JP5203095B2 - 地下水採水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地下水採水装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、地盤に掘削されたボーリング孔内に挿入されて孔内の地下水を採水する装置に関する。
地盤に掘削されたボーリング孔内に挿入されて孔内の地下水を採水する従来の地下水採水装置としては例えば、図3に示すように、真空源としての真空ポンプ(図示せず)と、開閉弁103を有して真空ポンプによって予め真空引きされると共に開閉弁103を閉じた状態でボーリング孔109内の所定の採水区間に挿入される採水容器101と、地上に設けられたアクチュエータ制御部104と、開閉弁103に連結されると共にアクチュエータ制御部104によって制御されて開閉弁103を開くことにより真空引きされた採水容器101内に地下水を採水すると共に開閉弁103を閉じることにより地下水を採水した採水容器101を密封するアクチュエータ102とを備え、滑車106を介してウインチ107に巻かれたケーブル105に吊り下げられて地盤108に掘削されたボーリング孔109内に挿入されて孔内の地下水を採水するものがある(特許文献1)。
特開2006−188857号
しかしながら、特許文献1の地下水採水装置では、採水容器101の開閉弁103を開閉するためのアクチュエータ102が必要であり、当該アクチュエータ102と採水容器101とを連結させて一緒にボーリング孔109内を昇降させる必要があるので、これらを昇降させるために地上に設置される昇降装置であるウインチ107として大きな昇降出力を有するものが必要とされると共に当該ウインチ107を含む昇降設備が大掛かりなものになるという問題がある。このため、現場までの設備の運搬及び採水作業を行うための設備の設置や撤収に多大な手間がかかり、汎用性が高いとは言い難い。
また、特許文献1の地下水採水装置では、アクチュエータ102を制御するためのアクチュエータ制御部104が必要であり、設備の構成及び装置の操作が複雑になって取扱いが煩雑になると共に設備の整備コストが高くなるという問題がある。また、アクチュエータ102を採水容器101と一緒にボーリング孔109内に挿入すると共にアクチュエータ102を制御するためのアクチュエータ制御部104を地上に設置するようにしているので、アクチュエータ102及び採水容器101を吊り下げ可能な強度を有すると共にアクチュエータ制御部104からの制御信号(電気的な信号)を伝送可能な仕様のものがケーブル105として必要であり、ケーブルの径が太く且つ重量が重くなるのでこの点からもウインチ107が大規模なものになると共にケーブル105のコストが高くなるという問題がある。
さらに、特許文献1の地下水採水装置では、採水作業にあたって採水容器101を予め真空引きしておく必要があり、手間がかかるという問題がある。この点からも、汎用性が高いとは言い難い。
そこで、本発明は、簡易な構成且つ簡便な操作によってボーリング孔内の地下水を被圧不活性状態で採水することができる地下水採水装置を提供することを目的とする。
なお、本明細書においては、被圧不活性状態とは、採水対象地下水の原位置の水圧を保持し且つ空気と接触させない状態であるという意味で用いる。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の地下水採水装置は、地下水を溜める採水容器と、該採水容器と連通する流路の流路開口部を側面に有し且つ上端面に開口部を有する凹部が形成され更に該凹部の周壁に穿孔が形成されると共に採水容器の上端に連接される上部基部と、上部基部凹部周壁との当接面に嵌合溝部が形成され更に外側面から上部基部側面との当接面に達する貫通孔が形成されると共に上部基部側面に摺動可能に配設される上部スライドポートと、錘受けと該錘受けから下方に突出する軸部とを有し且つ軸部の周面に嵌合溝部が形成されると共に軸部が上部基部凹部に摺動可能に挿入されて配設されるトリガーと、上部基部凹部周壁の穿孔に嵌められる嵌合部材と、トリガーと上部基部との間に介在して上部基部を基準にしてトリガーを押し上げる力を付勢するトリガー押上げばねと、上部スライドポートと上部基部との間に介在して上部基部を基準にして上部スライドポートを押し上げる力を付勢するスライドポート押上げばねと、採水容器と連通する流路の流路開口部を側面に有すると共に採水容器の下端に連接される下部基部と、外側面から下部基部側面との当接面に達する貫通孔が形成されると共に下部基部側面に摺動可能に配設される下部スライドポートと、上部スライドポートと下部スライドポートとを連結する支柱と、上記構造とは別体の錘とを有すると共に、上部基部凹部周壁の穿孔の位置と上部スライドポートの上部基部凹部周壁との当接面の嵌合溝部の位置とが一致しているときに上部基部側面の流路開口部の位置と上部スライドポートの貫通孔の位置とが一致し且つ下部基部側面の流路開口部の位置と下部スライドポートの貫通孔の位置とが一致するようになっており、上部基部凹部周壁の穿孔の位置と上部スライドポートの上部基部凹部周壁との当接面の嵌合溝部の位置とが一致して両者に嵌合部材が嵌って上部基部と上部スライドポートとの位置関係並びに下部基部と下部スライドポートとの位置関係が固定されると共にトリガー押上げばねによって上部基部に対してトリガーが押し上げられてトリガー軸部周面の嵌合溝部が上部基部凹部周壁の穿孔に嵌る嵌合部材よりも上方にある状態から、落下してきた錘が錘受けに衝突してトリガーが押し下げられることによって、嵌合部材がトリガー軸部周面の嵌合溝部に嵌ると共に上部スライドポートの上部基部凹部周壁との当接面の嵌合溝部から外れ、スライドポート押上げばねの付勢力によって上部基部に対して上部スライドポートが押し上げられると共に支柱を介して下部基部に対して下部スライドポートが押し上げられて上部基部側面の流路開口部が上部スライドポートによって閉鎖されると共に下部基部側面の流路開口部が下部スライドポートによって閉鎖されるようにしている。
したがって、この地下水採水装置によると、地上から落下させた錘を衝突させてトリガーを押し下げることによって採水容器と連通する流路の開口部が閉鎖されるので、採水容器の開閉弁を電動駆動させるための装置を用いることなく目標採水深度において被圧不活性状態で地下水の採水が行われる。さらに、この地下水採水装置によると、採水容器の開閉弁を電動駆動させる装置をも一緒にボーリング孔内を昇降させる必要がないので、昇降装置の昇降出力が小さくて済むと共に昇降装置を含む昇降設備が小規模で済む。
また、この地下水採水装置によると、採水容器と連通する流路の開口部が錘を落下させることによって閉鎖されるので、採水容器の開閉弁を電動駆動させる装置を制御するための装置を用いることなく目標採水深度において被圧不活性状態で地下水の採水が行われる。さらに、この地下水採水装置によると、採水容器の開閉弁の電動駆動を制御するための電気的な信号を地下水内の地下水採水装置に伝送する必要がないので、地下水採水装置を吊り下げるものは単なるワイヤで済む。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の地下水採水装置において、上部スライドポートの貫通孔と下部スライドポートの貫通孔との間に、中央に穴を有すると共に上部スライドポート及び下部スライドポートの軸心と直角に配設される少なくとも一枚のディスクラバーを更に有するようにしている。この場合には、地下水採水装置の外径に対してボーリング孔の直径が大きい場合であっても、地下水採水装置が地下水中を降下する際の地下水採水装置周囲の地下水にとってディスクラバーが障害になるので、地下水は地下水採水装置内部を通過するようになって採水容器内の地下水が常に入れ替わり、地下水採水装置周囲の地下水即ち地下水採水装置が存在する深度の地下水が採水容器の中に確実に取り込まれる。さらに、ディスクラバーはセントラライザーとしても働くので、地下水採水装置本体の位置がボーリング孔内のほぼ中心に常に保たれる。
請求項1記載の地下水採水装置によれば、採水容器の開閉弁を電動駆動させるための装置を用いることなく目標採水深度において被圧不活性状態で地下水の採水を行うことができるので、地下水採水装置全体の構成を簡易なものにすることができると共に装置の操作を簡便なものにすることができ、汎用性の向上を図ることが可能になる。さらに、昇降装置の昇降出力が小さくて済むと共に昇降装置を含む昇降設備を小規模で済むので、現場までの設備の運搬及び採水作業を行うための設備の設置や撤収にかかる手間を抑えることができ、汎用性の向上を図ることが可能になる。
また、請求項1記載の地下水採水装置によれば、採水容器の開閉弁を電動駆動させる装置を制御するための装置を用いることなく目標採水深度において被圧不活性状態で地下水の採水を行うことができるので、地下水採水装置全体の構成を簡易にすると共に装置の操作を簡便にすることができ、装置の取扱いを容易にすると共に設備の整備コストを抑えることが可能になる。さらに、地下水採水装置を吊り下げるものは単なるワイヤで済むので、地下水採水装置全体の構成を簡易なものにして設備の整備コストを抑えることが可能になる。
さらに、請求項2記載の地下水採水装置によれば、地下水採水装置が存在する深度の地下水を採水容器の中に確実に取り込むようにすることができるので、地下水試料の採水作業の信頼性をより一層高めることが可能になる。また、地下水採水装置本体の位置をボーリング孔内のほぼ中心に常に保つことによって装置本体がボーリング孔の周壁に衝突することを防ぐことができるので、地下水採水装置の破損を防ぐことが可能になる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に、本発明の地下水採水装置の実施形態の一例を示す。