JP5196371B2 - メタンハイドレート貯留層の浸透率維持方法 - Google Patents

メタンハイドレート貯留層の浸透率維持方法 Download PDF

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Description

本発明は、メタンハイドレートからメタンガスを生産する際の生産性低下を解消する対策技術に関するものである。より詳細には、本発明は、メタンハイドレート貯留層の浸透率を維持する方法に関し、メタンガスの生産に伴う当該貯留層の浸透率の低下を未然に防止する方法又は低下した浸透率を回復する方法に関する。
メタンハイドレートは、メタン分子とこれを取り囲む複数の水分子とからなる物質であり、海底面下や永久凍土層に存在することが確認されている。低温且つ高圧の条件下にて安定なメタンハイドレートは、加熱又は減圧によってメタンガスと水とに分解する。地下でメタンハイドレートを分解し、生じたメタンガスを商業的に生産する技術についてこれまでにも種々検討がなされている。
例えば、特許文献1には、メタンハイドレートを含有する堆積層に同時に圧入される熱水及び窒素ガスとメタンハイドレートとを接触させることによって、メタンハイドレートを採掘する方法が記載されている。また、特許文献2には、ガスハイドレート層に向けて過熱蒸気を噴出する熱エネルギー発生装置を備えるガス回収システムが記載されている。
特開2007−120257号公報 特開2007−51508号公報
ところで、メタンハイドレートが貯留層内で分解して生じたメタンガスを、坑井を通じて安定的に生産するには、当該貯留層の浸透率を十分に維持することが必要である。メタンガスや水を含む流体を坑井に流入させると、この流体とともに粘土やシルトなどの細粒分も坑井に向けて移動して坑井近傍に集積する。すると、細粒分によって坑井近傍の貯留層の孔隙が塞がれ、貯留層の浸透率が徐々に低下する。また、坑井の周囲に細粒分が付着して低浸透率の層(いわゆるスキン層)が形成されると、メタンガスの生産性が低下する。
細粒分の集積による貯留層の浸透率の低下が頻繁に生じるようであれば、これを解消するための作業を実施する必要があり、その都度、ガスの生産を中断せざるを得ない。その結果、メタンハイドレートの貯留層からメタンガスを安定的に生産することが困難となる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、メタンハイドレート貯留層からメタンガスを十分安定的に回収するのに有用なメタンハイドレート貯留層の浸透率維持方法を提供することを目的とする。
本発明に係る浸透率維持方法は、メタンガスの生産が行われているメタンハイドレート貯留層の浸透率を維持するためのものであって、メタンガスを含む流体が流れ込む坑井の仕上げ区間近傍に配置された超音波発振機からメタンハイドレート貯留層に向けて超音波を照射し、当該仕上げ区間近傍のメタンハイドレート貯留層の孔隙内にある粘土及び/又はシルトからなる細粒分を強制移動させて上記流体とともに坑井内に取り込むことにより、孔隙の閉塞を防止することを特徴とする。
本発明においては、仕上げ区間近傍のメタンハイドレート貯留層(以下、場合により単に「貯留層」という。)に向けて超音波を照射することにより、貯留層の孔隙内の粘土やシルトといった細粒分を強制移動させる。メタンガスを含む流体とともに細粒分を坑井内に取り込むことで、貯留層の孔隙の閉塞を未然に防止でき、浸透率の低下を十分に防止できる。また、超音波の照射は、必ずしも連続的に行う必要はなく、断続的に行ってもよい。この場合、超音波の照射を再開することにより、超音波を照射しない間に低下した浸透率を十分に回復させることができる。このように、本発明によれば、メタンハイドレート貯留層の浸透率を十分に維持することが可能となり、メタンガスの安定的な生産が可能となる。
