JP5192362B2 - パルプ漂白水の製造方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、原料チップや古紙等からパルプを製造するパルプ製造設備において、製造したパルプを漂白する漂白設備に用いられるパルプ漂白水の製造方法及び装置に関する。
図2に、パルプ製造設備、及びこのパルプ製造設備を構成する漂白設備に、漂白水として二酸化塩素水を供給する従来の二酸化塩素水の製造装置を示す。
図2において、パルプ設備100では、先ず、原料となる木材等の原料チップtが、トラック等その他の運搬手段で運ばれ、トラックダンパ102等を用いてチップヤード104に荷卸しされる。その後、原料チップは、コンベア等の搬送手段でチップサイロ106に投入される。そして、設備の操業度に応じて、チップサイロ106の排出口から排出され、蒸解釜108に投入される。
蒸解釜108では、原料チップtに蒸解薬品を混ぜ、蒸解薬品を混ぜた原料チップtを高温高圧下で煮詰めて蒸解させ、パルプに変える。次に、蒸解釜108から出てきたパルプを洗浄釜110で洗浄する。パルプの煮汁を含んだ洗浄水は「黒液」と呼ばれ、この後、回収設備120に送られ、蒸解釜108でパルプに混入した薬品の回収を行なう。
洗浄釜110で洗浄されたパルプをスクリーン112で「うらごし」して、パルプ中に含まれるゴミや生煮えのチップなどを除去する。これによって、良いパルプが漂白設備114に送られる。
漂白設備114では、パルプに4段階の漂白工程を施して、段々とパルプの色を白くする。各4段階ですべて使用する漂白剤が異なり、二酸化塩素水や過酸化物、あるいは酸素等を用いた漂白処理を行なう。漂白剤を変えることで、パルプを痛めないように徐々にパルプを白くしていく。この後、漂白設備114で漂白されたパルプから次の抄紙工程で紙を製造する。
回収設備120では、まず、エバポレータ122で蒸解釜108や洗浄釜110から出た洗浄水(黒液)をボイラで燃やせる濃度まで濃縮する。次に、濃縮した洗浄水を回収ボイラ124で焼却する。回収ボイラ124で発生する熱(蒸気)は、発電や製造した紙の乾燥、その他の用途に用いられる。例えば、回収ボイラ124で製造した蒸気でタービン・発電機126を駆動して発電を行なう。回収ボイラ124の底には、溶融した薬品成分が残る。これをスメルトと呼び、水に溶かして緑液として緑液セットラ126に送る。
回収ボイラ124でつくられた緑液は、燃え残りの灰などを多く含み濁っているので、緑液セットラ126で不純物を沈降させ、薬品成分だけの上澄みを得る。そして、ライムスレーカ130で、緑液に生石灰を加えて、蒸解液である白液をつくる。ここで緑液は白液に、生石灰はスラッジに変わる。白液はスラッジと混ざって乳白色に濁っているので、乳液とも呼ばれる。
白液セットラ132では、白液と混ざったスラッジを沈降させて分離する。白液は蒸解薬品として蒸解釜108に送られ、スラッジは石灰キルン134に送られる。石灰キルン134で、スラッジは数時間かけて高温で焼かれ、再び生石灰に戻る。
次に、漂白設備114に漂白剤の1つとして供給される二酸化塩素水の製造装置の構成を説明する。二酸化塩素水の製造装置140では、2基の吸収塔142及び144を備え、ここで冷水にClOを吸収させて、二酸化塩素水を製造する。この製造工程は、まず、冷水塔146に、原水として、管路148を介して、常温域付近の井水等を供給する。冷水塔146の内部は、管路153を介してエジェクタ150に接続されている。
エジェクタ150の内部では、駆動ノズル151から駆動流体として蒸気が噴出され、ディフューザ153で加速された蒸気により真空が発生する。そのため、エジェクタ150と連通した冷水塔146の内部が真空圧となるため、冷水塔146の内部では原水の一部が低温蒸発する。この低温蒸発によって気化熱が奪われるので、冷水塔146内の原水が冷却される。冷水塔146で製造された冷水は、管路154を経て吸収塔142及び144に送られる。
