JP5214382B2 - 地中を伝わる弾性波の発振方法及び地盤探査方法 - Google Patents

地中を伝わる弾性波の発振方法及び地盤探査方法 Download PDF

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Description

本発明は、地盤探査に用いられるS波を発振させる方法に関するものである。
これまで、地盤の探査方法には、火薬、爆薬、重錘落下または杭打撃により容易に発生可能なP波(Primary wave、縦波、疎密波とも呼ばれる)が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、地下水中を伝わるP波速度よりも遅い速度を持つ地盤では、水中を伝播したP波が検出され、有効な地下構造調査が困難な場合があるという問題点があった。そのため、固体中のみを伝播し、地下水の影響を受けないS波(Secondary wave、横波、ねじれ波、たわみ波、せん断波とも呼ばれる)を地盤探査に用いることが検討されている。
また、地盤探査にS波を用いることは、S波速度は耐震設計時に必要な地盤定数(動的剛性率)に直接関連するパラメーターである点、高い周波数のS波を発生・測定することが可能であれば、軟弱地盤などではS波はP波よりも波長が短く分解能に優れている点などのメリットがある。
S波の振源として、図13に示すような板たたき振源や、電磁ハンマー型振源等が利用されている。
特開2007−46408号公報
しかしながら、板たたき振源は、地表面からの発振でのダウンホール測定しか測定できず、また確実なS波発生が見込めないほか、軟弱な地盤では波長が大きくなり分解能が劣る、板を両側からたたきS波の発生を確認することから、非常に長い測定時間を要するなどの問題点があった。
また、電磁ハンマー型振源については、水を満たしたボーリング孔内でないと使用できないという問題点があった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、地表、ボーリング孔内のいずれにおいても確実にS波を発振する方法を提供することである。
前述した目的を達成するために、第1の発明は、地盤に、孔を形成する工程(a)と、前記孔内に、超磁歪素子を有する発振器を圧着して設置する工程(b)と、前記発振器が、S波を発振する工程(c)と、を具備し、前記発振器は、前記超磁歪素子と、前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、二つの前記振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることができることを特徴とする弾性波の発振方法である。
第2の発明は、第1の孔内に圧着された、超磁歪素子を有する発振器がS波を発振する工程(a)と、第2の孔内で、受振器が前記S波を受振する工程(b)と、を具備し、前記発振器は、前記超磁歪素子と、前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、二つの前記振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、S波を発振する工程において、前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることを特徴とする地盤探査方法。
第3の発明は、地盤中に、第1の孔と第2の孔を設ける工程(a)と、前記第1の孔に超磁歪素子を有する発振器を圧着して設置し、前記第2の孔に受振器を設置する工程(b)と、前記発振器がS波を発振する工程(c)と、前記発振器から発生した振動を受振する工程(d)と、前記工程(c)から前記工程(d)を、受振器の深度を変更し、繰り返す工程(e)と、前記工程(c)から前記工程(e)を、発振器の深度を変更し、繰り返す工程(f)と、前記S波の波形から、振動が発生した際の伝播時間を読み取り、振動の速度及び振動の速度の地盤構造を把握する工程(g)と、を有し、前記発振器は、前記超磁歪素子と前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、二つの前記振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、S波を発振する工程において、前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることを特徴とする地盤探査方法。
第4の発明は、測線上の地盤中に、発振孔と複数の受振孔を設ける工程(a)と、前記発振孔に超磁歪素子を有する発振器を圧着して設置し、前記受振孔に受振器を設置する工程(b)と、前記発振器がS波を発振する工程(c)と、前記受振器が前記S波を受振する工程(d)と、前記発振孔を測線上の他の位置に設ける工程(e)と、前記工程(b)から前記工程(d)を繰り返す工程(f)と、前記S波の波形から、前記振動の伝播時間を読み取り、走時曲線を描き、臨界屈折波を読み取り、はぎとり法等によって、地盤構造の評価を行う工程(g)と、を有し、前記発振器は、前記超磁歪素子と前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、前記二つの振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、S波を発振する工程において、前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることを特徴とする地盤探査方法。
