JP5193871B2 - エリトリン ムルング(Erythrine Mulungu)誘導体を含む医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents

エリトリン ムルング(Erythrine Mulungu)誘導体を含む医薬組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コリン作動、セロトニン作動及び/又はGABA作動系に作用する分子に関する。より具体的には、本発明は、抗不安薬の調製に有用なエリトリン副産物に関する。また、前記分子を含む医薬組成物及び前記医薬組成物を調製する方法を提供する。
エリトリン ムルング(Erythrine Mulungu)(マメ科コチョウ亜科(Papilionaceae−Leguminoseae)は、赤い花を付ける高木(高さ10〜14メートル)で、パラナ(Parana)盆地の半落葉広葉樹林、並びに主にサンパウロ州の西部地域及びミナス(Minas)三角地帯の低木地地域に生育する(LORENZI、1992)。この植物の樹皮は、地元住民に精神安定薬及び鎮静薬として使用されている。これは、一般にムルング(mulungu)、サンゴムルング、サンゴ低木(民族名、特に、カパ−ホメン(capa−homem)、スイナ−スイナ(suina−suina)、チリセイロ(tiriceiro)など)として知られている(LORENZI、1992)。E.ムルング(E.mulungu)、E.ヴェルティナ(E.velutina)、E.クリタ−ガリ(E.crita−galli)、E.ポエピギアナ(E.poeppigiana)、E.フスカ(E.fusca)、E.ファルカタ(E.falcata)、E.スペキオサ(E.speciosa)及びE.ヴェルナ(E.verna)のエリトリン(Erythrine)の8つの変種が、ブラジルで発見されている(LORENZI、1992)。
また、鎮痛薬、精神安定薬として、並びに緩下薬、抗炎症薬及び抗利尿薬として民間での使用も知られているエリトリン(Erythrine)属の他の種の植物化学及び薬理学的特性を確認するために多くの研究が行われている(GARIN−AGUILARら、2000)。E.ムルング(E.mulungu)種に関する研究が不足しているにもかかわらず、その抽出物は、ブラジル及び国際的製薬市場で市販されている植物療法製剤の組成の一部である。しかし、製品の質に関していかなる標準化もされておらず、消費者の健康に対してリスクをもたらす恐れがある。
植物化学
エリトリン(Erythrine)種の研究に関する関心は、Dominguez及びAltamiranoが、E.アメリカーナ(E.americana))の種子抽出物の薬理作用がd−ツボクラリン(Chondodendron tomentosumから抽出される物質)の作用と類似していることを発見した1877年に始まった(HARGREAVESら、1974;HIDERら、1986;GARIN−AGUILARら、2000)。その時以来、異なるエリトリン(Erythrine)種の抽出物の植物化学及び薬理学的特性についての調査が実施された。数年後、様々なエリトリン(Erythrine)種の抽出物で示された薬理作用が確認されてから、調査は、この種類の植物のアルカロイドを単離し、同定することへ向けられた(SARRAGIOTOら、1981)。そのような時まで、薬理学的試験が粗抽出物に関して実施された。1937年、Folkers及びMajor(1937)は、E.アメリカーナ ミル(E.americana Mill.)の種子についての化学的調査を実施し、d−ツボクラリンのコリン作動性活性と同等の活性を示した結晶性アルカロイド(エリトロイジン)を単離した。その後の解析(BOEKELHEIDE及びGRUNDON、1953;BOEKELHEIDEら、1953)では、エリトロイジンがα−エリトロイジン及びβ−エリトロイジンと命名された2種の異性体アルカロイドの混合物であり、β−エリトロイジンは、末梢のニコチン受容体に拮抗する能力により、コリン作動性活性の原因であることを示した(HARGREAVESら、1974;HIDERら、1986;GARIN−AGUILARら、2000)。
E.アメリカーナ(E.americana)のα及びβ−エリトロイジンを単離、並びにその薬理学的特性の発見後、他のエリトリン(Erythrine)種の研究についての関心が高まり、その結果、新規なE.骨格アルカロイド(skeleton alkaloid)を得た(FOLKERS及びKONIUSZY、1940;FOLKERSら、1944;BOEKELHEIDE及びGRUNDON、1953;BOEKELHEIDEら、1953;TANDONら、1969;ITOら、1970;BARTONら、1970;GHOSAL、1970;GHOSALら、1971;ITOら、1971;MIANAら、1972;GHOSALら、1972 a、b;BARTONら、1973;ITOら、1973、a、b、c、d;GHOSAL及びSRIVASTAVA、1974;MILLINGTONら、1974;GAMESら、1974;ITOら、1976;BARAKATら、1977;ELOLEMYら、1978;AHMADら、1979;TIWARI及びMASSOD、1979 a、b;SARRAGIOTO、1981)。
