を従来からのMPEG等と同様に符号化する。より具体的には、圧縮符号化部502は、減算部517と、符号化部518と、局部復号部519と、加算部520と、画像メモリ521と、画面内予測/画面間予測部522とを備える。圧縮符号化部502における減算部517、符号化部518、局部復号部519、加算部520、画像メモリ521、画面内予測/画面間予測部522の動作は、それぞれ実施例2の圧縮符号化部302(図4)における加算部317、符号化部318、局部復号部319、加算部320、画像メモリ321、及び画面内予測/画面間予測部322の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。ただし、圧縮符号化部502は、符号化部518からC信号の予測残差信号(C予測残差信号)をC信号選択部504に送出するとともに、画面内予測/画面間予測部522から予測に用いたC信号用の画面内予測パラメータ又は動きベクトルをC信号選択部504に送出するように構成される。
また、本実施例のC信号推定部503は、実施例1におけるC信号推定部102(図2)と同様である。
即ち、本実施例の符号化装置50は、従来からのMPEG等と同様に、コンポーネント信号ごとに符号化を行うY信号用の圧縮符号化部501及びC信号用の圧縮符号化部502を備えるが、実施例2とは、残差信号を推定するC残差信号推定部303の代わりに第2のコンポーネント信号を推定するC信号推定部503を備え、更に、C信号選択部504を備える点で相違している。
また、C信号推定部503は、図1に示すコンポーネント信号推定処理装置1と同様の機能を有し、画面内予測/画面間予測部516で読み出された第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の復元信号(Y’信号)を入力するとともに、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)である第2コンポーネント信号(Cb信号又はCr信号)を入力し、色差信号(C信号)については、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の復元信号(Y’信号)を基にした所定の推定モデルに従う推定パラメータを決定して色差信号を推定する。例えば、所定の推定モデルが一次関数とする場合、各C信号、即ちCb=a*Y’+b又はCr=a*Y’+bに従う推定パラメータa,bを決定して第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の局部復号信号の信号要素から推定パラメータa,bによって第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)の信号要素(ブロック内の画素値)を推定し、この推定パラメータa,bをC信号選択部504に送出する。推定パラメータによる推定値が第2コンポーネント信号(例えば、C信号)に対して誤差を有する場合には、その誤差量を推定誤差情報としてC信号選択部504に送出するように構成することができる。
C信号選択部504は、C信号推定部503から送出されるC信号用の推定パラメータ(及び推定誤差情報)を外部に送出するか、又は従来からのMPEG等と同様のC信号用の予測残差信号及び画面内予測パラメータ(又は動きベクトル)を外部に送出するかを選択可能に構成される。この選択は、フレームごと、符号化ブロックごとなど予め定めておくことができ、いずれを選択したかを示す情報は、予め定めた規則に従って、符号化装置及び復号装置の双方で予め定めておくようにするか、又は符号化装置はいずれを選択したかを示す選択フラグ情報を外部に送出するように構成することができる。この予め定めた規則として、C信号推定部503による推定の際に、比較するコンポーネント信号間の直流成分を除く振幅の差が所定の閾値未満である場合に、推定パラメータの符号化を行うとする規則を設定することもできる。尚、以下の説明では選択フラグ情報を外部に送出する場合について説明する。
このように、本実施例の符号化装置50は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)に対して、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施すが、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施した信号を外部に送出するか、又は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の局部復号信号を基に生成した推定パラメータ(及び推定誤差情報)を生成して外部に送出するかを予め定めた規則に従って選択して送出する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、画質劣化を防止しつつ更なる画像圧縮を図ることができる。
次に、実施例3の符号化装置50によって符号化したビットストリームを受信して復号する復号装置60を説明する。
図7は、本発明による実施例3の復号装置のブロック図である。本実施例の復号装置60は、復号部601,606と、復号変換部602,603と、C信号推定部604と、C信号選択部605とを備える。
本実施例の復号部601及び復号変換部602の動作は、実施例2における復号部401及び復号変換部402と同様である。
即ち、復号部601は、符号化部512(図6)によって符号化された残差信号(Y予測残差信号)を復号して、復号変換部602に送出する。