一方、吸収塔142及び144には、管路156を経て気体状のClOが供給され、吸収塔142,144で冷水とClOとが混合され、ClOが冷水に吸収されて、二酸化塩素水が製造される。吸収塔142、144で製造された二酸化塩素水は、管路158及び160を通り、設定された低温を維持したまま、二酸化塩素水タンク162に一時貯留される。なお、冷水へのClOの溶解量は、冷水の温度によって異なり、冷水温度が低いほど、溶解量は増加傾向にある。従って、二酸化塩素水の濃度は、二酸化塩素水の温度を調節することによって調整される。
二酸化塩素水は、二酸化塩素水タンク162から管路164を介してポンプ166によって漂白設備114に送られる。
吸収塔144に接続された管路168にエジェクタ170が設けられている。エジェクタ170の内部に駆動流体として蒸気を噴出することで、管路168及び管路168に連通した吸収塔144が負圧となる。これによって、ClOを管路156を介して吸収塔142,144に吸引する吸引力が発生する。
エジェクタ150から噴出した蒸気は、容器172で管路184から供給される冷却水で冷却され、液化して水となり、管路174を経てシールピット176に貯留される。シールピット176に貯留された水は、管路178を経てクーリングピット180に送られる。クーリングピット180には、複数のファン182が設けられ、クーリングピット180内の水はファン182の冷風により冷却される。この冷却水は、管路184を経て容器172に送られ、蒸気を冷却するために使用される。
特許文献1(特開2006−249650号公報)には、前述したようなパルプ製造設備において、漂白剤として二酸化塩素を用いた漂白工程が開示されている。
また、特許文献2(特開2001−123384号公報)には、パルプ蒸解釜から黒液をフラッシュタンクに送り、このフラッシュタンクで黒液をフラッシュさせて、フラッシュタンクから回収設備に排出される液の容量と温度を低減すると共に、このフラッシュタンクの内部を負圧にするためにエジェクタを設けることが開示されている。
特開2006−249650号公報 特開2001−123384号公報
図2に示す従来の二酸化塩素水製造装置は、蒸気を用いたエジェクタ効果を利用して原水を冷却しているために、化石燃料を燃やして蒸気を製造するため、成績係数COPが0.2〜0.3程度となり、非常に悪い。
また、装置を運転するために、多くの補機類とこれら補機類の駆動装置を必要とし、これらの補機類を駆動ためのファン動力やポンプ動力が多大となっている。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、パルプ製造設備に漂白水を供給する際に、COPを向上でき、設備を簡素化できると共に、原水の温度変動に対しても所望温度の漂白水を安定して供給可能にすることを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明のパルプ漂白水の製造方法は、
パルプ製造工程においてパルプ原料から製造したパルプを漂白する漂白工程に用いられるパルプ漂白水の製造方法において、
常温域付近にある原水を温度成層型タンクの上部に供給すると共に、該温度成層型タンクの下部に冷水を導入して該温度成層型タンクの内部で上下方向に温度成層を形成させ、
該温度成層型タンクの上部から導出した原水を冷凍サイクルを構成する冷凍装置で冷却して冷水とし、
該冷水を該温度成層型タンクの下部に供給して一旦貯留すると共に、該温度成層型タンクの下部から導出した冷水を吸収塔に供給し、該吸収塔で冷水に漂白剤を吸収させて漂白水を製造するようにしたものである。
本発明方法では、冷水を製造する動力として、冷凍サイクルを構成した電力駆動の冷凍装置、例えば圧縮式冷凍装置を用いるため、従来方式と比べて、COPを向上できる。