エリトリンアルカロイドの基本的構造の解明は、分解及び合成によって達成された(GRUNDON及びBOEKELHEIDE、1953;GRUNDONら、1953;WEINSTOCK及びBOEKELHEIDE、1953;BOEKELHEIDEら、1953)。スピロアミン骨格の存在は、以下に一般式を示す、これらアルカロイドの構造において証明され、後に続く新規な化合物の同定を促進した。
Figure 0005193871
この構造の解明により、新規な化合物のその後の同定を促進した。現在、以下の3種類のエリトリンアルカロイドが知られている。1)ジエノイド(dienoids)は、環A及びBにおいてジエン酸系を呈し;2)アルカロイドは、環Aにおいて二重結合Δ1,6を有し;3)第3群のエリトリンアルカロイドは、エリソジエノン、3−デスメトキシエリトラチジノン、α−エリトロイジン及びβ−エリトロイジンを含む。また、エリトリン骨格を呈していない特定のエリトリン(Erythrine)種のいくつかのアルカロイドが単離されており、これらはオリエンタリン、N−ノオリエンタリン、プロトシノメニン、N−ノルプロトシノメニン、イソボルジン、エリビジン、スコウレリン、コレキシミン、ヒパホリン、コリンを含む。
ドライフラワーから調製されたエタノール抽出物を用いたE.ムルング(E.mulungu)に関する植物化学的研究では、5種のアルカロイド(エリソトリナ、N−エリソトリナ酸化物、エリトラルチン、N−エリトラルチン酸化物及びヒパホリン)及びテルペノイド、フィトールを単離した(SARRAGIOTOら、1981;SARRAGIOTO、1981)。また、最近の植物化学的研究では、エリトリン(Erythrine)種が、フラバノン、イソフラバノン、イソフラボン及びプテロカルパンなどの他のクラスの物質も豊富であることを実証している(DA−CUNHAら、1998;TANAKAら、1996、1997 a、b;1998;2001;OHら、1999;YENESEWら、2000;NKENGFACKら、2001)。
薬理活性
エリトリン(Erythrine)の主要な薬理作用の1つは、d−ツボクラリンの作用と比較されているコリン作動系に対する末梢活性である(HARGREAVESら、1974;HIDERら、1986;GARIN−AGUILARら、2000)。本作用は、E.アメリカーナ(E.americana)(BOEKELHEIDE及びGRUNDON、1953;BOEKELHEIDEら、1953)及びE.トロニアナ(E.tholloniana)(CHAWLAら、1985)から単離したニコチン様アンタゴニスト受容体(HIDERら、1986)であるアルカロイドジヒドロ−β−エリトロイジン(DHBE)に起因した。より最近、インビトロにおいて、DHBEが、セロトニン作動性3アンタゴニスト受容体(5−HT)として特徴付けられた(ELSELEら、1993)。また、セロトニン作動系の活性が別の研究で観察されており(ROGERら、2001)、ここでは5−HT受容体のアンタゴニストの主な活性の1つである血小板セロトニンのカルシウム依存的放出を、E.ヴェスペルティリオ(E.vespertilio)の粗抽出物が阻害することが実証された。しかし、大部分の研究は、依然として、観察された活性において関与する物質の検証なしに、異なるエリトリン(Erythrine)種の粗抽出物を用いて実施されている。中枢神経系に対する活性の例として、抗痙攣、催眠、麻酔、鎮静及び抗不安作用を挙げることができる(GHOSALら、1972;HARGREAVESら、1974;RATNASOORIYA及びDHARMASIRI、1999;ONUSICら、2002、2003)。
E.ヴェルティナ(E.velutina)に関する研究では、水アルコール抽出物による急性処置が、オープンフィールド検査(250及び500mg/kgの用量の経口摂取)で、マウスの活性を減少し、更に中枢神経系に対する抑制作用を示す、ペントバルビタールにより誘導される睡眠期間及びピロカルピン誘導痙攣の開始期間(500及び1,000mg/kgの用量の経口摂取)を増加することを実証した(CABRALら、2000)。別の研究では(GARIN−AGULIARら、2000)、E.アメリカーナ(E.americana)(3mg/kg i.p)のヘキサン画分による急性処置が、ジアゼパムと同様に、オスマウスにおける攻撃行動を減少することを明らかにした。最近、E.