JP5186209B2 - テロメラーゼ高親和性t細胞受容体 - Google Patents
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Description
ILAKFLHWLペプチドは、テロメラーゼタンパク質の触媒サブユニットに由来する(Meyersonら, (1997) Cell 90: 785〜795及びNakamuraら, (1997) Science 277: 955〜9を参照)。これらの研究は、データベース配列からのテロメラーゼ触媒サブユニットのDNA及びそこから導かれるアミノ酸配列のほぼ同時の発見を記載している。これらの研究は共に、テロメラーゼ触媒サブユニット活性がヒトの癌と関連することに注目している。これらの癌性細胞のクラスI HLA分子は、このタンパク質からのILAKFLHWLを含むペプチドを提示する。よって、ILAKFLHWL-HLA-A2複合体は、例えば癌細胞に細胞毒性剤を送達する目的のために、本発明のTCRが標的できる癌マーカーを提供する。しかし、この目的のためには、TCRが、該複合体に特異的な天然型(native) TCRよりも、より高い親和性及び/又はより遅い解離速度をペプチド-HLA複合体について有することが望ましい。
本発明は、ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体について1μM以下の高い相互作用の親和性(KD)及び/又は1×10-3 S-1又はそれより遅い、より遅い解離速度(koff)を有するTCRをはじめて利用可能とする。このようなTCRは、該複合体を提示する癌細胞の標的のために、単独で又は治療剤と併用して、有用である。
本発明は、ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についてのKDが1μMに等しいか又はそれより低く、及び/又はILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についての解離速度(koff)が1×10-3 S-1又はそれより遅いことを特徴とする、ILAKFLHWL-HLA-A*0201への結合特性を有しかつ少なくとも1つのTCRα鎖可変ドメイン及び/又は少なくとも1つのTCRβ鎖可変ドメインを含むT細胞受容体(TCR)を提供する。KD及び/又は(koff)の測定は、いずれの適切な方法により行うことができる。好ましい実施形態において、これらの測定は、実施例5の表面プラズモン共鳴法(Biacore)を用いて行われる。
天然型ILA TCRは、次のVα鎖及びVβ鎖遺伝子使用(usage)を有する。
α鎖- TRAV22
β鎖: - TRBV 6.5
逆の記載がない限りは、本明細書におけるTCRアミノ酸配列は、通常、N-末端メチオニン(Met又はM)残基を含まずに与えられる。当業者に理解されるように、この残基は、組換えタンパク質の作製の間にしばしば付加される。当業者には明らかなように、そのC-末端及び/又はN-末端の配列の1、2、3、4、5又はそれより多い残基を、TCRのpMHC結合特性に実質的に影響を与えることなく切断することができ、このような自明な変異形の全てが、本発明に包含される。
94A/Q/T/G/R/M/H/K//E/N又はL
95L/P/I/V又はM
96P又はM
97F
98G又はA
を含む変異TCRを含む。
上記の番号は、図1a及び配列番号1に示すものと同じである。
19V
50I/L又はR
51H/C又はW
52P/W/E又はV
53E/S又はF
54Y/V/C/E又はD
92G
93I/L/又はV
94Q
95P
である。上記の番号は、図1b及び配列番号2に示すものと同じである。
本発明の好ましい実施形態は、図6又は13に示す変異α鎖可変ドメインアミノ酸配列(配列番号11〜22又は50〜60)の1つを含むTCRにより与えられる。このようなTCRの表現型サイレント変異形(phenotypically silent variants)も本発明の一部分をなす。
配列番号11に示すα鎖可変ドメイン及び配列番号23に示すβ鎖可変ドメイン、又はそれらの表現型サイレント変異形
配列番号11に示すα鎖可変ドメイン及び配列番号64に示すβ鎖可変ドメイン、又はそれらの表現型サイレント変異形
配列番号11に示すα鎖可変ドメイン及び配列番号65に示すβ鎖可変ドメイン、又はそれらの表現型サイレント変異形
を含む本発明のTCRを提供する。
-PGGG-SGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGG-P (配列番号35)
-PGGG-SGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGG-P (配列番号36)
本発明のTCRのdTCR又はscTCRの形は、天然型TCRの膜貫通配列又は細胞質配列に相当する配列を含まないのが好ましい。