第5の発明は、測線上の地盤中に、発振孔と複数の受振孔を設ける工程(a)と、前記発振孔に超磁歪素子を有する発振器を圧着して設置し、前記受振孔に受振器を設置する工程(b)と、前記発振器がS波を発振する工程(c)と、前記受振器が前記S波を受振する工程(d)と、前記S波の波形から、反射波を読み取って、共通点重合法を行い、共通反射点における波線と速度を算出する工程(e)と、を有し、前記発振器は、前記超磁歪素子と前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、前記二つの振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、S波を発振する工程において、前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることを特徴とする地盤探査方法。
また、前記振動子前記超磁歪素子の周りに設けられたコイルと、前記コイルの周りに設けられた永久磁石と、前記ロッドを、前記超磁歪素子の長軸方向に付勢するバネと、を更に有するとが望ましい。
本発明により、地表、ボーリング孔内のいずれにおいても確実にS波を発振する方法を提供できる。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
第1の実施形態に係る発振器1について説明する。
図1は、発振器1を示す図である。発振器1は、振動子3から突き出たロッド9に、圧着部5が取り付けられている。
振動子3は、ケーブル13により、外部の電源(図示せず)などに接続されており、所定の周波数でロッド9を往復運動させる。
圧着部5は、可動アーム7を備え、油圧伝達ホース11が外部の油圧発生装置(図示せず)が生じた圧力を伝達し、可動アーム7を圧着部5より突き出す。また、油圧発生装置の圧力を弱め、可動アーム7は圧着部5に戻る。可動アーム7は、突出自在に制御される。
図2は、振動子3の断面の概略図である。超磁歪素子15が、コイル17の中におかれ、コイル17の周りを永久磁石19が覆っている。超磁歪素子15はロッド9に接続し、ロッド9は、バネ21により、振動子3の長軸方向に力がかけられている。超磁歪素子15の図中左端は固定されており、超磁歪素子15は、図中右方向にのみ伸びることができる。
超磁歪素子15は、Tb0.3Dy0.7Fe2.0(テルビウム‐ディスプロジウム‐鉄)の化合物により形成される。コイル17に電流を流し、磁界を生じることで、超磁歪素子15は長軸方向へ通常0.1%以上伸張し、ロッド9を図中右側に押す。コイル17からの磁界がなくなると、超磁歪素子15は元の長さに戻り、ロッド9はバネ21の力により、初期位置に戻る。コイル17に電流を流すことで、超磁歪素子15は、伸縮する。超磁歪素子15の伸縮により、ロッド9が往復運動をする。
次に、発振器1による発振方法を説明する。地盤中にボーリングマシンなどでボーリング孔23を形成し、管22を入れる。図3(a)に示すように、管22内に発振器1を入れ、発振器1を所定の位置まで移動させる。管22は、樹脂製であることが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、油圧発生装置(図示せず)に圧力をかけ、圧着部5の可動アーム7を伸ばし、管22内で発振器1を固定する。
次に、図3(c)に示すように、振動子3を稼働させ、ロッド9を往復運動させると、圧着部5が管22の壁をこすり、S波24が発生する。
発振器1による発振は、振動子3を一定時間駆動させるスイープ発振でもよいし、振動子3を一回のみ駆動させるパルス発振でもよい。スイープ発振は、一定時間振動を加え続けるため、エネルギーが大きくなり、伝播距離が長い場合に適しているが、波の立ち上がりがわかりにくいという問題点がある。パルス発振は、板たたき震源と同様に、圧着部5を一度のみ管22の壁をこすらせることで振動を発生させる。また、ボーリング孔23に管22を入れずに、地盤に発振器1を直接圧着させ、管22がある場合と同様の手順でS波を発振させることも可能である。
なお、発振器1は、ボーリング孔23内でP波も同時に発生可能である。圧着部5が管22の壁または地盤を擦るようにS波を発生させると、S波が卓越するが、押し当てる力も作用し、P波成分も発生するからである。
次に、第1の実施形態について説明する。第1の実施の形態は、発振器1をダウンホール法の振源に用いる地盤調査である。図4(a)は、発振器1を用いたダウンホール法実験の構成を示す平面図、図4(b)は、図4(a)のA−A´断面図である。
