JP5198690B2 - バチルス属に属する菌株、微生物製剤、及び植物の栽培方法 - Google Patents
バチルス属に属する菌株、微生物製剤、及び植物の栽培方法 Download PDFInfo
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Description
本発明の他の目的は、前記の微生物を有効菌として含有し、生物農薬(微生物製剤)として使用できる植物病害防除剤、線虫防除剤及び植物成長促進剤を提供することにある。
1.配列番号2または3の塩基配列で示される16S rDNAを有することを特徴とする菌株。
2.菌株自体及び/または菌株の培養物が植物病害防除作用、線虫防除作用及び/または植物成長促進作用の効果を示す前項1に記載の菌株。
3.配列番号2の塩基配列で示される16S rDNAを有する前項1または2に記載のバチルス・エスピー(Bacillus sp.)AT−332菌株。
4.配列番号3の塩基配列で示される16S rDNAを有する前項1または2に記載のバチルス・エスピー(Bacillus sp.)AT−79菌株。
5.前項1〜4のいずれかに記載の菌株及び/または菌株の培養物を有効成分として含有する微生物製剤。
6.植物病害防除剤である前項5に記載の微生物製剤。
7.線虫防除剤である前項5に記載の微生物製剤。
8.植物成長促進剤である前項5に記載の微生物製剤。
9.前項5〜8のいずれかに記載の微生物製剤で植物を処理する植物の栽培方法。
プリースト(エフ.ジー),グッドフェロー(エム.),シュート(エル.エー),バークレー(アール.シー.ダブリュ):バチルス・アミロリクエファシエンス・エスピー・ノブ.,ノム.レヴ.インターナショナル・ジャーナル・オブ・システマティック・バクテリオロジー,1987,37,69−71(PRIEST(F.G.), GOODFELLOW(M.), SHUTE(L.A.) and BERKELEY(R.C.W.): Bacillus amyloliquefaciens sp. nov., nom. rev. Int. J. Syst. Bacteriol., 1987, 37, 69-71.)及び
バージーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー,第2版,第3巻(Bergey's Manual of Systematic Bacteriology, Second Edition volume 3.)。
形態:桿菌、
大きさ:幅0.8〜0.9μm、長さ1.5〜2.0μm、
運動性:+、
鞭毛の着生状態:周毛、
胞子の有無:+(準端立)。
培地:ニュートリエント・アガー(nutrient agar)培地(30℃)、
形:円形、
隆起状態:扁平状、
周縁:全縁、
表面の形状:スムーズ、
粘稠度:粘稠性、
透明度:不透明、
色調:クリーム色、
光沢:無光沢、
色素産生:非産生。
グラム染色性:+、
硝酸塩の還元:−、
脱窒反応:−、
MRテスト:−、
VPテスト:+、
インドールの生成:−、
硫化水素の生成:−、
デンプンの加水分解:+、
クエン酸の利用:−(コーサー(Koser))、
+(クリステンセン(Christensen))、
無機窒素源の利用:−(硝酸塩)、
+(アンモニウム塩)、
ウレアーゼ:−、
オキシダーゼ:+、
カタラーゼ:+、
生育の範囲 pH5:+、
pH8:+、
pH9:+、
生育の温度 37℃:+、
45℃:+、
50℃:+、
55℃:−、
嫌気状態での生育:−、
OFテスト(酸化/発酵):−/−、
糖類からの酸産生/ガス産生:
L−アラビノース:+/−、
D−グルコース:+/−、
D−フラクトース:+/−、
マルトース:+/−、
ラクトース:−/−、
D−ソルビトース:+/−、
イノシトール:+/−、
D−キシロース:+/−、
D−マンノース:+/−、
D−ガラクトース:−/−、
サッカロース:+/−、
トレハロース:+/−、
D−マンニトール:+/−、
グリセリン:+/−、
β−ガラクトシダーゼ活性:−、
アルギニンジヒドロラーゼ活性:−、
リジンデカルボキシラーゼ活性:−、
トリプトファンデアミナーゼ活性:−、
ゼラチナーゼ活性:+。
形態:桿菌、
大きさ:幅0.8〜0.9μm、長さ1.5〜2.0μm、
運動性:+、
鞭毛の着生状態:周毛、
胞子の有無:+(準端立)。
培地:ニュートリエント・アガー(nutrient agar)培地(30℃)、
形:円形、
隆起状態:扁平状、
周縁:全縁、
表面の形状:スムーズ、
粘稠度:粘稠性、
透明度:不透明、
色調:クリーム色、
光沢:無光沢、
色素産生:非産生。
グラム染色性:+、
硝酸塩の還元:−、
脱窒反応:−、
MRテスト:−、
VPテスト:+、
インドールの生成:−、
硫化水素の生成:−、
デンプンの加水分解:+、
クエン酸の利用:−(コーサー(Koser))、
+(クリステンセン(Christensen))、