復号変換部602は、MPEG等の(従来からの)既存の復号装置と同様に動作し、加算部611、画像メモリ612及び画面内予測/画面間予測部613を備える。
例えば、加算部611は、画面内予測/画面間予測部613から得られる予測信号と、復号部601から得られる復号した残差信号とを加算して元のコンポーネント信号(Y信号)を復元し、画像メモリ612に格納する。画面内予測/画面間予測部613は、復元した元のコンポーネント信号を格納する画像メモリ612から参照信号を読み出し、符号化装置50から得られるY信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルを用いて予測信号を生成し、加算部611に送出する。
C信号選択部605は、符号化装置50から得られるフラグ情報に従って、C信号用の推定パラメータ(及び推定誤差情報)を用いてC信号を復元するか、又は従来からのMPEG等と同様のC信号用の予測残差信号及び画面内予測パラメータ(又は動きベクトル)を用いてC信号を復元するかを決定し、この決定した選択に従ってC信号選択部605の後段に設けられる処理段を機能させ、C信号を復元可能にする。
C信号用の推定パラメータ(及び推定誤差情報)を用いてC信号を復元する場合のために、本実施例の復号装置60は、C信号推定部604を備える。C信号推定部604の動作は、実施例1におけるC信号推定部203(図3)と同様であり、その説明を省略する。
一方、従来からのMPEG等と同様のC信号用の予測残差信号及び画面内予測パラメータ(又は動きベクトル)を用いてC信号を復元する場合のために、本実施例の復号装置60は、復号部606及び復号変換部603を備える。
復号部606は、符号化部518(図6)によって符号化された残差信号(C予測残差信号)を復号して、復号変換部603に送出する。
復号変換部603は、MPEG等の(従来からの)既存の復号装置と同様に動作し、加算部614、画像メモリ615及び画面内予測/画面間予測部616を備える。
例えば、加算部614は、画面内予測/画面間予測部616から得られる予測信号と、復号部606から得られる復号した残差信号とを加算して元のコンポーネント信号(Y信号)を復元する。画面内予測/画面間予測部616は、復元した元のコンポーネント信号を格納する画像メモリ615から参照信号を読み出し、符号化装置50から得られるC信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルを用いて予測信号を生成し、加算部614に送出する。
このようにして、復号装置60は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)に対して、従来のMPEG等と同様の復号処理を施すが、従来のMPEG等とは相違して、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施した信号を外部に送出するか、又は、第1コンポーネント信号(例えば、C信号)の局部復号信号を基に生成した推定パラメータ(及び推定誤差情報)を生成して外部に送出するかを予め定めた規則に従って選択して復元する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、更なる画像圧縮を図った信号を復元することができる。
従って、本実施例のように、上記推定の際に、比較するコンポーネント信号間の直流成分を除く振幅の差が所定の閾値未満である場合に推定パラメータの符号化を行い、所定の閾値以上である場合に色差信号(又はその予測誤差信号)の符号化を行うように選択する信号選択部(C信号選択部504,605)を設けるのが好適であり、この信号選択部(C信号選択部504,605)にていずれを選択したかを示す選択フラグ情報を補助情報として符号化するようにすることで、画質及び圧縮の双方のバランスを効果的に向上させることができるようになる。
次に、このコンポーネント信号推定処理装置1を符号化装置及び復号装置に適用した別の実施例について説明する。
図8は、本発明による実施例4の符号化装置を示すブロック図である。本実施例の符号化装置70は、従来からのMPEG等と同様にコンポーネント信号ごとに符号化を行うY信号用の圧縮符号化部701及びC信号用の圧縮符号化部702と、圧縮符号化部701,702の各々から得られる残差信号(ΔY’信号及びΔC’信号)を入力として図1に示すコンポーネント信号推定処理装置1と同様に動作する、実施例2のC残差信号推定部303に対応するC残差信号推定部703と、C残差信号選択部704とを備える。
圧縮符号化部701は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)を従来からのMPEG等と同様に符号化する。より具体的には、圧縮符号化部701は、減算部711と、符号化部712と、局部復号部713と、加算部714と、画像メモリ715と、画面内予測/画面間予測部716とを備える。圧縮符号化部701における加算部711、符号化部712、局部復号部713、加算部714、画像メモリ715、及び画面内予測/画面間予測部716の動作は、それぞれ実施例2の圧縮符号化部301(図4)における加算部311、符号化部312、局部復号部313、加算部314、画像メモリ315、及び画面内予測/画面間予測部316の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
