JP5173522B2 - 電子カム制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、機械的なカム機構を実装することなく、ソフトウェアにて設定したカムパターンに基づき、出力軸に対する位置指令値を作成することによりカム機構相当の動作を行う電子カム制御装置に関するものである。
従来の電子カム制御では、カムパターンを設定するために、ストローク下死点とストローク量設定値、一回転を等間隔に分割したカム角度に対応するストローク比を設定した電子カム形状データテーブル(以降、カムテーブルという)を保持し、該カムパターンを参照することによりカム角度に対応する出力軸の位置指令値を算出する。
例えば特許文献1の電子カム制御装置によれば、設定したストローク下死点と入力軸の位置情報からカム角度を算出し、カムテーブルを参照して該算出したカム角度に対応するストローク比を算出し、該算出したストローク比にストローク量設定値を乗じて位置決め量を求める。この位置決め量にストローク下死点を加算し、サーボモータへの位置指令値を算出する。
カムテーブルにおけるストローク比は、カム動作のストローク下死点を0として、ストローク上死点を1とする。カム動作の開始点、終了点を0、カム動作一回転内の任意の点を1と設定することにより往復カム動作、カム動作の開始点を0、終了点を1として設定することにより一方向への位置送りカム動作を行うことができる。
さて、複数の駆動軸を同期させて駆動させる必要がある場合がある。例えば、搬送部を動かすことによって一定間隔に配置されたワークをノズルの真下に持ってくるための動作を駆動する駆動軸と、ノズルを真下に置かれたワークまで押し下げ、液体注入後に押し上げるための動作を駆動する駆動軸と、を有する多数のワークに順番に一本のノズルを用いて液体を注入する充填機においては、ノズルの上下動作を駆動する駆動軸の動作は、搬送部を駆動する駆動軸の動作に同期した動きをとる必要がある。また、ワークがノズルの真下に来たときにノズルが押し下げられるためには、ノズルの駆動軸の位置指令値は、搬送部の駆動軸の位置指令値に対応したものである必要がある。
このような対応対象の駆動軸(以降、マスタ駆動軸という)とマスタ駆動軸の位置指令値に対応した動作を行う駆動軸(以降、スレーブ駆動軸という)とを有するシステムに前記する従来の電子カム制御装置を適用するとき、マスタ駆動軸およびスレーブ駆動軸の動作を同期させるために、マスタ駆動軸およびスレーブ駆動軸の位置指令値を算出するとき、入力軸の位置情報を共有していた。すなわち、従来の電子カム制御装置は、入力軸の位置情報を基準として作成されたカムテーブルに基づいて各駆動軸の位置情報を算出していた。
そして、スレーブ駆動軸の位置指令値がマスタ駆動軸の位置指令値に対応したものであるために、まず入力軸の位置情報をマスタ駆動軸の位置情報と見立ててカム角度とスレーブ駆動軸のストローク比との関係を記述した変換用カムテーブルを作成し、入力軸の位置情報ではなくマスタ駆動軸の位置情報に対応させるために、マスタ駆動軸のカムテーブルにこの変換用カムテーブルを重畳させることによってスレーブ駆動軸のカムテーブルが作成されていた。
特許第2697399号公報
しかしながら、上記従来の電子カム制御装置をマスタ駆動軸およびスレーブ駆動軸を有するシステムに適用すると、既に述べたようにスレーブ駆動軸のカムテーブルを作成してからスレーブ駆動軸を動作させるので、マスタ駆動軸のカムテーブルや変換用カムテーブルが変更されたとき、再度スレーブ駆動軸のカムテーブルを作成しなければならないという問題点があった。
また、スレーブ駆動軸のストローク比は、入力軸の位置情報を介してマスタ駆動軸のストローク比と対応づけられているので、動作時においてはマスタ駆動軸の位置情報とスレーブ駆動軸の位置情報との関係がわかりづらく、マスタ駆動軸の現在位置を基準としたスレーブ駆動軸の同期位相の調整や開始・終了タイミングの制御がやりにくい、という問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スレーブ駆動軸用のカムパターンを別途作成することなく、マスタ駆動軸の位置情報に対応して動作するスレーブ駆動軸の電子カム制御を簡単に実現する電子カム制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第一の駆動軸の位置情報から換算されたカム角度に基づいて前記第一の駆動軸に同期して動作する第二の駆動軸のストローク比を算出する第一のストローク比算出手段と、第二の駆動軸のストローク比と第二の駆動軸に同期して動作する第三の駆動軸のストローク比との関係である予め設定されているストローク比