JP5203596B2 - プロトン伝導体およびそれを含む燃料電池 - Google Patents

プロトン伝導体およびそれを含む燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、プロトン伝導体および燃料電池に関し、特に、プロトン伝導性を飛躍的に向上することができるプロトン伝導体およびそのプロトン伝導体を含む燃料電池に関する。
近年、環境問題および資源問題などに起因して、クリーンなエネルギ源が求められている。そのようなエネルギ源としては、たとえば燃料電池が期待されている。燃料電池は、燃料を電気化学的に酸化することによって、燃焼によって生じるはずのエネルギを熱エネルギとしてではなく電気エネルギとして取り出すことに特徴がある。
図9に、一般的な燃料電池の模式的な構成の一例を示す。ここで、燃料電池は、燃料極11と空気極12との間にプロトン伝導体13が設けられており、燃料極11と空気極12とは外部回路14によって電気的に接続された構成を有している。
このような構成の燃料電池においては、燃料極11に水素ガス15が供給されるとともに、空気極12には空気16が供給される。
そして、燃料極11では、H2→2H++2e-の反応が起こり、その反応により生じた電子(e-)は燃料極11に放出されて外部回路14を通って空気極12に流れ込むとともに、その反応により生じたプロトン(H+)はプロトン伝導体13を通って空気極12に到達する。
また、空気極12では、1/2O2+2H++2e-→H2Oの反応が起こり、空気極12に供給された空気中の酸素と、プロトン伝導体13を通って空気極12に到達したプロトンと、外部回路14を通って空気極12に流れ込んだ電子(e-)と、によって水蒸気(H2O)が発生する。
上記のプロトン伝導体13の材料としては、たとえば、良好なプロトン伝導性を示すことが知られているポリリン酸をベースとした材料を用いることが望ましいが、このポリリン酸をベースとした材料は200〜300℃で分解してしまうという問題があった。
そこで、たとえば非特許文献1には、プロトン伝導体としてα−リン酸ジルコニウム等を用いることが提案されている。また、非特許文献2および特許文献1には、さらにプロトン伝導性を向上させるためにメカニカルミリングすることが提案されている。また、非特許文献3および特許文献2には、プロトン伝導体にシリカ系材料を用いることが提案されている。さらに、特許文献3には、リン酸に酸化ジルコニウムを固形剤として混合してなるプロトン伝導体が提案されている。
特開2003−281931号公報 特開2004−55181号公報 特開2005−197100号公報 Giulo Alberti, Mario Casciola, "Solid state protonic conductors, present main applications and future prospects", Solid State Ionics 2001年, pp.3−16 Atsunori Matsuda et al, "Preparation of proton conducting composites by mechanical milling for phosphorus-containing solid acids", Solid State Ionics 2005年, pp.2899−2904 Junichiro Otomo et al, "Protonic conduction of CsH2PO4 and its composite with silica in dry and humid atmospheres", Solid State Ionics 2003年, pp.357−369
しかしながら、上記の非特許文献1〜3および特許文献1〜3に開示されたプロトン伝導体の耐熱性は向上するものの、ポリリン酸そのものよりもプロトン伝導性が低くなるという問題があった。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、プロトン伝導性を飛躍的に向上することができるプロトン伝導体およびそのプロトン伝導体を含む燃料電池を提供することにある。
本発明は、ポリリン酸中にナノ酸化物を混合してなり、ナノ酸化物の平均粒子径が5nm以上100nm以下であって、ナノ酸化物の体積分率が5%以上50%以下であり、ナノ酸化物が酸化ジルコニウムおよび酸化チタンの少なくとも1種からなるプロトン伝導体である。
さらに、本発明は、上記のいずれかのプロトン伝導体を含む燃料電池である。
本発明によれば、プロトン伝導性を飛躍的に向上することができるプロトン伝導体およびそのプロトン伝導体を含む燃料電池を提供することができる。
