以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて、ショーケースに用いられる照明装置を例に詳述する。図1は、本発明に係る照明装置の模式的分解斜視図である。図2は、本発明に係る照明装置の模式的正面図である。
図において1は、矩形板状をなし、光源を保持する保持体としてのLED基板であり、プリント配線基板である。LED基板1の一面には、LED21,21…がLED基板1の長手方向に沿って複数配してあり、LED21,21…に電流を供給すべく、回路パターンが形成してある。図3は、LED基板1の回路パターンの模式図である。図4は、図3の部分拡大図である。
LED基板1の一面1aには、図3に示すように、LED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2dの4つのLED列がLED基板1の長手方向に沿って線状に配してある。各LED列は、6つのLED21,21…及び該LED21,21…に一定の電流を流すための制限抵抗22を直列に接続してなる。なお、LED21は、LED素子と、該LED素子を封止し、蛍光体が分散された封止樹脂と、入力端子及び出力端子とを備えてなる表面実装型LEDである。
このように4つのLED列が線状に配してあるLED基板1の一面1aのLED基板1の長手方向(複数のLED21,21…の配設方向)の略中央には、LED21に供給される電流を一定にする定電流回路部3が設けてある。定電流回路部3は、レギュレータIC31と、抵抗32とを備えてなる。
また、LED基板1の一面1aの長辺側の縁部には、後述するように、連結される他のLED基板に電源を供給すべく設けられた電源供給用の回路パターン11,12がLED基板1の略全長に亘って形成してある。電源供給用の回路パターン11,12の両端には、第1の接続部41,41及び第2の接続部42,42が夫々設けてある。なお、複数のLED基板1間の接続は、これら第1の接続部41,41同士、及び第2の接続部42,42同士をジャンパ線により接続することにより行う。
電源供給用の回路パターン11には、定電流回路部3の入力端が接続してあり、定電流回路部3の出力端には、LED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2dの入力端が夫々接続してある。なお、この定電流回路部3の出力端は、LED基板1の中央に位置するようにしてある(図3中に2点鎖線の円にて囲繞された部分を参照)。これにより、定電流回路部3の出力端からLED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2d夫々までの配線長の差を小さくする、換言するとLED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2d夫々までの配線長を平均化することができる。LED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2dの出力端は、電源供給用の回路パターン12に接続してある。
電源供給用の回路パターン11,12上には、電気良導体13が略全長に亘って断続的に設けてある。電気良導体13は、図4に示すように、電源供給用の回路パターン11,12の長手方向に対して傾斜する平行な2辺を有する平行四辺形状に形成してある。本実施の形態において、電気良導体13は半田であり、回路パターン11,12上に接合させてある。本実施の形態において、電気良導体13を平行四辺形状に形成してあるのは、回路パターン11,12の長手方向に沿った抵抗の増減幅が大きくならないようにするためである。
以上のように、LED21,21…と、定電流回路部3と、これらLED21,21…及び定電流回路部3が実装されたLED基板1とを備えてなるLEDモジュール(光源モジュール)10は、支持部材20に設けてある。図5は、照明装置の主要部(灯部)の模式的断面図である。支持部材20は、図5に示すように、複数のLEDモジュール10,10…を支持する支持部20aと、複数のLEDモジュール10,10…からの光を所定方向に反射する反射部20bとを備えている。支持部20aは、LEDモジュール10が取付けられる矩形板部と、該矩形板部の長辺側の端部に立設された2側壁とを有してなる。なお、支持部材20は、アルミニウム等の金属製である。
この支持部材20の支持部20aの矩形板部には、複数のLEDモジュール10,10…が、支持部20aの長手方向に沿って、図5に示すように、支持部20aの側壁とギャップG1を有して取付けてある。そして、複数のLEDモジュール10,10…間は、第1の接続部41,41及び第2の接続部42,42をジャンパ線によって接続することにより接続してある。このように、複数のLEDモジュール10,10…は、複数のLED21,21…の配設方向に連結してある。