配列番号71のα鎖アミノ酸配列と配列番号73のβ鎖アミノ酸配列;
配列番号71のα鎖アミノ酸配列と配列番号76のβ鎖アミノ酸配列;
配列番号71のα鎖アミノ酸配列と配列番号74のβ鎖アミノ酸配列;
配列番号71のα鎖アミノ酸配列と配列番号77のβ鎖アミノ酸配列;
配列番号71のα鎖アミノ酸配列と配列番号75のβ鎖アミノ酸配列;
配列番号71のα鎖アミノ酸配列と配列番号78のβ鎖アミノ酸配列;
からなる可溶性TCRを提供する。
配列番号71及び73〜78は、N-末端メチオニン(M)を含む形で提供される。
ある特定の実施形態において、本発明のTCRは、少なくとも1つのポリアルキレングリコール鎖と結合する。この結合は、当業者に知られるいくつかの方法で行うことができる。好ましい実施形態において、ポリアルキレン鎖は、TCRに共有的に連結する。さらなる実施例において、本発明のこの態様のポリエチレングリコール鎖は、少なくとも2つのポリエチレン反復単位を含む。
本発明のある態様は、少なくとも2つの本発明のTCRを含む多価TCR複合体を提供する。この態様のある実施形態において、少なくとも2つのTCR分子は、リンカー部分を介して連結され、多価複合体を形成する。好ましくは、該複合体は水溶性であり、そうであればそれに応じてリンカー部分を選択すべきである。さらに、リンカー部分がTCR分子の規定される位置に付着できることが好ましく、それにより、形成される複合体の構造多様性が最小限にされる。本発明の態様のある実施形態は、ポリマー鎖又はペプチドリンカーの配列が、TCRの可変領域の配列内に位置しないそれぞれのTCRのアミノ酸残基間に伸びている本発明のTCR複合体により提供される。
上記の所望の要件を満たすリンカー部分の例は、当該技術、例えば抗体フラグメントの連結技術において知られている。
HOCH2CH2O (CH2CH2O)n-CH2CH2OH
ここで、nは2より大きい。しかし、その他のものは、ポリプロピレングリコール及びエチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマーを含む、その他の適切な任意に置換されていてもよいポリアルキレングリコールに基づく。
通常、ポリマーは、その構造中に化学的反応性基を例えば一方若しくは両方の末端、及び/又は主鎖からの分枝鎖上に有することにより、ポリマーがTCR内の標的部位に連結することを可能にする。この化学的反応性基は、親水性ポリマーに直接結合できるか、又は次に示すように、親水性ポリマーと反応性化学物質(chemistry)との間にスペーサー基/部分が存在できる。
反応性化学物質−親水性ポリマー−反応性化学物質
反応性化学物質−スペーサー−親水性ポリマー−スペーサー−反応性化学物質
-(CH2)n- (式中、n = 2〜5)
-(CH2)3NHCO(CH2)2
ポリアルキレングリコール鎖が少なくとも2つのポリエチレングリコール反復単位を含む本発明のTCR複合体は、この態様のさらなる実施形態を提供する。
本発明において用いることができる反応性化学物質に直接又はスペーサーを介して連結する市販で入手可能な親水性ポリマーは、限定されないが、次のものを含む。
N-マレイミド
ビニルスルホン
ベンゾトリアゾールカーボネート
スクシンイミジルプロピオネート
スクシンイミジルブタノエート
チオエステル
アセトアルデヒド
アクリレート
ビオチン
第一級アミン
多価TCR複合体の作製において用い得る多量体化ドメインを含むいくつかのヒトタンパク質が存在する。例えば、モノマーscFVフラグメントに比較して血清残存率が増大し、解離速度が大幅に低減されたscFv抗体フラグメントのテトラマーを作製するのに用いられるp53の四量体化ドメイン(Willudaら (2001) J. Biol. Chem. 276 (17) 14385〜14392)。ヘモグロビンも、この種の適用に用い得る可能性がある四量体化ドメインを有する。
ある態様において、本発明のTCRは、治療剤又は検出可能な部分(detectable moiety)と結合できる。例えば、上記の治療剤又は検出可能な部分は、TCRと共有的に連結できる。
本発明のある実施形態において、上記の治療剤又は検出可能な部分は、一方又は両方のTCR鎖のC-末端に共有的に連結する。
具体的には、本発明の可溶性TCR又は多価TCR複合体は、特定の抗原を提示する細胞の位置に治療剤を送達するのに用いることができる。このことは、多くの状況、特に腫瘍に対して有用であろう。治療剤は、それが結合する細胞だけでなく、局所的にその効果を発揮するように送達され得る。つまり、ある具体的なストラテジは、腫瘍抗原に特異的な本発明のTCR又は多価TCR複合体に連結した抗腫瘍分子を構想する。