また、圧縮符号化部702は、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)を従来からのMPEG等と同様に符号化する。より具体的には、圧縮符号化部702は、減算部717と、符号化部718と、局部復号部719と、加算部720と、画像メモリ721と、画面内予測/画面間予測部722とを備える。圧縮符号化部702における減算部717、符号化部718、局部復号部719、加算部720、画像メモリ721、画面内予測/画面間予測部722の動作は、それぞれ実施例2の圧縮符号化部302(図4)における加算部317、符号化部318、局部復号部319、加算部320、画像メモリ321、及び画面内予測/画面間予測部322の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。圧縮符号化部702は、符号化部718からC信号の予測残差信号(C予測残差信号)をC信号選択部704に送出するとともに、画面内予測/画面間予測部722で用いられる残差信号(ΔC’信号)をC残差信号推定部703に送出し、更に、画面内予測/画面間予測部722から予測に用いたC信号用の画面内予測パラメータ又は動きベクトルを外部に送出するように構成される。
また、本実施例のC残差信号推定部703は、実施例2におけるC残差信号推定部303(図4)と同様であり、画面内予測/画面間予測部716の参照信号に用いられる第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の残差信号(ΔY’信号)を入力するとともに、画面内予測/画面間予測部722の参照信号に用いられる第2のコンポーネント信号(色差信号)の残差信号(例えば、ΔC’信号)、即ち第2コンポーネント信号の残差信号(ΔCb’信号又はΔCr’信号)を入力し、第2のコンポーネント信号(C信号)の残差信号(例えば、ΔC’信号)については、第1コンポーネント信号の残差信号(ΔY’信号)を基にした所定の推定モデルに従う推定パラメータを決定して第2のコンポーネント信号(色差信号)の残差信号を推定する。例えば、所定の推定モデルが一次関数とする場合、ΔCb’=a*ΔY’+b又はΔCr’=a*ΔY’+bに従う推定パラメータa,bを決定して第1コンポーネント信号の残差信号(ΔY’信号)の信号要素から推定パラメータa,bによって第2のコンポーネント信号(色差信号)の残差信号(例えば、ΔC’信号)の信号要素(ブロック内の画素値)を推定し、この推定パラメータa,bをC残差信号選択部704に送出し、好適には、推定パラメータによる推定値が第2コンポーネント信号の残差信号(ΔC’信号)に対して誤差を有する場合に、その誤差量を推定誤差情報としてC残差信号選択部704に送出するように構成することができる。
即ち、本実施例の符号化装置70は、従来からのMPEG等と同様に、コンポーネント信号ごとに符号化を行うY信号用の圧縮符号化部701及びC信号用の圧縮符号化部702を備えるが、実施例2とはC残差信号選択部704を備える点で相違している。
即ち、C残差信号選択部704は、C残差信号推定部703から送出されるC信号の残差信号用の推定パラメータ(及び推定誤差情報)を外部に送出するか、又は従来からのMPEG等と同様のC信号の予測残差信号を外部に送出するかを選択可能に構成される。この選択は、フレームごと、符号化ブロックごとなど予め定めておくことができ、いずれを選択したかを示す情報は、予め定めた規則に従って、符号化装置及び復号装置の双方で予め定めておくようにするか、又は符号化装置はいずれを選択したかを示す選択フラグ情報を外部に送出するように構成することができる。この予め定めた規則として、C残差信号推定部703による推定の際に、比較するコンポーネント信号の残差信号間の直流成分を除く振幅の差が所定の閾値未満である場合に、推定パラメータの符号化を行うとする規則を設定することもできる。尚、以下の説明では選択フラグ情報を外部に送出する場合について説明する。
このように、本実施例の符号化装置70は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)の各残差信号に対して、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施すが、第2のコンポーネント信号の残差信号(例えば、ΔC’信号)に対しては、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施した信号を外部に送出するか、又は、第1コンポーネント信号の残差信号(例えば、ΔY’信号)を基に生成した推定パラメータ(及び推定誤差情報)を生成して外部に送出するかを、予め定めた規則に従って選択して送出する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、画質劣化を防止しつつ更なる画像圧縮を図ることができる。
次に、実施例4の符号化装置70によって符号化したビットストリームを受信して復号する復号装置80を説明する。
図9は、本発明による実施例4の復号装置のブロック図である。本実施例の復号装置80は、復号部801,807と、復号変換部802,803,804と、C残差信号推定部805と、C残差信号選択部806とを備える。
本実施例の復号部801及び復号変換部802の動作は、実施例2における復号部401及び復号変換部402(図5)と同様である。
即ち、復号部801は、符号化部712(図8)によって符号化された残差信号(Y予測残差信号)を復号して、復号変換部802に送出する。
