JP5210001B2 - Non-flux brazing base material, brazing method and brazed product - Google Patents
Non-flux brazing base material, brazing method and brazed product Download PDFInfo
- Publication number
- JP5210001B2 JP5210001B2 JP2008059592A JP2008059592A JP5210001B2 JP 5210001 B2 JP5210001 B2 JP 5210001B2 JP 2008059592 A JP2008059592 A JP 2008059592A JP 2008059592 A JP2008059592 A JP 2008059592A JP 5210001 B2 JP5210001 B2 JP 5210001B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brazing
- base material
- brazed
- flux
- oxide film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Details Of Heat-Exchange And Heat-Transfer (AREA)
Description
この発明は、Mgを含有する高強度アルミニウム合金からなる母材を用いて、不活性ガス雰囲気中において、アルミニウム合金ブレージングシートと無フラックスでろう付け接合し、高強度のろう付け製品を作製する技術に関するものである。 The present invention is a technique for producing a high-strength brazed product by brazing a non-flux brazing sheet with an aluminum alloy brazing sheet in an inert gas atmosphere using a base material made of a high-strength aluminum alloy containing Mg. It is about.
近年、主として自動車の軽量化、地球環境問題の観点から、自動車の熱交換器用の材料については、薄肉化、高強度化が強く求められるようになっている。 In recent years, mainly from the viewpoint of weight reduction of automobiles and global environmental problems, there has been a strong demand for thinner and higher strength materials for heat exchangers of automobiles.
この種の熱交換器用材料としては、一般にアルミニウム合金が多用されているが、熱交換器用アルミニウム合金として、その薄肉化、高強度化を図るための最も簡便かつ効果的な手法としては、固溶強化元素であるMgを添加する方法が知られている。一方、熱交換器を組立てるにあたっては、ろう付けを行なう必要があるが、アルミニウム合金の表面には、緻密でしかも安定な酸化皮膜が生成されているのが通常であり、このような酸化皮膜は、その厚みが100Å前後と薄いにもかかわらず、ろう付け性を著しく阻害することが知られている。したがってアルミニウム合金をろう付けするにあたっては、表面の酸化皮膜を破壊する必要があるが、酸化皮膜を破壊してろう付けするための方法としては、
A:ろう材にMgを添加しておき、皮膜を破壊する真空中での無フラックス法、
B:不活性ガス雰囲気中での非腐食性フラックス法、
C:大気中での腐食性フラックス法、
以上3種のろう付け法が主として用いられている。
As this type of heat exchanger material, aluminum alloys are generally used. However, as an aluminum alloy for heat exchangers, the most simple and effective method for reducing the thickness and increasing the strength is as a solid solution. A method of adding Mg as a strengthening element is known. On the other hand, when assembling a heat exchanger, it is necessary to braze, but a dense and stable oxide film is usually formed on the surface of the aluminum alloy. It is known that the brazing property is remarkably inhibited even though the thickness is as thin as about 100 mm. Therefore, when brazing an aluminum alloy, it is necessary to destroy the oxide film on the surface, but as a method for brazing by destroying the oxide film,
A: A flux-free method in vacuum in which Mg is added to the brazing material and the coating is destroyed.
B: Non-corrosive flux method in an inert gas atmosphere,
C: Corrosive flux method in the atmosphere
The above three brazing methods are mainly used.
これらA〜Cの方法のうち、Bの不活性ガス雰囲気中でのフラックスろう付けでは、フラックスとMgとの反応によってろう付け性が低下するため、母材(元板)に対して強度向上に寄与する固溶強化元素であるMgをほとんど添加することができず、このことが不活性ガス雰囲気中でのろう付けにおける欠点となっている。 Among these methods A to C, in the brazing of flux in an inert gas atmosphere of B, the brazing property is lowered due to the reaction between the flux and Mg, so that the strength of the base material (base plate) is improved. Mg, which is a solid solution strengthening element that contributes, can hardly be added, and this is a drawback in brazing in an inert gas atmosphere.
このような問題に対しては、例えば、非特許文献1に示されるように、Al−Si−Mg−Biろう材のブレージングシートを用いて窒素ガス雰囲気中で無フラックスろう付けを行う方法が提案されている。しかしながらこの方法では、母材の酸化皮膜を薄く制御しなければならなかったり、酸化防止のためにろう付け時の窒素ガス流量を多くしなければならない等の問題がある。
For such a problem, for example, as shown in Non-Patent
一方、特許文献1には、これらの点を改良して、非酸化性雰囲気で無フラックスろう付けするのに適したブレ−ジングシ−トが提案されている。この提案のブレージングシートは、表面にろう材よりも融点の高いアルミニウム薄皮材を設け、その薄皮材と芯材との間にAl−Si−Mg−Bi系ろう材を挟み込んだ構造としたものであって、表面の薄皮材がろう溶融時まで表面の酸化を抑制し、ろうが溶融開始すれば、その液相が表面に浸出することによってろう付けが可能となる。ここで、ろう材中のMgは、相手素材の表面を効果的に改質する役割を果たすと考えられ、部材の表面近傍で局部的にMg蒸気の濃い領域を形成して、ろう液の酸化を防止し、ろうの濡れ広がりを確保するものと解される。この提案の技術の場合、Mg添加材を用いたろう付けが可能であるため、製品の強度の向上には有利となる。
On the other hand,
しかしながら本発明者らの実験によれば、上記提案のブレージングシートを用いても、相手材(母材)がMgを多く含む合金である場合には、継ぎ手の接合が不健全になることが確認されている。これは、母材の製造時あるいはろう付けの加熱過程において、Mg酸化物が母材表面に多量に形成されて、Al−Si系ろう材の濡れ広がりが阻害されてしまうことに起因すると考えられる。 However, according to experiments by the present inventors, it was confirmed that even when the above-mentioned proposed brazing sheet was used, when the mating material (base material) was an alloy containing a large amount of Mg, the joint was unhealthy. Has been. This is considered to be because Mg oxide is formed in a large amount on the surface of the base material during the manufacturing of the base material or in the brazing heating process, and the wetting and spreading of the Al—Si brazing material is hindered. .
また特許文献2には、フラックス無しでろう付け可能な技術が開示されている。この提案の技術では、アルミニウム合金の表面に、自然酸化皮膜より厚い酸化皮膜あるいは水酸化皮膜(具体的には25nmを越え、1000nm未満)を形成することとしている。このような皮膜は、厚さを適切に制御することによって、その柔軟性が低下し、熱応力により容易に破れて亀裂が生じ、これによってろう付け時に皮膜の亀裂からろう液が濡れ広がって酸化皮膜の除去が生じる。この提案において具体的な皮膜の形成法としては、ベーマイト処理が示されており、また陽極酸化法も可能とされている。但しこの提案の場合は、フラックスを用いないとしながらも、ハロゲンを含む潤滑剤を表面に付与されることが記載されており、これが実質的にフラックスの役割を果たしている可能性がある。ここで、上記提案では、技術の具体的な記述を欠いているため再現実験は困難であるが、ろう材の上に上述のような比較的厚い皮膜を形成する必要があるため、接合の突合せ面にも比較的厚い酸化皮膜が存在し、その皮膜がろう付け後も残留することによって、接合強度に問題が生じやすいと考えられる。
さらに特許文献3にも、無フラックスでろう付け可能な技術が開示されている。この提案の技術では、Al−Si系のろう材にMg、Biを添加し、このアルミニウム合金の表面酸化皮膜の厚さを無機酸の水溶液で処理することにより、表面近傍のMg濃度を低減するとともに、酸化皮膜厚さを、通常の酸化皮膜厚さが100〜200Åであるのに対して20Å以下と極端に薄くすることとしている。そしてこのようにすることにより、ろう材からのMg蒸発距離を短くして、Mgのゲッター作用をより有効に作用させ、これにより炉内の酸素濃度を低減可能として、無フラックスろう付けを可能としている。さらにこの提案の技術では、皮膜除去後に酸化皮膜の成長を防止する目的で、鉱油を主成分とする揮発性の成型加工油を塗布することも行なうとしている。この場合の成型加工油は、酸化皮膜を薄くすることによりろう付け加熱前の加熱処理で除去しやすくなり、そのため特別に脱脂等を実施しなくてもよいとされている。
Further,
しかしながら特許文献3で提案されている技術では、上述の如く、材料製造後のろう付け加熱前に種々の処理を行う必要があり、そのため製造コストの大幅な増加となって、実用化は難しいと思われる。また材料製造時には、熱間圧延や焼戻し処理等を行うため、酸化皮膜の厚さ等が不均一に形成される可能性があり、そのため無機酸での処理時に均一に酸化皮膜厚さをコントロールすることは、必ずしも容易ではないと考えられる。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、高強度化のためにMgを添加した系のアルミニウム合金からなるろう付け用母材を用いることを前提とし、その場合において前述のような問題を招くことなく、無フラックスで不活性ガス雰囲気において、より簡単かつ容易にしかも低コストで、優れたろう付け性をもってアルミニウム合金製ブレージングシートとろう付け可能としたろう付け用母材を提供し、併せてそれに適したブレージングシートを用いたろう付け方法、ろう付け製品を提供することを課題とするものである。
The present invention has been made against the background described above, and is based on the premise of using a brazing base material made of an aluminum alloy to which Mg is added for high strength. Provides a brazing base material that can be brazed to an aluminum alloy brazing sheet with excellent brazing properties in a non-flux, inert gas atmosphere, in a simpler, easier and less expensive manner. brazing method using the brazing sheet suitable therefor Te, it is an object of the present invention to provide a brazing product.
