JP5196607B2 - 故障診断方法及び被診断体 - Google Patents

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Description

本願発明は、太陽電池モジュールの故障箇所を推定して診断する故障診断方法及び診断対象となる被診断体に関する。
近年、自然エネルギー活用への意識の高まりにより、大量の太陽電池が生産されている。経年劣化による太陽電池の出力低下などの故障や不具合などの事例が報告されている。そこで、これまでに太陽電池の故障診断手法が開発されてきている。
例えば特許文献1記載の手法は、太陽電池モジュールを直列に接続した太陽電池ストリングの故障診断手法であるが、故障箇所のない太陽電池ストリングの一方の端に信号発生器及び波形観測装置を接続し、太陽電池ストリングの他方の端は開放端とする第1接続形態と、故障箇所診断対象である太陽電池ストリングの一方の端に信号発生器及び波形観測装置を接続する第2接続形態において、第1接続形態における波形観測装置による観測信号(太陽電池ストリングから反射される出力信号)と第2接続形態における波形観測装置による観測信号との差信号波形の立ち上がり及び立ち下がりが閾値を越える時間をそれぞれTa及びTbとし、第2接続形態において、信号発生器から開放端までの距離をLAとし、信号発生器から故障箇所までの距離Lcを、Lc=(Ta/Tb)×LAにより求めるものである。
特開2009−21341号公報
特許文献1記載の手法では、第2接続形態における故障箇所診断対象である太陽電池ストリングからの観測信号だけでなく、第1接続形態における故障箇所のない太陽電池ストリングからの観測信号も必要となる。すなわち、比較対象となる太陽電池ストリングの用意が必要となる。
しかしながら、一般に、実際に設置された太陽電池ストリングの観測信号は、設置環境に大きく影響される。そのため、例えば、経年劣化した太陽電池ストリングの故障診断を行う場合、比較対象となる太陽電池ストリングを用意することは困難である。
しかも、太陽電池モジュール内の故障箇所を特定する故障診断には、太陽電池ストリングの故障の有無や何枚目の太陽電池モジュールが故障しているかを診断する故障診断の場合と比べて、さらに課題が存在する。なお、以下では、複数の太陽電池セルを直列に接続して基板に固定したものを「太陽電池モジュール」という。また、複数の太陽電池モジュールを直列に接続したものを「太陽電池ストリング」という。
太陽電池モジュールの故障診断に特有の第1の課題は、故障診断手法に高い分解能が要求されることである。1枚の太陽電池モジュールの故障診断の場合、複数の太陽電池モジュールを有する太陽電池ストリングの故障診断の場合よりも信号の伝送距離が短い。そのため、短い時間で観測信号が得られる。したがって、非常に高速なパルス発生/波形観測装置を用意しない限り、隣接する太陽電池セルの故障が区別できない。
よって、本願発明は、故障箇所のない太陽電池モジュールの情報を必要とせずに、太陽電池モジュールの故障箇所を精確に特定可能な故障診断方法等を提供することを目的とする。
本願発明の第1の観点は、太陽電池モジュールの故障箇所を推定して診断する故障診断システムにおける故障診断方法であって、前記故障診断システムは、前記太陽電池モジュールの正極に接続されて負極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である正極入力信号及び前記負極に接続されて前記正極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である負極入力信号を発生させて印加することが可能な信号発生装置と、前記正極入力信号に対する反射波であって前記正極から出力される出力信号である正極出力信号及び前記負極入力信号に対する反射波であって前記負極から出力される出力信号である負極出力信号を観測することが可能な波形観測装置と、前記波形観測装置により観測された前記正極出力信号及び前記負極出力信号により前記故障箇所を推定する診断装置と、前記太陽電池モジュールとの間で静電容量を発生させる導電体と、前記導電体及び/又は前記太陽電池モジュールの位置を制御する配置手段とを備え、前記配置手段が、前記導電体及び/又は前記太陽電池モジュールの位置を制御する制御ステップと、前記信号発生装置が、前記太陽電池モジュールに対して前記正極入力信号を発生させて印加し、前記波形観測装置が前記正極出力信号を観測し、かつ、前記信号発生装置が、前記太陽電池モジュールに対して前記負極入力信号を発生させて印加し、前記波形観測装置が前記負極出力信号を観測する観測ステップと、前記診断装置が有する演算手段が、前記正極出力信号及び前記負極出力信号により前記故障箇所を推定する推定ステップを含む故障診断方法である。
本願発明の第2の観点は、第1の観点に係る故障診断方法であって、前記制御ステップにおいて、前記配置手段は、前記導電体と前記太陽電池モジュールとを近づけて、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の静電容量を増大させる故障診断方法である。
本願発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に係る故障診断方法であって、前記制御ステップにおいて、前記導電体は、接地されたものである故障診断方法である。
本願発明の第4の観点は、第2又は第3の観点に係る故障診断方法であって、前記太陽電池モジュールは、静電容量が不均一に発生している複数の太陽電池セルを備え、前記制御ステップにおいて、前記配置手段は、前記複数の太陽電池セルのそれぞれと前記導電体とを一様に近づけて、前記複数の太陽電池セルにおいて生じる静電容量を一様に増大させることにより、前記複数の太陽電池セルにおける静電容量の不均一さを減少させる故障診断方法である。
本願発明の第5の観点は、第2又は第3の観点に係る故障診断方法であって、前記太陽電池モジュールは、静電容量の分布が不均一であり、前記変更ステップにおいて、前記配置手段は、前記太陽電池モジュールにおいて生じる静電容量が小さい箇所と前記導電体とを近づけて、当該箇所の静電容量を増大させる故障診断方法である。
本願発明の第6の観点は、第4又は第5の観点に係る故障診断方法であって、前記導電体は、導電物質が周期的に配置され、又は、導電物質が前記複数の太陽電池セルの配置の並進対称性と同一の並進対称性を有して配置されており、前記変更ステップにおいて、前記配置手段は、前記複数の太陽電池セルの受光面を当該受光面に対して垂直方向に平行移動させた仮想空間である複数のセル空間内に前記複数の太陽電池セルのそれぞれに同一の静電容量を発生させる前記導電物質が含まれるように前記導電体と前記太陽電池モジュールとを近づけて、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の静電容量を増大させる故障診断方法である。
本願発明の第7の観点は、第6の観点に係る故障診断方法であって、前記複数の太陽電池セルは、同一平面上に配置されており、前記導電体は、金属板であり、前記変更ステップにおいて、前記配置手段は、前記金属板と前記複数の太陽電池セルとが平行となるように前記金属板と前記太陽電池モジュールとを近づけて、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の静電容量を増大させる故障診断方法である。