復号変換部802は、MPEG等の(従来からの)既存の復号装置と同様に動作し、加算部811、画像メモリ812及び画面内予測/画面間予測部813を備える。
例えば、加算部811は、画面内予測/画面間予測部813から得られる予測信号と、復号部801から得られる復号した残差信号とを加算して元のコンポーネント信号(Y信号)を復元し、画像メモリ812に格納する。画面内予測/画面間予測部813は、復元した元のコンポーネント信号を格納する画像メモリ812から参照信号を読み出し、符号化装置70から得られるY信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルを用いて予測信号を生成し、加算部811に送出する。
C残差信号選択部806は、符号化装置70から得られるフラグ情報に従って、C信号の残差信号用の推定パラメータ(及び推定誤差情報)を用いてC信号を復元するか、又は従来からのMPEG等と同様のC信号用の予測残差信号及び画面内予測パラメータ(又は動きベクトル)を用いてC信号を復元するかを決定し、この決定した選択に従ってC残差信号選択部806の後段に設けられる処理段を機能させ、C信号を復元可能にする。
C信号の残差信号用の推定パラメータ(及び推定誤差情報)を用いてC信号を復元する場合のために、本実施例の復号装置80は、C残差信号推定部805及び復号変換部803を備える。C残差信号推定部805の動作は、実施例2におけるC残差信号推定部403(図5)と同様であり、その説明を省略する。復号変換部803は、MPEG等の(従来からの)既存の復号装置と同様に動作し、加算部814、画像メモリ815及び画面内予測/画面間予測部816を備え、加算部814は、C残差信号推定部805からC信号の残差信号を入力して画面内予測/画面間予測部816の予測信号と加算してC信号を復元するとともに、画像メモリ815に格納する。画面内予測/画面間予測部816は、画像メモリ815から読み出される参照信号と、符号化装置70から得られるC信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルを用いて予測信号を生成し、加算部814に送出する。
一方、従来からのMPEG等と同様のC信号用の予測残差信号及び画面内予測パラメータ(又は動きベクトル)を用いてC信号を復元する場合のために、本実施例の復号装置80は、復号部807及び復号変換部804を備える。
復号部807は、符号化部718(図8)によって符号化された残差信号(C予測残差信号)を復号して、復号変換部804に送出する。
復号変換部804は、MPEG等の(従来からの)既存の復号装置と同様に動作し、加算部817、画像メモリ818及び画面内予測/画面間予測部819を備える。
例えば、加算部817は、画面内予測/画面間予測部819から得られる予測信号と、復号部807から得られる復号した残差信号とを加算して元のコンポーネント信号(C信号)を復元し、画像メモリ818に格納する。画面内予測/画面間予測部819は、復元した元のコンポーネント信号を格納する画像メモリ818から参照信号を読み出し、符号化装置70から得られるC信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルを用いて予測信号を生成し、加算部817に送出する。
このようにして、復号装置80は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)に対して、従来のMPEG等と同様の復号処理を施すが、従来のMPEG等とは相違して、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)の残差信号に対しては、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施した信号を外部に送出するか、又は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)の残差信号を基に生成した推定パラメータ(及び推定誤差情報)を生成して外部に送出するかを、予め定めた規則に従って選択して復元する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、画質劣化を防止しつつ更なる画像圧縮を図った信号を復元することができる。
次に、このコンポーネント信号推定処理装置1を符号化装置及び復号装置に適用した別の実施例について説明する。
図10は、本発明による実施例5の符号化装置を示すブロック図である。本実施例の符号化装置90は、従来からのMPEG等と同様にコンポーネント信号ごとに符号化を行うY信号用の圧縮符号化部901及びC信号用の圧縮符号化部902からなるが、C信号用の圧縮符号化部902が、画面内予測又は画面間予測の時空間の信号予測と、コンポーネント信号間(色信号間)の相関を利用した信号予測(図1のコンポーネント信号推定処理装置1における推定と同様)とを切替可能に構成された画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922を備える点で上述の各実施例とは異なる。即ち、圧縮符号化部901が第1コンポーネント信号を符号化する一方で、圧縮符号化部902が第2のコンポーネント信号に対して時間又は空間方向の第1予測信号を生成し、該第1予測信号と前記第2のコンポーネント信号との差分を表す残差信号を符号化するか、又は色信号間相関に基づく推定パラメータによって推定される第2予測信号を生成し、該第2予測信号と前記第2のコンポーネント信号との差分を表す残差信号を符号化するように構成され、当該第2のコンポーネント信号の予測信号として第1予測信号と第2予測信号のいずれか一方を選択可能に構成される。