無機窒素源の利用:−(硝酸塩)、
+(アンモニウム塩)、
ウレアーゼ:−、
オキシダーゼ:+、
カタラーゼ:+、
生育の範囲 pH5:+、
pH8:+、
pH9:+、
生育の温度 37℃:+、
45℃:+、
50℃:+、
55℃:−、
嫌気状態での生育:−、
OFテスト(酸化/発酵):−/−、
糖類からの酸産生/ガス産生:
L−アラビノース:+/−、
D−グルコース:+/−、
D−フラクトース:+/−、
マルトース:+/−、
ラクトース:−/−、
D−ソルビトース:+/−、
イノシトール:+/−、
D−キシロース:+/−、
D−マンノース:+/−、
D−ガラクトース:−/−、
サッカロース:+/−、
トレハロース:+/−、
D−マンニトール:+/−、
グリセリン:+/−、
β−ガラクトシダーゼ活性:−、
アルギニンジヒドロラーゼ活性:−、
リジンデカルボキシラーゼ活性:−、
トリプトファンデアミナーゼ活性:−、
ゼラチナーゼ活性:+。
配列番号2と3とは、塩基番号444と1242の2箇所の塩基のみが異なる。444番の塩基が、配列番号2はグアニン(g)で、配列番号3はアデニン(a)であり、1242番の塩基が、配列番号2はアデニン(a)であり、配列番号3はグアニン(g)である。
DNA抽出はインスタジーン・マトリックス(InstaGene Matrix)(バイオラッド(BIO RAD)社製,カルフォニア(CA),米国)により、PCRはプライムスターHS・DNAポリメラーゼ(PrimeSTAR HS DNA Polymerase)(タカラバイオ社製)により、サイクルシークエンスはビッグダイ・ターミネーター・ヴァージョン3.1サイクル・シークエンシング・キット(BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit)(アプライド・バイオシステム(Applied Biosystems)社製,カルフォニア(CA),米国)により、それぞれ実施した。使用プライマー(中川恭好他:遺伝子解析法 16S rRNA遺伝子の塩基配列決定法,日本放線菌学会編,放線菌の分類と同定,88-117pp.日本学会事務センター,2001)は、9F、339F,785F、1099F、536R、802R、1242R、及び1541Rである。シークエンスはエービーアイ・プリズム3100・ジェネティック・アナライザー・システム(ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer System)(アプライド・バイオシステム(Applied Biosystems)社製,カルフォニア(CA),米国)により行った。
上記で得られた16S rDNAの塩基配列約1500bpを用い、推定される近縁菌群の基準株由来の16S rDNAを国際塩基配列データベース(GenBank/DDBJ/EMBL)より取得して、分子系統樹解析を実施した。
・バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)IAM12118T(AB042061)
・バチルス・サブチリス・亜種スピジゼニイ(Bacillus subtilis subsp.spizizenii)NBRC101239T(AB325584)
・バチルス・モジャベンシス(Bacillus mojavensis)IFO15718 T(AB021191)
・バチルス・バリスモルティス(Bacillus vallismortis)DSM11031 T(AB021198)
・バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)BCRC11601 T(EF433406)
・バチルス・アトロフェウス(Bacillus atrophaeus)JCM9070 T(AB021181)
・バチルス・アエロフィラス(Bacillus aerophilus)28K T(AJ831844)
・バチルス・ソノレンシス(Bacillus sonorensis)BCRC17416 T(EF433411)
・バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)DSM13 T(AE017333)
・バチルス・アルチツジニス(Bacillus altitudinis)41KF2b T(AJ831842)
・バチルス・セレウス(Bacillus cereus)ATCC14579 T(NC_004722)BSL2
株名の末尾のTはその種の基準株を示す。BSLはバイオセーフティレベル(レベル2以上を表記)であることを示す。括弧内はアクセッション番号を示す。
枝の分岐付近の数字がブートストラップ値であり、左下の線はスケールバーを示す。