このように支持部20aの矩形板部及び側壁からなる凹部にLEDモジュール10,10…を設けているから、LEDモジュール10,10…を支持部材20に取付けるときの位置決めを容易にすることができる。本実施の形態においては、複数のLEDモジュール10,10…間の接続は、第1の接続部41,41及び第2の接続部42,42をジャンパ線により接続することにより行うようにしてあるが、例えば、オスコネクタとメスコネクタの一対のコネクタ(基板対基板コネクタ)によりLEDモジュール10,10…間を接続するように構成した場合において、取付作業時にコネクタに大きな力が作用しないようにすることができる。基板対基板コネクタを用いる場合、先にオスコネクタとメスコネクタを嵌合させ、その後にLEDモジュール10,10…をネジ等により支持部材20に固定するが、この固定作業時に、LEDモジュール10に回転方向に力が加わりLEDモジュール10が回転するとコネクタに応力がかかり破損してしまう虞があった。しかしながら、本実施の形態の如く、LEDモジュール10を凹部に取付けるように構成することにより、LEDモジュール10に回転方向に力が加わった場合においても、LEDモジュール10は支持部20aの側壁とのギャップG1に応じた範囲でしか動かないから、コネクタに大きな応力が加わることを防止することができる。
以上のように取付けられたLED21,21…は、光出射方向が略同一になるように支持部20aの長手方向に沿って配されることになる。なお、支持部材20に固定されたLED21,21…及びLED基板1の表面は、防水性を維持するために樹脂(図示せず)により被覆してある。樹脂は、防水性の樹脂であり、例えば、シリコーン系樹脂である。
反射部20bは、支持部20aの長手方向に沿って、支持部20aから複数のLED21,21…の光出射方向に向けて広がるように形成してある。この反射部20bと複数のLED21,21…の光軸(光出射方向)とがなす角度θ1は、照明装置を設置する場所の形状、照明装置の配置に応じて適切に設定してある。本実施の形態においては、θ1=15°に設定してある。
支持部材20の反射部20bの内面には、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)を基材として用いた反射シート(図示せず)が貼り付けてある。なお、支持部材20の反射部20bの構成はこれに限定されず、LED21からの光を高反射率にて反射可能なように構成してあればよい。例えば、ステンレス等の金属、反射率の高い塗料が塗布された金属、又は光散乱性の金属酸化物(例えば二酸化チタン)等の材料を充填した樹脂材料(例えばポリカーボネート)により形成してもよい。支持部材20の反射部20bをこのように構成することにより、反射部20bの内面、又は該内面に沿って設けられた反射シートにより、複数のLED21,21…の光出射方向に向けて広がる反射面が形成されることになる。
また、支持部材20の反射部20bの端部には、支持部20aのLEDモジュール10の取付面に平行な2つの矩形板からなる係合部20cが夫々設けてある。この係合部20cには、図中にて二点鎖線にて示す矩形平板状の透光板30が介装してある。透光板30は、例えば、拡散剤が適量添加された半透明なポリカーボネート樹脂製である。透光板30は、支持部材20の係合部2cに支持部20aの取付面に平行な方向から挿入して係合させることにより、支持部材20に取付けてある。
この支持部材20の長手方向の両端には、サイドカバー40,40が夫々嵌入される。サイドカバー40は、支持部材20の横断面形状と略同一形状を有する板状である。サイドカバー40の一面には、該一面に平行な雌ネジが形成されたボス部が設けてあり、他面には、該他面に直交する雌ネジが設けてある。サイドカバー40の一面の側には、該一面に直交する矩形板状の被覆部40a及び突設部40bが設けてある(図2及び図5参照)。サイドカバー40は、一面の側を内側にして、支持部材20に嵌入され、ネジを支持部材20の支持部20aに設けられた貫通穴に挿通し、サイドカバー40のボス部に形成された雌ネジに螺合することにより支持部20aに固定してある。このように固定されることにより、サイドカバー40の被覆部40aと突設部40bとの間に透光板30の長手方向の両端部が保持されることになる。このように一体化されたLEDモジュール10,10…、支持部材20、透光板30及びサイドカバー40,40により灯部100が構成される。
なお、被覆部40aの透光板30と平行な方向への突設長は、樹脂製の透光板30と金属製の支持部材20との線膨張率の差に応じて適切に設定してある。これにより、透光板30と支持部材20の温度上昇に伴う伸びの差を被覆部40aにて吸収することができる。これにより、LEDモジュール10,10…は、支持部材20、透光板30及びサイドカバー40により常に覆われることになり、美観に資すると共に、水滴、異物等が灯部100の内部に入り込むことを防止することができる。