圧縮符号化部901は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)を従来からのMPEG等と同様に符号化する。より具体的には、圧縮符号化部901は、減算部911と、符号化部912と、局部復号部913と、加算部914と、画像メモリ915と、画面内予測/画面間予測部916とを備える。圧縮符号化部901における加算部911、符号化部912、局部復号部913、加算部914、画像メモリ915、及び画面内予測/画面間予測部916の動作は、実施例2の圧縮符号化部301(図4)における加算部311、符号化部312、局部復号部313、加算部314、画像メモリ315、及び画面内予測/画面間予測部316の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
また、圧縮符号化部902は、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)を従来からのMPEG等と同様に符号化する機能と、コンポーネント信号間(色信号間)の相関を利用した信号予測を行う機能とを切替可能に構成される。従来からのMPEG等と同様に符号化する場合には、圧縮符号化部902は、減算部917と、符号化部918と、局部復号部919と、加算部920と、画像メモリ921と、画面内予測/画面間予測として機能を有する画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922とを備える。この場合の圧縮符号化部902における各動作は、実施例2の圧縮符号化部302(図4)における加算部317、符号化部318、局部復号部319、加算部320、画像メモリ321、及び画面内予測/画面間予測部322の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
一方、圧縮符号化部902における画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922は、コンポーネント信号間(色信号間)の相関を利用した信号予測を行う機能を有する。具体的には、図11に示すように、画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922は、局部復号されたC信号を入力して、時空間の予測(画面内予測/画面間予測)を行うか、又はコンポーネント信号間(色信号間)の相関を利用した信号予測を行うかを外部設定により選択可能にする選択スイッチ9221と、従来からのMPEG等と同様に局部復号されたC’信号に対して時空間の予測(画面内予測/画面間予測)を行って予測信号を生成する画面内予測/画面間予測部9222と、コンポーネント信号間(色信号間)の相関を利用した信号予測を行うために、第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)を入力して、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)である第2コンポーネント信号の復号信号(Cb’信号又はCr’信号)を推定するにあたり、タイミング調整を図るためのコンポーネント信号格納部9224と、コンポーネント信号格納部9224から読み出される第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)の信号要素と、別途入力される第2コンポーネント信号の復号信号(Cb’信号又はCr’信号)の信号要素(対応画素位置の信号要素)とを比較して、上記所定の推定モデル(例えば、一次関数)に基づいて第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)から第2コンポーネント信号の復号信号(Cb’信号又はCr’信号)を推定し、この推定モデルに基づく推定パラメータを「色間相関パラメータ」として生成する推定処理部9225と、この色間相関パラメータによって、コンポーネント信号格納部9224から読み出される第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)の信号要素を上記所定の推定モデル(例えば、一次関数)に基づいて再生した予測信号(色信号間予測信号)を生成する色信号間予測信号生成部9223とを備える。
また、推定処理部9225は、4:2:2や4:2:0のフォーマット形式のコンポーネント信号を比較して推定パラメータを生成する場合のために、コンポーネント信号格納部9224から読み出される第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)のサンプリングレートを第2コンポーネント信号の復号信号(C’信号)のサンプリングレートに変換してサンプル数を揃えるサンプリングレート変換部9226と、サンプリングレート変換部9226から供給される同一サンプル数の第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)の信号要素と、別途入力される第2コンポーネント信号の復号信号(Cb’信号又はCr’信号)の信号要素(対応画素位置の信号要素)を比較して、上記所定の推定モデル(例えば、一次関数)に基づいて第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)から第2コンポーネント信号の復号信号(Cb’信号又はCr’信号)を推定し、この推定モデルに基づく推定パラメータを「色間相関パラメータ」として生成する比較部9227とを有するように構成することができる。