前述のような課題を解決するための手段を見出すべく、本発明者等が種々実験・検討を重ねた結果、ろう付け用母材の表面状態、特に酸化皮膜の状態を適切に制御することによって、前述の課題を解決し得ることを見出し、この発明をなすに至った。 In order to find a means for solving the above-mentioned problems, the present inventors have conducted various experiments and studies, and as a result, appropriately controlled the surface state of the brazing base material, particularly the state of the oxide film. The present inventors have found that the above-described problems can be solved, and have made the present invention.
具体的には、請求項1の発明の無フラックスろう付け用母材は、Mg0.1〜3.0%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金からなるろう付け用母材であり、その表面のうち、ろう付け接合すべき面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合すべき面に続く表面が、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜により覆われており、かつろう付け接合すべき面が自然酸化皮膜によって覆われていることを特徴とするものである。
Specifically, the flux-free brazing base material of the invention of
また請求項2の発明の無フラックスろう付け用母材は、Mg0.1〜3.0%、Mn0.5〜1.5%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金からなるろう付け用母材であり、その表面のうち、ろう付け接合すべき面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合すべき面に続く表面が、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜により覆われており、かつろう付け接合すべき面が自然酸化皮膜によって覆われていることを特徴とするものである。
The base material for flux-free brazing according to the invention of
さらに請求項3、請求項4の発明は、上述のようなろう付け用母材にろう付けするためのろう付け方法について規定したものである。
そのうち請求項3の発明のろう付け方法は、請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に対して、アルミニウム合金からなる心材の表面に、Si5.0〜15.0%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材がクラッドされているブレージングシートを、無フラックスにて不活性ガス雰囲気中でろう付けすることを特徴とするものである。
また請求項4の発明のろう付け方法は、 請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に対して、アルミニウム合金からなる芯材の表面に、Si5.0〜15.0%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材がクラッドされており、かつそのろう材表面にろう材よりも融点が高くかつMgを実質的に含有しないアルミニウム合金からなる被覆層が0.05〜10μmの厚みで形成されているブレージングシートを、無フラックスにて不活性ガス雰囲気中でろう付けすることを特徴とするものである。
Further claims 3, of the invention of claim 4, Ru der those defined for brazing method for brazing the brazing preform as described above.
Brazing method of the invention of
Brazing method of the invention or the fourth aspect, with respect to the brazing preform according to
さらに請求項5の発明は、ろう付け製品について規定したものであり、この請求項5のろう付け製品は、請求項3もしくは請求項4に記載のろう付け方法により得られたことを特徴とするものである。
Furthermore the invention of
この発明のろう付け用母材によれば、Mgを添加した高強度のろう付用母材として、不活性ガス雰囲気中での無フラックスろう付けを適用して、特に工程の複雑化や高コスト化、操業の不安定化等の問題を招くことなく、良好なろう付け接合性、高い接合強度をもってろう付け接合を行なうことができる。またこの発明のろう付け方法によれば、前述のようなろう付け接合を実際に工業的な安定性をもって実施することができる。そしてまたこの発明のろう付け製品は、熱交換器等として充分な接合強度、耐久性を示すことができる。
According to the brazing base material of the present invention, the flux-free brazing in an inert gas atmosphere is applied as a high-strength brazing base material to which Mg is added. Brazing can be performed with good brazing and high bonding strength without causing problems such as instability and unstable operation. Also according to the brazing method of the octopus invention can be implemented with a really industrial stability brazing as described above. Moreover, the brazed product of the present invention can exhibit sufficient bonding strength and durability as a heat exchanger or the like.
この発明のろう付け用母材は、不活性ガス雰囲気中でフラックス無しでブレージングシートを用いてろう付けするためのものであり、その基本的な合金成分組成は、高強度化を図るべく、Mgを添加したもの、具体的にはMgを0.1〜3.0%の範囲内で含有し、残部がAlおよび不可避的不純物であれば良く、また場合によっては後述するようにMgのほか、Mnを0.5〜1.5%の範囲内で添加したものでも良い。 The brazing base material of the present invention is for brazing using a brazing sheet without flux in an inert gas atmosphere, and its basic alloy component composition is Mg to increase strength. In particular, Mg may be contained within a range of 0.1 to 3.0%, and the balance may be Al and inevitable impurities. In some cases, in addition to Mg as described later, What added Mn in 0.5 to 1.5% of range may be used.
さらにこの発明のろう付け用母材で重要な点は、その表面の酸化皮膜の状況を、ろう付け接合すべき面と、そのほかの面(ろう付け接合されない面)とで区分して、それぞれを適切に制御することとしたことである。すなわち、図1に模式的に示すように、母材1における各表面のうち、ブレージングシート2とろう付け接合されるべき面(図1の母材1の下面)は、陽極酸化処理などの強制的、人工的な酸化処理による酸化皮膜で覆われていない面、すなわち自然酸化皮膜1Aのみによって覆われている面とし、母材におけるそれ以外の面、特に少なくとも前記ろう付け接合すべき面に続く部分(ろう付け接合すべき面と隣り合う部分)の表面は、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜1Bによって覆われたものとしている。なお図1において、ブレージングシート2は、アルミニウム合金からなる芯材2Aの表面にろう材2B、2Bをクラッドし、さらにその表面に後述するようにろう材よりも高融点のアルミニウム合金からなる被覆層2C、2Cをクラッドした構成のものとして示しているが、被覆層2C、2Cは場合によっては省いても良い。
Furthermore, an important point in the base material for brazing of the present invention is that the state of the oxide film on the surface is divided into the surface to be brazed and the other surface (surface not to be brazed), It was decided to control appropriately. That is, as schematically shown in FIG. 1, among the surfaces of the
母材外表面について上述のような皮膜状況とすることにより、Mgを多量に含む高強度母材であっても、充分なフィレットを形成して、健全な接合を達成することが可能となる。 By setting the coating state as described above on the outer surface of the base material, even a high strength base material containing a large amount of Mg can form a sufficient fillet and achieve a sound joint.
