以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(遊技機の構成)
図1は本発明の遊技機1の一例を示す正面図であり、図2は遊技機1の裏面側の斜視図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている。また、外枠60には、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。なお、遊技盤2は、透明な板、例えば、強化プラスチックやポリカーボネートで作られている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
遊技者が操作ハンドル3に触れることで、操作ハンドル3の内部に設けられているタッチセンサ3a(図4参照)が、操作ハンドル3と遊技者とが接触していることを検知して、発射用ソレノイド4a(図4参照)の通電を許可する。さらに、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している可変抵抗器からなる発射ボリューム3b(図4参照)も回動し、発射ボリューム3bが発射制御基板160(図4参照)に供給する電圧を可変させる。
発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより可変された電圧に基づいて、ロータリーソレノイドからなる発射用ソレノイド4aを通電する。発射用ソレノイド4aが通電されると、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材が回転し、打出部材により発射レールの下り傾斜の端部に貯留されている遊技球が打ち出され、遊技球が発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レールからレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12a(図4参照)が設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
さらに、遊技領域6には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13が設けられている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13a(図4参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14、第2始動口15および遊技球が入球可能な第1大入賞口16、第2大入賞口17が設けられている。
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口15の真上に位置する第1始動口14が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14aが設けられ、第2始動口15には、遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板側に立設可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面側に立設する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に立設していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、演出表示装置(LCD)31が設けられており、演出表示装置31の上方には、ベルトの形をした演出用駆動装置33が設けられている。
この演出表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄36が表示され、特定の演出図柄36の組み合わせ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。さらに、演出表示装置31は、その他アニメーション等による演出表示を行うようになっている。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄36をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄36を停止表示するものである。また、様々な画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
本実施の形態では、演出表示装置31が演出表示手段を構成する。
上記演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
また、演出ボタン35は、遊技者の操作指示を入力することができるようになっている。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aは、遊技者による操作指示の操作入力時、すなわち、演出ボタン35の押し操作(以下、押下開始という)時と、操作指示の操作開放時、すなわち、演出ボタン35から手を離す操作(以下、開放操作という)時とを検出するようになっている。そして、この押下操作時から開放操作時までの操作中時間によって、演出表示装置31に表示される演出画像が後述するように変更されるようになっている。
本実施の形態では、演出ボタン35が操作入力手段を構成し、演出ボタン検出スイッチ35aが操作検知手段を構成する。なお、演出ボタン35および演出ボタン検出スイッチ35aの詳細については、後述する。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の総開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技である。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板を支持している。なお、ガラス板は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
また、ガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133(図4参照)も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170には、遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
ここで、図3に演出ボタン35の断面図を示し、説明する。図3(a)は、演出ボタン35を遊技者が操作していない状態、すなわち、演出ボタン35に対して外部から力が加わっていない状態を示す演出ボタン35の断面図である。図3(b)は、演出ボタン35を遊技者が操作した状態、すなわち、演出ボタン35が押下されている状態を示す演出ボタン35の断面図である。
図3に示すように、演出ボタン35は、操作部210および検出器収納部230を備え、遊技者の操作指示を入力するようになっている。
操作部210は、ベース211、カバー213、止めねじ215、コイルスプリング217および操作ボタン220を備え、ベース211とカバー213とが、止めねじ215によって締結されている。操作部210は、ベース211とカバー213とが止めねじ215によって締結されることによって、内部空間219が形成されている。操作部210は、この内部空間219に、コイルスプリング217と、操作ボタン220と、が収納されている。
コイルスプリング217の上部は、操作ボタン220の底部から内部に窪むバネ受け部221に収納されて接触し、コイルスプリング217の下部は、ベース211の上面に接触している。これにより、コイルスプリング217が操作ボタン220を上方に押し上げている。
操作ボタン220は、カバー213に形成された孔213aを経由して、カバー213より上方に突出し、操作ボタン220の底部から外側に突出した鍔222が孔213aの周りのカバー213に接触する。また、操作ボタン220は、バネ受け部221の中心から支柱223が下方に突出している。操作ボタン220の支柱223の下部は、ベース211に形成された孔211aを経由してベース211より下方に突出している。
さらに、ベース211より下方に突出した支柱223の下端には、スイッチ押圧部224が支柱223に固定されて、設けられている。また、検出器収納部230には、演出スイッチ231が設けられている。
そして、スイッチ押圧部224は、操作ボタン220がコイルスプリング217で押し上げられ、鍔222がカバー213に接触した状態においては、演出スイッチ231と非接触の状態に配置されている。
このような演出ボタン35に対して、図3(b)に示すように、操作ボタン220がコイルスプリング217のバネ力に抗して矢印X1の方向に押し下げられると、コイルスプリング217が収縮し、スイッチ押圧部224が下方に移動する。スイッチ押圧部224が下方に移動すると、スイッチ押圧部224と演出スイッチ231とが接触する。
演出ボタン検出スイッチ35aは、スイッチ押圧部224と演出スイッチ231との接触により、例えば通電し、後述する演出制御基板120のサブCPU120aに、演出ボタン35の押圧検出信号を出力するようになっている。すなわち、演出ボタン検出スイッチ35aは、スイッチ押圧部224および演出スイッチ231により構成され、演出ボタン35への操作指示の入力を検知するようになっている。
一方、操作ボタン220に対する矢印X1の方向の押し下げ力が開放されると、操作ボタン220がコイルスプリング217に押し上げられ、スイッチ押圧部224も上方に移動する。このように、スイッチ押圧部224が上方に移動すると、スイッチ押圧部224と演出スイッチ231とが非接触となる。これにより、演出ボタン検出スイッチ35aは、演出制御基板120のサブCPU120aに対する演出ボタン35の押圧検出信号の出力を中止するようになっている。すなわち、演出ボタン検出スイッチ35aは、演出ボタン35への操作指示の開放を検知するようになっている。
なお、演出ボタン検出スイッチ35aは、スイッチ押圧部224と演出スイッチ231とが非接触となった場合に、サブCPU120aに対し、演出ボタン35の押圧検出信号の出力を中止するのではなく、演出ボタン35の開放信号を出力するようにしても良い。また、演出制御基板120のサブCPU120aは、上記演出ボタン検出スイッチ35aによる演出ボタン35の押圧の検出時(操作指示の操作入力時)から演出ボタン35の開放の検出時(操作指示の操作開放時)までの操作中時間を検知するようになっている。
(制御手段の内部構成)
次に、図4の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は、遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第2大入賞口開閉ソレノイド17c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、図示しない主制御用の入力ポートと、出力ポートと、を備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル(図6参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図7参照)、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図8参照)等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数カウンタ、時短回数カウンタ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種の記憶領域が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
