JP5168734B2 - キューイング遅延計測方法、その方法を用いた同期システム、その方法及びそのプログラム - Google Patents

キューイング遅延計測方法、その方法を用いた同期システム、その方法及びそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、パケットネットワークにおける送信側装置から受信側装置に転送されるパケットの遅延計測システム、その方法及びそのプログラムに関する。
更に、本発明は、前記遅延計測システム、その方法及びそのプログラムを用いて、パケットネットワークを介して装置間のクロックを同期させるシステム、その方法及びそのプログラムに関する。
ネットワークの転送されるデータ量の増大に伴い、通信事業者にとって、高速データ通信網を安価に実現する必要性が増している。そのため、時分割多重(TDM: Time Division Multiplexing)方式(以下、TDM方式と記載する)を用いた高コストなネットワークからインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)方式(以下、IP方式と記載する)を用いた低コストかつ高効率なネットワークへの移行が進められつつある。
ネットワークに転送されるトラヒックの中には、送信ノード側と受信ノード側で正確なクロック同期が求められるものがある。例えば音声やビデオなどのリアルタイムデータの送信及び再生である。このようなリアルタイムデータを高品質にやり取りするためには、予め決められたタイミングでデータを再生する必要があり、そのために安定したクロックが必要となる。
また、他の例としては、モバイルネットワークサービスでは、セル間のハンドオーバを滞りなく実現するために正確なクロック同期が求められている。具体的には、モバイルネットワーク上の各基地局装置は無線ネットワーク制御装置との間で、50parts per billion(ppb)という非常に高精度のクロック同期が求められている。サービス中にもしも基地局装置のクロック同期精度がこの要求値を超えてしまうと、セル間のハンドオーバが失敗してしまう可能性があり、データが欠落し、通信品質が劣化する恐れがある。
従来のTDM方式ベースのネットワークでは、受信ノードは伝送路を介して送信ノードのクロック情報を抽出することができるため、送受信ノード間で高精度のクロック同期を実現可能だった。これに対して、IPネットワーク方式では、ネットワーク内でデータが非同期に転送されるため、受信側ノードでのデータの到着間隔には揺らぎがあり、受信データから高精度のクロック情報を抽出することは困難であり、送信側のクロックを再生する必要がある。
上述の問題に鑑みて、IPネットワークのようなパケットネットワークを介して高精度のクロック再生を実現する技術として、タイムスタンプ方式が提案されている。タイムスタンプ方式の構成図を図1に示す。
タイムスタンプ方式では、送信側ノードにあたるマスタノード100がタイムスタンプ(以下、TSと記載する)を格納したTSパケット230を受信側ノードにあたるスレーブノード110に向けて送信する。TSパケット230はパケットネットワーク220を経由して、スレーブノード110に到着する(図1上部分参照)。TSパケット230を受信したスレーブノード110は、格納されたTS情報を利用して自身のクロックを調整することにより、マスタノード100のクロックと同期する。次に、スレーブノード110の構成を説明しながら、より詳細にクロック同期の動作を説明する。
スレーブノード110は位相同期ループ(PLL:Phase-locked loop)140を有し、自身のクロックから生成するTSとマスタノード100から受信したTSとの差分を計算し、PLL140において、その差分を元に自身のクロックを調整することにより、クロック同期を実現する。PLL140の構成の一例としては、位相比較器141、ループフィルタ(LPF:Low Pass Filter)142、比例・積分(PI:Proportion・Integration)回路143、電圧制御発振器(VCO:Voltage Control Oscillator)144、カウンタ145の5つの機能から構成される場合がある。
位相比較器141は、受信したTSパケット230に格納されているTSである「受信TS」と自身のクロックから生成するTSである「生成TS」との差分信号を計算する。この差分信号はLPF142に入力され、ジッタやノイズが除去される。LPF142において平滑化された差分信号は、PI制御器143に入力される。PI制御器143では、差分信号を最終的にゼロに収束させる制御信号を計算し、VCO144に出力する。VCO144はPI制御器143からの制御信号によって決定される周波数のクロックを出力する。これにより、スレーブ側のクロックが調整される。また、カウンタ145は調整されたクロックに基づき、スレーブ側の生成するTSである「生成TS」を生成し、位相比較器141に渡す。このようなPLL140の動作により、スレーブノード110では、パケットネットワーク220を経由しても、マスタノード100のクロックを再生し、マスタノード100と同期することができる(例えば特許文献1参照)。
パケットネットワークの入り口側エッジに位置するマスタノードと出口側エッジに位置するスレーブノードが、以上説明した構成を有することにより、パケットネットワークを経由するTDMフローの同期制御を行なうことができる。
他方、以下のような問題も存在する。この点について説明する。
現実のネットワークにおいては、パケットがパケットネットワーク内を転送される際にルータやスイッチにおいてキューイング遅延を受ける。なお、「遅延」という文言は、固定された遅延である伝播遅延と、変動する遅延であるキューイング遅延の組合せを指すこともあるが、本願では特に断りのない限り、以下でいう「遅延」とはキューイング遅延のことを指すものとする。
そして、上述のようにスレーブノードに到着するパケットには遅延が含まれており、中には遅延量が大きいパケットも存在する。そのため、上述したようにスレーブノードにおけるLPFにより、遅延のランダム性を平準化し、その影響を軽減する処理が施される。しかし、遅延量が大きいパケットが到着するとLPFにおいてもその影響を十分に軽減できない場合がある。この場合、クロック同期回路に対してある種のノイズが入力されることになり、同期精度の劣化をもたらす。これを回避するために、到着パケットの遅延量に応じてパケットを選択的に廃棄するパケットフィルタ機能が用いられている。すなわち、或る閾値を定め、閾値を超える遅延のパケットは廃棄するという機能である。以下で図2を用いてパケットフィルタの機能について具体的に説明する。
図2は、遅延量の分布の一例を示している。この例では遅延がほぼゼロから数100μ秒まで分布している。パケットフィルタ機能では、遅延量に関して閾値を設定し、遅延がこの閾値以下のパケットは採用し、閾値を超えるパケットは廃棄する。このように、遅延が閾値を超過するパケットを選択的に廃棄することにより、遅延が小さいパケットのみを用いてクロック同期制御を行なうことが可能になるため、同期精度の向上が期待できる。
ここで、上述のクロック同期制御を実現するために遅延を計測する方法としては、マスタノードとスレーブノードが例えばGPS(Global Positioning System)等を用いて時刻同期をするという方法が例示出来る。両ノードが時刻同期している場合には、マスタノードがパケット送信時に送信時刻情報をパケット内に格納して送信することにより、スレーブノードはパケット受信時の受信時刻とパケット内に格納された送信時刻情報の差分を計算することが可能となる。そして、計算した送信時刻情報の差分を用いることでそのパケットの伝播遅延を含む遅延を計測することができる。しかしながら、ここで説明した方法はマスタ/スレーブノード間が時刻同期していることを前提としている。現状のパケットネットワークでは、各ノードが時刻同期していない場合も多く、その場合はこの方法で遅延を計測することはできない。このように、時刻同期していない場合は以下のような方法を用いる。
続いて、時刻同期していない場合の例を説明する。図3は、パケットフィルタを備えたスレーブノード150を示している。図1におけるスレーブノード110に対して、パケットフィルタ151が追加されている。パケットフィルタ151は到着したTSパケットに格納される受信TSの値(受信TS:Tm)と到着時の自身で生成しているTSの値(生成TS:Ts)とから遅延Dを求め、遅延Dが所定の閾値Dth以下の場合にそのTSパケットを採用し、閾値を超える場合には廃棄する。パケットを採用した場合には、そのパケットをPLL140に渡す。
図4は、パケットフィルタ機能を使用する際のTSパケットのタイミングフローを示している。時間軸L11はマスタノードにおけるパケット送信タイミングを示す時間軸を示している。また、時間軸L11の下部にマスタノードにおけるクロックL12が示されている。
この例では、TSパケットP11が送信されている。マスタノードにおいては、TSパケットP11がマスタ側のクロック55のタイミングで送信されている。そのため、TSパケットP11にはタイムスタンプとして55が格納されている。
続いて、その下部にはスレーブノードにおける時間軸L13とスレーブノードにおけるクロックL14が示されている。この例では、マスタノードのクロックL12とスレーブノードのクロックL14は同期している。そのため、各クロックの時間幅は同一である。
マスタノードにおいて送信タイミング=55で送信されたTSパケットP11は、スレーブノードにおいて、スレーブノードのクロックL14(この例では、理想状態として、マスタノードと完全に同期していることを想定しているため、クロックL14をIdeal CLKと書くこととする)の55のタイミングで到着するはずだが(図中ではP12として図示する)、マスタ/スレーブ間のパケットネットワークにおいて遅延量=Dが付加されることにより、Ideal CLK=59のタイミングで到着している(図中ではP13として図示する)。特許文献2にも紹介されているように、遅延量Dは到着タイミングにおけるスレーブノードのTS(Ts)と受信したTSパケットに格納されるTS(Tm)との差分で求められる。すなわち、遅延=生成TS−受信TS(D=Ts−Tm)で表される。
図4の例では、D=Ts(=59)−Tm(=55)=4となる。閾値Dth=8と設定されているので、遅延Dが0≦D≦Dthを満たしているため、このパケットP13は採用となる。一方、もしも、D>DthのTSパケットが到着した場合は廃棄となる。