対応情報を参照し、前記算出された第二の駆動軸のストローク比から第三の駆動軸のストローク比を算出する第二のストローク比算出手段と、前記算出された第三の駆動軸のストローク比と予め設定される第三の駆動軸のストローク量設定値に基づいて第三の駆動軸の位置指令値を算出する位置指令値算出手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、マスタ駆動軸のストローク比とスレーブ側の駆動軸であるスレーブ駆動軸のストローク比との関係であるストローク比対応情報を参照することにより、マスタ駆動軸のストローク比からスレーブ駆動軸のストローク比を算出することができるので、スレーブ駆動軸用のカムパターンを別途作成することなく、マスタ駆動軸の位置情報に対応して動作するスレーブ駆動軸の電子カム制御を簡単に実現する電子カム制御装置を得ることができる。
まず、理解を助けるために、前記する従来の電子カム制御装置にて複数電子カム制御を行う方法を図7〜図9を用いて説明する。従来の電子カム制御装置においては、電子カム制御しているマスタ駆動軸に同期して電子カム制御を行うスレーブ駆動軸のカムテーブル、ストローク量設定値、ストローク下死点が予め用意される。図7は、従来の電子カム制御装置に使用するスレーブ駆動軸のカムテーブルを作成する手法を説明する図である。
図7において、まず、マスタ駆動軸を制御する送りカム動作のマスタ駆動軸のカムテーブル100、マスタ駆動軸のストローク量設定値103、マスタ駆動軸のストローク下死点104、変換用カムテーブル300、変換用カムテーブルのストローク量設定値303、および変換用カムテーブルのストローク下死点304を用意する。マスタ駆動軸のカムテーブル100に変換用カムテーブル300を重畳することにより、スレーブ駆動軸のカムテーブル400が作成される。スレーブ駆動軸のストローク量設定値403およびスレーブ駆動軸のストローク下死点404は予め設定される。
マスタ駆動軸のカムテーブル100は、入力軸の位置情報およびマスタ駆動軸のストローク下死点104から変換されて求まるカム角度101とマスタ駆動軸のストローク比102との対応関係を記述するテーブルとなっている。変換用カムテーブル300は、同様に、入力軸の位置情報に対応するカム角度301とスレーブ駆動軸のストローク比302との対応関係を記述している。ただし、ここでのカム角度301は、マスタ駆動軸の位置情報を入力軸に見立てたカム角度である。
求まるスレーブ駆動軸のカムテーブル400は、マスタ駆動軸の位置指令値、すなわちマスタ駆動軸のストローク比に対応するスレーブ駆動軸のストローク比を与えるようにするために、マスタ駆動軸のカムテーブル100に変換用カムテーブル300を重畳して作成されたスレーブ駆動軸のカムテーブル400であるが、入力軸のカム角度401とスレーブ駆動軸のストローク比402との関係を記述するものとなっている。
図8は、従来の電子カム制御装置がマスタ駆動軸のカムテーブル100に変換用カムテーブル300を重畳してスレーブ駆動軸のカムテーブル400を作成する動作を説明するフローチャートである。
図8において、まず、マスタ駆動軸のカムテーブル100および変換用カムテーブル300を取り出す(ステップS10)。続いて、マスタ駆動軸のカムテーブル100の同期させるカム角度ポイントの数であるポイント数Nを設定し(ステップS11)、カウンタiを0に初期化する(ステップS12)。
続いて、各カム角度ポイントにおけるカム角度に対応するスレーブ駆動軸のストローク比を算出するために以下の処理をN回実行する。マスタ駆動軸のカムテーブル100から、カム角度θiに対応するストローク比Siを取り出す(ステップS13)。マスタ駆動軸がカム動作を1サイクル行ったとき、スレーブ駆動軸がカム動作を1サイクル行うために、取り出したストローク比Siに対応するカム角度θi’=Si×360°を算出する(ステップS14)。続いて、変換用カムテーブル300から、算出したカム角度θi’に対応するストローク比Si’を算出する(ステップS15)。カム角度θiと算出したストローク比Si’をスレーブ駆動軸のカムテーブル400に格納する(ステップS16)。ここでカウンタiをインクリメントし(ステップS17)、カウンタiがポイント数Nより大きいか否かを判定する(ステップS18)。
カウンタiがポイント数N以下のとき(ステップS18、No)、ステップS13からステップS17を繰り返す。カウンタiがポイント数Nより大きいとき(ステップS18、Yes)、カムテーブルを重畳する処理を終了し、スレーブ駆動軸のカムテーブル400の作成を完了する。
