JP5181050B2 - 燃焼器の尾筒、及びこれを備えているガスタービン - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼器の尾筒、及びこれを備えているガスタービンに関する。
ガスタービンの燃焼器は、高温・高圧の燃焼ガスをタービンに送る尾筒を備えている。この尾筒を形成する胴板は、その焼損を防ぐために、内周側に冷却空気を導く構造を有している。具体的に、胴板には、尾筒の軸線に沿った方向に延びる複数の冷却空気通路が形成されていると共に、複数の冷却空気通路毎に、胴板の外周側に開口した冷却空気入口と胴板の内周側に開口した冷却空気出口とが形成されている。冷却空気は、尾筒の外周側の冷却空気入口から冷却空気通路内に入り、冷却空気出口から尾筒の内周側に出る。
複数の冷却空気通路毎の冷却空気出口は、尾筒の軸線方向の位置がほぼ同一であることが多い。ところで、近年、ガスタービンの熱効率を高めるために、尾筒内を流れる燃焼ガスの温度が高温化している。このため、空気冷却通路の数量を増やすと共に、空気冷却通路の相互間隔を狭めて、胴板の冷却効果を高めている。しかしながら、このように、冷却空気通路の相互間隔が狭まると、冷却空気出口の相互間隔が狭まる結果、一の冷却空気出口を基点にクラックが発生すると、そのクラックが隣の冷却空気出口までつながり易くなり、クラックの成長が促されてしまう。
そこで、以下の特許文献1では、複数の冷却空気通路毎の冷却空気出口を千鳥状に配置することが提案されている。このように、複数の冷却空気通路毎の冷却空気出口を千鳥状に配置すると、隣り合う冷却空気通路の相互間隔を狭めても、隣り合う冷却空気出口の軸線方向の位置が相互に異なっているため、隣り合う冷却空気出口相互間の間隔をある程度確保でき、結果として、一の冷却空気出口を基点にクラックが発生しても、このクラックの成長をある程度抑えることができる。
特開昭62−150543号公報
前述したように、尾筒内を流れる燃焼ガスの温度の高温化が益々進むに伴い、胴板の冷却効果をより高めるため、冷却空気通路の相互間隔をより狭めることが検討されている。このため、冷却空気通路の相互間隔をさらに狭めても、特許文献1に記載の技術以上に、クラックの成長を抑えることができる構造が望まれている。
そこで、本発明は、このような要望に応えるべく、胴板の冷却効果を高めつつも、クラックの成長を抑えることができる燃焼器の尾筒及びこれを備えているガスタービンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための発明に係る燃焼器の尾筒は、
軸線回りに筒状に形成された胴板を有し、該胴板の内周側を高温の燃焼ガスが流れて、該燃焼ガスをタービンへ送る燃焼器の尾筒において、前記胴板には、前記軸線に沿った方向に延びる複数の冷却空気流路が形成されていると共に、複数の該冷却空気通路毎に、該胴板の外周側に開口した該冷却空気通路の冷却空気入口及び該胴板の内周側に開口した該冷却空気通路の冷却空気出口が形成され、複数の前記冷却空気通路毎の前記冷却空気出口は、複数の列を成し、該列を構成する複数の該冷却空気出口は、前記軸線に対して傾斜した方向に並んでおり、複数の前記列のうちで隣り合う列の相互間隔は、該列を構成する複数の冷却空気出口のうちで隣り合う冷却空気出口の相互間隔よりも大きく、前記列は、筒状に形成された前記胴板の内周側を前記燃焼ガスが流れている際に、該胴板の内周面に発生する主応力の方向に沿った方向に延びていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための発明に係る他の燃焼器の尾筒は、
軸線回りに筒状に形成された胴板を有し、該胴板の内周側を高温の燃焼ガスが流れて、該燃焼ガスをタービンへ送る燃焼器の尾筒において、前記胴板には、前記軸線に沿った方向に延びる複数の冷却空気流路が形成されていると共に、複数の該冷却空気通路毎に、該胴板の外周側に開口した該冷却空気通路の冷却空気入口及び該胴板の内周側に開口した該冷却空気通路の冷却空気出口が形成され、複数の前記冷却空気通路毎の前記冷却空気出口は、複数の列を成し、該列を構成する複数の該冷却空気出口は、前記軸線に対して傾斜した方向に並んでおり、複数の前記列のうちで隣り合う列の相互間隔は、該列を構成する複数の冷却空気出口のうちで隣り合う冷却空気出口の相互間隔よりも大きく、前記列は、筒状に形成された前記胴板の内周側を前記燃焼ガスが流れている際に、該胴板の内周面に発生する主応力の方向に沿った方向に延びていることを特徴とする。
胴板に発生するクラックの多くは、熱環境が厳しく且つ応力が集中する冷却空気出口を基点に発生する。また、このクラックは、主応力の方向に対してほぼ垂直な方向に延びる。
また、筒状に形成された胴板内に高温の燃焼ガスが流れると、この胴板には、仮想平面を基準にして、両側の部分には、いずれも、下流側に向うに連れて仮想平面に近づく向きに主応力が発生する。このため、当該尾筒では、仮想平面を基準にして、両側の部分の列を構成する複数の冷却空気出口は、いずれも、主応力の方向に沿った方向に並ぶことになる。このため、一の冷却空気出口を基点にクラックが発生し、さらに、この同じ列中で一の冷却空気出口と隣り合っている他の冷却空気出口を基点にクラックが発生しても、当該尾筒では、両クラックがつながるのを抑えることができる。
また、当該尾筒では、冷却空気出口の隣り合う列の相互間隔が列中で隣り合う冷却空気出口の相互間隔よりも大きい。このため、当該尾筒では、一の冷却空気出口を基点にクラックが発生し、さらに、この一の冷却空気出口を含む列に隣り合っている列中の他の冷却空気出口を基点にクラックが発生しても、両クラックがつながるのを抑えることができる。
よって、当該尾筒では、一の冷却空気出口を基点にクラックが発生し、さらに、この一の冷却空気出口に対して、方向を問わずに隣り合っている他の冷却空気出口を基点にクラックが発生しても、両クラックがつながるのを抑えることができる。
すなわち、当該尾筒では、胴板の冷却効果を高めるために、複数の冷却空気通路の相互間隔を狭めても、クラックの成長を抑えることができる。
また、前記燃焼器の尾筒において、複数の前記列は、いずれも、3個以上の前記冷却空気出口で構成されていることが好ましい。
隣り合う列の相互間隔は、列を構成する冷却空気出口の数量が多くなるほど広くなる。このため、当該尾筒では、一の冷却空気出口を基点にクラックが発生し、さらに、この一の冷却空気出口を含む列に隣り合っている列中の他の冷却空気出口を基点にクラックが発生しても、両クラックがつながるのをより抑えることができる。
また、前記燃焼器の尾筒において、前記軸線に対して傾斜した方向に延びる前記列は、少なくとも、前記燃焼ガスの上下流方向の中央部を含む下流側に形成されていることが好ましい。
尾筒は、一般的に、その断面積が下流に向うに連れて次第に小さくなっている。このため、尾筒内の燃焼ガスは、下流側に向うに連れて次第に流速が高まる。よって、尾筒の上流側の部分よりも下流側の部分の方が燃焼ガスからの入熱量が多くなる。当該尾筒では、燃焼ガスからの入熱量が相対的に多い下流側の部分において、クラックの成長を抑えつつも、冷却空気通路の相互間隔を狭めて、胴板中の当該部分の冷却効果を高めることができる。
ここで、前記燃焼器の尾筒において、複数の前記冷却空気通路毎の前記冷却空気入口と前記冷却空気出口との相互間隔は、複数の該冷却空気通路相互で同じであってもよい。この場合、複数の前記冷却空気通路毎の冷却空気入口は、冷却空気出口の列が延びている方向と同じ方向に並ぶことになる。
上記目的を達成するための発明に係るガスタービンは、
前記尾筒を有する前記燃焼器と、前記燃焼器へ圧縮空気を送る圧縮機と、前記燃焼器からの前記燃焼ガスにより駆動する前記タービンと、を備えていることを特徴とする。
当該ガスタービンも、前記尾筒を有するので、尾筒を形成する胴板の冷却効果を高めるために、複数の冷却空気通路の相互間隔を狭めても、クラックの成長を抑えることができる。
本発明では、尾筒を形成する胴板中の一の冷却空気出口を基点にクラックが発生し、さらに、この一の冷却空気出口に対して、方向を問わずに隣り合っている他の冷却空気出口を基点にクラックが発生しても、両クラックがつながるのを抑えることができる。
よって、本発明によれば、尾筒を形成する胴板の冷却効果を高めるために、複数の冷却空気通路の相互間隔を狭めても、クラックの成長を抑えることができる。
本発明に係る一実施形態における尾筒の要部切欠斜視図である。 本発明に係る一実施形態における尾筒の平面図である。 本発明に係る一実施形態における尾筒の要部平面図である。 比較例としての尾筒の要部平面図である。 本発明に係る一実施形態における尾筒の斜視図である。 本発明に係る一実施形態におけるガスタービンの要部断面図である。 本発明に係る一実施形態におけるガスタービンの要部を切り欠いた全体側面図である。 本発明に係る一実施形態の変形例における尾筒の平面図である。 本発明に係る一実施形態に他の変形例における尾筒の平面図である。
以下、本発明に係るガスタービンの実施形態について、図1〜図7を参照して詳細に説明する。
本実施形態のガスタービンは、図7に示すように、外気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機1と、燃料供給源からの燃料を圧縮空気に混合して燃焼させて燃焼ガスを生成する複数の燃焼器10と、燃焼ガスにより駆動するタービン2と、を備えている。
タービン2は、ケーシング3と、このケーシング3内で回転するタービンロータ4とを備えている。このタービンロータ4は、例えば、このタービンロータ4の回転で発電する発電機(図示されていない。)と接続されている。複数の燃焼器10は、タービンロータ4の回転軸線Arを中心として、周方向に互いに等間隔でケーシング3に固定されている。
燃焼器10は、図6に示すように、高温・高圧の燃焼ガスGをタービン2に送る尾筒20と、この尾筒20内に燃料及び圧縮空気を供給する燃料供給器11と、を備えている。燃料供給器11は、パイロット燃料X及び圧縮空気Aを尾筒20内に供給して、この尾筒20内に拡散火炎を形成するパイロットバーナ12と、メイン燃料Y及び圧縮空気Aを予混合して、予混合気体として尾筒20内に供給し、この尾筒20内に予混合火炎を形成する複数のノズル13と、を備えている。
尾筒20は、軸線Ac回りに筒状に形成されている胴板21と、胴板21の上流端に取り付けられる上流側枠27と、胴板21の下流端に取り付けられる下流側枠28と、胴板21の上流側に圧縮機1からの圧縮空気Aを燃料供給器11を介さずに送り込むためのパイパス管接続フランジ29と、を有している。
筒状に形成されている胴板21は、図5に示すように、上流側の断面形状が円形で、下流側の断面形状が略長方形状である。このため、上流側枠27は円形を成し、下流側枠28は略長方形状を成している。また、筒状に形成されている胴板21の断面積は、上流側から下流側に向うに連れて次第に小さくなっている。
この胴板21は、予め定めた軸線Acに対して垂直な断面図心がこの軸線Ac上に位置するように形成されている。言い換えると、燃焼ガスGが流れる上下流方向における各位置での胴板21の断面図心を連ねたものが軸線Acを成す。また、本実施形態において、筒状の胴板21は、尾筒20の軸線Acとタービンロータ4の回転軸線Arとを含む仮想平面Pを基準にして、下流側に向って左右対称である。
胴板21は、図1に示すように、2枚の板21o,21iを接合したものを曲げ加工して形成されている。胴板21を構成する2枚の板21o,21iのうち、胴板21の外周側を形成する外胴板21oの内周面には、外周側に凹み且つ軸線Acに沿った方向に延びる複数の溝22が形成されている。外胴板21oの内周面には、胴板21を構成する2枚の板21o,21iのうちの他方の板である内胴板21iが接合されている。外胴板21oに形成されている溝22の開口は内胴板21iにより塞がれて冷却空気通路23を形成している。
胴板21には、複数の冷却空気通路23毎に、胴板21の外周側に開口した冷却空気通路23の冷却空気入口24及び胴板21の内周側に開口した冷却空気通路23の冷却空気出口25が形成されている。複数の冷却空気通路23毎の冷却空気出口25は、複数の列Roを成し、列Roを構成する複数の冷却空気出口25は、軸線Acに対して傾斜した方向に並んでいる。1つの列Roは、本実施形態において3つの冷却空気出口25で構成されている。
複数の冷却空気通路23毎に対を成す冷却空気入口24と冷却空気出口25との相互間隔Dioは、図3に示すように、複数の冷却空気通路23相互で実質的に同じである。このため、複数の冷却空気通路23毎の冷却空気入口24も、冷却空気出口25と同様、複数列Riを成し、列Riを構成する複数の冷却空気入口24は、冷却空気出口25の列Roが延びている方向に並んでいる。
列Roを成す複数の冷却空気出口25は、いずれも、図2及び図5に示すように、胴板21のうちで、タービンロータ4から遠い側の上胴部であって、燃焼ガスGの上下流方向の中央部を含む下流側部に形成されている。よって、冷却空気出口25と対を成す冷却空気入口24も、胴板21のうちで、タービンロータ4から遠い側の上胴部であって、燃焼ガスGの上下流方向の中央部を含む下流側部に形成されている。
尾筒20の軸線Acとタービンロータ4の回転軸線Arとを含む仮想平面Pを基準にして、両側に形成されている冷却空気入口24の列Ri及び冷却空気出口25の列Roは、いずれも、下流側に向うに連れて仮想平面P近づく向きに傾斜している。すなわち、仮想平面Pを基準にして、下流側に向かって左側に形成されている冷却空気入口24の列Ri及び冷却空気出口25の列Roは、いずれも、下流側に向かうに連れて右側に寄る向きに傾斜し、下流側に向かって右側に形成されている冷却空気入口24の列Ri及び冷却空気出口25の列Roは、いずれも、下流側に向かうに連れて左側に寄る向きに傾斜している。
冷却空気出口25の複数の列Roのうちで隣り合う列Roの相互間隔Drは、図3に示すように、列Roを構成する複数の冷却空気出口25のうちで隣り合う冷却空気出口25の相互間隔Doよりも大きい。
圧縮機1からの圧縮空気Aのほとんどは、図6に示すように、燃焼器10の燃料供給器11内へ送られ、この燃料供給器11から燃料と共に尾筒20内に噴射される。尾筒20内では、燃料が燃焼して、高温の燃焼ガスGが生成される。この高温の燃焼ガスGは、尾筒20からタービン2内に流れ込み、タービンロータ4を回転させる。
また、尾筒20内には、圧縮機1からの圧縮空気Aの一部が冷却空気として、その外周側から、この尾筒20の冷却空気入口24、冷却空気通路23、冷却空気出口25を経て流れ込む。このため、尾筒20の内周面は、この冷却空気により、高温の燃焼ガスGから保護される。なお、以上では、冷却空気入口24及び冷却空気出口25が、胴板21のうちで、上胴部の下流側部にのみ形成されているように記載しているが、実際には、胴板21の各部に形成されている。
図2に示すように、胴板21の上胴部における下流側部の内周面には、燃焼ガスGが内周側を流れている際、下流側に向うに連れて仮想平面Pに近づく向きの主応力σが発生する。本実施形態では、列Roを構成する複数の冷却空気出口25は、この主応力σの方向に沿った方向に並んでいる、言い換えると、冷却空気出口25の列Roは、この主応力σの方向に沿った方向に延びている。
図3に示すように、胴板21に発生するクラックCの多くは、熱環境が厳しく且つ応力が集中する冷却空気出口25を基点に発生する。また、このクラックCは、主応力σの方向に対してほぼ垂直な方向に延びる。
このため、列Roを構成する複数の冷却空気出口25が、本実施形態にように、主応力σの方向に沿った方向に並んでいると、一の冷却空気出口25aを基点にクラックCaが発生し、さらに、この同じ列Ro中で一の冷却空気出口25aと隣り合っている他の冷却空気出口25bを基点にクラックCbが発生しても、両クラックCa,Cbがつながるのを抑えることができる。
また、本実施形態では、前述したように、冷却空気出口25の隣り合う列Roの相互間隔Drが列Ro中で隣り合う冷却空気出口25の相互間隔Doよりも大きい。このため、一の冷却空気出口25aを基点にクラックCaが発生し、この一の冷却空気出口25aを含む列Roに隣り合っている列Ro中の他の冷却空気出口25cを基点にクラックCcが発生しても、両クラックCa,Ccがつながるのを抑えることができる。
ところで、「背景技術」の欄で説明した特許文献1に記載の技術では、図4に示すように、複数の冷却空気通路33毎の冷却空気出口35を千鳥状に配置している。仮に、一の冷却空気出口35aと、この一の冷却空気出口35aに対して一方の側で隣り合っている他方の冷却空気出口35bとが、主応力σの方向に沿った方向に並んでいるとする。この場合、以上で説明した本実施形態と同様に、一の冷却空気出口35aを基点にクラックCaが発生し、さらに、他方の冷却空気出口35bを基点にクラックCbが発生しても、両クラックCa,Cbがつながるのを抑えることができる。
しかしながら、この場合、一の冷却空気出口35aと、この一の冷却空気出口35aに対して他方の側で隣り合っている他方の冷却空気出口35cは、主応力σの方向に対してほぼ垂直な方向に並ぶ上に、両冷却空気出口35a,35cの相互間隔Ddが比較的短いため、一の冷却空気出口35aを基点にクラックCaが発生し、さらに、他方の冷却空気出口35cを基点にクラックCcが発生すると、両クラックCa,Ccがつながる可能性が極めて高くなる。
すなわち、特許文献1に記載の技術では、クラックCの成長を抑えることができない場合がある。
一方、本実施形態では、一の冷却空気出口25aを基点にクラックCaが発生し、さらに、この一の冷却空気出口25aに対して、方向を問わずに隣り合っている他の冷却空気出口25b,25cを基点にクラックCb,Ccが発生しても、前述したように、両クラックCa,Cb、Ca,Ccがつながるのを抑えることができる。すなわち、本実施形態では、複数の冷却空気通路23の相互間隔を狭めても、特許文献1に記載の技術よりも、クラックCの成長を抑えることができる。
なお、以上の実施形態では、図2に示すように、冷却空気入口24の複数の列Riや冷却空気出口25の複数の列Roを尾筒20の仮想平面Pに対して垂直な方向Vに並べているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図8及び図9に示すように、冷却空気入口24の複数の列Riや冷却空気出口25の複数の列Roを尾筒20の軸線Acに対して傾斜した方向Vに並べてもよい。
また、以上の実施形態では、冷却空気通路23毎に対を成す冷却空気入口24と冷却空気出口25との相互間隔Dioは、複数の冷却空気通路23相互で実質的に同じであるが、複数の冷却空気通路23相互間で同じである必要はない。
また、以上の実施形態では、冷却空気出口25の列Roを3つの冷却空気出口25で構成しているが、列Roを構成する冷却空気出口25の数量が多いほど、隣り合う列Roの相互間隔Drが広がり、クラックCの成長をより抑えることができるため、冷却空気出口25の列Roを4つ以上の冷却空気出口25で構成してもよい。
1:圧縮機、2:タービン、4:タービンロータ、10:燃焼器、20:尾筒、21:胴板、23:冷却空気通路、24:冷却空気入口、25:冷却空気出口、Ac:尾筒の軸線、Ar:タービンロータの回転軸線、Ri:冷却空気入口の列、Ro:冷却空気出口の列

Claims (6)

  1. 軸線回りに筒状に形成された胴板を有し、該胴板の内周側を高温の燃焼ガスが流れて、該燃焼ガスをタービンへ送る燃焼器の尾筒において、
    前記胴板には、前記軸線に沿った方向に延びる複数の冷却空気流路が形成されていると共に、複数の該冷却空気通路毎に、該胴板の外周側に開口した該冷却空気通路の冷却空気入口及び該胴板の内周側に開口した該冷却空気通路の冷却空気出口が形成され、
    複数の前記冷却空気通路毎の前記冷却空気出口は、複数の列を成し、該列を構成する複数の該冷却空気出口は、前記軸線に対して傾斜した方向に並んでおり、
    複数の前記列のうちで隣り合う列の相互間隔は、該列を構成する複数の冷却空気出口のうちで隣り合う冷却空気出口の相互間隔よりも大きく、
    前記タービンが有しているタービンロータの回転軸線と前記軸線とを通る仮想平面を基準にして、前記燃焼ガスの上下流方向の下流側に向って右側の複数の前記列と左側の複数の前記列は、いずれも、該下流側に向うに連れて該仮想平面に近づく向きに傾いている、
    ことを特徴とする燃焼器の尾筒。
  2. 軸線回りに筒状に形成された胴板を有し、該胴板の内周側を高温の燃焼ガスが流れて、該燃焼ガスをタービンへ送る燃焼器の尾筒において、
    前記胴板には、前記軸線に沿った方向に延びる複数の冷却空気流路が形成されていると共に、複数の該冷却空気通路毎に、該胴板の外周側に開口した該冷却空気通路の冷却空気入口及び該胴板の内周側に開口した該冷却空気通路の冷却空気出口が形成され、
    複数の前記冷却空気通路毎の前記冷却空気出口は、複数の列を成し、該列を構成する複数の該冷却空気出口は、前記軸線に対して傾斜した方向に並んでおり、
    複数の前記列のうちで隣り合う列の相互間隔は、該列を構成する複数の冷却空気出口のうちで隣り合う冷却空気出口の相互間隔よりも大きく、
    前記列は、筒状に形成された前記胴板の内周側を前記燃焼ガスが流れている際に、該胴板の内周面に発生する主応力の方向に沿った方向に延びている、
    ことを特徴とする燃焼器の尾筒。
  3. 請求項1又は2に記載の燃焼器の尾筒において、
    複数の前記列は、いずれも、3個以上の前記冷却空気出口で構成されている、
    ことを特徴とする燃焼器の尾筒。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の燃焼器の尾筒において、
    前記軸線に対して傾斜した方向に延びる前記列は、少なくとも、前記燃焼ガスの上下流方向の中央部を含む下流側に形成されている、
    ことを特徴とする燃焼器の尾筒。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の燃焼器の尾筒において、
    複数の前記冷却空気通路毎の前記冷却空気入口と前記冷却空気出口との相互間隔は、複数の該冷却空気通路相互で同じである、
    ことを特徴とする燃焼器の尾筒。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の尾筒を有する前記燃焼器と、
    前記燃焼器へ圧縮空気を送る圧縮機と、
    前記燃焼器からの前記燃焼ガスにより駆動する前記タービンと、
    を備えていることを特徴とするガスタービン。
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