すなわち、図2に拡大して示すように、ろう付け状態時における温度上昇に伴なって、接合面に続く部分では、陽極酸化皮膜と母材との熱膨張差によって極くわずかな隙間が発生し、その隙間に沿ってブレージングシート2のろう材2Bの溶融による溶融ろうが侵入し、これによって陽極酸化皮膜が押し上げられつつその変形、破壊が進み、充分に大きなフィレット5が形成される。
That is, as shown in an enlarged view in FIG. 2, with the temperature increase in the brazing state, a very slight gap is generated in the portion following the joint surface due to the difference in thermal expansion between the anodized film and the base material. Then, the molten brazing due to the melting of the
ここで、母材中のMgが表面に露呈した状態であれば、不活性ガス雰囲気中でのろう付けであっても、ろう溶融開始以前に表面に多量のMg酸化物が形成されてしまい、そのためろう材が溶融しても、その溶融ろうの濡れ拡がりがMg酸化物によって著しく阻害されてしまうが、この発明のろう付け用母材の場合は、母材におけるろう付け接合面に続く部分の表面に陽極酸化皮膜が存在していて、その部分ではMg酸化物の生成が防止され、かつその陽極酸化皮膜と母材との界面に溶融ろうが侵入するため、Mg酸化物による濡れの阻害の問題は回避することができる。 Here, if Mg in the base material is exposed on the surface, even if brazing in an inert gas atmosphere, a large amount of Mg oxide is formed on the surface before the start of brazing, Therefore, even if the brazing material is melted, the wetting and spreading of the molten brazing is significantly hindered by the Mg oxide, but in the case of the brazing base material of the present invention, the portion of the base material following the brazing joint surface Since there is an anodized film on the surface, the formation of Mg oxide is prevented at that part, and the molten wax penetrates into the interface between the anodized film and the base material. The problem can be avoided.
さらに、母材におけるろう付け接合面においては、自然酸化皮膜(通常は厚さ100〜200オングストローム)が形成されており、この面はブレージングシートと面接触させた状態でろう付け加熱されることから、加熱昇温時においても過度の表面酸化は生じず、溶融ろうの濡れ拡がり阻害の問題は生じない。一方、Mgを含有する母材から蒸発したMgが、ブレージングシートのろう材の酸化皮膜を改質することにより、ろう溶融時にはこの部分で速やかに母材表面の自然酸化皮膜が破損され、溶融ろうが濡れ拡がることになる。そのため、前述の特許文献3に示されている如く極端に酸化皮膜を薄くする必要性がない。すなわちこの発明の場合、不活性ガス雰囲気中にてろう付けすることとしているが、雰囲気中には若干ではあるが酸素も存在するのが通常であり、その場合、Mgを多量に含有する母材中から蒸発したMgが雰囲気中の酸素と結びつくことにより、近傍の雰囲気中の酸素濃度を下げる作用(ゲッター作用)を果たし、そのため接合面近傍で極低酸素状態が保たれ、健全なろう流れと接合が確保できる要因の一つとなっている。
Furthermore, a natural oxide film (usually 100 to 200 angstroms thick) is formed on the brazing joint surface of the base material, and this surface is brazed and heated in a state of surface contact with the brazing sheet. Even during heating and heating, excessive surface oxidation does not occur, and the problem of impeding the spread of the molten wax does not occur. On the other hand, Mg evaporated from the base material containing Mg modifies the oxide film of the brazing material of the brazing sheet, so that the natural oxide film on the surface of the base material is quickly damaged at this part when the solder is melted. Will spread out. Therefore, there is no need to make the oxide film extremely thin as shown in
以上のように、高Mgを含有する母材を用い、ろう付け接合面とそれ以外の面(特に少なくともろう付け接合面に続く部分の表面)の酸化皮膜の状態を適切に制御することによって、ろう材の濡れ拡がりの阻害など、ろう付け接合の阻害要因を招くことなく、大きなフィレットを形成して、健全な接合を得、ひいては充分な接合強度を得ることが可能となるのである。 As described above, by using a base material containing high Mg, by appropriately controlling the state of the oxide film on the brazed joint surface and other surfaces (particularly at least the surface of the portion following the brazed joint surface), It is possible to form a large fillet to obtain a sound joint and thereby to obtain a sufficient joint strength without incurring an inhibiting factor of the brazing joint such as the inhibition of the spreading of the brazing material.
さらにこの発明のろう付け用母材の構成要件について詳細に説明する。 Further, the constituent requirements of the brazing base material of the present invention will be described in detail.
母材合金は既に述べたように、基本的にはMgを0.1〜3.0%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるものとする。 As described above, the base metal alloy basically contains 0.1 to 3.0% of Mg, and the balance is made of Al and inevitable impurities.
ここで、Mg量が0.1%未満では、母材の高強化が不充分となり、またMgによるゲッター効果を充分に得ることができず、一方Mg量が3.0%を越えれば、ろう付け加熱時における雰囲気中のMg蒸気が過度の量となり、ブレージングシート表面へのMg酸化物の付着が生じ、ろう付け性が低下してしまうおそれがあるから、母材のMg量は0.1〜3.0%の範囲内とした。なお母材のMg量は、より最適には0.3〜0.8%の範囲内とすることが好ましい。 Here, if the Mg content is less than 0.1%, the high strengthening of the base material is insufficient, and the getter effect due to Mg cannot be obtained sufficiently, while if the Mg content exceeds 3.0%, Since the Mg vapor in the atmosphere during brazing heating becomes an excessive amount, adhesion of Mg oxide to the surface of the brazing sheet may occur, and brazing property may be lowered. It was made into the range of -3.0%. The Mg content of the base material is more preferably within the range of 0.3 to 0.8%.
さらに母材合金としては、Mgのほか、Mnを0.5〜1.5%の範囲内で含有していても良い。 Furthermore, as a base material alloy, Mn may be contained in the range of 0.5 to 1.5% in addition to Mg.
Mnは強度向上に有効な元素であるが、0.5%未満のMnではその効果は充分に得られず、一方Mn量が1.5%を越えれば、巨大金属間化合物が晶出して、製造性、成形性を阻害するおそれがあるから、母材合金にMnを添加する場合のMn量は、0.5〜1.5%の範囲内とした。なお積極的にMnを添加しない場合(請求項1の場合)でも、0.5%未満のMnが不可避的不純物として含有される場合が許容されることはもちろんである。 Mn is an element effective for improving the strength. However, if Mn is less than 0.5%, the effect cannot be sufficiently obtained. On the other hand, if the amount of Mn exceeds 1.5%, a giant intermetallic compound is crystallized, Since there is a possibility of inhibiting the manufacturability and formability, the amount of Mn when adding Mn to the base metal alloy is set in the range of 0.5 to 1.5%. Of course, even when Mn is not actively added (in the case of claim 1), a case where less than 0.5% of Mn is contained as an inevitable impurity is allowed.
さらに母材合金は、Mg、Mnのほか、0.7%以下のCu、0.3%以下のCr、0.3%以下のNi、0.3%以下のZr、0.3%以下のVのうちの1種または2種以上を含有することが許容され、これらの元素は上記範囲内であればろう付け性に悪影響を及ぼさない。ここで、Cuは強度向上に寄与し、またCr、Ni、Zr、Vも強度向上および結晶組織の微細化に寄与するものであるが、Cuが0.7%を越えれば、ろう付け加熱後の冷却過程および熱交換器としての使用時における熱交換サイクルの熱履歴により、粒界にAl−Cu系金属間化合物が析出して、粒界腐食が生じやすくなってしまうおそれがあり、一方、Cr、Ni、Zr、Vがそれぞれ0.3%を越えれば、これらの添加による効果が飽和し、経済性を損なってしまうおそれがある。 In addition to Mg and Mn, the base metal alloy is 0.7% or less Cu, 0.3% or less Cr, 0.3% or less Ni, 0.3% or less Zr, 0.3% or less. It is allowed to contain one or more of V, and these elements do not adversely affect the brazeability within the above range. Here, Cu contributes to strength improvement, and Cr, Ni, Zr, and V also contribute to strength improvement and refinement of the crystal structure, but if Cu exceeds 0.7%, after brazing heating The heat history of the heat exchange cycle during the cooling process and use as a heat exchanger may cause Al-Cu intermetallic compounds to precipitate at the grain boundaries, which may cause intergranular corrosion, If Cr, Ni, Zr, and V each exceed 0.3%, the effects of these additions are saturated, and the economy may be impaired.
また一般のアルミニウム合金では、鋳造時における組織微細化のために少量のTiを単独で、あるいはTiを微量のBと組合せて添加することが多いが、この発明のろう付け用母材の場合も、Ti0.15%以下、B0.03%以下が添加されていても良い。 In general aluminum alloys, a small amount of Ti is often added alone or in combination with a small amount of B for refining the structure during casting. Ti 0.15% or less and B 0.03% or less may be added.
