JP5224616B2 - プロテインキナーゼ阻害剤としての複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体 - Google Patents

プロテインキナーゼ阻害剤としての複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、新規「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、該「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を含む組成物、および増殖性疾患、抗増殖性疾患、炎症、関節炎、中枢神経系障害、心血管疾患、脱毛症、ニューロン疾患、虚血性傷害、ウイルス感染症、真菌感染症、またはプロテインキナーゼの活性に関連した疾患を治療または予防するための該「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の使用方法に関する。
プロテインキナーゼは、タンパク質、特に、タンパク質中の特定のチロシン、セリンまたはトレオニン残基のヒドロキシル基、のリン酸化を触媒する酵素の1ファミリーである。プロテインキナーゼは、代謝、細胞増殖、細胞分化および細胞生存をはじめとする多種多様な細胞プロセスの調節にきわめて重要である。無制御増殖は、癌細胞の特徴であり、2つの様式:刺激遺伝子を活性過多にする様式、または阻害遺伝子を不活性にする様式、のうちの一方での細胞分裂周期の脱制御によって顕示され得る。プロテインキナーゼ阻害剤、調節剤またはモジュレーターは、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK/ERK)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3β)、チェックポイント(Chk)(例えば、CHK−1、CHK−2など)キナーゼ、AKTキナーゼ、JNK、およびこれらに類するものなどのキナーゼの機能を改変する。プロテインキナーゼ阻害剤の例は、特許文献1に、およびY.MetteyらによりJ.Med.Chem.、46:222−236(2003)に記載されている。
サイクリン依存性キナーゼは、細胞周期および細胞増殖を陰で支える推進力である、セリン/トレオニンプロテインキナーゼである。多くの重要な充実性腫瘍には高い頻度でCDK機能の誤調節が存在する。個々のCDK、例えば、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6およびCDK7、CDK8ならびにこれらに類するものは、細胞周期進行において異なる役割を果たし、G1SまたはG2M期酵素のいずれかとして分類され得る。CDK2およびCDK4は、それらの活性が広範なヒト癌において誤調節されることが多いため、特に興味深い。CDK2活性は、細胞周期のG1からS期への進行に必要であり、CDK2は、G1チェックポイントの重要な要素の1つである。チェックポイントは、細胞周期イベントの正しい順序を維持するために役立ち、それらによって細胞は傷害に対してまたは増殖シグナルに対して応答することができるが、一方、癌細胞における正しいチェックポイントの喪失は、腫瘍形成の一因となる。CDK2経路は、腫瘍抑制機能(例えば、p52、RBおよびp27)ならびに癌遺伝子活性化(サイクリンE)のレベルで腫瘍形成に影響を及ぼす。多くの報告により、CDK2の両方の共活性化因子、サイクリンEとその阻害剤p27が、乳癌、大腸癌、非小細胞肺癌、胃癌、前立腺癌、膀胱癌、非ホジキンリンパ腫、卵巣癌および他の癌において、それぞれ、過剰または過小発現されることが示されている。それらの発現改変は、CDK2活性レベル増加および全生存率不良と相関することが証明されている。この観察が、CDK2およびその調節経路を、癌治療の開発の注目せずにはいられないターゲットにする。
多数のアデノシン5’三リン酸(ATP)競合的有機小分子ならびにペプチドが、可能性のある癌治療のためのCDK阻害剤として文献に報告されている。特許文献2(第1段、23行〜第15段、10行)は、様々なCDKおよびそれらと様々なタイプの癌との関係についての優れた説明を提供している。フラボピリドール(下記参照)は、ヒト臨床試験を現在受けている非選択的CDK阻害剤である、A.M.Sanderowiczら、J.Clin.Oncol.16:2986−2999(1998)。
Figure 0005224616
CDKの他の公知阻害剤としては、例えば、オロモウシン(J.Veselyら、Eur.J.Biochem.、224:771−786(1994))およびロスコビチン(I.Meijerら、Eur.J.Biochem.、243:527−536(1997))が挙げられる。特許文献3には、一定のピラゾロ[3,4−b]ピリジン化合物がCDK阻害剤として記載されている。特許文献3からの説明的化合物は、
Figure 0005224616
である。K.S.Kimら、J.Med.Chem.45:3905−3927(2002)および特許文献4には、一定のアミノチアゾール化合物がCDK阻害剤として開示されている。
プロテインキナーゼのもう1つの系列は、細胞周期進行におけるチェックポイントとして重要な役割を果たすものである。チェックポイントは、DNA損傷に反応してなどの不適切な時点での細胞周期進行を防止し、および細胞を停止させながら細胞の代謝バランスを維持し、および場合により、そのチェックポイントの要求が満たされなかったときにはアポトーシス(プログラム細胞死)を誘導することがある。チェックポイント制御は、G1期(DNA合成の前)において、および有糸分裂に入る前のG2において発生し得る。
チェックポイントの1つの系列は、ゲノムの完全性を監視し、そしてDNA損傷を感知すると、これらの「DNA損傷チェックポイント」が、GおよびG期における細胞周期進行を阻止し、S期によって進行を遅速させる。この作用により、DNA修復プロセスは、ゲノムの複製およびその後のこの遺伝物質の新たな娘細胞への分離が発生する前に、タスクを完了することができる。CHK1の不活性化は、DNA損傷感知複合体からのシグナルを伝達して、有糸分裂への侵入を促進するサイクリンB/Cdc2キナーゼ活性化を阻害すること、および抗癌剤または内因性DNA損傷のいずれかにより負わされたDNA損傷によって誘導されるG.sub.2停止を排除すること、ならびに結果として生ずるチェックポイント欠損細胞の優先的死滅をもたらすことが証明されている。例えば、Pengら、Science、277:1501−1505(1997);Sanchezら、Science、277:1497−1501(1997)、Nurse、Cell、91:865−867(1997);Weinert、Science、277:1450−1451(1997);Walworthら、Nature、363:368−371(1993);およびAl−Khodairyら、Molec.Biol.Cell.、5:147−160(1994)参照。
癌細胞におけるチェックポイント制御の選択的操作は、癌化学療法および放射線療法レジメンに広く利用することができ、加えて、癌細胞破壊のための選択的基礎として活用されるヒト癌「ゲノム不安定性」の一般的な特徴をもたらすことができる。多数の要因が、CHK1をDNA損傷チェックポイント制御における重要なターゲットとして位置づける。この阻害剤および機能的に関連したキナーゼ、例えばCDS1/CHK2、S期進行を調節する上でCHK1と協力することが最近発見されたキナーゼ(Zengら、Nature、395:507−510(1998);Matsuoka、Science、282:1893−1897(1998)参照)の阻害剤の解明により、癌治療のための価値ある新規療法の実体が得られるだろう。
キナーゼのもう1つのグループは、チロシンキナーゼである。チロシンキナーゼは、(細胞外、膜貫通および細胞内ドメインを有する)受容体型である場合もあり、または(完全に細胞内のものである)非受容体型である場合もある。受容体型チロシンキナーゼは、多様な生物活性を有する多数の膜貫通受容体から成る。実際、受容体型チロシンキナーゼの約20の異なるサブファミリーが同定されている。HERサブファミリーと呼ばれる1つのチロシンキナーゼサブファミリーは、EGFR(HER1)、HER2、HER3およびHER4から成る。これまでに同定されたこのサブファミリーの受容体のリガンドとしては、上皮増殖因子、TGF−アルファ、アンフィレグリン、HB−EGF、ベタセルリンおよびヘレグリンが挙げられる。これらの受容体型チロシンキナーゼのもう1つのサブファミリーは、INS−R、IGF−IR、IRおよびIR−Rを含む、インスリンサブファミリーである。PDGFサブファミリーは、PDGF−αおよびβ受容体、CSFIR、c−kitおよびFLK−IIを含む。FLKファミリーは、キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR)、胎児肝臓キナーゼ−1(FLK−1)、胎児肝臓キナーゼ−4(FLK−4)およびfms様チロシンキナーゼ−1(flt−1)から成る。受容体型チロシンキナーゼの詳細な論考については、Plowmanら、DN&P 7(6):334−339、1994を参照のこと。
非受容体型プロテインチロシンキナーゼのうちの少なくとも1つ、すなわちLCK、は、T細胞において細胞表面タンパク質(Cd4)と架橋抗Cd4抗体の相互作用からのシグナルの伝達を媒介すると考えられている。非受容体チロシンキナーゼのより詳細な論考は、Bolen、Oncogene、8:2025−2031(1993)に提供されている。チロシンキナーゼの非受容体型も、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes/Fps、Fak、Jak、AckおよびLIMKをはじめとする多数のサブファミリーから成る。これらのサブファミリーのそれぞれが、様々な受容体にさらに細分される。例えば、Srcサブファミリーは、最大のものの1つであり、Src、Yes、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、Fgr、およびYrkを含む。酵素のSrcサブファミリーは、発癌と関連づけられている。チロシンキナーゼの非受容体型のより詳細な論考については、Bolen、Oncogene、8:2025−2031(1993)を参照のこと。
細胞周期制御におけるその役割に加えて、プロテインキナーゼは、新たな毛細血管が既存の血管から形成されるメカニズムである血管新生においても決定的な役割を果たす。必要なときには、血管系は、組織および器官の正しい機能を維持するために新たな毛細血管網を生成する可能性を有する。しかし、成体の場合、血管新生は、相当制限され、創傷治癒および月経中の子宮内膜の新生血管形成においてしか発生しない。一方、望ましくない血管新生は、幾つかの疾病、例えば、網膜症、乾癬、関節リウマチ、加齢黄斑変性、および癌(充実性腫瘍)の特徴である。血管新生プロセスに関与することが証明されているプロテインキナーゼとしては、増殖因子受容体チロシンキナーゼファミリーの3つのメンバー;VEGF−R2(KDR(キナーゼ挿入ドメイン受容体)としてもおよびFLK 1としても公知である、血管内皮増殖因子受容体2;FGF−R(線維芽細胞増殖因子受容体);およびTEK(Tie−2としても公知)が挙げられる。
内皮細胞上でしか発現されないVEGF−R2は、強力な血管新生性増殖因子VEGFを結合し、その細胞内キナーゼ活性の活性化によりその後のシグナル伝達を媒介する。従って、シグナル伝達を媒介することができないVEGF−R2の突然変異体で証明されているように、VEGF−R2のキナーゼ活性化の直接阻害は、外因性VEGFの存在下であっても血管新生事象を減少させる結果となろう(Strawnら、CancerRes.、56:3540−3545(1996)参照)。Millauerら、Cancer Res.、56:1615−1620(1996)。さらに、VEGF−R2は、VEGFの血管新生活性を媒介すること以外、成体において機能を有さないようである。従って、VEGF−R2のキナーゼ活性の選択的阻害剤は、殆ど毒性を示さないと予想されよう。
同様に、FGFRは、血管新生増殖因子aFGFおよびbFGFを結合し、その後の細胞内シグナル伝達を媒介する。最近、bFGFなどの増殖因子は、一定のサイズに達した充実性腫瘍における血管新生の誘導において決定的な役割を果たし得ることが示唆された。Yoshijiら、Cancer Research、57:3924−3928(1997)。しかし、VEGF−R2とは異なり、FGF−Rは、全身にわたって多数の異なる細胞タイプで発現され、成体における他の正常な生理プロセスにおいて重要な役割を果たす場合もあり、または果たさない場合もある。それにもかかわらず、FGF−Rのキナーゼ活性の小細胞阻害剤の全身投与は、マウスにおいて明らかな毒性を伴わずにbFGF誘導血管新生を遮断すると報告されている。Mohammadら、EMBO Journal、17:5996−5904(1998)。
TEK(Tie−2としても公知)は、血管新生において役割を果たすことが証明されている、内皮細胞上でしか発現されないもう1つの受容体チロシンキナーゼである。因子アンジオポエチン−1の結合は、結果として、TEKのキナーゼドメインの自己リン酸化を生じさせ、およびシグナル伝達プロセスをもたらし、これは、内皮細胞と内皮周囲支持細胞の相互作用を媒介し、それにより、新たに形成された血管の成熟を助長するようである。一方、因子アンジオポエチン−2は、TEKに対するアンジオポエチン−1の作用に拮抗し、血管新生を中断させるようである。Maisonpierreら、Science、277:55−60(1997)。
キナーゼ、JNK、は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)スーパーファミリーに属する。JNKは、炎症反応、ストレス反応、細胞増殖、アポトーシス、および腫瘍形成において決定的な役割を果たす。JNKキナーゼ活性は、前炎症性サイトカイン(TNF−αおよびインターロイキン1)、リンパ球共刺激受容体(CD28およびCD40)、DNA損傷性化学物質、放射線およびFasシグナル伝達をはじめとする様々な刺激によって活性化され得る。JNKノックアウトマウスからの結果は、JNKがアポトーシス誘導およびヘルパーT細胞分化に関与することを示す。
Pim−1は、小さなセリン/トレオニンキナーゼである。Pim−1の発現レベル上昇は、リンパ性および脊髄性悪性病変において検出されており、ならびに最近、Pim−1は、前立腺癌における予後マーカーとして同定された。K.Peltola、「Signaling in Cancer:Pim−1 Kinase and its Partners」、Annales Universitatis Turkuensis,Sarja−Ser.D Osa−Tom.616、(2005年8月30日)、http://kirjasto.utu.fi/julkaisupalvelut/annaalit/2004/D616.html。Pim−1は、細胞生存因子としての役割も果たし、悪性細胞におけるアポトーシスを妨げることができる。K.Petersen Shayら、Molecular Cancer Research 3:170−181(2005)。
オーロラキナーゼ(オーロラ−A、オーロラ−B、オーロラ−C)は、ヒト癌、例えば、大腸癌、乳癌および他の充実性腫瘍に関係づけられている、セリン/トレオニンプロテインキナーゼである。オーロラ−A(時としてAIKとも呼ばれる)は、細胞周期を調節するタンパク質リン酸化事象に関与すると考えられている。具体的には、オーロラ−Aは、有糸分裂中の染色体の正確な分離を制御する上で一定の役割を果たし得る。細胞周期の誤調節は、細胞増殖および他の異常につながり得る。ヒト大腸癌組織において、オーロラ−A、オーロラ−B、オーロラ−Cは、過剰発現することが判明した(Bischoffら、EMBO J.、17:3052−3065(1998);Schumacherら、J.Cell Biol.143:1635−1646(1998);Kimuraら、J.Biol.Chem.、272:13766−13771(1997)参照)。
c−Metは、肝細胞増殖因子/散乱因子(HGF/SF)のためのチロシンキナーゼ受容体をコードする原癌遺伝子である。c−Metタンパク質は、主として上皮細胞において発現され、その機能のため、肝細胞増殖因子受容体、すなわちHGFR、としても公知である。HGF/SFがc−Metを活性化すると、今度は、その後者が、RasからRaf、そしてMek、そしてマイトジェン活性化プロテインキナーゼERK1、そして転写因子ETS1への経路をはじめとする、多数のキナーゼ経路を活性化し得る。Metシグナル伝達は、ヒト癌の病因および悪性進行に関係づけられている(Birchmeierら、Nature Reviews Molecular Cell Biology、4:915−925(2003);Zhangら、Journal of Cellular Biochemistry、88:408−417(2003);およびPaumelleら、Oncogene、21:2309−2319(2002)参照)。
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ2(MAPKAP K2またはMK2)は、多数のp38MAPK依存性細胞応答を媒介する。MK2は、多くの急性および慢性炎症性疾患、例えば関節リウマチおよび炎症性腸疾患、に関与するサイトカイン、例えば腫瘍壊死因子α(TNFa)、インターロイキン6(IL−6)およびインターフェロンγ(IFNg)の産生の重要な細胞内レギュレーターである。MK2は、刺激を受けていない細胞の核内に存し、刺激を受けると、細胞質に転移し、ツベリンおよびHSP27をリン酸化し、活性化する。MK2は、心不全、脳虚血性傷害、ストレス抵抗性の調節およびTNF−αの産生にも関係づけられている(Deakら、EMBO.17:4426−4441(1998);Shiら、Biol.Chem.383:1519−1536(2002);Staklatvala.、Curr.Opin.Pharmacol.4:372−377(2004);およびShirotoら、J.Mol.Cell Cardiol.38:93−97(2005)参照)。
国際公開第02/22610号 米国特許第6,413,974号明細書 米国特許第6,107,305号明細書 国際公開第02/10162号
異常な細胞増殖に関連した疾病状態を治療または予防するために、プロテインキナーゼの有効な阻害剤が必要とされている。さらに、標的キナーゼに対する高い親和性と他のプロテインキナーゼに対する高い選択性の両方を有するキナーゼ阻害剤が望ましい。容易に合成でき、細胞増殖の強力な阻害剤である、小分子化合物は、例えば、1つ以上のプロテインキナーゼ、例えばCHK1、CHK2、VEGF(VEGF−R2)、Pim−1、CDKまたはCDK/サイクリン複合体および受容体型と非受容体型両方のチロシンキナーゼについての阻害剤であるものである。
1つの態様において、本発明は、式(I):
Figure 0005224616
(式中、 破線は、任意のおよび追加の結合を示し、ならびに
Mは、−O−または−S−であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−シクロアルキル、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキルまたは−(アルキレン)−ヘテロシクロアルケニルであり、この場合のいずれのアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基も、環炭素または環窒素原子において、3つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR、−(アルキレン)−N(R、−C(O)OR、−NHC(O)R、−C(O)N(R、−S(O)、−CN、−OH、−NO、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−シクロアルキル、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキルおよび−(アルキレン)−ヘテロシクロアルケニルから選択され;およびこの場合のいずれのアリールまたはヘテロアリール置換基も、5つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、−OH、アルキル、−C(O)OR、−N(R、−NHC(O)R、−C(O)N(R、−S(O)、−CN、−OH、−NO、および−O−アルキルから選択され;およびこの場合のいずれのアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基も、場合によっては、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基と縮合していることがあり;
のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)Rもしくは−(アルキレン)−N(Rであり、またはRとそれが結合している環炭素原子とが合わさって、カルボニル基を形成し;
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)−Rまたは−(アルキレン)−N(Rであり、あるいはRおよびR3aは、それらそれぞれが結合している共通の炭素原子と一緒になって、カルボニル基またはスピロ環式シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
3aは、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)−Rまたは−(アルキレン)−N(Rであり;
のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキル、−(アルキレン)−N(R、−(アルキレン)−OH、−(アルキレン)−NHC(O)R、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)−(アルキレン)−N(R、−(アルキレン)−NHC(O)R、−NHC(O)ORまたは−NHS(O)であり;
のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールであり;
のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキルまたはハロアルキルであり;
は、H、アルキル、−OH、−O−アルキルまたはハロアルキルであり;
10は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)Rまたは−(アルキレン)−N(Rあり、あるいはR10およびR10aは、それぞれが結合している共通の炭素原子と一緒になって、カルボニル基またはスピロ環式シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
10aは、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)−Rまたは−(アルキレン)−N(Rであり;
11のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)−Rもしくは−(アルキレン)−N(Rであり、またはR11とそれが結合している環炭素原子とが合わさって、カルボニル基を形成し;
12のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキル、−S(O)、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−C(O)Rまたは−C(O)ORであり;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであり、この場合のアリーレンまたはヘテロアリーレンは、その隣接する環炭素原子のいずれか2個によって連結されており、およびこの場合のアリーレンまたはヘテロアリーレン基は、4つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであるか、または異なることがあり、ならびにハロ、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、−NH2、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−SR、−S(O)R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−NHC(O)R、ハロアルキル、−CNおよびNOから独立して選択され、その結果ArがテトラヒドロナフチレンであるときにRおよびRが互いに水素以外であり;
Wは、−N(R12−、−S−、−O−または−C(R−であり、この場合、Wが−C(R−であるときには、両方のR基とそれらが結合している共通の炭素原子とが合わさって、スピロ環式シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基を形成し、この場合、そのようなスピロ環式の基は、4つ以下の基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであるか、または異なることがあり、ならびにハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR、−(アルキレン)−N(R、−C(O)OR、−NHC(O)R、−C(O)N(R、−S(O)、−CN、−OH、−NO、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−シクロアルキル、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキルおよび−(アルキレン)−ヘテロシクロアルケニルから選択され;
Yは、H、ハロ、アルキルまたは−CNであり;
Zは、任意のおよび追加の結合が不在であるときには−C(R)−または−N−であり、ならびにZは、任意のおよび追加の結合が存在するときには−C−であり;
mのそれぞれの存在は、独立して、0または1であり;
nは、0〜2の整数であり;ならびに
pは、0または1である)
を有する化合物ならびにそれらの医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグおよび立体異性体を提供する。
1つの態様において、式(I)の化合物(「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」)は、プロテインキナーゼ阻害剤として有用であり得る。
もう1つの態様において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、増殖性疾患、抗増殖性疾患、炎症、関節炎、中枢神経系障害、心血管疾患、脱毛症、ニューロン疾患、虚血性傷害、ウイルス感染症、真菌感染症、またはプロテインキナーゼの活性に関連した疾患(それぞれ、「状態」である)の治療または予防に有用であり得る。
もう1つの態様において、本発明は、有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。前記組成物は、患者における「状態」の治療または予防に有用であり得る。
さらにもう1つの態様において、本発明は、患者において「状態」を治療または予防するための方法を提供し、この方法は、有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」をその患者に投与することを含む。
もう1つの態様において、本発明は、患者において癌を治療するための方法を提供し、この方法は、有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」をその患者に投与することを含む。
