手段1.固定枠と、当該固定枠に対し開閉可能に支持された扉体と、前記扉体が閉鎖されたときに前記扉体を前記固定枠に施錠する施錠手段とを備えた遊技機であって、
前記扉体は、前記扉体が閉鎖状態のときにとり得る第1の状態と、前記扉体が開放状態のときにとり得る第2の状態との間で状態変化する閉鎖規制手段を備え、
少なくとも電力供給が停止されているときには、前記閉鎖規制手段の前記第2の状態から前記第1の状態となる状態変化が規制され、
開放状態にある前記扉体を閉方向に移動させる際に、前記第2の状態から前記第1の状態となる状態変化が規制された前記閉鎖規制手段と前記固定枠とが当接して、前記扉体の閉鎖が規制されることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、電力供給が停止されている状態のときに開状態にある扉体を閉方向に移動させる場合には、第2の状態から第1の状態となる状態変化が規制された閉鎖規制手段と固定枠とが当接して、扉体の閉方向への移動が規制される。つまり、開放状態にある扉体に対してその閉方向に力を加えたとしても当該扉体を閉鎖することができず、扉体が所定角度開いた状態となるため、扉体が不正に開放されたことを発見しやすくなる。このため、例えば、扉体が不正開放され、制御基板が不正に交換される等した場合においても、扉体が閉鎖されていないことによってかかる不正行為を把握することができる。従って、遊技機内部に対して不正行為が行なわれた状態で遊技が行われてしまい、遊技ホールが多大な損害を被ってしまうといった事態を防止することができる。
尚、電気を蓄電する蓄電手段を備え、電源からの電力が停止された(電源スイッチがオフされた)後も暫くの間は、前記閉鎖規制手段が前記第1の状態となり得るように前記蓄電手段から電力が所定時間だけ供給されることとしてもよい。この場合、電源スイッチをオフした後のメンテナンス性の向上や作業性の向上等を図ることができる。また、蓄電手段は、電源から電力が供給されているとき(電源スイッチがオンのとき)と同じだけの電力を供給する必要はなく、少なくとも前記閉鎖規制手段が前記第1の状態となり得る状態を所定時間だけ維持することができる電力を供給できればよい。加えて、閉鎖規制手段は施錠手段に設けられていることとしてもよい。この場合、部品点数の削減や省スペース化を図ることができる。
また、電力が供給されている状態のときには、開放状態にある前記扉体を閉方向に移動させる際に、前記閉鎖規制手段と前記固定枠とが当接することなく、又は、前記閉鎖規制手段と前記固定枠とが摺接して開放状態にある前記扉体を閉鎖することとしてもよい。
手段2.固定枠と、当該固定枠に対し開閉可能に支持された扉体と、前記扉体が閉鎖されたときに前記扉体を前記固定枠に施錠する施錠手段とを備えた遊技機であって、
前記扉体は、
前記扉体が閉鎖状態のときにとり得る第1の状態と、前記扉体が開放状態のときにとり得る第2の状態との間で状態変化する閉鎖規制手段と、
電力が供給されることに基づいて前記閉鎖規制手段を前記第2の状態から前記第1の状態に状態変化させるとともに当該第1の状態で保持し、電力供給が停止されることに基づいて、少なくとも前記扉体が開放状態のときには、前記閉鎖規制手段を前記第1の状態から前記第2の状態に状態変化させるとともに当該第2の状態で保持する電気駆動手段とを備え、
電力が供給されている場合、前記閉鎖規制手段が前記電気駆動手段によって前記第1の状態で保持されることで、開放状態にある前記扉体を閉方向に移動させる際に、前記閉鎖規制手段と前記固定枠とが当接することなく、又は、前記閉鎖規制手段と前記固定枠とが摺接して開放状態にある前記扉体を閉鎖することができ、
電力供給が停止されている場合、開放状態にある前記扉体を閉方向に移動させる際に、前記電気駆動手段によって前記第2の状態で保持された前記閉鎖規制手段と前記固定枠とが当接して、前記扉体の閉鎖が規制されることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、電力供給が停止されている状態のときに開状態にある扉体を閉方向に移動させる場合には、第2の状態で保持された閉鎖規制手段と固定枠とが当接して扉体の閉方向への移動が規制される。結果として、上記手段1と同様の作用効果が奏される。一方で、電力が供給されている状態のときには、閉鎖規制手段が第1の状態において保持されることで扉体を閉鎖することができる。
尚、閉鎖規制手段としては例えばソレノイドのプランジャー等が挙げられ、電気駆動手段としては例えばソレノイド本体等が挙げられる。
手段3.前記施錠手段は、施錠状態にある前記扉体を開放可能な解錠状態とする際に所定の解錠操作が行われる錠部材を備え、
前記閉鎖規制手段は、前記錠部材の解錠操作に連動して、当該閉鎖規制手段が前記第2の状態にあっても前記固定枠と当接しなくなる位置に変位することを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
手段3によれば、電力供給が停止され、閉鎖規制手段が第2の状態に保持された状態であっても、錠部材の解錠操作を行うことで、閉鎖規制手段と固定枠とが当接しなくなることから、扉体を閉鎖することができる。従って、電力供給が停止された状態のときのメンテナンス性の向上、扉体の開閉や電源スイッチのオンオフに際しての作業性の向上等を図ることができる。
手段4.固定枠と、当該固定枠に対し開閉可能に支持された扉体と、前記扉体が閉鎖されたときに前記扉体を前記固定枠に施錠する施錠手段とを備えた遊技機であって、
前記扉体は、
前記扉体が閉鎖状態のときにとり得る第1の状態と、前記扉体が開放状態のときにとり得る第2の状態との間で状態変化する閉鎖規制手段と、
前記第2の状態にある前記閉鎖規制手段と当接し、前記閉鎖規制手段の前記第2の状態から前記第1の状態となる状態変化を規制する変化規制状態と、前記第2の状態から前記第1の状態へと状態変化する前記閉鎖規制手段と当接することなく、又は、前記閉鎖規制手段と摺接して前記閉鎖規制手段の前記第2の状態から前記第1の状態となる状態変化を許容する変化許容状態との間で状態変化する可動体と、
電力が供給されることに基づいて、前記可動体を前記変化規制状態から前記変化許容状態へと状態変化させるとともに当該変化許容状態で保持し、電力供給が停止されることに基づいて、少なくとも前記扉体が開放状態のときには、前記可動体を前記変化許容状態から前記変化規制状態へと状態変化させるとともに当該変化規制状態で保持する電気駆動手段とを備え、
電力供給が停止されている場合、開放状態にある前記扉体を閉方向に移動させる際に、前記変化規制状態にある前記可動体によって前記第2の状態から前記第1の状態への状態変化が規制された前記閉鎖規制手段と前記固定枠とが当接して、前記扉体の閉鎖が規制されることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、電力供給が停止された状態のときには、変化規制状態にある可動体がストッパーとなって閉鎖規制手段の第2の状態から第1の状態となる状態変化が規制され、閉鎖規制手段が第2の状態で支持(保持)されることとなる。従って、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
一方で、電力が供給されると、可動体が変化許容状態となる。従って、電力が供給されている状態においては、閉鎖規制手段の第2の状態から第1の状態となる状態変化が可動体によって阻害されることなく、扉体を閉鎖することができるよう構成することができる。
尚、前記可動体の前記変化規制状態から前記変化許容状態となる状態変化に際しての変位方向と、前記可動体と当接した状態にある前記閉鎖規制手段の前記第2の状態から前記第1の状態となる状態変化に際しての変位方向とが交差することとしてもよい。例えば、変化規制状態にある可動体に対して変化許容状態となるように大きな負荷がかけられると当該可動体が変化許容状態となるように変位してしまうといったおそれがある場合には、閉鎖規制手段及び可動体の変位方向が揃っていると、第2の状態にある閉鎖規制手段に対して第1の状態となるように力を加えることで、可動体が閉鎖規制手段に押されて変化許容状態となるように変位(状態変化)してしまうおそれがある。この場合、不正行為者であっても閉鎖規制手段を押圧することで扉体を閉鎖できてしまうことが懸念される。この点、上記構成を採用することで、閉鎖規制手段と可動体とが交差するようにして当接することとなるため、可動体が閉鎖規制手段に押されたとしても当該可動体は変化許容状態となるように状態変化しない。従って、電力供給が停止された状態のときに、第2の状態から第1の状態となる閉鎖規制手段の状態変化をより確実に規制することができる。
尚、少なくとも可動体を覆うカバー部材を設けてもよい。この場合、変化規制状態にある可動体を操作して変化許容状態となるように状態変化させ、扉体を閉鎖してしまうといった行為を防止することができる。また、前記カバー部材は、電気駆動手段に接続される配線についても覆うこととしてもよい。
手段5.前記閉鎖規制手段は、少なくともその後端部が、前記第2の状態にあるときよりも前記第1の状態にあるときの方が前方(前記扉体の前面側)に位置し、
前記扉体は、前記閉鎖規制手段に対して前記第1の状態から前記第2の状態へと状態変化させるように力を作用させる付勢手段を備え、
前記可動体が前記変化規制状態にある場合には、開放状態にある前記扉体に対してその閉じ方向に力を加えることで、前記第2の状態において保持された前記閉鎖規制手段の後端部と前記固定枠とが当接して前記扉体の閉方向への移動が規制され、
前記可動体が前記変化許容状態にある場合には、開放状態にある前記扉体に対してその閉方向に力を加えることで前記第2の状態にある前記閉鎖規制手段の後端部と前記固定枠とが当接し、当該当接状態からさらに前記扉体に対してその閉方向に力を加えることで、前記閉鎖規制手段が前記固定枠に押されて前記第2の状態から前記第1の状態へと状態変化することを特徴とする手段4に記載の遊技機。
例えば、第2の状態にある閉鎖規制手段を扉体の側部から突出させ、固定枠の前面と当接させることで扉体を閉鎖できなくする構成を採用する場合、扉体を閉鎖するためには手で閉鎖規制手段を押圧する(扉体の内側に引っ込める)手間が必要となることが懸念される。また、当該構成を採用する場合であっても、閉鎖規制手段に対応して別途電気駆動手段を設ける等して閉鎖規制手段を押さなくても扉体を閉鎖可能とすることが考えられるが、構成の複雑化を招くおそれがある。この点、本手段5によれば、可動体が変化許容状態にあるときであれば、扉体に対してその閉方向に力を加えるだけで扉体を閉鎖することができる。従って、比較的簡単な構成を採用しつつ、扉体を閉鎖する際の作業性の向上を図ることができる。
また、前記施錠手段は、施錠状態にある前記扉体を開放可能な解錠状態とする際に所定の解錠操作が行われる錠部材と、前記扉体の閉鎖状態において前記固定枠に設けられた受部と係合するとともに、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記受部との係合状態にあるときの施錠位置から前記受部との係合状態が解除される解錠位置へと移動する鉤部と、前記鉤部を前記施錠位置側に付勢する付勢手段とを備え、開状態にある前記扉体に対してその閉方向に力を加えることで、前記鉤部と前記受部とが当接し、当該当接状態からさらに前記扉体に対してその閉方向に力を加えることで、前記鉤部が前記受部に押されて、前記施錠位置から前記解錠位置へと移動するといった構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合であって、本手段5に記載の構成を採用する場合には、電力が供給されているときには、扉体に対してその閉方向に力を加えるだけで(錠部材の解錠操作等を行わなくても)扉体を閉鎖することができる。
手段6.前記可動体はソレノイドのプランジャーであり、前記電気駆動手段はソレノイド本体であることを特徴とする手段4又は5に記載の遊技機。
手段6によれば、可動体及び電気駆動手段をソレノイドによって構成することで、可動体及び電気駆動手段のコンパクト化を図ることができる。
手段7.前記施錠手段は、施錠状態にある前記扉体を開放可能な解錠状態とする際に所定の解錠操作が行われる錠部材を備え、
前記錠部材の解錠操作に連動して、前記閉鎖規制手段、又は、前記可動体及び前記電気駆動手段が、前記変化規制状態にある前記可動体と前記閉鎖規制手段とが当接しなくなる位置に変位することを特徴とする手段4乃至6のいずれかに記載の遊技機。
手段7によれば、電力供給が停止され、可動体が変化規制状態にある状態であっても、錠部材の解錠操作を行うことで、可動体と閉鎖規制手段とが当接しなくなることから、扉体を閉鎖することができる。従って、電力供給が停止された状態のときのメンテナンス性の向上、扉体の開閉や電源スイッチのオンオフに際しての作業性の向上等を図ることができる。尚、電力供給が停止された状態において錠部材の解錠操作を行わずに開状態にある扉体を閉方向に移動させる場合には、上記のように、閉鎖規制手段が閉鎖規制位置においてそれ以上第1の状態側に移動しないように支持され、当該閉鎖規制手段と可動体とが接触して、扉体が所定角度開いた状態で当該扉体の閉方向への移動が規制されることとなる。
手段8.前記扉体の開放を検知する開放検知手段と、
前記開放検知手段により前記扉体の開放が検知された場合に、外部(遊技機外部)へ信号出力する信号出力手段と、
電源から電力が供給されていない状態において、前記開放検知手段及び前記信号出力手段に電力を供給可能なオフ時電力供給手段とを備えたことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
手段8によれば、遊技ホールの営業時間外などで遊技機の電源が落とされ、扉体の開放を検知する開放検知スイッチ等が作動しない状況下においても、扉体を開放させた場合には、例えば遊技ホールのホールコンピュータなど外部に対し信号を出力することができる。このため、営業時間外の遊技ホールに不法侵入され、扉体の背面側に設けられた制御機器を交換する等の不正行為が行われた場合でも、遊技ホールのホールコンピュータ等にその履歴を残すことが可能となる。結果として、不正行為の行われた事実を把握し、その早期発見が可能となるとともに、ひいては当該不正行為により遊技ホールが受ける損害等を低減できる。
さらに、上記手段1、2、4に記載のように、電力供給が停止した状態においては扉体を閉鎖できない構成となっているため、不正行為が発見しやすくなるといった上記作用効果が相乗的に奏される。
尚、オフ時電力供給手段としては、扉体の開方向への動作等に基づく運動エネルギーを電気エネルギー(起電力)に変換して電力を供給する起電力発生手段や、蓄えていた電力を放出して電力を供給する電池やコンデンサ等の蓄電手段が挙げられる。但し、コンデンサ等の蓄電手段を利用して信号出力手段に電力供給を行う構成は、蓄電手段が放電や電力消費してしまった場合には信号出力できなくなるため、起電力発生手段を用いる構成がより好ましい。
また、前記開放検知手段は、少なくとも開放状態にある前記扉体を閉方向に移動させる際に前記閉鎖規制手段と前記固定枠とが当接して前記扉体の閉方向への移動が規制され、前記扉体が所定角度開いた状態、及び、前記扉体が前記所定角度よりも大きく開放された状態のときに、前記扉体の開放を検知可能であることとしてもよい。この場合、扉体を閉鎖できない状態において、極力扉体の開放角度が小さくなるように扉体を外枠2に押し付け、扉体をそれ以上閉方向に移動できないといった状態としても、確実に外部に信号を出力することができる。従って、より正確な情報を得る(正確に履歴を残す)ことができたり、迅速な対処を行うことができたりする。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、所定条件が成立した場合には特別遊技状態が発生する弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成され、所定条件が成立した場合には特別遊技状態が発生する弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。
以下、遊技機としての球使用式回胴遊技機の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでいう球使用式回胴遊技機とは、パチンコ機とスロットマシンとを融合したタイプの遊技機であり、特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機を指す。図1は球使用式回胴遊技機1の全体を示す正面斜視図であり、図2は正面図であり、図3は後述する固定枠としての外枠2に対して扉体としての前扉3を開放した状態を示す斜視図であり、図4は前扉3に装着された後述するメインユニット4及び裏機構ユニット5を開放した状態を示す斜視図であり、図5は球使用式回胴遊技機1の背面図である。
図1〜図5に示すように、球使用式回胴遊技機1は、当該球使用式回胴遊技機1の外殻を形成する外枠2と、外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前扉3とを備えている。
外枠2は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。外枠2の下部には樹脂製の幕板飾り6が取着されている。この外枠2を構成する上下の横板は、釘等によって遊技ホールに設けられた遊技機設置島などに固定される。また、左右の縦板は、隣接する球貸装置などに接続される。
前扉3は、外形が略矩形状のベース枠10と、その前面側に取着される装飾枠11とを主体に構成されている。ベース枠10及び装飾枠11は主に合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。装飾枠11はベース枠10に対しネジ等の締結具により固定されている。
球使用式回胴遊技機1の正面から見て、前扉3の左上部及び左下部には上下一対の開閉機構12が設けられている。これに対応して外枠2の左上部及び左下部(幕板飾り左端)には上下一対の支持機構13が設けられている。開閉機構12を支持機構13に組付けることにより、前扉3が外枠2に対し開閉自在に組付けられる。
ここで、開閉機構12及び支持機構13について、両者の関連性をふまえてより詳しく説明する。前扉3の背面側の斜視図である図6等に示すように、開閉機構12は、ベース枠10の左上部及び左下部において左右方向に沿って設けられたベース金具14と、当該ベース金具14の左右方向略中央部において回動自在に軸支された連結アーム15とにより構成されている。
ベース金具14の左端(図6では右端)には上方又は下方へ向け突出した突部16が設けられている。これに対応して、外枠2側の支持機構13の左端には、図3等に示すように、前記突部16が左右方向にスライド自在に嵌め込まれるレール部17が設けられている。レール部17の左端は突部16が抜落ち不能となるよう閉鎖されており、右端は突部16を出し入れ可能に開口している。レール部17の開口側には、突部16の抜落ち防止用の係止片19が設けられている。係止片19は図示しないバネによって常には前方へ付勢された状態に維持されている。
また、連結アーム15の先端部には連結具20が設けられている。これに対応して、支持機構13の右端には、連結アーム15の連結具20が連結される連結部21が設けられている。連結具20が連結部21に対し連結された状態では、連結アーム15が支持機構13に対し回動自在に軸支された状態となる。
外枠2に対する前扉3の装着手順としては、まず、上下とも前扉3側の突部16を外枠2側の係止片19に押し当てる。そして、バネの付勢力に抗して係止片19を没入状態として、突部16をレール部17に嵌め込む。その後、連結アーム15の連結具20を連結部21に対し連結すると、前扉3の装着が完了する。前扉3を開閉させる際には、突部16がレール部17に沿って左右方向にスライドすることにより、前扉3が回動する。
次に装飾枠11について詳しく説明する。装飾枠11は、主に、略矩形状の窓孔30を有した窓枠部31と、当該窓枠部31の下方に設けられた上皿構成部32と、当該上皿構成部32の下方に設けられた下皿構成部33とから構成されている。
窓孔30には透明のガラス板34が取付けられている。ここで図6〜図10を参照してより詳しく説明する。図7は正面側から見た前扉3の分解斜視図であり、図8は背面側から見た前扉3の分解斜視図であり、図9はガラス板34等を取外した状態のベース枠10及び装飾枠11を正面側から見た斜視図であり、図10はガラス板34等を取外した状態のベース枠10及び装飾枠11を背面側から見た斜視図である。
ガラス板34は、窓孔30と略同形状をなし、前扉3の背面側より窓孔30の周縁部に当接した状態で取付けられる。また、窓枠部31の内周側には合成樹脂よりなる環状の内周枠35が取着される。内周枠35は、前端部がガラス板34の背面側に当接した状態で、装飾枠11に対しネジ等の締結具により固定される。これにより、ガラス板34は、内周枠35と、窓孔30の周縁部とにより挟持された状態で位置決め固定されることとなる。
また、窓孔30の下方位置かつ上皿構成部32の上方位置にあたる窓枠部31の下辺部には、左右方向に長い略矩形状の開口部36が設けられている。この開口部36には透明の透視パネル37が取付けられている。透視パネル37は、開口部36と略同形状をなし、前扉3の背面側より開口部36の周縁部に当接した状態でネジ等の締結具により装飾枠11に対し固定される。この透視パネル37は、後述する情報表示パネル538に貼付された情報を視認可能とするものである。
また、装飾枠11にはランプやスピーカ等が設けられている。例えば、図11に示すように、窓枠部31の周縁部のうち、上辺部40には、中央に中央ランプ表示部41、その左右両側方に上部スピーカ42が設けられ、これら中央ランプ表示部41及び上部スピーカ42を覆う装飾カバー43が取着されている。なお、装飾カバー43は、中央ランプ表示部41及び上部スピーカ42に対応して、中央ランプカバー部43a及びスピーカカバー部43bを有している。
また、窓枠部31の左右両側辺部46には、側部ランプ表示部47が設けられるとともに、これを覆う側部ランプカバー48が取着されている。
下皿構成部33の後方にはベース枠10において下部スピーカ51(図4等参照)が設けられ、その前面側にあたる下皿構成部33には下部スピーカ51の前面側を覆う下部スピーカカバー52が設けられている。
下皿構成部33の左右両側方には下部ランプ表示部53が設けられるとともに、これを覆う下部ランプカバー54が取着されている。
これら各種ランプ表示部やスピーカにより、遊技の進行に伴って各種報知や演出が行われる。例えば、後述するように「7」図柄が有効ライン上に揃った場合(ビッグボーナスゲームを獲得した場合)には、それを点灯、点滅等によって報知する。
次に上皿構成部32について詳細に説明する。この上皿構成部32に対応する部分、すなわち装飾枠11のうち透視パネル37の下方にあたる部分には、装飾枠11の一部が前方へアーチ状に膨出した膨出部60が形成されている。図7等に示すように、膨出部60の上面には開口部61が形成されており、当該膨出部60は装飾枠11の背面側に貫通している。そして、この膨出部60に対し、前扉3の背面側から上皿ユニット70が取着されている。
ここで上皿ユニット70について詳細に説明する。図12は上皿ユニット70の全体を示す斜視図であり、図13は上皿ユニット70の分解斜視図である。また、図14は上皿71の平面図である。
上皿ユニット70は、本体部となる球貯留手段としての上皿71と、この上皿71に組み付けられるカードユニット操作装置72、球返却機構73、球止め機構74、マックスベットスイッチ75、天井カバー76などからなる。以下、順に上皿71等について詳細に説明していく。
上皿71は、後述する払出機構部565より払い出される遊技球や、遊技機設置島などにおいて球使用式回胴遊技機1に併設される球貸サンドなどの球貸装置(プリペイドカード対応又は非対応の球貸装置)のノズルから供給される遊技球を貯留するとともに、後述する取込装置300へ供給する機能を有している。
上皿71は、合成樹脂材料により左右方向に長く上方に開口した略箱状に形成されており、その内部に遊技球を貯留可能となっている。また、本実施形態における上皿71は、その前後幅が比較的幅広に設定されており、膨出部60への取着時においては前後方向略中央部より前側が上記透視パネル37の位置より前方に位置し、後側部分が透視パネル37より後方に位置する。
上皿71の開口部周縁にはフランジ79が設けられており、上皿ユニット70はこのフランジ79が膨出部60の開口部61周縁に載置された状態で取付けられる。上皿71の左右側壁部71a,71bには固定部88が設けられており、上皿71はこの固定部88を介してネジ等により装飾枠11に対し固定される。
上皿71の奥壁部80の左端には切欠き状の受口部81が形成されており、この受口部81を介して払出手段としての払出機構部565から払い出される遊技球が上皿71へ排出される。
一方、最下流側にあたる底部82の右端には、前後方向略中央部より後側部分すなわち透視パネル37より後方に位置する後側部分において、下方へ開口した取込口83が形成されている。この取込口83は後述する取込装置300の上方に位置する。
上皿71の底部82は球使用式回胴遊技機1正面から見て左側から右側に向けて下方へ傾斜しており、上皿71上の遊技球は取込口83へ向けて流れ、この取込口83を介して取込装置300へと導かれる。
上皿71の左右方向略中央部より左側部分すなわち上流側部分には、前後幅が比較的広く、より多くの遊技球を貯留できるスペース(以下、貯留部84という)が確保されている。
一方、上皿71の右側部分すなわち下流側部分には、取込口83へ通じる前後幅の比較的狭い整流部85が設けられている。この整流部85は、取込口83ひいては取込装置300に向けて遊技球を整列しつつ誘導する機能を有する。より詳しくは、上皿71の奥壁部80の右端部分は後方に向けて膨出しており、これに伴い整流部85は下流側に向け前後幅が広がった構成となっている。
また、整流部85の下流側には、奥壁部80が膨出した区間に対応して、2つの誘導リブ86が設けられている。これにより、遊技球を1列に整列させつつ取込口83へ向けて流下させる3条の整流球通路87が形成される。なお、誘導リブ86は奥壁部80の膨出部分の形状に合わせて前後方向に緩やかに湾曲するとともに、下流側に向けて先太りした形状となっている。そして、3つの整流球通路87は下流側で左右方向に沿って延在し前後方向に等間隔で並んでいる。この3つの整流球通路87の最下流部における配置間隔は、取込装置300の3つの取込ユニット305の配置間隔に合わせたものである。
上記整流部85の前方には、整流部85の傾斜方向とは逆方向、すなわち左側に向け下方へ傾斜した逆傾斜部90が設けられている。従って、整流部85では、当該整流部85と逆傾斜部90との間に形成された段差部91により、遊技球の前方への動きが規制される。また、逆傾斜部90の奥側には仕切リブ92が突設されている。これにより、逆傾斜部90から整流部85側へ遊技球が落下し、整流部85において遊技球が重畳されることを防止している。
さらに、逆傾斜部90の手前側には奥側に向け下方に傾斜した奥向き傾斜部95が形成されている。逆傾斜部90と奥向き傾斜部95との間には段差96が形成され、逆傾斜部90から前方への遊技球の動きが規制されている。同様に、上皿71の前壁部98の頂部と奥向き傾斜部95との間には段差99があり、奥向き傾斜部95から前方への遊技球の動きが規制されている。
奥向き傾斜部95の左方にはマックスベットスイッチ75が取着されている。より詳しくは、奥向き傾斜部95の左方の背面側にはマックスベットスイッチ75を取付けるための収容凹部100が形成されており、ここにマックスベットスイッチ75が取着されている。
マックスベットスイッチ75は、上皿71に開口形成されたボタン孔102を介して上皿71の上面側に露出したマックスベットボタン78と、当該マックスベットボタン78の押圧操作を検出する検出センサを搭載し収容凹部100に取付けられるスイッチ基板77とからなる。また、マックスベットボタン78内には図示しないLEDが設けられており、当該LEDが点灯表示されることによって押圧操作が可能であることが報知され、消灯表示によって押圧操作が不能であることが報知されるようになっている。
また、逆傾斜部90及び奥向き傾斜部95の右方かつ取込口33の前方位置には、その背面側においてカードユニット操作装置72を取付けるための収容凹部110が形成されている。この収容凹部110に対応する上皿71の上面部は膨出しており、この膨出した部位にカードユニット操作装置72を操作するための操作面111が形成される。
ここでカードユニット操作装置72について詳しく説明する。カードユニット操作装置72は、プリペイドカード対応の球貸装置のカードユニットを操作するものであり、ベース部材112と、当該ベース部材112に搭載されたカードユニット操作基板113とを備えている。カードユニット操作基板113には、球貸スイッチ115と、返却スイッチ116と、7セグメントLEDよりなる3桁表示の度数表示部119とが設けられている。さらに、球貸スイッチ115を操作するための球貸ボタン117と、返却スイッチ116を操作するための返却ボタン118とが、操作面111側に載置されている。
遊技ホールにおいて球使用式回胴遊技機1の側方に配置される球貸装置に紙幣やカード等を投入した状態でカードユニット操作装置72が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出しが行われる。球貸ボタン117はカード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球(貸球)を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿71に供給される。返却ボタン118はカードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作されるものである。度数表示部119はカード等の残額情報を表示するものである。なお、プリペイドカード非対応の球貸装置等からカードユニットを介さずに上皿71へ遊技球が直接貸出される遊技機、いわゆる現金機ではカードユニット操作装置72が不要となる。この場合、操作面111(又は上カバー141)部分に装飾シール等が貼付される。つまり、本実施形態における球使用式回胴遊技機1は、プリペイドカード対応又は非対応の球貸装置どちらにも対応するように構成されている。
収容凹部110にはボス123が設けられており、当該ボス123に対しベース部材112がネジ等の締結具により固定される。
操作面111には、度数表示部119に対応した表示部用開口部131、球貸ボタン117に対応したボタン孔132、返却ボタン118に対応したボタン孔133が、それぞれ収容凹部110に貫通するように設けられている。そして、球貸ボタン117及び返却ボタン118から垂下した図示しない軸部がボタン孔132,133を介して各スイッチ115,116に当接している。これにより各スイッチ115,116が操作される。
また、操作面111側には、その上面を覆う下カバー140と、当該下カバー140の上面を覆う上カバー141とが取付けられている。
下カバー140の前側及び後側にはそれぞれ一対の係止爪143,144が設けられており、この係止爪143,144を上皿71に係止することにより下カバー140が固定される。
上カバー141は、下カバー140の上側から、前側に設けられた一対の係止爪145を皿体71に係止するとともに、後側をネジ等により固定することにより、上皿71に対し固定される。
下カバー140は、内部を視認困難とするよう着色の施された半透明の合成樹脂材料により形成されている。但し、度数表示部119に対応する部分は透視可能に構成されている。また、球貸ボタン117及び返却ボタン118に対応した位置にはボタン孔151,152が設けられている。
上カバー141は、無色透明の合成樹脂材料により形成されており、下カバー140の表面に記載される各種情報(例えば「球貸」等の文字)を視認可能となっている。さらに、上下カバー140,141を透かして度数表示部119を視認可能となる。また、球貸ボタン117及び返却ボタン118に対応した位置にはボタン孔153,154が設けられている。従って、下カバー140のボタン孔151,152、及び、上カバー141のボタン孔153,154を介して、球貸ボタン117及び返却ボタン118が操作可能なように露出した状態となる。
また、上カバー141の上面は、前側が前方に向けて下方へ傾斜し、後側が後方に向けて下方へ傾斜した構成となっており、遊技球を停留させない構成となっている。
次にカードユニット操作装置72の下側に取付けられる球返却機構73について詳しく説明する。球返却機構73は取込装置300の返却シャッタ341を駆動させ、上皿71に貯留されている遊技球を後述する下皿253へ排出させるために操作されるものである。
球返却機構73は、各部材の取付台となるベースカバー160と、当該ベースカバー160の上面側に回動自在に軸支された第1回動部材161と、当該第1回動部材161より後方位置において回動自在に軸支された第2回動部材162と、第1回動部材161の前方位置に設けられた返却操作手段としての返却レバー163とを備えている(図13参照)。ベースカバー160は、上記カードユニット操作装置72のベース部材112の裏面に設けられたボス165に対しネジ等により固定される。
また、第1回動部材161及び第2回動部材162、第1回動部材161及び返却レバー163は、それぞれ連動可能に係合されている。そして、返却レバー163の左右方向の動きに連動して第1回動部材161が回動し、第1回動部材161の回動に連動して第2回動部材162が回動する。なお、第1回動部材161の前片部と前記ボス165との間にはコイルばね180が掛けられており、通常時には返却レバー163が右側に付勢されている。
また、上記上皿構成部32の膨出部60の右下部には返却レバー163に対応して開口部181が設けられており、返却レバー163が遊技者により操作可能なように球使用式回胴遊技機1前面側に露出している。
そして、遊技者が上皿71に貯留されている遊技球を取り出そうとした場合には、コイルばね180の付勢力に抗して返却レバー163を左方へスライドさせる。これに連動して、第1回動部材161が、球返却機構73の上方から見て時計回りに回動するとともに、第2回動部材162が反時計回りに回動する。この結果、第2回動部材162の右片部により取込装置300の返却シャッタ341が操作され、上皿71内の遊技球が下皿253へ排出される。返却シャッタ341の動作態様の詳細については後述する。
次に上皿71の裏面側に取付けられた球止め機構74について説明する。球止め機構74は、取込口83近傍の整流部85裏面側に取付けられており、当該球止め機構74の内部機構を下側から覆うベースカバー185と、上皿71の裏面に略当接した状態で左右方向にスライド自在に設けられたスライドベース186と、当該スライドベース186を操作する操作レバー187とを備えている。ベースカバー185は上皿71の裏面に対しネジ等により固定される。
また、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側にあたる、スライドベース186の取込口83側には3つの突出部205が設けられている。各突出部205は、上記整流部85の裏面側において3条の整流球通路87に沿って形成された図示しない溝部に嵌め込まれており、スライドベース186のスライド動作に伴って突出部205が取込口83内外に出没可能となっている。
通常時、スライドベース186は、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て右側によっており、突出部205が取込口83から没した状態となっている。この状態から、操作レバー187を球使用式回胴遊技機1の背面側から見て時計回りに回動させることにより、スライドベース186が取込口83側へスライドし、突出部205が取込口83内に突出した状態となる。この状態では、突出部205と後述する箱体212の底壁部231との間隔が遊技球の通過不能な間隔となり、遊技球が取込口83から落下不能となる。
球止め解除する際には、操作レバー187を球使用式回胴遊技機1の背面側から見て反時計回りに回動させる。これにより、スライドベース186が右方へスライドし、突出部205が取込口83から没した状態となる。これにより遊技球が取込口83へ落下可能となる。
次に上皿71に組付けられる天井カバー76について説明する。天井カバー76は、上皿71と装飾枠11との間に隙間を生じさせないために設けられたものであり、透視パネル37の位置より後側部分、すなわち上皿71の前後方向略中央部より後側部分の天井部分を覆うように設けられている。
天井カバー76は、上皿71の奥壁部80に沿って左右方向略全域に設けられるとともに後方へ向け下方に傾斜した天板体210と、当該天板体210の左右両側部から下方へ垂設された側壁部211と、天板体210とは別体で設けられ、当該天板体210に組付けられる箱体212とからなる。天板体210の後縁部及び側壁部211が、上皿71の奥壁部80及び左右側壁部71a,71bに対しそれぞれネジ等により固定されることにより、天井カバー76が上皿71に対し固定される。
また、天板体210は、その前縁部が装飾枠11の背面側にネジ等により固定される。天板体210の前縁部には前方へ突出したリブ216が設けられており、天板体210の前縁部が固定される際には、このリブ216が装飾枠11の背面側に設けられた図示しない溝部に係合された状態となる。これにより、天板体210と装飾枠11との隙間から球使用式回胴遊技機1内部へ針金等を侵入させ、内部機器を操作するといった不正行為の防止が図られている。
天板体210の右端部近傍には、上記整流球通路87及び取込口83に対応してその上方位置に開口部217が設けられており、この開口部217の上方から上記箱体212が嵌め込まれている。
箱体212は、上方に開口した略箱状をなし、その開口部の周縁形状が前記天板体210の開口部217の周縁形状と略同一形状となっている。また、箱体212の開口周縁部にはフランジ218が形成されており、これが天板体210の開口部217周縁に形成された段差部に係合することにより、箱体212が天板体210に対し位置決めされた状態で組付けられる。そして、メインユニット4が上方位置に配置された際には、当該メインユニット4により上方への移動が規制される。換言すれば、メインユニット4が上方位置より移動した場合には、箱体212の上方への規制がなくなるため、前扉3の背面側から箱体212を容易に取外すことができる。これにより、整流球通路87や、取込口83の下方に位置する取込装置300等の清掃作業や点検、修理等を行うことができ、メンテナンス性の向上が図られる。
箱体212の組付け状態において、その底壁部231は取込装置300(停留傾斜部308)や整流球通路87の天井部を構成する(図16参照)。これにより、後述するように上記整流球通路87により案内される遊技球を一列で通過させ、取込装置300内へと通じる球通路が形成される。
また、箱体212により、上皿71内を流れる遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側の整流球通路87へ流下していく。従って、整流部85に多量の遊技球が流れ込んできたとしても、遊技球の噛み込みが抑制され、取込口83近傍における球詰まりが解消されるようになっている。
さて、一般的に、遊技ホールでは球使用式回胴遊技機1の左側に球貸装置が設けられており、プリペイドカード対応の球貸装置の場合、上述したように紙幣やカード等を投入した状態でカードユニット操作装置72が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。実際には球貸装置に設けられたノズルを介して遊技球が球使用式回胴遊技機1(上皿71)に供給される。このノズルは、通常、回動可能かつ上方に跳ね上げ可能に構成されている。そこで、本実施形態では、ノズルが上皿71に向いた球供給位置(貯留部84上方)にある場合に、このノズルと、装飾枠11とが干渉しない構成を採用している。具体的には、装飾枠11における上皿構成部32より上方でかつ透視パネル37の側方にあたるノズル対応箇所に、切欠き状の凹部250を設けている。
次に下皿構成部33について図1等を参照して詳しく説明する。装飾枠11の下部には前方へ膨出した膨出部252が設けられており、当該膨出部252に遊技球を貯留するための下皿253が取付けられている。また、下皿構成部33(下皿253)の奥壁部254の中央部には下部スピーカ51用のスピーカ開口部255が設けられており、このスピーカ開口部255に装飾枠11の背面側から上記下部スピーカカバー52が取付けられている(図8等参照)。また、球使用式回胴遊技機1の正面から見て、スピーカ開口部255の右方には排出口257が形成されている。
また、下皿構成部33(下皿253及び膨出部252)には球抜き孔260が形成されている。この球抜き孔260は、通常、膨出部252の内部においてスライド自在に設けられた開閉弁261により閉塞されている。そして、膨出部252の前面に設けられた球抜きレバー262を操作してスライドした場合に、球抜き孔260が開放され、下皿253に貯留されていた遊技球が球抜き孔260から下方へ排出される。
次に装飾枠11に設けられた各種操作手段について詳しく説明する。
上皿構成部32の膨出部60の前面左側には後述する各リール511〜513を回転開始させるための始動操作手段としてのスタートレバースイッチ268が設けられている。
スタートレバースイッチ268は、膨出部60の前面側に突出したスタートレバー268aと、当該スタートレバー268aの操作を検出する検出スイッチを搭載し膨出部60の背面側に取付けられるスイッチ基板268bとからなる。
スタートレバースイッチ268の右方には、回転中の各リール511,512,513を個別に停止させるための停止操作手段としてのストップボタンスイッチ271,272,273が設けられている。各ストップボタンスイッチ271〜273は、それぞれ停止対象となるリール511〜513の下方に位置している。各ストップボタンスイッチ271〜273は、左リール511が回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には各ボタン内に設けられた図示しないLEDが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
ストップボタンスイッチ271,272,273は、膨出部60の前面側に露出したストップボタン271a,272a,273aと、当該ストップボタン271a〜273aの押圧操作を個別に検出する検出センサを搭載し膨出部60の背面側に取付けられる図示しないスイッチ基板とからなる。
この他、操作手段としては、遊技球を投入するため(ベット操作を行うための)の入力手段を構成するボタン状の各種ベットスイッチが設けられている。各ベットスイッチは、共に遊技媒体(又は記憶遊技媒体)たる遊技球を必要数分だけ投入するためのものである。本実施の形態では、1ベットスイッチ274と上述したマックスベットスイッチ75とが設けられている。
1ベットスイッチ274は上記透視パネル37の左方位置に設けられており、マックスベットスイッチ75は、上述したように上皿ユニット70の手前やや左側で、スタートレバースイッチ268の上方やや右側に位置している。
1ベットスイッチ274は、取付部275の前面側に露出した1ベットボタン274aと、当該1ベットボタン274aの押圧操作を検出する検出センサを搭載し取付部275の背面側に取付けられるスイッチ基板274bとからなる。
1ベットスイッチ274に関しては、1回押圧操作される毎に、5個の遊技球が投入されるよう設定されている。より詳しくは、1ベットスイッチ274の1回の押圧操作で、上皿71の遊技球が「5個」ずつ取り込まれる。
マックスベットスイッチ75は、前記1ベットスイッチ274の複数回(3回)の押圧操作を省略することができるよう設けられているものであって、1回押圧操作される毎に、15個(3ベット分)の遊技球が取り込まれるよう設定されている。より詳しくは、マックスベットスイッチ75の1回の押圧操作で、上皿71の遊技球が「15個」ずつ取り込まれる。本実施形態における遊技球の取込みは取込装置300によって行われる。但し、特別遊技状態であるビッグボーナスゲーム中にあっては、マックスベットスイッチ75の1回の押圧操作により5個分(1ベット分)の遊技球が取り込まれるようになっている。
また、本実施形態では、後述する5ラインが有効化された(15個の遊技球が投入された)時点で最大ベット(3ベット)状態となる。つまり、1ベットスイッチ274の3回の押圧操作或いはマックスベットスイッチ75の1回の押圧操作がなされた時点で、それ以上の投入は行われないようになっている。従って、本実施形態では最大ベット(3ベット)状態となった上で、さらにベットスイッチ274,75が押圧操作された場合には、該操作が無効化される構成となっている。
さて、1ベットスイッチ274の配置位置とは反対側にあたる上記透視パネル37の右方位置には第1演出スイッチ277と第2演出スイッチ278が設けられている。
第1演出スイッチ277は、取付部279の前面側に露出した第1演出ボタン277aと、当該第1演出ボタン277aの押圧操作を検出する検出センサを搭載し取付部279の背面側に取付けられる図示しないスイッチ基板とからなる。また、第2演出スイッチ278は、取付部279の前面側に露出した第2演出ボタン278aと、当該第2演出ボタン278aの押圧操作を検出する検出センサを搭載し取付部279の背面側に取付けられる図示しないスイッチ基板とからなる。
第1演出スイッチ277及び第2演出スイッチ278は、液晶表示装置501等の演出形式を変更するために操作されるスイッチである。これにより、遊技者は自身の好みに応じた形式の演出を実行することができる。
次に、前扉3の背面構成について説明する。図7等に示すように、ベース枠10は、上辺部10a、下辺部10b、左辺部10c及び右辺部10dからなる枠体形状をなし、そのほぼ中央部には略矩形状の窓孔281が形成され、その下部には下辺部10bに沿って左右方向略全域に下部スピーカ51や取込装置300等を取付けるための取付台部282が形成されている。
窓孔281は、ほぼ装飾枠11の窓孔30、透視パネル37、及び上皿構成部32(膨出部60)に対応する範囲、すなわち下皿構成部33を除く範囲に設けられている。一方、取付台部282は、ほぼ装飾枠11の下皿構成部33に対応する範囲に設けられている。
取付台部282の背面側には、図6に示すように上記上皿71の取込口83の下方位置において取込装置300が取付けられている。取込装置300は、図8に示すように取付台部282の背面側に形成された収容凹部283に取付けられている。
取込装置300は、遊技者による遊技球の投入操作が行われた場合に、遊技球を所定個数ずつ取り込む装置である。そして、この取込装置300により、所定個分の遊技球が取り込まれる毎にその都度の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられる。なお、取込装置300により取り込まれた遊技球は、収容凹部283の下部に設けられた排出通路285を介して後述する第2排出通路581dへ導かれ、球使用式回胴遊技機1外部へ排出される。
取付台部282の背面側ほぼ中央には下部スピーカ51が取付けられている。下部スピーカ51は取付台部282の背面側に設けられた収容部284に取付けられている。収容部284には取付台部282の前面側に貫通するスピーカ用開口部284aが形成されており、このスピーカ用開口部284aを介して下部スピーカ51が装飾枠11側のスピーカカバー52に対峙する。
ここで取込手段としての取込装置300について詳細に説明する。図15は取込装置300を背面側から見た斜視図であり、図16は取込装置300の内部機構を説明するための断面図である。
取込装置300は、上皿体71の3つの整流球通路87に対応して3つの取込ユニット305を備えている。取込装置300はネジ等によりベース枠10に対し固定される。
各取込ユニット305の外形をなす略箱状のハウジング306は、合成樹脂製の前後一対のハウジング構成部材(前側ハウジング構成部材306a及び後側ハウジング構成部材306b)をネジ等の締結具により連結することにより構成されている。
各取込ユニット305のハウジング306の上部には、当該取込ユニット305に対応した上記整流球通路87に通じる停留傾斜部308が形成されている。停留傾斜部308は、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側(図16左側)に向けて比較的緩やかに下方に傾斜している。開放された停留傾斜部308の上方位置には上記箱体212の底壁部231が位置する(図16参照)。これにより、上記整流球通路87から案内される遊技球を取込んで一列で通過させ、ハウジング306内へと通じる断面略矩形状かつ筒状の球通路309が形成される。球通路309は、一般的な遊技球の直径が約11mmであることから、所要の隙間が出来るように各辺ともその長さが約12mmに設定されている。
球通路309は、ハウジング306内で分岐され、その一方は略鉛直方向に延びる取込通路311となり、他方は停留傾斜部308に沿って斜め下方に延びる返却通路312となる。取込通路311は排出通路285に連通し、返却通路312は下皿253の排出口257へ通じる図示しない返却中継路に連通している。従って、遊技球の取込みが行われる際には取込通路311を遊技球が通り、排出通路285及び後述する第2排出通路581dを介して球使用式回胴遊技機1外部へ排出される。一方、上皿71に貯留された遊技球の返却を行う際には返却通路312を介して遊技球が下皿253へと排出される。なお、通常の場合、すなわち上記球返却機構73の返却レバー163が操作されていない場合、返却通路312は返却シャッタ341により遊技球が通過不能に閉鎖されている。返却シャッタ341の詳細については後述する。
次に遊技球の取込みを制御する内部機構について説明する。取込通路311より、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て右側(図16右側)の通路外スペースには、遊技球の取込みを制御する取込機構315が設けられている。
取込機構315は、フリッカー316と、ソレノイド317と、両者を連動させる駆動伝達部材318とから構成されている。
ソレノイド317は、下方に向けて突出するプランジャ320を有している。プランジャ320の先端部にはプランジャキャップ321が取着されている。また、プランジャ320にはコイルばね322が取着されており、通常時つまりソレノイド317の非励磁状態においては、コイルばね322の付勢力によりプランジャ320が下方へ押下げられている。そして、ソレノイド317が励磁状態となると、プランジャ320がコイルばね322に抗して上方へ引き上げられる。
フリッカー316は、取込通路311近傍において支軸323により回動自在に軸支されている。一方、取込通路311の上端部近傍の通路壁337には開口部338が設けられている。そして、フリッカー316の回動に伴い、フリッカー316先端の爪部316aが開口部338を介して取込通路311内外へ出没する。これにより、取込通路311は開放又は閉鎖され、遊技球の通過が許容又は阻止される。より詳しくは、フリッカー316の爪部316aが取込通路311内へ突出している状態においては、取込通路311を遊技球が通過不能となる。この場合、返却シャッタ341が通路閉鎖位置にある通常時においては、それより上流側の球通路309(停留傾斜部308)おいて遊技球が停留されることとなる。一方、フリッカー316の爪部316aが取込通路311外へ没している状態においては、取込通路311を遊技球が通過可能となる。この場合、返却シャッタ341が通路閉鎖位置にある通常時においては、取込通路311を通って遊技球が流下していくこととなる。
また、フリッカー316の下方において、略く字形状をなす上記駆動伝達部材318が支軸324により回動自在に軸支されている。そして、この駆動伝達部材318の先端部がフリッカー316の下端部に係合され、駆動伝達部材318の動きに連動してフリッカー316が回動可能となる。
また、駆動伝達部材318の下後端には上記プランジャキャップ321が係合され、プランジャ320の上下動に連動して、駆動伝達部材318、ひいてはフリッカー316が回動することとなる。
また、取込通路311には、フリッカー316の爪部316aが突出する位置のすぐ下流側に第1カウントセンサ328が設置され、下流側端部において第2カウントセンサ329が設置されている。これらカウントセンサ328,329は、取込機構315による取込通路311の開放時において当該取込通路311を通過する遊技球を検知するものである。これにより、遊技の開始条件である所定個数の遊技球の取込みが検知できる。
第1カウントセンサ328は、上下一対の検知部328a,328bを有している。各検知部328a,328bは、発光素子及び受光素子を備えたフォトセンサにて構成されており、取込通路311を挟んで例えば前側に発光素子が、後側に受光素子が配設されている。また、各検知部328a,328bは、取込通路311の中心線よりも側方にずれた位置に設けられるとともに、1つの遊技球を同時に検出可能な上下間隔に配置されている。
また、各検知部328a,328bの発光素子及び受光素子は、前側ハウジング構成部材306a及び後側ハウジング構成部材306bの通路壁に設けられた透孔330a,330bを通じて発光又は受光して、遊技球の通過を検知する。
また、第2カウントセンサ329は近接センサであり、遊技球が孔部329aを通過することにより遊技球の通過を検知する。本実施形態では、第1カウントセンサ328の検出結果と、第2カウントセンサ329の検出結果に基づき、第1カウントセンサ328により遊技球の通過が検知されたにも関わらず、第2カウントセンサ329によって、遊技球が検知できない場合等は、取込通路311内において球詰まりなどの不具合や不正行為が発生したと判別される。
また、3つの取込ユニット305の側方には、当該3つの取込ユニット305に跨って1つの取込中継基板335と、当該取込中継基板335を覆う1つの基板カバー336とが取付けられている。取込中継基板335は、各取込ユニット305のソレノイド317やカウントセンサ328,329等と、後述する主制御装置520との電気的接続を中継する基板である。
次に返却通路312を開閉する開閉機構について説明する。各取込ユニット305の返却通路312の通路前後壁には貫通孔340が形成されている。この貫通孔340には、3つの取込ユニット305を貫くように返却シャッタ341が挿し込まれている。
貫通孔340は、取込通路311との分岐部分近傍において設けられており、当該貫通孔340に挿し込まれた返却シャッタ341は、通常時すなわち上記球返却機構73の返却レバー163が操作されていない場合においては取込通路311の通路壁として機能する。つまり、通常時は、返却通路312は返却シャッタ341により遊技球が通過不能に閉鎖されている。
より詳しくは、返却シャッタ341は、前後方向に長い略平板状をなし、遊技球が通過可能な略矩形状の通過口342を各返却通路312に対応して3つ備えている。また、返却シャッタ341の前端部には、上記球返却機構73の第2回動部材162が接触する受部343が設けられている。一方、返却シャッタ341の後端部には、コイルばね345が嵌め込まれるバネ受部346と、その下方において図示しないシャッタセンサにより検知される図示しないインデックス部とが設けられている。また、各通過口342の下方位置には規制爪344がそれぞれ突設されている。
また、取込装置300の後部には、コイルばね345とシャッタセンサを収容するシャッタキャップ348が設けられている。シャッタセンサは、発光素子及び受光素子を備えたフォトセンサにて構成されている。
図17(a)に示すように、通常時、返却シャッタ341は、コイルばね345によりバネ受部346が最後部の取込ユニット305の背面側(後側ハウジング構成部材306)に付勢された状態となっており、各通過口342の位置が停留傾斜部308及び返却通路312の位置より前方へずれた状態となっている。つまり、返却シャッタ341は、遊技球が返却通路312へ流入できない通路閉鎖位置にある。この際、インデックス部は、シャッタセンサの位置より前方に位置している。
図17(b)に示すように、上記球返却機構73の返却レバー163が操作された場合には、第2回動部材162に押されることにより、返却シャッタ341はコイルばね345に抗して後方へスライドする。これにより、返却シャッタ341は、遊技球が返却通路312へ流入可能な通路開放位置をとる。この状態では、各通過口342の位置が停留傾斜部308及び返却通路312の位置と一致する。そして、規制爪344により取込通路311への遊技球の落下が規制されるため、遊技球は返却通路312へと流れていく。これにより、上皿71内の遊技球が返却通路312を介して下皿253へ排出されることとなる。この際、シャッタセンサによってインデックス部が検知されることにより、球返却機構73の操作がなされたことが検知される。この検知がなされている間、取込装置300による取込みは停止される。また、取込装置300によって既に取り込まれ遊技球が存在する場合には、インデックス部が検知されることによって、取込球数分の遊技球が払出機構部565より上皿71へ返却される。
また、球返却機構73の返却レバー163の操作を止めることにより、コイルばね345の付勢力によって返却シャッタ341は通路閉鎖位置へ復帰する。
次に球使用式回胴遊技機1の背面構成について詳しく説明する。ベース枠10の背面には各種制御基板や払出機構等がメインユニット4及び裏機構ユニット5としてまとめられた状態で取付けられている。
メインユニット4は、リールユニット、主制御装置、サブ制御装置などを1ユニットとしたものである。また、裏機構ユニット5は、払出制御装置、電源装置、払出機構などを1ユニットとしたものである。
ここで、まずメインユニット4について詳しく説明する。図18はメインユニット4の正面側の斜視図であり、図19はメインユニット4の背面側の斜視図である。
メインユニット4は、合成樹脂材料よりなる遊技パネルベース500を備えている。遊技パネルベース500は、その前面側ほぼ全域が前扉3の窓孔30(ガラス板34)を介して視認可能となる。
遊技パネルベース500には、その上部に液晶表示装置501、ほぼ中央部に可変表示手段としてのリールユニット502、下部に情報表示装置503が取付けられている。
液晶表示装置501は、取付台504に搭載された状態で遊技パネルベース500の背面側にネジ等により固定される。この液晶表示装置501が取付けられる遊技パネルベース500の上部には、液晶表示装置501に対応した略矩形状の開口部505が形成されており、液晶表示装置501の表示部501aが前面側に露出している。つまり、液晶表示装置501の表示部501aが前面側から視認可能となっている。
リールユニット502は、遊技パネルベース500の背面側にネジ等により固定される。リールユニット502は、略箱状をなす金属フレーム507内に円筒状の左リール511,中リール512,右リール513を備えている。
各リール511〜513は、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール511〜513の回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。
このリールユニット502が取付けられる遊技パネルベース500の略中央部には、リール511〜513に対応した略矩形状の開口部515が形成されており、各リール511〜513の表面の一部が開口部515を介して視認可能な状態となっている。
リール511〜513が正回転すると、開口部515を介してリール511〜513の表面が上から下へ向かって動いているように視認される。
これら各リール511〜513は、それぞれが駆動手段としての図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール511〜513が個別に回転駆動する構成となっている。また、各リール511〜513の回転位置を個別に検出する図示しない回転位置検出センサが設けられており、その検出結果に基づき各リール511〜513の回転制御が行われる。
各リール511〜513の外表面には、それぞれ識別情報としての図柄(シンボル)が多数付されている。これらの図柄のうち、開口部515を介して視認可能な図柄数は、主として開口部515の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施の形態では、各リール511〜513毎に3個ずつの図柄が視認可能となるよう開口部515の上下方向の長さが設定されている。また、各リール511〜513の内側には、開口部515を介して視認可能な図柄を後方より照明するための図示しないバックライトが配置されている。
リール511〜513に付される図柄としては、例えば(1)ビッグボーナスゲームに移行するためのビッグボーナス図柄としての「7」図柄及び「BAR」図柄、(2)リプレイゲームに移行するための「リプレイ図柄」、(3)小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄、「ベル」図柄、「チェリー」図柄がある。本実施形態におけるリール511〜513にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。但し、各リール511〜513ではそれぞれ同一図柄の数や配置順序が相違している。
本実施形態では、例えば各リール511〜513を結ぶようにして、横方向に平行となるように3本、斜め方向にたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが設定されている。すなわち、有効ラインとして、上・中・下の横ライン(上ライン、中央ライン、下ライン)と、一対の斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)とが設定されている。上記各種ゲームや小役等の遊技価値の付与に関わる図柄が本実施形態における特定識別情報を構成する。例えば後述する「7」図柄は、特別遊技状態としてのビッグボーナスゲームの付与に関わる特定識別情報を構成する。また、各種図柄が停止する各種有効ラインが本実施形態における所定領域を構成する。
これら各組合せラインに対応して、開口部515の正面から見て左側には有効ライン表示部516,517,518が設けられている。第1有効ライン表示部516は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部517は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部518は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が特定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められた球払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。なお、本実施形態では、各有効ラインは、上記バックライトが上記各ラインに沿って点灯することにより示される。
本実施形態において、ビッグボーナス図柄の組合せである「7」図柄や「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、ビッグボーナスゲームに突入する。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、遊技球の払出しは行われずリプレイゲームに突入する。
更に、小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には75個の遊技球の払出しが行われ、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には40個の遊技球の払出しが行われる。また、左リール511の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には10個の遊技球の払出しが行われる。
また、遊技パネルベース500の背面側に遊技に関する各種の制御を統括的に管理する主制御装置520と、当該主制御装置520に対して従属的に動作するサブ制御装置521とが設置されている。
ここで主制御装置520及びサブ制御装置521について詳しく説明する。主制御装置520は、リールユニット502の右側方に固定される取付台522に搭載され、サブ制御装置521はリールユニット502の上部に固定される取付台523に搭載されている。主制御装置520は縦長の向きに配置されると共に、サブ制御装置521は前後方向にやや傾いた状態で横長の向きに配置されている。
主制御装置520は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス526に収容(被包)されて構成されている。
基板ボックス526は、封印ユニット527によって開封不能に封印されている。但し、主基板525には各ケーブルコネクタのコネクタを接続するための端子部が設けられており、該端子部は、基板ボックス526から露出状態となっている。かかる端子部の露出は、他の基板及び基板ボックスについても同様である。
また、サブ制御装置521は、主制御装置520からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ基板を具備しており、このサブ基板についても当該サブ基板に対応する基板ボックス531に収容されて構成されている。
また、遊技パネルベース500の前面側右下部にはカウント表示部533及びベット数表示部534が設けられている。
カウント表示部533は、3桁或いは2桁の7セグメント表示器によって構成されており、遊技球の投入個数、入賞により獲得した遊技球の個数(獲得賞球数)等が表示される。
ベット数表示部534は、複数のLEDランプにより構成され、ベット数に対応したLEDランプが点灯する。例えば、中央ラインのみが有効化された場合には、1ベットに対応するLEDランプが点灯する。
次に遊技パネルベース500の下部に設けられた情報表示装置503について説明する。情報表示装置503は、遊技パネルベース500の下辺部に沿って左右方向略全域に設けられた略平板状の情報表示パネル538を備えるとともに、当該情報表示パネル538を背面側より照らす図示しない冷陰極管(蛍光灯)と、当該冷陰極管を点灯させるためのインバータユニットとを備えている。本実施形態における情報表示パネル538は透明樹脂材料により構成されている。
情報表示パネル538の前面側には、遊技説明や入賞に係る図柄の組合せ等を記した情報シール、球使用式回胴遊技機1の型式名を記したシール、製造番号及び製造業者名を記した証紙などが貼付けられる。
そして、前扉3に対しメインユニット4が相対向して配置された状態では、情報表示パネル538は上記透視パネル37の後方位置に配置されるようになっており、球使用式回胴遊技機1の前面側から透視パネル37を介して、情報表示パネル538に貼付けられた各種情報が視認可能となる。また、前扉3に対しメインユニット4が相対向して配置された状態では、上記上皿ユニット70の天井カバー76(天板体210及び箱体212)が情報表示装置503の下方に位置する。
また、遊技パネルベース500の背面側右上コーナー部には、後述するホールコンピュータHCなどに情報を送信する外部中継端子板547が取着されている。便宜上、図示は省略するが、外部中継端子板547には、各種ケーブルコネクタが接続される外部接続端子(後述する開放信号出力端子961等)が設けられている。また、裏機構ユニット5の背面側右上コーナー部には、外部中継端子板547に対応して孔部548が形成されている。そして、当該孔部548を介して、外部中継端子板547に接続されたケーブルコネクタが外部に引き出されている。
次に裏機構ユニット5について詳細に説明する。図20は裏機構ユニット5の背面側の斜視図であり、図21は裏機構ユニット5の正面側の斜視図であり、図22は裏機構ユニット5の背面図であり、図23は後述する払出制御装置555等を取外した状態の背面図である。
裏機構ユニット5は合成樹脂材料により略矩形状に一体成形された樹脂ベース550を有している。樹脂ベース550は、その略矩形状の外形が上記ベース枠10の外形と略同一形状となっている。
樹脂ベース550のほぼ中央部には、背面側に膨出し前面側が開口した略箱型の保護カバー部551が設けられている。保護カバー部551は、メインユニット4に対応して設けられており、メインユニット4のほぼ全域を囲む大きさを有している。
また、保護カバー部551の下方には、下辺部に沿って左右方向略全域に取付台部552が形成されている。この取付台部552の背面側には払出制御装置555、電源装置556及びカードユニット接続基板557が横並びの状態で搭載されている。
払出制御装置555及び電源装置556は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置555の払出制御基板により、賞品球(賞球)や貸出球(貸球)の払出しが制御される。また、電源装置556の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板557は、球使用式回胴遊技機1前面のカードユニット操作装置72及び図示しない球貸装置(カードユニット)に電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置555に出力する中継基板である。なお、カードユニット操作装置72及びカードユニットを介さずに球貸装置等から上皿71に遊技球が直接貸出される遊技機(現金機)では、カードユニット接続基板557を省略することも可能である。
上記払出制御装置555、電源装置556及びカードユニット接続基板557は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置555では、前述した主制御装置520と同様、基板ボックスを構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット555cによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
電源装置556は、電源スイッチ560、リセットスイッチ561や設定キー挿入部562などを備えている。
電源スイッチ560は、主制御装置520を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ561は、球使用式回胴遊技機1の各種状態をリセットするためのスイッチである。球使用式回胴遊技機1は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復旧(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ561を押しながら電源スイッチ560をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ560がオンされている状態でリセットスイッチ561を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入部562は、ホール管理者などが出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入部562へ挿入して操作することにより、球使用式回胴遊技機1の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。本実施形態では、図21に示すように裏機構ユニット5の正面側からしか設定キーを挿入できないようになっている。つまり、後述するように裏機構ユニット5を前扉3から開放しない限り設定変更が不能となっており、不正防止対策が施されている。また、設定変更操作は、上記スタートレバースイッチ268により行うように構成されている。
また、樹脂ベース550には、保護カバー部551を迂回するようにして払出機構部565が配設されている。
払出機構部565の最上流部となる樹脂ベース550の上部には、上方に開口したタンク575が設けられている。このタンク575には遊技ホールの島設備に設けられた遊技球供給機構から供給される遊技球が逐次補給される。
タンク575の下方には、複数の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール576が連結され、さらにタンクレール576の下流側には縦向きにケースレール577が連結されている。
ケースレール577の下流側には払出装置578が連設され、この払出装置578により必要個数の遊技球の払出しが適宜行われる。払出装置578から払い出された遊技球は払出樋579を介して遊技球分配部580へ導かれる。遊技球分配部580は樹脂ベース550に一体形成されている。
また、取付台部552には、遊技球分配部580に通じる各種球通路が形成されており、遊技球分配部580により振分けられた遊技球が上皿71、下皿253、又は球使用式回胴遊技機1外部の所定排出部へと導かれる。
また、タンク575から払出樋579に至るまでの払出機構部565は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
ここからタンク575等について個々に詳しく説明していく。
タンク575は、前後方向よりも左右方向に長く、上方に開口した略箱状に構成されており、その内部に遊技球を貯留するように構成されている。
タンク575の底部には、その左右一側部(本実施形態では球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側)において、遊技球をタンクレール576へ導出するための略矩形状の導出口575aが形成されており、当該タンク575の底部は導出口575aへ向けて下方傾斜している。
タンクレール576は、上方に開口した長尺樋状をなすとともに、長手方向(左右方向)に延びる4列の球通路576aを有している。
ケースレール577は、タンクレール576の4列の球通路576aに対応して4列の球通路577aを備えており、これら球通路577aにより、タンクレール576から流下してくる遊技球を待機(停留)させ、払出装置578へと導く。
払出装置578は、前後に連結された2つの球払出ユニット600により構成されている。ここで払出装置578を構成する2つの球払出ユニット600について説明する。図24は球払出ユニット600の内部構成を説明するための断面図である。
各球払出ユニット600は略直方体形状をなすハウジング601を有している。ハウジング601は複数のハウジング構成部材の連結により構成されている。
ハウジング601内には上下両側に通じる並行した2つの球通路607が形成され、各球通路607の側方において停留機構608が配設されている。なお、本実施形態では、球通路607は、断面略四角形の筒状に形成されており、一般的な遊技球の直径が約11mmであることから、所要の隙間が出来るように球通路607の一辺の長さは約12mmに設定されている。
各球通路607は、ハウジング601上面に開口した開口部615から緩やかに下方傾斜した停留通路部617と、停留通路部617の下流側に連通し略鉛直方向に沿って延びる払出通路部619と、当該払出通路部619の途中から分岐し下方傾斜した球抜き通路部621とから構成されている。そして、ハウジング601下面において払出通路部619及び球抜き通路部421がそれぞれ開口している。
各球払出ユニット600は、各球通路607がそれぞれ対応する上記ケースレール577の球通路577aと連通するように配置される。一方、各球払出ユニット600の下部においては、払出通路部619が払出樋579の第1導出通路579aに連通し、球抜き通路部621が払出樋579の第2導出通路579bと連通するようになっている。
各停留機構608は停留通路部617の下方、払出通路部619の側方(図24の右側)、球抜き通路部621の上方に形成される空間部631に配設されている。各停留機構608はそれぞれ独立して駆動するよう構成されている。
停留機構608は、フリッカー633と、これを駆動させるソレノイド635と、両者を連動させるための駆動伝達部材637とから構成されている。
ソレノイド635は、下方に向けて突出するプランジャ641を備えている。プランジャ641の先端部には、プランジャ641と一体的に上下にスライドするプランジャキャップ643が取着されている。なお、プランジャ641には図示しないコイルばねが取着されており、通常時つまりソレノイド635の非励磁状態においては、プランジャ641が下方へ押下げられている。そして、ソレノイド635が励磁状態となると、プランジャ641が上方へ引き上げられる。
フリッカー633は、支軸647により払出通路部619近傍において回動自在に軸支されている。フリッカー633は略円弧形状をなし、支軸647より上に位置する先端部は先細りしている。
一方、払出通路部619の上端部近傍における空間部631側の壁部には、開口部651が設けられている。そして、フリッカー633が回動することにより、フリッカー633の先端部が開口部651を介して払出通路部619内外へ出没する。フリッカー633の先端部が払出通路部619内へ突出している状態においては遊技球が通過不能となり、それより上流において遊技球が停留されることとなる。
また、フリッカー633の下方には、略く字形状をなす上記駆動伝達部材637が配設されている。駆動伝達部材637は、支軸648により回動自在に軸支されている。駆動伝達部材637の先端部はフリッカー633の下部に係合(遊嵌)されており、駆動伝達部材637の動きに連動してフリッカー633が回動する。
一方、駆動伝達部材637の下部には上記プランジャキャップ643の端部が差し込まれており、プランジャ641の上下動に連動して、駆動伝達部材637、ひいてはフリッカー633が回動することとなる。
また、ハウジング601の側部には、フリッカー633の先端部近傍において球検出センサ664が取着されている。球検出センサ664は、発光素子と受光素子とからなる透過型フォトセンサである。ハウジング601には、上記球検出センサ664の発光素子及び受光素子に対応して透孔677が設けられており、これを介して球検出センサ664は投光又は受光を行う。
また、球通路607における払出通路部619と球抜き通路部621との分岐点には切換え部材679が設けられている。より詳しくは、切換え部材679は、前後方向を軸心として回動可能に設けられており、遊技球を払出通路部619に沿って流下させる払出通路開放位置と、遊技球が通過不能なように払出通路部619を閉じた状態とするとともに、遊技球を球抜き通路部621へ導き当該球抜き通路部621に沿って流下させる球抜き通路開放位置とに回動変位する。
ハウジング601の前面側には、切換え部材679の切換え操作及び上記停留機構608の停留解除操作を行うための操作レバー688が手動操作可能に設けられている。操作レバー688は前後方向を軸心として回動自在となっており、当該操作レバー688を回動操作することにより、切換え部材679が連動して回動する。なお、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て、操作レバー488が右寄りの第1操作位置(図24の二点鎖線で示す位置)にある場合には、切換え部材679が上記払出通路開放位置に位置し、操作レバー688が左寄りの第2操作位置にある場合には、切換え部材679が上記球抜き通路開放位置に位置する。
また、ハウジング601内には、各ソレノイド635(プランジャ641)の下方において作用伝達部材692が配設されている。作用伝達部材692は、上記操作レバー688の動作に連動してプランジャ641を動かすための部材である。作用伝達部材692は前後方向を軸心として回動可能に構成されている。そして、操作レバー688を回動操作することにより、作用伝達部材692が回動するようになっている。より詳しくは、操作レバー688を前記第1操作位置から前記第2操作位置へと回動操作し、作用伝達部材692を回動させることにより、作用伝達部材692がプランジャ641を押し上げることとなる。その結果、ソレノイド635が励磁された場合と同様に、フリッカー633の先端部が払出通路部619外へ没した状態となり、遊技球が流下可能な状態となる。
また、本実施形態では、2つの球払出ユニット600の連結時において、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て手前側の球払出ユニット600の操作レバー688と、奥側の球払出ユニット600の操作レバー688とが連結される構成となっている。これにより、手前側の球払出ユニット600の操作レバー688を回動操作することにより、奥側の球払出ユニット600の操作レバー688も回動操作されることとなる。
ここで、払出装置578(球払出ユニット600)の払出動作及び球抜き動作について説明する。
通常時、各球払出ユニット600では遊技球の流下を規制する規制状態となっており、フリッカー633の先端部が払出通路部619内へ突出した状態となっている。一方、切換え部材679は払出通路開放位置にあり、遊技球が払出通路部619に沿って流下可能な状態となっている。
そして、払出制御装置555からの払出指令に基づき、ソレノイド635が励磁されると、プランジャ641が引き上げられる。これに連動してフリッカー633の先端部が払出通路部619外へ没した状態となり、フリッカー633により制止されていた遊技球が払出通路部619に沿って流下し、上皿71や下皿253へと導かれる。また、球検出センサ664が所定数の遊技球を検出すると、払出制御装置555から停止指令が出て、再びソレノイド635が非励磁状態となり、各停留機構608は上記通常時の状態(規制状態)に戻る。
次に、球払出ユニット600内に停留された遊技球の球抜き作業について説明する。球抜き作業は、出荷時における検査終了後やエラー発生時(故障時)等に行われる。
遊技球を球抜きするためには、まず操作レバー688を反時計回り方向へ回動操作する。この操作レバー688の動きに連動して、切換え部材679が球抜き通路開放位置へと反時計回りに回動変位するとともに、作用伝達部材692が時計回りに回動変位する。その結果、プランジャ641が押し上げられる。そして、ソレノイド635が励磁された場合と同様に、フリッカー633の先端部が払出通路部619外へ没した状態となると、遊技球が流下可能な状態となる。フリッカー633により制止されていた遊技球は、払出通路部619に沿って流下し、切換え部材679によって球抜き通路部621へ導かれ、当該球抜き通路部621及び第2導出通路579bを介して第1排出通路581cへ、ひいては遊技ホールの島設備の所定の排出部などへと導かれる。
また、ハウジング601の側部には、球検出センサ664の下方において払出中継基板W1が設けられている。払出中継基板W1は、球検出センサ664とコネクタW1aを介して電気的に接続され、ソレノイド635とコネクタW1bを介して電気的に接続され、払出制御装置555とコネクタW1cを介して電気的に接続されている。但し、便宜上、図面において電気配線は省略されている。これにより、球払出ユニット600(ソレノイド635)が払出制御装置555からの出力信号に基づいて駆動制御されるとともに、払出制御装置555が球検出センサ664からの入力信号に基づいて払出個数を計数するように構成されている。
次に払出樋579、遊技球分配部580、及び取付台部552に形成された各種球通路について詳しく説明する。上述したように払出樋579は、払出装置578(球払出ユニット600)の払出通路部619と連通する第1導出通路579aと、払出装置578の球抜き通路部621と連通する第2導出通路579bとを備えている。
一方、樹脂ベース550の取付台部552には、遊技球分配部580を介して、第1導出通路579aと連通する第1払出通路581a及び第2払出通路581bが設けられている。第1払出通路581aの他端は上皿71の受口部81と連通し、第2払出通路581bの他端は、下皿253の排出口257と連通している。さらに、取付台部552には、遊技球分配部580を介して、第2導出通路579bと連通する第1排出通路581cが設けられており、当該第1排出通路581cの他端は遊技ホールの島設備の所定排出部などと連通している。これにより、球払出ユニット600の払出通路部619から導出される遊技球は上皿71や下皿253へと導かれ、球抜き通路部621から導出される遊技球は遊技ホールの島設備の所定排出部へと導かれる。
この他、取付台部552には、上記取込装置300により取り込まれた遊技球を島設備の所定排出部などへ導くため、上記前扉3側の排出通路285に連通する第2排出通路581dが設けられている。
次にメインユニット4及び裏機構ユニット5の前扉3(ベース枠10)に対する組付構成について詳細に説明する。これら両ユニット4,5は、ユニット単位で何ら工具等を用いずにベース枠10の背面側に着脱できるよう構成されるとともに、ベース枠10の背面に対し個別に開閉可能に構成されている。これは、メインユニット4だけを交換することで球使用式回胴遊技機1本体を再利用することを主たる目的としている。
図19に示すようにメインユニット4(遊技パネルベース500)の左側部には上下一対の支軸541が設けられており、この支軸541を図8等に示す上下一対の支持孔部542に上方から挿通させることで、メインユニット4がベース枠10に対して開閉可能に支持される。
図21等に示すように裏機構ユニット5(樹脂ベース550)の左側部には上下一対の支軸543が設けられており、この支軸543を図8等に示す上下一対の支持孔部544に上方から挿通させることで、裏機構ユニット5がベース枠10に対して開閉可能に支持される。
また、メインユニット4(遊技パネルベース500)の右側部には上下一対の係止レバー545が設けられている。これに対し、裏機構ユニット5(樹脂ベース550)の右側部には上下一対の係止片546が設けられている。係止レバー545は手動で回動操作できるように構成されており、この係止レバー545を係止片546へ係止させることにより、メインユニット4が裏機構ユニット5に係止される。この状態では両者が一体にベース枠10に対し開閉可能となる。また、係止レバー545を操作することにより係止解除できる。
また、メインユニット4を裏機構ユニット5に係止させた状態では、メインユニット4の背面側が裏機構ユニット5により覆われた状態となり、主制御装置520及びサブ制御装置521が遊技パネルベース500と樹脂ベース550とにより包まれた状態となる。
次に、前扉3の施錠機構、並びに裏機構ユニット5の施錠機構について説明する。本実施形態では、前扉3は外枠2に対し施錠され、裏機構ユニット5は前扉3に対し施錠される。これら両施錠は前扉3の背面側に設けられた1つの施錠装置750により行われる。図25(a)は施錠装置750を背面外側から見た斜視図であり、図25(b)は施錠装置750を背面内側から見た斜視図である。図26(a)は前扉3の解錠時の施錠装置750を背面外側から見た斜視図であり、図26(b)は前扉3の解錠時の施錠装置750を背面内側から見た斜視図である。図27(a)は裏機構ユニット5の解錠時の施錠装置750を背面外側から見た斜視図であり、図27(b)は裏機構ユニット5の解錠時の施錠装置750を背面内側から見た斜視図である。尚、施錠装置750は本実施形態における施錠手段を構成する。
施錠装置750は、金属材料よりなり、ベース枠10の右辺部10dに沿って取付けられる縦長の基枠751を備えている。
基枠751は、右辺部10dの背面側に取付けられる取付板752と、当該取付板752から後方へ突出した支持板753とからなり、断面略L字状をなしている。
まず、前扉3の施錠機構について説明する。
支持板753の上部及下部には、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側にあたる外側の面において、鉤部材754,755が回動可能に軸支されている。
さらに支持板753の外側面には上下に摺動可能に摺動杆756が配設されている。摺動杆756の上部及び下部にはガイド孔756a,756bが設けられ、ガイド孔756a,756bにはそれぞれ支持板753に固定されたガイドピン753a,753bが係合状態で挿通されている。これにより摺動杆756の摺動がガイドされる。
また、摺動杆756の上端部近傍及び下端部近傍には、上記鉤部材754,755に対応して切欠き部758,759が設けられている。一方、鉤部材754,755の取付板752側の端部(以下、基端部という)にはガイド突起754a,755aが設けられている。このガイド突起754a,755aは、摺動杆756の切欠き部758,759に係合されている。また、このガイド突起754a,755aと取付板752との間にはコイルばね761,762が掛けられており、鉤部材754,755の基端部は常には下方に引っ張られている。これにより、鉤部材754,755は常には図示しない規制部に当接することにより略水平状態に維持されている。そして、摺動杆756が上方に摺動するのに伴って、鉤部材754,755が連動して回動し、鉤部材754,755の基端部側が上に、先端部側が下となるよう傾いた状態となる。
一方で、鉤部材754,755は独立して回動可能であり、針金などで上下の鉤部材754,755を回動させようとする場合(不正行為が行われる場合)は、両方の鉤部材754,755に針金を引っ掛けて回動させなければならない。つまり、一方のみの鉤部材754又は鉤部材755を引っ掛けて回動させただけでは、不正解錠をすることができないように構成されている。
鉤部材754,755の先端部は略三角形状に形成されており、その上側に係止部754b,755bが形成されている。これに対し、外枠2の右辺部(右の縦板)内側には鉤部材754,755に対応して上下一対の受け金具(爪馬)792が設けられている(図5参照)。そして、前扉3が閉じられる際には、鉤部材754,755が受け金具792によって押されることでコイルばね761,762に抗して回動する。その後、コイルばね761,762の引張力で鉤部材754,755は元の状態に戻り、係止部754b,755bが受け金具792に係止される。その結果、前扉3が外枠2に対し施錠される。また、鉤部材754,755の先端が下がり、係止部754b,755bと受け金具792との係止状態が解除されることにより、前扉3が解錠される。
次に裏機構ユニット5の施錠機構について説明する。
支持板753の上部及下部には係合突部765,766が後方に向け突出形成されている。さらに、支持板753には、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て右側にあたる内側の面において、上下に摺動可能に摺動杆767が配設されている。摺動杆767の上下方向略中央部にはガイド孔767aが設けられ、ガイド孔767aには支持板753に固定されたガイドピン753cが係合状態で挿通されている。これにより摺動杆767の摺動がガイドされる。
また、摺動杆767の上端部近傍及び下端部近傍には、上記係合突部765,766に対応して鉤部769,770が設けられている。鉤部769,770の先端部は略三角形状に形成されており、その上側に係止部769a,770aが形成されている。
また、摺動杆767と支持板753との間にはコイルばね771が掛けられており、摺動杆767は常には上方に引っ張られている。この状態では、鉤部769,770(係止部769a,770a)の上部端部が係合突部765,766より上方に突出した状態となっている。そして、摺動杆767が下方に摺動するのに伴って、鉤部769,770の上部端部が係合突部765,766より下方に没した状態となる。
これに対し、裏機構ユニット5(樹脂ベース550)の右側部には係合突部765,766及び鉤部769,770が挿入される上下一対の鉤受部791が形成されている(図20、図23等参照)。鉤受部791内には受け金具(爪馬)793が設けられている。そして、裏機構ユニット5が前扉3に対し閉じられる際には、鉤部769,770が受け金具793によって押されることでコイルばね771に抗して摺動杆767(鉤部769,770)が下方へ摺動する。その後、コイルばね771の引張力で摺動杆767(鉤部769,770)が元の位置に戻り、係止部769a,770aが受け金具793に係止される。その結果、裏機構ユニット5が前扉3に対し施錠される。また、摺動杆767(鉤部769,770)が下がり、係止部769a,770aと受け金具793との係止状態が解除されることにより、裏機構ユニット5が解錠される。
さて、取付板752には、球使用式回胴遊技機1の前面側に露出するように取付けられる錠部材としてのシリンダ錠775が設けられている。
シリンダ錠775の錠軸には第1係合凸部776aと第2係合凸部776bとを備えてなるカム板776が固定されている。一方、摺動杆756には、下部のガイド孔756bの上方において、カム板776が係合可能な矩形状の2つの係合孔部756c,756dが形成されている。
図26に示すように、シリンダ錠775のキー操作(解錠操作)によってカム板776が球使用式回胴遊技機1の正面側から見て時計回り方向に回動された場合、カム板776の第2係合凸部776bが摺動杆756の係合孔部756dに係合し、摺動杆756が上方に摺動する。これにより、鉤部材754,755が回動し、外枠2側の受け金具792との係合が解除され、前扉3が解錠される。
一方、図27に示すように、シリンダ錠775のキー操作によってカム板776が反時計回り方向に回動された場合、カム板776の第1係合凸部776aが摺動杆756の係合孔部756cに係合し、摺動杆756が下方に摺動する。この際、支持板753に形成された孔部781を介して支持板753の外側に突出した摺動杆767の突部782が、摺動杆756の突部783によって下方へ押され、摺動杆767が下方へ摺動する。これにより、鉤部769,770と裏機構ユニット5側の受け金具793との係合が解除され、裏機構ユニット5が解錠される。
また、カム板776は、キー操作がない限り、前扉3を解錠する向き及び裏機構ユニット5を解錠する向きには回動しないようになっている。さらに、シリンダ錠775のキー操作が行われておらず、カム板776がどちらにも回動されていない状態においては、第1係合凸部776a及び第2係合凸部776bが、それぞれに対応する摺動杆756の係合孔部756c、756dに挿通された状態となっている。このため、摺動杆756を上下方向に押圧したとしても、摺動杆756が第1係合凸部776a及び第2係合凸部776bにおいてカム板776の第1係合凸部776a及び第2係合凸部776bと当接するため、該摺動杆756を上下に摺動させることができない構成となっている。尚、シリンダ錠775の鍵穴に挿入されて回動された鍵から手を放すと、鍵が回動前の基準位置に戻されるようになっている。
なお、摺動杆756には、鉤部材755のやや上方位置において、後方に突出したストッパ部785が設けられている。前扉3が外枠2に施錠された状態では、図5に示すように、このストッパ部785が、下側の鉤部材755の係止される受け金具792の上部に当接した状態となる。これにより、前扉3の施錠時においては摺動杆756の下方摺動が規制される。つまり、前扉3が外枠2に施錠された状態では、カム板776を球使用式回胴遊技機1の正面側から見て反時計回り方向に回動させるキー操作を行うことができず、前扉3に対する裏機構ユニット5の解錠を行えない構成となっている。このような構成により、主制御装置520の取外しや上皿ユニット70の箱体212の取外しを行おうとした場合には、まず前扉3を解錠して開放した後、次に裏機構ユニット5を解錠し、メインユニット4の係止レバー545を解除操作するといった複雑な過程を経て、ようやく行うことができる。これにより、主制御装置520や箱体212を取外して行う不正行為等に対して抑止効果を得ることができる。さらには、シリンダ錠775の背面側にはシリンダカバー790が取付けられており、カム板776が不正操作されることを防止している。
さて、図25等に示すように、本実施形態では、施錠装置750の背面側上下方向略中央部において、電源からの電力供給が停止されているときには、シリンダ錠775のキー操作を行わずに前扉3を閉鎖しようとしても閉鎖できないようにするための機構である閉鎖規制機構401が設けられている。以下、閉鎖規制機構401について、図32〜図35等を参照しつつ説明する。図32は前扉3が開放されているときの閉鎖規制機構401を説明するための部分斜視図である。
図33(a)はシリンダ錠775のキー操作が行われていないときの閉鎖規制機構401(後述する施錠ソレノイド412とスライド部材422との位置関係)を説明するための背面図であり、図33(b)は前扉3を解錠するべくシリンダ錠775のキー操作が行われたときの施錠ソレノイド412とスライド部材422との位置関係を説明するための背面図である。
図34(a)は前扉3が開放された状態のときの施錠ソレノイド412とスライド部材422との位置関係を説明するための図33(a)のJ−J線断面図であり、図34(b)は前扉3が閉鎖された状態のときの施錠ソレノイド412とスライド部材422との位置関係を説明する断面図である。
図35(a)は前扉3が開放された状態のときのスライド部材422等を説明するための図34(a)のK−K線断面図であり、図35(b)は前扉3が閉鎖された状態のときのスライド部材422等を説明するための図34(b)のL−L線断面図である。尚、図34、図35では、右側が球使用式回胴遊技機1の前方である。また、図35(a)では後述するプランジャー413を二点鎖線で示し、図35(b)ではプランジャー413の図示を省略している。加えて、施錠ソレノイド412に接続される配線については図示を省略している。
図25、図32、図33等に示すように、閉鎖規制機構401は、摺動杆756の上下方向略中央部から球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側に延出する平板状の台座部411と、当該台座部411に対して、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側にプランジャー413が突出するようにして取付固定された施錠ソレノイド412とを備えている。電源からの電力が供給されている状態においてはプランジャー413が没入した状態(施錠ソレノイド412の本体に引っ込んだ状態:図34(a)実線の状態)で保持され、電源からの電力供給が停止された状態においては、プランジャー413が突出した状態(球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側に大きく突出した状態:図34(a)の二点鎖線の状態)で保持される。本実施形態では、プランジャー413が可動体を構成する。また、プランジャー413が突出したときの状態が可動体(プランジャー413)の変化規制状態に相当し、没入したときの状態が可動体(プランジャー413)の変化許容状態に相当する。また、施錠ソレノイド412本体が電気駆動手段を構成する。
また、図34、図35等に示すように、閉鎖規制機構401は、取付板752のうち施錠ソレノイド412(台座部411)と対応する部位において、その右縁部(球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側の縁部)から後方に向けて延びる補助壁部421を備えている。補助壁部421には、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て右側にあたる内側の面において閉鎖規制手段としてのスライド部材422が前後にスライド可能に設けられている。図35に示すように、スライド部材422には前後に長いガイド孔425が形成されており、ガイド孔425には補助壁部421から突出するガイド突起426が係合状態で挿通されている。さらに、補助壁部421には、スライド部材422の下縁部及び内側面の下部と摺接する断面略L字状のガイド片427が設けられている。これらの構成により、スライド部材422のスライドがガイドされる。本実施形態では、スライド部材422の後端部が補助壁部421よりも後方に突出した状態が閉鎖規制手段(スライド部材422)の第2の状態に相当し(図35(a)参照)、スライド部材422が補助壁部421の内側に引っ込んだ状態が閉鎖規制手段(スライド部材422)の第1の状態に相当する(図35(b)参照)。
加えて、図35に示すように、スライド部材422と補助壁部421との間にはコイルばね428が掛けられており、スライド部材422は常には後方の第2の状態となる側に引っ張られている。尚、図34ではコイルばね428の図示を省略している。
さて、上記のように、施錠ソレノイド412は、摺動杆756に一体形成された台座部411に設けられているため、シリンダ錠775のキー操作に連動して上下に変位することとなる。ここで、シリンダ錠775のキー操作が行われていない状態、及びキー操作が行われている状態においての施錠ソレノイド412(プランジャー413)とスライド部材422との位置関係について説明する。
まず、シリンダ錠775のキー操作が行われていない状態における施錠ソレノイド412とスライド部材422との位置関係について説明する。図35(a)に示すように、シリンダ錠775のキー操作が行われていない状態においては、プランジャー413の先端部の高さ位置がスライド部材422の上端部と下端部との間に位置する。さらに、この状態において、プランジャー413が突出した状態(変化規制状態)となると、図34(a)の二点鎖線で示すように、プランジャー413の先端部がスライド部材422のスライド軌道上に位置する。つまり、シリンダ錠775のキー操作が行われていない状態であって、プランジャー413が突出した状態(変化規制状態)にある場合には、プランジャー413とスライド部材422の前端部とが当接して、スライド部材422の前方(第1の状態となる側、図34、図35では右側)への移動が規制される。
また、図34(b)等に示すように、プランジャー413が没入した状態(変化許容状態)にある場合には、プランジャー413の先端部の高さ位置がスライド部材422の上端部と下端部との間に位置していても、プランジャー413がスライド部材422のスライド軌道上から外れ、スライド部材422とプランジャー413とは当接しない。従って、スライド部材422の前方への移動が許容される。
次に、シリンダ錠775のキー操作が行われた状態における施錠ソレノイド412とスライド部材422との位置関係について説明する。図33(b)に示すように、前扉3を解錠させるためのキー操作が行われた場合には、プランジャー413の先端部位置がスライド部材422の上方に位置する。つまり、シリンダ錠775のキー操作が行われた状態においては、プランジャー413が突出した状態(変化規制状態)にあっても、スライド部材422とプランジャー413とは当接しない。このため、スライド部材422の前方への移動が許容される。
尚、図示は省略するが、裏機構ユニット5を解錠させるためのキー操作が行われた場合には、プランジャー413の先端部位置がスライド部材422の下方に位置し、スライド部材422の前方への移動が許容される状態となる。
加えて、図35に示すように、補助壁部421の内側面には、上下に延在するガイド溝429が形成されている。当該ガイド溝429には、突出した状態(変化規制状態)にあるプランジャー413の先端部が挿入される。また、ガイド溝429は補助壁部421の上端から下端にかけて形成されているため、キー操作に伴うプランジャー413の上下動が許容される。さらに、プランジャー413の先端部がガイド溝429の内側に挿入された状態においては、ガイド溝429を構成する側壁部のうち少なくとも前側の部位とプランジャー413とが略当接状態とされる。これにより、プランジャー413に対して前方に力が加えられた場合に、該プランジャー413の前方への変位をガイド溝429で規制・支持することができ、プランジャー413の変形等を抑制することができる。
また、図34(b)、図35(b)に示すように、外枠2の右辺部には、スライド部材422と対応する部位(スライド部材422と高さが同じ部位)において内側に突出する支持部431が一体形成されている。前扉3の閉鎖時においては、当該支持部431の前面と、スライド部材422の後端部及び補助壁部421の後縁部とが当接する構成となっている。尚、支持部431が外枠2の右辺部と一体形成されていることにより、例えば、外枠2と別体で構成した支持部を外枠2の右辺部にねじ等で固定するといった構成することで支持部が取外されてしまうといったおそれを回避することができる。尚、支持部431のうち、スライド部材422と当接する部位(前面)を保護するべく、当該部位に対して金属製のカバーを設けてもよい。
次に、前扉3を閉めるときのスライド部材422、施錠ソレノイド412の動きについて説明する。
電源から電力が供給されている状態のときには、図33(a)、図34(a)等に示すように、施錠ソレノイド412のプランジャー413は没入した状態(変化許容状態)となる。この状態において前扉3を閉めていくことで、後方に突出して第2の状態にあるスライド部材422と支持部431とが当接し、当該当接状態からさらに前扉3に対してその閉方向に力を加えることで、スライド部材422が支持部431に押されて前方の第1の状態となる側に向けてスライドする。そして、図34(b)、図35(b)等に示すように、スライド部材422が前方の第1の位置となるまで、つまり、前扉3(ベース枠10等)と外枠2とが略当接状態とされるまで前扉3を押し込み、スライド部材422と取付板752の背面とが略当接するまでスライド部材422を前方にスライドさせることで、上記のように鉤部材754,755(係止部754b,755b)が受け金具(爪馬)792に係止され、前扉3が外枠2に対して施錠される。ちなみに、電源から電力が供給されている状態のときには、シリンダ錠775のキー操作を行わなくても、前扉3に対してその閉方向に力を加えるだけで前扉3を閉鎖・施錠することができる。
さて、電源からの電力供給が停止された状態のときには、施錠ソレノイド412のプランジャー413が突出した状態(変化規制状態)となる。この状態において、シリンダ錠775のキー操作を行なうことなく前扉3を閉めていく場合、後方に突出した第2の状態にあるスライド部材422と支持部431とが当接し、スライド部材422には前方に向かう力が加えられるのであるが、当該スライド部材422の前端部と突出した状態(変化規制状態)にあるプランジャー413とが当接するため、スライド部材422のそれ以上の前方(第1の状態となる側)への移動が規制される。従って、前扉3が所定角度開いた状態で前扉3の閉方向への移動が規制され、前扉3を閉鎖・施錠することができない。
一方、電源からの電力供給が停止された状態であっても、前扉3を解錠するためのシリンダ錠775のキー操作を行った場合には、図33(b)に示すように、プランジャー413は突出した状態(変化規制状態)のままではあるが、前記キー操作に連動して施錠ソレノイド412自体が上方に移動し、プランジャー413がスライド部材422のスライド軌道上から外れる(スライド部材422よりも上方に位置する)。このため、スライド部材422の前方(第1の状態となる側)への移動が許容され、前扉3を閉鎖することができる。尚、裏機構ユニット5を解錠するためのキー操作を行った場合、施錠ソレノイド412自体が下方に移動し、プランジャー413がスライド部材422のスライド軌道上から外れるため、同様に前扉3を閉鎖することができる。
尚、電源からの電力供給が停止された状態において、例えば前扉3を解錠するためのシリンダ錠775のキー操作を行って前扉3を閉鎖した場合には、スライド部材422の上縁部にプランジャー413が引っ掛かった状態となる(摺動杆756が基準位置から若干上方に変位した状態となる)。このような状態にある摺動杆756は、電源から電力が供給されてプランジャー413が引っ込んだとき、又は、前扉3が開放されてスライド部材422がコイルばね428の付勢力により後方の第2の状態となるにスライドしたときに基準位置に復帰する。
また、このようにプランジャー413がスライド部材422上辺部(裏機構ユニット5を解錠するためのキー操作を行った場合には下辺部)に引っ掛かった状態であっても、カム板776の第1係合凸部776aが摺動杆756の係合孔部756cに挿通されている(裏機構ユニット5を解錠するためのキー操作を行った場合には、第2係合凸部776bが係合孔部756dに挿通されている)ため、摺動杆756(施錠ソレノイド412)に対して上下に力を加えても、施錠ソレノイド412を摺動させることはできない。
さらに、プランジャー413がスライド部材422の上辺部や下辺部に引っ掛かった状態であっても(摺動杆756が完全に基準位置に戻らなくても)、前扉3が閉鎖されている状態においては、鉤部材754、755が受け金具(爪馬792)に係止された状態となっている。より詳しくは、シリンダ錠775のキー操作が行われていない状態において、摺動杆756に設けられた切欠き部758,759の下縁部と、鉤部材754,755に設けられ、切欠き部758,759に挿通されたガイド突起754a,755aとの間には若干の隙間が形成されている。このため、摺動杆756が若干上方に摺動することで、切欠き部758,759の下縁部とガイド突起754a,755aとが当接し、当該当接状態からさらに摺動杆756が上方に摺動することで、鉤部材754,755の基端部側が押し上げられて鉤部材754,755が回動し、鉤部材754,755と受け金具(爪馬)792との係止状態が解除される状態(鉤部材754,755の先端部側が下方に傾く)となる。本実施形態では、シリンダ錠775のキー操作が行われていない状態における切欠き部758,759の下縁部とガイド突起754a,755aとの間の距離は、シリンダ錠775のキー操作が行われていない状態におけるプランジャー413(の下端部)の高さ位置とスライド部材422の上辺部に引っ掛かった状態のときのプランジャー413(の下端部)の高さ位置との距離と同じとなるように設定されている。つまり、スライド部材422の上辺部にプランジャー413が引っ掛かった状態であっても、鉤部材754,755を水平状態とすることができ、当該鉤部材754,755と受け金具(爪馬)792とを完全に係止させることができる。尚、切欠き部758,759の上縁部とガイド突起754a,755aとの間には、摺動杆756が下方に摺動しても鉤部材754,755が回動しないようにするために比較的大きな隙間が設けられているため、スライド部材422の下辺部にプランジャー413が引っ掛かった状態であっても、鉤部材754,755を水平状態とすることができる。
尚、前扉3の閉鎖状態において電源からの電力供給が停止された場合、プランジャー413が突出し、当該プランジャー413の先端部がスライド部材422の内面に当接することとなるが、かかる状態から前扉3が開放された場合には、スライド部材422が後方に摺動するとともに、プランジャー413の先端部がスライド部材422の摺動軌道上に位置するようにしてプランジャー413突出することとなる。また、上記のように、プランジャー413の先端部がスライド部材422の内面に当接した状態は、前扉3が閉鎖されている状態であるので、このときのプランジャー413は変化許容状態にあるといえる。もちろん、プランジャー413の先端部が少しでもスライド部材422のスライド軌道状に位置してスライド部材422の前方への移動を規制するようであれば、そのときのプランジャー413は変化規制位置にあるといえる。
以上詳述したように、本実施形態では、電源からの電力供給が停止されている状態のときに開状態にある前扉3を閉方向に移動させる場合には、突出した状態(変化規制状態)にあるプランジャー413がストッパーとなってスライド部材422の前方(第1の状態となる側)への移動が規制される。従って、前扉3を押しても閉鎖することができず、前扉3が所定角度開いた状態となっているため、前扉3が不正に開放されたことを発見しやすくなる。このため、例えば、前扉3が不正開放され、制御基板が不正に交換される等した場合においても、前扉3が閉鎖されていないことによってかかる不正行為を把握することができる。従って、球使用式回胴遊技機1内部に対して不正行為が行なわれた状態で遊技が行われてしまい、遊技ホールが多大な損害を被ってしまうといった事態を防止することができる。
一方で、電源から電力が供給されると、プランジャー413が没入した状態(変化許容状態)となるため、スライド部材422の前方(第1の状態となる側)への移動がプランジャー413によって阻害されることがなく、前扉3を閉鎖することができる。結果として、上記手段1の作用効果が確実に奏される。
また、本実施形態では、電源からの電力供給が停止され、プランジャー413が突出した状態となっていても、キー操作を行うことで、プランジャー413とスライド部材422とが当接しなくなり、前扉3を閉鎖することができる。従って、電力供給が停止された状態のときのメンテナンス性の向上、前扉3の開閉や電源スイッチ560のオンオフに際しての作業性の向上等を図ることができる。
また、例えば、スライド部材を前扉3の側部から突出させ、外枠2の前面と当接させることで前扉3を閉鎖できなくする構成を採用する場合、前扉3を閉鎖するためには手でスライド部材を押圧して前扉3の内側に引っ込める手間が必要となることが懸念される。また、当該構成を採用する場合であっても、スライド部材422を押さなくても前扉3を閉鎖可能とするべく、スライド部材422に対応して別途電気駆動手段(モータ等)を設けたり、スライド部材422をキー操作に連動させたりすることも考えられるが、構成の複雑化を招くおそれがある。また、スライド部材をソレノイドのプランジャーで構成することも考えられるが、不正行為者がプランジャーを押圧してプランジャーを引っ込め、前扉3を閉鎖してしまうといった事態が懸念される。
この点、本実施形態のように、スライド部材422を前後にスライド可能に設けた上で、当該スライド部材422を常には後方の第2の状態となる側に付勢するとともに、扉体3を閉じるときにスライド部材422と当接する支持部431を設けるといった構成を採用することで、電源からの電力供給が停止された状態であっても、キー操作を行えば、前扉3に対してその閉方向に力を加えるだけで前扉3を閉鎖することができる。従って、比較的簡単な構成を採用しつつ、前扉3を閉鎖する際の作業性の向上を図ることができる。
また、例えば、突出した状態にあるプランジャー413に対して没入させる方向に大きな力を加えるとプランジャー413が没入してしまう(施錠ソレノイド412本体内部に引っ込んでしまう)おそれがあり、さらに、スライド部材422のスライド方向とプランジャー413の出没方向とが揃っていると、スライド部材422が前方に押されることで、プランジャー413がスライド部材422に押されて(変化許容状態側に)移動してしまうおそれがある。この場合、不正行為者であってもスライド部材422を押圧することで前扉3を閉鎖できてしまうことが懸念される。この点、本実施形態では、スライド部材422のスライド方向と、プランジャー413の出没方向とが交差しているため、スライド部材422とプランジャー413とが交差するようにして当接する。従って、プランジャー413がスライド部材422に押されたとしても当該プランジャー413が(変化許容状態側に)移動しない。従って、電源からの電力供給が停止された状態のときに、より確実にスライド部材422の前方(第1の状態となる側)への移動を規制することができる。
加えて、施錠ソレノイド412、スライド部材422が施錠装置750に設けられていることにより、これらを施錠装置750とは別に構成する場合に比べ、部品点数の削減や省スペース化を図ることができる。
次に球使用式回胴遊技機1の電気的構成について詳しく説明する。図28は、球使用式回胴遊技機1の電気的構造を示したブロック図である。但し、便宜上、各種中継基板については図示を省略している。
球使用式回胴遊技機1の主制御装置520には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU801が搭載されている。CPU801には、該CPU801により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM802と、そのROM802内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM803と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM803は、球使用式回胴遊技機1の電源のオフ後においても電源装置556からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM803には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア803aが設けられている。
バックアップエリア803aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時に球使用式回胴遊技機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア803aへの書き込みは、所定の停電時処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア803aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の所定の復電時処理において実行される。なお、CPU801のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路842から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電時処理が即座に実行される。
かかるROM802及びRAM803を内蔵したCPU801には、アドレスパス及びデータパスで構成されるバスライン804を介して入出力ポート805が接続されている。
入出力ポート805には、後述するリセットスイッチ回路843、払出制御装置555、スタートレバースイッチ268、ストップボタンスイッチ271,272,273、マックスベットスイッチ75、1ベットスイッチ274、カウント表示部533、ベット数表示部534、取込装置300、有効ライン表示部516,517,518、その他図示しない電気機器などが接続されている。
サブ制御装置521は、ランプやスピーカ等を制御するための制御装置であり、演算装置であるCPU851、該CPU851により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM852、該ROM852内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM853、入出力ポート854、バスライン855を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM853は、CPU851による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート854には、バスライン855を介してCPU851、ROM852、RAM853が接続されるとともに、液晶表示装置501、各ランプ表示部41,47,53、スピーカ42,51、第1演出スイッチ277、第2演出スイッチ278等が接続されている。
サブ制御装置521のCPU851は、例えば主制御装置520から送信される指令信号に基づいて種々の演出を実行する。例えば、液晶表示装置501において、後述するビッグボーナスフラグ等の成立を報知する「ナビゲーション表示」や、ビッグボーナスフラグの成立時に小役フラグ等の成立と思わせる「ナビゲーション外れ表示」といった補助演出表示を行う。
また、払出制御装置555は、上記払出装置578により賞球や貸球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU811は、そのCPU811により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM812と、ワークメモリ等として使用されるRAM813とを備えている。
払出制御装置555のRAM813は、前述した主制御装置520のRAM803と同様に、球使用式回胴遊技機1の電源のオフ後においても電源装置556からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM813には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア813aが設けられている。
バックアップエリア813aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時に球使用式回胴遊技機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア813aへの書き込みは、所定の停電時処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア813aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の所定の復電時処理において実行される。
かかるROM812及びRAM813を内蔵したCPU811には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン814を介して入出力ポート815が接続されている。
入出力ポート815には、リセットスイッチ回路843、主制御装置520、払出装置578などがそれぞれ接続されている。
また、電源装置556は、球使用式回胴遊技機1の各部に電力を供給するための電源部841と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路842と、リセットスイッチ561に接続されてなるリセットスイッチ回路843と、設定キー挿入部562に接続されてなる設定キー回路844とを備えている。
電源部841は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置520、サブ制御装置521、払出制御装置555等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部841は、外部より供給される交流24ボルト電源〔AC24V=主電源(外部電源)〕を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置520等に対して供給する。
停電監視回路842は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置520のCPU801及び払出制御装置555のCPU811の各NMI端子へ停電信号SK1を出力するための回路である。停電監視回路842は、電源部841から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置520及び払出制御装置555へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置520及び払出制御装置555は、停電の発生を認識し、停電時処理を実行する。
なお、電源部841は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置520及び払出制御装置555は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
リセットスイッチ回路843は、リセットスイッチ561のスイッチ信号を取り込み、そのリセットスイッチ561の状態に応じて主制御装置520のRAM803及び払出制御装置555のRAM813のバックアップデータをクリアするための回路である。リセットスイッチ561が押下された際、リセットスイッチ回路843は、リセット信号SK2を主制御装置520及び払出制御装置555に出力する。リセットスイッチ561が押下された状態で球使用式回胴遊技機1の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置520及び払出制御装置555においてそれぞれのRAM803,813のデータがクリアされる。
設定キー回路844は、設定キー挿入部562への設定キーの挿入を検知し、その旨を主制御装置520のCPU801に認識させるための回路である。設定キー挿入部562に対しキー挿入があると、設定キー回路844は、キー入力信号SK3を主制御装置520に出力する。これに基づき、主制御装置520は設定変更を許可する。
さて、本実施形態では、図3等に示すように、前扉3には、ベース枠10の背面側左上コーナー部において、開放スイッチユニット900が設けられている。
図29に示すように、開放スイッチユニット900は、外枠2に相対向する後側(図29右側)が開口した略箱状の本体ケース901と、当該本体ケース901の開口部902に嵌め込まれたボタン部903とにより、その外郭が形成されている。本体ケース901及びボタン部903は共に合成樹脂材料から構成されている。
開放スイッチユニット900は、ベース枠10の背面側左上コーナー部に設けられた収容部905(図8等参照)に対し嵌め込まれた状態で、図示しないネジ等の固定手段により固定されている。
本体ケース901は、矩形状の底部901aと、当該底部901aの周縁部から後側に向け突出しかつ当該周縁部に沿って形成された周壁部901bと、当該周壁部901bの後端部において開口部902内周側に向けて突出形成されたフランジ部901cとから構成されている。
ボタン部903は、円盤状の頭部903aと、当該頭部903aの周縁部から前側(図29左側)に向け突出しかつ当該周縁部に沿って形成された周壁部903bと、当該周壁部903bの前端部において外周側に向けて突出形成されたフランジ部903cとから構成されている。
本体ケース901内部の周壁部901b近傍には、底部901aからフランジ部901cに掛けて架設された棒状のガイド部906が複数設けられている。これに対応して、本体ケース901内部に入り込んだボタン部903のフランジ部903cには、ガイド部906を挿通させる孔部907が形成されている。これにより、ボタン部903は、ガイド部906にガイドされて前後方向(図29左右方向)にスライド変位可能に組付けられている。
各ガイド部906の外周にはコイルばね908が嵌め込まれている。当該コイルばね908の弾性力により、ボタン部903は、図29(a)に示すように、自身のフランジ部903cが本体ケース901のフランジ部901cに当接するように後側に付勢されている。コイルばね908は本実施形態における離間手段を構成する。
また、本体ケース901の底部901aには開放検知手段としての開放検知スイッチ910が設けられている。これに対応して、ボタン部903の頭部903aには、開放検知スイッチ910を操作するための操作部912が取付けられている。本実施形態の操作部912は、前後方向に沿って延びる棒状をなす磁石(磁性体)により構成されている。
開放検知スイッチ910は、図29(a)に示すように、そのスイッチ部910aが操作部912により押圧されていない突出状態でオンとなり、図29(b)に示すように、スイッチ部910aが操作部912により押圧された没入状態でオフとなるものである。
開放検知スイッチ910は、本体ケース901の底部901a外側に設けられた外部接続端子914に電気的に接続されている。この外部接続端子914には図示しないケーブルコネクタが接続されており、当該ケーブルコネクタを介して、開放検知スイッチ910は、上記外部中継端子板547及び電源装置556と電気的に接続されている。そして、開放検知スイッチ910は、電力供給手段としての電源装置556からの電力供給により作動するようになっている。換言すれば、電源装置556からの電力供給が停止している場合には作動しない。
さらに、本体ケース901内部にはコイル915が配設さている。コイル915は、その軸心が操作部912の軸心と重なるように前後方向に沿って配置されており、操作部912の一部が内部に差し込まれた状態となっている。
コイル915は、開放検知スイッチ910と同様に、上記外部接続端子914に電気的に接続されており、当該外部接続端子914を介して外部中継端子板547に電気的に接続されている。
操作部912及びコイル915は、本実施形態におけるオフ時電力供給手段(起電力発生手段)に相当し、ボタン部903(操作部912)の動作に伴う電磁誘導作用により起電力を発生させる機構である。なお、コイル915の巻数や操作部912の磁力等は、必要とされる起電力に応じて任意に選択できる。
次に開放スイッチユニット900の動作について説明する。開放スイッチユニット900は、前扉3の閉鎖時においては、図29(b)に示すようにボタン部903が外枠2により押圧されることにより、コイルばね908の付勢力に抗して没入状態となっている。この際、開放検知スイッチ910は、スイッチ部910aが操作部912により押圧されることでオフ状態となっている。
前扉3の施錠が解除されると、コイルばね908の弾性力により、ボタン部903は本体ケース901から突出する。これにより、ボタン部903が外枠2を押し、前扉3は外枠2から離間する。同時に、開放検知スイッチ910は、図29(a)に示すように、操作部912がスイッチ部910aより離れることでオン状態となる。つまり、開放検知スイッチ910がオン状態になることで、前扉3の開放が検知されるのである。
開放検知スイッチ910が前扉3の開放を検知すると、かかる検知信号(検知電流)が外部中継端子板547に出力されることとなる。これに基づき、外部中継端子板547から、前扉3が開放された旨の信号(開放信号)が後述するホールコンピュータHCに出力される。
なお、前扉3が開放される際には、ボタン部903が突出する動作に伴って、操作部912とコイル915の相対位置が変化することにより、コイル915に起電力が発生する。これにより、遊技ホールの営業時間外など、電源装置556からの電力供給が停止している開放検知スイッチ910の非作動時において、前扉3が開放された場合には、コイル915に発生した起電力に基づく電流が検知信号(検知電流)として外部中継端子板547に出力されることとなる。結果として、開放検知スイッチ910により前扉3の開放が検知された場合と同様に、外部中継端子板547から開放信号がホールコンピュータHCに出力されることとなる。
ここで、ホールコンピュータHCへの信号出力の仕組みについて図30を参照してより詳しく説明する。図30は、電源装置556、開放スイッチユニット900及び外部中継端子板547の電気的接続構成を示す模式的なブロック図である。
図30に示すように、電源装置556(電源部841)には主電源が供給されるようになっており、開放スイッチユニット900の駆動電力としては、上記の如く主電源が分圧・変圧等された上で、駆動用配線951を介して直流の+5V電源が供給されるようになっている。なお、上記駆動用配線951は、回路基板上の電気経路やケーブル線などの電気経路全般を示すものである(他の配線についても同様)。また、駆動用配線951には、電源装置556において、電流の逆流を防止するための整流手段としてのダイオード953が設けられている。
また、開放スイッチユニット900は、グランド用配線952を介して電源装置556のグランドレベルに接続されている。なお、ここでいうグランドレベルとは、電源部841における電位0Vのレベルの端子(GND端子)に繋がる電気経路全般を指すとともに、球使用式回胴遊技機1外部のアースに所定の信号線(グランド線)を介して繋がる電気経路を指す。
また、駆動用配線951及びグランド用配線952は、それぞれ開放スイッチユニット900を介して外部中継端子板547に接続されている。
開放スイッチユニット900においては、駆動用配線951の途中に開放検知スイッチ910が介在している。また、コイル915は、その一端が駆動用配線951のうちの開放検知スイッチ910より外部中継端子板547側に接続され、かつ、他端がグランド用配線952に接続されている。
外部中継端子板547には、信号出力手段(リレー回路)としてのフォトMOSリレー955が設けられている。
フォトMOSリレー955は、一次側回路において発光素子としてのLED(発光ダイオード)956を備え、二次側回路において、LED956から発光した光を受光するとともに、その受光した光量に対応する電圧を発生する受光素子から発生した電圧をゲートに印加して動作するとともに信号を出力する2つのMOSFET(金属酸化物半導体電解効果トランジスタ)958を備えている。LED956は本実施形態における禁止手段を構成する。
フォトMOSリレー955の一次側回路は、LED956のアノード側が駆動用配線951に電気的に接続され、かつ、カソード側がグランド用配線952に接続されている。また、二次側回路は、MOSFET958のドレインが開放信号出力端子961に電気的に接続されている。そして、開放信号出力端子961は、図示しないケーブルコネクタや後述する遊技ホールのネットワークNWを介してホールコンピュータHCに接続される。
上記構成により、電源装置556からの電力供給がある場合においても、前扉3が閉鎖状態にある場合には、開放検知スイッチ910がオフ状態となるため、フォトMOSリレー955の一次側回路には電流が流れず、LED956は非通電状態(オフ状態)となる。従って、二次側回路のMOSFET958も非通電状態(オフ状態)となり、信号出力が行われない状態となっている。
そして、電源装置556からの電力供給がある場合に、前扉3の開放が検知され、開放検知スイッチ910がオン状態になると、フォトMOSリレー955の一次側回路に電流が流れ、LED956が通電状態(オン状態)となる。これに基づき二次側回路のMOSFET958も通電状態(オン状態)となり、開放信号が出力される。
これに対し、電源装置556からの電力供給がない場合において、前扉3が開放された場合には、コイル915に発生した起電力に基づく電流がフォトMOSリレー955の一次側回路に流れ、上記同様に開放信号が出力される。
次に、複数の球使用式回胴遊技機1を遊技ホールの島設備に設置した状態において、前扉3の開閉状態を監視する遊技機監視システムについて説明する。図31は、遊技機監視システムの電気的接続構成を示す模式的なブロック図である。
図31に示すように、複数の球使用式回胴遊技機1a〜1eは、遊技ホールのネットワークNWを介して管理装置としてのホールコンピュータHCに接続されている。これにより、上記外部中継端子板547から出力される開放信号を検出できるようになっている。そして、ホールコンピュータHCは、前記開放信号の監視を行い、開放信号を受信した場合には、当該開放信号を出力した球使用式回胴遊技機1に関する情報(管理番号等)とともに、前扉3の開放履歴情報(時間等)を記憶手段としての記憶装置HMに記憶する。合わせて、ホールコンピュータHCは、遊技ホール内を撮影する監視カメラを制御するカメラシステムCSに指示を出し、前記開放信号を出力した球使用式回胴遊技機1を監視カメラにより撮影する。
尚、本実施形態では、スライド部材422の前端部と、スライド部材422のスライド軌道上に突出した状態(変化規制状態)にあるプランジャー413とが当接し、スライド部材422のそれ以上の前方への移動が規制され、前扉3が所定角度開いた状態で前扉3の閉方向への移動が規制された状態のとき、及び、前扉3が前記所定角度よりも大きく開放された状態のときには、ボタン部903と外枠2とが離間した状態となるように設定されている。つまり、前扉3を閉鎖できない状態において、極力前扉3の開放角度が小さくなるように前扉3を外枠2に押し付け、前扉3をそれ以上閉方向に移動できないといった状態としても、開放検知スイッチ910がオンの状態となるため、確実に外部に信号を出力することができる。従って、より正確な情報を得る(正確に履歴を残す)ことができたり、迅速な対処を行うことができたりする。
以上のように、本実施形態では、遊技ホールの営業時間外などで球使用式回胴遊技機1の電源が落とされ、前扉3の開放を検知する開放検知スイッチ910が作動しない状況下においても、前扉3を開放させた場合には、操作部912とコイル915により発生した起電力に基づき遊技ホールのホールコンピュータHCに対し開放信号を出力することができる。このため、営業時間外の遊技ホールに不法侵入され、球使用式回胴遊技機1の背面側に設けられた主制御装置520を交換する等の不正行為が行われた場合でも、その履歴を残すことが可能となる。結果として、不正行為の行われた事実を把握し、その早期発見が可能となるとともに、ひいては当該不正行為により遊技ホールが受ける損害等を低減できる。
さらに、上記のように、電源からの電力供給が停止した状態においては、スライド部材422と突出した状態(変化規制状態)にあるプランジャー413とが当接し、スライド部材422の前方(第1の状態となる側)への移動が規制され、前扉3を閉鎖できない構成となっているため、不正行為が発見しやすくなるといった作用効果が相乗的に奏される。
また、本実施形態では、開放検知スイッチ910と、前扉3の開閉に伴う電磁誘導作用により起電力を発生させる機構(操作部912及びコイル915)とを、開放スイッチユニット900として一体化している。これにより、部品点数の削減や省スペース化を図ることができる。
また、本実施形態では、フォトMOSリレー955を介して開放信号の出力を行うようになっている。このため、フォトMOSリレー955を介して球使用式回胴遊技機1外部から内部機器に対する信号入力を防止することができる。結果として、不正な信号を入力して遊技媒体を不正に獲得するといった不正行為を防止することができる。
次に、球使用式回胴遊技機1の遊技に係る制御について説明する。主制御装置520は、各種遊技制御として、「小役抽選」、「小役制御」「リプレイゲーム抽選」「リプレイゲーム制御」「ビッグボーナス抽選」「ビッグボーナス制御」「ビッグボーナス中抽選」、「リール制御」等の処理を実行する。
小役抽選では、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選が行われ、これによって小役フラグの成立の有無が決定される。なお、小役抽選は、他の抽選とともに、遊技球の投入個数(ベット数)に応じて変化するよう構成されており、概して投入個数が多い程遊技者に有利な抽選結果が得られるようになっている。
小役制御では、通常遊技中に小役フラグが成立している場合、各リール511〜513の停止時に、後述する小役成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的に小役図柄を有効ライン上に停止させる制御が行われる。
リプレイゲーム抽選では、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選が行われ、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
リプレイゲーム制御では、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各リール511〜513の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる制御が行われる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにする。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
ビッグボーナス抽選では、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選が行われ、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
ビッグボーナス制御では、通常遊技中にビッグボーナスフラグが成立している場合、各リール511〜513の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させる制御が行われる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に通常遊技からビッグボーナスゲームに移行させ、予め設定された最大獲得賞球数(本実施形態では2325個)を上限として、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させる制御が行われる。
ビッグボーナス中抽選では、ビッグボーナス中において、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選が行われ、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。
そして、ビッグボーナス中は、前記ビッグボーナス制御により、小役フラグの成立に基づく所定の小役図柄を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各リール511〜513を半強制的に引き込み停止する制御が行われる。また、ジャックインフラグの成立に基づきジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各リール511〜513を半強制的に引き込み停止する制御が行われる。
ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に所定のジャックインゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御では、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各リール511〜513を半強制的に引き込み停止する制御が行われる。ジャックインされるとジャックインゲームが実行される。
このジャックインゲーム中は、有効ラインが1ライン(中央ライン)のみとされている。ジャックインゲーム中においては、スタートレバースイッチ268からの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、リプレイ図柄が有効ライン(中央ラインのみ)に揃った場合に所定個数(例えば75個)の遊技球が払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄を遊技球払出図柄として、当該遊技球払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選とされている。そして、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、ジャックインゲーム用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記遊技球払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各リール511〜513が制御され、しかも遊技球払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には所定の遊技回数(12回)に達していなくとも所定のジャックインゲームは終了する。なお、かかる所定のジャックインゲームに際しては、投入される遊技球として5個が上限、すなわち、1ベットのみが有効化される。
また、ビッグボーナスゲームでは、当該ビッグボーナスゲーム中に獲得した賞球数が、予め設定された最大獲得賞球数(2325個)に達するまで、当該ビッグボーナスゲームを継続して行うことができるとともに、何度でもジャックインが可能となっている。そして、ビッグボーナス制御では、最大獲得賞球数に達した時点に行われている遊技又はジャックインゲームの終了時点でビッグボーナスゲームを強制的に終了させる。
また、リール制御により、ROM等の記憶手段の記憶内容に応じて各リール511〜513が制御され、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各リール511〜513の停止位置が制御される。
各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグに対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「7」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。
次に、以上の構成からなる球使用式回胴遊技機1の作用について、遊技方法を踏まえて説明する。
遊技の開始に際し、遊技者は、1ベットスイッチ274又はマックスベットスイッチ75を操作することにより遊技球を投入する。主制御装置520は、各ベットスイッチ274,75の検出信号を受けて、取込装置300を駆動制御する。そして、上皿71にある遊技球が取込まれ投入されることとなる。例えば、マックスベットスイッチ75が押圧操作された場合には、上皿71上の15個の遊技球が取込装置300によって取込まれる。このとき、カウント表示部533には投入個数が表示される。
また、遊技球の投入数に応じて主制御装置520は各ラインを有効化する。ここで、1ベットスイッチ274の1回の押圧操作(5個の遊技球の投入)であれば、中央ラインのみが有効化される。また、1ベットスイッチ274の2回の押圧操作(10個の遊技球の投入)であれば、上下ラインが有効化される。さらに、マックスベットスイッチ75の押圧操作等(15個の遊技球の投入)であれば、全ラインが有効化される。
少なくとも1ラインが有効化されている時点で、遊技者がスタートレバースイッチ268を操作すると、主制御装置520は、全てのリール511〜513を一斉に回転させる。これとともに、主制御装置520は、その旨の情報をサブ制御装置521へ送信する。
また、スタートレバースイッチ268の操作に基づく検出信号が主制御装置520に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選、リプレイゲーム抽選、ビッグボーナス抽選など各抽選が行われる。
小役抽選の結果、小役フラグが成立した場合には、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選の結果、リプレイフラグが成立した場合には、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、ビッグボーナス抽選の結果、ビッグボーナスフラグが成立した場合には、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。
以上の各抽選が終了した後、遊技者がストップボタンスイッチ271,272,273を操作すると、主制御装置520は、操作された各ストップボタンスイッチ271,272,273に対応した各リール511,512,513を個別に停止させる制御を行う。
これら各リール511,512,513の停止位置は、上記各抽選結果である各成立フラグに基づき、上記各テーブルを参照して決定される。このとき、有効ラインから各リール511,512,513の回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御が行われることとなり、リール停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる。
また、サブ制御装置521は、主制御装置520の制御に合わせて、液晶表示装置501における上記「ナビゲーション表示」等の補助演出を行う。
各リール511,512,513の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、リプレイ図柄の組合せ、ビッグボーナス図柄の組合せである場合、各停止図柄の組合せに応じた数の遊技球(賞球)を払出すための制御が行われる。
主制御装置520が、払出制御装置555へ払出制御を行う旨の指示を出し、払出制御装置555が払出装置578を駆動制御することにより、上皿71等へ遊技球が払出される。この際、今回獲得した賞球数がカウント表示部533に表示される。
有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出しのない図柄の組合せである場合には、通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御によってビッグボーナスゲームが実行される。そして、上記最大獲得賞球数を獲得したことを条件に、ビッグボーナスゲームが終了する。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、スライド部材422が前後にスライドし、該スライド部材422が左右に出没するプランジャー413と当接することで前扉3の閉方向への移動が規制される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、電源からの電力が供給されている状態においては前扉3を閉鎖することができ、電源からの電力供給が停止された状態においては前扉3を閉鎖できない構成となっていればよい。例えば、スライド部材422が左右方向にスライド可能に構成され、電源からの電力供給が停止された状態においては、スライド部材422の先端部が前扉3の右辺部から外側に突出した状態で保持される構成としてもよい。また、例えば、スライド部材422、補助壁部421を省略し、電源からの電力供給が停止された状態においては、プランジャー413の先端部が前扉3の右辺部から外側に突出した状態で保持される構成としてもよい。この場合、プランジャー413が閉鎖規制手段を構成する。
(b)上記実施形態では、シリンダ錠775のキー操作に連動して台座部411に取付固定された施錠ソレノイド412自体が上下に変位する構成とすることで、電源からの電力供給が停止された状態においても前扉3を閉鎖できるよう構成しているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、図36に示すように、キー操作に連動してスライド部材422自体が回動するよう構成し、プランジャー413とスライド部材422とが当接しなくなる位置に変位する構成としてもよい。
尚、図36に示す構成を簡単に説明すると、カム板776よりも上方の部位において取付板752に対して回動可能に設けられた台座部481に対して、上記実施形態と同様のプランジャー413を有する施錠ソレノイド412が取付固定されている。台座部481の側方には、上記実施形態と同様の補助壁部421、スライド部材422が設けられている。また、台座部481には、下方に向けて延び、カム板776の第1係合凸部776aと略当接する当接片483が設けられている。さらに、台座部481と取付板752との間にはコイルばね488が掛けられており、台座部481は、常には、プランジャー413が球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側に突出するとともに、プランジャー413の出没方向が水平方向(左右方向)となるような向きに引っ張られている。
また、シリンダ錠775のキー操作がない状態においては、プランジャー413の先端部位置が、スライド部材422の上端部と下端部との間に位置する。そして、プランジャー413が突出した状態においては、プランジャー413の先端部がスライド部材422のスライド軌道上に位置し、スライド部材422とプランジャー413とが当接してスライド部材422の前方(第1の状態となる側)への移動が規制される。プランジャー413が没入した状態においては、プランジャー413がスライド部材422のスライド軌道上から外れるので、スライド部材422を前方の第1の状態となる側に移動させることができる。
一方、シリンダ錠775のキー操作が行われた場合には、図36の二点鎖線で示すように、台座部481の当接片483がカム板776の第1係合凸部776aに押され、台座部481が回動する。これにより、プランジャー413がスライド部材422のスライド軌道上から外れ、スライド部材422を前方の第1の状態となる側に移動させることができるようになる。
尚、シリンダ錠775のキー操作が行われていない状態において、台座部411が時計回りに回動しないようにする機構(例えば、カム板776から上方に延び、当接片483のうち球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側の縁部と当接する規制突起)を設けてもよい。
また、上記構成以外にも、キー操作に連動してスライド部材422が上下にスライドしたり、回動したりするよう構成し、スライド部材422と支持部431とが当接しなくなる位置に変位する構成としてもよい。
(c)上記実施形態において、少なくともシリンダ錠775のキー操作が行われていない状態(摺動杆756が基準位置にある状態)においてプランジャー413を覆うカバー部材を設けてもよい。一態様例を説明すると、球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側に開口する箱状のカバー部材を、施錠ソレノイド412を覆うようにして台座部411に取付固定する。また、シリンダ錠775のキー操作が行われていない状態において、カバー部材の右端部(球使用式回胴遊技機1の背面側から見て左側の端部)が補助壁部421の内側面と略当接するよう構成する。さらに、カバー部材に対して、スライド部材422の挿通を許容するための切欠き部を形成する。以上のようなカバー部材を設けることで、施錠ソレノイド412のプランジャー413への接触を困難なものとすることができ、施錠ソレノイド412のプランジャー413を押して引っ込めようとする行為を防止することができる。尚、カバー部材は施錠ソレノイド412に接続される配線についても覆うこととしてもよい。この場合、施錠ソレノイド412に対して不正に電力を供給してプランジャー413を没入した状態(変化許容状態)とするといった行為を防止することができる。
(d)上記実施形態では、電源からの電力供給が停止している状態、すなわち開放検知スイッチ910の非作動時において前扉3が開放された場合、ボタン部903(操作部912)の動作に伴う電磁誘導作用によりコイル915に起電力が発生し、該起電力に基づく電流が検知信号(検知電流)として外部中継端子板547に出力される。これにより、開放検知スイッチ910により前扉3の開放が検知された場合と同様に、外部中継端子板547から開放信号がホールコンピュータHCに出力されるよう構成されているのであるが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、コンデンサや電池等の蓄電手段を開放検知スイッチ910と電気的に接続しておき、電源からの電力供給が停止している状態においても、開放検知スイッチ910に電力を供給して、開放検知スイッチ910が作動できる状態とするよう構成してもよい。尚、電源からの電力供給が停止されているときには蓄電手段が開放検知スイッチ910に電力を供給し続けてもよいし、電源からの電力供給が停止している状態において前扉3が開放された場合、又は前扉3の施錠状態が解除された場合に、蓄電手段と開放検知スイッチ910とが通電する状態に切替わる構成としてもよい。但し、当該構成を採用する場合には、コンデンサや電池等に逐電された電力が消費されてしまうと信号出力ができなくなるため、上記実施形態のように前扉3が開放された際に起電力を発生させるといった構成を採用する方が望ましい。
(e)また、コンデンサ、電池、バッテリー等の蓄電手段を設け、例えば、電源からの電力供給が停止している状態においてシリンダ錠775のキー操作が行われた場合、又は、前扉3が開放された場合に、蓄電手段から施錠ソレノイド412に電力を供給する構成としてもよい。この構成を採用する場合、電源からの電力供給が停止している状態において、施錠ソレノイド412自体を移動させなくても前扉3を閉鎖することができる。つまり、施錠ソレノイド412を摺動杆756に設けるのではなく、基枠751に対して固定的に(相対移動しないように)設けることができ、施錠ソレノイド412に接続される配線の複雑化等を防止することができる。
尚、上記のような蓄電手段を設け、電源(外部電源)からの電力供給が停止された後も、暫くの間は、該蓄電手段により施錠ソレノイド412に電力が供給されるよう構成してもよい。この場合、電源からの電力供給が停止されてから暫くの間は、キー操作を行わなくても前扉3を押し込むだけで閉鎖することができる。尚、蓄電手段は、施錠ソレノイド412を励磁させ、プランジャー413を解除位置に保持するだけの電力を供給できればよい。
また、上記実施形態では、電源からの電力が供給されていないときにシリンダ錠775のキー操作を行って前扉3を閉鎖した場合、スライド部材422の上縁部又は下縁部にプランジャー413が引っ掛かった状態となり、摺動杆756が完全には基準位置に戻らない構成となっているが、摺動杆756が基準位置に戻るよう構成してもよい。例えば、スライド部材422をさらに上下にスライド可能に構成しておき、スライド部材422の上縁部又は下縁部にプランジャー413が当接し、スライド部材422がプランジャー413に押されて下方又は上方にスライドすることで、摺動杆756が基準位置に戻る構成としてもよい。
(f)上記実施形態では、開放検知スイッチ910の非作動時に起電力を発生させる構成として、前扉3の開方向への動作により磁性体の操作部912と導体のコイル915との相対位置を変化させて起電力を発生させる機構(電磁誘導作用を利用した機構)が採用されている。これに限らず、前扉3の開方向への動作に基づく運動エネルギーを電気エネルギー(起電力)に変換する構成であれば、他の構成を採用してもよい。例えば前扉3の開方向への動作によりモータの軸を回動させて起電力を発生させる機構や、前扉3の開方向への動作により圧電素子(ピエゾ素子等)に圧力を加えて起電力を発生させる機構などを採用してもよい。
(g)上記実施形態では、開放検知スイッチ910と、電磁誘導作用により起電力を発生させる機構(操作部912及びコイル915)とを、開放スイッチユニット900として一体化している。これに限らず、開放検知スイッチ910と、起電力を発生させる機構とを別々に設けた構成としてもよい。また、例えば外枠2側に磁石等の磁性体を設け、これに対する前扉3側にコイル等の導体を設けるといったように両者を別々に設けて、前扉3の開方向への動作に基づき起電力を発生させるような機構を採用してもよい。このような構成とすれば、前扉3の開放にあたり、仮に僅かに開いた隙間から「セル板」と称される薄板状の部材を差し込み、その部材で開放スイッチユニット900を押圧し続けることで、前扉3の開放が検知されない状態(起電力を発生させない状態)を作り出すといった不正行為などを行うことは非常に難しくなる。
(h)上記実施形態では、外枠2と前扉3とを離間させる離間手段として、開放スイッチユニット900に一体化されたコイルばね908を採用しているが、これに限らず、開放スイッチユニット900とは別に設けた構成としてもよい。また、離間手段はコイルばね908に限られるものではなし、もちろん離間手段を省略した構成としてもよい。但し、不正行為が行われる場合のように、前扉3を勢い良く開放しない場合には、扉体3の開放動作により発生される起電力が弱いおそれがあるため、離間手段を備える構成がより好ましい。
(i)上記実施形態では、信号出力手段としてフォトMOSリレー955を採用しているが、信号出力手段はこれに限られるものではない。例えば、フォトMOSリレー955に代えて、有接点型の機械式リレーや無接点型のフォトカプラ等を採用してもよい。もちろん、リレー回路(リレー素子)を用いない構成としてもよい。但し、上述したような不正な信号入力を防ぐ上では、リレー回路を採用することが好ましい。
(j)上記実施形態とは異なるタイプの遊技機として実施してもよい。例えば、発射手段を備えたパチンコ機等の弾球遊技機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。この他、遊技媒体として遊技球とは異なる媒体(例えばメダル等)を使用する遊技機(例えばスロットマシン等の回胴式遊技機)として実施してもよい。
(k)上記開放スイッチユニット900のような機構は、上記実施形態の前扉3やパチンコ機の内枠のように、制御機器等を背面側に備えた扉体の検知を行う構成のみならず、パチンコ機のガラス扉など、その背面側に制御機器等を備えていない他の扉体の開放を検知する構成にも適用することができる。