本願発明の第8の観点は、第1から第7のいずれかの観点に係る故障診断方法であって、前記故障診断システムは、前記太陽電池モジュールに接続可能であり、前記太陽電池モジュール内で伝達された信号を減衰して反射させない減衰器と、前記正極又は前記負極と前記信号発生装置又は前記減衰器との接続を切り替える切替部と、前記切替部の接続動作を制御する切替制御部とをさらに備え、前記切替制御部が、前記切替部に前記正極又は前記負極のいずれか一方の極と前記信号発生装置とを接続させると共に前記減衰器は前記正極にも前記負極にも非接続とする第1切替ステップを前記観測ステップの前に含み、前記診断装置が備える反射波評価手段が、前記信号発生装置により印加された入力信号の反射波を評価することにより、及び、前記切替制御部が前記切替部に前記一方の極とは反対側の極と前記信号発生装置とを接続させると共に前記減衰器は前記正極にも前記負極にも非接続とし、前記反射波評価手段が前記信号発生装置により印加された入力信号の反射波を評価することにより、前記正極入力信号の印加から前記正極出力信号の観測までの時間である正極反射波到達時間及び前記負極入力信号の印加から前記負極出力信号の観測までの時間である前記負極反射波到達時間を決定する決定ステップを前記観測ステップと前記推定ステップとの間に含み、前記決定ステップにおいて前記正極反射波到達時間と前記負極反射波到達時間が異なると判断された場合に、前記推定ステップにおいて、前記診断装置は、前記正極又は前記負極から前記故障箇所までの距離を、前記正極反射波到達時間及び前記負極反射波到達時間に基づいて推定し、前記決定ステップにおいて前記正極反射波到達時間と前記負極反射波到達時間が等しいと判断された場合には、前記切替制御部は、前記信号発生装置を接続させた極とは反対側の極と前記減衰器とを接続させる第2切替ステップと、前記波形観測装置が前記信号発生装置により印加された入力信号の反射波を観測し、前記反射波評価手段が反射波の有無を判断する判断ステップとを前記決定ステップと前記推定ステップとの間に含み、前記判断ステップにおいて反射波があると判断された場合には、前記推定ステップにおいて、前記診断装置は、前記正極又は前記負極から前記故障箇所までの距離を、前記正極反射波到達時間及び前記負極反射波到達時間に基づいて推定し、前記判断ステップにおいて反射波がないと判断された場合には、前記推定ステップにおいて、前記診断装置は、前記太陽電池モジュールが正常であると推定して診断する故障診断方法である。
本願発明の第9の観点は、太陽電池モジュールの故障箇所を推定して診断する故障診断装置の診断対象となる被診断体であって、前記太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュールとは別体であって、前記太陽電池モジュールとの間で静電容量を発生する導電体とを備え、前記故障診断装置は、前記導電体により前記静電容量が制御された前記太陽電池モジュールに対して、前記太陽電池モジュールの正極に接続されて負極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である正極入力信号を印加した反射波である正極出力信号、及び、前記太陽電池モジュールの負極に接続されて正極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である負極入力信号を印加した反射波である負極出力信号により前記故障箇所を推定する演算手段を備える被診断体である。
本願発明の第10の観点は、太陽電池モジュールの故障箇所を推定して診断する故障診断装置であって、導電体と前記太陽電池モジュールとの間の相対的な位置を制御して、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の静電容量を変更する配置手段と、前記静電容量が変更された前記太陽電池モジュールに対して、前記太陽電池モジュールの正極に接続されて負極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である正極入力信号を印加した反射波である正極出力信号、及び、前記太陽電池モジュールの負極に接続されて正極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である負極入力信号を印加した反射波である負極出力信号により前記故障箇所を推定する演算手段とを備える故障診断装置である。
本願発明の第11の観点は、太陽電池モジュールの故障箇所を推定して診断する故障診断装置と共に用いる配置装置であって、前記故障診断装置は、前記静電容量が変更された前記太陽電池モジュールに対して、前記太陽電池モジュールの正極に接続されて負極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である正極入力信号を印加した反射波である正極出力信号、及び、前記太陽電池モジュールの負極に接続されて正極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である負極入力信号を印加した反射波である負極出力信号により前記故障箇所を推定する演算手段とを備えるものであり、導電体と、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の相対的な位置を制御して、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の静電容量を変更する配置手段とを備える、配置装置である。
本願発明の第12の観点は、コンピュータを、導電体と太陽電池モジュールとの間の相対的な位置を制御して、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の静電容量を変更する配置手段と、前記静電容量が変更された前記太陽電池モジュールに対して、前記太陽電池モジュールの正極に接続されて負極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である正極入力信号を印加した反射波である正極出力信号、及び、前記太陽電池モジュールの負極に接続されて正極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である負極入力信号を印加した反射波である負極出力信号により前記太陽電池モジュールの故障箇所を推定する演算手段として機能させて、前記太陽電池モジュールの故障箇所を推定して診断するためのプログラムである。
本願発明の第13の観点は、第12の観点に係るプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本願発明の第14の観点は、第1から第8のいずれかの観点に係る故障診断方法であって、前記故障診断システムは、前記太陽電池モジュールに接続可能であり、前記太陽電池モジュール内で伝達された信号を減衰して反射させない減衰器と、前記正極又は前記負極と前記信号発生装置又は前記減衰器との接続を切り替える切替部と、前記切替部の接続動作を制御する切替制御部とをさらに備え、前記切替制御部が、前記切替部に前記正極又は前記負極のいずれか一方の極と前記信号発生装置とを接続させると共に前記一方の極とは反対側の極と前記減衰器とを接続させる第1切替ステップを前記観測ステップの前に含み、前記診断装置が備える反射波評価手段が、前記信号発生装置により印加された入力信号の反射波の有無を判断する判断ステップを前記観測ステップと前記推定ステップとの間に含み、前記判断ステップにおいて反射波がないと判断された場合には、前記推定ステップにおいて、前記診断装置は、前記太陽電池モジュールが正常であると推定して診断し、前記判断ステップにおいて反射波があると判断された場合には、前記推定ステップにおいて、前記反射波評価手段が前記信号発生装置により印加された入力信号の反射波を評価することにより、及び、前記切替制御部が前記切替部に接続を切り替えさせることにより前記反対側の極と前記信号発生装置とを接続させ、前記反射波評価手段が前記信号発生装置により印加された入力信号の反射波を評価することにより、前記正極反射波到達時間及び前記負極反射波到達時間を決定し、前記診断装置は、前記故障箇所を推定する。
本願発明の第15の観点は、第1から第8のいずれか又は第14の観点に係る故障診断方法であって、前記推定ステップにおいて、前記診断装置が有する演算手段が、前記正極又は前記負極から前記故障箇所までの距離Lxを式(1)により演算して前記太陽電池モジュールの前記故障箇所を推定する。
本願発明の第16の観点は、第1から第8のいずれか又は第14の観点に係る故障診断方法であって、前記推定ステップにおいて、前記診断装置が有する演算手段が、前記正極又は前記負極から前記故障箇所までの太陽電池セルの枚数Nxを式(2)により演算して前記太陽電池モジュールの前記故障箇所を推定する。
上記において、式(1)及び式(2)とは、下記の式をいう。
ただし、式(1)において、Lは前記太陽電池モジュールの前記正極から前記負極までの距離である伝送距離、Tは前記正極入力信号の印加から前記正極出力信号の観測までの時間である正極反射波到達時間、Tは前記負極入力信号の印加から前記負極出力信号の観測までの時間である負極反射波到達時間である。
ただし、式(2)において、Nは前記太陽電池セルの枚数、Tは前記正極入力信号の印加から前記正極出力信号の観測までの時間である正極反射波到達時間、Tは前記負極入力信号の印加から前記負極出力信号の観測までの時間である負極反射波到達時間である。
なお、太陽電池モジュールの正極及び負極のそれぞれに対して、信号発生装置を1つずつ備える構成としてもよい。同様に、正極及び負極のそれぞれに対して、波形観測装置を1つずつ備える構成としてもよい。