もう1つの態様において、本発明は、患者において癌を治療するための方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」と「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」でない少なくとも1つの追加の抗癌剤とをその患者に投与することを含み、この場合、投与するそれらの量が一緒になって、その癌の治療に有効になる。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1) 式:
Figure 0005224616

(式中、
破線は、任意のおよび追加の結合を示し、ならびに
Mは、−O−または−S−であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(アルキレン) −アリール、−(アルキレン) −シクロアルキル、−(アルキレン) −ヘテロアリール、−(アルキレン) −ヘテロシクロアルキルまたは−(アルキレン) −ヘテロシクロアルケニルであり、この場合のいずれのアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基も、環炭素または環窒素原子において、3つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR 、−(アルキレン) −N(R 、−C(O)OR 、−NHC(O)R 、−C(O)N(R 、−S(O) 、−CN、−OH、−NO 、−(アルキレン) −アリール、−(アルキレン) −シクロアルキル、−(アルキレン) −ヘテロアリール、−(アルキレン) −ヘテロシクロアルキルおよび−(アルキレン) −ヘテロシクロアルケニルから選択され;およびこの場合のいずれのアリールまたはヘテロアリール置換基も、5つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、−OH、アルキル、−C(O)OR 、−N(R 、−NHC(O)R 、−C(O)N(R 、−S(O) 、−CN、−OH、−NO 、および−O−アルキルから選択され;およびこの場合のいずれのアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基も、場合によっては、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基と縮合していることがあり;
のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン) −C(O)N(R 、−(アルキレン) −NHC(O)R もしくは−(アルキレン) −N(R であり、またはR とそれが結合している環炭素原子とが合わさってカルボニル基を形成し;
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン) −C(O)N(R 、−(アルキレン) −NHC(O)−R または−(アルキレン) −N(R であり、あるいはR およびR 3a は、それらそれぞれが結合している共通の炭素原子と一緒になって、カルボニル基またはスピロ環式シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
3a は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン) −C(O)N(R 、−(アルキレン) −NHC(O)−R または−(アルキレン) −N(R であり;
のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、−(アルキレン) −アリール、−(アルキレン) −ヘテロアリール、−(アルキレン) −ヘテロシクロアルキル、−(アルキレン) −N(R 、−(アルキレン) −OH、−(アルキレン) −NHC(O)R 、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、−C(O)R 、−C(O)OR 、−C(O)−(アルキレン) −N(R 、−(アルキレン) −NHC(O)R 、−NHC(O)OR または−NHS(O) であり;
のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールであり;
のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキルまたはハロアルキルであり;
は、H、アルキル、−OH、−O−アルキルまたはハロアルキルであり;
10 は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン) −C(O)N(R 、−(アルキレン) −NHC(O)R または−(アルキレン) −N(R であり、あるいはR 10 およびR 10a は、それらそれぞれが結合している共通の炭素原子と一緒になって、カルボニル基またはスピロ環式シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
10a は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン) −C(O)N(R 、−(アルキレン) −NHC(O)−R または−(アルキレン) −N(R であり;
11 のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン) −C(O)N(R 、−(アルキレン) −NHC(O)−R もしくは−(アルキレン) −N(R であり、またはR 11 とそれが結合している環炭素原子とが合わさってカルボニル基を形成し;
12 のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、−(アルキレン) −アリール、−(アルキレン) −ヘテロアリール、−(アルキレン) −ヘテロシクロアルキル、−S(O) 、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−C(O)R または−C(O)OR であり;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであり、この場合のアリーレンまたはヘテロアリーレンは、その隣接する環炭素原子のいずれか2つによって連結されており、およびこの場合のアリーレンまたはヘテロアリーレン基は、4つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、−NH 、−NH−アルキル、−N(アルキル) 、−SR 、−S(O)R 、−S(O) 、−C(O)R 、−C(O)OR 、−C(O)N(R 、−NHC(O)R 、ハロアルキル、−CNおよびNO から独立して選択され、その結果ArがテトラヒドロナフチレンであるときにR およびR が互いに水素以外であり;
Wは、−N(R 12 −、−S−、−O−または−C(R −であり、この場合、Wが−C(R −であるときには、両方のR 基とそれらが結合している共通の炭素原子とが合わさって、スピロ環式シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基を形成し、この場合、そのようなスピロ環式の基は、4つ以下の基で場合によっては置換されていることがあり、該基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR 、−(アルキレン) −N(R 、−C(O)OR 、−NHC(O)R 、−C(O)N(R 、−S(O) 、−CN、−OH、−NO 、−(アルキレン) −アリール、−(アルキレン) −シクロアルキル、−(アルキレン) −ヘテロアリール、−(アルキレン) −ヘテロシクロアルキルおよび−(アルキレン) −ヘテロシクロアルケニルから選択され;
Yは、H、ハロ、アルキルまたは−CNであり;
Zは、任意のおよび追加の結合が不在であるときには−C(R )−または−N−であり、ならびにZは、任意のおよび追加の結合が存在するときには−C−であり;
mのそれぞれの存在は、独立して、0または1であり;
nは、0から2までの範囲の整数であり;および
pは、0または1である)
を有する化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体。
(項目2) Mが、−O−である、項目1に記載の化合物。
(項目3) Mが、−S−である、項目1に記載の化合物。
(項目4) R が、アリール、−アルキレン−アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルケニルであり、これらのそれぞれが、ハロ、アルキル、−OH、−NH 、ヘテロアリール、または−O−ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される3つ以下の基で場合によっては置換されていることがある、項目1に記載の化合物。
(項目5) R が、ハロ、アルキル、−OH、−NH 、ヘテロアリール、または−O−ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される3つ以下の基で場合によっては置換されている、項目4に記載の化合物。
(項目6) R が、
Figure 0005224616

である、項目1に記載の化合物。
(項目7) nおよびpが、それぞれ1である、項目1に記載の化合物。
(項目8) R 、R 、R 3a 、R 10 、R 10a およびR 11 が、それぞれ−Hである、項目7に記載の化合物。
(項目9) Zが、Nであり、およびWが、−C(R −である、項目1に記載の化合物。
(項目10) Wが、−CH(NH )−、−CH(OH)−またはCH(NHSO CH )である、項目9に記載の化合物。
(項目11) Arが、
Figure 0005224616

である、項目1に記載の化合物。
(項目12) Arが、
Figure 0005224616

である、項目1に記載の化合物。
(項目13) Zが、−N−であり、およびWが、−C(R −である、項目11に記載の化合物。
(項目14) Zが、−N−であり、およびWが、−C(R −である、項目12に記載の化合物。
(項目15) 基
Figure 0005224616

が、
Figure 0005224616

である、項目1に記載の化合物。
(項目16) R が、
Figure 0005224616

である、項目15に記載の化合物。
(項目17) 式:
Figure 0005224616

(式中、
Mは、−O−または−S−であり;
Xは、−CH−または−N−であり;
Wは、−C(R −であり;
は、アリール、−アルキレン−アリールまたはヘテロアリールであり、この場合のいずれのアリールまたはヘテロアリール基も、アルキル、ハロ、−OH、−O−ハロアルキル、−N(R 、ヘテロアリールおよび−C(O)OR からそれぞれ独立して選択される3つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり;ならびに
は、H、−OR または−N(R である)
を有する項目1に記載の化合物ならびにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグおよび立体異性体。
(項目18) Mが、−O−である、項目17に記載の化合物。
(項目19) Mが、−S−である、項目17に記載の化合物。
(項目20) Xが、−CH−である、項目19に記載の化合物。
(項目21) R が、
Figure 0005224616

である、項目20に記載の化合物。
(項目22) R が、−NH 、−NHSO −アルキルまたは−OHである、項目21に記載の化合物。
(項目23) 先の明細書において番号を付与したとおりの構造1−20を有する化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグまたは立体異性体。
(項目24) 精製された形態での、項目1に記載の化合物。
(項目25) 有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体と、医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
(項目26) 少なくとも1つの追加の抗癌剤をさらに含み、この場合の追加の抗癌剤が、項目1に記載の化合物とは異なる、項目25に記載の組成物。
(項目27) 前記少なくとも1つの追加の抗癌剤が、細胞増殖抑制剤、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソテール、タキソール、エトポシド、イリノテカン、カンプトスター、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、SCH 66336、R115777、L778,123、BMS 214662、イレッサ、タルセバ、EGFRに対する抗体、グリーベック、イントロン、ara−C、アドリアマイシン、シトキサン、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、テニポシド、17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベン、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィン、ヘキサメチルメラミン、アバスチン、ハーセプチン、ベキサール、ベルケード、ゼバリン、トリセノックス、ゼローダ、ビノレルビン、プロフィマー(Profimer)、アービタックス、リポソーマル、チオテパ、アルトレタミン、メルファラン、トラスツズマブ、レロゾール、フルベストラント、エキセメスタン、イホスファミド、リツキシマブ、C225、ドキシル、オンタック、デポサイト(Deposyt)、マイロターグ、カムパス、セレブレックス、スーテント、アラネスプ、ノイポゲン、ノイラスタ、ケピバンス、SU11248、およびPTK787から成る群より選択される、項目26に記載の組成物。
(項目28) 患者においてサイクリン依存性キナーゼに関連した疾病を治療するための方法であって、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物を該患者に投与することを含む方法。
(項目29) 前記サイクリン依存性キナーゼが、CDK1である、項目28に記載の方法。
(項目30) 前記サイクリン依存性キナーゼが、CDK2である、項目28に記載の方法。
(項目31) 患者においてチェックポイントキナーゼに関連した疾病を治療するための方法であって、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物を該患者に投与することを含む方法。
(項目32) 前記チェックポイントキナーゼが、Chk1である、項目31に記載の方法。
(項目33) 前記チェックポイントキナーゼが、Chk2である、項目31に記載の方法。
(項目34) 患者においてオーロラキナーゼに関連した疾病を治療するための方法であって、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物を該患者に投与することを含む方法。
(項目35) 前記オーロラキナーゼが、オーロラ−Aである、項目34に記載の方法。
(項目36) 前記オーロラキナーゼが、オーロラ−Bである、項目34に記載の方法。
(項目37) 前記オーロラキナーゼが、オーロラ−Cである、項目34に記載の方法。
(項目38) 患者においてチロシンキナーゼに関連した疾病を治療するための方法であって、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物を該患者に投与することを含む方法。
(項目39) 前記チロシンキナーゼが、VEGF−R2、EGFR、HER2、SRC、JAKおよびTEKから成る群より選択される、項目38に記載の方法。
(項目40) 前記チロシンキナーゼが、VEGF−R2である、項目39に記載の方法。
(項目41) 前記チロシンキナーゼが、EGFRである、項目39に記載の方法。
(項目42) 患者においてPim−1キナーゼに関連した疾病を抑制治療するための方法であって、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物を該患者に投与することを含む方法。
(項目43) 患者においてc−Metキナーゼに関連した疾病を治療するための方法であって、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物を該患者に投与することを含む方法。
(項目44) 前記c−Metキナーゼが、c−Metである、項目43に記載の方法。
(項目45) 患者においてMEKキナーゼに関連した疾病を治療するための方法であって、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物を該患者に投与することを含む方法。
(項目46) 前記mekキナーゼが、MEK−1である、項目45に記載の方法。
(項目47) 患者において癌を治療するための方法であって、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物を該患者に投与することを含む方法。
(項目48) 有効量の少なくとも1つの追加の抗癌剤を前記患者に投与することをさらに含み、この場合の追加の抗癌剤が、項目1に記載の化合物とは異なる、項目47に記載の方法。
(項目49) 前記癌が、膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、脳の癌もしくは中枢神経系の他の癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭頚部癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌、子宮癌、皮膚癌、白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、骨髄腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、甲状腺濾胞癌またはカポジ肉腫である、項目47に記載の方法。
(項目50) 前記少なくとも1つの追加の抗癌剤(単数または複数)が、細胞増殖抑制剤、シスプラチン、アロプラチン、ドキソルビシン、タキソテール、タキソール、エトポシド、イリノテカン、カンプトスター、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、SCH 66336、R115777、L778123、BMS 214662、イレッサ、タルセバ、EGFRに対する抗体、グリーベック、イントロン−A、インターフェロン、インターロイキン、ara−C、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、テニポシド、17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベン、アナストラゾール、レトラゾール、ゲムシタビン、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィン、ヘキサメチルメラミン、アバスチン、ハーセプチン、ベキサール、ベルケード、ゼバリン、トリセノックス、ゼローダ、プロフィマー、アービタックス、リポソーマル、チオテパ、アルトレタミン、メルファラン、トラスツズマブ、レロゾール、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、C225、ドキシル、オンタック、デポサイト、マイロターグ、カムパス、クテント(cutent)、アラネスプ、ノイラスタ、ケピバンス、SU11248、およびPTK787から成る群より選択される、項目48に記載の方法。
(項目51) 前記患者に放射線療法を施与することをさらに含む、項目44に記載の方法。
1つの実施形態において、本発明は、式(I)の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」およびまたはそれらの医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグを提供する。前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、患者における「状態」の治療または予防に有用であり得る。
定義および略語
上記および本開示全体にわたって用いられているように、以下の用語は、他の指示がない限り、以下の意味を有すると解釈されるものとする:
「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−またはシクロアルキル−C(O)−基を意味し、この場合の様々な基は、前に説明したとおりである。親部分への結合は、カルボニルによる。1つの実施形態において、アシルは、低級アルキルを含有する。適するアシル基の非限定的な例としては、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルが挙げられる。
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、この場合のアルキル基は、前に説明したとおりである。適するアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素による。
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味する。適するアルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルによる。
「アルキル」は、直線状であることまたは分岐していることがある、およびその鎖内に約1から約20個の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。1つの実施形態において、アルキル基は、その鎖内に約1から約12個の炭素原子を含有する。もう1つの実施形態において、アルキル基は、その鎖内に約1から約6個の炭素原子を含有する。分岐しているとは、1つ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピル、が線状アルキル鎖に結合していることを意味する。低級アルキルは、直線状であることまたは分岐していることがある、その鎖内に約1から約6個の炭素原子を有する基を指す。アルキル基は、非置換であることもあり、または同じもしくは異なることがある1つ以上の置換基により場合によっては置換されていることがあり、それぞれの置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、−S−アルキル、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、−O−C(O)−アルキル、−O−C(O)−アリール、−O−C(O)−シクロアルキル、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルから成る群より独立して選択される。適するアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルおよびn−オクチルが挙げられる。1つの実施形態において、アルキル基は、1から6個の炭素原子を有する「C−Cアルキル基」である。
「アルキルアリール」は、アルキル−アリーレン−基を意味し、この場合のアルキルおよびアリーレンは、前に説明したとおりである。1つの実施形態において、アルキルアリールは、低級アルキル基を含む。適するアルキルアリール基の非限定的な例は、トリルである。親部分への結合は、アリーレン基による。
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。1つの実施形態において、アルキルスルホニル基のアルキル部分は、低級アルキル(すなわち、C−Cアルキル)である。親部分への結合は、スルホニル部分による。
「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、この場合のアルキル基は、前に説明したとおりである。適するアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。アルキルチオ基は、その硫黄原子によって親部分に結合される。
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する、直線状であることまたは分岐していることがある、およびその鎖内に約2から約15個の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。1つの実施形態において、アルケニル基は、その鎖内に約2から12個の炭素原子を有し;もう1つの実施形態において、アルケニル基は、その鎖内に約2から6個の炭素原子を有する。分岐しているとは、1つ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピル、が線状アルケニル鎖に結合していることを意味する。低級アルケニルは、直線状であることまたは分岐していることがあるその鎖内の約2から約6個の炭素原子を指す。アルケニル基は、非置換であることもあり、または同じであるもしくは異なることがある1つ以上の置換基により場合によっては置換されていることもあり、それぞれの置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシおよび−S(アルキル)から成る群より独立して選択される。適するアルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
「アルキレン」は、そのアルキル基の水素原子が結合で置換されている、上で定義したとおりのアルキル基を意味する。アルキレン基の非限定的な例としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CH(CH)−および−CHCH(CH)CH−が挙げられる。1つの実施形態において、アルケニル基は、1から約6個の炭素原子を有する。もう1つの実施形態において、アルキレン基は、分岐している。もう1つの実施形態において、アルキレン基は、線状である。
「アルケニレン」は、上で定義しているアルケニル基からの水素原子の除去により得られる二官能性の基を意味する。アルケニレンの非限定的な例としては、−CH=CH−、−C(CH)=CH−、および−CH=CHCH−が挙げられる。
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する、直線状であることまたは分岐していることがある、およびその鎖内に約2から約15個の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。1つの実施形態において、アルキニル基は、その鎖内に約2から約12個の炭素原子を有し;およびもう1つの実施形態において、アルキニル基は、その鎖内に約2から約4個の炭素原子を有する。分岐しているとは、1つ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピル、が線状アルキニル鎖に結合していることを意味する。低級アルキニルは、直線状であることまたは分岐していることがあるその鎖内の約2から約6個の炭素原子を指す。適するアルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、プロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチニルが挙げられる。アルキニル基は、非置換であることもあり、または同じであるもしくは異なることがある1つ以上の置換基により場合によっては置換されていることもあり、それぞれの置換基は、アルキル、アリールおよびシクロアルキルから成る群より独立して選択される。
