JP5174818B2 - 治療効果のための断続的高エネルギー心臓刺激 - Google Patents

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Description

(優先権の主張)
本願は、米国特許出願第11/466,679号(2006年8月23日出願)に基づく優先権の利益を主張し、該出願は、本明細書において参照により援用される。
(技術分野)
本発明は、心臓疾患の治療のための装置および方法、ならびに心臓ペースメーカー等の心臓に電気刺激を提供するデバイスに関する。
心不全(HF)は、心臓機能の異常により、末梢組織の代謝要求を満たすために適正なレベルを下回る可能性のある標準未満の心拍出量がもたらされる、消耗性疾患である。心不全は広範な病因によるものであり、最も一般的なのは虚血性心疾患である。心不全は、心臓機能を増強する、および/またはうっ血症状を緩和するように作られた投薬計画により、またはペーシング療法によって処置することができる。心不全患者の中には、心室内および/または心室間伝導障害(例えば、脚ブロック)を患う者もあり、心拍出量は、電気刺激との心室収縮の同期化を改善することにより増加することができることが示されている。これらの問題に対応するために、心臓再同期療法(CRT)と称される、心房および/または心室収縮の連携を改善するための試みにおいて、適正なタイミングの電気刺激を、1つ以上の心腔に提供する埋込型心臓用デバイスが開発されてきた。直接的に変力性ではないものの、再同期は、吐出効率が改善し心拍出量が増加した、より連携した心室収縮をもたらすことができるため、心室再同期は心不全の処置に有用である。現在、CRTの最も一般的な形態は、同時または規定の両心室オフセット間隔をおき、固有の心房収縮もしくは心房ペースの送達の検出に対して規定の心房−心室遅延間隔の後に、両方の心室に刺激パルスを与える。
心筋は、より高い吐出効率をもたらすよう、運動に有利に反応することが長い間知られてきた。研究は、HF患者が、定期的な運動で、心臓機能を改善して症状の緩和を達成できることを示している。しかしながら、多くのHF患者は、衰弱して運動ができないか、または効果的に運動をするほど運動に耐性がないかのいずれかである。
臨床研究は、定期的な(例えば、20分/日、週3回)運動計画に従う心不全患者には、あまり動かない患者と比較して、症状改善があることを示している。しかしながら、心疾患または他の消耗性症状により、全ての心不全患者が運動できるわけではない。症状を改善する代替的な方法は、神経伝達物質の定期的で断続的な放出を有することである。短期間(例えば、30分/日、週3〜4回)の強化した神経伝達物質放出(例えば、ドブタミン)は、運動の効果と同様に、心不全症状の改善を提供することが、臨床的に示されている。研究はまた、交感神経および副交感神経伝達物質の局所放出が、心臓組織への高エネルギー刺激によって誘出されることも示している。したがって、短期間の高エネルギー刺激は、神経伝達物質の適正なタイミングの放出によって、心不全の症状を改善し得る。本開示は、心不全の発症からの保護および/または心疾患の進行の減衰/逆転を提供するために、短期間の高エネルギー刺激を使用する、方法およびデバイスを説明する。
下記のように、そのような断続的高エネルギー刺激を送達するためのデバイスは、徐脈ペーシング、CRT、電気的除細動/除細動ショック、および/または神経性刺激(例えば、迷走神経刺激)も送達する能力があるデバイスであってもよい。デバイスは、毎日所定時間量(例えば、30分)にわたって高エネルギーパルスを送達する能力がある、心室および/または心房中の配置のためのリードを装備してもよい。治療法送達が開始される時間は、ランダム(ランダムな時間で1日1回)に、毎日特定の時間に、または特定のイベント(例えば、患者が眠りにつく、患者が起床する、活動レベルが特定閾値を下回る時)によって誘発されてもよい。高エネルギー療法は、ペーシングリードを直接通して送達される、高エネルギー(例えば、拡張期ペーシング閾値の5倍)ペーシングパルス、またはショックコイルを通して送達される、痛覚閾値未満の低エネルギー(例えば、0.5J)ショックとして、送達されてもよい。ペーシングパルスまたはショックは、同時に、またはその間のタイミングオフセットによってのいずれかで、1つまたは複数のリードから送達することができる。
本願発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
心筋部位に電気刺激を送達するための刺激チャネルと、
通常動作モードまたは高エネルギー刺激モードのいずれかでデバイスを操作するようにプログラムされる制御器と
を備え、
該制御器は、定義されたスケジュールに従って、該通常動作モードから該エネルギー刺激モードに周期的に切り替えるようにプログラムされ、
該高エネルギー刺激モードでは、該制御器は、神経伝達物質の局所放出を引き起こすのに十分なエネルギーにおいて、該心筋部位に高エネルギー興奮性電気刺激を送達するようにプログラムされる、
心調律管理デバイス。
(項目2)
前記刺激チャネルは、ペーシングチャネルであり、さらに、前記制御器は、プログラムされたペーシングモードに従って、高エネルギーペーシングパルスとして高エネルギー電気刺激を送達するようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記高エネルギー刺激モードでは、前記制御器は、約2〜12ボルトのペーシングパルス振幅および約2〜20ミリ秒のペーシングパルス幅でペーシングパルスを送達するようにプログラムされる、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
複数の心筋部位にペーシングパルスを送達するための複数のペーシングチャネルをさらに備え、