また、いずれの極から印加した信号に由来する出力信号であるかを明確にするために、例えば一方の極への入力信号と異なる波形の入力信号を反対側の極に印加するとしてもよい。具体的には、一方の極には立ち上がりの入力信号を印加し、反対側の極には立ち下がりの入力信号を印加するとしてもよい。
さらに、太陽電池モジュールの正極又は負極と信号発生装置又は減衰器との接続を切替部及び切替制御部が切り替える代わりに、手動で切り替えるものであってもよい。
本願発明によれば、同一の太陽電池モジュールに対して正極及び負極からの入力信号を用いて故障診断を行うことが可能となる。すなわち、故障箇所のない太陽電池モジュールを必要とせずに、故障診断対象となる太陽電池モジュールのみを用いて故障診断を行うことが可能となる。
さらに、本願発明によれば、少なくとも故障箇所が中心部になければ、正極及び負極で観測される反射波の情報は異なる。したがって、開放端側の正極又は負極付近で故障した太陽電池モジュールの故障診断も容易となる。故障箇所のない太陽電池モジュールからの出力信号と開放端側の正極又は負極付近で故障した太陽電池モジュールからの出力信号とは区別が難しいことを考慮すると、特筆すべき効果である。なお、第9の観点に係る被診断体は、第1の観点の故障診断方法と特別な技術的特徴が相補的に関連するものである。
続いて、本願発明によるさらなる効果について説明する。一般に、単位長さ当たりのインダクタンスL及び単位長さ当たりの静電容量Cを有する回路における信号の単位長さ当たりの伝搬時間tは、次の式(3)で表される。すなわち、インダクタンスLが一定とすると、信号の伝搬時間tは、静電容量Cの平方根に比例する。
そこで、本願発明によれば、配置手段が導電体及び/又は太陽電池モジュールの位置を制御することにより、導電体と太陽電池モジュールとの間で発生する静電容量を制御し、信号の伝搬時間tを制御することが可能となる。
特に、本願発明の第2の観点によれば、導電体と太陽電池モジュールとが近づいた状態で太陽電池モジュールの故障診断が行われる。このため、式(3)における静電容量Cが増大し、信号が伝搬するのに要する時間tが増大する。これにより、信号の伝搬速度を制御して低速化させることが可能となる。結果として、高速なパルス発生/波形観測装置でなくとも分解能の高い故障診断が可能となる。すなわち、太陽電池モジュールの故障診断に特有の第1の課題が解消する。結果として、太陽電池モジュールの故障箇所を精確に特定可能な故障診断方法等を提供することが可能となる。
さらに、本願発明の第3の観点によれば、導電体が接地されるため、導電体と太陽電池モジュールとの間の静電容量を増大させることが容易となる。
ここで、太陽電池モジュールの故障診断に特有の第2の課題として、信号伝搬速度が均一でないことがある。太陽電池モジュールは、衝撃に対する物理的強度を高めるために例えば太陽電池モジュールの周辺が金属製フレームで囲われることが多い。すると、直列に接続した太陽電池セルを有する太陽電池モジュールにおいて、中央領域よりも周辺領域の静電容量Cが増大する。結果として、周辺領域のみ伝搬時間tが増大し、信号の伝搬速度が遅くなることが考えられる。この場合、太陽電池モジュールの周辺領域と中央領域の間で伝搬速度の差が生じ、故障箇所特定の精度が低下する。
本願発明の第4の観点によれば、各太陽電池セルと導電体とを一様に近接させるため、太陽電池モジュール全体に発生する静電容量を一様に増大させることが可能となる。結果として、太陽電池モジュール内に発生する静電容量Cの均一化ひいては信号伝搬速度の均一化を図ることが可能となる。すなわち、太陽電池モジュールの故障診断に特有の第2の課題が解消する。結果として、太陽電池モジュールの故障箇所を精確に特定可能な故障診断方法等を提供することが容易となる。
また、本願発明の第5の観点によれば、静電容量の分布が不均一な太陽電池モジュールに対して、静電容量の小さい箇所について集中的に静電容量を増大させることが可能となる。これによっても、太陽電池モジュール内に発生する静電容量Cの均一化ひいては信号伝搬速度の均一化を図ることが可能となる。すなわち、太陽電池モジュールの故障診断に特有の第2の課題が解消し、太陽電池モジュールの故障箇所を精確に特定可能な故障診断方法等を提供することが容易となる。
さらに、本願発明の第6及び第7の観点によれば、導電体自体が複数の太陽電池セルに対して一様に静電容量を増大させるような導電物質の構成を有する。そのため、静電容量を一様に増大させることが容易となる。すなわち、第2の課題を解消し、太陽電池モジュールの故障箇所を精確に特定可能な故障診断方法等を提供することがさらに容易となる。
さらに、本願発明の第8の観点によれば、正極反射波到達時間と負極反射波到達時間の差が小さい場合も太陽電池モジュールの故障診断が容易となる。減衰器を接続したときの反射波の有無からも太陽電池モジュールが故障を有するか否かの診断を行うことが可能となるためである。したがって、故障箇所が中心部付近であっても、太陽電池モジュールの故障診断を行うことが容易となる。
さらに、本願発明の第14の観点によれば、太陽電池モジュールの正極又は負極のいずれか一方の極から入力信号を印加して反射波が観測されない場合、その時点で故障診断対象の太陽電池モジュールが正常であると診断することが可能である。そのため、太陽電池モジュールが正常の場合、切替制御部が切替部に太陽電池モジュールと信号発生装置との接続を切り替えさせることなく、診断することが可能となる。すなわち、反対側の極から入力信号を印加する手間を省くことも可能であり、太陽電池モジュールの故障診断がさらに容易となる。
さらに、本願発明の第15及び第16の観点によれば、数式の計算結果から故障箇所を特定することが可能となり、太陽電池モジュールの故障診断がさらに容易となる。
設置された太陽光発電システムの一般的な構成を示す図である。 太陽電池アレイの構成の概要を示す図である。 本願発明の発明者らによる非公知の故障診断システムの概要を示すブロック図である。 図3の故障診断システムを用いた故障診断の一例の概要を示すフロー図である。 図3の故障診断システムを用いた故障診断の他の例の概要を示すフロー図である。 シミュレーションにおけるモデルの一例を示す図である。 図6のモデルにおいて減衰器モデル83を接続しないときの正極出力信号及び負極出力信号の一例である。 図7の正極出力信号から負極出力信号を差し引いた差分波形である。 図7の正極出力信号及び負極出力信号の微分波形である。 図6のモデルにおいて、減衰器モデル83を接続したときの正極出力信号及び負極出力信号の一例である。 本願発明に係る故障診断システムの概要を示すブロック図である。 直列に接続した太陽電池セルを有する太陽電池モジュールの一例を示す模式図である。図12(a)は、直列に接続された太陽電池セルの接続順序を示す図である。図12(b)は、故障箇所として想定した箇所を示す図である。
以下、本願発明の実施の形態について詳細に説明する。
初めに、本願発明の前提となる故障診断システムについて述べる。この技術は、本願発明者らによって開発された故障診断システムであり、本願の出願時点では非公知の技術である(特願2009−281148参照)。そのため、以下に述べる故障診断システムは、本願発明の新規性又は進歩性を否定する引用発明とはならない。
まず、故障診断の対象となる太陽光発電システムについて説明する。図1は、設置された太陽光発電システムの一般的な構成を示す図である。図2は、太陽電池アレイの構成の概要を示す図である。
図1に示すように、建物に設置される太陽電池アレイ1は、一般に屋根等の屋外に設置される。通常、太陽電池アレイ1は、並列接続される複数の太陽電池ストリング3を有しており、各太陽電池ストリング3は、直列接続される複数の太陽電池モジュール5を有する。さらに、太陽電池モジュール5は、直列接続される複数の太陽電池セルを有する。太陽電池アレイ1で発電された電気は、直流電流としてケーブル7内を流れ、中継端子箱9(本願請求項の「切替部」の一例)を経由してパワーコンディショナ11に達する。パワーコンディショナ11は、太陽電池アレイ1の出力レベルを表示すると共に、太陽電池アレイが出力した直流電流を交流電流に変換する。交流に変換された電流は、分電盤13によって住宅内電気負荷15において消費されるか、電力の売買のための電力量計17を介して商用電力系統19に売電される。それぞれの機器の間もケーブルによって接続されている。
ここで、図2に示すように、太陽電池の出力値を安定的に増大させるために、太陽電池アレイ1は、通常、複数の太陽電池モジュール5を直列に接続した太陽電池ストリング3を、中継端子箱9において並列に接続して構成されている。