このように、マスタ駆動軸のカムテーブルであるマスタ駆動軸のカムテーブル100に、変換用のカムテーブルである変換用カムテーブル300を重畳することによって、従来の電子カム制御装置に使用されるスレーブ駆動軸のカムテーブル400が作成される。
図9は、前記するワークに液体を充填する充填機をより詳しく説明する図である。充填機は、搬送部10、ノズル11、充填部12、液体を充填するワーク13、充填する液体の保管部14を有する。この充填機は、カム制御によって搬送部10はワーク13をノズル11の下部に位置決めする。位置決め完了後、充填機は、ノズル11を下方に駆動させ、ワーク13に挿入する。挿入後、充填機は、ノズル11が上方へ駆動する動作に合わせて、充填部12が左右に駆動し、液体をワーク13に充填する。充填が完了後、充填機は、ノズル11は初期位置に位置決めし、搬送部10は次のワーク13をノズル11の下部へ位置決めする。
このような充填機において、搬送部10の動作を司る駆動軸と、ノズル11の上下駆動を司る駆動軸と、充填部12の左右駆動を司る駆動軸とを設置して電子カム制御装置を適用すると、ノズル11の上下駆動は搬送部10の現在位置、充填部12の左右駆動はノズル11の現在位置を基準とした動作が必要であるこの充填機の性質上、ノズル11の上下駆動を司る駆動軸は搬送部10の動作を司る駆動軸に対してスレーブであり、さらに、充填部12の左右駆動を行うための駆動軸はノズル11の動作を司る駆動軸に対してスレーブとなる。
しかしながら、従来の電子カム制御装置をこの充填機に適用する場合、搬送部10の動作を司る駆動軸のカムテーブルに変換用カムテーブルを重畳してノズル11の上下駆動を司る駆動軸のカムテーブルを作成し、さらに作成したノズル11の上下駆動を司る駆動軸のカムテーブルに別の変換用カムテーブルを重畳して充填部12の左右駆動を司る駆動軸のカムテーブルを作成しなければならない。
このように、従来の電子カム制御装置においては、マスタ駆動軸のカムテーブルに変換用カムテーブルを重畳してスレーブ駆動軸のカムテーブルを用意してスレーブ駆動軸を動作させるので、マスタ駆動軸のカムテーブルや変換用カムテーブルを変更した際には再度スレーブ駆動軸のカムテーブルを作成しなおす必要があった。また、各カムテーブルは、入力軸の位置情報に基づいて求まるカム角度と対象の駆動軸のストローク比とを対応づけるテーブルであるので、マスタ駆動軸の位置情報とスレーブ駆動軸の位置情報との対応付けを考えるとき、一度入力軸の位置情報に変換しないといけないため、マスタ駆動軸の位置情報に基づいてスレーブ駆動軸の同期位相の調整や開始・終了タイミングの制御を行うことが困難であった。
本願発明は、マスタ駆動軸のストローク比とスレーブ駆動軸のストローク比との相対関係をテーブルにした相対ストローク比テーブルを有することによって、以上の問題点を解決したものである。以下に、本発明にかかる電子カム制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明にかかる実施の形態の電子カム制御装置の構成を示す図である。図1において、本実施の形態の電子カム制御装置1000は、主要な入力を入力する入力軸1、補助的な入力を入力する補助入力軸2、入力軸1と補助入力軸2との位置情報に基づいた電子カム制御を実現する位置指令値を作成する電子カム制御部3、電子カム制御部3からの位置指令値に従って駆動するスレーブ駆動軸である出力軸4を有する。
図2は、電子カム制御部3が、入力軸1および補助入力軸2の位置情報およびマスタ駆動軸のストローク下死点104から導出されるカム角度から、出力軸4に対する出力である位置指令値を導出するまでの制御の流れを説明する図である。
図2において、電子カム制御部3は、入力軸1ならびに補助入力軸2の位置情報およびマスタ駆動軸のストローク下死点104からからカム角度30を得る。そして、電子カム制御部3は、マスタ駆動軸のカムテーブル100を参照することによって、変換して求めたカム角度30に対応するマスタ駆動軸のストローク比31を導出する。そして、電子カム制御部3は、ストローク比変換用のテーブル200を参照し、ストローク比31に対応するスレーブ駆動軸のストローク比32を導出する。
ここで、ストローク比変換用のテーブル200は、スレーブ駆動軸の位置指令値がマスタ駆動軸の位置指令値に対応するように予め計算されて設定されている。
続いて、電子カム制御部3は、導出したスレーブ駆動軸のストローク比32にスレーブ駆動軸のストローク量設定値203を乗じ、さらにスレーブ駆動軸のストローク下死点204を加算し、得た値をもって位置指令値33とし、出力軸4に伝達する。
図3は、マスタ駆動軸のカムテーブル100の内容を説明する図である。図3に示すように、本発明の実施の形態における電子カム制御装置1000に使用されるマスタ駆動軸のカムテーブル100は、図7に示す従来の電子カム制御装置におけるマスタ駆動軸のカムテーブルと同等のものである。マスタ駆動軸のカムテーブル100のほかに保持するマスタ駆動軸のストローク量設定値103およびストローク下死点104も、従来の電子カム制御装置において保持されるものと同等である。
図4は、ストローク比変換用のテーブル200の内容を説明する図である。図4において、ストローク比変換用のテーブル200は、マスタ駆動軸のストローク比201とスレーブ駆動軸のストローク比202との対応を記述するものとなっている。その他、スレーブ駆動軸のストローク量設定値203およびスレーブ駆動軸のストローク下死点204は、夫々従来の電子カム制御装置が保持する、図7におけるスレーブ駆動軸のストローク量設定値403およびスレーブ駆動軸のストローク下死点404と同等である。
以上に説明する本実施の形態の電子カム制御装置1000において、電子カム制御部3が入力軸1および補助入力軸2の位置情報からスレーブ駆動軸の位置指令値33を算出する動作を、図5に示すフローチャートを用いてさらに具体的に説明する。
図5において、まず、電子カム制御部3は、入力軸1および補助入力軸2の位置情報から基準パルスPを取り込む(ステップS1)。続いて、電子カム制御部3は、マスタ駆動軸のカムテーブル100およびマスタ駆動軸のストローク下死点104を取り出す(ステップS2)。続いて、電子カム制御部3は、取り込んだ基準パルスPとマスタ駆動軸のストローク下死点104とから以下の式によりカム角度θを算出する(ステップS3)。
カム角度θ=(基準パルスP−マスタ駆動軸のストローク下死点j)×360°/カム1サイクルの1回転量 (1)
続いて、電子カム制御部3は、マスタ駆動軸のカムテーブル100を参照し、算出したカム角度θに対応するストローク比Sjを求める(ステップS4)。続いて、電子カム制御部3は、ストローク比変換用のテーブル200、スレーブ駆動軸のストローク量設定値203、およびスレーブ駆動軸のストローク下死点204を取り出す(ステップS5)。そして、電子カム制御部3は、取り出したストローク比変換用のテーブル200を参照し、ストローク比Sjに対応するストローク比Skを求める(ステップS6)。
算出したストローク比Skから、以下の式により位置指令値33を求める(ステップS7)。
位置指令値=スレーブ駆動軸のストローク下死点k+スレーブ駆動軸のストローク量設定値k×ストローク比Sk (2)
最後に、電子カム制御部3は、得られた位置指令値33を出力軸4に出力する(ステップS8)。このように、電子カム制御部3は、入力軸1および補助入力軸2の位置情報の基準パルスPを取得する都度、ステップS1〜ステップS8を実行することによって、リアルタイムでマスタ駆動軸のカムテーブル100にストローク比変換用のテーブル200を重畳したスレーブ駆動軸である出力軸4の電子カム制御を実現する。
次に、マスタ駆動軸のカムテーブル100にストローク比変換用のテーブル200を重畳して得られるスレーブ駆動軸のストローク比の具体例を説明する。図6は、マスタ駆動軸のカムテーブル100の具体例、ストローク比変換用のテーブル200の具体例、およびそれらから得られるスレーブ駆動軸のストローク比の具体例を説明する図である。
図6において、テーブル110はマスタ駆動軸のカムテーブル100の具体例、テーブル210はストローク比変換用のテーブル200の具体例、テーブル410はテーブル110にテーブル210を重畳することによって得られたテーブル、グラフ111、211、および411は、各テーブルをグラフ化したものである。
従来の電子カム制御装置においては、変換用カムテーブル300が、マスタ駆動軸のカムテーブル100と同様に、カム角度とストローク比との関係で与えられているため、図6におけるテーブル410を算出してから出力軸4の位置指令値33を出力していたが、本実施の形態の電子カム制御装置においては、変換用カムテーブル300の代わりにストローク比変換用のテーブル200(図6においてはテーブル210)のように、マスタ駆動軸のストローク比とスレーブ駆動軸のストローク比との関係で与えられるので、ステップS1〜S8を実行することにより、入力軸(および補助入力軸)の位置情報を取得する都度、スレーブ駆動軸のストローク比を算出することができるので、図6におけるテーブル410を予め作成して保持しておく必要がない。
また、ストローク比変換用のテーブル200は、マスタ駆動軸のストローク比とスレーブ駆動軸のストローク比との関係を直接的に示すものであるため、これを変更することにより、従来の電子カム制御装置に比べて簡単にスレーブ駆動軸の同期位相、開始・終了タイミングを変更できる。
以上のように、本実施の形態の電子カム制御装置によれば、入力軸の位置情報から導出されるカム角度と、このカム角度とマスタ駆動軸のストローク比との関係を有するマスタ駆動軸のカムテーブルと、マスタ駆動軸のストローク比とスレーブ駆動軸のストローク比との関係を有する変換用のカムテーブルとを用いてスレーブ駆動軸の位置指令値を導出するようにしたので、スレーブ駆動軸用のカムパターンを別途作成することなく、マスタ駆動軸の位置情報に対応して動作するスレーブ駆動軸の電子カム制御を簡単に実現することができる。
なお、本実施の形態の説明においては、カム角度とマスタ駆動軸のストローク比との関係を示す駆動軸の関係を記述するマスタ駆動軸のカムテーブルを使用するとしたが、該関係がわかるものであればテーブル形式以外の形式の情報であってよい。例えば、グラフや関数で与えられるものであってよい。変換用のカムテーブルに関しても同様に、マスタ駆動軸のストローク比とスレーブ駆動軸のストローク比との関係を記述する情報であればテーブル形式に限る必要はない。
以上のように、本発明にかかる電子カム制御装置は、機械的なカム機構を実装することなく、ソフトウェアにて設定したカムパターンに基づき、出力軸に対する位置指令値を作成することによりカム機構相当の動作を行う電子カム制御装置に有用であり、特に、他の出力軸に同期させる出力軸を制御する電子カム制御装置に適している。
本発明の実施の形態の電子カム制御装置の構成を示す図である。 電子カム制御部が、カム角度から位置指令値を導出するまでの制御の流れを説明する図である。 マスタ駆動軸のカムテーブルの内容を説明する図である。 ストローク比変換用のテーブルの内容を説明する図である。 本発明の実施の形態の電子カム制御装置のスレーブ駆動軸の位置指令値を算出する動作を説明するフローチャートである。 マスタ駆動軸のカムテーブル、ストローク比変換用のテーブル、およびスレーブ駆動軸のカムテーブルの具体例を示す図である。 従来の電子カム制御装置においてスレーブ駆動軸のカムテーブルを作成する手法を説明する図である。 従来の電子カム制御装置においてスレーブ駆動軸のカムテーブルを作成する動作を説明するフローチャートである。 充填機をより詳しく説明する図である。
符号の説明
1 入力軸
2 補助入力軸
3 電子カム制御部
4 出力軸
10 搬送部
11 ノズル
12 充填部
13 ワーク
14 保管部
30 カム角度
31 ストローク比
32 ストローク比
33 位置指令値
100 マスタ駆動軸のカムテーブル
101 カム角度
102 ストローク比
103 マスタ駆動軸のストローク量設定値
104 マスタ駆動軸のストローク下死点
110 テーブル
111 グラフ
200 ストローク比変換用のテーブル
201 ストローク比
202 ストローク比
203 スレーブ駆動軸のストローク量設定値
204 スレーブ駆動軸のストローク下死点
210 テーブル
211 グラフ
300 変換用カムテーブル
301 カム角度
302 ストローク比
303 変換用カムテーブルのストローク量設定値
304 変換用カムテーブルのストローク下死点
400 スレーブ駆動軸のカムテーブル
401 カム角度
402 ストローク比
403 スレーブ駆動軸のストローク量設定値
404 スレーブ駆動軸のストローク下死点
410 テーブル
411 グラフ
1000 電子カム制御装置

Claims (2)

  1. 第一の駆動軸の位置情報から換算されたカム角度に基づいて前記第一の駆動軸に同期して動作する第二の駆動軸のストローク比を算出する第一のストローク比算出手段と、
    第二の駆動軸のストローク比と第二の駆動軸に同期して動作する第三の駆動軸のストローク比との関係である予め設定されているストローク比対応情報を参照し、前記算出された第二の駆動軸のストローク比から第三の駆動軸のストローク比を算出する第二のストローク比算出手段と、
    前記算出された第三の駆動軸のストローク比と予め設定される第三の駆動軸のストローク量設定値に基づいて第三の駆動軸の位置指令値を算出する位置指令値算出手段と、
    を備えることを特徴とする電子カム制御装置。
  2. 前記第一のストローク比算出手段は、予め設定されているカム角度と第二の駆動軸のストローク比との関係であるマスタ駆動軸カム情報を参照することにより、前記第一の駆動軸の位置情報から変換したカム角度に対応する第二の駆動軸のストローク比を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子カム制御装置。
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