冷凍装置だけでは、ある程度の負荷変動には対応できるが、0〜100%の範囲の負荷変動には対応が困難であり、負荷が0%近くになると、冷凍装置が停止するおそれがある。あるいは負荷変動によりCOPが低下する。
本発明では、温度成層型タンクを併設し、この温度成層型タンクに冷凍装置で製造した冷水を一旦貯留し、必要時に冷水を吸収塔に供給するようにしたことで、負荷変動に対しても冷水を安定して供給できる。
温度成層型タンクは、水の温度差に基づく密度差を利用して上下方向に押出し流れを生じさせ、冷水又は温水を負荷側の使用温度に適合した蓄熱水として貯えるものであり、蓄熱効率が高く、運転制御が容易であるという特徴を有する。
本発明では、常温域付近の原水の温度成層型タンクへの導出入を温度成層型タンクの上部で行ない、冷凍装置で冷却した冷水の導出入を温度成層型タンクの下部で行なうようにしているので、温度成層型タンク内の温水と冷水とが混合して温度成層を乱すおそれがない。
また、冷却する前の原水の温度は、季節によって変動するが、本発明では、温度成層型タンクを設けているので、原水の温度変動に対しても、安定して冷水を製造できる。
さらに、前述した従来装置と比べて補機類を大幅に削減でき、また、これらの補機類を駆動するポンプ動力等の動力を大幅に節減できる。
本発明方法において、漂白水が二酸化塩素水であり、前記温度成層型タンクから前記吸収塔に供給する冷水の温度を氷結温度より高く10℃以下とし、冷水の温度を前記範囲に調節することによって、該冷水に吸収される二酸化塩素の濃度を調節するようにするとよい。
二酸化塩素の溶解量は、冷水温度によって異なり、冷水温度が低いほど、溶解量は増加する。そのため、冷水温度を一定に維持することで、二酸化塩素水の濃度を一定にすることができる。温度成層型タンクから吸収塔に供給する冷水を前記温度範囲とすることにより、製造する二酸化塩素水の濃度を必要濃度以上に確保できる。
本発明方法では、温度成層型タンクを用いることによって、冷水の温度制御が容易になり、所望温度の冷水を吸収塔に供給できるので、必要時に所望濃度の二酸化塩素水をパルプ製造設備に安定供給できる。
また、前記本発明方法の実施に直接使用可能な本発明のパルプ漂白水の製造装置は、
パルプ製造設備により製造したパルプを漂白する漂白設備に用いられるパルプ漂白水の製造装置において、
上部に原水導入管及び原水導出管が接続されると共に下部に冷水導入管及び冷水導出管が接続され、内部で上下方向に温度成層を形成する温度成層型タンクと、
冷凍サイクルを構成し、該温度成層型タンクの上部から該原水導出管を介して導入された原水を冷却し該冷水導入管を介して該温度成層型タンクの下部に冷水を供給する冷凍装置と、を備え、
該温度成層型タンク内の上部に常温域の原水を貯留すると共に、該温度成層型タンク内の下部に冷水を貯留し、該冷水を吸収塔に供給し該冷水に漂白剤を吸収させて漂白水を製造するように構成したものである。
本発明装置では、冷水を製造するための駆動動力として、冷凍サイクルを構成する冷凍装置を用いたことにより、COPを向上できる。
また、該冷凍装置と共に、温度成層型タンクを併設し、この温度成層型タンクに冷凍装置で製造した冷水を一旦貯留し、必要時に冷水を吸収塔に供給するようにしたことで、負荷変動に対しても冷水を安定して供給できる。
また、温度成層型タンクと冷凍装置のみを設けるだけでよく、従来の製造装置に比べて補機類を大幅に節減でき、そのため、これらの補機類を駆動する動力を大幅に節減できる。
本発明装置において、温度成層型タンクの冷水貯留域に冷水の温度を検出する第1の温度センサを設けると共に、原水貯留域に原水の温度を検出する第2の温度センサを設け、
第1の温度センサの検出値が閾値より下降した時に前記冷凍装置の運転を停止させ、第2の温度センサの検出値が閾値より上昇した時に該冷凍装置を再起動させるように構成するとよい。
かかる構成とすることにより、製造する冷水の温度を正確に設定温度に維持できるため、所望温度の冷水を必要時に吸収塔に安定供給できる。
本発明方法によれば、パルプ製造工程においてパルプ原料から製造したパルプを漂白する漂白工程に用いられるパルプ漂白水の製造方法において、常温域付近にある原水を温度成層型タンクの上部に供給すると共に、該温度成層型タンクの下部に冷水を導入して該温度成層型タンクの内部で上下方向に温度成層を形成させ、該温度成層型タンクの上部から導出した原水を冷凍サイクルを構成する冷凍装置で冷却して冷水とし、該冷水を該温度成層型タンクの下部に供給して一旦貯留すると共に、該温度成層型タンクの下部から導出した冷水を吸収塔に供給し、該吸収塔で冷水に漂白剤を吸収させて漂白水を製造するようにしたことにより、COPを向上できると共に、大きな負荷変動に対しても漂白水をパルプ製造設備に安定でき、かつ補機類及びその動力を大幅節減できる。
また、本発明装置によれば、パルプ製造設備により製造したパルプを漂白する漂白設備に用いられるパルプ漂白水の製造装置において、上部に原水導入管及び原水導出管が接続されると共に下部に冷水導入管及び冷水導出管が接続され、内部で上下方向に温度成層を形成する温度成層型タンクと、冷凍サイクルを構成し、該温度成層型タンクの上部から該原水導出管を介して導入された原水を冷却し該冷水導入管を介して該温度成層型タンクの下部に冷水を供給する冷凍装置と、を備え、該温度成層型タンク内の上部に常温域の原水を貯留すると共に、該温度成層型タンク内の下部に冷水を貯留し、該冷水を吸収塔に供給し該冷水に漂白剤を吸収させて漂白水を製造するように構成したことにより、前記本発明方法の実施が可能になり、前記本発明方法と同様の作用効果を得ることができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の一実施形態に係るパルプ漂白用二酸化塩素水の製造装置である。図1において、この製造装置10は、温度成層型タンク20と、冷凍サイクルを構成する電力駆動式の圧縮式冷凍装置30と、吸収塔40とを備えている。温度成層型タンク20の上部には原水導入管路12が接続されている。井水等から採取される原水wは、常温域付近の温度を有するが、季節によって変動し、実際は、氷結しない温度以上で30℃程度までの変動幅を有する。本実施形態では、25℃の温度を有する原水を使用する。
原水導入管路12には、原水wを温度成層型タンク20に導入するポンプ14が介設されている。また、温度成層型タンク20には液面計16が設けられており、液面計16の液面レベル検出値に基づいてポンプ14の駆動を制御することにより、温度成層型タンク20の液面を設定高さに保持可能に構成されている。
また、温度成層型タンク20の上部には、原水wを圧縮式冷凍装置30に導入する原水導出管路17が設けられている。原水導出管路17には、温度成層型タンク20内の上部に貯留された原水wを圧縮式冷凍装置30に導入するポンプ18が介設されていると共に、圧縮式冷凍装置30側の端部に流量調整弁22が設けられている。
また、温度成層型タンク20には、温度成層型タンク20内の上部に貯留された原水wの温度を検出する温度センサ24が設けられ、温度センサ24の温度検出値に基づいてポンプ18の駆動を制御し、圧縮式冷凍装置30に導入する原水wの流量を制御するように構成されている。
温度成層型タンク20の下部には、圧縮式冷凍装置30で原水wを冷却して製造した冷水cを温度成層型タンク20に戻す冷水導入管路26が接続されている。冷水導入管路26の圧縮式冷凍装置30側端部には流量調整弁28が設けられている。
また、温度成層型タンク20の下部には、温度成層型タンク20の下部に貯留された冷水cの温度を検出する温度センサ32が設けられ、温度センサ32の冷水温度検出値に基づいて圧縮式冷凍装置30の運転を制御するように構成されている。