中継端子箱9において1つの太陽電池ストリングにのみ接続するように接続を切り替えることにより、太陽電池ストリング毎の出力レベルを、例えばパワーコンディショナ11に表示させて得ることも可能である。また、入力信号を故障診断対象の太陽電池ストリング3に印加する際は、中継端子箱9にて故障診断対象の太陽電池ストリング3のみを接続するように接続を切り替えて入力信号を後述する入力信号装置23から印加し、故障診断対象の太陽電池ストリング3から反射される出力信号を後述する波形観測装置25を用いて観測する。図1に示すように、中継端子箱9は通常は地面付近に設置されている。そのため、故障対象とする太陽電池ストリング3の切り替えや信号の印加及び観測といった一連の故障診断に関する作業は地面付近で行われる。したがって、本願発明に係る故障診断手法は、設置環境における故障診断でありながら、屋根の上など足場の悪い実際の設置場所で行う故障診断の手法に比べて手間がかからない上に危険を伴わないという点で、格段に実施しやすいものである。この点は、太陽電池モジュール5がマトリクス状に電気的に接続されている中から故障した1つの太陽電池モジュール5を発見する際に優れた効果を有する。メガソーラーのような大規模な太陽光発電システムにおいては特に重要となる。
以下では、図3を用いて本願発明の発明者らによる非公知の故障診断システムについて説明する。図3は、本願発明の発明者らによる非公知の故障診断システム27の概要を示すブロック図である。
故障診断システム27は、信号発生装置23と、波形観測装置25と、診断装置28と、切替部31と、切替制御部32とを備える。信号発生装置23は、診断対象の太陽電池ストリング3に対して入力信号を生成して印加する。波形観測装置25は、入力信号を太陽電池ストリング3に対して印加したときに太陽電池ストリング3から反射される出力信号を観測する。診断装置28は、波形観測装置25が観測した出力信号から太陽電池ストリング3の故障箇所を推定して診断する。切替部31は、信号発生装置23と太陽電池ストリング3の端子である正極29又は負極30との接続を切り替える。また、切替部31は、波形観測装置25と正極29又は負極30との接続も切り替える。正極29及び負極30は、それぞれケーブル7又はケーブル7を介して切替部31と接続される。切替制御部32は、切替部31の接続動作を制御する。
切替部31は、減衰器33を有する。減衰器33は、信号発生装置23及び波形観測装置25が接続された正極29又は負極30のいずれか一方の極とは反対側の極に接続可能である。ここで、信号発生装置23及び波形観測装置25と減衰器33とを同一の極に接続させないのは、印加前の入力信号や観測前の出力信号を減衰器33で減衰させないためである。減衰器33と太陽電池ストリング3との接続も、切替制御部32が切替部31を制御して切り替えさせる。
信号発生装置23及び波形観測装置25が接続された極とは反対側の極は、減衰器33が接続されるか、又は、減衰器33が接続されずに開放端とされる。開放端に入力信号が達した場合、反射波が生成される。故障診断システム27において診断する故障箇所に入力信号が達した場合も、反射波が生成される。一方、減衰器33に達した信号は、減衰されて反射波は生成されない。
ここで、以下の説明で使用する用語を定義する。「正極入力信号」は、信号発生装置23を正極29に接続したときの入力信号である。「負極入力信号」は、負極30に接続したときの入力信号である。また、「正極出力信号」は、正極入力信号に対する反射波であって、正極29から出力される出力信号である。「負極出力信号」は、負極入力信号に対する反射波であって、負極30から出力される出力信号である。さらに、「正極反射波到達時間」は、正極入力信号が印加されてから正極出力信号が観測されるまでの時間である。「負極反射波到達時間」は、負極入力信号が印加されてから負極出力信号が観測されるまでの時間である。さらに、「ストリング長」とは、太陽電池ストリング3の正極29から負極30までの距離である。
診断装置28は、記憶部35と、反射波評価部37と、演算部39とを備える。記憶部35は、太陽電池ストリング3の正極29から負極30までの距離であるストリング長L1を記憶する。反射波評価部37は、波形観測装置25により観測された正極出力信号及び負極出力信号を評価する。また、反射波評価部37は、正極反射波到達時間及び負極反射波到達時間をそれぞれ決定して、記憶部35に記憶させる。演算部39は、正極29又は負極30から故障箇所までの距離を演算して推定する。このとき、ストリング長の情報に加え、正極反射波到達時間及び負極反射波到達時間に基づいて演算が行われる。
ここで、正極反射波到達時間及び負極反射波到達時間を評価する際、正確を期して、ストリング長に信号発生装置23から正極29又は負極30までのケーブル7の長さを含めることも考えられる。しかし、実際には、信号発生装置23から正極29又は負極30までのケーブル7中において入力信号は非常に早く伝搬する。一方、太陽電池ストリング3の中では入力信号は遅く伝搬する。したがって、信号が信号発生装置23から正極29又は負極30まで伝搬するのに要する時間は、反射波到達時間全体と比較して問題にならないほど短い。
以下においても、入力信号又は反射波の信号が信号発生装置23から正極29又は負極30までのケーブル7を伝搬する時間については、無視することとする。このことにより、故障箇所を簡便に推定可能となる。
以下では、図4を用いて本願発明の発明者らによる非公知の故障診断の手順の一例について説明する。図4は、図3の故障診断システムを用いた故障診断手法の一例の概要を示すフロー図である。後に説明する他の例のフローと異なり、フロー当初は、減衰器33を接続しない。
<第1切替〜第1評価>
第1切替ステップS1−1において、切替制御部32が、切替部31に信号発生装置23及び波形観測装置25を正極29又は負極30のいずれか一方に接続させる。ここで、信号発生装置23及び波形観測装置が接続された太陽電池ストリングの極を「1A極」とする。ステップS1−1においては、減衰器33は太陽電池ストリング3のいずれの極にも接続されていない。
続いて、第1印加ステップS1−2において、信号発生装置23が、入力信号を生成して太陽電池ストリング3に対して印加する。故障診断対象である太陽電池ストリング3が正常であれば、印加された入力信号は太陽電池ストリング3の1A極とは反対側の極(以下、「1B極」とする)で反射される。太陽電池ストリング3のどこかに故障があれば、入力信号はその故障箇所で反射される。
第1観測ステップS1−3において、波形観測装置25が、故障箇所又は1B極で反射されて1A極から出力された出力信号を観測する。第1評価ステップS1−4において、反射波評価部37が、観測された出力信号を評価し、入力信号の印加から出力信号の観測までの時間である反射波到達時間Tを決定して、記憶部35にTを記憶させる。
<第2切替〜第2評価>
続いて、第2切替ステップS1−5において、切替制御部32が、切替部31に信号発生装置23及び波形観測装置25を1B極に接続させる。ステップS1−5においても、減衰器33は太陽電池ストリング3のいずれの極にも接続されていない。続いて、第2印加ステップS1−6において、信号発生装置23が、入力信号を生成して太陽電池ストリング3に対して印加する。第2観測ステップS1−7において、波形観測装置25が、故障箇所又は1A極で反射されて1B極から出力された出力信号を観測する。第2評価ステップS1−8において、反射波評価部37が、観測された出力信号を評価し、入力信号の印加から出力信号の観測までの時間である反射波到達時間Tを決定して、記憶部35にTを記憶させる。
<第1判定〜故障診断>
第1判定ステップS1−9において、演算部39が、T及びTが等しいか否かを判定する。TとTとが異なる場合、故障箇所が存在すると判断する。故障箇所推定ステップS1−14において、演算部39が、1A極から故障箇所までの距離Lを、L=L×T/(T+T)(本願請求項の式(1)に対応)に基づいて演算し、故障箇所を推定してフローを終了する。
とTとが等しい場合には、2つのケースが考えられる。1つ目のケースは、故障診断となる太陽電池ストリング3のちょうど真ん中に故障箇所が存在するケースである。2つ目のケースは、太陽電池ストリング3に故障箇所が存在しないケースである。これら2つのケースの判定のため、以下の処理により故障診断を行う。第3切替ステップS1−10において、切替制御部32が、切替部31に対して、信号発生装置23及び波形観測装置25を1B極に接続させたまま、減衰器33を1A極に接続させる。続いて、第3印加ステップS1−11において、信号発生装置23が、入力信号を生成して太陽電池ストリング3に対して印加する。第3観測ステップS1−12において、波形観測装置25が、1B極から出力された出力信号を観測する。ただし、減衰器33を1A極に接続しているため、入力信号が減衰されて出力信号が反射されないこともあり得る。第2判定ステップS1−13において、反射波評価部37が、ステップS1−19において反射波が観測されたか否かを判定する。反射波が観測されれば、太陽電池ストリング3に故障が存在することになるため、故障箇所推定ステップS1−14において、演算部39がLを演算し、故障箇所を推定してフローを終了する。