本発明のバチルス・エスピーAT−332菌株及びAT−79菌株の菌体を含む培養物、培養物と他成分の混合物等の処理物、培養物を遠心分離処理した菌体もしくはその洗浄菌体等の培養分離菌体、培養分離菌体と他成分の混合物等の処理物、及び液体や固体によるこれらの希釈物等を、根、茎、葉、種子、果実等の植物体上、あるいはその栽培土壌中に存在させることにより、各種の植物病害を抑止し、線虫を防除することができる。
本発明の植物病害防除剤、線虫防除剤及び植物成長促進剤において、AT−332菌株またはAT−79菌株を単体で使用することもできるが、両菌株を併用することもできる。また、それぞれの変異体をも使用することができる。変異体とは、上記AT−332菌株及びAT−79菌株の細菌学的特性を有し、植物病害防除作用、線虫防除作用及び植物成長促進作用を有するものであり、自然突然変異株、紫外線や化学変異剤による突然変異株、また細胞融合株及び遺伝子組み替え株等が利用可能である。
AT−332菌株及びAT−79菌株を植物根を含む土壌より分離した。
詳細に述べると、2009年8月に日本国茨城県守谷市の土壌を採取し、熱処理(80℃、10分間)することにより得られた乾燥土壌1gを滅菌水で懸濁した。その懸濁液を102〜104倍に希釈し、普通ブイヨン培地(栄研化学(株))で分離培養(28℃、3日間)を行ない、形成したコロニーを分離した。分離したコロニーを、ポテト−デキストロース寒天培地上で、各種植物病原菌に対して効果のある菌株を見出した。さらに、ポテト−デキストロース液体培地で振とう培養し、サツマイモネコブセンチュウ2期幼虫に対する活性を示す菌株としてバチルス・エスピー(Bacillus sp.)AT−332菌株及びAT−79菌株を分離した。
各菌株の同定方法、各種解析の方法とその結果、及び細菌学的性質は、[発明を実施するための形態]に記載の通りである。
前培養として、本発明細菌(AT−332菌株)の保存菌の一白金耳をフラスコ当たり60mlの普通ブイヨン培地(栄研化学(株))を含むバッフル付き500ml三角フラスコに植菌後、回転振とう機で回転数180rpm、28℃、1日間培養した。
上記前培養により得られた培養物60mlを2000mlのLB培地(ペプトン20g,酵母エキス10g,塩化ナトリウム20g,残り 水)を含む5000mlジャーファーメンターに植菌後、本培養として、回転数500rpm、1L/hで35℃、3日間培養した。
上記本培養により、約1800gの培養物を得た。その菌体濃度は約8.0×109CFU/mlであった。
得られた培養物約1800gを−80℃で凍結後、減圧下で凍結乾燥して粉砕することにより、約140gの乾燥粉末を得た。その菌体濃度は約1.0×1011CFU/gであった。
前培養として、本発明細菌(AT−79菌株)の保存菌の一白金耳をフラスコ当たり60mlの普通ブイヨン培地(栄研化学(株))を含むバッフル付き500ml三角フラスコに植菌後、回転振とう機で回転数180rpm、28℃、1日間培養した。
上記前培養により得られた培養物60mlを2000mlのLB培地(トリプトン20g,酵母エキス10g,塩化ナトリウム20g,残り 水)を含む5000mlジャーファーメンターに植菌後、本培養として、回転数500rpm、1L/hで35℃、3日間培養した。
上記本培養により、約1700gの培養物を得た。その菌体濃度は約9.0×109CFU/mlであった。
得られた培養物約1700gを−80℃で凍結後、減圧下で凍結乾燥して粉砕することにより、約130gの乾燥粉末を得た。その菌体濃度は約1.1×1011CFU/gであった。
製剤例1:水和剤
製造例1によって得られた乾燥粉末60部、珪藻土25部、ホワイトカーボン5部、リグニンスルホン酸ソーダ8部、及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ2部を混合粉砕して水和剤を得た。
製造例1によって得られた乾燥粉末5部、ベンナイト25部、タルク66部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部、及びリグニンスルホン酸ソーダ2部を混合、粉砕し、水約20部を加えて、混練機で練った後、造粒機を通して造粒し、次いで乾燥整粒して粒剤を得た。
製造例2によって得られた乾燥粉末60部、珪藻土25部、ホワイトカーボン5部、リグニンスルホン酸ソーダ8部、及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ2部を混合粉砕して水和剤を得た。
製造例2によって得られた乾燥粉末5部、ベンナイト25部、タルク66部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部、及びリグニンスルホン酸ソーダ2部を混合、粉砕し、水約20部を加えて、混練機で練った後、造粒機を通して造粒し、次いで乾燥整粒して粒剤を得た。