「アルキニルアルキル」は、アルキニル−アルキル−基を意味し、この場合のアルキニルおよびアルキル基は、前に説明したとおりである。1つの実施形態において、アルキニルアルキルは、低級アルキニルおよび低級アルキル基を含有する。親部分への結合は、アルキルによる。適するアルキニルアルキル基の非限定的な例としては、プロパルギルメチルが挙げられる。
「アラルキルオキシ」は、アラルキル−O−基を意味し、この場合のアラルキル基は、前に説明したとおりである。適するアラルキルオキシ基の非限定的な例としては、ベンジルオキシおよび1−または2−ナフタレンメトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素による。
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適するアラルコキシカルボニル基の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニルである。親部分への結合は、カルボニルによる。
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリール−アルキレン−基を意味し、この場合のアリールおよびアルキレンは、前に説明したとおりである。1つの実施形態において、アラルキルは、低級アルキレン基を含む。適するアラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルが挙げられる。親部分への結合は、アルキレン基による。
「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、この場合のアラルキル基は、前に説明したとおりである。適するアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分への結合は、硫黄による。
「アリール」は、約6から約14個の炭素原子、好ましくは約6から約10個の炭素原子を含む、芳香族単環式または多環式環構造を意味する。アリール基は、同じであるまたは異なることがあるおよび本明細書の中で定義する1つ以上の「環構造置換基」で、場合によっては置換されていることがある。適するアリール基の非限定的な例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
「アリーレン」は、そのアリール基の環炭素原子のうちの1個に連結している水素原子が単結合で置換されているアリール基を意味する。
「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、この場合のアリール基は、前に説明したとおりである。適するアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素による。
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。適するアリールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルによる。
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。親部分への結合は、スルホニルによる。
「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、この場合のアリール基は、前に説明したとおりである。適するアリールチオ基の非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄による。
「ベンゾ縮合シクロアルキル」は、ベンゼン環と縮合している、上で定義したとおりのシクロアルキル部分を意味する。ベンゾ縮合シクロアルキルの非限定的な例は、インダニルおよびテトラヒドロナフチレニルである。
「ベンゾ縮合シクロアルケニル」は、ベンゼン環と縮合している、上で定義したとおりのシクロアルケニル部分を意味する。ベンゾ縮合シクロアルキルの非限定的な例は、インデニルである。
「ベンゾ縮合ヘテロシクリル」は、ベンゼン環と縮合している、上で定義したとおりのヘテロシクリル部分を意味する。ベンゾ縮合ヘテロシクリルの非限定的な例としては、インドリニルおよび2,3−ジヒドロベンゾフランが挙げられる。
「ベンゾ縮合ヘテロアリール」は、ベンゼン環と縮合している、上で定義したとおりのヘテロアリール部分を意味する。ベンゾ縮合ヘテロアリールの非限定的な例は、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズチアゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾチオフェニルである。
「組成物」は、指定量の指定成分を含む製品、ならびに指定量の指定成分の組み合わせから直接または間接的に得られる任意の製品を意味する。
「シクロアルキル」は、約3から約10個の炭素原子、好ましくは約5から約10個の炭素原子を含む、非芳香族、単または多環式環構造を意味する。1つの実施形態において、シクロアルキル環は、約5から約7個の環原子を含有する。シクロアルキル基は、同じまたは異なることがあるおよび上で定義したとおりである1つ以上の「環構造置換基」で、場合によっては置換されていることがある。シクロアルキル基は、場合によってはアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環と縮合していることがある。シクロアルキル基の環炭素原子は、場合によっては酸素原子に二重結合してカルボニル基を形成し、結果としてシクロアルカノイル基になることがある。適する単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンタノイル、シクロヘキサノイルおよびこれらに類するものが挙げられる。適する多環式シクロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルおよびこれらに類するものが挙げられる。
「シクロアルキルアルキル」は、(上で定義した)アルキル部分によって親コアに連結されている、上で定義したとおりのシクロアルキル部分を意味する。適するシクロアルキルアルキルの非限定的な例としては、シクロヘキシルメチル、アダマンチルメチルおよびこれらに類するものが挙げられる。
「シクロアルケニル」は、3から約10個の炭素原子を含む、および少なくとも1つの環内炭素−炭素二重結合を有する、非芳香族単または多環式環構造を意味する。1つの実施形態において、シクロアルケニル基は、約5から約10個の環炭素原子を有する。もう1つの実施形態において、シクロアルケニル基は、約5から約7個の環炭素原子を有する。シクロアルケニル基は、同じまたは異なることがあるおよび上で定義したとおりである1つ以上の「環構造置換基」で、場合によっては置換されていることがある。適する単環式シクロアルケニルの非限定的な例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプタ−1,3−ジエニルおよびこれらに類するものが挙げられる。適する多環式シクロアルケニルの非限定的な例は、ノルボルニレニルである。
「シクロアルケニルアルキル」は、(上で定義した)アルキル部分によって親コアに連結されている、上で定義したとおりのシクロアルケニル部分を意味する。適するシクロアルケニルアルキルの非限定的な例としては、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチルおよびこれらに類するものが挙げられる。
「有効量」または「治療有効量」は、「状態」に罹患している患者に投与したとき所望の治療、改善、抑制または予防効果を生じさせることに有効である、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および/もしくは追加の治療薬、またはそれらの組成物、の量を意味する。本発明の併用療法において、有効量は、それぞれの個々の薬剤を指すこともあり、またはその組み合わせを全体として指すこともあり、この場合、その組み合わせの成分薬剤が個々には有効量で存在しないこともあるが、投与するすべての薬剤の量が一緒になって有効になる。
「ハロ」は、−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味する。1つの実施形態において、ハロは、−Clまたは−Brを指す。もう1つの実施形態において、ハロは、−Fを指す。
「ハロアルキル」は、そのアルキル基の水素原子のうちの1個以上がハロゲンで置換されている、上で定義したとおりのアルキル基を意味する。1つの実施形態において、ハロアルキル基は、1から6個の炭素原子を有する。もう1つの実施形態において、ハロアルキル基は、1から3個のF原子で置換されている。ハロアルキル基の非限定的な例としては、−CHF、−CHF、−CF、−CHClおよび−CClが挙げられる。
「ヘテロアリール」は、約5から約14個の環原子を含み、それらの環原子のうちの1から4個が、独立して、O、NまたはSであり、残りの環原子が炭素である、芳香族単環式または多環式環構造を意味する。1つの実施形態において、ヘテロアリール基は、5から10個の環原子を有する。もう1つの実施形態において、ヘテロアリール基は、単環式であり、5または6個の環原子を有する。ヘテロアリール基は、同じまたは異なることがあるおよび下で定義するとおりである1つ以上の「環構造置換基」により、場合によっては置換されていることがある。ヘテロアリール基は、環炭素原子によって連結され、およびヘテロアリールの任意の窒素原子は、場合によっては、対応するN−オキシドへと酸化されることがある。用語「ヘテロアリール」は、ベンゼン環と縮合している、上で定義したとおりのヘテロアリール基も包含する。ヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換ピリドンを含む)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルおよびこれらに類するものが挙げられる。用語「ヘテロアリール」は、例えばテトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルおよびこれらに類するものなどの、部分的に飽和されたヘテロアリール部分も指す。1つの実施形態において、ヘテロアリール基は、非置換である。もう1つの実施形態において、ヘテロアリール基は、5員ヘテロアリールである。もう1つの実施形態において、ヘテロアリール基は、6員ヘテロアリールである。
用語「ヘテロアリーレン」は、本明細書において用いる場合、そのヘテロアリール基の環原子の1つに連結している水素原子が単結合で置換されている、ヘテロアリール基を指す。
「ヘテロアリールアルキル」は、(上で定義した)アルキル部分によって親コアに連結されている、上で定義したとおりのヘテロアリール部分を意味する。適するヘテロアリールの非限定的な例としては、2−ピリジニルメチル、キノリニルメチルおよびこれらに類するものが挙げられる。
「ヘテロシクリル」は、3から約10個の環原子を含み、それらの環原子のうちの1から4個が、独立して、O、SまたはNであり、残りの環原子が炭素原子である、非芳香族飽和単環式または多環式環構造を意味する。1つの実施形態において、ヘテロシクリル基は、約5から約10個の環原子を有する。もう1つの実施形態において、ヘテロシクリル基は、5または6個の環原子を有する。隣接する酸素および/または硫黄原子はその環構造内に存在しない。ヘテロシクリル環内の任意の−NH基は、例えば−N(BOC)、−N(Cbz)、−N(Tos)基およびこれらに類するものとしてなど、保護された状態で存在することがあり;そのような保護ヘテロシクリル基は、本発明の一部とみなされる。用語「ヘテロシクリル」は、アリール(例えばベンゼン)またはヘテロアリール環と縮合している、上で定義したとおりのヘテロシクリル基も包含する。ヘテロシクリル基は、同じまたは異なることがあるおよび本明細書において下で定義するとおりである1つ以上の「環構造置換基」により、場合によっては置換されていることがある。ヘテロシクリルの窒素または硫黄原子は、場合によっては、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへと酸化されることがある。単環式ヘテロシクリル環の非限定的な例としては、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトン、およびこれらに類するものが挙げられる。ヘテロシクリル基の環炭素原子は、カルボニル基として官能化されることがある。そのようなヘテロシクリル基の説明的な例は、ピロリドニル:
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、ヘテロシクリル基は、非置換である。もう1つの実施形態において、ヘテロシクリル基は、5員ヘテロシクリルである。もう1つの実施形態において、ヘテロシクリル基は、6員ヘテロシクリルである。
「ヘテロシクリルアルキル」は、(上で定義した)アルキル部分によって親コアに連結されている、上で定義したとおりのヘテロシクリル部分を意味する。適するヘテロシクリルアルキルの非限定的な例としては、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチルおよびこれらに類するものが挙げられる。
「ヘテロシクレニル」は、3から10個の環原子および少なくとも1つの環内炭素−炭素または炭素−窒素二重結合を含有する、上で定義したとおりのヘテロシクリル基を意味する。1つの実施形態において、ヘテロシクレニル基は、5から10個の環原子を有する。もう1つの実施形態において、ヘテロシクレニル基は、単環式であり、5または6個の環原子を有する。ヘテロシクレニル基は、1つ以上の環構造置換基により場合によっては置換されていることがあり、この場合の「環構造置換基」は、上で定義したとおりである。ヘテロシクレニルの窒素または硫黄原子は、場合によっては、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへと酸化されることがある。ヘテロシクレニル基の非限定的な例としては、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニル、1,2−ジヒドロピリジニル、1,4−ジヒドロピリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、ジヒドロフラニル、フルオロ置換ジヒドロフラニル、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニル、およびこれらに類するものが挙げられる。ヘテロシクレニル基の環炭素原子は、カルボニル基として官能化されることがある。そのようなヘテロシクレニル基の説明的な例は、
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、ヘテロシクレニル基は、非置換である。もう1つの実施形態において、ヘテロシクレニル基は、5員ヘテロシクレニルである。
「ヘテロシクレニルアルキル」は、(上で定義した)アルキル部分によって親コアに連結されている、上で定義したとおりのヘテロシクレニル部分を意味する。
本発明のヘテロ原子含有環構造には、N、OまたはSに隣接する炭素原子上に水素がないこと、ならびにNまたはS基が、別のヘテロ原子に隣接する炭素上にないことに、留意しなければならない。従って、例えば、環:
Figure 0005224616
には、2および5と記された炭素に直接結合している−OHはないはずである。
例えば、部分:
Figure 0005224616
などの互変異性体形が本発明の一定の実施形態では等価とみなされることにも留意しなければならない。
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール−アルキル−基を意味し、この場合のヘテロアリールおよびアルキルは、前に定義したとおりである。1つの実施形態において、ヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適するアラルキル基の非限定的な例としては、ピリジルメチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。親部分への結合は、アルキルによる。
「ヒドロキシアルキル」は、そのアルキル基の水素原子のうちの1個以上が−OH基で置換されている、上で定義したとおりのアルキル基を意味する。1つの実施形態において、ヒドロキシアルキル基は、1から6個の炭素原子を有する。ヒドロキシアルキル基の非限定的な例としては、−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOHおよび−CHCH(OH)CHが挙げられる。
「患者」は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。1つの実施形態において、患者は、ヒトである。もう1つの実施形態において、患者は、サル、イヌ、ヒヒ、赤毛ザル、マウス、ラット、ウマ、ネコまたはウサギをはじめとする(しかし、これらに限定されない)非ヒト哺乳動物である。もう1つの実施形態において、患者は、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマまたはシロイタチをはじめとする(しかし、これらに限定されない)伴侶動物である。1つの実施形態において、患者は、イヌである。もう1つの実施形態において、患者は、ネコである。
化合物についての用語「精製された」、「精製された形態で」または「単離および精製された形態で」は、合成プロセスから(例えば、反応混合物から)、または天然源から、またはそれらの組み合わせから単離された後の該化合物の物理的状態を指す。従って、化合物についての用語「精製された」、「精製された形態で」または「単離および精製された形態で」は、本明細書に記載するまたは当業者に周知の精製プロセス(単数または複数)(例えば、クロマトグラフィー、再結晶およびこれらに類するもの)から、本明細書に記載するまたは当業者に周知の標準的な分析技術によって特徴付けすることができる十分な純度で得られた後の、該化合物の物理的状態を指す。
「環構造置換基」は、芳香族または非芳香族環構造に結合している、例えばその環構造上の利用可能な水素を置換する、置換基を意味する。環構造置換基は、同じまたは異なることがあり、それぞれ、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−アルキル−アリール、−アリール−アルキル、−アルキレン−ヘテロアリール、−アルケニレン−ヘテロアリール、−アルキニレン−ヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、−アルキレン−O−アルキル、−O−アリール、アラルコキシ、アシル、−C(O)−アリール、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−アルケレン−アリール、−S(O)−アルキル、−S(O)−アルキル、−S(O)−アリール、−S(O)−アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S−アルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−アルキレン−アリール、−S−アルキレン−ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−O−C(O)−アルキル、−O−C(O)−アリール、−O−C(O)−シクロアルキル、−C(=N−CN)−NH、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NH(アルキル)、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−およびYNSO−から成る群より選択され、この場合のYおよびYは、同じまたは異なることがあり、ならびに水素、アルキル、アリール、シクロアルキルおよび−アルキレン−アリールから成る群より独立して選択される。「環構造置換基」は、環構造上の2個の隣接する炭素原子上の2個の利用可能な水素(それぞれの炭素原子上の1個のH)を同時に置換する単一の部分を意味することもある。そのような部分の例は、例えば、
Figure 0005224616
などの部分を構成する、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH−、−O−アルキレン−O−およびこれらに類するものである。
用語「置換されている」は、指定された原子上の1個以上の水素が、指示された群からの選択物で置き換えられていることを意味するが、但し、存在する状況下でその指定された原子の正常な原子価を超えないこと、およびその置換が、結果として安定な化合物を生じさせることを条件とする。置換基および/または可変項の組み合わせは、そのような組み合わせが、結果として安定な化合物を生じさせる場合にのみ許容され得る。「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度への単離および効能のある治療薬への調合に耐えるために十分に頑丈である化合物を意味する。
用語「場合によっては置換されている」は、指定された基、ラジカルまたは部分での任意の置換を意味する。
本明細書における本文、スキーム、実施例および表中の満たされていない原子価を有するいずれの炭素原子またはヘテロ原子も、それらの原子価を満たすために十分な数の水素原子(単数または複数)を有すると想定されることにも留意しなければならない。
化合物中の官能基が、「保護されている」と言われているとき、これは、その基が、その化合物が反応に付されたときにその保護されている部分での望ましくない反応を阻むように修飾された形態で存在することを意味する。適する保護基は、通常の当業者には分るであろうし、ならびに例えば、T.W.Greeneら、Protective Group in Organic Synthesis(1991)、Wiley,New Yorkなどの標準的な教科書を参照することにより理解されるであろう。
いずれかの可変項(例えば、アリール、複素環、Rなど)が、本明細書中のいずれかの構成要素またはいずれかの化学構造もしくは式において1回より多く出現するとき、それぞれの出現時のその定義は、他のいずれの出現時のその定義にも無関係である。
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もここでは熟考されている。プロドラッグについての論考は、T.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14 of the A.C.S.Symposium SeriesおよびBioreversible Carriers in Drug Design、(1987)編者:Edward B.Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに提供されている。用語「プロドラッグ」は、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」または該化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物をもたらすようにインビボで変換される化合物(例えば、薬物前駆体)を意味する。この変換は、例えば血液中での加水分解によるような、様々なメカニズムによって(例えば、代謝または化学プロセスによって)起こり得る。プロドラッグの使用についての論考は、T.HiguchiおよびW. Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、the A.C.S. Symposium Series第14巻により、およびBioreversible Carriers in Drug Design、編者:Edward B.Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987に提供されている。
例えば、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」または該化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物が、カルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、例えば(C−C)アルキル、(C−C12)アルカノイルオキシメチル、4から9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5から10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4から7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5から8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3から9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4から10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C−C)アルキル、ならびにこれらに類するものなどの基でのその酸基の水素原子の置換によって形成されるエステルを含むことがある。
同様に、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」が、アルコール官能基を含有する場合、プロドラッグは、例えば(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルカニル、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル[この場合のそれぞれのα−アミノアシル基は、天然に存在するL−アミノ酸、P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)もしくはグリコシル(ヘミアセタール形の炭水化物のヒドロキシル基の除去の結果として生ずるラジカル)から独立して選択される]、ならびにこれらに類するものなどの基での、そのアルコール基の水素原子の置換によって、プロドラッグを形成することができる。
「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」にアミン官能基が組み込まれている場合、例えば、R−カルボニル、RO−カルボニル、NRR’−カルボニル[この場合、RおよびR’は、それぞれ、独立して(C−C10)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ベンジルであり、またはR−カルボニルは、天然α−アミノアシルもしくは天然α−アミノアシルである]、−C(OH)C(O)Y[この場合、Yは、H、(C−C)アルキルまたはベンジルである]、−C(OY)Y[この場合、Yは、(C−C)アルキルであり、Yは、(C−C)アルキル、カルボキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキルまたはモノ−N−もしくはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノアルキルである]、−C(Y)Y[この場合、Yは、Hまたはメチルであり、Yは、モノ−N−もしくはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノモルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである]およびこれらに類するものなどの基でのそのアミン基における水素原子の置換によって、プロドラッグを形成することができる。