また、第2判定ステップS1−13において、反射波がなければ、故障診断対象である太陽電池ストリング3に故障箇所がないと評価され、ステップS1−15において、診断装置28が、太陽電池ストリング3は正常であると診断してフローを終了する。
なお、反射波評価部37は、ステップS1−4及びステップS1−8においてそれぞれT及びTを決定する代わりに、ステップS1−8で、観測後にまとめてT及びTを決定してもよい。
また、ステップS1−9において、T及びTが等しいか否かは、反射波評価部37が判定してもよい。
さらに、ステップS1−10において、信号発生装置23を接続させる極とは反対側に減衰器33を接続させればよく、切替制御部32は、信号発生装置23を1A極に接続させ、減衰器33を1B極に接続させてもよい。
さらに、ステップS1−4又はステップS1−8において、反射波到達時間が異常に短い場合には、ケーブル7又は7のうち信号発生装置23に近い側の故障の可能性があると診断してもよい。そのため、診断装置28は、ケーブル7又は7の故障と診断してもよく、又は、正極又は負極のうち信号発生装置23に近い側の極において故障であるとの診断に併せてケーブル7又は7の故障の可能性があると診断してもよい。
続いて、図5を用いて他の故障診断手法の例について説明する。図5は、図3の故障診断システムを用いた故障診断手法の他の例の概要を示すフロー図であり、減衰器33をフロー当初から接続するものである。以下、図4のフローとの相違点を中心に説明する。
<第1切替〜第1観測>
第1切替ステップS2−1において、切替制御部32が、切替部31に信号発生装置23及び波形観測装置25を太陽電池ストリング3の正極29又は負極30のいずれかに接続させる。ここで、信号発生装置23が接続された太陽電池ストリングの極を「2A極」とする。また、切替制御部32が、切替部31に減衰器33を太陽電池ストリング3の2A極とは反対側の極(以下、「2B極」とする)に接続させる。続いて、第1印加ステップS2−2において、信号発生装置23が、入力信号を生成して太陽電池ストリング3に対して印加する。第1観測ステップS2−3において、波形観測装置25が、2A極から出力された出力信号を観測し、少なくとも太陽電池ストリング3の故障箇所における反射波があれば、この反射波を観測する。
<第1判定〜故障診断>
第1判定ステップS2−4において、反射波評価部37が、反射波が観測されたか否かを判定する。反射波が観測されていなければ、ステップS2−5において、診断装置28が、太陽電池ストリング3は正常であると診断してフローを終了する。反射波が観測されていれば、第1評価ステップS2−6に進み、反射波評価部37が、入力信号の印加から出力信号の観測までの時間である反射波到達時間Tを決定して、記憶部35にTを記憶させる。続いて、第2切替ステップS2−7において、切替制御部32が、切替部31に対して、減衰器33を2B極とは非接続とすると共に、信号発生装置23及び波形観測装置25を太陽電池ストリング3の2B極に接続させる。
ここで、以下の処理は故障箇所からの反射波を観測するためのものであり、減衰器33は、2A極に接続させてもよいし、接続させずともよい。第2印加ステップS2−8において、信号発生装置23が、入力信号を生成して2B極に印加する。第2観測ステップS2−9において、波形観測装置25が、太陽電池ストリング3の2B極から出力された出力信号を観測する。第2評価ステップS2−10において、反射波評価部37が、観測された出力信号を評価し、入力信号の印加から出力信号の観測までの時間である反射波到達時間Tを決定して、記憶部35にTを記憶させる。故障箇所推定ステップS2−11において、演算部39が、信号発生装置23から故障箇所までの距離LをL=L×T/(T+T)(本願請求項の式(1)に対応)に基づいて演算し、故障箇所を推定してフローを終了する。
ここで、図4及び図5のフローを比較する。
図4に示すフローにおいては、太陽電池ストリング3に故障箇所が存在する場合は、T及びTが等しくない限り、減衰器33を用いずに故障診断が行われる。一般的に、故障が存在してT及びTが等しいケースは少ない。また、通常、信号発生装置23の接続を切り替えること手間は、新たに減衰器33を太陽電池ストリング3に接続する手間に比べると小さいものである。したがって、例えば太陽電池ユーザーからの依頼で特定の太陽電池ストリング3の故障診断を行う場合等、故障診断対象である太陽電池ストリング3が故障している可能性が高い場合には、図4のフローが有用である。
一方、図5に示すフローにおいては、太陽電池ストリング3にフロー当初から減衰器33を接続させる。太陽電池ストリング3が故障箇所を有しない場合、切替動作は第1切替ステップS2−1のみで済む。したがって、例えば定期診断を行う場合等、故障診断対象の太陽電池ストリングが正常である可能性が高い場合には、図5のフローが有用である。
続いて、よりシンプルな故障診断の方式として、何枚目の太陽電池モジュール5が故障しているかについて判断する処理について説明する。
すなわち、図3の記憶部35には、ストリング長Lに代えて、太陽電池ストリング3が有する太陽電池モジュール5の全枚数Nを記憶させる。そして、演算部39は、図4の故障箇所推定ステップS1−14又は図5の故障箇所推定ステップS2−11において、正極又は負極から故障位置までの太陽電池モジュール5の枚数NをN=N×T/(T+T)(本願請求項の式(2)に対応)に基づいて演算し、故障箇所を推定して診断する。
このシンプルな方式の処理は、図4及び図5の処理と比較して、故障した太陽電池モジュールを容易に特定できる。そのため、例えば故障した太陽電池モジュールの交換を目的とする場合のように、故障している太陽電池モジュールを特定すれば十分な場合、シンプルな方式の故障診断フローが特に有効であると考えられる。
以下では、太陽電池ストリング3のモデルに対して、上記の故障診断手法を適用したシミュレーションについて説明する。
まず、図6及び図7を参照して、シミュレーションに用いたモデルの一例について説明する。図6は、シミュレーションモデル51の一例を示す図である。
図6に示すシミュレーションモデル51において、信号発生装置23と、抵抗53と、ケーブル7のモデルであるケーブルモデル551と、太陽電池ストリング3のモデルである太陽電池ストリングモデル57と、ケーブル7のモデルであるケーブルモデル552が順に直列に接続される。ケーブル552の接続されていない側の端は、接続端子81により減衰器33のモデルである減衰器モデル83が接続され、又は、接続せずに開放端とされる。
信号発生装置23から印加された入力信号は、太陽電池ストリング57の故障箇所又は開放端で反射され、図示を省略する波形観測装置25によって観測される。
図6の太陽電池ストリングモデル57において、12枚の太陽電池モジュール5のモデルが直列に接続されている。太陽電池モジュール5のモデルは、故障箇所のない太陽電池モジュールのモデルである正常モデル58と故障している太陽電池モジュールのモデルである故障モデル59が区別されている。図6では、太陽電池ストリングモデル57の正極29が信号発生装置23側に接続されており、正極29側から数えて3枚目の太陽電池モジュールが故障しているとする。太陽電池ストリングモデル57の負極30から入力信号を印加する際には、負極30を信号発生装置23側に接続する。
図6のケーブルモデル551において、抵抗61並びに直列に接続された抵抗63及びコイル65が並列に接続されて部分回路67を形成している。3つの部分回路671、672及び673が順に直列に接続されている。また、3つの部分回路671、672及び673の間をつなぐ2つの経路はそれぞれ分岐しており、それぞれコンデンサ691及び692を介して接地されている。
図6の正常モデル58において、コンデンサ71及び抵抗73が並列に接続されて部分回路74を形成しており、コイル75、部分回路74、コイル76が順に直列に接続されている。また、コイル75、部分回路74、コイル76の間をつなぐ2つの経路はそれぞれ分岐しており、それぞれコンデンサ771及び772を介して接地されている。