・ 小分子細胞毒性作用剤、すなわち700ダルトン未満の分子量を有する哺乳動物細胞を死滅させる能力を有する化合物。このような化合物は、細胞毒性効果を有する毒性金属も含有できる。さらに、これらの小分子細胞毒性作用剤がプロドラッグ、すなわち生理条件下で崩壊(decay)又は変換されて細胞毒性作用剤を放出する化合物も含むことが理解されるべきである。このような作用剤の例は、シスプラチン、マイタンシン誘導体、ラチェルマイシン、カリチェアミシン、ドセタキセル、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、メルファラン、ミトキサントロン、ソルフィマーソディウムフォトフリンII (sorfimer sodiumphotofrin II)、テモゾルミド、トポテカン、トリメトレートグルクロネート(trimetreate glucuronate)、オーリスタチンEビンクリスチン(auristatin E vincristine)及びドキソルビシンを含む;
・ ペプチドサイトトキシン、すなわち哺乳動物細胞を死滅させる能力を有するタンパク質又はそのフラグメント。限定されないが、リシン、ジフテリアトキシン、シュードモナス菌体外毒素A、DNAアーゼ及びRNAアーゼを含む;
・ 限定されないが、抗体が指向する(antibody directed)酵素プロドラッグを含むプロドラッグ;
・ 免疫増強剤、すなわち免疫応答を促進する部分。限定されないが、サイトカイン、例えばIL-2及びIFN、超抗原及びその変異体、TCR-HLA融合体及びケモカイン、例えばIL-8、血小板因子4、黒色腫増殖促進タンパク質など、抗体又はそのフラグメント、補体アクチベーター、異種性タンパク質ドメイン、同種性タンパク質ドメイン、ウイルス/細菌のタンパク質ドメイン、ウイルス/細菌のペプチド、並びに抗T細胞決定因子抗体(例えば抗CD3抗体又は抗CD28抗体)。
癌の治療のために、腫瘍又は転移の近傍での局在化は、トキシン又は免疫増強剤の効果を増強する。ワクチンの送達のために、ワクチン抗原を抗原提示細胞の近傍に局在化させることができ、よって、抗原の有効性を増大させることができる。上記の方法は、撮像目的にも適用できる。
本発明のscTCR又はdTCR (ヒト配列に対応する定常配列及び可変配列で構成されるのが好ましい)は、実質的に純粋な形で、又は精製若しくは単離された調製物として提供できる。例えば、これは、その他のタンパク質を実質的に含まない形で提供できる。
(a) ILA TCRのα及びβ鎖可変ドメインを含むTCRを作製し、ここでα及びβ鎖可変ドメインの一方又は両方は、請求項7及び8で同定される1又は複数のアミノ酸に変異を含み;
(b) 上記の変異TCRを、ILAKFLHWL-HLA-A*0201と、TCRのILAKFLHWL-HLA-A*0201への結合を可能にする適切な条件下で接触させ、
相互作用のKD及び/又はkoffを測定する
ことを含む。
本発明は、本発明の範囲をいかようにも限定しない以下の実施例においてさらに説明される。
添付の図面について以下に述べる。
図1a及び1bは、それぞれ、天然型ILA TCRのα鎖可変ドメインアミノ酸及びβ鎖可変ドメインアミノ酸の配列を示す。
図2a及び2bは、それぞれ、天然型ILA TCRのα鎖及びβ鎖の可溶性の種類のDNA配列を示す。
図4a及び4bは、それぞれ、非天然型ジスルフィド結合を形成するさらなるシステイン残基を含むように変異したILA TCRのα鎖及びβ鎖の可溶性の種類のDNA配列を示す。変異したコドンは、影をつけて示す。
図6は、高親和性ILA TCR変異形のα鎖可変ドメインアミノ酸配列を示す。
図7は、高親和性ILA TCR変異形のβ鎖可変ドメインアミノ酸配列を示す。
図8aは、TRACの可溶性の形のアミノ酸配列を示す。
図8bは、TRBC1の可溶性の形のアミノ酸配列を示す。TRBC2におけるものと異なるアミノ酸を強調している。
図8cは、TRBC2の可溶性の形のアミノ酸配列を示す。TRBC1におけるものと異なるアミノ酸を強調している。
図10は、pEX821プラスミドのDNA配列を示す。
図11は、pEX202プラスミドのDNA配列を示す。
図12は、pEX205プラスミドのDNA配列を示す。
図13は、さらなる高親和性ILA TCR変異形のα鎖可変ドメインアミノ酸配列を示す。
図15aは、c13c1 ILA TCRのα鎖のアミノ酸配列を示す。
図15bは、ペプチドリンカーを介して野生型ヒトIL-2に融合したc13c1 ILA TCRのβ鎖のアミノ酸配列を示す。TCRに高いpMHC親和性を付与する変異に下線を付す。TCR定常ドメインに導入されたシステイン残基を強調し、リンカー及びIL-2配列をイタリックで示す。
図17は、ILAKFLHWL-産生ユビキチンミニ遺伝子(±プロテオソーム阻害剤)でトランスフェクションしたJ82細胞のFAC染色を示す。
図18は、可溶性高親和性c13c1 ILA TCR-IL-2融合タンパク質による、ILA-1 T細胞クローンが媒介する、ILAKFLHWL-産生ユビキチンミニ遺伝子でトランスフェクションしたJ82細胞の死滅(killing)の阻害を示す。
図20aは、高親和性ILA TCR c13c1のβ鎖のTRBC2形を示す。(配列番号73) TRBC1のものと異なるアミノ酸を強調する。
