JP5182035B2 - 鋼材の大気環境促進腐食試験方法 - Google Patents

鋼材の大気環境促進腐食試験方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5182035B2
JP5182035B2 JP2008296337A JP2008296337A JP5182035B2 JP 5182035 B2 JP5182035 B2 JP 5182035B2 JP 2008296337 A JP2008296337 A JP 2008296337A JP 2008296337 A JP2008296337 A JP 2008296337A JP 5182035 B2 JP5182035 B2 JP 5182035B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
corrosion
rust
feooh
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008296337A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010122085A (ja
Inventor
勇 鹿毛
進一 三浦
正次 村瀬
一章 京野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2008296337A priority Critical patent/JP5182035B2/ja
Publication of JP2010122085A publication Critical patent/JP2010122085A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5182035B2 publication Critical patent/JP5182035B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)

Description

本発明は、鋼材の大気環境促進腐食試験方法に関するものである。
耐候性鋼は、種々の大気環境で使用され、当該環境で発生するさびによって、耐食効果を期待される鋼材である。その耐食性能は腐食試験で評価される。最も一般的な耐食性評価方法は、実際の環境である屋外での暴露試験である。しかし、当該暴露試験は少なくとも、数年単位の長期間を必要とするために、材料評価の効率が著しく悪いという問題がある。
そこで、鋼材の耐食性を短期間で評価するために、種々の促進試験方法が開発されている.
最も多く行われている評価試験方法は,塩水噴霧による腐食促進効果を用いた乾湿繰り返し試験による評価方法であり、特許文献1など多数の方法が提案されている。
また、特許文献2では、エアーバブルなどによって塩分を発生させ、実環境で、直径数から数十の飛来海塩粒子が付着して、結露より凝縮して腐食が加速する機構を再現可能にすると共に、湿度を任意に調整可能とすることにより実環境に近い大気腐食試験をシミュレートできる実環境シミュレート大気腐食試験装置およびその方法が提案されている。
特許文献3では、鋼材の表面に硫酸塩を含む水溶液を塗布することにより、早期に耐候性保護さびを形成し、浮きさびや流れさびの発生を防ぐことができる保護性さび生成促進処理方法が提案されている。
特開2007−139484号公報 特開2006−258506号公報 特開2001−115270号公報
特許文献1に示された方法など、高濃度の塩分を供給することによる腐食促進効果を用いた乾湿繰り返し試験では、腐食速度は高くなるものの、高塩分環境で特有なさびの成分が多く生じ、実環境とは、さびの組成が異なるため、さびによる耐食効果を正しく評価することは、困難であった。
また、特許文献2に示された方法では、塩分の供給方法を、より現実に近づけてはいるものの、塩分による腐食促進試験には変わりがないという問題がある。
一方、特許文献3は、塩分を与えずにさびの生成を促進する技術が開示されているが、さびの成分の中で特定のα−FeOOHの形成のみを促進するものであり、鋼材が持つ耐食性能を評価する目的には使えないという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決した鋼材の大気環境促進腐食試験試験方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記した課題を解決すべく、なされたもので、以下のような構成をとる。
第一の発明は、腐食試験片の被試験面に予め付着させるさびとして、γ−FeOOH粒子および/またはFe粒子を総量で10g/m以上、100g/m以下付着した後に、試験片に連続的な温度変化を与え結露、乾燥を24Hrで1サイクルとし、複数サイクル繰り返して耐食性を評価することを特徴とする鋼材の大気環境促進腐食試験方法である。
第二の発明は、予め付着させるさびとして、γ−FeOOH粒子とFe粒子との組成比を10:90〜90:10としたことを特徴とする第一の発明に記載の鋼材の大気環境促進腐食試験方法である。