ムルング(E.mulungu)の水アルコール抽出物に関する研究(ONUSICら、2002)では、200mg/kg(経口摂取)の用量による急性処置が、高架式T字迷路試験での抑制回避動作中のマウスに対して、ベンゾジアゼピン抗不安薬(BDZ)、ジアゼパムと同等の抗不安作用を示すことが観察された。また、ONUSIC及び共同研究者ら(2002)は、明/暗移行モデルにおいて、同じ用量で、明るい区画での滞在の長さの場合のように、2つのモデル区画の間の移動数でE.ムルング(E.mulungu)の抗不安作用を観察した。別の研究では、E.ムルング(E.mulungu)抽出物による慢性処置の経口摂取(9日)により、50、100及び200mg/kgの用量で、高架式T字迷路のオープンアーム部からの逃避の場合のように、抑制回避動作で抗不安作用を示した(ONUSICら、2003)。また、明/暗移行モデルにおいて、E.ムルング(E.mulungu)抽出物が、50mg/kgの用量で14日間の慢性処置後、抗不安薬作用を示した(ONUSICら、2003)。
これら非常に多くのアプローチにもかかわらず、現在まで、エリトリン(Erythrine)の単離された有効成分の粗抽出物若しくは精製画分の形態のいずれかで知られる標準の調製物から、又はその化学合成から製造された抗不安薬の開発、或いはそのような薬物を調製するための方法に関する公知の報告は存在しない。
本発明の目的は、エリトリン(Erythrine)属の植物から誘導された物質を含む標準化された医薬組成物を提供することである。ある態様では、本発明の医薬組成物は、コリン作動、セロトニン作動及びGABA作動系において、直接的又は間接的に作用する、標準粗抽出物、E.アルカロイドの高純度精製画分(F2)又は単離アルカロイドのエリトラルチン、エリトラビン及び11−ヒドロキシエリトラビン、更にこれらの組合せを含む。
別の態様では、関連の医薬組成物及びこれらを含む医薬組成物を得る方法もこれに相当する。
ある態様では、本発明の粗抽出物、アルカロイドの高純度精製画分(F2)及び分子が、動物モデルで抗不安薬としての活性を示すことが明らかになった。したがって、本発明の目的は、抗不安薬の使用を必要とする不安又は他の臨床症状に関連する障害の治療において、抽出物、画分及び/又は分子を提供することである。
別の態様では、標準粗抽出物の調製、アルカロイドの高純度精製画分(F2)及び分子の単離及び構造的特徴付け、更に本発明の薬理学的活性の評価は、不安障害の治療において用いられる標準化された医薬組成物の開発を可能にする。したがって、本発明の1つの別の目的は、抗不安特性を有する天然製剤及び分子を含む医薬組成物を提供することである。
更に別の態様では、本発明の抽出物の精製、精製画分並びに分子の単離及び/又は合成は、挙げられた天然製剤及び/又は分子を含む医薬組成物の円滑な製造方法を提供する。したがって、本発明の更なる目的は、医薬組成物の製造方法を提供することである。
本発明の目的のために、「医薬組成物」は、ホメオスタシスを維持及び/又は回復させるために作用する、予防的、緩和的及び/又は治療的目的を有する有効成分を含むすべて及びいずれかの組成を意味し、局所的、非経口的、経腸的及び/又はくも膜下腔内に投与することができる。
本発明において言及される医薬組成物は、エリトリン(Erythrine)副産物のクラスに属し、E.ムルング(E.mulungu)の粗抽出物又は精製画分から単離されたエリトラルチン及び/若しくはエリトラビン又は化学合成物を場合によって含む、11−OH−エリトラビン、薬学的に許容されるそのイソセラル(isotheral)、塩、副産物及び/又は溶媒和物を含む。
本発明の化合物の治療適用性を、様々な過程で実行した。実施した実験及びそれぞれの結果は、単に実施例として以下に示したもので、添付の請求項の範囲を逸脱するものではない。
(実施例1)
植物化学
植物収集及び抽出物調製
成木の花を、例えば、アララクアラ(Araraquara)(SP)地域において、冬季に収集した。新鮮な植物材料(6kg)を、エタノール/水(EtOH/HO)(7:3)による浸軟の工程により7日間抽出にかけた。次に、この抽出物をろ過し、回転蒸発器(rota−evaporator)を用いて濃縮し、乾燥水アルコール抽出物292gを得た。
総アルカロイドでのこの標準化を、薬局方の方法に従って、中和の容積測定により実施し、エリトラビンで表したアルカロイドで少なくとも0,1%含むと確認した。
分画及び化学成分の単離の生体モニター
酸塩基抽出を、粗抽出物を精製し、エリトリンアルカロイド濃縮が最適化された画分を生じさせるために実施した。このことを達成するために、乾燥水アルコール抽出物(120g)を酢酸(10%)水溶液に溶解し、クロロホルム(CHCl)による液/液抽出にかけた。
クロロホルム相を、水相から分離し、溶媒を蒸発させ、画分1を得た(7.83g)。次に、水相を、pH9〜10にするために十分な量の水酸化アンモニウム(NHOH)でアルカリ化し、再度CHClによる抽出にかけた。