上記処理により、サブCPU120aは、演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行う。さらに、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aにより検知された上記操作中時間(演出ボタン35が押下されてから開放されるまでの時間)に基づいて、演出表示装置31に表示させる演出画像の表示制御を行うようになっており、また、上記操作中時間が予め設定された最低対象時間未満である場合には、操作中時間に基づく演出画像の表示制御を行わないようになっている。本実施の形態では、サブCPU120aが演出制御手段を構成する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。また、払出制御基板130は、入力側に遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132および扉開放スイッチ133が接続されており、出力側に遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ131が接続されている。
払出CPUは、払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133およびタイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。また、払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ131を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板150は、上記演出制御基板120に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置31および音声出力装置32を接続している。画像制御基板150は、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、演出表示装置31における画像の表示制御、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。画像制御基板150の詳細については、後述する。
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球を遊技領域6に発射させないように構成されている。
発射ボリューム3bは、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する。
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材が直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材により遊技球が発射されることとなる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、受け皿にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材に向けて1個ずつ送り出す。
次に、図5に画像制御基板150のブロック図を示し、画像制御基板150の構成および画像表示制御について、説明する。
画像制御基板150は、演出表示装置31の画像表示制御を行うための画像CPU150a、制御RAM150b、制御ROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、VDP(Video Display Processor)154、音制御回路155を備えている。
画像CPU150aは、演出制御基板120から受信したコマンドに基づいて、VDP154を制御して、CGROM151に記憶されている画像データを演出表示装置31に表示させる。この画像CPU150aのVDP154の制御は、図示しないVDP154の制御レジスタにおけるデータの設定、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの出力によって行われる。また、画像CPU150aは、VDP154からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
さらに、画像CPU150aは、音制御回路155を制御して、演出制御基板120から受信したコマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる。
制御RAM150bは、画像CPU150aに内蔵されており、画像CPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、制御ROM150cは、画像CPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの情報を記憶している。
CGROM151は、演出表示装置31に表示される演出図柄36や背景等の画像データが多数格納されている。また、CGROM151は、キャラクタ等の画像データが複数の階層ごとに記憶されている。
水晶発振器152は、パルス信号をVDP154に出力し、このパルス信号を分周することで、図示しないVDP154のクロック生成回路によってVDP154が制御を行うためのシステムクロック、演出表示装置31と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書き込みおよび読み出しが高速なSRAMで構成され、画像表示用の一時記憶領域として使用される。また、VRAM153は、画像CPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するディスプレイリスト記憶領域、CGROM151に記憶された画像データを伸長したデータ等を記憶する展開記憶領域、画像を描画または表示するための第1フレームバッファ、第2フレームバッファを有している。
この第1フレームバッファおよび第2フレームバッファは、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とで、描画の開始毎に切り替えられるようになっている。
VDP154は、画像CPU150aに制御される画像プロセッサである。VDP154は、CGROM151に格納された所定の画像データをVRAM153に展開させ、描画用フレームバッファに画像データの描画を行う。また、VDP154は、VRAM153の表示用フレームバッファから描画した画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)を生成し、演出表示装置31に出力するものである。
音制御回路155は、音声出力制御を行う音声CPU、ワークエリアとして機能する音声RAM、所定のプログラムおよび音声データが多数格納されている音声ROMを備えている。音制御回路155は、音声CPUにより、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて、音声ROMから所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御を行う。
次に、図6〜図8を参照して、メインROM101bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
(大当たり判定テーブル)
図6(a−1)、図6(a−2)は、「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。図6(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブルであり、図6(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブルである。図6(a−1)と図6(a−2)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当り判定テーブルは、確率遊技状態と取得された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図6(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」、「8」という2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。
また、図6(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
したがって、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりと判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても1/149.75となる。
(当たり判定テーブル)
図6(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、遊技状態と取得された普通図柄判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図6(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「65534」の65535個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
したがって、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜65535であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
(図柄決定テーブル)
図7は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図7(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図7(b)は、小当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図7(c)は、ハズレのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。