なおアルミニウム合金の不可避的不純物としては、Fe、Siが代表的であるが、この発明のろう付け母材合金の場合、不可避的不純物としてのFeは0.8%以下、Siは0.8%以下とすることが好ましい。そのほか、アルミニウム合金において耐食性向上のためにZnを添加することがあるが、この発明のろう付け用母材の場合も3.0%以下のZnは許容される。 In addition, as an inevitable impurity of an aluminum alloy, Fe and Si are typical, but in the case of the brazing base metal alloy of the present invention, Fe as an inevitable impurity is 0.8% or less, and Si is 0.8%. The following is preferable. In addition, Zn may be added to improve corrosion resistance in an aluminum alloy, but 3.0% or less of Zn is allowed in the brazing base material of the present invention.
ろう付け用母材合金の成分組成は以上の通りであるが、実用上は、上記の条件を満たす範囲内で必要な製品強度や耐食性等を考慮して、JIS A 1070、1050、1100、1200、3203、3004、5005、5N01、6951、6061、6063、6N01等の規格合金や、それらにさらにいくつかの合金元素を添加した合金から選択して使用すれば良い。 The component composition of the base alloy for brazing is as described above. In practice, however, considering the product strength and corrosion resistance necessary within the range satisfying the above conditions, JIS A 1070, 1050, 1100, 1200 Standard alloys such as 3203, 3004, 5005, 5N01, 6951, 6061, 6063, and 6N01, and alloys obtained by adding some alloy elements to them may be used.
この発明のろう付け用母材においては、ろう付け接合面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合面に続く部分の表面には陽極酸化皮膜が形成されている必要があるが、その陽極酸化皮膜の厚さは1〜5μmの範囲内とする必要がある。陽極酸化皮膜の厚みが1μm未満の場合、また5μmを越える場合のいずれにおいても、優れたろう付け性を確保することが困難となることが本発明者等の実験により確認されている。その理由は、必ずしも明確ではないが、1μm未満の場合には、陽極酸化皮膜と母材との間に隙間が早期に形成されてしまうため、Mgの拡散がろう溶融時まで持続せず、一方5μmを越える場合には、陽極酸化皮膜が厚過ぎるため、拡散すべきMgが表面まで到達しないためと考えられる。なお陽極酸化皮膜を形成する部分は、要は、少なくともろう付け接合面に隣り合ってそのろう付け接合面に続く部分の表面であれば良く、ろう付け接合面から大幅に離れた部分の表面に陽極酸化皮膜が形成されていなくても構わないが、実際の量産工程の場合は、ろう付け接合面以外の部分の全表面に陽極酸化皮膜を形成しておくことが多い。 In the brazing base material of the present invention, it is necessary that an anodic oxide film be formed on at least the surface of the surface excluding the brazed joint surface that follows the brazed joint surface. The thickness of the film needs to be in the range of 1 to 5 μm. It has been confirmed by experiments by the present inventors that it is difficult to ensure excellent brazing properties when the thickness of the anodized film is less than 1 μm and when it exceeds 5 μm. The reason is not necessarily clear, but when the thickness is less than 1 μm, a gap is formed between the anodized film and the base material at an early stage. When the thickness exceeds 5 μm, the anodized film is too thick, and it is considered that Mg to be diffused does not reach the surface. The portion where the anodized film is to be formed may be at least the surface of the portion adjacent to the brazed joint surface and continuing to the brazed joint surface, and the surface of the portion far away from the brazed joint surface. The anodized film may not be formed, but in the actual mass production process, the anodized film is often formed on the entire surface other than the brazed joint surface.
また陽極酸化処理の具体的方法としては、種々の方法を適用することができ、特に限定されるものではないが、コスト面からは、一般的な硫酸浴による陽極酸化処理を適用することが好ましい。 Further, as a specific method of anodizing treatment, various methods can be applied, and it is not particularly limited. However, from the viewpoint of cost, it is preferable to apply a general sulfuric acid bath anodizing treatment. .
一方、母材におけるろう付け接合面、すなわちブレージングシートと接する面については、前述のように陽極酸化皮膜によって覆われておらず、通常の厚み(100〜200オングストローム)の自然酸化皮膜のみが存在する状態とする必要がある。ここで、ろう付け接合面が陽極酸化皮膜によって覆われていれば、ろう付け接合が阻害されるか、または接合面に酸化物が残って接合強度が低くなってしまう。 On the other hand, the brazing joint surface in the base material, that is, the surface in contact with the brazing sheet is not covered with the anodized film as described above, and only a natural oxide film with a normal thickness (100 to 200 angstroms) exists. It is necessary to be in a state. Here, if the brazed joint surface is covered with the anodic oxide film, the brazed joint is hindered or the oxide remains on the joint surface and the joint strength is lowered.
ここで、上述のようにろう付け接合面について、陽極酸化皮膜のみが存在する状態とするための具体的方法は特に限定されるものではないが、例えば母材全体に陽極酸化処理を施して母材の全面に陽極酸化皮膜を形成した後、機械加工やエッチングによってろう付け接合面についてのみ陽極酸化皮膜を除去する方法が代表的であり、この場合ろう付け接合面には、陽極酸化皮膜除去後の放置中に自然酸化皮膜が形成されることになる。あるいはまた、母材に対して陽極酸化処理を施すにあたって、ろう付け接合面を適切の材料によってマスキングしておくか、あるいは陽極酸化処理時に母材に対して電極が接触する部分(すなわち処理液が接触しない部分)を利用して、一部(ろう付け接合面となるべき面)に陽極酸化皮膜が形成されないようにしても良い。これらの場合は、ろう付け接合面には陽極酸化処理前から存在する自然酸化皮膜がそのまま残ることになる。 Here, the specific method for bringing only the anodized film into the brazed joint surface as described above is not particularly limited. After forming the anodic oxide film on the entire surface of the material, the typical method is to remove the anodic oxide film only on the brazed joint surface by machining or etching. A natural oxide film will be formed during this period. Alternatively, when anodizing the base material, the brazed joint surface is masked with an appropriate material, or the electrode is in contact with the base material during the anodizing process (that is, the processing liquid is By utilizing a portion that does not contact, an anodized film may be prevented from being formed on a portion (a surface that should be a brazed joint surface). In these cases, the natural oxide film existing before the anodizing treatment remains on the brazed joint surface.
以上のように、陽極酸化皮膜を形成しない部分(ろう付け接合面)は、自然酸化皮膜で覆われているが、この自然酸化皮膜はろう付け性への悪影響がないばかりか、むしろこの発明の高Mg母材の場合は、ろう付け性に対して有利となる。すなわち、既に述べたように母材に多量に添加されたMgが、ろう付け加熱時に蒸発して加熱途中での酸化抑制および改質効果をもたらし、ろう付け性向上に有利となるのである。 As described above, the portion where the anodic oxide film is not formed (the brazed joint surface) is covered with the natural oxide film, but this natural oxide film not only has an adverse effect on the brazing property, but rather the present invention. In the case of a high Mg base material, it is advantageous for brazing. That is, as already described, Mg added in a large amount to the base material evaporates at the time of brazing heating and brings about an oxidation suppression and reforming effect during heating, which is advantageous for improving brazing properties.