前記制御器は、前記正常動作モードで使用するために該複数のペーシングチャネルのうちの1つ以上を選択し、前記高エネルギー刺激モードで使用するために該複数のペーシングチャネルのうちの1つ以上を選択するようにプログラムされる、
項目2に記載のデバイス。
(項目5)
前記刺激チャネルは、ショックチャネルであり、さらに、前記制御器は、低エネルギーショックパルスとして高エネルギー電気刺激を送達するようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目6)
前記低エネルギーショックパルスの前記エネルギーは、約0.5ジュールである、項目5に記載のデバイス。
(項目7)
前記制御器は、プログラムされたペーシングモードに従って、前記低エネルギーショックパルスを送達するようにプログラムされる、項目5に記載のデバイス。
(項目8)
前記制御器は、ペーシングパルスとともに、プログラムされたペーシングモードに従って、前記低エネルギーショックパルスを送達するようにプログラムされる、項目5に記載のデバイス。
(項目9)
前記制御器は、感知したR波と同期して、前記低エネルギーショックパルスを送達するようにプログラムされる、項目5に記載のデバイス。
(項目10)
前記刺激チャネルは、双極刺激のための電極を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目11)
前記制御器は、前記高エネルギー刺激モードで、心臓不応期中に1つ以上の非興奮性刺激パルスを送達するようにプログラムされ、該非興奮性刺激パルスは、神経伝達物質の局所放出を引き起こすのに十分なエネルギーを有する、項目1に記載のデバイス。
(項目12)
患者の労作レベルを測定するための労作レベルセンサをさらに備え、前記制御器は、該測定した労作レベルが規定の入口範囲内である場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードに切り替えるようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
心臓活動を感知するための感知チャネルをさらに備え、前記制御器は、測定した心拍が規定の入口範囲内である場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードに切り替えるようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
前記制御器は、心不整脈が検出されない場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードに切り替えるようにプログラムされる、項目13に記載のデバイス。
(項目15)
心臓活動を感知するための感知チャネルをさらに備え、前記制御器は、心虚血を検出するように、かつ心虚血が検出されない場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードに切り替えるようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目16)
患者の労作レベルを測定するための労作レベルセンサをさらに備え、前記制御器は、該測定した労作レベルが規定の出口範囲内である場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードから前記通常動作刺激モードに切り替えるようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目17)
心臓活動を感知するための感知チャネルをさらに備え、前記制御器は、測定した心拍が規定の出口範囲内である場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードから前記通常動作刺激モードに切り替えるようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目18)
前記制御器は、心不整脈が検出された場合に、前記高エネルギー刺激モードから前記通常動作刺激モードに切り替えるようにプログラムされる、項目17に記載のデバイス。
(項目19)
心臓活動を感知するための感知チャネルをさらに備え、前記制御器は、心虚血を検出するように、かつ心虚血が検出された場合に、前記高エネルギー刺激モードから前記通常動作刺激モードに切り替えるようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目20)
前記定義されたスケジュールは、前記高エネルギー刺激モードに切り替えるための1日のうちの特定の時刻を規定する、項目1に記載のデバイス。
(項目21)
前記定義されたスケジュールは、前記デバイスが前記高エネルギー刺激モードで動作する規定の期間にわたる時間量を規定し、前記制御器は、該定義されたスケジュールの該規定を満たすために、1つ以上の規定の誘発条件が満たされると、日和見的に前記高エネルギー刺激モードに切り替えるようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目22)
労作レベルセンサをさらに備え、前記1つ以上の規定の誘発条件は、規定の入口範囲内である測定された労作レベルを含む、項目21に記載のデバイス。
(項目23)
感知チャネルをさらに備え、前記1つ以上の規定の誘発条件は、規定の入口範囲内である測定された心拍を含む、項目21に記載のデバイス。
(項目24)
患者作動スイッチをさらに備え、前記1つ以上の規定の誘発条件は、作動されている前記スイッチを含む、項目21に記載のデバイス。
(項目25)
前記刺激チャネルは、ペーシングチャネルであり、さらに、前記制御器は、前記高エネルギー刺激モードで、プログラムされたペーシングモードに従って、高エネルギーペーシングパルスとして高エネルギー電気刺激を送達するように、かつ前記通常動作モードで、プログラムされたペーシングモードに従って、従来のペーシングパルスを送達するようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
(項目26)
患者作動スイッチをさらに備え、前記制御器は、該スイッチが作動された場合、前記高エネルギー刺激モードから通常動作モードに切り替えるようにプログラムされる、項目1に記載のデバイス。
図1は、例示的な心臓デバイスの物理的構造を図示する。 図2は、例示的な心臓デバイスのブロック図である。 図3は、断続的高エネルギー刺激を実施するための例示的なアルゴリズムを図示する。
(1.例示的な心臓デバイス)
ペースメーカーおよび埋込型心臓除細動器/除細動器(ICD)等の心調律管理デバイスは、通常、患者の胸部に皮下で埋め込まれ、心臓の中へ血管内を通されるリードを有して、感知および刺激に使用される電極にデバイスを接続する。ペースメーカーの場合、プログラム可能な電子制御器が、経過時間間隔および感知した固有電気的活動(すなわち、ペーシングパルスの結果としてではない、固有の心臓の鼓動)に応じてペーシングパルスを出力させ、徐脈、頻脈、または伝導障害を処置する。ICDの場合、制御器は、頻脈性不整脈の検出に応じて、電気的除細動/除細動ショックの送達を引き起こす。これらのデバイスは、感知される心腔の近傍に配置される内部電極を用いて、固有の心臓の電気的活動を感知し、その場合、検出された心房または心室の固有収縮と関連する脱分極波は、それぞれ心房センスまたは心室センスと呼ばれる。固有の拍動がない場合に収縮を引き起こすためには、特定ペーシング閾値以上のエネルギーによるペーシングパルス(心房ペースまたは心室ペースのいずれか)が、不応期中に心腔へ送達され、興奮性ペーシングパルスと呼ばれる。心調律管理デバイスは、異なる心筋部位に刺激を与えるために、それぞれ複数の電極を有する、1つ以上の多重電極リードを利用してもよい。図1は、2つのリード200および300を有する例示的なデバイス100を示し、それぞれは、電極201〜203および301〜303をそれぞれ有する多重電極リードである。電極201〜203は、右心室または中隔領域に刺激を与えるために右心室に配置される一方で、電極301〜303は、左心室の領域に刺激を与えるために、冠状静脈洞に配置される。他のデバイスは、1つ以上の単極リードを使用してもよい。下記で説明されるように、デバイスおよびリードが埋め込まれると、デバイスのペーシングおよび/または感知チャネルは、特定の心筋部位を選択的にペーシングまたは感知するために、複数の電極のうちの選択されたもので構成され得る。
図2は、本発明を実践するのに適した、図1に図示されるような、マイクロプロセッサを用いる心調律管理デバイスの系統図を示す。デバイスの制御器は、双方向データバスを介してメモリ12と通信するマイクロプロセッサ10を含む。メモリ12は、典型的には、プログラム保存用のROM(リードオンリメモリ)およびデータ保存用のRAM(ランダムアクセスメモリ)を備える。制御器は、ステートマシン型の設計を使用して、他の種類の論理回路(例えば、個別のコンポーネントまたはプログラム可能なロジックアレイ)により実装され得るが、マイクロプロセッサを用いるシステムが好ましい。本明細書で使用されるように、「回路」という用語は、個別の論理回路、またはマイクロプロセッサのプログラミングのいずれかを指すと理解されるべきである。図に示されていないのは、電力を供給するための回路および外部クロック信号等の、制御器の動作に必要な他の回路コンポーネントである。
デバイスは、複数の電極を装備し、それぞれは、ペーシングおよび/または感知チャネルに組み込まれてもよい。図には、リング電極33a〜dおよびチップ電極34a〜dを有する双極リードと、感知増幅器31a〜dと、パルス発生器32a〜dと、チャネルインターフェース30a〜dとを備える、「a」から「d」で指定された4つの例示的な感知およびペーシングチャネルが示されている。したがって、各チャネルは、電極に接続されたパルス発生器から成るペーシングチャネルと、電極に接続された感知増幅器から成る感知チャネルとを含む。電極の適切な配置によって、チャネルは、特定の心房または心室部位を感知および/またペーシングを行うように構成されてもよい。チャネルインターフェース30a〜dは、マイクロプロセッサ10と双方向通信し、各インターフェースは、ペーシングパルスを出力し、ペーシングパルス振幅/幅を変化させ、感知増幅器のゲインおよび閾値を調整するために、感知増幅器からの感知信号入力をデジタル化するためのアナログ−デジタル変換器と、マイクロプロセッサにより書き込みが行われるレジスタとを含んでもよい。ペースメーカーの感知回路は、特定のチャネルにより生成された電気記録信号(すなわち、心臓電気的活動を表す、電極により感知される電圧)が規定の検出閾値を超える場合に、心房センスまたは心室センスのいずれかの心腔センスを検出する。特定のペーシングモードで使用されるペーシングアルゴリズムは、そのような感知を使用してペーシングを誘発または阻害し、固有の心房および/または心室の拍数が、それぞれ心房センスと心室センスの間の時間間隔を測定することにより検出され得る。
制御器は、感知したイベントおよび時間間隔の満了に応じて、どのようにパルスが出力されるかを定義する、多数のプログラムされたペーシングモードで、デバイスを操作することが可能である。徐脈を処置するためのほとんどのペースメーカーは、いわゆる要求モードで同期して動作するようにプログラムされ、その場合、定義された間隔内で発生する感知した心イベントは、ペーシングパルスの誘発または抑制のいずれかを行う。抑制した要求ペーシングモードは、感知した固有活動に従ってペーシングを制御するために補充収縮間隔を利用し、心腔による固有拍動が検出されない定義された補充収縮間隔が満了して初めて、ペーシングパルスが心周期中に心腔へ送達される。心室ペーシングに対する補充収縮間隔は、心室または心房イベントによって再開することができ、後者は、ペーシングが固有心房拍動を追跡し、および/または心房ペースをたどることを可能にする。下記のように、1つ以上の心筋部位へのペーシングパルスの送達は、心臓治療効果に対する断続的高エネルギー刺激を送達するための1つの手段である。
各双極リードの電極は、リード内の導電体を介して、マイクロプロセッサにより制御されるMOS切り替えネットワーク70に接続される。切り替えネットワークは、固有心臓活動を検出するために選択した電極を感知増幅器の入力に切り替えることによって感知チャネルを構成するために、およびペーシングパルスを送達するために選択した電極をパルス発生器の出力に切り替えることによってペーシングチャネルを構成するために、使用される。切り替えネットワークはまた、デバイスが、リードのリング電極およびチップ電極の両方を使用して双極モードで、または、リードの電極の1つのみを使用して単極モードで感知またはペーシングを行うことを可能にし、デバイス筐体または缶60は接地電極として機能する。電気刺激を送達して交感神経および/または副交感神経を刺激するために、適切なリード配置およびパルスエネルギー設定によって、1つ以上のペーシングチャネルもまた、構成されてもよい。例えば、神経を刺激して副交感神経活動を増加させるために、刺激電極を伴うリードが、迷走神経に近接して配置されてもよい。頻脈性不整脈の検出時に、電気的除細動/除細動ショックをショック電極51の対を介して心房または心室に送達するために使用してもよい、ショックパルス発生器50も制御器に結合される。ショック電極は、例えば、心腔に配置されるコイル電極とともに、デバイス筐体であってもよい。下記のように、ショックはまた、心臓治療効果に対する断続的高エネルギー刺激を実施するための1つの手段として除細動に使用されるよりも低いエネルギーにおいて、送達されてもよい。患者が高エネルギー刺激を開始または中止することを可能にする、磁気または触覚作動スイッチ500も、制御器に結合される。
制御器は、メモリに保存されるプログラムされた命令に従って、デバイスの全体的な操作を制御し、該操作は、ペーシングチャネルを介してペースの送達を制御するステップ、感知チャネルから受信される感知信号を解釈するステップ、および補充収縮間隔および感覚不応期を定義するためのタイマーを実施するステップを含む。制御器はまた、時間の経過をたどり、スケジュールした高エネルギー刺激等のリアルタイム操作を実装するために、外部クロック信号に由来するタイマーを実装する。労作レベルセンサ330(例えば、加速度計、微小換気量センサ、または代謝要求に関連したパラメータを測定する他のセンサ)は、患者の身体的活動の変化に従い制御器がペーシングレートを適合させることができるようにする。下記のように、労作レベルセンサは、断続的高エネルギー刺激の送達をスケジュールする際に使用してもよい。制御器が無線テレメトリリンクを介して外部プログラマ等の外部デバイス300と通信できるようにする、テレメトリインターフェース40が提供される。外部プログラマは、ペースメーカーに問い合せを行い、保存したデータを受信し、ならびにペースメーカーの動作パラメータを直接調整することができる、関連ディスプレイおよび入力手段を伴うコンピュータ化デバイスである。図に示される外部デバイス300はまた、遠隔監視ユニットであってもよい。外部デバイス300は、埋込型デバイスがネットワーク上でデータおよび警告メッセージを臨床要員に送達し、ならびに遠隔でプログラムされることを可能にする、患者管理ネットワーク91に結合されてもよい。外部デバイス300と患者管理ネットワーク91との間のネットワーク接続は、例えば、インターネット接続によって、電話線上で、またはセルラー無線リンクを介して、実施されてもよい。
(2.断続的高エネルギー刺激の送達)
上記のように、心臓の高エネルギー電気刺激は、運動の有益な効果を模倣する方法で、神経伝達物質の放出を引き起こすために使用することができる。しかしながら、心臓の慢性的な高エネルギー刺激は、HF患者の心臓に過度にストレスを与え、有害となり得る。したがって、そのような刺激は、断続的に送達されるべきである。図1および2に示されるようなデバイスは、経過時間間隔に応じて、および/または1つ以上の特定の誘発イベントまたは条件に応じて、切り替えを特定する、何らかの定義されたスケジュールに従って、通常動作モードから高エネルギー刺激モードに切り替えることによって、断続的高エネルギー心臓刺激を送達するように構成することができる。デバイスが、誘発イベントまたは条件に応じて高エネルギー刺激モードに切り替えるように構成される場合、規定の期間にわたって送達される刺激の量に、何らかの限度が課され得る。通常動作モードでは、デバイスは、全く治療法を送達しなくてもよいか、または、頻脈性不整脈の検出に応じて、徐脈ペーシング、心臓再同期ペーシング、および/またはショック、または抗頻脈ペーシング等の治療法を送達してもよい。高エネルギー刺激モードに切り替えた後、デバイスは、1つ以上の心筋部位に、興奮性ペーシングパルスの形で高エネルギー刺激を送達してもよく、その場合、ペーシングパルスエネルギーは、従来のペーシングに使用されるものよりも大きくてもよく、および/または電気的除細動/除細動療法に使用されるよりも小さいショックエネルギーによるショックの形であってもよい。高エネルギー刺激モードはまた、頻脈性不整脈の検出に応じて、徐脈ペーシング、心臓再同期ペーシング、および/またはショック、または抗頻脈ペーシング等の、通常動作モードの治療法が継続することも可能にする。
断続的高エネルギー刺激を提供するために、デバイスは、経過時間間隔に基づいて、および/または1つ以上の特定誘発条件またはイベントの検出に応じて、その通常動作モードから高エネルギー刺激モードに切り替える。別の実施形態では、デバイスは、コマンドの受信時に高エネルギー刺激モードに切り替え、規定の期間にわたってそのようにしてもよく、その場合、そのようなコマンドは、外部プログラマから受信されるか、または患者管理ネットワークを介して受信されてもよい。定義されたスケジュールは、周期的な間隔で(例えば、毎日5分間)、または毎日あるいは他の規定の期間中のランダムな時間で、高エネルギー刺激モードへの切り替えを特定してもよい。そのような定義されたスケジュールはまた、患者が覚醒していると見込まれる時、または患者が睡眠中であると見込まれる時に、高エネルギー刺激モードに切り替えるための時間を特定し得る。定義されたスケジュールはまた、デバイスが高エネルギー刺激モードで動作する時間量を規定してもよい。例えば、定義されたスケジュールは、高エネルギー刺激が毎日1時間にわたって送達されることを規定してもよい。次いで、制御器は、定義されたスケジュールの規定を満たすために、1つ以上の規定の誘発条件が満たされると、高エネルギー刺激モードに日和見的に切り替えるようにプログラムされてもよい。考えられる誘発条件の例は、規定の入口範囲内である測定した労作レベル、規定の入口範囲内である測定した心拍、および高エネルギー刺激を開始する、デバイスに組み込まれる磁気または触覚作動スイッチの患者による作動である。そのような実施形態では、誘発イベントに応じて送達される高エネルギー刺激は、何らかの規定の期間にわたって量または持続時間が限定されてもよい。例えば、デバイスは、そのような誘発イベントに応じて、毎日わずか30分の高エネルギー刺激を送達するようにプログラムされ得る。
図3は、断続的高エネルギー刺激が心臓デバイスによって実施されてもよい、1つの方法を図示する。この実施形態では、デバイスの制御器は、A1からA6で指定された、多数の異なる状態を通って推移するようにプログラムされる。状態A1では、デバイスは、その通常動作モードで動作する。状態A2では、状態A1で動作し続けながら、デバイスは、経過時間間隔または誘発条件に基づいて、高エネルギー刺激モードに切り替えるべきかどうかを判定する。任意で、デバイスは、状態A3によって実施されるように、高エネルギー刺激モードに切り替える前に、1つ以上の特定入口条件について試験するように構成されてもよい。高エネルギー刺激モードに切り替える前に満たされなければならない入口条件の例は、規定の入口範囲内である測定した労作レベル、規定の入口範囲内である測定した心拍、心不整脈の無検出、心虚血の無検出、および高エネルギー刺激の送達を可能にする、デバイスに組み込まれる磁気または触覚作動スイッチの患者による作動を含む。状態A3では、デバイスは、1つ以上の入口条件が満たされているかどうかを確認して、そうでなければA1に戻る。適切な入口条件が満たされている場合、デバイスは、状態A4で高エネルギー刺激モードに切り替える。上記のように、高エネルギー刺激モードは、高エネルギー刺激を実行するために必要な程度に、通常動作モードに優先するが、通常動作モードで行われる特定機能を継続することを可能にしてもよい。あるいは、高エネルギー刺激モードは、通常動作モードの特定機能を組み込むと言え、その機能は、必要であれば、高エネルギー刺激を送達するように修正される。高エネルギー刺激モードで実行しながら、デバイスは、任意で、デバイスを通常動作モードに逆戻りさせる、1つ以上の出口条件について監視するように構成されてもよい。そのような出口条件は、高エネルギー刺激モードに入る前に満たされなければならない入口条件と同じか、または異なり得る。状態A5では、高エネルギー刺激モードで実行しながら、デバイスは、規定の許容範囲外である測定した労作レベル、規定の許容範囲外である測定した心拍、心不整脈の存在、心虚血の存在、および高エネルギー刺激の送達を停止する、デバイスに組み込まれる磁気または触覚作動スイッチの患者による作動等の、1つ以上の出口条件の発生について監視する。出口条件が発生した場合、デバイスは、状態A1で通常動作モードに戻る。そうでなければ、デバイスは、状態A6に進み、所定の量および/または持続時間の高エネルギー刺激が送達されたかどうかを確認する。規定の量または持続時間の高エネルギー刺激が送達されていた場合、デバイスは、状態A1に戻って通常動作モードを再開する。そうでなければ、デバイスは、状態A5に折り返して、出口条件について監視する。
一実施形態では、デバイスは、ペーシングパルスエネルギーが神経伝達物質の局所放出を引き起こすのに十分である、興奮性ペーシングパルスの形で高エネルギー刺激を送達するように構成される。神経伝達物質の局所放出を引き起こすのに十分高いペーシングパルスエネルギーの最低レベルは、特定患者ならびに刺激電極の種類および配置により、異なる場合がある。そのような最低レベルは、実験的に判定され得るが、いずれの場合でも、従来の徐脈または抗頻脈ペーシングで使用されるものよりも高くなる。例えば、従来のペーシングは、0.5から1.0ボルトのペーシングパルス振幅および0.5から2.0ミリ秒のパルス幅を使用して行われる一方で、高エネルギー刺激ペーシングは、1つの特定の実施形態では、約2.0から12ボルトのペーシングパルス振幅および2〜20ミリ秒のペーシングパルス幅を使用する。断続的高エネルギー刺激ペーシングは、DDD、VDD、またはVVI等の任意の選択されたペーシングモードで、右心室のみ、左心室のみ、両心室、または他の多部位ペーシングとして、心房および/または心室に送達されてもよい。通常動作モードがある種のペーシング療法の送達を含む場合、高エネルギー刺激モードに切り替えるステップは、通常動作モードで使用されるものからペーシング構成および/またはペーシングモードを変更するステップを含んでもよく、または含まなくてもよい。ペーシング構成は、ペーシングパルスを送達するために使用される、特定の一部の利用可能な電極を特定し、ペーシングモードは、ペーシングパルスを送達するためのタイミングを特定する。ペーシング構成は、ペーシングパルスを出力する際に使用するための特定のペーシングチャネルを選択する制御器によって、およびスイッチマトリクス70を用いチャネルによって使用するための特定の電極を選択することによって、定義される。痛みまたは骨格筋刺激等の不要な副作用を回避するために、高エネルギーペーシングパルスは、好ましくは、単極電極−缶構成とは対照的に、双極電極−電極構成で送達されるべきであり、その場合、双極構成を成す2つの電極は、同じリードまたは異なるリードのいずれかの上で、近接して離間する。例えば、ペーシング療法は、右心室のみのペーシングとして通常動作モードで送達されてもよい一方で、高エネルギーペーシングパルスは、両心室または他の多部位ペーシングとして高エネルギー刺激モードで送達されてもよい。ペーシングモード(例えば、DDD、DDI、VVI)はまた、通常動作モードから高エネルギー刺激モードに切り替える時に、同じ、または異なってもよい。
高エネルギー刺激モードに切り替えられた時に、高エネルギー刺激ペーシングを確実に提供するために、デバイスは、高エネルギー刺激モード中に補充収縮間隔でプログラムされて、頻繁なペーシングを確実にすることができる。例えば、高エネルギー刺激ペーシングは、事前に定義された心房−心室(AV)および心室−心室(VV)補充収縮間隔を伴う心房誘発型同期モード(例えば、DDDまたはVDD)で、または事前に定義されたVV補充収縮間隔を伴う非心房誘発型心室ペーシングモード(例えば、VVI)で、心室に送達されてもよく、その場合、補充収縮間隔の長さは、高ペーシング周波数をもたらす値に設定されてもよい。しかしながら、切り替える前に、追加ステップをアルゴリズムに組み込むことが望ましい場合がある。例えば、高ペーシング周波数を確実にするために、高エネルギー刺激モードに対する補充収縮間隔は、モード切り替えの前に動的に判定されてもよい。高エネルギー刺激モードが非心房誘発型ペーシングモードである実施形態では、デバイスは、モード切り替えの前に患者の固有心拍を測定し、次いで、高エネルギー刺激ペーシングモードに対するペーシングレートが、固有レートよりもわずかに高くなるように、VV補充収縮間隔を設定してもよい。患者が通常動作モードで心拍感応型心室ペーシング療法を受けている場合、高エネルギー刺激ペーシングモードに対するVV補充収縮間隔は、労作レベル測定によって同様に変調されてもよい。高エネルギー刺激ペーシングが心房誘発型ペーシングモードで送達される実施形態では、高エネルギー刺激期間中に高周波数で心室のペーシングを行うように心室ペーシングを送達するためのAV補充収縮間隔を設定できるように、デバイスは、モード切り替えの前に患者の固有AV間隔を測定してもよい(例えば、モード切り替えに先行する多数のサイクルにわたる平均値として)。
別の実施形態では、デバイスは、例えば、電気的除細動/除細動ショックを送達するために使用されるショックチャネルを通して、ショックの形で高エネルギー刺激を送達するように構成される。そのようなショックは、患者の痛みまたは不快をもたらさないよう、電気的除細動/除細動に使用されるよりも小さいショックエネルギーで送達される。例えば、電気的除細動/除細動ショックは、典型的には、10〜30ジュールのエネルギーで送達されるが、高エネルギー刺激モードで送達されるショックは、約0.5ジュールのエネルギーにおいて送達されてもよい。高エネルギーペーシングに関する上記の状況と同様に、高エネルギー刺激モードで送達される低エネルギーショックは、痛みおよび不要な筋肉および神経刺激を回避するために、双極ショック構成で送達されることが好ましい。典型的には、電気的除細動/除細動ショックを送達するために行われるように、ショック電極(例えば、コイル電極)と缶との間に挟入される電圧としてショックを送達するよりもむしろ、好ましくは、高エネルギー刺激モードでの低エネルギーショックが、同じリードまたは異なるリード上の2つの比較的近接して離間したショック電極間で送達される。不整脈を誘発する可能性を防ぐため、そのような低エネルギーショックは、電気的除細動ショックに使用されるものと同様の方法で、R波(すなわち、心室センス)の検出と同期して、高エネルギー刺激モード中に送達されてもよい。あるいは、低エネルギーショックは、徐脈ペーシングモードに従って、ペーシングパルスの代わりに、またはそれとともに、のいずれかで送達され得る。
上記の高エネルギー刺激は、高エネルギーペーシングパルスの形で送達されようと、または低エネルギーショックの形で送達されようと、心筋の脱分極を引き起こす興奮性刺激である。つまり、徐脈ペーシングモードに従うか、または感知したR波と同期するかのいずれかで、高エネルギー刺激が送達されるため、刺激は、心筋が非不応性である時に送達される。また、心筋が不応状態にある間に、ペーシングパルスまたはショックのいずれかの形で、追加高エネルギー刺激を送達することが望ましいこともある。そのような不応性高エネルギー刺激は、神経伝達物質の追加放出をもたらし得る。したがって、デバイス制御器は、高エネルギー刺激モードで心臓不応期中に1つ以上の非興奮性刺激パルスを送達するようにプログラムされてもよく、その場合、非興奮性刺激パルスは、神経伝達物質の局所放出を引き起こすのに十分なエネルギーによるペーシングまたはショックパルスであってもよい。
(3.誘発、入口および出口条件の検出)
上記のように、1つ以上の規定の入口条件が満たされている場合のみ、定義されたスケジュールに従って、デバイスが高エネルギー刺激モードに切り替えることが望ましことがある。入口条件が採用されるかどうかにかかわらず、1つ以上の規定の出口条件が発生した場合に、デバイスが高エネルギー刺激モードを終了することも望ましことがある。最終的に、高エネルギー刺激に切り替えるための定義されたスケジュールは、満たされるとモード切り替えを引き起こす、1つ以上の規定の誘発条件を採用してもよい。下記は、適正に構成した埋込型デバイスによって検出され、入口、出口、および/または誘発条件として使用することができる、条件の例である。
誘発および/または入口条件の一例は、測定した労作レベルが規定の範囲内であるかどうかであり、その場合、労作レベルは、例えば、微小換気量センサによる微小換気量、加速度計による活動レベル、またはそのような測定の何らかの組み合わせとして、測定されてもよい。誘発および/または入口条件の別の例は、患者の心拍が規定の範囲内であるかどうかであり、その場合、心拍は、心臓感知チャネルを介して測定される。一部の患者では、規定の値未満の測定した労作レベルおよび/または心拍によって反映されるように、患者が活動的ではない時に、高エネルギー刺激モードが行われることが望ましことがある。一方、他の患者では、規定の値以上の労作レベルおよび/または心拍によって判定されるように、患者が活動的とみなされる時のみに、高エネルギー刺激モードに切り替えることが望ましことがある。規定の値未満または以上のいずれかである、測定した労作レベルおよび/または心拍はまた、ある規定の期間にわたって高エネルギー刺激モードを開始する誘発イベントとして使用してもよい。測定した労作レベルおよび/または心拍が規定の許容範囲から外れた場合に、デバイスが高エネルギー刺激モードから通常動作モードに逆戻りするようにプログラムされるように、測定した労作レベルまたは心拍は、出口条件として使用してもよい。
患者が現在、ある程度の心虚血を経験している、および/または心不整脈が検出された場合に、高エネルギー刺激モードへの切り替えを抑制する、および/または通常動作モードへ逆戻りすることが望ましことがある。デバイスは、固有拍動またはペースを合わせた拍動中に収集される電位図の形態分析から、心虚血を検出するように構成されてもよく、後者の拍動は時折、誘発反応と呼ばれる。虚血の検出のための電位図は、心周期中に心筋層の脱分極および再分極を感知する、感知チャネルから記録される。この目的で使用される感知チャネルは、心不整脈および/または固有拍動を検出するために使用される感知チャンネルであってもよいか、または、専用チャネルであってもよい。電位図の虚血性変化を検出するために、電気的活動の波が広がるにつれて、双極電極よりも多くの心筋層を「確認する」単極電極で、電位図を記録することが好ましいことがある。虚血性変化を検出するために、電位図は、参照電位図と比較されて、増加した損傷電流が存在するかどうかを確認することができる。比較は、例えば、記録および参照電位図を相互相関するステップ、またはST部分の振幅、傾斜、または積分を参照値と比較するステップを伴ってもよい。
患者がペーシング中に心虚血を経験しているかどうかを検出するために、制御器は、誘発反応の記録された電位図を分析し、「損傷電流」を検索するようにプログラムされる。心筋層の領域への血液供給が低下すると、酸素および他の栄養素の供給は、心筋細胞の代謝過程が正常な分極状態を維持することを可能にするためには不十分となり得る。したがって、心臓の虚血領域は、心周期の少なくとも一部の間に異常に脱分極化し、心臓の虚血領域と正常分極領域との間に電流を流し、この電流は損傷電流と呼ばれる。損傷電流は、永久脱分極化する梗塞領域によって、または心周期の全体または一部の間に異常に脱分極したままとなる虚血領域によって産生される。損傷電流は、体表面心電図または心内電位図のいずれかによって測定される電位の異常変化をもたらす。心室中の異常脱分極が心周期全体にわたって持続する場合、心室心筋層の残りの部分が脱分極した時のみにゼロ電位が測定され、それは、電位図でのQRS群の終了とT波との間の時間に対応し、ST部分と呼ばれる。電位図のT波を特徴とする心室の脱分極後、測定した電位は損傷電流によって影響され、ST部分に対して、虚血または梗塞領域の場所に応じて、正または負のいずれかに推移する。しかしながら、伝統的には、異常損傷電流が電位図または心電図によって検出された時に推移したとみなされるのは、ST部分である。心周期全体にわたって持続しない、虚血領域によって産生される損傷電流は、ST部分の一部を推移するのみであり得、該部分の異常傾斜をもたらす。損傷電流はまた、再分極の波の方向が変化するにつれて異常T波をもたらす、心室領域の持続性脱分極を、虚血が引き起こす時に、産生され得る。虚血を示す電位図の変化を検出するために、記録した電位図は、分析され、完全記録電位図または電位図を表す特定の参照値のいずれかであってもよい、参照電位図と比較される。特定の患者は、常に電位図において損傷電流を示す(例えば、CADにより、または電極の埋め込みの結果として)場合があるため、制御器は、参照電位図と比較して、記録した電位図における増加した損傷電流を探すことによって、虚血を検出するようにプログラムされ、その場合、参照電位図は損傷電流を示してもよく、または示さなくてもよい。記録した電位図における増加した損傷電流を探す1つの方法は、ST部分の振幅および/または傾斜を、参照電位図の振幅および傾斜と比較することである。ST部分の開始および終了を識別するために一次および二次導関数を使用する等、分析のために様々なデジタル信号処理技法を採用してもよい。損傷電流を探す他の方法は、例えば、類似性の程度を確認するように記録および参照電位図を相互相関させるステップを伴ってもよい。電位図は、その場合、信号を参照電位図と相互相関させる照合フィルタに、電位図信号を通過させることによって、暗黙的に記録され得る。ST部分は積分することもでき、積分の結果が参照値と比較され、増加した損傷電流が存在するかどうかを判定する。
虚血を示す記録した電位図の変化が検出され、および/または心不整脈が検出された場合、制御器は、高エネルギー刺激モードへの切り替えを抑制するようにプログラムされ、および/または通常動作モードに逆戻りするようにプログラムされてもよい。心虚血および心不整脈の検出もまた、ペースメーカーのメモリに臨床的有意なイベントとして記録されてもよく、その場合、虚血または不整脈を示すイベントログおよび/または記録した電位図は、外部プログラマおよび/または患者管理ネットワークを介して、分析のために臨床医に後でダウンロードされてもよい。他の分析または他の感知様式に由来する情報もまた、心虚血をより特異的に検出するために使用してもよい。例えば、センサからの経胸腔インピーダンス信号を、異常パターンを表すテンプレートと比較するように、制御器をプログラムすることによって、微小換気量センサを使用して呼吸困難または他の異常呼吸パターンが検出されてもよい。
上述の特定の実施形態と併せて本発明を説明してきたが、多くの代替、変型、および修正が当業者には明らかである。他のそのような代替、変型、および修正は、以下の添付の請求項の範囲に含まれることが意図される。

Claims (15)

  1. 心調律管理デバイスであって、該心調律管理デバイスは、
    複数の心筋部位に電気刺激を送達するための複数のペーシングチャネルと、
    通常動作モードまたは高エネルギー刺激モードのいずれかでデバイスを動作させるようにプログラムされている制御器と
    を備え、
    該制御器は、定義されたスケジュールに従って、該通常動作モードから該エネルギー刺激モードに周期的に切り替えるようにプログラムされており、
    該高エネルギー刺激モードでは、該制御器は、神経伝達物質の局所放出を引き起こすのに十分なエネルギーにおいて、該心筋部位に高エネルギー興奮性電気刺激を送達するようにプログラムされており、
    該通常動作モードでは、該制御器は、プログラムされたペーシングモードに従って、ペーシングパルスを単一の心室部位に送達するようにプログラムされており、
    該高エネルギー刺激モードでは、該制御器は、プログラムされたペーシングモードに従って、約2〜12ボルトのペーシングパルス振幅および約2〜20ミリ秒のペーシングパルス幅で、該通常動作モードにおいて送達されるペーシングパルスのエネルギーよりも高いエネルギーのペーシングパルスとして、ペーシングパルスを複数の心室部位に送達するようにプログラムされている、心調律管理デバイス。
  2. 前記制御器は、プログラムされたペーシングモードに従って低エネルギーショックパルスを送達するようにプログラムされている、請求項に記載のデバイス。
  3. 前記制御器は、ペーシングパルスとともに、プログラムされたペーシングモードに従って低エネルギーショックパルスを送達するようにプログラムされている、請求項に記載のデバイス。
  4. 前記制御器は、前記高エネルギー刺激モードで、心臓不応期中に1つ以上の非興奮性刺激パルスを送達するようにプログラムされており、該非興奮性刺激パルスは、神経伝達物質の局所放出を引き起こすのに十分なエネルギーを有する、請求項1に記載のデバイス。
  5. 患者の労作レベルを測定するための労作レベルセンサをさらに備え、前記制御器は、該測定された労作レベルが規定の入口範囲内である場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードに切り替えるようにプログラムされている、請求項1に記載のデバイス。
  6. 心臓活動を感知するための感知チャネルをさらに備え、前記制御器は、測定された心拍が規定の入口範囲内である場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードに切り替えるようにプログラムされている、請求項1に記載のデバイス。
  7. 前記制御器は、心不整脈が検出されない場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードに切り替えるようにプログラムされている、請求項に記載のデバイス。
  8. 心臓活動を感知するための感知チャネルをさらに備え、前記制御器は、心虚血を検出することと、心虚血が検出されない場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードに切り替えることとを行うようにプログラムされている、請求項1に記載のデバイス。
  9. 患者の労作レベルを測定するための労作レベルセンサをさらに備え、前記制御器は、該測定された労作レベルが規定の出口範囲内である場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードから前記通常動モードに切り替えるようにプログラムされている、請求項1に記載のデバイス。
  10. 心臓活動を感知するための感知チャネルをさらに備え、前記制御器は、測定された心拍が規定の出口範囲内である場合にのみ、前記高エネルギー刺激モードから前記通常動モードに切り替えるようにプログラムされている、請求項1に記載のデバイス。
  11. 前記制御器は、心不整脈が検出された場合に、前記高エネルギー刺激モードから前記通常動モードに切り替えるようにプログラムされている、請求項10に記載のデバイス。
  12. 心臓活動を感知するための感知チャネルをさらに備え、前記制御器は、心虚血を検出することと、心虚血が検出された場合に、前記高エネルギー刺激モードから前記通常動モードに切り替えるようにプログラムされている、請求項1に記載のデバイス。
  13. 前記定義されたスケジュールは、前記高エネルギー刺激モードに切り替えるための1日のうちの特定の時刻を規定する、請求項1に記載のデバイス。
  14. 前記定義されたスケジュールは、前記デバイスが前記高エネルギー刺激モードで動作する規定の期間にわたる時間量を規定し、前記制御器は、該定義されたスケジュールの該規定を満たすために、1つ以上の規定の誘発条件が満たされると、日和見的に前記高エネルギー刺激モードに切り替えるようにプログラムされている、請求項1に記載のデバイス。
  15. 患者作動スイッチをさらに備え、前記制御器は、該スイッチが作動された場合、前記高エネルギー刺激モードから前記通常動作モードに切り替えるようにプログラムされている、請求項1に記載のデバイス。
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