このように、受信TS、生成TSから遅延Dを求め、閾値Dthからなる条件でフィルタを実行することにより、遅延量が閾値Dthよりも大きいパケットを選択的に廃棄し、閾値Dthよりも小さいパケットのみを選択してクロック同期制御を行なうことが可能となる。
特開2004−248123号公報 特開2004−274766号公報
図4の例ではマスタ/スレーブノード間が同期している場合を例示して説明したが、現実では同期していない状況から同期制御をかけることにより同期させることを目的としており、同期していない状況を考慮する必要がある。マスタ/スレーブノード間が同期してない場合には、以下に説明する課題がある。
図5は、図4で示したタイミングフローにマスタ/スレーブ間が同期していない場合、特にスレーブ速度が速い場合のタイミングフローを追加した図である。
図5では、図4で示したマスタノードの時間軸L11、マスタノードのクロックL12、スレーブノードの時間軸L13、スレーブノードがマスタノードに同期している場合のスレーブノードのクロックであるIdeal CLK L14に加えて、スレーブノードがマスタノードに同期していない場合のスレーブノードのクロックL15が追加されている。Ideal CLK L14が理想状態で完全同期している場合を示しているのに対して、クロックL15は現実のスレーブノードのクロックを示しているため、Real CLK501と示すこととする。この例では、スレーブノードはマスタノードに同期していないため(スレーブノードの方が高速(周波数が高い))、Real CLK501はIdeal CLK L14に対して、時間幅が短い。
Ideal CLK L14とReal CLK L15のクロックの時間幅の相違により、クロック同期していない場合のReal CLK L15の下でのパケット到着タイミングにおける生成TSの値は、Ideal CLK L14におけるパケット到着タイミングにおける生成TSの値との間でズレが生じている。
図5において、同期していない状態では、Real CLK L15においては、遅延Dが含まれる場合のTSパケットP13の到着タイミングにおける生成TSの値はTs=69となっており(図中ではP15として図示する)、遅延Dが含まれていない場合のタイミングにおける生成TSの値はTs=65となっている(図中ではP14として図示する)。
Ideal CLK L14において遅延Dが含まれていない場合の生成TS値はTs=55であることを考慮すると、Real CLK L15の下での到着タイミングはIdeal CLK L14の下での到着タイミングに対して、タイムスタンプ値として−9というズレが存在していることが分かる。このズレは、スレーブノードのクロックがマスタノードのクロックに同期していないことから生じている。そして、このスレーブノードのクロックが同期ズレを含んでいることにより、適切に遅延量を計算できない。具体的には以下の通りである。
図4で説明したように、同期状態では、TSパケットP13の遅延量は、D=Ts(=59)−Tm(=55)=4となった。この場合、閾値Dth=8と設定されているため、0≦D≦Dthを満たし、このパケットは採用となった。
これに対して、図5のように同期していない場合、TSパケットP13到着時の生成TSはTs=69であるため、遅延量は、D=Ts(=69)−Tm(=55)=14となる。これはReal CLK L15がIdeal CLK L14に対して、同期ズレΔを含んでいるため(この例ではΔ=−9)、Ideal CLKにおける到着タイミングからの遅延量を適切に求められないためである。この場合、閾値Dth=8と設定されているため、遅延Dが、D>Dthとなり、遅延量が閾値よりも大きいと判断されるため、このパケットP15は廃棄される。
以上説明したように、マスタ/スレーブ間のクロックが同期していない場合、Real CLKはIdeal CLKに対して同期ズレΔを含むため、Real CLKにおいて遅延がゼロとなる基準点をスレーブノード側で認識することができない。そのため、スレーブノード側で遅延量を適切に算出することができないという課題がある。
そこで、本発明は、マスタ/スレーブノード間で時刻同期、クロック同期していない場合であっても、マスタノードからスレーブノードへの片方向の遅延を計測することが可能なパケットネットワークの片方向遅延計測方法、その装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
更に、本発明は、算出した到着パケットの遅延量に基づき、設定した閾値に応じて遅延量の大きいパケットを適切に廃棄して、遅延量の小さいパケットのみをクロック同期回路に取り込むことが可能なパケットネットワークの片方向遅延計測方法を用いた同期システム、その方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点によれば、送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてキューイング遅延を計測する受信側ノードであって、前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信手段と、前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理するパケットカウンタと、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測手段と、を備えることを特徴とする受信側ノードが提供される。
本発明の第2の観点によれば、送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてクロックを同期させる受信側ノードであって、前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信手段と、前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理するパケットカウンタと、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測手段と、前記キューイング遅延計測手段で計測したキューイング遅延量と所定の閾値とを比較し、比較の結果前記閾値以下のキューイング遅延を含むと判断されたパケットのみを採用するパケットフィルタと、前記パケットフィルタにおいて採用された前記パケットを元に当該受信側ノードのクロックを再生する位相同期手段と、を備えることを特徴とする受信側ノードが提供される。
本発明の第3の観点によれば、上述の第1の観点又は第2の観点により提供される受信側ノードと、前記送信側ノードと相互に接続されている送信側ノードと、を備えるパケットネットワークシステムであって、前記送信側ノードが、パケットを生成するパケット生成手段と、前記パケット生成手段において生成した前記パケットを前記受信側ノードに対して定期的に送信する送信手段と、を備えることを特徴とするパケットネットワークシステムが提供される。
本発明の第4の観点によれば、送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてキューイング遅延を計測するキューイング遅延対処方法であって、前記受信側ノードが、前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信ステップと、前記受信側ノードのパケットカウンタが、前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理する第1のステップと、前記受信側ノードが、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測ステップと、を備えることを特徴とするキューイング遅延対処方法が提供される。
本発明の第5の観点によれば、送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてクロックを同期させるキューイング遅延対処方法であって、前記受信側ノードが、前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信ステップと、前記受信側ノードのパケットカウンタが、前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理する第2のステップと、前記受信側ノードが、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測ステップと、前記受信側ノードのパケットフィルタが、前記キューイング遅延計測ステップで計測したキューイング遅延量と所定の閾値とを比較し、比較の結果前記閾値以下のキューイング遅延を含むと判断されたパケットのみを採用する第3のステップと、前記パケットフィルタにおいて採用された前記パケットを元に当該受信側ノードのクロックを再生する位相同期ステップと、を備えることを特徴とするキューイング遅延対処方法が提供される。
本発明の第6の観点によれば、送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてキューイング遅延を計測するキューイング遅延対処プログラムであって、前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信手段と、前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理するパケットカウンタと、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測手段と、を備える受信側ノードとしてコンピュータを機能させることを特徴とするキューイング遅延対処プログラムが提供される。
本発明の第7の観点によれば、送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてクロックを同期させるキューイング遅延対処プログラムであって、前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信手段と、前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理するパケットカウンタと、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測手段と、前記キューイング遅延計測手段で計測したキューイング遅延量と所定の閾値とを比較し、比較の結果前記閾値以下のキューイング遅延を含むと判断されたパケットのみを採用するパケットフィルタと、前記パケットフィルタにおいて採用された前記パケットを元に当該受信側ノードのクロックを再生する位相同期手段と、を備える受信側ノードとしてコンピュータを機能させることを特徴とするキューイング遅延対処プログラムが提供される。