図20bは、高親和性ILA TCR c13c1のβ鎖のTRBC2形を示す。(配列番号74) TRBC1のものと異なるアミノ酸を強調する。
図20cは、高親和性ILA TCR c13c1のβ鎖のTRBC2形を示す。(配列番号75) TRBC1のものと異なるアミノ酸を強調する。
図21bは、高親和性ILA TCR c13c1のβ鎖のTRBC1形を示す。(配列番号77) TRBC2のものと異なるアミノ酸を強調する。
図21cは、高親和性ILA TCR c13c1のβ鎖のTRBC1形を示す。(配列番号78) TRBC2のものと異なるアミノ酸を強調する。
RNA単離
全RNAを、10000のクローン性T細胞から、100μlのTRI Reagent (Sigma)に再懸濁し、溶解物を製造業者の使用説明に従って処理することにより単離した。最後の沈殿の後に、RNAを12.5μlのRNアーゼフリーの水に再溶解した。
上記のRNAのサンプルに、2.5μlの10 mM オリゴ-dT15 (Promega)を加え、サンプルを60℃で2分間インキュベートし、次いで氷上に置いた。OmniscriptRTキット(Qiagen)を用いて、2μlのRTバッファー(10×)、2μlの5 mM dNTP、1μlのOmniscript逆転写酵素を加えることにより逆転写を行った。サンプルを混合し、37℃で1時間インキュベートした。次いで、cDNAを-80℃で貯蔵した。
α鎖精製PCR産物をClaI及びSalIIで消化し、ClaI 及びXhoIで切断したpEX954 (図9を参照)にライゲーションした。
β鎖精製PCR産物をAseI及びAgeIで消化し、NdeI/AgeIで切断したpEX821 (図10を参照)にライゲーションした。
切断したPCR産物及び切断したベクターは、製造業者の使用説明に従ってRapid DNA Ligationキット(Roche)を用いてライゲーションした。
ライゲーションしたプラスミドを、コンピテント大腸菌XL1-blue株の細胞に形質転換し、100mg/mlアンピシリン含有LB/アガープレートに播種した。37℃で一晩インキュベーションした後に、単独のコロニーを採取し、100mg/mlアンピシリン含有10 ml LB中で振とうしながら37℃で一晩増殖させた。クローン化されたプラスミドを、Miniprepキット(Qiagen)を用いて精製し、挿入断片を、自動DNAシーケンサー(Lark Technologies)を用いて配列決定した。
図5a及び5bは、それぞれ、図4a及び4bのDNA配列から産生されるILA TCRα及びβ鎖細胞外アミノ酸配列を示す。
実施例1で記載されるようにして作製した可溶性ジスルフィド連結天然型ILA TCRは、ILAKFLHWL (配列番号35) -HLA-A*0201複合体に対する親和性が増大した本発明のTCRを産生するための鋳型として用いることができる。
簡単に、このことは、所望のコドン変更を組み込むプライマーと、突然変異誘発の鋳型として適切なTCR鎖を含有するプラスミドとを用いることにより達成される。
α鎖−c-junロイシンジッパー
構築物は、PCRステッチング(stitching)により作製した。
遺伝子の5'端について、高親和性TCRα鎖をコードしかつ導入される鎖間ジスルフィドブリッジのコードを含有するプラスミドを、鋳型として用いた。以下の2つのプライマー対を用いたPCRにより、所望の可変ドメインが得られた。
5'-TRAV21 fwd tctctcattaatgGGAATACAAGTGGAGCAGAGTCCT
(配列番号38)
C-alpha rev CGGCAGGGTCAGGGTTCTGG
(配列番号39)
C-alpha fwd CCAGAACCCTGACCCTGCCG
(配列番号40)
3'-alpha rev aagcttcccgggggaactttctgggctggg
(配列番号41)
得られたPCR産物を、制限酵素AseI及びXmaIを用いて消化して、NdeI及びXmaIで切断したpEX202にライゲーションした。
構築物は、PCRステッチングにより作製した。
遺伝子の5'端について、高親和性TCRβ鎖をコードしかつ導入される鎖間ジスルフィドブリッジを含有するプラスミドを鋳型として用いた。次の2つのプライマーを用いるPCRにより、所望の可変ドメイン遺伝子フラグメントを得た。
TRBV6-5 fwd tctctcattaatgaatgctggtgtcactcagacccc
(配列番号42)
C-beta rev CTTCTGATGGCTCAAACACAGC
(配列番号43)
C-beta fwd GCTGTGTTTGAGCCATCAGAAG
(配列番号44)
TRBC rev aagcttcccggggtctgctctaccccaggc
(配列番号45)
得られたPCR産物を、制限酵素AseI及びXmaIを用いて消化し、NdeI及びXmaIで切断したpEX205 (図12)にライゲーションした。