この地下水採水装置1は、ワイヤ20によって吊り下げられてボーリング孔内に挿入されて孔内の地下水を採水する装置であって、地下水を溜める採水容器2と、該採水容器2と連通する流路(4a’−4a)の流路開口部を側面に有し且つ上端面に開口部を有する凹部4eが形成され更に該凹部4eの周壁に穿孔4gが形成されると共に採水容器2の上端に連接される上部基部4と、上部基部凹部4e周壁との当接面に嵌合溝部6dが形成され更に外側面から上部基部4側面との当接面に達する貫通孔6cが形成されると共に上部基部4側面に摺動可能に配設される上部スライドポート6と、錘受け8bと該錘受け8bから下方に突出する軸部8aとを有し且つ軸部8aの周面に嵌合溝部8eが形成されると共に軸部8aが上部基部凹部4eに摺動可能に挿入されて配設されるトリガー8と、上部基部凹部4e周壁の穿孔4gに嵌められる嵌合部材9と、トリガー8と上部基部4との間に介在して上部基部4を基準にしてトリガー8を押し上げる力を付勢するトリガー押上げばね14と、上部スライドポート6と上部基部4との間に介在して上部基部4を基準にして上部スライドポート6を押し上げる力を付勢するスライドポート押上げばね15と、採水容器2と連通する流路(5a’−5a)の流路開口部を側面に有すると共に採水容器2の下端に連接される下部基部5と、外側面から下部基部5側面との当接面に達する貫通孔7cが形成されると共に下部基部5側面に摺動可能に配設される下部スライドポート7と、上部スライドポート6と下部スライドポート7とを連結する支柱13と、上記構造とは別体の錘10とを有すると共に、上部基部凹部4e周壁の穿孔4gの位置と上部スライドポート6の上部基部凹部4e周壁との当接面の嵌合溝部6dの位置とが一致しているときに上部基部4側面の流路開口部の位置と上部スライドポート6の貫通孔6cの位置とが一致し且つ下部基部5側面の流路開口部の位置と下部スライドポート7の貫通孔7cの位置とが一致するようになっている。
そして、この地下水採水装置1は、図1に示すように、上部基部凹部4e周壁の穿孔4gの位置と上部スライドポート6の上部基部凹部4e周壁との当接面の嵌合溝部6dの位置とが一致して両者に嵌合部材9が嵌って上部基部4と上部スライドポート6との位置関係並びに下部基部5と下部スライドポート7との位置関係が固定されると共にトリガー押上げばね14によって上部基部4に対してトリガー8が押し上げられてトリガー軸部8a周面の嵌合溝部8eが上部基部凹部4e周壁の穿孔4gに嵌る嵌合部材9よりも上方にある状態から、図2に示すように、落下してきた錘10が錘受け8bに衝突してトリガー8が押し下げられることによって、嵌合部材9がトリガー軸部8a周面の嵌合溝部8eに嵌ると共に上部スライドポート6の上部基部凹部4e周壁との当接面の嵌合溝部6dから外れ、スライドポート押上げばね15の付勢力によって上部基部4に対して上部スライドポート6が押し上げられると共に支柱13を介して下部基部5に対して下部スライドポート7が押し上げられて上部基部4側面の流路開口部が上部スライドポート6によって閉鎖されると共に下部基部5側面の流路開口部が下部スライドポート7によって閉鎖されるようにしている。
ここで、本明細書においては、地下水採水装置1がワイヤ20に吊り下げられている使用状態を基準にして、上,下,上部,下部,上端,下端を用いる。
なお、図1及び図2は本実施形態の地下水採水装置1の軸心を通る断面の図であるが、ばね14及び15は断面ではなく側面図としてあらわしている。
採水容器2はボーリング孔内の地下水を内部に溜めるためのものであり、中空部2aを有する筒状の部材である。本実施形態では、具体的には、採水容器2として銅パイプが用いられている。なお、採水容器2の長さ及び外径・内径は、地下水採水装置1が挿入されるボーリング孔の直径や地下水の採水量などを勘案して適当に設定される。具体的には例えば、長さ30〜50cm程度、外径1cm・内径0.6cm程度のものを用いることができる。
採水容器2の両端にはコネクタ3が取り付けられる。コネクタ3は採水容器2の開封と密封とを切り換えるものである。コネクタ3は、軸心位置に貫通孔3dを有する円柱形状の部材であり、採水容器2側の端部の接続部3aと、反対側の端部の連結部3bと、接続部3aと連結部3bとの間のプラグバルブ3cとを有する。
コネクタ3は、採水容器2の端部がコネクタ3の接続部3aに差し込まれて例えばねじ止めされて固定され、水密性を確保して採水容器2に取り付けられる。
コネクタ3のプラグバルブ3cは、バルブ開状態においては地下水が貫通孔3dを通過することを許容すると共に、バルブ閉状態においては地下水の貫通孔3dの通過を遮断して水密性を確保して採水容器2を密封する。
上部基部4は、上端に形成されたフランジ4cと、下端部分の連結部4dと、フランジ4cと連結部4dとの間の本体4bとを有する。
上部基部4と採水容器2上端に取り付けられているコネクタ3とは、上部基部4の連結部4dがコネクタ3の連結部3bにねじ込まれて水密性を確保して連結される。なお、上部基部4とコネクタ3とは着脱可能に連結される。
本体4bは円柱形状をなし、本体4bの上下中央付近には軸心方向と直交する方向の横貫通孔4a’が設けられ、さらに、当該横貫通孔4a’と連通すると共に横貫通孔4a’から上部基部4の下端まで軸心位置を貫通する縦孔4aが設けられる。これにより、すなわち、軸心方向と直交する横貫通孔4a’及び軸心方向の縦孔4aによって全体としてT字をなす流路(4a’−4a)が形成される。