ローム層25中に、長さ5.2m×幅2.4m×深さ2.0mの穴を掘削し、管径100mmの樹脂管35を深度1mに、管径200mmの樹脂管37を深度1.5mに埋設するように、珪砂27を敷き詰め、土槽28を作製した。管径100mm、深さ3.5mの発振孔31を土槽28の隅部に形成し、同様の受振孔29を発振孔31の対角の隅部に形成した。
珪砂27は、自然乾燥状態の6号珪砂である。
樹脂管35、樹脂管37、発振孔31、受振孔29は、塩化ビニル製のパイプである。
第1の実施の形態においては、発振孔31の深度0m地点に発振器1を設置し、受振孔29の深度0m地点に受振器33を設置し、測定を行った。ついで、受振器33を受振孔29のGL(グラウンドレベル)−0.5m、−1.0m、−1.5m、−2.0m、−2.5m、−3.0m、−3.2mである受振予定箇所39に順次移動し、計8回の測定を行った。なお、発振器1の圧着方向は、受振孔29の方向とした。
発振器1は、10Hzから3000Hzまでの周波数で、スイープ波形を発振する。
受振器33は、孔内圧着型の3成分型速度計を使用した。使用した3成分速度計は、地表から適量の窒素ガスを送ることにより、ゾンデ式のゴム式パッカーを開いてゾンデを孔壁に圧着することが可能である。
また、本発明に係るS波の発振法を従来の発振法と比較するため、比較例を行った。比較例は、土槽28を用いて、板たたき振源42を用いてのダウンホール法実験を実施した。図12(a)は、板たたき振源42を用いたダウンホール法実験の構成の平面図であり、図12(b)は図12(a)のD−D´断面図である。
図12(a)および図12(b)に示すように、第1の実施形態において発振器1が設置された地点に板たたき振源42がおかれる。第1の実施形態とは、発振手段が異なるのみで、他の構成は同じである。
板たたき振源42は、図13に示す構成であり、木製の矩形の厚い板43を地表面に敷き、板43にあけた穴にスパイク(図示せず)を打ち込んだ後、板43の上に錘45を載せて両側からカケヤで打撃47を加える。スパイクと錘45の効果により、地表に水平方向のせん断力を与えることになり、SH波を発生させることができる。また、それぞれ左右両側から打撃することにより、初動極性の反転状況からS波の発生を確認できる。
その結果、図5、図14に示すような波形ラインアップを得た。図5は、第1の実施形態における波形ラインアップであり、図14は、比較例における波形ラインアップである。図5においては、発振器1が圧着部5が発振孔31を上下方向にせん断してS波を発生させているので、3成分のうち、上下動成分に着目している。また、図11においては、板たたき振源42がSH波を発生させているため、水平動成分に着目し、板43を右からたたいた場合と左からたたいた場合の両方を示している。
図5、図14に、それぞれS波到達時刻の読み取り位置に矢印を示した。これらの走時と発受振点間の距離を用いて伝播速度を計算した。算出された伝播速度を第1の実施形態については表1に、比較例については表2に示す。
表1より、野外土槽実験における深度0.0mから3.2mまでのS波の伝播速度は、超磁歪素子15を有する発振器1を用いた第1の実施形態においては72m/secから78m/secの範囲であり、表2より、板たたき振源42を用いた比較例では80m/s〜85m/sの範囲であった。また、それぞれの平均値は74.7m/sおよび82.3m/sであり、標準偏差はどちらも約1.5m/sであった。速度の標準偏差は振源の違いによって差がなかったので、走時の読み取り誤差は同程度であると考えられる。
これらの結果から発振器1から得られたS波速度は、板たたき振源42から得られたS波速度よりもやや遅い値が算出されていることがわかるが、その差は3.0m/sから9.0m/sである。これは、図14で示したように、板たたき振源42によるS波の初動部が読取り易いのに対して、図5に示した発振器1によるS波では、振幅変化が大きく、鉛直動が大きくなった部分を初動部として読取っている。したがって、後者のほうが算出された速度が遅くなっていると考えられる。
第1の実施の形態によれば、ボーリング孔23の管22内で非破壊的にS波を発生することができる。
また、第1の実施の形態によれば、発振器1は、板たたき振源42では実現できない周波数の制御と高周波での発振が可能である。
また、第1の実施の形態によれば、発振器1は、S波に加えて、P波を発生可能である。
また、第1の実施の形態によれば、発振器1は、管22内に圧着してS波を発生させることができるため、ダウンホール法だけでなく孔間の速度構造を把握するトモグラフィ測定が可能になる。
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、双方向発振器2を振源に用いるダウンホール法による地盤調査であり、第1の実施形態の発振器1を双方向発振器2に変えた実施形態である。
図6に示すように、双方向発振器2は、圧着部5の上端に、ロッド9aを介して振動子3aが設けられ、圧着部5の下端には、ロッド9bを介して、振動子3bが設けられる。振動子3aの振動方向と、振動子3bの振動方向は、軸が同じである。