以上のように組み込まれた2つの灯部100は、固定アングル50,50により一体化される。固定アングル50は、矩形平板部51と、該矩形平板部51の一辺に立設され、2つの灯部100,100を固定する固定板部52と、矩形平板部51の固定板部52を挟む両側に立設され、取付アングル60,60が取付けられる取付板部53,53とを備えている。支持部材20,20を支持部20a,20aの側が対向し、光出射方向が固定アングル50,50に対して所定の角度を有するように位置決めして、ネジ71,71を、固定アングル50,50の固定板部52,52に設けられた貫通穴に挿通させ、サイドカバー40,40に設けられたネジ穴に螺合させることにより、2つの灯部100,100が一体化される。そして、このネジ71,71を緩めることにより、支持部材20,20夫々をネジ71,71を中心として、支持部20a,20aの長手方向に沿う軸周りに、複数のLED21,21…と一体的に回動することが可能となる。
固定アングル50には、照明装置をショーケースの支柱等の被取付部材に取付ける矩形状の取付板部61を備える取付アングル60が取付けてある。取付アングル60は、取付板部61の平行な2辺に立設された固定板部と固定アングル50の取付板部53,53とをネジ72,72により固定することにより、固定アングル50に一体化してある。以上のように一体化されてなる照明装置は、取付アングル60の取付板部61の側にてショーケースの支柱等の被取付部材に取付けられる。
図6は、照明装置の構成を模式的に示すブロック図である。照明装置の2つの灯部100,100の一端側のLEDモジュール10の電源接続部4aには、直流電源装置110から電源が供給される。該LEDモジュール10の電源接続部4aには、前述した定電流回路部3の入力端が接続してあり、定電流回路部3の出力端には前述した4つのLED列2a,2b,2c,2dからなる光源部2の入力端が接続してある。該光源部2の出力端には、前述した第1の接続部41及び第2の接続部42を有する基板間接続部4が接続してある。この一端側のLEDモジュール10に連結されるLEDモジュール10及び後続のLEDモジュール10,10…は、電源接続部4aに代えて基板間接続部4を備えている。
図7は、LEDモジュールの概略構成を示す回路図である。基板間接続部4の第1の接続部41には、直流電源装置110にて外部電源から供給された交流電流を直流電流に整流したのちの24Vの電源電圧が供給される。2つの第1の接続部41,41間には連結される他のLEDモジュールに電源を供給すべく設けられた電源供給用の回路パターン11が設けてある。この回路パターン11には、定電流回路部3の入力端が接続してある。定電流回路部3は、レギュレータIC31と、抵抗32とを備え、レギュレータIC31の出力端子及び調整端子間の電圧を一定に保つように制御することにより、抵抗32の抵抗値に応じた一定の電流値になるように出力電流を調整するように構成してある。
定電流回路部3の出力端には、LED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2dの入力端が夫々接続してある。前述したように、LED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2d夫々は、6つのLED21,21…及び該LED21,21…に一定の電流を流すための制限抵抗22を直列に接続してなる。LED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2dの出力端は、電源供給用の回路パターン12に接続してある。回路パターン12の両端には、基板間接続部4の第2の接続部42,42が設けてあり、第2の接続部42,42は接地用の電線に接続される。
以上のように構成された照明装置において、電源の投入に伴い、直流電源装置110から整流された直流電流が供給されたとき、供給された電流は定電流回路部3にて一定の電流値になるように調整されたのち、LED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2d夫々に供給される。
図8は、各LED列に供給される駆動電流の計測結果を示す図である。図8において、各LED列A、LED列B、LED列C及びLED列Dに定電流回路部3により20mAの駆動電流を供給するように設定した場合に、定電流回路部3をLED列A2aとLED列B2bとの間に配置した場合(従来)と、定電流回路部3をLED列B2bとLED列C2cとの間に配した場合、換言すると複数のLED21,21…が配設された方向のLED基板1の中央に配した場合(本発明)とで各LED列に実際に供給される駆動電流値を比較している。図からわかるように、従来の配置においては、LED列Dにおいて、駆動電流値は19.5mAとなっており、設定値である20mAよりも2.5%減少している。一方、本発明の中央配置においては、LED列Dにおいて、駆動電流値は19.8mAとなっており、設定値である20mAからの減少分は1%であり、従来の配置と比較して改善していることがわかる。