下部基部5は、本体5bと上端部分の連結部5cとを有する。
下部基部5と採水容器2下端に取り付けられているコネクタ3とは、下部基部5の連結部5cがコネクタ3の連結部3bにねじ込まれて水密性を確保して連結される。なお、下部基部5とコネクタ3とは着脱可能に連結される。
本体5bは円柱形状をなし、本体5bの下端寄りの位置には軸心方向と直交する方向の横貫通孔5a’が設けられ、さらに、当該横貫通孔5a’と連通すると共に横貫通孔5a’から下部基部5の上端まで軸心位置を貫通する縦孔5aが設けられる。これにより、すなわち、軸心方向と直交する横貫通孔5a’及び軸心方向の縦孔5aによって全体としてT字をなす流路(5a’−5a)が形成される。
以上の構成により、上部基部4の流路(4a’−4a)と採水容器2の中空部2aと下部基部5の流路(5a’−5a)とがコネクタ3の貫通孔3dを介して水密性を確保して連通する。
また、上部基部4の上端部分には、フランジ4cの上端面に開口部を有する凹部4eが形成される。なお、凹部4eの深さは横貫通孔4a’には達しない深さに調整される。
上部基部4の凹部4e部分の周壁には当該周壁を貫通する穿孔4gが設けられる。当該穿孔は凹部4e部分の周壁に少なくとも一つ設けられれば良く、周方向に二つ以上設けられることが好ましい。なお、穿孔が二つ設けられる場合にはお互いに対向する位置関係に設けられることが好ましく、三つ以上設けられる場合には周方向に等間隔に設けられることが好ましい。本実施形態では、凹部4e部分の周壁の上下中央付近に円形の穿孔4gが周方向等間隔に四つ設けられる。
また、上部基部4の凹部4eには、ロッド11が軸心位置に設けられる。ロッド11は凹部4eの底部において本体4bに差し込まれて固定されると共に凹部4eの軸心に沿って上部基部4の上端よりも上方に突出する長さを有する。
ロッド11の上端には連結部材12が取り付けられる。連結部材12は上端においてワイヤ20の下端と接続すると共に下端においてロッド11の上端と接続する。これにより、ワイヤ20と地下水採水装置1とが連結され、地下水採水装置1がワイヤ20によって吊り下げられる。
上部基部4の凹部4eには、さらに、トリガー8が嵌められる。トリガー8は、凹部4eに摺動可能に差し込まれる軸部8aと当該軸部8aよりも外径が大きい上端の錘受け8bとを有する。そして、軸部8aの下端部分には、軸部8aの下端面に開口部を有する凹部8dが形成される。
そして、トリガー8の軸部8aの外周面には、周方向の溝が設けられる。本実施形態では、軸部8aの上下中央付近に軸部8aの周方向に一回りする断面V字型の溝8eが設けられる。なお、溝8eは、穿孔4gの配置に合わせて、具体的には穿孔4gが設けられている範囲を少なくとも覆う範囲で設けられれば良いので、本実施形態のように軸部8bを一回りする必要は必ずしもない。
トリガー8には、さらに、錘受け8bと軸部8aとを軸心方向に貫いて凹部8dと連通する貫通孔8cが形成される。そして、トリガー8の貫通孔8cをロッド11が摺動可能に貫通すると共に、トリガー8の軸部8aが上部基部4の凹部4eに摺動可能に差し込まれる。
そして、トリガー8の軸部8aが上部基部4の凹部4eに嵌められた状態においてトリガー8の凹部8dと上部基部4の凹部4eとによって形成される空間にトリガー押上げばね14が備えられる。なお、トリガー押上げばね14は軸心方向の穴にロッド11を貫通させて備えられる。上部基部4とトリガー8との間にトリガー押上げばね14が介在することによって、上部基部4を基準にして押し上げる力がトリガー8に与えられる。
また、上部基部4の本体4bの外周面には、下端部分の連結部4d寄りの位置に外周面を一回りする帯状突起のばね受け4fが設けられる。そして、ばね受け4fの上にスライドポート押上げばね15が備えられる。なお、スライドポート押上げばね15は軸心方向の穴に上部基部4の本体4bを貫通させて備えられる。
スライドポート押上げばね15と上部基部4のフランジ4cとの間の本体4bの外周に上部スライドポート6が取り付けられる。上部スライドポート6は、円筒状の本体6aと下端に形成されたフランジ6bとを有し、円筒の中空部である軸心方向の貫通孔に上部基部4の本体4bを摺動可能に貫通させて取り付けられる。
以上の構成により、上部スライドポート6のフランジ6bと上部基部4のばね受け4fとの間にスライドポート押上げばね15が介在することになり、これにより、上部基部4を基準にして押し上げる力が上部スライドポート6に与えられる。
上部スライドポート6の本体6aには、本体6aを構成する周壁を貫通する貫通孔6cが設けられる。本実施形態では、本体6aの軸心と直交する方向で対向する位置関係の二つの貫通孔6cが本体6aの上下中央付近に設けられる。なお、上部基部4の横貫通孔4a’に係る上部基部4と上部スライドポート6との間の水密性を確保するために上部基部本体4b外周の横貫通孔4a’の上下にはOリング4hが取り付けられる。