本発明の1つ以上の化合物は、非溶媒和形態ならびに医薬的に許容される溶媒、例えば水、エタノールおよびこれらに類するもの、との溶媒和形態で存在することがあり、本発明は、溶媒和形態と非溶媒和形態の両方を包含すると解釈する。「溶媒和物」は、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含めて、様々な程度のイオンおよび共有結合を含む。一定の場合、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶質固体の結晶格子に組み込まれているとき、その溶媒和物を単離することができるであろう。「溶媒和物」は、溶液相溶媒和物および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適する溶媒和物の非限定的な例としては、エタノラート、メタノラート、およびこれらに類するものが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がHOである、溶媒和物である。
本発明の1つ以上の化合物を、場合によっては溶媒和物に変換することができる。溶媒和物の調製は、一般に公知である。従って、例えば、M. Cairaら、J.Pharmaceutical Sci.、93(3)、601−611(2004)には、水からばかりでなく酢酸エチル中での抗真菌性フルコナゾールの溶媒和物の調製が記載されている。溶媒和物、半溶媒和物、水和物およびこれらに類するものの同様の調製が、E.C.van Tonderら、AAPS PharmSciTech.、5(1)、article 12(2004);およびA.L.Binghamら、,Chem.Commun.、603−604(2001)によって記載されている。典型的、非限定的、プロセスは、本発明の化合物を周囲温度より高い温度で、所望の量の所望の溶媒(有機溶媒もしくは水またはそれらの混合物)に溶解し、その溶液を、結晶を形成するために十分な速度で冷却し、その後、標準的な方法によってそれらの結晶を単離することを含む。例えばI.R.分光法などの分析技術により、結晶中の溶媒(または水)の存在が溶媒和物(または水和物)として証明される。
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、塩を形成することがあり、それらも本発明の範囲内である。本明細書における「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」への言及は、別の指示がない限り、その塩への言及を含むと解釈する。用語「塩(単数または複数)」は、本明細書において用いる場合、無機および/または有機酸とで形成された酸性塩、ならびに無機および/または有機塩基とで形成された塩基性塩を示す。加えて、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」が、ピリジンまたはイミダゾールなどの(しかし、これらに限定されない)塩基性部分と、カルボン酸などの(しかし、これに限定されない)酸性部分の両方を含有するとき、両性イオン(「分子内塩」)を形成することがあり、それらは、本明細書において用いる場合の用語「塩(単数または複数)」の中に含まれる。医薬的に許容される(すなわち、非毒性で生理的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も有用である。式Iの化合物の塩は、例えば、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」と当量などの量の酸または塩基とを、塩が沈殿するものなどの媒質中でまたは水性媒質中で反応させ、その後、凍結乾燥させることによって形成することができる。
例示的酸付加塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても公知)、およびこれらに類するものが挙げられる。加えて、塩基性医薬化合物からの医薬的に有用な塩の形成に適すると一般に考えられる酸は、例えば、P.Stahlら、編者:Camille G.、Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould、International J.of Pharmaceutics(1986)-33 201−217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996)、Academic Press,New Yorkによって;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration、Washington,D.C.、彼らのウェブサイト上)において論じられている。これらの開示は、それらへの参照により本明細書に援用されている。
例示的塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウムおよびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基(例えば、有機アミン)、例えばジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン、との塩、ならびにアミノ酸、例えばアルギニン、リシンおよびこれらに類するものとの塩が挙げられる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチルおよびブチル)、ジアルキルスルファート(ジメチル、ジエチル、およびジブチルスルファート)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリルおよびステアリル)、アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)ならびにその他などの物質で、四級化することができる。
本発明のために、すべてのそのような酸塩および塩基塩は、本発明の範囲内の医薬的に許容される塩であると解釈し、ならびにすべての酸および塩基塩は、対応する化合物の遊離形態と等価とみなす。
本化合物の医薬的に許容されるエステルは、次の群を含む:(1)ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステル[この場合、エステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分は、直鎖または分岐鎖アルキル(例えば、アセチル、n−プロピル、t−ブチル、またはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えばハロゲン、C1−4アルキル、またはC1−4アルコキシまたはアミノで場合によっては置換されている例えばフェニル)から選択される];(2)スルホン酸エステル、例えば、アルキル−またはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル);(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルまたはL−イソロイシル);(4)リン酸エステルおよび(5)一、二または三リン酸エステル。前記リン酸エステルは、例えば、C1−20アルコールまたはその反応性誘導体によって、または2,3−ジ(C6−24)アシルグリセロールによって、さらにエステル化されていることがある。
「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、ならびにそれらの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは、それらの互変異性体形で(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)存在することがある。すべてのそのような互変異性体形は、ここでは本発明の一部と考えられる。
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、不斉中心またはキラル中心を含有することがあり、従って、異なる立体異性体形で存在することがある。前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」のすべての立体異性体形、ならびにラセミ混合物をはじめとするそれらの混合物が本発明の一部となると解釈する。加えて、本発明は、すべての幾何および位置異性体を包含する。例えば、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」に二重結合または縮合環が組み込まれている場合、そのシス形とトランス形の両方、ならびに混合物が、本発明の範囲に包含される。
ジアステレオマー混合物は、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶化によるなどの当業者に周知の方法によって、それらの物理化学的相違に基づいてそれらの個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、適切な光学活性化合物(例えば、キラル助剤、例えばキラルアルコールまたはモッシャーの酸塩化物)との反応によってエナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に転化させ、それらのジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに転化させる(例えば、加水分解する)ことによって、分離することができる。また、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の一部は、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)である場合があり、本発明の一部とみなされる。エナンチオマーは、キラルHPLCカラムの使用によって分離することもできる。
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、異なる互変異性体形で存在し得る可能性もあり、すべてのそのような形は本発明の範囲に包含される。また、例えば、本化合物のすべてのケト−エノールおよびイミン−エナミン形が、本発明に包含される。
本化合物(本化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグ、ならびに該プロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルを含む)のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体およびこれらに類するもの)、例えば、エナンチオマー形(これは、不斉炭素が不在の場合であっても存在することがある)、回転異性体形、アトロプ異性体、およびジアステレオマー形をはじめとする、様々な置換基上の不斉炭素に起因して存在し得るものは、本発明の範囲内と考えられ、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジル)も同様である。(例えば、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」に二重結合または縮合環が組み込まれている場合、シス形とトランス形の両方、ならびに混合物が本発明の範囲に包含される。また、例えば、本化合物のすべてのケト−エノールおよびイミン−エナミン形が、本発明に包含される)。
本発明の化合物の個々の立体異性体には実質的に他の異性体がないことがあり、あるいは本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、ラセミ体として混合されていることがあり、またはすべての他の、もしくは他の選択された、立体異性体と混合されていることがある。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recomendationsによって定義されているようなSまたはR立体配置を有する場合がある。用語「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」およびこれらに類するものの使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグに等しくあてはまると解釈する。
本発明は、天然に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって1つ以上の原子が置換されていることを別にすれば本明細書に列挙するものと同一である、本発明の化合物の同位体標識化合物も包含する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、それぞれ、例えば、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clが挙げられる。
特定の同位体標識「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」(例えば、Hおよびで14C標識されたもの)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化(すなわち、H)同位体および炭素−14(すなわち、14C)同位体は、それらの分離の容易さおよび検出能のため特に好ましい。さらに、重水素(すなわち、H)などのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性に起因して一定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期増加または投薬必要量減少)をもたらすことがあり、それ故、一部の状況では好ましいことがある。一般に、同位体標識「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、非同位体標識試薬を適切な同位体標識試薬で置換することによる、本明細書において下のスキームおよび/または実施例に開示するものに類似した手順に従うことによって調製することができる。
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、ならびに前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグおよび立体異性体、の多形は、本発明に含まれると解釈される。
次の略語を下で用いており、それらは次の意味を有する:Bocは、t−ブトキシカルボニルであり、dbaは、ジベンジリデンアセトンであり、DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドであり、DMSOは、ジメチルスルホキシドであり、EtOAcは、酢酸エチルであり、LCMSは、液体クロマトグラフィー質量分析であり、MeOHは、メタノールであり、NMRは、核磁気共鳴であり、PBSは、リン酸緩衝食塩水であり、SPAは、シンチレーション近接アッセイであり、Tfは、トリフレートであり、TFAは、トリフルオロ酢酸であり、およびキサントホスは、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンである。
式(I)の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」
本発明は、式(I):
Figure 0005224616
の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」ならびにそれらの医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグおよび立体異性体を提供し、この式中の破線は、任意のおよび追加の結合を示し、ならびにR、R、R、R3a、R10、R10a、R11、Ar、M、W、Y、Z、nおよびpは、式(I)のために上で定義したとおりである。
1つの実施形態において、Mは、−O−である。
もう1つの実施形態において、Mは、−S−である。
1つの実施形態において、Rは、−Hである。
もう1つの実施形態において、Rは、H以外である。
もう1つの実施形態において、Rは、アリール、−アルキレン−アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルケニルであり、これらのそれぞれが、ハロ、アルキル、−OH、−NH、ヘテロアリール、または−O−ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される3個以下の基で場合によっては置換されていることがある。
さらにもう1つの実施形態において、Rは、フェニル、ベンジル、5もしくは6員ヘテロアリール、5もしくは6員ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、ベンゾ縮合ヘテロアリールまたはベンゾ縮合ヘテロシクロアルキルであり、これらのそれぞれが、ハロ、アルキル、−OH、−NH、ヘテロアリール、または−O−ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される3個以下の基で場合によっては置換されていることがある。
もう1つの実施形態において、Rは、
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、Rは、−アルキルである。
もう1つの実施形態において、Rは、−アルケニルである。
もう1つの実施形態において、Rは、−アルキニルである。
1つの実施形態において、Rは、−アリールである。
もう1つの実施形態において、Rは、−フェニルである。
もう1つの実施形態において、Rは、−アルキレン−アリールである。
1つの実施形態において、Rは、−ヘテロアリールである。
もう1つの実施形態において、Rは、−アルキレン−ヘテロアリールである。
もう1つの実施形態において、Rは、−ピラジニルである。
もう1つの実施形態において、Rは、−ピラゾリルである。
1つの実施形態において、Rは、
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、Rは、−ヘテロシクロアルキルである。
1つの実施形態において、Rは、−ヘテロシクロアルケニルである。
1つの実施形態において、Rは、−アルキレン−ヘテロシクロアルキルである。
1つの実施形態において、Rは、−アルキレン−ヘテロシクロアルケニルである。
1つの実施形態において、Rは、−シクロアルキルである。
もう1つの実施形態において、Rは、−アルキレン−シクロアルキルである。
1つの実施形態において、Rは、ベンゾ縮合シクロアルキルである。
1つの実施形態において、Rは、ベンゾ縮合ヘテロアリールである。
もう1つの実施形態において、Rは、ベンゾ縮合ヘテロシクロアルキルである。
さらなる実施形態において、Rは、ベンゾ縮合ヘテロシクロアルケニルである。
1つの実施形態において、Mは、−O−であり、およびRは、アリール、−アルキレン−アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルケニルであり、これらのそれぞれが、ハロ、アルキル、−OH、−NH、ヘテロアリール、または−O−ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される3個以下の基で場合によっては置換されていることがある。
もう1つの実施形態において、Mは、−S−であり、およびRは、アリール、−アルキレン−アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルケニルであり、これらのそれぞれが、ハロ、アルキル、−OH、−NH、ヘテロアリール、または−O−ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される3個以下の基で場合によっては置換されていることがある。
1つの実施形態において、Mは、−O−であり、およびRは、
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、Mは、−S−であり、およびRは、
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、Rは、Hである。
もう1つの実施形態において、Rは、−アルキルである。
1つの実施形態において、Rは、−CHである。
もう1つの実施形態において、Rは、−α−CHである。
もう1つの実施形態において、Rは、−β−CHである。
さらなる実施形態において、Rは、−アルキレン−NHである。
1つの実施形態において、Rは、−NHである。
もう1つの実施形態において、Rは、−α−NHである。
もう1つの実施形態において、Rは、−β−NHである。
さらなる実施形態において、Rは、−アルキレン−NHである。
さらにもう1つの実施形態において、Rは、−CHNHである。
1つの実施形態では、Rとそれが結合している炭素原子とが、カルボニル基を形成する。
1つの実施形態において、Rは、−Hである。
もう1つの実施形態において、R3aは、−Hである。
もう1つの実施形態において、RおよびR3aは、それぞれ−Hである。
さらにもう1つの実施形態において、Rは、−アルキルである。
もう1つの実施形態において、Rは、ハロアルキルである。
さらにもう1つの実施形態において、Rは、ヒドロキシアルキルである。
1つの実施形態において、Rは、−(アルキレン)−C(O)N(Rである。
もう1つの実施形態において、Rは、−(アルキレン)−NHC(O)−Rである。
もう1つの実施形態において、Rは、−(アルキレン)−N(Rである。
1つの実施形態において、Rは、−CHである。
もう1つの実施形態において、Rは、−α−CHである。
もう1つの実施形態において、Rは、−β−CHである。
1つの実施形態において、Rは、−NHである。
もう1つの実施形態において、Rは、−α−NHである。
もう1つの実施形態において、Rは、−β−NHである。
さらなる実施形態において、Rは、−アルキレン−NHである。
さらにもう1つの実施形態において、Rは、−CHNHである。
1つの実施形態では、Rと、R3aと、それらが結合している共通の炭素原子が連結して、カルボニル基を形成する。
もう1つの実施形態では、Rと、R3aと、それらが結合している共通の炭素原子が連結して、シクロアルキル基を形成する。
もう1つの実施形態では、Rと、R3aと、それらが結合している共通の炭素原子が連結して、ヘテロシクロアルキル基を形成する。
もう1つの実施形態では、Rと、R3aと、それらが結合している共通の炭素原子が連結して、次の基のうちの1つを形成する:
Figure 0005224616
1つの実施形態において、RおよびR2aは、それぞれ−Hである。
もう1つの実施形態において、Rは、アルキルであり、およびR2aは、−Hである。
もう1つの実施形態において、Rは、−Hであり、およびRは、アルキルである。
1つの実施形態において、R10は、−Hである。
もう1つの実施形態において、R10aは、−Hである。
もう1つの実施形態において、R10およびR10aは、それぞれ−Hである。
さらにもう1つの実施形態において、R10は、−アルキルである。
もう1つの実施形態において、R10は、ハロアルキルである。
さらにもう1つの実施形態において、R10は、ヒドロキシアルキルである。
1つの実施形態において、R10は、−(アルキレン)−C(O)N(Rである。
もう1つの実施形態において、R10は、−(アルキレン)−NHC(O)−Rである。
もう1つの実施形態において、R10は、−(アルキレン)−N(Rである。
1つの実施形態において、R10は、−CHである。
もう1つの実施形態において、R10は、−α−CHである。
もう1つの実施形態において、R10は、−β−CHである。
1つの実施形態において、R10は、−NHである。
もう1つの実施形態において、R10は、−α−NHである。
もう1つの実施形態において、R10は、−β−NHである。
さらなる実施形態において、R10は、−アルキレン−NHである。
さらにもう1つの実施形態において、R10は、−CHNHである。
1つの実施形態では、R10と、R10aと、それらが結合している共通の炭素原子とが連結して、カルボニル基を形成する。
もう1つの実施形態では、R10と、R10aと、それらが結合している共通の炭素原子とが連結して、シクロアルキル基を形成する。
もう1つの実施形態では、R10と、R10aと、それらが結合している共通の炭素原子とが連結して、ヘテロシクロアルキル基を形成する。
1つの実施形態において、R11は、−Hである。
もう1つの実施形態において、R11は、−アルキルである。
1つの実施形態において、R11は、−CHである。
もう1つの実施形態において、R11は、−α−CHである。
もう1つの実施形態において、R11は、−β−CHである。
さらなる実施形態において、R11は、−アルキレン−NHである。
1つの実施形態において、R11は、−NHである。
もう1つの実施形態において、R11は、−α−NHである。
もう1つの実施形態において、R11は、−β−NHである。
さらなる実施形態において、R11は、−アルキレン−NHである。
さらにもう1つの実施形態において、R11は、−CHNHである。
もう1つの実施形態では、R11と、それが結合している炭素原子とが、カルボニル基を形成する。
1つの実施形態において、R、R、R3a、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
もう1つの実施形態において、R、R、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
もう1つの実施形態において、R、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
さらにもう1つの実施形態において、R、R3a、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
1つの実施形態において、Arは、−アリーレン−である。
もう1つの実施形態において、Arは、−ヘテロアリーレン−である。
もう1つの実施形態において、Arは、
Figure 0005224616
である。
さらにもう1つの実施形態において、Arは、
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、Arは、
Figure 0005224616
である。
もう1つの実施形態において、Arは、
Figure 0005224616
である。
もう1つの実施形態において、Arは、
Figure 0005224616
である。
さらにもう1つの実施形態において、Arは、
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、Arは、
Figure 0005224616
であり;Zは、−N−であり、およびWは、−C(Rである。
もう1つの実施形態において、Arは、
Figure 0005224616
であり;Zは、−N−であり、およびWは、−C(Rである。
1つの実施形態において、Wは、−C(NH)(C(O)NH)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−C(NH)(アルキル)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−C(NH)(CH)−である。
さらにもう1つの実施形態において、Wは、−C(NH)(−C(O)NHOH)−である。
1つの実施形態において、Wは、−CH(−NC(O)CF)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−CH(−NS(O)アルキル)−である。
さらにもう1つの実施形態において、Wは、−C(NH)(−C(O)NHOH)−である。