この発明のろう付け用母材と組合されて使用されるブレージングシートの構成は、基本的には特に限定されるものではないが、請求項3の発明のろう付け方法の場合、アルミニウム合金からなる芯材の片面もしくは両面に、Si5〜15%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるろう材合金をクラッドしたものを用いる。
The structure of the brazing sheet used in combination with the brazing base material of the present invention is not particularly limited, but in the case of the brazing method of the invention of
ここで、上記のブレージングシートのろう材合金に関しては、Si量が5%よりも少なければろう流れ性が不良となり、一方Si量が15%よりも多ければ、工業的な鋳造工程において粗大なSi粒子が形成されてしまって、ろう材としての性能にばらつきが生じてしまう。またMgは、不活性ガス雰囲気中での溶融ろうの濡れ拡がり性を促進するとともに強度向上に寄与する元素であって、Mg量が0.05%未満では、溶融ろうの濡れ拡がりの効果が充分に得られず、また強度向上への寄与も少ない。一方Mgが2.0%を越えれば、Mg添加の効果が飽和して経済性を損なうとともに、Mg酸化物が多くなってろう付け性が低下してしまう。さらにBiは、Mgと共存して、または単独で、不活性ガス雰囲気中でのろう濡れ拡がり性を向上させ、溶融ろうを陽極酸化皮膜と母材との界面に速やかに浸透させるために有効となる。ろう材のBi量が0.02%未満では、その効果が充分に得られず、一方Bi量が0.2%を越えてもそれ以上は上記の効果は向上せず、経済性を損なうだけである。 Here, regarding the brazing alloy of the above brazing sheet, if the Si content is less than 5%, the braze flowability becomes poor. On the other hand, if the Si content is more than 15%, coarse Si in the industrial casting process. Particles are formed, resulting in variations in performance as a brazing material. Mg is an element that promotes the wetting and spreading property of the molten wax in an inert gas atmosphere and contributes to improving the strength. If the amount of Mg is less than 0.05%, the effect of spreading and spreading the molten solder is sufficient. In addition, there is little contribution to strength improvement. On the other hand, if Mg exceeds 2.0%, the effect of addition of Mg is saturated to impair economic efficiency, and Mg oxide increases and brazing performance is lowered. Furthermore, Bi is effective in coexisting with Mg or alone, improving the wettability and spreadability in an inert gas atmosphere, and rapidly infiltrating the molten braze into the interface between the anodized film and the base material. Become. If the amount of Bi in the brazing material is less than 0.02%, the effect cannot be sufficiently obtained. On the other hand, if the amount of Bi exceeds 0.2%, the above effect is not improved any more, and the economic efficiency is impaired. It is.
一方、ブレージングシートの芯材のアルミニウム合金は、一般のブレージングシートに適用されているものであれば良く、特に限定されず、要はろう付け温度よりも融点の高いアルミニウム合金であれば良い。この芯材として最も好適なものは、AA3000系合金であるが、必要な製品強度や耐食性等を考慮して、JIS A 1070、1050、1100、1200、3203、3004、5005、5N01、6951、6061、6063、6N01等の規格合金あるいはこれらにさらに種々の合金元素を添加した合金から選択して使用することができる。 On the other hand, the aluminum alloy as the core material of the brazing sheet is not particularly limited as long as it is applied to a general brazing sheet, and may be any aluminum alloy having a melting point higher than the brazing temperature. The most preferable core material is an AA3000 alloy, but considering the required product strength, corrosion resistance, etc., JIS A 1070, 1050, 1100, 1200, 3203, 3004, 5005, 5N01, 6951, 6061. , 6063, 6N01, etc., or alloys obtained by adding various alloy elements to these alloys can be used.
またこの発明のろう付け用母材と組合せて使用するブレージングシートとしては、請求項4のろう付け方法で規定しているように、アルミニウム合金からなる芯材の表面(片面もしくは両面)に既に述べたと同様な成分組成のろう材をクラッドし、さらにそのろう材表面に、ろう材よりも融点が高くかつ実質的にMgを含有しないアルミニウム合金からなる被覆層が0.05〜10μmの厚みで形成されたものも好適である。
The brazing sheet used in combination with the brazing base material of the present invention is already described on the surface (one side or both sides) of the core material made of an aluminum alloy, as defined in the brazing method of claim 4. Then, a brazing material having the same composition as the above is clad, and a coating layer made of an aluminum alloy having a melting point higher than that of the brazing material and substantially not containing Mg is formed on the brazing material surface with a thickness of 0.05 to 10 μm. Those made are also suitable.
上述のように、ろう材の表面に、ろう材よりも融点が高くかつ実質的にMgを含有しない被覆層が存在することにより、ろう材として前述のようにMgを含有するものを用いても、ろう付け加熱時にろう材表面にMg酸化物が生成されることが抑制され、より一層良好なろう付け性を確保することが可能となる。 As described above, since the coating layer having a melting point higher than that of the brazing material and substantially not containing Mg exists on the surface of the brazing material, a brazing material containing Mg as described above may be used. Further, it is possible to suppress the generation of Mg oxide on the surface of the brazing material during the brazing heating, and it is possible to secure even better brazing properties.
なおここで被覆層のアルミニウム合金の具体的な成分組成は特に限定されるものではなく、要はろう材よりも融点が高く、かつ実質的にMgを含有しない(具体的には、通常のアルミニウム合金における不純物としてのMg量以下、すなわちMg量0.01%程度以下)のものを用いれば良いが、実際上は、例えばJIS A 1070、1050、1100等の純アルミニウム系合金を使用すれば良い。 Here, the specific component composition of the aluminum alloy of the coating layer is not particularly limited, and the point is that the melting point is higher than that of the brazing material and substantially does not contain Mg (specifically, ordinary aluminum The amount of Mg in the alloy may be less than the amount of Mg, that is, the amount of Mg is about 0.01% or less. In practice, a pure aluminum alloy such as JIS A 1070, 1050, or 1100 may be used. .
以上のようなろう付け用母材およびブレージングシートを用いてのろう付け接合は、不活性ガス雰囲気中で加熱することを特徴とする無フラックスろう付法で行われる。不活性ガスとしては通常は窒素がコストの点から好ましいが、Ar等の希ガスでも良い。ろう付炉は、工業的に多用されるノコロックブレージング炉と同様の炉で実施することができ、当然のことながらフラックス自体とフラックス塗布作業は省くことができる。ろう付温度は特に規定するものではないが585℃から615℃が好適である。 The brazing joining using the brazing base material and the brazing sheet as described above is performed by a flux-free brazing method characterized by heating in an inert gas atmosphere. As the inert gas, nitrogen is usually preferable from the viewpoint of cost, but a rare gas such as Ar may be used. The brazing furnace can be carried out in the same furnace as the industrially used Nokolok brazing furnace, and naturally the flux itself and the flux application work can be omitted. The brazing temperature is not particularly specified but is preferably 585 ° C. to 615 ° C.
このようにしてろう付け接合された製品(ろう付け製品)は、少なくともその表面の一部に陽極酸化皮膜、あるいはそれが加熱されて結晶化した酸化物層が存在するものとなる。ここで、ろう付け用母材におけるろう付け接合面に続く部分の表面の陽極酸化皮膜には、ろう付け加熱時の昇温途中で数μm程度のクラックが多数生じるが、通常は脱落することなくほぼ全面に残存する。一方、ろう付け加熱により形成されたフィレット部分の表面にも、破壊・分断された状態ではあるが、陽極酸化皮膜が残存する。このようにフィレット部分の表面にも陽極酸化皮膜が残存することにより、その部分の耐食性、耐摩耗性が向上する効果が得られる。 The product brazed and joined in this manner (brazed product) has at least a part of its surface having an anodic oxide film or an oxide layer crystallized by heating it. Here, a large number of cracks of about several μm are generated in the anodic oxide film on the surface of the brazing base material following the brazing joint surface during the temperature rise during brazing heating, but usually without falling off. It remains on almost the entire surface. On the other hand, the anodized film remains on the surface of the fillet portion formed by brazing heating, although it is in a state of being broken and divided. As described above, the anodic oxide film remains on the surface of the fillet portion, whereby the effect of improving the corrosion resistance and wear resistance of the portion is obtained.
以上のところにおいて、ろう付け用母材自体の製造方法は特に限定されるものではなく、最終的なろう付け製品の用途や形状、要求特性に応じて、常法に従って製造すれば良い。 In the above, the manufacturing method of the brazing base material itself is not particularly limited, and may be manufactured according to a conventional method according to the use, shape, and required characteristics of the final brazing product.
またブレージングシート自体の製造方法も特に限定されるものではなく、通常のブレージングシート製造方法やクラッド材製造方法に倣って製造すれば良い。 Moreover, the manufacturing method of the brazing sheet itself is not particularly limited, and may be manufactured in accordance with a normal brazing sheet manufacturing method or a clad material manufacturing method.
以下、実施例に基づいて、この発明をさらに詳細に説明する。なおこれらの実施例は、この発明の技術的範囲を限定するものでないことはもちろんである。 Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples. Of course, these examples do not limit the technical scope of the present invention.