また、上部スライドポート6の本体6aには、さらに、本体6aを構成する周壁の内周面に周方向の溝が設けられる。本実施形態では、貫通孔6cよりも上であって本体6aの上端寄りの位置に内周面を一回りする断面V字型の溝6dが設けられる。なお、溝6dは、穿孔4gの配置に合わせて、具体的には穿孔4gが設けられている範囲を少なくとも覆う範囲で設けられれば良いので、本実施形態のように本体6aの内周面を一回りする必要は必ずしもない。
そして、上部基部4の各穿孔4gには球状の嵌合部材9が備えられる。嵌合部材9は穿孔4gと上部スライドポート6の嵌合溝部6d若しくはトリガー8の嵌合溝部8eのどちらか一方とに嵌る大きさに調整される。本実施形態では、四つの嵌合部材9が備えられる。
また、下部基部5の本体5bの外周に下部スライドポート7が取り付けられる。下部スライドポート7は、円筒状の本体7aと上端に形成されたフランジ7bとを有し、円筒の中空部である軸心方向の貫通孔に下部基部5の本体5bを摺動可能に貫通させて取り付けられる。
下部スライドポート7の本体7aには、本体7aを構成する周壁を貫通する貫通孔7cが設けられる。本実施形態では、本体7aの軸心と直交する方向で対向する位置関係の二つの貫通孔7cが本体7aの上下中央付近に設けられる。なお、下部基部5の横貫通孔5a’に係る下部基部5と下部スライドポート7との間の水密性を確保するために下部基部本体5b外周の横貫通孔5a’の上下にはOリング5dが取り付けられる。
また、本実施形態では、下部スライドポート7の下端にヘッド14が取り付けられる。ヘッド14は、採水容器2の中空部2aが空の状態で地下水中を降下させる際に地下水採水装置1の姿勢を安定させる重りの役割を果す。
上部スライドポート6と下部スライドポート7とは相互の位置関係が固定される。本実施形態では、上部スライドポート6のフランジ6bと下部スライドポート7のフランジ7bとが二本の支柱13によって連結されて上部スライドポート6と下部スライドポート7との位置関係が固定される。本実施形態の支柱13は、棒状の部材であって上端部にはねじ部13aが形成されると共に下端部にはヘッド部13b及び当該ヘッド部13bの上方に貫通孔13cが形成され、フランジ6bとフランジ7bとを貫通する。そして、ねじ部13aがフランジ6bを貫通しながらねじ結合することによって支柱13上端部と上部スライドポート6とが固定されると共に、ヘッド部13bと貫通孔13cに嵌められる松葉ピン(図示せず)とで挟むことによって支柱13下端部と下部スライドポート7とが固定される。
ここで、本発明では、図1に示すように、嵌合部材9が備えられている上部基部4の凹部4e周壁の穿孔4gの位置と上部スライドポート6の嵌合溝部6dの位置とが一致している状態であって穿孔4gと嵌合溝部6dとによって形成される空間に嵌合部材9が嵌っている状態においては、上部基部4の横貫通孔4a’の開口部(即ち流路(4a’−4a)の開口部)の位置と上部スライドポート6の貫通孔6cの位置とが一致すると共に下部基部5の横貫通孔5a’の開口部(即ち流路(5a’−5a)の開口部)の位置と下部スライドポート7の貫通孔7cの位置とが一致する。
そして、上記状態においては、穿孔4gと嵌合溝部6dとに嵌合部材9が嵌っていることによって上部基部4と上部スライドポート6との位置関係が固定される。そして、上記状態においては、スライドポート押上げばね15が押し縮められて上部基部4を基準にして上部スライドポート6を押し上げる力を溜めている。さらに、上記状態においては、上部基部4と下部基部5との位置関係が採水容器2及びその両端のコネクタ3によって固定されると共に、上部スライドポート6と下部スライドポート7との位置関係が支柱13によって固定される。
また、上記状態では、トリガー8の嵌合溝部8eが穿孔4gと嵌合溝部6dとに嵌っている嵌合部材9よりも上方に位置している状態がトリガー押上げばね14によって保たれると共に、トリガー8は上部基部4に対して軸方向に摺動可能な状態になっている。
なお、上記状態における、トリガー8の錘受け8b下端面と上部基部4のフランジ4c上端面との上下方向の間隔と、トリガー8の嵌合溝部8eと嵌合部材9との上下方向の間隔とは等しい。
また、本発明では、図2に示すように、トリガー8の軸部8aが上部基部4の凹部4e内に進入して嵌合部材9が備えられている上部基部4の凹部4e周壁の穿孔4gの位置とトリガー8の嵌合溝部8eの位置とが一致している状態においては、嵌合部材9は嵌合溝部8eに嵌る。なお、トリガー8の錘受け8b下端面が上部基部4のフランジ4c上端面に当接することによって軸部8aの進入が制限されるので嵌合溝部8eが穿孔4gよりも下方にいくことはない。
嵌合部材9が上部基部4の穿孔4gと上部スライドポート6の嵌合溝部6dとによって形成される空間に嵌っている状態からトリガー8の嵌合溝部8eに嵌るのは、具体的には、嵌合溝部8eの位置と穿孔4gの位置とが一致するとスライドポート押上げばね15によって上部スライドポート6が上部基部4を基準にして上方に押し上げられるので、嵌合部材9が断面V字の嵌合溝部6dから徐々に押し出されて穿孔4g内を移動して嵌合溝部8eに達することによる。