また、温度成層型タンク20の下部には、冷水cを吸収塔40に導出する冷水導出管路34が接続されている。冷水導出管路34には、冷水cを吸収塔40に導出するポンプ36と、流量調整弁38とが介設されていると共に、冷水cの流量を検出する流量計42が装着されている。そして、流量計42の流量検出値に基づいてポンプ36の駆動を制御するように構成されている。
温度成層型タンク20の内部には、水の温度差に基づく密度差を利用して上方に温水(原水w)が、下方に冷水cが貯留され、両者が混じり合うことがない。
かかる構成の本実施形態において、25℃の原水wが温度成層型タンク20の上部に導入される。温度成層型タンク20内の液面は、液面計16で検出され、この検出値によりポンプ14を制御することで、常に一定の液面レベルに保持される。
温度成層型タンク20内に貯留された原水wは、原水導出管路16を介して圧縮式冷凍装置30に送られ、圧縮式冷凍装置30で10℃の温度に冷却された冷水cとなる。この冷水cは、冷水導入管路26を介して温度成層型タンク20の下部に戻される。
温度成層型タンク20に貯留した冷水cの温度を温度センサ32で検出し、冷水cの温度が設定値(この場合10℃以下)となるように、圧縮式冷凍装置30の運転を制御する。
温度成層型タンク20の下部に貯留された冷水cは、冷水導出管路34を介して、吸収塔40に送られる。吸収塔40には、管路44からClOが導入され、冷水cと混じり合って、冷水cに吸収され、二酸化塩素水が製造される。二酸化塩素水は、管路46を介して図示しない貯留タンク(図2に示す二酸化塩素水タンク162と同一のタンク)に一旦貯留される。
その後、前記タンクに一旦貯留された二酸化塩素水は、パルプ製造設備の漂白設備に送られる。なお、図1に図示された吸収塔40は1個であるが、本実施形態でも、2個の吸収塔を備えており、他の1個の吸収塔の図示を省略している。なお、設置すべき吸収塔の数は、二酸化塩素水の製造能力に応じて適宜に選定すればよい。
また、管路48には、図2中のエジェクタ170と同様のエジェクタが設けられ、該エジェクタによって吸収塔40内を負圧にすることによって、ClOを管路44から吸収塔40内に吸引するようにしている。
本実施形態によれば、冷水cの製造を圧縮式冷凍装置30で行ない、かつ蓄熱効率の高い温度成層型タンク20を用いているので、従来の装置と比べてCOPを格段に向上できる。また、圧縮式冷凍装置30のみでは負荷の大きな変動に対応できないか、あるいはCOPが低下するが、本実施形態では温度成層型タンク20を併設し、原水w及び冷水cを一旦温度成層型タンク20に貯留するようにしているので、大きな負荷変動に対しても、冷水cの安定供給が可能になる。
また、本実施形態によれば、図2に示すシールピット176及びクーリングピット180や、これらの機器類に設けられるファンやポンプが不要になるので、ファン動力やポンプ動力を大幅に削減できる。
さらには、温度センサ24及び32を設けることで、冷水cの温度を正確に設定温度に保持できるため、冷水cの温度に依存する二酸化塩素水の濃度をパルプ製造設備の漂白工程に最適な濃度に調整可能である。本実施形態では、冷水cの温度を氷結温度より高く、かつ10℃以下とすることにより、二酸化塩素水の必要濃度を確保できる。
なお、圧縮式冷凍装置30を構成する凝縮器が水冷の場合は、冷水cと同じ水源、又は別系統の井水、工業用水、河川水等を利用することにより、凝縮温度を低下させることが可能になり、これによって、COPをさらに向上できる。
本発明者等の試算によれば、図2に示す従来の二酸化塩素水製造装置の場合、補機類の動力に200kW弱の動力を必要とするのに対して、本実施形態の補機類の動力は80kW程度で済むことがわかった。