表1に示す母材用合金(合金符号A〜O)を常法に従って40mm厚さの鋳塊に鋳造して面削し、次いで熱間圧延、冷間圧延を行い、厚さ0.5mmの板状の母材を作成した。母材の調質については、400℃×2時間の焼鈍を施して調質O材とした。なおここではO材としたが、調質についてはH1n材でもよく、特に限定されないことはもちろんである。 The base metal alloys (alloy codes A to O) shown in Table 1 were cast into a 40 mm-thick ingot according to a conventional method and faced, and then hot-rolled and cold-rolled, and the thickness was 0.5 mm. A plate-shaped base material was created. Regarding the tempering of the base material, annealing was performed at 400 ° C. for 2 hours to obtain a tempered O material. Although the O material is used here, the H 1n material may be used for the tempering, and it is needless to say that the material is not particularly limited.
一方、表2に示すブレージングシート用のろう材用合金(合金符号P〜W)および被覆層用合金(合金符号X)についても、同様に鋳塊を製造し、次いで厚さ40mmに面削後、熱間圧延と冷間圧延を行い、所定のクラッド率になるように板厚を調整した。次に、前記ろう材、皮材を、別途作成したJIS 3000系合金からなる芯材と表3中の継手組合せの被覆材−ろう材の項に示すように重ね合わせ、これを開始温度480℃で熱間圧延して厚さ3mmのクラッド材とし、これを0.5mmまで冷間圧延し、その後400℃×2時間の焼鈍を施して調質O材のブレージングシートとした。なおここではO材としたが、調質についてはH1n材の場合でもろう付け性への影響はないことはもちろんである。 On the other hand, for the brazing alloy for brazing sheets shown in Table 2 (alloy codes P to W) and the coating layer alloy (alloy codes X), an ingot was produced in the same manner, and then chamfered to a thickness of 40 mm. Then, hot rolling and cold rolling were performed, and the plate thickness was adjusted so as to obtain a predetermined cladding rate. Next, the brazing material and the skin material were overlapped as shown in the section of the coating material-brazing material of the joint combination in Table 3 and the core material made of JIS 3000 series alloy separately prepared, and this was started at 480 ° C. Was rolled into a clad material having a thickness of 3 mm, cold-rolled to 0.5 mm, and then annealed at 400 ° C. for 2 hours to obtain a tempered O material brazing sheet. Although the O material is used here, it is needless to say that the tempering does not affect the brazing property even in the case of the H1n material.
また前述のようにして得られた母材について、浴温18℃の15%硫酸浴で電流密度を1.5A/dm2として陽極酸化処理を施し、所定の陽極酸化皮膜厚となるようにした。陽極酸化処理後の母材を切断し、陽極酸化皮膜が存在しない切断面(ろう付け接合面となるべき面)が、前述のようにして得られたブレージングシートに接するように組み合わせて、逆T継手試験片およびカップ試験片を組み立て、ろう付性を評価した。 In addition, the base material obtained as described above was anodized in a 15% sulfuric acid bath with a bath temperature of 18 ° C. with a current density of 1.5 A / dm 2 to obtain a predetermined anodic oxide film thickness. . The base material after the anodizing treatment is cut and combined so that the cut surface where the anodized film does not exist (the surface to be the brazed joint surface) is in contact with the brazing sheet obtained as described above. A joint specimen and a cup specimen were assembled and evaluated for brazing.
逆T字継手試験片の概要を図3に、またカップ試験片の概要を図4に示す。 An outline of the inverted T-joint specimen is shown in FIG. 3, and an outline of the cup specimen is shown in FIG.
図3において、逆T字継手試験片3は、芯材2Aの両面にろう材2B、2Bをクラッドし、さらに必要に応じてそのろう材2B、2Bの表面に被覆層2C、2Cを形成してなるブレージングシート2と、ろう付け接合面となるべき下面を除いて外表面に陽極酸化皮膜1Bが形成された母材1とを、上面側に母材1が位置するように配置してなるものである。なお母材1の下面(ろう付接合面)には自然酸化皮膜が形成されている。
In FIG. 3, an inverted T-shaped
またカップ状試験片4は、母材1を外径32mmのカップ状(円筒状)に成形して陽極酸化処理を施した後、その両端を切揃えて(したがって両端の陽極酸化皮膜が形成されている部分を除去して)、図4に示すように前記同様なブレージングシート2の上にカップ状の母材1を垂直状に配置してなるものである。なおいずれも母材1とブレージングシート2とは、図示しない治具にて相互間を固定した。
The cup-shaped test piece 4 is formed by forming the
これらの試験片を、不活性ガス雰囲気中(窒素)においてフラックス無しで、600℃×3分の加熱を行なってろう付け接合し、形成されたフィレット5についてろう付性を評価した。なお不活性ガス雰囲気中の酸素濃度は、50〜100ppmの範囲になるよう調整した。
These test pieces were brazed and joined by heating at 600 ° C. for 3 minutes without flux in an inert gas atmosphere (nitrogen), and the formed
一方、比較例(イ)〜(ハ)として、表面に陽極酸化皮膜を形成していない母材を使用した組合せ、および同じく比較例(ニ)として、表面の陽極酸化皮膜を6μmと厚くした母材を使用した組合せによって、それぞれ前記と同様な試験片を作成し、前記と同様に不活性ガス雰囲気中でフラックス無しでろう付けした。 On the other hand, as Comparative Examples (a) to (c), a combination using a base material on which no anodized film was formed on the surface, and as a Comparative Example (d), a mother having a surface anodized film as thick as 6 μm. Test pieces similar to the above were prepared by combinations using materials, and brazed without flux in an inert gas atmosphere as described above.
ろう付け性の評価結果については、逆T継手試験片については、外観でのフィレット形成能評価により、またカップ継手試験片では、カップを切断して内側、外側のフィレットを同様に評価した。その結果を表4に示す。 Regarding the evaluation results of the brazing property, the reverse T joint test piece was evaluated by the fillet forming ability in appearance, and the cup joint test piece was similarly evaluated for the inner and outer fillets by cutting the cup. The results are shown in Table 4.
比較例(イ)〜(ハ)はいずれも母材表面に陽極酸化皮膜を形成しなかった例であるが、それらのうち比較例(イ)では、フィレットが全く形成されなかった。この傾向はろう材、基材のMg量を増加しても同様であることが確認されている。また、比較例(ロ)、(ハ)では、陽極酸化皮膜は無いが、ブレージングシートのろう材表面に被覆層が存在することによって、不充分ではあるが若干フィレットが形成されていた。これは、被覆層によるろう材表面の酸化防止効果によるものと考えられる。一方比較例(ニ)は、母材表面の陽極酸化皮膜厚さが6μmと厚い例であるが、この場合フィレットが全く形成されなかった。これは、陽極酸化皮膜が厚過ぎるため、ろう付け時において陽極酸化皮膜の変形・破壊が進まず、溶融ろうの侵入が進行しなかったためと考えられる。 Comparative Examples (a) to (c) were all examples in which an anodized film was not formed on the surface of the base material, but no fillet was formed in Comparative Example (a) among them. It has been confirmed that this tendency is the same even when the amount of Mg in the brazing material and the base material is increased. In Comparative Examples (b) and (c), there was no anodic oxide film, but the presence of a coating layer on the surface of the brazing material of the brazing sheet resulted in some fillets being formed, although insufficient. This is considered to be due to the antioxidant effect of the brazing material surface by the coating layer. On the other hand, Comparative Example (D) is an example in which the thickness of the anodized film on the surface of the base material is as thick as 6 μm, but no fillet was formed in this case. This is presumably because the anodized film was too thick, so that the deformation / destruction of the anodized film did not progress during brazing, and the penetration of the molten brazing did not proceed.