具体的には、図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置においては、大当たりのときには大当たり図柄用乱数値を参照し、大当たり図柄用乱数値が「55」であれば、停止図柄データとして「03」(特別図柄3(第1確変短当たり2))を決定する。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりのときには小当たり図柄用乱数値を参照し、小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(特別図柄B(小当たりB))を決定する。さらに、ハズレのときには、いずれの乱数値も参照せずに、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))を決定する。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり終了後の遊技状態、大当たり態様が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり終了後の遊技状態と大当たり態様を決定するものといえる。
(特別図柄の変動パターン決定テーブル)
図8は、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、図8に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが生成される。したがって、「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果および特別図柄の変動時間を定めるものといえる。また、大当たりまたは小当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりまたは小当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。なお、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
また、この図8に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、大当たりの判定結果がハズレの場合に時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなりやすく設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が2のときには、時短遊技状態であればリーチ判定用乱数値に基づいて95%の確率で変動時間が5000msの変動パターン9(短縮変動)が決定されるが、非時短遊技状態であれば変動時間が5000msを超える変動パターンが決定される。このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、大当たりの抽選に関する状態として「低確率遊技状態」と「高確率遊技状態」とを有し、第2始動口15が有する一対の可動片15bに関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。この大当たりの抽選に関する状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)と一対の可動片15bに関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。つまり、
(1)「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(2)「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、
(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とを設けることが可能になる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。なお、この高確率遊技状態のときには、後述する高確率遊技フラグがセットされており、低確率遊技状態のときには、高確率遊技フラグがオフになっている。
また、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから29秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグがセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグがオフになっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口15が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
(大当たりの種類の説明)
本実施形態においては、第1大入賞口16を長い開放時間で開放させる「長当たり」と第2大入賞口17を短い開放時間で開放させる「短当たり」との2種類の「大当たり」と、1種類の「小当たり」とが設けられている。なお、本実施形態においては、「大当たり」と上記「小当たり」とを総称して「特別遊技」という。
本実施形態において「長当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、長当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「長当たり」においては、第1大入賞口16が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16の最大開放時間は最大29.5秒に設定されており、この間に第1大入賞口16に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり」は、第1大入賞口16に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な特別遊技である。
本実施形態において「短当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、短当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「短当たり」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第2大入賞口17の最大開放時間は、最大0.052秒に設定されており、1個の遊技球が発射される発射時間(約0.6秒)よりも短くなっている。この間に第2大入賞口17に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり第2大入賞口17の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどない。つまり、「短当たり」は、「長当たり」とは異なり、賞球の獲得が困難な特別遊技である。
本実施形態において「小当たり」というのは、第1始動口14もしくは第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「小当たり」においても、上記「短当たり」と同様、第2大入賞口17が15回開放される。このときの第2大入賞口17の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり」と同じか、または、遊技者が「小当たり」と「短当たり」との判別を不能もしくは困難な程度に近似するように設定している。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図9を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図10を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値および乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各種スイッチに入力があったか否か判定し、入力があった場合には所定のデータをセットする入力制御処理を行う。詳しくは、図11を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図12を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、図6(b)に示す当たり判定テーブルを参照し、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
ステップS600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。
また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。なお、演出制御基板120に送信される各種コマンドの種別については、図14を用いて後述する。
ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
(主制御基板の入力制御処理)
図11を用いて、主制御基板110の入力制御処理を説明する。
ステップS210において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ入力処理を行う。
この一般入賞口検出スイッチ入力処理では、一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力した場合には、一般入賞口用の賞球カウンタに所定のデータを加算して更新した後、次のステップに処理を移す。
ステップS220において、メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチ入力処理を行う。
この大入賞口検出スイッチ入力処理では、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、大入賞口用の賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新した後、次のステップに処理を移す。
ステップS230において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ入力処理を行う。
この第1始動口検出スイッチ入力処理は、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。第1始動口検出スイッチ14aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、まず第1始動口用の賞球カウンタに所定のデータを加算する。そして、第1始動口入賞指定コマンドを生成し、生成した第1始動口入賞指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶した後、次のステップに処理を移す。
ステップS240において、メインCPU110aは、第2始動口検出スイッチ入力処理を行う。
この第2始動口検出スイッチ入力処理は、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。第2始動口検出スイッチ15aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、まず第2始動口用の賞球カウンタに所定のデータを加算する。そして、第2始動口入賞指定コマンドを生成し、生成した第2始動口入賞指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶した後、次のステップに処理を移す。