即ち、画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922は、外部設定に基づいて、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組か、又は色信号間の相関に基づく予測信号(コンポーネント信号間の相関に基づく予測信号)及び色間相関パラメータの組のいずれかを選択して減算部917に送出する。
ここで、図11に示す例では、「外部設定」によって切替を行う例を説明したが、例えば、比較するコンポーネント信号間の直流成分を除く振幅の差が所定の閾値未満である場合に色信号間の相関に基づく予測信号(コンポーネント信号間の相関に基づく予測信号)及び色間相関パラメータの組を選択し、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組を選択するように構成することができ、この選択も符号化装置及び復号装置間で予め定めておくこともできる。
即ち、本実施例の符号化装置90は、従来からのMPEG等と同様に、コンポーネント信号ごとに符号化を行うY信号用の圧縮符号化部901及びC信号用の圧縮符号化部902を備えるが、実施例2とは、予測信号を生成する際の選択肢として色信号間の相関に基づく予測を追加したものとなっている。
このように、本実施例の符号化装置90は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)に対して、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施すが、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組か、又は色信号間の相関に基づく予測信号(コンポーネント信号間の相関に基づく予測信号)及び色間相関パラメータの組のいずれかを選択して予測信号を生成する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、更なる画像圧縮を図ることができる。
次に、実施例5の符号化装置90によって符号化したビットストリームを受信して復号する復号装置100を説明する。
図12は、本発明による実施例5の復号装置のブロック図である。本実施例の復号装置100は、復号部1151,1156と、復号変換部1152,1153とを備える。
本実施例の復号部1151及び復号変換部1152の動作は、実施例2における復号部401及び復号変換部402と同様である。
即ち、復号部1151は、符号化部912(図10)によって符号化された残差信号(Y予測残差信号)を復号して、復号変換部1152に送出する。
復号変換部1152は、MPEG等の(従来からの)既存の復号装置と同様に動作し、加算部1211、画像メモリ1212及び画面内予測/画面間予測部1213を備える。
例えば、加算部1211は、画面内予測/画面間予測部1213から得られる予測信号と、復号部1151から得られる復号した残差信号とを加算して元のコンポーネント信号(Y信号)を復元し、画像メモリ1212に格納する。画面内予測/画面間予測部1213は、復元した元のコンポーネント信号を格納する画像メモリ1212から参照信号を読み出し、符号化装置90から得られるY信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルを用いて予測信号を生成し、加算部1211に送出する。
一方、本実施例の復号部1156は、符号化部918(図10)によって符号化された残差信号(C予測残差信号)を復号して、復号変換部1153に送出する。
復号変換部1153は、MPEG等の(従来からの)既存の復号装置と同様に動作し、加算部1214、画像メモリ1215及び画面内予測/画面間予測/色信号間予測部1216を備える。
例えば、加算部1214は、画面内予測/画面間予測/色信号間予測部1216から得られる予測信号と、復号部1156から得られる復号した残差信号とを加算して元のコンポーネント信号(C信号)を復元する。画面内予測/画面間予測/色信号間予測部1216は、復元した元のコンポーネント信号を格納する画像メモリ1215から参照信号を読み出し、符号化装置90から得られるY信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルを用いて予測信号を生成するか、又は色間相関パラメータ(図1に示す推定パラメータに対応する)から予測信号を再生して加算部1214に送出する。
画面内予測/画面間予測/色信号間予測部1216は、符号化装置90から得られるC信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルか、又は色間相関パラメータを受信して、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組か、又は色信号間の相関に基づく予測信号(コンポーネント信号間の相関に基づく予測信号)及び色間相関パラメータの組のいずれかを、符号化側の選択と対応するように選択して予測信号を生成し、加算部1214に送出する。符号化側の選択と対応させるべく、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組の選択について符号化装置及び復号装置間で予め定めておくことで実現することができる。