本発明でいう「粘土」とは、粒径が5μm以下の土質粒子を意味し、「シルト」とは、粒径が5〜75μm程度の土質粒子を意味する。また、本発明でいう「坑井の仕上げ区間」とは、坑井に挿入される管状部材(ケーシング)の所定の区間であって、貯留層の流体が坑井内へと流れ込むように、管状部材の内側から外側にかけて貫通する穿孔(パーフォレーション)などが設けられた区間を意味する。
なお、天然ガスや石油を生産する坑井においては、坑井近傍の圧力を急激に変動させるなどして細粒分による閉塞を解消する作業が行われる場合がある。ただし、天然ガスなどの貯留層は、通常、高い圧力を有しているため、その圧力を利用して上記作業を実施できるが、メタンハイドレートの貯留層は人為的な減圧や加熱によってメタンガスが生じるものであるため、圧力を急激に変動させる手法をそのまま適用することが困難であるという事情がある。
本発明に係る浸透率維持方法は、未固結の砂泥互層又は砂層からなるメタンハイドレート貯留層からメタンガスを生産する場合に適用するのが特に好適である。未固結の砂泥互層等からなる貯留層は、固結した砂岩などからなる貯留層と比較し、細粒分による閉塞がより一層顕著である。本発明によれば、未固結の砂泥互層等からなる貯留層であっても、メタンガスを含む流体とともに細粒分を坑井内に取り込むことで、当該貯留層からメタンガスを安定的に生産することが可能である。なお、シルトよりも粒径が大きい砂や礫が坑井内に流入するのを防止し、細粒分を選択的に坑井内に取り込むには、仕上げ区間に出砂防止用のフィルタなどを配置すればよい。
本発明によれば、坑井近傍のメタンハイドレート貯留層の浸透率を十分に維持することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、図1〜3を参照しながら、海底下のメタンハイドレート貯留層からメタンガスを生産するための設備について説明する。図1は、メタンハイドレート貯留層からメタンガスを生産するための海上プラットフォーム及び海底下の地下構造を示す模式図である。同図に示す海上プラットフォーム1は、坑井3を通じて回収される流体を処理してメタンガスを得る生産施設等を備える。更に、海上プラットフォーム1は、坑井3のメンテナンスを行うためのやぐら1aを備え、坑井3の底部に堆積した細粒分や異物を適宜回収できるようになっている。
坑井3は、海底下の砂泥互層に存在するメタンハイドレートからメタンガスを生産するためのものである。この坑井3は、メタンハイドレート貯留層5を貫通するように掘削されており、その下の帯水層6にまで到達している。なお、坑井3は、掘削作業によって形成された掘削孔にケーシング3aを挿入して構築される(図2参照)。通常、ケーシング3aの固定及びメタンガスの漏洩防止などの点から、掘削孔の内面とケーシング3aの外面との間にはセメント材料(図示せず)などが充填される。
メタンハイドレート貯留層5は、粒径100〜200μm程度の骨格粒子と、粘土やシルトなどの細粒分と、これらの粒子の孔隙に存在するメタンハイドレートとからなる未固結の層である。メタンガスを含有する流体が未固結のメタンハイドレート貯留層5内を坑井3に向けて流れると、粘土やシルトなどの細粒分が当該流体とともに坑井3に向けて移動する。これにより、坑井3近傍のメタンハイドレート貯留層5の孔隙が細粒分で閉塞し、浸透率が低下する。
図2は坑井3の仕上げ区間Z近傍を示す模式断面図であり、図3は図2に示した坑井3のIII−III線断面図である。これらの図は、超音波発振機10からメタンハイドレート貯留層5に向けて超音波Wが照射されている状態を示したものである。図2に示す仕上げ区間Zは、メタンハイドレートの存在が確認された深度に設けられるケーシング3aの一部分であり、ケーシング3aの内面から外面にかけて貫通する複数のパーフォレーション3bが設けられた区間である。パーフォレーション3bは、仕上げ区間Zの上方から下方にわたり、ケーシング3aの周方向に沿って略等間隔となるように複数設けられている。
なお、骨格粒子(粒径100〜200μm程度)やこれよりもサイズの大きい砂や礫が坑井3内に多量に流入する場合には、出砂防止用のフィルタ(図示せず)を仕上げ区間Zの外周又は内周に配置するなどの対策を講じることが好ましい。出砂防止用のフィルタとしては、細粒分は通すが骨格粒子は通さないろ過精度を有するものを採用することが好ましい。
メタンハイドレート貯留層5に向けて超音波Wを照射する機構は、図2,3に示すように、坑井3内に配置された複数の超音波発振機10と、これらの超音波発振機10を支持するリング状の支持部材12と、この支持部材12を所望の深度に配置するための支柱15とによって構成される。支持部材12を配置する深度は、超音波Wが効率的にメタンハイドレート貯留層5へ到達するように、仕上げ区間Zの略中間位置に相当する深度であることが好ましい。また、支持部材12を上下方向に移動可能な構成とすることによって、仕上げ区間Z近傍のメタンハイドレート貯留層5に向けて超音波Wをまんべんなく照射できるようにしてもよい。
メタンハイドレート貯留層5に向けて照射する超音波Wの周波数は、細粒分を強制的に移動させることが可能な範囲であれば特に限定されない。超音波は指向性が高いという特長を有しているため、所望の領域に向けて照射し、当該領域を閉塞する細粒分を選択的に取り除くなどの作業を行うこともできる。
図3に示すように、8個の超音波発振機10は、それぞれの超音波発射面10aがケーシング3aの内面と対向するように坑井3内に配置される。また、超音波発振機10は、超音波発射面10aがパーフォレーション3bと対向するように配置することが好ましい。このような向きに超音波発振機10を配置することで、パーフォレーション3bの目詰まりを十分に解消できる。これに加え、パーフォレーション3bに出砂防止用のフィルタが配置されている場合にあっては、フィルタの目詰まりも十分に解消できる。なお、超音波発振機10の個数は8個に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、超音波発振機10によれば、離れた位置から細粒分に振動を与えることができるため、メタンハイドレート貯留層5に直接振動を加える他の装置と比較し、設置位置の自由度が高いという利点がある。また、高出力の小型超音波発振機を採用すれば、限られたスペースであっても仕上げ区間Z近傍に当該超音波発振機を配置することができる。
特に図示しないが、坑井3内には超音波Wを照射する機構の他に、メタンガスを生産するための種々の装置が設置される。例えば、メタンガスを含有する流体を海上プラットフォーム1まで移送するためのチュービングが坑井3内に設けられる場合もある。また、メタンハイドレートを分解する方法に応じて各種装置が坑井3内に配置される。例えば、減圧法によってメタンガスを生産する場合には、坑井3内に流入した水を帯水層6に圧入したり、海上プラットフォーム1に移送するなどしてメタンハイドレート貯留層5を減圧するポンプが坑井3内に配置される。一方、加熱法によってメタンガスを生産する場合には、メタンハイドレート貯留層5に高温流体(蒸気や加熱気体など)を供給するための高温流体供給用の配管が坑井3内に設けられる。
次に、超音波の照射によってメタンハイドレート貯留層5の浸透率を維持しながら、メタンガスを生産する方法について説明する。上述の通り、メタンハイドレート貯留層5からメタンガスを生産する方法として、減圧法、加熱法などが挙げられるが、ここでは減圧法によって生産する場合について説明する。
減圧法によってメタンハイドレート貯留層5からメタンガスを生産するには、メタンハイドレート貯留層5の圧力をメタンハイドレートの分解反応が生じる圧力よりも低くすればよい。より具体的には、坑井3内の流体をポンプで排出して圧力水頭を低減させ、坑井3近傍のメタンハイドレート貯留層5の圧力を下げればよい。これによってメタンハイドレートはメタンガスと水とに分解し、メタンガスと水の混相流体がパーフォレーション3bを通じて坑井3内に流入する。海底下から生産された流体に対し、海上プラットフォーム1又は坑井3内において気液分離などの処理を施した後、海底パイプラインなどを通じてメタンガスを消費地等に移送する。
減圧法でメタンガスを安定的に生産するには、メタンハイドレート貯留層5の浸透率を十分に維持することが重要と考えられる。すなわち、坑井3内の圧力を減じる操作を行うことによって、なるべく広範囲にわたってメタンハイドレート貯留層5の圧力も低下させ、メタンハイドレートの分解反応を効率的且つ安定的に生じさせることが重要と考えられる。本実施形態においては、メタンハイドレート貯留層5に向けて超音波Wを照射することによって、孔隙やフィルタの目詰まりの原因となる細粒分を強制移動させて坑井3内に取り込み、流体がメタンハイドレート貯留層5の孔隙やフィルタを通過しやすい状態を維持する。また、生産性低下の原因となるスキン層を超音波のエネルギーで分解し、生じた細粒分を坑井3内に取り込むことでスキン層の形成による生産障害も解消できる。
超音波Wの照射は、必ずしも連続的に行う必要はなく、断続的に行ってもよい。この場合、超音波の照射を適宜再開することにより、超音波Wを照射しない間に細粒分の蓄積によって低下した浸透率を十分に回復させることができる。また、その期間に形成されたスキン層を細粒分に分解し、生じた細粒分をパーフォレーション3bを通じて坑井3内に取り込むこともできる。このように、本実施形態によれば、メタンハイドレート貯留層5の浸透率を十分に維持することが可能となり、メタンガスの安定的な生産が可能となる。
なお、坑井3内に取り込まれた細粒分は、坑井3の底部に堆積する。細粒分を収容するスペースを十分に確保する観点から、坑井3は予め深く掘削しておくことが好ましい。これにより、坑井3内に堆積した細粒分を取り除く作業の頻度を十分に低くできる。あるいは、細粒分が坑井3内に堆積しないように、ポンプによって水とともに細粒分を海上プラットフォーム1に随時移送してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、複数の超音波発振機10を坑井3内に配置する場合を例示したが、図4に示すように、坑井3内に配置する超音波発振機10は1つであってもよい。例えば、図4に示す矢印Aの方向に支持部材12を回転させるとともに、上下方向に移動させることにより、1つの超音波発振機10でパーフォレーション3b及び近傍のメタンハイドレート貯留層5に向けて超音波をまんべんなく照射してもよい。
また、超音波発振機10を配置する位置は、超音波Wによって坑井3近傍の細粒分を振動させることが可能な範囲であれば、特に限定されるものではなく、坑井3の内側であっても外側であってもよい。図5は、坑井3の仕上げ区間Zの近傍であって、坑井3の外側に配置された複数の超音波発振機11a,11bからメタンハイドレート貯留層5に向けて超音波Wを照射している状態を示す図である。同図に示す通り、仕上げ区間Zの上側に位置する超音波発振機11aは、下方に向けて超音波Wを照射できるように配置され、仕上げ区間Zの下側に位置する超音波発振機11bは、上方に向けて超音波Wを照射できるように配置されている。このように配置された超音波発振機11a,11bからメタンハイドレート貯留層5に向けて超音波Wをそれぞれ照射することで、メタンハイドレート貯留層5の孔隙やフィルタなどの目詰まりが解消され、浸透率維持効果が得られる。超音波発振機11a,11bの個数は、特に限定されず適宜設定すればよい。また、仕上げ区間Zの上側に位置する超音波発振機11aのみであってもよく、あるいは、仕上げ区間Zの下側に位置する超音波発振機11bのみであってもよい。
更に、超音波発振機10の超音波発射面10aをケーシング3aの内面と当接させ、ケーシング3aを直接振動させるとともに、ケーシング3aの外側のメタンハイドレート貯留層5に向けて超音波Wを照射するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、メタンハイドレート貯留層5から減圧法によってメタンガスを生産する方法を例示したが、加熱法、あるいは、減圧法と加熱法とを併用した方法によってメタンガスを生産する場合に本発明に係る浸透率維持方法を実施してもよい。また、本発明に係る浸透率維持方法を適用するのに特に好ましいとして、メタンハイドレート貯留層5が砂泥互層からなる場合を例示したが、当該貯留層が未固結の砂層や固結した砂岩等の場合であってもよい。更に、本発明に係る浸透率維持方法は、メタンハイドレート貯留層5を貫通しないように設けられた坑井において実施することができ、また、略鉛直方向に掘削された坑井に限らず、鉛直方向に対して斜め方向に掘削された傾斜坑井や略水平方向に掘削された水平坑井において実施することもできる。