そして、穿孔4gと嵌合溝部8eとによって形成される空間に嵌合部材9が収まり、上部スライドポート6の嵌合溝部6dからは嵌合部材9が外れる。そして、嵌合溝部6dから嵌合部材9が外れることによって上部基部4に対して上部スライドポート6が軸方向に摺動可能になり、スライドポート押上げばね15によって上部基部4を基準にして上部スライドポート6がフランジ4cに当接するまで押し上げられる。さらに、これにより、支柱13によって上部スライドポート6と連結する下部スライドポート7が下部基部5を基準にして押し上げられる。
この状態においては、上部基部4の横貫通孔4a’の開口部(即ち流路(4a’−4a)の開口部)が上部スライドポート6の本体6aの周壁によって閉鎖されると共に下部基部5の横貫通孔5a’の開口部(即ち流路(5a’−5a)の開口部)が下部スライドポート7の本体7aの周壁によって閉鎖される。このとき、横貫通孔4a’上方のOリング4hによって横貫通孔4a’への地下水の流入が遮断されると共に横貫通孔5a’上方のOリング5dによって横貫通孔5a’への地下水の流入が遮断される。
本発明の地下水採水装置は、ワイヤ20によって吊り下げられ、当該ワイヤ20が送り出されてボーリング孔内を降下して地下水を採水すると共にワイヤ20が巻上げられてボーリング孔内から回収される。このため、ワイヤ20は、最大目標採水深度分の長さを有し、地上に設置されてワイヤ20の送り出しと巻き取りとを行う装置(図示せず)に巻かれている。
ここで、本発明の地下水採水装置1は単純な機構であって採水容器2に連通する流路の開口部を閉鎖するための電動駆動装置を備えておらず重量はそれほど重くないので、ワイヤ20の送り出しと巻き取りとを行う装置として大規模・大出力のものを用いる必要はなく、具体的には例えば釣り用の電動リールを用いることができる。また、ワイヤ20の送出し・巻取り装置を地上において固定する設備も大掛かりなものにする必要はなく、例えば、送出し・巻取り装置を頂部に固定して地下水採水装置1を真っ直ぐに吊り下げることができる高さを有する三脚を用いることができる。
そして、本発明の地下水採水装置1は、軸心方向の貫通孔10aにワイヤ20を貫通させた錘10を有する。なお、貫通孔10aは連結部材12の外径よりも大きい直径を有する。
錘10は、目標採水深度にある地下水採水装置1に向けて地上からワイヤ20に沿って落下しトリガー錘受け8bに衝突してトリガー軸部8aを上部基部凹部4e内に押し込むためのものである。このため、錘10は、地上から落下してトリガー錘受け8bに衝突したときにトリガー錘受け8bがフランジ4cに当接するまでトリガー押上げばね14の付勢力に対抗してトリガー8を押し下げることができる重さのものであれば良い。
また、本発明の地下水採水装置は、上部スライドポート6の貫通孔6cと下部スライドポート7の貫通孔7cとの間に、中央に穴を有すると共にスライドポート6,7の軸心と直角若しくはほぼ直角に配設されたディスクラバーが取り付けられるようにしても良い。本実施形態では、中央に円形の穴を有するディスクラバー16が当該穴に下部基部5を貫通させて下部スライドポート7のフランジ7bの上面に当接して取り付けられる。
ディスクラバー16を設けることにより、地下水採水装置1が地下水中を降下する際の地下水採水装置1周囲の地下水にとってディスクラバー16が障害になるので、地下水は下部スライドポート7の貫通孔7cから流入して地下水採水装置1の内部を通過し上部スライドポート6の貫通孔6cから流出するようになる。このため、ディスクラバー16の外径は、地下水採水装置1の周囲の地下水にとって障害になるようにボーリング孔の直径に合わせて適宜調整される。
また、ディスクラバー16は、貫通孔6cと貫通孔7cとの間に少なくとも一枚設けられれば良く、本実施形態のように貫通孔7c上方近傍に一枚設けられるようにしても良いし、貫通孔6c下方近傍に一枚設けられるようにしても良いし、貫通孔7cと貫通孔6cとの中間付近に一枚設けられるようにしても良いし、貫通孔7c上方近傍と貫通孔6c下方近傍とにそれぞれ一枚ずつ設けられるようにしても良い。
上述した地下水採水装置1を用いた地下水試料の採水の手順並びに地下水採水装置1の操作及び動作を以下に説明する。
まず、図1に示すように、地盤に掘削されたボーリング孔内に挿入する際の状態であって地下水を採水する前の状態として、まず、採水容器2の両端のコネクタ3のプラグバルブ3cをどちらも開いた状態にする。
また、上部基部4と上部スライドポート6との軸方向の位置関係を調整して穿孔4gの位置と嵌合溝部6dの位置とを一致させると共にトリガー8の錘受け8bと上部基部4のフランジ4cとを離し、嵌合部材9が穿孔4gと嵌合溝部6dとに嵌って嵌合溝部8eには嵌っていないようにして上部スライドポート6の上部基部4に対する軸方向の動きが制限されると共にトリガー8は軸方向に摺動可能な状態にする。