本発明は、ポリリン酸中にナノ酸化物を混合してなるプロトン伝導体である。これは、本発明者らが鋭意検討した結果、ポリリン酸にナノ酸化物を混合することによって、プロトン伝導性を飛躍的に向上させることができることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
ここで、本発明において、ポリリン酸としては、たとえば、従来から公知のポリリン酸を用いることができ、より詳細には、たとえば、少なくとも2個のリン原子を含み、リン原子同士が1個の酸素原子を介して結合している構造を含むHn+2n3n+1(nは2以上の整数)の一般式で表わされるポリリン酸等を用いることができる。
また、本発明において、ナノ酸化物とは、平均粒子径が1nm以上1000nm未満の範囲内にある酸化物の粒子のことをいう。
上記構成の本発明のプロトン伝導体のプロトン伝導性が飛躍的に向上する理由は明らかではないが、以下のように推測される。
まず、ポリリン酸中にナノ酸化物を混合してプロトン伝導体を作製した場合には、たとえば図1に示すように、ポリリン酸1とナノ酸化物2とが反応して、ナノ酸化物2の表面の少なくとも一部にたとえばMP27(Mはナノ酸化物を構成する金属)の式で表わされる二リン酸塩等からなる反応層3が形成されることが推測される。
そして、ナノ酸化物2の表面の反応層3同士が接触することによって反応層3によるネットワークが構成され、この反応層3からなるネットワークのプロトン伝導性が高いことから、プロトンはポリリン酸1を通って伝導するだけでなく、このネットワークも通って伝導するために、本発明のプロトン伝導体のプロトン伝導性が飛躍的に向上すると推測される。
ここで、ナノ酸化物の平均粒子径は5nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上40nm以下であることが好ましい。ナノ酸化物の平均粒子径が5nm未満である場合には、ナノ酸化物がポリリン酸に溶解して、その形状を保持することができなくなり、上記ネットワークが形成されなくなってしまうおそれがある。また、ナノ酸化物の平均粒子径が100nmを超える場合にはナノ酸化物の表面の反応層同士の接触面積が小さくなって上記ネットワークにおけるプロトンの伝導経路を大きくすることができず、プロトン伝導性が向上しない傾向にある。また、ナノ酸化物の平均粒子径が10nm以上40nm以下である場合には、反応層同士が接触するナノ酸化物の数を増加することができるとともに、反応層の接触面積も増大することができることから、上記ネットワーク中のプロトンの伝導経路数が増大するとともにその個々の伝導経路も大きくすることができ、プロトン伝導性をさらに高めることができる傾向にある。
なお、ナノ酸化物の平均粒子径は、たとえばX線回折法によってナノ酸化物のX線回折パターンをとり、そのX線回折パターンのピークの半値幅から算出することができる。
また、ナノ酸化物の体積分率は5%以上50%以下であることが好ましい。ナノ酸化物の体積分率が5%未満である場合にはナノ酸化物の表面の反応層同士の接触によるネットワークが形成されずプロトン伝導性が大きく向上しない傾向にある。また、ナノ酸化物の体積分率が50%を超える場合には、プロトン伝導体を占めるポリリン酸の体積分率が低下するため、プロトン伝導性が大きく向上しない傾向にある。
なお、本発明において、ナノ酸化物の体積分率は、混合前のナノ酸化物の体積を混合前のポリリン酸の体積と混合前のナノ酸化物の体積との和で割った後に100を掛けることによって%の単位で算出される。
また、ナノ酸化物としては酸化ジルコニウムおよび酸化チタンの少なくとも1種を用いることが好ましい。酸化ジルコニウム(ZrO2)および/または酸化チタン(TiO2)をナノ酸化物としてポリリン酸中に混合した場合には本発明のプロトン伝導体の耐熱性が向上するとともに、プロトン伝導体のプロトン伝導率が飛躍的に向上する傾向にある。
なお、本発明のプロトン伝導体においては、ポリリン酸中にナノ酸化物以外の物質が含まれていてもよいことは言うまでもない。
上述した本発明のプロトン伝導体においてはプロトン伝導率が飛躍的に向上するため、たとえば図9に示すプロトン伝導体13に上述した本発明のプロトン伝導体を用いることによって大出力の燃料電池を得ることができる。
(試料の作製)
以下のようにして、参考例1〜3、実施例3〜8および実施例10〜12、ならびに比較例1のプロトン伝導体がそれぞれ作製された。
参考例1>
まず、アルゴンで満たしたグローブボックス中でリン酸(ナカライテスク製)と五酸化二リン(Aldrich製)を1:1のモル比で秤量して100℃〜200℃で3時間混合することにより、ポリリン酸を作製した。
