JP5210396B2 - コンピュータを援用してセンサデータから物体の運動を計算する方法 - Google Patents
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Description
まず、円を計算する。ただし、この円は、連結成分の各端部にある境界測定点と、連結成分の境界測定点の間の測定点、とりわけ境界測定点間の実質的に中点に当たる測定点とを通る。連結成分の各測定点の円までの最小距離が所定の閾値よりも小さければ、連結成分の測定点は計算された円に割り当てられ、そうでなければ、円からの距離が最大である連結成分の測定点において連結成分が2つの連結成分に分割される。
ステップb.i)において、変換された第2のデータ集合の構造要素と第1のデータ集合の構造要素をそれぞれ含んだ構造要素ペアの1つの集合について、構造要素ペアの構造要素を互いに写像する複数の変換のマハラノビス距離を計算する。ただし、前記マハラノビス距離はその時の共分散行列に依存している。その上で、マハラノビス距離を考慮して構造要素ペアが選ばれ、選ばれた構造要素ペアの構造要素を互いに写像する変換が行われる。これによって、変換された新しい第2のデータ集合が得られる。
ステップi)では、変換された第5のデータ集合の割り当て不能な測定点と第1のデータ集合の割り当て不能な測定点とを含む測定点ペアからなる1つの集合について、測定点ペアの割り当て不能な測定点を互いに写像する変換の、共分散行列に依存するマハラノビス距離を計算し、このマハラノビス距離を考慮して、測定点ペアを選び、選ばれた測定点ペアの測定点を互いに写像する変換を実行する。これにより、変換された新しい第5のデータ集合が得られる。
ステップii)では、上記の測定点ペアの集合から少なくとも上記の選ばれた測定点ペアを削除し、共分散行列を更新し、ステップi)に戻る。上記ステップi)において変換を選択する際、好ましくは最小のマハラノビス距離を有する変換および/または同様の変換の集まりが選好される。
既に述べたように、直線分と円を抽出するためには、まずスキャン内の測定点の連結部分を求めなければならない。図1には、壁Wに沿って配置された測定点を基に、スキャンを連結部分に分割するアルゴリズムが示されている。測定点の連結領域は最大の点間距離によって次のように特徴付けられる。すなわち、測定点は測定点間の距離が最大の点間距離以下である場合にのみ連結成分に属する。図1では、壁W上の2つの点1と2の間の最大距離がamaxで表されている。軸xおよびyを有するセンサシステムSは点1ないし2を隣り合う光線B1とB2を介して捕捉する。壁W上で隣り合う測定点の間の距離aは、正弦定理により、左側の光線B1または右側の光線B2と図1において破線で示されている仮想的な真ん中の光線B3との間の角度距離δ/2と、この真ん中の光線と壁Wとの間の角度γと、センサシステムSによって測定された、センサシステムの原点から点1までの距離(d1で表す)とセンサシステムSの原点から点2までの距離(d2で表す)の2つの距離とから得られる。
特に
真ん中の光線B3と壁Wの間の角度γをパラメータとして選ぶことによって、隣り合う点のペアの各々について、壁上で隣り合う点の間の距離の上限値amaxが得られる。
まず、スキャンの第1の測定点を最初の現連結成分に分類する。つぎに、連結成分の最後の点と次の点との間の距離が最大距離amax以下ならば、この現連結成分を次の点まで拡張する。しかし、最後の点から次の点までの距離が最大距離amaxよりも大きければ、次の点は新しい現連結成分に割り当てられる。割り当てられていない測定点はスキャン内に残り、捨てられはしない。最小の個数よりも少ない点を含む連結成分は再び削除され、割り当て不能な測定点としてスキャン内に戻される。
ここで、pxおよびpyは連結成分の各点のxおよびy座標を表している。ここで連結成分の点の間のすべての距離が所定の閾値よりも低くければ、その線分は円弧に分類される。
ここで、Zは連結成分の点の集合を表している。この最小値を見つけるためには、ニュートン法、準ニュートン法または共役勾配法のような先行技術において周知の最適化法を使用してよい。
が割り当てられる。
このマハラノビス距離は1つの直線分ペアについてパラメータとして直線分に沿った変位を含んでいる。
・長い直線分の間の変換は短い直線分の間の変換よりも重要である。
・ノルムの小さい変換が良い。
・変換のクラスタが良い。
これらの基準に基づいて種々のストラテジーが導出される。本発明の1つの実施形態では、ノルムの十分に小さな、最も長い直線分の間の変換が選ばれる。これにより、誤った対応付けの危険性が最小化される。
Sa k+1=Tk+1(Sa k)
ここで説明する実施形態では、変換は推定によって求められる。推定された変換は、請求項に従って実施される変換ないし変換シーケンスの特定の実施形態である。以下に、推定法の例を説明する。この例では、現スキャンの直線分La iが基準スキャンの直線分Lr j上へと並進および回転させられる。直線分の端点の位置は非常に不確実であるから、変換の推定に用いるべきでない。それゆえ、直線上に載っている直線分は、この直線に従って、長さとこの直線への垂線の向きとによって、いわゆるヘッセの標準形