なお、この状態においては、上部基部4の横貫通孔4a’の開口部(即ち流路(4a’−4a)の開口部)の位置と上部スライドポート6の貫通孔6cの位置とが一致していると共に下部基部5の横貫通孔5a’の開口部(即ち流路(5a’−5a)の開口部)の位置と下部スライドポート7の貫通孔7cの位置とが一致している。そして、嵌合部材9とトリガー押上げばね14との働きによってこの状態が維持される。
そして、ワイヤ20によって吊り下げて地下水採水装置1をボーリング孔内に挿入する。このとき、貫通孔10aにワイヤ20を貫通させて取り付けられている錘10は地上に設置されているワイヤ20の送り出しと巻き取りとを行う装置の近傍に保持しておき、貫通孔10aを通過させてワイヤ20を送り出すようにする。
ワイヤ20を送り出し、地下水採水装置1を、ボーリング孔内を降下させ更に地下水中を降下させる。
なお、地下水採水装置1が地下水中を降下している間、地下水が、下部スライドポート7の貫通孔7cから流入して下部基部5の流路(5a’−5a)と下側のコネクタ3の貫通孔3dと採水容器2の中空部2aと上側のコネクタ3の貫通孔3dと上部基部4の流路(4a−4a’)とを通過し上部スライドポート6の貫通孔6cから流出する。すなわち、採水容器2の中空部2aには地下水採水装置1の周囲の地下水が随時取り込まれて入れ替わる。
そして、調査・検査用の地下水を採水する目標採水深度になったときにワイヤ20の送り出しを停止して当該目標採水深度に地下水採水装置1を固定する。
続いて、地上で保持していた錘10を自由にしてワイヤ20に沿わせてボーリング孔内を落下させる。
錘10はワイヤ20に沿って地下水採水装置1に向けて落下し、連結部材12を通過してトリガー8の錘受け8bに衝突する。
図2に示すように、錘10が衝突することによってトリガー8が押し下げられる。そして、トリガー錘受け8bが上部基部フランジ4cに当接するまでトリガー8が押し下げられてトリガー軸部8aの嵌合溝部8eの位置が嵌合部材9の位置まで押し下げられたときに、嵌合部材9が嵌合溝部8eに嵌って穿孔4gと嵌合溝部8eとに収まり且つ上部スライドポート6の嵌合溝部6dからは外れ、これにより、スライドポート押上げばね15によって上部基部4を基準にして上部スライドポート6が押し上げられると共に支柱13によって連結されている下部スライドポート7が下部基部5を基準にして押し上げられる。
上記動作により、上部基部4の横貫通孔4a’の開口部(即ち流路(4a’−4a)の開口部)が上部スライドポート6の本体6aの周壁によって閉鎖されると共に下部基部5の横貫通孔5a’の開口部(即ち流路(5a’−5a)の開口部)が下部スライドポート7の本体7aの周壁によって閉鎖される。そして、所定の目標採水深度の地下水であって地下水採水装置1の周囲における状態を保ったままの地下水を取り込んだ採水容器2が密封される。
続いて、ワイヤ20を巻き上げて地下水採水装置1を地上まで持ち上げて回収する。そして、採水容器2の両端のコネクタ3のプラグバルブ3cを閉じる。これにより、採水容器2が密封される。
そして、採水容器2の両端のコネクタ3を上部基部4及び下部基部5から外して地下水採水装置1から採水容器2を取り外す。これにより、所定の目標採水深度における状態を保ったままの地下水試料が得られる。
そして、地下水試料を更に採水する必要があるときは、両端にコネクタ3を取り付けた別の採水容器2を上部基部4と下部基部5との間に取り付け、地下水採水装置1全体を地下水を採水する前の状態にあらためてセッティングし、ワイヤ20によって吊り下げて地下水採水装置1をボーリング孔内に挿入して地下水の採水を行う。
以上の構成を有する本発明の地下水採水装置によれば、地上から落下させた錘10を衝突させてトリガー8を押し下げることによって採水容器2と連通する流路(4a−4a’)及び(5a−5a’)の開口部が閉鎖されるので、採水容器2の開閉弁(本発明ではスライドポート6,7)を電動駆動させるための装置を用いることなく目標採水深度において被圧不活性状態で地下水の採水を行うことができる。また、本発明の地下水採水装置によれば、採水容器2の開閉弁を電動駆動させる装置をも一緒にボーリング孔内を昇降させる必要がないので、昇降装置の昇降出力が小さくて済むと共に昇降装置を含む昇降設備が小規模で済む。また、本発明の地下水採水装置によれば、採水容器2と連通する流路(4a−4a’)及び(5a−5a’)の開口部が錘10を落下させることによって閉鎖されるので、採水容器2の開閉弁を電動駆動させる装置を制御するための装置を用いることなく目標採水深度において被圧不活性状態で地下水の採水を行うことができる。