このようにして、復号装置100は、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)に対して従来のMPEG等と同様の復号処理を施すが、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組か、又は色信号間の相関に基づく予測信号(コンポーネント信号間の相関に基づく予測信号)及び色間相関パラメータの組のいずれかを選択して予測信号を生成する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、更なる画像圧縮を図ることができる。
例えば、MPEG等の画面内予測又は画面間予測とは別に、色信号間相関予測を適用するにあたり、画面内予測と色信号間相関予測のうち圧縮率が高いほうを選定したり、画面間予測と色信号間相関予測のうち圧縮率が高いほうを選定したりするように構成することができ、更なる画像圧縮を図ることができる。
次に、このコンポーネント信号推定処理装置1を符号化装置及び復号装置に適用した更に別の実施例について説明する。
図13は、本発明による実施例6の符号化装置を示すブロック図である。前述の実施例5では、「外部スイッチ」によって動作する画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922の例を説明したが、本実施例の符号化装置90bでは、C信号用の圧縮符号化部902が、画面内予測又は画面間予測の時空間の信号予測と、コンポーネント信号間(色信号間)の相関を利用した信号予測(図1のコンポーネント信号推定処理装置1における推定と同様)とを切替可能に構成され、且つこの選択に係る切り替えの情報(選択フラグ情報)を補助情報として伝送する画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922bを備える点で実施例5とは異なる。
圧縮符号化部901は、実施例5の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
また、圧縮符号化部902においても、画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922b以外の動作は、実施例5の動作と同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
圧縮符号化部902における画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922bは、図14に示すように、従来からのMPEG等と同様に局部復号されたC’信号に対して時空間の予測(画面内予測/画面間予測)を行って予測信号を生成する画面内予測/画面間予測部9222と、コンポーネント信号間(色信号間)の相関を利用した信号予測を行うために、第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)を入力して、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)である第2コンポーネント信号の復号信号(Cb’信号又はCr’信号)を推定するにあたり、タイミング調整を図るためのコンポーネント信号格納部9224と、コンポーネント信号格納部9224から読み出される第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)の信号要素と、別途入力される第2コンポーネント信号の復号信号(Cb’信号又はCr’信号)の信号要素(対応画素位置の信号要素)とを比較して、上記所定の推定モデル(例えば、一次関数)に基づいて第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)から第2コンポーネント信号の復号信号(Cb’信号又はCr’信号)を推定し、この推定モデルに基づく推定パラメータを「色間相関パラメータ」として生成する推定処理部9225と、この色間相関パラメータによって、コンポーネント信号格納部9224から読み出される第1コンポーネント信号の復号信号(例えば、Y’信号)の信号要素を上記所定の推定モデル(例えば、一次関数)に基づいて再生した予測信号(色信号間予測信号)を生成する色信号間予測信号生成部9223とを備える点で、実施例5と同様である。
ただし、本実施例の画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922bは、符号化対象のC信号に対して、時空間の予測(画面内予測/画面間予測)で算出した予測信号、及び、コンポーネント信号間(色信号間)の相関を利用した信号予測に基づく予測信号に対して、それぞれ予測誤差を算出する予測誤差算出部9221a,9221bと、各予測誤差算出部9221a,9221bから得られる予測誤差を比較し、誤差の小さいほうを選択するよう比較するとともに、選択した予測モードを識別する選択フラグ情報を補助情報として伝送する比較部9221cとを備える。尚、選択スイッチ9221dは、比較部9221cによって切り替えが制御される。