ステップS250において、メインCPU110aは、ゲート検出スイッチ入力処理を行う。
このゲート検出スイッチ入力処理は、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。ゲート検出スイッチ13aから検出信号の入力がなければ、入力制御処理を終了する。
ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、ゲート通過指定コマンドを生成し、生成したゲート通過指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶した後、入力制御処理を終了する。
(主制御基板の特図特電制御処理)
図12を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば小当り遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
ステップS310の特別図柄記憶判定処理においては、メインCPU110aは、大当たりの判定、停止表示する特別図柄の決定をする処理を行う。ここで、一旦図12の説明から図13を用いて、特別図柄記憶判定処理の具体的な内容を説明する。
(主制御基板の特別図柄記憶判定処理)
図13は、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を示す図である。
まず、ステップS311において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定する。
そして、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域および第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていなければ、特図特電処理データ=0を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、ステップS312に処理を移す。
ステップS312において、メインCPU110aは、大当たり判定処理を行う。
具体的には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、図6(a−2)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされておらず、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このときにも、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、図6(a−1)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
本実施形態では、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入賞した場合に、特別図柄判定用乱数値を取得する処理(前述のステップS230またはステップS240)、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う処理(上記ステップS312)を行うメインCPU110aが特定遊技抽選手段を構成する。
ステップS313において、メインCPU110aは、停止表示する特別図柄の種類を決定するための特別図柄決定処理を行う。
この特別図柄決定処理では、上記大当り判定処理(ステップS312)において「大当たり」と判定された場合には、図7(a)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄(特別図柄1〜特別図柄6)を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「小当たり」と判定された場合には、図7(b)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄(特別図柄A、特別図柄B)を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「ハズレ」と判定された場合には、図7(c)に示す図柄決定テーブルを参照して、ハズレ図柄(特別図柄0)を決定する。
そして、決定した特別図柄に対応する停止図柄データを停止図柄データ記憶領域に記憶する。
ステップS314において、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間決定処理を行う。
具体的には、図8に示す変動パターン決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶されたリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。その後、決定した特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を決定する。そして、決定した特別図柄の変動時間に対応するカウンタを特別図柄時間カウンタにセットする処理を行う。
ステップS315において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記ステップS600でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS700において出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
ステップS316において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=0から特図特電処理データ=1にセットして、特別図柄変動処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄記憶判定処理を終了する。
再び、図12に示す特図特電制御処理について説明を戻すことにする。
ステップS320の特別図柄変動処理においては、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行う。
具体的には、ステップS314で決定された特別図柄の変動時間が経過した(特別図柄時間カウンタ=0)か否かを判定し、変動時間が経過していないと判定した場合には、特図特電処理データ=1を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。なお、上記ステップS314でセットされた特別図柄の変動時間のカウンタは、上記ステップS110において減算処理されていく。
変動時間が経過したと判定すれば、上記ステップS313で決定された特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
また、時短回数>0のときには時短回数カウンタから1を減算して更新し、時短回数=0となれば、時短遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数>0のときには高確率遊技回数カウンタから1を減算して更新し、高確率遊技回数=0となれば、高確率遊技フラグをクリアする。
最後に、特図特電処理データ=1から特図特電処理データ=2にセットして、特別図柄停止処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄変動処理を終了する。
ステップS330の特別図柄停止処理においては、メインCPU110aは、停止表示された特別図柄が「大当たり図柄」であるか、「小当たり図柄」であるか、「ハズレ図柄」であるかを判定する処理を行う。
そして、大当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=3にセットして、大当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
また、小当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータはクリアせずに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=5にセットして、小当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ハズレ図柄と判定された場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS340の大当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、上記長当たりまたは短当たりのいずれの大当たりを実行させるかを決定し、決定した大当たりを制御する処理を行う。
具体的には、上記ステップS313で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たりの開放態様を決定する。
次に、決定した大当たりの開放態様を実行させるために、大当たりの種類に応じた開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データを出力して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させる。このとき、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に1を加算する。
この開放中に規定個数の遊技球が入球するか、大入賞口の開放時間が経過すると(大入賞口入球数(C)=9または特別遊技タイマカウンタ=0である)と、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データの出力を停止して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を閉鎖させる。これにより、1回のラウンド遊技が終了する。このラウンド遊技の制御を繰り返し15回行う。
15回のラウンド遊技が終了すると(ラウンド遊技回数(R)=15)、ラウンド遊技回数(R)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=4にセットして、大当り遊技終了処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS350の大当り遊技終了処理においては、メインCPU110aは、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれかの確率遊技状態を決定するとともに、時短遊技状態または非時短遊技状態のいずれかの遊技状態を決定する処理を行う。
具体的には、上記ステップS313で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数の設定が行われる。
その後、特図特電処理データ=4から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当り遊技終了処理を終了する。