実施例1、2又は3のようにして作製した変異α鎖及びβ鎖をそれぞれ含む発現プラスミドを、大腸菌BL21pLysS株に別々に形質転換し、単独アンピシリン耐性コロニーを37℃にてTYP (アンピシリン100μg/ml)培地で0.4のOD600まで増殖させ、その後、0.5mM IPTGを用いてタンパク質の発現を誘導した。誘導の3時間後に、Beckman J-6B中で、4000rpmにて30分間の遠心分離により細胞を回収した。細胞ペレットを、50mM Tris-HCl、25% (w/v)スクロース、1mM NaEDTA、0.1% (w/v) アジ化Na、10mM DTT、pH 8.0を含有するバッファーに再懸濁した。一晩の凍結−融解工程の後に、再懸濁した細胞を、標準的な直径12mmのプローブを用いるMilsonix XL2020超音波破砕機で合計約10分間、1分間のバーストにて超音波破砕した。インクルージョンボディのペレットを、Beckman J2-21遠心分離機で13000rpmにて30分間の遠心分離により回収した。3回の洗浄剤での洗浄を行って細胞破片及び膜成分を除去した。各回においてインクルージョンボディのペレットをTritonバッファー(50mM Tris-HCl、0.5% Triton-X100、200mM NaCl、10mM NaEDTA、0.1% (w/v) アジ化Na、2mM DTT、pH 8.0)中でホモジナイズし、その後、Beckman J2-21で13000rpmにて15分間の遠心分離によりペレット化した。洗浄剤及び塩を、次のバッファー中での同様の洗浄により除去した:50mM Tris-HCl、1mM NaEDTA、0.1% (w/v) アジ化Na、2mM DTT、pH 8.0。最後に、インクルージョンボディを30 mgの一定量に分配し、-70℃で凍結した。インクルージョンボディタンパク質収率は、6M グアニジン-HClでの可溶化及びBradford 色素結合アッセイ(PerBio)での測定により定量した。
表面プラズモン共鳴バイオセンサ(BIAcore 3000(商標))を用いて、sTCRのそのペプチド-MHCリガンドへの結合を分析した。このことは、半配向された様式(semi-oriented fashion)でストレプトアビジン被覆結合表面に固定化された単一pMHC複合体(以下に記載)を作製することにより促進され、同時に4つまでの異なるpMHC (異なるフローセルに固定化された)への可溶性T細胞受容体の結合を効率的に試験することを可能にした。HLA複合体を手動で注入することにより、固定化されたクラスI分子のレベルを簡便に精密に処理することが可能となる。
WT ILA sTCRの段階希釈を調製し、2つの異なるフローセルに、5μl min-1の一定の流速で注入した。該フローセルの一方は約1000 RUの特異的ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体で被覆され、第二のものは約1000 RUの非特異的HLA-A2-ペプチド複合体で被覆されていた。コントロールセルからの測定を用いて、各濃度についての応答を標準化した。標準化したデータ応答を、TCRサンプルの濃度に対してプロットし、平衡結合定数KDを測定するために、双曲線に適合させた(Price & Dwek, Principles and Problems in Physical Chemistry for Biochemists (第2版) 1979, Clarendon Press, Oxford)。
高親和性TCRについて、KDを、解離速度定数kd及び会合速度定数kaを実験的に測定することにより決定した。平衡定数KDは、kd/kaとして算出した。
TCRを、一方が約300 RUの特異的ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体で被覆され、第二のものが約300 RUの非特異的HLA-A2-ペプチド複合体で被覆された2つの異なるセルに注入した。流速は、50μl/分に設定した。典型的には、250μlのTCRを約3μMの濃度で注入した。応答がベースラインに戻るまでバッファーを流した。動力学的パラメータは、Biaevaluationソフトウェアを用いて算出した。解離相を、半減期の計算を可能にする指数減少等式(single exponential decay equation)にも調和させた。
可溶性ジスルフィド連結天然型ILA TCRとILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体との間の相互作用は、上記の方法を用いて分析し、約25μMのKD、1.1×10-1 S-1のkoff及び0.18分の半減期を示した。
次の表に記載するTCRは、1μM以下のKD及び1×10-3 S-1又はそれより遅いkoffを有する。
ファージ粒子上にディスプレイされた天然型及び変異型のジスルフィド連結ILA TCRを用いた、以下の競合ELISAアッセイを用いて、これらの分子のILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体への親和性を評価した。