図7は、第2の実施形態における、双方向発振器2のパルス発振を説明する図である。図7(a)に示すように、振動子3aが駆動する場合には、圧着部5は下方向へ移動し、下向き発振となる。一方、図7(b)に示すように、振動子3bが駆動する場合には、圧着部5は上方向へ移動し、上向き発振となる。
図7(c)は、上向き発振と下向き発振を説明する図である。図7(c)の点線は、図7(a)における下向き発振による波形のイメージであり、図7(c)の実線は、図7(b)における上向き発振による波形のイメージである。図7(c)に示すように、下向き発振と上向き発振とでは、生じる波形が反転しており、ボーリング孔内において、反転発振を行うことが可能となる。第2の実施形態においては、パルス発振を行っているが、スイープ発振を行ってもよい。また、ボーリング孔23に管22を入れずに、地盤に双方向発振器2を直接圧着させ、S波を発振させることも可能である。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態により得られる効果に加えて、双方向発振器2を用いることで、地表での板たたき振源と同様に、波形の反転によりS波の到達を確認することができ、確実なS波の発生・到達確認が可能になる。
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、発振器1を振源に用いるトモグラフィ法による地盤調査である。図8(a)は、第2の実施の形態の構成を示す平面図であり、図8(b)は図8(a)のB−B´断面図である。以下の実施形態で第1の実施形態と同一の様態を果たす要素には同一の番号を付し、重複した説明は避ける。
第3の実施形態においては、図8(a)および図8(b)に示すように、第1の実施形態で使用した土槽28を用い、発振器1を発振孔31に設置し、受振器33を受振孔29に設置して複数の深度で測定を実施する。発振点、受振点ともにGL−0.0m、―0.5m、−1.0m、−1.5m、−2.0m、−2.5m、−3.0m、−3.2mで深さを変え、発振予定箇所41に発振器1を、受振予定箇所39に受振器33を設置して実験を行った。
第3の実施形態においては、発振器1と受振器33をひとつずつ用いて実施したが、受振器33の数を増やしてもよい。
トモグラフィ解析断面は、発振孔31と受振孔29で囲まれた長さ5.19m×深さ3.2mの長方形断面とした。図9および図10にS波トモグラフィの最終解析結果としてのS波速度分布とこの速度分布を算出した際の波線図を示す。また、トモグラフィ測定実験については、発受振点の相互関係とSv波初動部の押し引きの関係もチェックした。
図9をみると、断面内のS波速度分布は60m/sから80m/sまでの値を示している。発振孔31近くの深度1.5m付近では相対的に低速度を示しているが、これは図9に示すように、珪砂27中に埋設された管径200mmの樹脂管37による影響と考えられる。一方受振孔29側の深度1.0mに埋設された管径100mmの樹脂管35による影響は確認できない。
今回の結果のように、管径200mmの樹脂管37が確認できて、管径100mmの樹脂管35が確認できなかった理由としては、本実験で得られたS波の周波数はおおよそ100Hzであり、V=80m/sと仮定すると波長は800mmとなり、このような波長の波による探査では、管径200mmあたりが分解能であったためと考えることができる。
別途実施したP波の測定では、地盤のP波速度はおおよそ200m/s、周波数150Hzであったので、波長が1300mm程度と考えられ、P波による地盤探査よりも、S波による地盤探査が有利であることを示すことができた。
次に、第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態は、双方向発振器2を振源に用いるトモグラフィ法による地盤調査であり、第3の実施形態の発振器1を双方向発振器2に変えた実施形態である。
第4の実施形態によれば、第3の実施形態により得られる効果に加えて、双方向発振器2を用いることで、地表での板たたき振源と同様に、波形の反転によりS波の到達を確認することができ、確実なS波の発生・到達確認が可能になる。
次に、第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態は、発振器1を振源に用いる弾性波屈折法による地盤調査である。図11(a)は、第5の実施の形態の構成を示す平面図であり、図11(b)は、図11(a)のC−C´断面図である。
第5の実施形態においては、測線を決定し、測線上に受振器33および発振孔31などを設置する。発振孔31内には、超磁歪素子15を有する発振器1を油圧で圧着させ、GL0mに設置する。また、受振器33は、測線上に、0.5m間隔で複数設置する。発振器1を発振させ、波形を観測した後、発振器1を、測線の中央付近や、隅部など、測線上の別の位置に移動させ、再度波形を測定する。以上測定結果の波形からP波、S波の発生した伝播時間を読取り、走時曲線を描くことでP波、S波速度を把握することができる。また描いた走時曲線から臨界屈折波を読取り、はぎとり法等によって、簡易な速度構造の評価を行うことができる。
次に、第6の実施形態について説明する。