第三の発明は、予め付着させるさびとして、γ−FeOOH粒子、Fe粒子に対して、α−FeOOH粒子を組成比で30%以下添加することを特徴とする第一または第二の発明に記載の鋼材の大気環境促進腐食試験方法である。
第四の発明は、予め付着させるさびに、Cl量で0.1mass%以下の塩分を添加することを特徴とする第一ないし第三の発明のいずれかに記載の鋼材の大気環境促進腐食試験方法である。
本発明は、鋼材のさびを実際の大気環境の腐食メカニズムで早期に形成できるようにしたので、鋼材の耐食性が短期間で精度良く評価出来るようになった。また、短期間で評価できるため、材料開発や実構造物への適用が早期に判断できるという経済上の効果もある。
腐食試験片の被試験面に予め付着させるさびとしてのγ−FeOOH粒子およびFe粒子の添加量は、総量で10g/m以上添加していれば腐食は促進するが、多量に添加してもその効果は飽和するか、若干減少傾向となるので、上限は、100g/m以下の添加とするのが望ましい。
γ−FeOOH粒子およびFe粒子は、いずれを添加しても効果はあるが、各々の単体を添加するよりも混合添加したほうが、鋼材のさびの初期形成が促進されるのでγ−FeOOH粒子とFe粒子との組成比は、γ−FeOOH粒子:Fe粒子=10:90〜90:10の範囲となるようにするのが望ましい。
鋼材のさびの主成分であるα−FeOOHは、過剰に添加すると腐食促進効果を減少させるが、γ−FeOOH粒子およびFe粒子の総量に対して、組成比で30%以下の添加の場合は、腐食促進に対する阻害要因となることはない。
腐食試験片の被試験面に予め付着させるさびにClを添加すると、さびの組成が変化してしまうが、さび中にCl量で0.1mass%以下の添加であれば、塩分を添加しても、さびの耐食効果を損なうことはない。
本願の大気腐食試験方法を述べる。
腐食試験片の被試験面に予め付着させるさびは、γ−FeOOH粒子およびFe粒子を粉砕して質量比率を調整して、所定量秤量したのち、混合した。なお一部の試験では、
α−FeOOHやNaClを同様に秤量して混合した。
大気腐食試験には、雰囲気を結露、乾燥を繰り返し制御する恒温恒湿槽を用いた。乾湿繰り返しサイクルは、1日の気候変化を想定して24Hr周期で行った。 乾湿の移行時間は1Hrであり、これは12Hrの中に含まれる。従って、1サイクルは、
温度25°、湿度95%で12Hr、次いで温度40°、湿度40%で12Hrとして、大気腐食試験は12周間行った。
大気腐食試験後に「付着させたさび」と「鋼材表面に生成したさび」の両方を化学的に取り除いた後に秤量し、大気腐食試験前後の重量減少から、腐食減量を求めた。
さびを全く付着させない場合の腐食量を1として各試験体の腐食比率を求め、これを腐食促進度として、腐食促進度≧4 の場合を基準として腐食促進度を判定した。
表1は、予め付着させるγ−FeOOH粒子およびFe粒子の総量とその比率の影響を調べた結果である。
No.1〜28の本発明例では、予め付着させるさび量(γ−FeOOH粒子、Fe粒子の総量)をNo.1〜7、No.8〜14、No.15〜21、No.22〜28のグループに分けて、その量を徐々に増加させて腐食促進度を判定した。
予め付着させるさび量が増えると腐食促進度は増える傾向になるが、付着量40〜90g/m2では腐食促進度はほぼ安定した値となっている。また、No.1、7、8、14、15、21、22、28に示すように、γ−FeOOH粒子とFe粒子は単独添加よりも複合添加するほうが腐食促進度は増える傾向にあり、γ−FeOOH粒子とFe粒子は複合添加がより好ましいことがわかる。
No.1〜28は、本発明の範囲に属するので腐食促進度はいずれも4以上の値が得られた。
一方、比較例として、No.29にγ−FeOOH粒子とFe粒子を全く付着させない例を、No.30にはγ−FeOOH粒子とFe粒子を全く付着させないが、α−FeOOH粒子を付着させた例を示す。いずれも、本発明の範囲外であるので、腐食促進の効果は得られなかった。 同じく比較例として、No.31〜44は、γ−FeOOH粒子とFe粒子の総量がいずれも本発明の範囲外であるので、腐食促進の効果は得られなかった。
Figure 0005182035
表2は、α−FeOOH粒子の添加の影響、塩分添加の影響を調べた結果である。
No.51〜68の本発明例において、No.51〜59はα−FeOOH粒子の添加の腐食促進度に与える影響を調べたもので、予め付着させるさび量をNo.51〜53、No.54〜56、No.57〜59のグループに分けて、その量を徐々に増加させて、α−FeOOH粒子を10〜30%付着させた例を示す。α−FeOOH粒子の添加量が30%以下であれば、どのグループにおいても腐食促進の効果を阻害する影響は出ていないことが分かる。
同様に、No.60〜68についてもNo.60〜62、No.63〜65、No.66〜68の3グループについて、Cl濃度を3レベル設定して、塩分添加の影響を調べた。
塩分を添加するといずれのグループとも腐食が促進する傾向にあるので、Cl量は,0.1mass%以下とした。
比較例として、No.69にγ−FeOOH粒子とFe粒子を全く付着させない例を示す。このサンプルの腐食量を基準として腐食促進度を算定した。
Figure 0005182035

Claims (2)