〔通水実験〕
超音波の照射が貯留層の浸透率に与える影響を確認するため、図6に示す装置を用いて通水実験を行った。同図に示す装置は、ゴムスリーブ内に貯留層を模擬した試料の層を収容できるようになっている。周圧・軸圧用ポンプは、模擬試料の層に対して周囲から均一に圧力(拘束圧:2.0MPa)を付与するために使用した。水注入用ポンプは、多孔質体を通じて模擬試料の層の上方から水を供給するために使用した。模擬試料の層及びその出口側に配置したフィルタを通過した水を採取ビンに採取し、この水に細粒分が含まれるか否かを確認した。なお、模擬試料の層の出口側に配置した上記フィルタは、細粒分は通るが骨格粒子は通らない開口を有するものを採用した。
模擬試料は、加振台を使用して以下の骨格粒子と細粒分とを水中沈降法によって混合して作製した。使用した粒子及び混合比率は以下の通りである。
骨格粒子:東北珪砂7号、
細粒分:HAカオリンクレー、
模擬試料の細粒分含有量:5質量%(骨格粒子:95質量%、細粒分:5質量%)、
模擬試料の孔隙率:40体積%
上記模擬試料をゴムスリーブ内に充填し、当該模擬試料からなる層の上方から流量1mL/分で水を供給した。水の供給を開始してから約1時間後に模擬試料の層の下方に設置した超音波振動子から模擬試料の層に向けて超音波の照射(出力約15W、周波数約26.9kHz)を開始した。通水実験を行っている間、上流側と下流側との差圧を連続的に測定し、この測定値に基づき、浸透率を算出した。表1及び図7に通水試験の結果を示す。
Figure 0005196371

図7は、差圧及び浸透率の変化の様子を示すグラフであり、超音波開始前の差圧の値及び浸透率の平均値をそれぞれ1として、差圧及び浸透率の相対値をそれぞれプロットしたものである。図7に示したグラフから明らかなように、超音波照射を照射することにより、差圧が急激に小さくなり、浸透率の値が2倍以上改善されることが示された。また、超音波の照射を開始する前は採取ビンに流入する細粒分は認められなかったが、超音波の照射を開始した後は、水とともに細粒分が採取ビンに流入するのが確認された。
メタンハイドレート貯留層からメタンガスを生産するための海上プラットフォーム及び海底下の地下構造を示す模式図である。 メタンハイドレート貯留層に向けて掘削された坑井の仕上げ区間近傍を示す模式断面図である。 図2に図示された坑井のIII−III線断面図であり、複数の超音波発振機を内側に備える坑井の仕上げ区間近傍を示す模式断面図である。 1つの超音波発振機を内側に備える坑井の仕上げ区間近傍を示す模式断面図である。 複数の超音波発振機を外側に備える坑井の仕上げ区間近傍を示す模式断面図である。 通水実験に使用した実験装置を示す断面図である。 通水実験の結果を示すグラフである。
符号の説明
3…坑井、3a…ケーシング、3b…パーフォレーション、5…メタンハイドレート貯留層、10,11a,11b…超音波発振機、W…超音波、Z…仕上げ区間。

Claims (2)

  1. メタンガスの生産が行われているメタンハイドレート貯留層の浸透率を維持する方法であって、
    メタンガスを含む流体が流れ込む坑井の仕上げ区間近傍に配置された超音波発振機から前記貯留層に向けて超音波を照射し、当該仕上げ区間近傍の前記貯留層の孔隙内にある粘土及び/又はシルトからなる細粒分を強制移動させて前記流体とともに前記坑井内に取り込むことにより、前記孔隙の閉塞を防止することを特徴とする方法。
  2. 前記貯留層が未固結の砂泥互層又は砂層であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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