本発明によれば、遅延計測部が所定の計測時間の間、パケットカウンタのカウンタ値を監視し、所定の計測時間における最大値または最小値を遅延ゼロパケット到着時の基準点と認識し、基準点であるカウンタ最大値または最小値と各パケットの到着時のカウンタ値との差分を算出できることから遅延量を算出することが可能となる。
更に、本発明によれば、パケットフィルタで、この遅延量を用いて、設定された閾値より遅延が小さいパケットを適切に選択することができるため、遅延量の小さいパケットのみをクロック同期回路に取り込むことが可能となり、同期精度を向上できるという効果を奏する。
次に、本発明を実施するための実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<実施形態1>
<構成の説明>
図6の上部分を参照すると、本発明の実施形態は全体構成として、マスタノード200、スレーブノード210及びパケットネットワーク220を有する。マスタノード200とスレーブノード210は、パケットネットワーク220を介して相互に接続されている。
<マスタノード>
マスタノード200は、TSパケット生成部201と、TSパケット送信部202を有する。
TSパケット生成部201は、クロック同期を行なうためのTSが格納されたパケットであるTSパケット230を生成する。ここで、TSとはマスタノード200のクロックを基にして生成される時間情報を示す値であり、例えば、マスタノード200のクロックの最小時間単位(例えば125usec)が経過する毎に1ずつ増加する数値である。
TSパケット送信部202は、TSパケット生成部201で生成されたTSパケット230を、スレーブノード210にパケットネットワーク220を介して定期的に送信する。
<スレーブノード>
スレーブノード210は、TSパケット受信部211、パケットフィルタ212、PLL部213、遅延計測部214及びパケットカウンタ215を有する。
TSパケット受信部211は、マスタノード200からパケットネットワーク220を経由して転送されてきたTSパケット230を受信する。受信したTSパケット230はパケットフィルタ212とパケットカウンタ215のそれぞれに送られる。
パケットフィルタ212は、TSパケット受信部211から受信したTSパケット230に関して、遅延計測部214から通知される遅延Dと予め設定された閾値Dthとの比較をすることにより、受信したTSパケット230を採用するか、廃棄するかを決定する。そして、パケットフィルタ212は、採用すると決定したTSパケット230のみをPLL部213に送る。
なお、パケットフィルタ212の起動のタイミングについては、マスタノード200とのTSパケット230の送受信開始時から起動するという方法を採用してもよい。また、もう一つの方法として、初めのうちは起動せずに全パケットを取り込み、ある程度安定してからパケットフィルタ212を起動するようにしてもよい。このように初めのうちは起動せずにある程度安定してから起動するメリットについて以下に説明する。
一般的にPLL部213に取り込まれるTSパケットの数が減ると、その分、安定するまでに時間が必要となる。なぜならば、パケットフィルタ212を起動すると遅延大のパケットは廃棄されるため、採用パケット数が減るためである。しかし、だからといって遅延大パケットを取り込むようにすると同期精度が十分に得られない可能性がある。そこで、ある程度安定するまではパケットフィルタ212は起動せずに全パケットを取り込み、ある程度安定したらパケットフィルタ212を起動して、遅延大パケットを廃棄することで、最終的に実現出来る同期精度は変わらずに安定するまでの時間を短縮することができる。
PLL部213は、位相比較器213−1、LPF213−2、PI制御器213−3、VCO213−4及びカウンタ213−5を有する。ただし、この構成はあくまでも一例である。本実施形態の構成と異なる構成であっても、自身のクロックから生成するTSとマスタノード100から受信したTSとの差分を計算し、その差分を元に自身のクロックを調整することができるのであれば、どのような構成を採用したとしても本発明を実現できる。これは、本発明の思想の範囲内の事項であり、当業者にとって自明なことである。
位相比較器213−1は、パケットフィルタ212から受信したTSパケット230に格納されている受信TSとカウンタ213−5で生成される生成TSの差分信号を計算し、LPF213−2に出力する。
LPF213−2は差分信号を平準化し、ジッタやノイズを抑圧するとともに、その結果をPI制御器213−3に出力する。
PI制御器213−3はこの平準化された差分信号が最終的にゼロとなるような制御信号を生成し、VCO213−4に出力する。
VCO213−4は入力された制御信号によって決定される周波数のクロックを生成し、カウンタ213−5に出力する。また、生成した周波数のクロックに従い、パケットカウンタ215のカウンタ値を減少する。
カウンタ213−5はクロックを元に生成TSを生成し、位相比較器213−1に転送する。
パケットカウンタ215は、TSパケット受信部211からTSパケット230を受信する毎に、カウンタの値を所定の値分だけ増加させる。同時にVCO213−4で決定される周波数に従い、カウンタの値を減少させる。なお、パケットカウンタ215がパケットバッファであってもかまわない。パケットカウンタ215がパケットバッファの場合、TSパケット受信部211からTSパケット230を受信すると、パケットをバッファに蓄積し、同時にVCO213−4で決定される周波数に従い、蓄積しているパケットを出力する。
遅延計測部214は、パケットカウンタ215のカウンタ値の増減状況をモニタすることにより、到着TSパケットの遅延量を算出し、算出した遅延情報をパケットフィルタ212に通知する。
本発明の実施形態の基本的構成は以上の通りである。次に、本実施形態における課題の解決を実現するための基本的な考え方について説明する。
本発明の課題である到着パケットの遅延量の計測については、上述の構成で説明したように、遅延計測部214がパケットカウンタ215のカウンタ値の増減状況をモニタすることにより、遅延量を計測する。この遅延量の計測は、具体的にはカウンタ値に関する下記の原理を利用して計測する。この点を図7及び図8を参照して説明する。
図7及び図8はTSパケット230の到着状況とそれに対応するパケットカウンタ215のカウンタ値の増減状況を示す図である。横軸方向が経過時間であり、縦軸方向がカウンタ値を示している。
図7は、ネットワーク内でTSパケット230に付加される遅延が常に0である場合におけるカウンタ値を表している。また、図8は、ネットワーク内でTSパケット230に付加される遅延が存在する場合のカウンタ値を表している。
図7の、カウンタ最大値を示す線であるL22を見ると分かるように、カウンタ値の最大値は一定値となっている。
まず、パケットカウンタ215にパケットが到着すると、1パケット分のカウンタ値が増加する。一方で、カウンタ値はVCO213−4の速度に従い減算されていく。図中ではこのカウンタ値の推移をL20として示している。VCO213−4の減算速度は、パケット到着間隔において1つのパケットが到着したときに増加する分と同じ数だけ、カウンタ値が減算されている。図7に示す例では、各パケットは遅延を受けずに一定間隔で到着しているため、パケット到着毎にカウンタ値の増加、減少を繰り返しており、パケットが到着した際のカウンタ最大値はどのパケットの到着時であっても常に一定となっている。
これに対して、図8では、遅延ゼロのパケットの到着した際のカウンタ値の最大値が一定値になっている点は図7と同様である。しかし、中ほどでTSパケットが遅延を受けている部分では、パケット到着時のカウンタ値は最大値よりも小さくなっている点が図7と異なる。
はじめの3パケットまでは、図7と同様にパケットが遅延を受けておらず、パケット到着毎にカウンタ値の増加、減少を繰り返し、増加した時のカウンタ最大値は一定となっている。
しかし、その後、4パケット目から7パケット目までのパケットは遅延が付加されている。パケットに遅延が付加された場合、パケット到着が遅れることにより、到着が遅れた分だけカウンタ値の減少が進み、カウンタ値の下限値はパケットが遅延を受けていないときに比べてより小さくなる。また、パケット到着時のカウンタ増加量は1パケット分で等しいため、遅延を受けたパケットの到着時のカウンタ値は、遅延ゼロで到着する場合の最大値よりも小さくなっている。
その後、8パケット目で遅延がゼロのパケットが到着した時は、カウンタ値がそれ以前に遅延ゼロでパケットが到着した時の最大値まで達している。それ以降の遅延ゼロのパケットについても同一の最大値に達している。
以上、図7及び図8を参照して説明したように、遅延がゼロのパケットが到着した時にパケットカウンタ215のカウンタ値は最大値となり、遅延を受けたパケットが到着した時にはカウンタ値は最大値に届かないということが分かる。
このことから、あるモニタ期間(例えば10秒間)において、遅延がゼロのパケットが1つでも到着する場合には、そのモニタ期間におけるカウンタ最大値を計測することで、その最大値を遅延ゼロの基準点と見なすことができる。
発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、従来は遅延ゼロの基準点を認識することができなかったのに対して、この原理を用いることにより、モニタ期間における最大値をカウンタ値という軸における遅延ゼロの基準点と見なせることから、遅延ゼロの基準点を認識することができるようになる。そして、このように遅延ゼロの基準点を認識できるようになったことを利用して各パケットの遅延量を算出することができる。以下、図9を参照して算出方法について具体的に説明する。
図9は図8と同様に、TSパケットP20〜P29の到着状況とそれに対応するパケットカウンタ215のカウンタ値C10〜C19の増減状況を示している。TSパケットはネットワーク内でランダムに遅延が付加されている。図9の例では、TSパケットP20、P21、P22、P27、P29は遅延が付加されておらず、TSパケットP23、P24、P25、P26、P28は遅延が付加されている。図9では、横軸方向が経過時間を、縦軸方向がカウンタ値を示している。
図7及び図8で説明したように、遅延ゼロのパケットが到着した時のカウンタ値であるカウンタ最大値L28を遅延ゼロの基準点と見なすことができる。これに対して、遅延を受けたパケットが到着する際、遅延量に比例して到着時カウンタ値C10〜C19はカウンタ最大値L28より小さな値となっている。そのため、遅延を受けたパケットが到着した時のカウンタ値C10〜C19とカウンタ最大値L28との差分は、遅延量に比例した量となっている。このことから、各パケットが到着する際に、カウンタ最大値L28と到着時のカウンタ値C10〜C19の差分を計算し、カウンタ値(ビット数)をリンク速度LS[bps]を用いて時間に換算することで遅延を算出することができる。計算式は以下の通りである。