さらに、本発明の地下水採水装置によれば、地下水採水装置1の外径に対してボーリング孔の直径が大きい場合であっても、地下水採水装置1が地下水中を降下する際の地下水採水装置1周囲の地下水にとってディスクラバー16が障害になるので、地下水は地下水採水装置1内部を通過するようになって採水容器2内の地下水が常に入れ替わり、目標採水深度に降下した地下水採水装置1周囲の地下水を採水容器2の中に確実に取り込むことができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、上部基部4内の流路(4a’−4a)及び下部基部5内の流路(5a’−5a)をT字型にして側面の流路開口部を二つずつ設けるようにすると共に上部スライドポート6周壁の貫通孔6c及び下部スライドポート7周壁の貫通孔7cも二つずつ設けるようにしているが、これに限られず、基部内の流路をL字型にして側面の流路開口部を一つだけ設けるようにすると共にスライドポート周壁の貫通孔も一つだけ設けるようにしても良い。
本発明の地下水採水装置は、例えば、地盤に掘削されたボーリング孔内の地下水を簡便に且つ原位置の状態を保ったまま採水することができるので、環境調査、地下水調査、土木工学、地盤工学、地層処分技術等の分野で利用価値が高い。
本発明の地下水採水装置の実施形態の一例を示す断面図であり、ボーリング孔内に挿入するとき(即ち地下水を採水する前)の状態を示す図である。 本発明の地下水採水装置の実施形態の一例を示す断面図であり、地下水を採水して採水容器を密封している状態を示す図である。 従来の地下水採水装置を示す装置構成図である。
符号の説明
1 地下水採水装置
2 採水容器
4 上部基部
4a 流路(縦孔)
4a’流路(横貫通孔)
4e 凹部
4g 穿孔
5 下部基部
5a 流路(縦孔)
5a’流路(横貫通孔)
6 上部スライドポート
6c 貫通孔
6d 嵌合溝部
7 下部スライドポート
7c 貫通孔
8 トリガー
8a 軸部
8b 錘受け
8e 嵌合溝部
9 嵌合部材
10 錘
13 支柱
13a ねじ部
13b ヘッド部
13c 貫通孔
14 トリガー押上げばね
15 スライドポート押上げばね

Claims (2)

  1. 地下水を溜める採水容器と、該採水容器と連通する流路の流路開口部を側面に有し且つ上端面に開口部を有する凹部が形成され更に該凹部の周壁に穿孔が形成されると共に前記採水容器の上端に連接される上部基部と、前記上部基部凹部周壁との当接面に嵌合溝部が形成され更に外側面から前記上部基部側面との当接面に達する貫通孔が形成されると共に前記上部基部側面に摺動可能に配設される上部スライドポートと、錘受けと該錘受けから下方に突出する軸部とを有し且つ前記軸部の周面に嵌合溝部が形成されると共に前記軸部が前記上部基部凹部に摺動可能に挿入されて配設されるトリガーと、前記上部基部凹部周壁の穿孔に嵌められる嵌合部材と、前記トリガーと前記上部基部との間に介在して前記上部基部を基準にして前記トリガーを押し上げる力を付勢するトリガー押上げばねと、前記上部スライドポートと前記上部基部との間に介在して前記上部基部を基準にして前記上部スライドポートを押し上げる力を付勢するスライドポート押上げばねと、前記採水容器と連通する流路の流路開口部を側面に有すると共に前記採水容器の下端に連接される下部基部と、外側面から前記下部基部側面との当接面に達する貫通孔が形成されると共に前記下部基部側面に摺動可能に配設される下部スライドポートと、前記上部スライドポートと前記下部スライドポートとを連結する支柱と、上記構造とは別体の錘とを有すると共に、前記上部基部凹部周壁の穿孔の位置と前記上部スライドポートの上部基部凹部周壁との当接面の嵌合溝部の位置とが一致しているときに前記上部基部側面の流路開口部の位置と前記上部スライドポートの貫通孔の位置とが一致し且つ前記下部基部側面の流路開口部の位置と前記下部スライドポートの貫通孔の位置とが一致するようになっており、前記上部基部凹部周壁の穿孔の位置と前記上部スライドポートの上部基部凹部周壁との当接面の嵌合溝部の位置とが一致して両者に前記嵌合部材が嵌って前記上部基部と前記上部スライドポートとの位置関係並びに前記下部基部と前記下部スライドポートとの位置関係が固定されると共に前記トリガー押上げばねによって前記上部基部に対して前記トリガーが押し上げられて前記トリガー軸部周面の嵌合溝部が前記上部基部凹部周壁の穿孔に嵌る前記嵌合部材よりも上方にある状態から、落下してきた前記錘が前記錘受けに衝突して前記トリガーが押し下げられることによって、前記嵌合部材が前記トリガー軸部周面の嵌合溝部に嵌ると共に前記上部スライドポートの上部基部凹部周壁との当接面の嵌合溝部から外れ、前記スライドポート押上げばねの付勢力によって前記上部基部に対して前記上部スライドポートが押し上げられると共に前記支柱を介して前記下部基部に対して前記下部スライドポートが押し上げられて前記上部基部側面の流路開口部が前記上部スライドポートによって閉鎖されると共に前記下部基部側面の流路開口部が前記下部スライドポートによって閉鎖されることを特徴とする地下水採水装置。
  2. 前記上部スライドポートの貫通孔と前記下部スライドポートの貫通孔との間に、中央に穴を有すると共に前記上部スライドポート及び前記下部スライドポートの軸心と直角に配設される少なくとも一枚のディスクラバーを更に有することを特徴とする請求項1記載の地下水採水装置。
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