図6の故障モデル59は、正常モデル58において、正極側に故障による高抵抗化が生じたものである。すなわち、故障モデル59において、正極側正常モデルとコイル79(正常モデル58のコイル75に対応)との間に抵抗80が接続されている。抵抗80によって、故障による高抵抗化が表現されている。
図6の減衰器モデル83は、接続端子81と抵抗84が直列に接続され、接続端子81とは反対の端子が開放端である。接続端子81、抵抗84及び開放端の間をつなぐ2つの経路はそれぞれ分岐しており、それぞれ抵抗851及び852を介して接地されている。減衰器に入力された信号は、接地された分岐へと流れて反射されない。
続いて、図7を参照して、波形観測装置25が観測した出力信号から故障箇所を診断する流れについて説明する。図7は、減衰器モデル83を接続しない場合の太陽電池ストリングモデル57の(a)正極出力信号及び(b)負極出力信号の一例を示す図である。
図7(a)において、太陽電池ストリングモデル57が有する12枚の太陽電池モジュール5のうち、正極から見て3枚目、6枚目又は9枚目の太陽電池モジュールが故障している場合の正極出力信号と、故障箇所のない太陽電池ストリングモデルからの正極出力信号が示されている。TF3P、TF6P、TF9P及びTF0Pは、それぞれ、正極入力信号の印加から各正極出力信号の立ち上がりの変曲点まで時間とした正極反射波到達時間を示す。図7より、TF3P<TF6P<TF9P<TF0Pであり、入力印加後に太陽電池ストリング3で反射されて観測されるまでの信号経路の長短の順と一致している。
同様に、図7(b)において、正極から見て3枚目、6枚目又は9枚目の太陽電池モジュールが故障している場合の負極出力信号と、故障箇所のない太陽電池ストリングモデルからの負極出力信号が示されている。同様に決定された負極反射波到達時間が、それぞれTF0M、TF3M、TF6M、TF9Mとして示されている。図7(b)より、TF9M<TF6M<TF3M<TF0Mであり、これも入力信号印加後に太陽電池ストリング3で反射されて観測されるまでの信号経路の長短の順と一致している。
ここで、図8及び図9を参照して、出力信号から反射波到達時間を判断する手法を2つ説明する。図8は、正極出力信号から負極出力信号を差し引いた差分波形の一例である。図9は、(a)正極出力信号及び(b)負極出力信号の微分波形の一例である。
第1に、正極出力信号から負極出力信号を差し引いた差分波形の変曲点から反射波到達時間を求める手法である。図8において、正極29に近い太陽電池モジュールが故障した場合(3枚目及び6枚目が故障した場合)、差分波形は主に電圧が正の領域に現れている。一方、負極30に近い太陽電池モジュール5が故障した場合(9枚目が故障した場合)、差分波形は主に電圧が負の領域に現れている。いずれの場合も、差分波形の立ち上がりにおける変曲点から正極反射波到達時間を読み取り、差分波形の立ち下がりにおける変曲点から負極反射波到達時間を読み取る。
第2に、出力信号の微分波形の極大値から反射波到達時間を求める手法である。出力信号波形の変曲点は、図9(a)及び(b)に示した微分波形の極大値として現れており、それらの極大値から正極反射波到達時間及び負極反射波到達時間を読み取る。波形からは変曲点よりも極大となる点の方が読み取りやすいため、差分波形を用いるよりも微分波形を用いる方が反射波到達時間の特定に正確を期すことができる。
続いて、表1及び表2を参照して、太陽電池モジュールの枚数(12枚)及び図9の出力信号波形の微分波形から求めた反射波到達時間(表1の第1計測値)を基に、シンプルな方式で述べた数式(本願請求項の式(2)に対応)により故障箇所を推定した結果(表2の第1推定故障位置)について説明する。
表1(第1計測値)にあるように、図9の出力信号波形の微分波形から反射波到達時間が算出された。表2(第1推定故障)に示すように、推定故障位置を示す値として、期待値に対して±5%以内の値が得られた。太陽電池ストリングにおいて、何枚目の太陽電池モジュールが故障しているかを診断する上で十分な精度といえる。
ここで、故障診断対象の太陽電池ストリング3の真ん中付近が故障している場合、図7に例示した出力信号の波形は、正極出力信号も負極出力信号も似たものとなる。そのため、太陽電池ストリングが正常である場合との区別が困難と考えられる。
そこで、図10並びに表1及び表2を参照して、減衰器モデル83を接続させた故障診断について説明する。図10は、減衰器モデル83を接続した場合の太陽電池ストリングモデル57の(a)正極出力信号及び(b)負極出力信号の一例を示す図である。
図10において、故障箇所のない太陽電池ストリング3からの出力信号は、減衰器モデル83によって信号が減衰されたために反射波が無いことを反映し、立ち上がりが見られない。一方、3枚目、6枚目、9枚目が故障した太陽電池ストリング3からの出力波形は、図7同様に立ち上がりが見られる。
このように、反射がない場合の出力信号波形は、反射がある場合の出力信号波形と明確に区別して判定することが可能である。したがって、減衰器モデル83を接続させることで、太陽電池ストリング3に故障箇所がない場合と真ん中付近が故障している場合とを明確に診断することが可能である(図4の第2判定ステップS1−13及び図5の判定ステップS2−4参照)。また、表1(第2計測値)及び表2(第2推定故障位置)に示すように、減衰器モデル83を接続した場合のシミュレーションからも、期待値に対して±5%以内の値が得られている。
以上のように、故障診断対象の太陽電池ストリング3を診断する上で、故障箇所のないな太陽電池ストリングを必要とせず、故障箇所を十分な精度で特定することが可能である。
続いて、本願発明に係る故障診断システムについて説明する。図11は、本願発明の実施例に係る故障診断システム127(本願請求項の「故障診断システム」の一例)である。以下では、主に故障診断システム27と異なる点について説明する。
故障診断システム127は、信号発生装置123(本願請求項の「信号発生装置」の一例)と、波形観測装置125(本願請求項の「波形観測装置」の一例)と、診断装置128(本願請求項の「診断装置」の一例)と、切替部131(本願請求項の「切替部」の一例)と、切替制御部132(本願請求項の「切替制御部」の一例)とを備える。信号発生装置123は、診断対象の太陽電池ストリング3に対して入力信号を生成して印加する。波形観測装置25は、入力信号を太陽電池モジュール105に対して印加したときに太陽電池105から反射される出力信号を観測する。診断装置128は、波形観測装置125が観測した出力信号から太陽電池モジュール105の故障箇所を推定して診断する。切替部131は、信号発生装置123と太陽電池モジュール105の端子である正極129又は負極130との接続を切り替える。また、切替部131は、波形観測装置125と正極129又は負極130との接続も切り替える。正極129及び負極130は、それぞれケーブル107又はケーブル107を介して切替部131と接続される。切替制御部132は、切替部131の接続動作を制御する。
切替部131は、減衰器133(本願請求項の「減衰器」の一例)を有する。減衰器133は、信号発生装置123及び波形観測装置125が接続された正極129又は負極130のいずれか一方の極とは反対側の極に接続可能である。減衰器133と太陽電池モジュール105との接続も、切替制御部132が切替部131を制御して切り替えさせる。信号発生装置123及び波形観測装置125が接続された極とは反対側の極は、減衰器133が接続されるか、又は、減衰器133が接続されずに開放端とされる。
診断装置128は、記憶部135(本願請求項の「記憶手段」の一例)と、反射波評価部137(本願請求項の「反射波評価手段」の一例)と、演算部139(本願請求項の「演算手段」の一例)とを備える。記憶部135は、太陽電池モジュール105の正極129から負極130までの距離である伝送距離を記憶する。反射波評価部137は、波形観測装置125により観測された正極出力信号及び負極出力信号を評価する。また、反射波評価部137は、正極反射波到達時間及び負極反射波到達時間をそれぞれ決定して、記憶部135に記憶させる。演算部139は、正極129又は負極130から故障箇所までの距離を演算して推定する。このとき、伝送距離の情報に加え、正極反射波到達時間及び負極反射波到達時間に基づいて演算が行われる。
故障診断システム127は、故障診断システム27の構成に加えて、接地された金属板141(本願請求項の「導電体」の一例)と、金属板141及び/又は太陽電池モジュール105の位置を制御する配置部143(本願請求項の「配置手段」の一例)とをさらに備える。ここで、金属板141は、少なくとも太陽電池モジュール105内の太陽電池セル106が配置されている面積よりも大きい面積を有する一定の厚みのものを用いる。このとき、金属板141は、金属原子(本願請求項の「導電物質」の一例)が周期的に配置されたものでもあり、導電物質が太陽電池セル106と同一の並進対称性を有して配置されたものでもある。