・遅延[ビット数]=カウンタ最大値L28−到着時カウンタ値C10〜C19
・遅延[時間]=(カウンタ最大値L28−到着時カウンタ値C10〜C19)/LS
なお、前述のようにカウンタ最大値L28は所定のモニタ期間におけるカウンタ値を計測して最大値を検出している。この検出したカウンタ最大値は次のモニタ期間における遅延算出に用いられる。したがって、上の式をより詳しく書くと、
・或るモニタ期間Xにおける遅延[ビット数]=モニタ期間X−1におけるカウンタ最大値L28−モニタ期間Xに到着したパケットの到着時カウンタ値C10〜C19
・或るモニタ期間Xにおける遅延[時間]=モニタ期間X−1におけるカウンタ最大値L28−モニタ期間Xに到着したパケットの到着時カウンタ値C10〜C19/LS
となる。
<動作の説明>
課題解決の基本的な考え方で説明したように、本発明では、モニタ期間におけるカウンタ最大値と各パケットの到着時のカウンタ値との差分から遅延量を算出することを特徴としている。これを実現するためのスレーブノードの動作について図10及び図11を参照して説明する。
図10は図6における遅延計測部214の詳細な構成を示している。また、図11は遅延計測部214の動作フローを示すフローチャートである。図10、11を用いて、遅延算出に関する動作を説明する。
図10に示すように、遅延計測部214は、遅延算出部214−1とカウンタ最大値モニタ部214−2と到着時カウンタ値モニタ部214−3を有する。カウンタ最大値モニタ部214−2と到着時カウンタ値モニタ部214−3は、パケットカウンタ215をモニタすることにより、それぞれ、カウンタ最大値と到着時カウンタ値を把握する。そして、カウンタ最大値モニタ部214−2と到着時カウンタ値モニタ部214−3は、モニタの結果を遅延算出部214−1に通知する。遅延算出部214−1はその通知された情報を用いて遅延を算出する。そして、算出した遅延情報をパケットフィルタ212に通知する。
図11を用いて遅延計測部214の詳細な動作を説明する。
図7乃至9で説明したように、TSパケットの到着状況に応じてパケットカウンタ215のカウンタ値L20、L24、L28は増減している。
まず、カウンタ最大値モニタ部214−2はモニタ期間iにおけるカウンタ最大値P(i)をモニタする(ステップS101)。
モニタ期間iが終了すると、カウンタ最大値モニタ部214−2は計測したモニタ期間iにおけるカウンタ最大値P(i)を遅延算出部214−1に通知する(ステップS102)。すなわち、遅延算出部214−1にはモニタ期間経過毎にカウンタ最大値P(i)が通知されることになる。
一方、到着時カウンタ値モニタ部214−3は、モニタ期間iにおけるn番目のTSパケットが到着すると、到着時のカウンタ値C(i,n)をモニタする(ステップS103)。
そして、到着時カウンタモニタ部214−3は、TSパケット到着毎に、その都度計測したカウンタ値C(i,n)を遅延算出部214−1に通知する(ステップS104)。
次に、遅延算出部214−1は、到着時カウンタモニタ部214−3からカウンタ値C(i,n)を受信する毎に、カウンタ最大値モニタ部214−2から通知されているカウンタ最大値P(i)とを用いて、以下の式で遅延D(i,n)を計算する(ステップS105)。
・D(i,n)=P(i−1)−C(i,n)
ここで注意するのは、カウンタ最大値P(i)がP(i−1)となっていることである。すなわち、一つ前のモニタ期間の最大値P(i−1)が、モニタ期間iにおける遅延計算に使用される。
最後に、遅延算出部214−1はステップS105で遅延D(i,n)を計算する毎に、パケットフィルタ212に遅延情報D(i,n)を通知する(ステップS106)。
上述の動作を行うことにより、遅延計測部214がこれまで説明したように本発明の実施形態の特徴であるパケットカウンタ215のカウンタ値の変化量を用いて遅延量を正しく算出できる。そのため、パケットフィルタ212は遅延計測部214から通知される遅延量D(i,n)と予め設定されたフィルタ閾値Dthとを比較することで、遅延が小さいパケットを適切に選択することができる。パケットフィルタ212は以下の条件にしたがって、パケットの採用/廃棄を決定する。
・D(i,n)≦Dthならば採用
・D(i,n)>Dthならば廃棄
このフィルタ条件を図7乃至9で説明したパケットカウンタ215のカウンタ値に当てはめた図が図12である。
遅延ゼロの基準ラインとなるカウンタ最大値L28に対して、フィルタ閾値L29はカウンタ最大値L28からフィルタ閾値に相当するカウンタ量だけ減少した値となる。パケット到着時のカウンタ値が閾値ラインとカウンタ最大値との間にあれば採用、閾値ラインよりも下回っていれば廃棄となる。図12の例では、TSパケットP24、P25、P28が廃棄、それ以外のTSパケットは採用となる。
以上説明した本発明の実施形態について、実際の数値を当てはめた時の数値例を図13に示した。図13では、図6におけるマスタノード200とスレーブノード210の間のリンク帯域が10Mbps、マスタノード200が送信するTSパケット230(図13におけるTSパケットP20〜P29)の送信間隔を1msec、スレーブノード210のパケットフィルタ212で設定されているフィルタ閾値が10usecであるという条件を置いている。リンク帯域10Mbpsでは時間当たりのビット数は、例えば1usecあたりでは10ビットとなるため、フィルタ閾値=10usecをビット換算すると、100ビットとなる。したがって、パケットフィルタ212におけるフィルタ条件としてはDth=100となる。また、カウンタ最大値は10000となっている。
以上説明した条件のもとで、TSパケットP20〜P29が図の下段に記載のようなタイミングで到着した場合のカウンタ値の推移を表すL26を図の中段に記載しており、各TSパケットP20〜P29の到着時カウンタ値C10〜C19とそこから計算される遅延と計算した遅延に基づきフィルタ処理した結果である採用/廃棄の情報について、上段の表にまとめている。
TSパケットP20〜P22、P27、P29は到着時カウンタ値が10000であるため、遅延の算出式で計算すると、
・遅延=カウンタ最大値−到着時カウンタ値=10000−10000=0
となる。パケットフィルタ212での判定としては、
・遅延=0<フィルタ閾値=100
となるため、採用となる。
また、TSパケットP23、P26は到着時カウンタ値がそれぞれ9950、9900であるため、遅延は、
・TSパケットP23:遅延=カウンタ最大値−到着時カウンタ値=10000−9950=50
・TSパケットP26:遅延=カウンタ最大値−到着時カウンタ値=10000−9900=100
となる。パケットフィルタ212での判定としては、
・TSパケットP23:遅延=50≦フィルタ閾値=100
・TSパケットP26:遅延=100≦フィルタ閾値=100
となるため、採用となる。
一方、TSパケットP24、P25、P28は到着時カウンタ値がそれぞれ9850、9800、9700であるため、遅延は、
・TSパケットP24:遅延=カウンタ最大値−到着時カウンタ値=10000−9850=150
・TSパケットP25:遅延=カウンタ最大値−到着時カウンタ値=10000−9800=200
・TSパケットP28:遅延=カウンタ最大値−到着時カウンタ値=10000−9700=300
となる。パケットフィルタ212での判定としては、
・TSパケットP24:遅延=150>フィルタ閾値=100
・TSパケットP25:遅延=200>フィルタ閾値=100
・TSパケットP28:遅延=300>フィルタ閾値=100
となるため、いずれも廃棄となる。
また、TSパケットP20〜P29に関して、算出したカウンタ値としての遅延はそれぞれ、0、0、0、50、150、200、100、0、300、0であり、これを1usecに対して10ビットという比率で時間換算すると、それぞれ、0、0、0、5us、15us、20us、10us、0、30us、0となる。これは図13の最下部に記している各パケットの遅延値と同一となっている。
ここまで、本発明の構成、動作、具体的数値を用いた動作例を説明した。これまでの説明では、パケットカウンタ215は、TSパケット受信部211からTSパケット230を受信する毎に、カウンタの値を所定の値分だけ増加させるとともに、VCO213−4で決定される周波数に従い、カウンタの値を減少させるという動作していた。ここで、TSパケット230がパケットネットワーク220で廃棄された場合、カウンタ値が1パケット分シフトしてしまうという問題がある。これを考慮した他の動作例を説明する。
ここでは、TSパケット230に格納されるTS値を利用する。前述のように、TSとはマスタノード200のクロックを基にして生成される時間情報を示す値である。したがって、マスタノード200が或る時間に送信したTSパケット230とその次に送信したTSパケット230に格納されるTS値の差分は送信間隔を示す。マスタノード200は等間隔でTSパケット230を送信することを前提としているので、マスタノード200が送信する隣接のTSパケット230のTS値の差分は一定値(例えばT)となる。このことを利用すると、スレーブノード210において、到着するTSパケット230毎に格納されるTS値の差分を見てみると、パケットネットワーク220においてパケット廃棄がない場合の差分はTとなる。一方、例えば1パケット廃棄された場合は、到着間隔は2倍になるため、差分は2Tとなる。このことから、スレーブノード210において受信したTSパケット230と一つ前に受信したTSパケット230のTS値の差分を計算することにより、パケット廃棄が行われたか否かが判断出来る。また、廃棄が行われたとした場合に、パケットが連続していくつ廃棄されたのかということも判断出来る。
そこでパケットカウンタ215の動作として、TSパケット受信部211からTSパケット230を受信すると、TSパケット230に格納されている受信TSの値を抽出し、一つ前に受信したTSパケット230の受信TSの値との差分を計算する。そして差分をTで割った数Xを求め、カウンタの値を所定の数×Xだけ増加させることとする。カウンタ値の減少については、これまでと同様にVCO213−4で決定される周波数に従い、カウンタの値を減少させることとする。このような動作をすることにより、パケットネットワーク220においてTSパケット230が廃棄された場合でも、パケットカウンタ215のカウンタ値は1パケット分シフトすることなく、これまでと同様の増減状況を示すこととなり、パケット廃棄に対応可能となる。