ステップS360の小当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、上記ステップS313で決定された小当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、小当たりの開放態様を決定する。
次に、決定した小当たりの開放態様を実行させるために、小当たりの開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データを出力して第2大入賞口開閉扉17bを開放させる。このとき、開放回数(K)記憶領域に1を加算する。
小当たりの開放時間が経過する(特別遊技タイマカウンタ=0)と、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止して第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖させる。この第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御を繰り返し15回行う。
そして、第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御が15回行われるか、第2大入賞口17に規定個数の遊技球が入球する(開放回数(K)=15または大入賞口入球数(C)=9である)と、小当たり遊技を終了させるため、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止させ、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=5から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、小当たり遊技処理を終了する。
(コマンドの説明)
上述の主制御基板110におけるフローチャートでは説明を省略した主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドの種別について、図14を用いて説明する。
主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEの情報と、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAの情報とから構成されている。
「演出図柄指定コマンド」は、停止表示される特別図柄の種別を示すものであり、「MODE」が「E0H」で設定され、特別図柄の種別に合わせてDATAの情報が設定されている。なお、特別図柄の種別が結果的に大当たりの種別や高確率遊技状態を決定するものであるから、演出図柄指定コマンドは、大当たりの種別や、遊技状態を示すものともいえる。
この演出図柄指定コマンドは、各種の特別図柄が決定され、特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS313において各種の特別図柄が決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄記憶指定コマンド」は、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E1H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄記憶指定コマンドは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS230または上記ステップS312において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄記憶指定コマンド」は、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E2H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄記憶指定コマンドは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS240または上記ステップS312において第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄記憶指定コマンド」と「第2特別図柄記憶指定コマンド」とをまとめて「特別図柄記憶指定コマンド」という。
「図柄確定コマンド」は、特別図柄が停止表示されていることを示すものであり、「MODE」が「E3H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この図柄確定コマンドは、特別図柄が停止表示されているときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS320において特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるときに、図柄確定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている図柄確定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「電源投入時指定コマンド」は、遊技機1の電源が投入されたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この電源投入時指定コマンドは、遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10において遊技機の電源が投入されたときに、電源投入時指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「RAMクリア指定コマンド」は、メインRAM110cに記憶された情報がクリアされたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「01H」に設定されている。
ここで、遊技機1の裏側には図示しないRAMクリアボタンが設けられており、RAMクリアボタンを押圧しながら、遊技機1の電源を投入すると、上記ステップS10においてメインRAM110cに記憶された情報がクリアされる。
そして、RAMクリア指定コマンドは、RAMクリアボタンを押圧しながら遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10においてRAMクリアボタンを押圧しながら遊技機の電源が投入されたときに、RAMクリア指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているRAMクリア指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「デモ指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21が作動していないことを示すものであり、「MODE」が「E5H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
このデモ指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の特別図柄の保留記憶がないときに、演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS311において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域および第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていないときに、デモ指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているデモ指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E6H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS314において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E7H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第2特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS314において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」と「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」とをまとめて、「変動パターン指定コマンド」という。
「大入賞口開放指定コマンド」は、各種大当りの種別に合わせた大当たりのラウンド数を示すものであり、「MODE」が「EAH」で設定され、大当たりのラウンド数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この大入賞口開放指定コマンドは、大当りラウンドが開始されるときに、開始されたラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340において第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させるときに、開放させるときのラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「オープニング指定コマンド」は、各種の大当りが開始することを示すものであり、「MODE」が「EBH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このオープニング指定コマンドは、各種の大当りが開始するときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340の大当たり遊技処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「エンディング指定コマンド」は、各種の大当りが終了したことを示すものであり、「MODE」が「ECH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このエンディング指定コマンドは、各種の大当りが終了するときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS350の大当り遊技終了処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「遊技状態指定コマンド」は、時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかを示すものであり、「MODE」が「EEH」で設定され、非時短遊技状態であれば「DATA」が「00H」に設定され、時短遊技状態であれば「DATA」が「01H」に設定されている。