以上のように、定電流回路部3をLED基板1の長手方向の中央に配置することにより、各LED列までの配線長の差を小さくする、換言すると各LED列までの配線長を平均化することができるから、各LED列に供給される駆動電流のばらつきを小さくすることができる。この結果、光量のばらつきを抑制することができ、LED列A2a、LED列B2b、LED列C2c及びLED列D2dが略同一の明るさにて安定して点灯することになり、LEDモジュール10全体を略均一な明るさにて発光させて、照明装置全体を略均一な明るさにて発光させることができる。
なお、定電流回路3が配置される略中央とは、LED基板1の端部からの距離が等しい略中央に限定されず、LED基板1において少なくとも複数のLED21が配置された領域の略中央であってもよい。その場合でも、定電流回路3を各LED列までの配線長の差を小さくすることができるので、LEDモジュール10全体を略均一な明るさにて発光させることができる。
図9は、複数のLEDモジュールを一連になるように4つ連結した場合における各LEDモジュール10,10…の入力電圧及びLED駆動電流の計測結果を示す図である。電源供給用の回路パターン11,12に電気良導体13である半田を設けていない場合(従来)と、各LEDモジュール10,10…のLED基板1に形成された電源供給用の回路パターン11,12に電気良導体13である半田を図4に示すように設けた場合(本発明)とで各LEDモジュール10,10…のLED基板1への実際の入力電圧及びLED駆動電流を比較している。なお、複数のLEDモジュールは、直流電源装置に近い方からLEDモジュールA、LEDモジュールB、LEDモジュールC及びLEDモジュールDの順に一連になるように連結してある。
図からわかるように、従来の半田なしの場合、LEDモジュールDのLED基板への入力電圧はLEDモジュールAと比較して、−0.48Vとなっており、この電圧低下に伴い、LEDモジュールDのLED駆動電流はLEDモジュールAと比較して14%減少している。一方、本発明の半田ありの場合、LEDモジュールDのLED基板への入力電圧はLEDモジュールAと比較して、−0.13Vとなっており、LEDモジュールDのLED駆動電流はLEDモジュールAと比較して2%の減少にとどまっている。
なお、本比較においては、定電流回路部が直流電源装置にある場合のデータであり、前述した構成の照明装置においての計測結果とは異なるが、本発明に係る照明装置においても、LED駆動電流の減少を抑制する効果が得られる。因みに、前述した構成の照明装置のように、定電流回路部を各LEDモジュールに設ける場合、従来のLED駆動電流は、図9に示したように徐々に低下せず、例えば、LEDモジュールCまでは設定電流値にほぼ近い値となり、LEDモジュールDにおいて急激に低下することになる。これは、LED基板入力電圧とLEDの順方向電圧との差が小さくとなると、定電流回路が動作する電圧範囲が狭くなるため定電流回路に必要な電圧を確保することができなくなるからである。
以上のように、電気良導体13として半田を電源供給用の回路パターン11,12に接合させることにより、LED基板1の幅を十分に確保することが困難な場合においても、電気良導体13の分だけ断面積を増加させて電気抵抗を低減することができ、配線損失を低減することができる。この結果、複数のLEDモジュール10,10…を一連になるように連結した場合に、電圧降下を抑制することができる。よって、複数のLEDモジュール間のばらつきを抑制して光量を略等しくすることができ、複数のLEDモジュール全体を略均一な明るさにて発光させることが可能となり、照明装置全体を略均一な明るさにて発光させることができる。
以上のように構成された照明装置は、2つの灯部100,100を有しているが、1つの灯部100を有する照明装置についても同様に構成される。図10は、本発明に係る照明装置のショーケースへの取付状態の説明図であり、ショーケースの一部を示している。図10に示すショーケース120は、筐体状のケース本体の正面に透明扉121を複数備えたクローズタイプのショーケースであり、冷凍食品、冷蔵食品、生鮮食品等の商品の陳列販売用のショーケースである。透明扉121の両側には、支柱130,131が設けてあり、ショーケース120の隅部の支柱130には、1つの灯部100を有する照明装置が、ショーケース120の透明扉121間にある支柱131には、2つの灯部100,100を有する照明装置が夫々設けてある。これら照明装置は、支柱131,130に、照明装置の長手方向が上下方向(垂直方向)になるように、照明装置から出射される光とショーケース120の前面とが所定角度θ2をなすように、取付アングルを介して取付けてある。なお、本実施の形態においては、θ2=10°になるように照明装置が取付けてある。