最後に、図14−1及び図14−2に記載の具体的な性能評価例を用いて、本発明の効果について説明する。
図14−1は、本発明の第一の効果として、遅延量の計測が正しく行なわれているかを確認するために、ここまで説明した方法で計測した遅延量の確率分布を示している。図6のパケットネットワーク220の位置にネットワークエミュレータを接続し、マスタノード200から定期的に送出されるTSパケット230に対して、遅延を付加し、スレーブノード210において、提案する発明により遅延を測定している。図14−1では、ネットワークエミュレータで付加した遅延の分布とスレーブノード210で計測した遅延の分布を示している。横軸が付加した遅延、縦軸が確率を示している。3種類の分布を付加した時の結果を示しているが、いずれの場合も計測した遅延分布がネットワークエミュレータで付加した遅延分布にほぼ一致しており、スレーブノード210において本発明の手法により遅延を正しく計測していることが示されている。
また、図14−2は、本発明の第二の効果として、スレーブノード210の遅延計測部214で本発明の計測方法により計測した遅延情報に基づきパケットフィルタ212でフィルタ処理を行なった時とフィルタ処理を行なわない時のクロック同期精度を示している。図14−1と同様に、パケットネットワーク220の位置でネットワークエミュレータにより遅延を付加しており、ここでは、一様分布の遅延を付加している。図14−2では、横軸が一様分布における最大遅延の値、縦軸がクロック同期精度を示している。マスタノード200からのTSパケット230の送信間隔は100msec、スレーブノード210のパケットフィルタ212でのフィルタ閾値は5usecとしている。図14−2より、本発明の遅延計測に基づきパケットフィルタを行なう場合はフィルタを行なわない場合に比べ、クロック同期精度を大幅に改善している。また、前述した、モバイルバックホールで要求される50ppbというクロック同期精度の要求値も満たしている。
以上の図14−1及び図14−2より、本発明を用いることにより、遅延を正しく計測することができ、その計測した遅延に基づきパケットフィルタ処理を行なうことにより、遅延小のパケットのみを選択することができ、遅延大のパケットの影響を排除できることから、良好なクロック同期精度を得られるという効果が確認できる。
<実施形態2>
実施形態1では、各パケットの遅延量を算出するために、遅延ゼロのパケットが到着した時のカウンタ値であるカウンタ最大値を遅延ゼロの基準点と見なし、各パケットが到着する際に、カウンタ最大値と到着時のカウンタ値との差分を計算することにより遅延を算出した。
本実施形態2では、他の遅延の算出方法について説明する。
実施形態1におけるカウンタ値の取り扱いをより詳細に見てみると、到着時のカウンタ値並びにその中の一つとなるカウンタ最大値は、到着パケットのカウンタ増加分を加算した後のカウンタ値である。パケット到着時のカウンタ増加量は1パケット分と一定であるため、到着時のカウンタ値として参照する値を、到着パケットのカウンタ増加分を加算する前の値としても、同様の効果が得られる。そこで、実施形態2では、到着時のカウンタ値をカウンタ増加分加算前の値として、遅延量を計測することとする。
図15は実施形態1の図9に相当する図である。カウンタ値の推移L26はパケットカウンタ215のカウンタ値の増減状況を示している。到着するTSパケットP20〜P29とその到着タイミングは図9と同様となっている。実施形態1の図9では到着時カウンタ値をカウンタ増加分加算C10〜C19としていたのに対して、実施形態2ではカウンタ増加分加算前のC20〜C29としている。到着時カウンタ値をカウンタ増加分加算前のC20〜C29としているため、カウンタ最大値L30も到着時カウンタ値C20〜C29の中の最大値となる(カウンタ最大値L30をカウンタ増加分加算前の到着時カウンタ値C20〜C29の中の最大値としているため、カウンタ最大値L30がカウンタ値の推移L26の中の最大値を示しているわけではない)。
遅延量の計算方法は実施形態1と変わらず、カウンタ最大値L30と到着時カウンタ値C20〜C29との差分となり、カウンタ値(ビット数)をリンク速度LS[bps]を用いて時間換算すれば算出できる。
・遅延[ビット数]=カウンタ最大値L30−到着時カウンタ値C20〜C29
・遅延[時間]=(カウンタ最大値L30−到着時カウンタ値C20〜C29)/LS
図15で説明した遅延算出におけるカウンタ値の取り扱いの変更に伴い、遅延計測部214の動作フローも一部変更となる。図16は実施形態2における遅延計測部214の動作を示すフローチャートである。実施形態1における遅延計測部214の動作フローを示した図11に対して、ステップS101とS103がステップS201、S203に変更となる。他のステップは、対象をPからP’へ、CからC’へと変更したのみであり、実質的には図11に示す各ステップと同様の動作である。
まず、カウンタ最大値モニタ部214−2はモニタ期間iにおけるカウンタ最大値(カウンタ増加分加算前のカウンタ値の中での最大値P’(i)をモニタする(ステップS201)。
モニタ期間iが終了すると、カウンタ最大値モニタ部214−2は計測したモニタ期間iにおけるカウンタ最大値P’(i)を遅延算出部214−1に通知する(ステップS202)。すなわち、遅延算出部214−1にはモニタ期間経過毎にカウンタ最大値P’(i)が通知される。
一方、ステップ1602において、到着時カウンタ値モニタ部214−3は、モニタ期間iにおけるn番目のTSパケットが到着すると、到着時のカウンタ値(カウンタ増加分加算前のカウンタ値)C’(i,n)をモニタする(ステップS203)。
そして、着時カウンタモニタ部214−3は、TSパケット到着毎に、その都度計測したカウンタ値C’(i,n)を遅延算出部214−1に通知する(ステップS204)。
ステップでは、遅延算出部214−1は、到着時カウンタモニタ部214−3からカウンタ値C’(i,n)を受信する毎に、カウンタ最大値モニタ部214−2から通知されているカウンタ最大値P’(i)とを用いて、以下の式で遅延D(i,n)を計算する(ステップS20)。
・D(i,n)=P’(i−1)−C’(i,n)
なお、ステップS101での記載の繰り返しになるが、カウンタ最大値P’(i)はモニタ期間経過毎にカウンタ最大値モニタ部214−2から受信され、更新される。
最後に、遅延算出部214−1はステップ1104で遅延D(i,n)を計算する毎に、パケットフィルタ212に遅延情報D(i,n)を通知する(ステップS206)。
パケットフィルタ212では、実施形態1と同様に、予め設定されたフィルタ閾値Dthと受信した遅延情報D(i,n)とを比較して、以下の条件に従ってパケットの採用/廃棄を決定する。
・D(i,n)≦Dthならば採用
・D(i,n)>Dthならば廃棄
図15では、遅延ゼロの基準ラインとなるカウンタ最大値L30に対して、フィルタ閾値ラインL31はカウンタ最大値L30からフィルタ閾値に相当するカウンタ量だけ減少した値となる。パケット到着時のカウンタ値が閾値ラインL31とカウンタ最大値L30との間にあれば採用、閾値ラインL31よりも下回っていれば廃棄となる。図15の例では、TSパケットP24、P25、P28が廃棄、それ以外は採用となる。
以上説明したように、実施形態1では、遅延を計算する際に参照するカウンタ値を到着パケットのカウンタ増加分を加算した後の値としたのに対して、本実施形態2では、到着パケットのカウンタ値増加分を加算する前の値としている。パケット到着時のカウンタ増加量は1パケット分で一定であるため、実施形態2でのカウンタ最大値L30と到着時カウンタ値C20〜C29は実施形態1でのカウンタ最大値L28と到着時カウンタ値C10〜C19からそれぞれ1パケット分のカウンタ増加量を差し引いた値となっている。そのため、実施形態2の遅延量=カウンタ最大値L30−到着時カウンタ値C20〜C29は実施形態1の遅延量=カウンタ最大値L28−到着時カウンタ値C10〜C19と等しい。その結果、実施形態2の遅延量計算方法でも実施形態1と同様に、正しく遅延を計測することができ、その計測した遅延に基づきパケットフィルタ処理を行なうことにより、良好なクロック同期精度を得ることができるという効果を得ることができる。
<実施形態3>
実施形態1、2では、各パケットの遅延量を算出するために、遅延ゼロのパケットが到着した時のカウンタ値であるカウンタ最大値を遅延ゼロの基準点と見なし、各パケットが到着する際に、カウンタ最大値と到着時のカウンタ値との差分を計算することにより遅延を算出していた。
本実施形態3では、他の遅延の算出方法について説明する。
実施形態1、2のパケットカウンタ215では、パケットが到着すると1パケット分のカウンタ値が加算され、一方で、通常時はVCO213−5の速度に従いカウンタ値は減算されている。
これに対して、本実施形態3では、パケットカウンタ215のカウンタ値の加算/減算方法を変更する。実施形態3においては、パケットカウンタ215は、パケットが到着すると1パケット分のカウンタ値を減算し、一方で、通常時はVCO213−5の速度に従いカウンタ値は加算される、という動作に変更するものとする。以上の変更に伴い、図6の構成図が図17に変更される。図17を参照すると分かるように図6におけるスレーブノード210、遅延計測部214、パケットカウンタ215がスレーブノード310、遅延計測部314、減算/加算パケットカウンタ315に変更される。
図18は、本実施形態における実施形態1の図9に相当する図である。カウンタ値の推移L40は減算/加算パケットカウンタ315のカウンタ値の増減状況を示している。到着するTSパケットP20〜P29とその到着タイミングは図9と同様となっている。実施形態3では、パケット到着時のカウンタ値の扱いとして、カウンタ減少分減算後の値を到着時カウンタ値C30〜C39としている。実施形態1、2では、遅延ゼロパケットが到着した時のカウンタ値はカウンタ最大値となり、遅延が付加されたパケットが到着した時の到着時カウンタ値は遅延量に応じて最大値からカウンタ値が減少していた。これに対して、本実施形態3では、減算/加算パケットカウンタ315のカウンタ値の加算/減算方法が変更されるため、遅延ゼロパケットが到着した時のカウンタ値はカウンタ最小値L42となり、遅延が付加されたパケットが到着した時の到着時カウンタ値C30〜C39は遅延量に応じてカウンタ最小値L42からカウンタ値が増加する。
したがって、遅延量の計算方法は実施形態1、2からは以下のように変更される。すなわち、遅延量は、到着時カウンタ値C30〜C39とカウンタ最小値L42との差分となり、カウンタ値(ビット数)をリンク速度LS[bps]を用いて時間換算すれば算出できる。
・遅延[ビット数]=到着時カウンタ値C30〜C39−カウンタ最小値1820
・遅延[時間]=(到着時カウンタ値C30〜C39−カウンタ最小値1820)/LS
図18で説明した遅延算出におけるカウンタ値の取り扱いの変更に伴い、遅延計測部214の構成ならびに動作フローも一部変更となり、遅延計測部314となる。
図19は図17における遅延計測部314の詳細構成を示し、図20は遅延計測部314の動作フローを示している。図19、20を用いて、実施形態3における遅延計測部314の構成と、遅延算出に関する動作を説明する。
図19に示すように、遅延計測部314は、遅延算出部314−1とカウンタ最小値モニタ部314−2と到着時カウンタ値モニタ部214−3を有する。カウンタ最小値モニタ部314−2と到着時カウンタ値モニタ部214−3は、減算/加算パケットカウンタ315をモニタすることにより、それぞれ、カウンタ最小値と到着時カウンタ値を把握する。そして、カウンタ最小値モニタ部314−2と到着時カウンタ値モニタ部214−3は、モニタの結果を遅延算出部314−1に通知する。遅延算出部314−1はその通知された情報を用いて遅延を算出する。そして、算出した遅延情報をパケットフィルタ212に通知する。
図20を用いて実施形態3における遅延計測部314の動作を説明する。
まず、カウンタ最小値モニタ部314−2はモニタ期間iにおけるカウンタ最小値M(i)をモニタする(ステップS301)。
モニタ期間iが終了すると、カウンタ最小値モニタ部314−2は計測したモニタ期間iにおけるカウンタ最小値M(i)を遅延算出部314−1に通知する(ステップS302)。すなわち、遅延算出部314−1にはモニタ期間経過毎にカウンタ最小値M(i)が通知される。
一方、到着時カウンタ値モニタ部214−3は、モニタ期間iにおけるn番目のTSパケットが到着すると、到着時のカウンタ値(カウンタ減少分減算後のカウンタ値)A(i,n)をモニタする(ステップS303)。
そして、到着時カウンタモニタ部214−3は、TSパケット到着毎に、その都度計測したカウンタ値A(i,n)を遅延算出部314−1に通知する(ステップS304)。
次に、遅延算出部314−1は、到着時カウンタモニタ部214−3からカウンタ値A(i,n)を受信する毎に、カウンタ最小値モニタ部314−2から通知されているカウンタ最小値M(i)とを用いて、以下の式で遅延D(i,n)を計算する(ステップS305)。
・D(i,n)=A(i,n)−M(i−1)
最後に、遅延算出部314−1はステップ2004で遅延D(i,n)を計算する毎に、パケットフィルタ212に遅延情報D(i,n)を通知する(ステップS306)。
パケットフィルタ212では、実施形態1、2と同様に、予め設定されたフィルタ閾値Dthと受信した遅延情報D(i,n)とを比較して、以下の条件に従ってパケットの採用/廃棄を決定する。
・D(i,n)≦Dthならば採用
・D(i,n)>Dthならば廃棄
図18では、遅延ゼロの基準ラインとなるカウンタ最小値L42に対して、フィルタ閾値ラインL43はカウンタ最小値L42からフィルタ閾値に相当するカウンタ量だけ増加した値となる。パケット到着時のカウンタ値がカウンタ最小値L42と閾値ラインL43との間にあれば採用、閾値ラインL43よりも上回っていれば廃棄となる。図18の例では、TSパケットP24、P25、P28が廃棄、それ以外は採用となる。
以上説明したように、実施形態1では、パケットカウンタ215は、パケットが到着すると1パケット分のカウンタ値が加算され、一方で、通常時はVCO213−5の速度に従いカウンタ値は減算されていたのに対して、本実施形態3では、減算/加算パケットカウンタ315は、パケットが到着すると1パケット分のカウンタ値を減算し、一方で、通常時はVCO213−5の速度に従いカウンタ値は加算されるという動作を行なっている。
これに応じて遅延ゼロとなる基準点が実施形態1のカウンタ最大値から実施形態3ではカウンタ最小値に変更となる。それと共に、遅延の算出式を到着時カウンタ値とカウンタ最小値との差分としている。その結果、実施形態3の遅延量計算方法でも実施形態1と同様に、正しく遅延を計測することができ、その計測した遅延に基づきパケットフィルタ処理を行なうことにより、良好なクロック同期精度を得ることができるという効果がある。
<実施形態4>
実施形態4では、実施形態3の遅延算出方法を一部変更する。
実施形態3では、減算/加算パケットカウンタ315は、パケットが到着すると1パケット分のカウンタ値を減算し、一方で、通常時はVCO213−5の速度に従いカウンタ値は加算されるという動作を行ない、その上で、到着時のカウンタ値並びにその中の一つとなるカウンタ最小値は、到着したパケットのカウンタ減少分を減算した後の値としている。パケット到着時のカウンタ減少量は1パケット分で一定であるため、到着時のカウンタ値として参照する値を、到着したパケットのカウンタ減少分を減算する前の値としても、同様の効果が得られる。そこで、実施形態4では、到着時のカウンタ値をカウンタ減少分減算前の値として、遅延量を計測することとする。
図21は実施形態3の図18に相当する図である。カウンタ値の推移L40は減算/加算パケットカウンタ315のカウンタ値の増減状況を示している。到着するTSパケットP20〜P29とその到着タイミングは図9と同様となっている。実施形態3の図18では到着時カウンタ値をカウンタ減少分減算後のC30〜C39としていたのに対して、実施形態4ではカウンタ減少分減算前のC40〜C49としている。到着時カウンタ値をカウンタ減少分減算前のC40〜C49としているため、カウンタ最小値L44も到着時カウンタ値C40〜C49の中の最小値となる。なお、ここではカウンタ最小値L44という表現を用いているが、カウンタ値の推移L40における最小値ではなく、カウンタ減少分減算前の到着時カウンタ値C40〜C49の中での最小値となる。遅延量の計算方法は実施形態3と変わらず、到着時カウンタ値とカウンタ最小値との差分となり、カウンタ値(ビット数)をリンク速度LS[bps]を用いて時間換算すれば算出できる。
・遅延[ビット数]=到着時カウンタ値C40〜C49−カウンタ最小値2120
・遅延[時間]=(到着時カウンタ値C40〜C49−カウンタ最小値2120)/LS
図21で説明した遅延算出におけるカウンタ値の取り扱いの変更に伴い、遅延計測部314の動作フローも一部変更となる。図22は実施形態4における遅延計測部314の動作を示すフローチャートである。実施形態3における遅延計測部314の動作フローを示した図20に対して、ステップS301とS303がステップS401、S403に変更となる。他のステップは、対象をMからM’へ、AからA’へと変更したのみであり、実質的には図20に示す各ステップと同様の動作である。
まず、カウンタ最小値モニタ部1901はモニタ期間iにおけるカウンタ最小値(カウンタ減少分減算前のカウンタ値の中での最小値)M’(i)をモニタする(ステップS401)。
また、到着時カウンタ値モニタ部214−3は、モニタ期間iにおけるn番目のTSパケットが到着すると、到着時のカウンタ値(カウンタ減少分減算前のカウンタ値)A’(i,n)をモニタする(ステップS403)。
他の各ステップは図20と同様である。
パケットフィルタ212では、実施形態1、2及び3と同様に、予め設定されたフィルタ閾値Dthと受信した遅延情報D(i,n)とを比較して、以下の条件に従ってパケットの採用/廃棄を決定する。
・D(i,n)≦Dthならば採用
・D(i,n)>Dthならば廃棄
図21では、遅延ゼロの基準ラインとなるカウンタ最小値L44に対して、フィルタ閾値ラインL45はカウンタ最小値L44からフィルタ閾値L45に相当するカウンタ量だけ増加した値となる。パケット到着時のカウンタ値がカウンタ最小値L44と閾値ラインL45との間にあれば採用、閾値ラインよりも上回っていれば廃棄となる。図18の例では、TSパケットP24、P25、P28が廃棄、それ以外は採用となる。
以上説明したように、実施形態3では、遅延を計算する際に参照するカウンタ値を到着パケットのカウンタ減少分を減算した後の値としたのに対して、本実施形態4では、到着パケットのカウンタ値減少分を減算する前の値としている。パケット到着時のカウンタ減少量は1パケット分で一定であるため、実施形態4でのカウンタ最小値L44と到着時カウンタ値C40〜C49は実施形態3でのカウンタ最大値L42と到着時カウンタ値C30〜C39からそれぞれ1パケット分のカウンタ減少量を加えた値となっている。そのため、実施形態4の遅延量=到着時カウンタ値C40〜C49−カウンタ最小値L44は、実施形態3の遅延量=到着時カウンタ値1830〜1839−カウンタ最小値L42と等しい。その結果、実施形態4の遅延量計算方法でも実施形態3と同様に、正しく遅延を計測することができ、その計測した遅延に基づきパケットフィルタ処理を行なうことにより、良好なクロック同期精度を得ることができるという効果がある。
<効果>
以上説明したように、本発明によれば、遅延計測部が所定の計測時間の間、パケットカウンタのカウンタ値を監視し、計測時間における最大値または最小値を遅延ゼロパケット到着時の基準点と認識し、基準点であるカウンタ最大値または最小値と各パケットの到着時のカウンタ値との差分から遅延量を算出することができるという効果を奏する。
更に、パケットフィルタでは、この遅延量を用いて、設定された閾値より遅延が小さいパケットを適切に選択することができるため、遅延量の小さいパケットのみをクロック同期回路に取り込むことが可能となり、同期精度を向上できるという効果を奏する。
なお、本発明の実施形態であるマスタノード及びスレーブノードは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合せにより実現することができる。