によって表される。文献[2]には、直線分に属するスキャン点からこの表現を導く方法が記載されている。この表現はカルマンメカニズムの意味での「測定」と解釈される。
が予測の役割を占め、
が「測定」として用いられる。予測の共分散は直線分抽出の共分散Σaと変換のこれまでの共分散とから構成される。
は
に移される。
これのヤコビアンは
である。予測の共分散は運動共分散ΣG=G・Σk・GTから得られる。測定の確実性のために、これに共分散Σaが加えられる。それゆえ、カルマンフィルタのゲインはKk=Σk・GT・(G・Σk・GT+Σa+Σr)-1と計算される。変換はこのランドマークの対応付けから
として計算される。
Σk+1=(Id−Kk・G)・Σk
いま求めたこの変換Σk+1により直前の現スキャンが変換され、新しい直前のスキャンが結果として得られる。すなわち、
Sa k+1=Tk+1(Sa k)
まだ考慮されていない直線ペアが存在するならば、k←k+1とし、上記ステップに戻り、マハラノビス距離に基づいて直線分ペアを選ぶ。その際、いま考慮した直線分ペアはそれ以上考察されない。
に基づいて決定される。新しい共分散は以前のケースと同様に直線分の共分散、測定点の共分散、および測定点と直線分から成るペアを選ばれた変換に写像する関数から得られる。点と直線分のペアは再び逐次的に処理される。その際、ありそうにないペアは、つまりマハラノビス距離が閾値を超えているペアは捨てられる。
[l] Jens-Steffen Gutmann: ,,Robuste Navigation autonomer mobiler Systeme", Dissertation, 2000, Albrecht-Ludwig-Universitaet Freiburg
[2] Michael Bosse: "ATLAS: A Framework for Large Scale Auto-mated Mapping and Localization", Disseration MASSACHUSETTS INSTITUTE OF TECHNOLOGY, Seiten 57 bis 62, Feb 2004
Claims (28)
- 物体に取り付けられたセンサのセンサデータからコンピュータを援用して物体の運動を計算する方法であって、前記センサデータは様々な時点に検出された、前記物体の周囲にある測定点(P1,...,P12.M1,...,M5’)から成る測定点集合を含んでおり、第1の時点に検出された第1の測定点集合と第2の時点に検出された第2の測定点集合の間での前記物体の運動を求めるようにした方法において、
a)前記第1および第2の測定点集合から1つまたは複数の構造タイプの構造要素(L,C)を抽出することにより、それぞれ抽出された構造要素(L,C)と構造要素(L,C)に割り当てることができない割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)とを含む第1および第2のデータ集合を得るステップ、
b)前記第2のデータ集合の同じ構造タイプの構造要素(L,C)を前記第1のデータ集合の構造要素(L,C)に対応付ける対応付けを探し、見つかった対応付けに基づいて、前記第2のデータ集合の構造要素(L,C)を前記第1のデータ集合の構造要素(L,C)に写像する第1の変換シーケンスを実行することにより、第3のデータ集合を得るステップ、
c)前記第3のデータ集合の構造要素(L,C)を前記第1のデータ集合の割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)に対応付ける対応付けを探し、見つかった対応付けに基づいて、前記第3のデータ集合の構造要素(L,C)を前記第1のデータ集合の割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)に写像する第2の変換シーケンスを実行することにより、第4のデータ集合を得るステップ、および
d)前記第1および第2の時点の間の前記物体の運動を少なくとも前記第1および第2の変換シーケンスに基づいて求めるステップを有する、ことを特徴とする物体に取り付けられたセンサのセンサデータからコンピュータを援用して物体の運動を計算する方法。 - 抽出される構造要素(L,C)は少なくとも直線分タイプの構造要素である、請求項1記載の方法。
- 前記ステップb)において、第1の構造要素として直線分タイプの構造要素が抽出される、請求項2記載の方法。
- 抽出される構造要素はさらに円弧の構造タイプを含む、請求項2または3記載の方法。
- 前記ステップa)において、まず連続する測定点(P1,...,P12)を含む連結成分を求める、ただし、連結成分に属する隣り合う測定点は最大の点間距離を超えないものとする、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
- 円弧タイプの構造要素は連結成分から次のようにして抽出される、すなわち、
前記連結成分の各端部にある境界点(P1,P12)と前記連結成分の該境界点(P1,P12)の間の測定点(P8)を通る円(C)を計算し、
前記連結成分の各測定点(P1,...,P12)から前記円(C)までの最小距離が所定の閾値よりも小さい場合には、前記連結成分の測定点(P1,...,P12)を前記計算された円(C)に割り当て、前記最小距離が所定の閾値よりも小さくない場合には、前記円(C)までの最小距離が最も大きくなる前記連結成分の測定点(P6)において前記連結成分を2つの連結成分に分割することにより抽出される、請求項4記載の方法。 - 前記連結成分の各端部にある境界点(P1,P12)と前記連結成分の該境界点(P1,P12)の間の前記測定点(P8)は、前記境界点(P1,P12)の間の中点である、請求項6記載の方法。
- 前記ステップb)およびc)において、前記センサの測定雑音を考慮する、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
- 請求項1のステップb)の第1の変換シーケンスを以下のように反復により求める、すなわち、
b.i)変換された第2のデータ集合の構造要素(L,C)と前記第1のデータ集合の構造要素(L,C)とを含む構造要素のペアの集合について、構造要素ペアの構造要素を互いに写像する変換の、そのときの共分散行列に依存するマハラノビス距離を計算し、該マハラノビス距離を考慮して構造要素ペアを選び、選ばれた構造要素ペアの構造要素(L,C)を互いに写像する変換を実行することにより、新しい変換された第2のデータ集合を取得し、
b.ii)前記構造要素ペアの集合から、少なくとも前記選ばれた構造要素ペアを削除し、前記共分散行列を更新し、ステップb.i)に戻る、
ことにより求める、請求項8記載の方法。 - 前記ステップb.i)において変換を選ぶ際、マハラノビス距離の小さな変換および/または長い構造要素(L,C)の間の変換が選好される、請求項9記載の方法。
- 前記ステップb.i)において実行される変換がカルマンフィルタに基づいて推定される、および/または前記ステップb.ii)において、共分散行列の更新がカルマンフィルタを用いて行われる、請求項9または10記載の方法。
- 前記ステップb.ii)において、所定の閾値よりも大きなマハラノビス距離を有する変換によって互いに写像される構造要素(L,C)を含む構造要素ペアを前記構造要素(L,C)の集合から削除する、ただし、上記マハラノビス距離は更新された共分散行列に依存する、請求項9から11のいずれか1項記載の方法。
- 前記第1の変換シーケンスを求めるための反復の開始時には、変換された第2のデータ集合は前記ステップa)において得られる第2のデータ集合と一致しており、前記構造要素ペアの集合には、前記第1および第2のデータ集合の構造要素(L,C)を含む可能なすべてのペア、または事前に選ばれた構造要素ペアが含まれており、前記事前に選ばれた構造要素ペアには、所定の閾値以下のマハラノビス距離を有する変換によって互いに写像される構造要素(L,C)のペアが含まれている、ただし、上記マハラノビス距離は初期共分散行列に依存する、請求項9から12のいずれか1項記載の方法。
- 前記初期共分散行列は走行距離測定の測定雑音に基づいておよび/または計算モデルから求められる、請求項13記載の方法。
- 前記ステップb)およびc)において、前記センサの測定雑音を考慮し、
請求項1のステップc)の第2の変換シーケンスを以下のように反復により求める、すなわち、
c.i)変換された第3のデータ集合の構造要素(L,C)と前記第1のデータ集合の割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)とを含む構造要素-測定点ペアの集合について、前記構造要素-測定点ペアの前記構造要素(L,C)を前記割り当て不能な(M1,...,M3’)に写像する変換の、共分散行列に依存するマハラノビス距離を計算し、該マハラノビス距離を考慮して構造要素-測定点ペアを選び、選ばれた構造要素-測定点ペアの構造要素(L,C)を該構造要素-測定点ペアの測定点(M1,...,M3’)に写像する変換を実行することにより、新しい変換された第3のデータ集合を取得し、
c.ii)前記構造要素-測定点ペアの集合から、少なくとも、前記ステップc.i)において選ばれた変換に対応する前記選ばれた構造要素-測定点ペアを削除し、前記共分散行列を更新し、ステップc.i)に戻る、
ことにより求める、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。 - 前記ステップc.i)において変換を選ぶ際、マハラノビス距離の小さな変換が選好される、請求項15記載の方法。
- 前記ステップc.i)において実行される変換がカルマンフィルタに基づいて推定される、および/または前記ステップc.ii)において、共分散行列の更新がカルマンフィルタを用いて行われる、請求項15または16記載の方法。
- 前記ステップc.ii)において、所定の閾値よりも大きなマハラノビス距離を有する変換によって割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)に写像される構造要素(L,C)を含む構造要素-測定点ペアも前記構造要素-測定点ペアの集合から削除される、ただし、上記マハラノビス距離は更新された共分散行列に依存する、請求項15から17のいずれか1項記載の方法。
- 前記第2の変換シーケンスを求めるための反復の開始時には、変換された第3のデータ集合は前記ステップb)において得られる第3のデータ集合と一致しており、前記構造要素-測定点ペアの集合には、前記第3のデータ集合の構造要素(L,C)と前記第1のデータ集合の割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)とを含む可能なすべてのペア、または事前に選ばれた構造要素-測定点ペアが含まれており、前記事前に選ばれた構造要素-測定点ペアに含まれている構造要素と測定点は、構造要素(L,C)が所定の閾値以下のマハラノビス距離を有する変換によって割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)に写像されるという条件を満たしている、ただし、上記マハラノビス距離は現在の共分散行列に依存する、請求項15から18のいずれか1項記載の方法。
- 前記ステップc)を実行した後、前記第4のデータ集合の残りの割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)を前記第1のデータ集合の残りの割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)に対応付ける対応付けを探し、見つかった対応付けに基づいて、前記第4のデータ集合の割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)を前記第1のデータ集合の割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)に写像する第3の変換シーケンスを実行することにより、第5のデータ集合を取得し、前記第1および第2の時点の間の前記物体の運動を前記第1、第2および第3の変換シーケンスに基づいて求める、請求項1から19のいずれか1項記載の方法。
- 前記第5のデータ集合を求める際、前記センサの測定雑音を考慮する、請求項20記載の方法。
- 前記第3の変換シーケンスを以下のように反復により求める、すなわち、
i)前記第5のデータ集合の割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)と前記第1のデータ集合の割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)とを含む測定点ペアからなる1つの集合について、測定点ペアの割り当て不能な測定点(M1,...,M3’)を互いに写像する変換の、共分散行列に依存するマハラノビス距離を計算し、該マハラノビス距離を考慮して測定点ペアを選び、選ばれた測定点ペアの測定点(M1,...,M3’)を互いに写像する変換を実行することにより、新しい変換された第5のデータ集合を取得し、
ii)前記測定点ペアの集合から、少なくとも前記選ばれた測定点ペアを削除し、前記共分散行列を更新し、ステップi)に戻る、
ことにより求める、請求項20記載の方法。 - 前記ステップi)において変換を選ぶ際、マハラノビス距離の小さな変換が選好される、請求項22記載の方法。
- 前記ステップi)において実行される変換がカルマンフィルタに基づいて推定される、および/または前記ステップii)において、共分散行列の更新がカルマンフィルタを用いて行われる、請求項22または23記載の方法。
- 物体に取り付けられた前記センサはレーザスキャナであり、前記センサデータはレーザスキャンである、請求項1から24のいずれか1項記載の方法。
- ロボットおよび/またはクレーンおよび/または車両の運動を求めるために使用される、請求項1から25のいずれか1項記載の方法。
- 物体に取り付けられたセンサのセンサデータからコンピュータを使用して物体の運動を計算する装置であって、前記センサデータが様々な時点に測定された、前記物体の周囲にある測定点(P1,...,P12.M1,...,M5’)から成る測定点集合を含むものである形式の装置において、該装置は第1の時点に測定された第1の測定点集合と第2の時点に測定された第2の測定点集合の間の前記物体の運動を求める手段を有しており、該手段は前記装置の動作時に請求項1から25のいずれか1項記載の方法を実行するよう構成されている、ことを特徴とする物体に取り付けられたセンサのセンサデータからコンピュータを使用して物体の運動を計算する装置。
- コンピュータ上で実行したときに請求項1から26のいずれか1項記載の方法を実行する、機械可読媒体に記憶されたプログラムコードを含むコンピュータプログラム。
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