この遊技状態指定コマンドは、特別図柄の変動表示が開始されるときと、特別図柄が停止表示されているときに、遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときと、上記ステップS320において特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるときに、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
次に、図15を参照して、サブROM120bに記憶されている変動演出パターン決定テーブルの詳細について説明する。
(変動演出パターン決定テーブル)
図15は、演出表示装置31等においての演出図柄36の変動態様を決定するための変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
サブCPU120aは、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンドおよび演出用乱数値1に基づいて、変動演出パターンを決定する。ここで、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドであっても演出用乱数値1に基づいて、異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させて、主制御基板110における記憶容量の削減を図っている。
なお、「変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出手段(演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34)における具体的な演出態様をいう。例えば、演出表示装置31においては、変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄36の変動態様が決定される。
また、本実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄36の組み合わせの一部が停止表示され、他の演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄36の組み合わせとして「777」の3桁の演出図柄36の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄36が「7」で停止表示され、残りの演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。
サブCPU120aは、変動演出パターンを決定すると、決定した変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを画像制御基板150のホストCPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。また、変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「A1H」で設定され、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「B1H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=01H)」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=02H)」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=03H)」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=04H)」等の各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
次に、図16を参照して、サブROM120bに記憶されている発展演出パターン決定テーブルの詳細について説明する。
(発展演出パターン決定テーブル)
図16は、遊技者の演出ボタン35の操作によって変動演出パターンの発展態様を決定するための発展演出パターン決定テーブルを示す図である。
サブCPU120aは、決定した演出パターン指定コマンド、操作区分、および、演出用乱数値2に基づいて、発展演出パターンを決定する。ここで、操作区分とは、後述する遊技者による演出ボタン35の操作のタイミングによって決定させる区分のことをいう。
また、操作区分により発展演出パターンが異なるようになっている。例えば、演出パターン指定コマンド(A1H01H)を決定した際、操作区分が“0”の場合には、発展演出パターン1a(成功演出1a)が80/100で選択され、発展演出パターン1b(成功演出2a)が20/100で選択される。一方、操作区分が“1”の場合には、発展演出パターン1c(通常演出)が選択され、操作区分が“2”の場合には、発展演出パターン1d(失敗演出)が選択される。
また、演出パターン指定コマンド(A1H09H)を決定した際には、操作区分が“0”の場合には、発展演出パターン9a(成功演出1b)が20/100で選択され、発展演出パターン9b(成功演出2b)が80/100で選択される。また、操作区分が“1”の場合には、発展演出パターン9c(通常演出)が選択され、操作区分が“2”の場合には、発展演出パターン9d(失敗演出)が選択される。
また、演出パターン指定コマンド(A1H03H)を決定した際には、操作区分が“0”の場合には、発展演出パターン3a(成功演出1c)が選択され、操作区分が“1”の場合には、発展演出パターン3c(通常演出)が選択され、操作区分が“2”の場合には、発展演出パターン3d(失敗演出)が選択される。一方、演出パターン指定コマンド(A1H0AH)を決定した際には、操作区分が“0”の場合には、発展演出パターン10b(成功演出2c)が選択され、操作区分が“1”の場合には、発展演出パターン10c(通常演出)が選択され、操作区分が“2”の場合には、発展演出パターン10d(失敗演出)が選択される。
ここで、発展演出パターン3a(成功演出1c)は、大当たり抽選に当選している場合にのみ選択される演出である。すなわち、遊技者は、演出ボタン35の操作によって操作区分を“0”とすることができれば、発展演出パターン3a(成功演出1c)を表示させることができ、大当たり抽選の当選を示唆することができる。一方、操作区分が“1”や“2”となると、ハズレの場合にも表示される発展演出パターン3c(通常演出)や発展演出パターン3d(失敗演出)が表示され、大当たり抽選に当選しているか否か予測することが困難である。
なお、発展演出パターンが選択される確率が異なる場合の演出については、後述する。
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
(演出制御基板のメイン処理)
図17を用いて、演出制御基板120のメイン処理を説明する。
ステップS1000において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1100に処理を移す。
ステップS1100において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
(演出制御基板のタイマ割込処理)
図18を用いて、演出制御基板120のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1400において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1500において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS1600において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図19および図20を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS1700において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。演出入力制御処理の具体的な説明は、図21を用いて後述する。
ステップS1800において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種データをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS1900において、サブCPU120aは、ステップS1400で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
(演出制御基板のコマンド解析処理)
図19および図20を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図20に示すコマンド解析処理2は、図19に示すコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
ステップS1601において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1610に処理を移す。
ステップS1610において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1611に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS1620に処理を移す。
ステップS1611において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1620において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS1621に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS1630に処理を移す。
ステップS1621において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、演出表示装置31における特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う。
ステップS1630において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1631に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1640に処理を移す。
ステップS1631において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、演出表示装置31に停止表示させる演出図柄36を決定する演出図柄決定処理を行う。
具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄36の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す情報をサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1632において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
ステップS1640において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1641に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1650に処理を移す。
ステップS1641において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値、受信した変動パターン指定コマンドおよび演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。
具体的には、ノーマル演出モードであれば、取得した演出用乱数値に基づいて1つの変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した変動演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。その後、かかる演出パターンに基づいて、演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄36の変動態様が決定されることとなる。
ステップS1650において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1651に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1660に処理を移す。
ステップS1651において、サブCPU120aは、演出図柄36を停止表示させるために、上記ステップS1641で決定された演出図柄データに基づくデータと、演出図柄を停止表示させるための停止指示データをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う。
ステップS1660において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1661に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1670に処理を移す。
ステップS1661において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
ステップS1670において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニング指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニング指定コマンドであればステップS1671に処理を移し、オープニング指定コマンドでなければステップS1680に処理を移す。
ステップS1671において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニング指定コマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1680において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1681に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1690に処理を移す。
ステップS1681において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1690において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディング指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディング指定コマンドであればステップS1691に処理を移し、エンディング指定コマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS1691において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
具体的には、エンディング指定コマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
(演出制御基板の演出入力制御処理)
図21を用いて、演出制御基板120の演出入力制御処理を説明する。
なお、以下で説明する操作有効フラグとは、演出ボタン35の操作が有効か否かを示すものであり、演出ボタン35の操作が有効である場合の値を“1”とし、操作が有効でない場合の値を“0”とするようにしている。また、操作中フラグとは、演出ボタン35が遊技者により押下中であるか否かを示すものであり、押下中である場合の値を“1”とし、押下中でない場合の値を“0”とするようにしている。なお、操作有効フラグおよび操作中フラグは、演出制御基板120のサブRAM120cに記憶され、サブCPU120aによって、操作有効フラグは決定した演出に応じて、操作中フラグは本演出入力制御処理において、書き込まれるようになっている。
ステップS1711において、サブCPU120aは、操作有効フラグの値が“1”であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作有効フラグの値が“1”であれば、ステップS1712に移行し、操作有効フラグの値が“1”でなければ(すなわち、“0”であれば)、演出ボタン35の操作は無効であるので、本演出入力制御処理を終了する。
ステップS1712において、サブCPU120aは、操作中フラグの値が“0”であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作中フラグの値が“0”であれば、前回の処理までに演出ボタン35が操作されていないものとして、ステップS1713に移行し、操作中フラグの値が“0”でなければ、前回の処理では演出ボタン35が操作されていたものとして、ステップS1717に移行する。
ステップS1713において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aにより検出信号が入力されているか否かを判定する。サブCPU120aは、検出信号を入力していれば、今回演出ボタン35が操作されたものとして、ステップS1714に移行し、検出信号を入力していなければ、演出ボタン35が操作されていないものとして、本演出入力制御処理を終了する。
ステップS1714において、サブCPU120aは、現在の時刻を演出ボタン35の押下開始時間として取得する。なお、押下開始時間として現在の時刻を取得するのではなく、タイマの計時を開始し、後述する開放操作時間の取得時に、このタイマの値を取得するようにしても良い。
次いで、ステップS1715において、サブCPU120aは、演出ボタン35の押下時の演出を開始するコマンドをセットする。
次いで、ステップS1716において、サブCPU120aは、操作中フラグに“1”をセットして、本演出入力制御処理を終了する。
一方、サブCPU120aは、ステップS1712で操作中フラグの値が“0”でなければ、ステップS1717において、演出ボタン検出スイッチ35aにより検出信号が入力されているか否かを判定する。サブCPU120aは、検出信号を入力していれば、演出ボタン35が継続して操作されている(押下され続けている)ものとして、本演出入力制御処理を終了し、検出信号を入力していなければ、演出ボタン35が開放されたものとして、ステップS1718に移行する。
ステップS1718において、サブCPU120aは、現在の時刻を演出ボタン35の開放操作時間として取得し、この開放操作時間と押下開始時間とから操作中時間を算出する。なお、上記のように、押下開始時間および開放操作時間を用いず、タイマによる計時を用いる場合には、本処理においてタイマの値を取得するようにする。
次いで、ステップS1719において、サブCPU120aは、大当たり抽選結果に基づいて、算出した操作中時間から操作区分を決定する。大当たり抽選結果に基づいた操作中時間から操作区分を決定する方法の詳細については、後述する。
次いで、ステップS1720において、サブCPU120aは、発展演出パターン決定テーブルを参照し、すでに決定している演出パターン指定コマンド、上記決定した操作区分、および、演出用乱数値2に基づいて、発展演出パターンを決定するとともに、サブRAM120cの送信バッファに操作区分をセットする。なお、上記演出用乱数値2は、上記ステップS1100において更新された演出用乱数値を用いても良いが、このステップS1720において取得するようにしても良い。
次いで、サブCPU120aは、ステップS1721において、操作中フラグを“0”にクリアして、本演出入力制御処理を終了する。
次に、操作中時間から操作区分を決定する方法、および、演出ボタン35の押下開始時および開放操作時を検出することによる特性を生かした演出について、説明する。
図22は、操作中時間から操作区分を決定する方法について説明する図であり、図23は、演出表示装置31に表示される表示画面例である。
また、図22(a)は、大当たり抽選結果により操作中時間に対応する操作区分が異なる場合を示す図であり、図22(b)は、大当たり抽選結果によらず操作中時間に対応する操作区分が同一の場合を示す図である。なお、図22中の各バーは、操作中時間を示し、左から経過し右に行くほど操作中時間が長いことを示す。また、図22中の破線は、遊技者に目標とさせる目標操作時間を示すものである。さらに、各バーの下の“0”〜“2”の数字は、設定される操作区分を示す。
また、図23(a)は、遊技者が最適な操作中時間で演出ボタン35を開放操作した場合の表示画面例である。また、図23(b)は、遊技者の操作中時間が短過ぎた場合の表示画面例であり、図23(c)は、遊技者の操作中時間が長過ぎた場合の表示画面例である。
まず、大当たり抽選結果により操作中時間に対応する操作区分を異ならせる場合について、説明する。
図22(a)に示すように、大当たり抽選に当選している場合には、ハズレの場合よりも操作区分“0”が選択され易くなっている。すなわち、大当たり抽選に当選している場合には、目標操作時間から多少ずれた場合であっても、操作区分を“0”とするようにしている。このズレの量は、操作のしやすさや演出状況等に応じて適宜設定するものとする。
これに対し、大当たり抽選にハズレている場合には、操作区分を“0”とする範囲を当選している場合よりも狭める。また、操作区分を“0”とする範囲は、目標操作時間よりも手前までとし、遊技者の操作が目標操作時間となった場合には、操作区分を“2”とする。
ここで、操作区分を“0”とする範囲は、目標操作時間まででも良いが、目標操作時間よりも手前までとしたのは、目標操作時間で正確に操作できた場合には、当選時と差をつけ、演出を異ならせることにより、大当たり抽選の結果を示唆させるようにするためである。これにより、より正確に演出ボタン35の操作を行うようになる。また、この効果は、当選時に目標操作時間を過ぎても操作区分が“0”となることからも得られる。すなわち、操作区分が“0”から“2”に切り替わる時間が、当選時とハズレ時とで異なれば、いずれの場合も上記のような効果を得ることができる。
このように、大当たり抽選の結果に応じて操作区分を設定することにより、遊技者が適切な操作を行うことにより、大当たり当選時の方がハズレ時の場合よりも操作区分が“0”となり易く、当選を示唆する演出を行い、抽選結果を示唆することができる。例えば、変動演出パターン1または変動演出パターン8が選択されている場合に、このような制御を行う(図16における(1)に該当する)。
また、図23に、操作区分ごとの演出表示例を示し、説明する。
図23に示すように、本実施の形態においては、演出ボタン35の操作中時間に応じてキャラクタ90を移動させる演出を行う。遊技者の演出ボタン35の操作により、操作中時間が所定の最適な操作中時間であった場合、すなわち、操作区分が“0”となるような場合には、図23(a)に示すように、キャラクタ90を第1領域91で停止させる演出を行う。
ここで、大当たり抽選に当選している場合には、目標操作時間を多少過ぎてしまった場合であっても、操作区分は“0”となり、成功演出1aまたは成功演出2aが選択され、例えば、キャラクタ90は、崖の手前で急ブレーキがかかって止まる演出を行う。これに対して、大当たり抽選にハズレている場合には、目標操作時間で操作した場合であっても、操作区分は“2”となり、失敗演出が選択され、例えば、キャラクタ90は、崖の手前でスリップし崖から転落してしまう演出を行う。そして、このように操作中時間が所望の操作中時間であった場合には、大当たり抽選の抽選結果に応じて操作区分が選択され、操作区分に応じた演出が行われるため、操作区分“0”の場合に選択される演出は、大当たり抽選に当選している信頼性が高い演出画面であるということがいえる。
一方、遊技者の演出ボタン35の操作中時間が短い場合には、上記最適な操作中時間よりも短くなり、図23(b)に示すように、キャラクタ90を操作中時間に応じて第2領域92または第3領域93で停止させる演出を行う。すなわち、操作区分が“1”の場合には、第2領域92に停止させ、操作区分が“2”の場合には、第3領域93に停止させる演出を行う。ここで、操作区分が“1”や“2”の場合には、大当たり抽選に当選していてもハズレていても同様に表示される演出を行う。
このように、キャラクタ90が第2領域92で停止した場合には、上記第1領域91で停止した場合よりも、大当たり抽選の抽選結果の判別がしづらい、すなわち、信頼性が低い演出画面を表示する。また、キャラクタ90が第3領域93で停止した場合には、第2領域92で停止した場合よりも、さらに大当たり抽選の抽選結果の信頼性が低い演出画面を表示するようにしても良い。
また、遊技者の演出ボタン35の操作中時間が長過ぎる場合には、上記最適な操作中時間よりも長くなり、操作区分は“2”であり、図23(c)に示すように、第1領域91を超えて、第4領域94に入り、キャラクタ90が崖から転落する演出を行う。
この場合、キャラクタ90が第3領域93で停止した場合と同様に、大当たり抽選の抽選結果の信頼性が最も低い演出画面を表示する。なお、キャラクタ90が第4領域94となった場合には、第3領域93で停止した場合よりも、さらに大当たり抽選の抽選結果の信頼性が低い演出画面を表示するようにしても良い。このような場合を含め、操作中時間が長過ぎる場合には、操作区分を“3”としても良い。
次に、大当たり抽選結果によらず操作中時間に対応する操作区分を同一とする場合について、説明する。
図22(b)に示すように、本実施の形態の場合、大当たり抽選の結果にかかわらず、操作中時間に対応する操作区分は、同一となっている。しかしながら、操作区分が“0”となった場合には、選択される演出の確率を異ならせるようにしている。例えば、変動演出パターン2または変動演出パターン9が選択されている場合に、このような制御を行う(図16における(2)に該当する)。
具体的には、大当たり抽選に当選している場合に、変動演出パターン2が選択され、大当たり抽選にハズレている場合に、変動演出パターン9が選択されているとする。この場合に、遊技者の操作により操作区分を“0”とすることができれば、大当たり抽選に当選している場合、80/100の確率で成功演出1b(例えば、“激アツだ!”)が選択され、残りの20/100の確率で成功演出2b(例えば、“アツイぞ!”)が選択される。
一方、操作区分を“0”とすることができても、大当たり抽選にハズレている場合、20/100の確率でしか成功演出1bは選択されず、残りの80/100の確率で成功演出2bが選択される。
したがって、遊技者側からみると、成功演出1bが表示された場合には、大当たり抽選に当選している確率が高い。すなわち、成功演出1bは、大当たり当選の信頼度(信頼確率)が高い演出であるといえる。そして、この成功演出1bは、演出ボタン35の操作により、操作区分を“0”としなければ表示されないため、遊技者は、演出ボタン35の操作タイミングに対する関心が高まり、遊技に対する興趣が向上する。
さらに、変動演出パターン3と変動演出パターン10を用いた演出について、説明する(図16における(3)に該当する)。図16に示すように、変動演出パターン3は、大当たり抽選に当選している場合の演出であり、変動演出パターン10は、大当たり抽選にハズレている場合の演出である。
大当たり抽選に当選していて、変動演出パターン3が選択された場合に、操作区分を“0”とすることができると、成功演出1cが表示される。一方、大当たり抽選にハズレていて、変動演出パターン10が選択された場合に、操作区分を“0”とすることができると、成功演出2cが表示される。したがって、遊技者は、操作区分を“0”とすることにより、成功演出1cが表示されるか、成功演出2cが表示されるかで、大当たり抽選に当選しているのかハズレているのかを推測することができる。
このように、操作中時間、すなわち、演出ボタン35を押下している時間による演出の変化が楽しめるとともに、その操作結果によっても発展演出パターンが変化し、例えば、大当たり示唆の画面を異ならせるようにしている。
また、上記発展演出においては、キャラクタ90がそれぞれ第1領域91から第4領域94に停止した場面においての演出を行うようにしているが、このキャラクタ90が停止した演出からさらに発展させて、例えば、それぞれの状態(操作区分)に応じて、新たな敵キャラとの対戦を行う演出等を表示させるようにしても良い。
具体的には、キャラクタ90の停止演出の次に、操作区分が“0”の場合には、雑魚キャラとの対戦演出を行い、操作区分が“1”の場合には、通常の敵キャラとの対戦演出を行い、操作区分が“2”の場合には、ボスキャラとの対戦演出を行うといったことが考えられる。
さらに、図24に、上記図3に示した演出ボタンとは異なる他の構成例の演出ボタンの断面図を示し、説明する。なお、図3に示した演出ボタンと同一の構成には、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図24に示すように、演出ボタンは、操作部210および検出器収納部230を備えている。検出器収納部230には、検出信号送信部232aおよび検出信号受信部232bを有するボタン開放検出器232が備えられている。また、操作ボタン220の下部には、信号遮蔽部225が支柱223に固定されている。
操作ボタン220がコイルスプリング217で押し上げられ、鍔222がカバー213に接触した状態においては、検出器収納部230に設置されたボタン開放検出器232の検出信号送信部232aから送信された検出信号が、ボタン開放検出器232の検出信号受信部232bに受信されるようになっている。ここで、ボタン開放検出器232は、例えば、フォトセンサであり、検出信号送信部232aから発光し、検出信号受信部232bで受光するようになっている。
また、操作ボタン220がコイルスプリング217のバネ力に抗して矢印X1の方向に押し下げられると、コイルスプリング217が収縮し、操作ボタン220に取り付けられた信号遮蔽部225が下方に移動する。信号遮蔽部225が下方に移動すると、ボタン開放検出器232の検出信号送信部232aから送信された検出信号が、検出信号受信部232bに受信されない。
したがって、ボタン開放検出器232は、検出信号送信部232aから送信した検出信号が、検出信号受信部232bで受信できた場合に、演出ボタンへの操作指示が無いものと判定し、検出信号受信部232bで上記検出信号が受信できなかった場合に、演出ボタンへの操作指示が入力されたものと判定するようになっている。すなわち、演出ボタン検出スイッチ35aは、ボタン開放検出器232および信号遮蔽部225により構成され、演出ボタンへの操作指示の入力を検知するようになっている。
以上のように、本実施の形態における遊技機1は、演出ボタン35が押下されてから開放されるまでの時間、すなわち、操作中時間を演出ボタン検出スイッチ35aが検知し、検知された操作中時間に基づいて演出画像の表示制御を行うので、遊技者の操作タイミングによって演出に変化をつけることができ、遊技者の参加意識を高めるとともに、遊技演出を多様化することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態における遊技機1は、操作中時間に基づいて大当たり抽選の抽選結果を示唆する演出画面を表示するので、遊技者による演出ボタン35の操作タイミングに対する関心を高め、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態における遊技機1は、演出ボタン35を操作した操作中時間が所定の時間であった場合に、所定の時間外であった場合よりも大当たり抽選の結果の信頼確率が高い演出画像を表示させるので、演出ボタン35の操作タイミングに対する関心をさらに高め、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態における遊技機1は、演出ボタン35を操作した操作中時間および大当たり抽選の結果に応じて操作区分を決定し、決定した操作区分に応じた演出画像を表示させるようにしている。また、本実施の形態における遊技機1は、演出ボタン35を操作した操作中時間および大当たり抽選の結果に応じて選択する演出画像の確率を変更するようにしている。すなわち、本実施の形態における遊技機1は、操作中時間に加え、抽選結果に応じて演出画像を表示させる。したがって、本実施の形態における遊技機1は、操作中時間が所望の操作中時間であった場合に、大当たり抽選の抽選結果を示唆することができ、遊技者に演出ボタン35の操作タイミングに興味を持たせ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態における遊技機1は、演出ボタン35を操作した操作中時間が所定の時間を過ぎてしまうと、大当たり抽選の結果を示唆する演出画像を表示させないので、演出ボタン35を長く押し続けないように、慎重に操作タイミングを計らせることができ、遊技者の参加意識を高めるとともに、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、演出ボタン検出スイッチ35aが、検出信号のオンとオフとを検出するようにしているが、これに限らず、検出信号の立ち上がりおよび立下りを検出するようにしても良い。この場合も上述した遊技機と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本発明に係る遊技機は、遊技者が操作する操作部の操作量によって演出に変化をつけることができ、遊技者の参加意識を高めるとともに、遊技演出を多様化することができ、遊技に対する興趣を向上させることができるという効果を有し、遊技者が演出に関与することができる演出表示を行う遊技機等として有用である。