一方、陽極酸化皮膜を母材に形成した例(継手No.1〜No.29)のうち、ブレージングシートに被覆層がなくかつ母材およびろう材にMgが含有されていないNo.1の比較例では、フィレットが全く形成されなったが、ブレージングシートに被覆層はないが母材およびろう材にMgが含有されているNo.2〜No.7の例では、良好なフィレットが形成された。但し、これらのうち母材Mg量が2.5%と比較的多い例(No.7)では、表面がやや変色し、フィレットも若干小さくなった。さらに母材のMg添加量を増加して、本発明範囲外の3.5%としたNo.8の例では、フィレットが形成されなかった。 On the other hand, among the examples (joints No. 1 to No. 29) in which the anodized film is formed on the base material, the brazing sheet has no coating layer and the base material and the brazing material do not contain Mg. In the comparative example 1, no fillet was formed, but the brazing sheet had no coating layer, but the base material and brazing material contained Mg. 2-No. In example 7, good fillets were formed. However, in the example (No. 7) in which the amount of the base material Mg is relatively large of 2.5% among these, the surface is slightly discolored and the fillet is slightly reduced. Further, the amount of Mg added to the base material was increased to 3.5% outside the scope of the present invention. In example 8, no fillet was formed.
また、陽極酸化皮膜が母材に形成され、かつブレージングシートに被覆層が存在する例(継手No.9〜No.29)のうち、母材にMgが含有されていない比較例(No.9、No.13)では、ろう材中のMgが若干ではあるが拡散することから、極く小さなフィレットが形成された。 Of the examples in which the anodic oxide film is formed on the base material and the coating layer is present on the brazing sheet (joints No. 9 to No. 29), the comparative example in which the base material does not contain Mg (No. 9) In No. 13), Mg in the brazing material diffuses a little, but an extremely small fillet was formed.
一方、同じく陽極酸化皮膜が母材に形成されかつブレージングシートに被覆層が存在する例(No.9〜No.29)のうち、母材成分組成、ブレージングシートの被覆材、ろう材の成分組成のいずれもがこの発明で規定する範囲内の本発明例(No.10〜No.12、No.14〜No.21、No.24、No.25、No.27、No.28)の場合は、いずれも良好なフィレットが形成された。 On the other hand, among the examples (No. 9 to No. 29) in which the anodic oxide film is formed on the base material and the coating layer is present on the brazing sheet, the base material component composition, the brazing sheet coating material, and the brazing material component composition In the case of any of the present invention examples (No. 10 to No. 12, No. 14 to No. 21, No. 24, No. 25, No. 27, No. 28) within the range defined by the present invention. In any case, a good fillet was formed.
これに対して母材におけるMg添加量が過剰であるNo.22の比較例では、フィレットが形成されず、また表面の変色も大きかった。 On the other hand, No. in which the amount of Mg added to the base material is excessive. In Comparative Example 22, no fillet was formed, and the surface discoloration was large.
また母材におけるMn含有量が過剰なNo.23の比較例では、小さいフィレットが形成されたものの、カップ成形時に耳高さ等が不安定となることが確認されている。したがってMn量は成形性等の点からもその添加量を選定する必要があるのである。 In addition, the Mn content in the base material is excessive. In Comparative Example 23, although a small fillet was formed, it was confirmed that the ear height and the like became unstable during cup molding. Accordingly, it is necessary to select the amount of Mn added from the viewpoint of moldability and the like.
さらに、母材の成分組成はこの発明で規定する範囲内であるものの、ろう材におけるBi添加量が過剰であったNo.26の例では、焼鈍時に偏析と思われる表面の変色が認められた。 Furthermore, although the component composition of the base material is within the range specified in the present invention, the amount of Bi added to the brazing material was excessive. In the case of No. 26, discoloration of the surface considered to be segregated during annealing was observed.
なおNo.18〜No.20の例から、母材へのZn、Cr、Tiの少量添加がろう付け性に悪影響を与えないことが確認されている。 No. 18-No. From 20 examples, it has been confirmed that the addition of a small amount of Zn, Cr, Ti to the base material does not adversely affect the brazeability.
さらに、次のようにして、ろう付け接合強度を評価した。 Furthermore, brazing joint strength was evaluated as follows.
すなわち、母材としては、表1の合金符号Cの厚み0.5mmの板材を、幅20mm、長さ110mmの短冊状とし、片面の端部から10mmまでをマスキングした後、15%硫酸浴で、マスキング部位以外の部分が膜厚2μmもしくは4μmの陽極酸化皮膜によって覆われるように陽極酸化処理を実施した。この際、浴温18℃、電流密度を1.5A/dm2とした。一方、3003合金からなる芯材と表2の合金符号Rのろう材(両面;各クラッド率15%)による3層のブレージングシートを常法によって作成し、これを板厚1.2mm、幅20mm、長さ110mmの短冊状とした。これらの母材およびブレージングシートを組合わせて、母材に陽極酸化皮膜が存在しない部分で両者がラップするよう接触させて固定し、窒素雰囲気中で600℃×3minのろう付加熱を行ない、表5のNo.30、No.31に示す継手を作成した。 That is, as a base material, a plate material having a thickness of 0.5 mm with an alloy code C shown in Table 1 is formed into a strip shape having a width of 20 mm and a length of 110 mm, masking from one end to 10 mm, and then using a 15% sulfuric acid bath. The anodic oxidation treatment was carried out so that the portions other than the masking portion were covered with an anodic oxide film having a thickness of 2 μm or 4 μm. At this time, the bath temperature was 18 ° C. and the current density was 1.5 A / dm 2 . On the other hand, a three-layer brazing sheet made of a core material made of 3003 alloy and a brazing material of alloy code R shown in Table 2 (both sides; each clad rate of 15%) was prepared by a conventional method. A strip shape having a length of 110 mm was used. Combining these base materials and brazing sheets, the base materials are fixed so that they both wrap at a portion where no anodized film exists, and brazing heat is applied at 600 ° C. for 3 minutes in a nitrogen atmosphere. No. 5 30, no. The joint shown in 31 was created.
また比較例として、母材による前述の短冊にマスキング無しで陽極酸化処理したものを、前記同様のブレージングシートにラップ長10mmとして組合せ、前記同様にろう付接合し、表5のNo.32、No.33に示す継手を作成した。 Further, as a comparative example, the above-mentioned strip made of the base material was anodized without masking, combined with the same brazing sheet as a wrap length of 10 mm, brazed and joined in the same manner as described above. 32, no. The joint shown in 33 was created.
これらについて、接合後の状態を観察するとともに、長手方向で引張試験を行なって接合の強さを評価した。 About these, while observing the state after joining, the tensile test was done in the longitudinal direction and the strength of joining was evaluated.
図5に引張試験片6の形状を模式的に示し、また接合状況観察結果および引張試験結果を表5に示す。 FIG. 5 schematically shows the shape of the tensile test piece 6 and Table 5 shows the results of observation of the joining state and the tensile test results.
表5から明らかなように、本発明例では、接合部に健全なフィレットが形成されていることが確認された。またこれを引張試験したときにも、母材の側の部分で破断されること、すなわち接合部の強度が高いことが確認された。なおこのように母材としてMgを含有する合金を用いることにとり、接合後の母材の強度としても通常の3003合金より60から70N/mm2向上していることが確認された。 As is apparent from Table 5, it was confirmed that a sound fillet was formed at the joint in the present invention example. In addition, even when this was subjected to a tensile test, it was confirmed that the material was broken at the base material side, that is, the strength of the joint was high. In addition, by using an alloy containing Mg as a base material in this way, it was confirmed that the strength of the base material after joining was also improved by 60 to 70 N / mm 2 from the normal 3003 alloy.
一方、ろう付け接合面の陽極酸化皮膜を除去しなかった比較例の場合、接合は不良となった。そのうち、陽極酸化皮膜厚2μmの場合には、若干のフィレットが形成されたが、引張試験を行えば接合部から破壊し、破断加重もばらついたうえ極端に低くなってしまった。これは、陽極酸化皮膜が接合面に残留することにより接合強度が低下したものと考えられる。 On the other hand, in the case of the comparative example in which the anodized film on the brazed joint surface was not removed, the joining was poor. Among them, when the thickness of the anodic oxide film was 2 μm, some fillets were formed. However, when the tensile test was performed, it was broken from the joint portion, and the breaking load was varied and extremely low. This is presumably because the bonding strength was lowered due to the anodic oxide film remaining on the bonding surface.