温室内にて直径6cmのプラスチックポットに3葉期まで生育させたイネ(品種:コシヒカリ,15本植え)に製剤例1及び製剤例3の水和剤の250倍希釈液をスプレーガンにて十分量散布した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)を250倍希釈したものを同様に供試した。翌日、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)胞子懸濁液を噴霧接種した。ポットを22℃湿室下に24時間保持した後、温室内に7日間放置し、接種葉の病斑数を調査し、防除価を求めた。防除価(%)は無処理区の病斑数を基準にして算出した。結果は表1に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりイネいもち病の発病率が無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。
温室内にて直径6cmのプラスチックポットにて育成した3葉期のキュウリ(品種:ときわ光3号P型)の第1葉と第2葉に、製剤例1及び製剤例3の水和剤の250倍希釈液をスプレーガンにて十分量散布した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)を250倍希釈したものを同様に供試した。翌日、キュウリ炭疽病菌(Colletorichum lagenarium)胞子懸濁液を噴霧接種した。ポットを22℃湿室下に24時間保持した後、温室内に7日間放置し、第1葉と第2葉の発病面積率を肉眼調査し、防除価を求めた。防除価(%)は無処理区の発病面積率を基準にして算出した。結果は表2に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりキュウリ炭疽病の発病率が無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。
温室内にて直径6cmのプラスチックポットにて育成した5葉期のトマト(品種:シュガーランプ)に、製剤例1及び製剤例3の水和剤の250倍希釈液をスプレーガンにて十分量散布した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)を250倍希釈したものを同様に供試した。翌日トマト疫病菌(Phytophthora infestans)遊走子のう懸濁液を噴霧接種した。ポットを22℃湿室下に16時間保持した後、温室内に3日間放置し、第三、四及び五本葉の発病面積率を肉眼調査し、防除価を求めた。防除価(%)は無処理区の発病面積率を基準にして算出した。結果は表3に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりトマト疫病の発病率が無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。
温室内にて直径6cmのプラスチックポットにて育成した3葉期のキュウリ(品種:光3号P型)に、製剤例1及び製剤例3の水和剤の250倍希釈液をスプレーガンにて十分量散布した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)を250倍希釈したものを同様に供試した。翌日キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)遊走子懸濁液を噴霧接種した。ポットを22℃湿室下に18時間保持した後、温室内に3日間放置し、第一及び二本葉の発病面積率を肉眼調査し、防除価を求めた。防除価(%)は無処理区の発病面積率を基準にして算出した。結果は表4に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりキュウリべと病の発病率が無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。
リンゴ(王林)の葉を採取し、葉裏に製剤例1及び製剤例3の水和剤の250倍希釈液をスプレーガンにて十分量散布した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)を250倍希釈したものを同様に供試した。散布後、葉を風乾し、リンゴ斑点落葉病菌(Altenaria Alternaria mali)の胞子懸濁液を噴霧接種した。20℃、多湿下で4日間置いた後、発病面積率を肉眼調査し、防除価を求めた。防除価(%)は無処理区の発病面積率を基準にして算出した。結果は表5に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりリンゴ斑点落葉病の発病率が無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。