1つの実施形態において、Wは、−CH(−CHNH)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−C(−C(O)NH)(−NHアルキル)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−CH(−C(O)NH)−である。
さらにもう1つの実施形態において、Wは、−CH−である。
さらにもう1つの実施形態において、Wは、−NH−である。
さらにもう1つの実施形態において、Wは、−C(R−である。
さらにもう1つの実施形態において、Wは、−CH(OH)−である。
さらなる実施形態において、Wは、−CH(NH)−である。
1つの実施形態において、Wは、−CH(CH)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−CH(−C(O)CH)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−C(OH)(アルキル)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−C(OH)(−アルキレン−OH)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−N(R12)−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−O−である。
さらにもう1つの実施形態において、Wは、−S−である。
1つの実施形態において、Wは、−C(R−であり、および両方のR基は、それらが結合している共通の炭素原子と一緒になって、シクロアルキル基を形成する。
もう1つの実施形態において、Wは、−C(R−であり、および両方のR基は、それらが結合している共通の炭素原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成する。
もう1つの実施形態において、Wは、−C(R−であり、および両方のR基は、それらがが結合している共通の炭素原子と一緒になって、式:
Figure 0005224616
を有する基を形成する。
1つの実施形態において、Wは、−C(R−であり、それぞれのR基は、H、−(アルキレン)−NH、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−C(O)NH、−OH、−C(O)O−アルキル、5もしくは6員ヘテロアリールまたはヒドロキシアルキルから独立して選択される。
もう1つの実施形態において、Wは、−C(R−であり、およびそれぞれのR基は、H、−(アルキレン)−NH、−NH−アルキル、−N(アルキル)または−C(O)NHから独立して選択される。
1つの実施形態において、Yは、−Hである。
もう1つの実施形態において、Yは、−ハロ、アルキルまたは−CNである。
もう1つの実施形態において、Yは、メチルである。
1つの実施形態において、Zは、−CR−である。
もう1つの実施形態において、Zは、−CH−である。
さらにもう1つの実施形態において、Zは、−C(アルキル)−である。
さらにもう1つの実施形態において、Zは、−C(OH)−である。
もう1つの実施形態において、Zは、−C(−O−アルキル)−である。
さらにもう1つの実施形態において、Zは、−C(CF)−である。
さらなる実施形態において、Zは、−N−である。
もう1つの実施形態では、任意の二重結合が存在し、およびZは、−C−である。
1つの実施形態において、nは、0である。
もう1つの実施形態において、nは、1である。
もう1つの実施形態において、nは、2である。
1つの実施形態において、pは、0である。
もう1つの実施形態において、pは、1である。
1つの実施形態において、nおよびpは、それぞれ1である。
もう1つの実施形態において、nは、0であり、およびpは、1である。
もう1つの実施形態において、nは、2であり、およびpは、1である。
1つの実施形態において、pは、1であり、ならびにR、R、R3a、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
もう1つの実施形態において、pは、1であり、ならびにR、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
もう1つの実施形態において、pは、1であり、ならびにR、R3a、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
1つの実施形態において、Zは、−N−であり;pは、1であり;ならびにR、R、R3a、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
もう1つの実施形態において、Zは、−N−であり;pは、1であり;ならびにR、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
もう1つの実施形態において、Zは、−N−であり;pは、1であり;ならびにR、R3a、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
1つの実施形態において、nおよびpは、それぞれ1であり、ならびにR、R、R3a、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
もう1つの実施形態において、nおよびpは、それぞれ1であり、ならびR、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
もう1つの実施形態において、nおよびpは、それぞれ1であり、ならびR、R3a、R10、R10aおよびR11は、それぞれHである。
1つの実施形態において、Wは、−C(R−であり、およびZは、−N−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−N(R12)−であり、およびZは、−N−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−C(R−であり、およびZは、−CH−である。
さらなる実施形態において、Wは、−CH(NH)−、−CH(OH)−またはCH(NHSOCH)であり、およびZは、−N−である。
もう1つの実施形態において、Wは、−CH(NH)−、−CH(OH)−またはCH(NHSOCH)であり、およびZは、−CH−である。
さらにもう1つの実施形態において、Wは、−N(R12)−であり、およびZは、−CH−である。
1つの実施形態において、Arは、フェニルであり、Wは、−C(R−であり、およびZは、−N−である。
もう1つの実施形態において、Arは、フェニルであり、Wは、−N(R12)−であり、およびZは、−N−である。
もう1つの実施形態において、Arは、フェニルであり、Wは、−C(R−であり、およびZは、−CH−である。
さらにもう1つの実施形態において、Arは、フェニルであり、Wは、−N(R12)−であり、およびZは、−CH−である。
1つの実施形態において、Arは、ピリジルであり、Wは、−C(R−であり、およびZは、−N−である。
もう1つの実施形態において、Arは、ピリジルであり、Wは、−N(R12)−であり、およびZは、−N−である。
もう1つの実施形態において、Arは、ピリジルであり、Wは、−C(R−であり、およびZは、−CH−である。
さらにもう1つの実施形態において、Arは、ピリジルであり、Wは、−N(R12)−であり、およびZは、−CH−である。
特定の実施形態において、基
Figure 0005224616
は、
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、Rは、
Figure 0005224616
であり、および基
Figure 0005224616
は、
Figure 0005224616
である。
1つの実施形態において、本発明は、R、R、R、R3a、R10、R10a、R11、Ar、n、p、M、W、YおよびZがそれぞれ独立して選択される式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体を提供する。
もう1つの実施形態において、式(I)の化合物は、精製された形態である。
1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」(ならびにそれらの医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグおよび立体異性体)は、式(IA):
Figure 0005224616
(式中、
Xは、−CH−または−N−であり;
Wは、−C(R−であり;
は、アリール、−アルキレン−アリールまたはヘテロアリールであり、この場合のいずれのアリールまたはヘテロアリール基も、アルキル、ハロ、−OH、−O−ハロアルキル、−N(R、ヘテロアリールおよび−C(O)ORからそれぞれ独立して選択される3個以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり;ならびに
は、H、−ORまたは−N(Rである)
を有する。
1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、式(IA)を有し、およびRは、
Figure 0005224616
である。
もう1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、式(IA)を有し、およびXは、Nである。
もう1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、式(IA)を有し、およびXは、CHである。
さらにもう1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、式(IA)を有し、およびMは、−O−である。
もう1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、式(IA)を有し、およびMは、−S−である。
さらにもう1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、式(IA)を有し、およびMは、−O−である。
もう1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、式(IA)を有し、およびRは、−NH、−NHSO−アルキルまたは−OHである。
もう1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、式(IA)を有し、およびRは、−NHである。
さらにもう1つの実施形態において、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、式(IA)を有し、およびRは、−NHSOCHである。
1つの実施形態において、本発明は、R、RおよびXがそれぞれ独立して選択される式(IA)の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体を提供する。
式(I)の化合物の非限定的で説明的な例としては、下に列挙する化合物1−20が挙げられる。
Figure 0005224616
Figure 0005224616
Figure 0005224616
ならびにそれらの医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグおよび立体異性体。
「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の作製方法
式(I)の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の作製に有用な方法を下のスキーム1−9に示す。代替メカニズム経路および類似の構造は、有機合成の技術分野の技術者には明白であろう。
スキーム1は、Zが−N−でありおよびWが−N(R12)−である式(I)の化合物を作製するために有用な中間体である式ivの化合物の作製方法を説明するものである。
スキーム1
Figure 0005224616
この式中、Xは、FまたはClであり、ならびにR、R、Arおよびnは、式(I)の化合物のために上で定義したとおりである。
マイクロ波補助プロセスを用いて式iのニトロ置換アリールまたはヘテロアリール誘導体をジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下で式iiのピペリジン化合物とカップリングさせて、カップリングされた化合物iiiを得ることができる。その後、適切な方法を用いて式iiiの化合物のニトロ基を還元して、式ivの中間アミン化合物を得ることができる。
スキーム2は、Zが−N−でありおよびWが−N(R12)−である式(I)の化合物を作製ために有用な中間体である式viiの化合物の作製方法を説明するものである。
スキーム2
Figure 0005224616
この式中、Xは、FまたはClであり、ならびにR、R、W、Arおよびnは、式(I)の化合物のために上で定義したとおりである。
スキーム1に記載したDIEAカップリング法を用いて式iのニトロ置換アリールまたはヘテロアリール誘導体を式vの環式アミンとカップリングさせて、カップリングされた化合物viを得ることができる。その後、適切な方法を用いて式viの化合物のニトロ基を還元して、式viiの中間アミン化合物を得ることができる。
スキーム3は、Zが炭素でありおよびWが−N(R12)−である式(I)の化合物を作製するために有用な中間体である、式xの化合物の作製方法を説明するものである。
スキーム3
Figure 0005224616
この式中、Xは、Cl、Brまたは−OTfであり;Mは、B(OH)、ZnXまたはSnBuであり;ならびにR、R、Arおよびnは、式(I)の化合物のために上で定義したとおりである。
Pd触媒カップリング法(例えば、鈴木カップリング、根岸カップリングまたはスティルカップリング)を用いて式iのニトロ置換アリールまたはヘテロアリール誘導体を式viiiのピペリジン化合物とカップリングさせて、カップリングされた化合物ixを得ることができる。その後、適切な還元法を用いて式ixの化合物のニトロ基を還元して、式xの中間アミン化合物を得ることができる。
スキーム4は、Zが炭素でありおよびWが−N(R12)−である式(I)の化合物を作製するために有用な中間体である、式xivの化合物の作製方法を説明するものである。
スキーム4
Figure 0005224616
この式中、Xは、−Cl、−Brまたは−OTfであり;Mは、B(OH)、ZnXまたはSnBuであり;ならびにR、R、W、Arおよびnは、式(I)の化合物のために上で定義したとおりである。
スキーム3に記載したPd触媒カップリング法を用いて式iのニトロ置換アリールまたはヘテロアリール誘導体を式xiiの化合物とカップリングさせて、式xiiiの化合物を得ることができる。その後、適切な方法を用いて式xiiiの化合物のニトロ基を還元して、式xivの中間アミン化合物を得ることができる。
スキーム5は、Wが−NH−でありおよびZがNである式(I)の複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体の作製方法を説明するものである。
スキーム5
Figure 0005224616
この式中、R、R、R、Ar、M、nおよびYは、式(I)の化合物のために上で定義したとおりである。
N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下でヘキサフルオロリン酸2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HATU)を使用して式xvの2−ブロモ−チアゾール−4−カルボン酸化合物を式ivのアミン化合物とカップリングさせて、式xviのアミド中間体を得ることができる。その後、非求核塩基の存在下で式xviの化合物を式xviiのアルコールまたはチオールとカップリングさせて、式xviiiの化合物を得ることができる。TFAまたはギ酸などの酸を使用して式xviiiの化合物からBoc保護基を除去することによって、Wが−NH−でありおよびZがNである式(I)の複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体が得られる。
スキーム6は、Wが−C(R−でありおよびZがNである式(I)の複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体の作製方法を説明するものである。
スキーム6
Figure 0005224616
この式中、R、R、R、Ar、M、W、Yおよびnは、式(I)のために上で定義したとおりである。
スキーム5に示したHATUカップリング法を用いて式xvの2−ブロモ−チアゾール−4−カルボン酸化合物を式viiのアミン中間体とカップリングさせて、式xixのアミド中間体を得ることができる。その後、スキーム5に示した方法を用いて式xixの化合物を式xviiのアルコールまたはチオールとカップリングさせて、Wが−C(R−であり;およびZがNである、式(I)の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を得ることができる。
スキーム7は、Wが−NH−でありおよびZが炭素である式(I)の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の作製方法を説明するものである。
スキーム7
Figure 0005224616
この式中、R、R、R、Ar、M、Yおよびnは、式(I)のために上で定義したとおりである。
スキーム5に記載した方法を用い、および中間アミン化合物ivの代わりに中間アミン化合物xiを用いて、Wが−NH−でありおよびZが炭素である式(I)の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を調製することができる。
スキーム8は、Wが−C(R−でありおよびZが炭素である式(I)の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の作製方法を説明するものである。
スキーム8
Figure 0005224616
この式中、R、R、R、Ar、M、Yおよびnは、式(I)のために上で定義したとおりである。
スキーム6に記載した方法を用い、および中間アミン化合物viiの代わりに中間アミン化合物xivを用いて、Wが−C(R−であり;およびZが炭素である、式(I)の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を調製することができる。
スキーム9は、式(I)の化合物の代替作製方法を説明するものである。
スキーム9
Figure 0005224616
この式中、R、R、R、Ar、M、W、Y、Zおよびnは、式(I)のために上で定義したとおりである。
マイクロ波支援化学を用いてジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下で式xxiiiのアミド化合物(これは、化合物xvi、xix、xxおよびxxiiの代表である)を式xviiのアルコールまたはチオールとカップリングさせて、式xxvのアミン化合物を得ることができる。その後、上のスキーム5−8に示した方法を用いて式xxvの化合物をさらに加工して、式(I)の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を得ることができる。
一般法
市販されている溶媒、試薬および中間体は、受け取ったまま使用した。市販されていない試薬および中間体は、下で説明するような方法で調製した。HNMRスペクトルは、Varian AS−400(400MHz)で得、プロトン数、多重度、および括弧内に示すHzでの結合定数と共にMeSiより下のフィールドのppmとして報告する。LC/MSデータが提示されている場合、分析は、Applied Biosystems API−100質量分析計およびShimadzu SCL−10A LCカラム:Altech白金C18、3マイクロメートル、33mm×7mm ID;勾配流:0分−10%CHCN、5分−95%CHCN、7分−95%CHCN、7.5分−10%CHCN、9分−停止を用いて行った。MSデータは、Agilent Technologies LC/MSD SLまたは1100シリーズLC/MSD質量分析計を使用して得た。最終化合物は、PrepLCを使用し、Varian Pursuit XR C18 10μm 250×21.2mmカラムおよび移動相AとBの溶離剤混合物を使用して精製した。移動相Aは、HO中の0.1%TFAから成り、および移動相Bは、CHCN(95%)/HO(5%)/TFA(0.1%)から成る。移動相AとBの混合物を室温で20mL/分の流量で前記カラムに通して溶離した。Higgins Haisil HL C18 5μm 150×4.6mmカラムおよび移動相AとBの溶離剤混合物(この場合、移動相Aは、HO中の0.1%TFAから成り、および移動相Bは、CHCN(95%)/HO(5%)/TFA(0.1%)から成る)を使用して、LCMSにより、すべての最終個別化合物の純度を確認した。60℃の温度で3mL/分の流量でカラムを溶離した。Higgins Haisil HL C18 5μm 50×4.6mmカラムおよび移動相AとBの溶離剤混合物(この場合、移動相Aは、HO中の0.1%TFAから成り、および移動相Bは、CHCN(95%)/HO(5%)/TFA(0.1%)から成る)を使用して、LCMSにより、中間化合物を特性付けした。60℃のカラム温度で、3mL/分の流量で、カラムを溶離した。
実施例1
化合物18の調製
Figure 0005224616
CO(0.10mmol、14mg)、Pd(dba)(2.0μmol、1.8mg)、X−Phos(5.0μmol、2.4mg)、(1−{2−[(2−ブロモ−−チアゾール−4カルボニル)−アミン−フェニル)ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸ter−ブチルエステル(0.050mmol、24mg)および4−アミノ−ピリジン−2−オールのHCl塩(0.10mmol、15mg)を、攪拌棒が入っているシュレンク管に充填した。その管をゴム製セプタムでキャップし、排気し、窒素を再び充填した。シリンジによりそのセプタムを通して反応混合物にtert−ブタノール(0.25mL)を添加し、窒素流のもとでテフロン(登録商標)製スクリューキャップを用いてその管を封止した。その後、その封管を100℃の油浴に入れ、得られた反応物をこの温度で15時間攪拌させておき、その後、その反応混合物を室温に冷却した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、セライトのパッドに通して濾過した。濾液を真空下で濃縮し、得られた残留物をTFA(0.5mL)で希釈し、得られた反応物を10分間、攪拌させておいた。その後、その反応混合物を真空下で濃縮し、得られた残留物を、逆相HPLCを用いて精製して、化合物18を得た。
実施例2
化合物2Aの調製
Figure 0005224616
1,4−ジオキサン(10mL)中の2−ブロモ−チアゾール−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.0mmol、264mg)の溶液に、1,4−ジオキサン(5mL)中の5−(ジフルオロメトキシ)−2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾール(1.5mmol、325mg)および水素化ナトリウム(鉱物油中60%、1.5mmol、60mg)の予混溶液を添加した。得られた反応物を70℃に加熱し、この温度で約18時間、振盪した。その後、その反応混合物を室温に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残留物をジクロロメタンに溶解し、セライトに通して濾過し、濾液を真空下で濃縮して残留物を得、シリカゲルクロマトグラフィーを用いてそれを精製して化合物2Aを得た。
実施例3
化合物20の調製
Figure 0005224616
ジクロロメタン(2mL)中の化合物14(0.05mmol、28mg、下の実施例7において説明するとおり調製したもの)およびDIEA(0.15mmol、27μL)の溶液に、塩化メタンスルホニル(0.055mmol、4.3μL)を添加した。得られた反応物を室温で約18時間、攪拌させておき、その後、真空下で濃縮した。得られた残留物を3:1 DMSO:アセトニトリルに溶解し、得られた溶液を、逆相HPLCを用いて精製して化合物20を得た。LC/MS(10分、TFA、保持時間=4.32分、可視質量は、m+1=563.47である)。
実施例4
化合物4Bの調製
Figure 0005224616
実施例2および3において説明した方法を用い、ならびに5−(ジフルオロメトキシ)−2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾールの代わりに5−チオフェン−2−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−チオールを用いて、化合物4Bを調製した。
実施例5
化合物19の調製
Figure 0005224616
DMF(3mL)中の化合物5A(0.158mmol、60mg、化合物2Aのエステル基を加水分解することによって作製したもの)の溶液に、[1−(2−アミノ−フェニル)−ピペリジン−4−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.174mmol、51mg)、EDC(0.18mmol、35mg)、HOBt(0.18mmol、24.3mg)およびDIEA(0.32mmol、55μL)を添加した。得られた反応物を室温で約18時間、攪拌させておいた。その後、その反応混合物を真空下で濃縮し、得られた残留物を3:1 DMSO:アセトニトリルに溶解し、得られた溶液を、逆相HPLCを用いて精製して化合物19を得た。LC/MS(10分 TFA、保持時間=3.36分、可視質量は、m+1=517.49である)。
実施例6
化合物2の調製
Figure 0005224616
実施例5において説明した方法を用い、および[1−(2−アミノ−フェニル)−ピペリジン−4−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに2−(4−tert−ブトキシ−ピペリジン−1−イル)−フェニルアミンを用いて、化合物2を調製した。LC/MS(10分 TFA、保持時間=3.84分、可視質量は、m+1=518.54である)。
実施例7
化合物14の調製
Figure 0005224616
実施例5において説明した方法を用い、および化合物5Aの代わりに化合物4Bを用いて、化合物14を調製した。LC/MS(10分 TFA、保持時間=3.40分、可視質量は、m+1=485.47である)。
実施例8
化合物9の調製
Figure 0005224616
1,4−ジオキサン(1mL)中の化合物8A(0.065mmol、30mg)の溶液に、1,4−ジオキサン(2mL)中のピリジン−2−チオール(0.13mmol、14.6mg)とNaH(鉱物油中60重量%、0.13mmol、5.3mg)とを含む予混溶液を添加した。得られた反応物を110℃に加熱し、この温度で約18時間振盪した。その後、その反応混合物を室温に冷却し、真空下で濃縮して粗製残留物を得た。その粗製残留物を3:1 DMSO:アセトニトリルに溶解し、得られた溶液を、逆相HPLCを用いて精製して化合物9を得た。LC/MS(10分 TFA、保持時間=4.00分、可視質量は、m+1=490.49である)。
実施例9
化合物11の調製
Figure 0005224616
実施例8において説明した方法を用い、およびピリジン−2−チオールの代わりにチオフェン−2−チオールを用いて、化合物11を調製した。LC/MS(10分 TFA、保持時間=4.39分、可視質量=495.45(m+1))。