ELISAにおける、ILA TCRをディスプレイするファージ粒子の、固定化されたILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体への結合は、一次ウサギ抗-fd抗血清(Sigma)、次いでアルカリホスファターゼ(AP)結合抗ウサギmAb (Sigma)を、種々の量の可溶性ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体の存在下に用いて検出した。プレート内での非特異的タンパク質結合は、2% MPBS又は3% BSA-PBSを用いてブロックできる。
1. コーティングバッファー、PBS
2. PBS:138mM NaCl、2.7mM KCl、10mM Na2HPO4、2mM KH2PO4
3. MPBS、3% マーベル(marvel)-PBS
4. PBS-Tween:PBS、0.1% Tween-20
5. 基質溶液、Sigma FAST pNPP、Cat# N2770
1. NeutrAvidinでコートしたウェルをPBSで2回リンスする。
2. PBS中の10μg/mlの濃度のビオチン-HLA-A2 Tax又はビオチン-HLA-A2 NYESO 25μlを加え、室温にて30〜60分間インキュベートする。
3. ウェルをPBSで2回リンスする。
4. 300μlの3% マーベル-PBSを加え、室温にて1時間インキュベートする。TCR-ファージ懸濁物を1容量の3% マーベル-PBSと混合し、室温にてインキュベートする。
5. ウェルをPBSで2回リンスする。
6. ファージ-A6 TCR/マーベル-PBSと必要量の(20nM又は200nM)可溶性ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体との混合物25μlを加え、氷上で1時間インキュベートする。
8. マーベル-PBS中に1:1000で希釈した25μlの氷冷ウサギ抗-fd抗体を加え、氷上にて1時間インキュベートする。
9. ウェルを氷冷PBStweenで3回、及び氷冷PBSで3回リンスする。
10. マーベル-PBS中に1:50000で希釈した25μlの氷冷抗ウサギmAb-Apコンジュゲートを加え、氷上にて1時間インキュベートする。
11. ウェルを氷冷PBStweenで3回、及び氷冷PBSで3回リンスする。
12. 150μlのアルカリホスファターゼイエローを各ウェルに加え、405nmでシグナルを読み取る。
結果
T2リンパ芽球細胞に、テロメラーゼ由来ILAKFLHWL (540-548)ペプチドを、一連の濃度(10-5〜10-11M)で180分間、37℃にて適用した。適用の後に、細胞を、血清フリーRPMIで洗浄し、5×105細胞を高親和性c13c1 ILA TCR/IL-2融合タンパク質と10分間、室温にてインキュベートし、その後、PE (Serotec)とコンジュゲートした二次抗IL-2 mAbと15分間、室温にてインキュベートした。洗浄後、結合したTCR-IL-2を、FACSVantage SE (Becton Dickinson)を用いるフローサイトメトリにより定量した。ペプチドを適用したT2細胞を用いるコントロールも含めたが、TCR-IL-2は省略した。
図17は、ILAKFLHWL-産生ユビキチンミニ遺伝子(±プロテオソーム阻害剤)でトランスフェクションしたJ82細胞のFAC染色を示す。
次のアッセイは、可溶性高親和性c1c13 ILA-IL-2 TCRが、ILAKFLHWL-HLA-A*0201特異的CTLクローン(ILA-1)により媒介される細胞溶解を阻害できることを示すために行った。
ILAKFLHWLをコードするミニ遺伝子構築物でトランスフェクションしたJ82細胞を、プロテオソーム阻害剤(1.5μM エポキソミシン(epoxomicin)及び20μMカルパイン阻害剤I)で、又は阻害剤なしで、CTLアッセイの前に16時間処理した。
これらの標的細胞をトリプシンで37℃にて5分間処理した。次いで、細胞を洗浄し、Europium/DELFIAアッセイキット(Perkin Elmer)と共に供給された使用説明に従って、R10培地中に3μlのBATDA試薬/ 1×106細胞とともに再懸濁した。次いで、これらの細胞を37℃にて30分間インキュベートし、その後、1mMスルフィンピラゾンを補ったR10培地中で3回洗浄した。
以下のものを、上記の標的細胞培養物に加えた。
50μlのR10培地中の1×10-7 Mの高親和性c13c1 ILA TCR-IL-2融合タンパク質。
50μlのR10培地中の一連の細胞数のILAKFLHWL-HLA-A*0201特異的T細胞クローン(ILA-1)(100:1、30:1、10:1及び3:1のエフェクター:標的の比を与えるように)。
%細胞溶解= 100×(RFUExp − RFUSpont)/(RFUMax - RFUSpont)