即ち、画面内予測/画面間予測/色信号間予測部922bは、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組か、又は色信号間の相関に基づく予測信号(コンポーネント信号間の相関に基づく予測信号)及び色間相関パラメータの組のいずれかを適応的に選択して減算部917に送出する。
この選択に係る情報(選択フラグ情報)は、補助情報として符号化装置から復号装置へと伝送するように構成される。
このように、本実施例の符号化装置90bは、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)に対して従来のMPEG等と同様の復号処理を施すが、従来のMPEG等と同様の符号化処理を施すが、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組か、又は色信号間の相関に基づく予測信号(コンポーネント信号間の相関に基づく予測信号)及び色間相関パラメータの組のいずれかを適応的に選択して予測信号を生成する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、更なる画像圧縮を図ることができる。
次に、実施例6の符号化装置90によって符号化したビットストリームを受信して復号する復号装置100bを説明する。
図15は、本発明による実施例6の復号装置のブロック図である。本実施例の復号装置100bは、復号部1151,1156と、復号変換部1152,1153とを備える点で、実施例5と同様であるが、復号変換部1153が、選択フラグ情報を受信して予測モードの切り替えを行う画面内予測/画面間予測/色信号間予測部1216bを備える点で相違する。
画面内予測/画面間予測/色信号間予測部1216bは、符号化装置90bから得られる選択フラグ情報に基づいて、C信号用画面内予測パラメータ/動きベクトルか、又は色間相関パラメータを選択して、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組か、又は色信号間の相関に基づく予測信号(コンポーネント信号間の相関に基づく予測信号)及び色間相関パラメータの組のいずれかを、符号化側の選択と対応するように選択して予測信号を生成し、加算部1214に送出する。この選択フラグ情報は、補助情報として符号化装置から復号装置へと伝送することで実現することができる。
このようにして、復号装置100bは、第1コンポーネント信号(例えば、Y信号)及び第2のコンポーネント信号(C信号)に対して従来のMPEG等と同様の復号処理を施すが、第2のコンポーネント信号(例えば、C信号)に対しては、時空間の予測信号(画面内予測/画面間予測の予測信号)及びその予測パラメータ(画面内予測パラメータ又は動きベクトル)の組か、又は色信号間の相関に基づく予測信号(コンポーネント信号間の相関に基づく予測信号)及び色間相関パラメータの組のいずれかを適応的に選択して予測信号を生成する。これにより、従来の画像符号化よりもコンポーネント信号間の相関をより活用することができ、更なる画像圧縮を図ることができる。
例えば、MPEG等の画面内予測又は画面間予測とは別に、色信号間相関予測を適用するにあたり、上記のごとく符号化対象信号に対する予測誤差に基づいて選択することで、画面内予測と色信号間相関予測のうち圧縮率が高いほうを選定したり、画面間予測と色信号間相関予測のうち圧縮率が高いほうを選定したりするように構成することができ、更なる画像圧縮を図ることができる。
更に、本発明の一態様として、各実施例の符号化装置及び復号装置の各々をコンピュータとして構成させることができる。コンピュータに、前述した各実施例の符号化装置及び復号装置の各々における各構成要素を実現させるためのプログラムは、コンピュータの内部又は外部に備えられる記憶部に記憶される。そのような記憶部は、外付けハードディスクなどの外部記憶装置、或いはROM又はRAMなどの内部記憶装置で実現することができる。コンピュータに備えられる制御部は、中央演算処理装置(CPU)などの制御で実現することができる。即ち、CPUが、各構成要素の機能を実現するための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、記憶部から読み込んで、各構成要素の機能をコンピュータ上で実現させることができる。ここで、各構成要素の機能をハードウェアの一部で実現しても良い。
また、この処理内容を記述したプログラムを、例えばDVD又はCD−ROMなどの可搬型記録媒体の販売、譲渡、貸与等により流通させることができるほか、そのようなプログラムを、例えばネットワーク上にあるサーバの記憶部に記憶しておき、ネットワークを介してサーバから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、流通させることができる。
また、そのようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に記憶することができる。また、このプログラムの別の実施態様として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、更に、このコンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。
以上、具体例を挙げて本発明の実施例を詳細に説明したが、本発明の特許請求の範囲から逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能であることは当業者に明らかである。例えば、実施例1〜5を組み合わせて別の実施例を構成することができる。