クロロホルム相を分離し、溶媒を蒸発させ、アルカロイドに富む精製画分(F2)を得た(670mg)。本画分をHPLC法により評価し、少なくとも総アルカロイド20%及びエリトラビン10%を含むとして標準化した。また、F2を、高T迷路(つまり高架式T字迷路)の薬理学的試験において使用した。
(実施例2)
クロマトグラフィー、器具使用及び分光測定
段階的溶媒を、「分析のために」使用した。
シリカの分析的薄層クロマトグラフィー(CCD)のために、溶媒系としてCHCl/メタノール(MeOH)(9:1)を使用した。ドラーゲンドルフ試験(Dragendorf test)は、オープンカラムクロマトグラフィー(CCA)(直径5cm及び高さ15cm)にかけたF2において、アルカロイドに陽性であった。
CCA(0,035〜0,070mm、φ6ηm)に、シリカ固定相として、また移動相としてCHCl/MeOH(10:0〜8:2)を使用した。分離のために、F2の670mgを使用し、約20mlの101の画分を収集した。
CHCl/MeOH(7:1)の移動相における分析的CCDにかけ、ドラーゲンドルフ測定で明らかにした後、101の画分を、画分A(FA−136.2mg)(1〜27)、画分B(FB−93.4mg)(28〜50)、画分C(FC−148.3mg)(51〜69)、画分D(FD−284.5mg)(70〜101)に群化した。
アルカロイドを単離及び精製するために、シリカ固定相(Merck)にフルオレセイン、移動相にトルエン、アセトン、エタノール及びNHOH(45:45:7:3)を用いた分取薄層クロマトグラフィー(CCDP)を使用した。画分Bからエリトラルチンを単離し(48mg)、画分C及びDからエリトラビンを単離し(それぞれ、61及び34,82mg)、画分Dから11−OH−エリトラビナを単離した(36,98mg)。
CCDPにより単離された物質の分光分析のために、核磁気共鳴(NMR)分光計ヴァリアンユニット(Varian Unit)を500MHzの操作で使用した。重水素化クロロホルム(CDCl)を溶媒として使用した。
(実施例3)
薬理学
3.1 動物試験
サンパウロ州立大学(UNESP/アララクアラ)の中央動物研究所(central animal laboratory)由来の体重25〜35gのスイス系マウスを使用した。
動物を、床に木のかんな屑の敷かれたポリプロピレン製ケージ内で、10〜12匹の群で飼育し、床及び水は自由に利用可能にした。動物実験室は22±1℃の常温下で維持し、照明は午前7:00から午後7:00までの12時間周期で管理し、湿度は50〜60%に維持した。
(実施例4)
アルカリ、標準薬物及びビヒクル中の未精製標準抽出物及び高純度精製画分
したがって、F2(3、6、10、17及び30mg/kg)並びにアルカロイドのエリトラルチン、エリトラビン及び11−OH−エリトラビン(3及び10mg/kg)に加えて、凍結乾燥された水アルコール抽出物(50、100、200及び400mg/kg)を、強制飼養により経口摂取を通して投与した。使用した標準薬物は、2mg/kg(腹腔内(i.p)経由)の用量のジアゼパム(DZP)であった。
すべての溶液を、塩素酸ナトリウム0.9%(0.9%NaCl)により実験当日に調製し、15分間超音波処理した。ジアゼパムを、0,9%NaCl及びTween−80に溶解した。
実験は、午前11:00から午後5:00の間に実施した。
実験装置及び手順
高T迷路は、透明ガラスの壁及び木の床で作成し、木の支柱により床から上に38.5cm上げられたオープンアーム(30×5×0.25cm)に垂直につながれたクローズドアーム(30×5×15cm)からなる。本試験では、各試行の間が30秒間隔で、5回連続した抑制回避の測定(ベースラインの潜時、回避1、2、3及び4)及び1回のオープンアームからの逃避の測定を実施した。回避測定では、動物を、クローズドアームの遠位部に配置し、4つすべての足上での、オープンアームに対するこのアームの逃避潜時を計った。逃避測定では、動物を右のオープンアームの先端に配置し、このアームからの退去時間を測定した。この測定中の迷路のアーム内における動物の最大滞在時間は、300秒であった。各動物を試験した後、装置を20%エタノールで洗浄した。
高架式T字迷路での試験直後に、偽陽性又は陰性を避けるために、動物をアリーナで運動活性(locomotive activity)試験にかけた。
装置は、高さ30cmの壁に囲まれた長方形の底部(40×48cm)の白色ポリプロピレンボックスからなる。床は、30の正方形(8×8cm)に再分割されている。
本試験において、動物をボックスの中央部に配置し、四半分領域の横断数及び伸展に伴う姿勢(stretch−attend posture)の数についての後の解析のために、動物の活動を5分間ビデオに記録した(WALSH及びCUMMINS、1976)。
モデルの結果の解析
単離アルカロイドの化学構造を判定するために、H及び13C RMN分光測定、並びにHMQC、HMBC及びCOSY二次元分光測定を使用した。結果を、E.アルカロイドについての文献にすでに存在する情報と比較した。
動物モデルからの結果を、最初にLeveneの均一性検定にかけた。不均一な結果を、対数尺度に変換し、その後、統計的に解析した。
高T迷路から得られた結果を、処置を独立因子及び試行を従属因子として、二元配置分散分析(ANOVA)にかけた。処置の効果が有意であると証明された時、データを一元配置ANOVAにより解析し、その後Duncanの事後検定にかけた。
アリーナで得られた結果を、一元配置ANOVAにかけ、その後Duncanの事後検定にかけた。
量p≦0,05を、有意な結果と考慮した。
結果
1)植物化学(核磁気共鳴−RMN)
アルカロイド1を、FBを用いてCCDPにより単離した。アルカリ2を、FC及びFDから単離した。また、アルカロイド3もFDから単離することができた。
物質1、2及び3(表2)に対するCDClにおけるH及び13C RMNスペクトルは、E.アルカリ骨格の特性シグナルの存在を示した。この点に関して、水素H−14及びH−17に関する芳香族プロトンの2つの一重線、並びに炭素C−15及びC−16位のメトキシル水素に起因する2つの一重線の徴候を特定することができた。オレフィンプロトンの3つの徴候の存在は(幅広一重線(si)、H−7;幅広二重線(di)、H−1;2つの二重線(dd)、H−2)、エリトリン骨格のジエン酸系の水素に起因する可能性がある。
Sarragiotoら(1982)は、それぞれδ125.3及びδ131.2にC−1及びC−2の共鳴を報告した。しかし、本発明の進展において、HMQC二次元スペクトルの化学シフト(chemical displacement)の間の関係は、これらの共鳴がそれぞれδ131.5及びδ125.5で生じることを実証した。化学シフトと結合定数の値を表1に示す。
Figure 0005193871
1.1)エリトラルチン
E.骨格の水素特性シグナルの特定後(表2)、物質1のみが、C−3に位置するメトキシルの3つの水素に起因するシグナルδ3,24を示すことに注目した。アルカロイド11−酸素に関する文献で見られるデータにより、H(4,64の幅広三重線(t))及び13C(δ64.55)のRMNスペクトルで見られたシフト、並びにHMQC試験で得られた相関を考えると、C−11の1つのヒドロキシルの存在について注目した。この点に関して、アルカロイド1をエリトラルチンであると同定した。一方、以前の研究とは異なり、H10a−11e(J=3.54Hz)とH10e−11e(J=3.07Hz)の間の結合定数の値から、C−11のヒドロキシル基のエクアトリアル配向(equatorial orientation)が示唆された。
EMの花の粗抽出物から単離したアルカロイドのエリトラルチンの化学構造を以下に示す。
Figure 0005193871
1.2)エリトラビン
以前の物質とは異なり、物質2のH RMNスペクトルは、C−3位でメトキシルのシグナルを示さなかった(表2)。13Cのスペクトルのδ63.73で観察された化学シフトに関連したδ4,37で観察された多重線(m)は、この位置での1つの酸素置換の存在を示唆している。
C−11位において、δ2.9で観察された2つの二重線(JH11ax−10ax=10,0Hz;JH11ax−11eq=6,5Hz)及びδ2.65〜2.69領域で観察された多重線は、それぞれ軸方向のH−11(ax)及びエクアトリアルの(eq)に起因していた。本物質は、いまだにEMで単離されていないエルヒトリニック(erhitrinic)アルカロイドであるエリトラビンと同定された(図4)。
EMの花の粗抽出物から単離したアルカロイドのエリトラビンの化学構造を以下に示す。
Figure 0005193871
1.3)11−ヒドロキシ−エリトラビン(11−OH−エリトラビン)
11−OH−エリトラビンに関するHのNMRスペクトルにおいて(表2)、エリトラビンと類似して、C−3位のメトキシル水素の徴候は確認されなかったが、C−3位に起因する酸素置換に関するδ4.5で多重線が唯一確認された。エリトラルチンで観察された同じ方法で、NMR H及び13Cのスペクトルは、C−11でのヒドロキシルの存在に起因したそれぞれδ4.74(t)及びδ63.69での化学シフトを示した。これらの結果は、初めての報告であり、したがって、物質3は、新規なエリトリンアルカロイドであると認められ、11−ヒドロキシ−エリトラビン(11−OH−エリトラビン)と名付けられた。
Figure 0005193871
E.ムルング(E.mulungu)の花の粗抽出物から単離されたアルカロイド11−OH−エリトラビンの化学構造を以下に示す。
Figure 0005193871
2)薬理学
粗抽出物
2.1)高T迷路(つまり高架式T字迷路試験)