また、圧縮式冷凍装置30のみで温度成層型タンク20を併設しない比較例の場合は、二酸化塩素水の製造が安定せず、負荷が0%近くのとき圧縮式冷凍装置が停止するおそれがある。また、余分に電力を消費してしまう。
原水wが25℃で、45m/hの二酸化塩素水を製造する場合、前記比較例と比較して、本実施形態では、130MWh/年の動力を節減でき、電気量のみで約200万円/年のコスト節減が可能になることがわかった。さらに、図2に示す蒸気駆動エジェクタ方式を採用した従来の二酸化塩素水製造装置と比べると、蒸気製造費との差を含めて、5,000万円のコスト削減が可能となる。
本発明によれば、パルプ製造設備の漂白工程に供給するパルプ漂白水を製造する場合に、COPを向上でき、パルプ漂白水の安定供給が可能になり、さらに補機類及びその駆動に要する動力を大幅に節減できる。
本発明の一実施形態に係る二酸化塩素水の製造装置を示す構成図である。 パルプ製造設備及び従来の二酸化塩素水の製造装置を示す構成図である。
符号の説明
10 二酸化塩素水製造装置
12 原水導入管路
14,18 ポンプ
16 液面計
17 原水導出管路
20 温度成層型タンク
24 温度センサ(第2の温度センサ)
26 冷水導入管路
30 圧縮式冷凍装置
32 温度センサ(第1の温度センサ)
34 冷水導出管路
40 吸収塔
100 パルプ製造設備
114 漂白設備
c 冷水
w 原水

Claims (4)

  1. パルプ製造工程においてパルプ原料から製造したパルプを漂白する漂白工程に用いられるパルプ漂白水の製造方法において、
    常温域付近にある原水を温度成層型タンクの上部に供給すると共に、該温度成層型タンクの下部に冷水を導入して該温度成層型タンクの内部で上下方向に温度成層を形成させ、
    該温度成層型タンクの上部から導出した原水を冷凍サイクルを構成する冷凍装置で冷却して冷水とし、
    該冷水を該温度成層型タンクの下部に供給して一旦貯留すると共に、該温度成層型タンクの下部から導出した冷水を吸収塔に供給し、該吸収塔で冷水に漂白剤を吸収させて漂白水を製造するようにしたことを特徴とするパルプ漂白水の製造方法。
  2. 前記漂白水が二酸化塩素水であり、前記温度成層型タンクから前記吸収塔に供給する冷水の温度を氷結温度より高く10℃以下とし、冷水の温度を前記範囲に調節することによって、該冷水に吸収される二酸化塩素の濃度を調節するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパルプ漂白水の製造方法。
  3. パルプ製造設備により製造したパルプを漂白する漂白設備に用いられるパルプ漂白水の製造装置において、
    上部に原水導入管及び原水導出管が接続されると共に下部に冷水導入管及び冷水導出管が接続され、内部で上下方向に温度成層を形成する温度成層型タンクと、
    冷凍サイクルを構成し、該温度成層型タンクの上部から該原水導出管を介して導入された原水を冷却し該冷水導入管を介して該温度成層型タンクの下部に冷水を供給する冷凍装置と、を備え、
    該温度成層型タンク内の上部に常温域の原水を貯留すると共に、該温度成層型タンク内の下部に冷水を貯留し、該冷水を吸収塔に供給し該冷水に漂白剤を吸収させて漂白水を製造するように構成したことを特徴とするパルプ漂白水の製造装置。
  4. 前記温度成層型タンクの冷水貯留域に冷水の温度を検出する第1の温度センサを設けると共に、原水貯留域に原水の温度を検出する第2の温度センサを設け、
    第1の温度センサの検出値が閾値より下降した時に前記冷凍装置の運転を停止させ、第2の温度センサの検出値が閾値より上昇した時に該冷凍装置を再起動させるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のパルプ漂白水の製造装置。
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