  1. 腐食試験片の被試験面に予め付着させるさびとして、γ−FeOOH粒子およびFe粒子を、組成比で10:90〜90:10とし、総量で10g/m以上、100g/m以下、さらに、塩分をCl量で0.1mass%以下付着した後に、試験片に連続的な温度変化を与え結露、乾燥を24Hrで1サイクルとし、複数サイクル繰り返して耐食性を評価することを特徴とする耐候性鋼材の大気環境促進腐食試験方法。
  2. 予め付着させるさびとして、γ−FeOOH粒子、Fe粒子に対して、α−FeOOH粒子を組成比で30%以下添加することを特徴とする請求項1に記載の耐候性鋼材の大気環境促進腐食試験方法。
JP2008296337A 2008-11-20 2008-11-20 鋼材の大気環境促進腐食試験方法 Expired - Fee Related JP5182035B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008296337A JP5182035B2 (ja) 2008-11-20 2008-11-20 鋼材の大気環境促進腐食試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008296337A JP5182035B2 (ja) 2008-11-20 2008-11-20 鋼材の大気環境促進腐食試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010122085A JP2010122085A (ja) 2010-06-03
JP5182035B2 true JP5182035B2 (ja) 2013-04-10

Family

ID=42323553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008296337A Expired - Fee Related JP5182035B2 (ja) 2008-11-20 2008-11-20 鋼材の大気環境促進腐食試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5182035B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5659982B2 (ja) * 2010-11-29 2015-01-28 Jfeスチール株式会社 石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用耐食鋼の腐食試験方法及びそれを用いた船舶の使用寿命を予測する方法
JP5659732B2 (ja) * 2010-11-29 2015-01-28 Jfeスチール株式会社 石炭船および石炭・鉄鉱石兼用船ホールド用耐食鋼の腐食試験方法及びそれを用いた船舶の使用寿命を予測する方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08184549A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Nkk Corp 金属材料の耐食性評価方法
JP4119814B2 (ja) * 2003-04-18 2008-07-16 新日本製鐵株式会社 耐候性に優れた鋼材
JP4867303B2 (ja) * 2005-11-16 2012-02-01 Jfeスチール株式会社 金属材の耐食性評価方法と金属材、並びに金属材の腐食促進試験装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010122085A (ja) 2010-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ivaskova et al. Air pollution as an important factor in construction materials deterioration in Slovak Republic
CN110823792A (zh) 一种低合金耐蚀钢大气腐蚀的寿命评估方法
Jiang et al. Effects of Deoxyribonucleic acid on cement paste properties and chloride-induced corrosion of reinforcing steel in cement mortars
JP4867303B2 (ja) 金属材の耐食性評価方法と金属材、並びに金属材の腐食促進試験装置
JP7043823B2 (ja) 腐食試験方法
JP5182035B2 (ja) 鋼材の大気環境促進腐食試験方法
Otsuki et al. Effect of blast furnace slag powder and fly ash on durability of concrete mixed with seawater
Zafeiropoulou et al. Carbonation resistance and anticorrosive properties of organic coatings for concrete structures
Striegel et al. Air pollution, coatings, and cultural resources
Nazemi et al. Evaluation of acid diffusion behaviour of amine-cured epoxy coatings by accelerated permeation testing method and prediction of their service life
Kaya et al. Thermal and mechanical properties of concretes with styropor
JP2006053122A (ja) 鋼材の寿命予測方法、鋼材及び構造物の設計方法
JP2000314699A (ja) 鋼材の耐候性の評価方法
JP2005241400A (ja) 屋内使用鋼板の耐食性評価方法
JP5176927B2 (ja) 高湿潤環境における鋼材の腐食促進試験方法
Zhang et al. Double exponential decay empirical model for indoor building materials TVOC emissions
Norvaišienė et al. Durability tests on painted facade rendering by accelerated ageing
Bick et al. Minimizing wind erosion using microbial induced carbonate precipitation
Ji et al. Study and prediction for the fire resistance of acid corroded intumescent coating
Liu et al. The Effect of Wet and Dry Cycles on the Strength and the Surface Characteristics of Coromandel Lacquer Coatings
Castañeda et al. Atmospheric corrosion on steel reinforced concrete in a coastal city located in a tropical island
Kozicki et al. Prevention of airborne dust from petroleum coke stockpiles
Wachsmann et al. Life time prediction for concrete repair measures
Han et al. A Capillarity-dependent Model for Prediction of Chloride Penetration Process into Concrete in Artificial Splash Test
Hartell Investigating various test methods for assessing the effect of sulfate attack on concrete properties

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110824

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121231

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5182035

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees