図1は、実施例1の情報検索装置内部の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す情報検索装置1は、ニュースや番組等の情報及び、その情報のメタデータを取得する情報取得部11と、検索対象の情報を検索するための検索条件を記憶した検索条件データベース12と、検索条件データベース12を管理する嗜好管理部13とを有している。
尚、番組のメタデータ(EPG)は、その番組に関し、放送開始日時、放送長、放送局、ジャンル、タイトル、説明や配信期限等のデータを含むものである。また、ニュースのメタデータは、そのニュースに関し、配信開始日時、配信元、ジャンル、タイトル、説明や配信期限等のデータを含むものである。
また、情報取得部11は、番組のメタデータの場合、例えば、到来する放送電波やネットワークから取得すると共に、ニュースのメタデータの場合、例えば、ネット動画やニュースの配信元から取得するものである。
また、嗜好管理部13は、ユーザ側の入力操作に応じて明示的にキーワード等を取得すると共に、ユーザの操作履歴(番組の視聴や録画、ニュースの閲覧等)から自動的にキーワード等を取得し、取得したキーワードを検索条件として検索条件データベース12に記憶するものである。尚、嗜好管理部13は、操作履歴から自動的にキーワードを取得する場合、操作履歴中の操作対象の情報のメタデータを解析し、重要なキーワード、ジャンルや放送長等の検索条件を取得するものである。
また、情報検索装置1は、情報取得部11にて取得した検索対象の情報のメタデータ毎に、検索対象の情報の評価項目を総合的に評価し、ユーザ側に情報を推奨する推奨度を提供する情報推奨部14と、情報推奨部14で使用する評価項目毎の各評価スコアの重み付けに使用する優先度を記憶した優先度管理テーブル15と、優先度管理テーブル15を管理する優先度管理部16とを有している。
情報推奨部14は、検索対象の情報に関し、ユーザ主観の嗜好性を評価する嗜好性評価スコアを算出する嗜好性評価部31と、検索対象の情報に関し、世論の客観的な話題性を評価する話題性評価スコアを算出する話題性評価部32と、検索対象の情報に関し、情報の新規性を評価する新規性評価スコアを算出する新規性評価部33とを有している。
嗜好性評価部31は、例えば、ベクトル空間法を使用し、検索対象の情報のメタデータと嗜好管理部13の検索条件とを解析し、検索対象の情報のインデックス(ベクトル)及び検索条件のインデックス(ベクトル)を作成するものである。尚、メタデータの解析は、メタデータ内のタイトル、説明やジャンル等のテキストを形態素解析やn−gram解析でキーワードに分解するものである。
嗜好性評価部31は、キーワードに分解した後、各キーワードの出現頻度等の統計量を用いて重み付けし、検索対象の情報のインデックス(ベクトル)及び検索条件のインデックス(ベクトル)を作成するものである。
統計量は、例えば、TF(Term Frequency)やDF(Document Frequency)を用いてTF/DFで算出するものである。また、TFは、情報のメタデータ内のテキスト中に特定のキーワードが出現する頻度を表し、DFは、検索対象や検索条件等の全ての情報に対して、特定のキーワードを含む情報の数を表すものである。
また、ベクトル空間法は、分解抽出したキーワードをベクトルの基底とし、各キーワードの統計量を、そのベクトルの要素の値とするものである。
図2は、嗜好性評価スコアの算出方法を概念的に示す説明図、図3は、新規性評価スコアの算出方法を概念的に示す説明図である。
嗜好性評価部31は、図2に示すように、検索対象の情報のインデックス(ベクトル)と嗜好の検索条件のインデックス(ベクトル)との類似度で嗜好性評価スコアを算出するものである。尚、ベクトル同士の類似度は、両ベクトルの内積、なす角度若しくは相関関係で表現し、ユーザの嗜好に合う情報ほど、その類似度は高くなるものである。
また、話題性評価部32は、嗜好性評価と同様に、ベクトル空間法を使用し、検索対象の各情報のインデックス(ベクトル)を作成し、これら作成したベクトル同士で類似度を算出し、類似度が規定値以上の場合、これらの情報を同一話題と判断し、その類似度と、その件数とを保存するものである。
更に、話題性評価部32は、保存中の類似度の平均値と、LOG関数等で調整評価した件数とを掛け合わせて、話題性評価スコアを算出するものである。
また、新規性評価部33は、図3に示すように、検索対象の情報の放送日時や配信日時と、例えば、評価を行う評価日時との差分に基づき、その放送日時や配信日時が評価日時に近いほど新規性が高いものと評価し、評価日時を基準として(f(x|x=評価日時)=1.0)、配信日時や放送開始日時が評価日時に近いほど指数関数的にf(x|x=評価日時)=1.0へ近づく評価関数を定めて、そのf(x)を新規性の評価スコアとするものである。
例えば、新規性評価部33では、ニュースの場合、ニュースの配信日時が評価日時に近い程、新しいニュースであり、新規性が高いと評価する。逆に、ニュースの配信日時が評価日時から離れている程、古いニュースであり、新規性が低いと評価するものである。
尚、番組の場合、新規性評価部33では、番組の放送日時が評価日時に近い程、すぐに放送される番組であり、新規性が高いと評価する。逆に、放送日時が評価日時から離れている程、しばらくしてから放送される番組であり、新規性が低いものと評価するものである。尚、番組の放送日時は、放送終了後の放送日時ではなく、放送開始日時を比較対象とするものである。
情報推奨部14は、嗜好性評価部31にて算出した嗜好性評価スコア、話題性評価部32にて算出した話題性評価スコア、新規性評価部33にて算出した新規性評価スコア、優先度管理テーブル15に記憶中の評価スコア毎の優先度に基づき、情報の推奨度を算出する推奨度算出部34を有している。
推奨度算出部34は、評価スコア毎に優先度を重み付けし、嗜好性評価スコア×優先度α+話題性の評価スコア×優先度β+新規性の評価スコア×優先度γの数式で、情報の推奨度を算出するものである。尚、評価スコア毎の優先度は、後述するように、固定ではなく、動的に変更するものである。
また、図1に示す情報検索装置1は、情報推奨部14の推奨結果を画面表示する推奨結果表示部17と、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果の情報に対するユーザ操作を検出する操作検出部18と、操作検出部18にて検出したユーザ操作に関わる推奨結果の情報に関し、ユーザ側で注目する評価項目、すなわち注目評価項目を検出する注目評価検出部19と、注目評価検出部19にて検出した検出結果を記憶する注目評価管理テーブル20とを有している。
図4は、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果を端的に示す説明図である。
推奨結果表示部17は、図4に示すように、検索対象の各情報に関わる推奨結果40を画面表示し、その推奨結果40には、推奨度、嗜好性評価スコア、話題性評価スコア、新規性評価スコア、ニュースID(番組ID)、配信日時、ジャンルやニュースタイトル(番組タイトル)、推奨度に基づく順位を有している。
推奨結果表示部17は、推奨度の高い順に、検索対象の情報に関わる推奨結果40を一覧表示するものである。尚、推奨結果表示部17では、その設定に応じて、推奨結果40を推奨度の低い順に並べ替えることや、一覧表示することなく、その推奨結果40を情報単位で順次表示するようにしても良いことは言うまでもない。
また、操作検出部18は、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40の情報に対する閲覧、保存、番組の視聴予約、視聴予約録画、コピー、移動や参照等のユーザ操作を検出すると、その推奨結果40に関わる情報に対して操作内容に応じた処理動作を実行するものである。
また、操作検出部18は、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果の情報に対するユーザ操作を検出すると、その情報の操作履歴を注目評価検出部19に通知するものである。尚、操作履歴には、その操作の内容を示す操作内容と、その操作日時とを有している。
注目評価検出部19は、操作検出部18からの操作履歴を取得すると、推奨結果表示部17から画面表示中の操作に関わる情報の推奨度、嗜好性評価スコア、話題性評価スコア及び新規性評価スコア等の評価スコアを取得するものである。
注目評価検出部19は、操作検出部18からの操作履歴と、推奨結果表示部17からの操作対象の情報に関わる推奨度及び評価スコアとを取得すると、これら操作履歴、推奨度及び評価スコアを含む操作履歴情報を注目評価管理テーブル20に記憶するものである。
また、注目評価管理テーブル20には、操作履歴情報を記憶する操作履歴情報テーブル20Aと、後述する操作回数を記憶する操作回数テーブル20Bとを有している。
図5は、注目評価管理テーブル20内の操作履歴情報テーブル20Aのテーブル内容を端的に示す説明図である。
図5に示す操作履歴情報テーブル20Aには、各操作対象の情報に関わる操作履歴情報を記憶し、操作履歴情報には、その操作履歴を識別する履歴番号と、その操作履歴の情報に関わるニュースID(番組ID)と、その操作の内容を示す操作内容と、その操作日時と、その操作履歴の情報に関わる推奨度と、その情報の嗜好性評価スコア、話題性評価スコア及び新規性評価スコア等の評価スコア等とを有している。
図6は、注目評価管理テーブル20内の操作回数テーブル20Bのテーブル内容を端的に示す説明図である。
図6に示す操作回数テーブル20Bには、操作回数情報を記憶し、操作回数情報には、累計操作回数Mと、後述する嗜好性評価の注目度を示す嗜好性注目評価回数Pと、後述する話題性評価の注目度を示す話題性注目評価回数Tと、後述する新規性評価の注目度を示す新規性注目評価回数Nとを有している。
注目評価検出部19は、操作検出部18から操作履歴を取得すると、操作回数テーブル20Bに記憶中の累計操作回数を+1インクリメント(カウント)するものである。
図7は、注目評価検出部19の動作概念を端的に示す説明図である。
注目評価検出部19は、推奨結果表示部17からユーザ操作の情報に関わる推奨度及び評価スコアを取得すると、図7に示すように、嗜好性評価スコア、話題性評価スコア及び新規性評価スコアに基づき、評価スコア同士を比較し、その比較結果に基づき、最大値の評価スコアの評価項目を、ユーザが注目している注目評価項目と判断し、その注目評価項目に対応する操作回数テーブル20B内の注目評価回数を+1インクリメント(カウント)するものである。
つまり、注目評価検出部19は、図7(A)及び(B)に示すように、評価スコアの内、新規性評価スコアが最大値の場合、その新規性評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断し、操作回数テーブル20B内の新規性注目評価回数を+1インクリメントするものである。
また、注目評価検出部19は、評価スコア同士を比較し、その比較結果に基づき、図7(C)に示すように、最大値の評価スコアがなかった場合、ユーザが注目している注目評価項目はなしと判断するものである。
尚、注目評価検出部19では、注目評価管理テーブル20を管理制御し、注目評価管理テーブル20の操作履歴情報テーブル20Aでの記憶管理条件として、その操作履歴情報テーブル20Aに対する操作履歴情報の記憶日時から所定期間を経過した場合、所定期間を経過した操作履歴情報を操作履歴情報テーブル20Aから削除すると共に、その操作履歴情報の削除に応じて、操作回数テーブル20Bに記憶中の累計操作回数Mや評価項目毎の注目評価回数P,T,Nを再計算するものである。
また、累計操作回数及び注目評価回数の再計算とは、例えば、話題性の注目評価項目と判断した操作履歴情報を削除した場合、累計操作回数Mから−1回、話題性注目評価回数Tから−1回を減じるものである。また、例えば、注目評価項目なしと判断した操作履歴情報を削除した場合、その再計算とは、累計操作回数Mから−1回を減じ、注目評価回数P,T,Nを維持するものである。
また、図1に示す情報検索装置1は、優先度管理テーブル15に記憶中の評価スコア毎の優先度を更新する優先度設定部23を有している。
優先度設定部23は、注目評価検出部19を通じて注目評価管理テーブル20内の操作回数テーブル20Bから累計操作回数M、嗜好性注目評価回数P、話題性注目評価回数T及び新規性注目評価回数Nを取得すると、これら累計操作回数M、嗜好性注目評価回数P、話題性注目評価回数T及び新規性注目評価回数Nに基づき、評価項目毎の各評価スコアの優先度α、β、γを夫々算出するものである。
尚、優先度は、ユーザが次に操作する際、操作する可能性を予測した評価項目毎の確率を表すものである。
優先度設定部23は、ベルヌーイ試行のベイズ推定を応用し、評価項目数X、累計操作回数M、評価項目iの注目評価回数E(i)(例えば、嗜好性注目評価回数P、話題性注目評価回数T、新規性注目評価回数N)、全評価項目の注目評価回数の総数S(=P+T+N)、注目評価検出部19にて注目評価項目なしと判断した回数(M−S)とした場合、評価項目iの優先度=(1+E(i)+(M−S)/X)/(X+M)の数式で算出するものである。
尚、注目評価項目なしと判断した回数(M−S)は、各評価項目に均等に注目したものと考え、その回数を評価項目数Xで除算した(M−S)/Xを優先度算出対象の評価項目iの注目評価回数E(i)へ加算するものである。
優先度設定部23は、例えば、嗜好性の優先度αを(1+P+(M−S)/3)/(3+M)の数式、話題性の優先度βを(1+T+(M−S)/3)/(3+M)の数式、新規性の優先度γを(1+N+(M−S)/3)/(3+M)の数式で夫々算出するものである。
図8は、実施例1の累計操作回数M及び注目評価回数E(i)と優先度との関係を端的に示す説明図である。
情報検索装置1の初期状態においては、評価項目数Xを“3”、累計操作回数Mを“0”、嗜好性注目評価回数Pを“0”、話題性注目評価回数Tを“0”、新規性注目評価回数Nを“0”とした場合、嗜好性の優先度αは、(1+0+(0−0)/3)/(3+0)≒0.33、同様に、話題性の優先度βは、(1+0+(0−0)/3)/(3+0)≒0.33、同様に、新規性の優先度γは、(1+0+(0−0)/3)/(3+0)≒0.33となる。
また、累計操作回数Mを“10”、嗜好性注目評価回数Pを“0”、話題性注目評価回数Tを“0”、新規性注目評価回数Nを“8”とした場合、嗜好性の優先度αは、(1+0+(10−8)/3)/(3+10)≒0.13、同様に、話題性の優先度βは、(1+0+(10−8)/3)/(3+10)≒0.13、また、新規性の優先度γは、(1+8+(10−8)/3)/(3+10)≒0.74とし、新規性に注目することになる。
また、累計操作回数Mを“10”、嗜好性注目評価回数Pを“4”、話題性注目評価回数Tを“1”、新規性注目評価回数Nを“3”とした場合、嗜好性の優先度αは、(1+4+(10−8)/3)/(3+10)≒0.44、話題性の優先度βは、(1+1+(10−8)/3)/(3+10)≒0.21、新規性の優先度γは、(1+3+(10−8)/3)/(3+10)≒0.36とし、嗜好性及び新規性に注目することになる。
また、累計操作回数Mを“10”、嗜好性注目評価回数Pを“3”、話題性注目評価回数Tを“3”、新規性注目評価回数Nを“4”とした場合、嗜好性の優先度αを(1+3+(10−10)/3)/(3+10)≒0.31、話題性の優先度βを(1+3+(10−10)/3)/(3+10)≒0.31、新規性の優先度γを(1+4+(10−10)/3)/(3+10)≒0.38とし、均等に注目することになる。
優先度設定部23は、嗜好性の優先度α、話題性の優先度β及び新規性の優先度γを夫々算出すると、これら評価項目毎の優先度を、優先度管理部16を通じて優先度管理テーブル15内に更新するものである。
次に、実施例1の情報検索装置1の動作について説明する。図9は、実施例1の推奨度提供処理に関わる情報推奨部14の処理動作を示すフローチャートである。
図9に示す推奨度提供処理では、ユーザの嗜好性、話題性及び新規性を総合的に評価して検索対象の情報の推奨度を順次算出し、各情報の推奨結果40をユーザに提供する処理である。
図9において情報推奨部14は、情報取得部11を通じて、検索対象の情報と、その情報のメタデータとを取得する(ステップS11)。尚、情報推奨部14では、これら取得した検索対象の情報及びメタデータを一時的に記憶するものである。
情報推奨部14は、嗜好管理部13を通じて嗜好性を評価するための検索条件を取得する(ステップS12)。
情報推奨部14は、検索対象の情報と検索条件とのインデックスを夫々作成し(ステップS13)、優先度管理部16を通じて優先度管理テーブル15に記憶中の評価項目毎の優先度、例えば嗜好性の優先度α、話題性の優先度β及び新規性の優先度γを取得する(ステップS14)。
情報推奨部14は、検索対象の全情報に対する推奨度の算出が終了したか否かを判定する(ステップS15)。
情報推奨部14内部の嗜好性評価部31は、検索対象の全情報に対する推奨度の算出が終了していない場合(ステップS15否定)、検索対象の情報のベクトルと検索条件のベクトルとの類似度に基づき嗜好性評価スコアを算出する(ステップS16)。尚、嗜好性評価部31は、検索対象の情報のベクトルと検索条件のベクトルとの内積(なす角度若しくは相関係数)でベクトル同士の類似度を算出し、この算出した類似度に基づき嗜好性評価スコアを算出するものである。
更に、情報推奨部14内部の話題性評価部32は、検索対象の各情報のインデックス(ベクトル)を夫々作成し、検索対象の各情報のベクトル同士の類似度に基づき話題性評価スコアを算出する(ステップS17)。尚、話題性評価部32は、検索対象の各情報のベクトル同士の内積(なす角度若しくは相関係数)でベクトル同士の類似度を算出し、この算出した類似度に基づき話題性評価スコアを算出するものである。
更に、情報推奨部14内部の新規性評価部33は、基準となる評価日時に最も近い放送開始日時や配信日時の評価スコアが高くなる新規性評価スコアを算出する(ステップS18)。
更に、情報推奨部14内部の推奨度算出部34は、嗜好性評価スコア、話題性評価スコア及び新規性評価スコア、嗜好性の優先度α、話題性の優先度β及び新規性の優先度γに基づき、嗜好性評価スコア×優先度α+話題性評価スコア×優先度β+新規性評価スコア×優先度γの数式で情報の推奨度を算出し(ステップS19)、全検索対象の情報に対する推奨度の算出が終了したか否かを判定すべく、ステップS15に移行する。
情報推奨部14は、ステップS15にて検索対象の全情報に対する推奨度の算出が終了した場合(ステップS15肯定)、検索対象の全情報に対する推奨度、評価項目毎の評価スコア、ニュースID(番組ID)、配信日時、ジャンル及びニュースタイトルを推奨結果として推奨結果表示部17に画面表示し(ステップS20)、図9に示す処理動作を終了する。その結果、ユーザは、推奨結果表示部17に画面表示中の検索対象の全情報に関わる推奨結果40に基づき、各情報の推奨度を認識することができると共に、その推奨結果40に対する情報のユーザ操作を可能にするものである。
図9に示す推奨度提供処理では、検索対象の情報毎に、評価項目毎の評価スコアを算出し、更に、評価項目毎の評価スコアに対応した優先度を取得し、評価項目毎の評価スコア及び優先度に基づき、嗜好性評価スコア×優先度α+話題性評価スコア×優先度β+新規性評価スコア×優先度γの数式で、検索対象の各情報に関わる推奨度を算出するようにしたので、ユーザの嗜好性、話題性及び新規性に対応した検索対象の情報の推奨度を算出することができる。
さらに、推奨度提供処理では、検索対象の全情報に関わる推奨度を含む推奨結果40を推奨結果表示部17に画面表示するようにしたので、ユーザは、推奨結果表示部17に画面表示中の検索対象の全情報に関わる推奨結果40に基づき、ユーザ意図に反映した各情報の推奨度を認識することができる。
次に、情報検索装置1内部の注目評価検出部19の動作について説明する。図10は、実施例1の注目評価検出処理に関わる注目評価検出部19の処理動作を示すフローチャートである。
図10に示す注目評価検出処理では、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40の情報に対するユーザ操作を検出すると、その情報の推奨結果40から評価項目毎の評価スコアを取得し、この評価スコアの比較結果に基づき、ユーザ操作傾向に対応した注目の評価項目を検出するための処理である。
図10において注目評価検出部19は、推奨結果表示部17にて画面表示中の推奨結果40に関わる情報のユーザ操作を検出すると、その情報から評価項目毎の各評価スコアを取得する(ステップS31)。尚、注目評価検出部19は、ユーザ操作の情報に関する嗜好性評価スコア、話題性評価スコア及び新規性評価スコアを取得するものである。
注目評価検出部19は、評価項目毎の各評価スコアを取得すると、評価スコア間を比較し、評価スコア間に差分があるか否かを判定する(ステップS32)。
注目評価検出部19は、評価スコア間に差分がある場合(ステップS32肯定)、全ての評価スコアの内、最大値の評価スコアを抽出する(ステップS33)。尚、例えば、注目評価検出部19は、図7(A)の場合、最大値として新規性評価スコアを抽出することになる。
注目評価検出部19は、最大値の評価スコアを抽出すると、最大値の評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断し(ステップS34)、注目評価項目に対応する注目評価回数を+1インクリメントし(ステップS35)、図10に示す処理動作を終了する。尚、図7(A)の場合、新規性評価スコアの評価項目に対応する新規性注目評価回数を+1インクリメントするものである。
また、注目評価検出部19は、ステップS32にて評価スコア間に差分がない場合(ステップS32否定)、図7(C)に示すように、最大値の評価スコアがなく、注目評価項目なしと判断し、図10に示す処理動作を終了する。
図10に示す注目評価検出処理では、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40の情報に対するユーザ操作を検出すると、その情報の推奨結果40から各評価スコアを取得し、これら取得した評価スコアの内、最大値の評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断し、この評価項目の注目評価回数を+1インクリメントするようにしたので、ユーザ操作傾向からユーザ注目の評価項目を自動集計することができる。
次に、情報検索装置1内部の優先度設定部23の動作について説明する。図11は、実施例1の優先度更新処理に関わる優先度設定部23の処理動作を示すフローチャートである。
図11に示す優先度更新処理は、注目評価検出部19にて検出した評価項目毎の注目評価回数P,T,N及び累計操作回数Mに基づき、評価項目毎の優先度α、β、γを算出し、算出した優先度を優先度管理部16に更新する処理である。
優先度設定部23は、注目評価検出部19を通じて注目評価管理テーブル20内の操作回数テーブル20Bに記憶中のユーザ側の累計操作回数Mを取得する(ステップS41)。
優先度設定部23は、注目評価検出部19を通じて注目評価管理テーブル20内の操作回数テーブル20Bに記憶中の評価項目毎の注目評価回数、例えば、嗜好性注目評価回数P、話題性注目評価回数T及び新規性注目評価回数Nを取得する(ステップS42)。
優先度設定部23は、評価項目毎の注目評価回数を取得すると、累計操作回数Mから全評価項目毎の全注目評価回数Sを差分し、その差分結果を、注目評価項目なしと判断された回数として算出する(ステップS43)。尚、全注目評価回数Sは、P+T+Nで算出するものである。
優先度設定部23は、(1+P+(M−S)/3)/(3+M)の数式で、嗜好性の評価項目に対応した優先度αを算出する(ステップS44)。
更に、優先度設定部23は、(1+T+(M−S)/3)/(3+M)の数式で、話題性の評価項目に対応した優先度βを算出する(ステップS45)。
更に、優先度設定部23は、(1+N+(M−S)/3)/(3+M)の数式で、新規性の評価項目に対応した優先度γを算出する(ステップS46)。
そして、優先度設定部23は、ステップS44にて算出した嗜好性の評価項目に対応した優先度α、ステップS45にて算出した話題性の評価項目に対応した優先度β、ステップS46にて算出した新規性の評価項目に対応した優先度γを、優先度管理部16を通じて優先度管理テーブル15内に更新し(ステップS47)、図11に示す処理動作を終了する。
図11に示す優先度更新処理では、推奨結果に対するユーザ側の累計操作回数M、評価項目毎の注目評価回数P,T,Nに基づき、嗜好性の評価項目、話題性の評価項目及び新規性の評価項目に対応した優先度α,β,γを夫々算出し、これら算出した嗜好性、話題性及び新規性の評価項目に対応した優先度α,β,γを優先度管理部16で管理する優先度管理テーブル15に更新するようにしたので、ユーザ操作傾向からユーザ注目の評価項目に対応した優先度を動的に設定変更することができる。
また、優先度更新処理では、評価スコアに対応した優先度を算出する際、注目評価回数P,T,Nだけでなく、注目評価項目なしと判断した回数(M−S)を考慮することで、注目評価回数P,T,Nの変化に対する優先度の変化が急峻にならず、ユーザ操作傾向に応じて各評価項目に対応した優先度を徐々に反映させることができる。
図12は、実施例1の注目評価項目の検出及び優先度の変化の関係を端的に示す説明図である。
図12において優先度設定部23は、注目評価検出部19にて新規性の注目評価項目を検出すると(ステップS51)、新規性の優先度γが増加、嗜好性及び話題性の優先度α、βが減少し、これら優先度を優先度管理テーブル15に更新する。
次に、優先度設定部23は、注目評価検出部19にて新規性の注目評価項目を検出すると(ステップS52)、新規性の優先度γが増加、嗜好性及び話題性の優先度α、γが減少し、これら優先度を優先度管理テーブル15に更新する。
次に、優先度設定部23は、注目評価検出部19にて嗜好性の注目評価項目を検出すると(ステップS53)、嗜好性の優先度αが増加、新規性及び話題性の優先度β、γが減少し、これら優先度を優先度管理テーブル15に更新する。
次に、優先度設定部23は、注目評価検出部19にて嗜好性の注目評価項目を検出すると(ステップS54)、嗜好性の優先度αが増加、新規性及び話題性の優先度β、γが減少し、これら優先度を優先度管理テーブル15に更新する。
次に、優先度設定部23は、注目評価検出部19にて注目評価項目なしを検出すると(ステップS55)、嗜好性、新規性及び話題性の優先度α、β、γを増減することなく、そのまま維持する。
更に、優先度設定部23は、注目評価検出部19にて話題性の注目評価項目を検出すると(ステップS56)、話題性の優先度βが増加、嗜好性及び新規性の優先度α、γが減少し、これら優先度を優先度管理テーブル15に更新する。
つまり、優先度設定部23は、注目評価検出部19の評価項目毎の注目評価項目(注目評価回数)に応じて優先度を動的に変更することになる。
その結果、情報推奨部14は、検索対象の情報に対する全評価スコア(嗜好性評価スコア、話題性評価スコア及び新規性評価スコア)を算出すると共に、優先度管理部16に記憶中の評価項目毎の優先度α,β,γを取得し、嗜好性評価スコア×優先度α+話題性評価スコア×優先度β+新規性評価スコア×優先度γの数式で検索対象の各情報の推奨度を算出し、その各情報の推奨結果を推奨結果表示部17に画面表示する。
実施例1では、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40の情報に対するユーザ操作を検出すると、その情報の推奨結果40から各評価スコアを取得し、これら取得した評価スコアの内、最大値の評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断し、この評価項目の注目評価回数を+1インクリメントし、累積操作回数及び評価項目毎の注目評価回数に基づき評価項目毎の優先度を算出するようにしたので、情報を検索する際、ユーザの操作傾向に応じて評価項目毎の優先度をユーザ個人単位で適切に設定し、ユーザ意図を反映した情報検索が可能になる。
実施例1では、検索対象の情報毎に、評価項目毎の評価スコアを算出し、更に、評価項目毎の評価スコアに対応した優先度を取得し、評価項目毎の評価スコア及び優先度に基づき、嗜好性評価スコア×優先度α+話題性評価スコア×優先度β+新規性評価スコア×優先度γの数式で、検索対象の各情報に関わる推奨度を算出するようにしたので、ユーザの嗜好性、話題性及び新規性に対応した検索対象の情報の推奨度を算出することができる。
また、実施例1では、検索対象の全情報に関わる推奨度を含む推奨結果40を推奨結果表示部17に画面表示するようにしたので、ユーザは、推奨結果表示部17に画面表示中の検索対象の全情報に関わる推奨結果40に基づき、各情報の推奨度を認識することができる。
また、実施例1では、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40の情報に対するユーザ操作を検出すると、その情報の推奨結果40から各評価スコアを取得し、これら取得した評価スコアの内、最大値の評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断し、この評価項目の注目評価回数を+1インクリメントするようにしたので、ユーザ操作傾向からユーザ注目の評価項目を自動集計することができる。
また、実施例1では、推奨結果に対するユーザ側の累計操作回数M、評価項目毎の注目評価回数P,T,Nに基づき、嗜好性の評価項目、話題性の評価項目及び新規性の評価項目に対応した優先度α,β,γを夫々算出し、これら算出した嗜好性、話題性及び新規性の評価項目に対応した優先度α,β,γを優先度管理部16で管理する優先度管理テーブル15に更新するようにしたので、ユーザによる優先度設定操作を要することなく、ユーザ操作傾向からユーザ注目の評価項目に対応した優先度を動的に設定変更することができる。
また、実施例1では、評価スコアに対応した優先度を算出する際、注目評価回数P,T,Nだけでなく、注目評価項目なしと判断した回数(M−S)を考慮することで、注目評価回数P,T,Nの変化に対する優先度の変化が急峻にならず、ユーザ操作傾向に応じて各評価項目に対応した優先度を徐々に反映させることができる。
また、実施例1では、操作履歴情報テーブル20Aに対する操作履歴情報の記憶日時から所定期間を経過した場合、所定期間を経過した操作履歴情報を操作履歴情報テーブル20Aから削除すると共に、その操作履歴情報の削除に応じて、操作回数テーブル20Bに記憶中の累計操作回数Mや評価項目毎の注目評価回数P,T,Nを再計算するようにしたので、所定期間を経過した過去のユーザ操作傾向を除外することで、直近のユーザ操作傾向を反映させることができる。
また、実施例1では、ベルヌーイ試行のベイズ推定を応用し、(1+E(i)+(M−S)/X)/(X+M)の数式で評価項目iの優先度を算出するようにしたので、統計的な情報に基づき適切な優先度を算出することができる。
尚、上記実施例1の注目評価検出処理では、推奨結果40の情報に対するユーザ操作を検出すると、その推奨結果の情報に関わる全評価スコアを取得し、これら全評価スコアの内、最大値の評価スコアを抽出し、抽出した最大値の評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断するようにしたが、評価スコア毎に、その他の全評価スコアとの差分が所定閾値を超えた場合、その所定閾値を超えた大きい方の評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断するようにしても良く、この場合の実施例につき、実施例2として以下に説明する。
図13は、実施例2の情報検索装置1A内部の概略構成を示すブロック図である。尚、実施例1の情報検索装置1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図13に示す情報検索装置1Aと実施例1の情報検索装置1とが異なるところは、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40に関わる情報に対するユーザ操作を検出すると、そのユーザ操作の情報に関わる推奨結果40の評価項目毎の評価スコアを取得し、評価スコア毎に、その他の全評価スコアとの差分が所定閾値を超えた場合、その所定閾値を超えた大きい方の評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断する注目評価検出部19Aを備えた点にある。
図14は、実施例2の注目評価検出部19Aの動作概念を端的に示す説明図である。
注目評価検出部19Aは、図14(A)に示すように、新規性評価スコアが嗜好性評価スコア及び話題性評価スコア双方に比較して所定閾値Dを超えて大きい場合、新規性評価スコアの評価項目に対応する新規性注目評価回数Nを+1インクリメントするものである。
また、注目評価検出部19Aは、3つの嗜好性評価スコア、話題性評価スコア及び新規性評価スコア間で所定閾値Dを超えた差分がない場合(図14(B)参照)、又は、3つの評価スコアの内、所定閾値Dを超えた差分がある場合でも、一の評価スコアが極端に小さい場合(図14(C)参照)、特定の評価項目を注目評価回数としてインクリメントしないものである。
次に、実施例2の情報検索装置1Aの動作について説明する。図15は、実施例2の注目評価検出処理に関わる注目評価検出部19Aの処理動作を示すフローチャートである。
図15に示す注目評価検出処理では、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40の情報に対してユーザ操作を検出すると、その情報の推奨結果40から評価項目毎の評価スコアを取得し、取得した評価スコアの比較結果に基づき、ユーザ操作傾向に対応した注目の評価項目を検出する処理である。
図15に示す注目評価検出部19Aは、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40の情報に対するユーザ操作を検出すると、その情報の推奨結果40から評価項目毎の各評価スコアを取得する(ステップS61)。
注目評価検出部19Aは、推奨結果40から評価項目毎の各評価スコアを取得すると、評価スコアの内、比較対象の評価スコアを指定し(ステップS62)、比較対象の評価スコアと他の全評価スコアとの差分が所定閾値Dを超えたか否かを判定する(ステップS63)。尚、例えば、比較対象の評価スコアを“嗜好性評価スコア”とした場合、他の全評価スコアとは話題性評価スコア及び新規性評価スコアということになる。
注目評価検出部19Aは、比較対象の評価スコアと他の全評価スコアとの差分が所定閾値Dを超えた場合(ステップS63肯定)、所定閾値Dを超えて大きい方の評価スコアを抽出する(ステップS64)。尚、注目評価検出部19Aは、例えば、嗜好性評価スコアと、話題性評価スコア及び新規性評価スコアとの差分が所定閾値Dを超えた場合、所定閾値Dを超えて大きい嗜好性評価スコアを抽出するものである。
注目評価検出部19Aは、所定閾値Dを超えて大きい方の評価スコアを抽出すると、その評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断し(ステップS65)、注目評価項目に対応する注目評価回数を+1インクリメントし(ステップS66)、未指定の比較対象の評価スコアがあるか否かを判定する(ステップS67)。
尚、注目評価検出部19Aは、例えば、嗜好性評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断した場合、嗜好性注目評価回数Pを+1インクリメントし、操作回数テーブル20Bに更新するものである。
注目評価検出部19Aは、未指定の比較対象の評価スコアがある場合(ステップS67肯定)、未指定の比較対象の評価スコアを指定すべく、ステップS62に移行する。
注目評価検出部19Aは、未指定の比較対象の評価スコアがない場合(ステップS67否定)、全ての評価スコアの比較が完了したものと判断し、図15に示す処理動作を終了する。
また、注目評価検出部19Aは、ステップS63にて比較対象の評価スコアと他の全評価スコアとの差分が所定閾値Dを超えなかった場合(ステップS63否定)、未指定の比較対象の評価スコアがあるか否かを判定すべく、ステップS67に移行する。
図15に示す注目評価検出処理では、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40の情報に対してユーザ操作を検出すると、その情報の推奨結果40から評価スコアを取得し、これら取得した評価スコアの内、比較対象の評価スコアを指定し、指定した比較対象の評価スコアと他の全評価スコアとを比較し、その差分が所定閾値Dを超えて大きい評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断し、この評価項目の注目評価回数を+1インクリメントするようにしたので、通常のユーザ操作傾向からユーザ注目の評価項目を自動集計することができる。
その結果、優先度設定部23は、注目評価検出部19Aにて検出した評価項目毎の注目評価回数P,T,Nや累計操作回数Mに基づき、評価項目毎の評価スコアに対応した優先度α、β、γを順次算出するようにしたので、ユーザ操作傾向からユーザ注目の評価項目に対応した優先度を動的に設定変更することができる。
実施例2では、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果40の情報に対してユーザ操作を検出すると、その情報の推奨結果40から評価スコアを取得し、これら取得した評価スコアの内、比較対象の評価スコアを指定し、指定した比較対象の評価スコアと他の全評価スコアとを比較し、その差分が所定閾値Dを超えて大きい評価スコアの評価項目を注目評価項目と判断する。
つまり、各評価スコアの差分が大きいケースでは、比較的、推奨度が低い情報の場合に多く、情報を推奨度で降順に並べた場合、これらの情報は推奨結果40の一覧の後方に表示されることになる。その結果、ユーザは、わざわざ後方にある情報を「処理したい」と判断して操作したものと考えられる。そこで、その評価スコアは、ユーザの意図(どの評価項目に注目していたか)とマッチしている可能性が高いと考えられるため、注目評価項目と判断することになる。
また、逆に、各評価スコアの差分が小さいケースでは、比較的、推奨度が高い情報の場合に多く、情報を推奨度で降順に並べた場合、これらの情報は推奨結果40の一覧の前方に表示されることになる。その結果、ユーザは、これらの情報は簡単に選択操作することができるため、ユーザの意図を汲み取ることは難しいと考えられるため、注目評価項目なしと判断することになる。
尚、上記実施例1の情報検索装置1内部の優先度設定部23では、(1+E(i)+(M−S)/X)/(X+M)の数式を利用して評価項目iの優先度を算出するようにしたが、別の数式を使用しても良く、この場合の実施例につき、実施例3として説明する。
図16は、実施例3の情報検索装置1B内部の概略構成を示すブロック図である。尚、実施例1の情報検索装置1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図16に示す情報検索装置1Bと実施例1の情報検索装置1とが異なるところは、優先度設定部23Bで使用する優先度を算出するための数式にある。
優先度設定部23Bは、(1+E(i))/(X’+M)+(1+(M−S))/(X’+M)/Xの数式を使用して評価項目iの優先度を算出するものである。
尚、優先度設定部23Bで使用する数式と優先度設定部23で使用する数式とが異なるところは、注目評価項目なしと判断した場合を評価項目の一つとして考え、評価項目数X’=1+X、どの評価項目にも注目しない確率(1+(M−S))/(X’+M)を求めた後、その確率を評価項目数Xで等分して、各評価項目の確率へ加算するものである。
優先度設定部23Bは、例えば、嗜好性の優先度αを(1+P)/(4+M)+(1+(M−S))/(4+M)/3の数式、話題性の優先度βを(1+T)/(4+M)+(1+(M−S))/(4+M)/3の数式、新規性の優先度γを(1+N)/(4+M)+(1+(M−S))/(4+M)/3の数式で夫々算出するものである。
図17は、実施例3の累計操作回数M及び注目評価回数と優先度との関係を端的に示す説明図である。
優先度設定部23Bは、累計操作回数Mを“10”、嗜好性注目判断回数Pを“0”、話題性注目判断回数Tを“0”、新規性注目判断回数Nを“8”とした場合、嗜好性の優先度αは、(1+0)/(4+10)+(1+(10−8))/(4+10)/3≒0.14、話題性の優先度βは、(1+0)/(4+10)+(1+(10−8))/(4+10)/3≒0.14、新規性の優先度γは、(1+8)/(4+10)+(1+(10−8))/(4+10)/3≒0.71とし、新規性に注目することになる。
また、累計操作回数Mを“10”、嗜好性注目判断回数Pを“4”、話題性注目判断回数Tを“1”、新規性注目判断回数Nを“3”とした場合、嗜好性の優先度αは、(1+4)/(4+10)+(1+(10−8))/(4+10)/3≒0.43、話題性の優先度βは、(1+1)/(4+10)+(1+(10−8))/(4+10)/3≒0.21、新規性の優先度γは、(1+3)/(4+10)+(1+(10−8))/(4+10)/3≒0.36とし、嗜好性及び新規性に注目することになる。
また、累計操作回数Mを“10”、嗜好性注目判断回数Pを“3”、話題性注目判断回数Tを“3”、新規性注目判断回数Nを“4”とした場合、嗜好性の優先度αは、(1+3)/(4+10)+(1+(10−10))/(4+10)/3≒0.31、話題性の優先度βは、(1+3)/(4+10)+(1+(10−10))/(4+10)/3≒0.31、新規性の優先度γは、(1+4)/(4+10)+(1+(10−10))/(4+10)/3≒0.38とし、均等に注目することになる。
優先度設定部23Bは、嗜好性の優先度α、話題性の優先度β及び新規性の優先度γを夫々算出すると、これら評価項目毎の優先度α、β、γを、優先度管理部16を通じて優先度管理テーブル15内に更新するものである。
実施例3では、注目評価項目なしと判断した場合を評価項目の一つとして考え、(1+E(i))/(X’+M)+(1+(M−S))/(X’+M)/Xの数式を使用して評価項目i毎の優先度E(i)を算出するようにしたので、 統計的な情報に基づき適切な優先度を算出することができる。
尚、上記実施例1〜3では、注目評価管理テーブル20に記憶中の操作履歴情報が記憶日時から所定期間を経過した場合、所定期間を経過した操作履歴情報を操作履歴情報テーブル20Aから削除するようにしたが、所定期間ではなく、注目評価管理テーブル20に管理中の操作履歴の件数が所定件数に到達した場合、記憶中の操作履歴の内、最古の操作履歴を削除し、その操作履歴情報41の削除に応じて操作回数テーブル20Bに記憶中の累計操作回数Mや評価項目毎の注目評価回数P,T,Nを再計算するようにしても良いことは言うまでもない。
また、上記実施例1〜3においては、嗜好性管理部13の検索条件データベース12に記憶中の検索条件の重要度合等も抽出し、嗜好性評価部31でベクトル空間法を使用して嗜好も同様にベクトルで表現し、キーワードをベクトルの基底とし、各キーワードの重要度合を、そのベクトルの要素値とし、キーワードの重要度合は、統計量を使用して定めるようにしても良い。
また、上記実施例1〜3においては、嗜好性の評価項目、話題性の評価項目及び新規性の評価項目を例に挙げて説明したが、他の評価項目であっても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、上記実施例1〜3においては、嗜好性の評価項目及び話題性の評価項目を、ベクトル空間法を使用して嗜好性評価スコア及び話題性評価スコアを算出するようにしたが、他の方式で嗜好性評価スコア及び話題性評価スコアを算出するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、上記実施例1〜3においては、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果の情報に対するユーザ操作を検出すると、推奨結果表示部17から、その推奨結果の情報の内、推奨度及び各評価スコアを注目評価検出部19(19A)に通知するようにしたが、評価スコアのみを通知するようにしても良いことは言うまでもない。
また、上記実施例1〜3においては、推奨結果表示部17に評価スコアを含む推奨結果を画面表示するようにしたが、推奨度及び情報のみを画面表示するようにしても良く、推奨結果の情報に対するユーザ操作を検出すると、その推奨結果の情報の内、評価スコアを注目評価検出部19(19A)に通知するようにしても良いことは言うまでもない。
また、上記実施例1〜3においては、推奨結果表示部17に画面表示中の推奨結果の情報に対するユーザ操作を検出すると、推奨結果表示部17から、その推奨結果の情報の内、推奨度及び各評価スコアを注目評価検出部19(19A)に通知するようにしたが、推奨結果表示部17からではなく、情報推奨部14から、その推奨結果の情報の内、各評価スコアを注目評価検出部19(19A)に通知するようにしても良いことは言うまでもない。
また、上記実施例1〜3においては、ニュースや番組等の情報を検索する情報検索装置を例に挙げて説明したが、例えば、複数の商品からユーザ意図の商品を検索するような商品検索装置についても同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上、本発明の実施例について説明したが、本実施例によって本発明の技術的思想の範囲が限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲を逸脱しない限り、各種様々な実施例が実施可能であることは言うまでもない。また、本実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
また、本実施例で説明した各種処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動で行うことも可能であることは勿論のこと、その逆に、手動で行われるものとして説明した処理の全部又は一部を自動で行うことも可能であることは言うまでもない。また、本実施例で説明した処理手順、制御手順、具体的名称、各種データやパラメータを含む情報についても、特記した場合を除き、適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的に記載したものであって、必ずしも物理的に図示のように構成されるものではなく、その各装置の具体的な態様は図示のものに限縮されるものでは到底ないことは言うまでもない。
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上、又は同CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)検索対象の情報に関わるメタデータを取得する情報取得部と、
前記検索対象の情報を検索するための検索条件を記憶する嗜好管理部と、
前記検索対象の情報毎に、前記メタデータと前記嗜好管理部に記憶中の前記検索条件との類似度に基づき嗜好性評価項目として嗜好性評価スコアを算出する嗜好性評価部と、
前記検索対象の情報毎に、前記嗜好性の評価項目以外の評価項目として評価スコアを算出する他種評価部と、
前記各評価スコアの評価項目毎に、前記評価スコアの優先割合を示す優先度を記憶する優先度管理部と、
前記検索対象の情報に関わる評価項目毎の評価スコアを前記優先度管理部に記憶中の評価項目毎の優先度に応じて重み付けし、この重み付けした評価スコアに基づき、前記検索対象の情報に関わる評価結果を出力する評価出力部と、
前記評価結果の情報に対するユーザ操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部にて検出した前記ユーザ操作に関わる前記評価結果の情報から各評価スコアを抽出し、これら抽出した評価スコアを比較し、この比較結果に基づき、ユーザ注目の評価項目に対応する注目評価項目を検出する注目評価検出部と、
前記注目評価検出部にて検出した前記注目評価項目に基づき、前記評価項目毎の前記優先度を算出し、算出した評価項目毎の優先度を前記優先度管理部に更新する優先度設定部と、
を有することを特徴とする情報検索装置。
(付記2)前記注目評価検出部は、
前記評価スコアの比較結果に基づき、前記複数の評価スコアの内、最も高い評価スコアの評価項目を前記注目評価項目として検出することを特徴とする付記1記載の情報検索装置。
(付記3)前記注目評価検出部は、
前記評価スコアの比較結果に基づき、前記複数の評価スコアの内、一の評価スコアを指定し、指定した評価スコアと、指定した評価スコア以外の全評価スコアとの差分が所定閾値を超えた場合、その所定閾値を超えた大きい評価スコアの評価項目を前記注目評価項目として検出することを特徴とする付記1記載の情報検索装置。
(付記4)前記注目評価検出部は、
前記操作検出部にて前記評価結果の情報に対するユーザ操作を検出すると、その操作履歴を管理し、その累計操作回数をカウントすると共に、前記注目評価項目を検出すると、その注目評価項目に対応する評価項目毎の注目評価回数をカウントし、前記累計操作回数及び前記評価項目毎の注目評価回数を管理する注目評価管理テーブルを有し、
前記優先度設定部は、
前記注目評価管理テーブルにて管理した前記累計操作回数及び前記評価項目毎の注目評価回数に基づき、前記評価項目毎の前記優先度を算出し、算出した評価項目毎の優先度を前記優先度管理部に更新することを特徴とする付記1〜3の何れか一に記載の情報検索装置。
(付記5)前記優先度設定部は、
前記評価項目数をX、前記累計操作回数をM、前記評価項目をi、前記評価項目iの注目評価回数をE(i)、全評価項目の注目評価回数の総数をSとした場合、(1+E(i)+(M−S)/X)/(X+M)の数式で、前記評価項目毎の優先度を算出することを特徴とする付記4記載の情報検索装置。
(付記6)前記優先度設定部は、
前記評価項目数をX、前記累計操作回数をM、前記評価項目をi、前記評価項目iの注目評価回数をE(i)、全評価項目の注目評価回数の総数をSとした場合、(1+E(i))/(1+X+M)+(1+(M−S))/(1+X+M)/Xの数式で,前記評価項目毎の優先度を算出することを特徴とする付記4記載の情報検索装置。
(付記7)前記注目評価検出部は、
前記注目評価管理テーブル内の操作履歴の削除条件を満たすと、その削除条件を満たした操作履歴を削除すると共に、その操作履歴の削除に応じて、前記注目評価管理テーブル内に管理中の前記累計操作回数及び前記注目評価回数を再計算することを特徴とする付記4〜6の何れか一に記載の情報検索装置。
(付記8)前記注目評価検出部は、
前記操作履歴が管理開始から所定期間を経過した場合、前記所定期間を経過した前記操作履歴を削除すると共に、その操作履歴の削除に応じて、前記注目評価管理テーブル内に管理中の前記累計操作回数及び前記注目評価回数を再計算することを特徴とする付記7記載の情報検索装置。
(付記9)前記注目評価検出部は、
前記操作履歴の管理件数が所定件数を超えた場合、管理中の最古の操作履歴を削除すると共に、その操作履歴の削除に応じて、前記注目評価管理テーブル内に管理中の前記累計操作回数及び前記注目評価回数を再計算することを特徴とする付記7記載の情報検索装置。
(付記10)前記他種評価部は、
前記検索対象の情報毎に、この検索対象の情報に関わるメタデータと他の情報に関わるメタデータとの類似度に基づき話題性の評価項目として話題性評価スコアを算出する話題性評価部と、
前記検索対象の情報毎に、前記検索対象の情報の提供開始日時が基準日時との差分を新規性の評価項目として新規性評価スコアを算出する新規性評価部と、
を有することを特徴とする付記1〜9の何れか一に記載の情報検索装置。
(付記11)前記操作検出部は、
前記評価結果の情報に対する、参照、保存予約、保存、コピー又は移動のユーザ操作を検出することを特徴とする付記1〜10の何れか一に記載の情報検索装置。
(付記12)検索対象の情報に関わるメタデータを取得する情報取得ステップと、
前記検索対象の情報毎に、前記メタデータと嗜好管理部に記憶中の検索条件との類似度に基づき嗜好性評価項目として嗜好性評価スコアを算出する嗜好性評価ステップと、
前記検索対象の情報毎に、前記嗜好性の評価項目以外の評価項目として評価スコアを算出する他種評価ステップと、
前記検索対象の情報に関わる評価項目毎の評価スコアを、前記評価スコアの優先割合を示す優先度を記憶する優先度管理部に記憶中の評価項目毎の優先度に応じて重み付けし、この重み付けした評価スコアに基づき、前記検索対象の情報に関わる評価結果を出力する評価出力ステップと、
前記評価結果の情報に対するユーザ操作を検出する操作検出ステップと、
前記操作検出ステップにて検出した前記ユーザ操作に関わる前記評価結果の情報から各評価スコアを抽出し、これら抽出した評価スコアを比較し、この比較結果に基づき、ユーザ注目の評価項目に対応する注目評価項目を検出する注目評価検出ステップと、
前記注目評価検出ステップにて検出した前記注目評価項目に基づき、前記評価項目毎の前記優先度を算出し、算出した評価項目毎の優先度を前記優先度管理部に更新する優先度設定ステップと、
を含むことを特徴とする情報検索方法。
(付記13)コンピュータ装置に、
検索対象の情報に関わるメタデータを取得する情報取得手順と、
前記検索対象の情報毎に、前記メタデータと嗜好管理部に記憶中の検索条件との類似度に基づき嗜好性評価項目として嗜好性評価スコアを算出する嗜好性評価手順と、
前記検索対象の情報毎に、前記嗜好性の評価項目以外の評価項目として評価スコアを算出する他種評価手順と、
前記検索対象の情報に関わる評価項目毎の評価スコアを、前記評価スコアの優先割合を示す優先度を記憶する優先度管理部に記憶中の評価項目毎の優先度に応じて重み付けし、この重み付けした評価スコアに基づき、前記検索対象の情報に関わる評価結果を出力する評価出力手順と、
前記評価結果の情報に対するユーザ操作を検出する操作検出手順と、
前記操作検出手順にて検出した前記ユーザ操作に関わる前記評価結果の情報から各評価スコアを抽出し、これら抽出した評価スコアを比較し、この比較結果に基づき、ユーザ注目の評価項目に対応する注目評価項目を検出する注目評価検出手順と、
前記注目評価検出手順にて検出した前記注目評価項目に基づき、前記評価項目毎の前記優先度を算出し、算出した評価項目毎の優先度を前記優先度管理部に更新する優先度設定手順と、
を含む処理を実行させることを特徴とする情報検索プログラム。