表3で示したように、EMの標準粗抽出物の急性処置は、高T迷路のオープンアームでの抑制回避における動物の能力を阻害した。
二元配置ANOVAは、処置(F(5,49)=5,44;p<0,0001)及び試行(F(4,196)=27,37;p<0,0001)の有意な効果を示したが、処置と試行の間の相互作用では示さなかった(F(20,196)=0,87、p=0,628)。一元配置ANOVAは、ベースラインの潜時(LB)(F(5,49)=2,34;p=0,056)、回避1(E1)(F(5,49)=3,97;p=0,004)、回避2(E2)(F(5,49)=3,75;p=0,005);回避3(E3)(F(5,49)=3,39;p=0,01)及び回避4(E4)(F(5,49)=2,62;p=0,03)において、処置群間に有意差があることを示した。
表3において、Duncanの事後検定により、対照群と比較して、群間差を観察することができる。
高T迷路のオープンアームからの逃避の測定において、一元配置ANOVAは、群間で有意差があることを示した(F(5,49)=3,48;p=0,009)。Duncanの事後検定は、対照群と比較して、この相違がEM400mg/kgの用量で処置した群により示されたクローズドアームへのオープンアームの逃避潜時の減少に起因することを示した(表3)。
Figure 0005193871
2.2)運動活性−アリーナ
アリーナでの動物の運動活性の測定値は、EMの粗抽出物のいずれの用量による急性処置によっても変化していない(表4)。
一元配置ANOVAは、混合数の測定(F(5,49)=0.78;p=0.56)、又は調査数の測定(F(5,49)=1.90;p<0.11)においても、いかなる有意な群間差も示さなかった。
Figure 0005193871
3)エリトリニクス(eritrinics)アルカロイドに富む精製画分(F2)
3.1)高T迷路
F2による急性処置は、表5に示すように、高T迷路のオープンアームにおいて抑制回避の習得を阻害した。二元配置ANOVAは、処置(F(4,40)=7.00;p<0.0001)及び試行(F(4,160)=11.18;p<0.0001)の有意な効果を示したが、処置と試行の間の相互作用(F(16,160)=1.48、p=0.112)では示さなかった。一元配置ANOVAは、LB(F(6,69)=2.7;p=0.02)、E1(F(6,69)=4.86;p<0.0001)、E2(F(6,69)=7.49;p<0.0001);E3(F(6,69)=5.60;p<0.0001)及びE4(F(6,69)=7.83;p<0.0001)において、処理群間に有意差が生じることを示した。Duncanの事後検定による群間差を、表5で観察することができる。
一元配置ANOVAは、高T迷路のオープンアームの逃避の測定において、群間に有意差が生じない(F(4,40)=0.96;p=0.46)ことを示した(表5)。
Figure 0005193871
3.2)運動活性−アリーナ
アリーナにおける動物の運動活性の測定は、F2のいずれの用量での急性処置によっても変化しなかった(表6)。
一元配置ANOVAは、混合数の測定(F(4,40)=0.30;p=0.87)、又は上昇数の測定(F(4,40)=0.81;p=0.52)においても、いかなる有意な群間差も示さなかった。
Figure 0005193871
単離アルカロイドの新規な結果
1)エリトラビン
明暗移行(clearly−dark transition)モデルにかけたハツカネズミにおいてエリトラビンで得られた結果を表7に示す。
一元配置ANOVAは、照明された区画で費やした時間の測定において、処置の有意な効果を示した(F(3,39)=4.27;P=0.01)。Duncanの事後検定は、エリトラビンの3mg/kg及び10mg/kgの用量及びDZPの経口投与で処置した動物群間で、照明された区画内で費やした時間が、対照群間の時間より明白に長いことを示した。2つの区画間の移行数の測定に関して、一元配置ANOVAは、有意な群間差を示さなかった(F(3,39)=1.13;P=0.34)。
Figure 0005193871
2)11−OH−エリトラビン
表8において、11−ヒドロキシ−エリトラビンの明暗移行モデルで得られた結果を示す。
一元配置ANOVAは、照明された区画の動物によって費やされた時間(F(3,38)=3.14;P<0.05)及び2つの区画間の移行数(F(3,38)=3.36;P<0.05)の測定において、処置の有意な効果を示した。Duncanの事後検定は、10mg/kgの用量の11−ヒドロキシ−エリトラビン及びDZPが、対照群と比較して、照明された区画内で費やした時間を明白に増加させることを明らかにした。また、モデルの区画間の移行数が、3mg/kgの用量の11−ヒドロキシ−エリトラビンの投与によって増加した(P<0.05)。
Figure 0005193871
3)エリトラルチン
エリトラルチンにより明暗移行モデルで得られた効果を、表9で示したデータにより見ることができる。
一元配置ANOVAは、照明された区画で動物により費やされた時間の測定において、有意な効果を示した(F(3,49)=3.66;P<0.01)。Duncan検定によれば(P<0.05)、この効果は、DZP(2mg/kg)で処置した動物群でのみ観察された。しかし、一元配置ANOVAは、モデルの2つの区画間の移行の測定における処置の有意な効果を示さなかった(F(3,49)=1.19;P<0.31)。
Figure 0005193871
エリトラルチン、エリトラビン及び11−OH−エリトラビンの3種のエリトリンアルカロイドを、エリトリン ムルング(Erythrina mulungu)の粗水アルコール抽出物から単離した。以前に、Sarragiotoら(1981)は、E.ムルング(E.mulungu)のメタノール粗抽出物でエリトラチン、N−オキシド−エリトラルチン、エリソトリン及びN−オキシド−エリソトリンの存在をすでに報告した。しかし、このgHMQCの二次元試験によって、炭素C−1及びC−2の結合定数に起因した値が、本研究により訂正された。
エリトラビンは、E.フォルケルシ(E.folkersii)(MILLINGTONら、1973)及びE.コクレアタ(E.cochleata)(CHAWLAら、1985)の種子抽出物から、すでに単離された。11−OH−エリトラビンの単離については、文献における最初の報告である。
本発明の結果は、E.ムルング(E.mulungu)の高純度アルカロイド精製画分が、高T迷路の不安動物モデルに対して抗不安作用を示すことを明らかにしている。E.ムルング(E.mulungu)の粗抽出物の抗不安作用は、高T迷路のオープンアームからの逃避としての回避の減少として観察された。短期間に投与した100、200及び400mg/kgの用量は、オープンアームの抑制回避の習得を阻害した。これらの結果は、すべてのマウスに対する高T迷路での回避の測定において、200mg/kgの用量でもE.ムルング(E.mulungu)抽出物の抗不安作用を実証したエビデンスを確認するものである(ONUSICら、2002)。また、この同じ研究において、E.ムルング(E.mulungu)の抽出物の抗不安作用が、明暗移行モデルに関係があった(ONUSICら、2002)。200及び400mg/kgの用量を、マウスに短期間投与すると、2つのモデル区画の間の移行及び照明された区画での動物が費やす時間が増加することが観察された。
BDZ、ジアゼパム及びA型のセロトニン受容体アゴニスト、ブスピロン(LADER、1998;DAVIDSON JR.、2001;RICKELSら、2001)のような全般性不安の治療のための薬物療法に使用される一部の化合物を考えると、高T迷路のオープンアームの抑制回避の測定(GRAEFFら、1993;VIANAら、1994;GRAEFFら、1998;CARVALHO NETTO及びNUNES DE SOUZA、2004)及び明暗移行モデル(MERLO PICH及びSAMANIN、1989;CHAULOFFら、1997;HASCOET及びBOURIN、1998)で抗不安作用を示し、一部の著者らは、これらの試験が全般性不安研究に関する予知的妥当性(prevision validity)を示すことを示唆している(GRAEFFら、1993;VIANAら、1994;GRAEFFら、1998;GRAEFF及びZANGROSSI、2002;BOURIN及びHASCOET、2003)。
主要な物質としての高純度エリトリンアルカロイド精製画分のF2により得られた結果は、オープンアームの抑制回避の測定において抗不安作用を実証した。3、6、10及び17mg/kgの用量でのF2の短期間投与は、使用した標準薬物、ジアゼパムと同様に、抑制回避の習得を阻害し、このことは抗不安作用を示している。これらの結果は、粗抽出物で観察された抗不安作用が、その組成内のエリトリンアルカロイドの存在に関連があるという結論を強調するものである。このことは、明暗移行モデルにより認められた試験に対して、単離アルカロイドにより認められた試験により確認することができる。
GABA作動及びセロトニン作動薬物研究のための古典的不安動物モデルの明暗移行試験を、エリトラルチン、エリトラビン及び11−OH−エリトラビンの抗不安作用の評価のために使用した。
照明された区画で動物により費やされた時間の測定に対する標準粗抽出物(100及び200mg/kg)並びにアルカロイドのエリトラビン(3及び10mg/kg)及び11−ヒドロキシ−エリトラビン(10mg/kg)の抗不安作用が観察された。E.ムルング(E.mulungu)抽出物における本モデルでの肯定的な結果が、最近報告された(ONUSICら、2002)。200及び400mg/kgの用量を、マウスに短期間投与すると、モデルの2つ区画間の移行及び照明された区画での動物が費やす時間が増加することが観察された。
また、本発明において、低用量(3mg/kg)で投与した11−ヒドロキシ−エリトラビンにより、モデルの2つの区画間の移行が増加することが観察された。この移行の増加は、非阻害行動の結果である抗不安作用と考慮することができ、動物の活動の刺激効果(アリーナでの運動活性試験に対する反応が増加しない時間)と考慮することはできない。以下のように結論付けることができる。
本発明は、エリトリン ムルング(Erythrine Mulungu)の水アルコール抽出物(EM)(100〜400mg/kg)並びにEMから単離したアルカロイド、11−OH−エリトラビン、エリトラビン及びエリトラルチン(3及び10mg/kg)を経口的に投与したときの抗不安作用を実証した、高T迷路により得られた新しい結果について述べた。
EM及び試験物質が動物の運動活性に影響しないことは、アリーナ試験によって得た記載の結果により実証された。
この結果は、少なくとも総エリトリンアルカロイドの0.1%を含む粗抽出物、並びに別の濃度の低いアルカロイド並びに別の極性及び無極性物質を上回る少なくとも総エリトリンアルカロイドの20%及びエリトリンアルカロイドエリトラビンの10%を含む精製画分(F2)も、ハツカネズミの運動活性を変化させることなくLTE(3〜30mg/kg;v.o)で抗不安作用を示すことを明らかにした。
インビトロ薬理学的スクリーニングの古典的器具である明暗移行モデルにより得られた結果は、11−OH−エリトラビン及びエリトラビンが、3及び10mg/kgの用量で経口により投与すると、抗不安作用を示すことを実証した。
予備的急性毒性試験(7日間、経口)は、用量(200〜3,600mg/kg)を使用して、粗抽出物がオス又はメスのハツカネズミの死亡を引き起こさず、したがって毒性が低いことを実証した。
したがって、本明細書のデータは、エリトリン ムルング(Erythrine Mulungu)の単離アルカロイド(すなわち、11−OH−エリトラビン、エリトラビン及びエリトラルチン)が抗不安作用に関連する主要な活性成分であり、これらは粗抽出物又は精製画分(F2)で投与するときですらこの活性を維持することを示した以前の結果を確証するものであり、自然の形態での本植物の使用に関する共通の問題に直面することなしに、標準化され、特定の治療の要求に対する適切な薬理作用を有する医薬組成物の調製を提供することを越えて、本植物の鎮痛薬としての広く一般的な普及を説明するものである。このことを越えて、単離アルカロイド又は高純度アルカロイド精製画分のいずれかからなる試験により観察することができる、以前の研究で観察された粗抽出物の抗不安作用が、その組成内にエリトリンアルカロイドが存在する理由によるものであると言うことができる。
E.ムルング(E.mulungu)の水アルコール粗抽出物の抽出及び分画化、並びにE.ムルング(E.mulungu)の水アルコール粗抽出物を用いたアルカロイドのエリトラルチン、エリトラビン及び11−OH−エリトラビンの単離の過程の一般的な説明スキームである。

Claims (7)

  1. 抗不安薬としての薬物の調製における、11−OH−エリトラビン、エリトラビン、エリトラルチン、これらの塩、及び薬学的に許容されるこれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物の活性成分としての使用であって、該活性成分が他のアルカロイドを含まない、上記使用。
  2. 前記活性成分が11−OH−エリトラビンである、請求項1に記載の使用。
  3. 前記活性成分が3mg/kg〜10mg/kgの割合で前記薬物に存在する、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 薬学的に許容されるビヒクル並びに11−OH−エリトラビン、エリトラビン、エリトラルチン、これらの塩、及び薬学的に許容されるこれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも一つの単離された化合物を活性成分として含み、該活性成分が他のアルカロイドを含まない、抗不安薬としての使用のための医薬組成物。
  5. 前記活性成分が11−OH−エリトラビンである、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 前記活性成分が3mg/kg〜10mg/kgの割合で前記医薬組成物に存在する、請求項4又は5に記載の医薬組成物。
  7. a)薬学的に許容されるビヒクル調製するステップと;
    b)請求項1〜3のいずれか一項に定義される少なくとも一つの活性成分の上記ビヒクルへの組入れステップと
    を含む、抗不安薬としての使用のための医薬組成物の製造方法。
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