そして、引き続きグローブボックス中で、上記で作製したポリリン酸中にナノ酸化物として酸化ジルコニウム(ZrO2)粒子(Aldrich製)を混合して参考例1のプロトン伝導体を作製した。
ここで、ポリリン酸への混合前のZrO2粒子の平均粒子径は25nmであって、ポリリン酸の混合後のZrO2粒子の平均粒子径(反応層の厚さを除いたZrO2のみの平均粒子径)は21nmになっていることがX線回折ピークの半値幅から確認された。
また、参考例1においては、ZrO2粒子の体積分率を1%とし、ポリリン酸とZrO2粒子との混合時間を1.5時間とした。
参考例2>
ZrO2粒子の体積分率を3.3%としたこと、ならびにポリリン酸とZrO2粒子との混合時間を2.5時間としたこと以外は参考例1と同一の方法および同一の条件で参考例2のプロトン伝導体を作製した。
<実施例3>
ZrO2粒子の体積分率を5.9%としたこと、ならびにポリリン酸とZrO2粒子との混合時間を3.5時間としたこと以外は実施例1と同一の方法および同一の条件で実施例3のプロトン伝導体を作製した。
<実施例4>
ZrO2粒子の体積分率を8.7%としたこと、ならびにポリリン酸とZrO2粒子との混合時間を4.5時間としたこと以外は実施例1と同一の方法および同一の条件で実施例4のプロトン伝導体を作製した。
<実施例5>
ZrO2粒子の体積分率を12.6%としたこと、ならびにポリリン酸とZrO2粒子との混合時間を5.5時間としたこと以外は実施例1と同一の方法および同一の条件で実施例5のプロトン伝導体を作製した。
<実施例6>
ZrO2粒子の体積分率を17.5%としたこと、ならびにポリリン酸とZrO2粒子との混合時間を6.5時間としたこと以外は実施例1と同一の方法および同一の条件で実施例6のプロトン伝導体を作製した。
<実施例7>
ZrO2粒子の体積分率を23%としたこと、ならびにポリリン酸とZrO2粒子との混合時間を7.5時間としたこと以外は実施例1と同一の方法および同一の条件で実施例7のプロトン伝導体を作製した。
<実施例8>
ZrO2粒子の体積分率を31%としたこと、ならびにポリリン酸とZrO2粒子との混合時間を8.5時間としたこと以外は実施例1と同一の方法および同一の条件で実施例8のプロトン伝導体を作製した。
参考
まず、参考例1と同一の方法および同一の条件でポリリン酸を作製した。そして、引き続きグローブボックス中で、上記で作製したポリリン酸中にナノ酸化物としてアナターゼ型酸化チタン(TiO2)粒子(Aldrich製)を混合して参考例9のプロトン伝導体を作製した。
ここで、ポリリン酸への混合前のTiO2粒子の平均粒子径は15nmであって、ポリリン酸の混合後に形成されたTiP27粒子の平均粒子径は22nmになっていることがX線回折ピークの半値幅から確認された。
また、実施例9においては、TiO2粒子の体積分率を2.4%とし、ポリリン酸とTiO2粒子との混合時間を1.5時間とした。
<実施例10>
TiO2粒子の体積分率を5.3%としたこと、ならびにポリリン酸とTiO2粒子との混合時間を2.5時間としたこと以外は実施例9と同一の方法および同一の条件で実施例10のプロトン伝導体を作製した。
<実施例11>
TiO2粒子の体積分率を8.7%としたこと、ならびにポリリン酸とTiO2粒子との混合時間を3.5時間としたこと以外は実施例9と同一の方法および同一の条件で実施例11のプロトン伝導体を作製した。
<実施例12>
TiO2粒子の体積分率を12.7%としたこと、ならびにポリリン酸とTiO2粒子との混合時間を4.5時間としたこと以外は実施例9と同一の方法および同一の条件で実施例12のプロトン伝導体を作製した。
<比較例1>
参考例1と同一の方法および同一の条件でポリリン酸を作製し、このポリリン酸にナノ酸化物を全く混合しなかったものを比較例1のプロトン伝導体とした。
(導電率の測定)
上記のようにして作製した参考例1〜3、実施例3〜8および実施例10〜12、ならびに比較例1のプロトン伝導体のそれぞれの導電率を交流インピーダンス法により測定した。
ここで、参考例1〜3、実施例3〜8および実施例10〜12、ならびに比較例1のプロトン伝導体はそれぞれスラリー状であるため、図2に示すステンレスからなる棒状部材5とフッ素系樹脂からなる支持台4とを含む測定装置8の支持台4に設けられた直径15mmの円筒状の凹部7に3mmの厚さになるようにそれぞれ流し込まれた。
そして、凹部7に流し込まれた上記プロトン伝導体の両面に白金電極6を接触させて導電率を測定した。なお、導電率は、20〜170℃の乾燥アルゴン雰囲気中で測定された。
また、導電率の測定は、インピーダンスアナライザ(Solartron 1260Z)を用いて行ない、測定周波数は1MHz〜0.1Hzの間で変化させた。インピーダンス測定の結果を複素平面にプロットし、実軸との交点を試料の抵抗値(Ω)とした。そして、この抵抗値(Ω)から参考例1〜3、実施例3〜8および実施例10〜12、ならびに比較例1のプロトン伝導体のそれぞれの導電率を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0005203596
表1に示すように、参考例1〜3、実施例3〜8および実施例10〜12のプロトン伝導体は比較例1のプロトン伝導体と比べて導電率が大きくなっており、導電率は最大で比較例1の約11倍(実施例7)となっていた。
(活性化エネルギ)
図3に、実施例7のプロトン伝導体の導電率と絶対温度との積を絶対温度の逆数に対してプロットした図(アレニウスプロット)を示す。なお、図3において、縦軸は実施例7のプロトン伝導体の導電率と絶対温度との積を示し、横軸は実施例7のプロトン伝導体の絶対温度の逆数(1000/T(K-1))を示している。
図3のアレニウスプロットを直線近似した傾きからプロトン伝導の活性化エネルギを計算することができ、その傾きが横軸に平行になるにしたがって活性化エネルギが小さくなり、プロトンが伝導しやすくなることを示している。
ここで、図3に示すアレニウスプロットから活性化エネルギを計算した結果、実施例7のプロトン伝導体の活性化エネルギは約27kJ/molであり、比較例1のプロトン伝導体の活性化エネルギである約37kJ/molよりも小さいことがわかった。したがって、実施例7のプロトン伝導体は、比較例1のプロトン伝導体よりもプロトン伝導率の高い優れたプロトン伝導体であることがわかった。
また、図4に、実施例12のプロトン伝導体の導電率と絶対温度との積を絶対温度の逆数に対してプロットした図(アレニウスプロット)を示す。なお、図4において、縦軸は実施例12のプロトン伝導体の導電率と絶対温度との積を示し、横軸は実施例12のプロトン伝導体の絶対温度の逆数(1000/T(K-1))を示している。
ここで、図4に示すアレニウスプロットから活性化エネルギを計算した結果、実施例12のプロトン伝導体の活性化エネルギは約21kJ/molであり、比較例1のプロトン伝導体の活性化エネルギである約37kJ/molよりも小さいことがわかった。したがって、実施例12のプロトン伝導体は、比較例1のプロトン伝導体よりもプロトン伝導率の高い優れたプロトン伝導体であることがわかった。
(導電率と体積分率との関係)
図5に、比較例1のプロトン伝導体の導電率を1としたときの参考例1〜2および実施例3〜8のプロトン伝導体のそれぞれの導電率の比率をプロットした図を示す。図5において、横軸は参考例1〜2および実施例3〜8および比較例1のそれぞれのプロトン伝導体のZrO2粒子の体積分率(%)を示し、縦軸は参考例1〜2および実施例3〜8および比較例1のそれぞれのプロトン伝導体の導電率(比較例1のプロトン伝導体の導電率を1としたときの参考例1〜2および実施例3〜8のプロトン伝導体のそれぞれの導電率の比率)を示す。なお、図5中の黒塗りの四角は、左端から右端にかけて、順次、比較例1、参考例1、参考例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7および実施例8のプロトン伝導体にそれぞれ対応している。
図5に示すように、ZrO2粒子の体積分率を0%から増加させるにつれてプロトン伝導体の導電率が上昇していき、ZrO2粒子の体積分率が23%でプロトン伝導体の導電率の大きさがピークを迎え、その後減少していく。
図5に示すように、ZrO2粒子の体積分率の増加に対するプロトン伝導体の導電率の上昇が直線関係にないため、単にZrO2粒子の混合による効果ではなく、ZrO2粒子とポリリン酸との界面がプロトン伝導性の向上に寄与しているものと考えられる。
また、図5に示す結果から、プロトン伝導性を向上させる観点からは、ZrO2粒子の体積分率は、8.7%以上であることがより好ましく、12.6%以上であることがさらに好ましく、17.5%以上であることが特に好ましい。
また、図5に示す結果から、プロトン伝導性を向上させる観点からは、ZrO2粒子の体積分率は、31%以下であることが好ましい。
したがって、プロトン伝導性を向上させる観点からは、ZrO2粒子の体積分率は、8.7%以上31%以下であることが好ましく、12.6%以上31%以下であることがより好ましく、17.5%以上31%以下であることがさらに好ましい。