タイムスタンプ方式を用いた場合のネットワーク構成並びにスレーブノード構成を示す図である。 遅延の確率分布を示す図である。 パケットフィルタ機能を用いた時のスレーブノード構成を示す図である。 マスタノードとスレーブノードが同期している場合の各ノードのクロック並びにTSパケットの転送/到着タイミングを示す図である。 マスタノードとスレーブノードが同期せず、スレーブノードが速い場合の各ノードのクロック並びにTSパケットの転送/到着タイミングを示す図である。 本発明の実施形態のマスタノード並びにスレーブノードの構成を示す図である。 パケットネットワークにおける遅延がない場合のTSパケットの到着タイミング並びにそれに応じたパケットカウンタ215のカウンタ値を示す図である。 パケットネットワークにおける遅延がある場合のTSパケットの到着タイミング並びにそれに応じたパケットカウンタ215のカウンタ値を示す図である。 本発明の実施形態1の遅延算出方法を説明するためのTSパケットの到着タイミング並びにそれに応じたパケットカウンタ215のカウンタ値を示す図である。 本発明の実施形態における遅延計測部214の詳細構成図である。 本発明の実施形態1の遅延計測部214の処理フローを示す図である。 本発明の実施形態1のフィルタ動作を説明するためのTSパケットの到着タイミング並びにそれに応じたパケットカウンタ215のカウンタ値を示す図である。 本発明の実施形態1のフィルタ動作を説明するためのTSパケットの到着タイミング並びにそれに応じたパケットカウンタ215のカウンタ値の具体例を示す図である。 本発明の第一の効果を示す遅延分布の性能評価結果を示す図である。 本発明の第二の効果を示すクロック同期精度の性能評価結果を示す図である。 本発明の実施形態2の遅延算出方法を説明するためのTSパケットの到着タイミング並びにそれに応じたパケットカウンタ215のカウンタ値を示す図である。 本発明の実施形態2の遅延計測部214の処理フローを示す図である。 本発明の実施形態3のマスタノード並びにスレーブノードの構成を示す図である。 本発明の実施形態3の遅延算出方法を説明するためのTSパケットの到着タイミング並びにそれに応じた減算/加算パケットカウンタ315のカウンタ値を示す図である。 本発明の実施形態4の遅延計測部314の詳細構成図である。 本発明の実施形態3の遅延計測部314の処理フローを示す図である。 本発明の実施形態4の遅延算出方法を説明するためのTSパケットの到着タイミング並びにそれに応じた減算/加算パケットカウンタ315のカウンタ値を示す図である。 本発明の実施形態4の遅延計測部1714の処理フローを示す図である。
符号の説明
100、200 マスタノード
110、150、210、310 スレーブノード
120、230、P11、P12、P13、P14、P15、P20、P21、P22、P23、P24、P25、P26、P27、P28、P29 TSパケット
130、220 パケットネットワーク
140、213 PLL
141、213−1 位相比較器
142、213−2 LPF
143、213−3 PI制御器
144、213−4 VCO
145、213−5 カウンタ
151、212 パケットフィルタ
201 TSパケット生成部
202 TSパケット送信部
211 TSパケット受信部
214、314 遅延計測部
215 パケットカウンタ
214−1、314−1 遅延算出部
214−2 カウンタ最大値モニタ部
214−3 到着時カウンタ値モニタ部
314−2 カウンタ最小値モニタ部
315 減算/加算パケットカウンタ
C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49 カウンタ値
L11 マスタノードの時間軸
L12 マスタクロック
L13 スレーブノードの時間軸
L14、501 スレーブクロック
L20、L23、L26、L40 カウンタ値の推移
L21、L24、L27、L41 TSパケットの到着タイミング
L22、L25、L28、L30 カウンタ最大値
L31、L43、L45 フィルタ閾値
L42、L44 カウンタ最小値

Claims (27)

  1. 送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてキューイング遅延を計測する受信側ノードであって、
    前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信手段と、
    前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理するパケットカウンタと、
    前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測手段と、
    を備えることを特徴とする受信側ノード。
  2. 送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてクロックを同期させる受信側ノードであって、
    前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信手段と、
    前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理するパケットカウンタと、
    前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測手段と、
    前記キューイング遅延計測手段で計測したキューイング遅延量と所定の閾値とを比較し、比較の結果前記閾値以下のキューイング遅延を含むと判断されたパケットのみを採用するパケットフィルタと、
    前記パケットフィルタにおいて採用された前記パケットを元に当該受信側ノードのクロックを再生する位相同期手段と、
    を備えることを特徴とする受信側ノード。
  3. 請求項1又は2に記載の受信側ノードであって、
    前記キューイング遅延計測手段は、所定の計測時間の間、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、送信されてきた前記パケットの中でキューイング遅延がゼロのパケットが到着した時のカウンタ値を検出し、その値を基準値とし、前記パケット到着時のカウンタ値と前記基準値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とする受信側ノード。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の受信側ノードであって、
    前記パケットカウンタは、前記パケットの到着時に所定のカウンタ値が加算され、通常時には前記送信側ノードが前記パケットを1つ送信する時間間隔に前記所定のカウンタ値と同じ値だけ減算される速さでカウンタ値が減算されることを特徴とする受信側ノード。
  5. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の受信側ノードであって、
    前記送信されてくる前記パケットはタイムスタンプパケットであり、前記パケットカウンタは、前記パケットの到着時に格納されるタイムスタンプ値と一つ前に到着した前記パケットに格納されるタイムスタンプ値の差分が所定の値のN(Nは1以上の自然数)倍である時に、前記所定のカウンタ値のN倍の値が加算され、通常時には前記送信側ノードが前記パケットを1つ送信する時間間隔に前記所定のカウンタ値と同じ値だけ減算される速さでカウンタ値が減算されることを特徴とする受信側ノード。
  6. 請求項4又は5に記載の受信側ノードであって、
    前記キューイング遅延計測手段は、前記パケット到着時に前記所定のカウンタ値を加算した後の値を到着時カウンタ値とし、前記所定の計測時間の間での前記到着時カウンタ値の最大値をカウンタ最大値として基準値とし、前記カウンタ最大値と前記到着時カウンタ値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とする受信側ノード。
  7. 請求項4又は5に記載の受信側ノードであって、
    前記キューイング遅延計測手段は、前記パケット到着時に前記所定のカウンタ値を加算する前の値を到着時カウンタ値とし、前記所定の計測時間の間での前記到着時カウンタ値の最大値をカウンタ最大値として基準値とし、前記カウンタ最大値と前記到着時カウンタ値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とする受信側ノード。
  8. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の受信側ノードであって、
    前記パケットカウンタは、前記パケットの到着時に所定のカウンタ値が減算され、通常時には前記送信側ノードが前記パケットを1つ送信する時間間隔に前記所定のカウンタ値と同じ値だけ加算される速さでカウンタ値が加算されることを特徴とする受信側ノード。
  9. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の受信側ノードであって、
    前記送信されてくる前記パケットはタイムスタンプパケットであり、前記パケットカウンタは、前記パケットの到着時に格納されるタイムスタンプ値と一つ前に到着した前記パケットに格納されるタイムスタンプ値の差分が所定の値のN(Nは1以上の自然数)倍である時に、前記所定のカウンタ値のN倍の値が減算され、通常時には前記送信側ノードが前記パケットを1つ送信する時間間隔に前記所定のカウンタ値と同じ値だけ加算される速さでカウンタ値が加算されることを特徴とする受信側ノード。
  10. 請求項8又は9に記載の受信側ノードであって、
    前記キューイング遅延計測手段は、前記パケット到着時に前記所定のカウンタ値を減算した後の値を到着時カウンタ値とし、前記所定の計測時間の間での前記到着時カウンタ値の最大値をカウンタ最大値として基準値とし、前記カウンタ最大値と前記到着時カウンタ値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とする受信側ノード。
  11. 請求項8又は9に記載の受信側ノードであって、
    前記キューイング遅延計測手段は、前記パケット到着時に前記所定のカウンタ値を減算する前の値を到着時カウンタ値とし、前記所定の計測時間の間での前記到着時カウンタ値の最大値をカウンタ最大値として基準値とし、前記カウンタ最大値と前記到着時カウンタ値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とする受信側ノード。
  12. 請求項1乃至11の何れか1項に記載の受信側ノードと、前記送信側ノードと相互に接続されている送信側ノードと、を備えるパケットネットワークシステムであって、
    前記送信側ノードが、
    パケットを生成するパケット生成手段と、
    前記パケット生成手段において生成した前記パケットを前記受信側ノードに対して定期的に送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とするパケットネットワークシステム。
  13. 送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてキューイング遅延を計測するキューイング遅延対処方法であって、
    前記受信側ノードが、前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信ステップと、