これら照明装置の灯部100,100からの光は、ショーケース120の内部に向けて出射される。そして、本発明に係るLEDモジュールは、前述したように定電流回路部3を配置しているから、LEDモジュール10の各LED列間の光量のばらつきを抑制することができる。また、本発明に係る照明装置においては、灯部100の複数のLEDモジュール10,10…夫々に定電流回路部3を設けて、熱源である定電流回路3を各LEDモジュール10,10…に分散しているから、複数のLEDモジュール10,10…間の温度を略均一化することができる。この結果、LEDモジュール10,10…間の光量のばらつきを抑制することができる。また、電源供給用の回路パターン11,12上に電気良導体13を設けているから、抵抗を低減することができ、LED基板1の幅を十分に確保することが困難な場合においても、後段のLEDモジュール10への入力電圧を確保することができる。この結果、複数のLEDモジュール10,10…の光量を略等しくすることができ、照明装置全体を略均一な明るさにて発光させることができる。
そして、LEDの順方向電圧は温度の低/高に応じて高/低となるから、冷凍食品、冷蔵食品等の商品の陳列販売用のショーケースのように内部が低温となる場所に照明装置が設置される場合には特に、LEDモジュールを所定光量にて点灯させるために必要となるLEDの順方向電圧に応じて定まる必要電圧が高くなり、該必要電圧とLED基板1への入力電圧との差が小さくなる。この場合においてLED基板1への入力電圧が低下すると、連結したLEDモジュールの後段のLEDモジュールの光量が急激に低下して問題となるところ、前述したように、電源供給用の回路パターン11,12上に電気良導体13を設けているから、後段のLEDモジュール10への入力電圧を確保することができる。
また、光源としてLEDを用いている。LEDは小型であるから、設置スペースが少なくてすむ。
なお、以上の実施の形態においては、複数のLED(複数のLED列)がLED基板の長手方向に沿って線状に配してあるとして、複数のLED21,21…(複数のLED列2a,2b,2c,2d)がLED基板の長手方向に沿って一列に配してある場合を例に説明したが、これに限定されず、複数列配してある場合でもよい。即ち、複数の光源が線状に配してあるには、複数のLED(複数のLED列)がLED基板の長手方向に沿って複数列配してある場合も含む。
以上の実施の形態においては、一のLEDモジュールから他のLEDモジュールへ電源を供給する電源供給用の回路パターン11,12上に電気良導体13を設けて配線損失を低減するように構成されたLEDモジュール10として、LED21,21…が細長いLED基板1に該LED基板1の長手方向に沿って一列に配したLEDモジュール10を例に説明したが、これに限定されず、以下に述べるように、矩形状のLED基板に該LED基板の長手方向に沿って複数列配したLEDモジュールについても同様に構成することができる。
図11は、複数のLEDモジュールを一連に連結する他の照明装置の模式的正面図である。図12は、図11の部分拡大図である。図13は、図11のXIII−XIII線による模式的断面図である。本実施の形態に係る照明装置として、天井に設置して用いられる所謂シーリングライトを例に以下説明する。
図において201は、矩形板状をなし、光源を保持する保持体としてのLED基板であり、プリント配線基板である。LED基板201の一面201aには、LED221,221…がLED基板201の長手方向に沿って線状に複数列配してある。LED基板201の一面201aの縁部には、連結される他のLED基板201に電源を供給すべく設けられた電源供給用の回路パターン211,212がLED基板201の略全長に亘って形成してある。なお、電源供給用の回路パターン211,212以外の回路パターンの図示は省略している。
電源供給用の回路パターン211,212上には、電気良導体213が略全長に亘って断続的に設けてある。電気良導体213は、図12に示すように、電源供給用の回路パターン211,212の長手方向に対して傾斜する平行な2辺を有する平行四辺形状に形成してある。本実施の形態において、電気良導体213は半田であり、回路パターン211,212に接合させてある。
LED基板201には、LED221,221…に一定の電流を流すための制限抵抗(図示せず)、電源供給用の回路パターン211,212の両端に設けられた第1のコネクタ204a及び第2のコネクタ204bが夫々設けてある。これら第1のコネクタ204a及び第2のコネクタ204bは、オスコネクタとメスコネクタの一対のコネクタ(基板対基板コネクタ)であり、LED基板201及び複数のLED221,221…を備えてなるLEDモジュール210,210…間を接続するように構成してある。このように、基板対基板コネクタを用いることにより、LED基板夫々にコネクタを設け、コネクタ間を電線等により接続する場合と比較して、コネクタの接触抵抗による電圧降下を低減することができる。
照明装置の長手方向の一端側のLEDモジュール210には、電源回路部にその一端が接続される電線の他端が接続される電源接続部が設けてある。図14は、電源接続部の説明図である。図14(a)は模式的部分拡大図を、図14(b)は図14(a)の XIV−XIV 線による模式的断面図を夫々示している。電源接続部は、図に示すように、LED基板201に設けた穴にLED基板201の他面201bの側から電線の先端204cを挿入して、LED基板201の一面201aの側にて半田204bにより接合して電線の先端204cを固定することにより、電線とLED基板201の一面201aに形成された回路パターンとを接続するように構成してある。このように最も流れる電流が大きい電源接続部は半田を用いて接続して、接触不良による発熱等の異常の発生を抑制している。
これらLEDモジュール210,210…は支持部材220に設けてある。支持部材220は、軽量かつ放熱性が良い金属製であり、例えばアルミニウム製である。支持部材220は、複数のLEDモジュール210,210…を一面にて支持する支持板部220aと、該支持板部220aの他面の長辺側の縁部に立設された互いに対向する2つの傾斜板部220b,220bとを備えている。
この支持部材220の支持板部220aには、複数のLEDモジュール210,210…が、LED基板201の他面201bの側が支持板部220aの側になるように支持板部220aの長手方向に沿って、図13に示すように、傾斜板部220bとギャップG2を有してネジ225により固定して取付けてある。そして、複数のLEDモジュール210,210…間は、第1のコネクタ204a及び第2のコネクタ204bを嵌合することにより接続してある。このように、複数のLEDモジュール210,210…は、LED基板201の長手方向(複数のLED21,21…の配設方向)に連結してある。
このように支持板部220a及び傾斜板部220b,220bからなる凹部にLEDモジュール210,210…を設けているから、LEDモジュール210,210…を支持部材120に取付けるときの位置決めを容易にすることができる。そして、本実施の形態の如く、オスコネクタとメスコネクタの一対のコネクタ(基板対基板コネクタ)である第1のコネクタ204a及び第2のコネクタ204bによりLEDモジュール210,210…間を接続するように構成した場合において、取付作業時にコネクタ204a,204bに大きな力が作用しないようにすることができる。基板対基板コネクタを用いる場合、先にオスコネクタとメスコネクタである第1のコネクタ204a及び第2のコネクタ204bを嵌合させ、その後にLEDモジュール210,210…をネジ等により支持部材220に固定するが、この固定作業時に、LEDモジュール210に回転方向に力が加わりLEDモジュール210が回転するとコネクタ204a,204bに応力がかかり破損してしまう虞があった。しかしながら、本実施の形態の如く、LEDモジュール210を凹部に取付けるように構成することにより、LEDモジュール210に回転方向に力が加わった場合においても、LEDモジュール210は傾斜板部220bとのギャップG2に応じた範囲でしか動かないから、コネクタ204a,204bに大きな応力が加わることを防止することができる。
支持部材220には、LED221,221…からの光を透過する透光性カバー230が係合させてある。以上のように一体化されてなる灯部は、プレート250に取付けられる。
以上のように構成された照明装置は、取付対象である天井(又は天井に設けられた金属製のチャンネル)に、プレート250をボルト等で固定することにより取付けられる。この照明装置において、外部電源による電力の供給に伴い、電源回路部により直流電圧に変換及び整流され、調光回路部により所定の電流及び/電圧の電力が光源モジュール210に供給され、LED221,221…が所定の調光率にて点灯する。
以上のように構成された本実施の形態に係る照明装置においても、電源供給用の回路パターン211,212上に電気良導体213を設けているから、抵抗を低減することができ、LED基板201の幅を十分に確保することが困難な場合においても、後段のLEDモジュール210への入力電圧を確保することができる。この結果、複数のLEDモジュール210,210…の光量を略等しくすることができ、照明装置全体を略均一な明るさにて発光させることができる。
なお、以上の実施の形態において、電気良導体は、図4及び図12に示すように、電源供給用の回路パターンの長手方向に対して傾斜する平行な2辺を有する平行四辺形状に形成してあるが、形状はこれに限定されず、矩形状でもよいし、電源供給用の回路パターンの全部を覆うように設けてもよい。
また、以上の実施の形態においては、電気良導体として半田を用いているが、これに限定されず、電気良導体は電気抵抗の小さい材料製であればよい。例えば、銅箔等を用いてもよい。
また、以上の実施の形態においては、複数のLEDモジュールを一連に連結する照明装置として、ショーケースに用いられる照明装置、天井に設置される所謂シーリングライトを例に説明したが、本発明に係るLEDモジュールを適用可能な照明装置はこれに限定されない。例えば、看板用の照明装置、部屋の壁に取付け、天井等を照らす間接照明用の照明装置にも適用可能である。
また、以上の実施の形態においては、光源本体として表面実装型LEDを用いているが、これに限定されず、他のタイプのLED、EL(Electro Luminescence)等を用いてもよい。
更に、本発明は、その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。