自社保有温室内でキュウリを用いて試験(試験区:4m2/区、10株/区、3連制)を行なった。発病は自然発生とした。製剤例1及び製剤例3の水和剤を、500倍希釈、1000倍希釈、2000倍希釈で7日間隔4回散布し、葉への発病面積率により防除価を算出した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)500倍及び1000倍、ボトキラー水和剤(出光興産(株))1000倍、ボトピカ水和剤(出光興産(株))2000倍、エコショット顆粒水和剤(クミアイ化学工業(株))1000倍、モレスタン水和剤(アグロ カネショウ(株))3000倍希釈液を用いた。なお、無処理区の発病度は47.4%であった。防除価(%)は無処理区の発病度率を基準にして算出した。結果は表6に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりキュウリうどんこ病の発病率が無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。また、比較剤として用いた既存の市販のバチルス・ズブチリス剤(インプレッション水和剤(特許文献3),ボトキラー水和剤,ボトピカ水和剤,エコショット顆粒水和剤(特許文献4))に比べて著しく高い効果が圃場でも確認された。また、500倍希釈では化学剤のモレスタン水和剤と同等レベルの非常に高い防除効果を示した。
自社保有温室内でナスを用いて試験(試験区:5.6m2/区、7株/区、3連制)を行なった。発病は自然発生とした。製剤例1及び製剤例3の水和剤を、500倍希釈、1000倍希釈で7日間隔4回散布し、果実への発病果率により防除価を算出した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)500倍、ボトキラー水和剤(出光興産(株))1000倍、ボトピカ水和剤(出光興産(株))2000倍、エコショット顆粒水和剤(クミアイ化学工業(株))1000倍、セイビアーフロアブル20(シンジェンタジャパン(株))1500倍希釈液を用いた。なお、無処理区の発病果率は15%であった。防除価(%)は無処理区の発病果率に基づき算出した。結果は表7に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりナス灰色かび病の発病率が無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。また、比較剤として用いた既存の市販のバチルス・ズブチリス剤(インプレッション水和剤、ボトキラー水和剤、ボトピカ水和剤、エコショット顆粒水和剤)に比べて著しく高い効果が圃場でも確認された。また、500倍希釈では化学剤のセイビアーフロアブル20と同等レベルの非常に高い防除効果を示した。
PD液体培地で27℃、52時間振とう培養して得られたイネ苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii)懸濁液(1×108CFU/ml)にイネ種籾(品種:コシヒカリ)を減圧条件下で1時間浸漬接種し、イネ苗立枯細菌病感染籾を作成した。製剤例1及び製剤例3の水和剤の100倍希釈液に、上記のイネ苗立枯細菌病感染籾を24時間浸漬した後、浸漬処理液を捨て、32℃の湿室内に1日保って催芽させた。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)を100倍希釈したものを同様に供試した。育苗培土を充填させた径6cmのプラスチックカップに催芽種子を播種し、播種3日後、30℃の育苗庫内に保ち、さらに25℃の湿室内で15日間管理した後に、全苗について発病の有無を調査し、発病苗率を求めた。防除価(%)は無処理区の発病苗率に基づいて算出した。1カップ当たりの播種量は乾籾3g(90〜110粒)。結果は表8に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりイネ苗立枯細菌病の発病率が無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。
苗立枯病菌のフスマ培養物3gを滅菌土壌500mlに混和したのちプラスチックポットに詰め、製剤例2及び製剤例4の粒剤を1g土壌混和処理した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)84mgを同様に供試した。キュウリ(相模半白)を播種して、23℃、1週間栽培した後、発芽率を調査した。防除効力(防除価%)は無処理区の発芽率に基づき算出した。結果は表9に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりキュウリ苗立枯病の発病率が無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。