    前記受信側ノードのパケットカウンタが、前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理する第1のステップと、
    前記受信側ノードが、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測ステップと、
    を備えることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  14. 送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてクロックを同期させるキューイング遅延対処方法であって、
    前記受信側ノードが、前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信ステップと、
    前記受信側ノードのパケットカウンタが、前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理する第2のステップと、
    前記受信側ノードが、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測ステップと、
    前記受信側ノードのパケットフィルタが、前記キューイング遅延計測ステップで計測したキューイング遅延量と所定の閾値とを比較し、比較の結果前記閾値以下のキューイング遅延を含むと判断されたパケットのみを採用する第3のステップと、
    前記パケットフィルタにおいて採用された前記パケットを元に当該受信側ノードのクロックを再生する位相同期ステップと、
    を備えることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  15. 請求項13又は14に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記キューイング遅延計測ステップにおいて、所定の計測時間の間、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、送信されてきた前記パケットの中でキューイング遅延がゼロのパケットが到着した時のカウンタ値を検出し、その値を基準値とし、前記パケット到着時のカウンタ値と前記基準値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  16. 請求項13乃至15の何れか1項に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記パケットカウンタは、前記パケットの到着時に所定のカウンタ値が加算され、通常時には前記送信側ノードが前記パケットを1つ送信する時間間隔に前記所定のカウンタ値と同じ値だけ減算される速さでカウンタ値が減算されることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  17. 請求項13乃至15の何れか1項に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記送信されてくる前記パケットはタイムスタンプパケットであり、前記パケットカウンタは、前記パケットの到着時に格納されるタイムスタンプ値と一つ前に到着した前記パケットに格納されるタイムスタンプ値の差分が所定の値のN(Nは1以上の自然数)倍である時に、前記所定のカウンタ値のN倍の値が加算され、通常時には前記送信側ノードが前記パケットを1つ送信する時間間隔に前記所定のカウンタ値と同じ値だけ減算される速さでカウンタ値が減算されることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  18. 請求項16又は17に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記キューイング遅延計測ステップにおいて、前記パケット到着時に前記所定のカウンタ値を加算した後の値を到着時カウンタ値とし、前記所定の計測時間の間での前記到着時カウンタ値の最大値をカウンタ最大値として基準値とし、前記カウンタ最大値と前記到着時カウンタ値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  19. 請求項16又は17に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記キューイング遅延計測ステップにおいて、前記パケット到着時に前記所定のカウンタ値を加算する前の値を到着時カウンタ値とし、前記所定の計測時間の間での前記到着時カウンタ値の最大値をカウンタ最大値として基準値とし、前記カウンタ最大値と前記到着時カウンタ値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  20. 請求項13乃至15の何れか1項に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記パケットカウンタは、前記パケットの到着時に所定のカウンタ値が減算され、通常時には前記送信側ノードが前記パケットを1つ送信する時間間隔に前記所定のカウンタ値と同じ値だけ加算される速さでカウンタ値が加算されることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  21. 請求項13乃至15の何れか1項に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記送信されてくる前記パケットはタイムスタンプパケットであり、前記パケットカウンタは、前記パケットの到着時に格納されるタイムスタンプ値と一つ前に到着した前記パケットに格納されるタイムスタンプ値の差分が所定の値のN(Nは1以上の自然数)倍である時に、前記所定のカウンタ値のN倍の値が減算され、通常時には前記送信側ノードが前記パケットを1つ送信する時間間隔に前記所定のカウンタ値と同じ値だけ加算される速さでカウンタ値が加算されることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  22. 請求項20又は21に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記キューイング遅延計測ステップにおいて、前記パケット到着時に前記所定のカウンタ値を減算した後の値を到着時カウンタ値とし、前記所定の計測時間の間での前記到着時カウンタ値の最大値をカウンタ最大値として基準値とし、前記カウンタ最大値と前記到着時カウンタ値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  23. 請求項20又は21に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記キューイング遅延計測ステップにおいて、前記パケット到着時に前記所定のカウンタ値を減算する前の値を到着時カウンタ値とし、前記所定の計測時間の間での前記到着時カウンタ値の最大値をカウンタ最大値として基準値とし、前記カウンタ最大値と前記到着時カウンタ値との差分からキューイング遅延を求めることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  24. 請求項13乃至23の何れか1項に記載のキューイング遅延対処方法であって、
    前記送信側ノードが、パケットを生成するパケット生成ステップと、
    前記送信側ノードが、前記パケット生成ステップにおいて生成した前記パケットを前記受信側ノードに対して定期的に送信する送信ステップと、
    を更に備えることを特徴とするキューイング遅延対処方法。
  25. 送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてキューイング遅延を計測するキューイング遅延対処プログラムであって、
    前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信手段と、
    前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理するパケットカウンタと、
    前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測手段と、
    を備える受信側ノードとしてコンピュータを機能させることを特徴とするキューイング遅延対処プログラム。
  26. 送信側ノードと受信側ノードが相互に接続されており、送信側ノードが受信側ノードに対してパケットを送信するパケットネットワークにおいてクロックを同期させるキューイング遅延対処プログラムであって、
    前記送信側ノードが定期的に送信してくるパケットを受け取る受信手段と、
    前記受け取ったパケットの到着状況、及び、前記送信側ノードと同期するために前記受け取ったパケットに基づいて当該受信側ノードで生成した周波数のクロック、の一方に応じてカウンタ値を加算し他方に応じてカウンタ値を減算することによってカウンタ値管理するパケットカウンタと、
    前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、前記送信側ノードから送信されてきた前記パケットに対して前記パケットネットワーク内で付加されたキューイング遅延を計測するキューイング遅延計測手段と、
    前記キューイング遅延計測手段で計測したキューイング遅延量と所定の閾値とを比較し、比較の結果前記閾値以下のキューイング遅延を含むと判断されたパケットのみを採用するパケットフィルタと、
    前記パケットフィルタにおいて採用された前記パケットを元に当該受信側ノードのクロックを再生する位相同期手段と、
    を備える受信側ノードとしてコンピュータを機能させることを特徴とするキューイング遅延対処プログラム。
  27. 請求項25又は26に記載のキューイング遅延対処プログラムであって、
    前記キューイング遅延計測手段は、所定の計測時間の間、前記パケットカウンタの管理する前記カウンタ値を監視することにより、送信されてきた前記パケットの中でキューイング遅延がゼロのパケットが到着した時のカウンタ値を検出し、その値を基準値とし、前記パケット到着時のカウンタ値と前記基準値との差分からキューイング遅延を求める受信側ノードとしてコンピュータを機能させることを特徴とするキューイング遅延対処プログラム。
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