故障診断システム127は、少なくとも1つの太陽電池モジュール105(本願請求項の「太陽電池モジュール」の一例)の故障診断を行う。太陽電池モジュール105は、直列に接続された複数の太陽電池セル106(本願請求項の「太陽電池セル」の一例)を有する。太陽電池モジュール105は、外縁に金属製のフレームを有する。そのため、複数の太陽電池セル106には、不均一な静電容量が発生している。すなわち、フレームに近い太陽電池モジュール105の周辺領域に位置する太陽電池セルには、大きな静電容量が発生し、フレームから遠い中央領域に位置する太陽電池セルには、相対的に小さな静電容量が発生している。
故障診断システム127が備える信号発生装置123は、配置部143が金属板141を太陽電池セル106に対して平行となるように太陽電池モジュール105に近接させた状態で、信号を発生させて太陽電池モジュール105に印加する。すなわち、故障診断システム127は、太陽電池モジュール105及び太陽電池モジュール105とは別体である金属板141との組合せを被診断体(本願請求項の「被診断体」の一例)として故障診断を行う。金属板141が個々の太陽電池セル106との静電容量Cを一様に生じさせるため、式(3)における静電容量Cが増大し、信号が伝搬するのに要する時間tが増大する。すなわち、信号の伝搬速度を制御して低速化させることが可能となる。これにより、高速なパルス発生/波形観測装置でなくとも分解能の高い故障診断が可能となる。
なお、このように金属板141が配置された場合、配置部143は、太陽電池セル106の受光面を当該受光面に対して垂直方向に平行移動させた仮想空間である複数のセル空間(本願請求項の「セル空間」の一例)内に、同一物質を同一の距離で同一の面積で近接させている。したがって、複数の太陽電池セルのそれぞれに同一の静電容量を発生させる導電物質が含まれるように、金属板141を太陽電池モジュール105に近接させている。
さらに、金属板141が太陽電池モジュール105に近接される結果、太陽電池モジュール105全体に発生する静電容量を一様に増大させることが可能となる。すると、太陽電池モジュール105の金属製フレームと個々の太陽電池セル106とが形成する静電容量の影響は、相対的に小さくなる。結果として、太陽電池モジュール内に発生する静電容量Cの均一化を図ることが可能となる。これにより、信号伝搬速度の均一化を図ることが可能となる。なお、均一化の指標の一例として、例えば各太陽電池セル106ごとに発生した静電容量の標準偏差によって判断してもよい。
続いて、故障診断システム127を用いた実験結果を示す。図12は、図11に示した太陽電池モジュール105の一例を示す模式図である。図12(a)は、直列に接続された太陽電池セルの接続順序を示す図である。図12(b)は、故障箇所として想定した箇所を示す図である。本実験では、太陽電池モジュール105として、セル数36枚(9枚/列×4列)、サブストリング2のものを用いた。
図12(a)に示す太陽電池モジュール105は、36枚の太陽電池セル106(1≦n≦36)を有する。太陽電池セル106は、106から10636まで順に直列に接続されている。また、太陽電池セル106は、図11に示す正極129に接続され、太陽電池セル10636は、負極130に接続されている。
ここで、図12(b)に示すように、太陽電池モジュール105に対して5種類の故障箇所を想定して実験を行った。すなわち、太陽電池モジュール105の角に近い位置での故障として、(1)18枚目と19枚目の間、及び、(2)36枚目と負極130の間での半田はがれ(断線)を想定した。また、太陽電池モジュール105のフレームの一辺の中央に近い位置での故障として、(3)27枚目と28枚目の間での半田はがれ(断線)を想定した。また、太陽電池モジュール105の中央領域付近での故障として、(4)2枚目と3枚目の間での半田はがれ(断線)を想定した。さらに、(5)正極129の切断を想定した。以上のそれぞれの故障に対して、金属板141を用いない場合と用いた場合とで、故障診断システムが故障箇所を適切に診断できるか否かについて検証した。なお、図12(b)に故障(1)〜(4)に対応する故障箇所を示す。
実験結果をまとめたものを表3に示す。
表3に示すように、金属板を用いた場合の方が、信号の伝搬速度が遅くなっている。具体的には、1セルあたりの信号伝搬時間は、金属板なしの場合には1.11〜1.87[ns]であったのに対し、金属板ありの場合には7.12〜8.51[ns]と4倍以上であった。式(3)によれば、金属板を近接させたことにより、太陽電池セルとの間の静電容量が16倍以上となったことが分かる。その結果、故障診断の分解能が向上し、金属板を用いた場合の方が、実際の故障箇所である「期待位置」に近い「推定位置」を算出できている。例えば、右上(36枚目)の故障に対して、金属板なしだと27.9枚目の故障を推定したのに対し、金属板ありの場合、34.38枚目の故障を推定した。その他の故障についても、金属板なしの場合には±9枚程度もの故障推定位置の誤差があるのに対して、金属板ありの場合には±2枚未満の誤差にとどまった。
なお、実施の形態(実施例1、実施例2及び実施例3)における故障診断において、太陽電池ストリング3の正極29及び負極30のそれぞれに対して、信号発生装置23を1つずつ備える構成としてもよい。同様に、正極29及び負極30のそれぞれに対して、波形観測装置25を1つずつ備える構成としてもよい。
また、いずれの極から印加した信号に由来する出力信号であるかを明確にするために、例えば一方の極への入力信号と異なる波形の入力信号を反対側の極に印加するとしてもよい。具体的には、一方の極には立ち上がりの入力信号を印加し、反対側の極には立ち下がりの入力信号を印加するとしてもよい。
さらに、導電体は、太陽電池モジュールの各太陽電池セルとの間に均一な静電容量を発生させるものであれば、金属板でなくともよい。ここで、1対の太陽電池セルとセル空間内の厚み一定の導電体が形成する静電容量Cは、C=Q/V=εS/dで表される。ただし、Qは導電体に蓄積された電荷[C]、Vは導電体と太陽電池セル間の電圧[V]、εは導電体と太陽電池セル間の物質の誘電率、Sは導電体又は太陽電池セルの面積、dは導電体と太陽電池セル間距離を表す。例えば、導電体の材料は鉄やアルミニウムのような導電性のよいものが考えられるが、これらに限定されない。金属以外の導電性材料からなる導電体であってもよい。
さらに、導電体は、太陽電池セルに対する静電容量を均一に発生させるものであれば、板状でない導電物質の塊であってもよい。例えば、金属製の机を金属板の代わりに用いて、太陽電池モジュールの太陽電池セルを有する面を金属製の机と対向させた状態で信号発生装置が信号を印加してもよい。このような場合、配置部は、導電体ではなく太陽電池モジュールの方の位置を制御することにより、導電体と太陽電池モジュールとを近づけてもよい。さらには、導電体は、連続した板状のものでなくともよく、例えば網状のものであってもよい。あるいは、複数の太陽電池モジュールを収納可能な棚の形状のものであってもよい。
さらに、導電体は、太陽電池セルに発生する静電容量を結果的に均一化するものであればよい。例えば、金属フレームから遠いために小さな静電容量が発生している太陽電池セルに対して集中的に導電体を近接させることにより、太陽電池モジュール全体の静電容量の不均一さを減少させるものであってもよい。
さらに、太陽電池モジュールの可搬型の故障診断システムを設計することを想定して、導電体は、信号発生装置及び/又は波形観測装置と一体であってもよい。この場合、導電体を膜状のものとすれば、丸められるので運搬が容易となる。
さらに、配置部が導電体と太陽電池モジュールとを近づける方向は問わない。両者を太陽電池モジュールの受光面に対して垂直な方向から近づけてもよいし、平行に近づけてもよいし、その他の方向から近づけてもよい。
さらに、太陽電池モジュールは、外縁にのみ金属を有するものに限られない。例えば、太陽電池モジュールの中央等の外縁以外の部分に金属製フレームを有するものであってもよい。また、太陽電池モジュールの端子箱が金属製のものであってもよい。あるいは、これらのフレームや端子箱が金属製でなくともよい。
さらに、導電体の接地については、配置部、信号発生装置又は波形観測装置が行ってもよいし、その他の手段により行われてもよい。