ナス(十両)の根より採集した卵嚢より24時間以内に孵化したサツマイモネコブセンチュウ2期幼虫に対する殺線虫活性を試験した。24穴のマイクロプレートに製剤例1及び製剤例3の100倍希釈液(tween20 5000倍希釈溶液)、及び当量のネコブセンチュウ2期幼虫懸濁液(約50頭)を添加した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)を100倍希釈したものを同様に供試した。プレートを密封して、28℃、相対湿度約50%のインキュベーター内に配置した。72時間後に、実体顕微鏡下での観察により死亡率を調べた。その際、不動の線虫は死亡したものとみなした。殺線虫率は以下の式により算出した。結果は表10に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりサツマイモネコブセンチュウ2期幼虫に対する極めて高い殺線虫活性が得られた。
1/10000aワグネルポットに40kg/10aの割合でサツマイモネコブセンチュウ汚染土壌に製剤例2及び製剤例4の粒剤を均一に混合し、ミニトマト(品種:シュガーランプ)を定植した。比較剤としてインプレッション水和剤((株)エス・ディー・エス バイオテック)を3.3kg/10aの割合で同様に供試した。定植1ヵ月後に根の被害度(ネコブ程度)を以下の基準により類別評価し、下記の式の通りネコブ指数を求め、防除価を算出した。結果は表11に示すように、本発明に関わる微生物製剤で処理することによりサツマイモネコブセンチュウによる根部の被害は無処理区に比べて著しく減少し、極めて高い防除効果が得られた。
シロイヌナズナを対象に基礎シャーレ試験を行いAT−332の植物成長促進効果を測定した。シロイヌナズナ種子を1%次亜塩素酸ナトリウム液に20分浸後、70%エタノールで2分間浸漬し、種子表面の殺菌を行った。その後、滅菌蒸留水で洗浄し、実験に使用した。2分割された滅菌シャーレに0.8%の寒天を含むMurashige and Skoog salt 培地(pH5.7)を注ぎ込み、冷却後、実験に使用した。
AT−332(実施例12)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)GB03(比較例12)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)MBI600(比較例13)を上記シャーレの分割された片方に置かれた滅菌ペーパーディスクに接種し、分割された残りの部分にシロイヌナズナ発芽種子を接種した。菌とシロイヌナズナを接種したプレートは、22℃(照光12時間/遮光12時間)で10日間保温し、植物の生育状況を観察した。結果を菌を接種しなかった対照(図2(a))の結果と共に図2(a)〜(d)の写真に示す。AT−332(実施例12;(b))は、米国で実際に販売・使用されているバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis )GB03(比較例12;(c))、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis )MBI600(比較例13;(d))に比べても顕著な植物成長促進効果が認められた。
ハクサイ幼苗を対象にしてポット試験を行いAT−332及びAT−79菌株の植物成長促進効果を測定した。まず、AT−332及びAT−79菌株を液体LB培地で24時間培養後、菌体を遠心集菌した。回収した菌体を滅菌した0.85%塩化ナトリウム水溶液で1×109 CFU/mlになるように懸濁し、予め滅菌しておいた培養土に、1kgあたり40ml混和したものを処理土壌とした。一方、予め滅菌しておいた培養土に、滅菌した0.85%塩化ナトリウム水溶液のみを1kgあたり40ml混和したものを無処理土壌とした。処理土壌及び無処理土壌を100gずつ、プラスチッック製のポット(口径70mm×高さ68mm)に入れ、これにハクサイ(品種:野崎白菜二号)の種子を播種した。その後、22℃に設定した温室内に置き、30日後に生育したハクサイの生重量を測定した。結果を図3に示す。AT−332及びAT−79菌株の作物に対する明らかな成長促進効果が認められた。
Claims (8)
- 配列番号2の塩基配列で示される16S rDNAを有するバチルス・エスピー(Bacillus sp.)AT−332菌株(NITE BP−1095株)。
- 配列番号3の塩基配列で示される16S rDNAを有するバチルス・エスピー(Bacillus sp.)AT−79菌株(NITE BP−1094株)。
- 菌株自体及び/または菌株の培養物が植物病害防除作用、線虫防除作用及び/または植物成長促進作用の効果を示す請求項1または2に記載の菌株。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の菌株及び/または菌株の培養物を有効成分として含有する微生物製剤。
- 植物病害防除剤である請求項4に記載の微生物製剤。
- 線虫防除剤である請求項4に記載の微生物製剤。
- 植物成長促進剤である請求項4に記載の微生物製剤。
- 請求項4〜7のいずれかに記載の微生物製剤で植物を処理する植物の栽培方法。
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