実施例10
CHK1 SPAアッセイ
このインビトロアッセイは、酵素源としてバキュロウイルス発現系において発現された組換えHis−CHK1、および基質としてCDC25Cに基づくビオチン化ペプチド(ビオチン−RSGLYRSPMPENLNRPR)を利用する。
材料および試薬:
1)CDC25C Ser 216 C末端ビオチン化ペプチド基質(25mg)、−20℃で保管、Reserch Geneticsによる受託合成:ビオチン−RSGLYRSPMPENLNRPR 2595.4 MW。
2)His−CHK1 社内ロットP976、235μg/mL、−80℃で保管。
3)D−PBS(CaClおよびMgClなし):GIBCO、カタログ番号:14190−144
4)SPAビーズ:Amersham、カタログ番号:SPQ0032:500mg/バイアル
10mLのD−PBSを500mgのSPAビーズに添加して、50mg/mLの作業用濃度を作る。4℃で保管。水和後2週間以内に使用する。
5)GF/Bフィルターが結合された96−ウエル白色マイクロプレート:Packard、カタログ番号:6005177
6)Top−seal−A 96ウエル接着フィルム:Perkin Elmer、カタログ番号:6005185
7)96ウエル非結合白色ポリスチレンプレート:Corning、カタログ番号:6005177
8)MgCl:Sigma、カタログ番号:M−8266
9)DTT:Promega、カタログ番号:V3155
10)ATP、4℃で保管:Sigma、カタログ番号:A−5394
11)γ33P−ATP、1000−3000 Ci/mMol:Amersham、カタログ番号:AH9968
12)NaCl:Fisher Scientific、カタログ番号:BP358−212
13)HPO85% Fisher、カタログ番号:A242−500
14)Tris−HCL pH 8.0:Bio−Whittaker、カタログ番号: 16−015V
15)スタウロスポリン、100μg:CALBIOCHEM、カタログ番号:569397
16)細胞培養用超純水、500mL:HyClone、カタログ番号:SH30529.02
反応混合物:
1)キナーゼバッファー:50mM Tris pH 8.0;10mM MgCl;1mM DTT
2)His−CHK1、社内ロットP976、MW約30KDa、−80℃で保管。
約5,000CPMのポジティブ対照を生じさせるために6nMを必要とする。1つのプレート(反応数100)について:2mLキナーゼバッファー中で235μg/mL(7.83μM)保存溶液8μLを希釈する。これにより31nM混合物を作る。20μL/ウエルを添加する。これにより6nMの最終反応濃度を作る。
3)CDC25Cビオチン化ペプチド。
CDC25Cを1mg/mL(385μM)保存溶液に希釈し、−20℃で保管する。1つのプレート(反応数100)について:2mLキナーゼバッファー中で10μLの1mg/mL ペプチド保存溶液を希釈する。これにより、1.925μMミックスを得る。20μL/反応を添加する。これにより、385nMの最終反応濃度を作る。
4)ATP ミックス。
1つのプレート(反応数100)について:5mLキナーゼバッファー中で10μLの1mM ATP(冷却)保存溶液および2μLの新たなP33−ATP(20μCi)を希釈する。これにより、2μM ATP(冷却)溶液を得;50μL/ウエルを添加して反応を開始させる。最終容積は、100μL/反応であり、そのため最終反応濃度は、1μM ATP(冷却)および0.2μCi/反応となる。
5)停止溶液:
1つのプレートについて:10mL洗浄バッファー2(2M NaCl 1%HPO)に1mL SPAビーズ・スラリー(50mg)を添加する;100μL/ウエルを添加する。
6)洗浄バッファー1:2M NaCl
7)洗浄バッファー2:2M NaCl、1%HPO
Figure 0005224616
アッセイのための全反応容積。**反応停止時(停止溶液の添加後)の最終反応容積。
1)試験化合物を水/10%DMSO中で所望の濃度に希釈する−これにより、その反応における1%の最終DMSO濃度を得ることとなる。10μL/反応を適切なウエルに分取する。10μL 10%DMSOをポジティブ(CHK1+CDC25C+ATP)およびネガティブ(CHK1+ATPのみ)対照ウエルに添加する。
2)氷上で酵素を解凍する−−キナーゼバッファー(反応混合物を参照のこと)中で酵素を適正な濃度に希釈し、それぞれのウエルに20μLを分取する。
3)氷上でビオチン化基質を解凍し、キナーゼバッファー(反応混合物を参照のこと)中で希釈する。20μL/ウエルをネガティブ対照ウエル以外に添加する。その代わり、これらのウエルには20μL キナーゼバッファーを添加する。
4)キナーゼバッファー中でATP(冷却)およびP33−ATPを希釈する(反応混合物を参照のこと)。50μL/ウエルを添加して反応を開始させる。
5)反応を2時間、室温で実行する。
6)100μLのSPAビーズ/停止溶液(反応混合物を参照のこと)の添加によって反応を停止させ、15分間、放置してインキュベートした後、回収する。
7)ブランクPackard GF/Bフィルタープレートを真空フィルター装置(Packard プレート・ハーベスター)の中に配置し、200mLの水を吸引して、システムを湿潤させる。
8)そのブランクを取り出し、Packard GF/Bフィルタープレートの中に置く。
9)そのフィルタープレートを通して反応物を吸引する。
10)洗浄する:各洗浄200mL:2M NaClで1回;2M NaCl/1%HPOで1回
11)フィルタープレートを15分間、放置して乾燥させる。
12)TopSeal−A接着剤をフィルタープレートの上にのせる。
13)Top Countでフィルタープレートを実行する
設定: データモード:CPM
放射性核種:Manual SPA:P33
シンチレーター:Liq/plast
エネルギー範囲:低。
IC50決定:阻害化合物の8点系列希釈物からそれぞれ二重反復で生成した阻害データから、用量−反応曲線をプロットした。処理サンプルのCPMを未処理サンプルのCPMで割ることによって計算したキナーゼ活性%に対して化合物濃度をプロットした。IC50値を生成するために、その後、それらの用量−反応曲線を標準シグモイド曲線にフィッティングし、非線形回帰分析によってIC50値を導いた。
本発明の選択した「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を、このアッセイを用いて試験し、約1nMから約10μMにわたるIC50値を得た。
実施例11
CDK2アッセイ
バキュロウイルス構築:サイクリンEをPCRによりpVL1393(Pharmingen,La Jolla, California)にクローニングし、アミノ末端に5つのヒスチジン残基を付加させて、ニッケル樹脂で精製できるようにする。発現されたタンパク質は、およそ45kDaである。CDK2をPCRによりpVL1393にクローニングし、カルボキシ末端(YDVPDYAS)にヘマグルチニンエピトープタグを付加させる。発現されたタンパク質は、およそ34kDaのサイズである。
酵素生産:サイクリンEおよびCDK2を発現する組換えバキュロウイルスをSF9細胞に48時間、等感染多重度(MOI=5)で共感染させる。1000RPMでの10分間の遠心分離によって細胞を回収し、その後、ペレットを、そのペレットの5倍の体積の溶解バッファー(50mM Tris pH8.0、150mM NaCl、1%NP40、1mM DTTおよびプロテアーゼ阻害剤を含有(Roche Daignostics GmbH, Mannheim, Germany))に、30分間、氷上で溶解する。溶解産物を15000RPMで10分間、回転沈降させ、上清を保持する。(SF9細胞1リットルについて)5mLのニッケルビーズを溶解バッファー(Qiagen GmbH, Germany)中で3回洗浄する。イミダゾールをそのバキュロウイルス上清に20mMの最終濃度まで添加し、その後、ニッケルビーズと共に45分間、4℃でインキュベートする。250mMのイミダゾールを含有する溶解バッファーでタンパク質を溶離する。50mM Tris pH8.0、1mM DTT、10mM MgCl、100μM オルトバナジン酸ナトリウムおよび20%グリセロールを含有する2リットルのキナーゼバッファー中で一晩、溶離物を透析する。酵素をアリコート中に−70℃で保管する。
実施例12
インビトロサイクリンE/CDK2キナーゼアッセイ
サイクリンE/CDK2キナーゼアッセイは、低タンパク質結合96ウエルプレート(Corning Inc, Corning, New York)において、下で説明するとおり行うことができる。
50mM Tris pH8.0、10mM MgCl、1mM DTTおよび0.1mM オルトバナジン酸ナトリウムを含有するキナーゼバッファー中の50μg/mLの最終濃度に酵素を希釈する。これらの反応において用いた基質は、ヒストンH1由来のビオチン化ペプチド(Amersham, UKからのもの)である。その基質を氷上で解凍し、キナーゼバッファー中、2μMに希釈する。試験化合物を10%DMSO中で所望の濃度に希釈する。それぞれのキナーゼ反応について、試験用のそれぞれのウエルにおいて、20μLの50μg/mL 酵素溶液(1μgの酵素)と20μLの2μM 基質溶液を混合し、その後、10μLの希釈化合物と併せる。50μLの2μM ATPおよび0.1μCiの33P−ATP(Amersham, UKからのもの)の添加により、キナーゼ反応を開始させる。反応を1時間、室温で放置して進ませ、その後、0.1% Triton X−100、1mM ATP、5mM EDTAおよび5mg/mL ストレプトアビジン被覆SPAビーズ(Amersham, UKからのもの)を含有する200μLの停止バッファーを15分にわたって添加することにより反応を停止させる。その後、Filtermate汎用ハーベスター(Packard/Perkin Elmer life Sciences)を使用して、96ウエルGF/Bフィルタープレート(Packard/Perkin Elmer life Sciences)にSPAビーズを捕捉する。2M NaClで2回、その後、1%リン酸を伴う2M NaClで2回、それらのビーズを洗浄することにより、非特異的シグナルを除去する。その後、例えばTopCount 96ウエル液体シンチレーションカウンター(Packard/Perkin Elmer life Sciencesからのもの)を使用して、放射活性シグナルを測定する。
IC50決定:阻害化合物の8点系列希釈物からそれぞれ二重反復で生成した阻害データから、用量−反応曲線をプロットする。処理サンプルのCPMを未処理サンプルのCPMで割ることによって計算したキナーゼ活性%に対して化合物濃度をプロットする。IC50値を生成するために、その後、それらの用量−反応曲線を標準シグモイド曲線にフィッティングし、非線形回帰分析を用いてIC50値を導くことができる。
実施例13
MEK1キナーゼアッセイ
非標識構成的活性Raf−1を発現するバキュロウイルスで共感染させるHi−Five細胞のバキュロウイルス感染により、完全長活性リン酸化MEK1を6×ヒスチジンタグ標識タンパク質(His−MEK1)として発現させた。その後、Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィー、続いてゲル濾過クロマトグラフィーを用いて、数ミリグラムの活性His−MEK1を精製した。アルギニンに変異したリシンをサブドメインII内に有する完全長マウス触媒的不活性ERK2KRを基質として使用した。ERK2KRは、IPTG誘導BL21D3 E.coliにおいて、ベクターpET32aRCから、ビオチン化、6×ヒスチジンおよびチオレドキシン標識融合タンパク質として発現させ、Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィー、続いてMono Qイオン交換クロマトグラフィーを用いて精製した。キナーゼ反応は、96ウエルプレートにおいて、2重反復で、1ウエルあたり33μL、25℃で15分間行い、ならびに20nM His−MEK1、2μM ERK2KR、2μM ATP、10μCi/μL[γ−33P]−ATP、10mM MgCl、0.01%β−オクチルグルコシド、1mM DTT、20mM HEPES pH7.5、3%DMSOおよび20μMから下は0.08nMにわたる試験化合物から成った。30μLの1.5% o−リン酸の添加によってキナーゼ反応を停止させ、Millipore Multiscreen−PHプレートに移し、5分間インキュベートしてERK2KRを結合させた。30μLの1.5% o−リン酸を酵素添加前にウエルに添加した、プレインキュベートした反応物から、非特異的活性を推定した。停止させたプレートを、0.75% o−リン酸での真空濾過、続いて100%エタノールでの2回の洗浄によって3回洗浄し、空気乾燥させた。50μLのシンチレーションカクテルをそれぞれのウエルに添加し、ERK2KRに組み込まれた33Pを、Wallac Microbeta 1450 JETシンチレーションカウンターを使用して検出した。阻害百分率、IC50およびHill傾き値は、ActivityBaseソフトウェアを使用して計算した。
本発明の選択した「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を、このアッセイを用いて試験し、約10nMから約100μMにわたるIC50値を得た。
実施例14
MEK1 TdFアッセイについての一般手順
白色96ウエルPCRプレートの中で20μLのアッセイバッファー(25mM HEPES、pH7.4、300mM NaCl、1mM DTT、2% DMSO、Sypro Orange 5×)中のマイクロモル濃度(通常は1−50μM)の化合物と1μM タンパク質を混合した。そのプレートを透明ストリップによって密封し、サーモサイクラー(Chromo4、BioRad)の中に配置する。融解している間、25℃から95℃まで0.5℃刻みで蛍光強度をモニターする。データをエクセルシートにエクスポートし、カスタム曲線フィッティングアルゴリズムに付してTdF Kd値を導く。すべてのTdF Kd値は、結合のエンタルピー変化に伴う不確実性のため、約50%の誤差マージンを有する。
本発明の選択した「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を、このアッセイを用いて試験し、約1μMから約100μMにわたるK値を得た。
実施例15
MEK1 Delfia酵素活性アッセイについての一般手順
化合物の個々の阻害パーセントと用量反応曲線(IC50決定)の両方を実行する、DELFIA(Perkin−Elmer)に基づく酵素アッセイを用いて、化合物の阻害効果を判定した。Hepes、塩化マグネシウム、ジチオトレイトールおよびATP(最終濃度2マイクロモル)を含有するバッファー中の活性化組換えヒトMEK1(最終濃度5ナノモル)を10分間プレインキュベートし、その後、ビオチン標識を含有する組換えMEK1基質ERK(最終濃度1マイクロモル)の添加によって反応を開始させた。この反応を摂氏20度で60分間進ませ、60分の時点で、DELFIAアッセイバッファー(Perkin−Elmer #4002−0010)が入っているROCHEストレプトアビジンマイクロプレート(Perkin−Elmer #11734776001)に反応アリコートを移すことによって反応を停止させた。攪拌しながら室温で1時間、結合させた後、それらのプレートをDELFIA洗浄バッファー(Perkin−Elmer #4010−0010)で洗浄し、その後、ホスホチロシン特異的抗体(Perkin Elmer #AD0040)を含有するDELFIAアッセイバッファーをプレートに添加し、1時間、上のようにインキュベートした。第二の洗浄の後、Perkin−Elmerエンハンスメント溶液(#4001−0010)の添加、続いて、攪拌しながら10分のインキュベーションによって、プレートを現像した。Victor 1420蛍光プレートリーダーでユーロピウム蛍光を読み取った。化合物含有アッセイと反応対照の比較により、阻害パーセントおよびIC50決定を行った。
本発明の選択した「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を、このアッセイを用いて試験し、約10nMから約100μMにわたるIC50値を得た。
実施例16
インビトロオーロラTdFアッセイ
オーロラAアッセイ
低タンパク質結合384ウエルプレート(Corning Inc.)において、オーロラAキナーゼアッセイを行った。すべての試薬を氷上で解凍した。試験化合物を100%DMSOで所望の濃度に希釈した。それぞれの反応は、8nM 酵素(オーロラA、Upsatate カタログ番号:14−511)、100nM Tamra−PKAtide(Molecular Devices、5TAMRA−GRTGRRNSICOOH)、25μM ATP(Roche)、1mM DTT(Pierce)、およびキナーゼバッファー(10mM Tris、10mM MgCl、0.01% Tween 20)から成った。それぞれの反応のために、TAMRA−PKAtide、ATP、DTTおよびキナーゼバッファーを含有する14μLを1μLの希釈化合物と併せた。5μLの希釈酵素の添加により、キナーゼ反応を開始させた。反応を2時間、室温で放置して進ませた。60μL IMAPビーズ(プログレッシブ(94.7% バッファーA:5.3% バッファーB)1×バッファー、24mM NaCl中、1:400ビーズ)を添加することによって、反応を停止させた。さらに2時間後、Analyst AD(Molecular devices)を用いて蛍光偏光を測定した。
オーロラBアッセイ
低タンパク質結合384ウエルプレート(Corning Inc.)において、オーロラAキナーゼアッセイを行った。すべての試薬を氷上で解凍した。化合物を100%DMSOで所望の濃度に希釈した。それぞれの反応は、26nM 酵素(オーロラB、Invitrogen カタログ番号:pv3970)、100nM Tamra−PKAtide(Molecular Devices、5TAMRA−GRTGRRNSICOOH)、50μM ATP(Roche)、1mM DTT(Pierce)、およびキナーゼバッファー(10mM Tris、10mM MgCl、0.01% Tween 20)から成った。それぞれの反応のために、TAMRA−PKAtide、ATP、DTTおよびキナーゼバッファーを含有する14μLを1μLの希釈化合物と併せた。5μLの希釈酵素の添加により、キナーゼ反応を開始させた。反応を2時間、室温で放置して進ませた。60μL IMAPビーズ(プログレッシブ(94.7% バッファーA:5.3% バッファーB)1×バッファー、24mM NaCl中、1:400ビーズ)を添加することによって、反応を停止させた。さらに2時間後、Analyst AD(Molecular devices)を用いて蛍光偏光を測定した。
IC50決定
試験化合物の8点系列希釈物からそれぞれ二重反復で生成した阻害データから、用量−反応曲線をプロットした。蛍光偏光度によって計算したキナーゼ活性に対して化合物濃度をプロットした。IC50値を生成するために、その後、それらの用量−反応曲線を標準シグモイド曲線にフィッティングし、非線形回帰分析によってIC50値を導いた。
本発明の選択した「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を、このアッセイを用いて試験し、約1nMから約100μMにわたるK値を得た。
「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の使用
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、患者における「状態」の治療または予防に有用であり得る。
有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の投与によって治療することができる特定の疾病および疾患としては、米国特許第6,413,974号(これは、参照により本明細書に援用されている)に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
心血管疾患の治療または予防
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、患者における心血管疾患の治療または予防に有用である。
従って、1つの実施形態において、本発明は、患者において心血管疾患を治療するための方法を提供し、この方法は、有効量の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」をその患者に投与することを含む。
本方法を用いて治療できるまたは予防できる心血管疾患の説明的な例としては、アテローム性動脈硬化症、うっ血性心不全、心不整脈、心筋梗塞、心房性細動、心房性粗動、循環性ショック、左心室肥大、心室頻拍、上室頻拍、冠動脈疾患、アンギナ、感染性心内膜炎、非感染性心内膜炎、心筋症、末梢動脈疾患、レイノー現象、深部静脈血栓症、大動脈弁狭窄症、僧帽弁狭窄症、肺動脈狭窄症および三尖弁狭窄症が挙げられるが、これらに限定されない。
1つの実施形態において、前記心血管疾患は、アテローム性動脈硬化症である。
もう1つの実施形態において、前記心血管疾患は、うっ血性心不全である。
もう1つの実施形態において、前記心血管疾患は、冠動脈疾患である。
CNS障害の治療または予防
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、患者における中枢神経系(CNS)障害の治療または予防に有用である。
従って、1つの実施形態において、本発明は、患者においてCNS障害を治療するための方法を提供し、この方法は、有効量の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」をその患者に投与することを含む。
本方法を用いて治療できるまたは予防できるCNS障害の説明的な例としては、中枢神経系の活動低下、中枢神経系の活動亢進、神経変性疾患、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、クロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病、多発性硬化症、レビー小体障害、チック障害、ツーレット症候群、パーキンソン病、ピック病、プリオン病または統合失調症、癲癇、偏頭痛、不安、双極性障害、うつ病、注意欠陥多動性障害(ADHD)および認知症が挙げられるが、これらに限定されない。
1つの実施形態において、前記CNS障害は、アルツハイマー病である。
もう1つの実施形態において、前記CNS障害は、パーキンソン病である。
もう1つの実施形態において、前記CNS障害は、ALSである。
ウイルス感染の治療または予防
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、患者におけるウイルス感染症の治療または予防に有用である。
従って、1つの実施形態において、本発明は、患者においてウイルス感染症を治療するための方法を提供し、この方法は、有効量の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」をその患者に投与することを含む。
本方法を用いて治療できるまたは予防できるウイルス感染症の説明的な例としては、HIV、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、エプスタイン・バーウイルス、シンドビスウイルスおよびアデノウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
1つの実施形態において、前記ウイルス感染症は、HIVである。
もう1つの実施形態において、前記ウイルス感染症は、HPVである。
真菌感染症の治療または予防
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、患者における真菌感染症の治療または予防に有用である。
従って、1つの実施形態において、本発明は、患者において真菌感染症を治療するための方法を提供し、この方法は、有効量の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」をその患者に投与することを含む。
本方法を用いて治療できるまたは予防できる真菌感染症の説明的な例としては、アスペルギルス症、ブラストミセス症、カンジダ症、コクシジオイデス症、クリプトコックス症、ヒストプラスマ症、日和見真菌(酵母および糸状菌を含む)、ムコール症、菌腫、パラコクシジオイデス症およびスポロトリクス症が挙げられるが、これらに限定されない。
1つの実施形態において、前記真菌感染症は、カンジダ症である。
プロテインキナーゼの活性に関連した疾病の治療または予防
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、プロテインキナーゼを阻害、調節または変調することができ、患者におけるプロテインキナーゼの活性に関連した疾病の治療または予防に有用である。
従って、1つの実施形態において、本発明は、患者においてプロテインキナーゼの活性に関連した疾病を治療するための方法を提供し、この方法は、有効量の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」をその患者に投与することを含む。
本方法を用いて治療できるまたは予防できる、プロテインキナーゼの活性に関連した疾病の説明的な例としては、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)、例えば、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6およびCDK7、CDK8;オーロラキナーゼ、例えばオーロラ−A、オーロラ−Bおよびオーロラ−C;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK/ERK);グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3β);c−Metキナーゼ、例えば、c−Met;Pim−1キナーゼ;チェックポイントキナーゼ、例えば、Chk1およびChk2;チロシンキナーゼ、例えば、HERサブファミリー(例えば、EGFR (HER1)、HER2、HER3およびHER4を含む)、インスリンサブファミリー(例えば、INS−R、IGF−IR、IR、およびIR−Rを含む)、PDGFサブファミリー(例えば、PDGF−αおよびβ受容体、CSFIR、c−kitならびにFLK−IIを含む)、FLKファミリー(例えば、キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR)、胎児肝臓キナーゼ−1(FLK−1)、胎児肝臓キナーゼ−4(FLK−4)およびfms様チロシンキナーゼ−1(flt−1)を含む);非受容体プロテインチロシンキナーゼ、例えば、LCK、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes/Fps、Fak、Jak、Ack、およびLIMK;ならびに増殖因子受容体チロシンキナーゼ、例えば、VEGF−R2、FGF−R、TEK、Aktキナーゼおよびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。
1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者において1つ以上のチェックポイントキナーゼを阻害する方法を提供し、この方法は、治療有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体をその患者に投与することを含む。
もう1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者において1つ以上のチェックポイントキナーゼに関連した疾病を治療する、または該疾病の進行を遅らせる、方法を提供し、この方法は、治療有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体を投与することを含む。
もう1つの実施形態において、本発明は、チェックポイントキナーゼに関連した1つ以上の疾病を治療する方法を提供し、この方法は、そのような治療が必要な患者に少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体;および少なくとも1つの追加の抗癌剤を投与することを含み、この場合、前記少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記少なくとも1つの抗癌剤の量が、結果として治療効果を生じさせる。
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者において1つ以上のチェックポイントキナーゼに関連した疾病を治療する、または該疾病の進行を遅らせる、方法を提供し、この方法、少なくとも1つの医薬的に許容される担体と少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体とを併せて含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。
1つの実施形態において、阻害、変調または調節されるチェックポイントキナーゼは、Chk1である。もう1つの実施形態において、阻害、変調または調節されるチェックポイントキナーゼは、Chk2である。
1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者において1つ以上のチロシンキナーゼを阻害する方法を提供し、この方法は、治療有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体をその患者に投与することを含む。
もう1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者において1つ以上のチロシンキナーゼに関連した疾病を治療する、または該疾病の進行を遅らせる、方法を提供し、この方法は、治療有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体を投与することを含む。
もう1つの実施形態において、本発明は、チロシンキナーゼに関連した1つ以上の疾病を治療する方法を提供し、この方法は、そのような治療が必要な患者に、少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体;および少なくとも1つの追加の抗癌剤を投与することを含み、この場合、前記少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記少なくとも1つの抗癌剤の量が、結果として治療効果を生じさせる。
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者において1つ以上のチロシンキナーゼに関連した疾病を治療する、または該疾病の進行を遅らせる、方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの医薬的に許容される担体と少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体とを併せて含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。
特定の実施形態において、阻害、変調または調節されるチロシンキナーゼは、VEGFR(VEGF−R2)、EGFR、HER2、SRC、JAKもしくはTEK、またはそれらの組み合わせである。
1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者において1つ以上のPim−1キナーゼを阻害する方法を提供し、この方法は、治療有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体をその患者に投与することを含む。
もう1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者において1つ以上のPim−1キナーゼに関連した疾病を治療する、または該疾病の進行を遅らせる、方法を提供し、この方法は、治療有効量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体を投与することを含む。
もう1つの実施形態において、本発明は、Pim−1キナーゼに関連した1つ以上の疾病を治療する方法を提供し、この方法は、そのような治療が必要な患者に、少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体;および少なくとも1つの追加の抗癌剤を投与することを含み、この場合、前記少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記少なくとも1つの抗癌剤の量が、結果として治療効果を生じさせる。
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者において1つ以上のPim−1キナーゼに関連した疾病を治療する、または該疾病の進行を遅らせる、方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの医薬的に許容される担体と少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体とを併せて含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。
1つの実施形態において、本発明は、オーロラキナーゼに関連した1つ以上の疾病を治療する方法を提供し、この方法は、そのような治療が必要な患者に、少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体;および少なくとも1つの追加の抗癌剤を投与することを含み、この場合、前記少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記少なくとも1つの抗癌剤の量が、結果として治療効果を生じさせる。
もう1つの実施形態において、本発明は、その必要がある患者においてオーロラキナーゼに関連した疾病を治療する、または該疾病の進行を遅らせる、方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの医薬的に許容される担体と少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体とを併せて含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。
1つの実施形態において、本発明は、サイクリン依存性キナーゼに関連した1つ以上の疾病を治療する方法を提供し、この方法は、そのような治療が必要な患者に、第一の化合物(これは、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体である)の量;および少なくとも1つの第二の化合物(該第二の化合物は、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」とは異なる抗癌剤である)の量を投与することを含み、この場合、前記第一の化合物および前記第二の化合物の量が、結果として治療効果を生じさせる。
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、プロテインキナーゼをコードする癌遺伝子の阻害にも有用であり得る。そのような癌遺伝子の非限定的な例としては、C−Metが挙げられる。
増殖性疾患の治療または予防
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、患者における増殖性疾患の治療または予防に有用である。
従って、1つの実施形態において、本発明は、患者において増殖性疾患を治療するための方法を提供し、この方法は、有効量の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」をその患者に投与することを含む。
本方法を用いて治療できるまたは予防できる増殖性疾患の説明的な例としては、癌、アテローム性動脈硬化症、良性前立腺肥大、家族性大腸腺腫症、神経性線維腫症、アテローム性動脈硬化症、肺線維症、関節炎、乾癬、糸球体腎炎、血管形成術または血管手術後の再狭窄、肥厚性瘢痕形成、炎症性腸疾患、移植拒絶反応、エンドトキシン・ショック、特発性肺線維症、強皮症および肝硬変が挙げられるが、これらに限定されない。
アポトーシスの誘導または阻害
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、患者におけるアポトーシスの誘導または阻害に有用である。
従って、1つの実施形態において、本発明は、患者においてアポトーシスを誘導または阻害するための方法を提供し、この方法は、有効量の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」患者に投与することを含む。
アポトーシス反応は、ヒトの様々な疾病における異常であり、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、アポトーシスのモジュレーターとして、癌の治療、ウイルス感染症の治療、HIV感染個体におけるAIDS発症の予防、自己免疫疾患(全身性狼瘡、エリテマトーデス、自己免疫媒介糸球体腎炎、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患および自己免疫性糖尿病を含むが、これらに限定されない)の治療、神経変性疾患(アルツハイマー病、AIDS関連認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、網膜色素変性症、脊髄性筋萎縮症および小脳変性症を含むが、これらに限定されない)の治療、骨髄異形成症候群の治療、再生不良性貧血の治療、心筋梗塞、脳卒中および再潅流傷害に関連した虚血性傷害の治療、不整脈の治療、アテローム性動脈硬化症の治療、毒物誘発またはアルコール関連肝臓病の治療、血液学的疾患(慢性貧血および再生不良性貧血を含むが、これらに限定されない)の治療、筋骨格系の変性疾患(骨粗しょう症および関節炎を含むが、これらに限定されない)の治療、アスピリン感受性鼻副鼻腔炎の治療、嚢胞性線維症の治療、多発性硬化症の治療、腎臓病の治療および癌疼痛の治療に有用であり得る。
癌の治療または予防
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、患者における癌の治療または予防に有用である。
従って、1つの実施形態において、本発明は、患者において癌を治療するための方法を提供し、この方法は、有効量の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」をその患者に投与することを含む。
本方法を用いて治療できるまたは予防できる癌の説明的な例としては、膀胱癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、中皮腫、および巨細胞癌を含む)、頭頚部癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌または皮膚癌(扁平上皮癌および黒色腫を含む);リンパ系統の造血性腫瘍(白血病、例えば急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病または急性リンパ芽球性白血病;リンパ腫、例えばB細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、骨髄腫またはバーケットリンパ腫を含むが、これらに限定されない);原因不明の癌;脊髄系統の造血性腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病、脊髄異形成症候群ならびに前骨髄性白血病を含むが、これらに限定されない);間葉起源の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫を含むが、これらに限定されない);中枢および末梢神経系の腫瘍(脳腫瘍、例えば星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫(例えば、多形膠芽腫)または神経鞘腫を含むが、これらに限定されない);ならびに他の腫瘍(精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、甲状腺濾胞癌およびカポジ肉腫を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、原発および/または転移癌の治療に有用である。
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、癌の化学的予防においても有用であり得る。化学的予防は、突然変異誘発事象の開始を阻止すること、または傷害を既に受けている前癌状態の細胞の進行を阻止すること、もしくは腫瘍再発を阻害することのいずれかによって、浸潤癌の発現を阻害することと定義する。
前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、腫瘍血管新生および転移の阻害においても有用であり得る。
1つの実施形態において、治療または予防される癌は、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、膵臓癌、皮膚癌、白血病およびリンパ腫から選択される。
もう1つの実施形態において、治療または予防される癌は、乳癌、結腸直腸癌、肺癌および前立腺癌から選択される。
1つの実施形態において、治療または予防される癌は、乳癌である。
もう1つの実施形態において、治療または予防される癌は、肺癌である。
もう1つの実施形態において、治療または予防される癌は、結腸直腸癌である。
さらにもう1つの実施形態において、治療または予防される癌は、前立腺癌である。
さらにもう1つの実施形態において、治療または予防される癌は、白血病である。
さらにもう1つの実施形態において、治療または予防される癌は、リンパ腫である。
1つの実施形態において、治療または予防される癌は、充実性腫瘍である。
もう1つの実施形態において、治療または予防される癌は、血液またはリンパの癌である。
1つの実施形態において、治療または予防される癌は、原発癌である。
もう1つの実施形態において、治療または予防される癌は、転移癌である。
さらなる実施形態において、前記患者は、原発癌と転移癌の両方についての治療を受けることとなる。
併用療法
1つの実施形態において、本発明は、患者における「状態」を治療するための方法を提供し、この方法は、1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」でない少なくとも1つの追加の治療薬とをその患者に投与することを含み、この場合、投与されるそれらの量が一緒になって「状態」の治療または予防に有効になる。
本発明の方法において有用な追加の治療薬としては、抗癌剤、心血管疾患の治療に有用な薬剤、CNS障害の治療に有用な薬剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗増殖剤、抗脱毛剤、抗炎症剤、プロテインキナーゼ関連疾患の治療に有用な薬剤、抗虚血剤またはこれらの薬剤のうちの2つ以上の任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
もう1つの実施形態において、前記他の治療薬は、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」の任意の潜在的副作用の低減に有用な薬剤である。そのような潜在的副作用としては、悪心、嘔吐、頭痛、発熱、嗜眠、筋肉痛、下痢、全身疼痛、および注射部位の痛みが挙げられるが、これらに限定されない。
併用療法の施与をそのような施与が必要な患者に行うとき、併用での治療薬、または治療薬を含む組成物(単数もしくは複数)は、例えば逐次的に、共に、一緒に、同時におよびこれらに類するものなど、任意の順序で投与することができる。そのような併用療法での様々な活性因子の量は、異なる量(異なる投薬量)である場合もあり、または同じ量(同じ投薬量)である場合もある。
1つの実施形態において、前記1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、前記追加の治療薬(単数または複数)がそれらの予防もしくは治療効果を発揮している間に投与し、または逆に、前記追加の治療薬(単数または複数)は、前記1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」がそれらの予防もしくは治療効果を発揮している間に投与する。
もう1つの実施形態において、前記1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記追加の治療薬(単数または複数)は、そのような薬剤が「状態」を治療するために単剤療法として使用されるときに一般に利用される用量で、投与する。
もう1つの実施形態において、前記1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記追加の治療薬(単数または複数)は、そのような薬剤が「状態」を治療するために単剤療法として使用されるときに一般に利用される用量より低い用量で投与する。
さらにもう1つの実施形態において、前記1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記追加の治療薬(単数または複数)は、相乗的に作用するので、そのような薬剤が「状態」を治療するために単剤療法として使用されるときに一般に利用される用量より低い用量で投与する。
1つの実施形態において、前記1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記追加の治療薬(単数または複数)は、同じ組成物中に存在する。1つの実施形態において、この組成物は、経口投与に適する。もう1つの実施形態において、この組成物は、静脈内投与に適する。
前記1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記追加の治療薬(単数または複数)は、相加的に作用する場合もあり、または相乗的に作用する場合もある。相乗的併用は、併用療法の1つ以上の薬剤のより低い投薬量および/または1つ以上の薬剤のより低い投与頻度の使用を可能にし得る。1つ以上の薬剤のより低い投薬量またはより低い投与頻度は、その療法の有効度を低減することなく、その療法の毒性を低下させることができる。
1つの実施形態において、前記1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記追加の治療薬(単数または複数)の投与は、これらの薬剤の1つ以上に対する「状態」の耐性を抑制することができる。
1つの実施形態において、前記追加の治療薬は、その公知治療有効量で使用する。もう1つの実施形態において、前記追加の治療薬は、その通常処方投薬量で使用する。もう1つの実施形態において、前記追加の治療薬は、その通常処方投薬量またはその公知治療有効用量より少ない量で使用する。
「状態」の治療または予防のために本発明の併用療法において使用する他の薬剤の用量および投薬レジメンは、添付書類における是認用量および投薬レジメン;その患者の年齢、性別および全身の健康状態;ならびにそのウイルス感染症または関連疾病もしくは疾患のタイプおよび重症度を考慮に入れて、担当臨床医により決定され得る。併用で投与するとき、上に列挙した疾病または状態を治療するために前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」(単数または複数)および前記他の薬剤(単数または複数)は、同時にまたは逐次的に投与することができる。これは、その併用の成分を異なる投薬スケジュールで与える、例えば、一方の成分を1日1回、もう一方を6時間ごとに投与するとき、またはそれらの成分が異なる、例えば、一方が錠剤であり、一方がカプセルであるとき、特に有用である。従って、別個の剤形を含むキットは、有利である。
一般に、前記1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記追加の治療薬(単数または複数)の全日用量は、併用療法として投与するとき、1日あたり約0.1から約2000mgにわたるが、その療法のターゲット、患者、および投与経路に依存して、必然的に変動が生じるであろう。1つの実施形態において、前記投薬量は、単回用量でまたは2〜4分割用量で投与される、約0.2から約100mg/日である。もう1つの実施形態において、前記投薬量は、単回用量でまたは2〜4分割用量で投与される、約1から約500mg/日である。もう1つの実施形態において、前記投薬量は、単回用量でまたは2〜4分割用量で投与される、約1から約200mg/日である。さらにもう1つの実施形態において、前記投薬量は、単回用量でまたは2〜4分割用量で投与される、約1から約100mg/日である。さらにもう1つの実施形態において、前記投薬量は、単回用量でまたは2〜4分割用量で投与される、約1から約50mg/日である。さらなる実施形態において、前記投薬量は、単回用量でまたは2〜4分割用量で投与される、約1から約20mg/日である。
癌の治療のための併用療法
本発明の化合物は、患者において癌を治療または予防するために、1つ以上の別の抗癌治療、例えば外科手術、放射線療法、生物学的療法(例えば、抗癌ワクチン療法)および/または前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」とは異なる少なくとも1つの追加の抗癌剤の投与との(一緒に、または任意の順序で逐次的に施与される)併用においても有用であり得る。本発明の化合物は、前記追加の抗癌剤(単数もしくは複数)と同じ投薬単位の中に存在する場合もあり、または別の投薬単位の中に存在する場合もある。
本発明の化合物との併用に適する追加の抗癌剤(抗腫瘍薬としても公知)の非限定的な例としては、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤(例えば、DNA相互作用性薬剤(例えば、シスプラチンまたはドキソルビシン)など、しかしこれらに限定されない);タキサン(例えば、タキソテール、タキソール);トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシドまたはテニポシド);トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン(またはCPT−11)、カンプトスター、またはトポテカン);チューブリン相互作用性薬剤(例えば、パクリタキセル、ドセタキセルまたはエポチロン);ホルモン剤(例えば、タモキシフェン);チミジレートシンターゼ阻害剤(例えば、5−フルオロウラシル);代謝拮抗物質(例えば、メトキシトレキサート);アルキル化剤(例えば、テモゾロミド(Schering−Plough Corporation, Kenilworth, New JerseyからのTEMODAR(商標))、シクロホスファミド);ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤(例えば、SARASAR(商標)(4−[2−[4−[(11R)−3,10−ジブロモ−8−クロロ−6、11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル−]−1−ピペリジニル]−2−オキソエチル]−1−ピペリジンカルボキサミド、またはSchering−Plough Corporation, Kenilworth, New JerseyからのSCH 66336)、チピファルニブ(Janssen PharmaceuticalsからのZarnestra(登録商標)またはR115777)、L778,123(Merck & Company, Whitehouse Station, New Jerseyからのファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤)、BMS 214662(Bristol−Myers Squibb Pharmaceuticals,Princeton, New Jerseyからのファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤);シグナル伝達阻害剤(例えば、Iressa(Astra Zeneca Pharmaceuticals, Englandからのもの)、タルセバ(EGFRキナーゼ阻害剤)、EGFRに対する抗体(例えば、C225)、GLEEVEC(商標)(Novartis Pharmaceuticals, East Hanover, New JerseyからのC−ablキナーゼ阻害剤);インターフェロン、例えば、イントロン(Schering−Plough Corporationからのもの)、Peg−イントロン(Schering−Plough Corporationからのもの)など;ホルモン療法併用薬;アロマターゼ併用薬;ara−C、アドリアマイシン、シトキサン、およびゲムシタビンが挙げられる。
他の有用な追加の抗癌剤としては、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、ara−C、アドリアマイシン、シトキサン、クロファラビン(Genzyme Oncology, Cambridge, MassachusettsからのClolar(登録商標))、クラドリビン(Janssen−Cilag Ltd.からのLeustat(登録商標))、アフィジコロン、リツキサン(Genentech/Biogen Idecからのもの)、スニチニブ(PfizerからのSutent(登録商標))、ダサチニブ(またはBristol−Myers SquibbからのBMS−354825)、テザシタビン(Aventis Pharmaからのもの)、Sml1、フルダラビン(Trigan Oncology Associatesからのもの)、ペントスタチン(BC Cancer Agencyからのもの)、トリアピン(Vion Pharmaceuticalsからのもの)、ジドックス(Bioseeker Groupからのもの)、トリミドックス(ALS Therapy Development Foundationからのもの)、アミドックス、3−AP(3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、MDL−101,731((E)−2’−デオキシ−2’−(フルオロメチレン)シチジン)およびゲムシタビンが挙げられるが、これらに限定されない。
他の有用な追加の抗癌剤としては、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、ロイコビリン、オキサリプラチン(Sanofi−Synthelabo Pharmaceuticals,FranceからのELOXATIN(商標))、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、テニポシド、17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、アロプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベン、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィン、ヘキサメチルメラミン、アバスチン、ハーセプチン、ベキサール、ベルケード、ゼバリン、トリセノックス、ゼローダ、ビノレルビン、プロフィマー(Profimer)、アービタックス、リポソーマル、チオテパ、アルトレタミン、メルファラン、トラスツズマブ、レロゾール、フルベストラント、エキセメスタン、フルベストラント、イホスファミド、リツキシマブ、C225およびカムパスが挙げられるが、これらに限定されない。
1つの実施形態において、前記他の抗癌剤は、細胞増殖抑制剤、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソテール、タキソール、エトポシド、イリノテカン、カンプトスター、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5−フルオロウラシル、メトキシトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、SCH 66336、R115777、L778,123、BMS 214662、イレッサ、タルセバ、EGFRに対する抗体、グリーベック、イントロン、ara−C、アドリアマイシン、シトキサン、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、リン酸フルダラビンリン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、テニポシド、17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベン、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィン、ヘキサメチルメラミン、アバスチン、ハーセプチン、ベキサール、ベルケード、ゼバリン、トリセノックス、ゼローダ、ビノレルビン、プロフィマー、アービタックス、リポソーマル、チオテパ、アルトレタミン、メルファラン、トラスツズマブ、レロゾール、フルベストラント、エキセメスタン、イホスファミド、リツキシマブ、C225、ドキシル、オンタック、デポサイト(Deposyt)、マイロターグ、カムパス(Campath)、セレブレックス、スーテント、アラネスプ、ノイポゲン、ノイラスタ、ケピバンス、SU11248、およびPTK787から選択される。
1つの実施形態において、前記他の抗癌剤は、白金系薬剤、例えばシスプラチン、カルボプラチンまたはオキサリプラチンである。
もう1つの実施形態において、前記他の抗癌剤は、アルキル化剤である。
もう1つの実施形態において、前記他の抗癌剤は、ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチンまたはビンブラスチンである。
さらにもう1つの実施形態において、前記他の抗癌剤は、トポイソメラーゼI阻害剤である。
もう1つの実施形態において、前記他の抗癌剤は、トポイソメラーゼII阻害剤である。
さらなる実施形態において、前記他の抗癌剤は、代謝拮抗物質である。
もう1つの実施形態において、前記他の抗癌剤は、紡錐体毒である。
もう1つの実施形態において、前記他の抗癌剤は、抗腫瘍性抗生物質である。
固定用量として調合する場合、そのような併用製品は、本明細書に記載する投薬量範囲内の本発明の化合物と、その投薬範囲内の他の医薬活性薬剤または治療薬とを用いる。例えば、CDC2阻害剤オロモウシンは、アポトーシスを誘導する際に公知細胞傷害剤と相乗的に作用することが判明した(J.Cell.Sci.、(1995)108、2897)。「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、併用調合が不適切であるとき、公知抗癌剤または細胞傷害剤と逐次的に投与することもできる。本発明は、投与の順序の点で制限されず、「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」は、公知抗癌剤または細胞傷害剤の前に投与してもよいし、または後に投与してもよい。例えば、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤フラボピリドールの細胞傷害活性は、抗癌剤との投与の順序による影響を受ける。Cancer Research、(1997)57、3375。そのような技法は、当業者ならびに担当医の技術の範囲内である。
従って、1つの態様において、本発明は、患者において癌を治療するための方法を含み、この方法は、ある量の少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグもしくは立体異性体と1つ以上の他の抗癌治療様式とをその患者に施与することを含み、この場合、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」(単数または複数)の量/他の治療様式が結果として所望の治療効果を生じさせる。1つの実施形態において、前記少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記1つ以上の他の治療様式は、相乗的に作用する。もう1つの実施形態において、前記少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」および前記1つ以上の他の治療様式は、相加的に作用する。
1つの実施形態において、前記他の治療様式は、外科手術である。
もう1つの実施形態において、前記他の治療様式は、放射線療法である。
もう1つの実施形態において、前記他の治療様式は、生物学的療法、例えば、ホルモン療法または抗癌ワクチン療法である。
本発明の化合物の薬理特性は、多数の薬理学的アッセイによって確認することができる。本明細書において下で説明する例示薬理学的アッセイを、本発明の化合物、およびそれらの塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを用いて行った。
組成物および投与
本発明は、少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、または該化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと少なくとも1つの医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物にも関する。
本発明が記載する化合物から医薬組成物を調製するための、不活性で医薬的に許容される担体は、固体である場合もあり、または液体である場合もある。固体形製剤としては、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシェ剤および坐剤が挙げられる。粉末および錠剤は、約5から約95パーセント活性成分から成る。適する固体担体は、当該技術分野において公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖またはラクトースである。錠剤、粉末、カシェ剤およびカプセルは、経口投与に適する固体剤形として使用することができる。医薬的に許容される担体および様々な組成物についての製造方法の例は、編者:A.Gennaro、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、(1990)、Mack Publishing Co.、Easton,Pennsylvaniaにおいて見つけることができる。
液体形態製剤としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。例として、非経口注射については水または水−プロピレングリコール溶液に、または経口溶液、懸濁液およびエマルジョンについては甘味料および乳白剤の添加に言及することができる。液体形態製剤としては、鼻腔内投与用の溶液も挙げることができる。
吸入に適するエーロゾル製剤としては、医薬的に許容される担体、例えば、不活性圧縮ガス、例えば窒素と併用することができる、溶液および粉末形態の固体を挙げることができる。
経口投与または非経口投与のいずれかのために使用直前に液体形態製剤に変換するためのものである固体形態製剤も挙げることができる。そのような液体形態としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
本発明の化合物は、経皮送達することもできる。経皮組成物は、クリーム、ローション、エーロゾルおよび/またはエマルジョンの形態をとることができ、ならびにこのために当該技術分野では一般的であるようなマトリックスまたはリザーバータイプの経皮パッチに含めることができる。
本発明の化合物は、皮下送達することもできる。
好ましくは、本化合物は、経口投与または静脈内投与または髄腔内投与またはそれらのうちの幾つかの適する組み合わせで投与する。
好ましくは、前記医薬製剤は、単位剤形のものである。そのような形態の場合、前記製剤は、活性成分を適切な量、例えば所望の目的を達成するために有効な量、を含有する適切なサイズの単位用量に、細分される。
製剤の単位用量中の活性化合物の量は、約0.001mgから約500mgまで様々であり得、調整することができる。1つの実施形態において、前記製剤の単位用量中の活性化合物の量は、約0.01mgから約250mgである。もう1つの実施形態において、前記製剤の単位用量中の活性化合物の量は、約0.1mgから約100mgである。もう1つの実施形態において、前記製剤の単位用量中の活性化合物の量は、約1.0mgから約100mgである。もう1つの実施形態において、前記製剤の単位用量中の活性化合物の量は、約1.0mgから約50mgである。さらにもう1つの実施形態において、前記製剤の単位用量中の活性化合物の量は、約1.0mgから約25mgである。
利用される実際の投薬量は、患者の要求および治療する状態の重症度に依存して様々であり得る。個々の状況のための適正な投薬レジメンの決定は、当業者の範囲内である。便宜上、必要に応じて全日用量を分割し、その日中に少しずつ投与してもよい。
本発明の化合物および/またはそれらの医薬的に許容される塩の投与の量および頻度は、患者の年齢、状態およびサイズならびに治療する症状の重症度などの要因を考慮して担当臨床家の判断に従って調節されるであろう。経口投与のための典型的な推奨される1日あたりの投薬レジメンは、前記「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」約0.01mg/日から約2000mg/日にわたり得る。1つの実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約1mg/日から約1000mg/日である。もう1つの実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約1mg/日から約500mg/日である。もう1つの実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約100mg/日から約500mg/日である。もう1つの実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約1mg/日から約250mg/日である。もう1つの実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約100mg/日から約250mg/日である。さらにもう1つの実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約1mg/日から約100mg/日である。さらにもう1つの実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約50mg/日から約100mg/日である。さらなる実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約1mg/日から約50mg/日である。もう1つの実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約25mg/日から約50mg/日である。さらなる実施形態において、経口投与のための1日あたりの投薬レジメンは、約1mg/日から約25mg/日である。前記日用量は、単回投薬量で投与してもよく、または2から4分割用量に分割することができる。
キット
1つの態様において、本発明は、有効量の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグ、と医薬的に許容される担体とを含むキットを提供する。
もう1つの態様において、本発明は、1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグ、の量と上に列挙した少なくとも1つの追加の治療薬の量とを含むキットを提供し、この場合、それらの総合量が患者における「状態」の治療または予防に有効である。
併用療法レジメンの成分を1つより多くの組成物で投与することとなるとき、1つ以上の容器を収容する単一パッケージを含むキットでそれらを提供することができ、この場合、1つの容器が医薬的に許容される担体中の1つ以上の「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」を収容し、および第二の別の容器が医薬的に許容される担体中の追加の治療薬を含み、それぞれの組成物の活性成分は、その併用が治療的に有効であるような量で存在する。
もう1つの態様において、本発明は、少なくとも1つの「複素環式エーテルまたはチオエーテル誘導体」、または該化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグの量と上に列挙した少なくとも1つの抗癌療法および/または追加の抗癌剤の量とを含むキットを提供し、この場合、それら2つ以上の成分の量が結果として所望の治療効果を生じさせる。
本発明は、実施例に開示する特定の実施形態によって範囲を限定されるものではなく、本実施形態は、本発明の幾つかの態様の実例となるものと解釈し、ならびに機能的に等価であるいずれの実施形態も、本発明の範囲内である。実際、本明細書において示したおよび説明したものに加えて、本発明の様々な変形が、関連技術分野の技術者には明らかになるであろう。それらは、添付の特許請求の範囲内に入ると解釈する。
引用した多数の参考文献、それらの全開示は、それら全体が本明細書に援用されている。

Claims (24)

  1. 式:
    Figure 0005224616
    (式中、
    破線は、任意のおよび追加の結合を示し、ならびに
    Mは、−O−または−S−であり;
    は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−シクロアルキル、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキルまたは−(アルキレン)−ヘテロシクロアルケニルであり、この場合のいずれのアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基も、環炭素または環窒素原子において、3つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR、−(アルキレン)−N(R、−C(O)OR、−NHC(O)R、−C(O)N(R、−S(O)、−CN、−OH、−NO、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−シクロアルキル、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキルおよび−(アルキレン)−ヘテロシクロアルケニルから選択され;およびこの場合のいずれのアリールまたはヘテロアリール置換基も、5つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、−OH、アルキル、−C(O)OR、−N(R、−NHC(O)R、−C(O)N(R、−S(O)、−CN、−OH、−NO、および−O−アルキルから選択され;およびこの場合のいずれのアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基も、場合によっては、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基と縮合していることがあり;
    のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)Rもしくは−(アルキレン)−N(Rであり、またはRとそれが結合している環炭素原子とが合わさってカルボニル基を形成し;
    は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)−Rまたは−(アルキレン)−N(Rであり、あるいはRおよびR3aは、それらそれぞれが結合している共通の炭素原子と一緒になって、カルボニル基またはスピロ環式シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
    3aは、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)−Rまたは−(アルキレン)−N(Rであり;
    のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキル、−(アルキレン)−N(R、−(アルキレン)−OH、−(アルキレン)−NHC(O)R、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)−(アルキレン)−N(R、−(アルキレン)−NHC(O)R、−NHC(O)ORまたは−NHS(O)であり;
    のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールであり;
    のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキルまたはハロアルキルであり;
    は、H、アルキル、−OH、−O−アルキルまたはハロアルキルであり;
    10は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)Rまたは−(アルキレン)−N(Rであり、あるいはR10およびR10aは、それらそれぞれが結合している共通の炭素原子と一緒になって、カルボニル基またはスピロ環式シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
    10aは、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)−Rまたは−(アルキレン)−N(Rであり;
    11のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−(アルキレン)−C(O)N(R、−(アルキレン)−NHC(O)−Rもしくは−(アルキレン)−N(Rであり、またはR11とそれが結合している環炭素原子とが合わさってカルボニル基を形成し;
    12のそれぞれの存在は、独立して、H、アルキル、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキル、−S(O)、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−C(O)Rまたは−C(O)ORであり;
    Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであり、この場合のアリーレンまたはヘテロアリーレンは、その隣接する環炭素原子のいずれか2つによって連結されており、およびこの場合のアリーレンまたはヘテロアリーレン基は、4つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり、該置換基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、−NH、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−SR、−S(O)R、−S(O)、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−NHC(O)R、ハロアルキル、−CNおよびNOから独立して選択され、その結果ArがテトラヒドロナフチレンであるときにRおよびRが互いに水素以外であり;
    Wは、−N(R12 −、−S−、−O−または−C(R−であり、この場合、Wが−C(R−であるときには、両方のR基とそれらが結合している共通の炭素原子とが合わさって、スピロ環式シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基を形成することがあり、この場合、そのようなスピロ環式の基は、4つ以下の基で場合によっては置換されていることがあり、該基は、同じであることまたは異なることがあり、ならびにハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR、−(アルキレン)−N(R、−C(O)OR、−NHC(O)R、−C(O)N(R、−S(O)、−CN、−OH、−NO、−(アルキレン)−アリール、−(アルキレン)−シクロアルキル、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−ヘテロシクロアルキルおよび−(アルキレン)−ヘテロシクロアルケニルから選択され;
    Yは、H、ハロ、アルキルまたは−CNであり;
    Zは、任意のおよび追加の結合が不在であるときには−C(R)−または−N−であり、ならびにZは、任意のおよび追加の結合が存在するときには−C−であり;
    mのそれぞれの存在は、独立して、0または1であり;
    nは、0から2までの範囲の整数であり;および
    pは、0または1である)
    を有する化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物しくは立体異性体。
  2. Mが、−O−である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  3. Mが、−S−である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  4. が、アリール、−アルキレン−アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルケニルであり、これらのそれぞれが、ハロ、アルキル、−OH、−NH、ヘテロアリール、または−O−ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される3つ以下の基で場合によっては置換されていることがある、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  5. が、ハロ、アルキル、−OH、−NH、ヘテロアリール、または−O−ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される3つ以下の基で場合によっては置換されている、請求項4に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  6. が、
    Figure 0005224616
    である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  7. nおよびpが、それぞれ1である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  8. 、R、R3a、R10、R10aおよびR11が、それぞれ−Hである、請求項7に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  9. Zが、Nであり、およびWが、−C(R−である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  10. Wが、−CH(NH)−、−CH(OH)−またはCH(NHSOCH)である、請求項9に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  11. Arが、
    Figure 0005224616
    である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  12. Arが、
    Figure 0005224616
    である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  13. Zが、−N−であり、およびWが、−C(R−である、請求項11に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  14. Zが、−N−であり、およびWが、−C(R−である、請求項12に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体

  15. Figure 0005224616
    が、
    Figure 0005224616
    である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  16. が、
    Figure 0005224616
    である、請求項15に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  17. 式:
    Figure 0005224616
    (式中、
    Mは、−O−または−S−であり;
    Xは、−CH−または−N−であり;
    Wは、−C(R−であり;
    は、アリール、−アルキレン−アリールまたはヘテロアリールであり、この場合のいずれのアリールまたはヘテロアリール基も、アルキル、ハロ、−OH、−O−ハロアルキル、−N(R、ヘテロアリールおよび−C(O)ORからそれぞれ独立して選択される3つ以下の置換基で場合によっては置換されていることがあり;ならびに
    は、H、−ORまたは−N(Rである)
    を有する請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体。
  18. Mが、−O−である、請求項17に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  19. Mが、−S−である、請求項17に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  20. Xが、−CH−である、請求項19に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  21. が、
    Figure 0005224616
    である、請求項20に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  22. が、−NH、−NHSO−アルキルまたは−OHである、請求項21に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
  23. 以下の構造
    Figure 0005224616
    Figure 0005224616
    Figure 0005224616
    有する化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体。
  24. 精製された形態での、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体
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