(式中:
RFUは、相対蛍光単位であり、
RFUExpは、サンプルウェル中で測定されたRFU−細胞フリーバックグランドRFUであり、
RFUSpontは、いずれのエフェクター細胞も含有しないサンプルウェルで測定されたRFU−細胞フリーバックグランドRFUであり、
RFUMaxは、triton x-100が加えられたサンプルウェルで測定されたRFU−細胞フリーバックグランドRFUである)。
可溶性高親和性c13c1 ILA TCR-IL-2融合タンパク質は、プロテオソーム阻害剤処理がなくても、J82標的細胞のILA-1 T細胞クローン媒介死滅の著しい阻害を引き起こした(図18を参照)。
可溶性高親和性c1c13 ILA-IL-2 TCRがILAKFLHWL-HLA-A*0201特異的CTLクローン(ILA-1)の活性化を阻害できることを証明するために、次のアッセイを行った。IFN-γ産生は、CTL活性化の読み取り値として用いた。
R10アッセイ培地:10% FCS (熱不活化, Gibco, cat# 10108-165)、88% RPMI 1640 (Gibco, cat# 42401-018)、1%グルタミン(Gibco, cat# 25030-024)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco, cat# 15070-063)。
ペプチド:(種々の起源から入手) 最初にDMSO (Sigma, cat# D2650)中に4mg/mlで溶解し、凍結し、アッセイ培地中に200μMにし、一定の少量で凍結した。200μMペプチドの1つの一定量を、1回の実験のために融解することにより、ペプチドは2回の凍結−融解サイクルのみを受ける。
PBS (Gibco, cat#10010-015)。
ELISPOTプレートを、製造業者の使用説明に従って準備した(Diacloneキット, Immunodiagnostic systems, UK)。
LNCaP又はMCF-7癌細胞系統標的細胞を、トリプシンで37℃にて5分間処理した。次いで、細胞を洗浄し、1uM ILAKFLHWLペプチドを含むか又は含まないR10培地に再懸濁し、37℃、5%CO2にて1時間インキュベートした。
ウェル当たり50000の標的細胞を、96ウェルELISPOTプレートに播種した。
50μlのR10培地中に1×10-7 Mの高親和性c13c1 ILA TCR又は無関係の高親和性TCR。
50μlのR10培地中に500のILA-1エフェクター細胞。
次いで、プレートを37℃、5%CO2にて5時間インキュベートした。次いで、ELISPOTを製造業者の使用説明に従って行った。
可溶性高親和性c1c13 ILA TCRは、IFN-γ産生により測定して、MCF-7及びLNCaP癌細胞の両方に対して、ILA-1 T細胞クローンの活性化を強く阻害する。一方、無関係の可溶性高親和性TCRは、このT細胞クローンの活性化に対して影響がなかった(図19を参照)。
Claims (19)
- アミノ酸配列ILAKFLHWLを有するペプチドとクラスI HLA分子HLA-A*0201との複合体(ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体)への結合特性を有しかつ少なくとも1つのTCRα鎖可変ドメイン及び/又は少なくとも1つのTCRβ鎖可変ドメインを含むT細胞受容体(TCR)であって、
ILAKFLHWL-HLA-A * 0201複合体についてのKDが1μM以下であり、及び/又はILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についての解離速度(koff)が1×10-3 S-1又はそれより遅く、
(i)TCRα鎖可変ドメインにおいて、配列番号1の94S、95G、96T、97Y及び98Kに相当するアミノ酸のうちの1又は複数のアミノ酸が変異されており、及び/又は
(ii)TCRβ鎖可変ドメインにおいて、配列番号2の19M、50V、51G、52A、53G、54I、92A、93S、94S及び95Yに相当するアミノ酸のうちの1又は複数のアミノ酸が変異されている、TCR。 - 少なくとも1つの可変ドメイン枠組み構造領域が、天然型ILA TCRのα鎖可変ドメイン(配列番号1)及び/又はβ鎖可変ドメイン(配列番号2)に対して変異されている請求項1に記載のTCR。
- 配列番号1に示す番号を用いて、1又は複数のα鎖可変ドメインアミノ酸94A、94L、94Q、94T、94G、94R、94M、94H、94K、94E、94N、95L、95P、95I、95V、95M、96P、96M、97F、98G又は98Aを含む請求項1又は2に記載のTCR。
- 配列番号2に示す番号を用いて、1又は複数のβ鎖可変ドメインアミノ酸19V、50I、50L、50R、51H、51C、51W、52P、52W、52E、52V、53E、53S、53F、54Y、54V、54C、54E、54D、92G、93I、93L、93V、94Q及び95Pを含む請求項1〜3のいずれか1つに記載のTCR。
- 1又は複数の表現型サイレント置換を任意に含む配列番号11〜22又は50〜60に示すα鎖可変ドメインアミノ酸配列の1つを含む、ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についてのKDが1μM以下であり、及び/又はILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についての解離速度(koff)が1×10-3 S-1又はそれより遅い請求項1〜4のいずれか1つに記載のTCR。
- 1又は複数の表現型サイレント置換を任意に含む配列番号23〜31又は61〜70に示すβ鎖可変ドメインアミノ酸配列の1つを含む、ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についてのKDが1μM以下であり、及び/又はILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についての解離速度(koff)が1×10-3 S-1又はそれより遅い請求項1〜5のいずれか1つに記載のTCR。
- 1又は複数の表現型サイレント置換を任意に含む次の表に示すα及びβ鎖可変ドメインの対を含む、ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についてのKDが1μM以下であり、及び/又はILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についての解離速度(koff)が1×10-3 S-1又はそれより遅い請求項1〜6のいずれか1つに記載のTCR。
- 配列番号11に示すα鎖可変ドメインと配列番号23に示すβ鎖可変ドメインとを含み、1又は複数の表現型サイレント置換を任意に含む、ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についてのKDが1μM以下であり、及び/又はILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についての解離速度(koff)が1×10-3 S-1又はそれより遅い請求項1〜4のいずれか1つに記載のTCR。
- 配列番号32に示すα鎖定常領域アミノ酸配列、及び/又は配列番号33及び34に示すβ鎖定常領域アミノ酸配列の1つをさらに含み、1又は複数の表現型サイレント置換を任意に含む、ILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についてのKDが1μM以下であり、及び/又はILAKFLHWL-HLA-A*0201複合体についての解離速度(koff)が1×10-3 S-1又はそれより遅い請求項1〜8のいずれか1つに記載のTCR。
- TCRα鎖定常ドメイン細胞外配列のN-末端に融合したTCRα鎖可変ドメイン配列により構成された第一ポリペプチドと、
TCRβ鎖定常ドメイン細胞外配列のN-末端に融合したTCRβ鎖可変ドメイン配列により構成された第二ポリペプチドと
を含み、
前記第一ポリペプチドと前記第二ポリペプチドの前記定常ドメイン配列同士が、TRAC*01のエキソン1のThr 48から置換されたシステイン残基と、TRBC1*01若しくはTRBC2*01又はそれらの非ヒト等価物のエキソン1のSer 57から置換されたシステイン残基との間で、天然型αβT細胞受容体中のものと等価でないジスルフィド結合により連結している二量体TCR(dTCR)である請求項1〜9のいずれか1つに記載のTCR。 - 配列番号71のα鎖アミノ酸配列と配列番号73のβ鎖アミノ酸配列とからなる請求項1に記載のTCR。
- 少なくとも1種のポリアルキレングリコール鎖と結合している請求項1〜11のいずれか1つに記載のTCR。
- 治療剤又は検出可能部分が、一方又は両方のTCR鎖のC-末端に共有結合している請求項1〜12のいずれか1つに記載のTCR。
- 前記治療剤が、
(i)免疫エフェクター分子;
(ii)細胞毒性作用剤;及び
(iii)放射性核種
から選択される請求項13に記載のTCR。 - 前記治療剤が、IL-2である請求項13又は14に記載のTCR。
- 請求項1〜15のいずれか1つに記載のTCRを少なくとも2つ含む多価TCR複合体。
- 請求項1〜10のいずれか1つで規定されるTCRを提示する単離された細胞。
- 請求項1〜16のいずれか1つに記載のTCR若しくは多価TCR複合体、又は複数の請求項17に記載の細胞を医薬的に許容される担体と共に含む医薬組成物。
- 請求項1〜16のいずれか1つに記載のTCR若しくは多価TCR複合体、又は複数の請求項17に記載の細胞の、癌の治療用組成物の製造における使用。
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