図6に、比較例1のプロトン伝導体の導電率を1としたときの参考例3および実施例10〜12のプロトン伝導体のそれぞれの導電率の比率をプロットした図を示す。図6において、横軸は参考例3および実施例10〜12および比較例1のそれぞれのプロトン伝導体のTiO2粒子の体積分率(%)を示し、縦軸は参考例3および実施例10〜12および比較例1のそれぞれのプロトン伝導体の導電率(比較例1のプロトン伝導体の導電率を1としたときの参考例3および実施例10〜12のプロトン伝導体のそれぞれの導電率の比率)を示す。なお、図6中の黒塗りの四角は、左端から右端にかけて、順次、比較例1、参考例3、実施例10、実施例11および実施例12のプロトン伝導体にそれぞれ対応している。
図6に示すように、TiO2粒子の体積分率を0%から増加させるにつれてプロトン伝導体の導電率が上昇していき、TiO2粒子の体積分率が12.7%でプロトン伝導体の導電率の大きさがピークを迎え、その後減少していくと考えられる。
図6に示すように、TiO2粒子の体積分率の増加に対するプロトン伝導体の導電率の上昇も直線関係にないため、単にTiO2粒子の混合による効果ではなく、TiO2粒子とポリリン酸との界面がプロトン伝導性の向上に寄与しているものと考えられる。
また、図6に示す結果から、プロトン伝導性を向上させる観点からは、TiO2粒子の体積分率は、5.3%以上であることがより好ましく、8.7%以上であることがさらに好ましい。
また、図6に示す結果から、プロトン伝導性を向上させる観点からは、TiO2粒子の体積分率は、12.7%以下であることが好ましい。
したがって、プロトン伝導性を向上させる観点からは、TiO2粒子の体積分率は、5.3%以上12.7%以下であることが好ましく、8.7%以上12.7%以下であることがより好ましい。
(X線回折法による解析)
図7に、参考例1〜2および実施例3〜8のように、ポリリン酸中にZrO2粒子を混合して作製したプロトン伝導体のX線回折法によるX線回折パターンを示す。このX線回折パターンにおいては、ZrO2に対応するピークとともにZrP27に対応するピークが確認され、X線回折パターンのピークの半値幅からZrO2粒子の平均粒子径が25nmから21nmに減少していることが確認された。
したがって、これらの結果から、ポリリン酸中に混合されたZrO2粒子の表面部分がポリリン酸と反応し、ZrO2粒子の表面部分にZrP27からなる反応層が形成されたものと考えられる。
図8に、参考例3および実施例10〜12のように、ポリリン酸中にTiO2粒子を混合して作製したプロトン伝導体のX線回折法によるX線回折パターンを示す。
このX線回折パターンにおいては、TiP27に対応するピークのみが確認された。したがって、この結果から、ポリリン酸中に混合されたTiO2粒子はその全体がポリリン酸と反応してTiP27粒子になったと考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のプロトン伝導体においてはプロトン伝導性が飛躍的に向上するため、本発明のプロトン伝導体を用いた燃料電池はその出力を大幅に向上することができる。
本発明のプロトン伝導体の想定図である。 実施例1〜実施例12および比較例1のプロトン伝導体の導電率の測定装置の構成を模式的に示す図である。 実施例7のプロトン伝導体の導電率と絶対温度との積を絶対温度の逆数に対してプロットした図である。 実施例12のプロトン伝導体の導電率と絶対温度との積を絶対温度の逆数に対してプロットした図である。 比較例1のプロトン伝導体の導電率を1としたときの実施例1〜8のプロトン伝導体のそれぞれの導電率の比率をプロットした図である。 比較例1のプロトン伝導体の導電率を1としたときの実施例9〜12のプロトン伝導体のそれぞれの導電率の比率をプロットした図である。 ポリリン酸中にZrO2粒子を混合して作製したプロトン伝導体のX線回折法によるX線回折パターンである。 ポリリン酸中にTiO2粒子を混合して作製したプロトン伝導体のX線回折法によるX線回折パターンである。 一般的な燃料電池の模式的な構成の一例を示す図である。
符号の説明
1 ポリリン酸、2 ナノ酸化物、3 反応層、4 支持台、5 棒状部材、6 白金電極、7 凹部、8 測定装置、11 燃料極、12 空気極、13 プロトン伝導体、14 外部回路、15 水素ガス、16 空気。

Claims (2)

  1. ポリリン酸中にナノ酸化物を混合してなり、
    前記ナノ酸化物の平均粒子径が5nm以上100nm以下であって、
    前記ナノ酸化物の体積分率が5%以上50%以下であり、
    前記ナノ酸化物が酸化ジルコニウムおよび酸化チタンの少なくとも1種からなる、プロトン伝導体。
  2. 請求項1に記載のプロトン伝導体を含む、燃料電池。
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