さらに、故障診断システム27及び127を組み合わせて、出荷前の製造ラインの一工程として太陽電池ストリングの故障診断について用いてもよい。すなわち、始めに、故障診断システム27を用いて太陽電池ストリングについて故障診断を行い、故障の有無の検査と故障がある場合には何枚目のパネルが故障しているかを診断する。続いて、故障と診断された太陽電池モジュールについて、故障診断システム127を用いて故障箇所を特定することとしてもよい。この場合、導電体の制御を最小限にとどめることが可能となる。このため、故障診断システム27又は127は、故障診断対象の太陽電池ストリングから詳細な故障診断対象となる太陽電池モジュールを特定して故障診断システム127に診断させるためのシステム切替装置をさらに備えてもよい。
105 太陽電池モジュール、106 太陽電池セル、123 信号発生装置、125 波形観測装置、127 故障診断システム、128 診断装置、131 切替部、132 切替制御部、133 減衰器、135 記憶部、137 反射波評価部、139 演算部、141 金属板、143 配置部

Claims (9)

  1. 太陽電池モジュールの故障箇所を推定して診断する故障診断システムにおける故障診断方法であって、
    前記故障診断システムは、
    前記太陽電池モジュールの正極に接続されて負極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である正極入力信号及び前記負極に接続されて前記正極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である負極入力信号を発生させて印加することが可能な信号発生装置と、
    前記正極入力信号に対する反射波であって前記正極から出力される出力信号である正極出力信号及び前記負極入力信号に対する反射波であって前記負極から出力される出力信号である負極出力信号を観測することが可能な波形観測装置と、
    前記波形観測装置により観測された前記正極出力信号及び前記負極出力信号により前記故障箇所を推定する診断装置と、
    前記太陽電池モジュールとの間で静電容量を発生させる導電体と、
    前記導電体及び/又は前記太陽電池モジュールの位置を制御する配置手段とを備え、
    前記配置手段が、前記導電体及び/又は前記太陽電池モジュールの位置を制御する制御ステップと、
    前記信号発生装置が、前記太陽電池モジュールに対して前記正極入力信号を発生させて印加し、前記波形観測装置が前記正極出力信号を観測し、かつ、前記信号発生装置が、前記太陽電池モジュールに対して前記負極入力信号を発生させて印加し、前記波形観測装置が前記負極出力信号を観測する観測ステップと、
    前記診断装置が有する演算手段が、前記正極出力信号及び前記負極出力信号により前記故障箇所を推定する推定ステップを含む故障診断方法。
  2. 前記制御ステップにおいて、前記配置手段は、前記導電体と前記太陽電池モジュールとを近づけて、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の静電容量を増大させる、請求項1記載の故障診断方法。
  3. 前記制御ステップにおいて、前記導電体は、接地されたものである、請求項1又は2記載の故障診断方法。
  4. 前記太陽電池モジュールは、静電容量が不均一に発生している複数の太陽電池セルを備え、
    前記制御ステップにおいて、前記配置手段は、前記複数の太陽電池セルのそれぞれと前記導電体とを一様に近づけて、前記複数の太陽電池セルにおいて生じる静電容量を一様に増大させることにより、前記複数の太陽電池セルにおける静電容量の不均一さを減少させる、請求項2又は3記載の故障診断方法。
  5. 前記太陽電池モジュールは、静電容量の分布が不均一であり、
    前記変更ステップにおいて、前記配置手段は、前記太陽電池モジュールにおいて生じる静電容量が小さい箇所と前記導電体とを近づけて、当該箇所の静電容量を増大させる、請求項2又は3記載の故障診断方法。
  6. 前記導電体は、導電物質が周期的に配置され、又は、導電物質が前記複数の太陽電池セルの配置の並進対称性と同一の並進対称性を有して配置されており、
    前記変更ステップにおいて、前記配置手段は、前記複数の太陽電池セルの受光面を当該受光面に対して垂直方向に平行移動させた仮想空間である複数のセル空間内に前記複数の太陽電池セルのそれぞれに同一の静電容量を発生させる前記導電物質が含まれるように前記導電体と前記太陽電池モジュールとを近づけて、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の静電容量を増大させる、請求項4又は5記載の故障診断方法。
  7. 前記複数の太陽電池セルは、同一平面上に配置されており、
    前記導電体は、金属板であり、
    前記変更ステップにおいて、前記配置手段は、前記金属板と前記複数の太陽電池セルとが平行となるように前記金属板と前記太陽電池モジュールとを近づけて、前記導電体と前記太陽電池モジュールとの間の静電容量を増大させる、請求項6記載の故障診断方法。
  8. 前記故障診断システムは、
    前記太陽電池モジュールに接続可能であり、前記太陽電池モジュール内で伝達された信号を減衰して反射させない減衰器と、
    前記正極又は前記負極と前記信号発生装置又は前記減衰器との接続を切り替える切替部と、
    前記切替部の接続動作を制御する切替制御部とをさらに備え、
    前記切替制御部が、前記切替部に前記正極又は前記負極のいずれか一方の極と前記信号発生装置とを接続させると共に前記減衰器は前記正極にも前記負極にも非接続とする第1切替ステップを前記観測ステップの前に含み、
    前記診断装置が備える反射波評価手段が、前記信号発生装置により印加された入力信号の反射波を評価することにより、及び、前記切替制御部が前記切替部に前記一方の極とは反対側の極と前記信号発生装置とを接続させると共に前記減衰器は前記正極にも前記負極にも非接続とし、前記反射波評価手段が前記信号発生装置により印加された入力信号の反射波を評価することにより、前記正極入力信号の印加から前記正極出力信号の観測までの時間である正極反射波到達時間及び前記負極入力信号の印加から前記負極出力信号の観測までの時間である前記負極反射波到達時間を決定する決定ステップを前記観測ステップと前記推定ステップとの間に含み、
    前記決定ステップにおいて前記正極反射波到達時間と前記負極反射波到達時間が異なると判断された場合に、前記推定ステップにおいて、前記診断装置は、前記正極又は前記負極から前記故障箇所までの距離を、前記正極反射波到達時間及び前記負極反射波到達時間に基づいて推定し、
    前記決定ステップにおいて前記正極反射波到達時間と前記負極反射波到達時間が等しいと判断された場合には、
    前記切替制御部は、前記信号発生装置を接続させた極とは反対側の極と前記減衰器とを接続させる第2切替ステップと、
    前記波形観測装置が前記信号発生装置により印加された入力信号の反射波を観測し、前記反射波評価手段が反射波の有無を判断する判断ステップとを前記決定ステップと前記推定ステップとの間に含み、
    前記判断ステップにおいて反射波があると判断された場合には、前記推定ステップにおいて、前記診断装置は、前記正極又は前記負極から前記故障箇所までの距離を、前記正極反射波到達時間及び前記負極反射波到達時間に基づいて推定し、
    前記判断ステップにおいて反射波がないと判断された場合には、前記推定ステップにおいて、前記診断装置は、前記太陽電池モジュールが正常であると推定して診断する、請求項1から7のいずれかに記載の故障診断方法。
  9. 太陽電池モジュールの故障箇所を推定して診断する故障診断装置の診断対象となる被診断体であって、
    前記太陽電池モジュールと、
    前記太陽電池モジュールとは別体であって、前記太陽電池モジュールとの間で静電容量を発生する導電体とを備え、
    前記故障診断装置は、前記導電体により前記静電容量が制御された前記太陽電池モジュールに対して、前記太陽電池モジュールの正極に接続されて負極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である正極入力信号を印加した反射波である正極出力信号、及び、前記太陽電池モジュールの負極に接続されて正極には接続されないときの前記太陽電池モジュールへの入力信号である負極入力信号を印加した反射波である負極出力信号により前記故障箇所を推定する演算手段を備える、被診断体。
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