第6の実施形態は、双方向発振器2を振源に用いる弾性波屈折法による地盤調査であり、第5の実施形態の発振器1を双方向発振器2に変えた実施形態である。
第6の実施形態によれば、第5の実施形態により得られる効果に加えて、双方向発振器2を用いることで、地表での板たたき振源と同様に、波形の反転によりS波の到達を確認することができ、確実なS波の発生・到達確認が可能になる。
次に、第7の実施形態について説明する。
第7の実施形態は、発振器1を振源に用いる弾性波反射法による地盤調査である。第7の実施形態は、第5の実施形態と同様な、図11に示すような構成である。
第7の実施形態においては、測線を決定し、第5の実施形態同様、測線上に受振器33および発振孔31などを設置する。発振器1を発振孔31において、GL0mに設置する。また、複数の受振器33を、測線上に0.5m間隔で設置する。発振器1を発振させ、P波とS波を発生させ、受振器33にて波形を観測する。測定結果の波形から、反射波を読み取って、共通点重合法を行って、共通反射点における波線と速度を算出し、更にそれらを利用して走時補正することで、速度構造評価が可能となる。
次に、第8の実施形態について説明する。
第8の実施形態は、双方向発振器2を振源に用いる弾性波反射法による地盤調査であり、第7の実施形態の発振器1を双方向発振器2に変えた実施形態である。
第8の実施形態によれば、第7の実施形態により得られる効果に加えて、双方向発振器2を用いることで、地表での板たたき振源と同様に、波形の反転によりS波の到達を確認することができ、確実なS波の発生・到達確認が可能になる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかる発振方法等の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しえることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
第1の実施形態に係る発振器1を示す図。 第1の実施形態に係る振動子3の断面の概略図。 第1の実施形態に係る発振器1の発振方法を示す図。 第1の実施形態および第2の実施形態の構成を示す(a)平面図、(b)断面図。 第1の実施形態による上下動成分の波形ラインアップを示す図。 第2の実施形態に係る双方向発振器2を示す図。 第2の実施形態に係る双方向発振器2の発振を説明する図。 第3の実施形態および第4の実施形態の構成を示す(a)平面図、(b)断面図。 第3の実施形態のトモグラフィ解析結果としてのS波速度分布図。 第3の実施形態のトモグラフィ解析結果としての波線図。 第5の実施形態ないし第8の実施形態の構成を示す(a)平面図、(b)断面図。 比較例の構成を示す(a)平面図、(b)断面図。 比較例に係る板たたき振源42を示す図。 比較例による水平動成分の波形ラインアップを示す図。
符号の説明
1………発振器
2………双方向発振器
3………振動子
5………圧着部
7………可動アーム
9………ロッド
11………油圧伝達ホース
13………ケーブル
15………超磁歪素子
17………コイル
19………永久磁石
21………バネ
22………管
23………ボーリング孔
24………S波
25………ローム層
27………珪砂
28………土槽
29………受振孔
31………発振孔
33………受振器
35、37………樹脂管
39………受振予定箇所
41………発振予定箇所
42………板たたき振源
43………板
45………錘
47………打撃

Claims (7)

  1. 地盤に、孔を形成する工程(a)と、
    前記孔内に、超磁歪素子を有する発振器を圧着して設置する工程(b)と、
    前記発振器が、S波を発振する工程(c)と、
    を具備し、
    前記発振器は、
    前記超磁歪素子と、前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、
    前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、
    二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、
    二つの前記振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、
    前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることができる
    ことを特徴とする地中を伝わる弾性波の発振方法。
  2. 前記振動子
    前記超磁歪素子の周りに設けられたコイルと、
    前記コイルの周りに設けられた永久磁石と、
    前記ロッドを、前記超磁歪素子の長軸方向に付勢するバネと、
    更に有するとを特徴とする請求項1記載の地中を伝わる弾性波の発振方法。
  3. 第1の孔内に圧着された、超磁歪素子を有する発振器がS波を発振する工程(a)と、
    第2の孔内で、受振器が前記S波を受振する工程(b)と、
    を具備し、
    前記発振器は、
    前記超磁歪素子と、前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、