1 母材
1A 自然酸化皮膜
1B 陽極酸化皮膜
2 ブレージングシート
2A 芯材
2B ろう材
2C 被覆層
5 フィレット
DESCRIPTION OF
Claims (5)
その表面のうち、ろう付け接合すべき面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合すべき面に続く表面が、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜により覆われており、かつろう付け接合すべき面が自然酸化皮膜によって覆われていることを特徴とする、無フラックスろう付け用母材。 It is a base material for brazing made of an aluminum alloy containing Mg 0.1 to 3.0% (mass%, hereinafter the same), the balance being Al and inevitable impurities,
Of the surfaces except for the surface to be brazed, at least the surface following the surface to be brazed is covered with an anodized film having a thickness of 1 to 5 μm and brazed. A base material for flux-free brazing characterized in that the power surface is covered with a natural oxide film.
その表面のうち、ろう付け接合すべき面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合すべき面に続く表面が、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜により覆われており、かつろう付け接合すべき面が自然酸化皮膜によって覆われていることを特徴とする、無フラックスろう付け用母材。 It is a base material for brazing made of an aluminum alloy containing Mg 0.1 to 3.0%, Mn 0.5 to 1.5%, the balance being Al and inevitable impurities,
Of the surfaces except for the surface to be brazed, at least the surface following the surface to be brazed is covered with an anodized film having a thickness of 1 to 5 μm and brazed. A base material for flux-free brazing characterized in that the power surface is covered with a natural oxide film.
アルミニウム合金からなる心材の表面に、Si5.0〜15.0%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材がクラッドされているブレージングシートを、無フラックスにて不活性ガス雰囲気中でろう付けすることを特徴とする、ろう付け方法。 For the brazing base material according to claim 1 or claim 2 ,
A brazing material containing Si 5.0 to 15.0%, Mg 0.05 to 2.0%, Bi 0.02 to 0.2% on the surface of the core material made of an aluminum alloy, the balance being Al and inevitable impurities A brazing method comprising brazing a brazing sheet clad with a no-flux in an inert gas atmosphere.
アルミニウム合金からなる芯材の表面に、Si5.0〜15.0%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材がクラッドされており、かつそのろう材表面にろう材よりも融点が高くかつMgを実質的に含有しないアルミニウム合金からなる被覆層が0.05〜10μmの厚みで形成されているブレージングシートを、無フラックスにて不活性ガス雰囲気中でろう付けすることを特徴とする、ろう付け方法。 For the brazing base material according to claim 1 or claim 2 ,
The surface of the core material made of an aluminum alloy contains Si 5.0 to 15.0%, Mg 0.05 to 2.0%, Bi 0.02 to 0.2%, and the balance will be made of Al and inevitable impurities. A brazing sheet in which a coating layer made of an aluminum alloy having a melting point higher than that of a brazing material and containing substantially no Mg is formed on the surface of the brazing material with a thickness of 0.05 to 10 μm. A brazing method characterized by brazing in an inert gas atmosphere without flux.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008059592A JP5210001B2 (en) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | Non-flux brazing base material, brazing method and brazed product |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008059592A JP5210001B2 (en) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | Non-flux brazing base material, brazing method and brazed product |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009215595A JP2009215595A (en) | 2009-09-24 |
JP5210001B2 true JP5210001B2 (en) | 2013-06-12 |
Family
ID=41187740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008059592A Expired - Fee Related JP5210001B2 (en) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | Non-flux brazing base material, brazing method and brazed product |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5210001B2 (en) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE534689C2 (en) * | 2009-09-17 | 2011-11-15 | Sapa Heat Transfer Ab | Soldered aluminum sheet |
JP5576666B2 (en) | 2010-02-08 | 2014-08-20 | 株式会社神戸製鋼所 | Aluminum alloy clad material used for heat exchanger and core material for aluminum alloy clad material used therefor |
JP5687849B2 (en) * | 2010-06-01 | 2015-03-25 | 株式会社Uacj | Aluminum alloy brazing sheet |
JP5649405B2 (en) * | 2010-10-29 | 2015-01-07 | 三菱アルミニウム株式会社 | Aluminum alloy brazing sheet for fluxless brazing and fluxless brazing method of aluminum material |
JP6122573B2 (en) * | 2011-01-14 | 2017-04-26 | 日本軽金属株式会社 | Method for manufacturing liquid-cooled integrated substrate |
JP5695490B2 (en) * | 2011-05-10 | 2015-04-08 | 株式会社Uacj | Aluminum alloy brazing sheet |
JP5809720B2 (en) * | 2014-02-20 | 2015-11-11 | 株式会社神戸製鋼所 | Aluminum alloy clad material used for heat exchanger and core material for aluminum alloy clad material used therefor |
JP6435370B2 (en) * | 2017-05-11 | 2018-12-05 | 株式会社デンソー | Brazing sheet brazing method and heat exchanger manufacturing method |
JP7164498B2 (en) * | 2019-08-29 | 2022-11-01 | 株式会社神戸製鋼所 | Aluminum alloy material, fluxless brazing structure, and fluxless brazing method |
CN114318081A (en) * | 2021-12-31 | 2022-04-12 | 镇江龙源铝业有限公司 | Self-brazing aluminum alloy foil and preparation method thereof |
CN114293070A (en) * | 2021-12-31 | 2022-04-08 | 镇江龙源铝业有限公司 | Aluminum foil for brazing-free air conditioner heater and preparation method thereof |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3556827B2 (en) * | 1998-04-01 | 2004-08-25 | 古河スカイ株式会社 | Method of producing flux-free brazing material in non-oxidizing gas atmosphere and brazing method |
DE10342242A1 (en) * | 2003-09-11 | 2005-04-07 | Behr Gmbh & Co. Kg | Soldering piece, soldering and heat exchanger |
JP4342396B2 (en) * | 2004-07-22 | 2009-10-14 | 古河スカイ株式会社 | Brazing method |
-
2008
- 2008-03-10 JP JP2008059592A patent/JP5210001B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009215595A (en) | 2009-09-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5210001B2 (en) | Non-flux brazing base material, brazing method and brazed product | |
JP6649889B2 (en) | Aluminum alloy brazing sheet | |
JP6263574B2 (en) | Brazing sheet, method for producing the same and method for brazing aluminum structure | |
JP3780380B2 (en) | Aluminum alloy brazing sheet, brazing method using the same, and brazed product | |
JP6648999B2 (en) | Aluminum alloy brazing sheet | |
JP4963627B2 (en) | Aluminum brazing structure for heat exchanger, clad material used therefor, and method for producing aluminum brazing structure for heat exchanger | |
JP5054404B2 (en) | Aluminum alloy clad material and brazing sheet for heat exchanger | |
JP2018099726A (en) | Brazing method for aluminum alloy brazing sheet | |
WO2018043277A1 (en) | Aluminum alloy brazing sheet | |
JP6909744B2 (en) | Flux-free brazing aluminum alloy brazing sheet | |
JPWO2020085486A1 (en) | Aluminum alloy brazing sheet and its manufacturing method | |
JP6990528B2 (en) | Brazing method of aluminum alloy brazing sheet and manufacturing method of heat exchanger | |
WO2020071289A1 (en) | Brazing sheet and method for producing same | |
JP2001300762A (en) | Aluminum alloy brazing sheet | |
JP2017179548A (en) | Aluminum alloy brazing sheet | |
JP3360026B2 (en) | Brazing method of aluminum alloy brazing sheet for heat exchanger | |
WO2020085487A1 (en) | Aluminum alloy brazing sheet and production method therefor | |
WO2020085488A1 (en) | Aluminum alloy brazing sheet and production method therefor | |
JP3765327B2 (en) | Brazing aluminum alloy composite member and brazing method | |
JP2012030244A (en) | Fluxless brazing method for aluminum material | |
JP4860203B2 (en) | Laminated material for heat exchanger, tube material for heat exchanger, header material for heat exchanger, manufacturing method of heat exchanger, and heat exchanger | |
JP2018099725A (en) | Aluminum alloy brazing sheet | |
JP2017172025A (en) | Aluminum alloy clad material for heat exchanger | |
JP2020056060A (en) | Aluminum alloy brazing sheet and manufacturing method therefor | |
JP7290605B2 (en) | Aluminum alloy brazing sheet and aluminum alloy brazing body |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426 Effective date: 20100507 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20100507 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110208 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130219 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130222 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5210001 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |