JP5169388B2 - 無線端末、無線システム、パケット転送制御方法及びその制御プログラム - Google Patents
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Description
この内、特許文献1(無線通信ネットワーク)は、受信したデータを所定の中継確率に基づいて中継すると共に受信応答が無い場合には所定の再送確率に基づいてデータを再送し、同時に当該データ再送に際しては、同じデ−タの無限の再送を抑制することをその内容としている。
更に、特許文献3(アドホック無線ネットワークシステム)では、経路の接続品質を有効に維持するためのアイデア、特に移動により接続品質が悪化した場合に新通信経路を確率するための技術内容が開示されている。
まず、端末は、新たなパケットを受信すると待ち時間を0からTの間で一様ランダムな値に選択する。そのランダムに選択された待ち時間の間に、端末は、同一内容のブロードキャストパケットを何個受信するかを監視し、その数を判定する。
即ち、新たにブロードキャストパケットを受信した端末は、確率Pで中継転送し、確率(1−P)で中継転送しないように機能し、これによって、ブロードキャストパケットの転送数を削減する。ただし、この確率ベース方式では、遅延時間は少ないが、中継する確率pを電波の到達範囲に存在する端末数に合わせて最適化しないと、電波の到達範囲内での中継パケット数が多すぎたり少なすぎたりするという問題点を持っている。
非特許文献2によると、最適な中継確率Pの近似値として1/ρが記載されている。ここで、ρは端末密度を表し、無線端末の電波の到達範囲内に存在する平均的な端末の数を示す。
この関連する適応型確率方式の概要は以下の通りである。使用する用語は、中継確率をP、その上限をPU 、その下限をPL 、中継確率の減少値を小さい値d、パケット数計数期間τ、パケットカウンタIとし、又、乗算の記号として、・又は×を使用する。更に、記号「=」は、プログラムの用法であって、左辺で表示される値を右辺の演算結果の値で置き換える操作を示している。
もし、P<PL ならば、P=PL とし、I=I+1とする。
そうでないならば、パケットカウンタを1にする。
受信したパケットのIDとタイムアウト時間とをパケットリストに登録する。
確率Pで受信したパケットを中継転送する。
パケット計数期間τの間に1つもパケットを受信しなかったならば、
P=P×2 とする。
もし、P>PU ならば P=PU とする。
ここで、電波の到達範囲内の端末は全て同じ中継確率Pであるとしている。
長い時間、どの端末もパケットを送信しないと中継確率Pの値はPU となるので、中継確率Pの値は図12の開始点(A点)から開始する。ある1つの端末が一定周期でのパケット送信を開始したとすると、端末が単位時間に受け取るパケット数は中継確率Pに比例し、中継確率Pの値は単位時間に受け取るパケット数に比例して減少する。
P=B・exp(−At)で表される指数関数の曲線に沿って、階段的に最小値B点まで減少する。最小値(B点)ではパケットを1個受信する。即ち、最小値をとるB点でのPの値は、P≒1/ρである。ここで、≒は近時的に等しいことを示す。この値は1に近いので、期間τ時間以内に1つも受信しない可能性も0ではない。
なお、中継確率Pは指数関数の曲線を描いて減少するが、パケットを受信しなくなった場合の増加もτ毎に2倍になるので、中継確率Pは、指数関数の曲線に沿って階段的に増加する。
尚、以下の説明では端末毎の電波の到達範囲の正確な値は重要でないので、ある無線端末からの電波の到達距離Rは一定とし、各端末の電波の到達範囲は半径がRの円および円内として説明する。
筆者 Sze-Yao Ni, Yu-Chee Tseng, Yuh-Shyan Chen, Jang-Ping Sheu/刊行物の題名: The broadcast storm problem in a mobile ad hoc network /発行年月日: August 1999 Proceedings of the 5th annual ACM/IEEE international conference on Mobile computing and networking MobiCom '99 筆者 Kleinrock, L. and J. Silvester /刊行物の題名: Optimum Transmission Radii for Packet Radio Networks or why Six is a Magic Number/発行年月日: Conference Record, National Telecommunications Conference, Birmingham,Alabama, pp. 4.3.2-4.3.5, December 1978. 筆者 Q. Zhang, D.P. Agrawal /刊行物の題名: Dynamic probabilistic broadcasting in MANETs/発行年月日: J. Parallel Distrib.Comput. Vol 65, pp. 220-233, 2005.
どの端末も中継しない確率を、例えば0.05以下とするには「exp(−ρ・P)<0.05」を解いて「P>−log(0.05)/ρ≒3/ρ」程度以上とする必要があるからである。
更に、これらの問題点については、前述した特許文献1乃至3には、その明確な解決策なるものについては特に開示されていない。
本発明は、上記問題に鑑み、パケットの中継確率を端末密度ρに応じて最適な値に調整し、中継されるパケット数を抑制すると共にパケットの到達確率を高くすることを可能とした無線端末、無線システム、パケット転送制御方法、及びそのプログラムを提供することを、その目的とする。
図1において、アドホック無線通信ネットワークを構成する無線端末1は、無線パケットを送受信処理するパケット送受信部2と、パケット転送制御等を実行するプロセッサ3と、メモリ6及びタイマ4を備えて構成されている。
この場合、中継確率Pが最適値であるか否かの判定は、パケットを最初に受信した時から一定のタイミングをとり、その間に受信した同一パケット数とその間に送信したパケット数の合計が一定値(例えばC)未満ならば少な過ぎと判定して中継確率Pを増加し、前記一定値(C)以上ならば多過ぎと判定して中継確率Pを減少させる。そして、この場合、中継確率Pの値については、パケット受信ごとに計算するのでなく、前もって計算した値を中継確率テーブルとして準備し、これにより中継確率の最適値調整を行っている。
この中継確率テーブルは、(その算出方法についての詳細は後述するが)最適な中継確率からの誤差を評価した誤差評価関数の極値条件等から算出される。図9,図10に中継確率テーブルの算出結果の一例を示す。
最初に、メモリ6に格納されている主要データを、図2に基づいて説明する。
この主要なデータは、この図2のメモリ6の内容として示されているように、最適な中継確率であるがどうかを判断する基準値である閾値C60と、受信パケットの中継確率を決定する中継確率P61と、中継確率テーブル63及び当該中継確率テーブル63を検索するテーブルインデックス値62と、受信パケットを複数個記憶しておくバッファ64から構成されている。
先ず、パケットがパケット送受信手段2によって受信されると、パケット判別手段31において、それまでに受信しバッファ64に記憶されていたパケットと照合され、同一でなければ新たなパケット受信と判定され(パケット判別工程)、新たなパッケットと判別されたパケットはバッファ64に記憶される。
先ず、タイマ4を起動すると共に、受信パケットはパケット判別手段31で先に受信されたパッケットと同一か否か判別され、同一のパケットの場合のみをパケット計数手段35Aにおいて計数する(パケット計数工程)。タイマ4がタイムアウトになるとパケット計数手段36は計数を止める。
次に、パケット転送制御プログラムについて説明する。これはプロセッサ3上で動作して、上述の各手段の処理内容を実行するよう構成されている。このパケット転送制御プログラムは、大きくは、パケット受信処理を行うプログラムと、中継確率を最適な値に調整する処理を実行するプログラムとの2つを備えている。
このパケット受信処理プログラムの主要な処理は、受信パケットとこれまで受信し記憶していたパケットとを照合して新パケット受信か否かを判別するパケット判別処理、新パッケット受信であると判別されたパケットを確率的に中継転送させるか否かを判定するパケット転送判定処理、及びパケット中継を契機にタイマ登録をして、その登録時間内に受信した同一パケット数を計測するパケット計数処理である。
端末がパケットを受信すると、パケット送受信部2からプロセッサ3に通知され、このパケット受信処理が起動される。先ず、パケット判別処理が行われる。受信パケットからパケットを識別するパケットIDを取得し(図3:ステップS101)、次にバッファ64を検索する(図3:ステップS102)。過去に受信したパケットIDを検索するためである。受信パケットと同じパケットIDの登録の有無を判定する処理(図3:ステップS103)は、バッファ64の中に状態64Aが“あき”以外でパケットID64Bが一致するものが有るか否かを判定する(以上、パケット判別処理)。
この一連の受信処理は終了するが、次にパケット受信があると、再度パケット受信処理が始まる。
即ち、このタイムアウト処理(図4:ステップS200)は、先ずパラメータのパケットIDを取得して(図4:ステップS201)、バッファ内のパケットID64Bが一致する“あき”状態でないバッファを検索する(図4:ステップS202)。
バッファ内の状態64Aが“判定待ち”であるときは、イエス(Yes)に分岐しカウンタ値取得処理(図4:ステップS204)によりバッファ内のカウンタ64Cの値を取得し、次にバッファ内のカウンタ64Cの値と閾値C60の大小を判定する処理により、バッファ64内のカウンタ64Cの値と閾値C60との大小を判定する(図4:ステップS205)。
以上がインデックス決定処理である。
中継確率決定処理は、まず更新したテーブルインデックス62を使用して中継確率テーブル63を索引し中継確率P61の値を更新する(図4:ステップS212、中継処理決定処理)。次に、バッファ64内の状態64Aを“ガードタイミング”に変え、最後にパケットID64Bを付加情報としてタイマ登録する。
尚、“ガードタイミング”状態は、例外的に遅れて到着するパケットのために、中継確率P61の値が変更される事象を防止するために設けられている。
次に、中継確率テーブルの値の算出方法について説明する。
先ず、中継確率テーブルについて説明する。図5は、この中継確率テーブルの内容である中継確率の値P[i]を示す図である。テーブルサイズを(M+2)とし、テーブルインデックス値をiとする。このテーブルインデックス値iは、−1からMの範囲の値をとるものとし、i番目の中継確率の値をP[i]とする。中継確率の値P[i]は昇順にならんでおり、確率値であるから0から1の範囲内の値をとり、P[−1]=0、P[M]=1とする。P[−1]は誤差計算のための便宜的な値である。
ρ(i)・P[i]=Kであり、ρ(i)をK/P[i]で定義することができる。
図6は、このP[i]とρ(i)の反比例の関係を示した図である。
ここで、ρ(i)は降順に並んでおり、P[−1]=0、P[M]=1に対応して、ρ(0)=∽、ρ(M)=Kである。記号∽は無限大をあらわす。
誤差評価関数は、テーブルインデックス値毎の区間誤差の端末密度関数に対する期待値を前記インデックスに関して総和をとったものである。
図7は、この区間誤差を説明する図である。区間誤差は、中継確率Pと端末密度ρとの積が最適値Kである最適状態(ρ・P=Kの最適曲線)からのずれを表している。即ち、各端末が中継確率テーブルの中継確率P[i]で動作している時に、端末密度がρの場合の中継端末数(ρ・P[i])と最適中継端末数K(=ρ・P)とのずれの絶対値と定義できる。
又は、K−ρ・P[i](ρ<ρ(i)のとき)である。
ただし、端末密度ρがρ(i+1)からρ(i−1)の範囲にないときは0とする。また、区間誤差としては、この区間誤差の2乗を使うこともできる。これら両者を含め区間誤差関数という。
即ち、ρ・P[i]がKよりも大きいときの重みをαとして、ρ・P[i]がKよりも小さいときは、重みを(1−α)としたもので、次式(1)で表される。これを第1の誤差評価関数とよぶ。
Σ{α・∫(ρ・P[i]−K)・μ(ρ)dρ+(1−α)・∫(K−ρ・P[i])・μ(ρ)dρ}…………… 式(1)
ただし、αは0から1の範囲の実数であり、これを適切な値に選定することで誤差評価関数をより適合的なものにできる。和Σは、i=0からMの範囲の和を表し、ρの積分範囲については、第一の積分はρ(i)からρ(i−1)とし、第二の積分はρ(i+1)からρ(i)とする。
Σ∫(ρ・P[i]−K)・μ(ρ)dρ…………… 式(2)
ただし、和Σはi=0からMの範囲の和を表し、ρの積分範囲はρ(i)からρ(i−1)である。
Σ{∫(ρ・P[i]−K)・μ(ρ)dρ+∫(K−ρ・P[i])・μ(ρ)dρ}…………… 式(3)
ただし、和Σはi=0からMの範囲の和をあらわし、ρの積分範囲は第一の積分はρ(i)からρ(i−1)とし、第二の積分はρ(i+1)からρ(i)とする。また最小値を使用しているので結果は変わらないので式(1)を2倍している。
Σ∫(ρ・P[i]−K)・(ρ・P[i]−K)・μ(ρ)dρ…………式(4)
ただし、和Σはi=0からMの範囲の和を表し、又、ρの積分範囲はρ(i+1)からρ(i−1)である。
最初に、上述した端末密度の確率密度関数μ(ρ)が、想定最小密度ρmin から想定最大密度ρmax までの一様分布のときと、指数分布のときのそれぞれの場合について、第2の誤差評価関数(式(2))を最小にする条件を求める。
Σ∫(ρ・P[i]−K)・μ(ρ)dρ
ここで、和Σはi=0からMの範囲の和をあらわし、端末密度ρの積分範囲はρ(i)からρ(i−1)である。
S=Σ∫ρ・P[i]dρ=ΣP[i]・∫ρdρ
又、ρ(i)=K/P[i]の関係から、下記の式(5)が得られる。
を繰り返し適用するとP[M]の値が得られる。
そして、P[M]の値が1となるpの値およびその値を使用して順次得られるP[i]の値が、式(6)と式(7)を満足するP[i]の値である。
一様分布と同様にして、式(5)相当の下記に示す式(8)が得られる。
SはM個の変数P[i](i=0からi=M−1)の関数とみなし、極値をとる条件全てのiに対して∂S/∂P[i]=0を解き整理すると、下記に示す式(9)と式(10)が得られる。ただし、式(10)は、1からM−1の範囲のiに対してなりたつ。
これからP[0]とP[1]の関係式、及びP[i−1]とP[i]とP[i+1]の関係式が得られるので、P[M]=1の条件から全てのP[i]の値が得られる。
図10には、一様分布のρm が20と40と80と160の場合と、一様分布のρmax が80の場合と、比較対照用に指数曲線に沿って増加する場合、の計算結果を表示している。
一様分布のρmax 或いは平均ρm の値が大きくなると、確率テーブルの値は指数関数に沿った場合と比べて、iが小さいときは増加率が小さく、iがMに近づくと急速に増加していることがわかる。
2 パケット送受信部
3 プロセッサ
4 タイマ
6 メモリ
31 パケット判別手段
33 パケット転送判別手段
35 中継確率調整手段
35A パケット計数手段
35B インデックス決定手段
35C 中継確率索引手段
60 閾値C
61 中継確率P
62 テーブルインデックス値
63 中継確率テーブル
64 バッファ
64A 状態
64B パケットID
64C カウンタ
Claims (24)
- パケット送受信部,プロセッサ,メモリ,及びタイマを備え、ブロードキャストパケットを受信した際に、予め決定される中継確率に基づいて該パケットを中継するか否かを確率的に決定し中継転送する無線端末であって、
受信パケットをこれまで受信し記憶しているパケットと照合して新パケットの受信か否かを判別するパケット判別手段と、前記新パケットの受信と判別された場合に当該新パケットを前記中継確率に基づいて確率的に中継転送するか否かを判定するパケット転送判定手段とを備え、
前記パケット転送に使用する中継確率を予め備えている中継確率テーブルを用いて最適な値に決定する中継確率調整手段を装備すると共に、
前記中継確率調整手段は、前記パケットを最初に受信した時から一定のタイミングをとり、その間に受信した同一パケット数とその間に送信したパケット数の合計が予め与えられた閾値未満であれば前記中継確率を増加し、前記閾値以上であれば前記中継確率を減少させるものである
ことを特徴とする無線端末。 - 前記請求項1に記載の無線端末において、
前記中継確率調整手段は、前記新パケットの受信を始点として所定の時間内に受信した同一パケット数を計数するパケット計数手段と、その計測結果と所定の閾値との大小関係により前記中継確率テーブルのテーブルインデックス値を最適な値に決定するインデックス決定手段と、そのテーブルインデックス値に対応する上記中継確率テーブルの中継確率を検索する中継確率索引手段と、を備えていることを特徴とした無線端末。 - 前記請求項1に記載の無線端末において、
前記パケット転送判定手段は、0から1までの一様乱数を発生させ前記中継確率調整手段で決定された前記中継確率と比較すると共に、前記一様乱数が前記中継確率より小さい場合にパケット中継を行うように機能することを特徴とした無線端末。 - 前記請求項3に記載の無線端末において、
前記インデックス決定手段は、現在のテーブルインデックス値を1づつ増減することにより前記テーブルインデックス値を決定することを特徴とした無線端末。 - 前記請求項4に記載の無線端末において、
前記中継確率テーブルは、テーブルインデックス値に対して中継確率を並べたテーブルであり、隣接インデックス間の中継確率の増加率がその中継確率の大きさと共に増大してゆく特性を備えていることを特徴とした無線端末。 - 前記請求項5に記載の無線端末において、
前記中継確率テーブルのテーブル値は、誤差評価関数の中継確率に対する極値条件及び境界条件から予め算出し特定したものであることを特徴とする無線端末。 - 前記請求項6に記載の無線端末において、
前記誤差評価関数は、前記インデックス毎の区間誤差関数の端末の密度関数に対する期待値を前記インデックスに関して総和をとったものであることを特徴とする無線端末。 - 前記請求項6に記載の無線端末において、
前記誤差評価関数は、前記インデックス毎の区間誤差を2乗したものに端末の密度関数に対する期待値を前記インデックスに関して総和をとったものであることを特徴とする無線端末。 - 前記請求項7又は8に記載の無線端末において、
前記区間誤差関数は、ある端末密度における前記中継確率テーブルのあるインデックスに対する中継確率から算出される中継端末数と前記端末密度における最適端末数との差分の絶対値で定義されることを特徴とする無線端末。 - 前記請求項6に記載の無線端末において、
前記誤差評価関数は、前記区分誤差関数が正の場合は係数αを掛けると共に、負の場合は係数(1−α)(ここで、0≦α<1)を掛けて重み付けたものであることを特徴とする無線端末。 - 前記請求項9又は10に記載の無線端末において、
前記端末密度関数に関しては使用環境における端末分布を予め選定し、この選定した端末分布に基づいて且つ前記端末密度関数による誤差の期待値を最小にする最小誤差法を使用して前記中継確率テーブルが算出されたものであり、この算出された中継確率テーブルを用いて前記中継確率の増減を行う構成としたことを特徴とする無線端末。 - 前記請求項9乃至10に記載の無線端末において、
前記端末密度関数に関しては使用環境における端末分布を一様分布とし、これに基づいて且つ前記端末密度関数による誤差の期待値を最小にする最小誤差法を使用して前記中継確率テーブルが算出されたものであり、この算出された中継確率テーブルを用いて前記中継確率の増減を行う構成としたことを特徴とする無線端末。 - 前記請求項9又は10に記載の無線端末において、
前記端末密度関数に関しては使用環境における端末分布を指数分布とし、これに基づいて且つ前記端末密度関数による誤差の期待値を最小にする最小誤差法を使用して前記中継確率テーブルが算出されたものであり、この算出された中継確率テーブルを用いて前記中継確率の増減を行う構成としたことを特徴とする無線端末。 - 前記請求項11,12又は13に記載の無線端末において、
前記中継確率テーブルに関しては、前記各誤差評価関数における誤差を最小とする原理で前記中継確率テーブル値が算出されたものであることを特徴とする無線端末。 - 前記請求項1乃至14の何れか1つに記載の無線端末の複数が端末分布を構成して成ることを特徴としたアドホック無線通信システム。
- 使用環境に分布されている複数の各無線端末はパケット送受信部,プロセッサ,メモリ,及びタイマを備え、前記各無線端末がブロードキャストパケットを受信した際に当該パケットを中継するか否かを中継確率に基づいて確率的に決定し転送する構成のパケット転送方法にあって、
受信パケットとこれまで受信し記憶していたパケットとを照合し新パケット受信か否かを判別するパケット判別工程と、
前記新パケット受信と判別されたパケットを前記中継確率に基づいて確率的に中継転送するか否かを判定するパケット転送判定工程と、
次のパケット転送に使用する中継確率を予め備えている中継確率テーブルを用いて最適な値に決定する中継確率調整工程と、
を備えると共に、
前記中継確率調整工程は、前記パケットを最初に受信した時から一定のタイミングをとり、その間に受信した同一パケット数とその間に送信したパケット数の合計が予め与えられた閾値未満であれば前記中継確率を増加し、前記閾値以上であれば前記中継確率を減少させるものである
ことを特徴とするパケット転送制御方法。 - 前記請求項16に記載のパケット転送制御方法において、
前記中継確率テーブルは、隣接インデックス間の中継確率の増加率がその中継確率の大きさと共に増大してゆく特性を備え、
前記中継確率調整工程を、
前記パケット中継を契機にタイマ登録をすると共にその登録時間内に受信した同一パケット数を計測するパケット計数工程と、
その計測結果と所定の基準値との大小関係により前記中継確率テーブルのインデックス値を決定するインデックス決定工程と、
前記インデックス決定工程で決定されたインデックスに基づいて前記中継確率テーブルを索引し前記中継確率Pを決める中継確率決定工程と、
を備えた構成としたことを特徴とするパケット転送制御方法。 - 前記請求項16に記載のパケット転送制御方法において、
前記中継確率テーブルは、誤差評価関数の中継確率に対する極値条件及び境界条件から予め算出したものであることを特徴とするパケット転送制御方法。 - 前記請求項18に記載のパケット転送制御方法において、
前記誤差評価関数は、前記インデックス毎の区間誤差関数の端末密度関数に対する期待値を前記インデックスに関して総和をとったものであることを特徴とするパケット転送制御方法。 - パケット送受信部,プロセッサ,メモリ,及びタイマを備え、ブロードキャストパケットを受信した際には当該パケットを中継するか否かを中継確率Pに基づいて確率的に決定し中継する無線端末にあって、
前記受信パケットとこれまで受信し記憶していたパケットとを照合して新パケット受信か否かを判別するパケット判別処理、
前記新パケット受信であると判別されたパケットを前記中継確率に基づいて確率的に中継転送するか否かを判定するパケット転送判定処理、
前記パケット転送に使用する中継確率を予め備えた中継確率テーブルを用いて最適な値に決定する中継確率調整処理、
を前記プロセッサに実行させると共に、
前記中継確率調整処理は、前記パケットを最初に受信した時から一定のタイミングをとり、その間に受信した同一パケット数とその間に送信したパケット数の合計が予め与えられた閾値未満であれば前記中継確率を増加し、前記閾値以上であれば前記中継確率を減少させるものである
よう構成されたことを特徴とするパケット転送制御プログラム。 - 前記請求項20に記載のパケット転送制御プログラムにおいて、
前記パケット中継を契機にタイマ登録をすると共にその登録時間内に受信した同一パケット数を計測するパケット計数処理、
その計測結果と所定の基準値との大小関係により前記中継確率テーブルのインデックス値を決定するインデックス決定処理、
前記インデックス決定工程で決定されたインデックスに基づいて前記中継確率テーブルを索引し前記中継確率Pを決める中継確率決定処理、
を前記プロセッサに実行させるよう構成したことを特徴とするパケット転送制御プログラム。 - 前記請求項20又は21に記載のパケット転送制御プログラムにおいて、
前記中継確率テーブルは、隣接インデックス間の中継確率の増加率がその中継確率の大きさと共に増大してゆく特性を備えたものであることを特徴とするパケット転送制御プログラム。 - 前記請求項20に記載のパケット転送制御プログラムにおいて、
前記中継確率テーブルは、誤差評価関数の中継確率に対する極値条件及び境界条件から予め算出したものであることを特徴とするパケット転送制御プログラム。 - 前記請求項23に記載のパケット転送制御プログラムにおいて、
前記誤差評価関数は、誤差関数の端末分布(端末密度関数)に対する期待値を前記インデックス(指数)に関して総和をとったものであることを特徴とするパケット転送制御プログラム。
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