    前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、
    二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、
    二つの前記振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、
    S波を発振する工程において、前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることを特徴とする地盤探査方法。
  4. 地盤中に、第1の孔と第2の孔を設ける工程(a)と、
    前記第1の孔に超磁歪素子を有する発振器を圧着して設置し、前記第2の孔に受振器を設置する工程(b)と、
    前記発振器がS波を発振する工程(c)と、
    前記発振器から発生した振動を受振する工程(d)と、
    前記工程(c)から前記工程(d)を、受振器の深度を変更し、繰り返す工程(e)と、
    前記工程(c)から前記工程(e)を、発振器の深度を変更し、繰り返す工程(f)と、
    前記S波の波形から、振動が発生した際の伝播時間を読み取り、振動の速度及び振動の速度の地盤構造を把握する工程(g)と、
    を有し、
    前記発振器は、
    前記超磁歪素子と前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、
    前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、
    二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、
    二つの前記振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、
    S波を発振する工程において、前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることを特徴とする地盤探査方法。
  5. 測線上の地盤中に、発振孔と複数の受振孔を設ける工程(a)と、
    前記発振孔に超磁歪素子を有する発振器を圧着して設置し、前記受振孔に受振器を設置する工程(b)と、
    前記発振器がS波を発振する工程(c)と、
    前記受振器が前記S波を受振する工程(d)と、
    前記発振孔を測線上の他の位置に設ける工程(e)と、
    前記工程(b)から前記工程(d)を繰り返す工程(f)と、
    前記S波の波形から、前記振動の伝播時間を読み取り、走時曲線を描き、臨界屈折波を読み取り、はぎとり法等によって、地盤構造の評価を行う工程(g)と、
    を有し、
    前記発振器は、
    前記超磁歪素子と前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、
    前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、
    二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、
    前記二つの振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、
    S波を発振する工程において、前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることを特徴とする地盤探査方法。
  6. 測線上の地盤中に、発振孔と複数の受振孔を設ける工程(a)と、
    前記発振孔に超磁歪素子を有する発振器を圧着して設置し、前記受振孔に受振器を設置する工程(b)と、
    前記発振器がS波を発振する工程(c)と、
    前記受振器が前記S波を受振する工程(d)と、
    前記S波の波形から、反射波を読み取って、共通点重合法を行い、共通反射点における波線と速度を算出する工程(e)と、
    を有し、
    前記発振器は、
    前記超磁歪素子と前記超磁歪素子に接続されたロッドとを有する振動子と、
    前記ロッドを介して前記振動子と接続された圧着機構とからなり、
    二つの前記振動子が前記圧着機構の両端に接続してなる双方向発振器であり、
    前記二つの振動子は、振動方向の軸が孔の深さ方向であって同じであり、
    S波を発振する工程において、前記双方向発振器は、第1の振動子によりS波を発生させた後に、第2の振動子により逆向きのS波を発生させることを特徴とする地盤探査方法。
  7. 前記振動子
    前記超磁歪素子の周りに設けられたコイルと、
    前記コイルの周りに設けられた永久磁石と、
    前記ロッドを、前記超磁歪素子の長軸方向に付勢するバネと、
    更に有するとを特徴とする請求項ないし請求項6のいずれかに記載の地盤探査方法。
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